JP2002314165A - 磁気抵抗効果型素子とそれを用いた薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッド装置、磁気ディスク装置 - Google Patents

磁気抵抗効果型素子とそれを用いた薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッド装置、磁気ディスク装置

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JP2002314165A JP2001115657A JP2001115657A JP2002314165A JP 2002314165 A JP2002314165 A JP 2002314165A JP 2001115657 A JP2001115657 A JP 2001115657A JP 2001115657 A JP2001115657 A JP 2001115657A JP 2002314165 A JP2002314165 A JP 2002314165A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部ノイズを低減し、高S/N比の再生情報
を得ることのできる、新規なCPP型の磁気抵抗効果型
素子を提供する。 【解決手段】 磁気抵抗効果膜1を挟む、第1の上部シ
ールド膜2の上方及び第1の下部シールド膜3の下方
に、第2の上部シールド膜4及び第2の下部シールド膜
5を形成する。第1の上部シールド膜2及び第1の下部
シールド膜3は、磁気抵抗効果膜1に対する電流供給層
として、リード膜としても機能させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気抵抗効果型素
子に関し、詳しくは薄膜磁気ヘッドにおける読み取り素
子として好適に用いることのできる磁気抵抗効果型素
子、及びこれを用いた薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッド装
置、磁気ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体は、この記録媒体中の磁化
方向を利用することによって情報を保存している。そし
て、近年の磁気記録媒体における高密度化の要請に伴
い、磁気記録媒体中のトラック幅を狭小化することによ
り、前記磁気記録媒体における面記録密度を向上させる
ことが試みられている。したがって、このような高密度
記録媒体から情報を正確に読み出すべく高感度のセンサ
の必要性が高まっていた。そして、このようなセンサと
しては、近年巨大磁気抵抗効果型素子を有する薄膜磁気
ヘッドが利用されるようになってきている。
【0003】上記のような磁気抵抗効果型素子として
は、従来、この磁気抵抗効果型素子を構成する磁気抵抗
効果膜の面内方向に流したセンス電流の変化から、前記
磁気記録媒体中に記録された情報を読み取る、面内電流
(CIP)型のものが用いられていた。
【0004】しかしながら、上述したようなトラック密
度の狭小化による面内記録密度の向上に伴い、磁気抵抗
効果型素子を構成する磁気抵抗効果膜の面に垂直な厚さ
方向に流したセンス電流の変化から、前記磁気記録媒体
中に記録された情報を読み取る、面垂直電流(CPP)
型のものが用いられるようになってきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】磁気抵抗効果膜に垂直
に電流を流す手段としては、例えば、特表平11−50
9956号公報に記載されているように、前記磁気抵抗
効果膜を挟むようにしてリード膜を設け、このリード膜
を介して前記磁気抵抗効果膜の垂直方向に電流を流すこ
とが記載されている。
【0006】しかしながら、この方法においては、前記
リード膜の外側にシールド膜を設ける必要性が生じると
ともに、前記リード膜と前記シールド膜とを分離する絶
縁性の材料からなるギャップ膜も必要となる。この場
合、磁気記録媒体に対する読み取り幅は前記シールド膜
間の距離に依存し、その結果、読み取り幅が大きくなっ
