JP2000346963A - 電子機器および電子機器の制御方法 - Google Patents

電子機器および電子機器の制御方法

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JP2000346963A
JP2000346963A JP11343261A JP34326199A JP2000346963A JP 2000346963 A JP2000346963 A JP 2000346963A JP 11343261 A JP11343261 A JP 11343261A JP 34326199 A JP34326199 A JP 34326199A JP 2000346963 A JP2000346963 A JP 2000346963A
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Kunio Koike
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Eisaku Shimizu
栄作 清水
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英典 中村
Shigeyuki Fujimori
茂幸 藤森
Osamu Takahashi
理 高橋
Osamu Shinkawa
修 新川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発電電力を一定以上に保ちながら発電機の制
動トルクを増加でき、かつコストを低減できる電子機器
を提供すること。 【解決手段】 電子機器は、ゼンマイ1aから伝達され
る機械エネルギを電気エネルギに変換する発電機20
と、変換した前記電気エネルギにより駆動されて前記発
電機20の回転周期を制御する回転制御手段50とを備
える。発電機20の両端を閉ループ可能なスイッチを設
け、回転制御手段50でスイッチにチョッピング信号を
印加して断続し、発電機20をチョッピング制御する。
この際、チョッピング信号のデューティ比をチョッピン
グ信号の周波数に基づいて設定する。チョッピングによ
り発電機20を制御しているので、発電電圧を一定値以
上に維持しながら、制動トルクを向上でき、かつコスト
も低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゼンマイ等の機械
的エネルギ源の機械的エネルギを発電機で電気的エネル
ギに変換し、その電気的エネルギにより回転制御手段を
作動させて発電機の回転周期を制御する電子機器および
その制御方法に関する。
【0002】
【背景技術】ゼンマイが開放する時の機械的エネルギを
発電機で電気エネルギに変換し、その電気的エネルギに
より回転制御手段を作動させて発電機のコイルに流れる
電流値を制御することにより、輪列に固定される指針を
正確に駆動して正確に時刻を表示する電子制御式機械時
計として、特公平7−119812号公報や特開平8−
101284号公報に記載されたものが知られている。
【0003】ところで、このような電子制御式機械時計
において持続時間を長くするには、ゼンマイのトルクが
高いときにはブレーキトルクを増加でき、かつその際の
発電電力が低下しないようにすることが重要である。
【0004】このため、特公平7−119812号公報
に記載されたものは、ロータが1回転する間つまり基準
信号の周期毎に、ブレーキをオフしてロータの回転速度
を高めて発電量を増やす角度範囲と、ブレーキを掛けて
低速で回す角度範囲とを設け、前記回転速度が高い間で
発電電力を向上させ、ブレーキ時の発電電力の低下を補
うようにしている。
【0005】また、特開平8−101284号公報に記
載されたものは、発電機の誘起電力の電圧を昇圧する昇
圧回路の段数を可変することで、ブレーキトルクの増加
と起電圧の低下防止とを両立するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
7−119812号公報に記載したものは、ロータが1
回転する間で、回転速度が高い状態とブレーキが掛けら
れてほぼ停止状態に近い程度の低速状態とに切り替えな
ければならず、現実的にはそのような急激な速度変化は
実現が難しいという問題がある。特に、ロータには通常
フライホイールを設けて回転安定性を高めているため、
急激な速度変化を行うことは困難であるという問題があ
る。
【0007】さらに、ブレーキを掛けた部分では発電電
力が低下するため、ブレーキトルクを増加させながら発
電電力の低下を抑えることに限界があった。
【0008】一方、特開平8−101284号公報に記
載したものは、スイッチやコンデンサが多く必要であ
り、コストが高いという問題があった。
【0009】また、電子制御式機械時計に限らず、ゼン
マイやゴムなどの機械的エネルギ源によって回転制御さ
れる部分を有するオルゴールやメトロノーム、電気かみ
そりなどの各種電子機器においても、持続時間を長くす
るために、ブレーキトルクを増加させかつ発電電力の低
下を抑えることが求められていた。
【0010】本発明の目的は、発電電力を一定以上に保
ちながら発電機の制動トルク(ブレーキトルク)を増加
でき、かつコストを低減できる電子機器およびその制御
方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、機械的エネルギ源と、前記機械的エネルギ源によっ
て駆動されて誘起電力を発生して第1および第2の端子
から電気的エネルギを供給する発電機と、前記電気的エ
ネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御す
る回転制御手段とを備える電子機器において、前記発電
機の各端子を閉ループ可能(閉ループ状態に接続可能)
なスイッチを設けるとともに、前記回転制御手段は、前
記スイッチにチョッピング信号を印加して前記発電機を
チョッピング制御可能に構成され、かつ前記チョッピン
グ信号のデューティ比はそのチョッピング信号の周波数
と共に、つまり周波数に基づいて設定されていることを
特徴とするものである。
【0012】本発明の電子機器は、発電機をゼンマイで
駆動し、発電機に回転制御手段によりブレーキをかける
ことでロータの回転を調速する。
【0013】この際、発電機の回転制御(ブレーキ制
御)は、発電機のコイル両端を閉ループ可能なスイッチ
を、所定のデューティ比のチョッピング信号でオン・オ
フしてチョッピングすることで行っている。チョッピン
グすることで、スイッチをオンした時には、発電機のコ
イル両端が閉ループ状態になってショートブレーキが掛
かり、かつ発電機のコイルにエネルギーがたまる。一方
で、スイッチをオフすると、閉ループ状態が解除されて
発電機が動作し、前記コイルにたまっていたエネルギー
分が含まれるため、起電圧が高まる。このため、発電機
をチョッピングで制御すると、ブレーキ時の発電電力の
低下を、スイッチオフ時の起電圧の高まり分で補填で
き、発電電力を一定以上に保ちながら制動トルクを増加
でき、持続時間の長い電子機器を構成することができ
る。この際、所定の制動トルクや発電電力を得るための
チョッピング信号のデューティ比は、そのチョッピング
信号の周波数によって変化するため、チョッピング信号
のデューティ比を周波数に基づいて設定することで、要
求されるブレーキ能力や発電電力等に応じた適切なブレ
ーキ制御を行うことができる。例えば、チョッピング信
号の周波数は、その電子機器において生成できる信号種
類などに応じて設定される。すなわち、水晶振動子を備
える時計においては、この水晶振動子からの信号を適宜
分周したものを利用すれば、別途チョッピング制御用の
信号を生成する必要が無く、効率的である。他の電子機
器においても、その電子機器によって生成しやすい周波
数が存在する。従って、各種の電子機器で利用しやすい
周波数が特定されたら、その周波数において必要なブレ
ーキ能力や発電電力を得られるデューティ比を設定すれ
ばよい。すなわち、チョッピング信号のデューティ比を
周波数と共に設定する、つまり周波数に基づいて設定す
るとは、チョッピング信号のデューティ比および周波数
の2つのパラメータによってブレーキ力や発電電力が変
わるため、これらを考慮してデューティ比および周波数
の両方を予め設定していることを意味する。つまり、周
波数とデューティとを、得られるブレーキ力と発電電力
のバランスで決定していることになる。
【0014】なお、前記スイッチをオンすることで移行
する閉ループ状態とは、閉ループ状態ではない場合と比
べて発電機に加わるブレーキ力が大きくなる状態であれ
ばよく、閉ループとされた回路上に、例えばスイッチと
発電機との間等に、抵抗素子等が設けられていてもよ
い。但し、閉ループ状態は、各発電機の端子間を容易に
同電位にできてショートブレーキを効率的に掛けられる
点で、発電機の各端子間を直接短絡して構成することが
好ましい。
【0015】また、このチョッピング信号のデューティ
比は、例えば、そのチョッピング信号の周波数に対応し
て決められた範囲内で設定すればよい。
【0016】この際、前記回転制御手段は、前記発電機
に強いブレーキを印加する時に、デューティ比が0.4
〜0.97の範囲内で設定されたチョッピング信号を前
記スイッチに印加して、前記発電機をチョッピング制御
するように構成されていることが好ましい。
【0017】スイッチにチョッピング信号を印加して発
電機をチョッピング制御した場合、図48〜51に示す
ように、駆動トルク(ブレーキトルク、制動トルク)は
チョッピング周波数が低いほど、またデューティ比が高
いほど高くなり、充電電圧(発電電圧)はチョッピング
周波数が高いほど高くなるがデューティ比が高くなって
もそれほど低下せず、逆に50Hz以上の周波数ではデ
ューティ比が0.8程度になる。特に、図48、50に
示すように、周波数が500Hz以上(例えば512H
z)の場合に顕著であるが、デューティ比が0.4以上
になると、充電電圧を比較的高くすることができ、発電
電圧をそれほど低下させずにブレーキ力を大きくしてい
くことができる。また、デューティ比が0.97よりも
大きくなると、図48、50に示すように充電電圧の低
下が大きいために実用的でないが、0.97以下であれ
ば充電電圧の低下を抑えることができ、かつブレーキ力
を大きくすることができる。
【0018】さらに、前記回転制御手段は、前記発電機
に強いブレーキを印加する時に、デューティ比が0.7
0〜0.97の範囲内で設定されたチョッピング信号を
前記スイッチに印加して、前記発電機をチョッピング制
御するように構成されていることが好ましい。図48〜
51に示すように、このデューティ比の範囲であれば、
駆動トルクや充電電力をある一定レベル以上にできて効
果的なブレーキ制御を行うことができる。特に、デュー
ティ比が0.85〜0.97の範囲内で設定されたチョ
ッピング信号を用いれば、制動トルクと充電電圧とを共
に比較的高いレベルでバランスさせることができ、非常
に効果的なブレーキ制御を行うことができる。
【0019】なお、強いブレーキを印加していない間
は、例えばデューティ比が0.01〜0.30程度と小
さいチョッピング信号を前記スイッチに印加して弱いブ
レーキを発電機に加えて制御してもよいし、前記スイッ
チを開いたままに維持してブレーキを発電機にまったく
加えずに制御してもよい。
【0020】また、前記回転制御手段は、前記発電機に
強いブレーキと弱いブレーキとを切り替えて印加可能に
構成され、かつデューティ比が異なる2種類以上のチョ
ッピング信号を発生するチョッピング信号発生部を備え
ているとともに、前記発電機に弱いブレーキを印加する
時には、前記発電機に強いブレーキを印加する時に印加
されるチョッピング信号よりもデューティ比が小さいチ
ョッピング信号を前記スイッチに印加して、前記発電機
をチョッピング制御するように構成されていることが好
ましい。
【0021】このような構成によれば、前記スイッチに
デューティ比が異なる2種類以上のチョッピング信号を
印加することで、つまり発電機に強いブレーキを印加す
る強いブレーキ制御時には、デューティ比が大きい(ス
イッチをオンしている期間が長い)チョッピング信号を
印加することで発電機の制動トルクを増加できるととも
に、チョッピングによって発電電力の低下を抑えること
ができる。
【0022】一方、発電機に弱いブレーキを印加する弱
いブレーキ制御時には、前記チョッピング信号よりもデ
ューティ比の小さい(スイッチをオンしている期間が短
い)チョッピング信号をスイッチに印加することで発電
機の制動トルクを非常に小さくでき、十分な発電電力を
得ることができる。
【0023】このようにデューティ比が大きいチョッピ
ング信号を用いてブレーキを掛けたり、デューティ比の
小さいチョッピング信号を用いてブレーキを解除するこ
とで、発電電力(コンデンサ等への充電電力)の低下を
抑えつつ制動トルクを増加でき、持続時間の長い電子機
器を構成することができる。
【0024】ここで、前記回転制御手段は、前記発電機
に弱いブレーキを印加する時には、デューティ比が0.
