JP2004108271A - 圧縮機 - Google Patents

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▲塙▼ 薫
Kaoru Hanawa
Satoshi Shimizu
清水 聡
Tomoji Iishima
飯嶌 智司
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    • F04B39/102Adaptations or arrangements of distribution members the members being disc valves

Abstract

【課題】圧縮機の圧縮効率を向上させるとともに、ポペット弁に設けられる弾性シール材の耐久性を向上させる。
【解決手段】円筒シリンダ空間50aを有した圧縮機シリンダボディ51と、シリンダボディにシリンダ空間を覆って取り付けられた圧縮機シリンダヘッド52と、シリンダ空間内に摺動自在に嵌合配設された圧縮機ピストン53と、シリンダ空間に連通する空気通過孔52bを開閉可能に覆うポペット弁70とを備えて圧縮機が構成される。ポペット弁が、着座面52cに着座して空気通過孔を覆う弁体71を有し、弁体における着座面と当接する部分に薄板状の弾性シール層73が設けられている。そして、弾性シール層における着座面と当接するリング状外周面73bの内周縁が空気通過孔の内周縁より外周側に位置する。
【選択図】 図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気等の流体(主として気体)を圧縮供給する圧縮機に関し、特に、ピストンタイプの圧縮機に関する。本発明はさらに、内燃機関の燃料噴射装置に圧縮空気を供給するのに適した圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気等の流体を圧縮供給するピストンタイプの圧縮機は、従来から知られており、例えば、特公昭63−54909号公報、特開昭63−65181号公報に冷凍装置用のピストンタイプ圧縮機が開示されている。また、空気圧縮機を内燃機関の燃料噴射装置に用いることも知られており、例えば、特許第2820782号公報には2サイクルエンジンの空気燃料噴射装置に圧縮空気を供給するピストンタイプ空気ポンプ(圧縮機)が開示されている。
【0003】
このようなピストンタイプの圧縮機は、円筒状のシリンダ空間が形成されたシリンダボディの上端面にこのシリンダ空間を覆ってシリンダヘッドが取り付けられ、シリンダ空間内に摺動自在にピストンを嵌合配設し、シリンダヘッドに吸気および排気弁が設けられて構成される。なお、吸気弁は流体供給元に繋がる流入通路に開閉可能に設けられて流体がシリンダ空間内へ流入する流れのみを許容する一方向弁からなり、排気弁は流体供給先に繋がる流出通路に開閉可能に設けられて流体がシリンダ空間から流出する流れのみを許容する一方向弁からなる。これら吸気弁および排気弁としては、薄い可撓性を有した金属板からなるリード弁タイプのものや、流入もしくは流出通路を塞ぐように弁体を付勢バネ等により付勢して着座させるポペット弁タイプのものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような圧縮機において、流入および流出通路における一方向弁からシリンダ空間内に繋がる空間部分が、ピストンの往復動によりシリンダ空間内の流体を圧縮するときにデッドスペースとなり、圧縮効率が小さくなる一因となっているという課題がある。また、ポペット弁タイプの一方向弁を用いる場合、開閉時にポペット弁が着座面に当接して騒音を発生することを防止するとともに閉止時の密閉性を確保するためにポペット弁の着座面に薄いゴムシール材(弾性シール材)を貼付することが多いが、このゴムシール材の耐久性が問題となり易い。特に、ゴムシール材における着座面の内周縁と対向する部分において、着座面と当接する部分は圧縮変形されるのに対し、それより内周部分は圧縮変形されないため、着座面の内周縁と対向する部分の圧縮変形量が大きく変化することになるという課題がある。
【0005】
本発明はこのような問題に鑑みたもので、流入もしくは流出通路によるデッドスペース発生量を小さくして圧縮効率を向上させることができ、且つポペット弁における弾性シール材の耐久性を向上させることができるような構成の圧縮機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的達成のため、第1の本発明においては、円筒状のシリンダ空間を有したシリンダボディ(圧縮機シリンダボディ)と、このシリンダボディにシリンダ空間を覆って取り付けられたシリンダヘッド(圧縮機シリンダヘッド)と、シリンダ空間内に摺動自在に嵌合配設されたピストン(圧縮機ピストン)と、シリンダヘッドにシリンダ空間に連通して形成された流体通過孔(例えば、実施形態における空気通過孔52b)を開閉可能に覆う一方向弁(例えば、実施形態におけるポペット弁70)とを備えて圧縮機が構成される。そして、この一方向弁が、流体通過孔より大径の着座面に着座して流体通過孔を覆う弁体を有して構成され、この弁体における着座面と当接する部分に薄板状の弾性シール部材が接合して設けられており、このとき、弾性シール部材における着座面と当接する部分の内周縁(例えば、実施形態における弾性シール部材73におけるリング状外周面73bの内周縁)が着座面における流体通過孔の内周縁より外周側に位置するように弾性シール部材が形成されている。
【0007】
