JPH11101879A - 電子制御式機械時計 - Google Patents

電子制御式機械時計

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JPH11101879A
JPH11101879A JP26227397A JP26227397A JPH11101879A JP H11101879 A JPH11101879 A JP H11101879A JP 26227397 A JP26227397 A JP 26227397A JP 26227397 A JP26227397 A JP 26227397A JP H11101879 A JPH11101879 A JP H11101879A
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generator
speed
rotation
circuit
electronically controlled
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JP26227397A
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Kunio Koike
邦夫 小池
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゼンマイのトルクが低下してきたときに、シ
ステムの停止を回避することができる電子制御式機械時
計を提供すること。 【解決手段】 電子制御式機械は、水晶振動子を用いた
発振回路51と、発電機20の回転数を検出する回転検
出回路53と、発振回路51の出力と回転検出回路53
の出力とを比較する周波数/位相比較回路54と、発電
機20にブレーキをかけて回転速度を調速するブレーキ
制御回路56と、発電機20の発電電力を検出する電圧
検出回路57とを備えた回転制御手段50を有する。ブ
レーキ制御回路56は、発電機20の発電電力が設定値
Vref以下の場合、発電機20にかけるブレーキを緩める
か全くかけないようにし、調速よりも発電を優先する。
このため、トルク低下時の電圧低下を防止でき、システ
ム停止を回避できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゼンマイが開放す
る時の機械エネルギを発電機で電気エネルギに変換し、
その電気エネルギにより回転制御手段を作動させて発電
機の回転周期を制御することにより、輪列に固定される
指針を正確に駆動する電子制御式機械時計に関する。
【0002】
【背景技術】ゼンマイが開放する時の機械エネルギを発
電機で電気エネルギに変換し、その電気エネルギにより
回転制御手段を作動させて発電機のコイルに流れる電流
値を制御することにより、輪列に固定される指針を正確
に駆動して正確に時刻を表示する電子制御式機械時計と
して、特開平8−5758号公報に記載されたものが知
られている。
【0003】このような電子制御式機械時計では、ゼン
マイによる指針は常に設定スピードよりも速く回転さ
れ、その回転スピードを回転制御手段によってブレーキ
を掛けることで調速している。このため、電子制御式機
械時計は、発電機のロータの回転速度を遅らせるように
ブレーキ制御を行う場合でも、ロータの回転により発電
される電力が、時計の制御システムを動作させて更に余
りがあるように設計されている。
【0004】この電子制御式機械時計は、指針の駆動を
ゼンマイを動力源とするために運針駆動用のモータが不
要であり、部品点数が少なく安価であるという特徴があ
る。その上、電子回路を作動させるのに必要な僅かな電
気エネルギを発電するだけでよく、少ない入力エネルギ
で時計を作動することもできた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電子制
御式機械時計は、以下の課題を有している。すなわち、
ゼンマイがほどけてゼンマイのバネ力が低下し、ロータ
の回転トルクが十分に得られなくなったとき、あるい
は、ノイズや衝撃が原因で電圧が低下してしまったとき
に、ブレーキをかけてロータの回転数を時間標準とほぼ
同期する速度まで低下させると、そのブレーキの大きさ
によっては時計の制御システムを安定的に動作継続させ
るだけの電力の供給ができなくなり、供給される電圧が
制御システムの最低動作電圧以下になってしまう可能性
がある。
