JP3726543B2 - 電子制御式電子機器、電子制御式機械時計 - Google Patents

電子制御式電子機器、電子制御式機械時計 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子制御式電子機器、電子制御式機械時計関し、詳しくは、機械的エネルギ源と、この機械的エネルギ源に連結された輪列により駆動されるとともに誘起電力を発生して電気的エネルギを出力する発電機と、当該発電機から出力された電気的エネルギを蓄える蓄電装置と、この蓄電装置から供給された電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置とを有する電子制御式電子機器、電子制御式機械時計関する。
【0002】
【背景技術】
ゼンマイが開放する時の機械的エネルギを発電機で電気的エネルギに変換し、その電気的エネルギにより回転制御装置を作動させて発電機のコイルに流れる電流値を制御することにより、輪列に固定される指針を正確に駆動して正確に時刻を表示する電子制御式機械時計として、特開平8−5758号公報に記載されたものが知られている。
【0003】
この際、発電機による電気エネルギを一旦、電源用コンデンサに供給し、このコンデンサからの電力で回路制御手段を駆動しているが、このコンデンサには発電機の回転周期と同期した交流の起電力が入力されるため、IC(電子回路、ロジック回路)や発振回路(水晶振動子)を備える回路制御手段の動作を可能とするための電力を長期間保持する必要がなかった。このため、ICや発振回路を数秒程度動作可能な静電容量の比較的小さなコンデンサ、例えば10μF程度のコンデンサが用いられていた。
【0004】
この電子制御式機械時計は、指針の駆動をゼンマイを動力源とするためにモータが不要であり、部品点数が少なく安価であるという特徴がある。その上、電子回路を作動させるのに必要な僅かな電気エネルギを発電するだけでよく、少ない入力エネルギで時計を作動することもできた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電子制御式機械時計は、以下の課題を有している。すなわち、通常はリューズを引き出して行う針合わせ(時刻合わせ)を行う場合、正確に時刻を合わせられるように、時、分、秒の各指針を停止させていた。指針を停止することは、輪列を停止させることになるため、発電機も停止されていた。
【0006】
このため、発電機から平滑用コンデンサへの起電力の入力が停止する一方で、ICは駆動し続けるため、コンデンサに蓄えられた電荷はIC側に放電されて端子電圧が徐々に低下し、その結果、発電機の停止時間が長くなると、ICに加わる電圧が発振停止電圧(例えば0.6V)を下回ってしまい、回転制御装置も停止していた。
【0007】
なお、ICの発振が停止した場合には、消費電流は少なくなり、コンデンサの電圧低下も非常に遅くなるため、コンデンサの電圧が発振停止電圧を下回った場合の針合わせ終了時には、通常、コンデンサは、発振停止電圧よりもやや低下した0.3〜0.4V程度の電圧になる。また、針合わせ時間が数十分以上と非常に長くなると、コンデンサの電圧が「0」まで低下することもある。
【0008】
このため、針合わせを終えてリューズを押し込み、発電機が回転を開始しても、放電されて電圧が発振停止電圧以下のコンデンサを、回転制御装置の駆動開始電圧(ICを駆動可能な電圧)に達する電圧まで充電するのには時間がかかり、その間はICが動作せず、正確な時間制御を行えないという問題があった。
【0009】
このため、針合わせ操作等で発電機が停止した際にも、できるだけ回転制御装置を作動し続けて回転制御装置が停止することを防止したいという要望があった。
【0010】
さらに、電子制御式機械時計以外でも、回転錘を動かして発電する自動巻発電式時計等の各種の発電装置を備える電子制御式時計や、ゼンマイやゴムなどの機械的エネルギ源によって回転制御される部分を有するオルゴールやメトロノーム、電気かみそりなどの発電機とこの発電機によって供給される電気的エネルギで作動される回転制御装置とを備えた各種電子制御式電子機器においても、発電機が停止した際の回転制御装置の持続時間を延長したいという要望は常に生じていた。
【0011】
また、発電機が停止した際だけではなく、ゼンマイ等の機械的エネルギ源からの機械的エネルギが減少して発電機が回転速度が落ち、発電機での発電電圧が低下した際にも、回転制御装置の持続時間を延長したいという要望もあった。
【0012】
本発明の目的は、発電機が停止した際や発電機の発電電圧が低下した際に回転制御装置の持続時間を長くすることができる電子制御式電子機器、電子制御式機械時計提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子制御式電子機器は、機械的エネルギ源と、この機械的エネルギ源に連結された輪列により駆動されるとともに誘起電力を発生して電気的エネルギを出力する発電機と、当該発電機から出力された電気的エネルギを蓄える第1の蓄電装置と、この第1の蓄電装置から供給された電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置と、この回転制御装置に対してスイッチを介して並列に接続された第2の蓄電装置とを備えて構成されるとともに、前記第2の蓄電装置を充電する時と前記第2の蓄電装置から回転制御装置に電気的エネルギを供給する時に前記スイッチを接続するスイッチ制御装置と、を備え、前記スイッチ制御装置は、前記発電機が停止状態にあってから前記機械的エネルギ源に機械的エネルギが蓄えられて前記発電機が回転し始めるシステムの動作開始時に前記スイッチを接続して前記発電機からの電気的エネルギで第1の蓄電装置とともに第2の蓄電装置を充電するように構成されていることを特徴とする。
また、本発明の電子制御式電子機器は、機械的エネルギ源と、この機械的エネルギ源に連結された輪列により駆動されるとともに誘起電力を発生して電気的エネルギを出力する発電機と、当該発電機から出力された電気的エネルギを蓄える第1の蓄電装置と、この第1の蓄電装置から供給された電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置と、この回転制御装置に対してスイッチを介して並列に接続された第2の蓄電装置とを備えて構成されるとともに、前記第2の蓄電装置を充電する時と前記第2の蓄電装置から回転制御装置に電気的エネルギを供給する時に前記スイッチを接続するスイッチ制御装置と、を備え、前記機械的エネルギ源はゼンマイであり、前記スイッチ制御装置は、前記ゼンマイの巻上げが完了した時点で前記スイッチを接続して第2の蓄電装置を充電するように構成されていることを特徴とする。
更に、本発明の電子制御式電子機器は、機械的エネルギ源と、この機械的エネルギ源に連結された輪列により駆動されるとともに誘起電力を発生して電気的エネルギを出力する発電機と、当該発電機から出力された電気的エネルギを蓄える第1の蓄電装置と、この第1の蓄電装置から供給された電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置と、この回転制御装置に対してスイッチを介して並列に接続された第2の蓄電装置とを備えて構成されるとともに、前記第2の蓄電装置を充電する時と前記第2の蓄電装置から回転制御装置に電気的エネルギを供給する時に前記スイッチを接続するスイッチ制御装置と、前記第2の蓄電装置への充電電圧を昇圧する昇圧回路とを備え、前記昇圧回路は、昇圧用蓄電装置を備えて構成され、この昇圧用蓄電装置は昇圧回路の作動時に前記第1の蓄電装置とは切り離されていることを特徴とする。
【0014】
このような本発明では、例えばシステムの動作開始時など、比較的発電量に余裕がある時に、スイッチを接続して第2の蓄電装置を充電しておく。また、通常のシステム作動時には、スイッチを切って第2の蓄電装置の電圧を維持する。
【0015】
そして、機械的エネルギ源からのエネルギが低下するなどで発電機の発電電圧が低下して第1の蓄電装置の電圧が設定電圧以下に低下した場合や、通常動作時の外乱や針合わせ操作等で発電機が停止した場合には、スイッチ制御装置でスイッチを接続し、第2の蓄電装置からも回転制御装置に電力を供給する。
【0016】
このため、発電機が停止した際等に、第1の蓄電装置だけではなく、第2の蓄電装置をも用いて電気的エネルギを供給できるため、従来に比べて回転制御装置が停止するまでの時間つまり持続時間を長くすることができる。例えば、第1の蓄電装置と同容量の第2の蓄電装置を設ければ、持続時間を約2倍にすることができる。
【0017】
この際、前記スイッチ制御装置は、前記第1の蓄電装置の電圧が設定電圧以下に低下した際に、前記スイッチを接続して第2の蓄電装置から前記回転制御装置に電気的エネルギを供給することが好ましい。