このような構成の圧縮機においては、ピストンがシリンダ空間に嵌合した状態で往復摺動することにより一方向弁が開閉作動して流体を圧縮して供給するのであるが、このとき、弁体に設けられた弾性シール部材の作用により、弁体が着座面に当接して発生する騒音を低減でき、且つ弁体を着座面に着座させて流体通過孔を閉止するときにこの部分を確実にシールさせることができる。このような作用を行う弾性シール部材における着座面に当接する部分(実施形態における弾性シール部材73にのリング状外周面73b)は、その内周縁が着座面の内周縁より外側に位置するように形成されているため、この当接する部分が内周縁と当接することがなく、弾性シール部材における着座面と当接する部分の全体(リング状外周面73bの全体)が着座面に当接して略均一な圧縮力を受ける構成となり、弾性シール部材の耐久性が向上する。
【0008】
第2の本発明においても、円筒状のシリンダ空間を有したシリンダボディと、このシリンダボディにシリンダ空間を覆って取り付けられたシリンダヘッドと、このシリンダ空間内に摺動自在に嵌合配設されたピストンと、シリンダヘッドにシリンダ空間に連通して形成された流体通過孔を開閉可能に覆う一方向弁とを備えて圧縮機が構成される。この圧縮機においては、ピストンのシリンダヘッドと対向する面に、ピストンが上死点近傍に位置したときに流体通過孔内(例えば、実施形態における空気通過孔52bの内部空間)に突出する凸部が形成されている。このような構成の圧縮機においては、ピストンが下死点から上死点に移動してシリンダ空間内の流体を圧縮するときに、凸部が流体通過孔内に突出してこの空間部分の流体も圧縮するため、デッドスペースが小さくなって圧縮効率が向上する。
【0009】
第3の本発明においても、円筒状のシリンダ空間を有したシリンダボディと、このシリンダボディにシリンダ空間を覆って取り付けられたシリンダヘッドと、このシリンダ空間内に摺動自在に嵌合配設されたピストンと、シリンダヘッドにシリンダ空間に連通して形成された流体通過孔を開閉可能に覆う一方向弁とを備えて圧縮機が構成される。この圧縮機においては、ピストンのシリンダヘッドと対向する面に、ピストンが上死点近傍に位置したときに流体通過孔内に突出する凸部が形成されており、この一方向弁が流体通過孔より大径の着座面に着座して流体通過孔を覆う平板状の弁体を有して構成され、この弁体における着座面と当接する側の面に薄板状の弾性シール部材が接合して設けられており、弾性シール部材は着座面における流体通過孔の内周縁に対向する部分が窪んでいる(例えば、実施形態のリング状の凹溝73a)。
【0010】
このような構成の圧縮機においては、弁体の着座面と当接する側の面に設けられた弾性シール部材により、第1の本発明の場合と同様に、弁体が着座面に当接して発生する騒音を低減でき、且つ弁体を着座面に着座させて流体通過孔を閉止するときにこの部分を確実にシールすることができる。また、ピストンのシリンダヘッドと対向する面(ピストンヘッド面)に設けられた凸部により、第2の本発明の場合と同様に、ピストンが上死点近傍に移動したときに凸部が流体通過孔内に突出してこの空間部分の流体も圧縮して圧縮効率が向上する。さらに、弾性シール部材は着座面における流体通過孔の内周縁に対向する部分が窪んでいるだけで、ピストンヘッド面に対向する部分にも弾性シール部材が設けられている。これにより弾性シール部材が緩衝吸収機能を発揮するので、ピストンが上死点近傍に位置したときに上記凸部の先端を弁体の弾性シール部材が設けられた面に極力近接するように設定することができ、圧縮効率を一層向上させることができる。
【0011】
第4の本発明においては、円筒状のシリンダ空間を有したシリンダボディと、このシリンダボディにシリンダ空間を覆って取り付けられたシリンダヘッドと、このシリンダ空間内に摺動自在に嵌合配設されたピストンと、シリンダヘッドにシリンダ空間に連通して形成された流体通過孔を開閉可能に覆う一方向弁とを備え、ピストンのシリンダヘッドと対向する面(ピストンヘッド面)に、ピストンが上死点近傍に位置したときに流体通過孔内に突出する凸部が形成されて圧縮機が構成される。さらに、この圧縮機が内燃機関に取り付けられ、この内燃機関のクランクシャフト回転駆動力を受けてピストンがシリンダ空間内を往復摺動され、内燃機関の燃料噴射装置に圧縮空気を供給する。この構成の圧縮機においてもピストンヘッド面に形成された凸部が流体通過孔内に突出してこの部分の流体も圧縮するため高い圧縮効率が得られ、このように高い圧縮効率で圧縮された空気を燃料噴射装置に供給して、良好な燃料噴射を行わせることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明を適用した圧縮機を備えて構成される二輪車の駆動装置を図1〜図4に示しており、この駆動装置構成についてまず説明する。なお、図1及び図2は表示スペースの都合上、破断線部分において二分割して示すもので、両図は破断線部分で繋がった一つの図面を表している。この駆動装置は、単気筒のエンジン部Eと変速機部TMとを備え、エンジン部Eのクランクシャフト16の回転駆動力を変速機部TMにより変速して出力駆動スプロケットSPに伝達するとともに、出力駆動スプロケットSPから図示しないチェーンを介して後輪に伝達し、後輪を駆動するように構成されている。
【0013】
まずエンジン部Eについて説明する。エンジン部Eは、円筒状のシリンダ内周面10aを有したエンジンシリンダボディ10と、エンジンシリンダボディ10の上面を覆って取り付けられたエンジンシリンダヘッド12と、シリンダ内周面10aに軸方向に摺動移動可能に嵌合してエンジンシリンダボディ10内に配設されたピストン13と、エンジンシリンダボディ10を支持するハウジングHSG内にシリンダ軸と直交する方向に延びるとともにベアリング17a,17b,17cにより回転自在に支持されたクランクシャフト16と、先端部14aがピストンピン13aを介してピストン13に枢結されるとともに基端部14bがクランクピン15を介してクランクシャフト16のクランク部16aに枢結されたコネクティングロッド14とを有して構成される。
