JP2004103730A - 磁気抵抗効果素子、磁気ヘッドおよび磁気再生装置 - Google Patents

磁気抵抗効果素子、磁気ヘッドおよび磁気再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高い検出感度を有し、かつ将来の高磁気記録密度化に対応可能な磁気抵抗効果素子を提供する。
【解決手段】磁気抵抗効果膜と、センス時に磁気抵抗効果膜の膜面に対して略垂直な方向に電流を通電する一対の電極とを備え、磁気抵抗効果膜は、非磁性中間層を挟んで、第1および第2の磁化自由層と第1乃至第4の磁化固着層とを有し、第2の非磁性中間層と第3の非磁性中間層との間に第2の磁化固着層と第3の磁化固着層が設けられ、第1および第2の磁化固着層の磁化固着方向は略平行であり、第3および第4の磁化固着層の磁化固着方向は略平行であり、第2の磁化固着層の磁化固着方向と第3の磁化固着層の磁化固着方向とは略反平行である。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気抵抗効果素子、磁気ヘッドおよび磁気再生装置に関し、より詳細には、磁気抵抗効果膜の膜面に対して垂直方向にセンス電流を流す構造の磁気抵抗効果素子、これを用いた磁気ヘッドおよび磁気再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気記録再生装置においては高密度化が急速に進められ、これに合わせて磁気ヘッドに対しても高記録密度に対応するものが要求されている。
【0003】
記録密度が高くなるにつれて記録媒体に記録される記録ビットサイズが小さくなり、信号磁界が小さくなってきている。従来のリングコア型インダクティブ磁気ヘッドにおいては、記録媒体からの信号磁界をリングコアを介して電磁誘導効果により検出するが、リングコアを介した間接的な検出であるために、十分な検出感度を確保できなくなっている。
【0004】
これに対して近年、磁気抵抗効果を利用することにより媒体信号磁界を直接感知する磁気抵抗効果型磁気ヘッドが提案された。磁気抵抗効果型ヘッドは、媒体表面の近くに設けられた磁界感知部により媒体信号磁界を直接的に感知することができ、非常に高感度であるという利点がある。
【0005】
現在では、さらに巨大な磁気抵抗効果を発生するスピンバルブ型磁気抵抗効果素子を用いた磁気ヘッドが主流をなしている。スピンバルブ型磁気抵抗効果膜は、磁化固着層(ピン層)/中間層(スペーサ層)/磁化自由層(フリー層)という積層構造を有し、従来の磁気抵抗効果膜に比べて2倍以上の巨大磁気抵抗効果を発揮する。
【0006】
ところで、磁気抵抗効果膜としては、センス時に一対の電極によって磁気抵抗効果膜の面内方向にセンス電流を通電する、いわゆるCIP(Current−In−Plane)型の構成がある。上述の磁気抵抗効果膜を用いた磁気ヘッドでは、強磁性体からなる一対の磁気シールドの間に絶縁体を介してスピンバルブ型磁気抵抗効果膜を設けたシールド型の構成が採用される。
【0007】
これに対して最近、センス時に一対の電極からスピンバルブ膜面に対して垂直方向にセンス電流を通電する、いわゆるCPP(Current−Perpendicular−to−Plane)型の磁気ヘッドが提案されている。一般的にCPP型にすることにより、CIP型よりも磁気抵抗効果膜の磁気抵抗(MR)変化率が向上するため高いヘッド出力が期待でき、しかもMR膜とシールドの間の絶縁層を省略できるためシールド間距離(磁気ギャップ)を狭めることが可能である。
【0008】
一方、面内磁気記録方式のシステムにおいては、熱擾乱のために記録密度が限界に近づいている。そこで、熱擾乱に強い垂直磁気記録方式のシステムが有望視され、様々な垂直記録媒体とシールド型磁気ヘッドとを組み合わせたシステムが提案されている。
【0009】
図16(a)は、垂直記録媒体に対してシールド型磁気ヘッドを適用したシステムを模式的に表す概念図である。この磁気ヘッドをシールド型シングル・スピンバルブ磁気ヘッドという。シールド型シングル・スピンバルブ磁気ヘッドは、たとえば米国特許第5,206,590号明細書に開示されている。図16(b)は、同図(a)の磁気ヘッドから得られる出力波形を示す図である。
【0010】
図16(a)に示すように、垂直記録媒体1に対向して、一対の磁気シールド111、112に挟まれた1つの磁気抵抗効果膜100が設けられている。磁気抵抗効果膜100は、反強磁性層101、磁化固着層(ピン層)102、非磁性中間層(スペーサ層)103、および磁化自由層(フリー層)104が積層された構造を有する。
【0011】
このようなシールド型シングル・スピンバルブ磁気ヘッドを用いて垂直記録媒体の媒体磁化を検出すると、図16(b)に示すように、出力波形は媒体上の記録ビットからの信号磁化に対して単調に変化する。従って、通常の面内磁気記録システムと同様に、磁気ヘッドが磁化遷移領域を通過するのに対応してピークが現れる出力波形を得るためには、再生信号処理回路に微分回路を追加しなければならない。しかし、微分回路はノイズを増大させる問題がある。しかも、微分処理後のピーク形状のシフトが起こりやすく、信号エラーレートが増大する問題およびノイズ対信号比が劣化する問題がある。
【0012】
また、このようなシールド型のMRヘッドにおいて、高密度化に対応するためには、一対の磁気シールド111、112の間隔を狭ギャップ化することが重要であることが知られている。しかし、図16(a)に示した磁気ヘッドの場合、磁気抵抗効果膜100が厚い反強磁性層を有するため、狭ギャップ化が困難であるという問題があった。
【0013】
一般的なシールド型デュアル・スピンバルブ磁気ヘッド(たとえば特開平9−147326号公報参照)も、上記と同様の課題を抱える。
【0014】
【特許文献1】
米国特許第5,206,590号明細書
【0015】
【特許文献2】
