JP2004103823A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】金型に挿入セットしたリードフレームが、樹脂注入時の成形圧力で定位置からずれ動くのを阻止して樹脂バリの発生を防止するように改良する。
【解決手段】半導体チップ2をリードフレーム1に搭載して樹脂封止した半導体装置の樹脂封止用成形金型で、該金型がキャビティブロック7を挟んでその両側にコネクタブロック8,タイバーブロック9を組合せたブロックビルド式のトランスファー成形金型になるものにおいて、下型6のタイバーブロックを固定ブロック11とその外側に配してリードフレームの端面に当てがう可動式のフレーム押えブロック12とに分割し、かつフレーム押えブロックには該ブロックを後退位置に付勢する復帰ばね12,および上型5のタイバーブロック9に設けたカム部9aに従動するカム部12aを設け、型締めの状態で金型に挿入セットしたリードフレームを定位置に保持し、成形圧力でずれ動かないようにする。
【選択図】 図1
【解決手段】半導体チップ2をリードフレーム1に搭載して樹脂封止した半導体装置の樹脂封止用成形金型で、該金型がキャビティブロック7を挟んでその両側にコネクタブロック8,タイバーブロック9を組合せたブロックビルド式のトランスファー成形金型になるものにおいて、下型6のタイバーブロックを固定ブロック11とその外側に配してリードフレームの端面に当てがう可動式のフレーム押えブロック12とに分割し、かつフレーム押えブロックには該ブロックを後退位置に付勢する復帰ばね12,および上型5のタイバーブロック9に設けたカム部9aに従動するカム部12aを設け、型締めの状態で金型に挿入セットしたリードフレームを定位置に保持し、成形圧力でずれ動かないようにする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形金型を用いてパッケージをモールド成形する樹脂封止型半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
まず、本発明の対象となる樹脂封止型半導体デバイス(TO外形)の構造を図4(a),(b) に示す。図において、1はリードフレーム、2はリードフレーム1のフレーム部(チップマウント部)1aの上面にマウントした半導体チップ、3は半導体チップ2とリードフレーム1のリード部1bを接続したボンディングワイヤ、4は半導体チップ2,ボンディングワイヤ3の周域を封止してリードフレーム1に一体成形した樹脂パッケージであり、リードフレーム1のフレーム部1aはその底面および後端部を放熱面部として樹脂パッケージ4の外面に露呈している。
【0003】
次に、前記半導体デバイスの樹脂封止に使用する成形用金型の従来構造を図5,図6に示す。この成形用金型はいわゆるブロックビルド方式のトランスファー成形金型であり、金型の上型5,下型6はそれぞれキャビティブロック7を挟んでその両側にコネクタブロック8,タイバーブロック9を組合せ、チェース(型締め枠)10を介して組立てた構造になる。なお、キャビティブロック7は図4に示した樹脂パッケージ4の外形に対応したキャビティが形成されており、コネクタブロック8,タイバーブロック9でそれぞれリードフレーム1のリード部,フレーム放熱部を押える。また、キャビティブロック7,タイバーブロック9には、後記するリードフレームのパターン形状に対応して仕切壁7a,9aが、コネクタブロック8にはリードのガイド溝8aが形成されている。なお、図中には表してないが、金型にはトランスファーポットとキャビティブロックとの間にランナーを備えている。
【0004】
一方、図6の図中には、トランスファー成形工程で金型に挿入セットするリードフレーム1として複数のパターンが連続して連なった分割前の状態のリードフレームが描かれており、周知のようにリードフレームにはリード部1bの相互間を繋ぐダムバー1cおよび両サイドのタイバーを介して複数のパターンが連続的に形成されている。また、リードフレームのフレーム部1aのパターン相互間には前記したタイバーブロック9に設けた仕切壁9aに対応する切込溝1dが形成されている。
【0005】
そして、このトランスファー成形金型を使って行う半導体デバイスのモールド工程では、図5で表すように上型5を開いた状態で、半導体チップを実装したリードフレーム1を送り込んで下型6に挿入セットし、その後に上型5を下降して型締めする。次に金型のトランスファーポットから溶融樹脂をランナーを通じてキャビティブロック7に注入してモールド成形を行うことは周知の通りである。なお、モールド成形後に金型から取出した成形品は、続く工程でダムバー,タイバーをカットし、図4に示した半導体デバイスの製品が完成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記した従来の成形金型を使用して量産した樹脂封止型半導体デバイスの製品の中には、フレーム放熱部の側縁に金型との齧りによって圧痕が生じたり,樹脂のバリが発生したりすることがある。しかも、フレームに生じた圧痕は外観不良となり、また、樹脂バリを取り除かずに製品を出荷すると、半導体デバイスをプリント板などに実装する際にバリが脱落してプリント板のトラブルを引き起こすおそれがある。