【0014】
エンジンシリンダヘッド12には、点火プラグ21および燃料噴射装置22が取り付けられており、エンジンシリンダボディ10内においてエンジンシリンダヘッド12とピストン13とに囲まれた燃焼室11内に燃料噴射装置22により圧縮空気と燃料との混合気を噴射して点火プラグ12により点火燃焼させるようになっている。エンジンシリンダヘッド12には吸気バルブ23および排気バルブ24が図3に示すようにバネ23a,24aにより閉止方向に付勢されて取り付けられており、吸気バルブ23はエンジンシリンダヘッド12に形成された吸気通路12aを開閉し、排気バルブ24は排気通路12bを開閉する。なお、吸気通路12aには吸気マニホールド25が繋がり、排気通路12bの出口端12cには排気マニホールド(図示せず)が繋がる。
【0015】
エンジン部Eは4ストロークタイプエンジンからなり、ピストン13が2往復する間に、吸気、圧縮、燃焼、排気行程が行われ、これに合わせて給排気バルブ23,24が開閉作動される。この給排気バルブ23,24の開閉作動のため、クランクシャフト16の端部に第1スプロケット31が結合して設けられ、エンジンシリンダボディ10の側部に回転自在に設けられたカムシャフト34に第2スプロケット33が設けられ、第1および第2スプロケット31,33に第1チェーン32が掛け回されている。第1および第2スプロケット31,33の歯数は1:2に設定されており、クランクシャフト16の1/2の回転速度でカムシャフト34が回転駆動される。カムシャフト34には吸気用カム部34aと排気用カム部34bとが形成されており、それぞれ連結ピン35a,36aによりエンジンシリンダボディ10に枢結されたカムフォロア35,36のローラ35b,36bが各カム部34a,34bに当接している(図4参照)。
【0016】
一方、エンジンシリンダヘッド12の上面には給排気バルブ作動用のロッカーアーム39,40が枢結ピン39a,40aにより枢結されて揺動自在に取り付けられており、これらロッカーアーム39,40の一端と上記カムフォロア35,36を繋いでプッシュロッド37,38が図示のように配設されている。ロッカーアーム39,40の他端は上記給排気バルブ23,24の先端に当接しており、ロッカーアーム39,40の揺動により給排気バルブ23,24をバネ23a,24aの付勢に抗して押し下げてこれを開放させることができるようになっている。
【0017】
上記の構成の機構においては、クランクシャフト16の1/2の回転速度でカムシャフト34が回転駆動され、これに応じてカムフォロア35,36がカムシャフト34の一回転毎に一回(すなわち、クランクシャフト16の二回転毎に一回)上下に揺動される。この揺動に応じてプッシュロッド37,38が上下に往復動されてロッカーアーム39,40が枢結ピン39a,40aを介して揺動され、給排気バルブ23,24がバネ23a,24aの付勢に抗して押し下げられて開放され、吸気および排気通路12a,12bを燃焼室11と連通させる。なお、吸気バルブ23は吸気行程において開放され、排気バルブ24は排気行程において開放されるようにカム部34a,34bが設定されている。
【0018】
また、所定のタイミングで燃料噴射装置22から燃焼室11内に圧縮空気と燃料との混合気が噴射され、点火プラグ21によりこの混合気を点火燃焼させて燃焼行程が行われる。このとき、燃料噴射装置22からは点火プラグ21の先端点火部21aの周囲に高濃度の混合気が噴射されて効率の良い燃焼を行わせるとともに、全体として希薄燃焼を行わせて燃費向上を図るとともに排気ガスの清浄化を図ることができるようになっている。
【0019】
このようにエアアシスト式の燃料噴射を行うため、上記燃料噴射装置22に加えて、燃料ポンプ(図示せず)から燃料供給管路27a(図6参照)を介して供給される燃料を混合室28内に供給する燃料供給装置27と、混合室28内に圧縮空気を供給する圧縮機50とを有している。混合室28内においては、燃料供給装置27から供給される燃料と圧縮機50から供給される圧縮空気とが混合されて噴霧状の燃料を有した高濃度の混合気が作られ、この混合気がそれ自体の内部圧力を利用して燃料噴射装置22の噴射部22aから所定のタイミングで燃焼室内に噴射される。なお、エンジンシリンダヘッド12の上面を覆って取り付けられたヘッドカバー26に上下に貫通して混合室形成孔26aが形成され、この混合室形成孔26a内に、上下からそれぞれ嵌入された燃料供給装置27と燃料噴射装置22とに挟まれて混合室28が形成される。
【0020】
上記圧縮機50の構造およびこれを駆動する機構について、図5〜図7を参照して説明する。圧縮機50は、エンジンシリンダボディ10と一体に繋がって構成され、円筒状のシリンダ内周面51aを有した圧縮機シリンダボディ51と、圧縮機シリンダボディ51の上面を覆って取り付けられた圧縮機シリンダヘッド52と、シリンダ内周面51aに軸方向に摺動移動可能に嵌合して圧縮機シリンダボディ51内に配設された圧縮機ピストン53と、圧縮機ピストン53をシリンダ内周面51aに嵌合した状態で摺接往復動させるためのスコッチヨーク機構SYとを有して構成される。スコッチヨーク機構SYは、圧縮機ピストン53と一体に繋がった平板状のピストンロッド54の先端に形成された摺動孔54a内に嵌合してシリンダ軸と直角方向に摺動自在に配設されたスライダ55と、エンジンシリンダボディ10の側部に設けられた圧縮機駆動シャフト56の先端に偏心して形成された偏心シャフト57とを有して構成され、偏心シャフト57がスライダ55に回転自在に嵌合連結されている。なお、圧縮機駆動シャフト56はベアリング58a,58bを介してエンジンシリンダボディ10により回転自在に支持されている。