て、上述したような高密度記録媒体中の情報の正確な再
生を十分に行うことができない場合があった。
【0007】このような観点から、USP608475
2号公報においては、磁気抵抗効果型素子におけるシー
ルド膜をリード膜として兼用し、このシールド膜を介し
て磁気抵抗効果膜の垂直方向に電流を流すことが記載さ
れている。この場合においては、シールド膜とリード膜
とを別体で設ける必要がないことから、シールド膜間距
離で決定される読み取り幅は低減される。しかしなが
ら、磁気記録媒体からの再生情報に外部ノイズが重畳さ
れ、ノイズの大きな磁気抵抗効果型素子、その結果とし
てノイズの大きな薄膜磁気ヘッドしか得ることができな
かった。
【0008】本発明は、外部ノイズを低減し、高S/N
比の再生情報を得ることのできる、新規なCPP型の磁
気抵抗効果型素子を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明は、磁気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果膜の一
方の面に隣接して設けられた第1のシールド膜と、前記
磁気抵抗効果膜の他方の面に隣接するように設けられた
第2のシールド膜と、前記第1のシールド膜又は前記第
2のシールド膜のどちらか一方において、前記磁気抵抗
効果膜と隣接する面とは反対側の面に電気的高抵抗材を
介して設けられた第3のシールド膜とを具え、前記第1
のシールド膜及び前記第2のシールド膜は、前記磁気抵
抗効果膜の厚さ方向に電流を流す電流供給層として機能
することを特徴とする、磁気抵抗効果型素子に関する。
【0010】本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意
検討を実施した。そして、USP6084752号公報
に記載の磁気抵抗効果型素子における外部ノイズの原因
を探るべく、種々の検討を実施した。
【0011】その結果、前記外部ノイズは、リード膜と
して兼用するシールド膜から再生波形に外部ノイズが乗
っていることに起因していることを見出した。すなわ
ち、磁気抵抗効果型素子のシールド膜アンテナになり、
リード膜を兼用しているため、外部ノイズが極めて重畳
され易い状態になっていることを見出した。
【0012】本発明の磁気抵抗効果型素子は、リード膜
として機能するシールド膜の外側に電気的高抵抗材を介
して追加のシールド膜を有しているので、外部ノイズに
対し十分なシールド効果を維持することができる。
【0013】すなわち、本発明の磁気抵抗効果型素子に
よれば、磁気抵抗効果膜と隣接して設けられた、リード
膜としても機能する第1のシールド膜及び第2のシール
ド膜間の距離によって読み取り幅が決定されるため、読
み取り幅を狭小化することができる。さらに、追加的に
設けられた第3のシールド膜及び第4のシールド膜によ
って、十分なシールド効果を有することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を発明の実施の形態
に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の磁気抵抗
効果型素子の好ましい態様を示す断面図であり、図2
は、図1に示す磁気抵抗効果型素子の正面図である。な
お、図1及び2においては、本発明の特徴を明確に説明
すべく、主要部分のみを示している。
【0015】図1及び2に示す磁気抵抗効果型素子10
においては、磁気抵抗効果膜1を挟むようにして、第1
の上部シールド膜2及び第1の下部シールド膜3が設け
られている。そして、第1の上部シールド膜2の上方に
おいては、ギャップ膜6を介して第2の上部シールド膜
4が設けられており、第1の下部シールド膜3の下方に
おいては、ギャップ膜7を介して第2の下部シールド膜
5が設けられている。
【0016】第1の上部シールド膜2及び第1の下部シ
ールド膜3は導電性を有し、かつ軟磁性材料からなるシ
ールド層として作用し、かつ本発明にしたがって磁気抵
抗効果膜1に対する電流供給層としての機能を有し、リ
ード膜としても作用する。電流は、例えば図中矢印で示
