JP3646565B2 - 電子機器、電子制御式機械時計およびそれらの制御方法 - Google Patents

電子機器、電子制御式機械時計およびそれらの制御方法 Download PDF

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    • G04HOROLOGY
    • G04CELECTROMECHANICAL CLOCKS OR WATCHES
    • G04C10/00Arrangements of electric power supplies in time pieces

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器、電子制御式機械時計およびそれらの制御方法に関し、詳しくは、機械的エネルギ源と、この機械的エネルギ源により駆動されるとともに誘起電力を発生して電気的エネルギを出力する発電機と、当該発電機から出力された電気的エネルギを蓄える蓄電装置と、この蓄電装置から供給された電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置とを有する電子機器、電子制御式機械時計およびそれらの制御方法に関する。
【0002】
【背景技術】
ゼンマイが開放する時の機械的エネルギを発電機で電気的エネルギに変換し、その電気的エネルギにより回転制御装置を作動させて発電機のコイルに流れる電流値を制御することにより、輪列に固定される指針を正確に駆動して正確に時刻を表示する電子制御式機械時計として、特公平7−119812号公報に記載されたものが知られている。
【0003】
この特公平7−119812号公報に記載された発明では、水晶振動子などからの基準信号の周期で周期的に互いに続いて生じる複数の第1時間点の各々において、ブレーキオフ制御を行うとともに、前記基準信号の周期の中で第1時間点から隔置された第2時間点で、ブレーキオン制御を行っており、基準周期の1周期の中で、必ずブレーキオン制御とブレーキオフ制御とを行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ある基準周期の第2時間点で開始されたブレーキオン制御は、発電機の回転状態に関わらず、次の基準周期の第1時間点の時にブレーキオフ制御に強制的に切り換えられるため、状態によっては十分なブレーキ量を与えることができず、調速するまでに時間が掛かるという問題があった。
【0005】
また、電子制御式機械時計に限らず、ゼンマイやゴムなどの機械的エネルギ源によって回転制御される部分を有するオルゴールやメトロノーム、おもちゃ、電気かみそりなどの各種電子機器においても、精度の良いブレーキ制御を行って各作動部、例えばオルゴールのドラムやメトロノームの振子の作動を精度良くしたいという要望は常に生じていた。
【0006】
本発明の目的は、確実かつ十分なブレーキ量を与えることができ、調速制御の応答性を高め、安定した制御を行うことができる電子機器、電子制御式機械時計およびそれらの制御方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の電子機器は、機械的エネルギ源と、前記機械的エネルギ源によって駆動されて誘起電力を発生して電気的エネルギを供給する発電機と、前記電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置とを備える電子機器において、前記回転制御装置は、時間標準源からの信号に基づいて発せられる基準信号と、前記発電機の回転周期に対応した回転検出信号とを比較して前記発電機のブレーキ時間を調整するブレーキ制御装置と、前記発電機の回転周期に応じて前記ブレーキ制御装置で設定される時間を補正するブレーキ量補正装置と、を備え、前記ブレーキ量補正装置は、前記発電機の回転周期が前記基準信号の周期を基準とする所定範囲よりも遅い(長い、以下同じ意味)時に、前記ブレーキ制御装置で設定される時間よりもブレーキ時間を短くし、前記発電機の回転周期が前記所定範囲よりも速い(短い、以下同じ意味)時に、前記ブレーキ制御装置で設定される時間よりもブレーキ時間を長くしてブレーキ時間を補正することを特徴とするものである。
【0011】
本発明の電子機器は、発電機をゼンマイ等の機械的エネルギ源で駆動し、発電機に回転制御装置によりブレーキをかけることでロータの回転数を調速する。
【0012】
この際、発電機の回転周期が、基準信号周期に近い場合、つまり回転周期が基準信号周期を基準として所定範囲内にある場合には、ブレーキ制御装置によって基準信号および回転検出信号を比較して設定されたブレーキ時間によってブレーキ制御が行われる。
【0013】
一方、発電機の回転周期が、基準信号周期から大きく外れた場合には、その回転周期に応じてブレーキ時間つまりブレーキ量を調整する。例えば、回転周期が基準信号周期よりも短い場合には、前記ブレーキ制御装置で設定される時間よりもブレーキ時間を長くして発電機の回転速度を抑えて、回転周期が基準信号に迅速に近づくように調整する。また、回転周期が基準信号周期よりも長い場合には、前記ブレーキ制御装置で設定される時間よりもブレーキ時間を短くして発電機の回転速度を高めて、回転周期が基準信号に迅速に近づくように調整する。
【0014】
これにより、基準周期に関係なく発電機の回転周期に応じた最適なブレーキ制御を行うことができるため、基準周期の1周期の中で必ずブレーキオン制御とブレーキオフ制御とを行う場合に比べて、確実かつ十分なブレーキ量を与えることができ、調速制御の応答性も高めることができる。従って、発電機のロータの回転周期のばらつきを小さくでき、発電機をほぼ一定速度で安定して回転することができる。
【0015】
なお、前記ブレーキ量補正装置が前記ブレーキ時間を調整する時間は、例えば、前記発電機の回転周期に応じて予め1段階以上で設定してもよいし、その時点の回転周期に応じて連続的に変化するように設定してもよい。
【0016】
ブレーキ時間を補正する補正時間は1段階(一定)にしてもよいが、前記ブレーキの補正時間を回転周期の大きさつまり基準周期からの変位量に応じて1段階以上、好ましくは2段階以上に設定すれば、基準周期から大きく外れた場合でも補正時間も大きくすることで、発電機の回転周期をより迅速に基準周期に近づけることができる。また、補正時間を回転周期に応じて連続的に変化するように設定すれば、より細かい調整を行うことができる。
【0017】
前記ブレーキ制御装置は、前記回転検出信号および基準信号の一方がアップカウント信号として入力され、他方がダウンカウント信号として入力されるアップダウンカウンタを備え、このアップダウンカウンタの値が設定値以上の場合に前記発電機にブレーキを掛け、かつ設定値未満の場合に前記発電機のブレーキを解除するように構成されていることが好ましい。
【0018】
アップダウンカウンタを用いれば、回転検出信号および基準信号の計数と同時に各計数値の比較も行うことができるため、構成がより一層簡易になりかつ各計数値の差を簡単に求めることができる。
【0019】
前記回転制御装置は、前記アップダウンカウンタの値が前記設定値を含む所定範囲内にある場合のみに、ブレーキ量補正装置によるブレーキ時間の補正を行うことが好ましい。
【0020】
ブレーキの補正を行う場合には、ブレーキのオンからオフへの変化が伴うため、ブレーキをオンし続けたり、オフし続けることができない。このため、アップダウンカウンタの値がブレーキ制御のしきい値となる設定値近辺から大きく外れている場合には、ブレーキの補正を行わないようにすることで、ブレーキをオンし続けたり、オフし続けることができ、例えば、発電機の始動時等、回転周期が基準周期に対して大きくずれている場合の累積誤差を迅速に無くすことができる。
【0021】
請求項に記載の発明は、機械的エネルギ源と、前記機械的エネルギ源によって駆動されて誘起電力を発生して電気的エネルギを供給する発電機と、前記電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置とを備える電子機器において、前記回転制御装置は、時間標準源からの信号に基づいて発せられる基準信号と、前記発電機の回転周期に対応した回転検出信号とを比較して前記発電機に強いブレーキを掛ける強ブレーキ時間を調整するブレーキ制御装置と、前記発電機の回転周期に応じて前記ブレーキ制御装置で設定される強ブレーキ時間を補正するブレーキ量補正装置と、を備え、前記ブレーキ量補正装置は、前記発電機の回転周期が前記基準信号の周期を基準とする所定範囲よりも遅い時に、前記ブレーキ制御装置で設定される時間よりも強ブレーキ時間を短くし、前記発電機の回転周期が前記所定範囲よりも速い時に、前記ブレーキ制御装置で設定される時間よりも強ブレーキ時間を長くして強ブレーキ時間を補正することを特徴とするものである。
【0025】
このような本発明においても、発電機の回転周期が、基準信号周期に近い場合、つまり回転周期が基準信号周期を基準として所定範囲内にある場合には、ブレーキ制御装置によって基準信号および回転検出信号を比較して設定されたブレーキ時間によってブレーキ制御が行われる。
【0026】
一方、発電機の回転周期が、基準信号周期から大きく外れた場合、その回転周期に応じて強いブレーキを掛ける強ブレーキ時間つまりブレーキ量を調整する。例えば、回転周期が基準信号周期よりも短い場合には、前記ブレーキ制御装置で設定される時間よりも強ブレーキ時間を長くして発電機の回転速度を抑えて、回転周期が基準信号に迅速に近づくように調整する。また、回転周期が基準信号周期よりも長い場合には、前記ブレーキ制御装置で設定される時間よりも強ブレーキ時間を短くして発電機の回転速度を高めて、回転周期が基準信号に迅速に近づくように調整する。
