JP2002296365A - 電子機器、電子制御式機械時計、電子機器の制御方法 - Google Patents

電子機器、電子制御式機械時計、電子機器の制御方法

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JP2002296365A
JP2002296365A JP2001096070A JP2001096070A JP2002296365A JP 2002296365 A JP2002296365 A JP 2002296365A JP 2001096070 A JP2001096070 A JP 2001096070A JP 2001096070 A JP2001096070 A JP 2001096070A JP 2002296365 A JP2002296365 A JP 2002296365A
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    • GPHYSICS
    • G04HOROLOGY
    • G04CELECTROMECHANICAL CLOCKS OR WATCHES
    • G04C10/00Arrangements of electric power supplies in time pieces

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発電電力の低下を抑えながら発電機のブレー
キトルクを大きくでき、発電ロータの回転速度の変動を
小さくでき、かつロータの停止や速度超過等を防止でき
る電子機器を提供する。 【解決手段】 電子機器は、機械的エネルギ源で駆動さ
れる発電機20と、発電機20の回転周期を制御する回
転制御装置50とを備える。回転制御装置50は、発電
機20の両端を閉ループ状態に接続可能なスイッチ2
1,22と、スイッチに印加するチョッピング信号を発
生するチョッピング信号発生部150と、チョッピング
信号の印加によるブレーキ実効値が大きな強ブレーキ制
御、中間の中間ブレーキ制御と、小さな弱ブレーキ制御
との3種類の制御を切り替えて実行して発電機をチョッ
ピング制御する制動制御部55とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器、電子制
御式機械時計、電子機器の制御方法に関し、詳しくは、
機械的エネルギ源と、この機械的エネルギ源により駆動
されるとともに誘起電力を発生して電気的エネルギを出
力する発電機と、前記電気的エネルギにより駆動されて
前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置とを有す
る電子機器、電子制御式機械時計、電子機器の制御方法
に関する。
【0002】
【背景技術】ゼンマイが開放する時の機械的エネルギを
発電機で電気的エネルギに変換し、その電気的エネルギ
により回転制御装置を作動させて発電機のコイルに流れ
る電流値を制御することにより、輪列に固定される指針
を正確に駆動して正確に時刻を表示する電子制御式機械
時計として、特公平7−119812号公報に記載され
たものが知られている。
【0003】ところで、このような電子制御式機械時計
において持続時間を長くするには、ゼンマイのトルクが
高いときにはブレーキトルクを増加でき、かつその際の
発電電力が低下しないようにすることが重要である。す
なわち、電子制御式機械時計においては、発電機に印加
するブレーキトルクと発電機の起電力(発電電力)との
関係において、ゼンマイトルクが高いときには前記ブレ
ーキトルクを優先させる制御が必要であり、ゼンマイト
ルクが低いときには、大きいブレーキを必要としないた
め、前記発電電力(起電力)を優先する制御が好まし
い。なお、トルク(ゼンマイトルク)が大きい場合と
は、ゼンマイが多く巻かれた時の他、振動や衝撃等の外
乱によりロータに加わる駆動トルクが大きくなる場合も
含む。同様に、トルク(ゼンマイトルク)が小さい場合
とは、ゼンマイがほどけてきた時の他、上記外乱により
ロータに加わる駆動トルクが小さくなる場合も含む。
【0004】このため、特公平7−119812号公報
に記載されたものは、ロータが1回転する間つまり基準
信号の周期毎に、ブレーキをオフしてロータの回転速度
を高めて発電量を増やす角度範囲と、ブレーキを掛けて
低速で回す角度範囲とを設け、前記回転速度が高い間で
発電電力を向上させつつ、ブレーキ時の発電電力の低下
を補うようにして調速していた。
【0005】すなわち、この特公平7−119812号
公報に記載された発明では、水晶振動子などからの基準
信号の周期で周期的に互いに続いて生じる複数の第1時
間点の各々において、ブレーキオフ制御を行うととも
に、前記基準信号の周期の中で第1時間点から隔置され
た第2時間点で、ブレーキオン制御を行っており、基準
周期の1周期の中で、必ずブレーキオン制御とブレーキ
オフ制御とを行っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
7−119812号公報に記載されたものは、ブレーキ
を掛けた部分では発電電力が低下するため、ブレーキト
ルクを増加させながら発電電力の低下を抑えることに限
界があった。
【0007】また、特公平7−119812号公報に記
載されたものは、ブレーキオン制御とオフ制御との2種
類しかないため、ブレーキを掛けるとロータ速度が急激
に遅くなり、ブレーキを解除するとロータ速度が急激に
速くなる。このため、ロータの回転速度の変化が急激に
なり、ロータに連結された指針の揺らぎも大きくなって
しまうという問題があった。
【0008】さらに、ブレーキオン制御とブレーキオフ
制御との2種類の制御しかないため、僅かなブレーキ力
で十分な場合でも、必要以上のブレーキを掛けてしまう
ことになったり、僅かなブレーキ力の解除でよい場合
に、ブレーキを解除し過ぎたりすることがあるという問
題があった。
【0009】特に、必要以上のブレーキを掛けてしまう
と、発電ロータが保有するコギングトルクにより、ロー
タが停止してしまう確率が高くなるという問題がある。
例えば、本発明者が行った実験では、8Hzで回転する
ように設定されている電子制御式機械時計の発電機にお
いて、ブレーキ印加により5Hz以下になると、ロータ
がコギングトルクによって停止してしまう確率が高くな
ることが明らかになっている。
【0010】一方で、必要以上にブレーキを解除しすぎ
ると、ロータの回転速度が非常に早い回転になってしま
うという問題があった。
【0011】また、電子制御式機械時計に限らず、ゼン
マイやゴムなどの機械的エネルギ源によって回転制御さ
れる部分を有するオルゴールやメトロノーム、電気かみ
そりなどの各種電子機器においても、同様な問題があ
り、その解消が求められていた。
【0012】本発明の目的は、発電電力の低下を抑えな
がら発電機のブレーキトルクを大きくできるとともに、
発電機のロータの回転速度の変動を小さくでき、かつ発
電機のロータの停止や速度超過等を防止して安定した調
速制御を行うことができる電子機器、電子制御式機械時
計および電子機器の制御方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の電子機器は、機
械的エネルギ源と、前記機械的エネルギ源によって駆動
されて誘起電力を発生して電気的エネルギを供給する発
電機と、前記電気的エネルギにより駆動されて前記発電
機の回転周期を制御する回転制御装置とを備える電子機
器であって、前記回転制御装置は、前記発電機の両端を
閉ループ状態に接続可能なスイッチと、前記スイッチに
印加してブレーキ制御を行うためのチョッピング信号を
発生するチョッピング信号発生部と、前記チョッピング
信号の印加によるブレーキ実効値が大きな強ブレーキ制
御と、ブレーキ実効値が強ブレーキ制御よりも小さな中
間ブレーキ制御と、ブレーキ実効値が中間ブレーキ制御
よりも小さな弱ブレーキ制御との少なくとも3種類の制
御を切り替えて実行することで前記発電機をチョッピン
グ制御する制動制御部と、を備えて構成されていること
を特徴とするものである。
【0014】本発明の電子機器は、発電機をゼンマイ等
の機械的エネルギ源で駆動し、発電機に回転制御装置に
よりブレーキをかけることでロータの回転数を調速す
る。この際、発電機の回転制御は、発電機のコイル両端
を閉ループ可能なスイッチにチョッピング信号を印加し
てオン・オフ、つまりチョッピングすることで行ってい
る。チョッピングすることで、スイッチをオンした時に
は、発電機のコイル両端が閉ループ状態になってショー
トブレーキが掛かり、かつ発電機のコイルにエネルギー
がたまる。一方で、スイッチをオフすると、閉ループ状
態が解除されて発電機が動作し、前記コイルにたまって
いたエネルギー分が含まれるため、起電圧(発電電圧)
が高まる。このため、発電機にブレーキ実効値の大きな
強いブレーキを印加する時にチョッピングで制御する
と、ブレーキ時の発電電力の低下を、スイッチオフ時の
起電圧の高まり分で補填でき、発電電力の低下を抑えな
がらブレーキトルク(制動トルク)を増加でき、持続時
間の長い電子機器を構成できる。
【0015】また、本発明では、ブレーキ実効値が大き
な強ブレーキ制御と、実効値が小さな弱ブレーキ制御と
のほかに、ブレーキ実効値が中間の大きさの中間ブレー
キ制御も行えるように構成されているため、強ブレーキ
制御と弱ブレーキ制御との切替時(過渡期)に、中間ブ
レーキ制御を行うことで、ロータの回転速度の変化を緩
やかにできる。
【0016】さらに、少なくとも3段階のブレーキ実効
値でブレーキ制御できるので、僅かなブレーキ力で十分
な場合や、僅かなブレーキ力の解除でよい場合に、中間
ブレーキ制御を行うことで、必要以上のブレーキを掛け
てしまったり、ブレーキを解除し過ぎたりすることを防
止することができる。これにより、必要以上のブレーキ
を掛けてしまって発電機が停止したり、必要以上にブレ
ーキを解除しすぎることで、ロータの回転速度が基準速
度を大幅に超過してしまうことがなく、一定の速度に制
御することができ、調速制御の安定性を高めることがで
きる。
【0017】なお、前記スイッチをオンすることで移行
する閉ループ状態とは、閉ループ状態ではない場合と比
べて発電機に加わるブレーキ力が大きくなる状態であれ
ばよく、閉ループとされた回路上に、例えばスイッチと
発電機との間等に、抵抗素子等が設けられていてもよ
い。但し、閉ループ状態は、各発電機の端子間を容易に
同電位にできてショートブレーキを効率的に掛けられる
点で、発電機の各端子間を直接短絡して構成することが
好ましい。また、チョッピング信号発生部からのチョッ
ピング信号は前記スイッチに直接入力される場合のほ
か、他の回路や素子を介して入力されるようにしてもよ
い。
【0018】この際、前記チョッピング信号発生部は、
デューティ比および周波数の少なくとも一方が互いに相
違してスイッチに印加した際のブレーキ実効値が異なる
少なくとも3種類のチョッピング信号を発生可能に構成
され、前記制動制御部は、これらの少なくとも3種類の
チョッピング信号から1つのチョッピング信号を選択し
て前記スイッチに印加するチョッピング信号選択手段を
備えていることが好ましい。
【0019】ブレーキの実効値を変化させるには、チョ
ッピング信号を加える発電機のコイルの回路に可変抵抗
器等を設け、コイルの抵抗値を変更することで行うこと
もできるが、本発明のように、チョッピング信号のデュ
ーティ比および周波数の少なくとも一方が互いに異なる
少なくとも3種類のチョッピング信号を用いてブレーキ
の実効値を変化させるようにすれば、回路構成や制御が
簡易になり、かつショートブレーキを効率的に加えるこ
とができる点で有利である。
【0020】なお、発電機の両端を閉ループ可能なスイ
ッチを設け、このスイッチにチョッピング信号を印加し
て発電機をチョッピング制御した場合には、駆動トルク
(ブレーキトルク、制動トルク)はチョッピング周波数
が低いほど、またデューティ比が高いほど高くなり、充
電電圧(発電電圧)は起電力でもあってチョッピング周
波数が高いほど高くなるがデューティ比が高くなっても
それほど低下せず、逆に50Hz以上の周波数ではデュ
ーティ比が0.8程度になるまでは充電電圧が高くなる
ため、これらの特性を利用して強、中間、弱の各ブレー
キ制御用のチョッピング信号を設定すればよい。
【0021】ここで、前記中間ブレーキ制御は、弱ブレ
ーキ制御から強ブレーキ制御に切り替えられる過渡期に
行われることが好ましい。このように強ブレーキ制御を
行う際に、弱ブレーキ制御からいきなり強ブレーキ制御
に切り替えるのではなく、一旦中間ブレーキ制御を行っ
てから切り替えるようにすれば、必要以上のブレーキを
掛けすぎて発電機のロータが停止してしまうことを確実
に防止できる。特に、発電機においては、ロータが停止
してしまうことはロータの速度が大きくなることよりも
問題が大きいため、強ブレーキ制御に移行する際に、一
