JP2008152667A - 不動産オークションサーバ及び不動産オークション処理方法 - Google Patents

不動産オークションサーバ及び不動産オークション処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】不動産物件の客観的な価格を提示することによって入札数や落札率を高めることができる不動産オークションサーバを提供することを目的とすること。
【解決手段】不動産物件の売却を希望する売主側の端末装置と不動産物件の買受を希望する買受希望者側の端末装置とが通信ネットワークを介して接続され、売主側の端末装置から送信された不動産物件情報と買受希望者側の端末装置から送信された入札情報とに基いて不動産物件の取引処理を行う不動産オークションサーバであって、売却が希望される不動産物件に関して不動産評価の専門家による評価額を公開して入札を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、不動産オークションサーバ及び不動産オークション処理方法に関し、特に不動産物件の売却を希望する売主側の端末装置と前記不動産物件の買受を希望する買受希望者側の端末装置とが通信ネットワークを介して接続され、売主側の端末装置から送信された不動産物件情報と買受希望者側の端末装置から送信された入札情報とに基いて不動産物件の取引処理を行う不動産オークションサーバ及び不動産オークション処理方法に関する。
従来の不動産物件の取引は、売主側から不動産物件の情報を取得した不動産取引業者が、チラシや新聞広告などにより買受希望者を募集し、売主側と買受希望者との間を仲介することによって不動産売買を行っていた。
ところが、近年の通信技術やコンピュータ技術の発展により、インターネットなどの通信ネットワークを介してWebサイト上でオークション形式の不動産売買を行う不動産オークションシステムが提案され、導入されてきた。この不動産オークションシステムは、不動産物件の売却を希望する売主側の端末装置と、不動産物件の買受を希望する買受希望者側の端末装置と、売主側の端末装置から送信された不動産物件情報と買受希望者側の端末装置から送信された入札情報とに基いて不動産物件の取引処理を行うサーバ装置とにより構成されており、これらの装置は通信ネットワークを介して接続される。
例えば、特許文献1には、サーバ装置において、物件情報、周辺情報、契約情報、最低売却価格などの不動産物件情報を登録しておき、売主側の端末装置からサーバ装置にアクセスすることにより上記不動産物件情報を閲覧可能とする。サーバ装置は、買受希望者側の端末装置からの入札価格を受信し、入札受付け終了時において最も高い入札価格を送信した買受希望者を落札者として決定する不動産オークションシステムが開示されている。
特開2001−222664号公報
しかしながら、従来の不動産オークションシステムでは、不動産物件の価格を客観的に把握することが困難であることから入札をためらってしまうことが多く、それ故に入札者が少なくなり、そのために落札率も低いものとなってしまう。
そこで、本発明は、不動産物件の客観的な価格を提示することによって入札数や落札率を高めることができる不動産オークションサーバを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、不動産物件の売却を希望する売主側の端末装置と前記不動産物件の買受を希望する買受希望者側の端末装置とが通信ネットワークを介して接続され、前記売主側の端末装置から送信された不動産物件情報と前記買受希望者側の端末装置から送信された入札情報とに基いて前記不動産物件の取引処理を行う不動産オークションサーバであって、前記売主側の端末装置から前記通信ネットワークを介して送信される前記不動産物件の最低売却価格を含む不動産物件情報と、不動産評価の専門家による前記不動産物件の評価額とを記憶するデータベースと、前記買受希望者側の端末装置からの要求に応じた不動産物件の前記評価額を前記買受希望者側の端末装置へ送信する不動産物件情報送信処理手段と、前記買受希望者側の端末装置から入札価格を含む入札情報を受付ける入札受付処理手段と、設定された入札終了時間に応じて前記入札情報の受付けを終了する入札受付終了処理手段と、前記入札情報の受付けが終了したとき、最高入札価格が前記最低売却価格以上の額である場合に、前記最高入札価格を提示した買受希望者を落札者として決定する落札者決定処理手段とを備えたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記評価額よりも低い額の買受申