JP2004004135A - 電子制御式機械時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】 発電機の回転が低速の際に発電機を確実に停止でき、外乱等による発電機の停止を防止できて持続時間を長くできる電子機器を提供すること。
【解決手段】 電子機器である電子制御式機械時計は、ゼンマイ1で駆動されて発電する発電機2と、その電気的エネルギで駆動されて発電機2の回転周期を制御する回転制御装置50とを備える。回転制御装置50は、基準信号fsおよび発電機2の回転周期に対応した回転検出信号FG1を比較して発電機2のブレーキ制御を行うブレーキ制御装置55と、発電機2に加えられる設定時間当たりのブレーキ量が第1ブレーキ設定値以下の場合に、発電機2にブレーキを掛けて停止させる発電機停止装置56とを備える。設定時間当たりのブレーキ量で発電機2を停止しているので、一時的な外乱で発電機を停止させることがなく、かつ回転周期が遅くなった場合には確実に発電機2を停止できる。
【選択図】図1

Description

 本発明は、電子機器、電子制御式機械時計、それらの制御方法、電子機器の制御プログラムおよび記録媒体に関し、詳しくは、機械的エネルギ源と、この機械的エネルギ源により駆動されるとともに誘起電力を発生して電気的エネルギを出力する発電機と、前記電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置とを有する電子機器、電子制御式機械時計、それらの制御方法、電子機器の制御プログラムおよび記録媒体に関する。
 ゼンマイが開放する時の機械的エネルギを発電機で電気的エネルギに変換し、その電気的エネルギにより回転制御装置を作動させて発電機のコイルに流れる電流値を制御することにより、輪列に固定される指針を正確に駆動して正確に時刻を表示する電子制御式機械時計として、特許文献1に記載されたものが知られている。
 このような電子制御式機械時計では、ゼンマイによって発電機に加えられるトルク(機械的エネルギ)は、指針を基準スピードよりも速く回転させるように設定されており、その回転スピードを回転制御手段によってブレーキを掛けることで調速している。具体的には、水晶振動子等の時間標準源からの信号に基づいて発せられる基準信号と、発電機の回転周期に対応した回転検出信号とを比較して発電機のブレーキ量(例えばブレーキを掛ける時間)を設定して発電機を調速していた。
特公平7−119812号公報
 しかしながら、ゼンマイがほどけてゼンマイのバネ力が低下し、発電機の回転トルクが十分に得られなくなったときには、発電機の回転数が低下し、運針も低速になって、時刻が長時間にわたって遅れ続けてしまう。
 この際、低速ではあるが運針は続けられるため、使用者が時刻を確認するために一瞬見ただけでは、正しく時刻表示されていないにもかかわらず、使用者は正常動作していると誤認してしまうという問題があった。
 このような問題を無くすために、本願出願人は、既に特開2000−28757号公報に開示されているように、基準信号が入力される間隔(基準周期)に対して回転検出信号が入力される間隔が非常に大きくなり、基準信号と回転検出信号とが入力されるアップダウンカウンタの値が標準的な値から大きくずれた場合に、発電機の回転数が低下したと判断し、発電機を停止させることで、使用者に時刻遅れを確実に知らせることができるようにした発明を考え出した。
 例えば、4ビットのアップダウンカウンタを設け、基準信号が入力されるとカウンタ値がダウンし、回転検出信号が入力されるとアップするように構成し、カウンタ値が「8」以上であればブレーキを掛け、「7」以下であればブレーキを解除するようにされている際に、カウンタ値が「2」以下と回転検出信号が入力される前に多くの基準信号が入力された状態、つまり回転数が大幅に低下した状態になれば、発電機にブレーキを掛けて停止させていた。
 しかしながら、電子制御式機械時計の種類によっては、このように回転数が大幅に低下した状態では、発電機による発電電力も低下していることがあり、そのためにICなどで構成された回転制御手段を駆動可能な電圧が維持できず、回転制御手段が停止してしまうことがあった。回転制御手段が停止すると、ブレーキ制御が行われないため、カウンタ値が「2」以下になったにも関わらず、発電機にブレーキを掛けることができず、発電機つまりは運針を確実に停止できないおそれがあった。
 一方、発電機を停止させるカウンタ値をより大きな値、例えば「4」程度にすれば、回転制御手段が停止してブレーキ制御を行えないという問題はなくなるが、外乱等で一時的にカウンタ値が低下した場合も、発電機を停止してしまうため、結果として持続時間が短くなってしまうという問題があった。
 このような所定の回転速度を維持できない場合に、発電機を積極的に停止させるという技術は、電子制御式機械時計に限らず、ゼンマイやゴムなどの機械的エネルギ源によって回転制御される部分を有するオルゴールやメトロノーム、おもちゃ、電気かみそりなどの各種電子機器において、精度の良いブレーキ制御を行って各作動部、例えばオルゴールのドラムやメトロノームの振子の作動を精度良く行う場合にも要求されることがあり、これらの場合にも前述のような課題が発生するおそれがあった。
 本発明の目的は、発電機の回転が低速になった際に、発電機を確実に停止させることができるとともに、外乱等の一時的な影響で発電機を停止させることがなく、その分の持続時間を長くすることができる電子機器、電子制御式機械時計、それらの制御方法、電子機器の制御プログラムおよび記録媒体を提供することにある。
 請求項1に記載の発明は、機械的エネルギ源と、前記機械的エネルギ源によって駆動されて誘起電力を発生して電気的エネルギを供給する発電機と、前記電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置とを備える電子機器において、前記回転制御装置は、時間標準源からの信号に基づいて発せられる基準信号および前記発電機の回転周期に対応した回転検出信号を比較して前記発電機のブレーキ制御を行うブレーキ制御手段と、前記ブレーキ制御手段によって発電機に加えられる設定時間当たりのブレーキ量が第1ブレーキ設定値以下であった場合に、前記発電機にブレーキを掛けて発電機を停止させる発電機停止手段と、を備えることを特徴とするものである。
 このような本発明において、ゼンマイ等の機械的エネルギ源から供給される機械的エネルギが高い状態では、発電機の回転周期を一定速度に維持するには、設定時間当たりに発電機に加えられるブレーキ量を大きくする必要がある。
 一方で、ゼンマイがほどける等で機械的エネルギが低い状態では、設定時間当たりに発電機に加えられるブレーキ量を小さくする必要がある。
 従って、設定時間当たりのブレーキ量が第1ブレーキ設定値以下になった場合には、一時的な外乱ではなく、機械的エネルギ源自体のエネルギが低下していることが明確になるから、その時点で発電機にブレーキをかけることで、外乱によって誤認して発電機を停止させてしまい、その分、持続時間が著しく短くなってしまうことを防止できる。
 さらに、回転制御装置のブレーキ制御手段によるブレーキ量が第1ブレーキ設定値以下になった状態を検出しているため、つまりブレーキ制御手段で正常にブレーキ制御が行われている状態で判断しているため、従来のように回転制御装置が停止してしまって発電機にブレーキを掛ける制御が行えないということがなく、発電機を確実に停止させることができる。
 ここで、前記発電機停止手段は、前記ブレーキ制御手段が発電機に対してブレーキをかけないブレーキオフ制御を行ったブレーキオフ回数を計測してそのブレーキ量を検出するブレーキ量検出手段を備え、このブレーキ量検出手段で検出された設定時間当たりのブレーキオフ回数が、ブレーキオフ回数設定値以上になると、設定時間当たりのブレーキ量が第1ブレーキ設定値以下と判断し、前記発電機にブレーキを掛けて発電機を停止させるように構成されていることが好ましい。