【0021】
このような構成において、圧縮機駆動シャフト56を回転駆動すると、スコッチヨーク機構SYの作用により圧縮機ピストン53をシリンダ内周面51aに摺接しながら往復運動させることができる。この圧縮機駆動シャフト56を回転駆動するため、カムシャフト34に結合配設された第2スプロケット33と一体に第3スプロケット60が設けられ、圧縮機駆動シャフト56には第4スプロケット61が結合配設され、第3及び第4スプロケット60,61に第2チェーン62が掛け回されている。第3及び第4スプロケット60,61は同一歯数であり、両者は第2スプロケット33と同一の回転速度で回転する。このため、第4スプロケット61はエンジンクランクシャフト16の1/2の回転速度で回転され、圧縮機駆動シャフト56もこれと同一回転速度で回転され、圧縮機ピストン53はエンジンクランクシャフト16が二回転すると一往復する。
【0022】
このようにして圧縮機ピストン53が往復動されるのに応じて、シリンダ内周面51a内における圧縮機シリンダヘッド52と圧縮機ピストン53とに囲まれたシリンダ空間50a内に空気を吸入して圧縮するために、圧縮機シリンダヘッド52には、図8に拡大して詳細に示すように、吸気リード弁64と、排気ポペット弁70とが設けられている。
【0023】
吸気リード弁64は、薄い金属板からなるバルブプレート63を図10に示す形状に打ち抜き加工して舌片状に形成されている。このバルブプレート63は、圧縮機シリンダボディ51の上端面と圧縮機シリンダヘッド52の下端面との間に挟持されて取り付けられ、舌片状の吸気リード弁64が圧縮機シリンダヘッド52に形成された吸気孔52aを下面側から覆う。このとき、バルブプレート63はシリンダ内周面51a(二点鎖線で示す)に対して図示の位置関係となるように配設され、バルブプレート63に形成された挿入孔63aに挿入された結合ボルトにより圧縮機シリンダボディ51と圧縮機シリンダヘッド52とが結合される。また、後述する圧縮機ピストン53に形成された凸部53を突入させるための円形孔65が図示のように形成されている。
【0024】
この吸気リード弁64は、図8に矢印Aで示すように圧縮機ピストン53が下方に移動されるときに、シリンダ空間50a内に発生する負圧を受けて図において二点鎖線で示すように弾性変形して撓み、吸気孔52aを介して外部空気を吸入する。一方、矢印Bで示すように圧縮機ピストン53が上方に移動されるときには、自身の弾性変形復帰力およびシリンダ空間50a内に発生する空気圧力を受けて吸気リード弁64は吸気孔52aに密着してこれを塞ぎ、シリンダ空間50a内の圧縮空気が吸気孔52aを介して外部に漏れ出すのを阻止する。
【0025】
一方、排気ポペット弁70は、図9に拡大して示すように、圧縮機シリンダヘッド52に形成された圧縮空気通過空間52d内における着座面52cに着座するように配設された円板状の弁体71と、この弁体71を着座面52cに着座する方向に付勢する圧縮バネ74とから構成される。圧縮空気通過空間52dにおける着座面52cからシリンダ空間50aに連通して空気連通孔52bが形成されており、弁体71が着座面52cに着座した状態で空気通過孔52bが弁体71により覆われて閉止される。
【0026】
この弁体71は、図11に示すように、円盤状の金属プレート72の下面にゴム等の薄い層からなる弾性シール層73を設けて構成される。弾性シール層73にはリング状の凹溝73aが形成されるとともに凹溝73a内の四カ所に凹部73dが形成されている。なお、凹部73dは金属プレート72の下面に弾性シール層73を設けるときに金属プレート72を支持することにより生じる凹部である。リング状の凹溝73aは、図9から分かるように、着座面52cにおける空気通過孔52bの内周縁Pに対向するように形成されている。すなわち、リング状の凹溝73aにより弾性シール層73の表面がリング状外周面73bと円形状内周面73cとに分割されるのであるが、リング状外周面73bの内周縁が着座面52cにおける空気通過孔52bの内周縁Pより外周側に位置し、円形状内周面73cの外周縁が着座面52cにおける空気通過孔52bの内周縁Pより内周側に位置するようになっている。このため、弁体71が着座面52cに着座するときには、弾性シール層73のリング状外周面73bのみが着座面52cと当接し、円形状内周面73cは空気通過孔52bと対向するだけで着座面52cと当接することがない。
【0027】
上記構成の排気ポペット弁70は、図8に矢印Aで示すように圧縮機ピストン53が下方に移動されるときに、シリンダ空間50a内に発生する負圧を受けて弁体71が着座面52cに着座した状態で保持されて空気通過孔52bを閉塞し、圧縮空気通過空間52d内の圧縮空気がシリンダ空間50a内に逆流するのを防止する。このとき、ゴム等からなる弾性シール層73(特に、リング状外周面73b)が着座面52dと密着し、この閉塞時のシール性を確保する。一方、矢印Bで示すように圧縮機ピストン53が上方に移動されるときには、シリンダ空間50a内に吸入された空気が圧縮されて発生する圧力により弁体71が圧縮バネ74の付勢力に抗して持ち上げられ、圧縮された空気が空気通過孔52bを通って圧縮空気通過空間52d内に押し出される。
【0028】
