JP4084680B2 - エンジンの燃料噴射装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧縮空気とともに燃料を燃焼室に直接噴射するインジェクタと、該インジェクタに供給すべき空気を圧縮するポンプ室ならびに該ポンプ室からの圧縮空気の吐出を許容するようにして前記ポンプ室に接続される吐出弁を内蔵した圧縮空気ポンプとを備えるエンジンの燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧縮空気ポンプからの圧縮空気を、エンジン本体に取付けられたインジェクタに供給するようにしたエンジンの燃料噴射装置が、たとえば特許文献1等で既に知られている。
【0003】
【特許文献1】
特許第3159998号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のものでは圧縮空気ポンプが、インジェクタよりも下方のクランクケースに配設されており、圧縮空気ポンプおよびインジェクタ間を結ぶ圧縮空気供給路に混入した燃料成分や水蒸気が、エンジン冷間時に、圧縮空気ポンプが備える吐出弁の周囲に溜まり、吐出弁の耐久性低下の原因となる可能性がある。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、圧縮空気ポンプが備える吐出弁の周囲に、エンジン冷間時に吐出弁の周囲に燃料成分や水蒸気が溜まることを防止し、吐出弁の耐久性向上に寄与し得るようにしたエンジンの燃料噴射装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、圧縮空気とともに燃料を燃焼室に直接噴射するインジェクタと、該インジェクタに供給すべき空気を圧縮するポンプ室ならびに該ポンプ室からの圧縮空気の吐出を許容するようにして前記ポンプ室に接続される吐出弁を内蔵した圧縮空気ポンプとを備えるエンジンの燃料噴射装置において、前記圧縮空気ポンプが前記インジェクタよりも上方に配置され、前記吐出弁および前記インジェクタ間を結ぶ圧縮空気供給路のうち少なくとも該圧縮空気供給路の中間部および前記吐出弁間は、前記吐出弁から離反するにつれて次第に下方位置となるように形成され、前記インジェクタに供給される圧縮空気を調圧するようにして前記圧縮空気供給路に接続されるリリーフ弁が、前記シリンダヘッドに設けられる吸気ポートを前記圧縮空気ポンプとの間に挟むようにして、前記インジェクタよりも上方でヘッドカバーに取付けられることを特徴とする。
【0007】
このような請求項1記載の発明の構成によれば、少なくとも圧縮空気供給路においてその中間部から、圧縮空気ポンプに内蔵される吐出弁までの間の部分が、吐出弁から離反するにつれて次第に下方位置となるように形成されているので、圧縮空気供給路内に燃料成分が混入したり、水蒸気が発生したとしても、エンジン冷間時に吐出弁の周囲に燃料成分や水蒸気が溜まることを防止することができ、したがって燃料成分や水蒸気が吐出弁の耐久性低下の原因となることを防止し、吐出弁の耐久性向上に寄与することができる。また特にリリーフ弁が、シリンダヘッドに設けられる吸気ポートを圧縮空気ポンプとの間に挟むようにして、インジェクタよりも上方でヘッドカバーに取付けられるので、リリーフ弁をインジェクタの上方で吸気ポートの周囲に無理なく配置することができ、リリーフ弁内への液体成分の逆流を防止することができ、リリーフ弁の耐久性を向上せしめることができる。
【0008】
また請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、前記圧縮空気供給路が、エンジン本体に配設される前記圧縮空気ポンプの前記吐出弁およびエンジン本体間を接続する管路部材と、該管路部材および前記インジェクタ間を結んで前記エンジン本体に直接設けられる通路とで構成されることを特徴とし、かかる構成によれば、圧縮空気供給路の大部分がエンジン本体に直接設けられることになり、エンジン停止後に圧縮空気供給路の温度が急激に低下しないようにして、圧縮空気供給路内での液体成分の発生を抑え、吐出弁の耐久性向上をより一層図ることができる。
【0009】
請求項3記載の発明は、上記請求項2記載の発明の構成に加えて、前記エンジン本体の一部を構成するシリンダヘッドに前記インジェクタが配設され、前記エンジン本体のシリンダ軸線と平行な作動軸線を有してエンジン本体に配設される前記圧縮空気ポンプの前記シリンダヘッド側端部に前記吐出弁が配設されることを特徴とし、かかる構成によれば、圧縮空気ポンプからインジェクタまでの圧縮空気供給路の長さを短縮し、圧縮空気供給路の全体容積を小さくし、吐出弁の耐久性向上にさらに寄与することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に示す本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0011】