旦、中間ブレーキ制御を行えば、発電機の調速制御を安
定して行うことができる。
【0022】また、前記中間ブレーキ制御は、強ブレー
キ制御から弱ブレーキ制御に切り替えられる過渡期に行
われるものでもよい。このように弱ブレーキ制御を行う
際に、強ブレーキ制御からいきなり弱ブレーキ制御に切
り替えるのではなく、一旦中間ブレーキ制御を行ってか
ら切り替えるようにすれば、必要以上にブレーキを解除
してしまうことを確実に防止できる。これにより、必要
以上にブレーキを解除することで、ロータの位相が基準
信号に追いついてしまい、ロータの回転速度が非常に速
くなってしまうことを防止でき、発電機の調速制御を安
定して行うことができる。
【0023】従って、前記中間ブレーキ制御は、弱ブレ
ーキ制御から強ブレーキ制御に切り替えられる過渡期
と、強ブレーキ制御から弱ブレーキ制御に切り替えられ
る過渡期との両方で行われることが最も好ましい。両方
の過渡期に中間ブレーキ制御を行えば、ブレーキの掛け
すぎや解除し過ぎといった制御を無くすことができ、ロ
ータの停止等も防止できてロータの回転速度をほぼ一定
にかつ安定して制御することができる。
【0024】本発明の電子機器は、機械的エネルギ源
と、前記機械的エネルギ源によって駆動されて誘起電力
を発生して電気的エネルギを供給する発電機と、前記電
気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を
制御する回転制御装置とを備える電子機器であって、前
記回転制御装置は、前記発電機の両端を閉ループ状態に
接続可能なスイッチと、前記スイッチに印加してブレー
キ制御を行うためのチョッピング信号を発生するチョッ
ピング信号発生部と、前記チョッピング信号の印加によ
るブレーキの実効値を徐々に増加させる強ブレーキ制御
と、徐々に減少させる弱ブレーキ制御とを切り替えて実
行することで、前記発電機をチョッピング制御する制動
制御部と、を備えて構成されていることを特徴とするも
のである。
【0025】このような本発明では、強ブレーキ制御時
や弱ブレーキ制御時にブレーキの実効値を徐々に増減す
るようにしたので、発電機に加わるブレーキ力が大幅に
変化せず、ロータの回転速度の変化を緩やかにできて安
定した制御を行うことができる。従って、必要以上のブ
レーキを掛けてしまって発電機が停止したり、必要以上
にブレーキを解除しすぎることで、ロータの回転速度が
基準速度を大幅に超過してしまうことがなく、一定の速
度に制御することができ、調速制御の安定性を高めるこ
とができる。その上、チョッピング信号でブレーキ制御
しているので、ブレーキ時の発電電力の低下を、スイッ
チオフ時の起電圧の高まり分で補填でき、発電電力の低
下を抑えながらブレーキトルク(制動トルク)を増加で
き、持続時間の長い電子機器を構成できる。
【0026】ここで、前記チョッピング信号発生部は、
デューティ比および周波数の少なくとも一方が互いに相
違してスイッチに印加した際のブレーキ実効値が異なる
複数種類のチョッピング信号を発生可能に構成され、前
記制動制御部は、これらの複数のチョッピング信号から
1つのチョッピング信号を順次選択して前記スイッチに
印加するチョッピング信号選択手段を備えていることが
好ましい。
【0027】チョッピング信号のデューティ比および周
波数の少なくとも一方が互いに異なる複数のチョッピン
グ信号を用いてブレーキの実効値を変化させるようにす
れば、回路抵抗値等を変更して実効値を変化させる場合
に比べて、回路構成や制御が簡易になり、かつショート
ブレーキを効率的に加えることができる点で有利であ
る。
【0028】また、前記強ブレーキ制御は、弱ブレーキ
制御から強ブレーキ制御に切り替えられた際に、所定の
大きさのブレーキ実効値とされ、ブレーキ力をこのブレ
ーキ実効値から徐々に増加させることが好ましい。この
ように強ブレーキ制御を行う際に、所定の大きさのブレ
ーキ実効値が最初に掛けられ、その後、徐々にブレーキ
実効値が増加するようにすれば、いきなり非常に大きな
ブレーキを掛けてしまうことがなく、必要以上のブレー
キを掛けすぎて発電機のロータが停止してしまうことを
確実に防止できる。
【0029】さらに、前記弱ブレーキ制御は、強ブレー
キ制御から弱ブレーキ制御に切り替えられた際に、所定
の大きさのブレーキ実効値とされ、ブレーキ力をこのブ
レーキ実効値から徐々に減少させることが好ましい。こ
のように弱ブレーキ制御を行う際に、所定の大きさのブ
レーキ実効値が最初に掛けられ、その後、徐々にブレー
キ実効値が減少するようにすれば、いきなり非常に小さ
なブレーキを掛けてしまい、必要以上にブレーキを解除
し過ぎて発電機のロータの回転速度が非常に速くなると
いうことがなく、発電機の調速制御を安定して行うこと
ができる。
【0030】この際、前記所定の大きさのブレーキ実効
値は、予め設定された固定値であることが好ましい。す
なわち、強ブレーキ制御や弱ブレーキ制御時に最初に加
えられるブレーキ力は、実施にあたって適宜設定すれば
よいが、例えば、最も弱いブレーキ実効値と最も強いブ
レーキ実効値との中間の値等の予め設定された固定値に
設定すればよい。
【0031】より具体的には、チョッピング信号のデュ
ーティ比を1/16〜15/16の15段階に切り替え
てブレーキ実効値を変化させるように構成されている場
合には、強ブレーキ制御時には、最初にデューティ比が
7/16や8/16のチョッピング信号が加えられ、そ
の後、強ブレーキ制御が続行されている場合には、徐々
にデューティ比が大きなチョッピング信号が加えられて
ブレーキ実効値が徐々に増加するように構成すればよ
い。
【0032】同様に、弱ブレーキ制御時には、最初にデ
ューティ比が7/16や8/16のチョッピング信号が
加えられ、その後、弱ブレーキ制御が続行されている場
合には、徐々にデューティ比が小さなチョッピング信号
が加えられてブレーキ実効値が徐々に減少するように構
成すればよい。
【0033】このように、強ブレーキ制御時や弱ブレー
キ制御時の所定の大きさのブレーキ実効値を、予め設定
された固定値にしておけば、弱ブレーキ制御や強ブレー
キ制御時に印加されるブレーキ実効値が固定化されて予
め予測可能なため、ブレーキ制御のプログラムなどを容
易に設定することができる。
【0034】また、前記所定の大きさのブレーキ実効値
は、その制御に切り替えられる直前に印加されたブレー
キ実効値を基準に設定される値でもよい。すなわち、強
ブレーキ制御から弱ブレーキ制御に切り替えられた際に
は、強ブレーキ制御の最後のブレーキ実効値よりも一段
階小さなブレーキ実効値のブレーキを加え、その後、弱
ブレーキ制御が続行されている場合には、ブレーキ実効
値がその値から徐々に減少するように構成すればよい。
一方、弱ブレーキ制御から強ブレーキ制御に切り替えら
れた際には、弱ブレーキ制御の最後のブレーキ実効値よ
りも一段階大きなブレーキ実効値のブレーキを加え、そ
の後、強ブレーキ制御が続行されている場合には、ブレ
ーキ実効値がその値から徐々に増加するように構成すれ
ばよい。
【0035】このような構成にすれば、強ブレーキ制御
および弱ブレーキ制御の切替時のブレーキ実効値の変化
量を小さくできるので、ロータの回転速度の変化もより
緩やかにすることができる。
【0036】本発明の電子機器は、機械的エネルギ源
と、前記機械的エネルギ源によって駆動されて誘起電力
を発生して電気的エネルギを供給する発電機と、前記電
気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を
制御する回転制御装置とを備える電子機器であって、前
記回転制御装置は、前記発電機の両端を閉ループ状態に
接続可能なスイッチと、前記スイッチに印加してブレー
キ制御を行うためのチョッピング信号を発生するチョッ
ピング信号発生部と、前記チョッピング信号の印加によ
るブレーキ実効値が大きな強ブレーキ制御と、ブレーキ
実効値が強ブレーキ制御よりも小さな弱ブレーキ制御と
の少なくとも2種類の制御を切り替えて実行すること
で、前記発電機をチョッピング制御可能に構成され、か
つ前記強ブレーキ制御および弱ブレーキ制御の少なくと
も一方は、そのブレーキ力が徐々に変化するように制御
する制動制御部と、を備えて構成されていることを特徴
とするものである。
【0037】このような本発明では、強ブレーキ制御時
や弱ブレーキ制御時の少なくとも一方は、ブレーキの実
効値を徐々に増減するようにしたので、ブレーキのオン
オフの2段階のみ制御する場合に比べて、発電機に加わ
るブレーキ力が大幅に変化せず、ロータの回転速度の変
化を緩やかにできて安定した制御を行うことができる。
従って、必要以上のブレーキを掛けてしまって発電機が
停止したり、必要以上にブレーキを解除しすぎること
で、ロータの回転速度が基準速度を大幅に超過してしま
うことを防止でき、調速制御の安定性を高めることがで
きる。その上、チョッピング信号でブレーキ制御してい
るので、ブレーキ時の発電電力の低下を、スイッチオフ
時の起電圧の高まり分で補填でき、発電電力の低下を抑
えながらブレーキトルク(制動トルク)を増加でき、持
続時間の長い電子機器を構成できる。
【0038】ここで、前記徐々に変化するブレーキ力
(ブレーキ実効値)は所定の大きさから開始されること
が好ましい。徐々に変化するブレーキ力を、予め設定さ
れた所定の大きさにしておけば、変化するブレーキ力を
予め予測可能なため、ブレーキ制御のプログラムなどを
容易に設定することができる。
【0039】本発明の電子制御式機械時計は、機械的エ
ネルギ源と、前記機械的エネルギ源によって駆動されて
誘起電力を発生して電気的エネルギを供給する発電機
と、前記電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の
回転周期を制御する回転制御装置と、前記発電機の回転
に連動して作動される時刻表示装置とを備える電子制御
式機械時計であって、前記回転制御装置は、前記発電機
の両端を閉ループ状態に接続可能なスイッチと、前記ス
イッチに印加してブレーキ制御を行うためのチョッピン
グ信号を発生するチョッピング信号発生部と、前記チョ
ッピング信号の印加によるブレーキ実効値が大きな強ブ
レーキ制御と、ブレーキ実効値が強ブレーキ制御よりも
小さな中間ブレーキ制御と、ブレーキ実効値が中間ブレ
ーキ制御よりも小さな弱ブレーキ制御との少なくとも3
種類の制御を切り替えて実行することで、前記発電機を
チョッピング制御する制動制御部と、を備えて構成され
ていることを特徴とするものである。
【0040】さらに、本発明の電子制御式機械時計は、
機械的エネルギ源と、前記機械的エネルギ源によって駆
動されて誘起電力を発生して電気的エネルギを供給する
発電機と、前記電気的エネルギにより駆動されて前記発
電機の回転周期を制御する回転制御装置と、前記発電機
の回転に連動して作動される時刻表示装置とを備える電
子制御式機械時計であって、前記回転制御装置は、前記
発電機の両端を閉ループ状態に接続可能なスイッチと、
前記スイッチに印加してブレーキ制御を行うためのチョ
ッピング信号を発生するチョッピング信号発生部と、前
記チョッピング信号の印加によるブレーキの実効値を、
徐々に増加させる強ブレーキ制御と、徐々に減少させる
弱ブレーキ制御とを切り替えて実行することで、前記発
電機をチョッピング制御する制動制御部と、を備えて構
成されていることを特徴とするものでもよい。
【0041】また、本発明の電子制御式機械時計は、機
械的エネルギ源と、前記機械的エネルギ源によって駆動
されて誘起電力を発生して電気的エネルギを供給する発
電機と、前記電気的エネルギにより駆動されて前記発電
機の回転周期を制御する回転制御装置と、前記発電機の
回転に連動して作動される時刻表示装置とを備える電子
制御式機械時計であって、前記回転制御装置は、前記発
電機の両端を閉ループ状態に接続可能なスイッチと、前
記スイッチに印加してブレーキ制御を行うためのチョッ
ピング信号を発生するチョッピング信号発生部と、前記
チョッピング信号の印加によるブレーキ実効値が大きな
強ブレーキ制御と、ブレーキ実効値が強ブレーキ制御よ
りも小さな弱ブレーキ制御との少なくとも2種類の制御
を切り替えて実行することで、前記発電機をチョッピン
グ制御可能に構成され、かつ前記強ブレーキ制御および
弱ブレーキ制御の少なくとも一方は、そのブレーキ力が
徐々に変化するように制御する制動制御部と、を備えて
構成されていることを特徴とするものでよい。
【0042】電子制御式機械時計に、これらの各発明を
用いれば、必要以上のブレーキを掛けてしまって発電機
が停止したり、必要以上にブレーキを解除しすぎること
で、ロータの回転速度が基準速度を大幅に超過してしま
うことがなく、一定の速度に制御することができ、調速
制御の安定性を高めることができる。そして、電子制御
式機械時計では、ロータに連動して指針が運針するた
め、ロータの回転が安定することで、指針の揺らぎを低
減でき、見栄えが良くて商品性の高い電子制御式機械時
計を提供することができる。