01〜0.30の範囲内で設定されたチョッピング信号
を前記スイッチに印加して、前記発電機をチョッピング
制御するように構成されていることが好ましい。
【0025】弱いブレーキ制御時にも、デューティ比が
0.01〜0.30の範囲内で設定されたチョッピング
信号をスイッチに印可すれば、充電電圧をある程度維持
しつつ、駆動トルクを小さくすることができ、弱いブレ
ーキ制御時においてもある程度充電電圧を高めることが
できる。
【0026】この際、前記弱いブレーキ制御時には、デ
ューティ比が0.01〜0.15の範囲内で設定された
チョッピング信号を前記スイッチに印加して、前記発電
機をチョッピング制御するように構成されていることが
好ましく、デューティ比が0.05〜0.10の範囲内
で設定されたチョッピング信号をスイッチに印加して前
記発電機をチョッピング制御することがより好ましい。
【0027】弱いブレーキ制御時に、デューティ比が
0.01〜0.15の範囲内で設定されたチョッピング
信号を前記スイッチに印加すれば、駆動トルクを小さく
しつつ、充電電圧もある程度確保できて効果的な弱いブ
レーキ制御を行うことができる。特に、デューティ比を
0.05〜0.10の範囲内にすれば、充電電圧を比較
的高くしつつ、制動トルクを抑えることができ、より一
層効果的なブレーキ制御を行うことができる。
【0028】なお、デューティ比が0.01〜0.30
と低いチョッピング信号を加える場合の周波数は、強い
ブレーキの場合と同様の範囲にすればよい。特に、図4
8〜51から明らかなように、デューティ比が小さい
と、ブレーキ力や発電電力は、周波数が変化しても大き
く変動しないため、強いブレーキと同じ周波数を用いて
もよい。
【0029】この際、前記回転制御手段によって前記ス
イッチを断続するチョッピング周波数は、発電機のロー
タが設定速度で発生する起電圧波形の周波数の3倍以上
であることが好ましく、起電圧波形の周波数の3倍〜1
30倍程度であることがより好ましい。
【0030】チョッピング周波数が起電圧波形の周波数
の3倍よりも小さいと、起電圧を高める効果が小さくな
るため、起電圧波形の周波数の3倍以上であることが好
ましい。
【0031】また、チョッピング周波数が起電圧波形の
周波数の130倍程度以上になると、チョッピングする
ためにICの消費電力が増大し、発電する電力が多くな
るため、チョッピング周波数は起電圧波形の周波数の1
30倍以下であることが好ましい。さらに、チョッピン
グ周波数は起電圧波形の周波数の3倍〜130倍程度で
あれば、デューティーサイクルの変化率に対するトルク
変化率が一定に近くなり、制御も容易になる。但し、用
途や制御方式によっては、チョッピング周波数を3倍以
下に設定したり、130倍以上に設定してもよい。
【0032】また、チョッピング周波数としては、例え
ば、25Hz〜1100Hzの範囲のものが利用でき、
特に、128Hz〜512Hzの範囲のものを利用する
ことが好ましい。チョッピング信号で断続されるスイッ
チは、通常、電界効果型トランジスタで構成されるが、
この場合、トランジスタにはゲート容量が存在するた
め、断続回数が多くなるにつれて消費電流も大きくな
る。従って、消費電流を押さえる点から、チョッピング
周波数は512Hz以下であることが好ましい。但し、
この許容できる消費電流は、各電子機器において異なる
ため、ブレーキ性能や発電性能の点からは、1100H
z程度以下であればよい。
【0033】一方、チョッピング周波数が小さくなる
と、充電電圧が低下するため、25Hz以上、好ましく
は128Hz以上にすればよい。
【0034】請求項14に記載の電子機器は、発電機の
電気的エネルギを電源回路に充電するための第1および
第2の電源ラインを備えるとともに、前記スイッチは、
発電機の第1および第2の端子と第1および第2の電源
ラインの一方のラインとの間にそれぞれ配置された第1
および第2のスイッチで構成され、前記回転制御手段
は、前記発電機の第1および第2の端子の一方の端子に
接続されたスイッチをオンし続けるとともに、発電機の
他方の端子に接続されたスイッチを断続するように制御
することを特徴とする。
【0035】このような構成にすれば、チョッピングに
よるブレーキ制御だけではなく、発電処理と発電機の回
転処理とを同時に実現でき、部品点数をより少なくでき
てコストを低減できる上、各スイッチの断続タイミング
を制御することで、発電効率を向上できる。この際、前
記第1および第2のスイッチは、それぞれトランジスタ
で構成されていることが好ましい。
【0036】また、前記回転制御手段は、発電機の起電
圧波形と基準波形とを比較するコンパレータと、各コン
パレータの出力を時間標準信号と比較して差信号を出力
する比較回路と、この差信号に基づきパルス幅が可変さ
れたクロック信号を出力する信号出力回路と、前記クロ
ック信号とコンパレータ出力とを論理合成して前記スイ
ッチ(トランジスタ等)に出力する論理回路とを備えて
構成されていることが好ましい。
【0037】このような構成にすれば、トランジスタ等
で構成されたスイッチの断続制御における消費電力を小
さくでき、発電電圧の小さな時計用の発電機に適した回
路構成にすることができる。
【0038】請求項16に記載の電子機器にあっては、
前記第1のスイッチは、発電機の第2の端子にゲートが
接続された第1の電界効果型トランジスタと、この第1
の電界効果型トランジスタに並列に接続されて前記回転
制御手段で断続される第2の電界効果型トランジスタと
で構成され、前記第2のスイッチは、発電機の第1の端
子にゲートが接続された第3の電界効果型トランジスタ
と、この第3の電界効果型トランジスタに並列に接続さ
れて前記回転制御手段で断続される第4の電界効果型ト
ランジスタとで構成されていることを特徴とするもので
ある。
【0039】このような電子機器では、発電機の第1の
端子がプラス、第2の端子がマイナス(第1の端子より
も低電位)になると、第2の端子にゲートが接続された
第1の電界効果型トランジスタがオン状態(Pチャネル
の場合であり、Nチャネルのトランジスタではオフ状
態)となり、第1の端子にゲートが接続された第3の電
界効果型トランジスタはオフ状態(Pチャネルの場合で
あり、Nチャネルのトランジスタではオン状態)とな
る。このため、発電機で発電された交流電流は、第1の
端子、第1の電界効果型トランジスタ、第1および第2
の電源ラインの一方のライン、電源回路、第1および第
2の電源ラインの他方のライン、第2の端子の経路で流
れる。
【0040】また、発電機の第2の端子がプラス、第1
の端子がマイナス(第2の端子よりも低電位)になる
と、第1の端子にゲートが接続された第3の電界効果型
トランジスタがオン状態となり、第2の端子にゲートが
接続された第1の電界効果型トランジスタはオフ状態と
なる。このため、発電機で発電された交流電流は、第2
の端子、第3の電界効果型トランジスタ、第1および第
2の電源ラインの一方のライン、電源回路、第1および
第2の電源ラインの他方のライン、第1の端子の経路で
流れる。
【0041】この際、第2,4の各電界効果型トランジ
スタは、そのゲートにチョッピング信号が入力されるこ
とでオン、オフ状態を繰り返している。そして、各第
2,4の電界効果型トランジスタは、第1,3の電界効
果型トランジスタに並列に接続されているため、第1,
3の電界効果型トランジスタがオン状態であれば、第
2,4の電界効果型トランジスタのオン、オフ状態に関
係なく電流が流れるが、第1,3の電界効果型トランジ
スタがオフ状態の場合には、第2,4の電界効果型トラ
ンジスタがチョッピング信号でオン状態とされると電流
が流れる。従って、オフ状態の第1,3の電界効果型ト
ランジスタの一方に並列接続された第2,4の電界効果
型トランジスタがチョッピング信号でオン状態にされる
と、第1,2のスイッチの両方がオン状態となり、発電
機の各端子が閉ループ状態とされる。
【0042】これにより、発電機をチョッピングでブレ
ーキ制御することができ、ブレーキ時の発電電力の低下
を、スイッチオフ時の起電圧の高まり分で補填でき、発
電電力を一定以上に保ちながら制動トルクを増加でき、
持続時間の長い電子機器を構成することができる。さら
に、発電機の整流制御は、各端子にゲートが接続された
第1,3の電界効果型トランジスタで行っているので、
コンパレータ等を用いる必要が無く、構成が簡単にな
り、かつコンパレータの消費電力による充電効率の低下
も防止できる。さらに、発電機の端子電圧を利用して電
界効果型トランジスタのオン、オフを制御しているの
で、発電機の端子の極性に同期して各電界効果型トラン
ジスタを制御することができ、整流効率を向上すること
ができる。なお、強いブレーキ制御と弱いブレーキ制御
は、通常、発電機の基準周期(ロータが1回転する周期
等)の1周期の期間にそれぞれ1回ずつ行うが、例え
ば、発電機が起動し始めたばかりの場合等は、基準周期
の複数周期の間、弱いブレーキ制御のみを行うようにし
てもよい。
【0043】本発明の電子機器の制御方法は、機械的エ
ネルギ源と、前記機械的エネルギ源によって駆動されて
誘起電力を発生して第1および第2の端子から電気的エ
ネルギを供給する発電機と、前記電気的エネルギにより
駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御手
段とを備える電子機器の制御方法において、前記発電機
の各端子を閉ループ可能なスイッチを、その断続の周波
数に基づいて設定されるデューティ比で断続し、発電機
をチョッピングによりブレーキ制御することを特徴とす
るものである。なお、このチョッピング信号のデューテ
ィ比は、例えば、そのチョッピング信号の周波数に対応
して決められた範囲内で設定すればよい。
【0044】この際、発電機に強いブレーキを印加する
時に、スイッチに印加するチョッピング信号のデューテ
ィ比は0.40〜0.97の範囲内であることが好まし
く、さらに0.70〜0.97の範囲内であることがよ
り好ましく、0.85〜0.97の範囲内であることが
より一層好ましい。
【0045】また、前記回転制御手段は、前記発電機に
強いブレーキと弱いブレーキとを切り替えて印加可能に
構成され、かつデューティ比が異なる2種類以上のチョ
ッピング信号を発生するチョッピング信号発生部を備え
ているとともに、発電機に弱いブレーキを印加する時
に、スイッチに印加するチョッピング信号のデューティ
比は、強いブレーキ制御時にスイッチに印加するチョッ
ピング信号のデューティ比よりも小さいことが好まし
い。具体的には、デューティ比は0.01〜0.30の
範囲内であることが好ましく、さらに0.01〜0.1
5の範囲内であることがより好ましく、0.05〜0.
10の範囲内であることがより一層好ましい。
【0046】このような制御方法であれば、発電機の回
転制御(ブレーキ制御)を、発電機のコイル両端を閉ル
ープ可能なスイッチをオン・オフしてチョッピングする
ことで行っているので、ブレーキ時の発電電力の低下
を、スイッチオフ時の起電圧の高まり分で補填でき、発
電電力を一定以上に保ちながら制動トルクを増加でき、
持続時間の長い電子機器を構成することができる。
【0047】また、前記チョッピング信号の周波数は、
25〜1100Hz、より好ましくは128〜512H
zの範囲内で設定していることが好ましい。
【0048】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施形態の
電子機器である電子制御式機械時計の要部を示す平面図
であり、図2及び図3はその断面図である。
【0049】電子制御式機械時計は、ゼンマイ1a、香
箱歯車1b、香箱真1c及び香箱蓋1dからなる香箱車
1を備えている。機械的エネルギ源であるゼンマイ1a
は、外端が香箱歯車1b、内端が香箱真1cに固定され
る。香箱真1cは、地板2と輪列受3に支持され、角穴
車4と一体で回転するように角穴ネジ5により固定され
ている。
【0050】角穴車4は、時計方向には回転するが反時
計方向には回転しないように、こはぜ6と噛み合ってい
る。なお、角穴車4を時計方向に回転しゼンマイ1aを
巻く方法は、機械時計の自動巻または手巻機構と同様で
あるため、説明を省略する。香箱歯車1bの回転は、7
倍に増速されて二番車7へ、順次6.4倍増速されて三
番車8へ、9.375 倍増速されて四番車9へ、3倍増速さ
れて五番車10へ、10倍増速されて六番車11へ、1
0倍増速されてロータ12へと、合計126,000倍
に増速されている。そして、これらの各歯車7〜11か
らなる輪列によって、機械的エネルギ源であるゼンマイ
1aの機械的エネルギを発電機に伝達する機械エネルギ
伝達装置が構成されている。
【0051】二番車7には筒かな7aが、筒かな7aに
は分針13が、四番車9には秒針14がそれぞれ固定さ
れている。従って、二番車7を1rphで、四番車9を
1rpmで回転させるためには、ロータ12は5rps
で回転するように制御すればよい。このときの香箱歯車
1bは、1/7rphとなる。そして、これらの各針1
3,14によって、時刻を表示する時刻表示装置が構成
されている。
【0052】この電子制御式機械時計は、ロータ12、
ステータ15、コイルブロック16から構成される発電
機20を備えている。ロータ12は、ロータ磁石12
a、ロータかな12b、ロータ慣性円板12cから構成
される。ロータ慣性円板12cは、香箱車1からの駆動
トルク変動に対しロータ12の回転数変動を少なくする
ためのものである。ステータ15は、ステータ体15a
に4万ターンのステータコイル15bを巻線したもので
ある。
【0053】コイルブロック16は、磁心16aに11
万ターンのコイル16bを巻線したものである。ここ
で、ステータ体15aと磁心16aはPCパーマロイ等
で構成されている。また、ステータコイル15bとコイ
ル16bは、各々の発電電圧を加えた出力電圧がでるよ
うに直列に接続されている。
【0054】次に、電子制御式機械時計の制御回路につ
いて、図4〜8を参照して説明する。
【0055】図4には、本実施形態の機能を示すブロッ
ク図が示されている。
【0056】発電機20からの交流出力は、昇圧整流、
全波整流、半波整流、トランジスタ整流等からなる整流
回路21を通して昇圧、整流される。整流回路21に
は、回転制御手段等の制御用ICや水晶振動子等の負荷
22が接続されている。なお、図4では説明の便宜上、
IC内に構成される各機能回路を負荷22とは別に記載
している。
【0057】発電機20には、制動抵抗23Aおよびス
イッチとして機能するNchやPchのトランジスタ2
3Bが直列に接続されて構成されたブレーキ回路23が
接続されている。この発電機20およびブレーキ回路2
3によってVCO(電圧制御発振器)25が構成されて
いる。なお、ブレーキ回路23には、制動抵抗23Aの
ほかにダイオードを適宜挿入してもよい。
【0058】このVCO25には、回転制御手段50が
接続されている。
【0059】回転制御手段50は、発振回路51、分周
回路52、ロータ12の回転検出回路53、位相比較回
路(PC)54、ローパスフィルタ(低域フィルタ:L
PF)55、ブレーキ制御回路56によって構成されて
いる。
【0060】発振回路51は水晶振動子51Aによる発
振信号を出力し、この発振信号は分周回路52によって
ある一定周期まで分周される。この分周信号は、例えば
10Hzの時間標準信号(基準周期信号)fsとして位
相比較回路54に出力されている。なお、水晶振動子5
1Aの代わりに各種の基準標準振動源等を用いて基準信
号を作成してもよい。
【0061】回転検出回路53は、VCO25の出力波
形を発電機20側に影響しないようにハイインピーダン
スで受け、この出力を矩形波パルスfrに波形処理して
位相比較回路54に出力する。
【0062】位相比較回路54は、分周回路52からの
時間標準信号fsと、回転検出回路53からの矩形波パ
ルスfrとの位相を比較し、その差信号を出力する。こ
の差信号はLPF55で高周波成分が除去された後、ブ
レーキ制御回路56に入力される。
【0063】ブレーキ制御回路56は、この信号に基づ
いてブレーキ回路23の制御信号をVCO25に入力す
る。これにより位相同期制御(PLL制御)が実現され