 このような本発明では、例えば8Hzの基準信号と回転検出信号との位相差等で発電機のブレーキ制御が行われるため、設定時間、例えば1分間であれば、少なくとも8×60=480回、ブレーキ制御が行われる。従って、この内、ブレーキオフ制御であった回数を計測し、その回数がブレーキオフ回数設定値(例えば64回)以上であれば、ブレーキオフの割合が多く、ブレーキ量が第1ブレーキ設定値以下であると判断され、発電機が停止される。
 この際、発電機停止手段は、ブレーキオフ回数を計測すればよいため、その制御が簡単になる。また、ブレーキオフ回数設定値を適宜設定するだけで、様々な電子機器の特性に応じて発電機の停止タイミングを設定できるため、各電子機器に適した制御を容易に設定できる。
 ここで、前記ブレーキ制御手段は、前記回転検出信号および基準信号の一方がアップカウント信号として入力され、他方がダウンカウント信号として入力されるアップダウンカウンタを備え、かつ前記発電機の回転周期が早くなってアップダウンカウンタの値が第1カウンタ設定値よりも大きくなると発電機にブレーキを掛け、第1カウンタ設定値以下になると発電機にブレーキを掛けない制御を行うように構成され、前記ブレーキ量検出手段は、アップダウンカウンタの値が第1カウンタ設定値よりも小さな第2カウンタ設定値以下である回数をブレーキオフ回数として計測することが好ましい。
 例えば、アップダウンカウンタが4ビットであり、第1カウンタ設定値が「7」とされ、カウンタ値が「8」以上でブレーキオン制御が行われ、「7」以下でブレーキオフ制御が行われる時に、第2カウンタ設定値を「6」とし、この「6」以下の回数をブレーキオフ回数として計測すればよい。
 このような構成によれば、ブレーキオフ状態をアップダウンカウンタ値で判断できるので、ブレーキオフ回数の計測がより一層簡単に行える。
 また、前記発電機停止手段は、前記ブレーキ制御手段が発電機に対してブレーキをかけるブレーキオン制御が行われる時間を計測し、その時間がブレーキオン設定時間よりも短い場合の短ブレーキ回数を計測してそのブレーキ量を検出するブレーキ量検出手段を備え、このブレーキ量検出手段で検出された設定時間当たりの短ブレーキ回数が、短ブレーキ回数設定値以上になると、設定時間当たりのブレーキ量が第1ブレーキ設定値以下と判断し、前記発電機にブレーキを掛けて発電機を停止させるように構成されているものでもよい。
 このような本発明では、例えば8Hzの基準信号と回転検出信号との位相差等で発電機のブレーキ制御が行われるため、設定時間、例えば1分間であれば、少なくとも8×60=480回、ブレーキ制御が行われる。そして、各ブレーキ制御は、基準信号と回転検出信号との位相差で行われるため、ブレーキオン制御の時間も位相差に応じて自動的に調整される。
 この際、ブレーキオン制御の時間が設定時間以下の短い場合をカウントし、その回数が短ブレーキ回数設定値(例えば64回)以上であれば、短いブレーキオン制御の割合が多く、ブレーキ量が第1ブレーキ設定値以下であると判断され、発電機が停止される。
 この際、発電機停止手段は、短ブレーキを制御するブレーキオン時間の設定と、その短ブレーキ回数の設定値との2つのパラメータを設定できるため、様々な電子機器の特性に応じて発電機の停止タイミングを設定でき、各電子機器により適した制御を容易に設定できる。
 ここで、前記ブレーキ制御手段は、発電機に対して少なくとも強いブレーキおよび弱いブレーキの2種類のブレーキを加えることができるようにされ、かつブレーキオフ制御を行う際には弱いブレーキを発電機に加え、ブレーキオン制御を行う際には強いブレーキを発電機に加えるように構成されているとともに、前記発電機停止手段は、前記ブレーキ制御手段によって発電機に強いブレーキを加えることで発電機を停止させるように構成されていてもよい。
 すなわち、ブレーキ制御としては、ブレーキのオンと、オフ(ブレーキ量ゼロ)とでコントロールするものでもよいが、大小2種類のブレーキで制御してもよい。
 この際、特に、発電機のコイル両端を断続可能なスイッチにデューティ比が異なる2種類以上のチョッピング信号を印加するようにすれば、発電機に強いブレーキを印加する強いブレーキ制御時には、デューティ比が大きい(スイッチをオンしている期間が長い)チョッピング信号を印加することで発電機の制動トルクを増加できるとともに、チョッピングによって発電電力の低下を抑えることができる。一方、発電機に弱いブレーキを印加する弱いブレーキ制御時には、前記チョッピング信号よりもデューティ比の小さい(スイッチをオンしている期間が短い)チョッピング信号をスイッチに印加することで発電機の制動トルクを非常に小さくでき、十分な発電電力を得ることができる。
 ここで、前記回転制御装置は、前記発電機停止用のブレーキを解除するブレーキ解除手段を備えるとともに、発電機停止用のブレーキ制御を行った場合には、ブレーキ解除手段で解除されるまでブレーキ制御を続行するように構成されていることが好ましい。
 このようなブレーキ解除手段を備え、かつ解除されるまで運転停止用のブレーキ制御を続行するように設定すれば、一旦、発電機停止用のブレーキ制御を行った場合には、例えば機械的エネルギ源としてのゼンマイを巻き上げる等して正常な回転駆動が可能な状態になるまで、確実に発電機の停止状態を維持することができる。
 このブレーキ解除手段としては、竜頭や専用のボタン等の外部操作部材を使用者が操作することにより前記発電機停止用のブレーキを解除するように構成されているものが好ましい。
 このような外部操作部材によりブレーキを解除するようにすれば、使用者が発電機の回転異常を認識して外部操作部材を操作した場合にブレーキを解除することになるため、使用者が異常を認識するまで発電機停止用のブレーキ制御を続行でき、確実に異常を認識させることができる。
 また、前記ブレーキ解除手段は、前記発電機停止用のブレーキが掛けられてから設定時間経過後に前記ブレーキを解除するように構成することもできる。
 発電機の回転速度が低下している際にブレーキを設定時間(例えば4秒程度)掛ければ、ブレーキを自動的に解除しても回転速度が上昇することは殆どない。このため、使用者に異常を確実に知らせることができるとともに、自動的にブレーキを解除でき、異常に気がついた使用者がゼンマイなどを巻いて発電機を再起動する際に、ブレーキが解除されていることで、再起動をスムーズにかつ迅速に行うことができ、起動性を向上できる。なお、ブレーキを掛ける設定時間は、機械的負荷やゼンマイ等の機械的エネルギ源のトルクなどを考慮して適宜設定すればよく、例えば2〜6秒程度に設定すればよい。
 本発明の電子制御式機械時計は、機械的エネルギ源と、前記機械的エネルギ源によって駆動されて誘起電力を発生して電気的エネルギを供給する発電機と、前記電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置と、前記発電機の回転に連動して作動される時刻表示装置とを備える電子制御式機械時計であって、前記回転制御装置は、時間標準源からの信号に基づいて発せられる基準信号および前記発電機の回転周期に対応した回転検出信号を比較して前記発電機のブレーキ制御を行うブレーキ制御手段と、前記ブレーキ制御手段によって発電機に加えられる設定時間当たりのブレーキ量が第1ブレーキ設定値以下であった場合に、前記発電機にブレーキを掛けて発電機を停止させて時刻表示装置も停止させる発電機停止手段と、を備えることを特徴とするものである。
 電子制御式機械時計に、本発明を用いれば、発電機が低速になった場合には積極的に発電機を停止させてその回転を防止できるため、発電機が駆動しながら所定の発電力が得られないということを防止できる。さらに、発電機に指針等の駆動部分を連動させ、発電機の回転制御でその駆動部分の駆動制御を行っている場合には、発電機が動作している間は、その駆動制御を正確に行えて誤差を無くすことができ、かつ発電機の回転数が低下した際には、発電機を確実に停止させることができ、使用者に時刻遅れを確実に知らせることができる。