【0043】本発明の電子機器の制御方法は、機械的エ
ネルギ源と、前記機械的エネルギ源によって駆動されて
誘起電力を発生して電気的エネルギを供給する発電機
と、前記電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の
回転周期を制御する回転制御装置とを備える電子機器の
制御方法であって、前記発電機の両端を閉ループ状態に
接続可能なスイッチにチョッピング信号を印加してブレ
ーキ制御を行うとともに、前記チョッピング信号の印加
によるブレーキ実効値が大きな強ブレーキ制御と、ブレ
ーキ実効値が強ブレーキ制御よりも小さな中間ブレーキ
制御と、ブレーキ実効値が中間ブレーキ制御よりも小さ
な弱ブレーキ制御との少なくとも3種類の制御を切り替
えて実行することで、前記発電機をチョッピング制御す
ることを特徴とするものである。
【0044】また、本発明の電子機器の制御方法は、機
械的エネルギ源と、前記機械的エネルギ源によって駆動
されて誘起電力を発生して電気的エネルギを供給する発
電機と、前記電気的エネルギにより駆動されて前記発電
機の回転周期を制御する回転制御装置とを備える電子機
器の制御方法であって、前記発電機の両端を閉ループ状
態に接続可能なスイッチにチョッピング信号を印加して
ブレーキ制御を行うとともに、前記チョッピング信号の
印加によるブレーキの実効値を、徐々に増加させる強ブ
レーキ制御と、徐々に減少させる弱ブレーキ制御とを切
り替えて実行することで、前記発電機をチョッピング制
御することを特徴とするものである。
【0045】さらに、本発明の電子機器の制御方法は、
機械的エネルギ源と、前記機械的エネルギ源によって駆
動されて誘起電力を発生して電気的エネルギを供給する
発電機と、前記電気的エネルギにより駆動されて前記発
電機の回転周期を制御する回転制御装置とを備える電子
機器の制御方法であって、前記発電機の両端を閉ループ
状態に接続可能なスイッチにチョッピング信号を印加し
てブレーキ制御を行うとともに、前記チョッピング信号
の印加によるブレブレーキ実効値が大きな強ブレーキ制
御と、ブレーキ実効値が強ブレーキ制御よりも小さな弱
ブレーキ制御との少なくとも2種類の制御を切り替えて
実行することで、前記発電機をチョッピング制御すると
ともに、前記強ブレーキ制御および弱ブレーキ制御の少
なくとも一方はそのブレーキ力が徐々に変化するように
制御することを特徴とするものでもよい。
【0046】これらの各制御方法によっても、必要以上
のブレーキを掛けてしまって発電機が停止したり、必要
以上にブレーキを解除しすぎることで、ロータの回転速
度が基準速度を大幅に超過してしまうことがなく、一定
の速度に制御することができ、調速制御の安定性を高め
ることができる。
【0047】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施形態の
電子機器である電子制御式機械時計の要部を示す平面図
であり、図2及び図3はその断面図である。電子制御式
機械時計は、ゼンマイ1a、香箱歯車1b、香箱真1c
及び香箱蓋1dからなる香箱車1を備えている。機械的
エネルギ源であるゼンマイ1aは、外端が香箱歯車1
b、内端が香箱真1cに固定される。香箱真1cは、地
板2と輪列受3に支持され、角穴車4と一体で回転する
ように角穴ネジ5により固定されている。
【0048】角穴車4は、時計方向には回転するが反時
計方向には回転しないように、こはぜ6と噛み合ってい
る。なお、角穴車4を時計方向に回転しゼンマイ1aを
巻く方法は、機械時計の自動巻または手巻機構と同様で
あるため、説明を省略する。香箱歯車1bの回転は、7
倍に増速されて二番車7へ、順次6.4倍増速されて三
番車8へ、9.375 倍増速されて四番車9へ、3倍増速さ
れて五番車10へ、10倍増速されて六番車11へ、1
0倍増速されてロータ12へと、合計126,000倍
に増速されている。そして、これらの各歯車7〜11か
らなる増速輪列によって、機械的エネルギ源であるゼン
マイ1aの機械的エネルギを発電機20に伝達する機械
エネルギ伝達装置が構成されている。
【0049】二番車7には筒かな7aが、筒かな7aに
は分針13が、四番車9には秒針14が、筒車7bには
時針17がそれぞれ固定されている。従って、二番車7
を1rphで、四番車9を1rpmで回転させるために
は、ロータ12は8rpsで回転するように制御すれば
よい。このときの香箱歯車1bは、1/7rphとな
る。そして、これらの各針13,14,17によって、
時刻を表示する時刻表示装置が構成されている。
【0050】この電子制御式機械時計は、ロータ12、
ステータ15、コイルブロック16から構成される発電
機20を備えている。ロータ12は、ロータ磁石12
a、ロータかな12b、ロータ慣性円板12cから構成
される。ロータ慣性円板12cは、香箱車1からの駆動
トルク変動に対しロータ12の回転数変動を少なくする
ためのものである。ステータ15は、ステータ体15a
に4万ターンのステータコイル15bを巻線したもので
ある。
【0051】コイルブロック16は、磁心16aに11
万ターンのコイル16bを巻線したものである。ここ
で、ステータ体15aと磁心16aはPCパーマロイ等
で構成されている。また、ステータコイル15bとコイ
ル16bは、各々の発電電圧を加えた出力電圧がでるよ
うに直列に接続されている。
【0052】図4には、本実施形態の電子制御式機械時
計の構成を示すブロック図が示されている。電子制御式
機械時計は、機械的エネルギ源としてのゼンマイ1a
と、ゼンマイ1aのトルクを発電機20に伝達するエネ
ルギ伝達装置としての増速輪列(各番車7〜11)と、
増速輪列7〜11に連結されて時刻表示を行う時刻表示
装置である指針(分針13、秒針14、時針17)とを
備えている。
【0053】発電機20は、増速輪列を介してゼンマイ
1aによって駆動され、誘起電力を発生して電気的エネ
ルギを供給する。この発電機20からの交流出力は、昇
圧整流、全波整流、半波整流、トランジスタ整流等から
なる整流回路41を通して昇圧、整流され、コンデンサ
等で構成された電源回路40に充電供給される。
【0054】なお、本実施形態では、図5にも示すよう
に、整流回路41を含むブレーキ回路120を発電機2
0に設けている。このブレーキ回路120は、発電機2
0で発電された交流信号(交流電流)が入力される第1
の交流入力端子MG1に接続された第1のスイッチ21
と、前記交流信号が入力される第2の交流入力端子MG
2に接続された第2のスイッチ22とを有し、これらの
スイッチ21,22を同時にオンすることにより、第
1、第2の交流入力端子MG1,MG2を短絡等によっ
て閉ループ状態にし、ショートブレーキを掛けるように
なっている。
【0055】第1のスイッチ21は、第2の交流入力端
子MG2にゲートが接続されたPchの第1の電界効果
型トランジスタ(FET)26と、後述するブレーキ生
成回路80からのチョッピング信号(チョッピングパル
ス)CH5がゲートに入力される第2の電界効果型トラ
ンジスタ27とが並列に接続されて構成されている。
【0056】また、第2のスイッチ22は、第1の交流
入力端子MG1にゲートが接続されたPchの第3の電
界効果型トランジスタ(FET)28と、ブレーキ生成
回路80からのチョッピング信号CH5がゲートに入力
される第4の電界効果型トランジスタ29とが並列に接
続されて構成されている。
【0057】ここで、第1の電界効果型トランジスタ2
6は、交流入力端子MG2の極性が「−」の時にオンさ
れ、第3の電界効果型トランジスタ28は、交流入力端
子MG1の極性が「−」の時にオンされる。つまり、各
トランジスタ26,28は、発電機の各端子MG1,M
G2のうち、極性「+」の端子に接続された一方のトラ
ンジスタがオンされ、他方はオフされるように構成され
ている。従って、各電界効果型トランジスタ26,28
により、整流回路41の一部を構成する整流用スイッチ
が構成されている。
【0058】また、各トランジスタ26,28にそれぞ
れ並列に接続された第2の電界効果型トランジスタ27
と、第4の電界効果型トランジスタ29とは、同じチョ
ッピング信号CH5でオン、オフ制御されている。この
ため、各トランジスタ27,29がチョッピング信号C
H5で同時にオンされると、整流用スイッチである各ト
ランジスタ26,28の状態に関係なく、第1、第2の
交流入力端子MG1,MG2間は短絡等によって閉ルー
プ状態となり、発電機20にはショートブレーキが掛か
ることになる。従って、発電機20の両端子MG1,M
G2間を閉ループ状態に接続する前記スイッチ21,2
2は、より具体的には、各トランジスタ27,29の動
作により発電機20の端子MG1,MG2間を閉ループ
状態に接続するように構成されている。
【0059】そして、発電機20に接続された昇圧用の
コンデンサ23、ダイオード24,25、スイッチ2
1,22を備えて整流回路(倍電圧整流回路)41が構
成されている。なお、ダイオード24,25としては、
一方向に電流を流す一方向性素子であればよく、その種
類は問わない。特に、電子制御式機械時計では、発電機
20の起電圧が小さいため、ダイオード25としては降
下電圧Vfが小さいショットキーバリアダイオードを用
いることが好ましい。また、ダイオード24としては、
逆リーク電流が小さいシリコンダイオードを用いること
が好ましい。そして、この整流回路41で整流された直
流信号は、電源回路(コンデンサ)40に充電される。
【0060】前記ブレーキ回路120は、電源回路40
から供給される電力によって駆動される回転制御装置5
0により制御されている。この回転制御装置50は、図
4に示すように、発振回路51、分周回路52、ロータ
12の回転検出回路53、制動制御部である制動制御回
路55を備えて構成されている。
【0061】発振回路51は時間標準源である水晶振動
子51Aを用いて発振信号(32768Hz)を出力
し、この発振信号は12段のフリップフロップからなる
分周回路52によってある一定周期まで分周される。分
周回路52の12段目の出力Q12は、8Hzの基準信
号fsとして出力されている。
【0062】回転検出回路53は、発電機20に接続さ
れた波形整形回路61とモノマルチバイブレータ62と
で構成されている。波形整形回路61は、アンプ、コン
パレータで構成され、正弦波を矩形波に変換する。モノ
マルチバイブレータ62は、ある周期以下のパルスだけ
を通過させるバンドパス・フィルターとして機能し、ノ
イズを除去した回転検出信号FG1を出力する。
【0063】制動制御回路55は、アップダウンカウン
タ60と、同期回路70と、チョッピング信号発生部で
あるチョッピング生成回路(チョッピング信号生成回
路)150と、チョッピング信号選択手段であるブレー
キ生成回路80とを備えている。
【0064】アップダウンカウンタ60のアップカウン
ト入力およびダウンカウント入力には、回転検出回路5
3の回転検出信号FG1および分周回路52からの基準
信号fsが同期回路70を介してそれぞれ入力されてい
る。
【0065】同期回路70は、4つのフリップフロップ
71やANDゲート72,NANDゲート73からな
り、分周回路52の5段目の出力Q5(1024Hz)
や6段目の出力Q6(512Hz)の信号を利用して、
回転検出信号FG1を基準信号fs(8Hz)に同期さ
せるとともに、これらの各信号パルスが重なって出力さ
れないように調整している。
【0066】アップダウンカウンタ60は、4ビットの
カウンタで構成されている。アップダウンカウンタ60
のアップカウント入力には、前記回転検出信号FG1に
基づく信号が同期回路70から入力され、ダウンカウン
ト入力には、前記基準信号fsに基づく信号が同期回路
70から入力される。これにより、基準信号fsおよび
回転検出信号FG1の計数と、その差の算出とが同時に
行えるようになっている。
【0067】なお、このアップダウンカウンタ60に
は、4つのデータ入力端子(プリセット端子)A〜Dが
設けられており、端子A〜CにHレベル信号が入力され
ていることで、アップダウンカウンタ60の初期値(プ
リセット値)がカウンタ値7に設定されている。
【0068】また、アップダウンカウンタ60のLOA
D入力端子には、電源回路40に接続されて電源回路4
0の電圧に応じてシステムリセット信号SRを出力する
初期化回路90が接続されている。なお、本実施形態で
は、初期化回路90は、電源回路40の充電電圧が所定
電圧になるまではHレベルの信号を出力し、所定電圧以
上になればLレベルの信号を出力するように構成されて
いる。
【0069】アップダウンカウンタ60は、LOAD入
力がLレベルになるまで、つまりシステムリセット信号
SRが出力されるまでは、アップダウン入力を受け付け
ないため、アップダウンカウンタ60のカウンタ値は
「7」に維持される。
【0070】アップダウンカウンタ60は、4ビットの
出力QA〜QDを有している。従って、4ビット目の出
力QDは、カウンタ値が7以下であればLレベル信号を