出価格を設定する設定手段と、前記入札情報の受付けが終了したとき、最高入札価格が前記最低売却価格を満たさない場合であっても、前記最高入札価格が前記買受申出価格以上であるときには、前記最高入札価格を提示した買受希望者及び/又は売主側にその旨を報知する報知手段とを備えたことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記評価額に応じて、この評価額よりも低い前記買受申出価格を演算する演算処理手段と、前記入札情報の受付けが終了したとき、最高入札価格が前記最低売却価格を満たさない場合であっても、前記最高入札価格が前記買受申出価格以上であるときには、前記最高入札価格を提示した買受希望者及び/又は売主側にその旨を報知する報知手段とを備えたことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記落札者決定処理手段は、前記報知手段による報知に対して、前記売主側の端末装置から売却の指示を受信すると、前記最高入札価格を提示した買受希望者を落札者として決定することを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の発明において、前記評価額に応じて、この評価額よりも高い価格の落札下限価格を演算する演算処理手段を備え、前記落札者決定処理手段は、前記入札価格が前記落札下限価格を上回ったと判定すると、前記買受希望者側の端末装置からの入札情報の受付けを終了し、前記落札下限価格を上回った入札価格を提示した買受希望者を落札者として決定することを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記不動産物件情報には前記不動産物件の希望落札価格を含み、前記落札者決定処理手段は、前記希望落札価格が前記落札下限価格を上回っていると判定すると、前記入札価格が前記落札下限価格を上回った場合であっても前記買受希望者側の端末装置からの入札情報の受付けを終了せず、前記入札価格が前記希望落札価格を上回ったと判定したときに、前記買受希望者側の端末装置からの入札情報の受付けを終了し、前記希望落札価格を上回った入札価格を提示した買受希望者を落札者として決定することを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発明において、前記入札受付処理手段によって受付けられた入札価格を不動産物件情報に関連付けて前記データベースへ記憶する入札価格記憶処理手段と、不動産物件の価格を含む不動産物件情報の検索要求を前記通信ネットワークを介して受付ける検索受付手段と、前記検索要求に含まれる不動産物件の価格に適合する最高入札価格の不動産物件を前記データベースから抽出する検索処理手段とを備えたことを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、不動産物件の売却を希望する売主側の端末装置と、前記不動産物件の買受を希望する買受希望者側の端末装置と、前記売主側の端末装置及び前記買受希望者側の端末装置に接続された不動産オークションサーバとを備える不動産オークションシステムにおいて、前記不動産物件の取引処理を行う不動産オークション処理方法であって、前記売主側の端末装置が、前記通信ネットワークを介して前記不動産物件の最低売却価格を含む不動産物件情報を送信するステップと、前記不動産オークションサーバが、前記売主側の端末装置から前記通信ネットワークを介して送信される前記不動産物件情報と、不動産評価の専門家による前記不動産物件の評価額とをデータベースに記憶するステップと、前記不動産オークションサーバが、前記評価額に応じて、この評価額よりも低い買受申出価格を演算するステップと、前記買受希望者側の端末装置が、前記データベースに記憶された不動産物件情報を要求するステップと、前記不動産オークションサーバが、前記買受希望者側の端末装置からの前記要求に応じた不動産物件に関する前記評価額を前記買受希望者側の端末装置へ送信するステップと、前記買受希望者側の端末装置が、入札価格を含む入札情報を送信するステップと、前記不動産オークションサーバが、前記買受希望者側の端末装置からの前記入札情報を受付けるステップと、設定された入札終了時間に応じて前記入札情報の受付けを終了するステップと、前記入札情報の受付けが終了したとき、最高入札価格が前記最低売却価格以上の額である場合に、前記最高入札価格を提示した買受希望者を落札者として決定するステップと、前記入札情報の受付けが終了したとき、最高入札価格が前記最低売却価格を満たさない場合であっても、前記最高入札価格が前記買受申出価格以上であるときには、前記最高入札価格を提示した買受希望者及び/又は売主側にその旨を報知するステップと、を有することを特徴とする。
