JP2002296824A - 感光体及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

感光体及びそれを用いた画像形成装置

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JP2002296824A JP2001102926A JP2001102926A JP2002296824A JP 2002296824 A JP2002296824 A JP 2002296824A JP 2001102926 A JP2001102926 A JP 2001102926A JP 2001102926 A JP2001102926 A JP 2001102926A JP 2002296824 A JP2002296824 A JP 2002296824A
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Junichi Yamazaki
純一 山崎
Katsuhiko Tani
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Chikayuki Iwata
周行 岩田
Takuji Kato
拓司 加藤
Yoshio Watanabe
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スジ状画像の発生がない感光体及びそれを用
いた高品質な画像形成が可能な画像形成装置を提供す
る。 【解決手段】 基体上に少なくとも感光層を設けた感光
体において、感光層の基体側界面の断面曲線を水平方向
にΔt[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲
線の高さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数
1)に従い離散的なフーリエ変換を行い、下式(数2)
により導出したパワースペクトルS(n/(N・Δ
t))が、nが下記条件(数3)を満たす領域で、複数
のピークを有することを特徴とする感光体。 【数1】 (ここで、n,mは整数、N=2p、pは整数である) 【数2】 【数3】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光体及びそれを
用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、画像情報の高精度な再現性の要求
のため、より高精細でより高解像度の画像形成が強く求
められている。画像形成が高解像度の場合、画像情報以
外に感光体そのものの情報が、形成する画像に出やす
い。特に、書き込み光にレーザー等の可干渉光を用いた
画像形成プロセスは、複写機、プリンター、FAX等の
デジタル画像を形成する電子写真の分野で広く用いられ
ているが、書き込み光に可干渉光を用いる電子写真プロ
セスでは可干渉光の感光体中での干渉により、画像に濃
淡縞が生じてしまう問題が生じやすい。
【0003】この濃淡縞は、感光体が2nd=mλ
(n:電荷輸送層の屈折率、d:電荷輸送層の膜厚、
λ:書き込み光の波長、m:整数)の関係を満たすとき
に書き込み光が強められて発生することが知られてい
る。即ち、例えばλ=780nm、n=2.0とする
と、電荷輸送層の膜厚が0.195μm変動する毎に一
組の濃淡縞が発生することになる。濃淡縞を完全になく
すためには、電荷輸送層の膜厚偏差を画像形成域全体に
ついて0.195μm以下とする必要があるが、そのよ
うな感光体を作成することは経済性の面で大変困難であ
るため、濃淡縞の抑制について種々の方法が提案されて
いる。
【0004】例えば、特開昭57−165845号公報
では、a−Siを電荷発生層に用いた感光体において、
アルミニウム基体上に光吸収層を設けて、アルミニウム
基体での鏡面反射をなくすことにより、濃淡縞の発生を
防ぐ感光体が開示されている。この手法は、a−Siの
ように感光体の層構成がアルミニウム基体/電荷輸送層
/電荷発生層のような感光体には大変有効であるが、多
くの有機感光体で見られるようなアルミニウム基体/電
荷発生層/電荷輸送層の構成の感光体では効果は少なか
った。
【0005】特開平7−295269号公報では、アル
ミニウム基体/下引層/電荷発生層/電荷輸送層の層構
成の感光体において、アルミニウム基体表面に光吸収層
を設けて濃淡縞を防止する感光体が開示されているが、
完全には濃淡縞を抑えることができなかった。
【0006】特公平7−27262号公報には、円筒状
支持体の中心軸を含む面で切断した凸部の断面形状が主
ピークに副ピークが重畳された凸状形状である支持体を
用いた感光体と、前記主ピークの1周期の大きさより小
さい径で可干渉光を露光するための光学系を備えた電子
写真装置が開示されている。この電子写真装置は、より
限定された一部の感光体については濃淡縞がかなり抑制
される場合があるものの、円筒状支持体の中心軸を含む
面で切断した凸部の断面形状が、主ピークに副ピークが
重畳された凸状形状である支持体を用いた感光体であっ
ても、濃淡縞の発生するものは数多くあった。
【0007】基体の表面粗さのパラメータを規定した感
光体(例えば特開平10−301311号公報)も提案
されている。この感光体は、電子写真装置の解像度が低
い場合には、濃淡縞を抑えられる場合もあるが、電子写
真装置の解像度が高くなると、従来から用いられている
表面粗さのパラメータ(最大高さ(Rmax)、十点平
均粗さ(Rz)、中心線平均粗さ(Ra)等)で基体の
表面粗さを規定しても濃淡縞は完全になくすための条件
を定めることができなかった。
【0008】このように、濃淡縞を完全になくすための
条件は完全は分かっていないが、基体の表面を荒すこと
で、濃淡縞が低減されることが多いため、切削等により
基体表面に微細な凹凸を設けて感光体を作製し、画像形
成装置に搭載して使用していることが多い。しかしなが
ら、画像形成装置の解像度が低いうちは大きな問題は生
じていなかったが、高解像度の画像形成装置では、スジ
状の異常画像が画像全面に多発する場合があり、そのス
ジの方向は感光体の円周方向であり、スジの間隔はほぼ
等間隔であることが多かった。感光体を連続生産時のど
のような場合に、スジ状画像が発生する感光体が生産さ
れるか調査したところ、感光体基体の切削に用いるバイ
トの交換時期と関係があり、特にバイト交換時にスジ状
画像が発生する感光体が製造されることが多かった。従
って、基体表面の状態がスジ状画像と関係していること
が推測されるものの、従来から用いられている表面粗さ
のパラメータではスジ状画像の発生しない感光体の基体
表面状態を規定することは全くできなかった。
【0009】また、感光体の基体表面の凹凸の周期と画
像形成装置の書き込み光の周期とが特定の関係のとき、
感光体の円周方向に沿った濃淡縞が発生する場合があ
り、それを解決する手段として、例えば特開平7−77
817号公報にあるように、感光体の基体表面の凹凸
と、書き込み光とをそれぞれ正弦波に変換し、それらの
正弦波を合成した波のうねりを見て、感光体表面の加工
方法を制御する方法が開示されている。しかしながら、
合成された波のうねりは、書き込み光の周期の整数倍で
起こるため、画像形成装置の解像度が上がるに従い、書
き込み光の周期は短くなるので、感光体の円周方向に沿
った濃淡縞を防止しうる感光体基体の凹凸の周期を選択
できる領域が非常に狭くなってしまい、生産性が極めて
悪くなる問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題を解決し、スジ状あるいは濃淡縞画像の発生が
ない感光体及びそれを用いた高品質な画像形成が可能な
画像形成装置を提供することをその課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々のス
ジ状画像の発生する感光体と発生しない感光体でどのよ
うに異なるか検討を重ねた結果、スジ状画像が発生する
感光体では、感光体の長軸方向の潜像電位がほぼ等間隔
で変動しており、その変動の大きさが、スジ状画像の発
生しない感光体に比べて大きいのではないかとの考察に
至った。その考察を裏付けるため、それらの感光体を詳
細に観察したところ、電荷発生層の付着量が感光体の長
軸方向でスジ状画像の間隔とほぼ等しい間隔で変動して
いることを見出し、その変動の間隔は、感光層の基体側
界面の大きな凹凸とほぼ同じであった。一方、スジ状画
像の発生しない感光体では、スジ状画像の発生する感光
体と同様の感光層の基体側界面の大きな凹凸はあるもの
の、形状の規則性に劣る傾向にあった。ただ形状の規則
性が非常に少なくなったものは、大きな凹凸そのものを
認めることが難しくなり、巨視的には平滑な面に近づ
き、その感光体はスジ状画像の発生はないものの、木目
状の濃淡縞あるいは帯状の濃淡縞が画像に現れることが
多い傾向にあった。
【0012】感光体の基体は前述したように、切削等に
より凹凸が設けられている。この基体上に電荷発生層を
浸漬塗工法により塗布すると、乾燥過程で塗工液が基体
の凸部に比べて凹部に移動しやすいため、基体の凹凸を
反映して電荷発生層の付着量の変動が生じやすくなると
思われる。この変動は基体の凹凸の間隔の大きなところ
で起こりやすく、その幅は肉眼で認識できる範囲となる
ため、異常画像として問題となると思われる。また、電
荷発生層の付着量の変動が規則正しく、その変動の周期
が書き込み光の周期の整数倍付近となると、書き込み光
が照射されて形成する画素は濃淡の周期性を持ってしま
うため、濃淡縞画像となってしまうものと思われる。
【0013】また、木目状あるいは帯状の濃淡縞の発生
については、感光層の基体側界面に、適切な凹凸を設け
ることで微細な濃淡縞を発生させても、その濃淡縞の間
隔が十分狭ければ、結果として濃淡縞の発生を肉眼で確
認できなくなると言う考えに基づき、感光体の基体側界
面をどのように制御すれば濃淡縞画像の問題のない感光
体を提供できるか鋭意検討を重ねた結果、感光体の基体
側界面には微細な凹凸があり、その微細な凹凸は多数の
波から構成されていることを見出し、感光体の基体側界
面を前述のような好ましい状態にするにはそれら全ての
波のパワーを一定以上に強くすればよいことを知見し
た。
【0014】全体の波のパワーが強いという事は、感光
体の基体側界面全体が大きく変動していることを意味
し、即ち十分に荒れていることになり、発生する濃淡縞
の間隔を十分狭くすることができ、濃淡縞画像は肉眼で
判読することができなくできる。全体の波のパワーを強
くするためには、規則性のある大きな凹凸の波を設ける
ことが非常に有効である。しかし、このような感光体
は、木目状あるいは帯状の濃淡縞の発生はないものの、
微細なスジ状画像が発生しやすい傾向にあった。
【0015】本発明は、上記検討結果によりなされたも
のであり、下記の技術的手段の採用により、スジ状画
像、濃淡縞の発生がない感光体及びそれを用いた高品質
な画像形成が可能な画像形成装置を実現したものであ
る。即ち、本発明によれば、下記の感光体及びそれを用
いた画像形成装置が提供される。 (1)基体上に少なくとも感光層を設けた感光体におい
て、感光層の基体側界面の断面曲線を水平方向にΔt
[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高
さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数16)に
従い離散的なフーリエ変換を行い、下式(数17)によ
り導出したパワースペクトルS(n/(N・Δt))
が、nが下記条件(数18)を満たす領域で、複数のピ
ークを有することを特徴とする感光体。
【数16】 (ここで、n,mは整数、N=2p、pは整数である)
【数17】
【数18】 (2)前記パワースペクトルS(n/(N・Δt))
が、nが上記条件(数18)を満たす領域で、下記条件
(数19)を満たす複数のピークを有していることを特
徴とする前記(1)に記載の感光体。
【数19】 (3)Δtが0.01〜50.00μm、Nが2048
以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の感
光体。 (4)下式(数20)により導出したI(S)が6.0
×10-3以上であることを特徴とする前記(1)〜
(3)のいずれかに記載の感光体。
【数20】 (5)基体上に下引層を介して少なくとも感光層を設け
た感光体において、下引層の断面曲線を水平方向にΔt
[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高
さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数21)に
従い離散的なフーリエ変換を行い、下式(数22)によ
