JP2007270653A - 筒内直噴内燃機関の圧縮機 - Google Patents

筒内直噴内燃機関の圧縮機 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易に構成可能な筒内直噴内燃機関の圧縮機を提供する。
【解決手段】内部に圧縮機シリンダボア81aが形成された圧縮機シリンダブロック81と、圧縮機シリンダブロック81に圧縮機シリンダボア81aを覆って結合された圧縮機シリンダヘッド82と、圧縮機シリンダボア81aの内部に摺動自在に嵌合配設された往復摺動部材83と、クランクシャフト20により回転駆動される圧縮機駆動シャフトと、圧縮機駆動シャフトの回転を往復直線運動に変換して往復摺動部材83に伝達する運動変換機構85とから構成される筒内直噴内燃機関10の圧縮機80であって、圧縮機駆動シャフトとバランサシャフト71とを一体に形成している。
【選択図】図1

Description

本発明は、内部にエンジンシリンダボアが形成されたエンジンシリンダブロックと、エンジンシリンダボアの内部に摺動自在に嵌合配設されたエンジンピストンと、エンジンシリンダブロックに結合され、内部にエンジンピストンと連動して回転するクランクシャフトが収容されるクランク室が形成されたクランクケースとから構成される筒内直噴内燃機関の圧縮機に関する。
二輪車等の車両に原動機として搭載される筒内直噴内燃機関には、例えばエアアシスト式の燃料噴射装置に供給される圧縮空気を発生させるため等に用いる圧縮機(エアコンプレッサ)が設けられることがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、筒内直噴内燃機関を駆動源とするピストンタイプの圧縮機が開示されている。この圧縮機は、クランクシャフトにより駆動されるカムシャフトの回転がチェーン伝動で圧縮機駆動シャフトに伝達され、圧縮機駆動シャフトの回転がスコッチヨーク機構の作用により往復直線運動に変換されて圧縮機ピストンに伝達されることで作動する。なお、圧縮機ピストンの作動方向は、エンジンシリンダボアの軸方向に対して平行になっている。
特開2004−108272号公報
従来の圧縮機においては、上記のように圧縮機を駆動するためのシャフトを専用に設けている。このため、このシャフトに回転を伝達するための機構や、このシャフトを回転自在に支持するための軸受け構造についても専用に設けなければならず、筒内直噴内燃機関の部品点数の増加を招くおそれがあった。さらに、圧縮機ピストンが、エンジンシリンダボアの軸方向に往復動して上下振動を発生させるおそれがあるため、この振動を低減するような圧縮機の構成が課題になっている。
このような課題に鑑み、本発明は、筒内直噴内燃機関の構成を簡易にすることができ、振動の低減が図られた筒内直噴内燃機関の圧縮機を提供することを目的とする。
上記目的達成のため、本発明に係る筒内直噴内燃機関の圧縮機は、内部にエンジンシリンダボアが形成されたエンジンシリンダブロックと、エンジンシリンダボアの内部に摺動自在に嵌合配設されたエンジンピストンと、エンジンシリンダブロックに結合され、内部にエンジンピストンと連動して回転するクランクシャフトが収容されるクランク室が形成されたクランクケースと、クランク室に収容され、クランクシャフトにより回転駆動されてピストンの往復動に伴う振動を打ち消すためのウェイトが一体回転可能に設けられたバランサシャフトとから構成される筒内直噴内燃機関において、内部に圧縮機シリンダボアが形成された圧縮機シリンダブロックと、圧縮機シリンダブロックに圧縮機シリンダボアを覆って結合された圧縮機シリンダヘッドと、圧縮機シリンダボアの内部に摺動自在に嵌合配設された往復摺動部材と、クランクシャフトにより回転駆動される圧縮機駆動シャフトと、圧縮機駆動シャフトの回転を往復直線運動に変換して往復摺動部材に伝達する運動変換機構とから構成される筒内直噴内燃機関の圧縮機であって、圧縮機シリンダボアの軸をエンジンシリンダボアの軸直交方向に配置し、圧縮機駆動シャフトとバランサシャフトとを一体に形成している。
また、クランクシャフトの一端に設けられてクランクシャフトにより駆動される補器と、クランクシャフトの中央部に径方向に延びて設けられてクランクシャフトと一体回転可能なクランクウェイトとを備え、この補器とクランクウェイトの間に圧縮機を設けてもよい。さらに、クランクケースの側方を覆って取り付けられた補器カバーにより補機を収容する補器室を形成し、この補器室に補器を潤滑する潤滑油を供給しているときには、圧縮機シリンダブロックの外周にフィンを備えるとともに、補器室の内部に圧縮機を主要することが好ましい。
また、運動変換機構を、圧縮機駆動シャフトに偏心して設けられるとともに、往復摺動部材の端部に形成されて圧縮機シリンダボアの軸方向に対して直交方向に延びる摺動孔の内部に嵌合され、摺動孔の内部を往復摺動自在な偏心シャフトを有して構成されるスコッチヨーク機構で構成してもよい。
また、運動変換機構を、圧縮機駆動シャフトに設けられたカムと、一端がカムに当接して他端が往復摺動部材に連結され、クランクケースおよびエンジンシリンダブロックのいずれかに枢結されたリンクアームと、リンクアームの一端をカムに当接させる方向にリンクアームを付勢する付勢部材とから構成してもよい。このとき、カムを、バランサシャフトに対して偏心回転する偏心カムとし、このカムとウェイトとを一体にしてもよい。
上記のように構成される本発明に係る筒内直噴内燃機関の圧縮機によると、圧縮機駆動シャフトがバランサシャフトと一体に形成されるため、圧縮機駆動シャフトを駆動するための機構や軸受け構造を省略でき、筒内直噴内燃機関全体の小型化が図られる。また、ピストンの振動をクランクシャフトと連動するバランサウェイトにより低減することができる。
また、補器とクランクウェイトの間に圧縮機を設けることで、エンジン側方に形成されたスペースを有効活用することができ、エンジンの小型化が図られる。また、左補器室の内部に収容すると、冷却フィンを備えた圧縮機シリンダブロックの外周に補器の潤滑に用いられた潤滑油が供給される。これにより圧縮機が効果的に冷却され、圧縮機の駆動効率が向上する。
なお、運動変換機構をスコッチヨーク機構で構成しても、カム機構で構成しても、いずれの場合であっても安定して作動する圧縮機を提供できる。スコッチヨーク機構で構成する場合、偏心シャフトが圧縮機駆動シャフト(すなわち、バランサシャフト)に一体成形されるため、筒内直噴内燃機関の構成を簡略化できる。なお、カム機構で構成する場合、リンクアームの枢結部分から一端までの距離と、枢結部分から他端までの距離とを変更するだけで、往復摺動部材のストロークを変更でき、用途や配設位置に応じて圧縮機の性能を容易に変更できる。また、リンクアームの全長を変更するだけで、カムと往復摺動部材との距離を変更でき、圧縮機の配設自由度の向上が図られる。さらに、カムをウェイトと一体の偏心カムにすることにより、偏心回転によるバランサ機能を確保したままで、部品点数が削減された圧縮機を構成できる。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。なお、図中の矢印Uの向きを上方、矢印Fの向きを前方、矢印Rの向きを右方としており、これらの方向は運転者が見る方向に対応する。図1には、本発明に係る筒内直噴内燃機関の圧縮機を設けたエンジン10を搭載した二輪車MCの左側面図を示している。