【0007】
このような成形不良の生成要因としては、リードフレームの材料,およびその製造(プレス打ち抜き)工程で生じるパターン寸法精度のばらつき等が考えられる。このことから、従来では金型をリードフレームの形状,寸法に合わせるように定期的にチェックし、製品検査で圧痕,樹脂バリなどの成形不良が多く見られる場合には、金型を構成している前記の各ブロックについて、その仕切壁をミクロン単位の精度で修正加工するようにしているが、修正加工を施しても樹脂バリの発生を完全に解消するに至ってないのが現状である。
【0008】
そこで、発明者等は樹脂バリの発生要因についてさらに究明したところ、次記のことが大きく関与していることが判明した。すなわち、図7(a) で示すように下型6に対してリードフレーム1を所定の成形位置に位置決めして挿入セットし、この状態でキャビティに成形樹脂を注入すると、リードフレーム1は樹脂の注入圧力(成形圧力)を受けて図7(b) に示す位置にずれ動くことがある。しかも、このようにリードフレーム1の成形位置がずれると、図中に表したP部でキャビティブロック7の仕切壁7aとリードフレーム1の切込溝1dとの間に隙間が生じ、この隙間を通じて溶融樹脂が切込溝1dに漏れ出してフレーム部1aの側面に付着する。これが基で、図4(a) に示したデバイス製品について、フレーム放熱部の側面に斜線で表した樹脂バリQが発生する。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、金型に挿入セットしたリードフレームが成形圧力により所定の成形位置からずれ動くのを押えてパッケージに樹脂バリが発生するのを防止するよう改良した樹脂封止用成形金型を用いな樹脂封止する半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によれば、半導体チップをリードフレームに搭載した上で、該リードフレームの放熱部を外部に露呈して樹脂封止したモールド構造になる半導体装置の製造方法であって、その製造に用いる樹脂封止用成形金型が、キャビティブロックを挟んでその両側にコネクタブロック,タイバーブロックを組合せたブロックビルド式のトランスファー成形金型になるものにおいて、
金型の下型における前記タイバーブロックを固定ブロックとその外側に配してリードフレームの端面に当てがう可動式のフレーム押えブロックとに分割し、該フレーム押えブロックを介して成形金型に挿入セットしたリードフレームを所定の成形位置に保持して樹脂封止するようにする(請求項1)ものとし、具体的には前記フレーム押えブロックを後退位置に付勢する復帰ばね、および型締めの際に上型の動きに従動してフレーム押えブロックを後退位置から前進させるカム部を設ける。そして、金型を開いた状態では前記復帰ばねの付勢によりフレーム押えブロックを後退位置に退避させ、型締めの際に前記カム部を介してフレーム押えブロックを前進移動させて金型に挿入セットしたリードフレームを押え込み、樹脂注入時にリードフレームが成形圧力を受けて所定の成形位置からずれ動かないようにする(請求項2)。これにより、図7で述べた樹脂漏れ、およびこの樹脂漏れに起因する樹脂バリの発生を防ぐことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図3に示す実施例に基づいて説明する。なお、実施例の図中で図5〜図7に対応する部材には同じ符号を付してその説明は省略する。
すなわち、本発明の製造方法に用いる図示実施例の樹脂封止用成形金型においては、図1,図2で示すように金型の下型6を構築しているキャビティブロック7,コネクタブロック8,タイバーブロック9のうち、タイバーブロック9を固定ブロック11と、その外側に配した可動式のフレーム押えブロック12とに分割されている。このフレーム押えブロック12は、固定ブロック11の上面からリードフレーム1のフレーム厚さ分だけ突き出すように設定されており、固定ブロック11との間に復帰ばね(圧縮ばね)13を介挿して図示の後退位置にばね付勢するようにし、さらにブロック上面には傾斜(後傾)したカム部12aを形成し、このカム部12aに対峙して上型5のタイバーブロック9には傾斜カム部9bを形成している。なお、固定ブロック11の上面に形成した突起状の仕切壁11aについては、リードフレーム1を下型6に挿入セットする際にその切込溝1dとの干渉を避けるために、仕切壁11aの幅をキャビティブロック7の仕切壁7aの幅よりも小さく設定している。