 また、前記電子機器は、計時装置や、オルゴールまたはメトロノームであってもよい。これらによれば、外乱等が生じた際に発電機が停止してしまうことがなく、動作時には正確に回転制御され、かつ機械的エネルギ源のトルクが低下して正確な回転が維持できない時にはその動作を確実に停止させることができる計時装置やオルゴールまたはメトロノームを提供することができる。
 ここで、電子機器が電子制御式機械時計の場合には、前記外部操作部材は竜頭であることが好ましい。具体的には、前記回転制御装置は、前記発電機停止用のブレーキを解除するブレーキ解除手段を備え、このブレーキ解除手段は、使用者が竜頭を操作することにより前記ブレーキを解除するように構成されていることが好ましい。
 電子制御式機械時計の場合には、発電機に連動して運針が行われ、運針異常を認識した使用者は、通常竜頭を回してゼンマイを巻き上げる。このため、この竜頭を操作した際に発電機(運針)停止用のブレーキ制御も解除されるようにしておけば、使用者は別途専用のボタン等を押してブレーキ解除動作を行う必要が無くなって操作性を向上できる。
 本発明の電子機器の制御方法は、機械的エネルギ源と、前記機械的エネルギ源によって駆動されて誘起電力を発生して電気的エネルギを供給する発電機と、前記電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置とを備える電子機器の制御方法であって、時間標準源からの信号に基づいて発せられる基準信号および前記発電機の回転周期に対応した回転検出信号を比較して前記発電機のブレーキ制御を行うとともに、発電機に加えられる設定時間当たりのブレーキ量が第1ブレーキ設定値以下であった場合に、前記発電機にブレーキを掛けて発電機を停止させることを特徴とするものである。
 本発明においても、発電機のブレーキ量が第1ブレーキ設定値以下となった場合、つまり回転周期が非常に遅くなったときには、発電機にブレーキを掛けて発電機を確実に停止できる。このため、発電機が低速になりすぎて、所定の発電電力が得られなかったりすることを確実に防止できる。
 本発明の電子制御式機械時計の制御方法は、機械的エネルギ源と、前記機械的エネルギ源によって駆動されて誘起電力を発生して電気的エネルギを供給する発電機と、前記電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置と、前記発電機の回転に連動して作動される時刻表示装置とを備える電子制御式機械時計の制御方法であって、時間標準源からの信号に基づいて発せられる基準信号および前記発電機の回転周期に対応した回転検出信号を比較して前記発電機のブレーキ制御を行うとともに、発電機に加えられる設定時間当たりのブレーキ量が第1ブレーキ設定値以下であった場合に、前記発電機にブレーキを掛けて発電機を停止させて時刻表示装置も停止させることを特徴とするものである。
 本発明においても、発電機のブレーキ量が第1ブレーキ設定値以下となった場合、つまり回転周期が非常に遅くなったときには、発電機にブレーキを掛けて発電機を確実に停止できる。
 これにより、発電機の回転が非常に低速になり、発電機に連動する指針等の時刻表示装置の誤差が生じた際には、発電機つまり時刻表示装置が停止されるため、使用者が時刻確認のために指針等を視認した際に、運針の異常を認識させることができ、使用者に時刻遅れを知らせることができる。従って、時刻遅れのまま使用者が時計を使用することを防止することができ、使用者にゼンマイを巻き上げる操作を促して電子制御式機械時計を正常動作に戻すこともできる。
 本発明の電子機器の制御プログラムは、機械的エネルギ源と、前記機械的エネルギ源によって駆動されて誘起電力を発生して電気的エネルギを供給する発電機と、前記電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置とを備える電子機器の制御プログラムであって、前記回転制御装置を、時間標準源からの信号に基づいて発せられる基準信号および前記発電機の回転周期に対応した回転検出信号を比較して前記発電機のブレーキ制御を行うブレーキ制御手段と、前記ブレーキ制御手段によって発電機に加えられる設定時間当たりのブレーキ量が第1ブレーキ設定値以下であった場合に、前記発電機にブレーキを掛けて発電機を停止させる発電機停止手段として機能させることを特徴とするものである。
 また、本発明の記録媒体は、機械的エネルギ源と、前記機械的エネルギ源によって駆動されて誘起電力を発生して電気的エネルギを供給する発電機と、前記電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置とを備える電子機器の制御プログラムを記録した記録媒体であって、前記回転制御装置を、時間標準源からの信号に基づいて発せられる基準信号および前記発電機の回転周期に対応した回転検出信号を比較して前記発電機のブレーキ制御を行うブレーキ制御手段と、前記ブレーキ制御手段によって発電機に加えられる設定時間当たりのブレーキ量が第1ブレーキ設定値以下であった場合に、前記発電機にブレーキを掛けて発電機を停止させる発電機停止手段として機能させるためのプログラムを記録したことを特徴とするものである。
 このような記録媒体やインターネット等の通信手段で提供される本発明の制御プログラムを電子機器に組み込めば、発電機の回転が遅くなり、ブレーキ量が第1ブレーキ設定値以下になってときには、発電機にブレーキを加えて停止させることができるので、発電機の動作状態では常に正確な回転制御を行うことができる。
 さらに、このプログラムをCD−ROM等の記録媒体や、インターネット等の通信手段を介して電子機器にインストールして組み込むことができるので、その第1ブレーキ設定値を各電子機器の特性などに応じて最適にかつ簡単に設定することができ、より正確な回転制御を行うことができる。
 以上に述べたように、本発明の電子機器、電子制御式機械時計、それらの制御方法、電子機器の制御プログラムおよび記録媒体によれば、発電機の回転が低速になった際に、発電機を確実に停止させることができるとともに、外乱等の一時的な影響で発電機を停止させることがなく、その分の持続時間を長くすることができる。
 図1には、本発明の一実施形態の電子制御式機械時計を示すブロック図が示されている。
 電子制御式機械時計は、機械的エネルギ源としてのゼンマイ1と、ゼンマイ1のトルクを発電機2に伝達するエネルギ伝達装置としての増速輪列3と、増速輪列3に連結されて時刻表示を行う指針4とを備えている。
 発電機2は、増速輪列3を介してゼンマイ1によって駆動され、誘起電力を発生して電気的エネルギを供給する。この発電機2からの交流出力は、昇圧整流、全波整流、半波整流、トランジスタ整流等からなる整流回路5を通して昇圧、整流され、コンデンサ等で構成された電源回路6に充電供給される。
 なお、本実施形態では、図2にも示すように、整流回路5を含むブレーキ回路20を発電機2に設けている。このブレーキ回路20は、発電機2で発電された交流信号(交流電流)が入力される第1の交流入力端子MG1に接続された第1のスイッチ21と、前記交流信号が入力される第2の交流入力端子MG2に接続された第2のスイッチ22とを有し、これらのスイッチ21,22を同時にオンすることにより、第1、第2の交流入力端子MG1,MG2を短絡させて閉ループ状態にし、ショートブレーキを掛けるようになっている。
 第1のスイッチ21は、第2の交流入力端子MG2にゲートが接続されたPchの第1の電界効果型トランジスタ(FET)26と、後述するチョッパ信号発生部80からのチョッパ信号(チョッパパルス)CH5がゲートに入力される第2の電界効果型トランジスタ27とが並列に接続されて構成されている。
 また、第2のスイッチ22は、第1の交流入力端子MG1にゲートが接続されたPchの第3の電界効果型トランジスタ(FET)28と、チョッパ信号発生部80からのチョッパ信号CH5がゲートに入力される第4の電界効果型トランジスタ29とが並列に接続されて構成されている。