自動二輪車MCは、ダブルクレードルタイプの車体フレーム1を有し、車体フレーム1の前上部に設けられたヘッドパイプ2にフロントフォーク3が枢支されており、フロントフォーク3の下端に前輪4が回転自在に支持されている。ヘッドパイプ2の上方には、前輪4を転舵操作するためのハンドル5が取り付けられる。後輪6は、車体フレーム1に揺動自在に支持されたリヤフォークにより回転自在に支持されている。フロントフォーク2とシート7との間には、車体フレーム1に取り付けられた燃料タンク111が設けられている。また、車体フレーム1は、ヘッドパイプ2から後下方に向けて延びる上下延出部8aと、上下延出部8aの下端から屈曲して後方に向けて略水平に延びる前後延出部8bとからなる左右一対のアンダーフレーム8を有して構成される。左右一対のアンダーフレーム8の上下延出部8aにより挟まれた空間には、ラジエータ9が配置されている。
二輪車MCの下部に、車体フレーム1に懸架され、前輪4の後方に位置してエンジン10が搭載されている。エンジン10は、2つのシリンダブロック12,22がV字状の外形を形成し、上下延出部8aの後方であって前後延出部8bの上方に位置してアンダーフレーム8に囲まれるようにして横置きされている。大きなキャスタ角θが設定されているため、前輪4とエンジン10との間には所定サイズのスペース10aが確保されている。
図2〜図6に断面図を示すように、エンジン10は、4ストローク・V型2気筒・OHV4バルブタイプのガソリンを燃料とする筒内直噴エンジンであり、クランクケース11と、クランクケース11の上方に結合されて前方に配置された第1シリンダブロック12と、クランクケース11の上方に結合されて後方に配置された第2シリンダブロック22と、第1シリンダブロック12の上方に結合された第1シリンダヘッド13と、第2シリンダブロック22の上方に結合された第2シリンダヘッド23とを有して構成される。
図2〜図4に示すように、シリンダブロック12,22の内部には、上下に開放された円筒状の空間が形成されており、この空間に下方から上下に開放されたシリンダスリーブ14,24が嵌め込まれている。シリンダスリーブ14,24の内周面に囲まれてシリンダボア15,25が形成され、このシリンダボア15,25の内部にピストン16,26が嵌合配設されている。ピストン16,26は、シリンダボア15,25の軸方向に摺動自在になっている。
シリンダボア15,25の上方を覆ってシリンダヘッド13,23が結合され、シリンダヘッド13,23の下面、シリンダスリーブ14,24の内周面およびピストン16,26の上面に囲まれて燃焼室17,27が形成される。なお、ピストン16,26の上面の略中央部に、凹状のキャビティー部16a,26aが形成されている。シリンダヘッド13,23には、燃焼室17,27の中心部に電極部を臨ませて点火プラグ18,28が取り付けられており、燃焼室17,27の中心部に噴射口100a,105aを臨ませてインジェクタ100,105が取り付けられている。また、シリンダヘッド13,23には、上方を覆ってヘッドカバー33,34が取り付けられる。
図3,図4に示すように、クランクケース11は、左右半割りになっており、左ケース11aと右ケース11bとが結合されてなり、内部に第1および第2シリンダボア15,25のそれぞれに連通するクランク室11cが形成される。さらに、クランクケース11の左側面(左ケース11aの左側面)を覆って左カバー31が取り付けられ、クランクケース11の右側面(右ケース11bの右側面)を覆って右カバー32が取り付けられている。左ケース11aの左側面と左カバー31の内壁面とに囲まれて左補器室31aが形成され、右ケース11bの右側面と右カバー32の内壁面とに囲まれて右補器室32aが形成されている。
クランクケース11には、クランクシャフト20が回転自在に支持される。クランクシャフト20は、左ジャーナル部20aが左ケース11aに支持され、左端部20bが左補器室31aの内部に収容され、右ジャーナル部20cが右ケース11bに支持され、右端部20dが右補器室32aの内部に収容される。このように支持されるクランクシャフト20の中央部には、径方向に延びて設けられた2つのウェブ20e,20eと、両ウェブ20e,20e間を繋ぐクランクピン20fとが設けられ、これら20e,20fがクランク室11cの内部に収容される。ウェブ20e,20eは側面視略扇状に成形されており、ピストン16,26の振動を軽減するバランサウェイトとして機能する。
クランクピン20fには、左部に第1コンロッド19の大端部が枢結され、右部に第2コンロッド29の大端部が枢結される。第1コンロッド19の小端部は、第1ピストン16に枢結されており、第2コンロッド29の小端部は、第2ピストン26に枢結されている。これにより、クランクシャフト20の回転に連動してピストン16,26が往復動する。このとき、両ピストン16,26は、所定の位相差で作動する。
図3に示すように、クランクシャフト20の左端部20bには、クランクシャフト20により駆動される発電器43が設けられている。また、クランクシャフト20の左端部20bには、発電器43の右側に隣接してワンウェイクラッチ44が取り付けられており、ワンウェイクラッチ44の右側に隣接して、ワンウェイクラッチ44を介してクランクシャフト20に連結されたスタータギヤ45aが設けられている。発電器43、ワンウェイクラッチ44およびスタータギヤ45aは、左補器室31aの内部に収容されている。また、左補器室31aの内部には、発電器43、ワンウェイクラッチ44およびスタータギヤ45aなどを潤滑するための潤滑油が供給されている。
スタータギヤ45aには、左補器室31aの内部に収容された図示しないリダクションギヤ列を介して、図2に示すように左ケース11aに一体成形されたモータブラケット11dに取り付けられるスタータモータ45bの回転駆動力が伝達される。スタータモータ45bは、ハンドル5の近傍に設けられたセルスイッチが操作されると、図示しないバッテリから電力が供給されて駆動される。
図2に軸位置を示すように、クランク室11cの内部には、クランクシャフト20(軸心O20)の前下方に位置して第1バランサシャフト71(軸心O71)が回転自在に収容され、クランクシャフト20の後下方に位置して第2バランサシャフト76(軸心O76)が回転自在に収容されている。なお、第1バランサシャフト71は、第1バランサギヤ列72を介してクランクシャフト20の回転が伝達されて回転駆動され、第2バランサシャフト76は、第2バランサギヤ列77を介してクランクシャフト20の回転が伝達されて回転駆動される。第1および第2バランサギヤ列72,77は、それぞれギヤ比が1:1に設定されており、第1および第2バランサシャフト71,76をクランクシャフト20と同じ速度で回転させる。
図3に示すように、第1バランサシャフト71は、左端部71aが左ケース11aに設けられたベアリング73aにより支持され、右端部71bが右ケース11bに設けられたベアリング73bにより支持されている。なお、左端部71aを支持するベアリング73aを収容する空間は左ケース11aの側面を貫通して形成されており、左端部71aが左ケース11aの左側に突出して左補器室31aの内部に収容されている。第1バランサギヤ列72は、左ケース11aの右側面に沿ってクランクシャフト20に結合された第1バランサドライブギヤ72aと、第1バランサドライブギヤ72aと噛合して第1バランサシャフト71に結合された第1バランサドリブンギヤ72bとから構成され、クランク室11cの内部に収容される。第1バランサシャフト71の中心部には、扇状に形成された第1バランサウェイト74がクランクシャフト20のウェブ20e,20eの間を回転可能に設けられている。