【0012】
次に、前記構成の成形金型による半導体デバイスの生成方法を図3(a),(b) により説明する。図3(a) は金型を開いて下型6にリードフレーム1を挿入セットした状態を表しており、この状態では前記したフレーム押えブロック12が復帰ばね13(図1参照)に付勢されて図示の後退位置に退避している。これにより、リードフレーム1を金型に挿入セットする際に、その位置決めに多少のずれがあっても図中のP部に余裕の隙間があるので、フレーム押えブロック12および固定ブロック11の仕切壁11aとの干渉を避けて挿入できる。
【0013】
続いて上型5を図1の位置から下降(矢印I)操作して型締めを行うと、その過程で上型5のタイバーブロック9に形成した傾斜カム部9bが下型6のフレーム押えブロック12の傾斜カム部12aに当たってこれを固定ブロック11の方に向けて押す。これにより、フレーム押えブロック12が図3(b) に示す位置に前進移動し、リードフレーム1のフレーム部1aを背後から押してそのパターン相互間の切込溝1dの端面をキャビティブロック7に形成した仕切壁7aの後端面に密着させ、前記P部(図3(a) 参照)の隙間が残らないようにリードフレーム1を所定の成形位置に拘束保持する。また、リードフレーム1を定位置に保持することで、上型5を閉じた際にリードフレーム1との間に齧りが生じてフレームに圧痕を生じるおそれもない。
【0014】
そして、この状態で金型のランナーを通じて溶融樹脂をキャビティブロック7に注入することにより、リードフレーム1に図4に示した樹脂パッケージ4がモールド形成されるわけであるが、この場合に金型に挿入したリードフレーム1に成形圧力が加わっても、前記のようにリードフレーム1はフレーム押えブロック12で所定の成形位置からずれ動かないように拘束保持されているので、樹脂がキャビティブロック7からリードフレーム1の切込溝1aに漏れ出すことがなく、これにより従来の金型で問題となっていた樹脂バリの発生を防止できる。
【0015】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、半導体チップをリードフレームに搭載した上で、該リードフレームの放熱部を外部に露呈して樹脂封止したモールド構造になる半導体装置の製造方法に用いる樹脂封止用成形金型が、キャビティブロックを挟んでその両側にコネクタブロック,タイバーブロックを組合せたブロックビルド式のトランスファー成形金型になるものにおいて、
金型の下型における前記タイバーブロックを固定ブロックとその外側に配してリードフレームの端面に当てがう可動式のフレーム押えブロックとに分割し、該フレーム押えブロックを介して成形金型に挿入セットしたリードフレームを所定の成形位置に保持して樹脂封止するものとし、具体的にはフレーム押えブロックに復帰ばね,および型締めの際に上型の動きに従動するカム部を設け、金型を開いた状態では前記復帰ばねの付勢によりフレーム押えブロックを後退位置に退避させておき、型締め操作により前記カムを介してフレーム押えブロックを前進移動させ、金型に挿入セットしたリードフレームを定位置に押え込んで金型に封止樹脂を注型するようにしたことにより、
従来の金型で問題となっていたリードフレームの位置ずれに起因する圧痕発生の防止と併せて、キャビティブロックからの樹脂漏れ、およびこの樹脂漏れによる樹脂バリ発生を防ぐことができて成形金型の信頼性向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法に用いる樹脂封止用成形金型の型開き状態を表す略示構成図
【図2】図1における下型およびここに挿入セットするリードフレームの外形斜視図
【図3】図1に示した成形金型の動作説明図で、(a),(b) はそれぞれリードフレームを挿入した金型の型開き,および型締めの状態を表す下型の平面図
【図4】樹脂封止型半導体デバイスの構成図で、(a) は外観斜視図、(b) は(a) の断面図
【図5】図4の半導体デバイスの製造に用いる従来の樹脂封止用成形金型の型開き状態を表す略示構成図
【図6】図5における下型およびここに挿入セットするリードフレームの外形斜視図
【図7】図5に示した成形金型の動作説明図で、(a),(b) はそれぞれ金型にリードフレームを挿入した状態,および溶融樹脂を注入した状態を表す下型の平面図
【符号の説明】
1 リードフレーム
1a フレーム部
1b リード部
1d 切込溝
2 半導体チップ
4 樹脂パッケージ
5 上型
6 下型
7 キャビティブロック
8 コネクタブロック
9 タイバーブロック