図1〜図10は本発明の一実施例を示すものであり、図1はエンジンの一部縦断側面図、図2はヘッドカバーを取り外した状態での図1の2−2線矢視図、図3は図2の3−3線断面図、図4は図3の4−4線断面図、図5は図2の5−5線断面図、図6は図5の6−6線断面図、図7は図5の7−7線断面図、図8は図2の8−8線に沿って示すエンジンの一部切欠き平面図、図9はエンジンの燃料供給系の構成を示す図、図10は図1の10矢視図である。
【0012】
先ず図1において、頭上弁式の4サイクル水冷式である単気筒エンジンのエンジン本体11は、クランクケース12と、該クランクケース12に結合されるシリンダブロック13と、前記クランクケース12とは反対側でシリンダブロック13に結合されるシリンダヘッド14と、シリンダブロック13とは反対側でシリンダヘッド14に結合されるヘッドカバー15とを備え、シリンダヘッド14側をわずかに前上がりとした姿勢で自動二輪車等の車両に搭載される。
【0013】
図2〜図4を併せて参照して、シリンダブロック13に設けられたシリンダボア16に摺動可能に嵌合されるピストン17は、クランクケース12で回転自在に支承されるクランクシャフト10(図1参照)にコンロッド18およびクランクピン(図示せず)を介して連結されており、このピストン17の頂部を臨ませる燃焼室19がシリンダブロック13およびシリンダヘッド14間に形成される。
【0014】
シリンダヘッド14には、燃焼室19の天井面に開口する第1および第2の吸気弁口20,21と、それらの吸気弁口20,21に共通に連なってシリンダヘッド14の上部側面に開口する吸気ポート23と、燃焼室19の天井面に開口する単一の排気弁口22と、該排気弁口22に連なってシリンダヘッド14の下部側面に開口する排気ポート24とが設けられるとともに、圧縮空気とともに燃料を燃焼室19に直接噴射するインジェクタ25が、シリンダボア16の軸線すなわちシリンダ軸線C上に配置されるようにして配設される。
【0015】
シリンダ軸線Cに直交する平面への投影図上で前記シリンダ軸線Cすなわちインジェクタ25の両側に第1の吸気弁口20および排気弁口22が配置され、第1の吸気弁口20および排気弁口22を結ぶ直線L1とほぼ直交する他の直線L2上でシリンダ軸線Cすなわちインジェクタ25の一側に第2の吸気弁口21が配置される。また第1の吸気弁口20、第2の吸気弁口21および排気弁口22を避けた位置で燃焼室19に臨むようにして点火プラグ26がシリンダヘッド14に取付けられる。
【0016】
シリンダヘッド14には、第1および第2の吸気弁口20,21をそれぞれ開閉可能な第1および第2の吸気弁27,28が開閉作動可能に配設されるとともに排気弁口22を開閉可能な排気弁29が開閉作動可能に配設される。
【0017】
このようなインジェクタ25、第1および第2の吸気弁口20,21、排気弁口22および点火プラグ26の配置によれば、インジェクタ25を燃焼室19の中央部に配置して燃焼室19内の火炎伝播距離に偏りがなくなるようにし、燃焼効率を向上することができ、第1および第2の吸気弁口20,21を備えることにより空気充填効率の向上およびポンピングロスの低減を図ることができ、しかも第1および第2の吸気弁27,28および1つの排気弁29との干渉を容易に回避して点火プラグ26を配置することができ、点火プラグ26のインジェクタ25への近接配置を可能として燃焼効率を向上することができる。
【0018】
第1および第2の吸気弁27,28はシリンダヘッド14に固着されたガイド筒30…にそれぞれ摺動可能に嵌合され、ガイド筒30…から突出した両吸気弁27,28の上端部にそれぞれ固定されるリテーナ31…およびシリンダヘッド14間に弁ばね32…がそれぞれ設けられ、それらの弁ばね32…が発揮するばね力により両吸気弁27,28は閉弁方向に付勢される。また排気弁29はシリンダヘッド14に固着されたガイド筒33に摺動可能に嵌合され、ガイド筒33から突出した排気弁29の上端部に固定されるリテーナ34およびシリンダヘッド14間に弁ばね35が設けられ、その弁ばね35が発揮するばね力により排気弁29は閉弁方向に付勢される。
【0019】
図5〜図7をさらに併せて参照して、第1および第2の吸気弁27,28ならびに排気弁29は、動弁装置38により開閉駆動されるものであり、この動弁装置38は、吸気側および排気側カム39,40を有して回転するカムシャフト41と、前記吸気側カム39に従動して揺動する吸気側第1ロッカアーム42と、前記排気側カム40に従動して揺動する排気側第1ロッカアーム43と、第1および第2の吸気弁27,28に接触する一対の押圧腕部44a,44bを有する吸気側第2ロッカアーム44と、排気弁29に接触する押圧腕部45aを有する排気側第2ロッカアーム45と、吸気側第1ロッカアーム42の揺動運動を吸気側第2ロッカアーム44に伝達するようにして吸気側第1および第2ロッカアーム42,44間に設けられる吸気側プッシュロッド46と、排気側第1ロッカアーム43の揺動運動を排気側第2ロッカアーム45に伝達するようにして排気側第1および第2ロッカアーム43,45間に設けられる排気側プッシュロッド47とを備える。