図4に示すように、第2バランサシャフト76は、左端部76aが左ケース11aに設けられたベアリング78aにより支持され、右端部76bが右ケース11bに設けられたベアリング78bにより支持されている。右端部76bを支持するベアリング78bを収容する空間は右ケース11bの側面を貫通して形成されており、右端部76bが右ケース11bから突出して右補器室32aの内部に収容されている。第2バランサギヤ列77は、クランクシャフト20の右端部20dに連結された第2バランサドライブギヤ77aと、第2バランサドライブギヤ77aと噛合して第2バランサシャフト76の右端部76bに結合された第2バランサドリブンギヤ77bとから構成され、右補器室32aの内部に収容される。第2バランサシャフト76の中心部には、扇状に形成された第2バランサウェイト79がクランクシャフト20のウェブ20e,20eの間を回転可能に設けられている。なお、クランクシャフト20の右端部20dには、第2バランサドライブギヤ77aの右側面に連結され、皿バネを有して構成されるダンパー46が設けられている。クランクシャフト20から第2バランサギヤ列77に過剰なトルクが入力されたときに、このトルクがダンパー46の皿バネにより吸収されるようになっており、第2バランサドライブギヤ77aの耐久性の確保が図られている。
二輪車MCには、クランクシャフト20の回転を後輪6に伝達する動力伝達装置47が設けられている。動力伝達装置47は、クランク室11cの内部に回転自在に収容されてクランクシャフト20と平行に設けられた変速機入力軸48および変速機出力軸49を有して構成されている。図2に軸位置を示すように、変速機入力軸48(軸心O48)は、第2バランサシャフト76の後上方に配置され、変速機出力軸49(軸心O49)は、変速機入力軸48の後方に配置されている。
変速機入力軸48は、プライマリギヤ列47aを介して第2バランサシャフト76の回転が伝達されて回転駆動される。プライマリギヤ列47aは、第2バランサドリブンギヤ77bに一体成形されたプライマリドライブギヤ47bと、プライマリドライブギヤ47bと噛合してクラッチ機構47dを介して変速機入力軸48に連結されたプライマリドリブンギヤ47bとから構成された減速機構であり、右補器室32aの内部に収容される。クラッチ機構47dは、右補器室32aの内部に収容され、ハンドル5の近傍に設けられたクラッチレバーにより作動操作される摩擦係合要素であり、解放状態においてはプライマリドリブンギヤ47bから変速機入力軸48への動力伝達が遮断され、係合状態においてはプライマリドリブンギヤ47bと変速機入力軸48とが結合されてこの動力伝達が行われる。変速機入力軸48と変速機出力軸49との間には、互いにギヤ比の異なる複数の変速ギヤ列47eが設けられる。変速機出力軸48と後輪6との間には、図示しないチェーンドライブ機構が設けられている。
このように、クランクシャフト20の回転が、第2バランサギヤ列77、プライマリギヤ列47a、変速ギヤ列47eおよびチェーンドライブ機構を介して後輪6に伝達され、二輪車MCが走行可能になっている。
なお、左補器室31aの内部には、側面視において変速機入力軸48からクランクシャフト20との間(すなわち、第2バランサシャフト76の周辺)や、ウェブ20e,20eを収容させるクランク室11cを区画形成する左ケース11の左側面と、左端部20に設けられた発電器43との間に、スペース10bが確保されている。
図3,図5に示すように、第1シリンダヘッド13の内部には、第1燃焼室17から後方に延びる吸気通路121と、第1燃焼室17から前方に延びる排気通路122とが形成されている。吸気通路121は、一端が第1シリンダブロック13の後部に開口する外部連通口121aを介して外部と連通し、二股の他端が2つの吸気口121b,121bを介して第1燃焼室17に連通する。排気通路122は、一端が第1シリンダヘッド13の前部に開口する外部連通口122aを介して外部に連通し、二股の他端が2つの排気口122b,122bを介して第1燃焼室17に連通する。
また、図4,図5に示すように、第2シリンダヘッド23においては、吸気通路131が第2燃焼室27から前方に延びて形成され、排気通路132が第2燃焼室27から後方に延びて形成されており、吸気通路131の一端に外部連通口131aが第2シリンダヘッド23の前部に開口して形成され、二股の他端に2つの吸気口131c,131cが第2燃焼室27に開口して形成され、排気通路132の一端に第2シリンダヘッド23の後部に開口する外部連通口132aが形成され、二股の他端に第2燃焼室27に開口する2つの排気口132b,132bが形成される。
第1シリンダヘッド13の前部に形成された外部連通口122aには、第1排気管126が取り付けられる。図1に示すように、第1排気管126は、アンダーフレーム8の上下延出部8aに沿って下方に延びるとともに、屈曲されて車両下部を略水平に後方に向けて延びて設けられており、側面視において後輪6の下部に重なって配設される第1消音器128に接続されている。第2シリンダヘッド23の後部に形成された外部連通口132aには、第2排気管127が取り付けられている。図1に示すように、第2排気管127は、後下方に延びて設けられ、側面視において後輪6の中央部に重なって設けられる第2消音器129に接続されている。
第1および第2シリンダヘッド12,22の間に形成される側面視V字状の空間に、図5に示すように、平面視略T字状の吸気管123が設けられる。吸気管123は、前方開口123aが第1シリンダヘッド13の後部に形成された外部連通口121cに接続され、後方開口123bが第2シリンダヘッド23の前部に形成された外部連通口131cに接続され、右方開口123cが吸気量を調整するスロットルバルブ124のバルブボディに接続される。スロットルバルブ124のバルブボディには、車両右側を後方に延びる図示しない配管が接続される。この配管の上流端(後方端)には、車両右側において図1に示すようにシート7の下方に配設されたエアクリーナ125が接続される。
なお、このV字状の空間には、排ガス中に含まれる窒素酸化物等を低減するため、排ガスの一部を燃焼室17,27に還流させるための還流制御弁136が設けられている。還流制御弁136は、電磁駆動式の開閉弁であり、入口ポートが排気通路122,132に繋がる排気導入管137に接続され、出口ポートが吸気管123に接続されている。なお、排気導入管137には逆流防止用のリード弁138,138が設けられる。
また、第1および第2シリンダヘッド13,23には、吸気口121b,131bを開閉する吸気バルブ41a,41bと、排気口122b,132bを開閉する排気バルブ42a,42bとが、弁バネにより常には閉止方向(上方)に付勢されて取り付けられている。図3に示すように、第1シリンダヘッド13に設けられた吸気バルブ41aおよび排気バルブ42aを駆動するための第1動弁機構は、第1シリンダブロック12、第1シリンダヘッド13および第1ヘッドカバー33の右側内部を連通して形成されて右補器室32aに連通する第1動弁室50aに収容されている。また、図4に示すように、第2シリンダヘッド23に設けられた吸気バルブ41bおよび排気バルブ42bを駆動するための第2動弁機構は、第2シリンダブロック22、第2シリンダヘッド23および第2ヘッドカバー34の左側内部を連通して形成されて左補器室31aに連通する第2動弁室50bに収容されている。
