JP2004102732A - 仲介方法、仲介システム、仲介装置、コンピュータプログラム及び記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】通信網上で行われる入札方式を適用した仲介において、改築工事等の工事を発注する発注希望者及び工事に対して入札を行う受注希望者間での交渉の場を適用し、しかも複数の受注希望者からよりよい条件を引き出すことが可能な仲介方法、仲介システム、仲介装置、コンピュータプログラム及び記録媒体を提供する。
【解決手段】仲介装置10では、交渉状況の公開を要求を受けた場合に、条件交渉処理の開始からの期間が、予め設定されている第1所定期間を経過していると判定した場合(S606:YES)、又は発注用装置及び各受注用装置間の交渉状況として検出した内容情報を最後に中継してからの期間が、予め設定されている第2所定期間を経過していると判定した場合(S609:YES)、発注用装置及び所定の条件を満足している受注用装置の交渉に関する公開用情報の送信を許可する(S607,610)。
【選択図】 図11
【解決手段】仲介装置10では、交渉状況の公開を要求を受けた場合に、条件交渉処理の開始からの期間が、予め設定されている第1所定期間を経過していると判定した場合(S606:YES)、又は発注用装置及び各受注用装置間の交渉状況として検出した内容情報を最後に中継してからの期間が、予め設定されている第2所定期間を経過していると判定した場合(S609:YES)、発注用装置及び所定の条件を満足している受注用装置の交渉に関する公開用情報の送信を許可する(S607,610)。
【選択図】 図11
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、受発注の交渉を仲介する仲介装置並びに発注の交渉を支援する発注用装置及び受注の交渉を支援する複数の受注用装置を用いた仲介方法、その方法を適用した仲介システム、そのシステムにて用いられる仲介装置、その装置を実現するためのコンピュータプログラム並びにそのプログラムを記録してあるコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体に関し、特にインターネット等の通信網を介して家屋の改築工事を行う改築工事業者及び改築工事を発注する発注希望者間の交渉を仲介するサービスに適用する仲介方法、仲介システム、仲介装置、コンピュータプログラム及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネット等の通信網に接続するウェブサーバコンピュータ等の仲介装置を用いて、取引対象の取引及び該取引の交渉を仲介する仲介方法が普及しており、主な仲介方法としてはオークション方式及び入札方式が挙げられる。
【0003】
オークション方式とは、主に衣料及び陶器等の有体動産を、販売希望者から購入希望者に販売する取引に適用される方式である。
オークション方式では、仲介装置が販売希望者から受け付けた取引対象に関する情報を通信網上に公開し、公開された取引対象に対して購入希望者から購入希望額を受け付け、最高額等の所定の条件を満足する購入希望額を示した購入希望者に取引対象を販売する。
そしてオークション方式の特徴として、仲介装置が購入希望者から受け付けた購入希望額は、他の購入希望者にも公開されるということが挙げられ、これにより他の購入希望者から更に高額の購入希望額を引き出すことができる。
なおオークション方式の一つとして、購入希望者から取引対象を提示し、販売希望者から販売希望額を受け付ける逆オークション方式と呼ばれる方式があり、逆オークション方式では、仲介装置が販売希望者から受け付けた販売希望額を他の販売希望者に公開することで、他の販売希望者から更に低額の販売希望額を引き出すことができる。
【0004】
一方、入札方式とは、主に工事等の役務の提供を取引対象とし、取引対象となる役務の受発注に適用される方式である。
入札方式では、仲介装置にて、役務の提供を受けることを希望する発注希望者から受け付けた役務の内容を公開し、公開された内容を満たすことができ役務の提供を希望する受注希望者から受注希望額を受け付け、最低額等の所定の条件を満足する受注希望額を示した受注希望者と役務の提供についての取引を成約させる。
そして入札方式の特徴として、予め具体的な内容を提示して受注希望金額を受け付けることにより、最低額等の好条件で、希望する内容を満足する役務の提供を受けることができるということが挙げられる。
【0005】
なおインターネット上でのオークション方式及び入札方式に関しては、取引処理の状況の変化を迅速に伝える方法(例えば、特許文献1参照。)及び登録されている全ての受注業者に対して提示する方法(例えば、特許文献2参照。)が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−353203号公報
【特許文献2】
特開2002−83182号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら家屋の改築工事等の役務に適用する場合、浴槽及び門扉等の物品自体の仲介は、オークション方式の一つである逆オークション方式を適用することで、販売希望者から低額の販売希望額を引き出すことが可能であるが、取付工事を伴う改築用の物品については、取り付け箇所の条件によって工事費用が異なるため、販売希望者は販売希望額を提示し難いという問題があり、このことは購入希望者にとっても低額な購入希望額を引き出し難いという問題となる。
【0008】
一方、予め発注希望者から受け付けた役務の内容、例えば取り付け箇所の条件を予め提示する入札方式は、改築工事に関する仲介に適する面もあるが、発注希望者に家屋の改築工事に関する十分な知識がないことが多く、そのため発注希望者から最初に提示される役務の内容は、受注希望者にとって具体的でないことが多い。
これにより発注希望者と各受注希望者が別途交渉を行う必要が生じ、単なる入札方式では対応し難いという問題に繋がる。
実際、インターネット等の通信網を介して家屋の改築工事を仲介するウェブページが提供されているが、単に自社又は複数の改築工事業者を紹介する程度であり、交渉及び見積等の業務については、改築工事業者に一任するに止まっており、発注希望者の希望に添う内容をより有利な条件で提供する仕組みが組み込まれていない。
【0009】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、入札方式を適用した仲介により、受注希望者からの受注を受け付け、発注希望者及び各受注希望者間での交渉の場を通信網上で提供することにより、改築工事業者の紹介に止まらず交渉の場を提供し、これによりある程度の条件交渉を行った上で、受注希望者は受注希望額を提示することができるので、入札方式の仲介に適用することが可能で、しかも交渉が開始されてからの期間が所定期間を経過した場合等の所定の条件を満足した場合に、交渉している受注希望者以外の受注希望者にも交渉の内容を公開することにより、他の受注希望者からより良い条件を引き出すことが可能な仲介方法、その方法を適用した仲介システム、そのシステムにて用いられる仲介装置、その装置を実現するためのコンピュータプログラム並びにそのプログラムを記録してあるコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る仲介方法は、受発注の交渉を仲介する仲介装置並びに発注の交渉を支援する発注用装置及び受注の交渉を支援する複数の受注用装置を用いた仲介方法において、前記仲介装置は、前記発注用装置及び各受注用装置間の夫々の交渉に関する情報を記録し、前記発注用装置及び一の受注用装置間の交渉状況が所定の条件を満足した場合に、前記発注用装置及び一の受注用装置間の交渉に関する情報の、他の受注用装置への送信を許可することを特徴とする。
【0011】
第1発明に係る仲介方法では、家屋の改築工事等の役務について、役務の発注希望者が操作する発注用装置及び改築工事業者等の複数の受注希望者にて管理される複数の受注用装置を用いて行われる交渉を、インターネット等の通信網に接続するウェブサーバコンピュータを用いた仲介装置により中継し、仲介装置では、交渉の内容を示す内容情報及び交渉の進捗を示す進捗状況等の交渉に関する情報を記録し、交渉状況が、交渉を開始してから所定時間を経過した場合等の所定の条件を満足した場合に、内容情報等の情報を、交渉している受注用装置以外の受注用装置へ送信することにより、発注希望者及び夫々の受注希望者間で個別に交渉を行いながらも、例えば発注希望者と一の受注希望者との交渉が長引いた場合に、交渉の内容が他の受注希望者に公開されるので、他の受注希望者は、交渉を成立させるべく、一の受注希望者より好条件を提示することが考えられ、発注希望者にとってより良い条件で交渉を成立させることが可能である。
【0012】
第2発明に係る仲介システムは、受発注の交渉を仲介する仲介装置並びに発注の交渉を支援する発注用装置及び受注の交渉を支援する複数の受注用装置を備えた仲介システムにおいて、前記仲介装置は、前記発注用装置及び各受注用装置間の夫々の交渉に関する情報を記録する手段と、前記発注用装置及び一の受注用装置間の交渉状況が所定の条件を満足した場合に、前記発注用装置及び一の受注用装置間の交渉に関する情報の、他の受注用装置への送信を許可する許可手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
第2発明に係る仲介システムでは、家屋の改築工事等の役務について、役務の発注希望者が操作する発注用装置及び改築工事業者等の複数の受注希望者にて管理される複数の受注用装置を用いて行われる交渉を、インターネット等の通信網に接続するウェブサーバコンピュータを用いた仲介装置により中継し、仲介装置では、夫々の交渉に関する情報を記録し、交渉状況が、所定の条件を満足した場合に、交渉の内容等の交渉に関する情報を、交渉している受注用装置以外の受注用装置へ送信することにより、発注希望者及び夫々の受注希望者間で個別に交渉を行いながらも、交渉の内容が他の受注希望者に公開されるので、他の受注希望者は、交渉を成立させるべく、一の受注希望者より好条件を提示することが考えられ、発注希望者にとってより良い条件で交渉を成立させることが可能である。
【0014】
第3発明に係る仲介システムは、受発注の交渉を仲介する仲介装置並びに発注の交渉を支援する発注用装置及び受注の交渉を支援する複数の受注用装置を備えた仲介システムにおいて、前記発注用装置は、発注の対象を示す対象情報を前記仲介装置へ送信する手段を備え、前記仲介装置は、受信した対象情報を記録する手段と、記録した対象情報を前記複数の受注用装置へ送信する手段とを備え、前記受注用装置は、受信した対象情報を出力する手段と、出力した対象情報が示す発注の対象に対する入札を示す入札情報を前記仲介装置へ送信する手段とを備え、前記仲介装置は、更に、受信した入札情報を、対象情報に対応付けて記録する手段と、対応付けて記録した対象情報及び入札情報に基づき、前記発注用装置及び入札情報の送信元の受注用装置間で送受信される、交渉の内容を示す内容情報の中継を開始する手段と、前記発注用装置及び入札情報の送信元の受注用装置間の交渉に関する情報を記録する手段と、前記発注用装置及び入札情報の送信元の受注用装置間の交渉状況を検出する検出手段と、検出した交渉状況が所定の条件を満足する一の受注用装置が存在する場合に、前記発注用装置及び一の受注用装置間の交渉に関する情報の、入札情報の送信元の他の受注用装置への送信を許可する許可手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
第3発明に係る仲介システムでは、例えば家屋の改築工事等の役務である発注の対象を示す対象情報を発注用装置から仲介装置へ送信するという発注希望者からの発注に対し、仲介装置では、受信した対象情報に対する入札情報を受け付けるという入札方式を適用した仲介にて、受注希望者からの受注を受け付け、発注希望者及び各受注希望者間で送受信される内容情報を中継することにより、改築工事業者等の受注希望者の紹介に止まらず交渉の場を提供し、これによりある程度の条件交渉を行った上で、受注希望者は受注希望額を提示することができるので、入札方式の仲介に適用することが可能で、しかも交渉状況が、所定の条件を満足した場合に、内容情報の交渉に関する情報を、交渉している受注用装置以外の受注用装置へ送信することにより、発注希望者及び夫々の受注希望者間で個別に交渉を行いながらも、交渉の内容が他の受注希望者に公開されるので、他の受注希望者は、交渉を成立させるべく、一の受注希望者より好条件を提示することが考えられ、発注希望者にとってより良い条件で交渉を成立させることが可能である。
【0016】
第4発明に係る仲介システムは、第3発明において、前記所定の条件は、中継を開始してからの第1所定期間の経過又は内容情報を最後に中継してからの第2所定期間の経過であることを特徴とする。
【0017】
第4発明に係る仲介システムでは、所定の条件として中継を開始してからの第1所定期間の経過を、他の受注希望者への公開の条件とすることで、受注希望者が公開前に受発注の成約又は細部の詰めにまで交渉を進捗させようとすることが考えられるので、交渉を短期間で完了させることが可能であり、また公開された場合に、自社の交渉の進捗が遅いことを知り得た受注希望者は他の発注希望者との交渉に切り替えることができるので交渉業務の効率化を推進することが可能であり、更には所定の条件として内容情報を最後に中継してからの第2所定期間の経過とすることにより、発注希望者が交渉の遅い受注希望者と交渉を行っている場合に、他の受注希望者が発注希望者に対して交渉を持ちかけやすく、迅速さも含めて質の良い受注希望者が受注を受けることができる様になるので、受注希望者間の自由競争が発生し、受注希望者の全体的な質の向上を見込むことが可能である。
【0018】
第5発明に係る仲介システムは、第2発明乃至第4発明のいずれかにおいて、前記仲介装置が備える前記許可手段が、他の受注用装置への送信を許可する、交渉に関する情報は、内容情報を含むことを特徴とする。
【0019】
第5発明に係る仲介システムでは、仲介装置に交渉に関する情報として内容情報を記録し、またその送受信回数及び送受信時刻等の通信履歴並びにその内容を公開することで、公開された通信履歴を確認した他の受注希望者は、交渉している一の受注希望者の交渉の進捗状況及び発注希望者が回答する時間帯並びにその内容等の情報を把握することができるため、交渉に積極的に参入するか否かを判断することができるので、交渉への参入を早期に断念した場合に、受注希望者にとっては、無駄な交渉を避けて交渉業務を効率化することが可能であり、交渉への参入を行った場合に、発注希望者にとっては、より多くの受注希望者から、より良い交渉条件を引き出すことが可能である。
【0020】
第6発明に係る仲介装置は、発注の交渉を支援する発注用装置及び受注の交渉を支援する複数の受注用装置と通信する手段を備え、受発注の交渉を仲介する仲介装置において、前記発注用装置及び各受注用装置間の夫々の交渉に関する情報を記録する手段と、前記発注用装置及び一の受注用装置間の交渉状況が所定の条件を満足した場合に、前記発注用装置及び一の受注用装置間の交渉に関する情報の、他の受注用装置への送信を許可する手段とを備えることを特徴とする。
【0021】
第6発明に係る仲介装置では、家屋の改築工事等の役務について、役務の発注希望者が操作する発注用装置及び改築工事業者等の複数の受注希望者にて管理される複数の受注用装置を用いて行われる交渉を中継し、交渉の内容を示す内容情報及び交渉の進捗を示す進捗状況等の交渉に関する情報を記録し、交渉状況が、交渉を開始してから所定時間を経過した場合等の所定の条件を満足した場合に、内容情報等の情報を、交渉している受注用装置以外の受注用装置へ送信することにより、発注希望者及び夫々の受注希望者間で個別に交渉を行いながらも、例えば発注希望者と一の受注希望者との交渉が長引いた場合に、交渉の内容が他の受注希望者に公開されるので、他の受注希望者は、交渉を成立させるべく、一の受注希望者より好条件を提示することが考えられ、発注希望者にとってより良い条件で交渉を成立させることが可能である。
【0022】
第7発明に係るコンピュータプログラムは、発注の交渉を支援する発注用装置及び受注の交渉を支援する複数の受注用装置と通信する手段を備えるコンピュータに、受発注の交渉を仲介させるコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに、前記発注用装置及び各受注用装置間の夫々の交渉に関する情報を記録させる手順と、コンピュータに、前記発注用装置及び一の受注用装置間の交渉状況が所定の条件を満足した場合に、前記発注用装置及び一の受注用装置間の交渉に関する情報の、他の受注用装置への送信を許可させる手順とを実行させることを特徴とする。
【0023】