【0020】
シリンダヘッド14およびヘッドカバー15間には、前記動弁装置38のうち吸気側および排気側第2ロッカアーム44,45、ならびに吸気側および排気側プッシュロッド46,47の上部を収容、配置する動弁室48が形成されており、動弁装置38のうち動弁室48内に収容された部分を潤滑するために、ヘッドカバー15には、オイル噴出孔36が設けられる。
【0021】
エンジン本体11のうちクランクケース12、シリンダブロック13およびシリンダヘッド14には、動弁装置38のうち動弁室48内に収容された部分を潤滑したオイルをクランクケース12の下部に形成されるオイルパン12a(図1参照)に戻すオイル戻し通路49が、シリンダボア16の側方でシリンダ軸線Cと平行に延びるようにして設けられる。
【0022】
動弁装置38のうちカムシャフト41は、シリンダヘッド14およびヘッドカバー15間の動弁室48を避けてオイル戻し通路49に収容されるようにしてシリンダブロック13に配置されるものであり、シリンダブロック13と、オイル戻し通路49の外側面を形成するようにしてシリンダブロック13に締結されるカバー50とに、クランクシャフトと平行な軸線を有するカムシャフト41の両端部がボールベアリング51,51を介して回転自在に支承される。
【0023】
しかもカムシャフト41には、吸気側および排気側カム39,40と、吸気側第1ロッカアーム42および排気側第1ロッカアーム43との摺接部に潤滑用のオイルを供給するためのオイル供給路37が設けられる。
【0024】
オイル戻し通路49には、クランクシャフト10からの動力を1/2に減速してカムシャフト41に伝達するために、第1被動スプロケット52、第1駆動スプロケット60(図1参照)および無端状のカムチェーン53が収容されており、第1被動スプロケット52はカムシャフト41に相対回転不能に結合され、第1駆動スプロケット60はクランクシャフト10に相対回転不能に結合され、カムチェーン53は第1駆動スプロケット60および第1被動スプロケット52に巻き掛けられる。
【0025】
吸気側および排気側第1ロッカアーム42,43は、吸気側および排気側カム39,40にシリンダヘッド14側から転がり接触するローラ54,55をそれぞれ有するものであり、前記カムシャフト41と平行な軸線を有してシリンダブロック13およびカバー50間に設けられる吸気側および排気側第1ロッカシャフト56,57で揺動可能に支承される。これらの吸気側および排気側第1ロッカアーム42,43には、前記ローラ54,55と反対側に位置する椀状の押圧部42a,43aがシリンダヘッド14側に開くようにしてそれぞれ一体に設けられる。
【0026】
一方、動弁室48内でシリンダヘッド14には、前記カムシャフト41と平行な軸線を有する吸気側および排気側第2ロッカシャフト58,59が、前記インジェクタ25の両側に配置されるようにして支持されており、二股状に分岐した一対の押圧腕部44a,44bを有する吸気側第2ロッカアーム44が吸気側第2ロッカシャフト58で揺動自在に支承され、排気側第2ロッカアーム45が排気側第2ロッカシャフト59で揺動自在に支承される。
【0027】
しかも吸気側第2ロッカシャフト58に関して両押圧腕部44a,44bとは反対側で吸気側第2ロッカアーム44にはシリンダブロック13側に開いた椀状の受圧部44cが一体に設けられ、排気側第2ロッカシャフト59に関して押圧腕部45aとは反対側で排気側第2ロッカアーム45にはシリンダブロック13側に開いた椀状の受圧部45bが一体に設けられる。
【0028】
吸気側および排気側プッシュロッド46,47は、動弁室48からオイル戻し通路49内の一部間にわたって延びるものであり、吸気側および排気側プッシュロッド46,47の一端側の球状端部は吸気側および排気側第1ロッカアーム42,43の押圧部42a,43aに首振り可能に嵌合され、吸気側および排気側プッシュロッド46,47の他端側の球状端部は吸気側および排気側第2ロッカアーム44,45の受圧部44c,45bに首振り可能に嵌合される。
【0029】
このような動弁装置38では、クランクシャフトから1/2の減速比で回転動力が伝達されるカムシャフト41の回転に応じて、吸気側カム39により吸気側第1ロッカアーム42が揺動することによって吸気側プッシュロッド46がその軸方向に作動し、それに応じて吸気側第2ロッカアーム44が揺動することで第1および第2の吸気弁27,28が開閉駆動され、また排気側カム40により排気側第1ロッカアーム43が揺動することによって排気側プッシュロッド47がその軸方向に作動し、それに応じて排気側第2ロッカアーム45が揺動することで排気弁29が開閉駆動されることになる。
【0030】
ところで、インジェクタ25には、エンジン本体11のシリンダ軸線Cと平行な作動軸線を有するとともにインジェクタ25よりも上方でエンジン本体11に配設される圧縮空気ポンプ61からの圧縮空気が供給されるものであり、この実施例では、シリンダ軸線Cと平行な方向にピストン66を往復動させるレシプロ式に構成される圧縮空気ポンプ61は、シリンダヘッド14に設けられる吸気ポート23の一側に配置されるようにしてシリンダブロック13の上部に配設される。