本発明によれば、不動産評価の専門家による不動産物件の評価額を買受希望者側に提示することができるため、不動産オークションの信頼性を向上させることができ、入札数や落札率を高めることができる。
[1.不動産オークションシステムの概要]
以下、本発明の実施の形態における不動産オークションシステムについて、図面を参照して詳細に説明する。図1は本実施形態における不動産オークションシステムの全体的なシステム構成を示す図である。
図1に示すように、本実施形態における不動産オークションシステムSは、不動産物件の売却を希望する売主側の端末装置1a,1bと、不動産物件の買受を希望する買受希望者側の端末装置2a〜2dと、不動産オークションサーバ3と、不動産評価の専門家(例えば、不動産鑑定士やその会社)の端末装置4と、オークション開催側の端末装置5とを有しており、これらの装置は、インターネットなどの通信ネットワーク6を介して接続される。以下、売主側の端末装置1a,1bの任意の一つを表す場合には端末装置1と表現することがあるものとし、買受希望者側の端末装置2a〜2dの任意の一つを表す場合には端末装置2と表現することがあるものとする。
売主側の端末装置1、買受希望者側の端末装置2、不動産評価の専門家の端末装置4及びオークション開催者側の端末装置5はそれぞれWebブラウザソフトがインストールされた汎用のパーソナルコンピュータを用いることができる。また、各端末装置として、携帯電話機や携帯端末装置(PDA)などを用いるようにしてもよい。
不動産オークションサーバ3は、データベースとしての機能と、Webサーバとしての機能を有しており、売主側の端末装置1から送信された不動産物件情報、買受希望者側の端末装置2から送信された入札情報、及び不動産評価の専門家の端末装置4から送信される不動産物件の評価額などに基いて、不動産物件の取引処理を行う。
なお、通信ネットワーク6は、インターネットなどのWAN(ワイド・エリア・ネットワーク)であるが、専用回線網を使用することもできる。また、各装置は、通信ネットワーク6に直接接続できないときには、ブロードバンドルータや専用機器を介して通信ネットワーク6に接続される。
[2.不動産オークションサーバの構成]
ここで、不動産オークションサーバ3の構成を具体的に説明する。図2は不動産オークションサーバの概要構成例を示す図、図3は不動産オークションサーバのデータベースに記憶される不動産物件情報の一例を示す図、図4は不動産オークションサーバのデータベースに記憶される入札情報の一例を示す図、図5は不動産オークションサーバから買受希望者側の端末装置へ送信される不動産物件画面の表示例を示す図、図6は不動産オークションサーバから買受希望者側の端末装置へ送信される入札画面の表示例を示す図である。
不動産オークションサーバ3は、一般のサーバコンピュータを適用可能であり、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)10、作業用RAM(Random-Access Memory)11、OS(オペレーティングシステム)プログラムや不動産オークション処理プログラム等を記録するROM12から構成された制御部20と、各種データを記憶するHDD(Hard Disc Drive)等から構成されたデータベース13と、通信ネットワーク6を介して各端末装置1,2,4,5との間で通信を行う通信部14を備えて構成され、これらの各種構成要素はバス15を介して相互に接続されている。
データベース13は、売主側の端末装置1から通信ネットワーク6を介して送信される売却物件登録メッセージに含まれる不動産物件情報(不動産物件の最低売却価格を含む)と、不動産評価の専門家による不動産物件の評価額とを記憶する記憶部である。
ここで、売主側の端末装置1から送信される不動産物件情報には、不動産物件の所在地、物件種類、構造/階数、土地面積、述床面積、建築年月日、最低売却価格、希望落札価格などの情報が含まれる。入札開始日時と入札終了日時の情報は、オークション開催者側の端末装置5から送信されて設定される場合と売主側の端末装置1から送信されて設定される場合とがあるが、ここでは、売主側の端末装置1から送信されて設定される形態について説明することとしている。この不動産物件情報は、図3に示すように、物件番号に関連付けてデータベース13の物件情報記憶領域31に記憶される。