第7発明に係るコンピュータプログラムでは、インターネット等の通信網に接続するウェブサーバコンピュータ等のコンピュータにて実行することで、コンピュータが仲介装置として動作し、家屋の改築工事等の役務について、役務の発注希望者が操作する発注用装置及び改築工事業者等の複数の受注希望者にて管理される複数の受注用装置を用いて行われる交渉を中継し、交渉の内容を示す内容情報及び交渉の進捗を示す進捗状況等の交渉に関する情報を記録し、交渉状況が、交渉を開始してから所定時間を経過した場合等の所定の条件を満足した場合に、内容情報等の情報を、交渉している受注用装置以外の受注用装置へ送信することにより、発注希望者及び夫々の受注希望者間で個別に交渉を行いながらも、例えば発注希望者と一の受注希望者との交渉が長引いた場合に、交渉の内容が他の受注希望者に公開されるので、他の受注希望者は、交渉を成立させるべく、一の受注希望者より好条件を提示することが考えられ、発注希望者にとってより良い条件で交渉を成立させることが可能である。
【0024】
第8発明に係るコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体は、発注の交渉を支援する発注用装置及び受注の交渉を支援する複数の受注用装置と通信する手段を備えるコンピュータに、受発注の交渉を仲介させるコンピュータプログラムを記録してある、コンピュータでの読み取りが可能な記録媒体において、コンピュータに、前記発注用装置及び各受注用装置間の夫々の交渉に関する情報を記録させる手順と、コンピュータに、前記発注用装置及び一の受注用装置間の交渉状況が所定の条件を満足した場合に、前記発注用装置及び一の受注用装置間の交渉に関する情報の、他の受注用装置への送信を許可させる手順とを実行させるコンピュータプログラムを記録してあることを特徴とする。
【0025】
第8発明に係るコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体では、記録されているコンピュータプログラムを、インターネット等の通信網に接続するウェブサーバコンピュータ等のコンピュータにて実行することで、コンピュータが仲介装置として動作し、家屋の改築工事等の役務について、役務の発注希望者が操作する発注用装置及び改築工事業者等の複数の受注希望者にて管理される複数の受注用装置を用いて行われる交渉を中継し、交渉の内容を示す内容情報及び交渉の進捗を示す進捗状況等の交渉に関する情報を記録し、交渉状況が、交渉を開始してから所定時間を経過した場合等の所定の条件を満足した場合に、内容情報等の情報を、交渉している受注用装置以外の受注用装置へ送信することにより、発注希望者及び夫々の受注希望者間で個別に交渉を行いながらも、例えば発注希望者と一の受注希望者との交渉が長引いた場合に、交渉の内容が他の受注希望者に公開されるので、他の受注希望者は、交渉を成立させるべく、一の受注希望者より好条件を提示することが考えられ、発注希望者にとってより良い条件で交渉を成立させることが可能である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は本発明の仲介システムを概念的に示す説明図である。
図1中10は、ウェブサーバコンピュータを用いた本発明の仲介装置であり、仲介装置10は、インターネット等の通信網NWに接続し、家屋の改築工事の仲介サービスを行うウェブページである仲介ウェブページを提供している。
【0027】
通信網NWには、改築工事等の役務の発注を希望する発注希望者が管理するパーソナルコンピュータを用いた発注用装置20及び改築工事等の役務の受注を希望する受注希望者である複数の改築工事業者が夫々管理するパーソナルコンピュータを用いた受注用装置30,30,…が接続しており、通信網NWを介して仲介装置10と、発注用装置20及び各受注用装置30,30,…とは通信を行うことができる。
【0028】
図2は本発明の通信システムの構成を示すブロック図である。
仲介装置10は、装置全体を制御するCPU11、本発明のコンピュータプログラムPG及びデータ等の各種情報を記録したCD−ROM等の記録媒体RECからコンピュータプログラムPG及びデータ等の各種情報を読み取るCD−ROMドライブ等の補助記憶手段12、補助記憶手段12により読み取ったコンピュータプログラムPG及びデータ等の各種情報を記録するハードディスク及びRAID等の記録手段13、情報を一時的に記憶するRAM14、並びに通信網NWに接続するルータ等の通信手段15を備えている。
【0029】
そして記録手段13から本発明のコンピュータプログラムPGを読み取り、RAM14に記憶させて、CPU11により実行することで、ウェブサーバコンピュータは本発明の仲介装置10として動作する。
なお記録手段13には、HTML等のマークアップ言語で記述されたハイパーテキストファイル、及び該ファイルに関連付けられた画像ファイル、並びにCGI等のインターフェースを用いて提供される各種コンピュータプログラム等の情報が記録されており、これらの情報に基づいて、仲介ウェブページが形成される。
【0030】
さらに仲介装置10には、発注希望者に関する情報を記録する発注希望者データベース(発注希望者DB)10a、受注希望者に関する情報を記録する受注希望者データベース(受注希望者DB)10b、交渉に関する情報を記録する交渉データベース(交渉DB)10c、発注の対象に関する情報を記録する発注対象データベース(発注対象DB)10d、交渉状況を記録する交渉状況データベース(交渉状況DB)10e、及び交渉状況の状態の内容を記録する状態データベース(状態DB)10f等の各種データベースが接続されており、必要に応じてアクセスが行われ、情報の記録/読取が行われる。
【0031】
なお仲介装置10が備える記録手段13の一部を、発注希望者データベース10a、受注希望者データベース10b、交渉データベース10c、発注対象データベース10d、交渉状況データベース10e及び状態データベース10f等の各種データベースとして用いても良い。
【0032】
発注用装置20は、CPU21、記録手段22、RAM23、通信手段24、マウス及びキーボード等の入力手段25並びにモニタ及びプリンタ等の出力手段26を備えており、記録手段22には、HTML等のマークアップ言語で記述されたハイパーテキストファイル及び該ファイルに関連付けられた画像ファイルを読み取りウェブページとして出力する閲覧用ソフトウェアプログラム(以下ブラウザという)等のコンピュータプログラム及びデータ等の各種情報が記録されている。
【0033】
受注用装置30は、CPU31、記録手段32、RAM33、通信手段34、入力手段35及び出力手段36を備えており、記録手段32には、ブラウザ等のコンピュータプログラム及びデータ等の各種情報が記録されている。
【0034】
次に本発明の仲介装置10に接続された各種データベースについて説明する。図3は本発明の仲介装置10に接続された各種データベースの記録内容を概念的に示す説明図である。
図3(a)は、発注希望者データベース10aの記録内容を示している。
発注希望者データベース10aには、発注希望者を特定する発注希望者IDに対応付けて、発注希望者の住所及び名前等の発注希望者に関する情報が記録されている。
本発明の仲介システムの利用を希望する発注希望者は、最初に住所及び名前等の発注希望者に関する情報を仲介装置10へ送信し、仲介装置10に登録しなければならず、仲介装置10では、発注希望者に関する情報の登録時に発注希望者を特定する発注希望者IDを付与する。
なお発注希望者は、必ずしも個人(自然人)である必要はなく、法人等の団体であっても良い。
【0035】
図3(b)は、受注希望者データベース10bの記録内容を示している。
受注希望者データベース10bには、受注希望者IDに対応付けて、受注希望者の名称、所在地及び業務範囲等の受注希望者に関する情報が記録されている。本発明の仲介システムの利用を希望する受注希望者は、最初に名称、所在地及び業務範囲等の受注希望者に関する情報を仲介装置10へ送信し、仲介装置10に登録しなければならず、仲介装置10では、受注希望者に関する情報の登録時に受注希望者を特定する受注希望者IDを付与する。
【0036】
図3(c)は、交渉データベース10cの記録内容を示している。
交渉データベース10cとは、交渉を目的として発注用装置20及び受注用装置30間で送受信されるメッセージを、交渉の内容を示す内容情報として記録するデータベースである。
交渉データベース10cには、内容情報を特定する内容情報IDに対応付けて、発注対象を特定する発注対象ID、発注希望者ID、受注希望者ID、仲介装置10にて中継した日時及び内容情報に含まれるメッセージそのものを示す本文等の内容情報に関する情報が記録されている。
なお交渉データベース10cに記録されている発注希望者IDは、発注希望者データベース10aに記録されている発注希望者IDと対応しており、交渉データベース10cに記録されている受注希望者IDは、受注希望者データベース10bに記録されている受注希望者IDと対応している。
【0037】
図3(d)は、発注対象データベース10dの記録内容を示している。
発注対象データベース10dとは、浴室の改築及び門扉の付替等の発注の対象となる案件に関する情報を記録するデータベースである。
発注対象データベース10dには、発注対象を特定する発注対象IDに対応付けて、発注希望者ID、受注希望者ID、依頼日時、見積期限、予算金額及び工事内容等の発注対象に関する情報が記録されている。
発注対象IDとは、発注の対象となる案件を特定する情報であり、発注希望者から案件を受け付ける都度、当該案件に対して付与される。
なお発注対象データベース10dに記録されている発注対象IDは、交渉データベース10dに記録されている発注対象IDと対応している。
また発注対象データベース10dに記録されている発注希望者IDは、発注希望者データベース10aに記録されている発注希望者IDと対応しており、発注対象データベース10dに記録されている受注希望者IDは、受注希望者データベース10bに記録されている受注希望者IDと対応している。
なお一つの発注の対象に対して複数の入札者がある場合、複数の受注希望者IDが記録されることになり、また入札者がない場合、受注希望者IDは記録されない。
依頼日時とは、発注希望者が依頼を行った日時であり、具体的には仲介装置10が、発注用装置20から発注の対象を示す対象情報を受信し、受信した対象情報が示す発注対象に対して発注対象IDを付与して発注対象データベース10dに記録した日時である。
見積期限とは、例えば発注時に発注希望者が提示する情報の一つであり、発注希望者及び各受注希望者間で交渉を進める過程において、受注希望者から発注の対象に対する見積金額を提示する期限を示している。
予算金額とは、例えば発注時に発注希望者が提示する情報の一つであり、発注の対象に対する金額の上限値を示している。
ただし発注希望者及び受注希望者間での合意の上で有れば予算金額を超えても良い。
工事内容とは、発注の対象そのものを示す内容であり、例えば浴槽についての改築等の内容を示す情報が記録される。
【0038】
図3(e)は、交渉状況データベース10eの記録内容を示している。
交渉状況データベース10eとは、発注の対象に関する交渉の進捗状況に関する情報を記録するデータベースである。
交渉状況データベース10eには、発注対象IDに対応付けて、発注希望者ID、受注希望者ID及び交渉状況の状態を特定する状態ID等の交渉状況に関する情報が記録されている。
このように一つの発注の対象について、受注希望者ID毎にレコードが記録されるのは、受注希望者毎に進捗状況が異なる場合が考えられるからである。
なお交渉状況データベース10eに記録されている発注対象IDは、発注対象データベース10dに記録されている発注対象IDと対応しており、交渉状況データベース10eに記録されている発注希望者IDは、発注希望者データベース10aに記録されている発注希望者IDと対応しており、交渉状況データベース10eに記録されている受注希望者IDは、受注希望者データベース10bに記録されている受注希望者IDと対応している。
【0039】
図3(f)は、状態データベース10fの記録内容を示している。
状態データベース10fには、状態IDに対応付けて、状態内容等の情報が記録されている。
状態データベース10fに記録されている状態IDとは、交渉状況データベース10eに記録されている状態IDと対応しており、状態内容としては、状態IDにより特定される状態の内容を示す文言が記録される。
具体的には、状態ID「0」に対応付けて状態内容「発注案件受付」、状態ID「1」に対応付けて状態内容「入札」、状態ID「2」に対応付けて状態内容「商談(条件交渉)」、状態ID「3」に対応付けて状態内容「見積もり(金額交渉)」、そして状態ID「4」に対応付けて状態内容「成約」が記録されている。
【0040】
次に本発明の仲介システムにて用いられる各装置の処理について説明する。
図4は本発明の仲介システムにて用いられる仲介装置10及び発注用装置20の発注対象登録処理を示すフローチャートである。
家屋の改築工事等の役務の発注を希望し、予め発注希望者データベース10aへの登録を済ませている発注希望者は、発注用装置20を用いて通信網NWに接続し、ブラウザを起動させて、仲介装置10に記録されている、仲介ウェブページを表示させるためのハイパーテキストファイル及び画像ファイル等の各種情報が記録されている記録位置にアクセスする。
【0041】
仲介装置10では、発注用装置20からのアクセスに対して、記録されている各種情報を発注用装置20へ送信し、発注用装置20では、受信した情報をブラウザにて読み取り、読み取った情報を仲介ウェブページとして出力する。
【0042】
発注希望者は、仲介ウェブページの一つである発注に必要な情報を入力するためのウェブページである発注入力ウェブページを出力させ、予め仲介装置10から付与されている発注希望者ID、見積期限、予算金額及び工事内容等の発注に必要な情報を、所定の入力欄に入力する。
なお発注入力ウェブページを出力するために、発注希望者ID及びパスワードの入力を必要とするようにしてもよく、その場合、発注入力ウェブページには、発注希望者IDの入力欄を表示しないようにしても良い。
【0043】
発注用装置20では、CPU21の制御に基づいて、発注希望者ID、見積期限、予算金額及び発注の対象そのものを示す工事内容等の情報、即ち発注の対象及び該発注対象に関する情報を、対象情報の入力として受け付け(S101)、受け付けた対象情報を仲介装置10へ送信する(S102)。
【0044】
仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御に基づいて、対象情報を受信し(S103)、受信した対象情報を記録する(S104)。
ステップS104の対象情報を記録する処理では、受信した対象情報が示す案件に対して発注対象IDを付与した上で、発注希望者ID、見積期限、予算金額及び工事内容等の情報を、発注対象IDに対応付けられた新たなレコードとして発注対象データベース10dに記録する処理を示し、またこの時の日時を依頼日時として当該レコードに記録する。
このようにして発注対象登録処理が行われる。
【0045】
図5は本発明の仲介システムにて用いられる仲介装置10及び受注用装置30の入札処理を示すフローチャートである。
家屋の改築工事等の役務の受注を希望し、予め受注希望者データベース10bへの登録を済ませている受注希望者は、受注用装置30を用いて通信網NWに接続し、ブラウザを起動させて仲介装置10に記録されている、仲介ウェブページを表示させるためのハイパーテキストファイル及び画像ファイル等の各種情報が記録されている記録位置にアクセスする。
【0046】
仲介装置10では、受注用装置30からのアクセスに対して、記録されている各種情報を発注用装置20へ送信し、受注用装置30では、受信した情報をブラウザにて読み取り、読み取った情報を仲介ウェブページとして出力する。
【0047】
発注希望者は、出力された仲介ウェブページ又は仲介ウェブページに関連付けられているウェブページから、記録されている対象情報の送信を要求する命令を受注用装置30に入力し、受注用装置30では、入力された命令に従い、仲介装置10へ対象情報の送信を要求する。
【0048】
仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御に基づいて、対象情報の送信を要求する命令を受け付け、発注対象データベース10dに対象情報として各種情報が記録されているレコードの中で、当該受注希望者が入札することが可能な案件、例えば入札受付期間内である等の条件を満足する案件が記録されているレコードを抽出し、抽出したレコードに記録されている発注対象ID、見積期限、予算金額及び工事内容等の情報を対象情報として受注用装置30へ送信する(S201)。
なおこの段階で発注希望者ID等の発注者を特定することが可能な情報の送信を制限することにより、発注希望者の匿名性が維持される。
【0049】
受注用装置30では、CPU31の制御に基づいて、対象情報を受信し(S202)、受信した対象情報をブラウザにて読み取り、読み取った対象情報をウェブページとして出力する(S203)。
なお対象情報が複数である場合、複数の対象情報を一つのウェブページとして一覧表の形式で出力する。
また受注用装置30から積極的に要求した場合に限り、仲介装置10から受注用装置30へ対象情報を送信するのではなく、発注対象データベース10dに記録された段階で、発注希望者の住所及び工事内容に基づいて、受注希望者データベース10bに記録されているレコードから適当な受注希望者を選択し、選択した受注希望者が管理する受注用装置30へ、対象情報を送信するようにしてもよい。