特開平9−147326号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来のシールド型磁気ヘッドよりも高い検出感度、すなわち高磁束効率および高MR変化率を有し、将来の高磁気記録密度化に対応可能な高感度な磁気抵抗効果素子と、これを用いた磁気ヘッドおよび磁気再生装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様に係る磁気抵抗効果素子は、磁気抵抗効果膜と、センス時に前記磁気抵抗効果膜の膜面に対して略垂直な方向に電流を通電する、前記磁気抵抗効果膜の上下に電気的に接続された一対の電極とを備え、前記磁気抵抗効果膜は、磁化方向が外部磁界に対応して変化する強磁性膜を有する第1の磁化自由層と、磁化方向が外部磁界に対応して変化する強磁性膜を有する第2の磁化自由層と、磁化方向が実質的に一方向に固着された強磁性膜を有する第1の磁化固着層と、磁化方向が実質的に一方向に固着された強磁性膜を有する第2の磁化固着層と、磁化方向が実質的に一方向に固着された強磁性膜を有する第3の磁化固着層と、磁化方向が実質的に一方向に固着された強磁性膜を有する第4の磁化固着層と、前記第1の磁化自由層と前記第1の磁化固着層との間に設けられた第1の非磁性中間層と、前記第1の磁化自由層と前記第2の磁化固着層との間に設けられた第2の非磁性中間層と、前記第2の磁化自由層と前記第3の磁化固着層との間に設けられた第3の非磁性中間層と、前記第2の磁化自由層と前記第4の磁化固着層との間に設けられた第4の非磁性中間層とを有し、前記第2の非磁性中間層と前記第3の非磁性中間層との間に前記第2の磁化固着層と前記第3の磁化固着層が設けられ、前記第1の磁化固着層の前記磁化固着方向と前記第2の磁化固着層の前記磁化固着方向とは略平行であり、前記第3の磁化固着層の前記磁化固着方向と前記第4の磁化固着層の前記磁化固着方向とは略平行であり、前記第2の磁化固着層の前記磁化固着方向と前記第3の磁化固着層の前記磁化固着方向とは略反平行であることを特徴とする。
【0018】
本発明の他の態様に係る磁気抵抗効果素子は、磁気抵抗効果膜と、センス時に前記磁気抵抗効果膜の膜面に対して略垂直な方向に電流を通電する、前記磁気抵抗効果膜の上下に電気的に接続された一対の電極とを備え、前記磁気抵抗効果膜は、磁化方向が外部磁界に対応して変化する強磁性膜を有する第1の磁化自由層と、磁化方向が外部磁界に対応して変化する強磁性膜を有する第2の磁化自由層と、磁化方向が実質的に一方向に固着された強磁性膜を有する第1の磁化固着層と、磁化方向が実質的に一方向に固着された強磁性膜を有する第2の磁化固着層と、前記第1の磁化自由層と前記第1の磁化固着層との間に設けられた第1の非磁性中間層と、前記第2の磁化自由層と前記第2の磁化固着層との間に設けられた第2の非磁性中間層とを有し、前記第1の非磁性中間層と前記第2の非磁性中間層との間に前記第1の磁化固着層と前記第2の磁化固着層が設けられ、前記第1の磁化固着層の前記磁化固着方向と前記第2の磁化固着層の前記磁化固着方向とは略反平行であり、前記第1の磁化固着層と前記第2の磁化固着層は同一の反強磁性層との交換結合により磁化固着されていることを特徴とする。
【0019】
本発明の他の態様に係る磁気ヘッドは、上記の磁気抵抗効果素子を備えたことを特徴とする。
【0020】
本発明のさらに他の態様に係る磁気再生装置は、上記の磁気ヘッドと、垂直磁気記録媒体とを備えたことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
【0022】
まず、本発明の第1の実施形態に係る磁気抵抗効果素子について説明する。この磁気抵抗効果素子は、磁気抵抗効果膜と、センス時に前記磁気抵抗効果膜の膜面に対して略垂直な方向に電流を通電する、前記磁気抵抗効果膜の上下に電気的に接続された一対の電極とを備える。前記磁気抵抗効果膜は、第1および第2の磁化自由層と、第1〜第4の磁化固着層と、第1の磁化自由層と第1の磁化固着層との間に設けられた第1の非磁性中間層と、第1の磁化自由層と第2の磁化固着層との間に設けられた第2の非磁性中間層と、第2の磁化自由層と第3の磁化固着層との間に設けられた第3の非磁性中間層と、および第2の磁化自由層と第4の磁化固着層との間に設けられた第4の非磁性中間層を有し、第2の非磁性中間層と第3の非磁性中間層との間に第2の磁化固着層と第3の磁化固着層が設けられた構造を有する。
【0023】
図1および図2は、本発明の第1の実施形態に係る磁気抵抗効果素子(CPP−GMR膜)の例を示す模式図である。
【0024】
図1の磁気抵抗効果素子は、下地電極11、下地層12、第3の反強磁性層AF3、第4の磁化固着層(第4のピン層)P4、第4の非磁性中間層(第4のスペーサ層)S4、第2の磁化自由層(フリー層)F2、第3の非磁性中間層(第3のスペーサ層)S3、第3の磁化固着層(第3のピン層)P3、第2の反強磁性層AF2、第2の磁化固着層(第2のピン層)P2、第2の非磁性中間層(第2のスペーサ層)S2、第1の磁化自由層(第1のフリー層)F1、第1の非磁性中間層(第1のスペーサ層)S1、第1の磁化固着層(第1のピン層)P1、第1の反強磁性層AF1、保護層13、および上部電極14をこの順に積層した構造を有する。
【0025】
図2の磁気抵抗効果素子は、図1の変形例であり、下地電極11、下地層12、第4の反強磁性層AF4、第4の磁化固着層(第4のピン層)P4、第4の非磁性中間層(第4のスペーサ層)S4、第2の磁化自由層(フリー層)F2、第3の非磁性中間層(第3のスペーサ層)S3、第3の磁化固着層(第3のピン層)P3、第3の反強磁性層AF3、中間層15、第2の反強磁性層AF2、第2の磁化固着層(第2のピン層)P2、第2の非磁性中間層(第2のスペーサ層)S2、第1の磁化自由層(第1のフリー層)F1、第1の非磁性中間層(第1のスペーサ層)S1、第1の磁化固着層(第1のピン層)P1、第1の反強磁性層AF1、保護層13、および上部電極14をこの順に積層した構造を有する。すなわち、図2の磁気抵抗効果素子では、第3のピン層P3と第2のピン層P2との間に、反強磁性層AF3/中間層15/反強磁性層AF2を挟んでいる点で図1と異なる。
【0026】
これらの磁気抵抗効果素子の上下に設けられた一対の電極11、14により、膜面に対して略垂直方向にセンス電流が通電される。
【0027】