【0018】
第1の蓄電装置の電圧が設定電圧以下に低下した際にスイッチを接続して第2の蓄電装置から回転制御装置に電気的エネルギを供給すれば、第1の蓄電装置が回転制御装置の発振を停止してしまう電圧に低下する前に確実に電気的エネルギを供給できるため、回転制御装置の持続時間を確実に長くすることができる。
【0019】
また、前記スイッチ制御装置は、前記発電機が停止した際に、前記スイッチを接続して第2の蓄電装置から前記回転制御装置に電気的エネルギを供給するものでもよい。
【0020】
発電機が停止した際にスイッチを接続すれば、第1の蓄電装置の電圧が低下する前に第2の蓄電装置からも電気的エネルギを供給でき、各蓄電装置の電圧差が小さい状態で各蓄電装置を並列接続できるため、回転制御装置に効果的に電気的エネルギを供給することができる。
【0021】
この際、前記スイッチ制御装置は、システムの動作開始時に前記スイッチを接続して前記発電機からの電気的エネルギで第1の蓄電装置とともに第2の蓄電装置を充電するように構成されていることが好ましい。
【0022】
機械的エネルギ源としてゼンマイなどを用いた場合、通常、ゼンマイもフル巻つまり巻上げを完了した状態としてから、システムの動作を開始する。このため、システム開始時には通常、発電機に加わる機械的エネルギのトルクも大きく、発電電力も大きいため、第1の蓄電装置と共に第2の蓄電装置を充電する場合でも効率的にかつ短時間で充電することができる。
【0023】
また、前記スイッチ制御装置は、前記発電機が通常の回転動作を行っており前記第2の蓄電装置の充電、放電を行っていない通常動作時に、一定間隔で前記スイッチを接続して前記第2の蓄電装置を充電するように構成されていてもよい。
【0024】
前記スイッチが電気的なスイッチで構成されている場合や、電気スイッチを有する昇圧回路等が第2の蓄電装置に接続されている場合、前記スイッチを切断していても、第2の蓄電装置においてスイッチの切断状態を維持するための電力が僅かながら消費される。このため、一定時間、例えば1時間毎や1日毎に、一定時間スイッチを接続して第2の蓄電装置を充電するように構成すれば、電気スイッチなどで消費される分を補うことができ、第2の蓄電装置を常に所定電圧以上に維持することができ、スイッチが接続された際に常に所定電圧の電気的エネルギを回転制御装置に供給することができる。
【0025】
さらに、前記機械的エネルギ源はゼンマイであり、前記スイッチ制御装置は、前記ゼンマイの巻上げが完了した時点で前記スイッチを接続して第2の蓄電装置を充電するように構成されていることが好ましい。
【0026】
機械的エネルギ源としてゼンマイを用いた場合に、ゼンマイの巻上げを完了してから第2の蓄電装置を充電すれば、発電機の発電電力が大きい状態で充電でき、効率的にかつ短時間で充電することができる。
【0027】
また、前記第2の蓄電装置への充電電圧を昇圧する昇圧回路を備えることが好ましい。
【0028】
昇圧回路を備えていれば、第2の蓄電装置の蓄電電圧を第1の蓄電装置よりも高くすることができ、スイッチを接続して第2の蓄電装置を用いて回転制御装置を駆動する際の持続時間をより長くすることができる。
【0029】
この際、前記昇圧回路は、昇圧用蓄電装置を備えて構成され、この昇圧用蓄電装置は通常動作時に前記第1の蓄電装置と並列に接続されていることが好ましい。通常動作時に、昇圧用蓄電装置が第1の蓄電装置と並列接続されていれば、第1の蓄電装置だけでなく昇圧用蓄電装置をも利用して回転制御装置に電気的エネルギを供給することができる。このため、回転制御装置に対する電源となる蓄電装置(第1の蓄電装置及び昇圧用蓄電装置)の容量が大きくなり、電源を安定させることができ、回転制御装置の動作もより安定させることができる。
【0030】
また、前記昇圧回路は、昇圧用蓄電装置を備えて構成され、この昇圧用蓄電装置は昇圧回路の作動時に前記第1の蓄電装置とは切り離されていることが好ましい。
【0031】
通常動作時あるいは昇圧動作の直前に、例えば2つの昇圧用蓄電装置を第1の蓄電装置とそれぞれ並列に接続して充電した後、前記2つの昇圧用蓄電装置を直列に接続して第2の蓄電装置に接続すれば、2倍の電圧で第2の蓄電装置を充電することができる。この昇圧回路の作動時に、各昇圧用蓄電装置を第1の蓄電装置と切り離せば、昇圧時に第1の蓄電装置の電圧が急激に降下することがなく、回転制御装置の動作も安定させることができる。
【0032】
この前記スイッチとしては、電気的なスイッチでもよいが、機械式スイッチであることが好ましい。電気的なスイッチを用いた場合には、機械式スイッチのように完全に電力の供給を遮断できないことがあるが、その場合でも、電気的スイッチを構成するシリコンダイオードのリーク電流(数pA程度)しか放電しないため、スイッチの遮断効果は機械式スイッチの場合とほとんど同じである。但し、機械式スイッチを用いれば、電力の供給を完全に遮断できる点で好ましい。
【0033】
また、本発明の電子制御式機械時計は、機械的エネルギ源と、この機械的エネルギ源に連結された輪列により駆動されるとともに誘起電力を発生して電気的エネルギを出力する発電機と、当該発電機から出力された電気的エネルギを蓄える第1の蓄電装置と、この第1の蓄電装置から供給された電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置と、この回転制御装置に対してスイッチを介して並列に接続された第2の蓄電装置と、前記輪列に結合された指針とを備えて構成されるとともに、前記第2の蓄電装置を充電する時と前記第2の蓄電装置から回転制御装置に電気的エネルギを供給する時に前記スイッチを接続するスイッチ制御装置と、を備え、前記スイッチ制御装置は、前記発電機が停止状態にあってから前記機械的エネルギ源に機械的エネルギが蓄えられて前記発電機が回転し始めるシステムの動作開始時に前記スイッチを接続して前記発電機からの電気的エネルギで第1の蓄電装置とともに第2の蓄電装置を充電するように構成されていることを特徴とする。
また、本発明の電子制御式機械時計は、機械的エネルギ源と、この機械的エネルギ源に連結された輪列により駆動されるとともに誘起電力を発生して電気的エネルギを出力する発電機と、当該発電機から出力された電気的エネルギを蓄える第1の蓄電装置と、この第1の蓄電装置から供給された電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置と、この回転制御装置に対してスイッチを介して並列に接続された第2の蓄電装置と、前記輪列に結合された指針とを備えて構成されるとともに、前記第2の蓄電装置を充電する時と前記第2の蓄電装置から回転制御装置に電気的エネルギを供給する時に前記スイッチを接続するスイッチ制御装置と、を備え、前記機械的エネルギ源はゼンマイであり、前記スイッチ制御装置は、前記ゼンマイの巻上げが完了した時点で前記スイッチを接続して第2の蓄電装置を充電するように構成されていることを特徴とする。
加えて、本発明の電子制御式機械時計は、機械的エネルギ源と、この機械的エネルギ源に連結された輪列により駆動されるとともに誘起電力を発生して電気的エネルギを出力する発電機と、当該発電機から出力された電気的エネルギを蓄える第1の蓄電装置と、この第1の蓄電装置から供給された電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置と、この回転制御装置に対してスイッチを介して並列に接続された第2の蓄電装置と、前記輪列に結合された指針とを備えて構成されるとともに、前記第2の蓄電装置を充電する時と前記第2の蓄電装置から回転制御装置に電気的エネルギを供給する時に前記スイッチを接続するスイッチ制御装置と、前記第2の蓄電装置への充電電圧を昇圧する昇圧回路とを備え、前記昇圧回路は、昇圧用蓄電装置を備えて構成され、この昇圧用蓄電装置は昇圧回路の作動時に前記第1の蓄電装置とは切り離されていることを特徴とする。
【0034】
このような本発明においても、例えばシステムの動作開始時など、比較的発電量に余裕がある時に、スイッチを接続して第2の蓄電装置を充電しておく。また、通常のシステム作動時には、スイッチを切って第2の蓄電装置の電圧を維持する。そして、機械的エネルギ源からのエネルギが低下するなどで発電機の発電電圧が低下して第1の蓄電装置の電圧が設定電圧以下に低下した場合や、発電機が停止した場合には、スイッチ制御装置でスイッチを接続し、第2の蓄電装置からも回転制御装置に電力を供給する。
【0035】
このため、発電機が停止した際等に、第1の蓄電装置だけではなく、第2の蓄電装置をも用いて電気的エネルギを供給できるため、従来に比べて回転制御装置が停止するまでの時間つまり持続時間を長くすることができる。例えば、第1の蓄電装置と同容量の第2の蓄電装置を設ければ、持続時間を約2倍にすることができる。