以上の説明から分かるように、クランクシャフト16が回転されるとこの回転が、第1及び第2チェーン32,62を介して伝達されて圧縮機駆動シャフト56がクランクシャフト16の1/2の回転速度で回転駆動され、圧縮機ピストン53が圧縮機駆動シャフト56の回転に対応して往復動される。この結果、クランクシャフト16の2回転毎に圧縮機ピストン53が一回往復動される。このように圧縮機ピストン53が往復動されるときに、圧縮機ピストン53の下動行程(矢印A方向に移動する行程)では吸気リード弁64が開放されて吸気孔52aからシリンダ空間50a内に外部空気を吸入し、上動行程(矢印B方向に移動する行程)では排気ポペット弁70が開放されて、圧縮機ピストン53の上動に応じて圧縮されたシリンダ空間50a内の圧縮空気が圧縮空気通過空間52d内に押し出される。なお、このように圧縮空気を押し出すタイミングは、上述のようにクランクシャフト16の回転に同期しており、燃料噴射装置22による燃料噴射に合わせて行われる。
【0029】
また、図示のように、圧縮機ピストン53の上端面に円筒状の凸部53aが形成されている。この凸部53aは空気通過孔52bより僅かに小さな径を有しており、圧縮機ピストン53が上死点近傍まで上動されると凸部53aが空気通過孔52b内に突入するように構成されている。これにより、空気通過孔52bの内部空間の空気は凸部53aにより圧縮されて圧縮空気通過空間52d内に押し出されることになり、圧縮デッドスペースが小さくなって圧縮効率が高くなる。ここで、圧縮機ピストン53が上死点に位置したときに凸部53aの先端面が弾性シール層73の円形状内周面73cに極力近接させて圧縮効率をできるかぎり高くするように構成されている。
【0030】
このようにして圧縮空気を圧縮空気通過空間52d内に押し出すために排気ポペット弁70の弁体71が上下動されるときに、弁体71と着座面52cとの密着性を向上させるとともに弁体71が着座面52cと当接するときの騒音を低減するためにリング状外周面73bにも弾性シール層73が設けられている。ここで、前述のように、リング状外周面73bの内周縁は着座面52cにおける空気通過孔52bの内周縁Pより外周側に位置するため、弁体71が着座面52cに着座したときに、リング状外周面73bの全面が着座面52cと当接し、この部分に均一な圧縮力が作用するので、弾性シール層73の耐久性が向上する。
【0031】
上記のように圧縮空気が供給される圧縮空気通過空間52dには圧縮空気供給管75が接続されており、この圧縮空気供給管75は、図6に示すように、エンジンシリンダヘッド12に形成された圧縮空気供給路76と繋がっている。圧縮空気供給路76は混合室形成孔26aに開口しており、前述のように混合室形成孔26a内に上下から嵌入された燃料供給装置27aと燃料噴射装置22とに挟まれて形成される混合室28に圧縮空気が供給される。なお、混合室形成孔26aの上側に繋がってこれより大径の燃料供給装置配設孔26bが形成されているが、ここに燃料供給装置27が配設され、燃料供給管路27aを介して供給される燃料が燃料供給装置27を介して混合室28内に供給される。また、圧縮機50から混合室28内に供給される圧縮空気の圧力を調整する調圧装置78が上記圧縮空気供給路76に繋がって設けられている(図4参照)。
【0032】
一方、図7に示すように、圧縮機駆動シャフト56における偏心シャフト57が形成された側と反対側端部に繋がってマグネットカップリング方式ウォーターポンプWPが設けられている。このウォーターポンプWPは、圧縮機駆動シャフト56に連結部材80を介して連結されたアウターマグネット81と、アウターマグネット81の内部に隔離部材84を介して対向配設されたインナーマグネット82と、インナーマグネット82と結合されたポンプシャフト83と、ポンプシャフト83の先端に取り付けられたポンプ羽根85とから構成される。隔離部材84は、圧縮機駆動シャフト56が配設された作動油が流れる空間と、ポンプ羽根85が配設された冷却水が流れる空間とを隔離する。アウターマグネット81とインナーマグネット82とは非接触型のカップリング機構を構成し、隔離部材84を挟んで離れているが、両者の間の磁力の作用により一方の回転に他方が追従して回転する。
【0033】
このウォーターポンプWPにおいて、前述のようにクランクシャフト16の回転により圧縮機駆動シャフト56が回転されてこれと一緒にアウターマグネット81が回転駆動されると、磁力カップリング作用によりインナーマグネット82が連れ回り駆動され、ポンプシャフト83を介してポンプ羽根85が回転駆動される。これにより、エンジン冷却水が水タンクから吸入され、吐出口87から吐出される。なお、吐出口87には冷却水供給パイプ(図示せず)が繋がり、この冷却水供給パイプは図4に示す冷却水入口部88に繋がり、ここからエンジンシリンダボディ10およびエンジンシリンダヘッド12内に形成された冷却水通路に冷却水が供給される。この冷却水通路を循環してエンジンシリンダボディ10およびエンジンシリンダヘッド12の冷却を行った冷却水は冷却水出口部89(図1参照)から図示しないパイプを介してラジエータに送られる。なお、ウォーターポンプWPにおいて、ポンプ羽根85から吐出口87に至る冷却水を通過させる部分にサーモスタットバルブ86が設けられている。
【0034】
以上の構成のエンジン部Eを始動させるためのスタータモータ1が、図4に示すようにハウジングHSGに取り付けられている。このスタータモータ1の駆動軸にはスタータピニオン(図示せず)が取り付けられており、このスタータピニオンはクランクシャフトの端部にワンウェイクラッチ(図示せず)を介して取り付けられたスタータギヤ2と噛合している。なお、クランクシャフト16の端部には発電機Gが取り付けられており、クランクシャフト16により駆動されて発電を行うが、この発電機G内に上記ワンウェイクラッチが位置している。