【0031】
しかもシリンダブロック13には、シリンダ軸線Cに直交する平面内では前記オイル戻し通路49に略L字状に連なるようにしてシリンダボア16の上方に配置される作動室62が形成されており、前記圧縮空気ポンプ61は、オイル戻し通路49よりも上方でオイル戻し通路49および作動室62の連設部に配置される。
【0032】
図8を併せて参照して、圧縮空気ポンプ61のポンプケース63は、シリンダ軸線Cと平行な軸線を有するとともにシリンダヘッド14側を開放した有底円筒状にしてシリンダブロック13に一体に形成されるものであり、このポンプケース63の前記シリンダヘッド14側開口部を気密に閉じる蓋部材64がシリンダブロック13に締結される。
【0033】
ピストン66はポンプケース63に摺動可能に嵌合されており、ピストン66の一端および蓋部材64間には、容積収縮に応じた圧縮空気を生成するようにしてシリンダヘッド14側に配置されるポンプ室65が形成され、ピストン66の他端およびポンプケース63の閉塞端間には大気圧室88が形成される。
【0034】
一方、作動室62には、カムシャフト41の軸線と平行であって前記ピストン66の軸線を通る軸線を有する円筒状の軸受部材69が配置されており、該軸受部材69は、シリンダブロック13に突設された複数本たとえば4本の締結ボス70…にボルト71…でそれぞれ締結される。しかも作動室62の外部側面を形成するカバー72がシリンダブロック13に締結され、カバー72の開放時に前記ボルト71…の締めつけおよび緩め作業が可能となる。
【0035】
前記軸受部材69にはポンプ駆動軸73が同軸に挿通されており、軸受部材69の一端部およびポンプ駆動軸73間にはローラベアリング74が介装され、軸受部材69の他端部およびポンプ駆動軸73間にはボールベアリング75が介装される。すなわちポンプ駆動軸73はシリンダブロック13に締結される軸受部材69で回転自在に支承される。
【0036】
前記軸受部材69の一端部から突出した部分でポンプ駆動軸73には、カムシャフト41からの動力が動力伝達手段89を介して伝達されるものであり、該動力伝達手段89は、ポンプ駆動軸73に固定された第2被動スプロケット78と、カムシャフト41に結合される第1被動スプロケット52と一体である第2駆動スプロケット79と、第2被動および駆動スプロケット78,79に巻き掛けられる無端状のチェーン80とから成る。
【0037】
ポンプ駆動軸73は、スコッチ・ヨーク式クランク84を介して圧縮空気ポンプ61のピストン66に連結されており、スコッチ・ヨーク式クランク84は、ピストン66に摺動可能に嵌合される摺動駒68に、ポンプ駆動軸73の一端の偏心位置から突出する偏心軸73aの先端が連結されて成るものである。而してポンプ駆動軸73がカムシャフト41から伝達される動力で回転するのに応じて偏心軸73aがポンプ駆動軸73の軸線まわりに回転し、圧縮空気ポンプ61のピストン66がポンプ室65の容積を増減するようにポンプケース63内で軸方向に往復駆動される。
【0038】
ピストン66には、その一直径線に沿うとともに前記カムシャフト41の軸線と直交する平面に軸線を配置した摺動孔67が設けられ、該摺動孔67に前記摺動駒68が摺動可能に嵌合される。また偏心軸73aはポンプ駆動軸73の一端に一体に突設される。
【0039】
而してポンプケース63には、ポンプ駆動軸73の一端部を挿入させる開口部76が設けられ、ピストン66には、ポンプ駆動軸73の回転に応じて偏心軸73aが摺動孔67の軸線に沿う方向で移動することを許容するようにして偏心軸73aを挿入せしめる挿入孔77が、摺動孔67の長手方向中央部に通じるようにして設けられる。
【0040】
前記軸受部材69に関して圧縮空気ポンプ61とは反対側でシリンダブロック13には、ポンプ駆動軸73と同軸の回転軸線を有するウォータポンプ90が取付けられており、シリンダ軸線Cを含んでポンプ駆動軸73と直交する平面PLに関して面対称となる位置に圧縮空気ポンプ61およびウォータポンプ90が配置される。
【0041】
ウォータポンプ90のポンプハウジング91は、ポンプ駆動軸73側を閉じた有底円筒部92aの開放端に皿状部92bが一体に連設されて成るハウジング主体92と、ハウジング主体92の開放端を閉じるポンプカバー93とで構成され、ポンプカバー93は、ハウジング主体92の開放端外周部をシリンダブロック13との間に挟持するようにしてシリンダブロック13に締結される。
【0042】
有底円筒部92aの閉塞端中央部およびポンプカバー93の中央部にはポンプ駆動軸73と同軸であるポンプ軸94の両端部が回転自在に支承されており、このポンプ軸94と一体に回転するようにして有底円筒部92a内に挿入されているロータ95に複数のマグネット96…が固着される。一方、軸受部材69の他端から突出したポンプ駆動軸73の他端部には、前記ハウジング主体92の有底円筒部92aを同軸に囲繞する円筒部97aを有する回転部材97が固定されており、前記円筒部97aの内面に複数のマグネット98…が固着される。これにより回転部材97がポンプ駆動軸73とともに回転するのに応じてロータ95がポンプ軸94とともに回転することになる。