【0036】
従って、発電機が停止する針合わせ操作時においても、回転制御装置の持続時間を長くでき、例えば従来であれば、針合わせ操作が3分以上掛かると、回転制御装置が停止していたものが、本発明では、針合わせ操作に5〜8分程度掛かっても回転制御装置を作動し続けることができる。このため、通常の針合わせ操作であれば回転制御装置を停止させることなく行うことができ、針合わせ操作からの復帰時の時間指示の誤差も無くすことができる。
【0037】
この際、前記スイッチ制御装置は、前記第1の蓄電装置の電圧が設定電圧以下に低下した際に、前記スイッチを接続して第2の蓄電装置から前記回転制御装置に電気的エネルギを供給することが好ましい。
【0038】
第1の蓄電装置の電圧が設定電圧以下に低下した際にスイッチを接続して第2の蓄電装置から回転制御装置に電気的エネルギを供給すれば、第1の蓄電装置が回転制御装置の発振を停止してしまう電圧に低下する前に確実に電気的エネルギを供給できるため、回転制御装置の持続時間を確実に長くすることができる。
【0039】
また、前記スイッチ制御装置は、前記発電機が停止した際に、前記スイッチを接続して第2の蓄電装置から前記回転制御装置に電気的エネルギを供給するものでもよい。
【0040】
発電機が停止した際にスイッチを接続すれば、第1の蓄電装置の電圧が低下する前に第2の蓄電装置からも電気的エネルギを供給でき、各蓄電装置の電圧差が小さい状態で各蓄電装置を並列接続できるため、回転制御装置に効果的に電気的エネルギを供給することができる。
【0041】
この際、前記スイッチ制御装置は、システムの動作開始時に前記スイッチを接続して前記発電機からの電気的エネルギで第1の蓄電装置とともに第2の蓄電装置を充電するように構成されていることが好ましい。
【0042】
機械的エネルギ源としてゼンマイなどを用いた場合、通常、ゼンマイもフル巻つまり巻上げを完了した状態としてから、システムの動作を開始する。このため、システム開始時には通常、発電機に加わる機械的エネルギのトルクも大きく、発電電力も大きいため、第1の蓄電装置と共に第2の蓄電装置を充電する場合でも効率的にかつ短時間で充電することができる。
【0043】
また、前記スイッチ制御装置は、前記発電機が通常の回転動作を行っており前記第2の蓄電装置の充電、放電を行っていない通常動作時に、一定間隔で前記スイッチを接続して前記第2の蓄電装置を充電するように構成されていてもよい。
【0044】
前記スイッチが電気的なスイッチで構成されている場合や、電気スイッチを有する昇圧回路等が第2の蓄電装置に接続されている場合、前記スイッチを切断していても、第2の蓄電装置においてスイッチの切断状態を維持するための電力が僅かながら消費される。このため、一定時間、例えば1時間毎や1日毎に、一定時間スイッチを接続して第2の蓄電装置を充電するように構成すれば、電気スイッチなどで消費される分を補うことができ、第2の蓄電装置を常に所定電圧以上に維持することができ、スイッチが接続された際に常に所定電圧の電気的エネルギを回転制御装置に供給することができる。
【0045】
さらに、前記機械的エネルギ源はゼンマイであり、前記スイッチ制御装置は、前記ゼンマイの巻上げが完了した時点で前記スイッチを接続して第2の蓄電装置を充電するように構成されていることが好ましい。
【0046】
機械的エネルギ源としてゼンマイを用いた場合に、ゼンマイの巻上げを完了してから第2の蓄電装置を充電すれば、発電機の発電電力が大きい状態で充電でき、効率的にかつ短時間で充電することができる。
【0047】
また、前記第2の蓄電装置への充電電圧を昇圧する昇圧回路を備えることが好ましい。
【0048】
昇圧回路を備えていれば、第2の蓄電装置の蓄電電圧を第1の蓄電装置よりも高くすることができ、スイッチを接続して第2の蓄電装置を用いて回転制御装置を駆動する際の持続時間をより長くすることができる。
【0049】
この際、前記昇圧回路は、昇圧用蓄電装置を備えて構成され、この昇圧用蓄電装置は通常動作時に前記第1の蓄電装置と並列に接続されていることが好ましい。通常動作時に、昇圧用蓄電装置が第1の蓄電装置と並列接続されていれば、第1の蓄電装置だけでなく昇圧用蓄電装置をも利用して回転制御装置に電気的エネルギを供給することができる。このため、回転制御装置に対する電源となる蓄電装置(第1の蓄電装置及び昇圧用蓄電装置)の容量が大きくなり、電源を安定させることができ、回転制御装置の動作もより安定させることができる。特に、電子制御式機械時計においては、第1の蓄電装置の容量が小さいため、昇圧用蓄電装置を加えて容量を大きくすることで、電源を一層安定化させることができる利点がある。
【0050】
また、前記昇圧回路は、昇圧用蓄電装置を備えて構成され、この昇圧用蓄電装置は昇圧回路の作動時に前記第1の蓄電装置とは切り離されていることが好ましい。
【0051】
通常動作時あるいは昇圧動作の直前に、例えば2つの昇圧用蓄電装置を第1の蓄電装置とそれぞれ並列に接続して充電した後、前記2つの昇圧用蓄電装置を直列に接続して第2の蓄電装置に接続すれば、2倍の電圧で第2の蓄電装置を充電することができる。この昇圧回路の作動時に、各昇圧用蓄電装置を第1の蓄電装置と切り離せば、昇圧時に第1の蓄電装置の電圧が急激に降下することがなく、回転制御装置の動作も安定させることができる。特に、電子制御式機械時計では、第1の蓄電装置の容量が小さく、電圧降下の影響も大きいため、昇圧用蓄電装置を切り離すことで第1の蓄電装置の電圧降下を効果的に防止できる利点がある。
【0052】
この前記スイッチとしては、電気的なスイッチでもよいが、機械式スイッチであることが好ましい。電気的なスイッチを用いた場合には、機械式スイッチのように完全に電力の供給を遮断できないことがあるが、その場合でも、電気的スイッチを構成するシリコンダイオードのリーク電流(1pA程度)しか放電しないため、スイッチの遮断効果は機械式スイッチの場合とほとんど同じである。但し、機械式スイッチを用いれば、電力の供給を完全に遮断できる点で好ましい。
【0053】
更に本発明は、機械的エネルギ源と、この機械的エネルギ源に連結された輪列により駆動されるとともに誘起電力を発生して電気的エネルギを出力する発電機と、当該発電機から出力された電気的エネルギを蓄える第1の蓄電装置と、この第1の蓄電装置から供給された電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置とを有する電子制御式電子機器の制御方法であって、前記回転制御装置に対してスイッチを介して接続されて回転制御装置に電気的エネルギを供給可能な第2の蓄電装置を設け、前記スイッチを接続して前記第2の蓄電装置を充電した後、前記スイッチを切断して第2の蓄電装置の電圧を維持するとともに、前記第1の蓄電装置の電圧が設定電圧以下に低下した際に、再度前記スイッチを接続して第2の蓄電装置からも前記回転制御装置に電気的エネルギを供給するようにしてもよい
【0054】
第1の蓄電装置の電圧が設定電圧以下に低下した際にスイッチを接続して第2の蓄電装置から回転制御装置に電気的エネルギを供給しているので、第1の蓄電装置が回転制御装置の発振を停止してしまう電圧に低下する前に確実に電気的エネルギを供給でき、回転制御装置の持続時間を確実に長くすることができる。
【0055】
また本発明は、機械的エネルギ源と、この機械的エネルギ源に連結された輪列により駆動されるとともに誘起電力を発生して電気的エネルギを出力する発電機と、当該発電機から出力された電気的エネルギを蓄える第1の蓄電装置と、この第1の蓄電装置から供給された電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置とを有する電子制御式電子機器の制御方法であって、前記回転制御装置に対してスイッチを介して接続されて回転制御装置に電気的エネルギを供給可能な第2の蓄電装置を設け、前記スイッチを接続して前記第2の蓄電装置を充電した後、前記スイッチを切断して第2の蓄電装置の電圧を維持するとともに、前記発電機が停止した際に、再度前記スイッチを接続して第2の蓄電装置からも前記回転制御装置に電気的エネルギを供給するようにしてもよい
【0056】
発電機が停止した際にスイッチを接続すれば、第1の蓄電装置の電圧が低下する前に第2の蓄電装置からも電気的エネルギを供給でき、各蓄電装置の電圧差が小さい状態で各蓄電装置を並列接続できるため、回転制御装置に効果的に電気的エネルギを供給することができる。
【0057】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0058】
図1には、本発明の一実施形態の電子制御式機械時計を示すブロック図が示され、図2にはその回路図が示されている。
【0059】