11 固定ブロック
12 可動式のフレーム押えブロック
12a カム部
13 復帰ばね
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形金型を用いてパッケージをモールド成形する樹脂封止型半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
まず、本発明の対象となる樹脂封止型半導体デバイス(TO外形)の構造を図4(a),(b) に示す。図において、1はリードフレーム、2はリードフレーム1のフレーム部(チップマウント部)1aの上面にマウントした半導体チップ、3は半導体チップ2とリードフレーム1のリード部1bを接続したボンディングワイヤ、4は半導体チップ2,ボンディングワイヤ3の周域を封止してリードフレーム1に一体成形した樹脂パッケージであり、リードフレーム1のフレーム部1aはその底面および後端部を放熱面部として樹脂パッケージ4の外面に露呈している。
【0003】
次に、前記半導体デバイスの樹脂封止に使用する成形用金型の従来構造を図5,図6に示す。この成形用金型はいわゆるブロックビルド方式のトランスファー成形金型であり、金型の上型5,下型6はそれぞれキャビティブロック7を挟んでその両側にコネクタブロック8,タイバーブロック9を組合せ、チェース(型締め枠)10を介して組立てた構造になる。なお、キャビティブロック7は図4に示した樹脂パッケージ4の外形に対応したキャビティが形成されており、コネクタブロック8,タイバーブロック9でそれぞれリードフレーム1のリード部,フレーム放熱部を押える。また、キャビティブロック7,タイバーブロック9には、後記するリードフレームのパターン形状に対応して仕切壁7a,9aが、コネクタブロック8にはリードのガイド溝8aが形成されている。なお、図中には表してないが、金型にはトランスファーポットとキャビティブロックとの間にランナーを備えている。
【0004】
一方、図6の図中には、トランスファー成形工程で金型に挿入セットするリードフレーム1として複数のパターンが連続して連なった分割前の状態のリードフレームが描かれており、周知のようにリードフレームにはリード部1bの相互間を繋ぐダムバー1cおよび両サイドのタイバーを介して複数のパターンが連続的に形成されている。また、リードフレームのフレーム部1aのパターン相互間には前記したタイバーブロック9に設けた仕切壁9aに対応する切込溝1dが形成されている。
【0005】
そして、このトランスファー成形金型を使って行う半導体デバイスのモールド工程では、図5で表すように上型5を開いた状態で、半導体チップを実装したリードフレーム1を送り込んで下型6に挿入セットし、その後に上型5を下降して型締めする。次に金型のトランスファーポットから溶融樹脂をランナーを通じてキャビティブロック7に注入してモールド成形を行うことは周知の通りである。なお、モールド成形後に金型から取出した成形品は、続く工程でダムバー,タイバーをカットし、図4に示した半導体デバイスの製品が完成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記した従来の成形金型を使用して量産した樹脂封止型半導体デバイスの製品の中には、フレーム放熱部の側縁に金型との齧りによって圧痕が生じたり,樹脂のバリが発生したりすることがある。しかも、フレームに生じた圧痕は外観不良となり、また、樹脂バリを取り除かずに製品を出荷すると、半導体デバイスをプリント板などに実装する際にバリが脱落してプリント板のトラブルを引き起こすおそれがある。
【0007】
このような成形不良の生成要因としては、リードフレームの材料,およびその製造(プレス打ち抜き)工程で生じるパターン寸法精度のばらつき等が考えられる。このことから、従来では金型をリードフレームの形状,寸法に合わせるように定期的にチェックし、製品検査で圧痕,樹脂バリなどの成形不良が多く見られる場合には、金型を構成している前記の各ブロックについて、その仕切壁をミクロン単位の精度で修正加工するようにしているが、修正加工を施しても樹脂バリの発生を完全に解消するに至ってないのが現状である。
【0008】