【0050】
受注希望者は、ウェブページとして出力された対象情報を確認し、入札を所望する対象情報を選択して、選択した対象情報が示す発注の対象に対する入札を示す入札情報を受注用装置30に入力する。
受注用装置30では、CPU31の制御に基づいて、入札情報の入力を受け付け(S204)、受け付けた入札情報を仲介装置10へ送信する(S205)。なお受注用装置30から仲介装置10へ送信される入札情報には、受注希望者IDが含まれており、仲介装置10では、入札希望者の送信元を特定することが可能である。
【0051】
仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御に基づいて、入札情報を受信し(S206)、受信した入札情報を対象情報に対応付けて記録する(S207)。
ステップS207の入札情報を対象情報に対応付けて記録する処理とは、入札情報に含まれている受注希望者IDを、発注対象データベース10dに記録されている、入札を所望する案件に関するレコードの受注希望者IDの項目に記録する処理を示し、これにより受注希望者IDは、発注希望者ID、見積期限、予算金額及び工事内容等の対象情報に対応付けて記録される。
このようにして入札処理が行われる。
【0052】
図6及び図7は本発明の仲介システムにて用いられる仲介装置10の仲介処理を示すフローチャートである。
仲介装置10では、図4を用いて説明した発注対象登録処理におけるステップS104にて、発注対象データベース10dに新たなレコードを追加した時に、交渉状況データベース10eにも、発注対象IDにて特定される新たなレコードを追加する処理を行う。
このとき交渉状況データベース10eに追加される新たなレコードには、発注対象ID、発注希望者ID及び状態IDを示すデータが記録される。
また状態IDとして、状態データベース10fより「発注案件受付」を示す「0」が記録される。
【0053】
仲介装置10では、交渉状況データベース10eに新たなレコードが追加される都度、仲介に関する一連の処理である仲介処理の対象として、追加されたレコードを加える。
そして仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御に基づいて、交渉状況データベース10eに記録されている状態IDを「発注案件受付」を示す「0」から、「入札」を示す「1」に更新し、当該案件について、図5を用いて説明した入札処理を開始する(S301)。
【0054】
仲介装置10では、図5を用いて説明した入札処理と並行して、仲介処理の一部である入札補助処理を実行する。
入札補助処理として仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御に基づいて、入札期限に到達しているか否かを判定し(S302)、入札期限に到達していないと判定した場合(S302:NO)、入札定員に到達しているか否かを判定する(S303)。
なお入札期限及び入札定員としては、依頼日時から一ヶ月及び10社というように予め設定しておいても良いが、発注希望者が決定し、発注対象登録処理時に登録するようにしてもよい。
【0055】
ステップS302において、入札期限に達していると判定した場合(S302:YES)、仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御に基づいて、入札処理による1件以上の入札が有るか否かを判定する(S304)。
なお入札が有るか否かの判定は、発注対象データベース10dの当該案件に対応するレコードに、受注希望者IDが記録されているか否かを判定することにより行う。
【0056】
ステップS303において、入札定員に達していると判定した場合(S303:YES)、又はステップS304において、1件以上の入札が有ると判定した場合(S304:YES)、仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御に基づいて、交渉状況データベース10eに記録されている状態IDを「入札」を示す「1」から、「商談(条件交渉)」を示す「2」に更新し、当該案件について、仲介処理の一部である条件交渉処理を開始する(S305)。
【0057】
ステップS303において、入札定員に達していないと判定した場合(S303:NO)、ステップS302に戻り、以降の処理を繰り返す。
【0058】
ステップS304において、入札が無いと判定した場合(S304:NO)、発注用装置20へ、入札が無いことを通知する情報を送信し、当該案件に関する処理を終了する。
【0059】
条件交渉処理として仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、発注対象データベース10dに対応付けて記録されている対象情報及び入札情報に基づいて、対象情報の送信元の発注用装置20及び入札情報の送信元の受注用装置30間で送受信される、交渉の内容を示す内容情報の中継を開始し(S306)、内容情報中継サブルーチンを起動する(S307)。
【0060】
ここで発注用装置20から受注用装置30へ内容情報を送信する際に、発注用装置20が備えるモニタである出力手段26から出力される画像を説明する。
図8は本発明の仲介システムにて用いられる発注用装置20から出力される画像を示す説明図である。
図8では、発注用装置20から出力された画像中、ブラウザを示すウィンドウ画像及び該ウィンドウ画像内に表示されるウェブページを示している。
【0061】
図8に例示したウェブページの最上部には、「メッセージ入力」という文言がしめされており、その下方には、当該案件の対象情報に関する情報が、「発注内容」という文言と共に表形式で示されている。
表形式で示されている当該案件の対象情報に関する情報とは、依頼日時、依頼内容及び依頼箇所として示される工事内容、入札期限、見積期限並びに着工希望日であり、これらの情報は、発注対象データベース10dに記録されている情報と対応している。
対象情報に関する情報の下方には、当該案件に対して入札を行った受注希望者の中で、発注希望者が処理の対象として指定した発注希望者に関する情報が、「入札者」という文言と共に表形式で示されている。
表形式で示されている受注希望者に関する情報とは、受注希望者の名称(入札者名)及び担当者の氏名であり、これらの情報は受注希望者データベース10bに記録されている情報と対応している。
【0062】
さらにその下方には、過去に当該受注希望者と送受信した内容情報の一覧が、「入札者との交渉履歴」という文言と共に、表形式で示されている。
表形式で示されている内容情報の一覧とは、発注希望者又は受注希望者を示す送信者、日時及び本文であり、これらの情報は、交渉データベース10cに記録されている情報と対応している。
【0063】
最下部には、「見積依頼」、「連絡」及び「断る」という文言が示された押し釦を模した画像が表示されており、発注希望者は、当該受注希望者に対しての処置を選択し、選択した処置を示す押し釦を指示する入力を行う。
「見積依頼」と示された押し釦は、交渉を終了させ、「見積もり(金額交渉)」の状態に進むことを明示する場合に選択する押し釦である。
「連絡」と示された押し釦は、条件交渉を継続すべく、更なる内容情報の送受信を行う場合に選択する押し釦であり、「連絡」と示された押し釦を指示する入力を行うことにより、内容情報を送信するための形式(フォーム)が新たなウィンドウとして示される。
「断る」と示された押し釦は、当該受注希望者との交渉を終了し、当該受注希望者との以降の交渉及び契約等の処理を行わないことを明示する場合に選択する押し釦である。
【0064】
そして選択された処置を示す処置情報が発注用装置20から仲介装置10へ送信される。
なお「連絡」を指示した場合には、内容情報の本文の入力欄が表示され、発注希望者は本文の入力を行い、入力した本文を内容情報として送信させることができる。
【0065】
図7に戻り、仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、1分等の所定間隔毎に、処置情報の受信を検出しており(S308)、処置情報を検出した場合(S308:YES)、検出した処置情報が「見積依頼」を示しているか否かを判定する(S309)。
【0066】
ステップS309において、処置情報が「見積依頼」を示していると判定した場合(S309:YES)、条件交渉が終了したと判定し、仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、内容情報中継サブルーチンを終了し(S310)、交渉状況データベース10eに記録されている状態IDを「商談(条件交渉)」を示す「2」から、「見積もり(金額交渉)」を示す「3」に更新し、当該案件の当該受注希望者について、仲介処理の一部である金額交渉処理を開始する(S311)。
【0067】
ステップS309において、検出した処置情報が「見積依頼」を示していないと判定した場合(S309:NO)、仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、検出した処置情報が「連絡」を示しているか否かを判定する(S312)。
【0068】
ステップS312において、処置情報が「連絡」を示していると判定した場合(S312:YES)、今後も条件交渉は継続されると判定し、ステップS308に戻り以降の処理を繰り返す。
【0069】
ステップS312において、処置情報が「連絡」を示していないと判定した場合(S312:NO)、即ち発注希望者が「断る」押し釦を押して、「連絡」押し釦を押していない場合、処置情報は「断る」を示していると判定し、仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、当該受注希望者との交渉が決裂したことを示す情報を、発注用装置20及び当該受注希望者により管理される受注用装置30へ送信する不成立処理を実行する(S313)。
【0070】
金額交渉処理として仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、発注対象データベース10dに対応付けて記録されている対象情報及び入札情報に基づいて、対象情報の送信元の発注用装置20及び入札情報の送信元の受注用装置30間で送受信される、金額交渉の内容を示す金額交渉情報を中継する金額交渉中継サブルーチンを起動する(S314)。
【0071】
なお発注用装置20から受注用装置30へ金額交渉情報を送信する際に、発注用装置20が備えるモニタである出力手段26から出力される画像は、図8に示す画像とほぼ同様であるので、その説明を省略する。
ただし、入札希望者との交渉履歴という文言と共に示される表は、条件交渉時に送受信した内容情報だけでなく、金額交渉時に送受信される金額交渉情報に関する情報も表示され、また最下部には、「契約」、「連絡」及び「断る」という文言が示された押し釦が表示される。
【0072】
そして受注希望者が選択した処置を示す押し釦を指示する入力を行うことにより、選択した処置を示す処置情報が発注用装置20から仲介装置10へ送信される。
仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、1分等の所定間隔毎に、処置情報の受信を検出しており(S315)、処置情報を検出した場合(S315:YES)、検出した処置情報が「契約」を示しているか否かを判定する(S316)。
【0073】
ステップS316において、処置情報が「契約」を示していると判定した場合(S316:YES)、金額交渉が終了したと判定し、仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、金額交渉中継サブルーチンを終了し(S317)、交渉状況データベース10eに記録されている状態IDを「見積もり(金額交渉)」を示す「3」から、「成約」を示す「4」に更新し、当該案件が成立したことを示し、互いの連絡先を示す情報を発注用装置20及び当該受注希望者が管理する受注用装置30へ送信して当該案件の仲介処理を終了する契約成立処理を実行する(S318)。
【0074】
ステップS316において、検出した処置情報が「契約」を示さないと判定した場合(S316:NO)、仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、検出した処置情報が「連絡」を示しているか否かを判定する(S319)。
【0075】
ステップS319において、処置情報が「連絡」を示していると判定した場合(S319:YES)、今後も条件交渉は継続されると判定し、再見積の交渉を行うべくステップS308に戻り以降の処理を繰り返す。
【0076】
ステップS319において、処置情報が「連絡」を示していないと判定した場合(S319:NO)、処置情報は「断る」を示していると判定し、仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、当該受注希望者との交渉が決裂したことを示す情報を、発注用装置20及び当該受注希望者により管理される受注用装置30へ送信する不成立処理を実行する(S313)。
なお不成立処理の一部として、金額交渉中継サブルーチンの終了処理が行われる。
このようにして仲介処理が行われる。
【0077】
図9は本発明の仲介システムにて用いられる仲介装置10の内容情報中継サブルーチンを示すフローチャートである。
内容情報の中継とは、仲介装置10において、発注用装置20及び受注用装置30のいずれか一方の装置から送信された交渉の内容を示す内容情報を受信し、受信した内容情報に内容情報IDを付与して、付与した内容情報IDに対応付けて、発注対象ID、発注希望者ID、受注希望者ID、日時及び本文を交渉データベース10cに新たなレコードとして記録した上で、受信した内容情報を他方の装置へ送信する処理を示す。
即ち仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、発注用装置20及び受注用装置30間の交渉に関する内容情報を一方の装置から受信して(S401)、受信した内容情報を交渉データベース10cに記録し(S402)、受信した内容情報を他方の装置へ送信する(S403)。
【0078】
図10は本発明の仲介システムにて用いられる仲介装置10の金額交渉中継サブルーチンを示すフローチャートである。
金額交渉情報の中継とは、仲介装置10において、発注用装置20及び受注用装置30のいずれか一方の装置から送信された金額交渉の内容を示す金額交渉情報を受信し、受信した金額交渉情報に内容情報IDを付与して、付与した内容情報IDに対応付けて、発注対象ID、発注希望者ID、受注希望者ID、日時及び本文を交渉データベース10cに新たなレコードとして記録した上で、受信した内容情報を他方の装置へ送信する処理を示す。
このように金額交渉中継サブルーチンにより送受信される金額交渉情報についても、交渉の内容を示す内容情報であるとして、交渉データベース10cに記録する。
即ち仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、発注用装置20及び受注用装置30間の金額交渉に関する金額交渉情報を一方の装置から受信して(S501)、受信した金額交渉情報を内容情報として交渉データベース10cに記録し(S502)、受信した金額交渉情報を他方の装置へ送信する(S503)。
このように金額交渉中継サブルーチンにより送受信される金額交渉情報についても、交渉の内容を示す内容情報であるとして、交渉データベース10cに記録する。
【0079】
図11は本発明の仲介システムにて用いられる仲介装置10の交渉内容公開処理を示すフローチャートである。
仲介装置10では、図6及び図7を用いて説明した仲介処理における条件交渉処理及び金額交渉処理を実行中に、発注用装置20及び所定の条件を満足する受注用装置30に交渉に関する情報、例えば内容情報を公開することを許可しており、交渉に関する情報を公開するため、仲介処理に並行して交渉内容公開処理が実行される。
交渉内容公開処理として、仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、内容情報等の交渉に関する情報の公開を要求する装置の管理者を特定する発注希望者ID又は受注希望者ID、並びに公開を要求する発注対象を特定する発注対象IDを含む公開要求情報を受信し(S601)、受信した公開要求情報に発注希望者IDが含まれるか否かを判定する(S602)。
【0080】
ステップS602において、公開要求情報に発注希望者IDが含まれると判定した場合(S602:YES)、仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、当該公開要求情報は、発注用装置20から送信されたものであると判定して、交渉データベース10c及び交渉状況データベース10dに記録されている各種情報により、発注用装置20及び各受注用装置30,30,…の交渉に関し、内容情報を含む公開用情報を生成し(S603)、生成した公開用情報を公開要求情報の送信元の装置へ送信する(S604)。