第1の実施形態に係る磁気抵抗効果素子では、第1の磁化自由層(第1のフリー層)F1と第2の磁化自由層(第2のフリー層)F2との間に挟まれる薄膜によって実質的な磁気ギャップが規定されるので、従来のシールド型磁気ヘッドよりも狭ギャップを実現でき、超高記録密度に対応することが可能となる。このため、本発明の実施形態に係る磁気抵抗効果素子では、磁気ギャップを規定するために、一対の磁気シールドを設ける必要はない。磁気シールドを設けてもよいが、その場合でも第1のフリー層F1と第2のフリー層F2との間が実質的な磁気ギャップとなることに変わりはない。また、一対の電極11、14に磁気シールドの作用を兼ねさせることもできる。
【0028】
第1の実施形態に係る磁気抵抗効果素子においては、第1の磁化固着層(第1のピン層)P1の磁化固着方向と第2の磁化固着層(第2のピン層)P2の磁化固着方向とは略平行であり、第3の磁化固着層(第3のピン層)P3の磁化固着方向と第4の磁化固着層(第4のピン層)P4の磁化固着方向とは略平行であり、第2の磁化固着層(第2のピン層)P2の磁化固着方向と第3の磁化固着層(第3のピン層)P3の磁化固着方向とは略反平行である。
【0029】
第1〜第4の磁化固着層の磁化固着方向を上記のように規定することにより、垂直磁気記録媒体からの読み取り信号に対して、2端子の差動動作が可能となる。また、記録ビットの磁化遷移に対応してピークが現れる出力波形が得られるので、従来の信号処理回路を用いて再生することが可能となる。
【0030】
第1〜第4の磁化固着層の磁化固着方向を上記のように規定するには、第1の磁化固着層と第2の磁化固着層との組および第3の磁化固着層と第4の磁化固着層との組のうち、一方の組のそれぞれの磁化固着層を単層の強磁性層または奇数層の強磁性層と非磁性層との積層体とし、他方の組のそれぞれの磁化固着層を偶数層の強磁性層と非磁性層との積層体とするように設計することが好ましい。
【0031】
上記の積層体は、強磁性層/非磁性層/強磁性層の積層構造を基本とし、「シンセティック構造」と呼ばれ、強磁性層と非磁性層の反強磁性的結合を利用するものである。非磁性層にはRu(ルテニウム)などが用いられる。それぞれの強磁性層は非磁性層(たとえばRu層)を介して反強磁性的結合をする。このようなシンセティック構造の磁化固着層の磁化を固着するためには、一方向に磁界を付与しつつ熱処理(固着熱処理)するのが一般的である。基本構造である強磁性層/非磁性層/強磁性層のシンセティック構造では、1回の固着熱処理によって非磁性層の上下にある2層の強磁性層の磁化を略反平行に固着することができる。
【0032】
図3に、第1〜第4の磁化固着層をシンセティック構造とした第1の実施形態の磁気抵抗効果素子の模式図を示す。この図では、第1および第2の磁化固着層P1、P2が3層(奇数層)の強磁性層を含むシンセティック構造、第3および第4の磁化固着層P3、P4が2層(偶数層)の強磁性層を含むシンセティック構造となっている。なお、この図では、簡略化のために、磁化固着層を構成する強磁性層間の非磁性層を省略している。また、この図では、それぞれの磁化固着層を構成する各強磁性層の磁化方向を矢印で表示している。
【0033】
具体的には、図3の磁気抵抗効果素子は、第3の反強磁性層AF3、2層の強磁性層P42およびP41を含む第4の磁化固着層(第4のピン層)P4、第4の非磁性中間層(第4のスペーサ層)S4、第2の磁化自由層(フリー層)F2、第3の非磁性中間層(第3のスペーサ層)S3、2層の強磁性層P32およびP31を含む第3の磁化固着層(第3のピン層)P3、第2の反強磁性層AF2、3層の強磁性層P23、P22およびP21を含む第2の磁化固着層(第2のピン層)P2、第2の非磁性中間層(第2のスペーサ層)S2、第1の磁化自由層(第1のフリー層)F1、第1の非磁性中間層(第1のスペーサ層)S1、3層の強磁性層P13、P12およびP11を含む第1の磁化固着層(第1のピン層)P1、および第1の反強磁性層AF1をこの順に積層した構造を有する。
【0034】
第1〜第4の磁化固着層P1〜P4を図3のような積層構造(シンセティック構造)に設計することにより、1回(一方向)の固着熱処理によって、4つの磁化固着層P1〜P4を構成する強磁性層のうち非磁性中間層(スペーサ層)に最も近い強磁性層の磁化方向を所定の平行・反平行状態とすることが可能となる。すなわち、P13の磁化固着方向とP21の磁化固着方向とは略平行であり、P32の磁化固着方向とP41の磁化固着方向とは略平行であり、P21の磁化固着方向とP32の磁化固着方向とは略反平行である。
【0035】
このとき、第1の磁化固着層P1のうち強磁性層P11は最も近い反強磁性層である第1の反強磁性層AF1との交換結合により磁化固着され、第2の磁化固着層P2のうち強磁性層P23と第3の磁化固着層P3のうち強磁性層P31は最も近い反強磁性層である第2の反強磁性層AF2との交換結合により磁化固着され、第4の磁化固着層P4のうち強磁性層P42は最も近い反強磁性層である第3の反強磁性層AF3との交換結合により磁化固着される。すなわち、P11、P23、P32およびP42は実質的に一方向(図3では右方向)に磁化固着され、これらの強磁性層の磁化固着方向はすべて平行となる。
【0036】
また、図1(または図3)の磁気抵抗効果素子では、第2の磁化固着層P2(またはP23)と第3の磁化固着層P3(またはP31)が同一の第2の反強磁性層AF2との交換結合により実質的に一方向に磁化固着される。このように、反強磁性層を共用化することができるので、通常考えられるCPP型デュアル・スピンバルブ構造よりも一層の反強磁性層を減らすことができる。したがって、CPP通電した場合の寄生抵抗を小さくすることができ、MR変化率を向上することができる。この結果、ヘッド出力を信号処理する際に、ノイズの低減が可能となる。
【0037】
さらに、第2の反強磁性層の膜厚を第1の反強磁性層と第3の反強磁性層の膜厚よりも薄くすることが望ましい。これにより、2つのフリー層間の間隔が短くなり、線方向(ビット方向)の分解能を向上することが可能となる。
【0038】
次に、図4(a)、(b)、図5(a)、(b)、図6(a)、(b)および図7を参照して、第1の実施形態に係る磁気抵抗効果型ヘッドの動作原理について説明する。
【0039】