ている。
【0064】次に、本実施形態のより具体的な構成を図
5に示す。
【0065】図に示すように、本実施形態では、ブレー
キ回路23としてチョッピング充電回路60を用いてい
る。チョッピング充電回路60は、図6に示すように、
発電機20のコイル15b,16bに接続された2つの
コンパレータ61,62と、これらのコンパレータ6
1,62に比較基準電圧Vref を供給する電源63と、
コンパレータ61,62の出力と、前記ブレーキ制御回
路56側からのクロック出力(制御信号)との論理和を
出力するオア回路64,65と、前記コイル15b,1
6bに接続されるとともに、オア回路64,65の出力
がゲートに接続されてスイッチとして機能する電界効果
型トランジスタ66,67(FET)と、前記コイル1
5b,16bに接続されて前記整流回路21に設けられ
たコンデンサ21aに接続されたダイオード68,69
とを備えて構成されている。なお、FET66,67に
は寄生ダイオード66A,67Aが設けられている。
【0066】また、コンデンサ21aの+側(第1の電
源ライン側)は電圧VDDとされ、−側(第2の電源ラ
イン側)はVTKN(V/TANK/Negative:電池の
−側)とされている。同様に、電源63の−側やトラン
ジスタ66,67のソース側もVTKN(第2の電源ラ
イン側)とされている。従って、このチョッピング充電
回路60では、トランジスタ66,67を制御すること
で、発電機20を一旦VTKN側に短絡させ、開放時に
VDDの電圧以上になるようにチョッピング昇圧してい
る。このため、コンパレータ61,62は、昇圧された
起電圧と、VDDおよびVTKN間の任意の設定電圧V
ref とを比較するようになっている。
【0067】チョッピング充電回路60において、各コ
ンパレータ61,62の出力は、波形整形回路70にも
出力されている。従って、チョッピング充電回路60お
よび波形整形回路70によって回転検出回路53が構成
されている。
【0068】なお、波形整形回路70としては、図7に
示すようなコンデンサ72および抵抗73で構成された
単安定マルチバイブレータ(ワンショットタイプ)71
や、図8に示すようなカウンタ74、ラッチ75を用い
たタイプのものなどが利用できる。
【0069】位相比較回路54は、アナログ位相比較
器、ディジタル位相比較器等で構成され、例えば、CM
OSICを用いたCMOSタイプ位相比較器等が利用で
きる。そして、分周回路52からの10Hzの時間標準
信号fsと、波形整形回路70からの矩形波パルスfr
との位相差を検出して差信号を出力している。
【0070】この差信号は、チャージポンプ(CP)8
0に入力されて電圧レベルに変換され、抵抗82および
コンデンサ83からなるループフィルタ81によって高
周波成分が除去される。従って、チャージポンプ80お
よびループフィルタ81によって、前記LPF55が構
成されている。
【0071】ループフィルタ81から出力されるレベル
信号aは、コンパレータ90に入力される。このコンパ
レータ90には、発振回路51からの信号を50Hz〜
10KHzに分周する分周回路91および積分器等を用
いた三角波発生回路92を通して変換された三角波信号
bが入力されている。そして、コンパレータ90は、ル
ープフィルタ81からのレベル信号aと三角波信号bと
から矩形波パルス信号cを出力している。従って、コン
パレータ90、分周回路91、三角波発生回路92によ
り、前記ブレーキ制御回路56が構成されている。
【0072】そして、コンパレータ90から出力された
矩形波パルス信号cは、前述のとおり、チョッピング充
電回路60にクロック信号CLKとして入力されてい
る。
【0073】次に、本実施形態の動作について、図9,
10の波形図および図11のフローチャートをも参照し
て説明する。
【0074】ゼンマイ1aにより発電機20のロータ1
2が回転すると、各コイル15b,16bからは磁束の
変化に応じた交流波形が出力される。この波形は、各コ
ンパレータ61,62に入力される。そして、各コンパ
レータ61,62においては、電源63からの基準電圧
Vref と比較される。このコンパレータ61,62での
比較によりトランジスタ66,67をONさせる極性の
タイミングを検出している。
【0075】すなわち、コンデンサ21aへの昇圧充電
および発電機20のチョッピングブレーキ動作を行うに
は、クロック信号CLKをトランジスタ66,67のゲ
ートに入力するだけでも行える。しかし、クロック信号
だけで制御した場合には、クロック信号がHiになると、
各トランジスタ66,67が同時にONして短絡(閉ル
ープ状態)し、クロック信号がLoになると、各寄生ダイ
オード66A,67Aの一方とダイオード68,69の
一方とを通過してコンデンサ21aに充電する。具体的
には、AG1が+の時は、寄生ダイオード67Aからコ
イル15b,16bを通してダイオード68の経路で充
電し、AG2が+の時は、寄生ダイオード66Aからコ
イル15b,16bを通してダイオード69の経路で充
電する。
【0076】この場合、充電経路にダイオードが2つ直
列に接続され、各ダイオードの立ち上がり電圧VFを加
えた分の電圧降下が発生する。従って、充電電圧は、コ
ンデンサ21aの電位に前記電圧降下分を加えた以上の
電圧でなければ、コンデンサ21aに充電させることが
できない。これは、電子制御式機械時計のように、発電
電圧の小さな発電機の場合、充電効率を低下させる大き
な要因となる。
【0077】そこで、本実施形態では、トランジスタ6
6,67を同時にON、OFFせずに、そのタイミング
を調整することで充電効率を向上させている。
【0078】すなわち、AG1がVTKNからみて+と
なり、電圧Vref を越えるとコンパレータ62はHiレベ
ル信号を出力し、このため、オア回路65は、クロック
信号CLKに関係なくHiレベル信号を出し続け、これに
よりトランジスタ67のゲートに電圧が加わり、トラン
ジスタ67はON状態となる。
【0079】一方、AG2側に接続されたコンパレータ
61は、AG2<電圧Vrefであるため、Loレベル信号
を出力し、オア回路64からはクロック信号に同期した
信号が出力され、トランジスタ66はON/OFF動作
を繰り返し、AG1端子はチョッピング昇圧される。
【0080】このときの充電経路は、トランジスタ66
が一旦ONしてOFFされた時に、AG1−ダイオード
68−コンデンサ21a−VTKN−トランジスタ67
(ソースからドレイン)−AG2となり、寄生ダイオー
ド67Aが経路から外れるため、電圧降下が小さくな
り、充電効率が向上する。
【0081】なお、電圧Vref のレベルは、発電機20
の発電電圧をチョッピング昇圧してコンデンサ21aに
充電可能となる起電圧レベルを選択することが好まし
く、通常、VTKNを数百mV越えたレベルに設定すれ
ばよい。この電圧Vref の設定レベルが高いと、コンパ
レータ61,62が動作するまでの期間が長くなり、こ
の間は前述した2つのダイオードが直列接続された充電
経路になるため、発電効率がその分低下する。
【0082】なお、トランジスタ66をONしたときに
は、トランジスタ67もONされていることから発電機
20は閉ループ状態(短絡)にされて、ショートブレー
キがかかり、その分発電量が低下するが、このVTKN
側に短絡させていることにより、トランジスタ66の開
放時にVDD以上の電圧に昇圧できるため、ON/OF
Fするチョッピングのサイクルを所定周期以上にすれ
ば、ショートブレーキ時の発電量低下を補うことがで
き、発電電力を一定以上に保ちながら制動トルクを増加
することができる。
【0083】そして、発電機20からの出力がAG2側
になった場合も、各コンパレータ61,62、トランジ
スタ66,67の動作が入れ替わるだけで、前述と同様
の動作が行われる。
【0084】また、チョッピング充電回路60の各コン
パレータ61,62の出力は、波形整形回路70に入力
されて矩形波パルスfrに変換される。すなわち、チョ
ッピング充電回路60および波形整形回路70からなる
回転検出回路53は、ロータ12の回転を検出して矩形
波パルスfrとして出力する(ステップ1、以下ステッ
プを「S」と略す)。
【0085】例えば、図7の単安定マルチバイブレータ
71は、1つの極性検出(コンパレータ62の出力)だ
けから波形整形している。具体的には、コンパレータ6
2の出力の立ち上がりで、単安定マルチバイブレータ7
1にトリガをかけ、CRで設定した長さのパルスを出力
する。CRの時定数はクロック信号CLKの1周期に対
して約1.5倍以上に設定しているため、CRで設定さ
れたパルス時間内に、次のコンパレータ62の出力の立
ち上がりが入力され、単安定マルチバイブレータ71は
リトリガされる。このため、マルチバイブレータ71か
らは、CRで設定した1.5T時間内にコンパレータ6
2の出力の立ち上がりが発生しなくなるまで、Hiレベル
信号を出力し続け、これにより発電機20の出力信号に
対応した矩形波パルスfrが出力される。但し、パルス
frの立ち下がり時間は、CRの設定時間−極検出パル
スのHiレベルの時間だけ遅くなり、図9に示すように、
CRが1.5Tの場合、1.5T−0.5T=1Tだけ
遅れが生じる。
【0086】一方、図8に示す波形整形回路70も、1
つの極性検出(コンパレータ61または62の一方の出
力)だけから波形整形している。具体的には、クロック
信号を2T時間だけカウントしてクリアするカウンタ7
4と、カウンタ74の出力でラッチをかけるラッチ手段
75によって構成され、カウンタ74とラッチ手段75
はコンパレータ61または62のいずれかの出力によっ
てクリアされるように設定されている。例えば、図9に
示すように、コンパレータ62の出力が発生している場
合には、ラッチ手段75、カウンタ74はクリアされて
おり、出力frはLoレベル信号を出力する。そして、コ
ンパレータ62の出力が発生しなくなると、カウンタ7
4によって出力frはHiレベルにラッチされる。
【0087】そして、再度コンパレータ62の出力が発
生すると、ラッチ信号はクリアされ、出力frはLoレベ
ルとなり矩形波パルスを得ることができる。なお、カウ
ンタの設定時間内(2T)にコンパレータ62の出力が
発生すると、ラッチ動作は行われない。ただし、この場
合も、図9に示すように、カウンタ74の設定時間(2
T)だけ、矩形波パルスfrのHiの立ち上がりが遅くな
る。
【0088】図7,8の各波形整形回路70は、コンパ
レータ62の出力に遅れを生じさせて矩形波パルスに変
換させている。これは、システムの起動時等にコンパレ
ータ62からの出力が必ずしもクロック信号の周期に同
期した信号として得られず、いわゆるパルス抜けのよう
な出力となるため、そのまま矩形波パルスへ変換させる
とパルス割れを生じるため、CR設定時間、あるいはカ
ウンタの設定時間によってパルス割れを防止するためで
ある。なお、CR設定時間やカウンタ時間はパルス抜け
の程度によって設定すればよく、周期1.5〜5T程度
に設定すればよい。なお、制御上は、このような遅れは
ほとんど影響しない。
【0089】このようにして整形された矩形波パルスf
rは、位相比較回路54において分周回路52の時間標
準信号fsと比較され(S2)、その差信号がチャージ
ポンプ80およびループフィルタ81を通してレベル信
号aに変換される。
【0090】コンパレータ90では、図10にも示すよ
うに、レベル信号aおよび三角波発生回路92からの三
角波信号bにより、矩形波パルス信号cを出力する。前
記レベル信号aは、ロータ12の回転に基づく矩形波パ
ルスfrが時間標準信号fsよりも進んでいる場合に
は、標準レベルよりも低くなり、遅れている場合には高
くなるように設定されている。
【0091】このため、矩形波パルスfrが時間標準信
号fsよりも進んでいる場合(S3)には、矩形波パル
ス信号cのHレベルの状態が長くなり、その分、チョッ
ピング充電回路60での各チョッピングサイクル内にお
けるショートブレーキ時間が長くなってブレーキ量が増
えて発電機20のロータ12は減速される(S4)。つ
まり、矩形波パルス信号cのデューティ比が大きくなっ
てブレーキ力も大きくなる。
【0092】逆に、矩形波パルスfrが時間標準信号f
sよりも遅れている場合には、矩形波パルス信号cのL
レベルの状態が長くなり、つまり矩形波パルス信号cの
デューティ比が小さくなり、その分、チョッピング充電
回路60での各チョッピングサイクル内におけるショー
トブレーキ時間が短くなってブレーキ量が減って発電機
20のロータ12は増速される(S5)。以上のブレー
キ制御を繰り返すことにより、矩形波パルスfrが時間
標準信号fsに合うように制御される。なお、矩形波パ
ルス信号cのデューティ比は、上記のように矩形波パル
スfrと時間標準信号fsとの位相差に応じて0.01
〜0.97の範囲で変化するように設定されている。
【0093】なお、図4〜5の基準周期信号fsおよび
波形整形回路70からの矩形波パルスfrと、コンパレ
ータ90の出力信号cとの関係をタイミングチャートで
示すと図12のようになる。つまり、コンパレータ90
の出力信号cは、基準周期信号fsと矩形波パルスfr
との位相差に応じてショートブレーキ期間が長くなって
ブレーキ量が増加したり、ショートブレーキ期間が短く
なってブレーキ量が減るようになっている。すなわち、
図12に示すように、基準周期信号fsの周期T1、T
2及びT3を比較すると、周期T2では矩形波パルスf
rとそれに続く基準周期信号fsの立ち下がりの位相差
が周期T1の場合に比べて小さいため、それに続く次の
1周期(つまり周期T3)のコンパレータ90の出力信
号cは、周期T1において、矩形波パルスfrとそれに
続く基準周期信号fsの立ち下がりの位相差を比較した
場合(つまり周期T2)に比べて、ショートブレーキ期
間が短くなってブレーキ量が減るように設定される。そ
して、この出力信号cは、基準周期信号fsの1周期に
わたって同じ波形つまり同じショートブレーキ期間を有
する波形とされている。なお、本実施形態では、出力信
号cがハイレベルの場合にブレーキが掛かるように、つ
まりブレーキ期間はハイレベルとされている。
【0094】このような本実施形態によれば、次のよう
な効果がある。
【0095】(1) 発電機20、ブレーキ回路23からな
るVCO25と、位相比較回路54、ブレーキ制御回路
56とを設けたので、PLL制御により発電機20の回
転を制御できる。このため、1周期毎の発電波形を比較
してブレーキ回路23におけるブレーキレベルを設定で
きるため、一旦ロックレンジに引き込めば、発電波形が
瞬時に大きく変動することがない限り、応答性の速い安
定した制御を行うことができる。
【0096】(2) ブレーキ回路23をチョッピング充電
回路60で構成し、ブレーキ制御をチョッピングを利用
して実現しているので、発電電力を一定以上に保ちなが
ら、制動トルクを増加できる。このため、システムの安
定性を維持しながら、効率的なブレーキ制御を行うこと
ができる。特に、矩形波パルスfrと時間標準信号fs
との位相差に応じて、デューティ比が0.01〜0.9
7の範囲内で適宜設定された矩形波パルス信号cを用い
てチョッピング制御しているので、発電機20の回転状
態に応じて効率的なブレーキ制御を行うことができる。
【0097】(3) チョッピング充電回路60を用いたこ
とで、ブレーキ制御だけではなく、整流回路21のコン
デンサ21aへの充電(発電処理)と、発電機20のロ
ータ12の回転検出をもチョッピング充電回路60で実
現することができ、これらの各機能を別々の回路で実現
する場合に比べて、回路構成を簡略化でき、部品点数も
少なくできてコストを低減でき、かつ製造効率も向上す
ることができる。
【0098】(4) チョッピング充電回路60において、
各トランジスタ66,67のオン、オフ制御のタイミン
グを調整し、トランジスタ66,67の一方をオンし続
けた状態で、他方をオン、オフしているので、充電経路
における電圧降下を少なくでき、発電効率を向上するこ
とができる。このため、特に電子制御式機械時計のよう
に、小さな発電機20を用いなければならない場合に、
その発電効率を向上できるため、非常に有効である。