【0027】
これにより、基準周期に関係なく発電機の回転周期に応じた最適なブレーキ制御を行うことができるため、基準周期の1周期の中で必ずブレーキオン制御とブレーキオフ制御とを行う場合に比べて、確実かつ十分なブレーキ量を与えることができ、調速制御の応答性も高めることができる。従って、発電機のロータの回転周期のばらつきを小さくでき、発電機をほぼ一定速度で安定して回転することができる。
【0028】
ここで、前記回転制御装置は、前記発電機の両端を閉ループ可能なスイッチと、このスイッチに印加されるデューティ比および周波数の少なくとも一方が異なる2種類以上のチョッパ信号を発生するチョッパ信号発生部とを備え、前記発電機に強いブレーキを掛ける場合には一方のチョッパ信号を前記スイッチに印加し、その他の場合には前記強いブレーキよりもブレーキ力の弱いブレーキを印加可能な他方のチョッパ信号を前記スイッチに印加するように構成されていることが好ましい。
【0029】
発電機のコイル両端を閉ループ可能なスイッチにチョッパ信号を印加してオン・オフ、つまりチョッパリングすることで、スイッチをオンした時には、発電機のコイル両端が閉ループ状態になってショートブレーキが掛かり、かつ発電機のコイルにエネルギーがたまる。一方で、スイッチをオフすると、閉ループ状態が解除されて発電機が動作し、前記コイルにたまっていたエネルギー分が含まれるため、起電圧が高まる。このため、発電機に強いブレーキを印加する時にチョッパリングで制御すると、ブレーキ時の発電電力の低下を、スイッチオフ時の起電圧の高まり分で補填でき、発電電力の低下を抑えながらブレーキトルク(制動トルク)を増加でき、持続時間の長い電子機器を構成できる。
【0030】
また、弱いブレーキを印加する時にもチョッパリングで制御すれば、充電電圧をより高めることができる。
【0031】
なお、前記スイッチをオンすることで移行する閉ループ状態とは、閉ループ状態ではない場合と比べて発電機に加わるブレーキ力が大きくなる状態であればよく、閉ループとされた回路上に、例えばスイッチと発電機との間等に、抵抗素子等が設けられていてもよい。
【0032】
なお、前記ブレーキ量補正装置が前記ブレーキ時間を調整する時間は、例えば、前記発電機の回転周期に応じて予め1段階以上で設定してもよいし、その時点の回転周期に応じて連続的に変化するように設定してもよい。
【0033】
前記ブレーキの補正時間を回転周期の大きさつまり基準周期からの変位量に応じて1段階以上、好ましくは2段階以上に設定すれば、基準周期から大きく外れた場合には補正時間も大きくすることで、発電機の回転周期をより迅速に基準周期に近づけることができる。また、補正時間を回転周期に応じて連続的に変化するように設定すれば、より細かい調整を行うことができる。
【0034】
前記ブレーキ制御装置は、前記回転検出信号および基準信号の一方がアップカウント信号として入力され、他方がダウンカウント信号として入力されるアップダウンカウンタを備え、このアップダウンカウンタの値が設定値以上の場合に前記発電機に強いブレーキを掛け、かつ設定値未満の場合に前記発電機に弱いブレーキを掛けるように構成されていることを特徴とするものである。
【0035】
アップダウンカウンタを用いれば、回転検出信号および基準信号の計数と同時に各計数値の比較も行うことができるため、構成がより一層簡易になりかつ各計数値の差を簡単に求めることができる。
【0036】
前記ブレーキ量補正装置は、前記アップダウンカウンタの値が前記設定値を含む所定の範囲内にある場合のみに、強ブレーキ時間を補正してもよい。
【0037】
ブレーキを補正する場合には、強いブレーキから弱いブレーキへの変化が伴うため、強いブレーキを掛け続けたり、弱いブレーキを掛け続けることができない。このため、アップダウンカウンタの値がブレーキ制御のしきい値となる設定値近辺から大きく外れている場合、つまり前記補正を行う範囲よりも更に外れている場合には、ブレーキの補正を行わないようにすることで、強いブレーキを掛け続けたり、弱いブレーキを掛け続けることができ、例えば、発電機の始動時等、回転周期が基準周期に対して大きくずれている場合の累積誤差を迅速に無くすことができる。
【0038】
また、前記電子機器は、計時装置や、オルゴールまたはメトロノームであることが好ましい。これらによれば、持続時間が長くかつ正確に回転制御される計時装置やオルゴールまたはメトロノームを提供することができる。
【0039】
また、請求項10に記載の電子制御式機械時計は、上記電子機器と、前記電子機器の機械的エネルギ源によって発電機とともに回転され、回転制御装置により調速制御される指針とを備えることを特徴とするものである。
【0040】
具体的には、機械的エネルギ源と、輪列等のエネルギ伝達装置を介して連結される前記機械的エネルギ源によって駆動されて誘起電力を発生して電気的エネルギを供給する発電機と、前記輪列等のエネルギ伝達装置に結合された指針と、前記電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置とを備える電子制御式機械時計において、前記回転制御装置は、時間標準源からの信号に基づいて発せられる基準信号と、前記発電機の回転周期に対応した回転検出信号とを比較して前記発電機のブレーキ時間を設定するブレーキ制御装置と、前記発電機の回転周期に応じて前記ブレーキ制御装置で設定される時間を補正するブレーキ量補正装置と、を備え、前記ブレーキ量補正装置は、前記発電機の回転周期が前記基準信号の周期を基準とする所定範囲よりも遅い時に、前記ブレーキ制御装置で設定される時間よりもブレーキ時間を短くし、前記発電機の回転周期が前記所定範囲よりも速い時に、前記ブレーキ制御装置で設定される時間よりもブレーキ時間を長くしてブレーキ時間を補正することを特徴とするものである。
【0041】
また、機械的エネルギ源と、輪列等のエネルギ伝達装置を介して連結される前記機械的エネルギ源によって駆動されて誘起電力を発生して電気的エネルギを供給する発電機と、前記輪列等のエネルギ伝達装置に結合された指針と、前記電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置とを備える電子制御式機械時計において、前記回転制御装置は、時間標準源からの信号に基づいて発せられる基準信号と、前記発電機の回転周期に対応した回転検出信号とを比較して前記発電機に強いブレーキを掛ける強ブレーキ時間を設定するブレーキ制御装置と、前記発電機の回転周期に応じて前記ブレーキ制御装置で設定される時間を補正するブレーキ量補正装置と、を備え、、前記ブレーキ量補正装置は、前記発電機の回転周期が前記基準信号の周期を基準とする所定範囲よりも遅い時に、前記ブレーキ制御装置で設定される時間よりも強ブレーキ時間を短くし、前記発電機の回転周期が前記所定範囲よりも速い時に、前記ブレーキ制御装置で設定される時間よりも強ブレーキ時間を長くして強ブレーキ時間を補正することを特徴とするものでもよい。
【0042】
このような電子制御式機械時計によれば、発電機のロータの回転周期のばらつきを小さくでき、発電機をほぼ一定速度で回転することができるため、このロータの回転に連動して作動される指針の運針のふらつきを少なくできる。さらに、発電電力の低下を抑えながら発電機のブレーキトルクを大きくできるため、高精度でかつ持続時間の長い時計を提供できる。
【0043】
請求項11に記載の発明は、機械的エネルギ源と、前記機械的エネルギ源によって駆動されて誘起電力を発生して電気的エネルギを供給する発電機と、前記電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置とを備える電子機器の制御方法であって、時間標準源からの信号に基づいて発せられる基準信号と、前記発電機の回転周期に対応した回転検出信号とを比較して前記発電機のブレーキ時間を調整するとともに、前記発電機の回転周期が前記基準信号の周期を基準とする所定範囲よりも遅い時には、前記基準信号および回転検出信号で設定される時間よりもブレーキ時間を短くし、前記発電機の回転周期が前記所定範囲よりも速い時に、前記基準信号および回転検出信号で設定される時間よりもブレーキ時間を長くしてブレーキ時間を補正することを特徴とするものである。
【0044】
また、請求項12に記載の発明は、機械的エネルギ源と、前記機械的エネルギ源によって駆動されて誘起電力を発生して電気的エネルギを供給する発電機と、前記電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置とを備える電子機器の制御方法であって、時間標準源からの信号に基づいて発せられる基準信号と、前記発電機の回転周期に対応した回転検出信号とを比較して前記発電機に強いブレーキを掛ける強ブレーキ時間を調整するとともに、前記発電機の回転周期が前記基準信号の周期を基準とする所定範囲よりも遅い時には、前記基準信号および回転検出信号で設定される時間よりも強ブレーキ時間を短くし、前記発電機の回転周期が前記所定範囲よりも速い時に、前記基準信号および回転検出信号で設定される時間よりも強ブレーキ時間を長くして強ブレーキ時間を補正することを特徴とするものである。
【0045】