図4〜図6は、本実施形態の磁気ヘッドによって垂直磁気記録媒体に記録された記録ビットを読み取る動作を表す説明図である。図4(a)、図5(a)および図6(a)は第1〜第4のピン層P1〜P4および第1、第2のフリー層F1、F2の磁化方向を示す斜視図である。これらの図においては、手前側が媒体対抗面(ABS)である。第1のピン層P1および第2のピン層P2の磁化方向は上向き(アップ)である。第3のピン層P3および第4のピン層P4の磁化方向は下向き(ダウン)である。また、図4(b)、図5(b)および図6(b)は、垂直磁気記録媒体1の上方に磁気ヘッドが配置された状態を示す模式図である。これらの図においては、垂直磁気記録媒体1に対する磁気ヘッドの相対的な走行移動方向が矢印A方向であることを示している。垂直磁気記録媒体1には、記録ビットB1、B2、・・・が形成されていると想定している。
【0040】
図7は、図4〜図6の状態にある磁気ヘッドからの出力波形(ΔV=I×Δρ)を表す図である。
【0041】
本実施形態に係る磁気ヘッドにおいては、2つのフリー層F1、F2によって磁気記録媒体1に記録された信号を互いに独立に検知する。つまり、2つの第1および第2のフリー層F1、F2は、異なる磁気記録信号磁界すなわち記録ビット磁界を検出する。
【0042】
図4は、第1のフリー層F1と第2のフリー層F2との間のギャップ部Gの直下を、同方向(アップ)の磁化を有する記録ビットB1とB2の遷移領域が通過する瞬間を示している。この時には、第1および第2のフリー層F1、F2の磁化方向もこれら記録ビットに対応した同方向となる。より具体的には、同図(a)に示したように、第1〜第4のピン層P1〜P4の磁化方向に対して膜面内で傾斜した方向となる。2つのフリー層F1、F2の磁化方向は同方向で略平行である。ここで、ギャップ部Gの直下を、両方ともダウンの磁化を有する記録ビットの遷移領域が通過すると、2つのフリー層F1、F2の磁化方向は同図(a)に破線で示したようになる。
【0043】
一方、図5に示したように、ギャップ部Gの下を、記録ビットB2(アップ)と記録ビットB3(ダウン)との遷移領域が通過する瞬間には、これに対応して、第1のフリー層F1と第2のフリー層F2の磁化方向は膜面内において互いに逆方向に傾斜するように遷移する。
【0044】
また、図6に示したように、ギャップ部Gの下を、記録ビットB4(ダウン)と記録ビットB5(アップ)との遷移領域が通過する瞬間にも、これに対応して、第1のフリー層F1と第2のフリー層F2の磁化方向は膜面内において互いに逆方向に傾斜するように遷移する。
【0045】
つまり、ギャップ部Gの直下で記録ビットの磁化方向が遷移する瞬間には、第1および第2のフリー層F1、F2の磁化方向もこれに合わせて互いに反転し、第1および第2のフリー層F1、F2によって磁路が形成される。
【0046】
図7に、図4〜図6の状態での出力を示す。すなわち、図4のように、2つのフリー層F1、F2間のギャップ部の直下において記録ビットの磁化遷移が生じない場合には、図7にaとして表したように、出力波形はフラットである。これに対して、図5および図6のように、2つのフリー層F1、F2間のギャップ部の直下において記録ビットの磁化遷移があると、図7のbおよびcとして表したように、磁気遷移に対応して出力波形にピークが現れる。より具体的には、記録ビットが「(アップ)→(ダウン)」に遷移する時と、「(ダウン)→(アップ)」と遷移する時で、極性が反転したピークを持つ出力波形が得られる。
【0047】
これは、上述したように、4つのピン層のうち、第1と第2のピン層の磁化固着方向を略平行、第3と第4のピン層の磁化固着方向を略平行、第2と第3のピン層の磁化固着方向を略反平行としたことにより、磁気抵抗効果素子の膜面に対して垂直に通電すると、必然的に差動原理が働くからである。一般的には差動出力を得るためには3端子が必要とされるが、本実施形態に係る磁気ヘッドによれば、上下に設けた電極の2端子のみで差動出力を得ることが可能となる。
【0048】
なお、本実施形態に係る磁気ヘッドにおいて、3端子による差動を取る場合には、第3の電極の一部として、第2の反強磁性層AF2(または図2の中間層15)などを使用することが望ましい。3端子差動においては、第2と第3のピン層の磁化固着方向が略反平行でなく、略平行であってもよい。ただし、第2と第3のピン層の磁化固着方向が略平行の場合に差動を取るためには電気回路的に差し引くような回路を形成しなければならない。このような構成により、上述した2端子差動ヘッドと同様な効果が得られる。
【0049】
図7に例示した出力波形は、従来の磁気抵抗効果ヘッドを用いた面内磁気記録システムにおいて得られるものと同様である。従って、本発明によれば、従来の磁気記録再生システムにおける再生信号処理部の回路やシステムを変更することなく、垂直磁気記録媒体の信号磁化を検出することができる。その結果として、微分回路などを付加することに伴うS/Nの低下などの問題も解消することができる。
【0050】
また、本実施形態に係る磁気ヘッドは、差動動作を取り入れているために、媒体と磁気ヘッドの接触により発生するサーマルアスペリティに対する耐性が向上する。一般的なシールド型ヘッドでは、上記のサーマルアスペリティによりベースラインシフト、すなわち、図7中のaで示されるベースラインが一定にならない問題や、媒体信号磁界に起因する以外の異常ピークの問題などが発生する。しかし、本実施形態に係る磁気ヘッドにおいては、これらの問題を回避することが可能となる。
【0051】
さらに、本実施形態に係る磁気ヘッドにおいては、記録ビットの磁化遷移の検出分解能が、2つのフリー層間のギャップ部G(実質的な磁気ギャップとして機能する)の膜厚により決定される。ただし、第1および第2のフリー層により磁路が形成されるため、線記録密度方向の分解能は上述したギャップ部Gの厚さよりは若干広めとなる。しかし、従来のシールド型磁気ヘッドと比べると、飛躍的な狭ギャップ化が可能となり、超高密度記録システムを実現することが可能となる。
【0052】
次に、本発明の第2の実施形態に係る磁気抵抗効果素子について説明する。この磁気抵抗効果素子は、磁気抵抗効果膜と、センス時に磁気抵抗効果膜の膜面に対して略垂直な方向に電流を通電する、前記磁気抵抗効果膜の上下に電気的に接続された一対の電極とを備える。前記磁気抵抗効果膜は、第1および第2の磁化自由層と、第1および第2の磁化固着層と、第1の磁化自由層と第1の磁化固着層との間に設けられた第1の非磁性中間層と、第2の磁化自由層と第2の磁化固着層との間に設けられた第2の非磁性中間層とを有し、第1の非磁性中間層と第2の非磁性中間層との間に第1の磁化固着層と第2の磁化固着層が設けられ、第1の磁化固着層と第2の磁化固着層を交換結合により磁化固着させる共通の反強磁性層が設けられた構造を有する。