図3,図4,図6に示すように、第1および第2動弁機構は、シリンダブロック12,22に回転自在に支持されて動弁室50a,50bの内部に収容されたカムシャフト51,61と、クランクシャフト20の回転をカムシャフト51,61に伝達するためのチェーン伝動機構52,62と、カムシャフト51,61に設けられた吸気用カム53,63および排気用カム54,64と、シリンダブロック12,22に枢結されて吸気用カム53,63に当接するローラ55a,65aを備えた吸気用カムフォロア55,56と、シリンダブロック12,22に枢結されて排気用カム54,64に当接するローラ56a,66aを備えた排気用カムフォロア56,66と、シリンダヘッド13,23の内部に設けられたピン57a,58a,67a,68aに枢結されて揺動自在の吸気用ロッカーアーム57,67および排気用ロッカーアーム58,68と、一端が吸気用カムフォロア55,65に当接して他端が吸気用ロッカーアーム57,67の一端に当接する吸気用プッシュロッド59,69と、一端が排気用カムフォロア56,66に当接して他端が排気用ロッカーアーム58,68の一端に当接する排気用プッシュロッド60,70とから構成される。
チェーン伝動機構52,62は、クランクシャフト20に結合されたカムドライブスプロケット52a,62aと、カムシャフト51,61に結合されたカムドリブンスプロケット52b,62bと、両スプロケット52a,52b,62a,62bの間に掛け渡されたカムチェーン52c,62cとから構成される。第1動弁機構のカムドライブスプロケット52aはクランクシャフト20の右端部20dに設けられて右補器室32aの内部に収容され、第2動弁機構のカムドライブスプロケット62aはクランクシャフト20の左端部20bに設けられて左補器室31aの内部に収容されている。カムシャフト51,61は、チェーン伝動機構52,62を介してクランクシャフト20の回転が二分の一の速度に減速されて伝達される。また、吸気用および排気用ロッカーアーム57,58,67,68の他端はいずれも二股になっており、吸気用ロッカーアーム57,67の他端は、2つの吸気用バルブ41a,41bの上端にそれぞれ当接し、排気用ロッカーアーム58の他端は、2つの排気用バルブ42a,42bの上端にそれぞれ当接する。
二輪車MC(エンジン10)には、図示しない制御装置が備えられる。制御装置は、基板上にメモリ、CPU、入出力インタフェース等が実装されて構成されており、車両各部に配設されたセンサからの検出信号が入力され、予め設定された制御スケジュールに基づき、入力された検出信号に応じて点火プラグ18,28およびインジェクタ100,105に作動制御信号を出力する。制御装置に接続されるセンサとして、スロットルバルブ124の開度を検出するスロットルバルブ開度センサ、クランクシャフト20の回転速度を検出するエンジン回転速度センサ、クランク角を検出するクランク角センサ等がある。この制御装置により、エンジン10の作動状態に応じた最適のタイミングで点火プラグ18,28およびインジェクタ100,105が駆動される。
このようなエンジン10においては、セルスイッチが操作されて始動モータ45bが駆動されると、始動モータ45bの回転駆動力がスタータギヤ45aに伝達され、クランクシャフト20が回転駆動される。クランクシャフト20が回転してピストン16,26が上死点近傍から下動すると、吸気バルブ41a,41bが吸気口121b,131bを開放し、燃焼室17,27に吸気管123および吸気通路121,131により導かれたエアが吸入される(吸気行程)。なお、吸気管123には、エアクリーナ125により浄化されたエアがスロットルバルブ124の開度に応じた量だけ導入される。ピストン16,26が下死点近傍に達すると、吸気バルブ41a,41bが吸気口121b,131bを閉塞する。
ピストン16,26が下死点から上動すると、燃焼室17,27に吸入されたエアが圧縮される(圧縮行程)。この上動過程において、制御装置により駆動されてインジェクタ100,105が開弁して燃焼室17,27の内部に燃料が直接的に噴射され、燃焼室17,27の内部で混合気が形成される。なお、インジェクタ100,105の噴射口100a,105aは、キャビティー部16a,26aに対向しており、噴射された燃料がキャビティー部16a,26aの周辺に集められるようになっている。
ピストン16,26が上死点近傍に達すると、制御装置により駆動されて点火プラグ18,28が作動し、混合気が着火されて燃焼し、ピストン16,26を下動させる(燃焼行程)。なお、ピストン16,26が上死点近傍に位置するときにおいて点火プラグ18,28の電極部はキャビティー部16a,26aに臨み、キャビティー部16a,26aの周辺に集められた混合気(燃料)がよく燃焼される。ピストン16,26が下死点近傍に達すると、排気バルブ42a,42bが排気口122b,132bを開放し、燃焼室17,27から燃焼後のガスが排出される(排気行程)。ピストン16,26が上死点近傍に達すると、排気バルブ42a,42bが排気口122b,132bを閉塞するとともに、吸気バルブ41a,41bが再び吸気口121b,131bを開放する。
このように、ピストン16,26が2往復する間に、一連の吸気〜排気行程が行われる。なお、クランクシャフト20の回転速度が所定速度を超えると、ワンウェイクラッチ44がフリーになってスタータギヤ45aからクランクシャフト20への動力伝達が遮断される。クランクシャフト20が回転駆動されると、ウェブ20e,20eが回転するとともに、第1および第2バランサシャフト71,76が駆動されて第1および第2バランサウェイト74,79が回転する。これらのウェイト部材20e,20e,74,79がピストン16,26の往復動に同期して回転することにより、ピストン16,26の作動に応じて発生する振動が軽減される。
図3,図4,図7,図8に示すように、インジェクタ100,105は、燃料ポンプ115から吐出された燃料を噴射口102aから噴射する燃料インジェクタ102と、燃料インジェクタ102の下方に直結され、燃料インジェクタ102の噴射口102aから噴射された燃料と圧縮機から吐出された圧縮空気とを導入し、燃焼室17,27の中心部に臨ませた噴射口101aから圧縮空気の圧力を利用して燃料を噴射するエアインジェクタ101とから構成されている。エアインジェクタ101の噴射口101aが、第1および第2インジェクタ100,105の噴射口100a,105aになる。
エアインジェクタ101および燃料インジェクタ102は、噴射口101a,102aを開閉する電磁駆動式のバルブを備えて構成される。このバルブは、常には噴射口101a,102aを閉塞するように作動し、制御装置から作動制御信号が出力されて内蔵するソレノイドが励磁されると、噴射口101a,102aを開放するように作動する。
燃料インジェクタ102のボディの外面には、ボディ内部に形成された燃料室に連通する燃料吸入ポート102bが開口している。燃料室は、ボディ内部の通路を介して燃料インジェクタ102の下端に形成された噴射口102aに連通されている。
エアインジェクタ101は、燃料インジェクタ102の下端部を保持するため、ボディの上端面が開放されている。この上端面から燃料インジェクタ101の下端部がエアインジェクタ101のボディの内部に挿入されると、燃料インジェクタ102の噴射口102aがエアインジェクタ101のボディの内部に形成された混合気室101bに臨んだ状態で保持される。また、ボディの外面には、混合気室101bに連通するエア吸入ポートが開口している。混合気室101bは、ボディ内部の通路を介してエアインジェクタ101の下端に形成された噴射口101aに連通されている。