 そして、発電機2に接続された昇圧用のコンデンサ23、ダイオード24,25、スイッチ21,22を備えて倍電圧整流回路5が構成されている。なお、ダイオード24,25としては、一方向に電流を流す一方向性素子であればよく、その種類は問わない。特に、電子制御式機械時計では、発電機2の起電圧が小さいため、ダイオード24,25としては降下電圧Vfや逆リーク電流が小さいショットキーバリアダイオードやシリコンダイオードを用いることが好ましい。そして、この整流回路5で整流された直流信号は、電源回路(コンデンサ)6に充電される。
 前記ブレーキ回路20は、電源回路6から供給される電力によって駆動される回転制御装置50により制御されている。この回転制御装置50は、図1に示すように、発振回路51、検出回路52、制御回路53を備えて構成されている。
 発振回路51は時間標準源である水晶振動子51Aを用いて発振信号(32768Hz)を出力し、この発振信号は12段のフリップフロップからなる分周回路54によってある一定周期まで分周される。分周回路54の12段目の出力Q12は、8Hzの基準信号fsとして出力されている。
 検出回路52は、発電機2に接続された波形整形回路61とモノマルチバイブレータ62とで構成されている。波形整形回路61は、アンプ、コンパレータで構成され、正弦波を矩形波に変換する。モノマルチバイブレータ62は、ある周期以下のパルスだけを通過させるバンドパス・フィルターとして機能し、ノイズを除去した回転検出信号FG1を出力する。
 制御回路53は、図1に示すように、ブレーキ制御手段であるブレーキ制御装置55と、発電機停止手段である発電機停止装置56と、ブレーキ解除手段であるブレーキ解除装置57とを備えている。
 ブレーキ制御装置55は、図2に示すように、アップダウンカウンタ60と、同期回路70と、チョッパ信号発生部80とを備えている。
 アップダウンカウンタ60のアップカウント入力およびダウンカウント入力には、検出回路52の回転検出信号FG1および分周回路54からの基準信号fsが同期回路70を介してそれぞれ入力されている。
 同期回路70は、4つのフリップフロップ71やANDゲート72,NANDゲート73からなり、分周回路54の5段目の出力Q5(1024Hz)や6段目の出力Q6(512Hz)の信号を利用して、回転検出信号FG1を基準信号fs(8Hz)に同期させるとともに、これらの各信号パルスが重なって出力されないように調整している。
 アップダウンカウンタ60は、4ビットのカウンタで構成されている。アップダウンカウンタ60のアップカウント入力には、前記回転検出信号FG1に基づく信号が同期回路70から入力され、ダウンカウント入力には、前記基準信号fsに基づく信号が同期回路70から入力される。これにより、基準信号fsおよび回転検出信号FG1の計数と、その差の算出とが同時に行えるようになっている。
 なお、このアップダウンカウンタ60には、4つのデータ入力端子(プリセット端子)A〜Dが設けられており、端子A〜CにHレベル信号が入力されていることで、アップダウンカウンタ60の初期値(プリセット値)がカウンタ値7に設定されている。
 また、アップダウンカウンタ60のLOAD入力端子には、電源回路6に接続されて電源回路6の電圧に応じてシステムリセット信号SRを出力する初期化回路90が接続されている。なお、本実施形態では、初期化回路90は、電源回路6の充電電圧が所定電圧になるまではHレベルの信号を出力し、所定電圧以上になればLレベルの信号を出力するように構成されている。
 アップダウンカウンタ60は、LOAD入力がLレベルになるまで、つまりシステムリセット信号SRが出力されるまでは、アップダウン入力を受け付けないため、アップダウンカウンタ60のカウンタ値は「7」に維持される。
 また、アップダウンカウンタ60は、4ビットの出力QA〜QDを有しているため、4ビット目の出力QDは、カウンタ値が第1カウンタ設定値である「7」以下であればLレベル信号を出力し、「8」以上であればHレベル信号を出力することになる。この出力QDは、チョッパ信号発生部80に接続されている。
 なお、出力QA〜QDが入力されたNANDゲート74およびORゲート75の各出力は、同期回路70からの出力が入力されるNANDゲート73にそれぞれ入力されている。従って、例えばアップカウント信号の入力が複数個続いてカウンタ値が「15」になると、NANDゲート74からはLレベル信号が出力され、さらにアップカウント信号がNANDゲート73に入力されても、その入力はキャンセルされてアップダウンカウンタ60にアップカウント信号がそれ以上入力されないように設定されている。同様に、カウンタ値が「0」になると、ORゲート75からはLレベル信号が出力されるため、ダウンカウント信号の入力はキャンセルされる。これにより、カウンタ値が「15」を越えて「0」になったり、「0」を越えて「15」になったりしないように設定されている。
 チョッパ信号発生部80は、分周回路54の出力Q5〜Q8を利用して第1のチョッパ信号CH1を出力するANDゲート82と、第2のチョッパ信号CH2を出力するORゲート83と、前記アップダウンカウンタ60の出力QDが入力されるORゲート86と、ORゲート86の出力およびチョッパ信号CH2が入力されるANDゲート84と、ANDゲート84の出力CH4および前記出力CH1が入力されるNORゲート85とを備えている。
 このチョッパ信号発生部80のNORゲート85からの出力CH5は、Pchトランジスタ27,29のゲートに入力されている。従って、チョッパ出力CH5がLレベルとなっている間は、トランジスタ27,29はオン状態に維持され、発電機2がショートされてブレーキが掛かる。
 一方、出力CH5がHレベルとなっている間は、トランジスタ27,29はオフ状態に維持され、発電機2にはブレーキが加わらない。従って、出力CH5からのチョッパ信号によって発電機2をチョッパリング制御することができる。
 ここで、前記各チョッパ信号CH1,CH2のデューティ比は、そのチョッパ信号の1周期の間で発電機2にブレーキを掛けている時間の比率であり、本実施形態では各チョッパ信号CH1,CH2において1周期の間でHレベルとなっている時間の比率である。
 発電機停止装置56は、図3に示すように、ブレーキ量検出手段であるブレーキ量検出回路200と、ブレーキ量検出回路200で検出されたブレーキ量によって発電機2を停止させる信号CH3を出力する発電機停止信号出力回路230とを備えて構成されている。
 ブレーキ量検出回路200は、基準周期毎に、アップダウンカウンタ60のカウンタ値が第2カウンタ設定値である「6」以下であればHレベル信号を出力し、「7」以上であればLレベル信号を出力するカウンタ値検出回路210と、このカウンタ値検出回路210のHレベル信号をカウントしてブレーキ量(ブレーキオフ回数)を積算するブレーキ量積算手段である分周回路220とを備えて構成されている。
 具体的には、カウンタ値検出回路210は、アップダウンカウンタ60の出力QA〜QCが入力されるANDゲート211と、ANDゲート211の出力およびアップダウンカウンタ60の出力QDが入力されるNORゲート212と、このNORゲート212の出力SP1および分周回路54の出力Q12が入力されるANDゲート213とを備えている。
 従って、NORゲート212の出力SP1は、アップダウンカウンタ60のカウンタ値が「0〜6」つまり第2カウンタ設定値「6」以下でHレベル信号となる。
 一方、発電機停止信号出力回路230は、分周回路220で設定時間内にカウントされたHレベル信号の数(ブレーキオフ回数)が所定値(ブレーキオフ回数設定値)以上となって出力F6がHレベル信号になると、発電機停止信号CH3をHレベル信号にするフリップフロップで構成されている。