【0053】
図8は、本発明の第2の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の例を示す模式図である。図8の磁気抵抗効果素子は、下地電極11、下地層12、第2の磁化自由層(フリー層)F2、第2の非磁性中間層(第2のスペーサ層)S2、第2の磁化固着層(第2のピン層)P2、反強磁性層AF、第1の磁化固着層(第1のピン層)P1、第1の非磁性中間層(第1のスペーサ層)S1、第1の磁化自由層(第1のフリー層)F1、保護層13、および上部電極14をこの順に積層した構造を有する。
【0054】
図8の磁気抵抗効果素子は、図1の磁気抵抗効果素子から、保護層と第1の磁化自由層との間の第1の反強磁性層、第1の磁化固着層および第1の非磁性中間層、ならびに第2の磁化自由層と下地層との間の第4の非磁性中間層、第4の磁化固着層および第3の反強磁性層を取り除いた構造と等価である。
【0055】
第1の実施形態に係る磁気抵抗効果素子においては、第1の磁化固着層(第1のピン層)P1の磁化固着方向と第2の磁化固着層(第2のピン層)P2の磁化固着方向とは略反平行であり、第1の磁化固着層(第1のピン層)P1と第2の磁化固着層(第2のピン層)P2は同一の反強磁性層AFとの交換結合により磁化固着されている。
【0056】
第1および第2の磁化固着層の磁化固着方向を上記のように規定するには、第1の磁化固着層および第2の磁化固着層のうち、一方の磁化固着層を単層の強性層または奇数層の強磁性層と非磁性層との積層体(シンセティック構造)とし、他方の磁化固着層を偶数層の強磁性層と非磁性層との積層体(シンセティック構造)とするように設計することが好ましい。
【0057】
図9に、第1および第2の磁化固着層をシンセティック構造とした第2の実施形態の磁気抵抗効果素子の模式図を示す。この図では、第1の磁化固着層P1が3層(奇数層)の強磁性層を含むシンセティック構造、第2の磁化固着層P2が2層(偶数層)の強磁性層を含むシンセティック構造となっている。なお、この図では、簡略化のために、磁化固着層を構成する強磁性層間の非磁性層を省略している。また、この図では、それぞれの磁化固着層を構成する各強磁性層の磁化方向を矢印で表示している。
【0058】
具体的には、図9の磁気抵抗効果素子は、第2の磁化自由層(フリー層)F2、第2の非磁性中間層(第2のスペーサ層)S2、2層の強磁性層P22およびP21を含む第2の磁化固着層(第2のピン層)P2、反強磁性層AF、3層の強磁性層P13、P12およびP11を含む第1の磁化固着層(第1のピン層)P1、第1の非磁性中間層(第1のスペーサ層)S1、および第1の磁化自由層(第1のフリー層)F1をこの順に積層した構造を有する。
【0059】
第1および第2の磁化固着層P1、P2を図9のような積層構造(シンセティック構造)に設計することにより、1回(一方向)の固着熱処理によって、2つの磁化固着層P1、P2を構成する強磁性層のうち非磁性中間層(スペーサ層)に最も近い強磁性層の磁化方向を所定の反平行状態とすることが可能となる。すなわち、P11の磁化固着方向とP22の磁化固着方向とは略反平行である。
【0060】
このとき、第1の磁化固着層P1のうち強磁性層P13と第2の磁化固着層P2のうち強磁性層P21は同一の反強磁性層AFとの交換結合により磁化固着され、P13およびP22は実質的に一方向(図9では右方向)に磁化固着される。
【0061】
第2の実施形態に係る磁気抵抗効果素子も、図4〜図6に示されるような第1の実施形態に係る磁気抵抗効果素子と同様な動作原理で動作する。具体的には、図4〜図6において、第1のピン層および第4のピン層を削除し、第2のピン層および第3のピン層をそれぞれ第1のピン層および第2のピン層と置き換えることで説明できる。第2の実施形態の磁気抵抗効果素子でも差動動作が働くので、図7と同様な出力波形が得られる。
【0062】
第2の実施形態の磁気抵抗効果素子では、反強磁性層が1層しかないために素子抵抗を非常に小さく抑えることが可能であり、MR変化率を向上することが可能である。
【0063】
以下、本発明の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の構成材料や設計について詳述する。
【0064】
まず、磁化自由層(フリー層)について説明する。本発明の実施形態においては、第1のフリー層および第2のフリー層は、媒体対向面において垂直磁気記録媒体からの外部磁界に対してお互いに独立に磁化方向を変化することができる。これらフリー層の材料としては、Co(コバルト)、Fe(鉄)、Ni(ニッケル)またはそれらを含む合金を用いることができる。具体的には、Co90Fe10(at%)合金、CoFeNi合金、またはNi80Fe20合金(パーマロイ)が挙げられる。実際のフリー層構成としては、例えば、CoFe/NiFe積層膜、(CoFe/Cu)n/CoFe(n:1以上の整数)積層膜、(FeCo/Cu)n/FeCo(n:1以上の整数)積層膜などが用いられている。
【0065】
本発明の実施形態においては、第1フリー層と第2フリー層に対して、硬磁性膜(ハードバイアス膜と呼ばれる)または反強磁性膜(パターンドバイアス膜と呼ばれる)によりフリー層のトラック幅方向に磁気バイアスを印加することによって、異方性制御および磁区制御(これらはバイアス制御と総称される)を行うことが望ましい。ハードバイアス膜はフリー層の媒体対向面トラック幅方向の両サイドに形成される。また、パターンドバイアス膜は媒体対向面トラック幅方向のフリー層の両端部に接するように形成され、フォトリソグラフィーとエッチングによりパターニングされる。
【0066】
その他の磁気バイアス方法としては、積層バイアス(インスタック・バイアス膜)や長距離交換結合バイアスなどがある。積層バイアスの場合には、フリー層に接するようにフリー層/スペーサ層(Cu、Ru、Ta、Tiなどの層間交換結合を切るための積層膜)/バイアス強磁性層/反強磁性層あるいはフリー層/スペーサ層/バイアス硬磁性層(例えば、CoPt系合金、CoCr系合金など)などが形成される。長距離交換結合バイアスの場合には、フリー層に接するようにフリー層/スペーサ層(Cuなどの極薄膜。膜厚は2nm以下。)/反強磁性層の積層膜が形成される。