す方向に、磁気抵抗効果膜1をその厚さ方向に流れる。
【0017】このように、図1及び2に示す磁気抵抗効
果型素子10においては、実際の読み取りギャップ幅
は、第1の上部シールド膜2及び第2の下部シールド膜
3間の間隔W、すなわちシールド層の内側面の間隔によ
って決定されるため、読み取りギャップ幅を狭小化する
ことができる。したがって、高密度記録媒体の再生を十
分に行うことができる。また、第2の上部シールド膜4
及び第2の下部シールド膜5を設けているので、磁気抵
抗効果型素子10の全体に十分なシールド効果を付与す
ることができる。
【0018】図1及び2に示す磁気抵抗効果型素子10
は、第1の上部シールド膜2と第2の上部シールド膜4
との間、並びに第1の下部シールド膜3と第2の下部シ
ールド膜5との間に、ギャップ層6及び7を有してい
る。これによって、これらシールド膜間の電気的絶縁を
極めて良好な状態で取ることができる。
【0019】磁気抵抗効果膜1は、例えば、下部強磁性
層(フリー層)/トンネルバリア層/上部強磁性層(ピ
ンド層)/反強磁性層なる積層構造を有するTMR素
子、又は下部強磁性層(フリー層)/非磁性金属層/上
部強磁性層(ピンド層)/反強磁性層なる積層構造を有
するスピンバルブ構造のGMR素子などから構成するこ
とができる。
【0020】上記の場合において、フリー層及びピンド
層を構成する強磁性材料としては、Fe、Co、Ni、
FeCo、NiFe、CoZrNb、FeCoNiなど
を用いることができる。トンネルバリア層及び非磁性金
属層は、例えば、Al、NiO、GdO、Mg
O、Ta、MoO、TiO、WOなどから
作製することができる。また、反強磁性層は、PtMn
及びRuRhMnなどから作製することができる。
【0021】フリー層の厚さは、好ましくは1〜10n
mであり、さらに好ましくは2〜5nmである。この厚
さが大きくなりすぎるとヘッド動作時の出力が低下し、
バルクハウゼンノイズ等によって出力の不安定性が増大
してしまう場合がある。また、フリー層の厚さが小さく
なり過ぎると、例えばTMR効果の劣化に起因する出力
低下が生じる場合がある。
【0022】ピンド層の厚さは、好ましくは1〜10n
mであり、さらに好ましくは2〜5nmである。この厚
さが大きくなりすぎると反強磁性層との交換結合バイア
ス磁化が弱まり、この厚さが小さくなりすぎると、例え
ばTMR変化率が減少する。また、トンネルバリア層及
び非磁性金属層の厚さは、0.5〜2nm程度であるこ
とが好ましい。素子の低抵抗値化の観点からはできるだ
け薄いことが望ましいが、薄くなりすぎるとピンホール
が生じてリーク電流が流れてしまうため好ましくない。
さらに、反強磁性層の厚さは、6〜30nm程度であ
る。
【0023】ギャップ膜6及び7は、TaO、NiOな
どの金属酸化物や半導体などの高抵抗材料、又はAl
、SiOなどの絶縁材料などから作製する。
【0024】第1の上部シールド膜2及び第1の下部シ
ールド膜3は、NiFe、CoZrTa、FeN、Fe
AlSi、NiFe合金、Co系アモルファス、Fe系
軟磁性膜から選ばれる少なくとも一種の軟磁性材料から
作製されていることが好ましい。これらの材料は高い透
磁率を有するとともに、電気的な良導体でもあるため、
上記シールド膜に対して良好なシールド特性を付与する
ことができるとともに、磁気抵抗効果膜1に対して垂直
に流れる電流のロスを低減することができる。したがっ
て、高いS/N比の磁気抵抗効果型素子を得ることがで
きる。
【0025】また、第1の上部シールド膜2及び第1の
下部シールド膜3は、上記のような軟磁性材料からなる
軟磁性体層と、Ti、Cr、Rh、Al、Ta、Au、
Ag、Cuの金属及びこれらの合金から選ばれる少なく
とも一種の導電性材料からなる導電体層とが積層されて
構成されていても良い。この場合においては、上記第1
の上部シールド膜2や第1の下部シールド膜3などの電
気伝導性を向上させることができ、この結果、磁気抵抗
効果膜1に対する電流ロスをさらに低減することができ
る。この場合においては、電流ロスの低減効果をさらに