【0006】このようにロータの回転によって供給され
る電力量が、システムの動作限界を下回ると、発振停止
に代表されるシステム停止や、異常動作を引き起こし、
それによりブレーキ制御すらも正常にできなくなってし
まうという問題があった。
【0007】本発明の目的は、ゼンマイのトルクが低下
してきたときでも、システムの停止を回避することがで
きる電子制御式機械時計を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の電子制御式機械
時計は、ゼンマイと、輪列を介して伝達されるゼンマイ
の機械エネルギを電気エネルギに変換する発電機と、前
記輪列に結合された指針と、変換した前記電気エネルギ
により駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転
制御手段とを備える電子制御式機械時計において、前記
回転制御手段は、水晶振動子を用いた発振回路と、前記
発電機の回転数を検出する回転検出回路と、前記発振回
路の出力と前記回転検出回路の出力とを比較する比較回
路と、この比較回路からの出力に基づいて前記発電機の
回転速度を調整する調速手段と、前記発電機の発電電力
を検出する発電電力検出手段とを備え、前記調速手段
は、前記発電機の発電電力が設定値以下の場合、発電機
の回転速度を落とす制御を緩めるかまたは行わないよう
に設定されていることを特徴とするものである。
【0009】本発明の電子制御式機械時計は、通常は、
指針及び発電機をゼンマイで駆動し、発電機にブレーキ
をかけることでロータの回転数を調速する。一方、ゼン
マイがほどけてきた場合のように、ゼンマイのトルクが
低下して発電機の電力が設定値以下に低下した場合に
は、調速手段は、ブレーキをかけるのを緩めるか、全く
ブレーキをかけなくすることで、つまり発電機の回転速
度を落とす制御を緩めるか、または全く行わないこと
で、発電機の回転速度を積極的に落として調速する制御
は行わない。これによって、発電機のロータの回転速度
が高まり、発電電力が上昇するため、電力低下によるシ
ステムの停止を回避することができる。
【0010】前記調速手段は、前記比較回路からの出力
に基づいて時刻の進みおよび遅れを検出する進み/遅れ
検出回路を備えることが好ましい。この時刻の進みおよ
び遅れは、発電機のロータの回転数の進みおよび遅れを
検出することなどで検出できる。
【0011】発電電力が低下した際に、発電機の調速を
行わないと、指針が早く回転して時刻が進んだり、ある
いは時計に衝撃などが加わることで指針が遅く回転して
時刻が遅れる可能性がある。このため、前記進み/遅れ
検出回路を設けておけば、進み分や遅れ分をカウントし
ておき、ゼンマイが手動あるいは自動で巻き上げられて
ゼンマイのバネ力が復帰したときに、発電機のロータに
加えるブレーキ力を調整することで、前記進み分や遅れ
分を無くすように調速制御することができ、これにより
時計における長期的な歩度安定性(精度)が確保でき
る。
【0012】また、前記調速手段は、前記発電機の回転
速度の調速を行わなかった後、発電機の発電電力が上昇
した際に、前記進み/遅れ検出回路で検出された時刻の
進みまたは遅れ分を解消するように前記発電機の回転速
度を調速するように設定されていることが好ましい。
【0013】発電を優先して調速を行わない間は、指針
が正確な時刻からずれてしまうが、そのずれ分つまり進
み分や遅れ分を進み/遅れ検出回路で検出し、ゼンマイ
が巻き上げられて発電電力が上昇した際にそのずれ分を
解消するように調速することで、非常に短時間は指針が
正確な時刻からずれたとしても、長期的には精度の高い
時計として利用できる。
【0014】また、前記調速手段は、前記発電機の回転
速度の調速を行わない状態で、発電機が所定の回転数を
確保できなくなったときには、発電機にブレーキ力を加
えて指針の運針を停止あるいは低速にするように設定さ
れていることが好ましい。
【0015】発電機にブレーキをかけずに調速していな
い状態でも、所定の回転数を確保できなくなったときに
は、一定時間を検出した後、ゼンマイからのエネルギー
供給が復活する見込みがないと判断し、発電機に大きな
ブレーキ力を加える。発電機の回転数が低下し、時刻が
長時間にわたって遅れ続けているにもかかわらず、運針
している場合、使用者が正常動作していると誤認してし
まう。これを防止するために、発電機に大きなブレーキ
力を加えて運針を停止あるいは非常に低速な運針にする