【0067】
次に、磁化固着層(ピン層)および反強磁性層について説明する。本発明の実施形態において、第1〜第4の磁化固着層(ピン層)の磁化は、反強磁性層との交換結合により一方向に磁化固着される。反強磁性層の材料としては、Pt(白金)、Ir(イリジウム)、Rh(ロジウム)、Ru(ルテニウム)またはPd(パラジウム)などを含むMn(マンガン)系合金が用いられる。具体的には、PtMn合金、PtPdMn合金、IrMn合金が挙げられる。
【0068】
第1〜第4の磁化固着層の強磁性層としては、CoFe系合金あるいはNiFe系合金がよく用いられ、非磁性層としてはRu、Irなどがよく用いられる。実際の層構成としては、例えば、偶数層強磁性層積層の場合はCoFe/Ru/CoFe、奇数層強磁性積層の場合はCoFe/Ru/CoFe/Ru/CoFeなどがよく用いられる。また、ピン層の強磁性層としてCoFe層を極薄非磁性Cu層で積層するCoFe/Cu積層膜の場合やCoFe/NiFeあるいはCoFe/FeCo積層膜などのような異種強磁性層の積層膜が用いられることはMR変化率を向上させる上で望ましい。
【0069】
次に、非磁性中間層について説明する。磁気抵抗効果素子の第1〜第4の非磁性中間層には、一般的な金属系CPP−GMR膜の場合には、1nmから10nm程度の厚さを有する金属Cuが用いられる。また、TMR(トンネル磁気抵抗効果)膜を用いる場合には、第1〜第4の非磁性中間層としてトンネルバリア層となる絶縁膜、例えば、Alのような酸化物、あるいはAlNなどのような窒化物、あるいは、酸窒化物が用いられる。さらに、上記非磁性中間層で電流狭窄効果を取り入れる場合には、Al−Cu−O、Cr−Cu−Oなどのような酸化物が用いられる。この酸化物は厚さが0.5nm〜5nm程度の厚さで使用が可能である。この場合、Cu、Auなどの金属層でサンドイッチされたCu(Au)/酸化物/Cu(Au)などの構成も用いられる。
【0070】
次に、本発明の実施形態に係る磁気抵抗効果素子における磁気ギャップについて説明する。2つのフリー層間の間隔は、実質的なギャップ長に対応するため、適用される磁気記録再生システムの線記録密度に応じて決定される。そして、2つのフリー層の膜厚も、記録ビットからの信号磁界の分布に合わせて決定することが望ましい。個々の記録ビットからの信号磁界に対する検出分解能を確保し、かつ磁束の吸い込みを円滑に実現するためには、2つのフリー層の膜厚を2つのフリー層の間隔よりも薄くすることが望ましい。
【0071】
一方、磁気回路としての特性を考慮した場合には、磁束効率を確保するという観点から、2つのフリー層間の間隔を1nm以上50nm以下とすることが望ましい。1nm未満の場合には、2つのフリー層間で層間交換結合および静磁結合が働き、感度が低下する。50nmより大きい場合には、2つのフリー層間で磁気回路が形成されない。さらに、2つのフリー層間の間隔を10nm以上20nm以下とすることがより望ましい。
【0072】
上述したような狭いギャップ中にスペーサ層/ピン層/反強磁性層/ピン層スペーサ層を形成する。この場合、反強磁性層の材料として、十分な薄膜化が可能なIrMn合金反強磁性膜を用いることが好ましい。
【0073】
次に、本発明の実施形態に係る磁気ヘッドにおけるシールドについて説明する。上述したように本発明の実施形態に係る磁気ヘッドでは、2つのフリー層間の間隔によって線記録密度方向の分解能が決定され、実質的な磁気ギャップが規定されるので、従来のシールド型磁気ヘッドのように磁気ギャップを規定するために一対の磁気シールドを設ける必要はない。
【0074】
ただし、本発明の実施形態においても、一対の磁気シールドを設けることによって、外部磁界などによる外乱を抑制する効果は得られるので、この点からは磁気シールドを設置することが望ましい。具体的には、本発明の実施形態に係る磁気ヘッドに磁気シールドを設置することにより、再生出力波形のPW50(図7に例示したような再生パルス波形の半値幅)を小さくすることが可能となる。
【0075】
磁気シールドの材料としてはNiFe(パーマロイ)などが挙げられる。磁気シールドと磁気抵抗効果膜との間に絶縁層を設けて電極を埋め込む場合、絶縁層の材料としてはAl(アルミナ)やSiOなどが用いられる。
【0076】
次いで、従来および本発明に係る磁気ヘッドについて、マイクロマグネティックスによるシミュレーションを行った。図10〜図13にはこの計算で用いた磁気ヘッドにおけるCPP−SV膜構造を示している。図10は従来のシールド型シングル・スピンバルブ(シングルSV)ヘッド、図11は従来のシールド型デュアル・スピンバルブ(デュアルSV)ヘッド、図12は本発明の実施形態1に係る磁気抵抗効果ヘッド、図13は本発明の実施形態2に係る磁気抵抗効果ヘッドである。図12または図13のモデル膜では、中央部の反強磁性膜(AF2またはAF)としてIrMnを用いている。Cuスペーサ層の厚さは2nm、Co90Fe10ピン層の厚さは3nmとしている。計算結果を表1に示す。
【0077】
【表1】
Figure 2004103730
【0078】
従来のシールド型シングルSVヘッドではMR変化率が十分でない。従来のシールド型デュアルSVヘッドでは、MR変化率は大きいものの、超狭ギャップ化した場合にシールド間にCPP−SV膜を形成することが困難であり、高線記録密度で対応できない。
【0079】
これらに対し、本発明の実施形態に係る磁気抵抗効果ヘッドは、効率が従来の磁気ヘッドよりも高く、MR変化率に関してもシングルSVヘッドよりも向上することがわかった。また、磁気ギャップが約19nmであり、良好な分解能が得られる。
【0080】
具体的には、本発明の実施形態1の磁気抵抗効果ヘッドでは、MR変化率がシングルSVヘッドと比較して1.3倍になることがわかった。また、最終的なヘッド出力がデュアルSVヘッドと比較しても優れていることがわかる。
【0081】
本発明の実施形態2の磁気抵抗効果ヘッドでも、最終的なヘッド出力が従来のシングルSVヘッドと比べて、1.4倍になることがわかった。