【0099】(5) 波形整形回路70を設けたので、仮に
チョッピング充電回路60等の回路構成が変わって、V
CO25からの出力波形が異なる場合でも、その出力波
形の相違部分を波形整形回路70で吸収できる。このた
め、チョッピング充電回路60の回路構成が相違して
も、回転制御手段50を共通して利用することができ、
部品コストを低減することができる。
【0100】(6) 波形整形回路70として、ローパスフ
ィルタ(LPF)とコンパレータとを組み合わせた一般
的な回路を用いると、チョッピング昇圧した起電圧の一
部を、例えば1次遅れのCRフィルタ等からなるLPF
に充電させることになり、コンデンサ21aへの充電効
率を低下させる要因となるが、本実施形態の各波形整形
回路70は、デジタル的に処理を行うため、消費電流を
低く抑えることができ、コンデンサ21aへの充電効率
も向上することができる。
【0101】次に本発明の第2実施形態について説明す
る。なお、本実施形態において、前述の実施形態と同一
もしくは同様の構成部分には、同一符号を付し、説明を
省略あるいは簡略する。
【0102】図13には、第2実施形態の電子制御式機
械時計を示すブロック図が示されている。
【0103】電子制御式機械時計は、機械的エネルギ源
としてのゼンマイ1aと、ゼンマイ1aのトルクを発電
機20に伝達する機械エネルギ伝達装置である増速輪列
(各番車7〜11)と、増速輪列に連結されて時刻表示
を行う時刻表示装置である指針(分針13、秒針14)
とを備えている。
【0104】発電機20は、増速輪列を介してゼンマイ
1aによって駆動され、誘起電力を発生して電気的エネ
ルギを供給する。この発電機20からの交流出力は、昇
圧整流、全波整流、半波整流、トランジスタ整流等から
なる整流回路21を通して昇圧、整流され、コンデンサ
等で構成された電源回路21aに充電供給される。
【0105】なお、本実施形態では、図14にも示すよ
うに、整流回路35を含むブレーキ回路120を発電機
20に設けている。具体的には、発電機20の出力端で
ある第1の端子MG1、第2の端子MG2を短絡等によ
って閉ループ状態に接続してショートブレーキを掛ける
第1および第2のスイッチ121,122によりブレー
キ回路120が構成されている。
【0106】本実施形態では、図15にも示すように、
第1のスイッチ121は、第2の端子MG2にゲートが
接続されたPchの第1の電界効果型トランジスタ(F
ET)126と、後述するチョッピング信号発生部18
0からのチョッピング信号(チョッピングパルス)CH
3がゲートに入力される第2の電界効果型トランジスタ
127とが並列に接続されて構成されている。
【0107】また、第2のスイッチ122は、第1の端
子MG1にゲートが接続されたPchの第3の電界効果
型トランジスタ(FET)128と、チョッピング信号
発生部180からのチョッピング信号(チョッピングパ
ルス)CH3がゲートに入力される第4の電界効果型ト
ランジスタ129とが並列に接続されて構成されてい
る。
【0108】そして、発電機20に接続された昇圧用の
コンデンサ123、ダイオード124,125、第1の
スイッチ121、第2のスイッチ122により倍電圧整
流回路(簡易同期昇圧チョッピング整流回路)35が構
成されている。なお、ダイオード124,125として
は、一方向に電流を流す一方向性素子であればよく、そ
の種類は問わない。特に、電子制御式機械時計では、発
電機20の起電圧が小さいため、ダイオード125とし
ては降下電圧Vfが小さいショットキーバリアダイオー
ドを用いることが好ましい。また、ダイオード124と
しては、逆リーク電流が小さいシリコンダイオードを用
いることが好ましい。
【0109】前記ブレーキ回路120は、電源回路(コ
ンデンサ)21aから供給される電力によって駆動され
る回転制御手段50により制御されている。この回転制
御手段50は、図13に示すように、発振回路51、ロ
ータの回転検出回路53、ブレーキの制御回路56を備
えて構成されている。
【0110】発振回路51は時間標準源である水晶振動
子51Aを用いて発振信号(32768Hz)を出力
し、この発振信号は12段のフリップフロップからなる
分周回路52によってある一定周期まで分周される。分
周回路52の12段目の出力Q12は、8Hzの基準信
号として出力されている。
【0111】回転検出回路53は、発電機20に接続さ
れた波形整形回路161とモノマルチバイブレータ16
2とで構成されている。波形整形回路161は、アン
プ、コンパレータで構成され、正弦波を矩形波に変換す
る。モノマルチバイブレータ162は、ある周期以下の
パルスだけを通過させるバンドパス・フィルターとして
機能し、ノイズを除去した回転検出信号FG1を出力す
る。
【0112】制御回路56は、制動制御手段であるアッ
プダウンカウンタ160と、同期回路170と、チョッ
ピング信号発生部180とを備えている。
【0113】アップダウンカウンタ160のアップカウ
ント入力およびダウンカウント入力には、回転検出回路
53の回転検出信号FG1および分周回路52からの基
準信号fsが同期回路170を介してそれぞれ入力され
ている。
【0114】同期回路170は、4つのフリップフロッ
プ171やANDゲート172,NANDゲート173
からなり、分周回路52の5段目の出力Q5(1024
Hz)や6段目の出力Q6(512Hz)の信号を利用
して、回転検出信号FG1を基準信号fs(8Hz)に
同期させるとともに、これらの各信号パルスが重なって
出力されないように調整している。
【0115】アップダウンカウンタ160は、4ビット
のカウンタで構成されている。アップダウンカウンタ1
60のアップカウント入力には、前記回転検出信号FG
1に基づく信号が同期回路170から入力され、ダウン
カウント入力には、前記基準信号fsに基づく信号が同
期回路170から入力される。これにより、基準信号f
sおよび回転検出信号FG1の計数と、その差の算出と
が同時に行えるようになっている。
【0116】なお、このアップダウンカウンタ160に
は、4つのデータ入力端子(プリセット端子)A〜Dが
設けられており、端子A〜CにHレベル信号が入力され
ていることで、アップダウンカウンタ160の初期値
(プリセット値)がカウンタ値7に設定されている。
【0117】また、アップダウンカウンタ160のLO
AD入力端子には、電源回路21aに接続されて電源回
路21aの電圧に応じてシステムリセット信号SRを出
力する初期化回路190が接続されている。なお、本実
施形態では、初期化回路190は、電源回路21aの充
電電圧が所定電圧になるまではHレベルの信号を出力
し、所定電圧以上になればLレベルの信号を出力するよ
うに構成されている。
【0118】アップダウンカウンタ160は、LOAD
入力がLレベルになるまで、つまりシステムリセット信
号SRが出力されるまでは、アップダウン入力を受け付
けないため、アップダウンカウンタ160のカウンタ値
は「7」に維持される。
【0119】アップダウンカウンタ160は、4ビット
の出力QA〜QDを有している。従って、4ビット目の
出力QDは、カウンタ値が7以下であればLレベル信号
を出力し、8以上であればHレベル信号を出力すること
になる。この出力QDは、チョッピング信号発生部18
0に接続されている。
【0120】チョッピング信号発生部180は、3つの
ANDゲート182〜184で構成され、分周回路52
の出力Q5〜Q8を利用して第1のチョッピング信号C
H1を出力する第1チョッピング信号発生手段181
と、2つのORゲート186,187で構成され、分周
回路52の出力Q5〜Q8を利用して第2のチョッピン
グ信号CH2を出力する第2チョッピング信号発生手段
185と、前記アップダウンカウンタ160の出力QD
と、第2チョッピング信号発生手段185の出力CH2
とが入力されるANDゲート188と、このANDゲー
ト188の出力と前記第1チョッピング信号発生手段1
81の出力CH1とが入力されるNORゲート189と
を備えている。
【0121】このチョッピング信号発生部180のNO
Rゲート189からの出力CH3は、第2,4の電界効
果型トランジスタ127、129のゲートに入力されて
いる。従って、出力CH3からLレベル信号が出力され
ると、トランジスタ127,129はオン状態に維持さ
れ、発電機20がショートされてブレーキが掛かる。
【0122】一方、出力CH3からHレベル信号が出力
されると、トランジスタ127,129はオフ状態に維
持され、発電機20にはブレーキが加わらない。従っ
て、出力CH3からのチョッピング信号によって発電機
20をチョッピング制御することができる。
【0123】次に、本実施形態における動作を図16〜
18のタイミングチャートおよび出力波形図と、図19
のフローチャートとを参照して説明する。
【0124】発電機20が作動し始めて、初期化回路1
90からLレベルのシステムリセット信号SRがアップ
ダウンカウンタ160のLOAD入力に入力されると
(S11)、図16に示すように、回転検出信号FG1
に基づくアップカウント信号(UP)と、基準信号fsに
基づくダウンカウント信号(DOWN)とがアップダウンカ
ウンタ160でカウントされる(S12)。これらの各
信号は、同期回路170によって同時にカウンタ160
に入力されないように設定されている。
【0125】このため、初期カウント値が「7」に設定
されている状態から、アップカウント信号(UP)が入力
されるとカウンタ値は「8」となり、出力QDからHレ
ベル信号がチョッピング信号発生部180のANDゲー
ト188に出力される。
【0126】一方、ダウンカウント信号(DOWN)が入力
されてカウンタ値が「7」に戻れば、出力QDからはL
レベル信号が出力される。
【0127】チョッピング信号発生部180では、図1
7に示すように、分周回路52の出力Q5〜Q8を利用
し、第1チョッピング信号発生手段181から出力CH
1を出力し、第2チョッピング信号発生手段185から
出力CH2を出力する。
【0128】そして、アップダウンカウンタ160の出
力QDからLレベル信号が出力されている場合(カウン
ト値「7」以下)には、ANDゲート188からの出力
もLレベル信号となるため、NORゲート189からの
出力CH3は出力CH1が反転したチョッピング信号、
つまりHレベル信号(ブレーキオフ時間)が長く、Lレ
ベル信号(ブレーキオン時間)が短いデューティ比(ト
ランジスタ127,129をオンしている比率)の小さ
なチョッピング信号となる。従って、基準周期において
ブレーキを掛けているトータル時間が短くなり、発電機
20に対しては、ほとんどブレーキが掛けられない、つ
まり発電電力を優先した弱いブレーキ制御が行われる
(S13,S15)。
【0129】一方、アップダウンカウンタ160の出力
QDからHレベル信号が出力されている場合(カウント
値「8」以上)には、ANDゲート188からの出力も
Hレベル信号となるため、NORゲート189からの出
力CH3は出力CH2が反転したチョッピング信号、つ
まりLレベル信号(ブレーキオン時間)が長く、Hレベ
ル信号(ブレーキオフ時間)が短いデューティ比の大き
なチョッピング信号となる。従って、基準周期において
ブレーキを掛けているトータル時間が長くなり、発電機
20に対しては強いブレーキ制御が行われるが、一定周
期でブレーキがオフされるためにチョッピング制御が行
われ、発電電力の低下を抑えつつ制動トルクを向上する
ことができる(S13,S14)。
【0130】なお、倍電圧整流回路(簡易同期昇圧チョ
ッピング整流回路)35では、次のようにして発電機2
0で発電した電荷を電源回路21aに充電している。す
なわち、第1の端子MG1の極性が「+」で第2の端子
MG2の極性が「−」の時には、第1の電界効果型トラ
ンジスタ(FET)126がオンされ、第3の電界効果
型トランジスタ(FET)128がオフされる。このた
め、発電機20で発生した誘起電圧の電荷は、図15に
示す「→→→」の回路によって例えば0.1μ
Fのコンデンサ123に充電されるとともに、「→
→→→→→→」の回路によって例えば10
μFの電源回路(コンデンサ)21aに充電される。
【0131】一方、第1の端子MG1の極性が「−」で
第2の端子MG2の極性が「+」に切り替わると、第1
の電界効果型トランジスタ(FET)126がオフさ
れ、第3の電界効果型トランジスタ(FET)128が
オンされる。このため、図15に示す「コンデンサ12
3→→→→→→→コンデンサ123」の回
路によって、発電機20で発生した誘起電圧と、コンデ
ンサ123の充電電圧とが加えられた電圧で電源回路
(コンデンサ)21aが充電される。
【0132】なお、各々の状態で、チョッピングパルス
により発電機20の両端が閉ループとなり、開放される
と、コイルの両端に高電圧が誘起され、この高い充電電
圧によって電源回路(コンデンサ)21aを充電するこ
とで充電効率が向上する。
【0133】そして、ゼンマイ1aのトルクが大きくて
発電機20の回転速度が大きい場合などでは、アップカ
ウント信号(UP)によりカウンタ値が「8」になった後
に、さらにアップカウンタ値が入力されることがある。
この場合には、カウンタ値は「9」となり、前記出力Q
DはHレベルを維持するため、チョッピング信号CH3
により強いブレーキ制御が行われる。そして、ブレーキ
が掛けられたことにより、発電機20の回転速度が低下
し、回転検出信号FG1が入力される前に基準信号fs
(ダウンカウント信号)が2回入力されると、カウンタ
値は「8」、「7」と低下し、「7」になった際には弱
いブレーキ制御に切り替えられる。
【0134】このような制御を行うと、発電機20が設
定された回転スピード近くになり、図16に示すよう
に、アップカウント信号(UP)と、ダウンカウント信号
(DOWN)とが交互に入力されて、カウンタ値が「8」と
「7」とを繰り返すロック状態に移行する。この際は、
カウンタ値に応じて強いブレーキの印加と弱いブレーキ
の印加とが繰り返される。つまり、ロータが1回転する
基準周期の1周期の期間にデューティ比が大きいチョッ
ピング信号と、デューティ比が小さいチョッピング信号
とがトランジスタ127,129に印加されてチョッピ
ング制御が行われる。
【0135】さらに、ゼンマイ1aがほどけてそのトル
クが小さくなると、徐々にブレーキを掛ける時間が短く
なり、発電機20の回転速度は強いブレーキを掛けない
状態でも基準速度に近い状態になる。
【0136】そして、弱ブレーキ制御のみになってもダ
ウンカウント値が多く入力されるようになり、カウント
値が「6」以下の小さな値になると、ゼンマイ1aのト
ルクが低下したと判断し、運針を停止したり、非常に低
速にしたり、さらにはブザー、ランプ等を鳴らしたり、
点灯させることで、利用者にゼンマイ1aを再度巻き上
げるように促す。
【0137】従って、アップダウンカウンタ160の出
力QDからHレベル信号が出ている間は、デューティ比
の大きなチョッピング信号による強いブレーキ制御が行
われ、出力QDからLレベル信号が出ている間は、デュ
ーティ比の小さなチョッピング信号による弱いブレーキ
制御が行われる。つまり、制動制御手段であるアップダ
ウンカウンタ160によって強いブレーキ制御と弱いブ
レーキ制御とが切り替えられる。
【0138】なお、本実施形態では、出力QDがLレベ
ル信号の場合、チョッピング信号CH3はHレベル期
間:Lレベル期間が15:1つまりデューティ比が1/
16=0.0625でかつ周波数が128Hzのチョッピング
信号となり、出力QDがHレベル信号の場合、チョッピ
ング信号CH3はHレベル期間:Lレベル期間が1:1
5つまりデューティ比が15/16=0.9375でかつ周波
数が128Hzのチョッピング信号となる。
【0139】そして、発電機20のMG1,MG2から
は、図18に示すように、磁束の変化に応じた交流波形
が出力される。この際、出力QDの信号に応じて周波数
は一定でかつデューティ比の異なるチョッピング信号C
H3がトランジスタ127,129に適宜印加され、出
力QDがHレベル信号を出力した時、つまり強いブレー
キ制御時には、各チョッピングサイクル内におけるショ