【0043】
ところでハウジング主体92およびポンプカバー93間には渦室99が形成されており、この渦室99に収納されるインペラ100がロータ95に設けられる。
【0044】
ポンプカバー93には渦室97の中央部に開口する複数の吸入口101…が設けられ、この吸入口101…から渦室99に吸入された冷却水はインペラ100の回転によって加圧される。而してウォータポンプ90から吐出される冷却水は、シリンダブロック13に設けられたブロック側水ジャケット102、ならびに該ブロック側水ジャケット102に通じてシリンダヘッド14に設けられたヘッド側水ジャケット103に供給されるものであり、ヘッド側水ジャケット103から排出される冷却水を図示しないラジエータ等に導く状態と、ラジエータ等を迂回して吸入口101…に戻す状態とが冷却水の温度に応じてサーモスタット104によって切換えられ、このサーモスタット104のサーモスタットハウジング105は前記ウォータポンプ90のポンプカバー93に一体に形成される。
【0045】
図7に特に注目して、インジェクタ25は、燃焼室19に突入するノズル106を有してシリンダヘッド14に取付けられる空気燃料噴射弁107と、該空気燃料噴射弁107内に後方から燃料を噴出するようにして空気燃料噴射弁107に接続される燃料噴射弁108とで構成されるものであり、空気燃料噴射弁107は、圧縮空気とともに燃料を燃焼室19に直接噴射する。
【0046】
シリンダヘッド14には、前記ノズル106を気密に嵌合せしめる嵌合孔109と、該嵌合孔109よりも大径の内径を有して嵌合孔109に同軸に連なる挿入筒110とが、シリンダ軸線Cと同軸にして設けられており、空気燃料噴射弁107はそのノズル106を嵌合孔109に気密に嵌合するとともに嵌合孔109および挿入筒110間に形成されている環状の段部111にウェーブスプリングワッシャ123を介して当接するまで挿入筒110に挿入される。
【0047】
しかも空気燃料噴射弁107がその後部に備える導線接続部107aは、挿入筒110の後端に設けられた切欠き110aに配置されており、挿入筒110外で導線接続部107aから導出される一対の導線112…が、シリンダヘッド14およびヘッドカバー15の合わせ面間に挟まれるグロメット113を貫通して外部に引き出される。
【0048】
一方、ヘッドカバー15には、燃料噴射弁108を嵌合、保持するとともに前記空気燃料噴射弁107をシリンダヘッド14との間に挟持する円筒状のインジェクタハウジング114が一体に形成されており、ヘッドカバー15のシリンダヘッド14への結合時に、インジェクタハウジング114の先端が空気燃料噴射弁107の後端に当接する。またインジェクタハウジング114の後端には、燃料噴射弁108の後端部をインジェクタハウジング114との間に挟む挟持板115が締結される。
【0049】
ところで、インジェクタハウジング114および燃料噴射弁108間には、燃料噴射弁108内に通じる環状の燃料室116が形成されており、この燃料室116を両側から挟む一対のシール部材117,118が燃料噴射弁108およびインジェクタハウジング114間に介装される。
【0050】
しかもヘッドカバー15には前記燃料室116に通じる燃料供給通路119が直接設けられており、燃料を導くホース120が継ぎ手121を介して燃料供給通路119に接続される。
【0051】
また燃料噴射弁108の先端部および空気燃料噴射弁107の後端部と、インジェクタハウジング114との間には、空気燃料噴射弁107内に通じる環状の空気室122が形成されており、この空気室122に、前記圧縮空気ポンプ61からの圧縮空気が供給される。
【0052】
図9において、燃料タンク140内の燃料はフィルタ141を介して燃料ポンプ142に吸引され、該燃料ポンプ142から吐出される燃料はフィルタ143、ダンパ144および前記ホース120を介してインジェクタ25の前記燃料室116に供給されるものであり、ホース120を介して前記燃料室116に供給される燃料圧はレギュレータ145により調圧される。しかも燃料圧の調圧によりレギュレータ145で生じた余剰燃料は燃料タンク140に戻される。
【0053】
一方、圧縮空気ポンプ61はエアクリーナ146から空気を吸引して圧縮されるものであり、この圧縮空気ポンプ61から吐出される圧縮空気が、圧縮空気供給路126を介して前記インジェクタ25の空気室122に供給される。
【0054】
しかも空気室122はオリフィス131を介してリリーフ弁132に接続されており、空気室122の圧縮空気圧もリリーフ弁132により調圧されることになる。しかもレギュレータ145には、リリーフ弁132およびオリフイス131間の空気圧が背圧として作用しており、レギュレータ145はその背圧で定まる値に燃料圧を調圧する。また前記リリーフ弁132から排出される余剰空気はエアクリーナ146に戻される。