電子制御式機械時計は、機械的エネルギ源としてのゼンマイ1aと、ゼンマイ1aのトルクを発電機20に伝達する増速輪列7と、増速輪列7に連結されて時刻表示を行う指針13とを備えている。
【0060】
発電機20は、増速輪列7を介してゼンマイ1aによって駆動され、誘起電力を発生して電気的エネルギを供給する。この発電機20からの交流出力は、昇圧整流、全波整流、半波整流、トランジスタ整流等からなる整流回路21を通して整流され、必要に応じて昇圧されコンデンサ等で構成された電源回路22に充電供給される。
【0061】
調速機に兼用される発電機20には、図2に示すように、ブレーキ回路70が組み込まれている。
【0062】
このブレーキ回路70は、発電機20で発電された交流信号(交流電流)が入力される第1の交流入力端子MG1に接続された第1のスイッチ71と、前記交流信号が入力される第2の交流入力端子MG2に接続された第2のスイッチ72とを有し、これらのスイッチ71,72を同時にオンすることにより、第1、第2の交流入力端子MG1,MG2を短絡させてショートブレーキを掛けるようになっている。
【0063】
第1のスイッチ71は、第2の交流入力端子MG2にゲートが接続されたPchの第1の電界効果型トランジスタ(FET)76と、後述する制御回路56からのチョッパ信号(チョッパパルス)P1がゲートに入力される第2の電界効果型トランジスタ77とが並列に接続されて構成されている。
【0064】
また、第2のスイッチ72は、第1の交流入力端子MG1にゲートが接続されたPchの第3の電界効果型トランジスタ(FET)78と、制御回路56からのチョッパ信号(チョッパパルス)P1がゲートに入力される第4の電界効果型トランジスタ79とが並列に接続されて構成されている。
【0065】
そして、発電機20に接続された昇圧用のコンデンサ73、ダイオード74,75、第1のスイッチ71、第2のスイッチ72を備えて整流回路21が構成されている。なお、ダイオード74,75としては、一方向に電流を流す一方向性素子であればよく、その種類は問わない。特に、電子制御式機械時計では、発電機20の起電圧が小さいため、ダイオード74,75としては、降下電圧Vfが小さくかつ逆リーク電流が極めて小さいショットキーバリアダイオードを用いることが好ましい。
【0066】
そして、この整流回路21で整流された直流信号は、電源回路22に充電される。
【0067】
この電源回路22は、図2に示すように、第1の蓄電装置である第1コンデンサ25と、この第1コンデンサ25つまりは回転制御装置50に対してスイッチ26を介して並列に接続された第2の蓄電装置である第2コンデンサ27とを備えて構成されている。
【0068】
前記ブレーキ回路70は、電源回路22から供給される電力によって駆動される電子回路(IC)である回転制御装置50によって制御されている。回転制御装置50は、図1に示すように、発振回路51、ロータの回転検出回路53、ブレーキの制御回路56を備えて構成されている。
【0069】
発振回路51は、時間標準源である水晶振動子51Aを用いて発振信号(32768Hz)を出力し、この発振信号を分周回路によってある一定周期まで分周して基準信号fsとして出力している。
【0070】
回転検出回路53は、発電機20に接続された波形整形回路等で構成され、発電機20の交流出力を矩形波等に変換し、ノイズを除去して回転検出信号FG1として出力している。
【0071】
制御回路56は、回転検出信号FG1を基準信号fsと比較し、その差に応じたチョッパパルスP1を出力するように構成され、出力されたチョッパ信号P1は、スイッチ71,72の各トランジスタ77,79のゲートにそれぞれ入力されている。
【0072】
これにより、出力P1からLレベル信号が出力されると、スイッチ71,72はオン状態に維持され、発電機20がショートされてブレーキが掛かる。一方、出力P1からHレベル信号が出力されると、スイッチ71,72はオフ状態に維持され、発電機20にはブレーキが加わらない。従って、出力P1からのチョッパ信号によって発電機20をチョッパリング制御することができ、このチョッパ信号を出力する制御回路56を含む回転制御装置50によってスイッチ71,72を断続してチョッパリングする制御装置が構成されている。
【0073】
また、回転制御装置50には、前記スイッチ26の断続を制御するスイッチ制御装置58が設けられている。
【0074】
スイッチ制御装置58は、本実施形態では、〔1〕システム動作開始時と、〔3〕針合わせ操作直後(リューズ押し込み時)に前記スイッチを接続して第2コンデンサ27を充電し、かつ〔2〕針合わせ操作時(リューズ引き出し時)にスイッチを接続して第2コンデンサ27の電力も用いて回転制御装置50を駆動するように構成されている。
【0075】
次に、本実施形態における動作を図3のフローチャートをも参照して説明する。
【0076】
〔1〕システム動作開始時
電子制御式機械時計を長期間放置した後など、発電機20および回転制御装置50が停止状態にある場合に、ゼンマイ1aを巻き上げてシステムの動作を開始すると(ステップ1、以下ステップを「S」と略す)、まず、発電機20が作動し始めて第1コンデンサ25を充電する。
【0077】
そして、第1コンデンサ25が回転制御装置50を駆動可能な電圧まで充電されると、第1コンデンサ25からの電力で回転制御装置50が作動される(S2)。
【0078】
なお、整流回路21では、次のようにして発電機20で発電した電荷をコンデンサ25に充電している。
【0079】
すなわち、第1の交流入力端子MG1の極性が「+」で第2の交流入力端子MG2の極性が「−」の時には、第1の電界効果型トランジスタ(FET)76がオンされ、第3の電界効果型トランジスタ(FET)78がオフされる。
【0080】
このため、発電機20で発生した誘起電圧の電荷は、図2に示す「▲5▼→▲4▼→▲3▼→▲8▼」の回路によってコンデンサ73に充電されるとともに、「▲5▼→▲6▼→▲7▼→▲1▼→▲2▼→▲3▼→▲8▼」の回路によって第1コンデンサ25に充電される。
【0081】
一方、第1の端子MG1の極性が「−」で第2の端子MG2の極性が「+」に切り替わると、第1の電界効果型トランジスタ(FET)76がオフされ、第3の電界効果型トランジスタ(FET)78がオンされる。このため、図2に示す「コンデンサ73→▲5▼→▲8▼→▲7▼→▲1▼→▲2▼→▲3▼→▲4▼」の回路によって、発電機20で発生した誘起電圧と、コンデンサ73の充電電圧とが加えられた電圧でコンデンサ25が充電される。
【0082】
この際、各々の状態において、チョッパパルスにより発電機20の両端が短絡して開放されると、発電機20のコイルの両端に高電圧が誘起され、この高い充電電圧によって蓄電装置(コンデンサ)25を充電できるので、充電効率が向上する。
【0083】
そして、発電機20の各端子MG1,MG2からは、磁束の変化に応じた交流波形が出力される。このとき、発電機20の出力信号に応じて、例えば周波数は一定でかつデューティ比の異なるチョッパ信号P1がスイッチ71,72に適宜印加される。
【0084】
この際、チョッパ信号P1がデューティ比の大きなチョッパ信号、つまり、Lレベル信号(ブレーキオン時間)が長くかつHレベル信号(ブレーキオフ時間)が短いチョッパ信号の場合には、各チョッパサイクル内におけるショートブレーキ時間が長くなってブレーキ量が増えて発電機20は減速される。そして、ブレーキが掛かる分、発電量も低下するが、このショートブレーキ時に蓄えられたエネルギーを、チョッパ信号によりスイッチ71,72をオフした際に出力してチョッパ昇圧することができるため、ショートブレーキ時の発電量低下を補うことができ、発電電力の低下を抑えながら、制動トルクを増加することができる。
【0085】
逆に、チョッパ信号P1がデューティ比の小さなチョッパ信号、つまり、Lレベル信号(ブレーキオン時間)が短くかつHレベル信号(ブレーキオフ時間)が長いチョッパ信号であれば、各チョッパサイクル内におけるショートブレーキ時間が短くなってブレーキ量が減って発電機20は増速される。この際も、チョッパ信号によりスイッチ71,72をオンからオフした際にチョッパ昇圧することができるので、まったくブレーキを掛けずに制御した場合に比べても発電電力を向上させることができる。
【0086】
このような発電による発電機20からの交流出力は、整流回路21によって昇圧、整流されてコンデンサ25に充電され、このコンデンサ25からの出力により回転制御装置50が作動される(S2)。
【0087】
回転制御装置50が作動し始めると、スイッチ制御装置58は前記スイッチ26を接続し、第2コンデンサ27の充電も開始する(S3)。そして、第2コンデンサ27の充電が完了したら(S4)、スイッチ26を切断して第2コンデンサ27を回転制御装置50側から切り離す(S5)。