【0035】
エンジン部Eを始動するためスタータモータ1が駆動されると、スタータピニオン1を介してスタータギヤ2が回転駆動され、クランクシャフト16が回転駆動される。これにより、上述したように圧縮機50が駆動されて圧縮空気が混合室28に供給される。このとき同時にクランクシャフト16の回転により燃料ポンプ(図示せず)が駆動されて燃料供給装置27を介して混合室28に燃料も供給される。混合室28内においてはこれら圧縮空気と燃料とが混合されて高濃度の混合気が作られ、これがピストン13の往復動に合わせて燃焼室11内に噴射されるとともに点火プラグ21により点火燃焼されて、エンジン部Eが始動する。このとき、上述のように圧縮機50の効率を高めているため、スムーズにエンジン部Eを始動させることができる。
【0036】
このようにしてエンジン部Eが始動された後、クランクシャフト16の回転駆動力を変速して駆動スプロケットSPに伝達する変速機部TMについて、図2に加えて、変速機部TMを拡大して示す図12を参照して説明する。変速機部TMは、クランクシャフト16の端部に設けられた遠心クラッチCL1と、クランクシャフト16と平行に配設された入力軸91および出力軸92と、入力軸91の端部に設けられた湿式多板クラッチCL2と、入出力軸91,92の間に並列に配設された第1速〜第4速変速ギヤ列110〜140とを有して構成され、出力軸92の端部に駆動スプロケットSPが取り付けられている。
【0037】
遠心クラッチCL1は、クランクシャフト16の上に回転自在に配設された伝達駆動ギヤ93とクランクシャフト16とを係脱するもので、クランクシャフト16の回転が所定回転以上となったときに遠心力により作動して伝達駆動ギヤ93をクランクシャフト16に結合させて両者を一体回転させる。伝達駆動ギヤ93は入力軸91の上に回転自在に配設された伝達従動ギヤ94に噛合しており、伝達駆動ギヤ93の回転が伝達従動ギヤ94に伝達される。伝達従動ギヤ94は湿式多板クラッチCL2により入力軸91に係脱可能となっており、湿式多板クラッチCL2を係合させて伝達従動ギヤ94と入力軸91を一体回転させることができるようになっている。
【0038】
湿式多板クラッチCL2は、伝達従動ギヤ94に結合されたクラッチドラム96と、入力軸91にスプライン結合されたクラッチハブ97と、クラッチドラム96に連結されたクラッチプレートおよびクラッチハブ97に連結された摩擦プレートを交互に重ねて配置した多板クラッチ部98と、多板クラッチ部98に対向したピストン部材99aと、ピストン部材99aを多板クラッチ部98に押し付けるバネ99bと、ピストン部材99aを多板クラッチ部98から離れる方向に移動させるボールカム機構95とから構成される。通常時にはボールカム機構95は作動されず、バネ99bがピストン部材99aを多板クラッチ部96に押し付けて湿式多板クラッチCL2が係合され、伝達従動ギヤ94と入力軸91とが一体回転する。変速時にボールカム機構95が作動され、ピストン部材99aが多板クラッチ部96から離されて湿式多板クラッチCL2が解放され、伝達従動ギヤ94と入力軸91との回転伝達が行われない状態となる。
【0039】
第1速〜第4速変速ギヤ列110〜140は、入力軸91上に設けられた第1〜第4速駆動ギヤ111〜141と、出力軸92上に設けられてそれぞれ第1〜第4速駆動ギヤ111〜141と噛合する第1〜第4速従動ギヤ112〜142とから構成される。第1速駆動ギヤ111は入力軸91と一体に形成され、第2速駆動ギヤ121は入力軸上に相対回転自在に配設されるとともに第1ダボ121aが形成されており、第3速駆動ギヤ131は入力軸91にスプライン結合されるとともに第2ダボ131a、第1ダボ係合孔131bおよび第1フォーク溝131cが形成されており、第4速駆動ギヤ141は入力軸91の上に相対回転自在に配設されるとともに第2ダボ係合孔141aが形成されている。また、第1速従動ギヤ112は出力軸上に相対回転自在に配設されるとともに第3ダボ係合孔112aが形成されており、第2速従動ギヤ122は出力軸92とスプライン結合されるとともに第3ダボ122a、第4ダボ122bおよび第2フォーク溝122cが形成されており、第3速従動ギヤ132は出力軸92の上に相対回転自在に配設されるとともに第4ダボ係合孔132aが形成されており、第4速従動ギヤ142は出力軸92にスプライン結合されている。
【0040】
これら第1速〜第4速変速ギヤ列110〜140の側方に、ロータリー式変速機構150が設けられており、これを構成する第1及び第2シフトフォーク151,152の先端フォーク部が上記第1および第2フォーク溝131c,122cに係合している。両シフトフォーク151,152はシフトドラム153の上に回転自在且つ軸方向に移動自在に取り付けられるとともにピン151a,152aがカム溝153a,153bに係合しており、シフトドラム153の回転に応じて軸方向に移動されるように構成されている。シフトドラム153はリンク機構154を介してシフトペダル(図示せず)に繋がっており、シフトペダルが操作されるとこの操作の応じてシフトドラム153が回転され、第1及び第2シフトフォーク151,152が軸方向に移動される。
【0041】