また、不動産評価の専門家による不動産物件の評価額は、売主側の端末装置1から送信される不動産物件情報に基いて評価された評価額であり、不動産評価の専門家による評価額である。この評価額は、不動産評価の専門家側の端末装置5から送信されるものであり、図3に示すように物件番号に関連付けられて、データベース13の物件情報記憶領域31に記憶される。
また、データベース13には、買受希望者側の端末装置2から送信される入札情報であって、後述の入力受付処理手段によって受付けられた入札情報が不動産物件情報に関連付けて記憶される。この入札情報に含まれる入札価格は、後述の入札価格記憶処理手段によって、図4に示すように物件番号に関連付けられて、データベース13の入札情報記憶領域32に記憶される。買受希望者側の端末装置2から送信される入札情報としては入札価格及び買受希望者のIDなどがあり、また、この入札情報には、入札番号及び入札日時と関連付けられてデータベース13に登録される。ここでの入札日時は、買受希望者側の端末装置2から入札情報を後述の入力受付処理手段によって受付けた日時である。
制御部20は、CPU10がROM12に記憶されたOSプログラム及び不動産オークション処理プログラムを読み出して実行することにより、不動産オークションサーバ3全体を統括制御し、かつ、後述の演算処理手段、不動産物件情報送信処理手段、入札受付処理手段、入札受付終了処理手段、落札者決定処理手段、報知手段、入札価格記憶処理手段、検索受付手段、検索処理手段等として機能する。
演算処理手段は、不動産物件の評価額に応じて、この評価額よりも低い買受申出価格とこの評価額よりも高い価格の落札下限価格とを演算する。買受申出価格の演算式は、[買受申出価格=不動産物件の評価額×α(α<1)]であり、本実施形態においては、α=0.8としている。また、落札下限価格の演算式は、[落札下限価格=不動産物件の評価額×β(β>1)]であり、本実施形態においてはβ=1.2としている。なお、このα及びβの値は、オークション開催側の端末装置5からのアクセスにより変更することが可能である。また、この演算処理手段による演算処理は、不動産物件の入札が開始される前までに行い、その演算処理結果はデータベース13の物件情報記憶領域31に物件番号と関連付けて登録される。
ここで、買受申出価格や落札下限価格は、売主側の端末装置1やオークション開催者側の端末装置5から設定することができるようになっている。すなわち、売主側の端末装置1やオークション開催者側の端末装置5から買受申出価格や落札下限価格の情報を不動産オークションサーバ3へ送信することにより、不動産オークションサーバ3がデータベース13の物件情報記憶領域31に物件番号に関連付けて記憶することができる。但し、買受申出価格は不動産物件の評価額以上に設定することができず、落札下限価格は不動産物件の評価額以下に設定することができない。すなわち、不動産オークションサーバ3の制御部20は、評価額よりも低い額の買受申出価格を設定する設定手段として、売主側の端末装置1やオークション開催者側の端末装置5からの入力において、買受申出価格が不動産物件の評価額より低くない場合や落札下限価格が不動産物件の評価額より高くない場合には、設定を許可しない。
不動産物件情報送信処理手段は、買受希望者側の端末装置2からの要求に応じた不動産物件に関する評価額と最低売却価格とを含む不動産物件情報を買受希望者側の端末装置2へ送信する。すなわち、買受希望者側の端末装置2から通信ネットワーク6を介して不動産物件情報の表示指示があったとき、不動産物件情報送信処理手段は、表示指示に対応する不動産物件に関する評価額や最低売却価格の情報などをデータベース13から取り出して、表示指示を行った買受希望者側の端末装置2へ通信ネットワーク6を介して送信する。例えば、図5に示すように、表示指示された不動産物件に関し、物件の写真、物件の評価額、最低売却価格、入札開始日時、入札終了日時、物件概要(不動産物件の所在地、物件種類、構造/階数、土地面積、述床面積、建築年月日)などがレイアウトされたWebページ44が送信され、これを受信した買受希望者側の端末装置2のWebブラウザソフトが端末装置2の表示部に表示する。なお、本実施形態においては、入札が終了するまでは、不動産物件の希望落札価格、買受申出価格、落札下限価格などは買受希望者側の端末装置2へ送信されることはない。すなわち、不動産物件の希望落札価格、買受申出価格、落札下限価格などは非公開でオークションが開催される。但し、不動産オークションサーバ3は、不動産物件の希望落札価格、買受申出価格、落札下限価格なども合わせて公開する公開方式でのオークション方式を取ることもできるように構成されている。