インジェクタ100,105は、シリンダヘッド13,23に形成された下部収容空間13a,23aと、シリンダヘッド13,23の上面に結合されたインジェクタホルダ35,36に形成された上部収容空間35a,36aに収容されて保持される。
シリンダヘッド13,23の下部収容空間13a,23aは、燃焼室17,27の天井面中心部からシリンダボア15,25の軸に沿って上下に延びて形成され、シリンダヘッド13,23の上面と燃焼室17,27とを連通させる。この下部収容空間13a,23aにはエアインジェクタ101の下端部が嵌合収容される。これにより、エアインジェクタ101が、噴射口101a(100a,105a)を燃焼室17,27の天井面中心部から所定距離だけ下方に突出させた状態で位置決めされ、シリンダヘッド13,23に保持される。
インジェクタホルダ35,36は、ノックピン98aを用いてシリンダヘッド13,23の上面に位置決めされて結合される。この結合により、上部収容空間35a,36aが下部収容空間13a,23aと連通され、エア吸入ポートの周囲に空間が形成される。さらに、上部収容空間35a,36aには、燃料インジェクタ102が嵌合収容され、燃料インジェクタ102の頭部102cに設けられたフランジがインジェクタホルダ35,36の上面に当接する。これにより、燃料インジェクタ102は、噴射口102aが混合気室101bに臨む状態で位置決めされ、燃料吸入ポート102bの周囲には空間が形成される。
また、インジェクタホルダ35,36には、エア吸入ポートの周囲に形成された空間に連通するエア通路35b,36bと、燃料吸入ポート102bの周囲に形成された空間に連通する燃料通路35c,36cとが形成されている。これらの通路35b,35c,36b,36cは、インジェクタホルダ35,36の外面に開口している。
ヘッドカバー33,34には、上面中央部に開口が形成されており、この開口を覆ってインジェクタカバー37,38が取り付けられる。インジェクタカバー37,38には、内壁面から突出するリブ37a,38aが一体成形されている。インジェクタカバー37,38が取り付けられると、このリブ37a,38aにより、頭部102cのフランジ上面に設けられたカラー98bを介して、燃料インジェクタ102が下方に押し付けられる。これにより、燃料インジェクタ102およびインジェクタホルダ35,36が上下に支持される。また、ヘッドカバー33,34は、開口縁から下方に向けて折り曲げられており、折曲リブ33a,34aの先端がガスケット98cを介してインジェクタホルダ35a,36aの上面に突き当てられている。これにより、ヘッドカバー33,34の中央部が支持される。
図8に示すように、燃料インジェクタ102に供給される燃料は、燃料タンク111に蓄えられており、燃料タンク111の内部に設けられた燃料ポンプ112から吐出される。燃料ポンプ112の吸入口に繋がれた燃料供給路116と、燃料ポンプ112の吐出口とインジェクタホルダ35,36の内部に形成された燃料通路35c,36cとを接続する燃料供給路117とには、フィルタ113,114が介設されている。燃料供給路117には燃料圧レギュレータ115が設けられており、燃料ポンプ112から吐出された燃料が所定圧に調圧される。燃料圧レギュレータ115からの余剰燃料は燃料タンク111に戻される。
エアインジェクタ101に供給される圧縮空気は、図2,図3,図9に示す第1構成例の圧縮機80から吐出される。圧縮機80は、左ケース11aの左側面に一体に成形されて内部に円筒状の圧縮機シリンダボア81aが形成された圧縮機シリンダブロック81と、圧縮機シリンダボア81aを覆って圧縮機シリンダブロック81に結合された圧縮機シリンダヘッド82と、圧縮機シリンダボア81aの内部に摺動自在に嵌合配設された圧縮機ピストン83と、圧縮機ピストン83に一体に繋がった平板状の圧縮機ピストンロッド84と、圧縮機ピストンロッド84を介して圧縮機ピストン83に往復直線運動を伝達するスコッチヨーク機構85とから構成される。なお、圧縮機シリンダボア81aの軸が前後方向(クランクシャフト20の軸直交方向、シリンダボア15,25の軸直交方向)に延びるようにして圧縮機シリンダブロック81が成形されており、圧縮機シリンダブロック81の外周には冷却フィン81bが一体成形されている。また、圧縮機80のボディを構成する圧縮機シリンダブロック81と圧縮機シリンダヘッド82との間には、金属板材で成形されたガスケット91が介設されており、圧縮機80のボディは、左補器室31aの内部において上記スペース10bに収容される。
スコッチヨーク機構85は、圧縮機ピストンロッド84の先端に圧縮機シリンダボア81aの軸に対して直角方向に延びて形成された摺動孔84aの内部に摺動自在に嵌合配設されたスライダ86と、第1バランサシャフト71の左端部71aに一体成形されて左方向に向けて圧縮機シリンダブロック81の内部まで延び、スライダ86に回転自在に連結された偏心シャフト87とから構成されている。
圧縮機80のボディの内部には、ガスケット91と、圧縮機ピストン83と、圧縮機シリンダボア81aを形成する内周面とに囲まれて圧縮室80aが形成される。圧縮機シリンダヘッド82には、圧縮室80aに連通可能な吸入ポート80bと吐出ポート80cとが形成されている。吸気ポート80bは、圧縮機吸入路80dを介してエアクリーナ125に接続されている。吐出ポート80cは、圧縮機吐出路80eを介してインジェクタホルダ35,36のエア通路35b,36bに連通されている。
圧縮機80には、吸入ポート80bを圧縮室80aに対して開閉するリード弁92と、吐出ポート80cを圧縮室80aに対して開閉するポペット弁95とが設けられている。リード弁92は、ガスケット91に一体成形されており、常には吸入ポート80cを閉塞するが、圧縮室80aが負圧になると下方に弾性変形して吸入ポート80cを開放する。ポペット弁95は、吐出ポート80dの内部に形成された着座面82aに着座する円板状の弁体96と、弁体96を着座面82aに着座させる方向に付勢する弁バネ97とから構成され、常には弁バネ97により付勢されて弁体96が吐出ポート80dを閉塞する。圧縮機ピストン83の上面には、弁体96の下方に対向する位置に円板状に突出する凸部83aが形成されている。
このような圧縮機80においては、第1バランサシャフト71が回転すると、スコッチヨーク機構85の作用により、圧縮機ピストンロッド84に圧縮機シリンダボア81aの軸方向への往復直線運動が伝達され、圧縮機ピストン83が圧縮機ピストンロッド84と連動して圧縮機シリンダボア81aの内部を軸方向に往復摺動する。圧縮機ピストン83が上死点から下動(左方向に移動)すると、圧縮室80aの内部が負圧になってリード弁92が開弁して吸入ポート80cが圧縮室80aに連通され、エアクリーナ125から圧縮機吸入路80dにより導かれたエアが圧縮室80aの内部に吸入される。圧縮機ピストン83が下死点から上動(右方向に移動)すると、リード弁92が閉弁し、圧縮室80aの内部のエアが圧縮される。上死点近傍まで上動すると、圧縮機ピストン83に形成された凸部83aが弁バネ97の付勢力に抗して弁体96を上方に押圧し、ポペット弁95が開弁して吐出ポート80dが圧縮室80aに連通され、圧縮されたエアが圧縮機吐出路80eに吐出される。