ここで、第2シフトフォーク152が図において左方向に移動されると、第2速従動ギヤ122が左方向に移動されて第3ダボ122aが第3ダボ係合孔112aに嵌入し、第1速従動ギヤ112と第2速従動ギヤ122が結合される。このため、入力軸91の回転が第1速ギヤ列110(第1速駆動ギヤ111及び第1速従動ギヤ112)から第2速従動ギヤ122を介して出力軸92に伝達され、第1速ギヤ列110のギヤ比に対応した変速がなされる。一方、第2シフトフォーク152が右方向に移動されると、第4ダボ122bが第4ダボ係合孔132aに嵌入し、第2速従動ギヤ122と第3速従動ギヤ132とが結合される。このため、入力軸91の回転が第3速ギヤ列130(第3速駆動ギヤ131および第3速従動ギヤ132)から第2速従動ギヤ122を介して出力軸92に伝達され、第3速ギヤ列130のギヤ比に対応した変速がなされる。
【0042】
また、第1シフトフォーク151が図において左方向に移動されると、第3速駆動ギヤ131が左方向に移動されて第1ダボ121aが第1ダボ係合孔1131bに嵌入し、第2速駆動ギヤ121と第3速従動ギヤ131が結合される。このため、入力軸91の回転が第3速駆動ギヤ131から第2速駆動ギヤ121にそのまま伝達され、第2速ギヤ列120(第2速駆動ギヤ121及び第2速従動ギヤ122)を介して出力軸92に伝達され、第2速ギヤ列120のギヤ比に対応した変速がなされる。一方、第1シフトフォーク151が右方向に移動されると、第2ダボ131aが第2ダボ係合孔141aに嵌入し、第3速駆動ギヤ132と第4速従動ギヤ142とが結合される。このため、入力軸91の回転が第3速駆動ギヤ131から第4速駆動ギヤ141にそのまま伝達され、第4速ギヤ列140(第4速駆動ギヤ141および第4速従動ギヤ142)を介して出力軸92に伝達され、第4速ギヤ列140のギヤ比に対応した変速がなされる。
【0043】
このようにして第1速〜第4速ギヤ列110〜140のいずれかを介して変速されて駆動される出力軸92の回転はそのまま出力駆動スプロケットSPに伝達され、前述したように、図示しないチェーンを介して後輪に伝達されて後輪が駆動される。
【0044】
以上においては、本発明を適用した圧縮機は、燃料と混合した混合気を作り出すために用いられているが、これ以外の圧縮機にも適用できることは無論である。また、圧縮対象は空気に限られるものではなく、他の気体でも良い。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように第1の本発明によれば、シリンダボディ、シリンダヘッド、ピストンおよび一方向弁を備えて圧縮機が構成され、この一方向弁が、流体通過孔より大径の着座面に着座して流体通過孔を覆う弁体を有して構成され、この弁体における着座面と当接する部分に薄板状の弾性シール部材が接合して設けられており、このとき、弾性シール部材における着座面と当接する部分の内周縁が着座面における流体通過孔の内周縁より外周側に位置するように弾性シール部材が形成されている。このような構成の圧縮機においては、ピストンがシリンダ空間に嵌合した状態で往復摺動することにより一方向弁が開閉作動して流体を圧縮して供給するのであるが、このとき、弁体に設けられた弾性シール部材の作用により、弁体が着座面に当接して発生する騒音を低減でき、且つ弁体を着座面に着座させて流体通過孔を閉止するときにこの部分を確実にシールさせることができる。このような作用を行う弾性シール部材における着座面に当接する部分は、その内周縁が着座面の内周縁より外側に位置するように形成されているため、この当接する部分が内周縁と当接することがなく、弾性シール部材における着座面と当接する部分の全体が着座面に当接して略均一な圧縮力を受ける構成となり、弾性シール部材の耐久性が向上する。
【0046】
第2の本発明においても、シリンダボディ、シリンダヘッド、ピストンおよび一方向弁を備えて圧縮機が構成され、この圧縮機においては、ピストンのシリンダヘッドと対向する面に、ピストンが上死点近傍に位置したときに流体通過孔内に突出する凸部が形成されている。このような構成の圧縮機においては、ピストンが下死点から上死点に移動してシリンダ空間内の流体を圧縮するときに、凸部が流体通過孔内に突出してこの空間部分の流体も圧縮するため、デッドスペースが小さくなって圧縮効率が向上する。
【0047】
第3の本発明においても、シリンダボディ、シリンダヘッド、ピストンおよび一方向弁を備えて圧縮機が構成され、この圧縮機においては、ピストンのシリンダヘッドと対向する面に、ピストンが上死点近傍に位置したときに流体通過孔内に突出する凸部が形成されており、この一方向弁が流体通過孔より大径の着座面に着座して流体通過孔を覆う平板状の弁体を有して構成され、この弁体における着座面と当接する側の面に薄板状の弾性シール部材が接合して設けられており、弾性シール部材は着座面における流体通過孔の内周縁に対向する部分が窪んでいる。この圧縮機においては、弁体の着座面と当接する側の面に設けられた弾性シール部材により、第1の本発明の場合と同様に、弁体が着座面に当接して発生する騒音を低減でき、且つ弁体を着座面に着座させて流体通過孔を閉止するときにこの部分を確実にシールすることができる。また、ピストンのシリンダヘッドと対向する面(ピストンヘッド面)に設けられた凸部により、第2の本発明の場合と同様に、ピストンが上死点近傍に移動したときに凸部が流体通過孔内に突出してこの空間部分の流体も圧縮して圧縮効率が向上する。さらに、弾性シール部材は着座面における流体通過孔の内周縁に対向する部分が窪んでいるだけで、ピストンヘッド面に対向する部分にも弾性シール部材が設けられている。これにより弾性シール部材が緩衝吸収機能を発揮するので、ピストンが上死点近傍に位置したときに上記凸部の先端を弁体の弾性シール部材が設けられた面に極力近接するように設定することができ、圧縮効率を一層向上させることができる。
【0048】