り導出したパワースペクトルS(n/(N・Δt))
が、nが下記条件(数23)を満たす領域で、複数のピ
ークを有することを特徴とする感光体。
【数21】 (ここで、n,mは整数、N=2p、pは整数である)
【数22】
【数23】 (6)前記パワースペクトルS(n/(N・Δt))
が、nが上記条件(数23)を満たす領域で、下記条件
(数24)を満たす複数のピークを有していることを特
徴とする前記(5)に記載の感光体。
【数24】 (7)Δtが0.01〜50.00μm、Nが2048
以上であることを特徴とする前記(6)に記載の感光
体。 (8)下式(数20)により導出したI(S)が6.0
×10-3以上であることを特徴とする上記(5)〜
(7)のいずれかに記載の感光体。
【数25】 (9)基体上に少なくとも感光層を設けた感光体におい
て、基体表面の断面曲線を水平方向にΔt[μm]の間
隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx(t)
[μm]のデータ群に対し下式(数26)に従い離散的
なフーリエ変換を行い、下式(数27)により導出した
パワースペクトルS(n/(N・Δt))が、nが下記
条件(数28)を満たす領域で、複数のピークを有する
ことを特徴とする感光体。
【数26】 (ここで、n,mは整数、N=2p、pは整数である)
【数27】
【数28】 (10)前記パワースペクトルS(n/(N・Δt))
が、nが上記条件(数28)を満たす領域で、下記条件
(数29)を満たす複数のピークを有していることを特
徴とする前記(9)に記載の感光体。
【数29】 (11)Δtが0.01〜50.00μm、Nが204
8以上であることを特徴とする前記(9)又は(10)
に記載の感光体。 (12)下式(数30)により導出したI(S)が1
2.0×10-3以上であることを特徴とする前記(9)
〜(11)のいずれかに記載の感光体。
【数30】 (13)感光体の感光層の膜厚が15μm以下であるこ
とを特徴とする前記(1)〜(12)のいずれかに記載
の感光体。 (14)前記(1)〜(13)のいずれかに記載の感光
体を用いるとともに、書き込み光として可干渉光を用い
ることを特徴とする画像形成装置。 (15)多値方式による階調再現方法により書き込み画
像を感光体に出力させることを特徴とする前記(14)
に記載の画像形成装置。 (16)カラー画像形成可能であることを特徴とする前
記(14)又は(15)に記載の画像形成装置。 (17)感光体上に各色のトナー画像を形成後、中間転
写ベルト上に各色のトナーを転写し、出力媒体に中間転
写ベルト上に積層されたトナーを2次転写することによ
り、画像形成を行うタイプのものであることを特徴とす
る請求項16に記載の画像形成装置。 (18)中間転写ベルトが弾性を有していることを特徴
とする前記(17)に記載の画像形成装置。 (19)複数の感光体を有し、それぞれの感光体に、異
なる色のトナー画像を形成し、弾性を有する中間転写ベ
ルトに各色のトナー画像を順次積層した後、出力媒体へ
積層されたトナーを二次転写することにより、画像形成
を行うタイプのものであることを特徴とする前記(1
4)〜(18)のいずれかに記載の画像形成装置。 (20)感光体への書き込みが、複数のレーザー光を同
時に照射することにより行われることを特徴とする前記
(14)〜(19)のいずれかに記載の画像形成装置。 (21)書き込み画像の解像が1000dpi以上であ
ることを特徴とする前記(14)〜(20)のいずれか
に記載の画像形成装置。
【0016】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明の感光体は、基体上に少なくとも電荷発生物質及び
電荷輸送物質を含有した感光層を設けた構成であり、必
要により下引層、保護層を設けることもできる。本発明
の感光体は、電荷発生層と電荷輸送層を別々に積層した
積層型、電荷発生物質と電荷輸送物質が混合されている
単層型、いずれの感光体においても優れた性能を示す。
本発明における感光層の基体側界面の断面曲線は、感光
層の形成によって感光層より基体側の層あるいは基体が
溶解、変形等が起こらない限り、感光層が積層される層
あるいは基体の断面曲線を代用できる。即ち、感光体が
下引層を有する場合には、下引層表面の断面曲線を代用
することができ、感光体が下引層を有していない場合に
は、基体表面の断面曲線を代用することができる。
【0017】本発明における断面曲線の測定方法として
は、光学的方法、電気的方法、電気化学的方法、物理的
方法等、再現性が良く、測定精度の高く、簡便な方法で
あればどのような方法であっても良いが、光学的方法、
物理的方法が簡便さの点で好ましく、中でも物理的方法
で触芯式による測定方法が、再現性、測定精度の点で最
も好ましい。
【0018】本発明の感光体は、基体上に少なくとも感
光層を設けた感光体において、感光層の基体側界面の断
面曲線を水平方向にΔt[μm]の間隔で、N個サンプ
リングした断面曲線の高さx(t)[μm]のデータ群
に対し下式(数31)に従い離散的なフーリエ変換を行
い、下式(数32)により導出したパワースペクトルS
(n/(N・Δt))が、nが下記条件(数33)を満
たす領域で、複数のピークを有することを特徴とするも
のである。
【数31】 (ここで、n,mは整数、N=2p、pは整数である)
【数32】
【数33】
【0019】nが(数33)を満たす領域で、パワース
ペクトルが複数のピークを有することにより、感光層の
基体側界面の断面曲線は複数の波長の波の合成となり、
断面曲線の波形はランダムに近い形状になるため、スジ
状画像の発生はなくなる。
【0020】nが1/25<n/(N・Δt)の領域、
即ち感光層の基体側界面の断面曲線を構成する波のう
ち、波長が約25μm未満の波は断面曲線の規則性を崩
す効果が小さく、パワーも小さい傾向にあるため、濃淡
縞等の異常画像を防止する効果が小さい。一方、1/2
00>n/(N・Δt)の領域、即ち波長が約200μ
mを超える波は、肉眼で十分認識できる波であるため、
パワーがあまりに大きいと、スジ状画像が発生する可能
性が高く好ましくない。
【0021】サンプリング方向は基本的には任意の方向
とすることができるが、通常は主走査方向か副走査方向
のいずれか一方が好ましく、特に、ドラム状感光体の場
合は図1において矢印で示すような主走査方向(長手方
向)とすることが好ましい。
【0022】本発明におけるnが上記条件(数33)を
満たす領域で、パワースペクトルのピークとは、パワー
スペクトルの形状が上に凸となる部分だけでなく、nが
隣接する場所であっても、パワースペクトルの値が一定
以上であればそれぞれピークとする。
【0023】本発明の感光体における感光層の基体側界
面の断面曲線のパワースペクトルのnが上記条件(数3
3)を満たす領域で存在する複数のピークの大きさは、
断面曲線の規則性を崩すことによる微細なスジ状画像の
防止、感光体の基体側界面全体を大きく変動させて濃淡
縞画像を防止する目的では大変重要であり、ピークの大
きさS(n/(N・Δt))は、下記条件(数34)で
あり、好ましくは下記条件(数35)、さらに好ましく
は下記条件(数36)である。
【数34】
【数35】
【数36】
【0024】ピークの大きさが(数33)に規定する値
より小さいと、断面曲線の規則性を崩すことによるスジ
状画像の防止、感光体の基体側界面全体が大きく変動さ
せて濃淡縞画像を防止する効果が共に小さくほとんど役
に立たない。ピークの数は多ければ多いほど、濃淡縞を
防止する効果が高く、少なくとも2個以上、好ましくは
3個以上である。ピークの数が複数あるということは、
波長の異なる波が複数あることであり、断面曲線の規則
性を崩すことによる微細なスジ状画像の防止を行うこと
ができる。
【0025】本発明の感光体における感光層の基体側界
面の断面曲線のパワースペクトルにおいて、変動の全エ
ネルギーと関係する下記式(数37)で表されるI
(S)は6.0×10-3以上、好ましくは8.0×10
-3以上、さらに好ましくは9.0×10-3以上である。
【数37】 I(S)の値が6.0×10-3未満では基体側界面全体
の波のエネルギーが弱いため、濃淡縞の間隔が広くなる
部分が存在しやすくなり、濃淡縞画像として問題となり
やすい。I(S)の値は、濃淡縞画像の抑制のみの目的
では大きいほど良いが、あまり大きくなりすぎるとバリ
による短絡やバリ周辺に感光体材料が凝集しやすく、濃
淡縞画像とは別の異常画像が発生しやすいため、画像形
成装置にもよるが、上限値としては100.0×10-3
以下、好ましくは80.0×10 -3以下、より好ましく
は60.0×10-3以下である。
【0026】感光体の感光層の基体側界面の断面曲線の
水平方向の長さをt[μm]としたとき、表面粗さx
(t)[μm]は、不規則変動量であるが、どのような
不規則変動も種々の周波数の正弦波的変動を適当な位相
と振幅で合成して得られる。つまり、これはフーリエ変
換により表現できる。
【数38】
【数39】 (上記式中kは波数[μm-1;1μmの長さ当たりの波
の数]。フーリエ成分X(k)は、不規則変動量x
(t)に含まれる、波数k[すなわち波長で言うとλ=
1/k[μm]の波の振幅]を表している。|X(k)
2は、波数kの成分波のエネルギーを表している。)
【0027】次に波数kとその成分波のエネルギー|X
(k)|2の分布関係(スペクトル)の考察を行う。
【数40】 S(k)は、単位区間[1μm]当たりの断面曲線の波
数kの成分波の平均エネルギーであり、S(k)をパワ
ースペクトルと定義する。しかしながら実際は、断面曲
線の高さx(t)は、−∞<t<∞で定義できる訳では
なく、測定は断面曲線内の一部分−T/2≦t≦T/2
でなされる。ここでTは全測定区間の長さである。この
ため、T→∞の極限をとるのではなく、波長1/kに対
して巨視的物理量としての平均が意味を持つ程度に十分
大きいTをとり、下式(数41)を計算すれば、実質的
には、T→∞の極限をとったものと一致する。
【数41】
【0028】フーリエ変換も、離散的なフーリエ変換を
用いるために以下のような変更がなされる。
【数42】 (ここで、n,mは整数、ただし、Nは、表面粗さのサ
ンプリング点数で、N=2pの形で表される整数の必要
がある。Δt[μm]は、断面曲線の高さの測定点(サ
ンプリング)間隔であり、T/Δt=Nの関係があ
る。)
【0029】断面曲線の水平方向の測定範囲Tは短すぎ
ると変換に係る波の数が少なくなるため誤差が大きくな
ったり、存在すべき波を評価できなくなったりする。測
定範囲Tは、Δt、Nの値により適切な値を選択する必
要がある。本発明の感光体において、Δtは0.01〜
50.00μm、好ましくは0.05〜40.00μ
m、より好ましくは0.10〜30.00μmである。
サンプリング数Nが無限大であればΔtは小さいほど正
確に断面曲線を再現できるため好ましいのであるが、Δ
tが0.01μm未満では、断面曲線を構成する全ての
波をサンプリングできるように測定範囲Tを十分な大き
さにするためには膨大な数のサンプリングが必要となり
計算に負担がかかるため、結果的に測定範囲Tを小さく
することになってしまい、誤差が大きくなりやすい。Δ
tが50.00μmを超えると、感光体の特性に関係す
る多くの波を抽出することができなくなり、好ましくな
い。サンプリング数Nは計算の負担を考えなければ、大
きいほどよいが、実用的には、2048以上、好ましく
は4096以上、より好ましくは8192以上であるこ
とが誤差を小さくできる上で好ましい。
【0030】本発明者らは、本発明の感光体における感
光体の表面のサンプリング点数N及びΔtの各組み合わ
せについてそれぞれパワースペクトルを求め検討した結
果、本発明の実施例に用いられているサンプリング間隔
Δt=0.31[μm]のとき、N=4096では、パ
ワースペクトルは十分に収束していることを確認した。
【0031】具体的な離散的なフーリエ変換でのパワー
スペクトル導出には、以下の計算を行う。
【数43】
【0032】下記総和(数44)は、測定された断面曲
線の全エネルギーを表している。
【数44】 しかしながら、この値は、測定条件により変化してしま
う。そのため、Nで規格化したI(S)は普遍的なパラ
メータとして用いることができる。すなわちI(S)
は、下式(数45)により算出することができる。
【数45】 この積分値もΔt=0.31[μm]のときは、N=4
096ならば、数%誤差内に収束することが確認されて
いる。
【0033】別の見方をすれば、感光体の基体の表面粗
さの測定値のサンプリング間隔(実空間)Δt[μ
m]、パワースペクトルのサンプリング間隔(逆空間)
Δn=1/(N・Δt)[μm-1]となるが、これは、
断面曲線の高さx(t)の定義域が、T=N・Δtの区
間であることによるためで、逆空間でのΔn=1/(N