出力し、8以上であればHレベル信号を出力することに
なる。この出力QDは、ブレーキ生成回路80に接続さ
れている。
【0071】なお、出力QA〜QDが入力されたNAN
Dゲート74およびORゲート75の各出力は、同期回
路70からの出力が入力されるNANDゲート73にそ
れぞれ入力されている。従って、例えばアップカウント
信号の入力が複数個続いてカウンタ値が「15」になる
と、NANDゲート74からはLレベル信号が出力さ
れ、さらにアップカウント信号がNANDゲート73に
入力されても、その入力はキャンセルされてアップダウ
ンカウンタ60にアップカウント信号がそれ以上入力さ
れないように設定されている。同様に、カウンタ値が
「0」になると、ORゲート75からはLレベル信号が
出力されるため、ダウンカウント信号の入力はキャンセ
ルされる。これにより、カウンタ値が「15」を越えて
「0」になったり、「0」を越えて「15」になったり
しないように設定されている。
【0072】チョッピング信号発生部であるチョッピン
グ生成回路150は論理回路で構成され、分周回路52
の出力Q5〜Q8を利用してデューティ比の異なる3種
類のチョッピング信号CH1〜CH3を出力するように
構成されている。
【0073】なお、チョッピング信号CH1は、デュー
ティ比が1/16と小さなチョッピング信号とされてい
る。また、チョッピング信号CH3は、デューティ比が
15/16と大きなチョッピング信号とされている。さ
らに、チョッピング信号CH2は、デューティ比が8/
16と各信号CH1,CH3の中間の大きさのチョッピ
ング信号とされている。なお、これらの各チョッピング
信号CH1〜CH3の周波数は同一とされ、例えば12
8Hzに固定されている。
【0074】ブレーキ生成回路80は、図6に示すよう
に、ANDゲート152,153、NORゲート15
4、ディレイ回路155を備えて構成されている。AN
Dゲート152には、チョッピング信号CH2とアップ
ダウンカウンタ60からの出力QDとが入力されてい
る。一方、ANDゲート153には、チョッピング信号
CH3と、ディレイ回路155で出力Q6(512H
z)の4クロック分遅らされた出力QDとが入力されて
いる。このため、出力QDがHレベル信号に変化した際
に、ANDゲート152からチョッピング信号CH2が
2周期分出力されてから、ANDゲート153からチョ
ッピング信号CH3が出力されるように構成されてい
る。
【0075】従って、NORゲート154からのチョッ
ピング信号CH5は、出力QDがLレベル信号とされ、
各ANDゲート152,153の出力がLレベル信号の
場合には、チョッピング信号CH1を反転した信号とさ
れる。また、出力QDがHレベル信号に変化した場合に
は、最初の2周期分は、ANDゲート152からはチョ
ッピング信号CH2が出力されるが、ANDゲート15
3の出力はLレベル信号のままであるため、NORゲー
ト154の出力はチョッピング信号CH2が反転した信
号とされる。さらに、ANDゲート153の出力がチョ
ッピング信号CH3となれば、NORゲート154から
はチョッピング信号CH3が反転した信号が出力され
る。
【0076】このブレーキ生成回路80のNORゲート
154からの出力CH5は、Pchトランジスタ27,
29のゲートに入力されている。従って、チョッピング
出力CH5がLレベルとなっている間は、トランジスタ
27,29はオン状態に維持され、発電機20がショー
トされてブレーキが掛かる。一方、出力CH5がHレベ
ルとなっている間は、トランジスタ27,29はオフ状
態に維持され、発電機20にはブレーキが加わらない。
従って、出力CH5からのチョッピング信号によって発
電機20をチョッピング制御することができる。
【0077】ここで、前記各チョッピング信号CH1〜
CH3のデューティ比は、1周期の間で発電機20にブ
レーキを掛けている時間の比率であり、本実施形態では
各チョッピング信号CH1〜CH3において1周期の間
でHレベルとなっている時間の比率である。
【0078】次に、本実施形態における動作を図7のタ
イミングチャートおよび図8のフローチャートを参照し
て説明する。発電機20が作動し始めて、初期化回路9
0からLレベルのシステムリセット信号SRがアップダ
ウンカウンタ60のLOAD入力に入力されると(ステ
ップ11、以下ステップを「S」と略す)、図7に示す
ように、回転検出信号FG1に基づくアップカウント信
号と、基準信号fsに基づくダウンカウント信号とがア
ップダウンカウンタ60でカウントされる(S12)。
これらの各信号は、同期回路70によって同時にカウン
タ60に入力されないように設定されている。
【0079】このため、初期カウント値が「7」に設定
されている状態から、アップカウント信号が入力される
とカウンタ値は「8」となり、出力QDからHレベル信
号がブレーキ生成回路80のANDゲート152,15
3に出力される。一方、ダウンカウント信号が入力され
てカウンタ値が「7」に戻れば、出力QDからはLレベ
ル信号が出力される。
【0080】チョッピング生成回路150では、分周回
路52の出力Q5〜Q8を利用し、各チョッピング信号
CH1〜CH3を出力する。そして、アップダウンカウ
ンタ60の出力QDからLレベル信号が出力されている
場合(カウント値「7」以下)には、各ANDゲート1
52,153からの出力もLレベル信号となる。このた
め、NORゲート154からの出力CH5は出力CH1
が反転したチョッピング信号、つまりHレベル期間(ブ
レーキオフ時間)が長く、Lレベル期間(ブレーキオン
時間)が短いデューティ比(トランジスタ27,29を
オンしている比率)の小さなチョッピング信号となる。
従って、基準周期においてブレーキを掛けているトータ
ル時間が短くなり、発電機20に対しては、ほとんどブ
レーキが掛けられない、つまり発電電力(起電力)を優
先した弱いブレーキ制御(弱ブレーキ制御)が行われる
(S13,S14)。
【0081】一方、アップダウンカウンタ60の出力Q
DからHレベル信号が出力されている場合(カウント値
「8」以上)には(S13)、前述のように、最初の2
周期(ブレーキオフ制御からブレーキオン制御への過渡
期)であれば(S15)、チョッピング信号CH2を利
用した中間的なブレーキ力の制御(中間ブレーキ制御)
が行われる(S16)。つまり、デューティ比が8/1
6=1/2であるため、ブレーキオフ時間とブレーキオ
ン時間とが同じ時間となり、ブレーキ力も前述の弱ブレ
ーキ制御と、後述する強ブレーキ制御の中間の大きさと
なる中間ブレーキ制御が行われる(S16)。
【0082】さらに、カウント値が「8」以上の状態で
(S13)、過渡期(512Hzの信号Q6の4クロッ
ク分つまり256Hzのチョッピング信号CH2の2周
期分)を経過した後は(S15)、NORゲート154
からの出力CH5は出力CH3が反転したチョッピング
信号、つまりHレベル期間(ブレーキオフ時間)が短
く、Lレベル期間(ブレーキオン時間)が長いデューテ
ィ比の大きい(15/16)チョッピング信号となる。
この場合も、発電機20はチョッピング制御されるので
ある程度発電電力の低下を抑えつつ制動トルクが向上さ
れるが、特にブレーキが掛けられていない時間が短いた
め(1/16)、発電電力(起電力)よりもブレーキ力
(制動トルク)を優先した強いブレーキ制御が行われる
(S17)。
【0083】なお、整流回路41では、次のようにして
発電機20で発電した電荷を電源回路40に充電してい
る。すなわち、第1の端子MG1の極性が「+」で第2
の端子MG2の極性が「−」の時には、第1の電界効果
型トランジスタ(FET)26がオンされ、第3の電界
効果型トランジスタ(FET)28がオフされる。この
ため、発電機20で発生した誘起電圧の電荷は、「第1
の端子MG1→コンデンサ23→ダイオード25→第2
の端子MG2」の回路によって例えば0.1μFのコン
デンサ23に充電されるとともに、「第1の端子MG1
→第1のスイッチ21→電源回路40→ダイオード24
→ダイオード25→第2の端子MG2」の回路によって
例えば10μFの電源回路(コンデンサ)40に充電さ
れる。
【0084】一方、第1の端子MG1の極性が「−」で
第2の端子MG2の極性が「+」に切り替わると、第1
の電界効果型トランジスタ(FET)26がオフされ、
第3の電界効果型トランジスタ(FET)28がオンさ
れる。このため、「コンデンサ23→第1の端子MG1
→発電機20→第2の端子MG2→第2のスイッチ22
→電源回路40→ダイオード24→コンデンサ23」の
回路によって、発電機20で発生した誘起電圧と、コン
デンサ23の充電電圧とが加えられた電圧で電源回路
(コンデンサ)40が充電される。
【0085】なお、各々の状態で、チョッピング信号C
H5により発電機20の両端が閉ループとなり、開放さ
れると、コイルの両端に高電圧が誘起され、この高い充
電電圧によって電源回路(コンデンサ)40を充電する
ことで充電効率が向上する。
【0086】そして、ゼンマイ1aのトルクが大きくて
発電機20の回転速度が大きい場合などでは、アップカ
ウンタ信号によりカウンタ値が「8」になった後に、さ
らにアップカウンタ値が入力されることがある。この場
合には、カウンタ値は「9」となり、前記出力QDはH
レベルを維持するため、チョッピング信号CH3の反転
信号により一定周期でブレーキがオフされながらブレー
キが掛けられる強いブレーキ制御が行われる。そして、
ブレーキが掛けられたことにより、発電機20の回転速
度が低下し、回転検出信号FG1が入力される前に基準
信号fs(ダウンカウント信号)が2回入力されると、
カウンタ値は「8」、「7」と低下し、「7」になった
際には弱いブレーキ制御に切り替えられる。特に、ゼン
マイ1aのトルクが大きい場合には、カウンタ値が
「9」、「10」と上昇することもあるが、このような
トルクが大きい場合には、強ブレーキ制御が続行される
ため、発電機20に大きな制動力が加えられて回転速度
が迅速に低下される。
【0087】このような制御を行うと、発電機20が設
定された回転スピード近くになり、アップカウンタ信号
と、ダウンカウンタ信号とが交互に入力されて、カウン
タ値が「8」と「7」とを繰り返すロック状態に移行す
る。この際は、カウンタ値に応じて、弱ブレーキ制御
と、強ブレーキ制御と、弱ブレーキ制御から強ブレーキ
制御への切替時の過渡期の中間ブレーキ制御との3種類
のブレーキ制御が繰り返される。
【0088】さらに、ゼンマイ1aがほどけてそのトル
クが小さくなると、徐々にブレーキを掛ける時間が短く
なり、発電機20の回転速度はブレーキを掛けない状態
でも基準速度に近い状態になる。そして、まったくブレ
ーキを掛けなくてもダウンカウント値が多く入力される
ようになり、カウント値が「6」以下の小さな値になる
と、ゼンマイ1aのトルクが低下したと判断し、運針を
停止したり、非常に低速にしたり、さらにはブザー、ラ
ンプ等を鳴らしたり、点灯させることで、利用者にゼン
マイ1aを再度巻き上げるように促せばよい。
【0089】なお、本実施形態では、出力QDがLレベ
ル信号の場合、チョッピング信号CH5はHレベル期
間:Lレベル期間が15:1つまりデューティ比が1/
16=0.0625のチョッピング信号となる。また、出力Q
DがHレベル信号に切り替わった直後の過渡期には、チ
ョッピング信号CH5はHレベル期間:Lレベル期間が
8:16つまりデューティ比が8/16=0.5 のチョッ
ピング信号となる。さらに、過渡期を過ぎても出力QD
がHレベル信号の場合、チョッピング信号CH5はHレ
ベル期間:Lレベル期間が1:15つまりデューティ比
が15/16=0.9375のチョッピング信号となる。
【0090】そして、発電機20のMG1,MG2から
は、磁束の変化に応じた交流波形が出力される。この
際、出力QDの信号に応じて周波数は一定でかつデュー
ティ比の異なるチョッピング信号CH5がトランジスタ
27,29(スイッチ21,22)に適宜印加され、出
力QDがHレベル信号を出力した時、つまり強いブレー
キ制御時には、各チョッピングサイクル内におけるショ
ートブレーキ時間が長くなってブレーキ量が増えて発電
機20は減速される。そして、ブレーキが掛かる分、発
電量も低下するが、このショートブレーキ時に蓄えられ
たエネルギーを、チョッピング信号によりスイッチ2
1,22をオフした際に出力してチョッピング昇圧する
ことができるため、ショートブレーキ時の発電量低下を
補うことができ、発電電力の低下を抑えながら、制動ト
ルクを増加することができる。
【0091】逆に、出力QDがLレベル信号を出力した
際、つまり弱いブレーキ制御時には、各チョッピングサ
イクル内におけるショートブレーキ時間が短くなってブ
レーキ量が減って発電機20は増速される。この際も、
チョッピング信号によりトランジスタ27,29(スイ
ッチ21,22)をオンからオフした際にチョッピング
昇圧することができるので、まったくブレーキを掛けず