入札受付処理手段は、不動産物件が入札開始日時となってから入札終了日時となるまでの間(以下、「入札期間」とする。)、買受希望者側の端末装置2から入札メッセージを受付ける。ここで、入札メッセージには入札価格を含む入札情報が含まれる。例えば、図5に示すような表示が買受希望者側の端末装置2の表示部に表示されているとき、買受希望者が入札画面表示ボタン40をマウス等で操作すると、入札期間であれば、図6に示すようにレイアウトされたWebページ45が表示される。すなわち、現在の入札価格の最高額(最高入札価格)と、最低落札価格と、評価額とが表示され、マウスやキーボードなどの操作により入札価格入力枠50に入札価格を入力することができるように表示される。入札価格入力枠50に入札価格をローマ数字で入力し、マウスやキーボードなどの操作により入札ボタン52を操作すると、入札価格入力枠50に入力された入札価格が買受希望者側の端末装置2から不動産オークションサーバ3に送信されることになる。
ここで、入札価格入力枠50に入札価格をローマ数字で入力すると、この入力されたローマ数字において単位が漢字(「億」や「万」)に変換された入札価格が入札価格表示枠51に表示される。すなわち、入札受付処理手段は、入札価格入力枠50にローマ数字で入力された入札価格の単位を漢字とした入札価格に変換する処理を行って、買受希望者側の端末装置2へ送信することにより、図6に示すような表示にする。この図6においては、入札価格入力枠50に入札価格として「130,000,000」が入力され、この入力に応じて変換された入札価格が入札価格表示枠51に「1億3000万」として表示される。従って、買受希望者が入札価格の桁数を誤って入力したときでも、入札価格表示枠51に表示された入札価格を参照することによって、入札価格入力枠50への入力の誤りがあったことをすぐに把握することができ、誤った入札価格で入札ボタン52を送信することを抑制することができる。
入札受付終了処理手段は、設定された入札終了時間に応じて入札情報の受付けを終了する。すなわち、データベース13に記憶した不動産物件情報のうち入札終了時間の情報に従って入札を終了する。なお、入札終了時間まで所定時間(例えば、1時間)以内となったときに、入札があった場合には、入札終了時間を所定時間(例えば、30分)だけ延長するようにしてもよい。
報知手段は、入札情報の受付けが終了したとき、最高入札価格が最低売却価格を満たさない場合であっても、最高入札価格が買受申出価格以上であるときには、最高入札価格を提示した買受希望者の端末装置2や売主側の端末装置1にその旨を報知する。報知の方法としては、通信部14から買受希望者の端末装置2や売主側の端末装置1に対して電子メールを通信ネットワーク6を介して送信することによって行うが、買受希望者の端末装置2や売主側の端末装置1がそれぞれのIDを用いて不動産オークションサーバ3にアクセスしたときに、その旨の情報を記載したWebページを送信するようにしてもよい。このように、報知手段は、入札情報の受付けが終了したとき、最高入札価格が最低売却価格を満たさない場合であっても、最高入札価格が買受申出価格以上であるときには、最高入札価格を提示した買受希望者や売主側にその旨を報知する。
落札者決定処理手段は、上記報知手段による報知に対して、売主側の端末装置1から売却の指示を受信すると、最高入札価格を提示した買受希望者を落札者として決定する。従って、買受希望者は売主側が提示した最低売却価格よりも低い入札価格を提示した場合であっても、不動産物件を買受するチャンスを得ることができ、一方で、売主側も最低売却価格よりも低い額で譲歩することができる場合に不動産物件の売買を行うことができる。このように買受希望者の端末装置2は、不動産評価の専門家による評価額を参考にして安心して入札を行うことができ、しかも売主側が想定している最低売却価格よりも低い入札額であっても不動産物件の売買を行うことができる可能性があることから、最低売却価格が高く設定された場合であっても、不動産物件の売買を可能となり、入札数や落札率を高めることができる。
また、落札者決定処理手段は、入札情報の受付けが終了したとき、最高入札価格が最低売却価格以上の額である場合に、最高入札価格を提示した買受希望者を落札者として決定する。一方、落札者決定処理手段は、入札価格が落札下限価格を上回ったと判定すると、買受希望者側の端末装置2からの入札情報の受付けを終了し、落札下限価格を上回った入札価格を提示した買受希望者を落札者として決定する