さらに、請求項13に記載の発明は、機械的エネルギ源と、エネルギ伝達装置を介して連結される前記機械的エネルギ源によって駆動されて誘起電力を発生して電気的エネルギを供給する発電機と、前記エネルギ伝達装置に結合された指針と、前記電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置とを備える電子制御式機械時計の制御方法であって、時間標準源からの信号に基づいて発せられる基準信号と、前記発電機の回転周期に対応した回転検出信号とを比較して前記発電機のブレーキ時間を調整するとともに、前記発電機の回転周期が前記基準信号の周期を基準とする所定範囲よりも遅い時には、前記基準信号および回転検出信号で設定される時間よりもブレーキ時間を短くし、前記発電機の回転周期が前記所定範囲よりも速い時に、前記基準信号および回転検出信号で設定される時間よりもブレーキ時間を長くしてブレーキ時間を補正することを特徴とするものである。
【0046】
請求項14に記載の発明は、機械的エネルギ源と、エネルギ伝達装置を介して連結される前記機械的エネルギ源によって駆動されて誘起電力を発生して電気的エネルギを供給する発電機と、前記エネルギ伝達装置に結合された指針と、前記電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置とを備える電子制御式機械時計の制御方法であって、時間標準源からの信号に基づいて発せられる基準信号と、前記発電機の回転周期に対応した回転検出信号とを比較して前記発電機に強いブレーキを掛ける強ブレーキ時間を調整するとともに、前記発電機の回転周期が前記基準信号の周期を基準とする所定範囲よりも遅い時には、前記基準信号および回転検出信号で設定される時間よりも強ブレーキ時間を短くし、前記発電機の回転周期が前記所定範囲よりも速い時に、前記基準信号および回転検出信号で設定される時間よりも強ブレーキ時間を長くして強ブレーキ時間を補正することを特徴とするものである。
【0047】
これらの各発明において、ブレーキ時間を補正する場合には、前記発電機の回転周期が前記基準信号の周期を基準とする所定範囲よりも遅い時には、前記基準信号および回転検出信号で設定される時間よりもブレーキ時間を短くし、前記発電機の回転周期が前記所定範囲よりも速い時に、前記基準信号および回転検出信号で設定される時間よりもブレーキ時間を長くしてブレーキ時間を補正することが好ましい。
【0048】
これらの制御方法によれば、発電機の回転周期が、基準信号周期に近い場合、つまり回転周期が基準信号周期を基準として所定範囲内にある場合には、基準信号および回転検出信号を比較してブレーキ制御が行われる。
【0049】
一方、発電機の回転周期が、基準信号周期から大きく外れた場合、つまり回転周期が基準信号周期を基準とする所定範囲外にある場合には、その回転周期に応じてブレーキ時間や強ブレーキ時間を調整する。
【0050】
これにより、基準周期に関係なく発電機の回転周期に応じた最適なブレーキ制御を行うことができるため、基準周期の1周期の中で必ずブレーキオン制御とブレーキオフ制御とを行う場合に比べて、確実かつ十分なブレーキ量を与えることができ、調速制御の応答性も高めることができる。このため、発電機のロータの回転周期のばらつきを小さくでき、発電機をほぼ一定速度で安定して回転することができる。従って、発電機のロータの回転周期のばらつきを小さくでき、発電機をほぼ一定速度で回転することができ、動作のスムーズな電子機器や電子制御式機械時計にすることができる。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0052】
図1には、本発明の第1実施形態の電子制御式機械時計を示すブロック図が示されている。
【0053】
電子制御式機械時計は、機械的エネルギ源としてのゼンマイ1と、ゼンマイ1のトルクを発電機2に伝達するエネルギ伝達装置としての増速輪列3と、増速輪列3に連結されて時刻表示を行う指針4とを備えている。
【0054】
発電機2は、増速輪列3を介してゼンマイ1によって駆動され、誘起電力を発生して電気的エネルギを供給する。この発電機2からの交流出力は、昇圧整流、全波整流、半波整流、トランジスタ整流等からなる整流回路5を通して昇圧、整流され、コンデンサ等で構成された電源回路6に充電供給される。
【0055】
なお、本実施形態では、図2にも示すように、整流回路5を含むブレーキ回路20を発電機2に設けている。このブレーキ回路20は、発電機2で発電された交流信号(交流電流)が入力される第1の交流入力端子MG1に接続された第1のスイッチ21と、前記交流信号が入力される第2の交流入力端子MG2に接続された第2のスイッチ22とを有し、これらのスイッチ21,22を同時にオンすることにより、第1、第2の交流入力端子MG1,MG2を短絡させて閉ループ状態にし、ショートブレーキを掛けるようになっている。
【0056】
第1のスイッチ21は、第2の交流入力端子MG2にゲートが接続されたPchの第1の電界効果型トランジスタ(FET)26と、後述するチョッパ信号発生部80からのチョッパ信号(チョッパパルス)CH5がゲートに入力される第2の電界効果型トランジスタ27とが並列に接続されて構成されている。
【0057】
また、第2のスイッチ22は、第1の交流入力端子MG1にゲートが接続されたPchの第3の電界効果型トランジスタ(FET)28と、チョッパ信号発生部80からのチョッパ信号CH5がゲートに入力される第4の電界効果型トランジスタ29とが並列に接続されて構成されている。
【0058】
そして、発電機2に接続された昇圧用のコンデンサ23、ダイオード24,25、スイッチ21,22を備えて倍電圧整流回路5が構成されている。なお、ダイオード24,25としては、一方向に電流を流す一方向性素子であればよく、その種類は問わない。特に、電子制御式機械時計では、発電機2の起電圧が小さいため、ダイオード24,25としては降下電圧Vfや逆リーク電流が小さいショットキーバリアダイオードやシリコンダイオードを用いることが好ましい。そして、この整流回路5で整流された直流信号は、電源回路(コンデンサ)6に充電される。
【0059】
前記ブレーキ回路20は、電源回路6から供給される電力によって駆動される回転制御装置50により制御されている。この回転制御装置50は、図1に示すように、発振回路51、検出回路52、制御回路53を備えて構成されている。
【0060】
発振回路51は時間標準源である水晶振動子51Aを用いて発振信号(32768Hz)を出力し、この発振信号は12段のフリップフロップからなる分周回路54によってある一定周期まで分周される。分周回路54の12段目の出力Q12は、8Hzの基準信号fsとして出力されている。
【0061】
検出回路52は、発電機2に接続された波形整形回路61とモノマルチバイブレータ62とで構成されている。波形整形回路61は、アンプ、コンパレータで構成され、正弦波を矩形波に変換する。モノマルチバイブレータ62は、ある周期以下のパルスだけを通過させるバンドパス・フィルターとして機能し、ノイズを除去した回転検出信号FG1を出力する。
【0062】
制御回路53は、ブレーキ制御装置であるアップダウンカウンタ60と、同期回路70と、チョッパ信号発生部80とを備えている。
【0063】
アップダウンカウンタ60のアップカウント入力およびダウンカウント入力には、検出回路52の回転検出信号FG1および分周回路54からの基準信号fsが同期回路70を介してそれぞれ入力されている。
【0064】
同期回路70は、4つのフリップフロップ71やANDゲート72,NANDゲート73からなり、分周回路54の5段目の出力Q5(1024Hz)や6段目の出力Q6(512Hz)の信号を利用して、回転検出信号FG1を基準信号fs(8Hz)に同期させるとともに、これらの各信号パルスが重なって出力されないように調整している。
【0065】
アップダウンカウンタ60は、4ビットのカウンタで構成されている。アップダウンカウンタ60のアップカウント入力には、前記回転検出信号FG1に基づく信号が同期回路70から入力され、ダウンカウント入力には、前記基準信号fsに基づく信号が同期回路70から入力される。これにより、基準信号fsおよび回転検出信号FG1の計数と、その差の算出とが同時に行えるようになっている。
【0066】
なお、このアップダウンカウンタ60には、4つのデータ入力端子(プリセット端子)A〜Dが設けられており、端子A〜CにHレベル信号が入力されていることで、アップダウンカウンタ60の初期値(プリセット値)がカウンタ値7に設定されている。
【0067】
また、アップダウンカウンタ60のLOAD入力端子には、電源回路6に接続されて電源回路6の電圧に応じてシステムリセット信号SRを出力する初期化回路90が接続されている。なお、本実施形態では、初期化回路90は、電源回路6の充電電圧が所定電圧になるまではHレベルの信号を出力し、所定電圧以上になればLレベルの信号を出力するように構成されている。
【0068】
アップダウンカウンタ60は、LOAD入力がLレベルになるまで、つまりシステムリセット信号SRが出力されるまでは、アップダウン入力を受け付けないため、アップダウンカウンタ60のカウンタ値は「7」に維持される。
【0069】
アップダウンカウンタ60は、4ビットの出力QA〜QDを有している。従って、4ビット目の出力QDは、カウンタ値が7以下であればLレベル信号を出力し、8以上であればHレベル信号を出力することになる。この出力QDは、チョッパ信号発生部80に接続されている。
【0070】
なお、出力QA〜QDが入力されたNANDゲート74およびORゲート75の各出力は、同期回路70からの出力が入力されるNANDゲート73にそれぞれ入力されている。従って、例えばアップカウント信号の入力が複数個続いてカウンタ値が「15」になると、NANDゲート74からはLレベル信号が出力され、さらにアップカウント信号がNANDゲート73に入力されても、その入力はキャンセルされてアップダウンカウンタ60にアップカウント信号がそれ以上入力されないように設定されている。同様に、カウンタ値が「0」になると、ORゲート75からはLレベル信号が出力されるため、ダウンカウント信号の入力はキャンセルされる。これにより、カウンタ値が「15」を越えて「0」になったり、「0」を越えて「15」になったりしないように設定されている。