助長すべく、前記導電体層が磁気抵抗効果膜1と接触す
るように形成することが好ましい。また、シールド膜の
下に形成されると、シールド膜の磁気特性を向上させる
こともできる。
【0026】図3は、図1及び2に示す磁気抵抗効果型
素子10の変形例を示す断面図である。なお、図3にお
いて、図1及び2に示す構成部分と同様の部分について
は同じ符号を用いて表している。図3に示す磁気抵抗効
果型素子においては、第1の上部シールド膜2及び第1
の下部シールド膜3の後方、すなわち、これら膜の端面
2A及び3Aの反対側において、これらシールド膜に接
続するようにして、上記導電性材料からなる導電膜2B
及び3Bを設けている。これによって、磁気抵抗効果膜
1に対して垂直に流れる電流のロスを低減することがで
き、高いS/N比の磁気抵抗効果型素子を得ることがで
きる。
【0027】一方、第2の上部シールド膜4及び第2の
下部シールド膜5は、NiFe、CoZrTa、Fe
N、FeAlSi、及びNiFe合金、Co系アモルフ
ァス、Fe系軟磁性膜から選ばれる少なくとも一種であ
ることが好ましい。これによって、素子全体に十分なシ
ールド性を付与することができる。
【0028】第2の上部シールド膜4及び第2の下部シ
ールド膜5の厚さは、好ましくは1000〜3000n
mであり、さらに好ましくは1500〜2000nmで
ある。これによって、第1の上部シールド膜2及び第1
の下部シールド膜3の材料、及び層構成などに依存する
ことなく、磁気抵抗効果型素子10に対して十分なシー
ルド効果を付与することができる。
【0029】また、第2の上部シールド膜4及び第2の
下部シールド膜5が上述したような厚さを有することに
よって、第1の上部シールド膜2及び第1の下部シール
ド膜3の厚さを500nm以下にすることができる。こ
れによって、これらシールド膜に重畳される摺動ノイズ
を十分に低減することができ、素子全体に重畳されるノ
イズを全体的に低減することができる。
【0030】図4は、図1及び2に示す磁気抵抗効果型
素子10の他の変形例を示す正面図である。なお、図4
において、図1及び2に示す構成部分と同様の部分につ
いては同じ符号を用いて表している。
【0031】図4に示す磁気抵抗効果型素子10におい
て、第2の上部シールド膜4は、第1の上部シールド膜
2及び第1の下部シールド膜3よりも大きな面積を有し
ている。そして、その端部4Bが、第1の上部シールド
膜2及び第1の下部シールド膜3の外周部分よりも突出
し、これらのシールド膜を覆うようにして形成されてい
る。これによって、磁気抵抗効果型素子20のシールド
効果をさらに高めることができ、外部ノイズの重畳をさ
らに効果的に抑制することができる。具体的には、突出
量dが5nm以上であることが好ましい。
【0032】なお、第2の上部シールド膜4について
も、上述したようなNiFe、CoZrTa、FeN、
FeAlSi、及びNiFe合金、Co系アモルファ
ス、Fe系軟磁性などの材料から、上述した1000〜
3000nmの厚さに形成することが好ましい。
【0033】また、磁気抵抗効果膜1は、例えばNiF
e等からなる異方性磁気抵抗効果膜を含む、巨大磁気抵
抗効果型のスピンバルブ構造、強磁性トンネル接合効果
型の多層構造として構成することができる。
【0034】本発明の磁気抵抗効果型素子は、単独の読
み取り素子として構成することもできるが、誘導型の書
き込み素子と組み合わせて複合型の薄膜磁気ヘッドとし
て構成することもできる。
【0035】図5は、上述した磁気抵抗効果型素子10
を読み出し素子として用い、誘導型磁気抵抗型素子を書
き込み素子として用いた面内記録用薄膜磁気ヘッドの斜
視図である。図6は、図5に示した薄膜磁気ヘッドの拡
大断面図を示している。図示の薄膜磁気ヘッド30は、
スライダ31上に読み出し素子としての磁気抵抗効果型
素子10、及び書き込み素子としての誘導型磁気変換素
子20を有する。矢印A1は媒体走行方向を示す。図に
おいて、寸法は部分的に誇張されており、実際の寸法と
は異なる。
【0036】スライダ31は、媒体対向面側にレール3
2、33を有し、レールの表面がABS34、35とし