なおこのとき公開用情報が送信される装置とは、仲介装置20のことである。またステップS603にて生成される公開用情報は、仲介装置20へ送信され仲介装置20にて表示する場合、例えば図8に例示した画像内の内容情報の一覧の形式で表示される。
【0081】
ステップS602において、公開要求情報に発注希望者IDが含まれないと判定した場合(S602:NO)、仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、当該公開要求情報は、受注希望者IDを含む受注用装置30から送信されたものであると判定して、図6及び図7を用いて説明した仲介処理のステップS306における条件交渉処理の開始からの期間を、発注用装置20及び受注用装置間の交渉状況として検出する(S605)。
【0082】
そして仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、発注用装置20及び受注用装置30間の交渉状況として検出した条件交渉処理の開始からの期間が、所定の条件として予め設定されている第1所定期間を経過しているか否かを判定する(S606)。
【0083】
ステップS606において、所定の条件として設定されている第1所定期間を経過していると判定した場合(S606:YES)、仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、所定の条件を満足している受注用装置30に関する交渉に関する公開用情報を公開するべきであると判定して、発注用装置20及び受注用装置30の交渉に関する公開用情報の送信を許可し(S607)、ステップS603に進み、内容情報を含む公開用情報を生成し(S603)、生成した公開用情報を公開要求情報の送信元の装置へ送信する(S604)。
即ちステップS605にて検出した所定の条件を満足する一の受注用装置30が存在するとステップS606にて判定した場合、発注用装置20及び一の受注用装置30間の交渉に関する公開用情報の、他の受注用装置30への送信をステップS607にて許可することになる。
なおステップS605にて検出に用いた所定の条件を満足する一の受注用装置30が存在するということは、当該案件に対して入札情報を送信した全ての受注用装置30,30,…が所定の条件を満足することになるので、発注用装置20及び全ての受注用装置30,30,…間の交渉に関する公開用情報の全ての受注用装置30,30,…への送信を許可することになる。
【0084】
ステップS606において、第1所定期間を経過していないと判定した場合(S606:NO)、仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、各受注用装置30,30,…について、内容情報を最後に中継してからの期間を、発注用装置20及び各受注用装置30,30,…間の交渉状況として検出する(S608)。
【0085】
そして仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、発注用装置20及び各受注用装置30,30,…間の交渉状況として検出した内容情報を最後に中継してからの期間が、所定の条件として予め設定されている第2所定期間を経過しているか否かを判定する(S609)。
【0086】
ステップS609において、所定の条件として設定されている第2所定期間を経過していると判定した場合(S609:YES)、仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、所定の条件を満足している受注用装置30に関する交渉の状況を公開するべきであると判定して、発注用装置20及び所定の条件を満足している受注用装置30の交渉に関する公開用情報の送信を許可し(S610)、ステップS603に進み、該当する受注用装置30に関する内容情報を含む公開用情報を生成し(S603)、生成した公開用情報を公開要求情報の送信元の装置へ送信する(S604)。
即ちステップS608にて検出した所定の条件を満足する一の受注用装置30が存在するとステップS609にて判定した場合、発注用装置20及び一の受注用装置30間の交渉に関する公開用情報の、他の受注用装置30への送信をステップS610にて許可することになる。
【0087】
ステップS609において、所定の条件として設定されている第2所定期間を経過していないと判定した場合(S609:NO)、当該公開要求情報に対して公開すべき情報はないと判定して、交渉内容公開処理を終了する。
【0088】
なお公開要求情報を受信した場合に、公開用情報を送信するのではなく、公開用情報を送信するための条件を満足しているか否かを所定期間毎に判定し、条件を満足した場合に、当該案件に関する装置へ自動的に公開用情報を送信するようにしてもよく、これにより積極的に競争を促すことが可能となる。
【0089】
このように交渉状況が、交渉を開始してから所定時間を経過した場合等の所定の条件を満足した場合に、内容情報を含む公開用情報を、交渉している受注用装置30以外の受注用装置30へ送信することにより、発注希望者及び夫々の受注希望者間で個別に交渉を行いながらも、例えば発注希望者と一の受注希望者間の交渉が長引いた場合に、交渉の内容が他の受注希望者に公開されるので、他の受注希望者は、交渉を成立させるべく、一の受注希望者より好条件を提示することが考えられ、発注希望者にとってより良い条件で交渉を成立させることが可能である。
また発注希望者と一の受注希望者の内容情報が公開された場合、それ以降は一の受注希望者以外との内容情報も公開されるようにして、さらにより良い条件を引き出すようにしても良い。
上述した形態では交渉に関する情報を、他の受注希望者、即ち当事者以外に公開することを許可するか否かを、ステップS606及びS609の2つの条件に基づいて判定する形態を示したが、本発明はこれに限らず、いずれか一方の条件のみに基づいて公開を許可するか否かを判定するようにしても良い。
また状態IDと上述した公開許可の条件とを組み合わせて判定するようにしてもよい。
例えば、状態IDが「商談(条件交渉)」である場合、ステップS606の第1所定期間経過の条件を満足しているか否かの判定に基づいて、公開用情報の送信を許可するか否かを判定し、状態IDが「見積(金額交渉)」である場合、ステップS609の第2所定期間経過の条件を満足しているか否かの判定に基づいて、公開用情報の送信を許可するか否かを判定する。
【0090】
次に発注用装置20が備えるモニタである出力手段26から出力される各種画像について説明する。
図12は本発明の仲介システムにて用いられる発注用装置20から出力される画像を示す説明図である。
図12では、発注用装置20から出力された画像中、ブラウザを示すウィンドウ画像及び該ウィンドウ画像内にウェブページとして表示される交渉の進捗状況を示している。
【0091】
図12に例示したウェブページの最上部には、「交渉状況」という文言が示されており、その下方には、当該案件の交渉の進捗状況を示す情報が表形式で示されている。
図12に示す例では、受注希望者であるA社、B社、C社、D社及びE社の夫々について、通信履歴及び進捗が示されている。
通信履歴は、A社、B社、C社、D社及びE社等の受注希望者毎に、また商談(条件交渉)及び見積(金額交渉)等の交渉の進捗毎に、内容情報を送信又は受信した回数及び最後に送信した内容情報の日時が2段に分けて示されている。
各通信履歴中、上段の日時は、受注希望者から発注希望者へ内容情報を送信した日時、即ち発注用装置20が内容情報を受信した日時を示し、下段に括弧付きで示された日時は、発注希望者から受注希望者へ内容情報を送信した日時、即ち受注用装置30が内容情報を送信した日時を示している。
【0092】
例えばA社に対する商談(条件交渉)においては、6月23日の15時17分に2回目の内容情報を受信しており、また6月22日の20時32分に1回目の内容情報の送信を行っている。
またC社とは、見積(金額交渉)まで進捗しており、6月25日の8時5分に内容情報として金額交渉情報を受信していることが示されている。
【0093】
図13は、本発明の仲介システムにて用いられる発注用装置20から出力される画像を示す説明図である。
図13では、発注用装置20から出力された画像中、ブラウザを示すウィンドウ画像及び該ウィンドウ画像内に、図12とは異なる形式のウェブページとして表示される交渉の進捗状況を示している。
図13では、受注希望者であるA社、B社、C社、D社及びE社の夫々の進捗状況を、ガントチャートを模した形式で示している。
例えば、A社とは、契約の成立後、施工を実施し、工事そのものが完了しており、C社とは見積(金額交渉)の段階まで競い合っていたことが示されている。
【0094】
そしてガントチャートを構成する矢印を指示する入力を行うことにより、公開要求情報が発注用装置20から仲介装置10へ送信され、公開用情報が表示される。
例えばA社の商談(条件交渉)を示す1交渉という文言が表示された矢印を指示する入力を行うことにより、受注希望者であるA社と発注希望者との間で送受信された内容情報の一覧が公開用情報として表示される。
なお受注用装置30からも、図13に例示した画像を表示させることが可能であり、矢印を指示する入力を行うことにより、公開要求情報が仲介装置10へ送信されるが、図11を用いて説明した交渉内容公開処理により、公開用情報の公開が許可されていると判定された場合に限り、内容情報を含む公開用情報が表示される。
【0095】
さらに夫々のガントチャートは状況に応じて着色させることで、状況を容易に把握することができるようになる。
例えば、「交渉」と示された矢印の画像について、最後に送受信された内容情報の送信元が発注用装置20か受注用装置30かで色分けをする方法がある。
また商談(条件交渉)時に「断る」と示された押し釦を指示した受注希望者については、矢印を灰色にて示すようにすることで、単に交渉が途絶えているだけの受注希望者と明確に区別することができる。
さらに成約した受注希望者、図13に示す例ではA社に関する矢印を赤色にて示すことで、当該案件については、既にA社と契約が完了したことを明確にすることができる。
そして社名を指示する入力を行うことにより、公開用情報の送信が許可されている受注希望者については、更に詳細な情報が表示されるようにしてもよい。
なお短期的な案件については、見積(金額交渉)等の途中の過程が省略されることも考えられるが、その場合、当該過程については、そのことを示す色により表示することで、過程が省略されたことを明確にすることができる。
このように複数の受注希望者の進捗を同時に管理することができるので、競合の動向を容易に把握することができ、発注希望者及び受注希望者の双方にとって適切な対応が可能となる。
【0096】
前記実施の形態では、家屋の改築に適用する形態を示したが、本発明はこれに限らず、様々な取引の交渉の仲介に適用することが可能である。
【0097】
また前記実施の形態では、交渉の期間に関する条件に基づいて公開用情報の送信を許可する形態を示したが、本発明はこれに限らず、たとえば内容情報の送受信回数が所定回数以上に達した場合に、公開用情報を公開するようにしてもよい。
【0098】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明に係る仲介方法、仲介システム、仲介装置、コンピュータプログラム及び記録媒体では、家屋の改築工事等の役務について、役務の発注希望者が操作する発注用装置及び改築工事業者等の複数の受注希望者にて管理される複数の受注用装置を用いて行われる交渉を、インターネット等の通信網に接続するウェブサーバコンピュータを用いた仲介装置により中継し、仲介装置では、交渉の内容を示す内容情報等の交渉に関する情報を記録し、交渉状況が、交渉を開始してから所定時間を経過した場合等の所定の条件を満足した場合に、記録している内容情報を、交渉している受注用装置以外の受注用装置へ送信することにより、発注希望者及び夫々の受注希望者間で個別に交渉を行いながらも、例えば発注希望者と一の受注希望者との交渉が長引いた場合に、交渉の状況が他の受注希望者に公開されるので、他の受注希望者は、交渉を成立させるべく、一の受注希望者より好条件を提示することが考えられ、発注希望者にとってより良い条件で交渉を成立させることが可能である等、優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の仲介システムを概念的に示す説明図である。
【図2】本発明の通信システムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の仲介装置に接続された各種データベースの記録内容を概念的に示す説明図である。
【図4】本発明の仲介システムにて用いられる仲介装置及び発注用装置の発注対象登録処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の仲介システムにて用いられる仲介装置及び受注用装置の入札処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の仲介システムにて用いられる仲介装置の仲介処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の仲介システムにて用いられる仲介装置の仲介処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の仲介システムにて用いられる発注用装置から出力される画像を示す説明図である。
【図9】本発明の仲介システムにて用いられる仲介装置の内容情報中継サブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】本発明の仲介システムにて用いられる仲介装置の金額交渉中継サブルーチンを示すフローチャートである。
【図11】本発明の仲介システムにて用いられる仲介装置の交渉内容公開処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の仲介システムにて用いられる発注用装置から出力される画像を示す説明図である。
【図13】本発明の仲介システムにて用いられる発注用装置から出力される画像を示す説明図である。
【符号の説明】
10 仲介装置
10a 発注希望者データベース
10b 受注希望者データベース
10c 交渉データベース
10d 発注対象データベース
10e 交渉状況データベース
10f 状態データベース
20 発注用装置
30 受注用装置
NW 通信網
PG コンピュータプログラム
REC 記録媒体
【発明の属する技術分野】
本発明は、受発注の交渉を仲介する仲介装置並びに発注の交渉を支援する発注用装置及び受注の交渉を支援する複数の受注用装置を用いた仲介方法、その方法を適用した仲介システム、そのシステムにて用いられる仲介装置、その装置を実現するためのコンピュータプログラム並びにそのプログラムを記録してあるコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体に関し、特にインターネット等の通信網を介して家屋の改築工事を行う改築工事業者及び改築工事を発注する発注希望者間の交渉を仲介するサービスに適用する仲介方法、仲介システム、仲介装置、コンピュータプログラム及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネット等の通信網に接続するウェブサーバコンピュータ等の仲介装置を用いて、取引対象の取引及び該取引の交渉を仲介する仲介方法が普及しており、主な仲介方法としてはオークション方式及び入札方式が挙げられる。
【0003】
オークション方式とは、主に衣料及び陶器等の有体動産を、販売希望者から購入希望者に販売する取引に適用される方式である。
オークション方式では、仲介装置が販売希望者から受け付けた取引対象に関する情報を通信網上に公開し、公開された取引対象に対して購入希望者から購入希望額を受け付け、最高額等の所定の条件を満足する購入希望額を示した購入希望者に取引対象を販売する。
そしてオークション方式の特徴として、仲介装置が購入希望者から受け付けた購入希望額は、他の購入希望者にも公開されるということが挙げられ、これにより他の購入希望者から更に高額の購入希望額を引き出すことができる。
なおオークション方式の一つとして、購入希望者から取引対象を提示し、販売希望者から販売希望額を受け付ける逆オークション方式と呼ばれる方式があり、逆オークション方式では、仲介装置が販売希望者から受け付けた販売希望額を他の販売希望者に公開することで、他の販売希望者から更に低額の販売希望額を引き出すことができる。
【0004】
一方、入札方式とは、主に工事等の役務の提供を取引対象とし、取引対象となる役務の受発注に適用される方式である。
入札方式では、仲介装置にて、役務の提供を受けることを希望する発注希望者から受け付けた役務の内容を公開し、公開された内容を満たすことができ役務の提供を希望する受注希望者から受注希望額を受け付け、最低額等の所定の条件を満足する受注希望額を示した受注希望者と役務の提供についての取引を成約させる。
そして入札方式の特徴として、予め具体的な内容を提示して受注希望金額を受け付けることにより、最低額等の好条件で、希望する内容を満足する役務の提供を受けることができるということが挙げられる。
【0005】