・Δt)間隔のサンプル値のフーリエスペクトルによ
り、原信号x(t)が再現することを意味しており、こ
こで再現できる断面曲線の変動周期は、[シャノン(S
hannon)のサンプリング定理によると]、2Δt
程度である。現在考察している現象に関しては、この程
度以上の変動周期の表面粗さが関与しており、Δt=
0.31[μm]のサンプリング間隔で十分であるが、
現象によってはさらに細かい周期の変動を考察対象とす
る必要がある。この時は、それに応じて、サンプリング
間隔を短くすればよい。
【0034】また、本発明の感光体が、下引層を介し
て、感光層を設ける場合においては、本発明の感光体
は、下引層の断面曲線を水平方向にΔt[μm]の間隔
で、N個サンプリングした断面曲線の高さx(t)[μ
m]のデータ群に対し下式(数46)に従い離散的なフ
ーリエ変換を行い、下式(数47)により導出したパワ
ースペクトルS(n/(N・Δt))が、nが下記条件
(数48)を満たす領域で、複数のピークを有すること
を特徴とするものである。
【数46】 (ここで、n,mは整数、N=2p、pは整数である)
【数47】
【数48】 nが(数48)を満たす領域で、パワースペクトルが複
数のピークを有することにより、下引層の断面曲線は複
数の波長の波の合成となり、断面曲線の波形はランダム
に近い形状になるため、スジ状画像の発生はなくなる。
【0035】nが1/25<n/(N・Δt)の領域、
即ち下引層の断面曲線を構成する波のうち、波長が約2
5μm未満の波は断面曲線の規則性を崩す効果が小さ
く、パワーも小さい傾向にあるため、濃淡縞等の異常画
像を防止する効果が小さい。一方、1/200>n/
(N・Δt)の領域、即ち波長が約200μmを超える
波は、肉眼で十分認識できる波であるため、パワーがあ
まりに大きいと、スジ状画像が発生する可能性が高く好
ましくない。
【0036】前述のように、感光層積層により、下引層
の溶解あるいは膨潤等による変形が生じない限り、感光
層の基体側界面の断面曲線は下引層の断面曲線とほぼ同
じとなるため、下引層の表面状態を制御することは極め
て重要である。
【0037】本発明におけるnが上記条件(数48)を
満たす領域で、パワースペクトルのピークとは、パワー
スペクトルの形状が上に凸となる部分だけでなく、nが
隣接する場所であっても、パワースペクトルの値が一定
以上であればそれぞれピークとする。
【0038】本発明の感光体における下引層の断面曲線
のパワースペクトルのnが上記条件(数48)を満たす
領域で存在する複数のピークの大きさは、断面曲線の規
則性を崩すことによる微細なスジ状画像の防止、感光体
の基体側界面全体を大きく変動させて濃淡縞画像を防止
する目的では大変重要であり、ピークの大きさS(n/
(N・Δt))は、下記条件(数49)であり、好まし
くは下記条件(数50)、さらに好ましくは下記条件
(数51)である。
【数49】
【数50】
【数51】
【0039】ピークの大きさが(数48)に規定する値
より小さいと、断面曲線の規則性を崩すことによるスジ
状画像の防止、感光体の基体側界面全体が大きく変動さ
せて濃淡縞画像を防止する効果が共に小さくほとんど役
に立たない。ピークの数は多ければ多いほど、濃淡縞を
防止する効果が高く、少なくとも2個以上、好ましくは
3個以上である。ピークの数が複数あるということは、
波長の異なる波が複数あることであり、断面曲線の規則
性を崩すことによる微細なスジ状画像の防止を行うこと
ができる。
【0040】本発明の感光体における感光層の基体側界
面の断面曲線のパワースペクトルにおいて、変動の全エ
ネルギーと関係する下記式(数52)で表されるI
(S)は6.0×10-3以上、好ましくは8.0×10
-3以上、さらに好ましくは9.0×10-3以上である。
【数52】 I(S)の値が6.0×10-3未満では下引層の波のエ
ネルギーが弱いため、濃淡縞の間隔が広くなる部分が存
在しやすくなり、濃淡縞画像として問題となりやすい。
I(S)の値は、濃淡縞画像の抑制のみの目的では大き
いほど良いが、あまり大きくなりすぎるとバリによる短
絡やバリ周辺に感光体材料が凝集しやすく、濃淡縞画像
とは別の異常画像が発生しやすいため、画像形成装置に
もよるが、上限値としては100.0×10-3以下、好
ましくは80.0×10-3以下、より好ましくは60.
0×10-3以下である。
【0041】下引層の断面曲線を制御する方法として
は、下引層形成後、下引層を物理的、化学的方法、ある
いは熱により加工する方法、下引層に粒子を混在させる
方法、下引層が湿式方により形成される場合、下引層積
層時の環境(温度、湿度、気圧等)を制御する方法、下
引層塗工液に蒸発速度の異なる溶媒を混合して使用する
方法、極性の異なる溶媒を混合して使用する方法、浸漬
塗工法、スプレー法等の塗工条件により制御する方法、
基体表面を制御する方法等が例示でき、これらを単独あ
るいはいくつかの方法を組み合わせて行われる。これら
の中でも、基体表面を制御する方法、下引層に粒子を混
在させる方法、塗工条件により制御する方法が好まし
い。塗工方法として、スプレー法を用いる場合、塗工液
は、液滴となって塗工されるため、下引層の表面状態を
比較的容易に制御することができ好ましい。
【0042】感光層の基体側界面の断面曲線のパワース
ペクトルにおいて、nが前記条件(数33(48))を
満たす領域でのピークの制御及びI(S)を制御するた
めには、基体表面の断面曲線を制御することが極めて有
効である。これは、感光体が、下引層を有していない場
合は当然であるが、下引層を有している場合、基体に下
引層を積層した後、感光層が積層されるが、下引層が極
端に厚いものでない限り、基体表面の凹凸の多くは、下
引層表面にも強く反映されているためであり、下引層の
組成、積層方法等を制御するよりも基体表面の断面曲線
を制御する方が容易で、かつ効果が極めて高いことによ
る。
【0043】本発明の感光体の好ましい基体表面の断面
曲線は、感光層の基体側界面の断面曲線と同じように測
定される基体表面の断面曲線のパワースペクトルにおい
て、nが前記条件(数33(48))を満たす領域で、
パワースペクトルが複数のピークを有している。ピーク
の数は多ければ多いほど、濃淡縞を防止する効果が高
く、少なくとも2個以上、好ましくは3個以上である。
ピークの数が複数あるということは、波長の異なる波が
複数あることであり、断面曲線の規則性を崩すことによ
る微細なスジ状画像の防止を行うことができる。
【0044】nが1/25<n/(N・Δt)の領域、
即ち波長が約25μm未満の波は断面曲線の規則性を崩
す効果が小さく、パワーも小さい傾向にあるため、濃淡
縞等の異常画像を防止する効果が小さい。一方、1/2
00>n/(N・Δt)の領域、即ち波長が約200μ
mより大きい波は、肉眼で十分認識できるものであるた
め、パワーがあまりに大きいと、スジ状画像の発生につ
ながる傾向にある。
【0045】本発明の感光体における感光層の基体側界
面の断面曲線のパワースペクトルのnが前記条件(数3
3(48))を満たす領域で存在する複数のピークの大
きさは、断面曲線の規則性を崩すことによるスジ状画像
の防止、感光体の基体側界面全体が大きく変動させて濃
淡縞画像を防止する目的では大変重要であり、ピークの
大きさS(n/(N・Δt))は、下記条件(数53)
であり、好ましくは下記条件(数54)であり、さらに
好ましくは下記条件(数55)である。
【数53】
【数54】
【数55】
【0046】ピークの大きさが(数54)に規定する値
より小さいと、断面曲線の規則性を崩すことによるスジ
状画像の防止、感光体の基体側界面全体が大きく変動さ
せて濃淡縞画像を防止する効果が共に小さく、特に下引
層を設けた場合にはほとんど役に立たない。ピークの数
は多ければ多いほど、濃淡縞を防止する効果が高く、少
なくとも2個以上、好ましくは3個以上である。ピーク
の数が複数あるということは、波長の異なる波が複数あ
ることであり、断面曲線の規則性を崩すことによる微細
なスジ状画像の防止を行うことができる。
【0047】本発明の感光体における基体表面の断面曲
線のI(S)は12.0×10-3以上、好ましくは1
4.0×10-3以上、より好ましくは16.0×10-3
以上である。I(S)の値が12.0×10-3未満では
下引層を設けた感光体で特に感光層基体側界面全体の波
の強さが弱くなり、濃淡縞の間隔が広くなる部分が存在
しやすくなるため、濃淡縞画像として問題となりやす
い。基体表面の断面曲線のパワースペクトルから導出し
たI(S)の値は、濃淡縞画像の抑制のみの目的では大
きいほど良いが、あまり大きくなりすぎるとバリによる
短絡やバリ周辺に感光体材料が凝集しやすく、濃淡縞画
像とは別の異常画像が発生しやすいため、画像形成装置
にもよるが、上限値としては150.0×10-3以下、
好ましくは125.0×10-3以下、より好ましくは1
00.0×10-3以下である。
【0048】本発明の感光体の感光層の厚みは、感光体
の用いられる画像形成装置の求める静電特性、解像度に
応じて適宜選定されるが、高解像度が求められる15μ
m以下、好ましくは14μm以下の場合に効果が高い。
感光層の厚みが15μm以下の感光体は、高解像度であ
る反面、感光体固有の情報も書き込み画像に重畳して画
像形成しやすいため、従来の感光体ではスジ状画像、濃
淡縞による異常画像が極めて起こりやすかったが、本発
明の感光体ではほとんど起きることはない。
【0049】本発明の感光体の基体としては、銅、アル
ミニウム、金、銀、白金、鉄、パラジウム、ニッケル等
の金属あるいはこれら金属を主成分とする合金をドラム
状あるいはベルト状に形成したものや、上記の金属、酸
化錫、酸化インジウム等をプラスチックフィルム等に真
空蒸着、無電解メッキ等によって付着させたベルトを例
示することができる。本発明の感光体の基体表面は、感
光層との接着性を向上させるために下引層の積層、陽極
酸化皮膜形成、切削、ブラスト、ホーニング等により表
面加工を施されていることが好ましい。また前述のよう
に、スジ状画像、濃淡縞の異常画像を抑制するために基
体表面を前述のように制御していることが好ましく、基
体の組成、作成条件等を制御したり、物理的、化学的、
電気化学的等の方法により荒らすことが好ましい。中で
も切削、ブラスト等の物理的加工方法が荒らす効果が高
く好ましい。
【0050】本発明の感光体の下引層としては樹脂、あ
るいは白色顔料と樹脂を主成分としたもの、及び導電性
基体表面を化学的あるいは電気化学的に酸化させた酸化
金属膜等が例示できるが、白色顔料と樹脂を主成分とす
るものが好ましい。白色顔料としては、酸化チタン、酸
化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の金属
酸化物が挙げられ、中でも導電性基体からの電荷の注入
防止性が優れる酸化チタンを含有させることが最も好ま
しい。下引層に用いる樹脂としてはポリアミド、ポリビ
ニルアルコール、カゼイン、メチルセルロース等の熱可
塑性樹脂、アクリル、フェノール、メラミン、アルキッ
ド、不飽和ポリエステル、エポキシ等熱の硬化性樹脂、
これらの中の一種あるいは複数種の混合物を例示するこ
とができる。
【0051】本発明の感光体に用いる電荷発生剤として
は、例えば、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、トリス
アゾ系顔料、テトラキスアゾ顔料、トリアリールメタン
系染料、チアジン系染料、オキサジン系染料、キサンテ
ン系染料、シアニン系色素、スチリル系色素、ビリリウ
ム系染料、キナクリドン系顔料、インジゴ系顔料、ペリ
レン系顔料、多環キノン系顔料、ビスベンズイミダゾー
ル系顔料、インダスロン系顔料、スクアリリウム系顔
料、フタロシアニン系顔料等の有機系顔料及び染料や、
セレン、セレン−ヒ素、セレン−テルル、硫化カドミウ
ム、酸化亜鉛、酸化チタン、アモルファスシリコン等の
無機材料を使用することができ、電荷発生剤は一種ある
いは複数種を混合して用いることができる。
【0052】本発明の電子写真感光体に用いる電荷輸送
材料としては、例えば、アントラセン誘導体、ピレン誘
導体、カルバゾール誘導体、テトラゾール誘導体、メタ
ロセン誘導体、フェノチアジン誘導体、ピラゾリン化合
物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチリルヒド
ラゾン化合物、エナミン化合物、ブタジエン化合物、ジ
スチリル化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾー
ル化合物、チアゾール化合物、イミダゾール化合物、ト
リフェニルアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、
アミノスチルベン誘導体及びトリフェニルメタン誘導体
等の一種あるいは複数種を混合して使用することができ
る。