ことで、使用者に時刻遅れを知らせることができる。こ
れにより時刻遅れのまま使用者が時計を使用することを
防止することができ、使用者にゼンマイを巻き上げる操
作を促して電子制御式機械時計を正常動作に戻すことが
できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を図面
に基づいて説明する。
【0017】図1は、本発明の第1実施形態の電子制御
式機械時計の要部を示す平面図であり、図2及び図3は
その断面図である。
【0018】電子制御式機械時計は、ゼンマイ1a、香
箱歯車1b、香箱真1c及び香箱蓋1dからなる香箱車
1を備えている。ゼンマイ1aは、外端が香箱歯車1
b、内端が香箱真1cに固定される。香箱真1cは、地
板2と輪列受3に支持され、角穴車4と一体で回転する
ように角穴ネジ5により固定されている。
【0019】角穴車4は、時計方向には回転するが反時
計方向には回転しないように、こはぜ6と噛み合ってい
る。なお、角穴車4を時計方向に回転しゼンマイ1aを
巻く方法は、機械時計の自動巻または手巻機構と同様で
あるため、説明を省略する。香箱歯車1bの回転は、7
倍に増速されて二番車7へ、順次6.4倍増速されて三
番車8へ、9.375 倍増速されて四番車9へ、3倍増速さ
れて五番車10へ、10倍増速されて六番車11へ、1
0倍増速されてロータ12へと、合計126,000倍
の増速をしている。
【0020】二番車7には筒かな7aが、筒かな7aに
は分針13が、四番車9には秒針14がそれぞれ固定さ
れている。従って、二番車7を1rphで、四番車9を
1rpmで回転させるためには、ロータ12は5rps
で回転するように制御すればよい。このときの香箱歯車
1bは、1/7rphとなる。
【0021】この電子制御式機械時計は、ロータ12、
ステータ15、コイルブロック16から構成される発電
機20を備えている。ロータ12は、ロータ磁石12
a、ロータかな12b、ロータ慣性円板12cから構成
される。ロータ慣性円板12cは、香箱車1からの駆動
トルク変動に対しロータ12の回転数変動を少なくする
ためのものである。ステータ15は、ステータ体15a
に4万ターンのステータコイル15bを巻線したもので
ある。
【0022】コイルブロック16は、磁心16aに11
万ターンのコイル16bを巻線したものである。ここ
で、ステータ体15aと磁心16aはPCパーマロイ等
で構成されている。また、ステータコイル15bとコイ
ル16bは、各々の発電電圧を加えた出力電圧がでるよ
うに直列に接続されている。
【0023】次に、電子制御式機械時計の制御回路につ
いて、図4を参照して説明する。
【0024】発電機20からの交流出力は、昇圧整流、
全波整流、半波整流、トランジスタ整流等からなる整流
回路21を通して昇圧、整流される。整流回路21に
は、回転制御手段等の制御用ICや水晶振動子等の負荷
22が接続されている。なお、図4では説明の便宜上、
IC内に構成される各機能回路を負荷22とは別に記載
している。
【0025】発電機20には、抵抗23AおよびNch
やPchのトランジスタ23Bが直列に接続されて構成
されたブレーキ回路23が並列に接続されている。ブレ
ーキ回路23には、回転制御手段50が接続されてい
る。なお、ブレーキ回路23には、制動抵抗23Aのほ
かにダイオードを適宜挿入してもよい。
【0026】回転制御手段50は、発振回路51、分周
回路52、回転検出回路53、周波数/位相比較回路5
4、進み/遅れ検出回路55、ブレーキ制御回路56に
よって構成されている。
【0027】発振回路51は水晶振動子51Aによる発
振信号を出力し、この発振信号は分周回路52によって
ある一定周期まで分周される。この分周信号は、例えば
10Hzの基準周期信号として周波数/位相比較回路5
4に出力されている。
【0028】周波数/位相比較回路54は、回転検出回
路53で検出された発電機20の回転信号と、分周回路
52から出力された基準周期信号との周波数または位相
を比較し、両者の時間的な差異を求め、進み/遅れ検出
回路55に出力する。
【0029】進み/遅れ検出回路55は、アップダウン
カウンタ等で構成され、周波数/位相比較回路54から
の進み分や遅れ分の出力を順次カウントする。
【0030】ブレーキ制御回路56は、進み/遅れ検出
回路55からの出力に応じて発電機20のロータ12の
調速制御を行う。すなわち、ブレーキ制御回路56は、
ブレーキ回路23のトランジスタ23Bのゲート電位を