【0055】
図2および図8に注目して、圧縮空気ポンプ61における蓋部材64には、エアクリーナ146から空気を導くホース147(図9参照)が接続される吸入管124が設けられており、この吸入管124は蓋部材64に内蔵される吸入弁(図示せず)を介してポンプ室65に接続される。
【0056】
また圧縮空気ポンプ61のシリンダヘッド14側端部すなわち前記蓋部材64には、ポンプ室65の圧力増大に応じて開弁するポペット型の吐出弁125が内蔵されており、圧縮空気ポンプ61から吐出される圧縮空気は前記吐出弁125および圧縮空気供給路126を介して空気室122に供給される。
【0057】
図10を併せて参照して、圧縮空気供給路126は、前記吐出弁125に連なるようにして蓋部材64に一端が接続される管部材127と、該管部材127の他端に接続されるようにしてシリンダヘッド14に直接設けられる通路128と、該通路128に通じるとともに空気室122に通じるようにしてヘッドカバー15に直接設けられる通路129とで構成される。
【0058】
しかも圧縮空気供給路126のうち少なくとも該圧縮空気供給路126の中間部および前記吐出弁125間は、吐出弁125から離反するにつれて次第に下方位置となるように形成されるものであり、この実施例では、ヘッドカバー15に直接設けられる通路129のインジェクタ25側の部分から、シリンダヘッド14に直接設けられる通路128を経て管路部材127に至るまでの間の圧縮空気供給路126は、吐出弁125から離反するにつれて次第に下方位置となるように形成されている。
【0059】
またリリーフ弁132が、シリンダヘッド14に設けられる吸気ポート23を、該吸気ポート23の一側に配置される前記圧縮空気ポンプ61との間に挟むようにして、インジェクタ25よりも上方位置において吸気ポート23の他側に配置されるようにしてヘッドカバー15に取付けられ、圧縮空気供給路126のうちヘッドカバー15に直接設けられる通路129から分岐してヘッドカバー15に直接設けられる分岐通路148がリリーフ弁132に接続され、この分岐通路148の途中にオリフィス131が介設される。
【0060】
次にこの実施例の作用について説明すると、エンジン本体11を協働して構成するシリンダヘッド14やクランクケース12に比べて外形の小さなシリンダブロック13に、ポンプケース63が一体に形成されるので、部品点数を低減しつつエンジン全体の小型化を図ることができる。
【0061】
またオイル戻し通路49には、動弁装置38のカムシャフト41にクランクシャフト10からの動力を伝達するための第1被動スプロケット52、第1駆動スプロケット60およびカムチェーン53が収容されており、第1被動スプロケット52、第1駆動スプロケット60およびカムチェーン53を収容する部分をオイル戻し通路49として用いることで、エンジンの小型化および圧縮空気ポンプ61へのオイル供給構造の簡素化を図ることができる。
【0062】
圧縮空気ポンプ61に連なるポンプ駆動軸73およびカムシャフト41間には、カムシャフト41の動力をポンプ駆動軸73に伝達する動力伝達手段89が設けられており、圧縮空気ポンプ61を駆動するカムシャフト41を圧縮空気ポンプ61に近接配置して、動力伝達手段89の構造を簡素化し、エンジンの小型化を図ることができる。
【0063】
しかもカムシャフト41も、外形の比較的小さなシリンダブロック13に配置されるので、エンジンの小型化により一層寄与することができ、またカムシャフト41からの動力を圧縮空気ポンプ61に伝達する動力伝達手段89をコンパクトに構成することができるとともに、圧縮空気ポンプ61の変速比設定の自由度も高くなる。それに加えて、動力伝達手段89は無端状のチェーン80で動力を伝達するように構成されているので、カムシャフト41およびポンプ駆動軸73間の距離にかかわらず、シリンダブロック13の大型化を防止し、部品点数を少なく抑えることができる。
【0064】
ところで、圧縮空気ポンプ61はレシプロ式に構成されており、比較的高い空気圧を得ることが可能である。しかもシリンダ軸線Cと平行な方向にピストン66を往復動させるカムシャフト41からの動力が伝達されるポンプ駆動軸73がスコッチ・ヨーク式クランク84を介してピストン66に連結されるので、圧縮空気ポンプ61の作動軸線およびシリンダ軸線Cを平行とするとともにスコッチ・ヨーク式クランク84を採用してコンロッドを不要とすることで、エンジンの小型化が可能となる。
【0065】
さらにシリンダ軸線Cを含んでポンプ駆動軸73と直交する平面PLに関して面対称となる位置に、ポンプ駆動軸73の両端部に連結される圧縮空気ポンプ61およびウォータポンプ90が配置されるので、圧縮空気ポンプ61に連なるポンプ駆動軸73でウォータポンプ90を駆動するようにして、部品点数の低減および軽量化を可能とし、加工および組立の簡素化によるコスト低減が可能となる。またシリンダブロックからのウォータポンプ90の突出を抑え、シリンダブロック13全体の大型化を回避することができる。