【0053】上記電荷発生層、電荷輸送層の感光層を形
成するのに使用する結着樹脂としては、電気絶縁性であ
り、それ自体公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬
化性樹脂及び光導電性樹脂等を使用することができ、適
当な結着樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩
化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポ
リビニルアセタール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、
(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネー
ト、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスル
ホン、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、
エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、イソシア
ネート樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化
性アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリビニルカルバゾ
ール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の
光導電性樹脂など一種の結着樹脂あるいは複数種と結着
樹脂の混合を挙げることができるが、特に、これらのも
のに限定されるものではない。
【0054】本発明の感光体は、複写機、プリンター、
FAX等の画像形成装置に用いることにより極めて高画
質の画像形成が可能となる。
【0055】本発明の画像形成装置は、書き込み光が、
非干渉光、可干渉光、いずれにおいても高画質の画像形
成が可能であるが、特に高度の画像処理、画像形成が容
易な可干渉光を用いた場合においてもスジ状画像、濃淡
縞の異常画像を発生させることないため、高解像度、高
精細な画像品質の優れた画像形成が可能となる。
【0056】本発明の画像形成装置の書き込み画像の解
像度は、制限されるものではないが、特に1000dp
i以上、さらには1200dpi以上の高解像度のとき
においても画像品質の優れた画像形成が可能である。こ
のような高解像度の書き込み画像では、感光体固有の情
報も書き込み画像に重畳されて画像形成されやすいた
め、従来の感光体を用いた画像形成装置ではスジ状画
像、濃淡縞による異常画像が極めて起こりやすかった
が、本発明の感光体を用いた画像形成装置ではほとんど
起きることはない。
【0057】本発明の画像形成装置の書き込み光の波長
は特に制限はないが、本発明の画像形成装置によれば、
700nm以下、好ましくは675nm以下、特に好ま
しくは400〜600nmの高解像の書き込み画像を実
現することができる短波長の書き込み光に対しても濃淡
縞の異常画像を発生させることなく、高解像度、高精細
で画像品質の優れた画像形成が可能となる。
【0058】本発明の画像形成装置の書き込み画像の階
調再現方法としては、特に制限はない。多値方式による
階調再現方法においては、画素の濃度が多段階に設定さ
れるため、特に写真等の画像形成を行う場合には、忠実
な画像形成が可能である反面、従来の感光体を用いた画
像形成装置では濃淡縞が目立ちやすく、特にパルス幅変
調、パワー変調あるいはパルス幅変調とパワー変調を組
合わせた場合、その傾向が極めて高かった。しかし、本
発明の感光体を用いた画像形成装置では、多値方式によ
る階調再現方法であっても、濃淡縞が発生することはな
い。
【0059】本発明の画像形成装置は、単色、多色、カ
ラー画像形成、いずれにおいても、濃淡縞の発生のな
い、高品質な画像形成が可能である。一般に、カラー画
像は、書き込み画像により忠実な画像形成を要求される
ことが多く、それぞれの色を重ね合わせて画像形成が行
われるため、濃淡縞が発生する場合、感光体固有の情報
が書き込み画像に重畳されて画像形成され、大変問題に
なりやすい。しかし、本発明の画像形成装置は、カラー
画像形成においても、高品質の画像形成が可能である。
【0060】本発明の画像形成装置における、カラー画
像形成方法としては、複数の色のトナー像を感光体上に
形成後、順次出力媒体(多くの場合、紙)へ転写し画像
形成を行う方法、あるいは複数の色のトナー像を感光体
上に形成後、中間転写体上に各色のトナー像を順次積層
し、積層されたトナー像を出力媒体へ転写し画像形成を
行う方法、いずれも採用可能であるが、画像濃度が高い
場合の画像品質の向上、色ずれの防止、転写効率の向
上、出力媒体への柔軟な対応が可能な中間転写体を経由
した画像形成方法、特に中間転写体として中間転写ベル
トを経由した画像形成方法が、形成される画像品質が高
く好ましい。
【0061】中間転写ベルトには、従来から弗素系樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂等からなる
ものが使用されてきていたが、近年、ベルトの全層や、
ベルトの一部を弾性部材にした弾性ベルトが使用されて
きている。
【0062】樹脂ベルトを用いたカラー画像の転写には
以下の課題がある。カラー画像は通常4色の着色トナー
で形成される。1枚のカラー画像には、1層から4層ま
でのトナー層が形成されている。トナー層は1次転写
(感光体から中間転写ベルトへの転写)や、2次転写
(中間転写ベルトからシートへの転写)を通過すること
で圧力を受け、トナー同士の凝集力が高くなる。トナー
同士の凝集力が高くなると文字の中抜けやベタ部画像の
エッジ抜けの現象が発生しやすくなる。樹脂ベルトは硬
度が高くトナー層に応じて変形しないため、トナー層を
圧縮させやすく、文字の中抜け現象が発生しやすくな
る。また、最近はフルカラー画像を様々な用紙、例えば
和紙や意図的に凹凸を付けや用紙に形成したいという要
求が高くなってきている。しかし、平滑性の悪い用紙は
転写時にトナーと空隙が発生しやすく、転写抜けが発生
しやすくなる。密着性を高めるために2次転写部の転写
圧を高めると、トナー層の凝縮力を高めることになり、
上述したような文字の中抜けを発生させることになる。
【0063】一方、弾性ベルトは次の狙いで使用され
る。弾性ベルトは樹脂ベルトより硬度が低いため、転写
部でトナー層、平滑性の悪い用紙に対応して変形する。
つまり、局部的な凹凸に追従して弾性ベルトは変形する
ため、過度にトナー層に対して転写圧を高めることな
く、良好な密着性が得られ、文字の中抜けの無い、平面
性の悪い用紙に対しても均一性の優れた転写画像を得る
ことができる。
【0064】本発明において使用する弾性ベルトは、全
層又は一部の層が弾性を有する材料から構成されるもの
である。このような弾性を有する材料としては、弾性を
有する樹脂、弾性材ゴム、エラストマー等が挙げられ
る。弾性材料からなる弾性層の上に表層(コート層)を
設けてもよいし、弾性層の下に基材層を設けてもよい。
【0065】弾性ベルトの弾性層に使用できる樹脂とし
ては、ポリカーボネート、フッ素系樹脂(ETFE、P
VDF)、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−
α−メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、
スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル
共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−
アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メ
チル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、
スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アク
リル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェ
ニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共
重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチ
レン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタク
リル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルア
クリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル
−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(ス
チレン又はスチレン置換体を含む単重合体又は共重合
体)、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹
脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変
性アクリル樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂、塩化ビ
ニル樹脂変性アクリル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂
等)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレ
イン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリ
デン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコー
ン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共
重合体、キシレン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、
ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等
からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使
用することができる。ただし、上記材料に限定されるも
のではないことは当然である。
【0066】弾性材ゴム、エラストマーとしては、ブチ
ルゴム、フッ素系ゴム、アクリルゴム、EPDM、NB
R、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム天然
ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブ
タジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−
プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロス
ルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタン
ゴム、シンジオタクチック1、2−ポリブタジエン、エ
ピクロロヒドリン系ゴム、リコーンゴム、フッ素ゴム、
多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴ
ム、熱可塑性エラストマー(例えばポリスチレン系、ポ
リオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、
ポリアミド系、ポリウレア、ポリエステル系、フッ素樹
脂系)等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類
以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定
されるものではないことは当然である。
【0067】弾性ベルトには抵抗値調節用導電剤を含有
させることができる。抵抗値調節用導電剤に特に制限は
ないが、例えば、カーボンブラック、グラファイト、ア
ルミニウムやニッケル等の金属粉末、酸化錫、酸化チタ
ン、酸化アンチモン、酸化インジウム、チタン酸カリウ
ム、酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物(ATO)、酸
化インジウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等の導電性