このように圧縮機80は、第1バランサギヤ列72を介してクランクシャフト20の回転が伝達されてクランクシャフト20と同じ速度で回転する第1バランサシャフト71を駆動軸としており、一次バランサ軸と圧縮機駆動軸とが共用部材になっている。第1バランサシャフト71はクランクシャフト20と同じ速度で回転するが、クランクシャフト20のクランク角がほぼ90度にあるときに圧縮機ピストン83を下死点に位置させ、クランクシャフト20のクランク角がほぼ270度にあるときに圧縮機ピストン83を上死点に位置させるように、スコッチヨーク機構85が設定されている。すなわち、クランクシャフト20が2回転する間に2回圧縮機80から圧縮空気が吐出されるようになっており、噴射タイミングの異なる2つのインジェクタ100,105のそれぞれに、燃料噴射タイミングに合わせて効率よく圧縮空気を供給することができる。また、2つのインジェクタ100,105に圧縮空気を供給するが、2回に分けて圧縮空気を供給するため、圧縮機80の容量を小型化できる。
圧縮機吐出路80eは、一端開口が圧縮機80の吐出ポート80cに接続された配管140と、左ケース11aの内部に形成されて配管140の他端開口が接続された第1内部通路141と、左ケース11aの内部に第1内部通路141から二股に分かれて形成される第2内部通路142および第5内部通路145と、第1シリンダブロック12の内部に形成されて第2内部通路142と連通する第3内部通路143と、第1シリンダヘッド13の内部に形成されて第3内部通路143と連通する第4内部通路144と、第2シリンダブロック22の内部に形成されて第5内部通路145と連通する第6内部通路146と、第2シリンダヘッド23の内部に形成されて第6内部通路146と連通する第7内部通路147とを有して構成される。
第1内部通路141は、左ジャーナル部20aを支持する支持孔11eを避けて上方に延びて形成され、さらに、屈曲されて左ケース11aの内部をV字基端部11fまで延びて形成されている。
第2内部通路142は、左ケースの内部を第1内部通路141の端部から第1シリンダブロック12に向けて延び、第1シリンダブロック12との整合面に開口する。第3内部通路143は、第1シリンダブロック12の内部後側を延びて形成され、一端開口が左ケース11aとの整合面に開口し、他端開口が第1シリンダヘッド13との整合面に開口する。第4内部通路144は、一端開口が第1シリンダブロック12との整合面に開口し、他端開口が第1シリンダヘッド13の上面に開口する。
図5に示すように、第4内部通路144の他端開口には、第1シリンダヘッド13および第1ヘッドカバー33の内部を延びる配管148が接続されており、図3に示すように、この配管148は、インジェクタホルダ35のエア通路35bの開口に取り付けられたT字状の継手151に繋がれ、継手151を介してエア通路35bに連通される。また、継手151には、第1シリンダヘッド13および第1ヘッドカバー33の内部に設けられた空気圧レギュレータ150に繋がる配管149が接続されており、圧縮機80から吐出された圧縮空気が所定圧に調圧される。
第5内部通路145は、左ケース11aの内部を第1内部通路141の端部から第2シリンダブロック22に向けて延び、第2シリンダブロック22との整合面に開口する。第6内部通路146は、第2シリンダブロック22の内部後側を延びて形成され、一端開口が左ケース11aとの整合面に開口し、他端開口が第2シリンダヘッド23との整合面に開口する。第7内部通路147は、一端開口が第2シリンダブロック22との整合面に開口し、他端開口が第2シリンダヘッド23の上面に開口する。
図5に示すように、第7内部通路144の他端開口には、第2シリンダヘッド23および第2ヘッドカバー34の内部を延びる配管152が接続されており、図7に示すように、この配管152は、インジェクタホルダ36のエア通路36bの開口に取り付けられたT字状の継手155に繋がれ、継手155を介してエア通路36bに連通される。また、継手155には、第2シリンダヘッド23および第2ヘッドカバー33の内部に設けられた空気圧レギュレータ154に繋がる配管153が接続されており、圧縮機80から吐出された圧縮空気が所定圧に調圧される。
このようにして、圧縮機80から吐出された圧縮空気は、第2〜第4内部通路142〜144を介して第1インジェクタ100の混合気室101bに供給され、第5〜第7内部通路145〜147を介して第2インジェクタ105の混合気室101bの内部に供給される。ここで、第1内部通路141は左ケース11aのV字基端部11fまで延びて形成され、第2〜第4内部通路142〜144の距離と第5〜第7内部通路145〜147の距離とがほぼ等しくなっているため、圧縮機80から第1インジェクタ100の混合気室101bに供給されるまでに受ける圧力損失と、圧縮機80から第2インジェクタ105の混合気室101bに供給されるまでに受ける圧力損失とがほぼ等しくなる。これにより、第1および第2インジェクタ100,105の燃料噴射圧をほぼ等しくでき、エンジン10を安定して作動させることができる。
この構成例によると、エンジン10の振動を軽減するために既設されている第1バランサシャフト71と、圧縮機80の駆動シャフトとが一体になっている。このため、従来のように駆動シャフトを回転駆動するための伝動機構や、駆動シャフトを支持する軸受け構造を専用に設ける必要がなくなり、圧縮機の構成を簡略化でき、エンジンの小型化や低コスト化が図られる。なお、第1バランサシャフト71は、一次バランサ軸として機能させるため、クランクシャフト20と同じ速度で回転するように既設されたシャフトである。このようなシャフトと圧縮機80の駆動シャフトとが一体になっているため、圧縮機ピストン83が、ウェブ20e,20eおよび第1バランサウェイト71と同期して往復動するため、圧縮機80により発生するおそれのある振動が低減される。また、このように同期して作動する圧縮機ピストン83の往復動を利用してエンジン20のピストン16,26の振動低減も図られるため、バランサウェイトの小型化なども図られる。さらには、クランクシャフト20が2回転するごとに一度作動するインジェクタ100,105への圧縮空気吐出タイミングを簡単に最適設定することができる。
また、圧縮機80が左補器室81aの内部に収容されており、潤滑油が圧縮機シリンダブロック81の外周にも供給される。なお、この外周には、表面積を増加させる冷却フィン781bが成形されている。このような外周に潤滑油が供給されるため、圧縮機80が冷却されて駆動効率が向上する。なお、圧縮機80は、左補器室31aの内部において、左側のウェブ20eと、左端部20bに設けられた発電器43やスタータギヤ45aなどの補器との間に形成された隙間のスペース10bに設けられており、左補器室31aの空間が有効利用され、エンジン10全体の小型化が図られている。
また、このエンジン10は、大きなキャスタ角θが設定された二輪車MCに搭載されており、前輪4とエンジン10の前下部との間にスペース10aが確保されている。その上で、第1バランサシャフト71は、クランク室11cの内部において前下部に配置されており、圧縮機80はクランクケース11の前下部に設けられている。これにより、このスペース10aを利用して、このような箇所に無理なく圧縮機を配置することができる。