そこで、発明者等は樹脂バリの発生要因についてさらに究明したところ、次記のことが大きく関与していることが判明した。すなわち、図7(a) で示すように下型6に対してリードフレーム1を所定の成形位置に位置決めして挿入セットし、この状態でキャビティに成形樹脂を注入すると、リードフレーム1は樹脂の注入圧力(成形圧力)を受けて図7(b) に示す位置にずれ動くことがある。しかも、このようにリードフレーム1の成形位置がずれると、図中に表したP部でキャビティブロック7の仕切壁7aとリードフレーム1の切込溝1dとの間に隙間が生じ、この隙間を通じて溶融樹脂が切込溝1dに漏れ出してフレーム部1aの側面に付着する。これが基で、図4(a) に示したデバイス製品について、フレーム放熱部の側面に斜線で表した樹脂バリQが発生する。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、金型に挿入セットしたリードフレームが成形圧力により所定の成形位置からずれ動くのを押えてパッケージに樹脂バリが発生するのを防止するよう改良した樹脂封止用成形金型を用いな樹脂封止する半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によれば、半導体チップをリードフレームに搭載した上で、該リードフレームの放熱部を外部に露呈して樹脂封止したモールド構造になる半導体装置の製造方法であって、その製造に用いる樹脂封止用成形金型が、キャビティブロックを挟んでその両側にコネクタブロック,タイバーブロックを組合せたブロックビルド式のトランスファー成形金型になるものにおいて、
金型の下型における前記タイバーブロックを固定ブロックとその外側に配してリードフレームの端面に当てがう可動式のフレーム押えブロックとに分割し、該フレーム押えブロックを介して成形金型に挿入セットしたリードフレームを所定の成形位置に保持して樹脂封止するようにする(請求項1)ものとし、具体的には前記フレーム押えブロックを後退位置に付勢する復帰ばね、および型締めの際に上型の動きに従動してフレーム押えブロックを後退位置から前進させるカム部を設ける。そして、金型を開いた状態では前記復帰ばねの付勢によりフレーム押えブロックを後退位置に退避させ、型締めの際に前記カム部を介してフレーム押えブロックを前進移動させて金型に挿入セットしたリードフレームを押え込み、樹脂注入時にリードフレームが成形圧力を受けて所定の成形位置からずれ動かないようにする(請求項2)。これにより、図7で述べた樹脂漏れ、およびこの樹脂漏れに起因する樹脂バリの発生を防ぐことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図3に示す実施例に基づいて説明する。なお、実施例の図中で図5〜図7に対応する部材には同じ符号を付してその説明は省略する。
すなわち、本発明の製造方法に用いる図示実施例の樹脂封止用成形金型においては、図1,図2で示すように金型の下型6を構築しているキャビティブロック7,コネクタブロック8,タイバーブロック9のうち、タイバーブロック9を固定ブロック11と、その外側に配した可動式のフレーム押えブロック12とに分割されている。このフレーム押えブロック12は、固定ブロック11の上面からリードフレーム1のフレーム厚さ分だけ突き出すように設定されており、固定ブロック11との間に復帰ばね(圧縮ばね)13を介挿して図示の後退位置にばね付勢するようにし、さらにブロック上面には傾斜(後傾)したカム部12aを形成し、このカム部12aに対峙して上型5のタイバーブロック9には傾斜カム部9bを形成している。なお、固定ブロック11の上面に形成した突起状の仕切壁11aについては、リードフレーム1を下型6に挿入セットする際にその切込溝1dとの干渉を避けるために、仕切壁11aの幅をキャビティブロック7の仕切壁7aの幅よりも小さく設定している。
【0012】
次に、前記構成の成形金型による半導体デバイスの生成方法を図3(a),(b) により説明する。図3(a) は金型を開いて下型6にリードフレーム1を挿入セットした状態を表しており、この状態では前記したフレーム押えブロック12が復帰ばね13(図1参照)に付勢されて図示の後退位置に退避している。これにより、リードフレーム1を金型に挿入セットする際に、その位置決めに多少のずれがあっても図中のP部に余裕の隙間があるので、フレーム押えブロック12および固定ブロック11の仕切壁11aとの干渉を避けて挿入できる。
【0013】
続いて上型5を図1の位置から下降(矢印I)操作して型締めを行うと、その過程で上型5のタイバーブロック9に形成した傾斜カム部9bが下型6のフレーム押えブロック12の傾斜カム部12aに当たってこれを固定ブロック11の方に向けて押す。これにより、フレーム押えブロック12が図3(b) に示す位置に前進移動し、リードフレーム1のフレーム部1aを背後から押してそのパターン相互間の切込溝1dの端面をキャビティブロック7に形成した仕切壁7aの後端面に密着させ、前記P部(図3(a) 参照)の隙間が残らないようにリードフレーム1を所定の成形位置に拘束保持する。また、リードフレーム1を定位置に保持することで、上型5を閉じた際にリードフレーム1との間に齧りが生じてフレームに圧痕を生じるおそれもない。
【0014】