金属酸化物等が使用できる。導電性金属酸化物は、硫酸
バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の絶
縁性微粒子を被覆したものでもよい。上記導電剤に限定
されるものではないことは当然である。
【0068】弾性ベルトには、離型性向上のために表層
(コート層)を設けることができる。表層材料に制限は
ないが、転写ベルト表面へのトナーの付着力を小さくし
て2次転写性を高めるものが好ましい。例えば、ポリウ
レタン、ポリエステル、エポキシ樹脂等の1種類あるい
は2種類以上を使用するとともに、表面エネルギーを小
さくし潤滑性を高める材料、例えばフッ素樹脂、フッ素
化合物、フッ化炭素、二酸化チタン、シリコンカーバイ
ト等の粉体、粒子を1種類あるいは2種類以上分散させ
たものを使用することができる。また、これら粉体、粒
子の粒径を異ならせたものを分散させ使用することもで
きるまたフッ素系ゴム材料のように熱処理を行うことで
表面にフッ素リッチな層を形成させ表面エネルギーを小
さくさせたものを使用することもできる。
【0069】弾性ベルトの製造方法は限定されるもので
はなく、回転する円筒形の型に材料を流し込みベルトを
形成する遠心成型法、表層の薄い膜を形成させるスプレ
ー塗工法、円筒形の型を材料の溶液の中に浸けて引き上
げるディッピング法、内型、外型の中に注入する注型
法、円筒形の型にコンパウンドを巻き付け、加硫研磨を
行う方法がある。また、複数の製造方法を組合わせて弾
性ベルトを製造することができるのは当然である。
【0070】弾性ベルトの伸びを防止する方法として
は、伸びの少ない芯体樹脂層にゴム層を形成する方法、
芯体層に伸びを防止する材料を入れる方法等があるが、
特に製造方法に関わるものではない。
【0071】伸びを防止する芯体層を構成する材料とし
ては、例えば綿、絹、などの天然繊維、ポリエステル繊
維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊
維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニル繊維、
ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリアセ
タール繊維、ポリフロロエチレン繊維、フェノール繊維
などの合成繊維、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維な
どの無機繊維、鉄繊維、銅繊維などの金属繊維からなる
群より選ばれる1種あるいは2種以上を用い、織布状あ
るいは糸状にしたものが使用できる。もちろん上記材料
に限定されるものではない。
【0072】糸は、1本又は複数のフィラメントを撚っ
たもの、片撚糸、諸撚糸、双糸等、どのような撚り方で
あってもよい。また、例えば上記材料群から選択された
材質の繊維を混紡してもよい。もちろん糸に適当な導電
処理を施して使用することもできる。一方、織布は、メ
リヤス織り等、どのような織り方の織布でも使用可能で
あり、もちろん交織した織布も使用可能であり、当然導
電処理を施すこともできる。
【0073】芯体層を設ける製造方法は特に限定される
ものではなく、例えば筒状に織った織布を金型等に被
せ、その上に被覆層を設ける方法、筒状に織った織布を
液状ゴム等に浸漬して芯体層の片面あるいは両面に被覆
層を設ける方法、糸を金型等に任意のピッチで螺旋状に
巻き付け、その上に被覆層を設ける方法等を挙げること
ができる。
【0074】弾性層の厚さは、弾性層の硬度にもよる
が、厚すぎると表面の伸縮が大きくなり表層に亀裂の発
生しやすくなり、また伸縮量が大きくなって画像に伸び
ちじみが大きくなること等から、厚すぎることは好まし
くない(およそ1mm以上)。
【0075】弾性層の硬度の適正範囲は10°≦HS≦
65゜(JIS−A)である。ベルトの層厚によって最
適硬度の調整は必要となる。硬度10゜(JIS−A)
より下のものは寸法精度良く成形することが非常に困難
である。これは成型時に収縮・膨張を受け易いことに起
因する。また柔らかくする場合には基材へオイル成分を
含有させることが一般的な方法であるが、加圧状態で連
続作動させるとオイル成分が滲みだしてくるという欠点
を有している。これにより中間転写体表面に接触する感
光体を汚染し横帯状ムラを発生させることが分かった。
一般的に離型性向上のために表層を設けているが、完全
に滲みだし防止効果を与えるためには表層は耐久品質等
要求品質の高いものになり、材料の選定、特性等の確保
が困難になってくる。これに対して硬度65゜(JIS
−A)以上のものは、硬度が上がった分、精度良く成形
でき、オイル含有量を含まないか又は少なく抑えること
が可能となるので、感光体に対する汚染性は低減可能で
あるが、文字の中抜け等転写性改善の効果が得られなく
なり、ローラへの張架が困難となる。
【0076】本発明のカラー画像形成においては、前述
したように、単一の感光体上に順次異なる色のトナー像
を形成後、出力媒体あるいは中間転写体へ順次積層する
方法、あるいは複数の感光体上にそれぞれ異なる色のト
ナー像を形成後、出力媒体あるいは中間転写体への転写
を行う方法等が例示できるが、画像形成の高速化への高
いニーズに対応して複数の感光体を用いることが好まし
く、特に、高品質の画像形成を行う上では、複数の感光
体に、それぞれ異なる色のトナー画像を形成し、弾性を
有する中間転写ベルトに各色のトナー画像を順次積層し
た後、出力媒体へ積層されたトナーを2次転写すること
により、画像形成を行うことが大変好ましい。
【0077】次に、本発明による画像形成装置の具体例
を説明する。図2は、本発明による画像形成装置の一つ
であるカラー複写機を示しており、このカラー複写機
は、中間転写体として、無端状のベルト(以下、中間転
写ベルトという)が用いられている。また、図3は、図
2に示した装置における感光体・中間転写ベルト周りの
拡大図である。以下に、本装置の構成・動作を説明す
る。
【0078】本カラー複写機は、後述するカラー画像読
み取り装置1とプリンター部をなすカラープリンター2
とで構成されている。カラー画像読み取り装置(以下、
カラースキャナーと記す)1は、原稿3の画像を照明ラ
ンプ4、ミラー5−1、5−2、5−3及びレンズ6を
介してカラーセンサー7に結像させるようになってお
り、原稿のカラー画像情報を、例えば、ブルー(Blu
e)、グリーン(Green)、レッド(Red)の色
分解光毎に読み取り、電気的な画像信号に変換すること
ができるようになっている。なお、これら分解光は、以
下の説明において便宜上、B、G、Rと表現する。カラ
ースキャナー1では、スキャンにより得たB、G、Rの
色分解画像信号強度レベルを基にして、画像処理部(図
示されず)で色変換処理を行い、ブラック(以下、BK
と記す)、シアン(同、C)、マゼンタ(同、M)、イ
エロー(同、Y)のカラー画像データを得る。これを、
次に述べるカラー画像記録装置(以下、カラープリンタ
ーと記す)2によって、BK、C、M、Yのトナーを用
いて顕像化し、これらトナー像を重ね合わせて4色フル
カラー画像を形成する。
【0079】次にカラープリンター2の概要を説明す
る。書き込み光学ユニット8は、カラースキャナー1か
らのカラー画像データを光信号に変換して原稿画像に対
応した光書き込みを行うユニットである。このため、書
き込み光学ユニット8は、レーザー光源8−1からのレ
ーザービームを駆動モータ8−3により回転されるポリ
ゴンミラー8−2を介して走査し、fθレンズ8−4、
反射鏡8−5によって感光体ドラム9に走査光を導き、
静電潜像を形成するようになっている。
【0080】感光体ドラム9は、矢印の如く反時計方向
に回転するが、その周囲には、感光体クリーニングユニ
ット(クリーニング前除電器を含む)10、除電ランプ
11、帯電器12、電位センサー13、BK現像器1
4、C現像器15、M現像器16、Y現像器17、現像
濃度パターン検知器18、中間転写ベルト19などの電
子写真複写工程を実行するための機器及び転写前除電装
置が配置されている。各現像器は、図3に示すように、
静電潜像を現像するために現像剤を感光体ドラム9に対
向させるよう回転する現像スリーブ(14−1、15−
1、16−1、17−1)と、現像剤を汲み上げ・攪拌
するために回転する現像パドル(14−2、15−2、
16−2、17−2)及び現像剤のトナー濃度検知セン
サー(14−3、15−3、16−3、17−3)など
で構成されている。
【0081】現像動作の順序(カラー画像形成順序)
を、BK、C、M、Yとした場合につき、以下に説明す
る。但し、画像形成順序はこれに限定されるものではな
い。コピー動作が開始されると、カラースキャナー1で
所定のタイミングによりBK画像データの読み取りがス
タートし、この画像データに基づきレーザー光による光
書き込み・潜像形成が始まる(以下、BK画像データに
よる静電潜像をBK潜像と称す。C、M、Yについても
同じ)。BK潜像の先端部からの現像が行えるように、
BK現像器14の現像位置に潜像先端部が到達する前に
現像スリーブ14−1が回転を開始し、BK潜像をBK
トナーで現像する。そして以後、BK潜像領域の現像動
作を続けるが、BK潜像後端部がBK現像位置を通過し
た時点で現像不作動状態にする。これは少なくとも、次
のC画像データによるC潜像先端部が到達する前に完了
させる。
【0082】感光体ドラム9に形成したBKトナー像
は、感光体ドラム9と等速駆動している中間転写ベルト
19の表面に転写される(以下、感光体ドラム9から中
間転写ベルト19へのトナー像転写をベルト転写と記
す)。ベルト転写は、感光体ドラム9と中間転写ベルト
19が接触状態において、転写バイアスローラ20に所
定のバイアス電圧を印加することで行う。なお、中間転
写ベルト19には、感光体ドラム9に順次形成されるB
K、C、M、Yのトナー像を同ー面に順次位置合せして
4色重ねのベルト転写画像を形成し、その後、転写紙に
一括転写を行う。この中間転写ベルトユニットの構成・
動作については後述する。
【0083】ところで、感光体ドラム9側ではBK工程
の次にC工程に進むが、所定のタイミングによってカラ
ースキャナー1によるC画像データ読み取りが始まり、
その画像データによるレーザー光書き込みにより、C潜
像が形成される。C現像器15は、その現像位置に対し
て、先のBK潜像後端部が通過した後で、かつ、C潜像
の先端が到達する前に現像スリーブ15−1を回転開始
して剤の穂立てを行い、C潜像をCトナーで現像する。
以後、C潜像領域の現像を続けるが、潜像後端部が通過
した時点で、先のBK現像器の場合と同様にC現像スリ
ーブ15−1上の剤穂切りを行う。これもやはり次のM
潜像先端部が到達する前に完了させる。なお、M及びY
の工程については、それぞれの画像データ読み取り・潜
像形成・現像の各工程が上述のBK・Cの工程と同様で
あるので説明は省略する。
【0084】次に、中間転写ベルトユニットについて説
明する。中間転写ベルト19は、各色の可視像を担持す
るために設けられているものであり、駆動ローラ21、
ベルト転写バイアスローラ20、転写アースローラ38
及び従動ローラ群に張架され、図示されない駆動源をな
すステッピングモータにより後述の如く駆動制御され
る。
【0085】ベルトクリーニングユニット22は、図3
に示すように、ブラシローラ22−1、ゴムブレード2
2−2、及び中間転写ベルトから19の接離機構22−
3などで構成されており、1色目のBK画像をベルト転
写した後の、2、3、4色目をベルト転写している間
は、接離機構22−3によって中間転写ベルト19面か
ら離間させられるようになっている。
【0086】紙転写ユニット23は、紙転写バイアスロ
ーラ23−1、ローラクリーニングブレード23−2、
及び中間転写ベルト19からの接離機構23−3などで
構成されている。バイアスローラ23−1は、通常、中
間転写ベルト19面から離間しているが、中間転写ベル
ト19面に形成された4色の重ね画像を転写紙に一括転
写する時には、タイミングを設定されて接離機構23−
3により押圧され、バイアスローラ23−1によって所
定のバイアス電圧を印加しながら紙へトナー像の転写を
行う。なお、転写紙24は、図3に示すように、給紙ロ
ーラ25、レジストローラ26によって、中間転写ベル
ト面の4色重ね画像の先端部が紙転写位置に到達するタ
イミングに合わせて給紙される。
【0087】中間転写ベルト19の動作形式は、1色目
のBKトナー像のベルト転写が後端部まで終了した後の
動作方式として次の3通りが考えられるが、このなかの
1方式か又はコピーサイズに応じて(コピー速度面など
で)効率的な方式の組合わせによって動作させる。
【0088】1)一定速往動方式 これは、第1番目の色のトナー像を転写された後におい
ても、一定速度により中間転写ベルト19の移動を継続