ートブレーキ時間が長くなってブレーキ量が増えて発電
機20は減速される。そして、ブレーキが掛かる分、発
電量も低下するが、このショートブレーキ時に蓄えられ
たエネルギーを、チョッピング信号によりトランジスタ
127,129をオフした際に出力してチョッピング昇
圧することができるため、ショートブレーキ時の発電量
低下を補うことができ、発電電力の低下を抑えながら、
制動トルクを増加することができる。
【0140】逆に、出力QDがLレベル信号を出力した
際、つまり弱いブレーキ制御時には、各チョッピングサ
イクル内におけるショートブレーキ時間が短くなってブ
レーキ量が減って発電機20は増速される。この際も、
チョッピング信号によりトランジスタ127,129を
オンからオフした際にチョッピング昇圧することができ
るので、まったくブレーキを掛けずに制御した場合に比
べても発電電力を向上させることができる。
【0141】そして、発電機20からの交流出力は、倍
電圧整流回路35によって昇圧、整流されて電源回路
(コンデンサ)21aに充電され、この電源回路21a
により回転制御手段50が駆動される。
【0142】なお、アップダウンカウンタ160の出力
QDと、チョッピング信号CH3とは共に分周回路52
の出力Q5〜Q8,Q12を利用しているため、つまり
チョッピング信号CH3の周波数が出力QDの周波数の
整数倍とされているため、出力QDの出力レベルの変化
つまり強いブレーキ制御と弱いブレーキ制御の切替タイ
ミングと、チョッピング信号CH3とは同期して発生し
ている。
【0143】図16〜18の8Hzのダウンカウント信
号(DOWN)およびアップカウント信号(UP)とチョッピ
ング信号(CH3)との関係をタイミングチャートで示
すと図20に示す通りになる。なお、本実施形態では、
チョッピング信号(CH3)は、ダウンカウント信号
(DOWN)やアップカウント信号(UP)に同期していた
が、図20のチョッピング信号(CH3’)のように、
ダウンカウント信号(DOWN)やアップカウント信号(U
P)に同期せず、各信号(DOWN,UP)のある周期ではチ
ョッピング信号(CH3’)のHレベルから始まった
り、ある周期はLレベルから始まるような波形でもよ
い。なお、本実施形態では、チョッピング信号(CH
3)がローレベルの場合にブレーキが掛かるように、つ
まりブレーキ期間はローレベルとされている。
【0144】また、チョッピングの信号は、ロータ12
の回転を制御しようとする設定速度つまりロータ12が
その速度で回転すれば正確な時間表示を行うことができ
る速度に同期させる必要はない。すなわち、チョッピン
グの周期と設定速度とは同期関係にあってもよいし、無
くてもよく、これらの関係に何ら制約はない。
【0145】このような本実施形態によれば、次のよう
な効果がある。
【0146】(7) 回転検出信号FG1に基づくアップカ
ウント信号(UP)と、基準信号fsに基づくダウンカウ
ント信号(DOWN)とを、アップダウンカウンタ160に
入力し、回転検出信号FG1(アップカウント信号)の
カウント数が基準信号fs(ダウンカウント信号)のカ
ウント数よりも大きい状態(カウンタ160の初期値が
「7」であれば、カウンタ値が「8」以上の状態)で
は、ブレーキ回路120により発電機20にブレーキを
かけ続け、逆に回転検出信号FG1のカウント数が基準
信号fsのカウント数以下の状態(カウンタ値が「7」
以下の状態)では、発電機20に弱いブレーキを印加す
るため、発電機20の立ち上がり時等の回転速度が基準
速度よりも大きくずれている場合でも、迅速に基準速度
に近づけることができ、回転制御の応答性を速くするこ
とができる。
【0147】(8) その上、強いブレーキ制御と弱いブレ
ーキ制御とを、デューティ比の異なる2種類のチョッピ
ング信号CH3を用いて行っているので、充電電圧(発
電電圧)を低下させることなくブレーキ(制動トルク)
を大きくすることができる。特に、強いブレーキ制御時
にはデューティ比の大きな(例えば15/16)チョッ
ピング信号を用いて制御しているので、充電電圧の低下
を抑えながら制動トルクを大きくすることができ、シス
テムの安定性を維持しながら、効率的なブレーキ制御を
行うことができる。これにより、電子制御式機械時計の
持続時間も長くすることができる。
【0148】特に、図48〜51からも分かるように、
周波数128Hzかつデューティ比15/16のチョッ
ピング信号CH3を用いているので、充電電圧をある程
度確保しつつ、発電機20の制動トルクを大きくするこ
とができる。
【0149】(9) さらに、弱いブレーキ制御時にも、デ
ューティ比の小さな(例えば1/16)チョッピング信
号によりチョッピング制御しているので、弱いブレーキ
を印加している間の充電電圧をより向上することができ
る。
【0150】特に、図48〜51からも分かるように、
周波数128Hzかつデューティ比1/16のチョッピ
ング信号CH3を用いているので、駆動トルクを低く維
持しつつ、充電電圧をある程度確保することができる。
【0151】(10)強いブレーキ制御と弱いブレーキ制御
の切替は、カウンタ値が「7」以下であるか「8」以上
であるかのみで設定され、ブレーキ時間等を別途設定す
る必要もないため、回転制御手段50をシンプルな構成
にでき、部品コストや製造コストを低減でき、電子制御
式機械時計を安価に提供できる。
【0152】(11)発電機20の回転速度に応じて、アッ
プカウント信号(UP)が入力されるタイミングが変化す
るため、カウンタ値が「8」である期間つまりブレーキ
を掛けている時間も自動的に調整することができる。こ
のため、特にアップカウント信号(UP)とダウンカウン
ト信号(DOWN)とが交互に入力されるロック状態では、
応答性の速い安定した制御を行うことができる。
【0153】(12)制動制御手段として、アップダウンカ
ウンタ160を用いているので、各アップカウント信号
(UP)およびダウンカウント信号(DOWN)の計数と同時
に各計数値の比較(差)を自動的に算出することができ
るため、構成を簡易にできかつ各計数値の差を簡単に求
めることができる。
【0154】(13)4ビットのアップダウンカウンタ16
0を用いているので、16個のカウント値をカウントす
ることができる。このため、アップカウント信号(UP)
が続けて入力された場合などに、その入力値を累積して
カウントすることができ、設定された範囲つまりアップ
カウント信号(UP)やダウンカウント信号(DOWN)が連
続して入力されてカウンタ値が「15」や「0」になる
までの範囲では、その累積誤差を補正することができ
る。このため、仮に発電機20の回転速度が基準速度か
ら大きく外れても、ロック状態になるまでは時間が掛か
るが、その累積誤差を確実に補正して発電機20の回転
速度を基準速度に戻すことができ、長期的には正確な運
針を維持することができる。
【0155】(14)初期化回路190を設けて、発電機2
0の起動時の電源回路21aが所定の電圧に充電される
まではブレーキ制御を行わなず、発電機20にブレーキ
が掛からないようにしているので、電源回路21aへの
充電を優先させることができ、電源回路21aによって
駆動される回転制御手段50を迅速にかつ安定して駆動
することができ、その後の回転制御の安定性も高めるこ
とができる。
【0156】(15)出力QDの出力レベル変化つまり強い
ブレーキ制御と弱いブレーキ制御との切替タイミング
と、チョッピング信号CH3のオンからオフへの変化タ
イミングとを同期させているので、発電機20のチョッ
ピング信号CH3に対応した起電圧が高い出力部分(ひ
げ部分)を一定間隔で出力することができ、この出力を
時計の歩度測定パルスとして利用することもできる。
【0157】すなわち、出力QDとチョッピング信号C
H3とが同期していない場合には、図21に示すよう
に、一定周期のチョッピング信号CH3とは別に出力Q
Dの変化時にも発電機20からは起電圧が高い部分が発
生する。このため、発電機20の出力波形における「ひ
げ部分」は必ずしも一定間隔で出力されないために歩度
測定パルスとして利用することができないが、本実施形
態のように同期させていれば歩度測定パルスとしても利
用することができる。
【0158】(16)発電機20の整流制御は、各端子MG
1,MG2にゲートが接続された第1,3の電界効果型
トランジスタ126,128で行っているので、コンパ
レータ等を用いる必要が無く、構成が簡単になり、かつ
コンパレータの消費電力による充電効率の低下も防止で
きる。さらに、発電機20の端子電圧を利用して電界効
果型トランジスタ126,128のオン、オフを制御し
ているので、発電機20の端子の極性に同期して各電界
効果型トランジスタ126,128を制御することがで
き、整流効率を向上することができる。また、チョッピ
ング制御される第2,4の電界効果型トランジスタ12
7,129を各トランジスタ126,128に並列に接
続することで、チョッピング制御を独立して行うことが
でき、かつ構成も簡易にできる。従って、構成が簡易
で、発電機20の極性に同期し、かつ昇圧しながらチョ
ッピング整流を行える倍電圧整流回路(簡易同期昇圧チ
ョッピング整流回路)35を提供することができる。
【0159】次に本発明の第3実施形態について、図2
2を参照して説明する。なお、本実施形態において、前
述の各実施形態と同一もしくは同様の構成部分には、同
一符号を付し、説明を省略あるいは簡略する。
【0160】本実施形態は、チョッピング信号発生部1
80を、第1チョッピング信号発生手段181を無くし
て第2チョッピング信号発生手段185のみで構成し、
強いブレーキ制御時のみチョッピング信号を印加してチ
ョッピング制御を行うようにしたものである。
【0161】すなわち、図23に示すように、出力QD
がLレベル信号とされてブレーキが掛けられていない状
態では、チョッピング信号発生部180の出力CH4は
Hレベルに維持されるため、トランジスタ127,12
9はオフされた状態に維持されて、発電機20からの交
流出力がそのまま出力される。一方、出力QDがHレベ
ル信号とされてブレーキが掛けられた場合(強いブレー
キ制御時)には、チョッピング信号発生部180の出力
CH4は、前記第1実施形態と同じチョッピング信号
(デューティ比15/16、周波数128Hz)とな
り、チョッピング制御が行われる。
【0162】ここで、8Hzのダウンカウント信号(DO
WN)およびアップカウント信号(UP)とチョッピング信
号(CH4)との関係をタイミングチャートで示すと図
24に示す通りになる。なお、本実施形態でも、チョッ
ピング信号(CH4)は、ダウンカウント信号(DOWN)
の1周期に同期していたが、図24のチョッピング信号
(CH4’)のように、ダウンカウント信号(DOWN)に
同期せず、ダウンカウント信号(DOWN)のある周期では
チョッピング信号(CH4’)のHレベルから始まった
り、ある周期はLレベルから始まるような波形でもよ
い。なお、本実施形態では、チョッピング信号(CH
4)がローレベルの場合にブレーキが掛かるように、つ
まりブレーキ期間はローレベルとされている。
【0163】また、本実施形態においても、第2実施形
態と同様に、チョッピングの信号は、ロータ12の設定
速度に同期させる必要はない。
【0164】このような本実施形態でも、前記第2実施
形態の(7),(8),(10)〜(16)と同じ作用効果を奏すること
ができる。
【0165】(17)さらに、第1チョッピング信号発生
手段181がないため、その分、部品点数を少なくでき
てコストを低減することができる。
【0166】次に本発明の第4実施形態について、図2
5を参照して説明する。なお、本実施形態においても、
前述の各実施形態と同一もしくは同様の構成部分には、
同一符号を付し、説明を省略あるいは簡略する。
【0167】本実施形態は、チョッピング信号発生部1
80における第1チョッピング信号発生手段181と第
2チョッピング信号発生手段185との出力CH2,C
H5の周波数を異ならせることで、チョッピング信号発
生部180のチョッピング信号出力CH6として周波数
の異なる2種類のチョッピング信号を出力できるように
構成したものである。
【0168】すなわち、第1チョッピング信号発生手段
181のみに分周回路52の出力Q4を入力することに
より、図26に示すように、第1チョッピング信号発生
手段181の出力CH5を第2チョッピング信号発生手
段185の出力CH2の2倍の周波数に設定している。
従って、チョッピング信号発生部180の出力CH6と
しては、出力QDのレベルつまり強いブレーキ制御時と
弱いブレーキ制御時とで、デューティ比および周波数の
異なる2種類のチョッピング信号、具体的には、デュー
ティ比1/15でかつ周波数256Hzのチョッピング
信号と、デューティ比15/16でかつ周波数128H
zのチョッピング信号とを出力することになり、これに
より発電機20からは図27に示すような交流波形が出
力される。
【0169】なお、本実施形態においても、チョッピン
グの信号は、ロータ12の設定速度に同期させる必要は
ない。
【0170】このような本実施形態でも、前記第2実施
形態の(7) 〜(16)と同じ作用効果を奏することができ
る。
【0171】(18)さらに、前記第2実施形態に比べ
て、弱いブレーキ制御時のチョッピング周波数を2倍に
高めることができる。デューティ比が同じ場合、図48
〜51に示すように、周波数が高いほうが駆動トルクを
低減でき、かつ充電電圧を向上することができる。この
ため、本実施形態であれば、前記第1実施形態に比べて
弱いブレーキ制御時のブレーキ効果(制動トルク)をよ
り弱めることができ、充電電圧をより向上することがで
きる。
【0172】次に本発明の第5実施形態について、図2
8を参照して説明する。なお、本実施形態においても、
前述の各実施形態と同一もしくは同様の構成部分には、
同一符号を付し、説明を省略あるいは簡略する。
【0173】本実施形態は、チョッピング信号発生部1
80として、高い周波数のチョッピング信号を出力する
高周波数チョッピング信号発生手段101と、低い周波
数のチョッピング信号を出力する低周波数チョッピング
信号発生手段102と、電源回路21aの電圧を検出す
る電圧検出部である電源電圧検出回路103と、電源回
路21aの電圧に応じて、高周波数チョッピング信号発
生手段101の出力CH7と、低周波数チョッピング信
号発生手段102の出力CH3とを切り替えて出力する
切替手段104とを備えて構成されている。
【0174】各チョッピング信号発生手段101,10
2は、前記第2実施形態のチョッピング信号発生部18
0と同様の構成であり、3つのANDゲート182〜1
84と、2つのORゲート186,187と、ORゲー
ト187とアップダウンカウンタ160の出力QDとが
入力されるANDゲート188と、このANDゲート1
88の出力とANDゲート184の出力とが入力される
NORゲート189とを備えている。
【0175】但し、高周波数チョッピング信号発生手段
101は、分周回路52の出力Q4〜Q7を利用してお
り、分周回路52の出力Q5〜Q8を利用した低周波数
チョッピング信号発生手段102よりも高い周波数のチ
ョッピング信号CH7を出力するように構成されてい
る。
【0176】また、電源電圧検出回路103は、電源回
路(コンデンサ)21aの充電電圧が設定値より低い場
合にはLレベル信号を出力し、高い場合にはHレベル信
号を出力するように構成されている。
【0177】切替手段104は、電源電圧検出回路10
3からの信号と、各チョッピング信号発生手段101,
102の信号とがそれぞれ入力される2つのANDゲー
ト105,106と、これらのANDゲート105,1
06の出力が入力されるORゲート107とを備えてい
る。
【0178】そして、電源電圧検出回路103からAN
Dゲート105への入力信号を反転することで、電源電
圧検出回路103からLレベル信号が入力されている場
合には(充電電圧が設定値より低い場合には)、低周波
数チョッピング信号発生手段102からの出力CH3は
Lレベル信号でキャンセルされ、高周波数チョッピング
信号発生手段101の出力CH7がそのままORゲート