ハイレベルおよびローレベルに切り替えることで、ブレ
ーキ回路23を断続し、それにより発電機20のコイル
に流れる電流量を可変して電磁ブレーキ量を調整し、発
電機20つまり指針の回転周期を調速している。
【0031】整流回路21には、発電電力検出手段とし
て整流回路21の出力電圧を検出する電圧検出回路57
が接続されており、電圧検出回路57の出力はブレーキ
制御回路56に出力されるようになっている。
【0032】このような本実施形態における制御動作に
ついて、図5のグラフを参照しながら説明する。
【0033】まず、図5において、縦軸は整流回路21
の出力電圧Vcを表し、横軸は、電子制御式機械時計の
立ち上がりからの時間を表す。電子制御式機械時計を作
動させると(時間t0)、発電機20が回転し始めて電
圧が徐々に上昇する。
【0034】電圧が上昇してシステムの最低動作電圧で
あるしきい値電圧VSTを越えると(時間t1)、発電機
20つまりは指針の回転が回転制御手段50によって正
確に制御される通常運転になる。
【0035】その後、ゼンマイ1aの巻き上げ当初は、
ロータに加わる回転トルクも大きいため、時間t1から
2までは電圧Vcが上昇し、この結果、システムが通
常に作動し、電子制御による正確な運針が行われる。そ
の後、時間t2からゼンマイ1aのばねがほどけてゼン
マイ1aのばね力が低下し、電圧Vcも低下する。
【0036】そして、ロータ12において十分な回転ト
ルクが得られなくなり、電圧Vcがしきい値電圧VST
り少し上方に定められた設定値Vref1以下になったとき
(時間t3)には、電圧検出回路57からブレーキ制御
回路56に所定の信号が出力される。
【0037】ブレーキ制御回路56は、通常運針時(時
間t1〜t3)は、進み/遅れ検出回路55からの出力に
応じてブレーキ回路23を制御するが、前記電圧検出回
路57からの出力があると、ブレーキ回路23によるブ
レーキを緩めたり、ブレーキを全くかけないように制御
し、調速制御よりも発電機20の回転つまりは発電を優
先する。このため、低下していた電圧Vcも上昇し始
め、最低動作電圧VST以下に低下することがなく、シス
テムの停止が回避される。
【0038】その後、ゼンマイ1aが巻き上げられ、ゼ
ンマイ1aのバネ力が復帰すると、発電機20のロータ
12の回転も早まり、電圧Vcが上昇し続ける。この電
圧Vcが設定値Vref1よりも大きな設定値Vref2に達す
ると(時間t4)、回転制御手段50はロータ12に所
定の大きさよりも強いブレーキをかけ、これまでブレー
キをかけなかったことで、進んだ時刻を遅らせ、進み分
を補正する。これは、それまでの進み分(ロータ12の
回転数)を進み/遅れ検出回路55でカウントしてお
き、その分強くブレーキをかけて回転を遅らせることに
よって行われる。そして、時刻が調整された後(時間t
5)は、一定のロータ12の回転を維持して通常の運針
が行われる。
【0039】なお、通常は、ブレーキを全くかけない場
合には、指針が進むため、進み/遅れ検出回路55では
進み分がカウントされる。しかし、ゼンマイ1aの動力
伝達効率にはバラツキがあり、ブレーキを全くかけない
状態でも、ロータ12が所定の回転数以上の回転をする
ことができないような場合も考えられる。このような小
さい回転エネルギーしか供給されないときにも、ブレー
キを全くかけないでシステムの正常動作を優先させ、そ
の間の指針の遅れ分を、進み/遅れ検出回路55でカウ
ントしておき、ゼンマイ1aが巻き上げられてエネルギ
ー供給が復活してきたときに、その時点で本来の所定の
回転数に制御するような大きさよりも小さいブレーキ力
をかけたり、ブレーキを全くかけないことで、遅れ分を
取り戻すように制御する。
【0040】また、前記発電を優先している間に、ゼン
マイ1aが巻き上げられないと、前記電圧Vcは徐々に
低下してしまう。このため、ブレーキを全くかけない状
態で、一定時間経過してもロータ12が所定の回転数を
確保できなくなったときには、ブレーキ制御回路56
は、エネルギー供給が復活する見込みがないと判断し、
ブレーキ回路23により発電機20に強制的に大きな制
動力を加えて運針を停止、もしくは、使用者がはっきり
認識できる程度の低速運針にし、使用者にゼンマイ1a
の巻き上げを促す。
【0041】このような本実施形態によれば、次のよう
な効果がある。
【0042】回転制御手段50に電圧検出回路57を
設け、ゼンマイ1aのトルクが低下して電圧検出回路5