 このような発電機停止装置56では、ANDゲート213からは、SP1がHレベルの時に、出力Q12に同期した信号、つまり基準信号と同じ8Hzの信号が分周回路220のクロック入力に出力される。
 一方、分周回路220のクリア入力には、分周回路54の信号等に基づいて1分間隔で入力される1分信号が入力される。
 従って、分周回路220では、1分信号でクリアされるまで、つまり1分間にANDゲート213からHレベル信号が所定数入力されると、Hレベル信号をフリップフロップ230のクロック入力に出力するように構成されている。
 具体的には、本実施形態では、分周回路220の出力F6がHレベル信号になる状態、つまり1分間にクロック入力に対してHレベル信号が64回(ブレーキオフ回数設定値)以上入力されると、フリップフロップ230にHレベル信号を出力するようにされている。
 また、発電機停止信号出力回路であるフリップフロップ230は、竜頭が2段目つまり時刻修正状態になるとHレベルとなる信号RM2がクリア入力とされかつ常時Hレベル信号がデータ入力に加わっており、分周回路220の出力F6がクロック入力とされている。
 従って、フリップフロップ230の出力Qは、出力F6がHレベルとなると、竜頭が2段目に引き出されるまで、Hレベル信号を出力し、それが発電機停止信号CH3となる。
 換言すれば、1分間に64回以上、アップダウンカウンタ60の値が第2カウンタ設定値「6」以下のブレーキオフ制御が行われていると、発電機停止信号CH3がHレベル信号となる。
 この発電機停止信号CH3は、出力QDとともにORゲート86に入力される。このため、発電機停止信号CH3がLレベル信号の状態では、ORゲート86の出力は出力QDがそのまま出力され、出力QDがHレベル信号つまりアップダウンカウンタ60が「8」以上であれば、強いブレーキ制御が行われ、第1カウンタ設定値「7」以下であれば弱いブレーキ制御が行われる。
 一方、発電機停止信号CH3がHレベル信号の場合には、出力QDに関係なく、常時強いブレーキ制御が行われる。
 なお、本発明において、強いブレーキおよび弱いブレーキとは、相対的なものであり、強いブレーキは弱いブレーキに比べてブレーキ力が強いことを意味する。各ブレーキにおける具体的なブレーキ力つまりはチョッパブレーキ信号のデューティ比や周波数は実施にあたって適宜設定すればよい。
 また、本実施形態においては、信号RM2がHレベル信号になることで、フリップフロップ230がクリアされて発電機停止信号CH3が「L」つまり解除されるので、竜頭および発電機停止装置56のフリップフロップ230によってブレーキ解除装置57が構成されている。
 次に、本実施形態における動作を図4〜6のタイミングチャートおよび図7のフローチャートを参照して説明する。
 発電機2が作動し始めて、初期化回路90からLレベルのシステムリセット信号SRがアップダウンカウンタ60のLOAD入力に入力されると、図4に示すように、回転検出信号FG1に基づくアップカウント信号と、基準信号fsに基づくダウンカウント信号とがアップダウンカウンタ60でカウントされる(ステップ1、以下ステップを「S」と略す)。これらの各信号は、同期回路70によって同時にカウンタ60に入力されないように設定されている。
 このため、初期カウント値が「7」に設定されている状態から、アップカウント信号が入力されるとカウンタ値は「8」となり、出力QDからHレベル信号がORゲート86に出力される。
 一方、ダウンカウント信号が入力されてカウンタ値が「7」に戻れば、出力QDからはLレベル信号が出力される。
 一方、チョッパ信号発生部80では、図5に示すように、分周回路54の出力Q5〜Q8を利用し、各チョッパ信号CH1、CH2を出力する。
 また、発電機停止装置56の分周回路220では、1分信号が入力されると(S2)、分周回路220がリセットされる(S3)。アップダウンカウンタ60のカウンタ値が第2カウンタ設定値「6」以下のブレーキオフ制御信号の入力回数を変数BKで表せば、分周回路220がリセットされるとは、「BK=0」に初期化することになる(S3)。
 そして、分周回路220では、ブレーキ量が設定値以上になると、つまりブレーキオフ回数BKがブレーキオフ回数設定値(64)以上になると(S4)、発電機2を停止させる強ブレーキ制御が行われる(S5)。
 一方、ブレーキ量が設定値未満(BK<64)の場合には(S4)、発電機停止信号CH3はLレベル信号のままである。このとき、アップダウンカウンタ60が「8」以上つまり出力QDがHレベル信号であれば(S6)、ANDゲート84からはチョッパ信号CH2がそのまま出力され、出力CH4はチョッパ信号CH2と同一になる。このため、NORゲート85からの出力CH5は、出力CH2を反転したチョッパ信号、つまりHレベル期間(ブレーキオフ期間)が1/16と短く、Lレベル期間(ブレーキオン期間)が15/16と短い、つまり強ブレーキ制御を行うデューティ比の大きな(15/16)チョッパ信号となる。従って、チョッパ信号CH5は、発電機2に対してショートブレーキを掛けるLレベル信号のトータル時間が長くなり、発電機2に対しては強いブレーキ制御が行われる(S7)。この際、一定周期でHレベル信号となってショートブレーキがオフされるためにチョッパリング制御が行われ、発電電力の低下を抑えつつ制動トルクを向上することができる。
 一方、ブレーキ量が設定値未満の場合で(S4)、アップダウンカウンタ60が第1カウンタ設定値「7」以下の場合(S6)には、出力QDがLレベル信号であるから、出力CH4もLレベル信号となる。このため、図5にも示すように、NORゲート85からの出力CH5は、出力CH1が反転したチョッパ信号、つまりHレベル期間(ブレーキオフ期間)が15/16と長く、Lレベル期間(ブレーキオン期間)が1/16と短い、つまり弱ブレーキ制御を行うデューティ比(スイッチ21,22をオンしている比率)の小さな(1/16)チョッパ信号となる。従って、発電機2に対しては、発電電力を優先した弱いブレーキ制御が行われる(S9)。
 この際、アップダウンカウンタ60のカウンタ値が第2カウンタ設定値「6」以下の場合には(S8)、分周回路220のクロック入力にHレベル信号が入力されてカウントされる。すなわち、変数BKが1加算される処理も行われる(S10)。
 このようなカウンタ値の計数に基づく処理を繰り返し、1分信号が入力される迄に、Hレベル信号が64個入力されて分周回路220の出力F6がHレベルとなれば、つまり変数BKが64以上になると、発電機2を停止させる強ブレーキ制御が行われる(S5)。つまり、出力Q12は8Hzであるから、1分間に480個の信号が発せられ、その内、64個以上がHレベル信号の場合(カウンタ値「6」以下が約13%以上)になると、強ブレーキ制御が行われる。
 具体的には、出力F6がHレベルになると、フリップフロップ230の出力CH3がHレベル信号になり、出力QDの信号に関係なく、強ブレーキ制御が続行され、これにより発電機2が停止する(S5)。
 この発電機2を停止させる強ブレーキ制御は、信号RM2がHレベルつまり竜頭を2段目に引き出さない限り続行される(S11)。そして、RM2がHレベルになれば、ブレーキは解除される(S12)。
 以上の動作をまとめると、発電機停止信号CH3がLレベル信号の状態の時は、アップダウンカウンタ60の出力QDからHレベル信号が出ている間は、デューティ比の大きなチョッパ信号による強いブレーキ制御が行われ、Lレベル信号が出ている間は、デューティ比の小さなチョッパ信号による弱いブレーキ制御が行われる。つまり、ブレーキ制御装置であるアップダウンカウンタ60によって強ブレーキ制御と弱ブレーキ制御とが切り替えられる。
 そして、このようなブレーキ制御を繰り返しているときは、発電機2が設定された回転スピード近くになり、図4に示すように、アップカウンタ信号と、ダウンカウンタ信号とが交互に入力されて、カウンタ値が「8」と「7」とを繰り返すロック状態に移行する。この際も、カウンタ値および回転周期に応じて強ブレーキ制御と弱ブレーキ制御とが繰り返される。