107からトランジスタ127,129に出力される。
逆に、電源電圧検出回路103からHレベル信号が入力
されている場合には(充電電圧が設定値より高い場合に
は)、高周波数チョッピング信号発生手段101からの
出力CH7はLレベル信号でキャンセルされ、低周波数
チョッピング信号発生手段102の出力CH3がそのま
まORゲート107からトランジスタ127,129に
出力される。
【0179】このため、図29に示すように、電源電圧
が低い場合には、周波数が高いチョッピング信号CH7
によってチョッピングブレーキ制御が行われ、電源電圧
が高い場合には、周波数が低いチョッピング信号CH3
でチョッピングブレーキ制御が行われる。各チョッピン
グ信号CH3,CH7の強いブレーキ制御時および弱い
ブレーキ制御時の信号のデューティ比はそれぞれ同じで
あるため、周波数が高いチョッピング信号CH7のほう
が、駆動トルクが低く、充電電圧が高いつまり充電を優
先した制御を行え、周波数が低いチョッピング信号CH
3のほうが、駆動トルクが高く、充電電圧が低いつまり
ブレーキを優先した制御を行える。
【0180】なお、具体的には、チョッピング信号CH
3は、周波数128Hzで、かつデューティ比が1/1
6および15/16のチョッピング信号であり、チョッ
ピング信号CH7は、周波数256Hzで、かつデュー
ティ比が1/16および15/16のチョッピング信号
である。
【0181】なお、本実施形態においても、チョッピン
グの信号は、ロータ12の設定速度に同期させる必要は
ない。
【0182】このような本実施形態においても、前記第
2実施形態の(7) 〜(16)と同じ作用効果を奏することが
できる。
【0183】(19)さらに、チョッピング信号発生部1
80として、高周波数チョッピング信号発生手段101
と、低周波数チョッピング信号発生手段102と、電源
電圧検出回路103と、切替手段104を設け、電源電
圧値によってチョッピング信号の周波数を異ならせてい
るので、充電状態に対応したチョッピング制御を行うこ
とができ、より効率的なブレーキ制御を行うことができ
る。
【0184】なお、本発明は各実施形態に限定されるも
のではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、
改良等は、本発明に含まれるものである。
【0185】例えば、図30に示すように、回転制御手
段50に、波形整形回路70の出力周波数を速度情報に
変換するF/V(周波数/速度)変換器100を設けて
もよい。このF/V変換器100を設けることで、発電
機20の回転速度情報が得られるため、発電機20の回
転速度を設定速度つまり時間標準信号に近づけるように
制御できる。このため、仮に発電波形が瞬時に大きく変
動してロックレンジを外れた場合でも、制御を維持する
ことができ、より安定したシステムを構成することがで
きる。
【0186】また、チョッピング充電回路60として
は、前記実施形態のものに限らず、例えば、図31に示
すように、ロータ12の極検出用の1つのコンパレータ
111と、トランジスタ66,67のチョッピング用の
ダイオード112、抵抗113を設けたチョッピング充
電回路110を用いたものでもよい。
【0187】前記実施形態の場合、極性検出にコンパレ
ータ61,62を用いているため、この比較基準電圧V
ref 用の電源63が必要であるが、本実施形態ではその
電源を不要にすることができる。ただし、チョッピング
充電回路110の場合、トランジスタ66,67を発電
コイルの極性に対して導通制御させるために、コイル端
電圧からダイオード112を通じて駆動している。この
ため、コイル端電圧を、トランジスタ66,67を駆動
可能な電圧(しきい値)Vth+ダイオード112の立ち
上がり電圧Vfよりも大きくしなければならない。例え
ば、Vth=0.5Vで、ダイオードVf=0.3Vとす
ると、それだけで0.8V必要となり、発電機20とし
ては、1.0〜1.6V程度の発電能力が必要となる。
このため、ダイオードを介さずにトランジスタ66,6
7を駆動する前記実施形態のチョッピング充電回路60
のほうが、発電機20の小さな起電圧からより効率の良
いチョッピング充電動作ができる点で好ましい。
【0188】さらに、チョッピング充電回路としては、
図6のチョッピング充電回路60のトランジスタ66,
67をPchタイプに変更し、さらにダイオード68,
69と入れ替え、コンデンサ21aの+(VDD)側
(第1の電源ライン側)に短絡させてトランジスタ6
6,67の開放時にVTKNの電圧以下になるように昇
圧するように構成してもよい。なお、この場合、コンパ
レータ61,62とクロック信号CLKとの出力は、ア
ンド回路で論理合成されて各トランジスタ66,67の
ゲートに入力されることになる。
【0189】同様に、第2〜5実施形態のブレーキ回路
120で、第1、2のスイッチ121,122をコンデ
ンサ123、ダイオード124と入れ替えて、コンデン
サ21aの−(VSS)側(第2の電源ライン側)に配
置してもよい。すなわち、各スイッチ121,122の
トランジスタ126〜129をNchタイプに変更し、
発電機20の2つの端子MG1,MG2と低電圧側の電
源であるコンデンサ21aの−(VSS)側(第2の電
源ライン側)との間に挿入すればよい。この場合、発電
機20のマイナス側の端子に接続されたスイッチ12
1,122をオンし続け、プラス側の端子に接続された
スイッチ121,122を断続するように回路を構成す
ればよい。
【0190】また、第1実施形態では、トランジスタ6
6,67を同時にオン、オフするように制御するチョッ
ピング充電回路を用いてもよい。
【0191】さらに、図32〜図36に示すようなチョ
ッピング充電回路200,300,400,500,6
00をそれぞれ用いてもよい。なお、これらの各チョッ
ピング充電回路200〜600で前記実施形態と同一あ
るいは相当する構成要素には同一符号を付し、説明を省
略する。
【0192】図32に示すチョッピング充電回路200
は、発電機20のコイルにコンデンサ201を直列に接
続するとともに、この発電機20に並列にコンデンサ2
1aおよびIC202を接続し、さらに前記IC202
によって制御されてチョッピングを行うスイッチ203
を接続したものである。このスイッチ203には、寄生
ダイオード204が並列に接続されている。
【0193】このようなチョッピング充電回路200に
おいても、スイッチ203をオンして発電機20にショ
ートブレーキを掛けた際に、コンデンサ201にエネル
ギーが充電され、スイッチ203をオフした際にコンデ
ンサ201のエネルギーを含んで起電圧が高められた電
力をコンデンサ21aに充電できるため、充電電圧を下
げることなく、制動トルクを向上できるといった前記第
1実施形態の(2) と同じ効果が得られる。さらに、寄生
ダイオード204が昇圧整流回路のダイオードを兼ねて
いるため、部品点数を少なくでき、回路実装コストも低
減できる。
【0194】図33に示すチョッピング充電回路300
は、前記チョッピング充電回路200に対して、整流用
のダイオード301,302が設けられている点が異な
る。
【0195】このようなチョッピング充電回路300
は、前記チョッピング充電回路200に比べてダイオー
ド301,302が多くなり、コスト面では不利である
が、前記チョッピング充電回路200ではスイッチ20
3を接続してショートさせた際に、コンデンサ201の
電荷がスイッチ203側に流れてしまうため、ショート
時間が長くなると起電圧の向上割合が小さくなるのに対
し、チョッピング充電回路300では、スイッチ203
を接続した際にもコンデンサ201の電荷がスイッチ2
03側に流れることを防止できるため、前記チョッピン
グ充電回路200に比べて昇圧性能を高くできる利点が
ある。
【0196】図34に示すチョッピング充電回路400
は、チョッピング充電回路300におけるスイッチ20
3、ダイオード204,302をさらにもう一組設け
て、発電機20の交流出力の正負の両波に対してチョッ
ピングを行うようにしたものである。このため、発電機
20の交流出力の全周期にわたって昇圧およびブレーキ
制御を行うことができ、昇圧性能およびブレーキ性能を
より一層高くできる。
【0197】図35に示すチョッピング充電回路500
は、2つのコンデンサ501,502を設けて発電機2
0での発電電圧の2倍の電圧をIC202に加えること
ができるようにした倍昇圧整流回路である。
【0198】図36に示すチョッピング充電回路600
は、整流ダイオード601を設けた全波整流回路におい
てチョッピングを実現したものである。
【0199】なお、これらの各チョッピング充電回路5
00,600においては、両波に対してチョッピングす
るように構成していたが、半波のみをチョッピングする
ように構成してもよい。これらの各チョッピング充電回
路300〜600においても、前記第1実施形態の(2)
と同じ効果が得られる。
【0200】さらに、回転検出回路53、LPF55、
ブレーキ制御回路56の構成も前記第1実施形態のよう
に、波形整形回路70、チャージポンプ80およびルー
プフィルタ81、コンパレータ90、分周回路91およ
び三角波発生回路92からなるものに限らず、実施にあ
たって適宜設定すればよい。
【0201】例えば、波形整形回路70としては、図3
7に示すような、ラッチ手段76を用いたものでもよ
い。前記各波形整形回路70は、図9にも示すように、
一方のコンパレータ61,62の出力のみで矩形波パル
スfrを整形していたが、図37の波形整形回路70
は、図9にも示すように、AG1の極検出(コンパレー
タ62)の出力の立ち上がりでラッチ手段76にラッチ
をかけ、AG2のコンパレータ61の出力でリセットさ
せるものである。この場合、2つの出力を用いる必要が
あるが、時間の遅れが生じず、正確な検出ができる利点
がある。なお、AG1の出力でラッチがかかれば、AG
1の出力がパルス抜けを起こしても無視されるため、矩
形波パルスfrへの影響も防止できる。
【0202】また、回転制御手段としては、前記第1実
施形態のようにPLL制御を用いたものや、第2〜5実
施形態のようにアップダウンカウンタ160を用いたも
のに限らず、例えばF/V変換器100からの出力のみ
で調速制御させるものでもよく、実施にあたって適宜設
定すればよい。さらに、発電機20としては、2極のロ
ータに限らず、多極ロータを用いたものでもよい。
【0203】さらに、前記第2〜5実施形態では、制動
制御手段として4ビットのアップダウンカウンタ160
を用いていたが、3ビット以下のアップダウンカウンタ
を用いてもよいし、5ビット以上のアップダウンカウン
タを用いても良い。ビット数が大きなアップダウンカウ
ンタを用いれば、カウントできる値が増えるため、累積
誤差を記憶できる範囲が大きくでき、特に発電機20の
起動直後等の非ロック状態での制御が有利になる。一方
で、ビット数の小さなカウンタを用いれば、累積誤差を
記憶できる範囲が小さくなるが、特にロック状態になれ
ばアップおよびダウンを繰り返すことになるため、1ビ
ットのカウンタでも対応できるとともに、コストを低減
できる利点がある。
【0204】また、制動制御手段としては、アップダウ
ンカウンタに限らず、基準信号用fsおよび回転検出信
号FG1用にそれぞれ設けた第1および第2の計数手段
と、各計数手段の計数値を比較する比較回路とで構成さ
れたものでもよい。ただし、アップダウンカウンタ16
0を用いたほうが回路構成が簡易になるという利点があ
る。さらに、制動制御手段としては、発電機20の回転
周期を検出してその回転周期に基づいて強いブレーキ制
御および弱いブレーキ制御を切り替えることができるも
のであればよく、その具体的構成は実施にあたって適宜
設定すればよい。
【0205】さらに、前記実施形態ではデューティ比や
周波数の異なる2種類のチョッピング信号を用いてブレ
ーキ制御していたが、デューティ比や周波数の異なる3
種類以上のチョッピング信号を用いてもよい。
【0206】さらに、周波数やデューティ比はステップ
的に変えるのではなく、周波数変調のように連続的な変
化になるようにしてもよい。
【0207】また、整流回路35、ブレーキ回路12
0、制御回路56、チョッピング信号発生部180等の
具体的な構成は前記各実施形態に限らず、電子制御式機
械時計の発電機20をチョッピング制御できるものであ
ればよい。
【0208】例えば、ブレーキ回路120におけるチョ
ッピング整流回路35としては、図38に示すように、
コンデンサ123の代わりにダイオード125aを設け
てもよい。この場合には、昇圧用の回路が形成されない
ため、簡易同期チョッピング整流回路として機能する。
【0209】すなわち、第1の端子MG1の極性が
「+」で第2の端子MG2の極性が「−」の時には、第
1の電界効果型トランジスタ(FET)126がオンさ
れ、第3の電界効果型トランジスタ(FET)128が
オフされる。このため、発電機20で発生した誘起電圧
の電荷は、図38に示す「→→→→→→
→」の回路によって電源回路(コンデンサ)21aに
充電される。
【0210】一方、第1の端子MG1の極性が「−」で
第2の端子MG2の極性が「+」に切り替わると、第1
の電界効果型トランジスタ(FET)126がオフさ
れ、第3の電界効果型トランジスタ(FET)128が
オンされる。このため、図38に示す「→→→
→→→」の回路によって、電源回路(コンデン
サ)21aが充電される。
【0211】さらに、前記各実施形態におけるチョッピ
ング信号の周波数は、実施にあたって適宜設定すればよ
いが、例えば50Hz(発電機20のロータの回転周波
数の5倍)程度以上あれば、充電電圧を一定値以上に維
持しながら、ブレーキ性能を向上できる。また、チョッ
ピング信号のデューティ比も、0.05〜0.97の範
囲で実施にあたって適宜設定すればよい。
【0212】ロータの回転周波数(基準信号)として
は、第1実施形態の10Hzや第2実施形態の8Hzに
限らず、実施にあたって適宜設定すればよい。
【0213】ロータの回転検出回路53としては、図3
9に示すようなロータ回転検出回路800で検出しても
よい。すなわち、発電機20をチョッピング制御する場
合、発電機20のロータ12の回転波形にはチョッピン
グパルスが重畳される。このため、ロータ12の回転波
形からロータ回転周期に相当する矩形波信号(ロータ回
転検出信号:MGOUT)を得るには、チョッピング波
形が重畳されたタイミング(チョッピングのタイミン
グ)で、ロータ12の回転波形の電圧を基準電圧と比較
すればよい。この際、ロータ12の回転波形に外部磁界
(例えば50/60Hzの商用電源周波数)等のノイズ
が重畳されることがあり、このノイズの影響でロータ1
2の回転波形が崩れ、ロータ回転検出信号を得ることが
できない場合がある。
【0214】そこで、ロータ回転検出回路800は、ロ
ータパルスの電圧が基準電圧(スレショルド電圧VROT
D、例えば0.5V)を越えているかをチョッピングの
タイミングで検出するロータパルス検出回路801と、
このロータパルス検出回路801で連続して検出された
回数をカウントする連続検出回数カウンタ802と、こ
の連続検出回数カウンタ802のカウンタ値を設定値n
(例えば3回)と比較して設定値n以上であるかを検出
する比較回路803と、ロータパルス検出回路801で
連続して検出されない回数をカウントする連続非検出回
数カウンタ804と、この連続非検出回数カウンタ80
4のカウンタ値を設定値m(例えば3回)と比較して設
定値m以上であるかを検出する比較回路805と、これ
らの比較回路803,805に基づいてロータ回転検出
信号MGOUTを出力するパルス作成回路806とを備
えて構成されている。
【0215】このロータ回転検出回路800では、図4
0にも示すように、発電機20の回転波形をチョッピン
グパルスのタイミングで基準電圧(0.5V)と比較し
た際に、n回(3回)連続して基準電圧を越えて検出さ
れた場合に、MGOUTをLレベルとし、m回(3回)
連続して非検出された場合に、MGOUTをHレベルと
している。これにより、ロータ12の1回転の中で、M
GOUTのHレベルからLレベルへの変化が1回生じる