なおインターネット上でのオークション方式及び入札方式に関しては、取引処理の状況の変化を迅速に伝える方法(例えば、特許文献1参照。)及び登録されている全ての受注業者に対して提示する方法(例えば、特許文献2参照。)が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−353203号公報
【特許文献2】
特開2002−83182号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら家屋の改築工事等の役務に適用する場合、浴槽及び門扉等の物品自体の仲介は、オークション方式の一つである逆オークション方式を適用することで、販売希望者から低額の販売希望額を引き出すことが可能であるが、取付工事を伴う改築用の物品については、取り付け箇所の条件によって工事費用が異なるため、販売希望者は販売希望額を提示し難いという問題があり、このことは購入希望者にとっても低額な購入希望額を引き出し難いという問題となる。
【0008】
一方、予め発注希望者から受け付けた役務の内容、例えば取り付け箇所の条件を予め提示する入札方式は、改築工事に関する仲介に適する面もあるが、発注希望者に家屋の改築工事に関する十分な知識がないことが多く、そのため発注希望者から最初に提示される役務の内容は、受注希望者にとって具体的でないことが多い。
これにより発注希望者と各受注希望者が別途交渉を行う必要が生じ、単なる入札方式では対応し難いという問題に繋がる。
実際、インターネット等の通信網を介して家屋の改築工事を仲介するウェブページが提供されているが、単に自社又は複数の改築工事業者を紹介する程度であり、交渉及び見積等の業務については、改築工事業者に一任するに止まっており、発注希望者の希望に添う内容をより有利な条件で提供する仕組みが組み込まれていない。
【0009】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、入札方式を適用した仲介により、受注希望者からの受注を受け付け、発注希望者及び各受注希望者間での交渉の場を通信網上で提供することにより、改築工事業者の紹介に止まらず交渉の場を提供し、これによりある程度の条件交渉を行った上で、受注希望者は受注希望額を提示することができるので、入札方式の仲介に適用することが可能で、しかも交渉が開始されてからの期間が所定期間を経過した場合等の所定の条件を満足した場合に、交渉している受注希望者以外の受注希望者にも交渉の内容を公開することにより、他の受注希望者からより良い条件を引き出すことが可能な仲介方法、その方法を適用した仲介システム、そのシステムにて用いられる仲介装置、その装置を実現するためのコンピュータプログラム並びにそのプログラムを記録してあるコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る仲介方法は、受発注の交渉を仲介する仲介装置並びに発注の交渉を支援する発注用装置及び受注の交渉を支援する複数の受注用装置を用いた仲介方法において、前記仲介装置は、前記発注用装置及び各受注用装置間の夫々の交渉に関する情報を記録し、前記発注用装置及び一の受注用装置間の交渉状況が所定の条件を満足した場合に、前記発注用装置及び一の受注用装置間の交渉に関する情報の、他の受注用装置への送信を許可することを特徴とする。
【0011】
第1発明に係る仲介方法では、家屋の改築工事等の役務について、役務の発注希望者が操作する発注用装置及び改築工事業者等の複数の受注希望者にて管理される複数の受注用装置を用いて行われる交渉を、インターネット等の通信網に接続するウェブサーバコンピュータを用いた仲介装置により中継し、仲介装置では、交渉の内容を示す内容情報及び交渉の進捗を示す進捗状況等の交渉に関する情報を記録し、交渉状況が、交渉を開始してから所定時間を経過した場合等の所定の条件を満足した場合に、内容情報等の情報を、交渉している受注用装置以外の受注用装置へ送信することにより、発注希望者及び夫々の受注希望者間で個別に交渉を行いながらも、例えば発注希望者と一の受注希望者との交渉が長引いた場合に、交渉の内容が他の受注希望者に公開されるので、他の受注希望者は、交渉を成立させるべく、一の受注希望者より好条件を提示することが考えられ、発注希望者にとってより良い条件で交渉を成立させることが可能である。
【0012】
第2発明に係る仲介システムは、受発注の交渉を仲介する仲介装置並びに発注の交渉を支援する発注用装置及び受注の交渉を支援する複数の受注用装置を備えた仲介システムにおいて、前記仲介装置は、前記発注用装置及び各受注用装置間の夫々の交渉に関する情報を記録する手段と、前記発注用装置及び一の受注用装置間の交渉状況が所定の条件を満足した場合に、前記発注用装置及び一の受注用装置間の交渉に関する情報の、他の受注用装置への送信を許可する許可手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
第2発明に係る仲介システムでは、家屋の改築工事等の役務について、役務の発注希望者が操作する発注用装置及び改築工事業者等の複数の受注希望者にて管理される複数の受注用装置を用いて行われる交渉を、インターネット等の通信網に接続するウェブサーバコンピュータを用いた仲介装置により中継し、仲介装置では、夫々の交渉に関する情報を記録し、交渉状況が、所定の条件を満足した場合に、交渉の内容等の交渉に関する情報を、交渉している受注用装置以外の受注用装置へ送信することにより、発注希望者及び夫々の受注希望者間で個別に交渉を行いながらも、交渉の内容が他の受注希望者に公開されるので、他の受注希望者は、交渉を成立させるべく、一の受注希望者より好条件を提示することが考えられ、発注希望者にとってより良い条件で交渉を成立させることが可能である。
【0014】
第3発明に係る仲介システムは、受発注の交渉を仲介する仲介装置並びに発注の交渉を支援する発注用装置及び受注の交渉を支援する複数の受注用装置を備えた仲介システムにおいて、前記発注用装置は、発注の対象を示す対象情報を前記仲介装置へ送信する手段を備え、前記仲介装置は、受信した対象情報を記録する手段と、記録した対象情報を前記複数の受注用装置へ送信する手段とを備え、前記受注用装置は、受信した対象情報を出力する手段と、出力した対象情報が示す発注の対象に対する入札を示す入札情報を前記仲介装置へ送信する手段とを備え、前記仲介装置は、更に、受信した入札情報を、対象情報に対応付けて記録する手段と、対応付けて記録した対象情報及び入札情報に基づき、前記発注用装置及び入札情報の送信元の受注用装置間で送受信される、交渉の内容を示す内容情報の中継を開始する手段と、前記発注用装置及び入札情報の送信元の受注用装置間の交渉に関する情報を記録する手段と、前記発注用装置及び入札情報の送信元の受注用装置間の交渉状況を検出する検出手段と、検出した交渉状況が所定の条件を満足する一の受注用装置が存在する場合に、前記発注用装置及び一の受注用装置間の交渉に関する情報の、入札情報の送信元の他の受注用装置への送信を許可する許可手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
第3発明に係る仲介システムでは、例えば家屋の改築工事等の役務である発注の対象を示す対象情報を発注用装置から仲介装置へ送信するという発注希望者からの発注に対し、仲介装置では、受信した対象情報に対する入札情報を受け付けるという入札方式を適用した仲介にて、受注希望者からの受注を受け付け、発注希望者及び各受注希望者間で送受信される内容情報を中継することにより、改築工事業者等の受注希望者の紹介に止まらず交渉の場を提供し、これによりある程度の条件交渉を行った上で、受注希望者は受注希望額を提示することができるので、入札方式の仲介に適用することが可能で、しかも交渉状況が、所定の条件を満足した場合に、内容情報の交渉に関する情報を、交渉している受注用装置以外の受注用装置へ送信することにより、発注希望者及び夫々の受注希望者間で個別に交渉を行いながらも、交渉の内容が他の受注希望者に公開されるので、他の受注希望者は、交渉を成立させるべく、一の受注希望者より好条件を提示することが考えられ、発注希望者にとってより良い条件で交渉を成立させることが可能である。
【0016】
第4発明に係る仲介システムは、第3発明において、前記所定の条件は、中継を開始してからの第1所定期間の経過又は内容情報を最後に中継してからの第2所定期間の経過であることを特徴とする。
【0017】
第4発明に係る仲介システムでは、所定の条件として中継を開始してからの第1所定期間の経過を、他の受注希望者への公開の条件とすることで、受注希望者が公開前に受発注の成約又は細部の詰めにまで交渉を進捗させようとすることが考えられるので、交渉を短期間で完了させることが可能であり、また公開された場合に、自社の交渉の進捗が遅いことを知り得た受注希望者は他の発注希望者との交渉に切り替えることができるので交渉業務の効率化を推進することが可能であり、更には所定の条件として内容情報を最後に中継してからの第2所定期間の経過とすることにより、発注希望者が交渉の遅い受注希望者と交渉を行っている場合に、他の受注希望者が発注希望者に対して交渉を持ちかけやすく、迅速さも含めて質の良い受注希望者が受注を受けることができる様になるので、受注希望者間の自由競争が発生し、受注希望者の全体的な質の向上を見込むことが可能である。
【0018】
第5発明に係る仲介システムは、第2発明乃至第4発明のいずれかにおいて、前記仲介装置が備える前記許可手段が、他の受注用装置への送信を許可する、交渉に関する情報は、内容情報を含むことを特徴とする。
【0019】
第5発明に係る仲介システムでは、仲介装置に交渉に関する情報として内容情報を記録し、またその送受信回数及び送受信時刻等の通信履歴並びにその内容を公開することで、公開された通信履歴を確認した他の受注希望者は、交渉している一の受注希望者の交渉の進捗状況及び発注希望者が回答する時間帯並びにその内容等の情報を把握することができるため、交渉に積極的に参入するか否かを判断することができるので、交渉への参入を早期に断念した場合に、受注希望者にとっては、無駄な交渉を避けて交渉業務を効率化することが可能であり、交渉への参入を行った場合に、発注希望者にとっては、より多くの受注希望者から、より良い交渉条件を引き出すことが可能である。
【0020】
第6発明に係る仲介装置は、発注の交渉を支援する発注用装置及び受注の交渉を支援する複数の受注用装置と通信する手段を備え、受発注の交渉を仲介する仲介装置において、前記発注用装置及び各受注用装置間の夫々の交渉に関する情報を記録する手段と、前記発注用装置及び一の受注用装置間の交渉状況が所定の条件を満足した場合に、前記発注用装置及び一の受注用装置間の交渉に関する情報の、他の受注用装置への送信を許可する手段とを備えることを特徴とする。
【0021】
第6発明に係る仲介装置では、家屋の改築工事等の役務について、役務の発注希望者が操作する発注用装置及び改築工事業者等の複数の受注希望者にて管理される複数の受注用装置を用いて行われる交渉を中継し、交渉の内容を示す内容情報及び交渉の進捗を示す進捗状況等の交渉に関する情報を記録し、交渉状況が、交渉を開始してから所定時間を経過した場合等の所定の条件を満足した場合に、内容情報等の情報を、交渉している受注用装置以外の受注用装置へ送信することにより、発注希望者及び夫々の受注希望者間で個別に交渉を行いながらも、例えば発注希望者と一の受注希望者との交渉が長引いた場合に、交渉の内容が他の受注希望者に公開されるので、他の受注希望者は、交渉を成立させるべく、一の受注希望者より好条件を提示することが考えられ、発注希望者にとってより良い条件で交渉を成立させることが可能である。
【0022】
第7発明に係るコンピュータプログラムは、発注の交渉を支援する発注用装置及び受注の交渉を支援する複数の受注用装置と通信する手段を備えるコンピュータに、受発注の交渉を仲介させるコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに、前記発注用装置及び各受注用装置間の夫々の交渉に関する情報を記録させる手順と、コンピュータに、前記発注用装置及び一の受注用装置間の交渉状況が所定の条件を満足した場合に、前記発注用装置及び一の受注用装置間の交渉に関する情報の、他の受注用装置への送信を許可させる手順とを実行させることを特徴とする。
【0023】
第7発明に係るコンピュータプログラムでは、インターネット等の通信網に接続するウェブサーバコンピュータ等のコンピュータにて実行することで、コンピュータが仲介装置として動作し、家屋の改築工事等の役務について、役務の発注希望者が操作する発注用装置及び改築工事業者等の複数の受注希望者にて管理される複数の受注用装置を用いて行われる交渉を中継し、交渉の内容を示す内容情報及び交渉の進捗を示す進捗状況等の交渉に関する情報を記録し、交渉状況が、交渉を開始してから所定時間を経過した場合等の所定の条件を満足した場合に、内容情報等の情報を、交渉している受注用装置以外の受注用装置へ送信することにより、発注希望者及び夫々の受注希望者間で個別に交渉を行いながらも、例えば発注希望者と一の受注希望者との交渉が長引いた場合に、交渉の内容が他の受注希望者に公開されるので、他の受注希望者は、交渉を成立させるべく、一の受注希望者より好条件を提示することが考えられ、発注希望者にとってより良い条件で交渉を成立させることが可能である。
【0024】
第8発明に係るコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体は、発注の交渉を支援する発注用装置及び受注の交渉を支援する複数の受注用装置と通信する手段を備えるコンピュータに、受発注の交渉を仲介させるコンピュータプログラムを記録してある、コンピュータでの読み取りが可能な記録媒体において、コンピュータに、前記発注用装置及び各受注用装置間の夫々の交渉に関する情報を記録させる手順と、コンピュータに、前記発注用装置及び一の受注用装置間の交渉状況が所定の条件を満足した場合に、前記発注用装置及び一の受注用装置間の交渉に関する情報の、他の受注用装置への送信を許可させる手順とを実行させるコンピュータプログラムを記録してあることを特徴とする。
【0025】
第8発明に係るコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体では、記録されているコンピュータプログラムを、インターネット等の通信網に接続するウェブサーバコンピュータ等のコンピュータにて実行することで、コンピュータが仲介装置として動作し、家屋の改築工事等の役務について、役務の発注希望者が操作する発注用装置及び改築工事業者等の複数の受注希望者にて管理される複数の受注用装置を用いて行われる交渉を中継し、交渉の内容を示す内容情報及び交渉の進捗を示す進捗状況等の交渉に関する情報を記録し、交渉状況が、交渉を開始してから所定時間を経過した場合等の所定の条件を満足した場合に、内容情報等の情報を、交渉している受注用装置以外の受注用装置へ送信することにより、発注希望者及び夫々の受注希望者間で個別に交渉を行いながらも、例えば発注希望者と一の受注希望者との交渉が長引いた場合に、交渉の内容が他の受注希望者に公開されるので、他の受注希望者は、交渉を成立させるべく、一の受注希望者より好条件を提示することが考えられ、発注希望者にとってより良い条件で交渉を成立させることが可能である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は本発明の仲介システムを概念的に示す説明図である。
図1中10は、ウェブサーバコンピュータを用いた本発明の仲介装置であり、仲介装置10は、インターネット等の通信網NWに接続し、家屋の改築工事の仲介サービスを行うウェブページである仲介ウェブページを提供している。
【0027】
通信網NWには、改築工事等の役務の発注を希望する発注希望者が管理するパーソナルコンピュータを用いた発注用装置20及び改築工事等の役務の受注を希望する受注希望者である複数の改築工事業者が夫々管理するパーソナルコンピュータを用いた受注用装置30,30,…が接続しており、通信網NWを介して仲介装置10と、発注用装置20及び各受注用装置30,30,…とは通信を行うことができる。
【0028】
図2は本発明の通信システムの構成を示すブロック図である。
仲介装置10は、装置全体を制御するCPU11、本発明のコンピュータプログラムPG及びデータ等の各種情報を記録したCD−ROM等の記録媒体RECからコンピュータプログラムPG及びデータ等の各種情報を読み取るCD−ROMドライブ等の補助記憶手段12、補助記憶手段12により読み取ったコンピュータプログラムPG及びデータ等の各種情報を記録するハードディスク及びRAID等の記録手段13、情報を一時的に記憶するRAM14、並びに通信網NWに接続するルータ等の通信手段15を備えている。
【0029】
そして記録手段13から本発明のコンピュータプログラムPGを読み取り、RAM14に記憶させて、CPU11により実行することで、ウェブサーバコンピュータは本発明の仲介装置10として動作する。