て利用される。レール32、33は2本に限らない。1
〜3本のレールを有することがあり、レールを持たない
平面となることもある。また、浮上特性改善等のため
に、媒体対向面に種々の幾何学的形状が付されることも
ある。
【0037】また、スライダ31は、レールの表面に、
例えば8〜10nm程度の膜厚を有するDLC等の保護
膜を備えることもあり、このような場合は保護膜の表面
がABS34、35となる。スライダ31はA1
−TiC等でなる基体の表面にA1、SiO
の無機絶縁膜を設けたセラミツク構造体である。
【0038】磁気抵抗効果型素子10及び誘導型磁気変
換素子20は、レール32、33の一方または両者のト
レーリング.エッジTRの側に備えられる。そして、ト
レーリング.エッジTRの側にあるスライダ側面には、
誘導型磁気変換素子20に接続された取り出し電極3
6、37、及び磁気抵抗効果型素子10に接続された取
り出し電極38、39がそれぞれ設けられている。
【0039】書き込み素子を構成する誘導型磁気変換素
子20は、読み取り素子を構成する磁気抵抗効果型素子
10に対する第2のシールド膜を兼ねている第1の磁性
膜41、第2の磁性膜42、コイル膜43、アルミナ等
でなるギャップ膜44、絶縁膜45及び保護膜46など
を有している。第2のシールド膜は、第1の磁性膜41
から独立して備えられていてもよい。
【0040】第1の磁性膜41及び第2の磁性膜42の
一端部(先端部)410、420は微少厚みのギャップ
膜44を隔てて対向するポール部となっており、ポール
部において書き込みを行なう。第1及び第2の磁性膜4
1、42は、単層であってもよいし、複層膜構造であっ
てもよい。第1及び第2の磁性膜41、42の複層膜化
は、例えば、特性改善を目的として行われることがあ
る。ポール部の構造に関しても、トラック幅の狭小化、
記録能力の向上等の観点から、種々の改良、及び、提案
がなされている。本発明においては、これまで提案され
た何れのポール構造も採用できる。ギャップ膜54は非
磁性金属膜またはアルミナ等の無機絶縁膜によって構成
される。
【0041】第2の磁性膜42は、ポール部の側におい
て、ギャップ膜44の面と平行な面に対して、ある角度
で傾斜して立ち上がる。第2の磁性膜42は、更に、第
1の磁性膜41との間にインナーギャップを保って、A
BS34及び35の後方に延び、後方において第2の磁
性膜42に結合されている。これにより、第1の磁性膜
41、第2の磁性膜42及びギャップ膜44を巡る薄膜
磁気回路が完結する。
【0042】コイル膜43は、第1及び第2の磁性膜4
1、42の間に挟まれ、後方結合部の周りを渦巻き状に
回る。コイル膜43の両端は、取り出し電極35、37
に導通されている(図5参照)。コイル膜43の巻数お
よび層数は任意である。コイル膜43は絶縁膜45の内
部に埋設されている。
【0043】絶縁膜45は第1及び第2の磁性膜41、
42の間のインナーギャップの内部に充填されている。
絶縁膜45の表面には第2の磁性膜42が設けられてい
る。絶縁膜45は、有機絶縁樹脂膜または無機絶縁膜で
構成する。無機絶縁膜の代表例は、Al膜または
SiO膜である。絶縁膜45を無機絶縁膜によって構
成すると、有機絶縁膜を用いた場合に比較して、絶縁膜
45の熱膨張が小さくなるので、最大突出量を低減する
のによい結果が得られる。
【0044】保護膜46は、保護膜46は書き込み素子
20の全体を覆っている。これにより、書き込み素子2
0の全体が、保護膜46によって保護されることにな
る。保護膜46はAlまたはSiO等の無機絶
縁材料で構成されている。
【0045】読み取り素子を構成する磁気抵抗効果型素
子10は、本発明に係るTMR素子で構成されている。
磁気抵抗効果型素子10は、第1のシールド膜51と、
第2のシールド膜52との間において、絶縁膜53の内
部に配置されている。絶縁膜53はアルミナ等によって
構成されている。磁気抵抗効果型素子10は第1のシー
ルド膜51及び第2のシールド膜52に導通する取り出
し電極38、39に接続されている(図5参照)。
【0046】図7は垂直記録用薄膜磁気ヘッドの拡大断
面図である。図示された垂直記録用薄膜磁気ヘッドにお