【0088】
なお、スイッチ26を切断するタイミングは、スイッチ26を接続してからの時間をタイマなどで計って行ってもよいし、第1コンデンサ25あるいは第2コンデンサ27の電圧値等を測定し、その値に応じて行ってもよい。
【0089】
また、システム動作開始時には、通常針合わせ操作も行われるため、針合わせ操作が終了してリューズを押し込んでからの時間つまりリューズ信号(外部信号)をトリガーにして動作するタイマ等を利用してスイッチ26の切断タイミングを計ってもよい。
【0090】
〔2〕針合わせ操作時
リューズが引き出されて針合わせモードになると(S6)、スイッチ26が接続される(S7)。このため、発電機20が停止する針合わせモード時は、第1および第2のコンデンサ25,27によって回転制御装置50が駆動される。
【0091】
この際、第1コンデンサ25だけでなく第2コンデンサ27をも用いて回転制御装置50を作動しているので、従来に比べて回転制御装置50を作動させることができる時間を長くでき、針合わせ時間も延長することができる。
【0092】
〔3〕針合わせ操作終了時
リューズを押し込んで針合わせを終了すると(S8)、発電機20が作動し始め(S9)、発電機20による第1コンデンサ25への充電も再開される。この際、前記スイッチ26は接続された状態に維持され、発電機20によって第2コンデンサ27も充電される。そして、第2コンデンサ27の充電が終了したら(S10)、スイッチ26が切断され、第2コンデンサ27の電圧は維持される。
【0093】
なお、第2コンデンサ27の充電終了タイミングつまりスイッチ26を切断するタイミングは、前記S5,S6の時と同じであり、スイッチ26を接続してからの時間や、リューズを押し込んでからの時間、第1コンデンサ25あるいは第2コンデンサ27の電圧値に応じて行われる。
【0094】
その後、針合わせ操作がある度に上記S7〜S11の処理が繰り返される。
【0095】
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。
【0096】
(1)電源回路22に第1コンデンサ25の他に第2コンデンサ27を設け、針合わせ時に、第1コンデンサ25だけでなく、第2コンデンサ27をも用いて回転制御装置50を作動しているので、従来に比べて、発電機20が停止している際の回転制御装置50を動作を長時間、例えば約2倍程度の時間、維持することができる。このため、針合わせ操作に確保できる時間が長くなり、使用者は確実に針合わせ操作を行うことができる。
【0097】
これにより、針合わせ操作中に回転制御装置50が停止してしまうことがなくなり、回転制御装置50が停止することで指示誤差が生じてしまうこともないため、針合わせ直後から正確に時刻を指示できる。
【0098】
(2)ゼンマイ1aのトルクが低下して第1コンデンサ25の電圧が低下した際にも、第2コンデンサ27には十分な電荷が蓄えられているので、針合わせ時には、第1コンデンサ25の電荷量に関係なく、第2コンデンサ27を用いることで最小限実用となる針合わせ時間、例えば3分間程度を確保できる。このため、第1コンデンサ25の電荷量が低くなっていても、確実に針合わせ操作を行うことができる。
【0099】
(3)第2コンデンサ27は、システム動作開始時、つまり通常ゼンマイ1aをフル巻き状態とし、発電機に加わる機械的エネルギのトルクも大きく、発電電力も大きい時に充電されるため、第1コンデンサ25と共に第2コンデンサ27を充電する場合でも、効率的にかつ短時間で充電することができる。
【0100】
(4)また、リューズを押し込んで針合わせ操作が終了した際に、続けてスイッチ26を接続しておいて、第2コンデンサ27を充電しているので、針合わせ操作時に消費された第2コンデンサ27の電荷を即座に充電することができる。このため、次に針合わせ操作を行った際には、充電されている第2コンデンサ27を必ず用いることができ、針合わせ時間を確実に確保できる。
【0101】
(5)針合わせ操作で発電機20が停止した際に直ちにスイッチ26を接続しているので、第1コンデンサ25の電圧が低下する前に第2コンデンサ27を第1コンデンサ25と並列に接続して回転制御装置50に電力を供給できる。このため、各コンデンサ25,27の電圧差が小さい状態で並列に接続できるため、例えば各コンデンサ25,27の電圧差が大きい状態の場合のように、一方のコンデンサから他方のコンデンサを充電する動作が生じず、直ちに回転制御装置50に電力を供給することができ、回転制御装置50に効果的に電力供給することができる。
【0102】
(6)整流回路21は、各端子MG1,MG2にゲートが接続された第1,3の電界効果型トランジスタ76,78を用いて整流制御を行っているので、コンパレータ等を用いる必要が無く、構成が簡単になって部品点数を少なくでき、かつコンパレータの消費電力による充電効率の低下も防止できる。さらに、発電機20の端子電圧(交流入力端子MG1,MG2の電圧)を利用して電界効果型トランジスタ76,78のオン、オフを制御しているので、発電機20の端子の極性に同期して各電界効果型トランジスタ76,78を制御することができ、整流効率を向上することができる。
【0103】
(7)チョッパリング制御される第2,4の電界効果型トランジスタ77,79を各トランジスタ76,78に並列に接続することで、チョッパリング制御を独立して行うことができ、かつ構成も簡易にできる。従って、構成が簡易で、発電機20の極性に同期し、かつ昇圧しながらチョッパ整流を行える整流回路21を提供することができる。
【0104】
(8)整流回路21では、コンデンサ73を用いた昇圧に加えて、チョッパリングによる昇圧を行うことができるので、整流回路21の直流出力電圧つまりコンデンサ25,27への充電電圧を高めることができる。
【0105】
(9)ブレーキのオン、オフ制御を、デューティ比の異なる2種類のチョッパ信号を用いて行っているので、充電電圧(発電電圧)を低下させることなくブレーキ(制動トルク)を大きくすることができる。特に、ブレーキオン時にはデューティ比の大きなチョッパ信号を用いて制御しているので、充電電圧の低下を抑えながら制動トルクを大きくすることができ、システムの安定性を維持しながら、効率的なブレーキ制御を行うことができることから、電子制御式機械時計の持続時間も長くすることができる。
【0106】
(10)ブレーキオフ制御時にも、デューティ比の小さなチョッパ信号によりチョッパ制御しているので、ブレーキをオフしている間の充電電圧をより向上することができる。
【0107】
次に本発明の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態において、前述の実施形態と同一もしくは同様の構成部分には、同一符号を付し、説明を省略あるいは簡略する。
【0108】
図4には、第2実施形態の電子制御式機械時計の回路図が示されている。
【0109】
本実施形態では、前記第1実施形態の構成に加えて、第2コンデンサ27への充電電圧を昇圧する昇圧回路80が新たに追加されている。
【0110】
昇圧回路80は、図5に示すように、2つのコンデンサ81,82と、7個のスイッチ83〜89を備えて構成されている。そして、図6に示すように、2つのコンデンサ81,82を直列に接続し、これらのコンデンサ81,82と第1コンデンサ25とを並列に接続し、第2コンデンサ27側をこれらのコンデンサ25,81,82と切り離した並列状態と、図8に示すように、2つのコンデンサ81,82を並列に接続し、これらのコンデンサ81,82と第1コンデンサ25とを直列に接続し、これらのコンデンサ25,81,82と第2コンデンサ27とを直列に接続した直列状態とを切り換えることで、第2コンデンサ27の充電電圧を昇圧できるように構成されている。
【0111】
具体的には、図6の並列状態は、スイッチ83,85,87を接続し、スイッチ26,84,86,88,89を切断することで、図7に示すような回路になる。
【0112】
従って、発電機20からの電力は、コンデンサ25とコンデンサ81,82とに充電される。この際、コンデンサ25とコンデンサ81,82とは並列に接続されているため、同電位に充電される。例えば、コンデンサ25が1.0Vに充電された場合には、コンデンサ81,82を足した電位も1.0Vとなる。この際、各コンデンサ81,82が同じ容量であれば、各コンデンサ81,82の電位はそれぞれ0.5Vとなる。
【0113】
この並列状態から、図8に示すように、スイッチ83,85,87を切断し、スイッチ84,86,88,89を接続すると、図9に示すような回路になる。
【0114】
この際、コンデンサ25(1.0V)と、各コンデンサ81,82(0.5V)とは直列に接続されるため、第2コンデンサ27に対しては、コンデンサ25に比べて1.5倍に昇圧された1.5Vの電圧で充電が行われる。