に制御した場合に比べても発電電力を向上させることが
できる。
【0092】そして、発電機20からの交流出力は、倍
電圧整流回路41によって昇圧、整流されて電源回路
(コンデンサ)40に充電され、この電源回路40によ
り回転制御装置50が駆動される。
【0093】なお、アップダウンカウンタ60の出力Q
Dと、チョッピング信号CH5とは共に分周回路52の
出力Q5〜Q8,Q12を利用しているため、つまりチ
ョッピング信号CH5の周波数が出力QDの周波数の整
数倍とされているため、出力QDの出力レベルの変化つ
まり強いブレーキ制御と弱いブレーキ制御の切替タイミ
ングと、チョッピング信号CH5とは同期して発生して
いる。
【0094】このような本実施形態によれば、次のよう
な効果がある。 (1) 発電機20を調速制御する弱ブレーキ制御から強ブ
レーキ制御への切替時(過渡期)に、いきなり強ブレー
キ制御に切り替えるのではなく、一旦中間ブレーキ制御
を行ってから切り替えているので、必要以上のブレーキ
を掛けすぎて発電機20のロータ12が停止してしまう
ことを確実に防止できる。このため、電子制御式機械時
計において、発電機20のロータ12が停止してしま
い、このロータ12に連動する指針が止まること、つま
り運針停止の発生を確実に防止することができる。
【0095】(2) 弱ブレーキ制御から強ブレーキ制御へ
の切替時に、中間ブレーキ制御を2周期行っているの
で、ロータ12の回転速度が急激に遅くなることがな
く、ロータ12に連結した指針の揺らぎも低減すること
ができる。このため、安定した運針が行えて見栄えを良
くでき、商品価値を向上することができ、時刻指示精度
も向上することができる。
【0096】(3) また、強ブレーキ制御から弱ブレーキ
制御への切替時は、中間ブレーキ制御を介していない
が、強ブレーキ制御に切り替わった際に、2周期は中間
ブレーキ制御が行われるため、特に、発電機20が設定
された回転スピード近くになり、アップカウンタ信号
と、ダウンカウンタ信号とが交互に入力されるロック状
態では、強ブレーキ制御時でもブレーキ力が著しく大き
くなる前に弱ブレーキ制御に切り替わるため、強ブレー
キ制御から弱ブレーキ制御への切替時も、ロータ12の
回転速度が急激に速くなることを防止できる。このた
め、より安定した運針が行えて見栄えを良くでき、商品
価値を向上することができる。
【0097】(4) 回転検出信号FG1に基づくアップカ
ウント信号と、基準信号fsに基づくダウンカウント信
号とを、アップダウンカウンタ60に入力し、回転検出
信号FG1(アップカウント信号)のカウント数が基準
信号fs(ダウンカウント信号)のカウント数よりも大
きい状態(カウンタ60の初期値が「7」であれば、カ
ウンタ値が「8」以上の状態)では、ブレーキ回路12
0により発電機20に強いブレーキをかけ続け、逆に回
転検出信号FG1のカウント数が基準信号fsのカウン
ト数以下の状態(カウンタ値が「7」以下の状態)で
は、発電機20に弱いブレーキを印加するため、発電機
20の立ち上がり時等の回転速度が基準速度よりも大き
くずれている場合でも、迅速に基準速度に近づけること
ができ、回転制御の応答性を速くすることができる。
【0098】(5) その上、強ブレーキ制御、中間ブレー
キ制御、弱ブレーキ制御の切り替えを、デューティ比の
異なるチョッピング信号CH5を用いて行っているの
で、充電電圧(発電電圧)を低下させることなくブレー
キ(制動トルク)を大きくすることができる。特に、強
ブレーキ制御時にはデューティ比の大きなチョッピング
信号を用いて制御しているので、充電電圧の低下を抑え
ながら制動トルクを大きくすることができ、システムの
安定性を維持しながら、効率的なブレーキ制御を行うこ
とができる。これにより、電子制御式機械時計の持続時
間も長くすることができる。
【0099】(6) さらに、強ブレーキ制御時に、制動ト
ルク(デューティ比)が異なる2段階のブレーキ制御
(中間ブレーキ制御と強ブレーキ制御)を行っているの
で、より効果的な強ブレーキ制御を行うことができ、発
電電力の低下を抑えながら、十分なブレーキ制御を行う
ことができる。
【0100】(7) 弱ブレーキ制御時にも、デューティ比
の小さなチョッピング信号によりチョッピング制御して
いるので、弱いブレーキを印加している間の充電電圧を
より向上することができる。すなわち、デューティ比が
1/16のチョッピング信号を用いれば、制動トルクを
低く維持しつつ、充電電圧をある程度確保することがで
きる。
【0101】(8) 強ブレーキ制御(中間ブレーキ制御も
含む)と弱ブレーキ制御の切替は、カウンタ値が「7」
以下であるか「8」以上であるかのみで設定され、ブレ
ーキ時間等を別途設定する必要もないため、回転制御装
置50をシンプルな構成にでき、部品コストや製造コス
トを低減でき、電子制御式機械時計を安価に提供でき
る。
【0102】(9) 発電機20の回転速度に応じて、アッ
プカウンタ信号が入力されるタイミングが変化するた
め、カウンタ値が「8」である期間つまりブレーキを掛
けている時間も自動的に調整することができる。このた
め、特にアップカウンタ信号とダウンカウント信号とが
交互に入力されるロック状態では、応答性の速い安定し
た制御を行うことができる。
【0103】(10)制動制御部では、アップダウンカウン
タ60を用いているので、各アップカウンタ信号および
ダウンカウンタ信号の計数と同時に各計数値の比較
(差)を自動的に算出することができるため、構成を簡
易にできかつ各計数値の差を簡単に求めることができ
る。
【0104】(11)4ビットのアップダウンカウンタ60
を用いているので、16個のカウント値をカウントする
ことができる。このため、アップカウンタ信号が続けて
入力された場合などに、その入力値を累積してカウント
することができ、設定された範囲つまりアップカウンタ
信号やダウンカウンタ信号が連続して入力されてカウン
タ値が「15」や「0」になるまでの範囲では、その累
積誤差を補正することができる。このため、仮に発電機
20の回転速度が基準速度から大きく外れても、ロック
状態になるまでは時間が掛かるが、その累積誤差を確実
に補正して発電機20の回転速度を基準速度に戻すこと
ができ、長期的には正確な運針を維持することができ
る。
【0105】(12)初期化回路90を設けて、発電機20
の起動時の電源回路40が所定の電圧に充電されるまで
はブレーキ制御を行わず、発電機20にブレーキが掛か
らないようにしているので、電源回路40への充電を優
先させることができ、電源回路40によって駆動される
回転制御装置50を迅速にかつ安定して駆動するこがで
き、その後の回転制御の安定性も高めることができる。
【0106】(13)出力QDの出力レベル変化つまり強ブ
レーキ制御と弱ブレーキ制御との切替タイミングと、チ
ョッピング信号CH5のオンからオフへの変化タイミン
グとを同期させているので、発電機20のチョッピング
信号CH5に対応した起電圧が高い出力部分(ひげ部
分)を一定間隔で出力することができ、この出力を時計
の歩度測定パルスとして利用することもできる。すなわ
ち、出力QDとチョッピング信号CH5とが同期してい
ない場合には、一定周期のチョッピング信号CH5とは
別に出力QDの変化時にも発電機20からは起電圧が高
い部分が発生する。このため、発電機20の出力波形に
おける「ひげ部分」は必ずしも一定間隔で出力されない
ために歩度測定パルスとして利用することができない
が、本実施形態のように同期させていれば歩度測定パル
スとしても利用することができる。
【0107】(14)発電機20の整流制御は、各端子MG
1,MG2にゲートが接続された第1,3の電界効果型
トランジスタ26,28で行っているので、コンパレー
タ等を用いる必要が無く、構成が簡単になり、かつコン
パレータの消費電力による充電効率の低下も防止でき
る。さらに、発電機20の端子電圧を利用して電界効果
型トランジスタ26,28のオン、オフを制御している
ので、発電機20の端子の極性に同期して各電界効果型
トランジスタ26,28を制御することができ、整流効
率を向上することができる。また、チョッピング制御さ
れる第2,4の電界効果型トランジスタ27,29を各
トランジスタ26,28に並列に接続することで、チョ
ッピング制御を独立して行うことができ、かつ構成も簡
易にできる。従って、構成が簡易で、発電機20の極性
に同期し、かつ昇圧しながらチョッピング整流を行える
整流回路41を提供することができる。
【0108】次に、本発明の第2実施形態について、図
9を参照して説明する。なお、本実施形態において、前
述の第1実施形態と同一もしくは同様の構成部分には、
同一符号を付し、説明を省略あるいは簡略する。
【0109】本実施形態は、チョッピング信号選択手段
であるブレーキ生成回路170と、チョッピング生成回
路160の構成が前記第1実施形態と相違するものであ
り、その他の構成は同一であるため、説明を省略する。
【0110】前記第1実施形態のチョッピング生成回路
150が3種類のチョッピング信号のみを生成するよう
に構成されていたのに対し、本実施形態のチョッピング
生成回路160は、デューティ比が1/16〜15/1
6までの15段階のチョッピング信号を生成可能に構成
されている。
【0111】また、ブレーキ生成回路170は、図10
に示すように、アップダウンカウンタ60の出力QDお
よびインバータ177を介したその反転信号であるXQ
Dと、分周回路52の出力Q7(256Hz)とがそれ
ぞれ入力されるANDゲート171,172と、AND
ゲート171の出力がUP1入力とされ、ANDゲート
172の出力がDOWN1入力とされた4ビットのアッ
プダウンカウンタ173と、アップダウンカウンタ17
3の各出力Q1〜Q3が入力されかつこの入力に応じて
16個の出力(O0〜O15)のいずれか1つをHレベ
ル信号にする4to16のデコーダ174と、デコーダ
174の16個の出力がそれぞれ個別に入力され、かつ
チョッピング生成回路160で生成されたデューティ比
が異なる15個のチョッピング信号がそれぞれ個別に入
力された16個のANDゲート175と、これらの各A
NDゲート175の出力が入力されるORゲート176
とを備えて構成されている。
【0112】ここで、デコーダ174の出力O0が入力
されたANDゲート175には、デューティ比1/16
のチョッピング信号が入力され、出力O0がHレベル信
号になるとORゲート176からはデューティ比1/1
6のチョッピング信号CH6が出力されるようにされて
いる。同様に、デコーダ174の出力O1〜O14が入
力されるANDゲート175には、デューティ比2/1
6〜15/16のチョッピング信号がそれぞれ入力され
ており、各出力O1〜O14がHレベル信号になると、
ORゲート176からはデューティ比2/16〜15/
16のチョッピング信号CH6がそれぞれ出力されるよ
うにされている。
【0113】さらに、デコーダ174の出力が16個で
あるのに対し、チョッピング信号は15個であるため、
デコーダ174の出力O15が入力されるANDゲート
175には、出力O14と同じデューティ比15/16
のチョッピング信号が入力されている。このため、出力
O15がHレベル信号になった場合も、ORゲート17
6から出力されるチョッピング信号CH6は、デューテ
ィ比15/16の信号とされる。
【0114】なお、図10には図示しないが、アップダ
ウンカウンタ173は、前記アップダウンカウンタ60
と同様に、カウンタ値が「15」になるとアップカウン
ト信号がそれ以上入力されないように設定されており、
同様に、カウンタ値が「0」になるとダウンカウント信
号がそれ以上入力されないように設定されている。
【0115】このような本実施形態においては、図11
にも示すように、アップダウンカウンタ60の出力QD
からLレベル信号が出力されている場合(カウント値
「7」以下)には、信号Q7がANDゲート172から
アップダウンカウンタ173のDOWN1端子に入力さ
れ、アップダウンカウンタ173の4ビットの出力Q0
〜Q3は、切替前の値から徐々に減少する。このため、
各出力Q0〜Q3が入力されたデコーダ174では、H
レベル信号の出力がO15側からO0に向かって256
Hzの周期で移動し、これにより、ORゲート176か
ら出力されるチョッピング信号CH6も256Hzの周
期で切り替えられ、出力O14から出力O0に順次Hレ
ベル信号が変化するにしたがって、1/16デューティ
ずつ減少する。このため、徐々にブレーキ実効値が小さ
くなり、発電機20に対しては、発電電力(起電力)を
優先した弱いブレーキ制御(弱ブレーキ制御)が行われ
る。
【0116】一方、アップダウンカウンタ60の出力Q
DからHレベル信号が出力されている場合(カウント値
「8」以上)には、信号Q7がANDゲート171から
アップダウンカウンタ173のUP1端子に入力され、
アップダウンカウンタ173の4ビットの出力Q0〜Q
3は、切替前の値から徐々に増加する。このため、各出
