JP2004109138A - 電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電子機器である電子制御式機械時計は、ゼンマイ1で駆動されて発電する発電機2と、その電気的エネルギで駆動されて発電機2の回転周期を制御する回転制御装置50とを備える。回転制御装置50は、基準信号fsおよび発電機2の回転周期に対応した回転検出信号FG1を比較して発電機2のブレーキ制御を行うブレーキ制御装置55と、発電機2の回転周期が基準周期よりも長い第1設定周期以上の場合に、発電機2のブレーキ量を第1ブレーキ設定値に設定して発電機2の停止を防止する発電機停止防止手段56とを備える。発電機2の回転周期が遅くなった場合には、第1ブレーキ設定値で発電機2を制御する。第1ブレーキ設定値は、ブレーキ量0等の小さなブレーキ量であり、発電機2の停止を防止できる。
【選択図】図1
Description
発電機が一旦停止すると、コギングトルクが影響するため、再度発電機を回転させるには、非常に大きなトルクを加える必要がある。従って、ゼンマイがフル巻状態あるいはフル巻に近い状態でなければ、そのまま発電機が停止し、持続時間が短くなるという問題がある。
また、ゼンマイがフル巻に近い状態であるため、発電機を再度回転させることができる場合でも、発電機が回転し始めるまでに多少時間が掛かるため、発電機の回転に連動して作動される指針に、指示誤差が生じるという問題がある。
このような構成であれば、第1設定周期以上の回転周期を検出したら即座にブレーキ量を第1ブレーキ設定値に設定できるので、迅速な制御を行うことができる。
なお、ここで、発電機が発振するとは、ブレーキが基準周期の1周期以上に渡って掛かったり、逆に1周期に何も掛からなかったりという状態が繰り返されることであり、発電機の基準周期に対して、実際の発電機の回転周期の変動幅の割合が大きいことを意味する。例えば、基準周期が8Hzの場合に、6〜10Hz程度の大きな幅、つまり基準周期の例えば20%以上の変動幅となることをいう。従って、発振していない状態とは、1周期にいくらかのブレーキが掛かり、発電機の回転周期の変動幅が所定範囲内(例えば、8Hz±1Hz、基準周期の15%未満程度)に納まっている状態をいう。
一方で、第1設定周期を大きめ(基準周期よりも非常に大きな値)にすると、第1ブレーキ設定値に変更する前に、発電機が停止してしまうおそれがある。
従って、本発明を適用する電子機器に応じて、このような発振状態や停止状態になってしまわない周期に第1設定周期を設定すれば、発振状態や発電機の停止状態が発生しないように確実に制御することができる。
ここで、時刻表示装置とは、例えば、機械的エネルギ源から発電機に機械的エネルギを伝達する輪列等のエネルギ伝達装置に結合された指針等の時刻を指示する装置をいう。
このような構成であれば、第1設定周期以上の回転周期を検出したら即座にブレーキ量を第1ブレーキ設定値に設定できるので、迅速な制御を行うことができる。
なお、ここで、発電機が発振するとは、前述したように、発電機の回転周期の変動幅が大きなことをいう。つまり、指針式(アナログ式)の電子制御式機械時計においては、指針が一定の速度で移動するのではなく、その動作が速くなったり遅くなったりして使用者が気が付いてしまうような動きを行うことをいう。
一方で、第1設定周期を大きめ(基準周期よりも非常に大きな値)にすると、第1ブレーキ設定値に変更する前に、発電機が停止してしまうおそれがある。
従って、本発明を適用する電子機器に応じて、このような発振状態や停止状態になってしまわない周期に第1設定周期を設定すれば、発振状態や発電機の停止状態が発生しないように確実に制御することができる。
さらに、このプログラムをCD−ROM等の記録媒体や、インターネット等の通信手段を介して電子機器にインストールして組み込むことができるので、その第1設定周期を各電子機器の特性などに応じて最適にかつ簡単に設定することができ、より正確な回転制御を行うことができる。
このような発振状態や停止状態になってしまう周期は、電子機器の種類、ブレーキ力の設定などによって変化するが、本発明の設計方法によれば、実際に各周期を求めているので、発振状態や発電機の停止状態が発生しない第1設定周期を適切に設定することができる。