【0082】
上述したように、本発明の実施形態に係る磁気抵抗効果素子および磁気ヘッドは、非常に大きな出力を期待することができ、今後の超高記録密度化および超高線記録密度化に非常に適していることがわかった。
【0083】
次に、本発明の実施形態に係る磁気抵抗効果素子を搭載した磁気再生装置について説明する。本発明の実施形態に係る磁気抵抗効果素子または磁気ヘッドは、例えば、記録再生一体型の磁気ヘッドアセンブリに組み込まれ、磁気記録再生装置に搭載することができる。
【0084】
図14は、このような磁気記録再生装置の概略構成を例示する要部斜視図である。磁気記録再生装置150は、ロータリーアクチュエータを用いた形式の装置である。同図において、垂直磁気記録用媒体ディスク200は、スピンドル152に装着され、図示しない駆動装置制御部からの制御信号に応答する図示しないモータにより矢印Aの方向に回転する。磁気記録再生装置150は、複数の媒体ディスク200を備えていてもよい。
【0085】
媒体ディスク200に格納する情報の記録再生を行うヘッドスライダ153は、薄膜状のサスペンション154の先端に取り付けられている。ヘッドスライダ153は、前述したいずれかの実施形態に係る磁気抵抗効果素子または磁気ヘッドをその先端付近に搭載している。
【0086】
媒体ディスク200が回転すると、ヘッドスライダ153の媒体対向面(ABS)は媒体ディスク200の表面から所定の浮上量をもって保持される。またはスライダが媒体ディスク200と接触するいわゆる「接触走行型」であってもよい。
【0087】
サスペンション154は、図示しない駆動コイルを保持するボビン部などを有するアクチュエータアーム155の一端に接続されている。アクチュエータアーム155の他端には、リニアモータの一種であるボイスコイルモータ156が設けられている。ボイスコイルモータ156は、アクチュエータアーム155のボビン部に巻き上げられた図示しない駆動コイルと、このコイルを挟み込むように対向して配置された永久磁石および対向ヨークからなる磁気回路とから構成される。
【0088】
アクチュエータアーム155は、軸157の上下2箇所に設けられた図示しないボールベアリングによって保持され、ボイスコイルモータ156により回転摺動が自在にできるようになっている。
【0089】
図15は、アクチュエータアーム155から先の磁気ヘッドアセンブリをディスク側から眺めた拡大斜視図である。すなわち、磁気ヘッドアッセンブリ160は、例えば駆動コイルを保持するボビン部などを有するアクチュエータアーム155を有し、アクチュエータアーム155の一端にはサスペンション154が接続されている。サスペンション154の先端には、本発明の実施形態に係る磁気抵抗効果素子または磁気ヘッドを具備するヘッドスライダ153が取り付けられている。サスペンション154は信号の書き込みおよび読み取り用のリード線164を有し、このリード線164とヘッドスライダ153に組み込まれた磁気ヘッドの各電極とが電気的に接続されている。図中165は磁気ヘッドアッセンブリ160の電極パッドである。本発明によれば、上述したような磁気抵抗効果素子または磁気ヘッドを具備することにより、従来よりも大幅に高い記録密度で垂直磁気記録媒体ディスク200に磁気的に記録された情報を確実に読み取ることが可能となる。
【0090】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。例えば、磁気抵抗効果素子を構成する各要素の具体的な寸法や材料、その他、電極、バイアス印加膜、絶縁膜などの形状や材質に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0091】
また、磁気抵抗効果素子における反強磁性層、ピン層、スペーサ層、フリー層などの構成要素は、それぞれ単層として形成してもよいし、2以上の層を積層した構造としてもよい。
【0092】
また、本発明の磁気抵抗効果素子を再生用磁気ヘッドに適用する際に、これと隣接して書き込み用の磁気ヘッドを設けることにより、記録再生一体型の磁気ヘッドが得られる。
【0093】
さらに、本発明の磁気再生装置は、特定の垂直磁気記録媒体を定常的に備えたいわゆる固定式のものでも良く、一方、記録媒体が差し替え可能ないわゆる「リムーバブル」方式のものでも良い。
【0094】
その他、本発明の実施形態として上述した磁気ヘッドおよび磁気記録再生装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施しうるすべての磁気抵抗効果素子、磁気ヘッドおよび磁気記録再生装置も同様に本発明の範囲に属する。
【0095】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、従来のシールド型磁気ヘッドよりも高い検出感度、すなわち高磁束効率および高MR変化率を有し、将来の高磁気記録密度化に対応可能な高感度な磁気抵抗効果素子と、これを用いた磁気ヘッドおよび磁気再生装置を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の層構成を示す模式図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の他の層構成を示す模式図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の磁化固着層の磁化方向を示す模式図。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る磁気ヘッドによって垂直磁気記録媒体に記録された記録ビットを読み取る動作を説明する図。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る磁気ヘッドによって垂直磁気記録媒体に記録された記録ビットを読み取る動作を説明する図。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る磁気ヘッドによって垂直磁気記録媒体に記録された記録ビットを読み取る動作を説明する図。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る磁気ヘッドによる出力波形(ΔV=I×Δρ)を示す図。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の層構成を示す模式図。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の磁化固着層の磁化方向を示す模式図。