いて、第2の磁性膜42は、主磁極425と、補助磁極
426とを含んでいる。主磁極425は垂直書き込みボ
ール部を構成し、補助磁極426は主磁極425及び第
1の磁性膜41を磁気的に結合する。第1の磁性膜41
は主磁極425から生じた磁束の戻り磁路を構成する。
コイル膜43は主磁極425及び補助磁極426の周り
に巻かれている。
【0047】他の構造は、図6に示した面内記録用薄膜
磁気ヘッドと実質的に同じであるので、説明は省略す
る。垂直記録用薄膜磁気ヘッドを用いた磁気記録の特徴
は、磁気ディスクの磁気記録膜を、膜面と垂直となる方
向に磁化して磁気記録を行うので、極めて高い記録密度
を実現できることである。なお、参照数字310はスラ
イダを構成する基体を表し、参照数字320は基体の表
面に設けられた無機絶縁膜を表す。
【0048】図8は本発明に係る磁気ヘッド装置の一部
を示す正面図、図9は図8に示した磁気ヘッド装置の底
面図である。磁気ヘッド装置は、薄膜磁気ヘッド60
と、ヘッド支持装置70とを含んでいる。薄膜磁気ヘッ
ド60は図5〜図7を参照して説明した本発明に係る薄
膜磁気ヘッドである。
【0049】ヘッド支持装置70は、金属薄板でなる支
持体73の長手方向の一端にある自由端に、同じく金属
薄板でなる可撓体71を取付け、この可撓体71の下面
に薄膜磁気ヘッド60を取付けた構造となっている。
【0050】可撓体71は、支持体73の長手方向軸線
と略平行して伸びる2つの外側枠部75、76と、支持
体73から離れた端において外側枠部75、76を連結
する横枠74と、横枠74の略中央部から外側枠部7
5、76に略平行するように延びていて先端を自由端と
した舌状片72とを有する。
【0051】舌状片72のほぼ中央部には、支持体73
から隆起した、例えば半球状の荷重用突起77が設けら
れている。この荷重用突起77により、支持体73の自
由端から舌状片72へ荷重力が伝えられる。
【0052】舌状片72の下面に薄膜磁気ヘッド8を接
着等の手段によって取付けてある。薄膜磁気ヘッド60
は、空気流出側端側が横枠74の方向になるように、舌
状片72に取付けられている。本発明に適用可能なヘッ
ド支持装置70は、上記実施例に限らない。
【0053】図10は本発明にかかる磁気ディスク装置
の構成を模式的に示す図である。図示された磁気ディス
ク装置は、磁気ヘッド装置80と、磁気ディスク90と
を含む。磁気ヘッド装置80は図8、9に図示したもの
である。磁気ヘッド装置80は、ヘッド支持装置70の
一端が位置決め装置81によって支持され、かつ、駆動
される。磁気ヘッド装置の薄膜磁気ヘッド60は、ヘッ
ド支持装置70によって支持され、磁気ディスク90の
磁気記録面と対抗するように配置される。
【0054】磁気ディスク90が、図示しない駆動装置
により、矢印A1の方向に回転駆動されると、薄膜磁気
ヘッド60が、微小浮上量で、磁気ディスク90の面か
ら浮上する。図10に図示された磁気ディスク装置はロ
ータリー.アクチュエータ方式と称される駆動方式であ
り、ヘッド支持装置70の先端部に取り付けられた薄膜
磁気ヘッド60は、ヘッド支持装置70を回転駆動する
位置決め装置81によって、磁気ディスク90の径方向
b1またはb2に駆動され、磁気ディスク90上の所定
のトラック位置に位置決めされる。そして、所定のトラ
ック上で、書き込み素子20による磁気記録、及び、T
MR素子を有する読み取り素子10による読み取り動作
が行われる。
【0055】以上、本発明を具体例を挙げながら発明の
実施の形態に即して説明してきたが、本発明は上記内容
に限定されるものではなく、あらゆる変形や変更が可能
である。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気抵抗
効果型素子によれば、リード膜としての機能を有する第
1の上部シールド膜及び第1の下部シールド膜の外側
に、第2の上部シールド膜及び第2の下部シールド膜を
設けているので、素子全体のノイズを低減すると同時
に、読み取り幅を狭小化することができる。したがっ
て、媒体中に高密度に記録された情報を高いS/N比で