なお記録手段13には、HTML等のマークアップ言語で記述されたハイパーテキストファイル、及び該ファイルに関連付けられた画像ファイル、並びにCGI等のインターフェースを用いて提供される各種コンピュータプログラム等の情報が記録されており、これらの情報に基づいて、仲介ウェブページが形成される。
【0030】
さらに仲介装置10には、発注希望者に関する情報を記録する発注希望者データベース(発注希望者DB)10a、受注希望者に関する情報を記録する受注希望者データベース(受注希望者DB)10b、交渉に関する情報を記録する交渉データベース(交渉DB)10c、発注の対象に関する情報を記録する発注対象データベース(発注対象DB)10d、交渉状況を記録する交渉状況データベース(交渉状況DB)10e、及び交渉状況の状態の内容を記録する状態データベース(状態DB)10f等の各種データベースが接続されており、必要に応じてアクセスが行われ、情報の記録/読取が行われる。
【0031】
なお仲介装置10が備える記録手段13の一部を、発注希望者データベース10a、受注希望者データベース10b、交渉データベース10c、発注対象データベース10d、交渉状況データベース10e及び状態データベース10f等の各種データベースとして用いても良い。
【0032】
発注用装置20は、CPU21、記録手段22、RAM23、通信手段24、マウス及びキーボード等の入力手段25並びにモニタ及びプリンタ等の出力手段26を備えており、記録手段22には、HTML等のマークアップ言語で記述されたハイパーテキストファイル及び該ファイルに関連付けられた画像ファイルを読み取りウェブページとして出力する閲覧用ソフトウェアプログラム(以下ブラウザという)等のコンピュータプログラム及びデータ等の各種情報が記録されている。
【0033】
受注用装置30は、CPU31、記録手段32、RAM33、通信手段34、入力手段35及び出力手段36を備えており、記録手段32には、ブラウザ等のコンピュータプログラム及びデータ等の各種情報が記録されている。
【0034】
次に本発明の仲介装置10に接続された各種データベースについて説明する。図3は本発明の仲介装置10に接続された各種データベースの記録内容を概念的に示す説明図である。
図3(a)は、発注希望者データベース10aの記録内容を示している。
発注希望者データベース10aには、発注希望者を特定する発注希望者IDに対応付けて、発注希望者の住所及び名前等の発注希望者に関する情報が記録されている。
本発明の仲介システムの利用を希望する発注希望者は、最初に住所及び名前等の発注希望者に関する情報を仲介装置10へ送信し、仲介装置10に登録しなければならず、仲介装置10では、発注希望者に関する情報の登録時に発注希望者を特定する発注希望者IDを付与する。
なお発注希望者は、必ずしも個人(自然人)である必要はなく、法人等の団体であっても良い。
【0035】
図3(b)は、受注希望者データベース10bの記録内容を示している。
受注希望者データベース10bには、受注希望者IDに対応付けて、受注希望者の名称、所在地及び業務範囲等の受注希望者に関する情報が記録されている。本発明の仲介システムの利用を希望する受注希望者は、最初に名称、所在地及び業務範囲等の受注希望者に関する情報を仲介装置10へ送信し、仲介装置10に登録しなければならず、仲介装置10では、受注希望者に関する情報の登録時に受注希望者を特定する受注希望者IDを付与する。
【0036】
図3(c)は、交渉データベース10cの記録内容を示している。
交渉データベース10cとは、交渉を目的として発注用装置20及び受注用装置30間で送受信されるメッセージを、交渉の内容を示す内容情報として記録するデータベースである。
交渉データベース10cには、内容情報を特定する内容情報IDに対応付けて、発注対象を特定する発注対象ID、発注希望者ID、受注希望者ID、仲介装置10にて中継した日時及び内容情報に含まれるメッセージそのものを示す本文等の内容情報に関する情報が記録されている。
なお交渉データベース10cに記録されている発注希望者IDは、発注希望者データベース10aに記録されている発注希望者IDと対応しており、交渉データベース10cに記録されている受注希望者IDは、受注希望者データベース10bに記録されている受注希望者IDと対応している。
【0037】
図3(d)は、発注対象データベース10dの記録内容を示している。
発注対象データベース10dとは、浴室の改築及び門扉の付替等の発注の対象となる案件に関する情報を記録するデータベースである。
発注対象データベース10dには、発注対象を特定する発注対象IDに対応付けて、発注希望者ID、受注希望者ID、依頼日時、見積期限、予算金額及び工事内容等の発注対象に関する情報が記録されている。
発注対象IDとは、発注の対象となる案件を特定する情報であり、発注希望者から案件を受け付ける都度、当該案件に対して付与される。
なお発注対象データベース10dに記録されている発注対象IDは、交渉データベース10dに記録されている発注対象IDと対応している。
また発注対象データベース10dに記録されている発注希望者IDは、発注希望者データベース10aに記録されている発注希望者IDと対応しており、発注対象データベース10dに記録されている受注希望者IDは、受注希望者データベース10bに記録されている受注希望者IDと対応している。
なお一つの発注の対象に対して複数の入札者がある場合、複数の受注希望者IDが記録されることになり、また入札者がない場合、受注希望者IDは記録されない。
依頼日時とは、発注希望者が依頼を行った日時であり、具体的には仲介装置10が、発注用装置20から発注の対象を示す対象情報を受信し、受信した対象情報が示す発注対象に対して発注対象IDを付与して発注対象データベース10dに記録した日時である。
見積期限とは、例えば発注時に発注希望者が提示する情報の一つであり、発注希望者及び各受注希望者間で交渉を進める過程において、受注希望者から発注の対象に対する見積金額を提示する期限を示している。
予算金額とは、例えば発注時に発注希望者が提示する情報の一つであり、発注の対象に対する金額の上限値を示している。
ただし発注希望者及び受注希望者間での合意の上で有れば予算金額を超えても良い。
工事内容とは、発注の対象そのものを示す内容であり、例えば浴槽についての改築等の内容を示す情報が記録される。
【0038】
図3(e)は、交渉状況データベース10eの記録内容を示している。
交渉状況データベース10eとは、発注の対象に関する交渉の進捗状況に関する情報を記録するデータベースである。
交渉状況データベース10eには、発注対象IDに対応付けて、発注希望者ID、受注希望者ID及び交渉状況の状態を特定する状態ID等の交渉状況に関する情報が記録されている。
このように一つの発注の対象について、受注希望者ID毎にレコードが記録されるのは、受注希望者毎に進捗状況が異なる場合が考えられるからである。
なお交渉状況データベース10eに記録されている発注対象IDは、発注対象データベース10dに記録されている発注対象IDと対応しており、交渉状況データベース10eに記録されている発注希望者IDは、発注希望者データベース10aに記録されている発注希望者IDと対応しており、交渉状況データベース10eに記録されている受注希望者IDは、受注希望者データベース10bに記録されている受注希望者IDと対応している。
【0039】
図3(f)は、状態データベース10fの記録内容を示している。
状態データベース10fには、状態IDに対応付けて、状態内容等の情報が記録されている。
状態データベース10fに記録されている状態IDとは、交渉状況データベース10eに記録されている状態IDと対応しており、状態内容としては、状態IDにより特定される状態の内容を示す文言が記録される。
具体的には、状態ID「0」に対応付けて状態内容「発注案件受付」、状態ID「1」に対応付けて状態内容「入札」、状態ID「2」に対応付けて状態内容「商談(条件交渉)」、状態ID「3」に対応付けて状態内容「見積もり(金額交渉)」、そして状態ID「4」に対応付けて状態内容「成約」が記録されている。
【0040】
次に本発明の仲介システムにて用いられる各装置の処理について説明する。
図4は本発明の仲介システムにて用いられる仲介装置10及び発注用装置20の発注対象登録処理を示すフローチャートである。
家屋の改築工事等の役務の発注を希望し、予め発注希望者データベース10aへの登録を済ませている発注希望者は、発注用装置20を用いて通信網NWに接続し、ブラウザを起動させて、仲介装置10に記録されている、仲介ウェブページを表示させるためのハイパーテキストファイル及び画像ファイル等の各種情報が記録されている記録位置にアクセスする。
【0041】
仲介装置10では、発注用装置20からのアクセスに対して、記録されている各種情報を発注用装置20へ送信し、発注用装置20では、受信した情報をブラウザにて読み取り、読み取った情報を仲介ウェブページとして出力する。
【0042】
発注希望者は、仲介ウェブページの一つである発注に必要な情報を入力するためのウェブページである発注入力ウェブページを出力させ、予め仲介装置10から付与されている発注希望者ID、見積期限、予算金額及び工事内容等の発注に必要な情報を、所定の入力欄に入力する。
なお発注入力ウェブページを出力するために、発注希望者ID及びパスワードの入力を必要とするようにしてもよく、その場合、発注入力ウェブページには、発注希望者IDの入力欄を表示しないようにしても良い。
【0043】
発注用装置20では、CPU21の制御に基づいて、発注希望者ID、見積期限、予算金額及び発注の対象そのものを示す工事内容等の情報、即ち発注の対象及び該発注対象に関する情報を、対象情報の入力として受け付け(S101)、受け付けた対象情報を仲介装置10へ送信する(S102)。
【0044】
仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御に基づいて、対象情報を受信し(S103)、受信した対象情報を記録する(S104)。
ステップS104の対象情報を記録する処理では、受信した対象情報が示す案件に対して発注対象IDを付与した上で、発注希望者ID、見積期限、予算金額及び工事内容等の情報を、発注対象IDに対応付けられた新たなレコードとして発注対象データベース10dに記録する処理を示し、またこの時の日時を依頼日時として当該レコードに記録する。
このようにして発注対象登録処理が行われる。
【0045】
図5は本発明の仲介システムにて用いられる仲介装置10及び受注用装置30の入札処理を示すフローチャートである。
家屋の改築工事等の役務の受注を希望し、予め受注希望者データベース10bへの登録を済ませている受注希望者は、受注用装置30を用いて通信網NWに接続し、ブラウザを起動させて仲介装置10に記録されている、仲介ウェブページを表示させるためのハイパーテキストファイル及び画像ファイル等の各種情報が記録されている記録位置にアクセスする。
【0046】
仲介装置10では、受注用装置30からのアクセスに対して、記録されている各種情報を発注用装置20へ送信し、受注用装置30では、受信した情報をブラウザにて読み取り、読み取った情報を仲介ウェブページとして出力する。
【0047】
発注希望者は、出力された仲介ウェブページ又は仲介ウェブページに関連付けられているウェブページから、記録されている対象情報の送信を要求する命令を受注用装置30に入力し、受注用装置30では、入力された命令に従い、仲介装置10へ対象情報の送信を要求する。
【0048】
仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御に基づいて、対象情報の送信を要求する命令を受け付け、発注対象データベース10dに対象情報として各種情報が記録されているレコードの中で、当該受注希望者が入札することが可能な案件、例えば入札受付期間内である等の条件を満足する案件が記録されているレコードを抽出し、抽出したレコードに記録されている発注対象ID、見積期限、予算金額及び工事内容等の情報を対象情報として受注用装置30へ送信する(S201)。
なおこの段階で発注希望者ID等の発注者を特定することが可能な情報の送信を制限することにより、発注希望者の匿名性が維持される。
【0049】
受注用装置30では、CPU31の制御に基づいて、対象情報を受信し(S202)、受信した対象情報をブラウザにて読み取り、読み取った対象情報をウェブページとして出力する(S203)。
なお対象情報が複数である場合、複数の対象情報を一つのウェブページとして一覧表の形式で出力する。
また受注用装置30から積極的に要求した場合に限り、仲介装置10から受注用装置30へ対象情報を送信するのではなく、発注対象データベース10dに記録された段階で、発注希望者の住所及び工事内容に基づいて、受注希望者データベース10bに記録されているレコードから適当な受注希望者を選択し、選択した受注希望者が管理する受注用装置30へ、対象情報を送信するようにしてもよい。
【0050】
受注希望者は、ウェブページとして出力された対象情報を確認し、入札を所望する対象情報を選択して、選択した対象情報が示す発注の対象に対する入札を示す入札情報を受注用装置30に入力する。
受注用装置30では、CPU31の制御に基づいて、入札情報の入力を受け付け(S204)、受け付けた入札情報を仲介装置10へ送信する(S205)。なお受注用装置30から仲介装置10へ送信される入札情報には、受注希望者IDが含まれており、仲介装置10では、入札希望者の送信元を特定することが可能である。
【0051】
仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御に基づいて、入札情報を受信し(S206)、受信した入札情報を対象情報に対応付けて記録する(S207)。
ステップS207の入札情報を対象情報に対応付けて記録する処理とは、入札情報に含まれている受注希望者IDを、発注対象データベース10dに記録されている、入札を所望する案件に関するレコードの受注希望者IDの項目に記録する処理を示し、これにより受注希望者IDは、発注希望者ID、見積期限、予算金額及び工事内容等の対象情報に対応付けて記録される。
このようにして入札処理が行われる。
【0052】
図6及び図7は本発明の仲介システムにて用いられる仲介装置10の仲介処理を示すフローチャートである。
仲介装置10では、図4を用いて説明した発注対象登録処理におけるステップS104にて、発注対象データベース10dに新たなレコードを追加した時に、交渉状況データベース10eにも、発注対象IDにて特定される新たなレコードを追加する処理を行う。
このとき交渉状況データベース10eに追加される新たなレコードには、発注対象ID、発注希望者ID及び状態IDを示すデータが記録される。
また状態IDとして、状態データベース10fより「発注案件受付」を示す「0」が記録される。
【0053】
仲介装置10では、交渉状況データベース10eに新たなレコードが追加される都度、仲介に関する一連の処理である仲介処理の対象として、追加されたレコードを加える。
そして仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御に基づいて、交渉状況データベース10eに記録されている状態IDを「発注案件受付」を示す「0」から、「入札」を示す「1」に更新し、当該案件について、図5を用いて説明した入札処理を開始する(S301)。
【0054】
仲介装置10では、図5を用いて説明した入札処理と並行して、仲介処理の一部である入札補助処理を実行する。
入札補助処理として仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御に基づいて、入札期限に到達しているか否かを判定し(S302)、入札期限に到達していないと判定した場合(S302:NO)、入札定員に到達しているか否かを判定する(S303)。
なお入札期限及び入札定員としては、依頼日時から一ヶ月及び10社というように予め設定しておいても良いが、発注希望者が決定し、発注対象登録処理時に登録するようにしてもよい。
【0055】
ステップS302において、入札期限に達していると判定した場合(S302:YES)、仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御に基づいて、入札処理による1件以上の入札が有るか否かを判定する(S304)。
なお入札が有るか否かの判定は、発注対象データベース10dの当該案件に対応するレコードに、受注希望者IDが記録されているか否かを判定することにより行う。
【0056】
ステップS303において、入札定員に達していると判定した場合(S303:YES)、又はステップS304において、1件以上の入札が有ると判定した場合(S304:YES)、仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御に基づいて、交渉状況データベース10eに記録されている状態IDを「入札」を示す「1」から、「商談(条件交渉)」を示す「2」に更新し、当該案件について、仲介処理の一部である条件交渉処理を開始する(S305)。
【0057】
ステップS303において、入札定員に達していないと判定した場合(S303:NO)、ステップS302に戻り、以降の処理を繰り返す。
【0058】