【0066】
しかも水冷すべきシリンダブロック13およびシリンダヘッド14の近傍にウォータポンプ90を配置することができ、水配管を短くし、配管の煩雑化を回避することができるとともに配管内での圧力損失を小さく抑えることができる。
【0067】
さらに圧縮空気ポンプ61で得られた圧縮空気とともに燃料を燃焼室19に直接噴射するインジェクタ25がシリンダヘッド14に配設されるので、圧縮空気ポンプ61がシリンダヘッド14には配設されないことで、レイアウト自由度の増大およびエンジンの小型化を図りつつ、インジェクタ25やその配管をシリンダヘッド14に配設することができる。特に、圧縮空気ポンプ61のポンプ室65をシリンダヘッド14側に配置しているので、ポンプ室65およびインジェクタ25間を比較的短くし、圧縮空気ポンプ61からインジェクタ25に圧縮空気を導く圧縮空気供給路126を含む管路構造の複雑化を回避し、前記管路構造での圧力損失も小さく抑えることができる。
【0068】
またインジェクタ25のうち燃料噴射弁108はインジェクタハウジング114に嵌合、保持されるのであるが、このインジェクタハウジング114がヘッドカバー15に一体に形成されるので、シリンダヘッド14の周辺にインジェクタハウジング114を構成する部材を配置する必要がなく、部品点数を低減することができるとともにエンジンの大型化ならびにエンジン周辺部の構造の煩雑化を回避することができる。
【0069】
またインジェクタハウジング114に燃料および圧縮空気をそれぞれ供給するための燃料供給通路119と、圧縮空気供給路126の一部である通路129とが、ヘッドカバー15に直接設けられているので、インジェクタハウジング114に燃料および圧縮空気をそれぞれ供給するための管路等をインジェクタハウジング114の周囲に配置する必要がなく、これによっても部品点数を低減することができるとともにエンジンの大型化ならびにエンジン周辺部の構造の煩雑化を回避することができる。
【0070】
ところで、シリンダヘッド14に配設される第1の吸気弁27、第2の吸気弁28および排気弁29を駆動する動弁装置38の一部を構成するカムシャフト41が、シリンダヘッド14およびヘッドカバー15間を避けてシリンダブロック13に配置されている。このため、シリンダヘッド14およびヘッドカバー15間にカムシャフト41が配置されないようにして、インジェクタハウジング114のレイアウトの自由度を増大することができ、ヘッドカバー15に直接設けられている燃料供給通路119および通路129のレイアウトの自由度を増大することができる。
【0071】
またインジェクタ25に供給すべき空気を圧縮するポンプ室65ならびに該ポンプ室65からの圧縮空気の吐出を許容するようにして前記ポンプ室65に接続される吐出弁125を有する圧縮空気ポンプ61がインジェクタ25よりも上方に配置されており、前記吐出弁125およびインジェクタ25間を結ぶ圧縮空気供給路126のうち少なくとも該圧縮空気供給路126の中間部および吐出弁125間は、前記吐出弁125から離反するにつれて次第に下方位置となるように形成されている。
【0072】
したがって圧縮空気供給路126内に燃料成分が混入したり、水蒸気が発生したとしても、エンジン冷間時に吐出弁125の周囲に燃料成分や水蒸気が溜まることを防止することができ、したがって燃料成分や水蒸気が吐出弁125の耐久性低下の原因となることを防止し、吐出弁125の耐久性向上に寄与することができる。
【0073】
また圧縮空気供給路126は、エンジン本体11のシリンダブロック13に配設される圧縮空気ポンプ61の吐出弁125およびエンジン本体11のシリンダヘッド14間を接続する管路部材127と、該管路部材127およびインジェクタ間を結んでエンジン本体11のシリンダヘッド14およびヘッドカバー15に直接設けられる通路128,129とで構成されるものであるので、圧縮空気供給路126の大部分がエンジン本体11に直接設けられることになり、エンジン停止後に圧縮空気供給路126の温度が急激に低下しないようにして、圧縮空気供給路126内での液体成分の発生を抑え、吐出弁の耐久性向上をより一層図ることができる。
【0074】
またシリンダヘッド14にインジェクタ25が配設され、シリンダ軸線Cと平行な作動軸線を有してシリンダブロック13に配設される圧縮空気ポンプ61のシリンダヘッド14側端部に吐出弁125が配設されているので、圧縮空気ポンプ61からインジェクタ25までの圧縮空気供給路126の長さを短縮し、圧縮空気供給路126の全体容積を小さくし、吐出弁125の耐久性向上にさらに寄与することができる。
【0075】
さらにインジェクタ25に供給される圧縮空気を調圧するようにしてヘッドカバー15の通路129に接続されるリリーフ弁132が、シリンダヘッド14の吸気ポート23を圧縮空気ポンプ61との間に挟むようにして、インジェクタ25よりも上方でヘッドカバー15に取付けられるので、リリーフ弁132をインジェクタ25の上方で吸気ポート23の周囲に無理なく配置することができ、リリーフ弁132内への液体成分の逆流を防止することができ、リリーフ弁132の耐久性を向上せしめることができる。