 一方、ゼンマイのトルクが低下すると、図8に示すように、アップダウンカウンタ60のカウンタ値が「6」以下の状態が増える。この割合が、1分間に所定割合(64/480以上)になると、出力QDに関係なく強ブレーキ制御となる。そして、この強ブレーキ制御は、竜頭が2段目に引き出されるまで続行されるため、発電機2は確実に停止される。
 このため、運針は確実に停止し、使用者が時刻確認をするために指針4を見た際に、運針の異常を認識させることができる。そして、使用者が竜頭を操作して2段目に引き出せば、発電機2のブレーキも解除される。
 このような本実施形態によれば、次のような効果がある。
 (1) 回転制御装置50として、通常の調速用のブレーキ制御を行うためのブレーキ制御装置55のほかに、発電機停止装置56を設けたので、ゼンマイ1のトルクが低下するなどして発電機2の回転周期が基準周期に比べて遅くなり、運針も遅くなって指針4の時刻表示に狂いが生じた際に、発電機2にブレーキを掛け続けて停止させることができる。このため、時計が正常に運針していない場合に、運針を停止でき、時計の使用者が時刻を確認する際に運針異常を容易にかつ確実に認識することができ、正しく調速された状態の電子制御式機械時計の利用を促すことができる。
 (2) 発電機停止装置56において発電機2を停止させる発電機停止信号CH3を生成する際に、設定時間(本実施形態では1分)におけるアップダウンカウンタ60のカウンタ値が第2カウンタ設定値「6」以下の割合によって判断しているので、一時的な外乱でアップダウンカウンタ60のカウンタ値が低下したような場合に間違って発電機2を停止させてしまうことが無い。従って、ゼンマイ1が解けてトルクが低下した状態の場合のみに確実に発電機2を停止させることができる。
 このため、外乱時にブレーキを掛けてしまって発電機2が停止してしまい、持続時間が短くなることを防止でき、電子制御式機械時計の持続時間を設計通りに確保することができる。
 また、発電機2が一旦停止し、再度駆動することもないため、指針4の指示誤差も無くすことができる。
 (3) 発電機停止装置56によるブレーキは、使用者が竜頭を2段目に引き出すまで解除されないように設定したので、運針停止を認識させる状態を維持することができる。
 また、このブレーキ状態は竜頭を2段目に引き出すことで解除できるため、指針4の時刻合わせ操作やゼンマイ1の巻上げ操作等を行う場合に、ブレーキを解除しておくことができ、各操作をスムーズに行うことができる。
 さらに、使用者が運針異常を認識して竜頭を引き出した場合に始めてブレーキを解除することになるため、使用者に運針異常を確実に認識させることができる。
 (4) さらに、竜頭を用いてブレーキを解除しているので、別途専用のボタン等を設ける場合に比べて、ブレーキ解除操作を容易に行うことができる。すなわち、運針異常を認識した使用者は、通常竜頭を回してゼンマイ1を巻き上げるため、この竜頭を操作した際に発電機停止用のブレーキも解除されるようにしておけば、使用者は別途専用のボタン等を押してブレーキ解除動作を行う必要が無くなって操作性を向上することができる。
 また、指針4に連動する発電機2にブレーキが掛けられた状態のままで、竜頭を引き出して指針4の時刻合わせ操作を行った後に竜頭を押し込んでも、指針4が動き出さないために針合わせ操作が無効になってしまうが、竜頭を引き出した際に合わせてブレーキも解除しているので、指針4の時刻合わせ操作を行った後に竜頭を押し込めば指針4も確実に動き出し、時刻合わせ操作を有効にでき、操作性を良好にできる。
 (5) ブレーキ量が第1ブレーキ設定値以下にならない状態では、アップダウンカウンタ60の出力QDによってブレーキ制御を行うことができる。これにより、基準周期に関係なく発電機2の回転周期に応じた最適なブレーキ制御を行うことができるため、基準周期の1周期の中で必ずブレーキオン制御とブレーキオフ制御とを行う場合に比べて、確実かつ十分なブレーキ量を与えることができ、調速制御の応答性も高めることができる。このため、発電機2のロータの回転周期のばらつきを小さくでき、発電機2をほぼ一定速度で安定して回転することができる。
 (6) 強ブレーキ制御時にはデューティ比の大きなチョッパ信号を用いて制御しているので、充電電圧の低下を抑えながら制動トルクを大きくすることができ、システムの安定性を維持しながら、効率的なブレーキ制御を行うことができる。これにより、電子制御式機械時計の持続時間も長くすることができる。
 (7) 弱ブレーキ制御時にも、デューティ比の小さなチョッパ信号によりチョッパ制御しているので、弱いブレーキを印加している間の充電電圧をより向上することができる。
 (8) 通常運針時においては、強ブレーキ制御と弱ブレーキ制御との切替は、カウンタ値が第1カウンタ設定値「7」以下であるか「8」以上であるかのみで設定されるため、回転制御装置50をシンプルな構成にでき、部品コストや製造コストを低減でき、電子制御式機械時計を安価に提供できる。
 (9) 発電機2の回転速度に応じて、アップカウンタ信号が入力されるタイミングが変化するため、カウンタ値が「8」である期間つまりブレーキを掛けている時間も自動的に調整することができる。このため、特にアップカウンタ信号とダウンカウント信号とが交互に入力されるロック状態では、応答性の速い安定した制御を行うことができる。
 (10) ブレーキ制御装置として、アップダウンカウンタ60を用いているので、各アップカウンタ信号およびダウンカウンタ信号の計数と同時に各計数値の比較(差)を自動的に算出することができるため、構成を簡易にできかつ各計数値の差を簡単に求めることができる。
 (11) 4ビットのアップダウンカウンタ60を用いているので、16個のカウント値をカウントすることができる。このため、アップカウンタ信号が続けて入力された場合などに、その入力値を累積してカウントすることができ、設定された範囲つまりアップカウンタ信号やダウンカウンタ信号が連続して入力されてカウンタ値が「15」や「0」になるまでの範囲では、その累積誤差を補正することができる。このため、仮に発電機2の回転速度が基準速度から大きく外れても、ロック状態になるまでは時間が掛かるが、その累積誤差を確実に補正して発電機2の回転速度を基準速度に戻すことができ、長期的には正確な運針を維持することができる。
 (12)初期化回路90を設けて、発電機2の起動時の電源回路6が所定の電圧に充電されるまではブレーキ制御を行わず、発電機2にブレーキが掛からないようにしているので、電源回路6への充電を優先させることができ、電源回路6によって駆動される回転制御装置50を迅速にかつ安定して駆動することができ、その後の回転制御の安定性も高めることができる。
 (13)発電機停止装置56は、各種の論理回路を用いて形成されているので、回路を小型化、省電力化することができる。
 次に、本発明の第2実施形態について説明する。前記第1実施形態では、ブレーキオフ回数をカウントしてブレーキ量が第1ブレーキ設定値以下になったことを検出していたが、本実施形態では、ブレーキオン時間が設定時間以下の短ブレーキ回数をカウントしてブレーキ量が第1ブレーキ設定値以下になったことを検出するものである。
 具体的には、発電機停止装置56を、図9に示すように、カウンタ値検出回路210Aと、分周回路220と、フリップフロップ230とを備えて構成した。分周回路220およびフリップフロップ230は、前記第1実施形態と同一であるため、説明を省略する。
 カウンタ値検出回路210Aは、アップダウンカウンタ60の出力QDが入力されるNOTゲート215と、このNOTゲート215で反転された信号と、信号SP2とが入力されるANDゲート216と、この信号SP2を出力するためのANDゲート217,218およびフリップフロップ219とを備えている。