ステップS304において、入札が無いと判定した場合(S304:NO)、発注用装置20へ、入札が無いことを通知する情報を送信し、当該案件に関する処理を終了する。
【0059】
条件交渉処理として仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、発注対象データベース10dに対応付けて記録されている対象情報及び入札情報に基づいて、対象情報の送信元の発注用装置20及び入札情報の送信元の受注用装置30間で送受信される、交渉の内容を示す内容情報の中継を開始し(S306)、内容情報中継サブルーチンを起動する(S307)。
【0060】
ここで発注用装置20から受注用装置30へ内容情報を送信する際に、発注用装置20が備えるモニタである出力手段26から出力される画像を説明する。
図8は本発明の仲介システムにて用いられる発注用装置20から出力される画像を示す説明図である。
図8では、発注用装置20から出力された画像中、ブラウザを示すウィンドウ画像及び該ウィンドウ画像内に表示されるウェブページを示している。
【0061】
図8に例示したウェブページの最上部には、「メッセージ入力」という文言がしめされており、その下方には、当該案件の対象情報に関する情報が、「発注内容」という文言と共に表形式で示されている。
表形式で示されている当該案件の対象情報に関する情報とは、依頼日時、依頼内容及び依頼箇所として示される工事内容、入札期限、見積期限並びに着工希望日であり、これらの情報は、発注対象データベース10dに記録されている情報と対応している。
対象情報に関する情報の下方には、当該案件に対して入札を行った受注希望者の中で、発注希望者が処理の対象として指定した発注希望者に関する情報が、「入札者」という文言と共に表形式で示されている。
表形式で示されている受注希望者に関する情報とは、受注希望者の名称(入札者名)及び担当者の氏名であり、これらの情報は受注希望者データベース10bに記録されている情報と対応している。
【0062】
さらにその下方には、過去に当該受注希望者と送受信した内容情報の一覧が、「入札者との交渉履歴」という文言と共に、表形式で示されている。
表形式で示されている内容情報の一覧とは、発注希望者又は受注希望者を示す送信者、日時及び本文であり、これらの情報は、交渉データベース10cに記録されている情報と対応している。
【0063】
最下部には、「見積依頼」、「連絡」及び「断る」という文言が示された押し釦を模した画像が表示されており、発注希望者は、当該受注希望者に対しての処置を選択し、選択した処置を示す押し釦を指示する入力を行う。
「見積依頼」と示された押し釦は、交渉を終了させ、「見積もり(金額交渉)」の状態に進むことを明示する場合に選択する押し釦である。
「連絡」と示された押し釦は、条件交渉を継続すべく、更なる内容情報の送受信を行う場合に選択する押し釦であり、「連絡」と示された押し釦を指示する入力を行うことにより、内容情報を送信するための形式(フォーム)が新たなウィンドウとして示される。
「断る」と示された押し釦は、当該受注希望者との交渉を終了し、当該受注希望者との以降の交渉及び契約等の処理を行わないことを明示する場合に選択する押し釦である。
【0064】
そして選択された処置を示す処置情報が発注用装置20から仲介装置10へ送信される。
なお「連絡」を指示した場合には、内容情報の本文の入力欄が表示され、発注希望者は本文の入力を行い、入力した本文を内容情報として送信させることができる。
【0065】
図7に戻り、仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、1分等の所定間隔毎に、処置情報の受信を検出しており(S308)、処置情報を検出した場合(S308:YES)、検出した処置情報が「見積依頼」を示しているか否かを判定する(S309)。
【0066】
ステップS309において、処置情報が「見積依頼」を示していると判定した場合(S309:YES)、条件交渉が終了したと判定し、仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、内容情報中継サブルーチンを終了し(S310)、交渉状況データベース10eに記録されている状態IDを「商談(条件交渉)」を示す「2」から、「見積もり(金額交渉)」を示す「3」に更新し、当該案件の当該受注希望者について、仲介処理の一部である金額交渉処理を開始する(S311)。
【0067】
ステップS309において、検出した処置情報が「見積依頼」を示していないと判定した場合(S309:NO)、仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、検出した処置情報が「連絡」を示しているか否かを判定する(S312)。
【0068】
ステップS312において、処置情報が「連絡」を示していると判定した場合(S312:YES)、今後も条件交渉は継続されると判定し、ステップS308に戻り以降の処理を繰り返す。
【0069】
ステップS312において、処置情報が「連絡」を示していないと判定した場合(S312:NO)、即ち発注希望者が「断る」押し釦を押して、「連絡」押し釦を押していない場合、処置情報は「断る」を示していると判定し、仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、当該受注希望者との交渉が決裂したことを示す情報を、発注用装置20及び当該受注希望者により管理される受注用装置30へ送信する不成立処理を実行する(S313)。
【0070】
金額交渉処理として仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、発注対象データベース10dに対応付けて記録されている対象情報及び入札情報に基づいて、対象情報の送信元の発注用装置20及び入札情報の送信元の受注用装置30間で送受信される、金額交渉の内容を示す金額交渉情報を中継する金額交渉中継サブルーチンを起動する(S314)。
【0071】
なお発注用装置20から受注用装置30へ金額交渉情報を送信する際に、発注用装置20が備えるモニタである出力手段26から出力される画像は、図8に示す画像とほぼ同様であるので、その説明を省略する。
ただし、入札希望者との交渉履歴という文言と共に示される表は、条件交渉時に送受信した内容情報だけでなく、金額交渉時に送受信される金額交渉情報に関する情報も表示され、また最下部には、「契約」、「連絡」及び「断る」という文言が示された押し釦が表示される。
【0072】
そして受注希望者が選択した処置を示す押し釦を指示する入力を行うことにより、選択した処置を示す処置情報が発注用装置20から仲介装置10へ送信される。
仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、1分等の所定間隔毎に、処置情報の受信を検出しており(S315)、処置情報を検出した場合(S315:YES)、検出した処置情報が「契約」を示しているか否かを判定する(S316)。
【0073】
ステップS316において、処置情報が「契約」を示していると判定した場合(S316:YES)、金額交渉が終了したと判定し、仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、金額交渉中継サブルーチンを終了し(S317)、交渉状況データベース10eに記録されている状態IDを「見積もり(金額交渉)」を示す「3」から、「成約」を示す「4」に更新し、当該案件が成立したことを示し、互いの連絡先を示す情報を発注用装置20及び当該受注希望者が管理する受注用装置30へ送信して当該案件の仲介処理を終了する契約成立処理を実行する(S318)。
【0074】
ステップS316において、検出した処置情報が「契約」を示さないと判定した場合(S316:NO)、仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、検出した処置情報が「連絡」を示しているか否かを判定する(S319)。
【0075】
ステップS319において、処置情報が「連絡」を示していると判定した場合(S319:YES)、今後も条件交渉は継続されると判定し、再見積の交渉を行うべくステップS308に戻り以降の処理を繰り返す。
【0076】
ステップS319において、処置情報が「連絡」を示していないと判定した場合(S319:NO)、処置情報は「断る」を示していると判定し、仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、当該受注希望者との交渉が決裂したことを示す情報を、発注用装置20及び当該受注希望者により管理される受注用装置30へ送信する不成立処理を実行する(S313)。
なお不成立処理の一部として、金額交渉中継サブルーチンの終了処理が行われる。
このようにして仲介処理が行われる。
【0077】
図9は本発明の仲介システムにて用いられる仲介装置10の内容情報中継サブルーチンを示すフローチャートである。
内容情報の中継とは、仲介装置10において、発注用装置20及び受注用装置30のいずれか一方の装置から送信された交渉の内容を示す内容情報を受信し、受信した内容情報に内容情報IDを付与して、付与した内容情報IDに対応付けて、発注対象ID、発注希望者ID、受注希望者ID、日時及び本文を交渉データベース10cに新たなレコードとして記録した上で、受信した内容情報を他方の装置へ送信する処理を示す。
即ち仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、発注用装置20及び受注用装置30間の交渉に関する内容情報を一方の装置から受信して(S401)、受信した内容情報を交渉データベース10cに記録し(S402)、受信した内容情報を他方の装置へ送信する(S403)。
【0078】
図10は本発明の仲介システムにて用いられる仲介装置10の金額交渉中継サブルーチンを示すフローチャートである。
金額交渉情報の中継とは、仲介装置10において、発注用装置20及び受注用装置30のいずれか一方の装置から送信された金額交渉の内容を示す金額交渉情報を受信し、受信した金額交渉情報に内容情報IDを付与して、付与した内容情報IDに対応付けて、発注対象ID、発注希望者ID、受注希望者ID、日時及び本文を交渉データベース10cに新たなレコードとして記録した上で、受信した内容情報を他方の装置へ送信する処理を示す。
このように金額交渉中継サブルーチンにより送受信される金額交渉情報についても、交渉の内容を示す内容情報であるとして、交渉データベース10cに記録する。
即ち仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、発注用装置20及び受注用装置30間の金額交渉に関する金額交渉情報を一方の装置から受信して(S501)、受信した金額交渉情報を内容情報として交渉データベース10cに記録し(S502)、受信した金額交渉情報を他方の装置へ送信する(S503)。
このように金額交渉中継サブルーチンにより送受信される金額交渉情報についても、交渉の内容を示す内容情報であるとして、交渉データベース10cに記録する。
【0079】
図11は本発明の仲介システムにて用いられる仲介装置10の交渉内容公開処理を示すフローチャートである。
仲介装置10では、図6及び図7を用いて説明した仲介処理における条件交渉処理及び金額交渉処理を実行中に、発注用装置20及び所定の条件を満足する受注用装置30に交渉に関する情報、例えば内容情報を公開することを許可しており、交渉に関する情報を公開するため、仲介処理に並行して交渉内容公開処理が実行される。
交渉内容公開処理として、仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、内容情報等の交渉に関する情報の公開を要求する装置の管理者を特定する発注希望者ID又は受注希望者ID、並びに公開を要求する発注対象を特定する発注対象IDを含む公開要求情報を受信し(S601)、受信した公開要求情報に発注希望者IDが含まれるか否かを判定する(S602)。
【0080】
ステップS602において、公開要求情報に発注希望者IDが含まれると判定した場合(S602:YES)、仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、当該公開要求情報は、発注用装置20から送信されたものであると判定して、交渉データベース10c及び交渉状況データベース10dに記録されている各種情報により、発注用装置20及び各受注用装置30,30,…の交渉に関し、内容情報を含む公開用情報を生成し(S603)、生成した公開用情報を公開要求情報の送信元の装置へ送信する(S604)。
なおこのとき公開用情報が送信される装置とは、仲介装置20のことである。またステップS603にて生成される公開用情報は、仲介装置20へ送信され仲介装置20にて表示する場合、例えば図8に例示した画像内の内容情報の一覧の形式で表示される。
【0081】
ステップS602において、公開要求情報に発注希望者IDが含まれないと判定した場合(S602:NO)、仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、当該公開要求情報は、受注希望者IDを含む受注用装置30から送信されたものであると判定して、図6及び図7を用いて説明した仲介処理のステップS306における条件交渉処理の開始からの期間を、発注用装置20及び受注用装置間の交渉状況として検出する(S605)。
【0082】
そして仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、発注用装置20及び受注用装置30間の交渉状況として検出した条件交渉処理の開始からの期間が、所定の条件として予め設定されている第1所定期間を経過しているか否かを判定する(S606)。
【0083】
ステップS606において、所定の条件として設定されている第1所定期間を経過していると判定した場合(S606:YES)、仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、所定の条件を満足している受注用装置30に関する交渉に関する公開用情報を公開するべきであると判定して、発注用装置20及び受注用装置30の交渉に関する公開用情報の送信を許可し(S607)、ステップS603に進み、内容情報を含む公開用情報を生成し(S603)、生成した公開用情報を公開要求情報の送信元の装置へ送信する(S604)。
即ちステップS605にて検出した所定の条件を満足する一の受注用装置30が存在するとステップS606にて判定した場合、発注用装置20及び一の受注用装置30間の交渉に関する公開用情報の、他の受注用装置30への送信をステップS607にて許可することになる。
なおステップS605にて検出に用いた所定の条件を満足する一の受注用装置30が存在するということは、当該案件に対して入札情報を送信した全ての受注用装置30,30,…が所定の条件を満足することになるので、発注用装置20及び全ての受注用装置30,30,…間の交渉に関する公開用情報の全ての受注用装置30,30,…への送信を許可することになる。
【0084】
ステップS606において、第1所定期間を経過していないと判定した場合(S606:NO)、仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、各受注用装置30,30,…について、内容情報を最後に中継してからの期間を、発注用装置20及び各受注用装置30,30,…間の交渉状況として検出する(S608)。
【0085】
そして仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、発注用装置20及び各受注用装置30,30,…間の交渉状況として検出した内容情報を最後に中継してからの期間が、所定の条件として予め設定されている第2所定期間を経過しているか否かを判定する(S609)。
【0086】
ステップS609において、所定の条件として設定されている第2所定期間を経過していると判定した場合(S609:YES)、仲介装置10では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、所定の条件を満足している受注用装置30に関する交渉の状況を公開するべきであると判定して、発注用装置20及び所定の条件を満足している受注用装置30の交渉に関する公開用情報の送信を許可し(S610)、ステップS603に進み、該当する受注用装置30に関する内容情報を含む公開用情報を生成し(S603)、生成した公開用情報を公開要求情報の送信元の装置へ送信する(S604)。
即ちステップS608にて検出した所定の条件を満足する一の受注用装置30が存在するとステップS609にて判定した場合、発注用装置20及び一の受注用装置30間の交渉に関する公開用情報の、他の受注用装置30への送信をステップS610にて許可することになる。
【0087】
ステップS609において、所定の条件として設定されている第2所定期間を経過していないと判定した場合(S609:NO)、当該公開要求情報に対して公開すべき情報はないと判定して、交渉内容公開処理を終了する。
【0088】