【0071】
チョッパ信号発生部80は、分周回路54の出力Q5〜Q8を利用して第1のチョッパ信号CH1を出力するANDゲート82と、第2のチョッパ信号CH2を出力するORゲート83と、アップダウンカウンタ60の出力QD等を利用してブレーキ制御信号となるチョッパ信号CH3を出力するブレーキ制御信号生成回路81と、チョッパ信号CH2,CH3が入力される各ANDゲート84と、各ANDゲート84の出力CH4と、前記出力CH1とが入力されるNORゲート85とを備えている。
【0072】
このチョッパ信号発生部80のNORゲート85からの出力CH5は、Pchトランジスタ27,29のゲートに入力されている。従って、チョッパ出力CH5がLレベルとなっている間は、トランジスタ27,29はオン状態に維持され、発電機2がショートされてブレーキが掛かる。
【0073】
一方、出力CH5がHレベルとなっている間は、トランジスタ27,29はオフ状態に維持され、発電機2にはブレーキが加わらない。従って、出力CH5からのチョッパ信号によって発電機2をチョッパリング制御することができる。
【0074】
ここで、前記各チョッパ信号CH1,CH2のデューティ比は、そのチョッパ信号の1周期の間で発電機2にブレーキを掛けている時間の比率であり、本実施形態では各チョッパ信号CH1,CH2において1周期の間でHレベルとなっている時間の比率である。
【0075】
ブレーキ制御信号生成回路81は、図3に示すように、回転周期検出回路200、ブレーキ量補正回路300、信号選択回路400とを備えて構成されている。
【0076】
回転周期検出回路200は、分周回路54の出力Q6(512Hz)がクロック入力とされ、ANDゲート72の出力FG2がクリア入力とされた7段の分周回路201と、分周回路201の各出力F2〜F6が入力されるANDゲート202と、ANDゲート202の出力および出力F1が入力される各ANDゲート203,204と、各出力F3〜F7が入力されるORゲート205と、ORゲート205の出力および各出力F1,F2が入力されるNORゲート206〜208と、各ANDゲート204およびNORゲート206の各出力が入力されるORゲート209とを備えている。なお、出力FG2は回転検出信号FG1の立ち上がりとほぼ同期して、つまり回転検出信号FG1の1周期に1回出力されるパルス信号とされている。
【0077】
さらに、回転周期検出回路200は、NORゲート208の出力がクロック入力とされ、出力FG2がクリア入力とされたフリップフロップ210と、このフリップフロップ210の出力Qや、各ANDゲート203、ORゲート209、NORゲート207の出力がそれぞれデータ入力とされ、回転検出信号FG1がクロック入力とされたフリップフロップ211〜214と、フリップフロップ211〜214の各出力SP2〜SP5が入力されるNORゲート215とを備えている。
【0078】
そして、このように構成された回転周期検出回路200は、回転検出信号FG1の回転周期を検出し、各フリップフロップ211〜214およびNORゲート215の出力SP1〜SP5でその検出した回転周期を出力できる。
【0079】
具体的には、本実施形態では、出力SP1はロータの回転周期121ms未満の時に”H”とされ、それ以外では”L”とされる。同様に、各出力SP2は回転周期121〜123ms(121ms以上かつ123ms未満、以下も同様)の時のみ”H”とされ、出力SP3は回転周期123〜127msの時のみ”H”とされ、出力SP4は回転周期127〜129msの時のみ”H”とされ、出力SP5は回転周期129ms以上の時のみ”H”とされる。つまり、基準周期(8Hz=125ms)を中心とし、基準周期にほぼ有っている場合と、その周期よりも速い方向に2段階、遅い方向に2段階との計5段階で回転周期を検出できるようにされている。
【0080】
ブレーキ量補正回路300は、ANDゲート301,302、ORゲート303、NORゲート304〜306、NOTゲート307を備えて構成され、分周回路54の各出力Q8〜Q12を利用して図6に示す各補正信号H01〜H04を出力するようにされている。
【0081】
また、信号選択回路400は、ORゲート401,402、ANDゲート403〜407、ORゲート408を備えて構成され、アップダウンカウンタ60の出力QDと、各出力SP1〜SP5と、各補正信号H01〜H04とを合成し、各出力SP1〜SP5のうちでHレベル信号となっている出力に対応した補正信号H01〜H04で出力QDを調整して各ブレーキ制御信号CH3を出力するように構成されている。なお、出力SP3がHレベル信号となっている場合には、出力QDは補正されずに、そのままブレーキ制御信号CH3となる。
【0082】
なお、各補正信号H01〜H04は、アップダウンカウンタ60の出力QDによって変化するブレーキ制御信号CH3のHレベルからLレベルへの変化タイミングつまり強いブレーキを掛ける制御(強ブレーキ制御)から弱いブレーキを掛ける制御(弱ブレーキ制御)への変化タイミングを、回転周期検出回路200の出力SP1〜SP5の出力つまりロータの回転周期に応じて補正する信号である。
【0083】
つまり、補正信号H01は、図6に示すように、出力Q12の立ち上がりタイミングを基準として、Q8(128Hz)の1周期分つまり約7.8ms前にLレベル信号に変化し、出力Q12の立ち上がり後、約3.9ms(Q7つまり256Hzの1周期分)でHレベル信号に変化するように設定されている。
【0084】
同様に、補正信号H02は、出力Q12の立ち上がりタイミングを基準として、約3.9ms前にLレベル信号に変化し、出力Q12の立ち上がり後、約3.9msでHレベル信号に変化するように設定されている。
【0085】
なお、これらの各信号H01,H02で、出力Q12の立ち上がりタイミングと同時にHレベル信号に変化せず、約3.9ms後にHレベル信号に変化するように設定されているのは、信号FG2は、回転検出信号FG1を2つのフリップフロップ71を通して出力されるためである。つまり、FG1の変化タイミングとFG2の信号とで最大約2ms程度のずれが発生するため、その分のずれ量を考慮したものである。
【0086】
補正信号H03は、出力Q12の立ち上がりタイミングに合わせてHレベル信号に変化し、約3.9ms後にLレベル信号に変化するように設定されている。
【0087】
補正信号H04は、出力Q12の立ち上がりタイミングに合わせてHレベル信号に変化し、約7.8ms後にLレベル信号に変化するように設定されている。
【0088】
従って、本実施形態では、回転周期検出回路200、ブレーキ量補正回路300、信号選択回路400によってブレーキ量補正装置が構成されている。
【0089】
なお、本発明において、強いブレーキおよび弱いブレーキとは、相対的なものであり、強いブレーキは弱いブレーキに比べてブレーキ力が強いことを意味する。各ブレーキにおける具体的なブレーキ力つまりはチョッパブレーキ信号のデューティ比や周波数は実施にあたって適宜設定すればよい。
【0090】
次に、本実施形態における動作を図4〜7のタイミングチャートおよび図8のフローチャートを参照して説明する。
【0091】
発電機2が作動し始めて、初期化回路90からLレベルのシステムリセット信号SRがアップダウンカウンタ60のLOAD入力に入力されると、図4に示すように、回転検出信号FG1に基づくアップカウント信号と、基準信号fsに基づくダウンカウント信号とがアップダウンカウンタ60でカウントされる(ステップ1、以下ステップを「S」と略す)。これらの各信号は、同期回路70によって同時にカウンタ60に入力されないように設定されている。
【0092】
このため、初期カウント値が「7」に設定されている状態から、アップカウント信号が入力されるとカウンタ値は「8」となり、出力QDからHレベル信号がチョッパ信号発生部80のブレーキ制御信号生成回路81に出力される。
【0093】
一方、ダウンカウント信号が入力されてカウンタ値が「7」に戻れば、出力QDからはLレベル信号が出力される。
【0094】
チョッパ信号発生部80のブレーキ制御信号生成回路81では、図5に示すように、分周回路54の出力Q5〜Q8を利用し、各チョッパ信号CH1、CH2を出力する。
【0095】
また、ブレーキ制御信号CH3は、ブレーキ制御信号生成回路81に入力されるアップダウンカウンタ60の出力QDに基づいて出力される。この際、ブレーキ制御信号生成回路81では、ロータの回転周期を1周期単位で検出し(S2)、その検出された回転周期に基づき、ブレーキ制御信号CH3には所定の補正信号H01〜H04が加えられて強ブレーキ時間が調整される。
【0096】
すなわち、図7にも示すように、ロータの回転周期が121ms未満の場合(基準信号fs=8Hz、回転周期125msよりも速い場合、S3)、SP1がHレベル信号になるため、ブレーキ制御信号CH3は、出力QDと補正信号H04とをORゲート401で合成した信号つまり出力QDの立ち下がり時よりも補正信号H04の分、立ち下がり時間つまり強いブレーキを掛ける強ブレーキ時間が長くされた信号となる(S4)。
【0097】
同様に、ロータの回転周期が121〜123msの場合(S5)、SP2がHレベル信号になるため、ブレーキ制御信号CH3は、出力QDと補正信号H03とをORゲート402で合成した信号つまり出力QDの立ち下がり時よりも補正信号H03の分、立ち下がり時間つまり強ブレーキ時間が長くされた信号となる(S6)。
【0098】