させる方式であり、この方式の場合には、感光体ドラム
9側で可視像処理される次の色のトナー像の画像先端
と、中間転写ベルト19上での画像先端とが合致するよ
うに、タイミングを設定して画像処理が行われる。そし
て、そのための工程は次のとおりである。BKトナー像
のベルト転写後も、そのまま一定速で往動を続ける。そ
して、中間転写ベルト19面上のBK画像先端位置が、
再び感光体ドラム9との接触部のベルト転写位置に到達
した時、感光体ドラム9側は次のCトナー像の先端部が
丁度その位置にくるように、タイミングを取って画像形
成している。その結果、C画像はBK画像に正確に位置
合せして中間転写ベルト19上に重ねてベルト転写され
る。その後も同様動作によってM、Y画像工程に進み、
4色重ねのベルト転写画像を得る。4色目のYトナー像
ベルト転写工程に引き続きそのまま往動しながらベルト
面上の4色重ねトナー像を、上記したように転写紙24
に一括転写する。
【0089】2)スキップ往動方式 これは、第1番目の色のトナー像を転写された後、感光
体ドラム9から中間転写ベルト19を離間させ、第1番
目の色のトナー像を転写する場合よりも高速で今までと
同じ方向に移動させ、所定量を移動した時点で、当初の
移動速度に切り換えて、再度、感光体ドラム9に当接さ
せる方式である。この方式は、例えば、中間転写ベルト
19の長さに対して転写される画像の長さが短い場合に
実行され、感光体側での作像のためのサイクルタイムが
長くなるのを防止できるものであり、このための工程は
次のとおりである。BKトナー像のベルト転写が終了し
たら、感光体ドラム9面から中間転写ベルト19を離間
させ、そのままの往動方向に高速スキップさせて所定量
を移動したら当初の往動速度に戻す。また、その後再び
感光体ドラム9に中間転写ベルト19を接触させる。そ
して、中間転写ベルト19面上のBK画像先端位置が再
びベルト転写位置に到達した時、感光体ドラム9側は次
のCトナー像の先端部が丁度その位置にくるようにタイ
ミングを取って画像形成されている。その結果、C画像
はBK画像に正確に位置合わせして重ねてベルト転写さ
れる。その後も同様動作によってM、Y画像工程に進
み、4色重ねのベルト転写画像を得る。4色目のYトナ
ー像ベルト転写工程に引き続きそのままの往動速度で、
ベルト19面上の4色重ねトナー像を転写紙24に一括
転写する。
【0090】3)往復動(クイックリターン)方式 これは、第1番目の色のトナー像を転写した後、感光体
ドラム9から中間転写ベルト19を離間させ、今までよ
りも高速で逆方向に中間転写ベルト19を移動させて、
前に転写されたトナー像の位置を、感光体ドラム9に担
持されている次の色のトナー像の位置に合致させた状態
で待機し、再度、中間転写ベルト19を感光体ドラム9
に当接させて感光体ドラム9と同方向に移動を開始する
ようにし、この動作を最終色のトナー像の転写まで継続
させる方式である。この方式は、中間転写ベルト19上
の画像位置を感光体ドラム9の画像位置に合わせる場合
の制御に関していうと、中間転写ベルト19を順方向に
移動させるのでなく、今まで進行した移動量のみを逆行
させるだけであるので中間転写ベルト19の移動量をそ
れほど確保しなくて済むことを考慮すれば、制御が簡単
になるものであり、このための工程は次のとおりであ
る。BKトナー像のベルト転写が終了したら、感光体ド
ラム9面から中間転写ベルト19を離間させ、そして往
動を停止させると同時に逆方向に高速リターンさせる。
リターンは、ベルト19面上のBK画像先端位置がベル
ト転写相当位置を逆方向に通過し、さらに予め設定され
た距離分を移動した後に停止させて待機状態にする。次
に感光体ドラム9側のCトナー像の先端部がベルト転写
位置より手前の所定位置に到達した時点に、中間転写ベ
ルト19を再び往動方向にスタートさせる。また中間転
写ベルト19を感光体ドラム9面に再び接触させる。こ
の場合も、C画像がベルト19面上でBK画像に正確に
重なるような条件に制御されてベルト転写される。その
後も同様な動作によってM、Y画像工程に進み、4色重
ねのベルト転写画像を得る。4色目のYトナー像のベル
ト転写工程に引き続き、リターンせずにそのままの速度
で往動して、中間転写ベルト19面上の4色重ねトナー
像を転写紙24に一括転写する。
【0091】中間転写ベルト19面から4色重ねトナー
像を一括転写された転写紙24は、図2において、紙搬
送ユニット27で定着器28に搬送され、所定温度にコ
ントロールされた定着ローラ28−1と加圧ローラ28
−2とでトナー像を溶融定着してコピートレイ29に搬
出されフルカラーコピーを得る。
【0092】ベルト転写後の感光体ドラム9は、感光体
クリーニングユニット10(クリーニング前除電器10
−1、ブラシローラ10−2、ゴムブレード10−3)
で表面をクリーニングされ、また、除電ランプ11で均
一に除電される。
【0093】さらに、転写紙24にトナー像を転写した
後の中間転写ベルト19は、クリーニングユニット22
を再び接離機構22−3で押圧して表面をクリーニング
される。リピートコピーの時は、カラースキャナー1の
動作及び感光体ドラム9への画像形成は、1枚目のY
(4色目)画像工程に引き続き所定のタイミングで2枚
目のBK(1色目)画像工程に進む。中間転写ベルト1
9は、1枚目の4色重ね画像を転写紙24へ一括転写す
る工程に引き続き、表面をクリーニングユニット22で
クリーニングされた領域に、2枚目のBKトナー像がベ
ルト転写される。その後は、1枚目と同様な動作が実行
される。
【0094】なお、図2において、転写紙カセット3
0、31、32、33には、各種サイズの転写紙が収納
されており、操作パネル(図示なし)で指定されたサイ
ズ紙の収納カセットからタイミングを取ってレジストロ
ーラ26の方向に向けて給紙、搬送される。なお、符号
34はOHP用紙や厚紙などの手差し給紙トレイを示し
ている。
【0095】以上が4色フルカラーを得るコピーモード
の説明であるが、3色コピーモード、2色コピーモード
の場合は指定された色と回数の分について上記と同様の
動作を実行する。また、単色コピーモードの場合は、所
定枚数が終了するまでの間、その色の現像器のみを現像
作動(剤穂立て)状態にするとともに、中間転写ベルト
19は、感光体ドラム9の表面に接触したまま往動方向
にー定速駆動し、さらにベルトクリーナー22も中間転
写ベルト19に接触したままの状態でコピー動作を行
う。
【0096】図4は、本発明による画像形成装置の別の
例であるタンデム型間接転写方式の電子写真装置を示
す。図中符号100は複写装置本体、200はそれを載
せる給紙テーブル、300は複写装置本体100上に取
り付けるスキャナー、400はさらにその上に取り付け
る原稿自動搬送装置(ADF)である。
【0097】複写装置本体100には、中央に、無端ベ
ルト状の中間転写体10を設ける。中間転写体10は、
図5に示すように、基材層11を、例えば伸びの少ない
フッ素樹脂や伸びの大きなゴム材料に帆布など伸びにく
い材料で構成された層をつくり、その上に弾性層12を
設ける。弾性層12は、例えばフッ素系ゴムやアクリロ
ニトリル−ブタジエン共重合ゴムなどで作る。その弾性
層12の表面は、例えばフッ素系樹脂をコーティングし
て平滑性のよい表層13で被覆する。そして、図1に示
すとおり、図示例では3つの支持ローラ14、15、1
6に掛け回して図中時計回りに回転搬送可能とする。
【0098】この図示例では、3つの支持ローラのなか
で第2の支持ローラ15の左に、画像転写後に中間転写
体10上に残留する残留トナーを除去する中間転写体ク
リーニング装置17を設ける。また、3つの支持ローラ
のなかで第1の支持ローラ14と第2の支持ローラ15
間に張り渡した中間転写体10上には、その搬送方向に
沿って、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4つ
の画像形成手段18を横に並べて配置してタンデム画像
形成装置20を構成する。
【0099】このタンデム画像形成装置20の上には、
図4に示すように、さらに露光装置21を設ける。一
方、中間転写体10を挟んでタンデム画像形成装置20
と反対の側には、2次転写装置22を設ける。2次転写
装置22は、図示例では、2つのローラ23、23間
に、無端ベルトである2次転写ベルト24を掛け渡して
構成し、中間転写体10を介して第3の支持ローラ16
に押し当てて配置し、中間転写体10上の画像をシート
に転写する。
【0100】2次転写装置22の横には、シート上の転
写画像を定着する定着装置25を設ける。定着装置25
は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27
を押し当てて構成する。
【0101】上述した2次転写装置22には、画像転写
後のシートをこの定着装置25へと搬送するシート搬送
機能も備えてなる。もちろん、2次転写装置22とし
て、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよい
が、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて備
えることは難しくなる。
【0102】なお、図示例では、このような2次転写装
置22及び定着装置25の下に、上述したタンデム画像
形成装置20と平行に、シートの両面に画像を記録すべ
くシートを反転するシート反転装置28を設けてある。
【0103】さて、いまこのカラー電子写真装置を用い
てコピーをとるときは、原稿自動搬送装置400の原稿
台30上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送
装置400を開いてスキャナー300のコンタクトガラ
ス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を
閉じてそれで押さえる。そして、不図示のスタートスイ
ッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセット
したときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へ
と移動した後、キャナー300を駆動させ、第1走行体
33及び第2走行体34を走行させる。他方、コンタク
トガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキ
ャナー300を駆動させ、第1走行体33及び第2走行
体34を走行させる。そして、第1走行体33で光源か
ら光を発射させるとともに原稿面からの反射光をさらに
反射させて第2走行体34に向け、第2走行体34のミ
ラーで反射させて結像レンズ35を通して読み取りセン
サー36に導入し、原稿内容を読み取る。
【0104】また、不図示のスタートスイッチを押す
と、不図示の駆動モータで支持ローラ14、15、16
のうちの1つを回転駆動させて、他の2つの支持ローラ
を従動回転させ、中間転写体10を回転搬送させる。同
時に、個々の画像形成手段18でその感光体40を回転
させて各感光体40上に、それぞれブラック、イエロ
ー、マゼンタ、シアンの単色画像を形成させる。そし
て、中間転写体10の搬送とともに、それらの単色画像
を順次転写させて中間転写体10上に合成カラー画像を
形成させる。
【0105】一方、不図示のスタートスイッチを押し
て、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択
回転させ、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセ
ット44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45
で1枚ずつ分離させて給紙路46に導入し、搬送ローラ
47で搬送させて複写機本体100内の給紙路48に導
き、レジストローラ49に突き当てて止める。
【0106】あるいは、給紙ローラ50を回転させて手
差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52
で1枚ずつ分離させて手差し給紙路53に導入し、同じ
くレジストローラ49に突き当てて止める。
【0107】そして、中間転写体10上の合成カラー画
像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転さ
せ、中間転写体10と2次転写装置22との間にシート
を送り込み、2次転写装置22で転写させてシート上に
カラー画像を記録する。
【0108】画像転写後のシートは、2次転写装置22
で搬送させて定着装置25へと送り込み、定着装置25
で熱と圧力とを加えて転写画像を定着させた後、切換爪
55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ
57上にスタックさせる。あるいは、切換爪55で切り
換えてシート反転装置28に導入し、そこで反転させて
再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録させた後、
排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
【0109】一方、画像転写後の中間転写体10は、中
間転写体クリーニング装置17で、画像転写後に中間転
写体10上に残留する残留トナーを除去させ、タンデム
画像形成装置20による再度の画像形成に備える。
【0110】ここで、レジストローラ49は一般的には
接地されて使用されることが多いが、シートの紙粉除去
のためにバイアスを印加することも可能である。例え
ば、導電性ゴムローラを用いバイアスを印加する。径φ
18mmで、表面を1mm厚みの導電性NBRゴムとす
る。電気抵抗はゴム材の体積抵抗で109Ωcm程度で
あり、印加電圧はトナーを転写する側(表側)には−8
00V(程度の電圧を印加し、紙裏面側は+200V程
度の電圧を印加する。一般的に中間転写方式は紙粉が感
光体にまで移動しづらいため、紙粉転写を考慮する必要
が少なくアースになっていても良い。また、印加電圧と
して、DCバイアスが印加しているが、これはシートを
より均一帯電させるためDCオフセット成分を持ったA
C電圧でも良い。このようにバイアスを印加したレジス
トローラ49を通過した後の紙表面は、若干マイナス側
に帯電している。よって、中間転写体10からシートへ
の転写では、レジストローラ49に電圧を印加しなかっ
た場合に比べて転写条件が変わり転写条件を変更する場
合がある。
【0111】さて、上述したタンデム画像形成装置20
において、個々の画像形成手段18は、例えばドラム状
の感光体40のまわりに、帯電装置、現像装置、1次転
写装置、感光体クリーニング装置、除電装置を設けてあ
る。
【0112】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳しく説明す
るが、これら実施例によって本発明は限定されるもので
はない。
【0113】実施例1 アルミニウムドラムの表面を先端が2Rのダイヤモンド
バイトにより切削して、直径90mm、長さ352m
m、厚さ2mmのアルミニウムドラムを100本作製し
た。作製したアルミニウムドラムの中から75本目に作
製したものの表面を表面粗さ計サーフコム1400Aに
て測定したところ、図5のような断面曲線を有してい
た。この断面曲線からΔt=0.31μmで、N=40
96個サンプリングし、離散的なフーリエ変換を行い、
図6に示すパワースペクトルを作成した。nが前記(数
33(48))の条件を満たす範囲、即ち50≧n≧7
の範囲で、パワースペクトルが150×10-6×409
6=0.614以上となるピークは6個存在した。ま
た、I(S)を計算したところ、24.4×10-3であ
った。次に、アクリル樹脂(アクリディックA−460
−60(大日本インキ化学工業製))15重量部、メラ
ミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60(大日
本インキ化学工業製))10重量部をメチルエチルケト
ン80重量部に溶解し、これに酸化チタン粉末(TM−
1(富士チタン工業製))90重量部加え、ボールミル
で12時間分散し、下引層塗布液を作製した。切削によ
り表面を粗面化したアルミニウムドラムを上記下引層塗
工液に浸漬した後、速度一定で垂直に引き上げて塗工し
た。アルミニウムドラムの方向を維持したまま、乾燥室
に移動させ、140℃で20分乾燥し、厚さ3.5μm
の下引層をアルミニウムドラム上に形成した。この下引
層表面を表面粗さ計サーフコム1400Aにて測定した
ところ、図7のような断面曲線を有していた。この断面
曲線からΔt=0.31μmで、N=4096個サンプ
リングし、離散的なフーリエ変換を行い、図8に示すパ
ワースペクトルを作成した。nが前記(数33(4
8))の条件を満たす範囲、即ち50≧n≧7の範囲
で、パワースペクトルが0.100×10-6×4096
=0.410以上となるピークは4個存在した。また、
I(S)を計算したところ、8.02×10-3であっ
た。次に、ブチラール樹脂(エスレックBLS(積水化
学製))15重量部をシクロヘキサノン150重量部に
溶解し、これに下記構造式(化1)のトリスアゾ顔料1
0重量部を加えてボールミルで48時間分散した。
【化1】 さらにシクロヘキサノン210重量部を加え、3時間分
散を行った。これを固形分が1.5重量%になるように
攪拌しながらシクロヘキサノンで希釈した。こうして得
られた電荷発生層用塗工液に、下引層を形成したアルミ
ニウムドラムを浸漬し、120℃、20分間下引層と同
様に乾燥を行い、約0.2μmの電荷発生層を形成し
た。さらに下記構造式(化2)の電荷輸送材料6重量
部、ポリカーボネート樹脂(パンライトK−1300
(帝人化成製))10重量部、シリコーンオイル(KF
−50(信越化学工業製))0.002重量部を90重
量部の塩化メチレンに溶解した。
【化2】 こうして得られた電荷輸送層塗工液に、下引層/電荷発
生層を形成したアルミニウムドラムを浸漬し、120
℃、20分間下引層と同様に乾燥を行い、電荷発生層上
に厚さ約24μmの電荷輸送層を形成し、感光体を作製
した。上記で作製した感光体を、書き込み光の波長が7
80nm、書き込み画像の解像度が400dpiのim
agio color 2800(リコー製)に搭載し
た。この画像形成装置を用い、全面均一の白黒ハーフト
ーン画像を出力したところ、均一な画像が得られ、濃淡
縞の異常画像は認められなかった。また、カラーの風景
写真をカラーコピーしたところ、高品質の画像が得られ
た。
【0114】実施例2 実施例1において、76本目に作製したアルミニウムド
ラムを用い、下引層の厚みを4.0μmとしたこと以外
は実施例1と同様にして感光体を作製した。実施例1と
同様に下引層表面の断面曲線(図9)のパワースペクト
ル(図10)を作成したところ、nが前記(数33(4
8))の条件を満たす範囲、即ち50≧n≧7の範囲
で、パワースペクトルが0.100×10-6×4096
=0.410以上となるピークは3個存在した。また、
I(S)を計算したところ、6.74×10-3であっ
た。次に、実施例1と同様に作製した感光体を用いて画
像形成装置を作製し、全面均一の白黒ハーフトーン画像
を出力したところ、均一な画像が得られ、濃淡縞の異常
画像は発生しなかった。また、カラーの風景写真をカラ
ーコピーしたところ、高品質の画像が得られた。
【0115】比較例1 実施例1で用いたバイトを先端が1.6Rのダイヤモン
ドバイトに代え、切削3本目のアルミニウムドラムを用
いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製
し、画像を出力した。実施例1と同様に感光体のアルミ
ニウムドラム表面の断面曲線を測定した。また、実施例
1と同様にアルミニウムドラム表面の断面曲線のパワー
スペクトル(図11)を作成したところ、nが前記(数
33(48))の条件を満たす範囲、即ち50≧n≧7
の範囲で、パワースペクトルが150×10-6×409
6=0.614以上となるピークは1個のみ存在した。
次に、実施例1と同様に作製した感光体を用いて画像形
成装置を作製し、全面全面均一の白黒ハーフトーン画像
を出力したところ、微細な縦スジが画像全体の約35%
の面積に相当する部分で発生した。
【0116】実施例3 実施例1で用いたバイトで、さらに130本アルミニウ
ムドラムを切削した後に、もう一本切削したアルミニウ
ムドラムを用いたこと以外は実施例1と同様に感光体を
作製した。実施例1と同様にアルミニウムドラム表面の
断面曲線のパワースペクトルを作成したところ、nが前
記(数33(48))の条件を満たす範囲、即ち50≧
n≧7の範囲で、パワースペクトルが150×10-6×
4096=0.614以上となるピークは6個存在し
た。また、I(S)を計算したところ、11.6×10
-3であった。次に、実施例1と同様に作製した感光体を
用いて画像形成装置を作製し、全面均一の白黒ハーフト
ーン画像を出力したところ、微細な縦スジは発生しなか
った。
【0117】実施例4 実施例1において、imagio color 280
0(リコー製)を改造し、書き込み画像の解像度を10
00dpiとしたこと以外は実施例1と同様に全面均一
の白黒ハーフトーン画像を出力したところ、均一な画像
が得られた。
【0118】比較例2 比較例1で作製した感光体を用いたこと以外は実施例4
と同様に画像形成装置を作製し、全面全面均一の白黒ハ
ーフトーン画像を出力したところ、微細な縦スジが画像
全体の約50%の面積に相当する部分で発生した。
【0119】実施例5 実施例1において、切削77本目のアルミニウムドラム
を用い、電荷輸送層の厚みを14.3μmとしたこと以
外は同様にして感光体を作製した。この感光体を用いた
こと以外は実施例3と同様に全面均一の白黒ハーフトー
ン画像を出力したところ、極めて均一な画像が得られ
た。また、カラーの風景写真をカラーコピーしたとこ
ろ、高品質の画像が得られた。なお、この感光体のアル
ミニウムドラムの表面の断面曲線のパワースペクトルを
作成したところ、nが前記(数33(48))の条件を
満たす範囲、即ち50≧n≧7の範囲で、パワースペク
トルが150×10-6×4096=0.614以上とな
るピークは6個存在した。また、I(S)を計算したと
ころ、24.4×10-3であった。
【0120】比較例3 比較例1において、切削4本目のアルミニウムドラムを
用い、電荷輸送層の厚みを14.3μmとして感光体を
作製した。この感光体を用いたこと以外は比較例2と同
様にして画像形成装置を作成し、全面全面均一の白黒ハ
ーフトーン画像を出力したところ、微細な縦スジが画像
全体の約70%の面積に相当する部分で発生した。な
お、この感光体のアルミニウムドラムの表面の断面曲線
のパワースペクトルを作成したところ、nが前記条件
(数33(48))を満たす範囲、即ち50≧n≧7の
範囲で、パワースペクトルが150×10-6×4096
=0.614以上となるピークは1個のみであった。
【0121】実施例6 実施例5において、アルミニウムドラムの表面をホーニ
ング加工を施して実施例5と同様にアルミニウムドラム
表面の断面曲線を測定し、パワースペクトルを作成し、
nが前記(数33(48))の条件を満たす範囲、即ち
50≧n≧7の範囲で、パワースペクトルが150×1
-6×4096=0.614以上となるピークは8個存
在した。また、I(S)を計算したところ、19.3×
10-3であった。このアルミニウムドラムを用いる以外
は実施例5と同様に感光体を作製した。画像形成装置の
書き込み画像の解像度を1200dpiと改造した以外
は実施例5と同様に、作製した感光体を搭載し、画像形
成装置を作製した。実施例5と同様に全面均一の白黒ハ
ーフトーン画像を出力したところ、極めて均一な画像が
得られた。また、カラーの風景写真をカラーコピーした
ところ、高品質の画像が得られた。
【0122】実施例7 実施例6において、アルミニウムドラム表面を鏡面加工
を施した感光体を用い、下引層をスプレー法により塗工
する以外は実施例6と同様に感光体を作製し、画像形成
装置を作製した。なお、下引層の断面曲線を実施例1と
同様に測定し、パワースペクトルを作成し、nが前記
(数33(48))の条件を満たす範囲、即ち50≧n
≧7の範囲で、パワースペクトルが100×10-6×4
096=0.410以上となるピークは4個存在した。
また、I(S)を計算したところ、10.3×10-3
あった。実施例5と同様に全面均一の白黒ハーフトーン
画像を出力したところ、極めて均一な画像が得られた。
また、カラーの風景写真をカラーコピーしたところ、高
品質の画像が得られた。
【0123】実施例8 実施例6で作製したものと同じ条件でアルミニウムドラ
ム表面をホーニング加工した。このアルミニウムドラム
を用いる以外は、実施例7と同様に感光体を作製した。
なお、下引層の断面曲線を実施例1と同様に測定し、パ
ワースペクトルを作成し、nが前記(数33(48))
の条件を満たす範囲、即ち50≧n≧7の範囲で、パワ
ースペクトルが100×10-6×4096=0.410
以上となるピークは6個存在した。また、I(S)を計
算したところ、12.7×10-3であった。ポリフッ化
ビニリデン(PVDF)100重量部に対して、カーボ
ンブラック18重量部、分散剤3重量部、トルエン40
0重量部を均一に分散させた分散液に円筒形の型を浸
け、10mm/secで静かに引き上げ室温にて乾燥を
させ、75μmのPVDFの均一な膜を形成した.75
μmの膜が形成されている型を繰り返し上記条件で溶液
に円筒形の型を浸け。10mm/secで静かに引き上