第4の本発明においても、シリンダボディ、シリンダヘッド、ピストンおよび一方向弁を備えて圧縮機が構成され、ピストンのシリンダヘッドと対向する面(ピストンヘッド面)に、ピストンが上死点近傍に位置したときに流体通過孔内に突出する凸部が形成されて圧縮機が構成される。さらに、この圧縮機が内燃機関に取り付けられ、この内燃機関のクランクシャフト回転駆動力を受けてピストンがシリンダ空間内を往復摺動され、内燃機関の燃料噴射装置に圧縮空気を供給する。この構成の圧縮機においてもピストンヘッド面に形成された凸部が流体通過孔内に突出してこの部分の流体も圧縮するため高い圧縮効率が得られ、このように高い圧縮効率で圧縮された空気を燃料噴射装置に供給して、良好な燃料噴射を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧縮機を有した二輪車の駆動装置(特にエンジン部)を、エンジンクランクシャフトおよびエンジンシリンダ軸芯を通る平面において切断して示す断面図である。
【図2】本発明に係る圧縮機を有した二輪車の駆動装置(特に変速機部)を、エンジンクランクシャフトおよびエンジンシリンダ軸芯を通る平面において切断して示す正面断面図である。
【図3】上記駆動装置のエンジン部をシリンダ軸および給排気バルブ中心を通る面において切断して示す正面断面図である。
【図4】上記エンジン部の正面前面側を示す部分断面図である。
【図5】上記エンジン部に配設される圧縮機構成を示す正面断面図である。
【図6】上記圧縮機構成を示す側面断面図である。
【図7】上記圧縮機およびウォーターポンプ構成を示す平面断面図である。
【図8】上記圧縮機のシリンダヘッド部を拡大して示す正面断面図である。
【図9】上記圧縮機の排気ポペット弁回りを拡大して示す正面断面図である。
【図10】上記圧縮機に用いられて吸気リード弁を構成するバルブプレートを示す平面図である。
【図11】上記圧縮機に用いられて排気ポペット弁を構成する弁体の断面図(図11(B)矢印X−Xに沿った断面を示す)および底面図である。
【図12】上記駆動装置の変速機部の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
10 エンジンシリンダボディ
11 燃焼室
12 エンジンシリンダヘッド
13 ピストン
50 圧縮機
51 圧縮機シリンダボディ
52 圧縮機シリンダヘッド
52a 吸気孔
52b 空気通過孔
52c 着座面
53 圧縮機ピストン
63 バルブプレート
64 吸気リード弁
70 排気ポペット弁
71 弁体
73 弾性シール層
73a リング状凹溝
74 圧縮バネ
SY スコッチヨーク機構
E エンジン部
TM 変速機部

Claims (4)

  1. 円筒状のシリンダ空間を有したシリンダボディと、前記シリンダボディに前記シリンダ空間を覆って取り付けられたシリンダヘッドと、前記シリンダ空間内に摺動自在に嵌合配設されたピストンと、前記シリンダ空間に連通して前記シリンダヘッドに形成された流体通過孔を開閉可能に覆うように設けられた一方向弁とを備え、
    前記一方向弁が、前記流体通過孔より大径の着座面に着座して前記流体通過孔を覆う弁体を有して構成され、
    前記弁体における前記着座面と当接する側に薄板状の弾性シール部材が接合して設けられており、前記弾性シール部材における前記着座面と当接する部分の内周縁が前記着座面における前記流体通過孔の内周縁より外周側に位置するように前記弾性シール部材が形成されていることを特徴とする圧縮機。
  2. 円筒状のシリンダ空間を有したシリンダボディと、前記シリンダボディに前記シリンダ空間を覆って取り付けられたシリンダヘッドと、前記シリンダ空間内に摺動自在に嵌合配設されたピストンと、前記シリンダ空間に連通して前記シリンダヘッドに形成された流体通過孔を開閉可能に覆うように設けられた一方向弁とを備え、
    前記ピストンの前記シリンダヘッドと対向する面に、前記ピストンが上死点近傍に位置したときに前記流体通過孔内に突出する凸部が形成されていることを特徴とする圧縮機。
  3. 円筒状のシリンダ空間を有したシリンダボディと、前記シリンダボディに前記シリンダ空間を覆って取り付けられたシリンダヘッドと、前記シリンダ空間内に摺動自在に嵌合配設されたピストンと、前記シリンダ空間に連通して前記シリンダヘッドに形成された流体通過孔を開閉可能に覆うように設けられた一方向弁とを備え、
    前記ピストンの前記シリンダヘッドと対向する面に、前記ピストンが上死点近傍に位置したときに前記流体通過孔内に突出する凸部が形成されており、
    前記一方向弁が、前記流体通過孔より大径の着座面に着座して前記流体通過孔を覆う平板状の弁体を有して構成され、
    前記弁体における前記着座面と当接する側の面に薄板状の弾性シール部材が接合して設けられており、前記弾性シール部材が前記着座面における前記流体通過孔の内周縁に対向する部分において窪んでいることを特徴とする圧縮機。
  4. 円筒状のシリンダ空間を有したシリンダボディと、前記シリンダボディに前記シリンダ空間を覆って取り付けられたシリンダヘッドと、前記シリンダ空間内に摺動自在に嵌合配設されたピストンと、前記シリンダ空間に連通して前記シリンダヘッドに形成された流体通過孔を開閉可能に覆うように設けられた一方向弁とを備え、前記ピストンの前記シリンダヘッドと対向する面に、前記ピストンが上死点近傍に位置したときに前記流体通過孔内に突出する凸部が形成されている圧縮機であって、
    内燃機関に取り付けられて前記内燃機関のクランクシャフト回転駆動力を受けて前記ピストンが前記シリンダ空間内を往復摺動され、前記内燃機関の燃料噴射装置に圧縮空気を供給するように構成されていることを特徴とする圧縮機。
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