さらに、ロータの回転周期が123〜127msの場合(ほぼ基準信号周期と同一、S7)、SP3がHレベル信号になるため、ブレーキ制御信号CH3は、出力QDがそのまま出力された信号となる(S8)。
【0099】
また、ロータの回転周期が127〜129msの場合(基準信号周期よりも遅い場合、S9)、SP4がHレベル信号になるため、ブレーキ制御信号CH3は、出力QDと補正信号H02とをANDゲート406で合成した信号つまり出力QDの立ち下がり時よりも補正信号H02の分、立ち下がり時間つまり強ブレーキ時間が短くされた信号となる(S10)。
【0100】
さらに、ロータの回転周期が129ms以上の場合(基準信号周期よりも遅い場合、S9)、SP5がHレベル信号になるため、ブレーキ制御信号CH3は、出力QDと補正信号H01とをANDゲート407で合成した信号つまり出力QDの立ち下がり時よりも補正信号H01の分、立ち下がり時間つまり強ブレーキ時間がより短くされた信号となる(S11)。
【0101】
そして、この回転周期に応じて補正されたブレーキ制御信号CH3によってブレーキ制御が行われる(S12)。
【0102】
具体的には、ブレーキ制御信号CH3からLレベル信号が出力されている場合(カウント値「7」以下)には、出力CH4もLレベル信号となる。このため、図5にも示すように、NORゲート85からの出力CH5は、出力CH1が反転したチョッパ信号、つまりHレベル期間(ブレーキオフ期間)が15/16と長く、Lレベル期間(ブレーキオン期間)が1/16と短い、つまり弱ブレーキ制御を行うデューティ比(スイッチ21,22をオンしている比率)の小さな(1/16)チョッパ信号となる。従って、発電機2に対しては、発電電力を優先した弱いブレーキ制御が行われる。
【0103】
一方、ブレーキ制御信号CH3からHレベル信号が出力されている場合(カウント値「8」以上)には、ANDゲート84からはチョッパ信号CH2がそのまま出力され、出力CH4はチョッパ信号CH2と同一になる。このため、NORゲート85からの出力CH5は、出力CH2を反転したチョッパ信号、つまりHレベル期間(ブレーキオフ期間)が1/16と短く、Lレベル期間(ブレーキオン期間)が15/16と短い、つまり強ブレーキ制御を行うデューティ比の大きな(15/16)チョッパ信号となる。従って、チョッパ信号CH5は、発電機2に対してショートブレーキを掛けるLレベル信号のトータル時間が長くなり、発電機2に対しては強いブレーキ制御が行われるが、一定周期でHレベル信号となってショートブレーキがオフされるためにチョッパリング制御が行われ、発電電力の低下を抑えつつ制動トルクを向上することができる。
【0104】
従って、アップダウンカウンタ60の出力QDからHレベル信号が出ている間は、デューティ比の大きなチョッパ信号による強いブレーキ制御が行われ、Lレベル信号が出ている間は、デューティ比の小さなチョッパ信号による弱いブレーキ制御が行われる。つまり、ブレーキ制御装置であるアップダウンカウンタ60によって強ブレーキ制御と弱ブレーキ制御とが切り替えられる。
【0105】
この際、前述のように、ロータの回転検出信号FG1の周期を回転周期検出回路200で検出し、その回転周期が基準信号周期に比べてほぼ等しいか、あるいは速い(2段階)か遅いか(2段階)の計5段階に区分し、それらに応じてブレーキ制御信号CH3で強ブレーキ制御を行う時間つまりHレベル信号の期間を調整している。
【0106】
すなわち、回転検出信号FG1の回転周期が基準信号周期に比べて速い場合には、補正信号H03,H04を加えることで、ブレーキ制御信号CH3を出力QDの立ち下がり時よりも補正信号H03,H04の分、立ち下がり時間つまり強いブレーキ制御時間が長くされた信号となる。これにより、ロータには通常以上の強いブレーキが加わるため、迅速に基準周期に調速される。
【0107】
一方、回転検出信号FG1の回転周期が基準信号周期に比べて遅い場合には、補正信号H01,H02を加えることで、ブレーキ制御信号CH3を出力QDの立ち下がり時よりも補正信号H01,H02の分、立ち下がり時間つまり強いブレーキ制御時間が短くされた信号となる。これにより、ロータへのブレーキ力が弱まるため、ロータの回転速度が上昇し、迅速に基準周期に調速される。
【0108】
このようなブレーキ制御を繰り返すことで、発電機2が設定された回転スピード近くになり、図4に示すように、アップカウンタ信号と、ダウンカウンタ信号とが交互に入力されて、カウンタ値が「8」と「7」とを繰り返すロック状態に移行する。この際も、カウンタ値および回転周期に応じて強ブレーキ制御と弱ブレーキ制御とが繰り返される。
【0109】
そして、ゼンマイ1がほどけてそのトルクが小さくなり、ダウンカウント値が多く入力されてカウント値が「6」以下の小さな値になると、ゼンマイ1のトルクが低下したと判断し、運針を停止したり、非常に低速にしたり、さらにはブザー、ランプ等を鳴らしたり、点灯させることで、利用者にゼンマイ1を再度巻き上げるように促す。
【0110】
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。
【0111】
(1) ブレーキ制御信号生成回路81において発電機2のブレーキを制御するブレーキ制御信号CH3を生成する際に、ロータの回転周期を検出してその回転周期に応じて選択された補正信号H01〜H04を利用してブレーキ制御信号CH3を調整しているので、ロータの回転周期が基準信号に迅速に近づくように調整することができる。
【0112】
これにより、基準周期に関係なく発電機2の回転周期に応じた最適なブレーキ制御を行うことができるため、基準周期の1周期の中で必ずブレーキオン制御とブレーキオフ制御とを行う場合に比べて、確実かつ十分なブレーキ量を与えることができ、調速制御の応答性も高めることができる。このため、発電機2のロータの回転周期のばらつきを小さくでき、発電機2をほぼ一定速度で安定して回転することができる。
【0113】
(2) 強ブレーキ制御時にはデューティ比の大きなチョッパ信号を用いて制御しているので、充電電圧の低下を抑えながら制動トルクを大きくすることができ、システムの安定性を維持しながら、効率的なブレーキ制御を行うことができる。これにより、電子制御式機械時計の持続時間も長くすることができる。
【0114】
(3) さらに、弱ブレーキ制御時にも、デューティ比の小さなチョッパ信号によりチョッパ制御しているので、弱いブレーキを印加している間の充電電圧をより向上することができる。
【0115】
(4) 強ブレーキ制御と弱ブレーキ制御との切替は、カウンタ値が「7」以下であるか「8」以上であるかのみで設定されるため、回転制御装置50をシンプルな構成にでき、部品コストや製造コストを低減でき、電子制御式機械時計を安価に提供できる。
【0116】
(5) 発電機2の回転速度に応じて、アップカウンタ信号が入力されるタイミングが変化するため、カウンタ値が「8」である期間つまりブレーキを掛けている時間も自動的に調整することができる。このため、特にアップカウンタ信号とダウンカウント信号とが交互に入力されるロック状態では、応答性の速い安定した制御を行うことができる。
【0117】
(6) ブレーキ制御装置として、アップダウンカウンタ60を用いているので、各アップカウンタ信号およびダウンカウンタ信号の計数と同時に各計数値の比較(差)を自動的に算出することができるため、構成を簡易にできかつ各計数値の差を簡単に求めることができる。
【0118】
(7) 4ビットのアップダウンカウンタ60を用いているので、16個のカウント値をカウントすることができる。このため、アップカウンタ信号が続けて入力された場合などに、その入力値を累積してカウントすることができ、設定された範囲つまりアップカウンタ信号やダウンカウンタ信号が連続して入力されてカウンタ値が「15」や「0」になるまでの範囲では、その累積誤差を補正することができる。このため、仮に発電機2の回転速度が基準速度から大きく外れても、ロック状態になるまでは時間が掛かるが、その累積誤差を確実に補正して発電機2の回転速度を基準速度に戻すことができ、長期的には正確な運針を維持することができる。
【0119】
(8) 初期化回路90を設けて、発電機2の起動時の電源回路6が所定の電圧に充電されるまではブレーキ制御を行わなず、発電機2にブレーキが掛からないようにしているので、電源回路6への充電を優先させることができ、電源回路6によって駆動される回転制御装置50を迅速にかつ安定して駆動することができ、その後の回転制御の安定性も高めることができる。
【0120】
(9) ブレーキ制御信号生成回路81は、各種の論理回路を用いて形成されているので、回路を小型化、省電力化することができる。特に、回転周期検出回路200は、フリップフロップ210〜214等を利用しているので、他の回転検出器等を用いる場合に比べて回路構成を簡易化できかつそのデータを容易に利用できる。
【0121】
次に本発明の第2実施形態について、図9および図10を参照して説明する。なお、本実施形態において、前述の第1実施形態と同一もしくは同様の構成部分には、同一符号を付し、説明を省略あるいは簡略する。
【0122】
本実施形態では、アップダウンカウンタ60の出力QA〜QDに基づいてカウンタ値が設定値(「7」もしくは「8」)であるかを検出するカウンタ値検出回路170を新たに追加するとともに、ブレーキ制御信号生成回路181を3段階の補正を行うように構成した点が前記第1実施形態と相違するが、他の構成は同一である。
【0123】
カウンタ値検出回路170は、アップダウンカウンタ60の出力QA〜QDに接続されたANDゲート171、ORゲート172と、これらの各ゲート171,172の出力が接続されたORゲート173とからなり、アップダウンカウンタ60のカウンタ値が「7」(QA,QB,QCがHで、QDがL)の場合と、「8」(QA,QB,QCがLで、QDがH)の場合にHレベル信号を出力するように構成されている。