ここで、不動産物件情報には不動産物件の希望落札価格を含む場合には、落札者決定処理手段は、希望落札価格が落札下限価格を上回っていると判定すると、入札価格が落札下限価格を上回った場合であっても買受希望者側の端末装置2からの入札情報の受付けを終了せず、入札価格が前記希望落札価格を上回ったと判定したときに、買受希望者側の端末装置2からの受付けを終了し、希望落札価格を上回った入札価格を提示した買受希望者を落札者として決定する。
検索受付手段は、買受希望者側の端末装置2から、不動産物件の価格を含む不動産物件情報の検索メッセージ(検索要求の一例に相当)を通信ネットワーク6を介して受付ける。不動産オークションサーバ3の制御部20は、買受希望者側の端末装置2からの要求に応じて、不動産物件の検索用Webページ(図示せず)を送信するように構成されており、買受希望者側の端末装置2はこのように送信される不動産物件の検索用Webページを表示部に表示して、所望の条件を入力することによって、不動産オークションサーバ3へ不動産物件情報の検索メッセージを送信する。検索受付手段は、このように買受希望者側の端末装置2から送信される検索メッセージを受付ける。
検索処理手段は、検索メッセージに含まれる不動産物件の価格に適合する最高入札価格の不動産物件をデータベース13から抽出する。すなわち、検索処理手段は、データベース13の入札情報記憶領域32に現在入札期間中の不動産物件の情報があると判定すると、入札情報記憶領域32から検索メッセージに含まれる不動産物件の価格(例えば、2千万〜2千5百万の価格)に適合する入札価格の不動産物件があれば、その不動産物件の物件番号と入札価格を入札情報記憶領域32から取り出す。その後、物件情報記憶領域31からこの物件番号の情報を取り出し、検索メッセージに含まれる価格以外の条件を満たすか否かを判定し、満たす場合にはその不動産物件の情報(以下、「第1の検索情報」とする。)を取り出す。また、物件情報記憶領域31から検索メッセージに含まれる不動産物件の価格を含む条件を満たす不動産物件の情報(以下、「第2の検索情報」とする。)を取り出す。そして、第1の検索情報と第2の検索情報とを検索メッセージを送信した買受希望者の端末装置2へ送信する。このようにして買受希望者は不動産オークションで売買される不動産物件のうち所望の情報を取得することができる。
[3.不動産オークションサーバの動作]
以上のように構成された不動産オークションサーバ3について、その動作を図面を参照して詳細に説明する。図7は不動産オークションサーバ3のメイン処理のフローチャート、図8は不動産オークションサーバ3の売却物件登録処理のフローチャート、図9は不動産オークションサーバ3の入札処理のフローチャート、図10及び図11は不動産オークションサーバ3における落札処理を説明するための図、図12は不動産オークションサーバ3の物件検索処理のフローチャート、図13は不動産オークションサーバ3の入札終了処理のフローチャート、図14及び図15は不動産オークションサーバ3における落札処理を説明するための図である。
まず、不動産オークションサーバ3の電源がONになると、不動産オークションサーバ3のCPU10は、RAM11、ROM12及びデータベース13などのアクセス許可、作業領域確保を初期化等の初期設定動作を実行し、OSプログラムや不動産オークションプログラムをCPU10による実行状態とし、制御部20としての機能を動作させる。
次に、図7に示すように、制御部20は、端末装置からメッセージを受信したか否かを判定する(ステップS10)。受信するメッセージとしては、売主側の端末装置1からの売却物件登録メッセージ、買受希望側の端末装置2からの入札メッセージや物件検索メッセージなどがある。なお、これらのメッセージの判別は、各メッセージのヘッダ部分に含まれるメッセージ識別情報に基いて行われる。
ここで、端末装置からメッセージを受信したと判定すると(ステップS10:Yes)、制御部20は、受信したメッセージが、売主側の端末装置1から送信される売却物件登録メッセージであるか否かを判定する(ステップS11)。この処理において、売買物件登録メッセージであると判定すると(ステップS11:Yes)、制御部20は、売却物件登録手段として、売却物件登録処理を行う(ステップS12)。この売却物件登録処理は、図8におけるステップS100〜S106までの処理であり、後述する。
受信したメッセージが売却物件登録メッセージではないとき(ステップS12:No)、制御部20は、受信したメッセージが入札要求メッセージであるか否かを判定する(ステップS13)。この処理において、受信したメッセージが入札要求メッセージであると判定すると(ステップS13:Yes)、制御部20は、入札受付処理手段、入札価格記憶処理手段、落札決定処理手段等として、入札処理を行う(ステップS14)。この入札処理は、図9におけるステップS200〜S205までの処理であり、後述する。