 ここで、ANDゲート217には、分周回路54の出力Q10,Q11およびQ12の反転信号が入力される。このANDゲート217の出力は、フリップフロップ219のデータ入力とされ、かつフリップフロップ219のクロック入力には分周回路54の出力Q5が入力される。フリップフロップ219の反転出力XQ(図ではQの上に横線で示す)と、ANDゲート217の出力がANDゲート218に入力され、ANDゲート218の出力が信号SP2とされている。この信号SP2は、図10に示すように、基準信号fs(8Hz)を元にしたDOWN信号に対し、所定時間BP前に立ち上がりパルスを出力するものである。
 ここで、出力QDは、信号FG2と同期するUP信号がアップダウンカウンタ60に入力されてカウンタ値が「7」から「8」になれば「L」から「H」に立ち上がり、DOWN信号が入力されてカウンタ値が「8」から「7」になれば「H」から「L」に立ち下がる。
 従って、出力QDのHレベル信号の幅(長さつまり時間)が所定時間BPよりも短ければ、ブレーキオン制御(強ブレーキ制御)の時間が設定時間BPよりも短くなり、ブレーキ量が設定値以下になっていると言える。
 そして、出力QDを反転した信号と、信号SP2とをANDゲート216に入力すれば、出力QDのHレベル信号の幅(長さつまり時間)が所定時間BPよりも短い状態ではHレベル信号が出力され、長い状態ではLレベル信号が出力される。
 このため、分周回路220では、1分間に、ブレーキ量が設定値(時間BP)以下の制御を行った短ブレーキ回数がカウントされ、その回数が短ブレーキ回数設定値所定値(64回)以上カウントされると、出力F6がHレベルとなり、発電機停止信号CH3がHレベルとなる。
 以下、前記第1実施形態と同様に、竜頭を2段目に引き出すまで、強ブレーキ制御が行われ、発電機2が停止される。
 このような本実施形態においても、前記第1実施形態と同じ作用効果が得られる。
 その上、第1実施形態では、所定時間(1分間)におけるブレーキオフ制御(弱ブレーキ制御)の回数(割合)から発電機2を停止していたのに対し、本実施形態では、所定時間(1分間)における時間BP以下の短いブレーキオン制御(強ブレーキ制御)の回数(割合)から発電機2を停止していたため、短ブレーキ回数(前記実施形態では64回)だけでなく、ブレーキオン設定時間BPも適宜設定することができ、ブレーキオフ回数しか設定していない前記第1実施形態に対し、より細かな調整を行うことができ、各機器に対応したより最適な条件を設定することができる。
 なお、本発明は各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は、本発明に含まれるものである。
 例えば、チョッパ信号発生部80におけるチョッパ信号のデューティ比は、前記実施形態のように、1/16や15/16に限らず、例えば、14/16等の他の値でもよい。さらには、チョッパ信号のデューティ比を28/32、31/32等にし、デューティ比の変化を16段階ではなく、32段階などにしてもよい。この際、強いブレーキ制御時に用いられるチョッパ信号としては、デューティ比が0.75〜0.97程度の範囲にあることが好ましく、この中で0.75〜0.89程度の範囲にすれば、充電電圧をより一層向上でき、0.90〜0.97と高い範囲にすれば、ブレーキ力をより一層高めることができる。
 さらに、各実施形態において、弱いブレーキ制御時に用いられるチョッパ信号は、例えばデューティ比が1/16〜1/32程度の低い範囲にすればよい。要するに、各チョッパ信号のデューティ比や周波数は、実施にあたって適宜設定すればよい。この際、例えば、周波数を、500〜1100Hzと高い範囲の周波数にすれば、充電電圧をより一層向上できる。一方で、25〜50Hzと低い範囲の周波数にすれば、ブレーキ力をより一層高めることができる。このため、各チョッパ信号を、デューティ比とともに周波数も変えることで、より充電電圧やブレーキ力を高めることができる。
 また、前記第1実施形態では、アップダウンカウンタ60の第1カウンタ設定値は「7」、第2カウンタ設定値は「6」であったが、例えば、第2カウンタ設定値を「5」にするなどしてもよく、これらは適宜設定すればよい。但し、発電機が正常に制御されている際には、「7」(第1カウンタ設定値)と「8」とが交互に入力されるため、異常診断のための第2カウンタ設定値は、少なくとも第1カウンタ設定値とは異なる値(前記実施形態のように、発電機の回転が低速になるとカウンタ値も小さくなる場合には、第1カウンタ設定値よりも小さな値)に設定すればよい。
 ブレーキ制御装置として4ビットのアップダウンカウンタ60を用いていたが、3ビット以下のアップダウンカウンタを用いてもよいし、5ビット以上のアップダウンカウンタを用いても良い。ビット数が大きなアップダウンカウンタを用いれば、カウントできる値が増えるため、累積誤差を記憶できる範囲が大きくでき、特に発電機2の起動直後等の非ロック状態での制御が有利になる。一方で、ビット数の小さなカウンタを用いれば、累積誤差を記憶できる範囲が小さくなるが、特にロック状態になればアップおよびダウンを繰り返すことになるため、1ビットのカウンタでも対応できるとともに、コストを低減できる利点がある。
 また、ブレーキ制御装置としては、アップダウンカウンタに限らず、基準信号fs用および回転検出信号FG1用にそれぞれ設けた第1および第2の計数手段と、各計数手段の計数値を比較する比較回路とで構成されたものでもよい。ただし、アップダウンカウンタ60を用いたほうが回路構成が簡易になるという利点がある。
 さらに、ブレーキ制御装置としては、発電機2の発電電圧や回転周期(速度)等を検出し、その検出値に基づいてブレーキを制御するものでもよく、その具体的構成は実施にあたって適宜設定すればよい。
 また、ブレーキ量が第1ブレーキ設定値以下であるかを検出する方法も、前記実施形態のようにアップダウンカウンタ60の出力を利用したものに限らず、発電機2に加わるトルクと、発電機2の発電電圧や回転周期等に基づいて検出するものでもよく、要するに現在発電機2に加えているブレーキ量を検出できる方法を適宜採用すればよい。
 また、前記各実施形態では、チョッパ信号を用いてロータのブレーキ力を制御していたが、チョッパ信号を用いずにブレーキを制御してもよい。例えば、発電機停止装置56からの発電機停止信号CH3と、出力QDとが入力されるORゲート86の出力をインバータ等を通して反転してブレーキ信号CH5とし、出力QDや発電機停止信号CH3がHレベルの場合には、ブレーキをかけ続け、出力QDおよび発電機停止信号CH3が共にLレベルの場合には、ブレーキをオフしてブレーキ制御してもよい。
 さらには、前記各実施形態では、2種類のチョッパ信号を用いて強ブレーキ制御および弱ブレーキ制御を行っていたが、チョッパ信号を用いた強ブレーキ制御と、完全にブレーキをオフするブレーキオフ制御とで調速してもよい。
 また、整流回路5、ブレーキ回路20、制御回路53、チョッパ信号発生部80等の具体的な構成は前記各実施形態に限らず、電子制御式機械時計の発電機2をチョッパ制御等でブレーキ制御できるものであればよい。特に、整流回路5としては、チョッパ昇圧を利用した前記実施形態の構成に限らず、例えば複数のコンデンサを設け、その接続を切り換えることで昇圧する昇圧回路等を組み込んで構成してもよく、発電機2や整流回路を組み込む電子制御式機械時計の種類等に応じて適宜設定すればよい。
 さらに、発電機2の両端を閉ループとするスイッチとしては、前記実施形態のスイッチ21,22に限らない。例えば、トランジスタに抵抗素子を接続し、チョッパ信号によって各トランジスタをオンして発電機2の両端を閉ループとした際に、その経路に抵抗素子を配置してもよい。要するに、スイッチは、発電機2の両端を閉ループとすることが可能なものであればよい。
 また、本発明は、前記各実施形態のような電子制御式機械時計に適用するものに限らず、置き時計、クロック等の各種時計、携帯型時計、携帯型の血圧計、携帯電話機、ページャ、万歩計(登録商標)、電卓、携帯用パーソナルコンピュータ、電子手帳、携帯ラジオ、オルゴール、メトロノーム、電気かみそり等の各種の電子機器にも適用することができる。