【図10】従来のシールド型シングルSVヘッドの層構成を示す模式図。
【図11】従来のシールド型デュアルSVヘッドの層構成を示す模式図。
【図12】本発明の実施形態1に係る磁気抵抗効果素子の層構成を示す模式図。
【図13】本発明の実施形態2に係る磁気抵抗効果素子の層構成を示す模式図。
【図14】本発明の実施形態に係る磁気記録再生装置の概略構成を示す斜視図。
【図15】図14の磁気記録再生装置に用いられる磁気ヘッドアセンブリをディスク側から眺めた斜視図。
【図16】従来のシールド型シングルSVヘッドを垂直磁気記録媒体に対して適用したシステムを示す模式図、およびヘッドから得られる出力波形を示す図。
【符号の説明】
11…下部電極
12…下地層
13…保護層
14…上部電極
15…中間層
F1、F2…磁化自由層(フリー層)
P1〜P4…磁化固着層(ピン層)
S1〜S4…非磁性中間層(スペーサ層)
AF1〜AF4…反強磁性層
150…磁気記録再生装置
152…スピンドル
153…ヘッドスライダ
154…サスペンション
155…アクチュエータアーム
156…ボイスコイルモータ
157…軸
160…磁気ヘッドアッセンブリ
164…リード線
165…電極パッド
200…垂直磁気記録媒体ディスク

Claims (7)

  1. 磁気抵抗効果膜と、センス時に前記磁気抵抗効果膜の膜面に対して略垂直な方向に電流を通電する、前記磁気抵抗効果膜の上下に電気的に接続された一対の電極とを備え、
    前記磁気抵抗効果膜は、
    磁化方向が外部磁界に対応して変化する強磁性膜を有する第1の磁化自由層と、磁化方向が外部磁界に対応して変化する強磁性膜を有する第2の磁化自由層と、磁化方向が実質的に一方向に固着された強磁性膜を有する第1の磁化固着層と、磁化方向が実質的に一方向に固着された強磁性膜を有する第2の磁化固着層と、磁化方向が実質的に一方向に固着された強磁性膜を有する第3の磁化固着層と、磁化方向が実質的に一方向に固着された強磁性膜を有する第4の磁化固着層と、前記第1の磁化自由層と前記第1の磁化固着層との間に設けられた第1の非磁性中間層と、
    前記第1の磁化自由層と前記第2の磁化固着層との間に設けられた第2の非磁性中間層と、
    前記第2の磁化自由層と前記第3の磁化固着層との間に設けられた第3の非磁性中間層と、
    前記第2の磁化自由層と前記第4の磁化固着層との間に設けられた第4の非磁性中間層とを有し、
    前記第2の非磁性中間層と前記第3の非磁性中間層との間に前記第2の磁化固着層と前記第3の磁化固着層が設けられ、
    前記第1の磁化固着層の前記磁化固着方向と前記第2の磁化固着層の前記磁化固着方向とは略平行であり、
    前記第3の磁化固着層の前記磁化固着方向と前記第4の磁化固着層の前記磁化固着方向とは略平行であり、
    前記第2の磁化固着層の前記磁化固着方向と前記第3の磁化固着層の前記磁化固着方向とは略反平行であることを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  2. 前記第1の磁化固着層と前記第2の磁化固着層との組および前記第3の磁化固着層と前記第4の磁化固着層との組のうち、一方の組のそれぞれの磁化固着層が単層の強磁性層または奇数層の強磁性層と非磁性層との積層体からなり、他方の組のそれぞれの磁化固着層が偶数層の強磁性層と非磁性層との積層体からなることを特徴とする請求項1に記載の磁気抵抗効果素子。
  3. 前記第1の磁化固着層は第1の反強磁性層との交換結合により磁化固着され、
    前記第2の磁化固着層と前記第3の磁化固着層は第2の反強磁性層との交換結合により磁化固着され、
    前記第4の磁化固着層は第3の反強磁性層との交換結合により磁化固着されていることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気抵抗効果素子。
  4. 磁気抵抗効果膜と、センス時に前記磁気抵抗効果膜の膜面に対して略垂直な方向に電流を通電する、前記磁気抵抗効果膜の上下に電気的に接続された一対の電極とを備え、
    前記磁気抵抗効果膜は、
    磁化方向が外部磁界に対応して変化する強磁性膜を有する第1の磁化自由層と、磁化方向が外部磁界に対応して変化する強磁性膜を有する第2の磁化自由層と、磁化方向が実質的に一方向に固着された強磁性膜を有する第1の磁化固着層と、磁化方向が実質的に一方向に固着された強磁性膜を有する第2の磁化固着層と、前記第1の磁化自由層と前記第1の磁化固着層との間に設けられた第1の非磁性中間層と、
    前記第2の磁化自由層と前記第2の磁化固着層との間に設けられた第2の非磁性中間層とを有し、
    前記第1の非磁性中間層と前記第2の非磁性中間層との間に前記第1の磁化固着層と前記第2の磁化固着層が設けられ、
    前記第1の磁化固着層の前記磁化固着方向と前記第2の磁化固着層の前記磁化固着方向とは略反平行であり、
    前記第1の磁化固着層と前記第2の磁化固着層は同一の反強磁性層との交換結合により磁化固着されていることを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  5. 前記第1の磁化固着層および前記第2の磁化固着層のうち、一方の磁化固着層が単層の強磁性層または奇数層の強磁性層と非磁性層との積層体からなり、他方の磁化固着層が偶数層の強磁性層と非磁性層との積層体からなることを特徴とする請求項4に記載の磁気抵抗効果素子。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子を備えたことを特徴とする磁気ヘッド。
  7. 請求項6に記載の磁気ヘッドと、垂直磁気記録媒体とを備えたことを特徴とする磁気再生装置。
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