次に、第2構成例の圧縮機180について説明する。第1構成例と同一の部材については同一の符号を付して重複説明を省略する。この圧縮機180についても、左ケース11aの左側面に一体成形された圧縮機シリンダブロック181と、圧縮機シリンダヘッド182と、圧縮機ピストン183と、圧縮機ピストン183に枢結された棒状の圧縮機ピストンロッド184とから構成されており、第1バランサシャフト171を圧縮機180の駆動シャフトと一体に形成している。圧縮機シリンダブロック181は、図2に示すように左ケース11aの前下部に配置され、内部に形成される圧縮機シリンダボア181aの軸が前後方向に延びるように成形されている。
また、圧縮機シリンダブロック181と圧縮機シリンダヘッド182とで構成される圧縮機180のボディの内部には、第1構成例と同様に、圧縮室180a、吸入ポート180bおよび吐出ポート180cが形成されている。吸入ポート180bは、圧縮機吸入路80dを介してエアクリーナ125に接続され、リード弁92を介して圧縮室180aに連通される。吐出ポート180cは、ポペット弁95を介して圧縮室180aに連通され、配管140を有して構成された圧縮機吐出路80eを介してインジェクタ100,105の混合気室101bに接続される。
第1バランサシャフト171は、左端部171aが左ケース11aに設けられたベアリング73aにより支持され、右端部171bが右ケース11bに設けられたベアリング73bにより支持され、クランク室11cの内部においてクランクシャフト20の前下方に収容される。第1バランサシャフト171は、クランク室11cの内部に収容された第1バランサギヤ列72を介してクランクシャフト20の回転が伝達されることにより、クランクシャフト20と同じ速度で回転する。なお、左端部171aは、第1構成例のように左ケース11aから突出することなく、クランク室11cの内部に収容されている。
第1バランサシャフト171には、クランクシャフト20のウェブ20e,20eの間を回転可能に第1バランサウェイト174が設けられている。この第1バランサウェイト174は、円板状に形成されるとともに、中心O174が第1バランサシャフト171の軸心O171に対して偏心して設けられている。
圧縮機180は、カム機構185の作用により、第1バランサシャフト71の回転が往復直線運動に変換されて圧縮機ピストンロッド184に伝達され、圧縮機ピストンロッド184に連結された圧縮機ピストン183が圧縮機シリンダボア181aの内部で軸方向に往復動するように構成されている。カム機構185は、第1バランサウェイト174と、左ケース11aに揺動自在に取り付けられたリンクアーム186と、リンクアーム186の先端部を第1バランサウェイト174に当接させる方向に付勢するリターンスプリング187とから構成される。
リンクアーム186は、略L字状に形成されており、L字屈曲部186aが左ケース11aの内壁面に枢結されて揺動自在になっており、第1アーム部186bの先端部186cにローラ188が取り付けられ、第2アーム部186dの先端部186eが左ケース11aの左側面に形成された図示しない切り欠きから突出して圧縮機ピストンロッド184に連結されている。リンクアーム186は、ローラ188が常に第1バランサウェイト174の外周面に当接できるように、L字屈曲部186aの枢結位置と第1アーム部186bの長さとが設定されている。
リターンスプリング187は、一端が左ケース11aの内壁面に形成された係止溝11gに係止され、他端がリンクアーム186の第1アーム部186bに形成された係止溝186fに係止されたコイルスプリングであり、リンクアーム186を図10に示す矢印r方向に付勢して第1アーム部186bの先端部186cが第1バランサウェイト174に当接する状態を維持させる。
このように構成される圧縮機180においては、クランクシャフト20が回転して第1バランサシャフト171が駆動されると、第1バランサウェイト174が偏心回転する。この偏心回転により、ピストン16,26の往復動に伴う振動の軽減が図られ、第1バランサシャフト171が一次バランサ軸として機能する。
ここで、第1バランサウェイト174が回転すると、第1バランサウェイト174が偏心カムとして機能し、リンクアーム186を揺動させる。このとき、ローラ188がリターンスプリング187により付勢されて第1バランサウェイト174の外周面174aに当接した状態を維持するため、第2アーム部187dの先端部が連結される圧縮機ピストンロッド184と、圧縮機ピストンロッド184に連結されて圧縮機シリンダボア181aに嵌合配設された圧縮機ピストン183とが、圧縮機シリンダボア181aの内部を軸方向に往復摺動する。これにより、圧縮機ピストン183の下動時に吸入ポート180bから圧縮室180aの内部にエアが吸入され、圧縮機ピストン183が上死点近傍に位置するときに吐出ポート180cから圧縮機吐出路80eに圧縮空気が吐出される。なお、第1構成例と同様に、クランクシャフト20が2回転する間に2度圧縮空気を吐出するようにカム機構185が設定されており、噴射タイミングの異なる2つのインジェクタ100,105に効率よく圧縮空気が吐出されるようになっている。
このように、本構成例においても、一次バランサ軸と圧縮機180の駆動シャフトとが一体になっており、専用の駆動シャフトを設ける形態と比べ、エンジン10の構成を簡略化できる。また、クランクケース11の前下部に圧縮機180を設けることで、スペース10aを利用した無理のない配置を行うことができ、エンジン10b内部のスペース10bを利用した配置により、エンジン10の小型化が図られる。
また、本構成例は、第1バランサシャフト171の回転を往復直線運動に変換して圧縮機ピストン183に伝達する機構を、リンクアーム186を有して構成されるカム機構185としている。このため、駆動シャフトである第1バランサシャフト171と圧縮機ピストン183とを離隔して配置でき、第1バランサシャフト171に一体成形された偏心シャフトを有して構成されるスコッチヨーク機構を採用する形態に比べ、圧縮機180の配設自由度を高めることができる。さらには、リンクアーム186のL字屈曲部186aの枢結位置や、第1アーム部186bおよび第2アーム部186dの長さを変更するだけで、圧縮機ピストン183のストロークを変更でき、圧縮機180の容量を簡単に変更することができる。また、カム機構185のカムを、偏心回転する第1バランサウェイト174と一体にすることにより、バランサの機能を確保したままで、部品点数が削減された圧縮機を構成できる。
本発明に係る筒内直噴内燃機関の圧縮機は、上記構成例の形態に限られない。例えば、圧縮機80,180の駆動シャフトを第1バランサシャフト71,171一体にするとしたが、第2バランサシャフト74と一体にしてもよい。この場合、クランクシャフト20と変速機入力軸48の間、すなわち、第2バランサシャフト76の左側に形成されるスペース10bに圧縮機を配置してもよい。第1構成例の圧縮機80をこのスペース10bに配置した例を図11に示している。この例では、第2バランサシャフト76の左端部76aが左ケース11aから突出して左補器室31aの内部に収容され、スコッチヨーク機構85を構成する偏心シャフト87がこの突出した左端部76aに一体形成される。