ため、ロータの回転を確実に検出できる。そして、この
MGOUTを基準信号(例えば8Hz)と比較し、その
差部分でブレーキを掛けるような制御を行うことでロー
タ12を調速することができる。
【0216】なお、設定値n,mは、実施にあたって適
宜設定すればよいが、特に、チョッピングの周波数と、
ロータ12の回転波形に重畳されるノイズ周波数に基づ
いて設定すればよい。例えば、図41に示すように、8
Hzのロータ12の回転波形(2Vp-p 正弦波)にノイ
ズ50Hz(1Vp-p 正弦波)が重畳され、チョッピン
グ周波数が256Hzの場合、50Hzのノイズの1周
期の間にチョッピング周波数は約5周期分含まれる。従
って、ロータ12の回転波形にノイズがのっていても、
その回転波形の半分以上(連続するチョッピング周波数
3周期分)が基準電圧を超えているか否かで、回転波形
が基準電圧を超えているか否かを判断できる。従って、
本実施形態では設定値n,mを3回に設定している。
【0217】また、ロータ回転検出回路800として
は、連続非検出回数カウンタ804の代わりに、連続、
非連続を問わず非検出回数をカウントするカウンタを設
けたものを採用してもよい。この場合も、図42,43
に示すように、連続検出回数の設定値x(例えば2回)
と、非検出回数の設定値y(例えば5回)とをチョッピ
ングの周波数と、ロータ12の回転波形に重畳されるノ
イズ周波数に基づいて設定すればよい。
【0218】このようにロータ12の回転波形に重畳さ
れるノイズ分を考慮して、ロータ12の回転を検出すれ
ば、ノイズが載りやすい環境で時計を使用していてもロ
ータ12の回転を正確に検出することができる。
【0219】さらに、発電機2の両端を閉ループとする
スイッチとしては、前記実施形態のスイッチ21,22
に限らない。例えば、図44に示すように、トランジス
タ27に抵抗素子30を接続し、チョッピング信号によ
って各トランジスタ27,29をオンして発電機2の両
端を閉ループとした際に、その経路に抵抗素子30を配
置してもよい。要するに、スイッチは、発電機2の両端
を閉ループとすることが可能なものであればよい。
【0220】さらに、本発明は、前記実施形態の電子制
御式機械時計に用いる場合に限らず、各種腕時計、置き
時計、クロック等の時計、携帯型の血圧計、携帯電話
機、PHS、ページャ、万歩計、電卓、携帯用パーソナ
ルコンピュータ、電子手帳、PDA(小型情報端末、
「Personal Digital Assistant」)、携帯ラジオ、玩
具、ポンプ等にも適用することができる。要するに電力
を消費する電子機器であれば広く適用できる。この際、
電池が無くても発電機20により内蔵される電子回路や
機構系を動作させることができ、電池交換を不要にでき
る。その上、本発明では、発電機の回転速度を一定速度
に効率的に制御でき、かつ発電電圧も一定以上に維持す
ることができるため、各種電子機器を安定してかつ長時
間作動させることができる。
【0221】さらに、図45に示すようなオルゴール9
01等の音響装置に本発明を適用してもよい。
【0222】オルゴール901は、機械的エネルギ源と
してのゼンマイ911が収容された香箱車910と、香
箱車910の香箱歯車912と噛み合ってゼンマイ91
1を巻き上げる巻上げ車920と、同じく香箱歯車91
2と噛み合ってゼンマイ911の機械的エネルギを伝達
する増速歯車930と、増速歯車930のカナ931と
噛み合う減速歯車940(二点鎖線で図示)と、この減
速歯車940を介して駆動されて音響を発生する音響発
生手段950と、増速歯車930で伝えられる機械的エ
ネルギを電気的エネルギに変換する発電機960と、発
電機960の回転速度を一定に調速する回転制御手段9
70(図46)とを備えている。このようなオルゴール
901は、本発明の電子機器として用いられるものであ
り、単独であるいは時計(クロック)内に組み込まれて
用いられ、所定時間曲を奏でるように構成されている。
【0223】なお、巻上げ車920には、一対の係合子
991を有したロック機構としての電磁クラッチ990
が設けられている。この電磁クラッチ990は、ゼンマ
イ911の巻数が少なくなってロータ961の回転が著
しく遅くなった際に、各係合子991を矢印A方向に移
動させ、歯止め部材992を巻上げ車920と係合させ
てその回転を止め(矢印B方向に回転しているのを止め
る)、ゼンマイ911がそれ以上解けるのをロックする
ように構成されている。
【0224】なお、歯止め部材992は、スプリング等
で巻上げ車920側に付勢されているため、係合子99
1が巻上げ車920に係合している状態でも、ハンドル
921を用いて巻上げ車920を矢印C方向にのみ回転
させことが可能であり、ゼンマイ911を巻き上げるこ
とができるようになっている。
【0225】音響発生手段950は、従来のオルゴール
と略同じ構造であって、減速歯車940と噛み合うカナ
951に設けられた回転円板952を備え、回転円板9
52の上面に植設された複数のピン953で櫛歯状の振
動板954を弾くことにより曲を奏でるものである。
【0226】また、発電機960は、ロータ961およ
びコイルブロック962を備えている。
【0227】ロータ961は、増速歯車930の歯車9
32と噛み合うロータカナ963と、ロータカナ963
と一体に回転するロータ磁石964とで構成されてい
る。
【0228】コイルブロック962は、コ字形のステー
タ965に第1コイル966および第2コイル967を
巻線したものであり、ステータ965にはロータ961
に隣接した一対のコアステータ部968が設けられてい
る。このステータ965やコアステータ部968は複数
枚の板状部材を重ねた構造とされ、うず損失の低減が図
られている。そして、第1コイル966は発電および制
動用として使用され、第2コイル967はロータ961
の回転検出用として専ら使用されている。
【0229】回転制御手段970は、ICからなる電子
回路であり、図46に示すように、水晶振動子971を
駆動する発振回路972と、発振回路972に生じたク
ロック信号を基に一定周波数の基準信号を生成する分周
回路973と、前記第2コイル967に接続されてロー
タ961の回転速度(交流出力波形に基づく周波数)を
検出するとともに、該回転速度に応じた検出信号を発生
する回転検出手段としてのコンパレータ974と、前記
検出信号を前記基準信号に同期させて出力する同期回路
975と、同期回路975からの検出信号と前記基準信
号とを比較し、比較結果に応じた制動用の制御信号(チ
ョッピング信号)を出力する制御回路976と、制御回
路976からの制御信号に応じて発電機960の前記ロ
ータ961を調速する制動回路977とを備えている。
【0230】これらのうち、制動回路977は、コイル
66つまり発電機960の両端を閉ループとして発電機
960を調速できるトランジスタなどで構成されたスイ
ッチを備えている。そして、制御回路976からは、前
記実施形態と同様に、ロータ961の回転速度に応じて
デューティ比および周波数の少なくとも一方が異なる2
種類のチョッピング信号が選択出力され、このチョッピ
ング信号によって前記制動回路977は発電機960を
チョッピング制御している。
【0231】このため、発電電圧を一定値以上に維持し
ながら、制動トルクを向上でき、持続時間の長いオルゴ
ール901にすることができる。さらに、発電機960
つまり回転円板952を一定速度に回転させることがで
き、かつ長時間作動させ続けることができるため、正確
な演奏を長時間行うことができる。
【0232】さらに、本発明をメトロノームに適用する
場合には、輪列の歯車にメトロノーム音発信車を付け、
その車の回転により、メトロノーム音片を弾いて周期的
なメトロノーム音を発音させるようにすればよい。な
お、メトロノームは、各種のテンポに対応した音を発生
させる必要があるが、この場合には、水晶振動子51A
の分周段を変えて発振回路51からの基準信号の周期を
可変することで対応すればよい。
【0233】また、発電機20を駆動する機械的エネル
ギ源としては、ゼンマイ1aに限らず、ゴム、スプリン
グ、重錘、圧縮空気などの流体等でもよく、本発明を適
用する対象などに応じて適宜設定すればよい。さらに、
これらの機械的エネルギ源に機械的エネルギを入力する
手段としては、手巻き、回転錘、位置エネルギ、気圧変
化、風力、波力、水力、温度差等でもよい。
【0234】また、ゼンマイなどの機械的エネルギ源か
らの機械的エネルギを発電機に伝達する機構としては、
前記各実施形態のような輪列(歯車)に限らず、摩擦
車、ベルト(タイミングベルト等)及びプーリ、チェー
ン及びスプロケットホイール、ラック及びピニオン、カ
ムなどを利用したものでもよく、本発明を適用する電子
機器の種類などに応じて適宜設定すればよい。
【0235】また、時刻表示装置としては、指針13,
14に限らず、円板、円環状や円弧形状のものを用いて
もよい。さらに、液晶パネル等を用いたデジタル表示式
の時刻表示装置を用いてもよい。
【0236】なお、本発明は、電池交換を不要とする他
の発電機構、例えば、自動巻き発電機構や、自ら電力を
発生する発電素子、例えば太陽電池、熱発電素子等と組
み合わせて使用することも可能である。
【0237】
【実施例】次に、本発明の効果を確認するために行った
実施例について説明する。実験には、図47に示すチョ
ッピング充電回路700を用いた。このチョッピング充
電回路700は、図33に示すチョッピング充電回路3
00と同様のものであり、発電機20のコイルに0.1
μFのコンデンサ201を直列に接続するとともに、こ
の発電機20に並列に1μFのコンデンサ21aと、チ
ョッピングを行うスイッチ203とを接続したものであ
る。なお、ICの代わりに負荷として10MΩの抵抗2
05を設けるとともに、整流用のダイオード301,3
02を設けている。
【0238】そして、スイッチ203のチョッピング周
波数を、25,50,100,500,1000Hzの
5段階に切り替えた際と、32,64,128,25
6,512,1024Hzの6段階に切り替えた際と
の、スイッチ203をオンしている比率を表すデューテ
ィーサイクル(duty)の各値でのコンデンサ21aの充
電電圧(発電電圧)および駆動トルクを測定した。この
実験結果を図48〜51にそれぞれ示す。なお、発電機
20のロータの回転周波数は10Hzに設定した。
【0239】電子制御式機械時計のIC202は、通常
0.8V、80nAで駆動するように設定されており、
前記回路700において、コンデンサ21aに0.8V
充電されれば、10MΩの抵抗205には80nA流
れ、IC202を駆動可能な電圧が充電されていること
になる。
【0240】そこで、図48,50の充電電圧の実験結
果からも明らかなように、チョッピング周波数が25H
zおよび32Hzの場合を除いて、いずれもが0.8V
を上回る電圧を充電でき、電圧を一定値(0.8V)以
上維持できる。
【0241】また、図49,51は図48,50のチョ
ッピング条件の時の発電機20を駆動するトルクを測定
した結果である。ここで、駆動トルクは発電機20を1
0Hzで回すのに必要なトルクであり、発電機20がゼ
ンマイ1aを制動するトルクと同一である。図49,5
1に示すように、チョッピング周波数により、dutyを大
きくした時の駆動トルクの上昇カーブは異なるが、duty
が0.9になると、ほぼ等しい駆動トルクとなることが
分かる。
【0242】従って、特にチョッピング周波数が、50
Hzや64Hzつまりロータの回転周波数の5倍以上あ
れば、充電電圧を一定値以上に維持しながら、ブレーキ
性能を向上でき、本発明の有効性が確認できた。
【0243】なお、チョッピング周波数が25Hzや3
2Hzの場合も、dutyが0.80以下であれば0.8V
以上充電することができるため、duty値の範囲をチョッ
ピングの周波数に応じて適宜設定することで利用可能で
ある。
【0244】要するに、duty比は、チョッピングの周波
数(チョッピング信号の周波数)に応じてその範囲を設
定すればよい。具体的には、この実施例のように周波数
が25〜1000Hz程度の範囲であれば、強いブレー
キ制御時には0.40〜0.97の範囲内で適宜設定す
ればよく、弱いブレーキ制御時には0.01〜0.30
の範囲内で適宜設定すればよい。
【0245】また、本実験は、1024Hz迄しか測定
していないが、更に大きい周波数でも同様の効果がある
ことは容易に推測できる。但し、余り大きい周波数であ
ると、チョッピングするためにICの消費電力が増大
し、発電する電力が多くなるため、上限としては100
0Hz〜1100Hz程度つまりロータの回転周波数の
100倍程度が望ましい。
【0246】なお、図48〜51に示す特性は、上述し
たような発電機20のロータ12の回転周波数(基準信
号)が10Hzの場合に限らず、他の周波数の場合でも
同様の傾向が成立する。従って、回転周波数は実施にあ
たって適宜設定すればよく、いずれの場合でも同様の効
果を奏することができる。
【0247】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明の電子機器
およびその制御方法によれば、発電電力を一定以上に保
ちながら発電機の制動トルクを増加でき、かつコストも
低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における電子制御式機械
時計の要部を示す平面図である。
【図2】図1の要部を示す断面図である。
【図3】図1の要部を示す断面図である。
【図4】第1実施形態の機能を示すブロック図である。
【図5】第1実施形態の構成を示すブロック図である。
【図6】第1実施形態のチョッピング充電回路を示す回
路図である。
【図7】第1実施形態の波形整形回路の一例を示す図で
ある。
【図8】第1実施形態の波形整形回路の他の例を示す図
である。
【図9】第1実施形態の回路における波形図である。
【図10】第1実施形態のブレーキ制御回路のコンパレ
ータの処理を示す図である。
【図11】第1実施形態の制御方法を示すフローチャー
トである。
【図12】第1実施形態におけるタイミングチャートで
ある。
【図13】本発明の第2実施形態における電子制御式機
械時計の要部の構成を示すブロック図である。
【図14】第2実施形態の電子制御式機械時計の構成を
示す回路図である。
【図15】第2実施形態の整流回路の構成を示す回路図
である。
【図16】第2実施形態のアップダウンカウンタにおけ
るタイミングチャートである。
【図17】第2実施形態のチョッピング信号発生部にお
けるタイミングチャートである。
【図18】第2実施形態の発電機の出力波形を示す図で
ある。
【図19】第2実施形態の制御方法を示すフローチャー
トである。
【図20】第2実施形態におけるタイミングチャートで
ある。
【図21】第2実施形態の比較例である発電機の出力波
形を示す図である。
【図22】第3実施形態の電子制御式機械時計の構成を
示す回路図である。
【図23】第3実施形態の発電機の出力波形を示す図で
ある。
【図24】第3実施形態におけるタイミングチャートで
ある。
【図25】第4実施形態の電子制御式機械時計の構成を
示す回路図である。
【図26】第4実施形態の回路におけるタイミングチャ
ートである。
【図27】第4実施形態の発電機の出力波形を示す図で
ある。
【図28】第5実施形態の電子制御式機械時計の構成を
示す回路図である。
【図29】第5実施形態の回路におけるタイミングチャ
ートである。
【図30】本発明の変形例の構成を示すブロック図であ
る。
【図31】本発明のチョッピング充電回路の変形例を示
す回路図である。
【図32】本発明のチョッピング充電回路の変形例を示
す回路図である。
【図33】本発明のチョッピング充電回路の変形例を示
す回路図である。
【図34】本発明のチョッピング充電回路の変形例を示
す回路図である。
【図35】本発明のチョッピング充電回路の変形例を示
す回路図である。
【図36】本発明のチョッピング充電回路の変形例を示
す回路図である。
【図37】本発明の波形整形回路の変形例を示す図であ
る。
【図38】本発明のチョッピング整流回路の変形例を示
す回路図である。
【図39】本発明のロータ回転検出回路の変形例を示す