げ室温乾燥させ、150μmのPVDFベルトを形成し
た。これに、ポリウレタンプレポリマー100重量部、
硬化剤(イソシアネート)3重量部、カーボンブラック
20重量部、分散剤3重量部、MEK500重量部を均
一分散させた分散液に、上記150μmPVDFが形成
されている円筒形の型を浸け、30mm/secで引き
上げを行い、自然乾燥を行った。乾燥後繰り返しを行
い、狙いの150μmのウレタンポリマー層を形成させ
た。さらに表層用にポリウレタンプレポリマー100重
量部、硬化剤(イソシアネート)3重量部、PTFE微
粉末粉体50重量部、分散剤4重量部、MEK500重
量部を均一分散させた。上記150μmのウレタンプレ
ポリマーが形成されている円筒形型を浸け、30mm/
secで引き上げを行い、自然乾燥を行った。乾燥後繰
り返し同様な操作を行い、5μmのPTFEが均一に分
散されたウレタンポリマーの表層を形成させた。室温で
乾燥後130℃,2時間の架橋を行い、樹脂層;150
μm、弾性層;150μm、表層;5μmの3層構成転
写ベルトを得た。この弾性中間転写ベルト、作製した感
光体を用いる以外は実施例7と同様にして画像形成装置
を作製し、実施例7で用いたアニメセル画をコピーした
ところ、画像濃度の高い部分の周辺を拡大鏡で拡大して
も、画像欠陥が全く見つからず、極めて高画質の画像が
得られた。
【0124】
【発明の効果】請求項1〜3に記載の発明によれば、ス
ジ状画像のない高品質の画像形成が可能な感光体を提供
することができる。請求項4に記載の発明によれば、ス
ジ状、濃淡縞画像のない高品質の画像形成が可能な感光
体を提供することができる。請求項5〜7に記載の発明
によれば、スジ状画像のない高品質の画像形成が可能な
感光体を提供することができる。請求項8に記載の発明
によれば、スジ状、濃淡縞画像のない高品質の画像形成
が可能な感光体を提供することができる。請求項9〜1
1に記載の発明によれば、スジ状画像のない高品質の画
像形成が可能な感光体を提供することができる。請求項
12に記載の発明によれば、スジ状、濃淡縞画像のない
高品質の画像形成が可能な感光体を提供することができ
る。請求項13に記載の発明によれば、高解像度であり
ながらスジ状画像のない高品質の画像形成が可能な感光
体を提供することができる。請求項14に記載の発明に
よれば、スジ状、濃淡縞画像のない高品質の画像形成が
可能な画像形成装置を提供することができる。請求項1
5に記載の発明によれば、スジ状、濃淡縞画像のない高
品質のカラー画像形成が可能な画像形成装置を提供する
ことができる。請求項16に記載の発明によれば、スジ
状、濃淡縞画像、色ずれのない高品質のカラー画像形成
が可能な画像形成装置を提供することができる。請求項
17に記載の発明によれば、スジ状、濃淡縞画像、色ず
れがなく、高品質のカラー画像形成が可能な画像形成装
置を提供することができる。請求項18に記載の発明に
よれば、スジ状、濃淡縞画像、色ずれがなく、極めて高
品質のカラー画像形成が可能な画像形成装置を提供する
ことができる。請求項19〜20に記載の発明によれ
ば、スジ状、濃淡縞画像、色ずれがなく、極めて高品質
のカラー画像形成を高速で行うことができる画像形成装
置を提供することができる。請求項21に記載の発明に
よれば、高解像でありながら、スジ状画像のない高品質
の画像形成が可能な画像形成装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ドラム状感光体の場合の好ましいサンプリング
方向の説明図である。
【図2】本発明による画像形成装置の一つであるカラー
複写機を示す図である。
【図3】図2に示した装置における感光体・中間転写ベ
ルト周りの拡大図である。
【図4】本発明による画像形成装置の別の例であるタン
デム型間接転写方式の電子写真装置を示す図である。
【図5】実施例1で作製したアルミニウムドラム(基
体)の表面の断面曲線を示す図である。
【図6】図5の断面曲線に基づいて作成したパワースペ
クトルを示す図である。
【図7】実施例1で作製した感光体の下引層表面の断面
曲線を示す図である。
【図8】図7の断面曲線に基づいて作成したパワースペ
クトルを示す図である。
【図9】実施例2で作製した感光体の下引層表面の断面
曲線を示す図である。
【図10】図9の断面曲線に基づいて作成したパワース
ペクトルを示す図である。
【図11】比較例1で作製したアルミニウムドラム(基
体)の表面の断面曲線に基づいて作成したパワースペク
トルを示す図である。
【符号の説明】
(図2及び図3) 1 カラー画像読み取り装置(カラースキャナー) 2 カラープリンター 3 原稿 6 カラーセンサー 8 書き込み光学ユニット 9 感光体ドラム 10 感光体クリーニングユニット 11 除電ランプ 12 帯電器 14 BK現像器 15 C現像器 16 M現像器 17 Y現像器 19 中間転写ベルト 22 ベルトクリーニングユニット 23 紙転写ユニット 24 転写紙 (図4) 100 複写装置本体 200 給紙テーブル 300 スキャナー 400 原稿自動搬送装置(ADF) 10 中間転写体 14、15、16 支持ローラ 18 画像形成手段 20 タンデム画像形成装置 21 露光装置 22 2次転写装置 24 2次転写ベルト 25 定着装置 26 定着ベルト 27 加圧ローラ 28 シート反転装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 純一 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 谷 克彦 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 岩田 周行 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 加藤 拓司 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 渡邉 好夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H030 AA00 AA03 AB02 BB02 BB42 BB71 2H068 AA59 FA17 FB07

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に少なくとも感光層を設けた感光
    体において、感光層の基体側界面の断面曲線を水平方向
    にΔt[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲
    線の高さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数
    1)に従い離散的なフーリエ変換を行い、下式(数2)
    により導出したパワースペクトルS(n/(N・Δ
    t))が、nが下記条件(数3)を満たす領域で、複数
    のピークを有することを特徴とする感光体。 【数1】 (ここで、n,mは整数、N=2p、pは整数である) 【数2】 【数3】
  2. 【請求項2】 前記パワースペクトルS(n/(N・Δ
    t))が、nが上記条件(数3)を満たす領域で、下記
    条件(数4)を満たす複数のピークを有していることを
    特徴とする請求項1に記載の感光体。 【数4】
  3. 【請求項3】 Δtが0.01〜50.00μm、Nが
    2048以上であることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の感光体。
  4. 【請求項4】 下式(数5)により導出したI(S)が
    6.0×10-3以上であることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の感光体。 【数5】
  5. 【請求項5】 基体上に下引層を介して少なくとも感光
    層を設けた感光体において、下引層の断面曲線を水平方
    向にΔt[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面
    曲線の高さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数
    6)に従い離散的なフーリエ変換を行い、下式(数7)
    により導出したパワースペクトルS(n/(N・Δ
    t))が、nが下記条件(数8)を満たす領域で、複数
    のピークを有することを特徴とする感光体。 【数6】 (ここで、n,mは整数、N=2p、pは整数である) 【数7】 【数8】
  6. 【請求項6】 前記パワースペクトルS(n/(N・Δ
    t))が、nが上記条件(数8)を満たす領域で、下記
    条件(数9)を満たす複数のピークを有していることを
    特徴とする請求項5に記載の感光体。 【数9】
  7. 【請求項7】 Δtが0.01〜50.00μm、Nが
    2048以上であることを特徴とする請求項6に記載の
    感光体。
  8. 【請求項8】 下式(数10)により導出したI(S)
    が6.0×10-3以上であることを特徴とする請求項5
    〜7のいずれかに記載の感光体。 【数10】
  9. 【請求項9】 基体上に少なくとも感光層を設けた感光
    体において、基体表面の断面曲線を水平方向にΔt[μ
    m]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx
    (t)[μm]のデータ群に対し下式(数11)に従い
    離散的なフーリエ変換を行い、下式(数12)により導
    出したパワースペクトルS(n/(N・Δt))が、n
    が下記条件(数13)を満たす領域で、複数のピークを
    有することを特徴とする感光体。 【数11】 (ここで、n,mは整数、N=2p、pは整数である) 【数12】 【数13】
  10. 【請求項10】 前記パワースペクトルS(n/(N・
    Δt))が、nが上記条件(数13)を満たす領域で、
    下記条件(数14)を満たす複数のピークを有している
    ことを特徴とする請求項9に記載の感光体。 【数14】
  11. 【請求項11】 Δtが0.01〜50.00μm、N
    が2048以上であることを特徴とする請求項9又は1
    0に記載の感光体。
  12. 【請求項12】 下式(数15)により導出したI
    (S)が12.0×10 -3以上であることを特徴とする
    請求項9〜11のいずれかに記載の感光体。 【数15】
  13. 【請求項13】 感光体の感光層の膜厚が15μm以下
    であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記
    載の感光体。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれかに記載の感
    光体を用いるとともに、書き込み光として可干渉光を用
    いることを特徴とする画像形成装置。
  15. 【請求項15】 多値方式による階調再現方法により書
    き込み画像を感光体に出力させることを特徴とする請求
    項14に記載の画像形成装置。
  16. 【請求項16】 カラー画像形成可能であることを特徴
    とする請求項14又は15に記載の画像形成装置。
  17. 【請求項17】 感光体上に各色のトナー画像を形成
    後、中間転写ベルト上に各色のトナーを転写し、出力媒
    体に中間転写ベルト上に積層されたトナーを2次転写す
    ることにより、画像形成を行うタイプのものであること
    を特徴とする請求項16に記載の画像形成装置。
  18. 【請求項18】 中間転写ベルトが弾性を有しているこ
    とを特徴とする請求項17に記載の画像形成装置。
  19. 【請求項19】 複数の感光体を有し、それぞれの感光
    体に、異なる色のトナー画像を形成し、弾性を有する中
    間転写ベルトに各色のトナー画像を順次積層した後、出
    力媒体へ積層されたトナーを二次転写することにより、
    画像形成を行うタイプのものであることを特徴とする請
    求項14〜18のいずれかに記載の画像形成装置。
  20. 【請求項20】 感光体への書き込みが、複数のレーザ
    ー光を同時に照射することにより行われることを特徴と
    する請求項14〜19のいずれかに記載の画像形成装
    置。
  21. 【請求項21】 書き込み画像の解像が1000dpi
    以上であることを特徴とする請求項14〜20のいずれ
    かに記載の画像形成装置。
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