力Q0〜Q3が入力されたデコーダ174では、Hレベ
ル信号の出力がO0側からO15に向かって256Hz
の周期で移動し、これにより、ORゲート176から出
力されるチョッピング信号CH6も256Hzの周期で
切り替えられ、出力O0から出力O14に順次Hレベル
信号が変化するにしたがって、1/16デューティずつ
増加する。このため、徐々にブレーキ実効値が大きくな
り、発電機20に対しては、発電電力(起電力)よりも
ブレーキ力(制動トルク)を優先した強いブレーキ制御
が行われる。
【0117】このような本実施形態においても、前記第
1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。 (15)その上、強ブレーキ制御および弱ブレーキ制御の切
替時には、その直前のチョッピング信号の1段階大きな
(強ブレーキ制御時)または小さな(弱ブレーキ制御
時)デューティ比の信号が入力されるので、ブレーキ制
御の切替時にロータ速度が急激に速くなったり、遅くな
ったりすることがなく、ロータ12の速度変化を緩やか
にできる。このため、ロータ12に連結された指針の揺
らぎをより一層低減できて、見栄えが良く、商品性の高
い電子制御式機械時計とすることができる。
【0118】(16)また、強ブレーキ制御および弱ブレー
キ制御時には、デューティ比が徐々に増加または減少す
るため、強ブレーキ制御状態が長くなれば、つまりロー
タ12の回転速度が基準速度よりも大幅に速い場合に
は、ブレーキ実効値が徐々に大きくなるブレーキを印加
でき、その速度を確実に低減させることができる。一
方、弱ブレーキ制御状態が長くなれば、つまりロータ1
2の回転速度が基準速度よりも遅い場合には、ブレーキ
実効値が徐々に小さくなるブレーキを印加でき、ブレー
キ力を弱めてロータ12の回転速度を基準速度に近付け
ることができる。従って、ロータ12の回転速度が基準
周期から大きく外れてしまっても、効率的なブレーキ制
御を行うことができて、迅速に基準周期に近付けること
ができる。
【0119】次に本発明の第3実施形態について、図1
2,13を参照して説明する。なお、本実施形態におい
ても、前述の第2実施形態と同一もしくは同様の構成部
分には、同一符号を付し、説明を省略あるいは簡略す
る。
【0120】本実施形態は、第2実施形態のブレーキ生
成回路170の構成を変更したブレーキ生成回路180
を用いたものである。ブレーキ生成回路180は、ブレ
ーキ生成回路170と同じANDゲート171,17
2、アップダウンカウンタ173、デコーダ174、複
数のANDゲート175、ORゲート176、インバー
タ177を備えている。
【0121】ブレーキ生成回路180は、さらに、アッ
プダウンカウンタ60に入力されるUP信号またはDO
WN信号が入力されて、その出力がアップダウンカウン
タ173のセット入力とされているORゲート181
と、アップダウンカウンタ60のカウンタ値が9より大
きな場合にHレベル信号を出力する回路182と、デュ
ーティ比が15/16のチョッピング信号を発生する回
路183と、各回路182,183からの信号が入力さ
れるANDゲート184と、ANDゲート184の出力
および前記ORゲート176の出力が入力されるORゲ
ート185とを備えている。
【0122】そして、ORゲート185から出力される
チョッピング信号CH7が各スイッチ21,22の電界
効果型トランジスタ27、電界効果型トランジスタ29
のゲート入力とされている。
【0123】このような本実施形態においては、図13
に示すように、アップダウンカウンタ60の出力QDか
らLレベル信号が出力されている場合(カウント値
「7」以下)には、信号Q7がANDゲート172から
アップダウンカウンタ173のDOWN1端子に入力さ
れる。この際、アップダウンカウンタ60にUP信号や
DOWN信号が入力されると、アップダウンカウンタ1
73のセット入力にも信号が入力され、アップダウンカ
ウンタ173のカウンタ値が初期セット値(本実施形態
では「7」)になる。このため、各出力Q0〜Q3が入
力されたデコーダ174では、最初は出力端子O7がH
レベル信号となり、チョッピング信号CH7は、デュー
ティ比が8/16の信号が最初に出力される。その後、
信号Q7の端子DOWN1への入力に伴い、256Hz
の周期で前記ORゲート176から出力されるチョッピ
ング信号つまりはORゲート185から出力されるチョ
ッピング信号CH7も256Hzの周期で切り替えら
れ、1/16デューティずつ減少する。このため、徐々
にブレーキ実効値が小さくなり、発電機20に対して
は、発電電力(起電力)を優先した弱いブレーキ制御
(弱ブレーキ制御)が行われる。
【0124】一方、カウンタ値が「8」または「9」と
なり、アップダウンカウンタ60の出力QDからHレベ
ル信号が出力されている場合には、UP信号の入力に伴
い、アップダウンカウンタ173の初期値が「7」にな
り、前記ORゲート176つまりはORゲート185か
らは、デューティ比が8/16のチョッピング信号CH
7が出力され、その後、256Hzの周期で1/16デ
ューティずつ増加する。このため、徐々にブレーキ実効
値が大きくなり、発電機20に対しては、発電電力(起
電力)よりもブレーキ力(制動トルク)を優先した強い
ブレーキ制御が行われる。
【0125】さらに、図13には図示していないが、ア
ップダウンカウンタ60のカウンタ値が「9」を越える
と、回路182がHレベル信号を出力するため、回路1
83からデューティ比15/16に固定されたチョッピ
ング信号がチョッピング信号CH7として出力される。
【0126】このような本実施形態においても、前記各
実施形態と同じ作用効果を奏することができる。 (17)さらに、弱ブレーキ制御時および強ブレーキ制御時
のいずれの場合も、必ず所定のブレーキ実効値(本実施
形態ではデューティ比が8/16)のブレーキが最初に
加わるため、ブレーキ力を予め予測でき、ブレーキ制御
のプログラムなどを容易に設定することができる。この
ため、強ブレーキ制御時に、デューティ比の小さなブレ
ーキ(例えば、デューティ比が3/16のチョッピング
信号)から徐々に増加させたために、ブレーキの増加が
間に合わず速度が速くなりすぎたり、弱ブレーキ制御時
に、デューティ比の大きなブレーキ(例えば、デューテ
ィ比が13/16のチョッピング信号)から徐々に減少
させたために、ブレーキの減少が間に合わずに速度が低
下しすぎるということがなく、安定した制御を行うこと
ができる。
【0127】(18)また、ロータ12の回転速度が非常に
速くなり、アップダウンカウンタ60のカウンタ値が
「10」以上になると、強制的に、デューティ比15/
16とブレーキ実効値が非常に強いブレーキ制御を行う
ため、ロータ12の回転速度を効果的に通常速度に落と
すことができ、より安定した制御を行うことができる。
【0128】なお、本発明は各実施形態に限定されるも
のではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、
改良等は、本発明に含まれるものである。例えば、前記
第1実施形態では、弱ブレーキ制御から強ブレーキ制御
に切り替える際に、中間ブレーキ制御を行っていたが、
図14に示すチョッピング信号CH10のように、強ブ
レーキ制御(デューティ比=15/16)から弱ブレー
キ制御(デューティ比=1/16)に切り替えられる過
渡期に中間ブレーキ制御(デューティ比=8/16)を
行うようにしてもよい。この場合には、弱ブレーキ制御
時の最初に中間ブレーキ制御を行うため、必要以上にブ
レーキを解除してしまうことを防止できるという効果が
ある。
【0129】また、図14に示すチョッピング信号CH
11のように、強ブレーキ制御(デューティ比=15/
16)から弱ブレーキ制御(デューティ比=1/16)
に切り替えられる過渡期と、弱ブレーキ制御から強ブレ
ーキ制御に切り替えられる過渡期との両方で中間ブレー
キ制御(デューティ比=8/16)を行うようにしても
よい。この場合には、強ブレーキ制御時にブレーキを掛
けすぎたり、弱ブレーキ制御時に必要以上にブレーキを
解除してしまうことが無く、より安定した調速制御を行
うことができる。
【0130】さらに、前記第2実施形態では、デューテ
ィ比を1/16ずつ増減していたが、図15に示すチョ
ッピング信号CH20のように、デューティ比を2/1
6ずつ増減してもよい。この場合には、よりダイナミッ
クなブレーキ制御を行うことができるという効果があ
る。
【0131】また、図15に示すチョッピング信号CH
21のように、強ブレーキ制御の開始時のブレーキ実効
値を固定(例えばデューティ比が7/16)してもよい
し、チョッピング信号CH22のように、弱ブレーキ制
御の開始時にブレーキ実効値を固定(例えばデューティ
比が7/16)してもよい。さらに、前記第3実施形態
と同様に、図15に示すチョッピング信号CH23のよ
うに、強ブレーキ制御の開始時および弱ブレーキ制御の
開始時にそれぞれブレーキ実効値を固定(例えばデュー
ティ比が7/16)してもよい。
【0132】強ブレーキ制御の開始時にブレーキ実効値
を固定すれば、ブレーキの増加開始時のブレーキ実効値
が決められた固定値になるため、ブレーキの増加が間に
合わずにロータ12の速度が速すぎるということがな
く、必要なブレーキ力を与えて確実に調速制御すること
ができる。同様に、弱ブレーキ制御の開始時にブレーキ
実効値を固定すれば、ブレーキの減少開始時のブレーキ
実効値が決められた固定値になるため、ブレーキの減少
が間に合わずにロータ12の速度が低下しすぎるという
ことがなく、必要なブレーキ力を与えて確実に調速制御
することができる。
【0133】なお、チョッピング信号CH21〜CH2
3においては、デューティ比の増減が2/16ずつであ
ったが、前記第2,3実施形態と同様に、1/16ずつ
の増減にしてもよいし、3/16以上ずつの増減にして
もよい。なお、各ブレーキ制御の固定値は、7/16や
8/16に限らず、実施にあたって適宜設定すればよ
い。
【0134】また、チョッピング信号CH23において
は、弱ブレーキ制御時と強ブレーキ制御時の固定値は同
一であったが、例えば、強ブレーキ制御の開始固定値を
デューティ比10/16とし、弱ブレーキ制御の開始固
定値をデューティ比6/16にするなどして、それぞれ
異なるブレーキ実効値(デューティ比)の固定値として
もよい。
【0135】さらに、第2,3実施形態では、強ブレー
キ制御および弱ブレーキ制御の両方で、チョッピング信
号のデューティ比つまりはブレーキの実効値を徐々に増
減していたが、図16のチョッピング信号CH30のよ
うに、強ブレーキ制御時のみにブレーキ実効値を増加
し、弱ブレーキ制御時のブレーキ実効値を固定してもよ
いし、逆に、弱ブレーキ制御時のみにブレーキ実効値を
減少し、強ブレーキ制御時のブレーキ実効値を固定して
もよい。
【0136】また、この際、チョッピング信号CH31
のように、増加あるいは減少する際のブレーキ実効値の
初期値を固定してもよい。この際、特に、強ブレーキ制
御時に、ブレーキ実効値が増加するようにすれば、いき
なり強いブレーキを印加して発電機20を停止してしま
うことを防止できる点で好ましい。
【0137】また、チョッピング生成回路150におけ
るチョッピング信号のデューティ比は、前記実施形態の
ように、1/16、8/16、15/16に限らず、例
えば、14/16等の他の値でもよい。さらには、チョ
ッピング信号のデューティ比を1/32、31/32等
にしてもよい。特に、強ブレーキ制御時で発電を優先さ
せる際に用いられるチョッピング信号としては、デュー
ティ比が0.75〜0.97の範囲にあることが好まし
く、特に0.78〜0.82の範囲にすれば、充電電圧
をより一層向上でき、0.90〜0.97と高い範囲に
すれば、ブレーキ力をより一層高めることができるた
め、用途に応じて設定すればよい。一方、弱ブレーキ制
御時は、デューティ比が0.01〜0.30程度の範囲
にあることが好ましい。
【0138】また、チョッピング生成回路160におけ
るチョッピング信号のデューティ比の変化を16段階で
はなく、32段階などにしてもよく、制御切替時の初期
値を固定する場合には、デューティ比の変化度合いなど
に応じて適宜設定すればよい。
【0139】さらに、前記各実施形態では、チョッピン
グ信号のデューティ比を変化させることでブレーキ実効
値を変化させていたが、周波数を変化させることでブレ
ーキ実効値を変化させてもよい。例えば、デューティ比
が一定であっても、チョッピング信号の周波数を例えば
500〜1100Hzと高い範囲の周波数にすれば、ブ
レーキ力を弱くでき、充電電圧をより一層向上できる。
一方で、周波数を25〜100Hzと低くすれば、強い
ブレーキ力にすることができる。さらに、チョッピング
信号のデューティ比および周波数の両方を変化させてブ
レーキ実効値を変化させてもよい。なお、チョッピング
信号の周波数やデューティ比はステップ的に変えるので
はなく、周波数変調のように連続的な変化になるように