電子制御式機械時計は、機械的エネルギ源としてのゼンマイ1と、ゼンマイ1のトルクを発電機2に伝達するエネルギ伝達装置としての増速輪列3と、増速輪列3に連結されて時刻表示を行う指針4とを備えている。
ANDゲート203には、ANDゲート202の出力の反転信号と出力F6の反転信号が入力される。ANDゲート204には、出力F3,F6が入力される。ANDゲート205には出力F2の反転信号およびNORゲート207の出力が入力され、ANDゲート206には出力F2およびNORゲート207の出力が入力される。
ORゲート208には、ANDゲート202,205の信号が入力される。
具体的には、本実施形態では、出力SP1はロータの回転周期117ms未満の時に”H”とされ、それ以外では”L”とされる。同様に、各出力SP2は回転周期117〜132ms(117ms以上かつ132ms未満、以下も同様)の時のみ”H”とされ、出力SP3は回転周期132〜140msの時のみ”H”とされる。また、フリップフロップ210の出力Qは回転周期140ms以上の時のみ”H”とされるため、その反転信号XQ(SP4の反転信号XSP4)は通常は”H”であり、回転周期140ms以上の時のみ”L”とされる。
なお、出力SP2がHレベル信号となっている場合には、出力QDは補正されずに、そのままブレーキ制御信号CH3となる。また、回転周期が140ms以上の場合には、SP1〜SP3はすべてLレベル信号であるため、ブレーキ制御信号CH3もLレベル信号となる。
一方、補正信号H02は、出力Q12の立ち上がりタイミングを基準として、Q8(128Hz)の1周期分つまり約7.8ms前にLレベル信号に変化し、出力Q12の立ち上がりに合わせてHレベル信号に変化するように設定されている。
発電機2が作動し始めて、初期化回路90からLレベルのシステムリセット信号SRがアップダウンカウンタ60のLOAD入力に入力されると、図4に示すように、回転検出信号FG1に基づくアップカウント信号と、基準信号fsに基づくダウンカウント信号とがアップダウンカウンタ60でカウントされる(ステップ1、以下ステップを「S」と略す)。これらの各信号は、同期回路70によって同時にカウンタ60に入力されないように設定されている。
一方、ダウンカウント信号が入力されてカウンタ値が「7」に戻れば、出力QDからはLレベル信号が出力される。
具体的には、ブレーキ制御信号CH3からLレベル信号が出力されている場合には、出力CH4もLレベル信号となる。このため、図5にも示すように、NORゲート85からの出力CH5は、出力CH1が反転したチョッパ信号、つまりHレベル期間(ブレーキオフ期間)が15/16と長く、Lレベル期間(ブレーキオン期間)が1/16と短い、つまり弱ブレーキ制御を行うデューティ比(スイッチ21,22をオンしている比率)の小さな(1/16)チョッパ信号となる。従って、発電機2に対しては、発電電力を優先した弱いブレーキ制御が行われる。
この際、前述のように、ロータの回転検出信号FG1の周期を回転周期検出回路200で検出し、その回転周期が基準信号周期に比べてほぼ等しいか、あるいは速い(1段階)か遅いか(2段階)の計4段階に区分し、それらに応じてブレーキ制御信号CH3で強ブレーキ制御を行う時間つまりHレベル信号の期間を調整している。
このようなブレーキ制御を繰り返すことで、発電機2が設定された回転スピード近くになり、図4に示すように、アップカウンタ信号と、ダウンカウンタ信号とが交互に入力されて、カウンタ値が「8」と「7」とを繰り返すロック状態に移行する。この際も、カウンタ値および回転周期に応じて強ブレーキ制御と弱ブレーキ制御とが繰り返される。
(1) ブレーキ制御信号生成回路81において発電機2のブレーキを制御するブレーキ制御信号CH3を生成する際に、ロータの回転周期を検出し、その回転周期が第1設定周期(140ms)以上の場合には、ブレーキ制御信号CH3をLレベル信号とし、デューティ比1/16のチョッパ信号による弱ブレーキ制御を行う発電機停止防止装置56を設けたので、回転周期が遅い状態でブレーキ制御を行っても、発電機2が停止することを確実に防止することができる。