7で検出された電圧が所定の電圧Vref 以下に低下した
場合に、ブレーキ力を所定値より小さくすることなどで
調速を行わずに、発電を優先するため、発電電圧がシス
テムの最低動作電圧VST以下に低下することによるシス
テムの停止を回避することができる。
【0043】これにより、発振停止等のシステム停止
や、異常動作の発生を無くしたり、従来に比べて遅らせ
ることができ、システムの安定動作に優れた電子制御式
機械時計にできるとともに、時計が停止してしまうまで
の時間を長くすることができ、長期間連続して時計を使
用することができる。
【0044】進み/遅れ検出回路55を設け、発電を
優先するために調速しなかった結果、指針つまり時計表
示が実際よりも進んだ時刻を表示している場合に、その
進み分を進み/遅れ検出回路55でカウントして把握
し、ゼンマイ1aを巻き上げてそのバネ力が復帰したと
きに、その進み分を無くすように制御しているので、短
期的には発電を優先させて調速しなかった場合でも、そ
の後時刻のずれを無くすことができ、長期的には精度
(歩度安定性)を高くすることができる。
【0045】また、ゼンマイ1aのトルク低下だけで
はなく、落下衝撃や電磁気的なノイズ等により、一時的
に負荷22に供給される電圧が低下したときなども、シ
ステムの電源が安定するまでの期間、ブレーキを小さく
して発電を優先できてシステムの停止を防止でき、かつ
電圧が復帰してきてから進み分を補正して時刻のずれも
無くすことができるので、ノイズに強い安定したシステ
ムを実現できる。
【0046】進み/遅れ検出回路55は、進み分だけ
ではなく、遅れ分もカウントできるため、ゼンマイ1a
の動力伝達効率のばらつきによってロータ12の回転数
が正常な調速時よりも低下した場合でも、その遅れ分を
ゼンマイ1aのエネルギー供給が復活した際に取り戻す
ことができ、この点でもシステムを安定に動作でき、か
つ長期的な精度を確保することができる。
【0047】ブレーキを全くかけない状態で、ロータ
12が所定の回転数を確保できなくなったときには、ブ
レーキ回路23により強制的に大きな制動力を加えて運
針を停止もしくは、使用者がはっきり認識できるだけの
低速運針にしているので、時計が正常に運針していない
ことを使用者にはっきり認識させることができ、正しく
調速された状態の電子制御式機械時計を利用することが
できる。
【0048】なお、本発明は各実施形態に限定されるも
のではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、
改良等は、本発明に含まれるものである。
【0049】例えば、前記実施形態では、システムの安
定動作に必要な電力を判定するために電圧検出回路57
を用いているが、供給電流値検出回路を使用して電圧の
代わりに電流を検出してもよい。
【0050】また、前記実施形態では、進み/遅れ検出
回路55を用いていたが、電子制御式機械時計では、通
常は調速制御を行わない時は、指針は正常時よりも進む
ため、進み分のみを検出する回路を用いてもよい。
【0051】さらに、前記実施形態では、進み/遅れ検
出回路55を設けることで、調速制御を行わない間の指
針のずれを後から補正するようにしているが、この進み
/遅れ検出回路55を設けずに構成してもよい。この場
合には、指針のずれを自動的に補正することができない
が、例えば、調速制御よりも発電を優先するようにした
場合にランプ、ブザー、振動等で使用者に知らせること
で再度ゼンマイ1aの巻き上げと時刻合わせとを行うよ
うに使用者に促すように構成すればよい。
【0052】また、ブレーキをかけずに調速制御を行っ
ていないときに、ロータ12が所定の回転数を確保でき
なくなった場合に、運針停止あるいは低速運針によって
使用者に知らせる代わりに、インジケータ、ブザー、振
動などで使用者に知らせるようにしてもよい。
【0053】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
ゼンマイのトルクが低下して前記発電機の発電電力が低
下したときに、発電機の調速制御を行わずに、発電を優
先するため、電圧低下によるシステムの停止を回避する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における電子制御式機械時
計の要部を示す平面図である。
【図2】図1の要部を示す断面図である。
【図3】図1の要部を示す断面図である。
【図4】前記実施形態の要部の回路を示す図である。