【0115】
そして、充電が終了したら、各スイッチ83〜89と、スイッチ26とを切断することで、第2コンデンサ27は第1コンデンサ25の1.5倍の電圧に維持される。
【0116】
また、針合わせ時には、図5に示すように、スイッチ26を接続して第1コンデンサ25と第2コンデンサ27とを回転制御装置50に対して並列接続することで、コンデンサ25の1.5倍の電圧の電力を第2コンデンサ27から供給することができ、回転制御装置50の駆動を維持できる時間がより長くなる。
【0117】
このような本実施形態においても、前記第1実施形態と同様に、〔1〕システム動作開始時、〔3〕針合わせ操作直後(リューズ押し込み時)に前記昇圧回路80を作動させて第2コンデンサ27を充電し、かつ〔2〕針合わせ操作時(リューズ引き出し時)には昇圧回路80を解除してスイッチ26を接続して第2コンデンサ27の電力も用いて回転制御装置50を駆動するように構成されている。
【0118】
すなわち、第2コンデンサ27の充電動作を、〔3〕針合わせ操作直後(リューズ押し込み時)を例にとって説明すれば、図10のフローチャートのようになる。
【0119】
まず、通常運針状態において、リューズが2段目まで引き出されて、針合わせが開始されたか否かを判定する(S21)。ここで、針合わせが開始されれば、昇圧回路80の各スイッチ83〜89を切断して昇圧を解除し(S22)、スイッチ26を接続する(S23)。これにより、第2コンデンサ27の電力も回転制御装置50に供給され、針合わせ時で発電機20が停止しても、回転制御装置50を長時間駆動できる。
【0120】
そして、リューズが1段目あるいは0段目に押し込まれて針合わせが終了したかを判定する(S24)。針合わせが終了したら、スイッチ26を切断し(S25)、第2コンデンサ27を切り離す。
【0121】
続いて、コンデンサ25の電圧が設定電圧以上であるか否かを判定する(S26)。ここで、コンデンサ25の電圧が設定電圧未満の場合には、十分な昇圧電圧が得られないため、針合わせが終了した時点で作動する発電機20からの電力でコンデンサ25が設定電圧以上になるまで待機する。
【0122】
一方、コンデンサ25の電圧が設定電圧以上になれば、回転制御装置50内等に設けられたタイマをスタートし(S27)、昇圧回路80を始動する(S28)。
【0123】
昇圧回路80を始動すると、前述の通り、各スイッチ83〜89が適宜切り換えられて並列状態から直列状態に移行し、第2コンデンサ27への供給電圧が昇圧されて充電される。そして、所定時間が経過してタイマが終了したら(S29)、昇圧を解除する(S30)。
【0124】
次に針合わせ操作が開始されたら、再度上記S21〜S30を繰り返す。また、通常運針時には、図6,7の並列接続状態に維持され、コンデンサ25だけでなく、コンデンサ81,82をも用いて回転制御装置50に電力を供給する電源コンデンサが構成される。
【0125】
このような本実施形態においても、前記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0126】
さらに、(11)昇圧回路80を備えており、第2コンデンサ27の充電電圧を高くすることができるため、前記第1実施形態の場合に比べて回転制御装置50を駆動を維持できる時間を、例えば1.5〜2倍程度に長くすることができ、針合わせ時間にも余裕を持たせることができる。
【0127】
(12)通常運針時など昇圧回路80が動作していない間は、コンデンサ25とコンデンサ81,82とは並列に接続され、これらの各コンデンサ25,81,82が回転制御装置50に電力を供給する電源コンデンサとなるため、電源コンデンサがコンデンサ25のみで構成されている場合に比べて電源コンデンサの容量を向上できる。このため、電源を更に安定させることができ、回転制御装置(IC)50の動作を更に安定させることができる。
【0128】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、本実施形態において、前述の実施形態と同一もしくは同様の構成部分には、同一符号を付し、説明を省略あるいは簡略する。
【0129】
本実施形態は、第2実施形態において、第2コンデンサ27の充電を針合わせ操作直後だけではなく、一定時間毎にも行うようにされている。
【0130】
すなわち、その処理動作を、図11のフローチャートに基づいて説明すれば、まず、通常運針状態において、リューズが2段目まで引き出されて、針合わせが開始されたか否かを判定する(S41)。ここで、針合わせが開始されれば、前記第2実施形態の図10におけるS22〜S30の処理つまり針合わせ時充電処理が行われる(S42)。
【0131】
また、針合わせが開始されていない場合には、昇圧間隔を設定するためのタイマ2が動作済みであるか否かが判定される(S43)。この判定は、例えばタイマ2の動作が開始された際に値が変わるフラグなどを用いて行えばよい。
【0132】
ここで、タイマ2が動作済みでなければ、タイマ2を始動して動作を開始させる(S44)。
【0133】
タイマ2が動作済みであれば、タイマ2が終了しているか否かを判定する(S45)。ここで、タイマ2が終了していなければ、上記S41に戻り、処理を繰り返す。
【0134】
一方、タイマ2が終了した場合には、第1コンデンサ25の電圧が設定電圧以上であるか否かを判定する(S46)。ここで、第1コンデンサ25の電圧が設定電圧未満の場合には、十分な昇圧電圧が得られないため、針合わせが終了した時点で作動する発電機20からの電力でコンデンサ25が設定電圧以上になるまで待機する。
【0135】
一方、コンデンサ25の電圧が設定電圧以上になれば、回転制御装置50内等に設けられたタイマ1をスタートし(S47)、昇圧回路80を始動する(S48)。
【0136】
昇圧回路80を始動すると、前述の通り、各スイッチ83〜89が適宜切り換えられて並列状態から直列状態に移行し、第2コンデンサ27への供給電圧が昇圧されて充電される。そして、所定時間が経過してタイマ1が終了したら(S49)、昇圧を解除する(S50)。
【0137】
そして、再度、上記S41からの処理を繰り返す。
【0138】
このような本実施形態によれば、前記第1,2実施形態と同様の作用効果を奏することができる上、次の効果も得られる。
【0139】
すなわち、(13)タイマ2等を設けることで、第2コンデンサ27を一定間隔、例えば1時間毎にも充電しているため、自己放電や電気的なスイッチ26のリークによって第2コンデンサ27の充電量が減少した場合でも、その減少分を定期的に充電することで補うことができ、針合わせ操作時には常にフル充電に近い状態の第2コンデンサ27から電力を供給することができ、針合わせ操作時に確実に回転制御装置50の駆動時間を必要量だけ確保することができる。
【0140】
次に、本発明の第4実施形態について説明する。なお、本実施形態において、前述の実施形態と同一もしくは同様の構成部分には、同一符号を付し、説明を省略あるいは簡略する。
【0141】
本実施形態は、第2コンデンサ27をコンデンサ25側に接続するスイッチとして、電気的なスイッチではなく、機械式のスイッチを用いたものである。
【0142】
すなわち、図12に示すように、第2コンデンサ27とコンデンサ25や回転制御装置50との間に、リューズ(巻真)の移動に連動する機械式スイッチ100を設けている。この機械式スイッチ100は、図12(a)に示すリューズの第2段目(針合わせモード)への引き出し時に接続され、図12(b),(c)に示すリューズを0段目(通常運針モード)や1段目(カレンダー修正モード)に押し込んだ際に切断されるように構成されている。
【0143】
なお、この場合、針合わせ時に第2コンデンサ27からスイッチ100を介して回転制御装置50に電力を供給することはできるが、針合わせ時以外の通常運針時(リューズ0,1段目)にはスイッチ100が切断されるため、スイッチ100を介して第2コンデンサ27を充電することができない。
【0144】
このため、別途、充電用のスイッチ101を設けている。具体的には、スイッチ101は、ゼンマイ式の時計の持続時間残量を指示する巻印機構(パワーリザーブ機構)の巻印車と度決めとの接触を利用したものである。従って、図12(b)に示すように、ゼンマイ1aをフル巻き状態にした時に接続され、図12(c)に示すように、フル巻き状態からゼンマイ1aが多少ほどけた際、つまり通常運針状態で切断されるように構成されている。なお、本実施形態では、リューズや巻印機構によって、スイッチ100,101を断続するスイッチ制御装置が構成されている。
【0145】
このような本実施形態によれば、前記第1,2実施形態と同様の作用効果を奏することができる上、次の効果も得られる。
【0146】