そして、この状態で金型のランナーを通じて溶融樹脂をキャビティブロック7に注入することにより、リードフレーム1に図4に示した樹脂パッケージ4がモールド形成されるわけであるが、この場合に金型に挿入したリードフレーム1に成形圧力が加わっても、前記のようにリードフレーム1はフレーム押えブロック12で所定の成形位置からずれ動かないように拘束保持されているので、樹脂がキャビティブロック7からリードフレーム1の切込溝1aに漏れ出すことがなく、これにより従来の金型で問題となっていた樹脂バリの発生を防止できる。
【0015】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、半導体チップをリードフレームに搭載した上で、該リードフレームの放熱部を外部に露呈して樹脂封止したモールド構造になる半導体装置の製造方法に用いる樹脂封止用成形金型が、キャビティブロックを挟んでその両側にコネクタブロック,タイバーブロックを組合せたブロックビルド式のトランスファー成形金型になるものにおいて、
金型の下型における前記タイバーブロックを固定ブロックとその外側に配してリードフレームの端面に当てがう可動式のフレーム押えブロックとに分割し、該フレーム押えブロックを介して成形金型に挿入セットしたリードフレームを所定の成形位置に保持して樹脂封止するものとし、具体的にはフレーム押えブロックに復帰ばね,および型締めの際に上型の動きに従動するカム部を設け、金型を開いた状態では前記復帰ばねの付勢によりフレーム押えブロックを後退位置に退避させておき、型締め操作により前記カムを介してフレーム押えブロックを前進移動させ、金型に挿入セットしたリードフレームを定位置に押え込んで金型に封止樹脂を注型するようにしたことにより、
従来の金型で問題となっていたリードフレームの位置ずれに起因する圧痕発生の防止と併せて、キャビティブロックからの樹脂漏れ、およびこの樹脂漏れによる樹脂バリ発生を防ぐことができて成形金型の信頼性向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法に用いる樹脂封止用成形金型の型開き状態を表す略示構成図
【図2】図1における下型およびここに挿入セットするリードフレームの外形斜視図
【図3】図1に示した成形金型の動作説明図で、(a),(b) はそれぞれリードフレームを挿入した金型の型開き,および型締めの状態を表す下型の平面図
【図4】樹脂封止型半導体デバイスの構成図で、(a) は外観斜視図、(b) は(a) の断面図
【図5】図4の半導体デバイスの製造に用いる従来の樹脂封止用成形金型の型開き状態を表す略示構成図
【図6】図5における下型およびここに挿入セットするリードフレームの外形斜視図
【図7】図5に示した成形金型の動作説明図で、(a),(b) はそれぞれ金型にリードフレームを挿入した状態,および溶融樹脂を注入した状態を表す下型の平面図
【符号の説明】
1 リードフレーム
1a フレーム部
1b リード部
1d 切込溝
2 半導体チップ
4 樹脂パッケージ
5 上型
6 下型
7 キャビティブロック
8 コネクタブロック
9 タイバーブロック
11 固定ブロック
12 可動式のフレーム押えブロック
12a カム部
13 復帰ばね
Claims (2)
- 半導体チップをリードフレームに搭載した上で、該リードフレームの放熱部を外部に露呈して樹脂封止したモールド構造になる半導体装置の製造方法であって、その製造に用いる樹脂封止用成形金型が、キャビティブロックを挟んでその両側にコネクタブロック,タイバーブロックを組合せたブロックビルド式のトランスファー成形金型になるものにおいて、
金型の下型における前記タイバーブロックを固定ブロックとその外側に配してリードフレームの端面に当てがう可動式のフレーム押えブロックとに分割し、該フレーム押えブロックを介して成形金型に挿入セットしたリードフレームを所定の成形位置に保持して樹脂封止するようにしたことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1記載の製造方法において、フレーム押えブロックに復帰ばね,および型締めの際に上型の動きに従動するカム部を設け、金型を開いた状態では前記復帰ばねの付勢によりフレーム押えブロックを後退位置に退避させ、型締めにより前記カム部を介してフレーム押えブロックを前進移動させて、金型に挿入セットしたリードフレームを定位置に押え込むようにしたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002263614A JP2004103823A (ja) | 2002-09-10 | 2002-09-10 | 半導体装置の製造方法 |
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