このため、ブレーキの掛けすぎによって発電機2が停止してしまって持続時間が短くなることを防止でき、電子制御式機械時計の持続時間を設計通りに確保することができる。
また、発電機2が一旦停止し、再度駆動することもないため、指針4の指示誤差も無くすことができる。
これにより、基準周期に関係なく発電機2の回転周期に応じた最適なブレーキ制御を行うことができるため、基準周期の1周期の中で必ずブレーキオン制御とブレーキオフ制御とを行う場合に比べて、確実かつ十分なブレーキ量を与えることができ、調速制御の応答性も高めることができる。このため、発電機2のロータの回転周期のばらつきを小さくでき、発電機2をほぼ一定速度で安定して回転することができる。
その上、ブレーキ制御信号生成回路81は、発電機2の回転周期に応じてブレーキ量を補正するブレーキ量補正装置と、弱ブレーキ制御を続行して発電機2の停止防止を優先させる発電機停止防止装置56とを兼用しているので、これらを別回路で構成する場合に比べて回路構成を簡略化でき、コストも低減できる。
この第1ブレーキ設定値は、回転周期が第1設定周期(例えば140ms)以上になった場合でも、発電機2の停止を防止できる値であればよく、具体的には、本発明を適用する電子機器に応じて、実験等から適宜設定すればよい。
このように3種類以上あるいは連続的に周波数やデューティ比が変化するチョッパ信号でブレーキ制御を行う場合には、発電機停止防止制御時の第1ブレーキ設定値は、これらの各ブレーキ制御信号の中で最もブレーキ量の小さなものと同一あるいはそれ以下のものを利用すればよい。
但し、最も小さいブレーキ量に限定されるものではなく、発電機2が停止しないブレーキ量であれば最小ブレーキ量よりも大きなブレーキ量を第1ブレーキ設定値としてもよい。
この場合には、第1ブレーキ設定値は、ブレーキオフつまりブレーキ量0にすればよい。
さらに、ブレーキ量補正回路300で設定される補正信号H01、H02の具体的な補正量や、その補正信号H01,H02を利用する回転周期の範囲は、実施にあたって適宜設定すればよい。
また、本発明をメトロノームに適用する場合には、輪列の歯車にメトロノーム音発信車を付け、その車の回転により、メトロノーム音片を弾いて周期的なメトロノーム音を発音させるようにすればよい。なお、メトロノームは、各種のテンポに対応した音を発生させる必要があるが、この場合には、水晶振動子の分周段を変えて発振回路からの基準信号の周期を可変することで対応すればよい。
そして、この第1設定周期を設計するにあたっては、実際に、発電機2のブレーキ量を第1ブレーキ設定値に切り替えなければ発電機が停止してしまう周期と、発電機2のブレーキ量を第1ブレーキ設定値に切り替えてしまうと発電機2が発振してしまう周期とを実験等で求め、これらの各周期の間の周期に設定すればよい。
また、ゼンマイなどの機械的エネルギ源からの機械的エネルギを発電機に伝達するエネルギ伝達装置としては、前記各実施形態のような輪列(歯車)に限らず、摩擦車、ベルト及びプーリ、チェーン及びスプロケットホイール、ラック及びピニオン、カムなどを利用したものでもよく、本発明を適用する電子機器の種類などに応じて適宜設定すればよい。
Claims (1)
- 機械的エネルギ源と、前記機械的エネルギ源によって駆動されて誘起電力を発生して電気的エネルギを供給する発電機と、前記電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置とを備える電子機器において、
前記回転制御装置は、
時間標準源からの信号に基づいて発せられる基準信号および前記発電機の回転周期に対応した回転検出信号を比較して前記発電機のブレーキ制御を行うブレーキ制御手段と、
前記発電機の回転周期を計測し、その回転周期が基準周期よりも長い第1設定周期以上であった場合に、前記発電機のブレーキ量を第1ブレーキ設定値に設定して発電機の停止を防止する発電機停止防止手段と、を備え、
前記ブレーキ制御手段は、発電機の回転周期に応じて発電機のブレーキ量を補正するブレーキ量補正装置を備えることを特徴とする電子機器。
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