(14)機械的スイッチ100,101を用いているので、電気的スイッチを用いた場合のようにリーク電流が発生しないため、第2コンデンサ27の電圧の低下を押さえることができ、電圧を長時間維持することができる。
【0147】
(15)スイッチ101は、パワーリザーブ機構を利用しているため、部品点数の増加を抑えることができ、コスト増加も抑えることができる。
【0148】
(16)ゼンマイ1aをフル巻き状態にした際に必ずスイッチ101が接続されて第2コンデンサ27が充電されるため、発電機20に加わる機械的エネルギのトルクが大きく、発電電力も大きい時に充電することができ、第1コンデンサ25と共に第2コンデンサ27を充電する場合でも、効率的にかつ短時間で充電することができる。
【0149】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は、本発明に含まれるものである。
【0150】
例えば、第2コンデンサ27の充電タイミングとしては、前記第1,2実施形態のように、〔1〕システム動作開始時と〔3〕針合わせ操作直後(リューズ押し込み時)に行うものや、第3実施形態のように〔1〕システム動作開始時と〔3〕針合わせ操作直後と、一定間隔で定期的に行うものや、第4実施形態のようにフル巻き時に行うものに限らない。例えば、〔3〕針合わせ操作直後のみに充電してもよいし、針合わせ時には行わず通常動作時に定期的に行うものでもよい。要するに、第2コンデンサ27の充電タイミングは、充電が可能なタイミングであればよく、本発明が適用される対象物等に応じて適宜設定すればよい。
【0151】
さらに、第2コンデンサ27から回転制御装置50への電力供給のタイミングは、前記実施形態のように、針合わせ時のみに限らず、例えば、時計に衝撃等の外乱が加わったりして発電機20が停止した場合や、ゼンマイ1aのトルクが低下して発電機20の回転速度が低下した場合等で、第1コンデンサ25の電圧が所定の電圧以下に低下した場合に、スイッチ26を接続して電力を供給するようにしてもよい。
【0152】
また、前記2,3実施形態では、タイマを用いて所定時間経過後に第2コンデンサ27の充電を終了していたが、例えば、第2コンデンサ27の電圧を検出し、所定電圧以上に充電された際に終了するように構成してもよい。
【0153】
また、整流回路21、ブレーキ回路70、制御回路56等の具体的な構成は前記実施形態に限らない。特に、整流回路21としては、チョッパ昇圧を利用した前記実施形態の構成に限らず、例えば複数のコンデンサを設け、その接続を切り換えることで昇圧する昇圧回路等を組み込んで構成してもよく、発電機や整流回路を組み込む電子制御式機械時計の種類等に応じて適宜設定すればよい。
【0154】
さらに、第2コンデンサ27を充電するための昇圧回路80も前記第2実施形態のものに限らず、適宜な昇圧回路を用いればよい。また、昇圧回路80を用いた場合に、コンデンサ25を用いずに、昇圧用コンデンサ(昇圧用蓄電装置)81,82のみを利用して昇圧を行ってもよい。例えば、図13(a)に示すように、通常運針時や第2コンデンサ27の充電作業の直前などには各昇圧用コンデンサ81,82を第1コンデンサ25と並列に接続して各昇圧用コンデンサ81,82を充電しておく。この際、第2コンデンサ27はスイッチ26をオフすることなどで昇圧用コンデンサ81,82側とは切り離されている。そして、第2コンデンサ28の充電時には、図13(b)に示すように、第1コンデンサ25をスイッチ26などを用いて昇圧用コンデンサ81,82側から切り離して昇圧用コンデンサ81,82のみで第2コンデンサ27を充電すればよい。この場合には、昇圧時の電源コンデンサ25の急激な電圧降下を防止することができ、特に電子制御式機械時計においては容量の小さなコンデンサ25の電圧降下を効果的に防止することができる点で有効である。
【0155】
さらに、前記第2実施形態では、通常運針時に昇圧コンデンサ81,82をコンデンサ25に並列に接続して電源コンデンサとしていたが、この並列接続を昇圧時のみにして、通常運針時には、コンデンサ25のみで回転制御装置50に電力を供給してもよい。但し、本実施形態の電子制御式機械時計のように、コンデンサ25の容量が小さい場合には、前記第2実施形態のように、通常運針時にもコンデンサ81,82を利用して電源コンデンサとすることが、電源安定性の点で好ましい。
【0156】
また、本発明は、前記実施形態のような電子制御式機械時計に適用するものに限らず、置き時計、クロック等の各種時計、携帯型時計、携帯型の血圧計、携帯電話機、ページャ、万歩計、電卓、携帯用パーソナルコンピュータ、電子手帳、携帯ラジオ、オルゴール、メトロノーム、電気かみそり等の各種の電子制御式電子機器にも適用することができる。
【0157】
例えば、本発明をオルゴールに適用する場合には、前記第1実施形態における輪列17の歯車で、回転円板や回転ドラム(シリンダ)を回転させ、この回転ドラムなどに植設されたピンで振動板を弾いて音を発生させるようにすればよい。この場合も、時計の針と同様に回転ドラムなどを一定速度で回転させることができ、かつ長時間作動させ続けることができるため、正確な演奏を長時間行うことができる。
【0158】
また、本発明をメトロノームに適用する場合にも、輪列の歯車にメトロノーム音発信車を付け、その車の回転により、メトロノーム音片を弾いて周期的なメトロノーム音を発音させるようにすればよい。なお、メトロノームは、各種のテンポに対応した音を発生させる必要があるが、この場合には、水晶振動子51Aの分周段を変えて発振回路51からの基準信号の周期を可変することで対応すればよい。
【0159】
その他の電子制御式電子機器においても、発電機の回転速度を回転制御装置50によって制御できるため、発電機の発電量を制御したり、発電機に繋がる輪列で作動される部材の動作を制御することができる。そして、このような電子制御式電子機器においても、第2の蓄電装置を設けることで、回転制御装置の持続時間を長くすることができるため、本発明は、発電機の制御が必要な各種の電子制御式電子機器に広く適用することができる。
【0160】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明の電子制御式電子機器、電子制御式機械時計よれば、発電機が停止した際や発電機の発電電圧が低下した際に回転制御装置の持続時間を長くすることができるという効果がある。
【0161】
特に、電子制御式機械時計に本発明を適用すれば、針合わせ操作によって発電機が停止した際に、回転制御装置の持続時間を長くできて通常の針合わせ操作であれば回転制御装置が停止することを防止でき、針合わせ操作からの復帰時の時間指示の誤差も無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における電子制御式機械時計を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態の要部を示す回路図である。
【図3】第1実施形態での動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施形態における電子制御式機械時計を示す回路図である。
【図5】第2実施形態の昇圧回路を示す回路図である。
【図6】第2実施形態の昇圧回路における並列状態を示す回路図である。
【図7】図6の並列状態の等価回路図である。
【図8】第2実施形態の昇圧回路における直列状態を示す回路図である。
【図9】図8の直列状態の等価回路図である。
【図10】第2実施形態での動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第3実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第4実施形態の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の変形例の昇圧回路の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1a 機械的エネルギ源であるゼンマイ
7 増速輪列
13 指針
20 発電機
21 整流回路
22 電源回路
25 第1の蓄電装置である第1コンデンサ
26 スイッチ
27 第2の蓄電装置である第2コンデンサ
50 回転制御装置
51 発振回路
51A 水晶振動子
53 回転検出回路
56 制御回路
58 スイッチ制御装置
70 ブレーキ回路
71,72 スイッチ
73 コンデンサ
74,75 ダイオード
76〜79 電界効果型トランジスタ
80 昇圧回路
81,82 コンデンサ
83〜89 スイッチ
100,101 機械式スイッチ

Claims (14)