受信したメッセージが入札要求メッセージではないとき(ステップS13:No)、制御部20は、受信したメッセージが物件検索メッセージであるか否かを判定する(ステップS15)。この処理において、受信したメッセージが物件検索メッセージであると判定すると(ステップS15:Yes)、制御部20は、検索受付手段や検索処理手段等として、物件検索処理を行う(ステップS16)。この物件検索処理は、図12におけるステップS300〜S309の処理であり、後述する。
受信したメッセージが物件検索メッセージではないとき(ステップS15:No)、制御部20は、受信したメッセージに応じた処理を行う(ステップS17)。
ステップS10において、端末装置からメッセージを受信していないとき(ステップS10:No)、制御部20は、入札開始日時に到達している不動産物件があるか否かを判定する(ステップS18)。入札開始日時に到達している不動産物件があるか否かは、制御部20が、データベース13の物件情報記憶領域31に記憶された不動産物件情報のうち、入札開始日時が到達しているものがあるか否かにより判定する。なお、すでに入札開始日時が到達していると判定した不動産物件情報については除外して判定する。また、制御部20は、入札開始日時が到達している不動産物件には入札を開始した旨の情報を関連付けて物件情報記憶領域31に記憶させておき、入札を開始した旨の情報が関連付けられた不動産物件については除外してステップS18の処理を行うようにしてもよい。
この処理において、入札開始日時が到達したと判定すると(ステップS18:Yes)、制御部20は、入札の受付けを開始する(ステップS19)。すなわち、制御部20は、入札受付処理手段として、買受希望者側の端末装置2から送信される入札情報を受付ける。
一方、入札開始日時が到達した不動産物件がないと判定すると(ステップS18:No)、制御部20は、入札終了日時が到達した不動産物件があるか否かを判定する(ステップS20)。この処理において、入札終了日時に到達している不動産物件があるか否かは、制御部20が、データベース13の物件情報記憶領域31に記憶された不動産物件情報のうち、入札終了日時が到達しているものがあるか否かにより判定する。なお、すでに入札終了日時が到達していると判定した不動産物件情報については除外して判定する。また、制御部20は、入札開始日時及び入札終了日時が到達している不動産物件には入札が開始した旨及び終了した旨の情報をそれぞれ関連付けて物件情報記憶領域31に記憶させておき、入札開始日時が到達している不動産物件のうち入札が終了した旨の情報が関連付けられた不動産物件については除外した不動産物件についてステップS20の処理を行うようにしてもよい。
この処理において、入札終了日時が到達したと判定すると(ステップS20:Yes)、制御部20は、入札終了処理を行う(ステップS21)。この入札終了処理は、制御部20が入札受付終了処理手段等として、買受希望者側の端末装置2から送信される入札情報の受付けを終了することによって行う。この入札終了処理は、図13におけるステップS400〜S408までの処理であり、後述する。
ステップS12、ステップS14、ステップS16、ステップS17、ステップS19、ステップS21の処理が終了したとき、或いはステップS20において入札終了日時が到達していないと判定した場合(ステップS20:No)、制御部20は、不動産オークションサーバ3の電源がOFF(シャットダウン)状態へ移行したか否かを判定する(ステップS22)。不動産オークションサーバ3の電源がOFFされていないと判定すると(ステップS22:No)、制御部20は、処理をステップS10に移行する。一方、不動産オークションサーバ3の電源がOFFされていると判定すると(ステップS22:Yes)、制御部20は、メイン処理を終了する。
次に、ステップS12における売却物件登録処理について、図8を参照して具体的に説明する。
図8に示すように、制御部20は、売却物件登録処理を開始すると、売却物件登録手段として、まず売却物件登録メッセージに含まれる不動産物件情報を取り出し(ステップS100)、このように取り出した不動産物件情報をデータベース13の物件情報記憶領域31に登録する(ステップS101)。
次に、制御部20は、ステップS101においてデータベース13に登録した不動産物件情報を、通信ネットワーク6を介して不動産評価の専門家の端末装置4へ送信する(ステップS102)。