【図5】前記実施形態の調速手段の動作を説明する電圧
と時間に関するグラフである。
【符号の説明】
1 香箱車 1a ゼンマイ 7 二番車 8 三番車 9 四番車 10 五番車 11 六番車 12 ロータ 13 分針 14 秒針 15 ステータ 16 コイルブロック 20 発電機 21 整流回路 22 負荷 23A 抵抗 23B トランジスタ 23 ブレーキ回路 50 回転制御手段 51A 水晶振動子 51 発振回路 52 分周回路 53 回転検出回路 54 周波数/位相比較回路 55 進み/遅れ検出回路 56 ブレーキ制御回路 57 電圧検出回路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゼンマイと、輪列を介して伝達されるゼ
    ンマイの機械エネルギを電気エネルギに変換する発電機
    と、前記輪列に結合された指針と、変換した前記電気エ
    ネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御す
    る回転制御手段とを備える電子制御式機械時計におい
    て、 前記回転制御手段は、水晶振動子を用いた発振回路と、
    前記発電機の回転数を検出する回転検出回路と、前記発
    振回路の出力と前記回転検出回路の出力とを比較する比
    較回路と、この比較回路からの出力に基づいて前記発電
    機の回転速度を調整する調速手段と、前記発電機の発電
    電力を検出する発電電力検出手段とを備え、前記調速手
    段は、前記発電機の発電電力が設定値以下の場合、発電
    機の回転速度を落とす制御を緩めるかまたは行わないよ
    うに設定されていることを特徴とする電子制御式機械時
    計。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電子制御式機械時計に
    おいて、前記調速手段は、前記比較回路からの出力に基
    づいて、時刻の進みおよび遅れを検出する進み/遅れ検
    出回路を備えることを特徴とする電子制御式機械時計。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の電子制御式機械時計に
    おいて、前記進み/遅れ検出回路は、前記比較回路から
    の出力に基づいて、発電機のロータの回転数の進みおよ
    び遅れを検出することで、前記時刻の進みおよび遅れを
    検出していることを特徴とする電子制御式機械時計。
  4. 【請求項4】 請求項2または3に記載の電子制御式機
    械時計において、前記調速手段は、前記発電機の回転速
    度の調速を行わなかった後、発電機の発電電力が上昇し
    た際に、前記進み/遅れ検出回路で検出された時刻の進
    みまたは遅れ分を解消するように前記発電機の回転速度
    を調速するように設定されていることを特徴とする電子
    制御式機械時計。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の電子制
    御式機械時計において、前記調速手段は、前記発電機の
    回転速度の調速を行わない状態で、発電機が所定の回転
    数を確保できなくなったときには、発電機にブレーキ力
    を加えて指針の運針を停止あるいは低速にするように設
    定されていることを特徴とする電子制御式機械時計。
JP26227397A 1997-09-26 1997-09-26 電子制御式機械時計 Withdrawn JPH11101879A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000346962A (ja) * 1999-06-07 2000-12-15 Seiko Epson Corp 電子機器、電子制御式機械時計およびそれらの制御方法
JP2004109138A (ja) * 2003-09-29 2004-04-08 Seiko Epson Corp 電子機器
US6819633B2 (en) 2001-02-28 2004-11-16 Seiko Epson Corporation Braking without stopping generator for timepiece and other electronic units

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