  1. 機械的エネルギ源と、この機械的エネルギ源に連結された輪列により駆動されるとともに誘起電力を発生して電気的エネルギを出力する発電機と、当該発電機から出力された電気的エネルギを蓄える第1の蓄電装置と、この第1の蓄電装置から供給された電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置と、この回転制御装置に対してスイッチを介して並列に接続された第2の蓄電装置とを備えて構成されるとともに、
    前記第2の蓄電装置を充電する時と前記第2の蓄電装置から回転制御装置に電気的エネルギを供給する時に前記スイッチを接続するスイッチ制御装置と、
    を備え
    前記スイッチ制御装置は、前記発電機が停止状態にあってから前記機械的エネルギ源に機械的エネルギが蓄えられて前記発電機が回転し始めるシステムの動作開始時に前記スイッチを接続して前記発電機からの電気的エネルギで第1の蓄電装置とともに第2の蓄電装置を充電するように構成されていることを特徴とする電子制御式電子機器。
  2. 機械的エネルギ源と、この機械的エネルギ源に連結された輪列により駆動されるとともに誘起電力を発生して電気的エネルギを出力する発電機と、当該発電機から出力された電気的エネルギを蓄える第1の蓄電装置と、この第1の蓄電装置から供給された電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置と、この回転制御装置に対してスイッチを介して並列に接続された第2の蓄電装置とを備えて構成されるとともに、
    前記第2の蓄電装置を充電する時と前記第2の蓄電装置から回転制御装置に電気的エネルギを供給する時に前記スイッチを接続するスイッチ制御装置と、
    を備え
    前記機械的エネルギ源はゼンマイであり、
    前記スイッチ制御装置は、前記ゼンマイの巻上げが完了した時点で前記スイッチを接続して第2の蓄電装置を充電するように構成されていることを特徴とする電子制御式電子機器。
  3. 機械的エネルギ源と、この機械的エネルギ源に連結された輪列により駆動されるとともに誘起電力を発生して電気的エネルギを出力する発電機と、当該発電機から出力された電気的エネルギを蓄える第1の蓄電装置と、この第1の蓄電装置から供給された電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置と、この回転制御装置に対してスイッチを介して並列に接続された第2の蓄電装置とを備えて構成されるとともに、
    前記第2の蓄電装置を充電する時と前記第2の蓄電装置から回転制御装置に電気的エネルギを供給する時に前記スイッチを接続するスイッチ制御装置と、
    前記第2の蓄電装置への充電電圧を昇圧する昇圧回路と
    を備え
    前記昇圧回路は、昇圧用蓄電装置を備えて構成され、この昇圧用蓄電装置は昇圧回路の作動時に前記第1の蓄電装置とは切り離されている
    ことを特徴とする電子制御式電子機器。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の電子制御式電子機器において、
    前記スイッチ制御装置は、前記第1の蓄電装置の電圧が設定電圧以下に低下した際に、前記スイッチを接続して第2の蓄電装置から前記回転制御装置に電気的エネルギを供給することを特徴とする電子制御式電子機器。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の電子制御式電子機器において、
    前記スイッチ制御装置は、前記発電機が停止した際に、前記スイッチを接続して第2の蓄電装置から前記回転制御装置に電気的エネルギを供給することを特徴とする電子制御式電子機器。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の電子制御式電子機器において、
    前記スイッチ制御装置は、前記発電機が通常の回転動作を行っており前記第2の蓄電装 置の充電、放電を行っていない通常動作時に、一定間隔で前記スイッチを接続して前記第2の蓄電装置を充電するように構成されていることを特徴とする電子制御式電子機器。
  7. 請求項に記載の電子制御式電子機器において、
    前記昇圧回路は、昇圧用蓄電装置を備えて構成され、この昇圧用蓄電装置は通常動作時に前記第1の蓄電装置と並列に接続されていることを特徴とする電子制御式電子機器。
  8. 機械的エネルギ源と、この機械的エネルギ源に連結された輪列により駆動されるとともに誘起電力を発生して電気的エネルギを出力する発電機と、当該発電機から出力された電気的エネルギを蓄える第1の蓄電装置と、この第1の蓄電装置から供給された電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置と、この回転制御装置に対してスイッチを介して並列に接続された第2の蓄電装置と、前記輪列に結合された指針とを備えて構成されるとともに、
    前記第2の蓄電装置を充電する時と前記第2の蓄電装置から回転制御装置に電気的エネルギを供給する時に前記スイッチを接続するスイッチ制御装置と、
    を備え、
    前記スイッチ制御装置は、前記発電機が停止状態にあってから前記機械的エネルギ源に機械的エネルギが蓄えられて前記発電機が回転し始めるシステムの動作開始時に前記スイッチを接続して前記発電機からの電気的エネルギで第1の蓄電装置とともに第2の蓄電装置を充電するように構成されていることを特徴とする電子制御式機械時計。
  9. 機械的エネルギ源と、この機械的エネルギ源に連結された輪列により駆動されるとともに誘起電力を発生して電気的エネルギを出力する発電機と、当該発電機から出力された電気的エネルギを蓄える第1の蓄電装置と、この第1の蓄電装置から供給された電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置と、この回転制御装置に対してスイッチを介して並列に接続された第2の蓄電装置と、前記輪列に結合された指針とを備えて構成されるとともに、
    前記第2の蓄電装置を充電する時と前記第2の蓄電装置から回転制御装置に電気的エネルギを供給する時に前記スイッチを接続するスイッチ制御装置と、
    を備え
    前記機械的エネルギ源はゼンマイであり、
    前記スイッチ制御装置は、前記ゼンマイの巻上げが完了した時点で前記スイッチを接続して第2の蓄電装置を充電するように構成されていることを特徴とする電子制御式機械時計。
  10. 機械的エネルギ源と、この機械的エネルギ源に連結された輪列により駆動されるとともに誘起電力を発生して電気的エネルギを出力する発電機と、当該発電機から出力された電気的エネルギを蓄える第1の蓄電装置と、この第1の蓄電装置から供給された電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置と、この回転制御装置に対してスイッチを介して並列に接続された第2の蓄電装置と、前記輪列に結合された指針とを備えて構成されるとともに、
    前記第2の蓄電装置を充電する時と前記第2の蓄電装置から回転制御装置に電気的エネルギを供給する時に前記スイッチを接続するスイッチ制御装置と、
    前記第2の蓄電装置への充電電圧を昇圧する昇圧回路と
    を備え、
    前記昇圧回路は、昇圧用蓄電装置を備えて構成され、この昇圧用蓄電装置は昇圧回路の作動時に前記第1の蓄電装置とは切り離されていることを特徴とする電子制御式機械時計。
  11. 請求項8〜10のいずれかに記載の電子制御式機械時計において、
    前記スイッチ制御装置は、前記第1の蓄電装置の電圧が設定電圧以下に低下した際に、前記スイッチを接続して第2の蓄電装置から前記回転制御装置に電気的エネルギを供給することを特徴とする電子制御式機械時計。
  12. 請求項8〜10のいずれかに記載の電子制御式機械時計において、
    前記スイッチ制御装置は、前記発電機が停止された際に、前記スイッチを接続して第2の蓄電装置から前記回転制御装置に電気的エネルギを供給することを特徴とする電子制御式機械時計。
  13. 請求項8〜10のいずれかに記載の電子制御式機械時計において、
    前記スイッチ制御装置は、前記発電機が通常の回転動作を行っており前記第2の蓄電装置の充電、放電を行っていない通常動作時に、一定間隔で前記スイッチを接続して前記第2の蓄電装置を充電するように構成されていることを特徴とする電子制御式機械時計。
  14. 請求項10に記載の電子制御式機械時計において、
    前記昇圧回路は、昇圧用蓄電装置を備えて構成され、この昇圧用蓄電装置は通常動作時に前記第1の蓄電装置と並列に接続されていることを特徴とする電子制御式機械時計。
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