【0124】
ブレーキ制御信号生成回路181は、ロータの回転周期を3段階(SP2〜SP4)で検出し、補正値も2種類(H02,H03)とされているために、論理回路が一部外されているが、回転周期検出回路200、ブレーキ量補正回路300、信号選択回路400の構成は基本的には前記第1実施形態と同様である。但し、ORゲート408の出力SH1に補正規制回路190が追加されている。
【0125】
補正規制回路190は、2つのANDゲート191,192およびORゲート193からなる。そして、カウンタ値検出回路170の出力CO78と、信号選択回路400の出力SH1とが入力され、出力CO78がHレベルつまりアップダウンカウンタ60のカウンタ値が「7」、「8」の場合のみロータの回転周期に応じて補正された出力SH1を利用し、それ以外のカウンタ値の場合には、出力QDをそのまま出力するように構成されている。
【0126】
従って、ブレーキ制御信号生成回路181からの出力されるブレーキ制御信号CH31は、アップダウンカウンタ60が「7」、「8」の場合のみにブレーキの補正を行い、その他のカウンタ値では出力QDがそのまま出力される。そして、その補正は、ロータの回転周期が123ms未満の場合(基準信号周期よりも速い場合)は、SP2がHレベル信号になるため、出力SH1(ブレーキ制御信号CH31)は、出力QDと補正信号H03とをORゲート401で合成した信号つまり出力QDの立ち下がり時よりも補正信号H03の分、立ち下がり時間つまり強ブレーキ時間が長くされた信号となる。
【0127】
また、ロータの回転周期が123〜127msの場合(ほぼ基準信号周期と同一)、SP3がHレベル信号になるため、出力SH1(ブレーキ制御信号CH31)は、出力QDがそのまま出力された信号となる。
【0128】
さらに、ロータの回転周期が127ms以上の場合(基準信号周期よりも遅い場合)、SP4がHレベル信号になるため、ブレーキ制御信号CH3は、出力QDと補正信号H02とをANDゲート406で合成した信号つまり出力QDの立ち下がり時よりも補正信号H02の分、立ち下がり時間つまり強ブレーキ時間が短くされた信号となる。
【0129】
このような本実施形態でも、前記第1実施形態の(1) 〜(9) と同じ作用効果を奏することができる。すなわち、カウンタ値が「7」、「8」であれば、ロータの回転周期に応じて補正されたブレーキ制御信号CH31を用いてブレーキ制御できるので、ロータの回転周期が基準信号に迅速に近づくように調整することができる。これにより、基準周期に関係なく発電機2の回転周期に応じた最適なブレーキ制御を行うことができるため、基準周期の1周期の中で必ずブレーキオン制御とブレーキオフ制御とを行う場合に比べて、確実かつ十分なブレーキ量を与えることができ、調速制御の応答性も高めることができる。このため、発電機2のロータの回転周期のばらつきを小さくでき、発電機2をほぼ一定速度で安定して回転することができる。
【0130】
(10)さらに、カウンタ値検出回路170や補正規制回路190を設けてカウンタ値が「7」、「8」つまりブレーキの切替用の設定値の場合(設定値を含む所定範囲内)のみに補正し、それ以外では補正しないので、ロータの回転周期が基準周期から大きく外れた際に迅速に基準周期に戻すことができる。すなわち、ブレーキの補正を行うために補正信号H01〜H04を加えると、強いブレーキから弱いブレーキへの切替が必ず生じ、強いブレーキを掛け続けたり、弱いブレーキを掛け続けることができない。このため、アップダウンカウンタ60の値がブレーキ制御のしきい値となる設定値近辺から大きく外れている場合には、ブレーキの補正を行わないようにすることで、強いブレーキを掛け続けたり、弱いブレーキを掛け続けることができる。従って、例えば、発電機2の始動時等、回転周期が基準周期に対して大きくずれている場合の累積誤差を迅速に無くすことができる。
【0131】
(11)ブレーキ制御信号生成回路181は、3段階の検出を行っているので、前記第1実施形態のチョッパ信号発生部80に比べて構成が簡易になり、コストも低減できる。
【0132】
なお、本発明は各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は、本発明に含まれるものである。
【0133】
例えば、チョッパ信号発生部80におけるチョッパ信号のデューティ比は、前記実施形態のように、1/16や15/16に限らず、例えば、14/16等の他の値でもよい。さらには、チョッパ信号のデューティ比を28/32、31/32等にし、デューティ比の変化を16段階ではなく、32段階などにしてもよい。この際、強いブレーキ制御時に用いられるチョッパ信号としては、デューティ比が0.75〜0.97程度の範囲にあることが好ましく、この中で0.75〜0.89程度の範囲にすれば、充電電圧をより一層向上でき、0.90〜0.97と高い範囲にすれば、ブレーキ力をより一層高めることができる。
【0134】
さらに、各実施形態において、弱いブレーキ制御時に用いられるチョッパ信号は、例えばデューティ比が1/16〜1/32程度の低い範囲にすればよい。要するに、各チョッパ信号のデューティ比や周波数は、実施にあたって適宜設定すればよい。この際、例えば、周波数を、500〜1100Hzと高い範囲の周波数にすれば、充電電圧をより一層向上できる。一方で、25〜50Hzと低い範囲の周波数にすれば、ブレーキ力をより一層高めることができる。このため、各チョッパ信号を、デューティ比とともに周波数も変えることで、より充電電圧やブレーキ力を高めることができる。
【0135】
また、アップダウンカウンタ60のカウンタ値でチョッパ信号を切り替える場合には、前記第1実施形態のように、カウンタ値が「8」未満、「8」、「9」以上の3段階で切り替えるものに限らず、例えば、カウンタ値が「8」未満、「8〜9」、「10〜15」で切り替えてもよく、これらの値は実施にあたって適宜設定すればよい。
【0136】
ブレーキ制御装置として4ビットのアップダウンカウンタ60を用いていたが、3ビット以下のアップダウンカウンタを用いてもよいし、5ビット以上のアップダウンカウンタを用いても良い。ビット数が大きなアップダウンカウンタを用いれば、カウントできる値が増えるため、累積誤差を記憶できる範囲が大きくでき、特に発電機2の起動直後等の非ロック状態での制御が有利になる。一方で、ビット数の小さなカウンタを用いれば、累積誤差を記憶できる範囲が小さくなるが、特にロック状態になればアップおよびダウンを繰り返すことになるため、1ビットのカウンタでも対応できるとともに、コストを低減できる利点がある。
【0137】
また、ブレーキ制御装置としては、アップダウンカウンタに限らず、基準信号fs用および回転検出信号FG1用にそれぞれ設けた第1および第2の計数手段と、各計数手段の計数値を比較する比較回路とで構成されたものでもよい。ただし、アップダウンカウンタ60を用いたほうが回路構成が簡易になるという利点がある。
【0138】
さらに、ブレーキ制御装置としては、発電機2の発電電圧や回転周期(速度)等を検出し、その検出値に基づいてブレーキを制御するものでもよく、その具体的構成は実施にあたって適宜設定すればよい。
【0139】
さらに、前記実施形態では強いブレーキ制御時に、デューティ比や周波数の異なる2種類のチョッパ信号を用いてブレーキ制御していたが、デューティ比や周波数の異なる3種類以上のチョッパ信号を用いてもよい。さらに、周波数やデューティ比はステップ的に変えるのではなく、周波数変調のように連続的な変化になるようにしてもよい。
【0140】
また、前記実施形態では、チョッパ信号を用いてロータのブレーキ力を制御していたが、チョッパ信号を用いずにブレーキを制御してもよい。例えば、図11に示すように、ブレーキ制御信号生成回路81からのブレーキ制御信号CH3をインバータ86を通して反転してブレーキ信号CH51とすることで、ブレーキ制御信号CH3がHレベルの場合には、ブレーキをかけ続け、Lレベルの場合には、ブレーキをオフしてブレーキ制御してもよい。なお、図2と同一もしくは同様の構成部分には、同一符号を付し、説明を省略あるいは簡略する。
【0141】
さらには、前記各実施形態では、2種類のチョッパ信号を用いて強ブレーキ制御および弱ブレーキ制御を行っていたが、図12に示すように、ANDゲート82を無くし、かつ出力CH4をインバータ86を通して反転してブレーキ信号CH52とすることで、チョッパ信号を用いた強ブレーキ制御と、完全にブレーキをオフするブレーキオフ制御とで調速してもよい。なお、図2と同一もしくは同様の構成部分には、同一符号を付し、説明を省略あるいは簡略する。
【0142】
さらに、ブレーキ量補正回路300で設定される補正値は、前記実施形態の3段階や5段階のものに限らず、1段階以上であればよく、実施にあたって適宜設定すればよい。例えば、前記各実施形態では、基準周期を中心として、その基準周期とほぼ同一で補正を加えない場合以外に、基準周期よりも速い場合および遅い場合の両方で補正していたが、例えば、基準周期よりも速い場合または遅い場合の一方の場合のみに補正をするようにしてもよい。この際、補正値としては1段階(補正無しの場合を含めて2段階)で調整してもよいし、2段階以上で調整してもよい。但し、前記各実施形態のように、基準周期よりも速い場合および遅い場合の両方で補正すれば、より迅速に調速制御を行うことができる利点がある。
【0143】
また、補正値は、発電機の回転周期に応じて連続的に変化するように設定してもよい。この場合には、より細かい調整を行うことができる。但し、前記各実施形態のように予め補正値を設定しておけば、ブレーキ量補正回路300の構成を簡易にできる利点がある。