してもよい。
【0140】また、ブレーキ実効値を可変するための構
成としては、チョッピング信号のデューティ比や周波数
を変化させる場合に限らず、例えば、チョッピング信号
を印加するコイルの回路に可変抵抗器などを設け、コイ
ルの両端をショートした際の抵抗値を変更することでブ
レーキ実効値を可変してもよい。
【0141】前記実施形態では、4ビットのアップダウ
ンカウンタ60を用いていたが、3ビット以下のアップ
ダウンカウンタを用いてもよいし、5ビット以上のアッ
プダウンカウンタを用いても良い。ビット数が大きなア
ップダウンカウンタを用いれば、カウントできる値が増
えるため、累積誤差を記憶できる範囲が大きくでき、特
に発電機20の起動直後等の非ロック状態での制御が有
利になる。一方で、ビット数の小さなカウンタを用いれ
ば、累積誤差を記憶できる範囲が小さくなるが、特にロ
ック状態になればアップおよびダウンを繰り返すことに
なるため、1ビットのカウンタでも対応できるととも
に、コストを低減できる利点がある。
【0142】また、制動制御回路55の構成としては、
アップダウンカウンタを用いたものに限らず、基準信号
fs用および回転検出信号FG1用にそれぞれ設けた第
1および第2の計数手段と、各計数手段の計数値を比較
する比較回路とで構成されたものでもよい。ただし、ア
ップダウンカウンタ60を用いたほうが回路構成が簡易
になるという利点がある。さらに、回転制御装置50と
しては、発電機20の回転周期等を検出してその回転周
期に基づいて強いブレーキ制御および弱いブレーキ制御
を切り替えることができるものであればよく、その具体
的構成は実施にあたって適宜設定すればよい。
【0143】また、整流回路41、ブレーキ回路12
0、制動制御回路55、チョッピング生成回路150、
160、ブレーキ生成回路80,170,180等の具
体的な構成は前記各実施形態に限らず、実施にあたって
適宜設定すればよい。
【0144】また、ブレーキ生成回路80、170,1
80としては、前記各実施形態のように、論理ゲートを
用いたものに限らず、チョッピング生成回路150,1
60からの出力端子を切り替えるスイッチ素子と、この
スイッチ素子を前記発電機の起電圧やブレーキ量などに
応じてコントロールするようにプログラミングされたI
C等とを用いて構成してもよい。
【0145】さらに、発電機20の両端を閉ループとす
るスイッチとしては、前記実施形態のスイッチ21,2
2に限らない。要するに、スイッチは、発電機20の両
端を閉ループとすることが可能なものであればよい。ま
た、整流回路41としては、チョッピング昇圧を利用し
た前記実施形態の構成に限らず、例えば複数のコンデン
サを設け、その接続を切り替えることで昇圧する昇圧回
路等を組み込んで構成してもよく、発電機や整流回路を
組み込む電子制御式機械時計の種類等に応じて適宜設定
すればよい。
【0146】さらに、整流回路41を含むブレーキ回路
としては、前記各実施形態のブレーキ回路120に限ら
ず、発電機20をチョッピング制御できるものであれば
よい。また、前記ブレーキ回路120では、両波に対し
てチョッピングするように構成していたが、半波のみを
チョッピングするように構成してもよい。
【0147】さらに、前記各実施形態におけるチョッピ
ング信号の周波数は、実施にあたって適宜設定すればよ
いが、例えば50Hz(発電機20のロータの回転周波
数の約5倍)程度以上あれば、充電電圧を一定値以上に
維持しながら、ブレーキ性能を向上できる。また、チョ
ッピング信号のデューティ比も、0.05〜0.97の
範囲で実施にあたって適宜設定すればよい。ロータ12
の回転周波数(基準信号)としては、前記実施形態の8
Hzに限らず、10Hz等でもよく、実施にあたって適
宜設定すればよい。
【0148】また、本発明は、前記実施形態のような電
子制御式機械時計に適用するものに限らず、各種腕時
計、置き時計、クロック等の各種時計、携帯型時計、携
帯型の血圧計、携帯電話機、PHS、ページャ、万歩
計、電卓、携帯用パーソナルコンピュータ、電子手帳、
PDA(小型情報端末、「Personal Digital Assistan
t」)、携帯ラジオ、玩具、オルゴール、メトロノー
ム、電気かみそり等にも適用することができる。特に、
本発明では、発電機の回転速度を一定速度に効率的に制
御でき、かつ発電電圧も一定以上に維持することができ
るため、各種電子機器を安定してかつ長時間作動させる
ことができる。このような電子機器としては、建物やビ
ル内に設置されるものでもよいが、特に本発明はゼンマ
イ等の機械的エネルギ源を用いており、外部電源を必要
としないため、屋外等で使用する携帯機器に適してい
る。
【0149】さらに、機械的エネルギ源も、ゼンマイ1
aに限らず、ゴム、スプリング、重錘や、圧縮空気等の
流体でもよく、本発明を適用する対象などに応じて適宜
設定すればよい。さらに、これらの機械的エネルギ源に
機械的エネルギを入力する手段としては、手巻き、回転
錘、位置エネルギ、気圧変化、風力、波力、水力、温度
差等でもよい。また、ゼンマイなどの機械的エネルギ源
からの機械的エネルギを発電機に伝達するエネルギ伝達
装置としては、前記各実施形態のような輪列(歯車)に
限らず、摩擦車、ベルト(タイミングベルト等)及びプ
ーリ、チェーン及びスプロケットホイール、ラック及び
ピニオン、カムなどを利用したものでもよく、本発明を
適用する電子機器の種類などに応じて適宜設定すればよ
い。
【0150】また、時刻表示装置としては、指針13,
14,17に限らず、円板、円環状や円弧形状のものを
用いてもよい。さらに、液晶パネル等を用いたデジタル
表示式の時刻表示装置を用いてもよく、本発明の電子機
器には、このようなデジタル表示式の時計も含まれる。
【0151】また、制動制御回路55としては、前記実
施形態のように、アップダウンカウンタ60、フリップ
フロップ、各種論理素子等のハードウェアで構成された
ものに限らず、CPU(中央処理装置)、メモリ(記憶
装置)等を備えたコンピュータを電子機器に設け、この
コンピュータに所定のプログラムを組み込んで前記ブレ
ーキ制御の機能を実現させるように構成したものでもよ
い。
【0152】例えば、時計等の電子機器内にCPUやメ
モリを配置してコンピュータとして機能できるように構
成し、このメモリに所定の制御プログラムをインターネ
ット等の通信手段や、CD−ROM、メモリカード等の
記録媒体を介してインストールし、このインストールさ
れたプログラムでCPU等を動作させて、制動制御回路
55の機能を実現させればよい。なお、時計等の電子機
器内に所定のプログラムをインストールするには、その
電子機器にメモリカードやCD−ROM等を直接差し込
んで行ってもよいし、これらの記憶媒体を読みとる機器
を外付けで電子機器に接続してもよい。さらには、LA
Nケーブル、電話線等を電子機器に接続して通信によっ
てプログラムを供給しインストールしてもよいし、無線
によってプログラムを供給してインストールしてもよ
い。
【0153】このような記録媒体やインターネット等の
通信手段で提供される本発明の制御プログラムを電子機
器に組み込むようにすれば、電子機器の特性に応じて、
前記各種のブレーキ制御の方法を容易に設定でき、各電
子機器毎により安定した回転制御を行うことができる。
【0154】なお、この各種記録媒体や通信手段等で供
給されるプログラムとしては、少なくとも、機械的エネ
ルギ源と、前記機械的エネルギ源によって駆動されて誘
起電力を発生して電気的エネルギを供給する発電機と、
前記電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転
周期を制御する回転制御装置とを備え、かつ回転制御装
置が、前記発電機の両端を閉ループ状態に接続可能なス
イッチと、前記スイッチに印加してブレーキ制御を行う
ためのチョッピング信号を発生するチョッピング信号発
生部と、制動制御部とを備える電子機器の制御プログラ
ムであって、前記制動制御部を、前記チョッピング信号
の印加によるブレーキ実効値が大きな強ブレーキ制御
と、ブレーキ実効値が強ブレーキ制御よりも小さな中間
ブレーキ制御と、ブレーキ実効値が中間ブレーキ制御よ
りも小さな弱ブレーキ制御との少なくとも3種類の制御
を切り替えて実行することで前記発電機をチョッピング
制御するように機能させるプログラムや、前記チョッピ
ング信号の印加によるブレーキの実効値を、徐々に増加
させる強ブレーキ制御と、徐々に減少させる弱ブレーキ
制御とを切り替えて実行することで、前記発電機をチョ
ッピング制御するように機能させるプログラムや、前記
チョッピング信号の印加によるブレーキ実効値が大きな
強ブレーキ制御と、ブレーキ実効値が強ブレーキ制御よ
りも小さな弱ブレーキ制御との少なくとも2種類の制御
を切り替えて実行することで、前記発電機をチョッピン
グ制御可能に構成され、かつ前記強ブレーキ制御および
弱ブレーキ制御の少なくとも一方は、そのブレーキ力が
徐々に変化するように制御するように機能させるプログ
ラムと、のいずれかのプログラムが含まれていればよ
く、それ以外の制御などを行うプログラムが含まれてい
てもよい。
【0155】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
発電電力の低下を抑えながら発電機のブレーキトルクを
大きくできるとともに、発電機のロータの回転速度の変
動を小さくでき、かつ発電機のロータの停止や速度超過
等を防止できて安定した調速制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における電子制御式機械
時計の要部を示す平面図である。
【図2】図1の要部を示す断面図である。
【図3】図1の要部を示す断面図である。
【図4】第1実施形態の要部の構成を示すブロック図で
ある。
【図5】第1実施形態の電子制御式機械時計の構成を示
す回路図である。
【図6】第1実施形態のチョッピング信号選択手段であ
るブレーキ生成回路を示すブロック図である。
【図7】第1実施形態のブレーキ生成回路の出力信号の
変化を示すタイミングチャートである。
【図8】第1実施形態の制御方法を示すフローチャート
である。
【図9】第2実施形態の電子制御式機械時計の構成を示
す回路図である。
【図10】第2実施形態のチョッピング信号選択手段で
あるブレーキ生成回路を示すブロック図である。
【図11】第2実施形態のブレーキ生成回路の出力信号
の変化を示すタイミングチャートである。
【図12】第3実施形態のチョッピング信号選択手段で
あるブレーキ生成回路を示すブロック図である。
【図13】第3実施形態のブレーキ生成回路の出力信号
の変化を示すタイミングチャートである。
【図14】本発明の変形例のブレーキ生成回路の出力信
号の変化を示すタイミングチャートである。
【図15】本発明の他の変形例のブレーキ生成回路の出
力信号の変化を示すタイミングチャートである。
【図16】本発明の他の変形例のブレーキ生成回路の出
力信号の変化を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 香箱車 1a ゼンマイ 1b 香箱歯車 2 地板 3 輪列受 4 角穴車 5 角穴ネジ 7 二番車 7a 筒かな 7b 筒車 8 三番車 9 四番車 10 五番車 11 六番車 12 ロータ 12a ロータ磁石 12c ロータ慣性円板 13 分針 14 秒針 15 ステータ 15a ステータ体 15b ステータコイル 16 コイルブロック 16a 磁心 16b コイル 17 時針 20 発電機 21,22 スイッチ 23 コンデンサ 24,25 ダイオード 27〜29 電界効果型トランジスタ 40 電源回路 41 倍電圧整流回路 50 回転制御装置 51 発振回路 51A 水晶振動子 52 分周回路 53 回転検出回路 55 制動制御回路 60 アップダウンカウンタ 61 波形整形回路 62 モノマルチバイブレータ 70 同期回路 80,170,180 ブレーキ生成回路 90 初期化回路 120 ブレーキ回路 150,160 チョッピング生成回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 英典 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2F084 AA00 BB01 BB09 CC03 GG02 JJ05 JJ07 5H590 AA22 BB11 CA30 CC02 CC22 CD01 DD06 EB02 FA05 FB03 FC14 HA27 JB01 JB03 JB14

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機械的エネルギ源と、前記機械的エネル
    ギ源によって駆動されて誘起電力を発生して電気的エネ
    ルギを供給する発電機と、前記電気的エネルギにより駆
    動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置