 例えば、オルゴールに本発明を適用すれば、駆動時には発電機を正確に回転させることができ、かつトルクが低下した際には発電機を確実に停止させることができる。従って、外乱等で発電機が停止してしまうことがないため、長時間作動させ続けることができ、正確な演奏を長時間行うことができるとともに、正確な演奏が行えない状態になればその演奏を停止し、利用者に異常を確実に認識させることができる。
 また、本発明をメトロノームに適用する場合には、輪列の歯車にメトロノーム音発信車を付け、その車の回転により、メトロノーム音片を弾いて周期的なメトロノーム音を発音させるようにすればよい。なお、メトロノームは、各種のテンポに対応した音を発生させる必要があるが、この場合には、水晶振動子の分周段を変えて発振回路からの基準信号の周期を可変することで対応すればよい。
 第1ブレーキ設定値、より具体的には、ブレーキオフ回数設定値や短ブレーキ回数設定値は、本発明を適用する電子機器の種類等に応じて適宜設定すればよい。そして、この第1ブレーキ設定値を設計するにあたっては、実際に、発電機の制御結果と、その際のブレーキ量の変化とを実験等で求めて設定すればよい。
 ブレーキ解除手段は、前記実施形態のものに限らず、例えば、ブレーキ解除用の専用のボタン等を外部操作部材として設け、このボタン等を操作することでブレーキを解除するようにしてもよい。
 また、発電機2を停止させるブレーキ制御を行ってから、所定時間経過後に自動的に解除するようにしてもよい。このように自動的に解除すれば、別途解除操作を行う必要がないため、操作性をより向上できる。
 さらに、機械的エネルギ源も、ゼンマイに限らず、ゴム、スプリング、重錘等でもよく、本発明を適用する対象などに応じて適宜設定すればよい。
 また、ゼンマイなどの機械的エネルギ源からの機械的エネルギを発電機に伝達するエネルギ伝達装置としては、前記各実施形態のような輪列(歯車)に限らず、摩擦車、ベルト及びプーリ、チェーン及びスプロケットホイール、ラック及びピニオン、カムなどを利用したものでもよく、本発明を適用する電子機器の種類などに応じて適宜設定すればよい。
 また、制御回路53としては、前記実施形態のように、アップダウンカウンタ60、フリップフロップ、各種論理素子等のハードウェアで構成されたものに限らず、CPU(中央処理装置)、メモリ(記憶装置)等を備えたコンピュータを電子機器に設け、このコンピュータに所定のプログラムを組み込んで前記ブレーキ制御装置55、発電機停止装置56、ブレーキ解除装置57の各機能を実現させるように構成したものでもよい。
 例えば、時計等の電子機器内にCPUやメモリを配置してコンピュータとして機能できるように構成し、このメモリに所定の制御プログラムをインターネット等の通信手段や、CD−ROM、メモリカード等の記録媒体を介してインストールし、このインストールされたプログラムでCPU等を動作させて、ブレーキ制御装置55、発電機停止装置56、ブレーキ解除装置57の各機能を実現させればよい。
 なお、時計等の電子機器内に所定のプログラムをインストールするには、その電子機器にメモリカードやCD−ROM等を直接差し込んで行ってもよいし、これらの記憶媒体を読みとる機器を外付けで電子機器に接続してもよい。さらには、LANケーブル、電話線等を電子機器に接続して通信によってプログラムを供給しインストールしてもよいし、無線によってプログラムを供給してインストールしてもよい。
 このような記録媒体やインターネット等の通信手段で提供される本発明の制御プログラムを電子機器に組み込めば、発電機の回転が遅くなり、ブレーキ量が第1ブレーキ設定値以下になってときには、発電機にブレーキを加えて停止させることができるので、発電機の動作状態では常に正確な回転制御を行うことができる等の前記実施形態と同様の作用効果が得られる上、各電子機器の特性に応じて第1ブレーキ設定値を容易に設定でき、各電子機器毎により正確な回転制御を行うことができる。
 なお、この各種記録媒体や通信手段等で供給されるプログラムとしては、少なくとも、機械的エネルギ源と、前記機械的エネルギ源によって駆動されて誘起電力を発生して電気的エネルギを供給する発電機と、前記電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置とを備える電子機器の制御プログラムであって、前記回転制御装置を、時間標準源からの信号に基づいて発せられる基準信号および前記発電機の回転周期に対応した回転検出信号を比較して前記発電機のブレーキ制御を行うブレーキ制御手段と、前記ブレーキ制御手段によって発電機に加えられる設定時間当たりのブレーキ量が第1ブレーキ設定値以下であった場合に、前記発電機にブレーキを掛けて発電機を停止させる発電機停止手段として機能させるプログラムが含まれていればよく、それ以外の制御などを行うプログラムが含まれていてもよい。
本発明の第1実施形態における電子制御式機械時計の要部の構成を示すブロック図である。 前記実施形態の電子制御式機械時計の構成を示す回路図である。 前記実施形態の発電機停止装置の構成を示す回路図である。 前記実施形態のアップダウンカウンタにおけるタイミングチャートである。 前記実施形態のチョッパ信号発生部におけるタイミングチャートである。 前記実施形態のチョッパ信号発生部および発電機停止装置におけるタイミングチャートである。 前記実施形態の動作を説明するフローチャートである。 前記実施形態のアップダウンカウンタのカウンタ値と、持続時間との関係を示すグラフである。 本発明の第2実施形態における発電機停止装置の構成を示す回路図である。 第2実施形態のチョッパ信号発生部および発電機停止装置におけるタイミングチャートである。
符号の説明
 1…ゼンマイ、2…発電機、3…増速輪列、4…指針、5…倍電圧整流回路、6…電源回路、20…ブレーキ回路、21,22…スイッチ、23…コンデンサ、24,25…ダイオード、27〜29…電界効果型トランジスタ、50…回転制御装置、51…発振回路、51A…水晶振動子、52…検出回路、53…制御回路、54…分周回路、55…ブレーキ制御装置、56…発電機停止装置、57…ブレーキ解除装置、60…アップダウンカウンタ、61…波形整形回路、62…モノマルチバイブレータ、70…同期回路、80…チョッパ信号発生部、90…初期化回路、200…ブレーキ量検出回路、210…カウンタ値検出回路、210A…カウンタ値検出回路、220…分周回路、230…フリップフロップ、230…発電機停止信号出力回路。

Claims (1)

  1.  機械的エネルギ源と、前記機械的エネルギ源によって駆動されて誘起電力を発生して電気的エネルギを供給する発電機と、前記電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置と、前記発電機の回転に連動して作動される時刻表示装置とを備える電子制御式機械時計であって、
     前記回転制御装置は、
     時間標準源からの信号に基づいて発せられる基準信号および前記発電機の回転周期に対応した回転検出信号を比較して前記発電機のブレーキ制御を行うブレーキ制御手段と、
     前記ブレーキ制御手段によって発電機に加えられる設定時間当たりのブレーキ量が第1ブレーキ設定値以下であった場合に、前記発電機にブレーキを掛けて発電機を停止させて時刻表示装置も停止させる発電機停止手段と、
     前記発電機停止用のブレーキを解除するブレーキ解除手段と、
     前記発電機の起動時の電源回路が所定の電圧に充電されるまではブレーキ制御を行わないように制御する初期化回路と、を備え、
     前記ブレーキ解除手段は、使用者が竜頭を操作して時計を時刻修正状態にした場合に前記ブレーキを解除するように構成されていることを特徴とする電子制御式機械時計。
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