【0144】
また、回転周期検出回路200で検出する回転周期は、この補正段階に応じて適宜設定すればよい。
【0145】
さらに、ブレーキ量補正回路300で設定される補正信号H01〜H04の具体的な補正量や、その補正信号H01〜H04を利用する回転周期の範囲は、実施にあたって適宜設定すればよい。
【0146】
また、整流回路5、ブレーキ回路20、制御回路53、チョッパ信号発生部80等の具体的な構成は前記各実施形態に限らず、電子制御式機械時計の発電機2をチョッパ制御等でブレーキ制御できるものであればよい。特に、整流回路5としては、チョッパ昇圧を利用した前記実施形態の構成に限らず、例えば複数のコンデンサを設け、その接続を切り換えることで昇圧する昇圧回路等を組み込んで構成してもよく、発電機2や整流回路を組み込む電子制御式機械時計の種類等に応じて適宜設定すればよい。
【0147】
さらに、発電機2の両端を閉ループとするスイッチとしては、前記実施形態のスイッチ21,22に限らない。例えば、トランジスタに抵抗素子を接続し、チョッパ信号によって各トランジスタをオンして発電機2の両端を閉ループとした際に、その経路に抵抗素子を配置してもよい。要するに、スイッチは、発電機2の両端を閉ループとすることが可能なものであればよい。
【0148】
また、本発明は、前記実施形態のような電子制御式機械時計に適用するものに限らず、置き時計、クロック等の各種時計、携帯型時計、携帯型の血圧計、携帯電話機、ページャ、万歩計、電卓、携帯用パーソナルコンピュータ、電子手帳、携帯ラジオ、オルゴール、メトロノーム、電気かみそり等にも適用することができる。
【0149】
例えば、図13に示すようなオルゴール901等の音響装置に本発明を適用してもよい。
【0150】
オルゴール901は、機械的エネルギ源としてのゼンマイ911が収容された香箱車910と、香箱車910の香箱歯車912と噛み合ってゼンマイ911を巻上げる巻上げ車920と、同じく香箱歯車912と噛み合ってゼンマイ911の機械的エネルギを伝達する増速歯車930と、増速歯車930のカナ931と噛み合う減速歯車940(二点鎖線で図示)と、この減速歯車940を介して駆動されて音響を発生する音響発生手段950と、増速歯車930で伝えられる機械的エネルギを電気的エネルギに変換する発電機960と、発電機960の回転速度を一定に調速する回転制御装置970(図14)とを備えている。このようなオルゴール901は、本発明の電子機器として用いられるものであり、単独であるいは時計(クロック)内に組み込まれて用いられ、所定時間曲を奏でるように構成されている。
【0151】
なお、巻上げ車920には、一対の係合子991を有したロック機構としての電磁クラッチ990が設けられている。この電磁クラッチ990は、ゼンマイ911の巻数が少なくなってロータ961の回転が著しく遅くなった際に、各係合子991を矢印A方向に移動させ、歯止め部材992を巻上げ車920と係合させてその回転を止め(矢印B方向に回転しているのを止める)、ゼンマイ911がそれ以上解けるのをロックするように構成されている。
【0152】
なお、歯止め部材992は、スプリング等で巻上げ車920側に付勢されているため、係合子991が巻上げ車920に係合している状態でも、ハンドル921を用いて巻上げ車920を矢印C方向にのみ回転させことが可能であり、ゼンマイ911を巻き上げることができるようになっている。
【0153】
音響発生手段950は、従来のオルゴールと略同じ構造であって、減速歯車940と噛み合うカナ951に設けられた回転円板952を備え、回転円板952の上面に植設された複数のピン953で櫛歯状の振動板954を弾くことにより曲を奏でるものである。
【0154】
また、発電機960は、ロータ961およびコイルブロック962を備えている。
【0155】
ロータ961は、増速歯車930の歯車932と噛み合うロータカナ963と、ロータカナ963と一体に回転するロータ磁石964とで構成されている。
【0156】
コイルブロック962は、コ字形のステータ965に第1コイル966および第2コイル967を巻線したものであり、ステータ965にはロータ961に隣接した一対のコアステータ部968が設けられている。このステータ965やコアステータ部968は複数枚の板状部材を重ねた構造とされ、うず損失の低減が図られている。そして、第1コイル966は発電および制動用として使用され、第2コイル967はロータ961の回転検出用として専ら使用されている。
【0157】
回転制御装置970は、ICからなる電子回路であり、図14に示すように、水晶振動子971を駆動する発振回路972と、発振回路972に生じたクロック信号を基に一定周波数の基準信号を生成する分周回路973と、前記第2コイル967に接続されてロータ961の回転速度(交流出力波形に基づく周波数)を検出するとともに、該回転速度に応じた検出信号を発生する回転検出手段としてのコンパレータ974と、前記検出信号を前記基準信号に同期させて出力する同期回路975と、同期回路975からの検出信号と前記基準信号とを比較し、比較結果に応じた制動用の制御信号(チョッパ信号)を出力する制御回路976と、制御回路976からの制御信号に応じて発電機960の前記ロータ961を調速する制動回路977とを備えている。
【0158】
これらのうち、制動回路977は、コイル66つまり発電機960の両端を閉ループとして発電機960を調速できるトランジスタなどで構成されたスイッチを備えている。そして、制御回路976からは、前記実施形態と同様に、ロータ961の回転速度に応じてデューティ比および周波数の少なくとも一方が異なる2種類のチョッパ信号が選択出力され、このチョッパ信号によって前記制動回路977は発電機960をチョッパリング制御している。
【0159】
このため、発電電圧を一定値以上に維持しながら、制動トルクを向上でき、持続時間の長いオルゴール901にすることができる。さらに、発電機960つまり回転円板952を一定速度に回転させることができ、かつ長時間作動させ続けることができるため、正確な演奏を長時間行うことができる。
【0160】
また、本発明をメトロノームに適用する場合にも、輪列の歯車にメトロノーム音発信車を付け、その車の回転により、メトロノーム音片を弾いて周期的なメトロノーム音を発音させるようにすればよい。なお、メトロノームは、各種のテンポに対応した音を発生させる必要があるが、この場合には、水晶振動子の分周段を変えて発振回路からの基準信号の周期を可変することで対応すればよい。
【0161】
さらに、機械的エネルギ源も、ゼンマイに限らず、ゴム、スプリング、重錘等でもよく、本発明を適用する対象などに応じて適宜設定すればよい。
【0162】
また、ゼンマイなどの機械的エネルギ源からの機械的エネルギを発電機に伝達するエネルギ伝達装置としては、前記各実施形態のような輪列(歯車)に限らず、摩擦車、ベルト及びプーリ、チェーン及びスプロケットホイール、ラック及びピニオン、カムなどを利用したものでもよく、本発明を適用する電子機器の種類などに応じて適宜設定すればよい。
【0163】
【実施例】
次に、本発明の効果を確認するために行った実施例について説明する。
【0164】
前記第1実施形態による制御と、ブレーキ制御信号生成回路81を用いずにアップダウンカウンタ60の出力QDをそのままブレーキ制御信号CH3とした比較例とを比較すると、図15に示すように、本実施形態のほうがロータの回転回数に関わらず、ロータの回転周波数の変動の幅が小さく、発電機2のロータの回転周期のばらつきを小さくでき、発電機2をほぼ一定速度で安定して回転することができた。従って、本発明の有効性が確認できた。
【0165】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明の電子制御式電子機器、電子制御式機械時計およびこれらの制御方法によれば、確実かつ十分なブレーキ量を与えることができ、調速制御の応答性を高め、安定した制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における電子制御式機械時計の要部の構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態の電子制御式機械時計の構成を示す回路図である。
【図3】第1実施形態のブレーキ制御信号生成回路の構成を示す回路図である。
【図4】第1実施形態のアップダウンカウンタにおけるタイミングチャートである。
【図5】第1実施形態のチョッパ信号発生部におけるタイミングチャートである。
【図6】第1実施形態のチョッパ信号発生部におけるタイミングチャートである。
【図7】第1実施形態のブレーキ制御信号生成回路におけるタイミングチャートである。
【図8】第1実施形態の動作を説明するフローチャートである。
【図9】第2実施形態の電子制御式機械時計の構成を示す回路図である。
【図10】第2実施形態のブレーキ制御信号生成回路の構成を示す回路図である。
【図11】本発明の変形例の構成を示す回路図である。
【図12】本発明の他の変形例の構成を示す回路図である。
【図13】本発明の変形例であるオルゴールの要部の構成を示す斜視図である。
【図14】図13のオルゴールにおける回転制御装置の要部を示す回路構成図である。
【図15】本発明の実施例におけるロータ回転周波数と回転回数との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ゼンマイ
2 発電機
3 増速輪列
4 指針
5 倍電圧整流回路
6 電源回路
20 ブレーキ回路
21,22 スイッチ