    とを備える電子機器であって、 前記回転制御装置は、 前記発電機の両端を閉ループ状態に接続可能なスイッチ
    と、 前記スイッチに印加してブレーキ制御を行うためのチョ
    ッピング信号を発生するチョッピング信号発生部と、 前記チョッピング信号の印加によるブレーキ実効値が大
    きな強ブレーキ制御と、ブレーキ実効値が強ブレーキ制
    御よりも小さな中間ブレーキ制御と、ブレーキ実効値が
    中間ブレーキ制御よりも小さな弱ブレーキ制御との少な
    くとも3種類の制御を切り替えて実行することで前記発
    電機をチョッピング制御する制動制御部と、 を備えて構成されていることを特徴とする電子機器。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電子機器において、 前記チョッピング信号発生部は、デューティ比および周
    波数の少なくとも一方が互いに相違してスイッチに印加
    した際のブレーキ実効値が異なる少なくとも3種類のチ
    ョッピング信号を発生可能に構成され、 前記制動制御部は、これらの少なくとも3種類のチョッ
    ピング信号から1つのチョッピング信号を選択して前記
    スイッチに印加するチョッピング信号選択手段を備えて
    いることを特徴とする電子機器。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の電子機
    器において、 前記中間ブレーキ制御は、弱ブレーキ制御から強ブレー
    キ制御に切り替えられる過渡期に行われることを特徴と
    する電子機器。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載の電子機
    器において、 前記中間ブレーキ制御は、強ブレーキ制御から弱ブレー
    キ制御に切り替えられる過渡期に行われることを特徴と
    する電子機器。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2に記載の電子機
    器において、 前記中間ブレーキ制御は、弱ブレーキ制御から強ブレー
    キ制御に切り替えられる過渡期と、強ブレーキ制御から
    弱ブレーキ制御に切り替えられる過渡期との両方で行わ
    れることを特徴とする電子機器。
  6. 【請求項6】 機械的エネルギ源と、前記機械的エネル
    ギ源によって駆動されて誘起電力を発生して電気的エネ
    ルギを供給する発電機と、前記電気的エネルギにより駆
    動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置
    とを備える電子機器であって、 前記回転制御装置は、 前記発電機の両端を閉ループ状態に接続可能なスイッチ
    と、 前記スイッチに印加してブレーキ制御を行うためのチョ
    ッピング信号を発生するチョッピング信号発生部と、 前記チョッピング信号の印加によるブレーキの実効値
    を、徐々に増加させる強ブレーキ制御と、徐々に減少さ
    せる弱ブレーキ制御とを切り替えて実行することで、前
    記発電機をチョッピング制御する制動制御部と、 を備えて構成されていることを特徴とする電子機器。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の電子機器において、 前記チョッピング信号発生部は、デューティ比および周
    波数の少なくとも一方が互いに相違してスイッチに印加
    した際のブレーキ実効値が異なる複数種類のチョッピン
    グ信号を発生可能に構成され、 前記制動制御部は、これらの複数のチョッピング信号か
    ら1つのチョッピング信号を順次選択して前記スイッチ
    に印加するチョッピング信号選択手段を備えていること
    を特徴とする電子機器。
  8. 【請求項8】 請求項6または請求項7に記載の電子機
    器において、 前記強ブレーキ制御は、弱ブレーキ制御から強ブレーキ
    制御に切り替えられた際には、所定の大きさのブレーキ
    実効値とされ、その後、ブレーキ力をこのブレーキ実効
    値から徐々に増加させるように制御されることを特徴と
    する電子機器。
  9. 【請求項9】 請求項6〜8のいずれかに記載の電子機
    器において、 前記弱ブレーキ制御は、強ブレーキ制御から弱ブレーキ
    制御に切り替えられた際には、所定の大きさのブレーキ
    実効値とされ、その後、ブレーキ力をこのブレーキ実効
    値から徐々に減少させるように制御されることを特徴と
    する電子機器。
  10. 【請求項10】 請求項8または請求項9に記載の電子
    機器において、 前記所定の大きさのブレーキ実効値は、予め設定された
    固定値であることを特徴とする電子機器。
  11. 【請求項11】 請求項8または請求項9に記載の電子
    機器において、 前記所定の大きさのブレーキ実効値は、その制御に切り
    替えられる直前に印加されたブレーキ実効値を基準に設
    定される値であることを特徴とする電子機器。
  12. 【請求項12】 機械的エネルギ源と、前記機械的エネ
    ルギ源によって駆動されて誘起電力を発生して電気的エ
    ネルギを供給する発電機と、前記電気的エネルギにより
    駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装
    置とを備える電子機器であって、 前記回転制御装置は、 前記発電機の両端を閉ループ状態に接続可能なスイッチ
    と、 前記スイッチに印加してブレーキ制御を行うためのチョ
    ッピング信号を発生するチョッピング信号発生部と、 前記チョッピング信号の印加によるブレーキ実効値が大
    きな強ブレーキ制御と、ブレーキ実効値が強ブレーキ制
    御よりも小さな弱ブレーキ制御との少なくとも2種類の
    制御を切り替えて実行することで、前記発電機をチョッ
    ピング制御可能に構成され、かつ前記強ブレーキ制御お
    よび弱ブレーキ制御の少なくとも一方は、そのブレーキ
    力が徐々に変化するように制御する制動制御部と、 を備えて構成されていることを特徴とする電子機器。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の電子機器におい
    て、 前記徐々に変化するブレーキは所定の大きさから開始さ
    れることを特徴とする電子機器。
  14. 【請求項14】 機械的エネルギ源と、前記機械的エネ
    ルギ源によって駆動されて誘起電力を発生して電気的エ
    ネルギを供給する発電機と、前記電気的エネルギにより
    駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装
    置と、前記発電機の回転に連動して作動される時刻表示
    装置とを備える電子制御式機械時計であって、 前記回転制御装置は、 前記発電機の両端を閉ループ状態に接続可能なスイッチ
    と、 前記スイッチに印加してブレーキ制御を行うためのチョ
    ッピング信号を発生するチョッピング信号発生部と、 前記チョッピング信号の印加によるブレーキ実効値が大
    きな強ブレーキ制御と、ブレーキ実効値が強ブレーキ制
    御よりも小さな中間ブレーキ制御と、ブレーキ実効値が
    中間ブレーキ制御よりも小さな弱ブレーキ制御との少な
    くとも3種類の制御を切り替えて実行することで、前記
    発電機をチョッピング制御する制動制御部と、 を備えて構成されていることを特徴とする電子制御式機
    械時計。
  15. 【請求項15】 機械的エネルギ源と、前記機械的エネ
    ルギ源によって駆動されて誘起電力を発生して電気的エ
    ネルギを供給する発電機と、前記電気的エネルギにより
    駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装
    置と、前記発電機の回転に連動して作動される時刻表示
    装置とを備える電子制御式機械時計であって、 前記回転制御装置は、 前記発電機の両端を閉ループ状態に接続可能なスイッチ
    と、 前記スイッチに印加してブレーキ制御を行うためのチョ
    ッピング信号を発生するチョッピング信号発生部と、 前記チョッピング信号の印加によるブレーキの実効値
    を、徐々に増加させる強ブレーキ制御と、徐々に減少さ
    せる弱ブレーキ制御とを切り替えて実行することで、前
    記発電機をチョッピング制御する制動制御部と、 を備えて構成されていることを特徴とする電子制御式機
    械時計。
  16. 【請求項16】 機械的エネルギ源と、前記機械的エネ
    ルギ源によって駆動されて誘起電力を発生して電気的エ
    ネルギを供給する発電機と、前記電気的エネルギにより
    駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装
    置と、前記発電機の回転に連動して作動される時刻表示
    装置とを備える電子制御式機械時計であって、 前記回転制御装置は、 前記発電機の両端を閉ループ状態に接続可能なスイッチ
    と、 前記スイッチに印加してブレーキ制御を行うためのチョ
    ッピング信号を発生するチョッピング信号発生部と、 前記チョッピング信号の印加によるブレーキ実効値が大
    きな強ブレーキ制御と、ブレーキ実効値が強ブレーキ制
    御よりも小さな弱ブレーキ制御との少なくとも2種類の
    制御を切り替えて実行することで、前記発電機をチョッ
    ピング制御可能に構成され、かつ前記強ブレーキ制御お
    よび弱ブレーキ制御の少なくとも一方は、そのブレーキ
    力が徐々に変化するように制御する制動制御部と、 を備えて構成されていることを特徴とする電子制御式機
    械時計。
  17. 【請求項17】 機械的エネルギ源と、前記機械的エネ
    ルギ源によって駆動されて誘起電力を発生して電気的エ
    ネルギを供給する発電機と、前記電気的エネルギにより
    駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装
    置とを備える電子機器の制御方法であって、 前記発電機の両端を閉ループ状態に接続可能なスイッチ
    にチョッピング信号を印加してブレーキ制御を行うとと
    もに、前記チョッピング信号の印加によるブレーキ実効
    値が大きな強ブレーキ制御と、ブレーキ実効値が強ブレ
    ーキ制御よりも小さな中間ブレーキ制御と、ブレーキ実
    効値が中間ブレーキ制御よりも小さな弱ブレーキ制御と
    の少なくとも3種類の制御を切り替えて実行すること
    で、前記発電機をチョッピング制御することを特徴とす
    る電子機器の制御方法。
  18. 【請求項18】 機械的エネルギ源と、前記機械的エネ
    ルギ源によって駆動されて誘起電力を発生して電気的エ
    ネルギを供給する発電機と、前記電気的エネルギにより
    駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装
    置とを備える電子機器の制御方法であって、 前記発電機の両端を閉ループ状態に接続可能なスイッチ
    にチョッピング信号を印加してブレーキ制御を行うとと
    もに、前記チョッピング信号の印加によるブレーキの実
    効値を、徐々に増加させる強ブレーキ制御と、徐々に減
    少させる弱ブレーキ制御とを切り替えて実行すること
    で、前記発電機をチョッピング制御することを特徴とす
    る電子機器の制御方法。
  19. 【請求項19】 機械的エネルギ源と、前記機械的エネ
    ルギ源によって駆動されて誘起電力を発生して電気的エ
    ネルギを供給する発電機と、前記電気的エネルギにより
    駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装
    置とを備える電子機器の制御方法であって、 前記発電機の両端を閉ループ状態に接続可能なスイッチ
    にチョッピング信号を印加してブレーキ制御を行うとと
    もに、前記チョッピング信号の印加によるブレブレーキ
    実効値が大きな強ブレーキ制御と、ブレーキ実効値が強
    ブレーキ制御よりも小さな弱ブレーキ制御との少なくと
    も2種類の制御を切り替えて実行することで、前記発電
    機をチョッピング制御するとともに、前記強ブレーキ制
    御および弱ブレーキ制御の少なくとも一方はそのブレー
    キ力が徐々に変化するように制御することを特徴とする
    電子機器の制御方法。
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