読み取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の磁気抵抗効果型素子の一例を概略的
に示す断面図である。
【図2】 図1に示す磁気抵抗効果型素子の正面図であ
る。
【図3】 図1及び2に示す磁気抵抗効果型素子の変型
例である。
【図4】 図1及び2に示す磁気抵抗効果型素子の他の
変型例である。
【図5】 本発明の磁気抵抗効果型素子を用いた面内記
録用薄膜磁気ヘッドを示す斜視図である。
【図6】 図5に示した薄膜磁気ヘッドの拡大断面図で
ある。
【図7】 本発意名の磁気抵抗効果型素子を用いた垂直
記録用薄膜磁気ヘッドを示す拡大断面図である。
【図8】 本発明に係わる磁気ヘッド装置の一部を示す
正面図である。
【図9】 本発明に係わる磁気ヘッド装置の一部を示す
底面図である。
【図10】 本発明に係わる磁気ディスク装置の構成を
模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 磁気抵抗効果膜 2 第1の上部シールド膜 3 第1の下部シールド膜 4、14 第2の上部シールド膜 5 第2の下部シールド膜 6、7 ギャップ膜 10、20 磁気抵抗効果型素子
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 10/30 G01R 33/06 R Fターム(参考) 2G017 AA01 AB01 AB07 AD55 AD65 5D034 BA03 BA08 BB08 BB12 CA04 5E049 AA01 AA04 AA07 AA09 BA12 CB01 DB12

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果膜
    の一方の面に隣接して設けられた第1のシールド膜と、
    前記磁気抵抗効果膜の他方の面に隣接するように設けら
    れた第2のシールド膜と、前記第1のシールド膜又は前
    記第2のシールド膜のどちらか一方において、前記磁気
    抵抗効果膜と隣接する面とは反対側の面に電気的高抵抗
    材を介して設けられた第3のシールド膜とを具え、 前記第1のシールド膜及び前記第2のシールド膜は、前
    記磁気抵抗効果膜の厚さ方向に電流を流す電流供給層と
    して機能することを特徴とする、磁気抵抗効果型素子。
  2. 【請求項2】 前記第3のシールド膜と隣接していない
    前記第1のシールド膜、又は前記第2のシールド膜にお
    いて、前記磁気抵抗効果膜と隣接する面とは反対側の面
    に、電気的高抵抗材を介して設けられた第4のシールド
    膜を具えることを特徴とする、請求項1に記載の磁気抵
    抗効果型素子。
  3. 【請求項3】 前記第1のシールド層及び前記第2のシ
    ールド層は、NiFe、CoZrTa、FeN、FeA
    lSi、又はNiFe合金、Co系アモルファス、Fe
    系軟磁性膜から選ばれる少なくとも一種の軟磁性材料か
    ら構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に
    記載の磁気抵抗効果型素子。
  4. 【請求項4】 前記第1のシールド膜及び前記第2のシ
    ールド膜は、NiFe、CoZrTa、FeN、FeA
    lSi、又はNiFe合金、Co系アモルファス、Co
    系軟磁性膜から選ばれる少なくとも一種の軟磁性材料か
    らなる軟磁性体層と、非磁性金属又は非磁性金属合金か
    ら選ばれる少なくとも一種の導電性材料からなる導電体
    層とが積層されて構成されていることを特徴とする、請
    求項1又は2に記載の磁気抵抗効果型素子。
  5. 【請求項5】 前記非磁性金属が、Ti、Cr、Ta、
    Rh、Al、Au、Ag及びCuであることを特徴とす
    る、請求項4に記載の磁気抵抗効果型素子。
  6. 【請求項6】 前記第1のシールド膜及び前記第2のシ
    ールド膜の、前記磁気抵抗効果型素子の摺動面に露出し
    た端面と反対側に、Ti、Cr、Rh、Al、Ta、A