【0076】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0077】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、少なくとも圧縮空気供給路においてその中間部から、圧縮空気ポンプに内蔵される吐出弁までの間の部分が、吐出弁から離反するにつれて次第に下方位置となるように形成されているので、圧縮空気供給路内に燃料成分が混入したり、水蒸気が発生したとしても、エンジン冷間時に吐出弁の周囲に燃料成分や水蒸気が溜まることを防止することができ、したがって燃料成分や水蒸気が吐出弁の耐久性低下の原因となることを防止し、吐出弁の耐久性向上に寄与することができる。また特にリリーフ弁が、シリンダヘッドに設けられる吸気ポートを圧縮空気ポンプとの間に挟むようにして、インジェクタよりも上方でヘッドカバーに取付けられるので、リリーフ弁をインジェクタの上方で吸気ポートの周囲に無理なく配置することができ、リリーフ弁内への液体成分の逆流を防止することができ、リリーフ弁の耐久性を向上せしめることができる。
【0078】
また請求項2記載の発明によれば、圧縮空気供給路の大部分がエンジン本体に直接設けられることになり、エンジン停止後に圧縮空気供給路の温度が急激に低下しないようにして、圧縮空気供給路内での液体成分の発生を抑え、吐出弁の耐久性向上をより一層図ることができる。
【0079】
請求項3記載の発明によれば、圧縮空気ポンプからインジェクタまでの圧縮空気供給路の長さを短縮し、圧縮空気供給路の全体容積を小さくし、吐出弁の耐久性向上にさらに寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 エンジンの一部縦断側面図である。
【図2】 ヘッドカバーを取り外した状態での図1の2−2線矢視図である。
【図3】 図2の3−3線断面図である。
【図4】 図3の4−4線断面図である。
【図5】 図2の5−5線断面図である。
【図6】 図5の6−6線断面図である。
【図7】 図5の7−7線断面図である。
【図8】 図2の8−8線に沿って示すエンジンの一部切欠き平面図である。
【図9】 エンジンの燃料供給系の構成を示す図である。
【図10】 図1の10矢視図である。
11・・・エンジン本体
14・・・シリンダヘッド
15・・・ヘッドカバー
19・・・燃焼室
23・・・吸気ポート
25・・・インジェクタ
61・・・圧縮空気ポンプ
65・・・ポンプ室
125・・・吐出弁
126・・・圧縮空気供給路
127・・・管路部材
128,129・・・通路
132・・・リリーフ弁
C・・・シリンダ軸線
Claims (3)
- 圧縮空気とともに燃料を燃焼室(19)に直接噴射するインジェクタ(25)と、
該インジェクタ(25)に供給すべき空気を圧縮するポンプ室(65)ならびに該ポンプ室(65)からの圧縮空気の吐出を許容するようにして前記ポンプ室(65)に接続される吐出弁(125)を内蔵した圧縮空気ポンプ(61)とを備えるエンジンの燃料噴射装置において、
前記圧縮空気ポンプ(61)が前記インジェクタ(25)よりも上方に配置され、前記吐出弁(125)および前記インジェクタ(25)間を結ぶ圧縮空気供給路(126)のうち少なくとも該圧縮空気供給路(126)の中間部および前記吐出弁(125)間は、前記吐出弁(125)から離反するにつれて次第に下方位置となるように形成され、前記インジェクタ(25)に供給される圧縮空気を調圧するようにして前記圧縮空気供給路(126)に接続されるリリーフ弁(132)が、前記シリンダヘッド(14)に設けられる吸気ポート(23)を前記圧縮空気ポンプ(61)との間に挟むようにして、前記インジェクタ(25)よりも上方でヘッドカバー(15)に取付けられることを特徴とする、エンジンの燃料噴射装置。 - 前記圧縮空気供給路(126)が、エンジン本体(11)に配設される前記圧縮空気ポンプ(61)の前記吐出弁(125)およびエンジン本体(11)間を接続する管路部材(127)と、該管路部材(127)および前記インジェクタ(25)間を結んで前記エンジン本体(11)に直接設けられる通路(128,129)とで構成されることを特徴とする、請求項1記載のエンジンの燃料噴射装置。
- 前記エンジン本体(11)の一部を構成するシリンダヘッド(14)に前記インジェクタ(25)が配設され、前記エンジン本体(11)のシリンダ軸線(C)と平行な作動軸線を有してエンジン本体(11)に配設される前記圧縮空気ポンプ(61)の前記シリンダヘッド(14)側端部に前記吐出弁(125)が配設されることを特徴とする、請求項2記載のエンジンの燃料噴射装置。
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