23 コンデンサ
24,25 ダイオード
26〜29 スイッチ素子である電界効果型トランジスタ
50 回転制御装置
51A 水晶振動子
51 発振回路
52 検出回路
53 制御回路
54 分周回路
60 制動制御手段であるアップダウンカウンタ
61 波形整形回路
62 モノマルチバイブレータ
70 同期回路
71 フリップフロップ
80 チョッパ信号発生部
81 ブレーキ制御信号生成回路
90 初期化回路
100 ブレーキ量検出回路
170 カウンタ値検出回路
181 ブレーキ制御信号生成回路
190 補正規制回路
200 回転周期検出回路
300 ブレーキ量補正回路
400 信号選択回路
901 電子機器であるオルゴール
911 ゼンマイ
920 巻上げ車
921 ハンドル
930 増速歯車
940 減速歯車
950 音響発生手段
952 回転円板
954 振動板
960 発電機
961 ロータ
962 コイルブロック
970 回転制御装置
971 水晶振動子
972 発振回路
973 分周回路
976 制御回路
977 制動回路

Claims (14)

  1. 機械的エネルギ源と、前記機械的エネルギ源によって駆動されて誘起電力を発生して電気的エネルギを供給する発電機と、前記電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置とを備える電子機器において、
    前記回転制御装置は、
    時間標準源からの信号に基づいて発せられる基準信号と、前記発電機の回転周期に対応した回転検出信号とを比較して前記発電機のブレーキ時間を設定するブレーキ制御装置と、
    前記発電機の回転周期に応じて前記ブレーキ制御装置で設定される時間を補正するブレーキ量補正装置と、を備え
    前記ブレーキ量補正装置は、前記発電機の回転周期が前記基準信号の周期を基準とする所定範囲よりも遅い時に、前記ブレーキ制御装置で設定される時間よりもブレーキ時間を短くし、前記発電機の回転周期が前記所定範囲よりも速い時に、前記ブレーキ制御装置で設定される時間よりもブレーキ時間を長くしてブレーキ時間を補正することを特徴とする電子機器。
  2. 請求項1に記載の電子機器において、
    前記ブレーキ制御装置は、前記回転検出信号および基準信号の一方がアップカウント信号として入力され、他方がダウンカウント信号として入力されるアップダウンカウンタを備え、このアップダウンカウンタの値が設定値以上の場合に前記発電機にブレーキを掛け、かつ設定値未満の場合に前記発電機のブレーキを解除するように構成されていることを特徴とする電子機器。
  3. 請求項2に記載の電子機器において、
    前記ブレーキ量補正装置は、前記アップダウンカウンタの値が前記設定値を含む所定範囲内にある場合のみに、ブレーキ時間を補正することを特徴とする電子機器。
  4. 機械的エネルギ源と、前記機械的エネルギ源によって駆動されて誘起電力を発生して電気的エネルギを供給する発電機と、前記電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置とを備える電子機器において、
    前記回転制御装置は、
    時間標準源からの信号に基づいて発せられる基準信号と、前記発電機の回転周期に対応した回転検出信号とを比較して前記発電機に強いブレーキを掛ける強ブレーキ時間を設定するブレーキ制御装置と、
    前記発電機の回転周期に応じて前記ブレーキ制御装置で設定される強ブレーキ時間を補正するブレーキ量補正装置と、を備え、
    前記ブレーキ量補正装置は、前記発電機の回転周期が前記基準信号の周期を基準とする所定範囲よりも遅い時に、前記ブレーキ制御装置で設定される時間よりも強ブレーキ時間を短くし、前記発電機の回転周期が前記所定範囲よりも速い時に、前記ブレーキ制御装置で設定される時間よりも強ブレーキ時間を長くして強ブレーキ時間を補正することを特徴とする電子機器。
  5. 請求項4に記載の電子機器において、
    前記回転制御装置は、前記発電機の両端を閉ループ可能なスイッチと、このスイッチに印加されるデューティ比および周波数の少なくとも一方が異なる2種類以上のチョッパ信号を発生するチョッパ信号発生部とを備え、前記発電機に強いブレーキを掛ける場合には一方のチョッパ信号を前記スイッチに印加し、その他の場合には弱いブレーキを印加可能な他方のチョッパ信号を前記スイッチに印加するように構成されていることを特徴とする電子機器。
  6. 請求項4〜5のいずれかに記載の電子機器において、
    前記ブレーキ制御装置は、前記回転検出信号および基準信号の一方がアップカウント信号として入力され、他方がダウンカウント信号として入力されるアップダウンカウンタを備え、このアップダウンカウンタの値が設定値以上の場合に前記発電機に強いブレーキを掛け、かつ設定値未満の場合に前記発電機に弱いブレーキを掛けるように構成されている ことを特徴とする電子機器。
  7. 請求項6に記載の電子機器において、
    前記ブレーキ量補正装置は、前記アップダウンカウンタの値が前記設定値を含む所定の範囲内にある場合のみに、強ブレーキ時間を補正することを特徴とする電子機器。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の電子機器は、計時装置であることを特徴とする電子機器。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の電子機器は、オルゴールまたはメトロノームであることを特徴とする電子機器。
  10. 請求項1〜7のいずれかに記載の電子機器と、前記電子機器の機械的エネルギ源によって発電機とともに回転され、回転制御装置により調速制御される指針とを備えることを特徴とする電子制御式機械時計。
  11. 機械的エネルギ源と、前記機械的エネルギ源によって駆動されて誘起電力を発生して電気的エネルギを供給する発電機と、前記電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置とを備える電子機器の制御方法であって、
    時間標準源からの信号に基づいて発せられる基準信号と、前記発電機の回転周期に対応した回転検出信号とを比較して前記発電機のブレーキ時間を調整するとともに、
    前記発電機の回転周期が前記基準信号の周期を基準とする所定範囲よりも遅い時には、前記基準信号および回転検出信号で設定される時間よりもブレーキ時間を短くし、前記発電機の回転周期が前記所定範囲よりも速い時に、前記基準信号および回転検出信号で設定される時間よりもブレーキ時間を長くしてブレーキ時間を補正することを特徴とする電子機器の制御方法。
  12. 機械的エネルギ源と、前記機械的エネルギ源によって駆動されて誘起電力を発生して電気的エネルギを供給する発電機と、前記電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置とを備える電子機器の制御方法であって、
    時間標準源からの信号に基づいて発せられる基準信号と、前記発電機の回転周期に対応した回転検出信号とを比較して前記発電機に強いブレーキを掛ける強ブレーキ時間を調整するとともに、
    前記発電機の回転周期が前記基準信号の周期を基準とする所定範囲よりも遅い時には、前記基準信号および回転検出信号で設定される時間よりも強ブレーキ時間を短くし、前記発電機の回転周期が前記所定範囲よりも速い時に、前記基準信号および回転検出信号で設定される時間よりも強ブレーキ時間を長くして強ブレーキ時間を補正することを特徴とする電子機器の制御方法。
  13. 機械的エネルギ源と、エネルギ伝達装置を介して連結される前記機械的エネルギ源によって駆動されて誘起電力を発生して電気的エネルギを供給する発電機と、前記エネルギ伝達装置に結合された指針と、前記電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置とを備える電子制御式機械時計の制御方法であって、
    時間標準源からの信号に基づいて発せられる基準信号と、前記発電機の回転周期に対応した回転検出信号とを比較して前記発電機のブレーキ時間を調整するとともに、
    前記発電機の回転周期が前記基準信号の周期を基準とする所定範囲よりも遅い時には、前記基準信号および回転検出信号で設定される時間よりもブレーキ時間を短くし、前記発電機の回転周期が前記所定範囲よりも速い時に、前記基準信号および回転検出信号で設定される時間よりもブレーキ時間を長くしてブレーキ時間を補正することを特徴とする電子制御式機械時計の制御方法。
  14. 機械的エネルギ源と、エネルギ伝達装置を介して連結される前記機械的エネルギ源によって駆動されて誘起電力を発生して電気的エネルギを供給する発電機と、前記エネルギ伝達装置に結合された指針と、前記電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置とを備える電子制御式機械時計の制御方法で あって、
    時間標準源からの信号に基づいて発せられる基準信号と、前記発電機の回転周期に対応した回転検出信号とを比較して前記発電機に強ブレーキ時間を調整するとともに、
    前記発電機の回転周期が前記基準信号の周期を基準とする所定範囲よりも遅い時には、前記基準信号および回転検出信号で設定される時間よりも強ブレーキ時間を短くし、前記発電機の回転周期が前記所定範囲よりも速い時に、前記基準信号および回転検出信号で設定される時間よりも強ブレーキ時間を長くして強ブレーキ時間を補正することを特徴とする電子制御式機械時計の制御方法。
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