    u、Ag、Cuの金属、又はこれらの合金から選ばれる
    少なくとも一種の導電性材料からなる導電膜を接続させ
    たことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載
    の磁気抵抗効果型素子。
  7. 【請求項7】 前記第3のシールド膜及び前記第4のシ
    ールド膜は、NiFe、CoZrTa、NiFeN、F
    eAlSi、及びNiFe合金、Co系アモルファスか
    ら選ばれる少なくとも一種の材料から構成されているこ
    とを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一に記載の磁
    気抵抗効果型素子。
  8. 【請求項8】 前記第3のシールド膜の面積は、前記第
    1のシールド膜及び前記第2のシールド膜の面積よりも
    大きく、前記第3のシールド膜は、その端部が前記第1
    の上部シールド膜及び前記第1の下部シールド膜の外周
    部分より突出し、これらの膜を覆うようにして設けられ
    ていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一に
    記載の磁気抵抗効果型素子。
  9. 【請求項9】 前記第3のシールド膜の厚さが1000
    〜3000nmであり、前記第4のシールド膜の厚さが
    1000〜3000nmであることを特徴とする、請求
    項1〜8のいずれか一に記載の磁気抵抗効果型素子。
  10. 【請求項10】 前記第1のシールド膜の厚さが500
    nm以下であり、前記第2のシールド膜の厚さが500
    nm以下であることを特徴とする、請求項9に記載の磁
    気抵抗効果型素子。
  11. 【請求項11】 前記磁気抵抗効果膜は、強磁性トンネ
    ル効果膜構造を有することを特徴とする、請求項1〜1
    0のいずれか一に記載の磁気抵抗効果型素子。
  12. 【請求項12】 前記磁気抵抗効果膜は、スピンバルブ
    膜構造を有することを特徴とする、請求項1〜10のい
    ずれか一に記載の磁気抵抗効果型素子。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれか一に記載の
    磁気抵抗効果型素子からなる、少なくとも1つの読み取
    り素子を具えることを特徴とする、薄膜磁気ヘッド。
  14. 【請求項14】 少なくとも1つの書き込み素子を具え
    ることを特徴とする、請求項13に記載の薄膜磁気ヘッ
    ド。
  15. 【請求項15】 前記書き込み素子は誘導型電磁変換素
    子であり、前記誘導型電磁変換素子は、第1の磁性膜、
    第2の磁性膜、及びギャップ膜を含んでおり、前記第1
    の磁性膜及び前記第2の磁性膜は、それぞれの一端が前
    記ギャップ膜によって隔てられて書き込みポール部を構
    成していることを特徴とする、請求項14に記載の薄膜
    磁気ヘッド。
  16. 【請求項16】 前記書き込み素子は誘導型電磁変換素
    子であり、前記誘導型電磁変換素子は、第1の磁性膜及
    び第2の磁性膜を含み、前記第2の磁性膜は、垂直書き
    込みポール部を構成する主磁極、及び前記主磁極と前記
    第1の磁性膜を磁気的に結合する補助磁極を含むことを
    特徴とする、請求項14に記載の薄膜磁気ヘッド。
  17. 【請求項17】 請求項13〜16のいずれか一に記載
    の薄膜磁気ヘッドと、この薄膜磁気ヘッドを支持するた
    めのヘッド支持装置とを具えることを特徴とする、磁気
    ヘッド装置。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の磁気ヘッド装置
    と、この磁気ヘッド装置との間で、磁気記録及び再生を
    行う磁気ディスクとを具えることを特徴とする、磁気デ
    ィスク装置。
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