この配置例においては、第1構成例と同様に、左補器室31aの内部において、左側のウェブ20eと、左端部20bに設けられた発電器43などの補器との間に形成された隙間のスペース10bに圧縮機80が設けられるため、左補器室31aの空間を有効利用できるとともに、左補器室31aの内部に供給された潤滑油を利用した冷却効果を得ることができる。さらに、この配置例においては、第2バランサギヤ列72およびプライマリギヤ列47aが第2バランサシャフト76の右端部76bに設けられており、プライマリギヤ列47aに連結されて径方向に大型のメインクラッチ47dが右補器室32bの内部に収容されている。このため、この位置に圧縮機80を設けることにより、大型の補器であるメインクラッチ47dと干渉させずに、ギヤ列72,47aとの重量バランスの確保が図られるとともに、上記のようにスペース10bを利用したエンジン10の小型化が図られる。
なお、第2構成例においては、圧縮機180の駆動シャフトを第1バランサシャフト171と一体にし、リンクアーム186の長さを調整して圧縮機シリンダブロック183をこのスペース10bに配置させることも可能であるし、圧縮機180の駆動シャフトを第2バランサシャフト74と一体にし、リンクアーム186の長さを調整して圧縮機シリンダブロック183をエンジン10の前下部に設けることも可能である。このような構成によってもエンジン10の小型化が図られる。
また、第2構成例において第1バランサウェイト174を円板状に形成したが、この第1バランサウェイトの側面視形状は、一次バランサ機能が損なわれない限りにおいて変更自在である。このように第1バランサウェイトの側面視形状を変更するとカム機構185のカムプロファイルが変更され、圧縮機の往復直線運動を等速にしたり、例えば圧縮時に高速にしたりするなど、作動速度を簡単に変化させることができ、圧縮機の最適設計が図られる。また、ローラ188を当接させる位置を変更することで、一次バランサ機能を確保したままで圧縮空気を吐出するタイミングを簡単に変更できる。
なお、圧縮機シリンダボアの内部を往復する部材をピストンとしたが、ピストンに替えてプランジャを備えて、プランジャタイプの圧縮機を構成してもよい。また、バランサシャフトの回転を圧縮機ピストンの往復直線運動に変換する機構は、圧縮機駆動シャフトの共用が図られるのであれば、上記スコッチヨーク機構85およびカム機構185に限られず、他の機構でもよい。
本発明に係る筒内直噴内燃機関の圧縮機が設けられたエンジンを搭載した二輪車の左側面図である。 エンジンの左側断面図である。 第1シリンダブロックおよび第1バランサシャフトを示すエンジンの断面図である。 第2シリンダブロックおよび第2バランサシャフトを示すエンジンの断面図である。 吸排気系の構成を示すエンジンの断面図である。 動弁機構の構成を示すエンジンの断面図である。 図4の部分拡大図であり、インジェクタの取付構造を示すエンジンの断面図である。 インジェクタに対する燃料供給系と圧縮空気供給系の構成を示すブロック図である。 第1構成例の圧縮機を示す圧縮機の断面図である。 第2構成例の圧縮機を示す圧縮機の構成図である。 第1構成例の圧縮機の変更配置例を示すエンジンの断面図である。
符号の説明
MC 二輪車
10 エンジン
11 クランクケース
12,22 シリンダブロック
15,25 シリンダボア
16,26 ピストン
20 クランクシャフト
20e ウェブ(クランクウェイト)
43 発電器(補器)
71,171 第1バランサシャフト
74,174 第1バランサウェイト
72 第2バランサシャフト
79 第2バランサウェイト
80,180 圧縮機
81,181 圧縮機シリンダブロック
82,182 圧縮機シリンダヘッド
83,183 圧縮機ピストン(往復摺動部材)
84,184 圧縮機ピストンロッド
85 スコッチヨーク機構
86 スライダ
87 偏心シャフト
185 カム機構
186 リンクアーム
187 リターンスプリング(付勢部材)

Claims (6)

  1. 内部にエンジンシリンダボアが形成されたエンジンシリンダブロックと、
    前記エンジンシリンダボアの内部に摺動自在に嵌合配設されたエンジンピストンと、
    前記エンジンシリンダブロックに結合され、内部に前記エンジンピストンと連動して回転するクランクシャフトが収容されるクランク室が形成されたクランクケースと、
    前記クランク室に収容され、前記クランクシャフトにより回転駆動されるバランサウェイトが一体回転可能に設けられたバランサシャフトと、
    前記エンジンピストンの上面に形成された燃焼室に圧縮空気の圧力により燃料を噴射する燃焼噴射装置とから構成される筒内直噴内燃機関において、
    内部に圧縮機シリンダボアが形成された圧縮機シリンダブロックと、
    前記圧縮機シリンダブロックに前記圧縮機シリンダボアを覆って結合された圧縮機シリンダヘッドと、
    前記圧縮機シリンダボアの内部に摺動自在に嵌合配設された往復摺動部材と、
    前記クランクシャフトの回転に応じて回転駆動される圧縮機駆動シャフトと、
    前記圧縮機駆動シャフトの回転を往復直線運動に変換して前記往復摺動部材に伝達する運動変換機構とから構成され、
    前記燃焼噴射装置に圧縮空気を供給する筒内直噴内燃機関の圧縮機であって、
    前記圧縮機シリンダボアの軸が前記クランクシャフトの軸直交方向に延びてと交差する方向に配置され、
    前記圧縮機駆動シャフトと、前記バランサシャフトとが一体に形成されていることを特徴とする筒内直噴内燃機関の圧縮機。
  2. 前記クランクシャフトの一端に設けられて前記クランクシャフトにより駆動される補器と、前記クランクシャフトの中央部に径方向に延びて設けられて前記クランクシャフトと一体回転可能なクランクウェイトとが備えられ、
    前記補器と前記クランクウェイトの間に設けられることを特徴とする請求項1に記載の筒内直噴内燃機関の圧縮機。
  3. 前記クランクケースの側方を覆って取り付けられた補器カバーにより、前記補器を収容する補器室が形成され、前記補器室には前記補器を潤滑する潤滑油が供給されており、
    前記圧縮機シリンダブロックが、外周にフィンを備えるとともに、前記補器室の内部に収容されることを特徴とする請求項2に記載の筒内直噴内燃機関の圧縮機。
  4. 前記運動変換機構が、
    前記圧縮機駆動シャフトに偏心して設けられるとともに、前記往復摺動部材の端部に形成されて前記圧縮機シリンダボアの軸方向に対して直交方向に延びる摺動孔の内部に嵌合され、前記摺動孔の内部を往復摺動自在な偏心シャフトを有して構成されるスコッチヨーク機構で構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の筒内直噴内燃機関の圧縮機。
  5. 前記運動変換機構が、
    前記圧縮機駆動シャフトに設けられて前記圧縮機駆動シャフトと一体回転するカムと、
    一端が前記カムに当接して他端が前記往復摺動部材に連結され、前記クランクケースおよび前記エンジンシリンダブロックのいずれかに枢結されたリンクアームと、
    前記リンクアームの前記一端を前記カムに当接させる方向に前記リンクアームを付勢するための付勢部材とからなるカム機構で構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の筒内直噴内燃機関の圧縮機。
  6. 前記カムが、前記バランサシャフトに対して偏心回転する偏心カムであり、前記ウェイトと一体に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の筒内直噴内燃機関の圧縮機。
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