なお公開要求情報を受信した場合に、公開用情報を送信するのではなく、公開用情報を送信するための条件を満足しているか否かを所定期間毎に判定し、条件を満足した場合に、当該案件に関する装置へ自動的に公開用情報を送信するようにしてもよく、これにより積極的に競争を促すことが可能となる。
【0089】
このように交渉状況が、交渉を開始してから所定時間を経過した場合等の所定の条件を満足した場合に、内容情報を含む公開用情報を、交渉している受注用装置30以外の受注用装置30へ送信することにより、発注希望者及び夫々の受注希望者間で個別に交渉を行いながらも、例えば発注希望者と一の受注希望者間の交渉が長引いた場合に、交渉の内容が他の受注希望者に公開されるので、他の受注希望者は、交渉を成立させるべく、一の受注希望者より好条件を提示することが考えられ、発注希望者にとってより良い条件で交渉を成立させることが可能である。
また発注希望者と一の受注希望者の内容情報が公開された場合、それ以降は一の受注希望者以外との内容情報も公開されるようにして、さらにより良い条件を引き出すようにしても良い。
上述した形態では交渉に関する情報を、他の受注希望者、即ち当事者以外に公開することを許可するか否かを、ステップS606及びS609の2つの条件に基づいて判定する形態を示したが、本発明はこれに限らず、いずれか一方の条件のみに基づいて公開を許可するか否かを判定するようにしても良い。
また状態IDと上述した公開許可の条件とを組み合わせて判定するようにしてもよい。
例えば、状態IDが「商談(条件交渉)」である場合、ステップS606の第1所定期間経過の条件を満足しているか否かの判定に基づいて、公開用情報の送信を許可するか否かを判定し、状態IDが「見積(金額交渉)」である場合、ステップS609の第2所定期間経過の条件を満足しているか否かの判定に基づいて、公開用情報の送信を許可するか否かを判定する。
【0090】
次に発注用装置20が備えるモニタである出力手段26から出力される各種画像について説明する。
図12は本発明の仲介システムにて用いられる発注用装置20から出力される画像を示す説明図である。
図12では、発注用装置20から出力された画像中、ブラウザを示すウィンドウ画像及び該ウィンドウ画像内にウェブページとして表示される交渉の進捗状況を示している。
【0091】
図12に例示したウェブページの最上部には、「交渉状況」という文言が示されており、その下方には、当該案件の交渉の進捗状況を示す情報が表形式で示されている。
図12に示す例では、受注希望者であるA社、B社、C社、D社及びE社の夫々について、通信履歴及び進捗が示されている。
通信履歴は、A社、B社、C社、D社及びE社等の受注希望者毎に、また商談(条件交渉)及び見積(金額交渉)等の交渉の進捗毎に、内容情報を送信又は受信した回数及び最後に送信した内容情報の日時が2段に分けて示されている。
各通信履歴中、上段の日時は、受注希望者から発注希望者へ内容情報を送信した日時、即ち発注用装置20が内容情報を受信した日時を示し、下段に括弧付きで示された日時は、発注希望者から受注希望者へ内容情報を送信した日時、即ち受注用装置30が内容情報を送信した日時を示している。
【0092】
例えばA社に対する商談(条件交渉)においては、6月23日の15時17分に2回目の内容情報を受信しており、また6月22日の20時32分に1回目の内容情報の送信を行っている。
またC社とは、見積(金額交渉)まで進捗しており、6月25日の8時5分に内容情報として金額交渉情報を受信していることが示されている。
【0093】
図13は、本発明の仲介システムにて用いられる発注用装置20から出力される画像を示す説明図である。
図13では、発注用装置20から出力された画像中、ブラウザを示すウィンドウ画像及び該ウィンドウ画像内に、図12とは異なる形式のウェブページとして表示される交渉の進捗状況を示している。
図13では、受注希望者であるA社、B社、C社、D社及びE社の夫々の進捗状況を、ガントチャートを模した形式で示している。
例えば、A社とは、契約の成立後、施工を実施し、工事そのものが完了しており、C社とは見積(金額交渉)の段階まで競い合っていたことが示されている。
【0094】
そしてガントチャートを構成する矢印を指示する入力を行うことにより、公開要求情報が発注用装置20から仲介装置10へ送信され、公開用情報が表示される。
例えばA社の商談(条件交渉)を示す1交渉という文言が表示された矢印を指示する入力を行うことにより、受注希望者であるA社と発注希望者との間で送受信された内容情報の一覧が公開用情報として表示される。
なお受注用装置30からも、図13に例示した画像を表示させることが可能であり、矢印を指示する入力を行うことにより、公開要求情報が仲介装置10へ送信されるが、図11を用いて説明した交渉内容公開処理により、公開用情報の公開が許可されていると判定された場合に限り、内容情報を含む公開用情報が表示される。
【0095】
さらに夫々のガントチャートは状況に応じて着色させることで、状況を容易に把握することができるようになる。
例えば、「交渉」と示された矢印の画像について、最後に送受信された内容情報の送信元が発注用装置20か受注用装置30かで色分けをする方法がある。
また商談(条件交渉)時に「断る」と示された押し釦を指示した受注希望者については、矢印を灰色にて示すようにすることで、単に交渉が途絶えているだけの受注希望者と明確に区別することができる。
さらに成約した受注希望者、図13に示す例ではA社に関する矢印を赤色にて示すことで、当該案件については、既にA社と契約が完了したことを明確にすることができる。
そして社名を指示する入力を行うことにより、公開用情報の送信が許可されている受注希望者については、更に詳細な情報が表示されるようにしてもよい。
なお短期的な案件については、見積(金額交渉)等の途中の過程が省略されることも考えられるが、その場合、当該過程については、そのことを示す色により表示することで、過程が省略されたことを明確にすることができる。
このように複数の受注希望者の進捗を同時に管理することができるので、競合の動向を容易に把握することができ、発注希望者及び受注希望者の双方にとって適切な対応が可能となる。
【0096】
前記実施の形態では、家屋の改築に適用する形態を示したが、本発明はこれに限らず、様々な取引の交渉の仲介に適用することが可能である。
【0097】
また前記実施の形態では、交渉の期間に関する条件に基づいて公開用情報の送信を許可する形態を示したが、本発明はこれに限らず、たとえば内容情報の送受信回数が所定回数以上に達した場合に、公開用情報を公開するようにしてもよい。
【0098】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明に係る仲介方法、仲介システム、仲介装置、コンピュータプログラム及び記録媒体では、家屋の改築工事等の役務について、役務の発注希望者が操作する発注用装置及び改築工事業者等の複数の受注希望者にて管理される複数の受注用装置を用いて行われる交渉を、インターネット等の通信網に接続するウェブサーバコンピュータを用いた仲介装置により中継し、仲介装置では、交渉の内容を示す内容情報等の交渉に関する情報を記録し、交渉状況が、交渉を開始してから所定時間を経過した場合等の所定の条件を満足した場合に、記録している内容情報を、交渉している受注用装置以外の受注用装置へ送信することにより、発注希望者及び夫々の受注希望者間で個別に交渉を行いながらも、例えば発注希望者と一の受注希望者との交渉が長引いた場合に、交渉の状況が他の受注希望者に公開されるので、他の受注希望者は、交渉を成立させるべく、一の受注希望者より好条件を提示することが考えられ、発注希望者にとってより良い条件で交渉を成立させることが可能である等、優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の仲介システムを概念的に示す説明図である。
【図2】本発明の通信システムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の仲介装置に接続された各種データベースの記録内容を概念的に示す説明図である。
【図4】本発明の仲介システムにて用いられる仲介装置及び発注用装置の発注対象登録処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の仲介システムにて用いられる仲介装置及び受注用装置の入札処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の仲介システムにて用いられる仲介装置の仲介処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の仲介システムにて用いられる仲介装置の仲介処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の仲介システムにて用いられる発注用装置から出力される画像を示す説明図である。
【図9】本発明の仲介システムにて用いられる仲介装置の内容情報中継サブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】本発明の仲介システムにて用いられる仲介装置の金額交渉中継サブルーチンを示すフローチャートである。
【図11】本発明の仲介システムにて用いられる仲介装置の交渉内容公開処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の仲介システムにて用いられる発注用装置から出力される画像を示す説明図である。
【図13】本発明の仲介システムにて用いられる発注用装置から出力される画像を示す説明図である。
【符号の説明】
10 仲介装置
10a 発注希望者データベース
10b 受注希望者データベース
10c 交渉データベース
10d 発注対象データベース
10e 交渉状況データベース
10f 状態データベース
20 発注用装置
30 受注用装置
NW 通信網
PG コンピュータプログラム
REC 記録媒体
Claims (8)
- 受発注の交渉を仲介する仲介装置並びに発注の交渉を支援する発注用装置及び受注の交渉を支援する複数の受注用装置を用いた仲介方法において、
前記仲介装置は、
前記発注用装置及び各受注用装置間の夫々の交渉に関する情報を記録し、
前記発注用装置及び一の受注用装置間の交渉状況が所定の条件を満足した場合に、前記発注用装置及び一の受注用装置間の交渉に関する情報の、他の受注用装置への送信を許可する
ことを特徴とする仲介方法。 - 受発注の交渉を仲介する仲介装置並びに発注の交渉を支援する発注用装置及び受注の交渉を支援する複数の受注用装置を備えた仲介システムにおいて、
前記仲介装置は、
前記発注用装置及び各受注用装置間の夫々の交渉に関する情報を記録する手段と、
前記発注用装置及び一の受注用装置間の交渉状況が所定の条件を満足した場合に、前記発注用装置及び一の受注用装置間の交渉に関する情報の、他の受注用装置への送信を許可する許可手段と
を備えることを特徴とする仲介システム。 - 受発注の交渉を仲介する仲介装置並びに発注の交渉を支援する発注用装置及び受注の交渉を支援する複数の受注用装置を備えた仲介システムにおいて、
前記発注用装置は、
発注の対象を示す対象情報を前記仲介装置へ送信する手段を備え、
前記仲介装置は、
受信した対象情報を記録する手段と、
記録した対象情報を前記複数の受注用装置へ送信する手段と
を備え、
前記受注用装置は、
受信した対象情報を出力する手段と、
出力した対象情報が示す発注の対象に対する入札を示す入札情報を前記仲介装置へ送信する手段と
を備え、
前記仲介装置は、更に、
受信した入札情報を、対象情報に対応付けて記録する手段と、
対応付けて記録した対象情報及び入札情報に基づき、前記発注用装置及び入札情報の送信元の受注用装置間で送受信される、交渉の内容を示す内容情報の中継を開始する手段と、
前記発注用装置及び入札情報の送信元の受注用装置間の交渉に関する情報を記録する手段と、
前記発注用装置及び入札情報の送信元の受注用装置間の交渉状況を検出する検出手段と、
検出した交渉状況が所定の条件を満足する一の受注用装置が存在する場合に、前記発注用装置及び一の受注用装置間の交渉に関する情報の、入札情報の送信元の他の受注用装置への送信を許可する許可手段と
を備える
ことを特徴とする仲介システム。 - 前記所定の条件は、中継を開始してからの第1所定期間の経過又は内容情報を最後に中継してからの第2所定期間の経過であることを特徴とする請求項3に記載の仲介システム。
- 前記仲介装置が備える前記許可手段が、他の受注用装置への送信を許可する、交渉に関する情報は、内容情報を含むことを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の仲介システム。
- 発注の交渉を支援する発注用装置及び受注の交渉を支援する複数の受注用装置と通信する手段を備え、受発注の交渉を仲介する仲介装置において、
前記発注用装置及び各受注用装置間の夫々の交渉に関する情報を記録する手段と、
前記発注用装置及び一の受注用装置間の交渉状況が所定の条件を満足した場合に、前記発注用装置及び一の受注用装置間の交渉に関する情報の、他の受注用装置への送信を許可する手段と
を備えることを特徴とする仲介装置。 - 発注の交渉を支援する発注用装置及び受注の交渉を支援する複数の受注用装置と通信する手段を備えるコンピュータに、受発注の交渉を仲介させるコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータに、前記発注用装置及び各受注用装置間の夫々の交渉に関する情報を記録させる手順と、
コンピュータに、前記発注用装置及び一の受注用装置間の交渉状況が所定の条件を満足した場合に、前記発注用装置及び一の受注用装置間の交渉に関する情報の、他の受注用装置への送信を許可させる手順と
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。 - 発注の交渉を支援する発注用装置及び受注の交渉を支援する複数の受注用装置と通信する手段を備えるコンピュータに、受発注の交渉を仲介させるコンピュータプログラムを記録してある、コンピュータでの読み取りが可能な記録媒体において、
コンピュータに、前記発注用装置及び各受注用装置間の夫々の交渉に関する情報を記録させる手順と、
コンピュータに、前記発注用装置及び一の受注用装置間の交渉状況が所定の条件を満足した場合に、前記発注用装置及び一の受注用装置間の交渉に関する情報の、他の受注用装置への送信を許可させる手順と
を実行させるコンピュータプログラムを記録してあることを特徴とするコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002264749A JP2004102732A (ja) | 2002-09-10 | 2002-09-10 | 仲介方法、仲介システム、仲介装置、コンピュータプログラム及び記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2002264749A JP2004102732A (ja) | 2002-09-10 | 2002-09-10 | 仲介方法、仲介システム、仲介装置、コンピュータプログラム及び記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004102732A true JP2004102732A (ja) | 2004-04-02 |
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ID=32264094
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002264749A Pending JP2004102732A (ja) | 2002-09-10 | 2002-09-10 | 仲介方法、仲介システム、仲介装置、コンピュータプログラム及び記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004102732A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021157132A1 (ja) * | 2020-02-07 | 2021-08-12 | エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社 | 製造発注支援装置、方法およびプログラム |
-
2002
- 2002-09-10 JP JP2002264749A patent/JP2004102732A/ja active Pending
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WO2021157132A1 (ja) * | 2020-02-07 | 2021-08-12 | エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社 | 製造発注支援装置、方法およびプログラム |
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