構成図である。
【図40】ロータ回転検出回路の動作説明図である。
【図41】ロータ回転波形を示す波形図である。
【図42】他のロータ回転検出回路の動作説明図であ
る。
【図43】他のロータ回転波形を示す波形図である。
【図44】本発明の変形例を示す回路図である。
【図45】本発明の電子機器の変形例であるオルゴール
を示す一部破断の斜視図である。
【図46】本変形例のオルゴールにおける回転制御手段
の構成を示すブロック図である。
【図47】本発明の実験例におけるチョッピング充電回
路を示す回路図である。
【図48】本発明の実験例におけるチョッピング周波数
と充電電圧との関係を示すグラフである。
【図49】本発明の実験例におけるチョッピング周波数
と制動トルクとの関係を示すグラフである。
【図50】本発明の実験例におけるチョッピング周波数
と充電電圧との関係を示すグラフである。
【図51】本発明の実験例におけるチョッピング周波数
と制動トルクとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 香箱車 1a ゼンマイ 7 二番車 8 三番車 9 四番車 10 五番車 11 六番車 12 ロータ 12a ロータ磁石 12c ロータ慣性円板 15b,16b コイル 20 発電機 21 整流回路 21a 電源回路であるコンデンサ 22 負荷 23 ブレーキ回路 23B スイッチであるトランジスタ 25 電圧制御発振器 35 倍電圧整流回路 50 回転制御手段 51 発振回路 51A 水晶振動子 52 分周回路 53 回転検出回路 54 位相比較回路 56 ブレーキ制御回路 60,110,200,300,400,500,60
0,700 チョッピング充電回路 61,62 コンパレータ 64,65 オア回路 66,67 スイッチである電界効果型トランジスタ 68,69 ダイオード 70 波形整形回路 80 チャージポンプ 81 ループフィルタ 90 コンパレータ 92 三角波発生回路 100 F/V変換器 101 高周波数チョッピング信号発生手段 102 低周波数チョッピング信号発生手段 103 電源電圧検出回路 110 チョッピング充電回路 120 ブレーキ回路 121,122 スイッチ 123 昇圧用のコンデンサ 124,125,125a ダイオード 126〜129 電界効果型トランジスタ 160 アップダウンカウンタ 170 同期回路 180 チョッピング信号発生部 181 第1チョッピング信号発生手段 185 第2チョッピング信号発生手段 190 初期化回路 800 ロータ回転検出回路 801 ロータパルス検出回路 802 連続検出回数カウンタ 803 比較回路 804 連続非検出回数カウンタ 805 比較回路 806 パルス作成回路 900 電子機器である自動車型走行玩具 901 ゼンマイ 920 増速輪列 930 発電機 931 ロータ 932 コイルブロック 934 コイル 935 整流回路 936 コンデンサ 937 水晶振動子 950 電子機器であるオルゴール 951 ゼンマイ 952 香箱車 953 香箱歯車 954 巻上げ車 955 増速歯車 956 減速歯車 960 音響発生手段 962 回転円板 963 ピン 964 振動板 970 発電機 971 ロータ 972 コイルブロック 975 ステータ 976 コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 英典 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 藤森 茂幸 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 高橋 理 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 新川 修 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2F084 AA01 BB09 GG02 GG04 JJ04 JJ07 KK02 LL01 LL02 5H590 AA01 AA04 AA17 CA30 CB01 CB03 CC02 CC05 CC18 CD01 CE10 EA05 EA07 EA13 EB02 EB07 EB10 FA05 FA08 FB01 FB03 FC12 FC14 FC17 FC22 FC26 GA02 GA10 HA02 HA10 HA27 JA19 JB01 JB05 JB13 JB14 JB15 JB18

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機械的エネルギ源と、前記機械的エネル
    ギ源によって駆動されて誘起電力を発生して第1および
    第2の端子から電気的エネルギを供給する発電機と、前
    記電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周
    期を制御する回転制御手段とを備える電子機器におい
    て、 前記発電機の各端子を閉ループ可能なスイッチを設ける
    とともに、 前記回転制御手段は、前記スイッチにチョッピング信号
    を印加して前記発電機をチョッピング制御可能に構成さ
    れ、かつ前記チョッピング信号のデューティ比はそのチ
    ョッピング信号の周波数に基づいて設定されていること
    を特徴とする電子機器。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電子機器において、 前記チョッピング信号のデューティ比は、そのチョッピ
    ング信号の周波数に対応して決められた範囲内で設定さ
    れていることを特徴とする電子機器。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の電子機
    器において、 前記回転制御手段は、前記発電機に強いブレーキを印加
    する時に、デューティ比が0.40〜0.97の範囲内
    で設定されたチョッピング信号を前記スイッチに印加し
    て、前記発電機をチョッピング制御するように構成され
    ていることを特徴とする電子機器。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の電子機器において、 前記回転制御手段は、前記発電機に強いブレーキを印加
    する時に、デューティ比が0.70〜0.97の範囲内
    で設定されたチョッピング信号を前記スイッチに印加し
    て、前記発電機をチョッピング制御するように構成され
    ていることを特徴とする電子機器。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の電子機器において、 前記回転制御手段は、前記発電機に強いブレーキを印加
    する時に、デューティ比が0.85〜0.97の範囲内
    で設定されたチョッピング信号を前記スイッチに印加し
    て、前記発電機をチョッピング制御するように構成され
    ていることを特徴とする電子機器。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の電子機
    器において、 前記回転制御手段は、前記発電機に強いブレーキと弱い
    ブレーキとを切り替えて印加可能に構成され、かつデュ
    ーティ比が異なる2種類以上のチョッピング信号を発生
    するチョッピング信号発生部を備えているとともに、 前記発電機に弱いブレーキを印加する時には、前記発電
    機に強いブレーキを印加する時に印加されるチョッピン
    グ信号よりもデューティ比が小さいチョッピング信号を
    前記スイッチに印加して、前記発電機をチョッピング制
    御するように構成されていることを特徴とする電子機
    器。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の電子機器において、 前記回転制御手段は、前記発電機に弱いブレーキを印加
    する時には、デューティ比が0.01〜0.30の範囲
    内で設定されたチョッピング信号を前記スイッチに印加
    して、前記発電機をチョッピング制御するように構成さ
    れていることを特徴とする電子機器。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の電子機器において、 前記回転制御手段は、前記発電機に弱いブレーキを印加
    する時には、デューティ比が0.01〜0.15の範囲
    内で設定されたチョッピング信号を前記スイッチに印加
    して、前記発電機をチョッピング制御するように構成さ
    れていることを特徴とする電子機器。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の電子機器において、 前記回転制御手段は、前記発電機に弱いブレーキを印加
    する時には、デューティ比が0.05〜0.10の範囲
    内で設定されたチョッピング信号を前記スイッチに印加
    して、前記発電機をチョッピング制御するように構成さ
    れていることを特徴とする電子機器。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の電子
    機器において、 前記スイッチを断続するチョッピング信号の周波数が、
    発電機のロータが設定速度で発生する起電圧波形の周波
    数の3倍以上であることを特徴とする電子機器。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の電子機器におい
    て、 前記チョッピング信号の周波数が、発電機のロータが設
    定速度で発生する起電圧波形の周波数の3倍〜130倍
    であることを特徴とする電子機器。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかに記載の電
    子機器において、 前記チョッピング信号の周波数が25Hz〜1100H
    zであることを特徴とする電子機器。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の電子機器におい
    て、 前記チョッピング信号の周波数が128Hz〜512H
    zであることを特徴とする電子機器。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれかに記載の電
    子機器において、発電機の電気的エネルギを電源回路に
    充電するための第1および第2の電源ラインを備えると
    ともに、前記スイッチは、発電機の第1および第2の端
    子と第1および第2の電源ラインの一方のラインとの間
    にそれぞれ配置された第1および第2のスイッチで構成
    され、前記回転制御手段は、前記発電機の第1および第
    2の端子の一方の端子に接続されたスイッチをオンし続
    けるとともに、発電機の他方の端子に接続されたスイッ
    チにチョッピング信号を印加して断続するように制御す
    ることを特徴とする電子機器。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の電子機器におい
    て、前記回転制御手段は、発電機の起電圧波形と基準波
    形とを比較するコンパレータと、各コンパレータの出力
    を時間標準信号と比較して差信号を出力する比較回路
    と、この差信号に基づきパルス幅が可変されたクロック
    信号を出力する信号出力回路と、前記クロック信号とコ
    ンパレータ出力とを論理合成して前記スイッチに出力す
    る論理回路とを備えて構成されていることを特徴とする
    電子機器。
  16. 【請求項16】 請求項14に記載の電子機器におい
    て、前記第1のスイッチは、発電機の第2の端子にゲー
    トが接続された第1の電界効果型トランジスタと、この
    第1の電界効果型トランジスタに並列に接続されて前記
    回転制御手段で断続される第2の電界効果型トランジス
    タとで構成され、前記第2のスイッチは、発電機の第1
    の端子にゲートが接続された第3の電界効果型トランジ
    スタと、この第3の電界効果型トランジスタに並列に接
    続されて前記回転制御手段で断続される第4の電界効果
    型トランジスタとで構成されていることを特徴とする電
    子機器。
  17. 【請求項17】 機械的エネルギ源と、前記機械的エネ
    ルギ源によって駆動されて誘起電力を発生して第1およ
    び第2の端子から電気的エネルギを供給する発電機と、
    前記電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転
    周期を制御する回転制御手段とを備える電子機器の制御
    方法において、 前記発電機の各端子を閉ループ可能なスイッチを、その
    断続の周波数に基づいて設定されるデューティ比で断続
    し、発電機をチョッピングによりブレーキ制御すること
    を特徴とする電子機器の制御方法。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の電子機器の制御方
    法において、 前記チョッピング信号のデューティ比を、チョッピング
    信号の周波数に対応して決められた範囲内で設定するこ
    とを特徴とする電子機器の制御方法。
  19. 【請求項19】 請求項17または請求項18に記載の
    電子機器の制御方法において、 前記回転制御手段は、前記発電機に強いブレーキを印加
    する時に、デューティ比が0.40〜0.97の範囲内
    で設定されたチョッピング信号を前記スイッチに印加し
    て、前記発電機をチョッピング制御することを特徴とす
    る電子機器の制御方法。
  20. 【請求項20】 請求項17〜19のいずれかに記載の
    電子機器の制御方法において、 前記回転制御手段は、前記発電機に強いブレーキと弱い
    ブレーキとを切り替えて印加可能に構成され、かつデュ
    ーティ比が異なる2種類以上のチョッピング信号を発生
    するチョッピング信号発生部を備えているとともに、 前記発電機に弱いブレーキを印加する時には、前記発電
    機に強いブレーキを印加する時に印加されるチョッピン
    グ信号よりもデューティ比が小さいチョッピング信号を
    前記スイッチに印加して、前記発電機をチョッピング制
    御することを特徴とする電子機器の制御方法。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載の電子機器の制御方
    法において、 前記回転制御手段は、前記発電機に弱いブレーキを印加
    する時には、デューティ比が0.01〜0.30の範囲
    内で設定されたチョッピング信号を前記スイッチに印加
    して、前記発電機をチョッピング制御することを特徴と
    する電子機器の制御方法。
  22. 【請求項22】 請求項17〜21のいずれかに記載の
    電子機器の制御方法において、 前記チョッピング信号の周波数を、128Hz〜512
    Hzの範囲内で設定していることを特徴とする電子機器
    の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6584043B1 (en) * 1998-11-17 2003-06-24 Seiko Epson Corporation Electronically controlled mechanical watch and method of preventing overcharge
JP2003337181A (ja) * 2002-05-17 2003-11-28 Seiko Epson Corp 電子制御式機械時計

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