その後、制御部20は、ステップS100において受信した不動産物件情報に含まれる入札開始日時に到達したか否かを判定する(ステップS103)。この処理において、入札開始日時が到達したと判定したとき(ステップS103:Yes)、制御部20は、ステップS100において受信した不動産物件情報に対応する不動産物件の評価額の情報を送信するように催促するための催促メッセージを不動産評価の専門家の端末装置4へ送信し(ステップS104)、入札開始日時の延長処理を行う(ステップ105)。この入札開始日時の延長処理は、ステップS100において受信しデータベース13に記憶した不動産物件情報の入札開始日時の情報を変更することによって行う。
ステップS103において、入札開始日時が到達していないと判定すると(ステップS103:No)、制御部20は、評価額情報を受信したか否かを判定する(ステップS104)。評価額情報を受信したか否かは、不動産評価の専門家の端末装置4からステップS100において受信した不動産物件情報に対応する不動産物件の評価額の情報を受信したか否かによって判定する。
この処理において、評価額情報を受信したと判定すると(ステップS104:Yes)、制御部20は、ステップS100において受信してデータベース13の物件情報記憶領域31に記憶した不動産物件情報に対応させて、受信した評価額情報をデータベース13の物件情報記憶領域31に記憶する(ステップS106)。
このように、売却物件登録処理では、売主側の端末装置1から送信される売却物件登録メッセージに基いて、不動産物件情報をデータベース13の物件情報記憶領域31に記憶し、さらに、この不動産物件情報に対応する不動産物件の評価額を不動産評価の専門家の端末装置4から受信して、物件情報や評価額の情報を含む不動産物件情報をデータベース13に登録するようにしている。さらに、入札開始日時までに評価額の情報を受信できないときには、不動産評価の専門家の端末装置4に評価額の送信を催促し、かつ入札開始日時の延長を行っているため、不動産物件の入札開始時に評価額を買受希望者側に提示することができないという状況を回避することができる。
次に、ステップS14における入札処理について、図9を参照して具体的に説明する。
図9に示すように、制御部20は、入札処理を開始すると、入札受付処理手段として、入札要求メッセージを受付け、入札価格記憶処理手段として、この受付けられた入札メッセージに含まれる入札価格を不動産物件情報に関連付けてデータベース13へ記憶する。すなわち、買受希望者側の端末装置2から送信される入札要求メッセージ(入札価格などの入札情報を含むメッセージ)から入札情報を取り出し(ステップS200)、この入札情報をデータベース13の入札情報記憶領域32に記憶して登録する(ステップS201)。
次に、制御部20は、落札決定処理手段として、入札価格が希望落札価格以上であるか否かを判定する(ステップS202)。すなわち、制御部20は、データベース13に記憶した不動産物件情報に含まれる落札希望価格を取り出し、ステップS200で受付けた入札情報に含まれる入札価格がこの落札希望価格以上であるか否かを判定する。
この処理において、入札価格が落札希望価格以上ではないと判定すると(ステップS202:No)、制御部20は、入札価格が買受申出価格(ここでは、評価額の1.2倍としている)以上であるか否かを判定する(ステップS203)。
ステップS202において入札価格が落札希望価格以上であるとき(ステップS202:Yes)、或いはステップS203において入札価格が買受申出価格以上であるとき(ステップS203:Yes)、制御部20は、ステップS200において取り出された入札価格(最高入札価格)を提示した買受希望者を落札者として決定し(ステップS204)、入札受付けを終了する(ステップS205)。このように落札者が決定すると、この落札者である買受希望者側の端末装置2に落札した旨の情報を通信ネットワーク6を介して電子メールなどにより通知し、一方で落札された不動産物件を売却する売主側の端末装置1に落札された旨の情報を通信ネットワーク6を介して電子メールなどにより通知する。
ステップS203において入札価格が買受申出価格以上ではないとき(ステップS203:No)、或いはステップS205の処理が終了すると、制御部20は、入札処理を終了する。
このように、入札処理では、買受希望者側の端末装置2から送信される入札情報をデータベース13に登録すると共に、この入札情報に含まれる入札価格が希望落札価格以上或いは買受申出価格以上であるときには、入札期間内であっても、この入札者を落札者として決定し、入札処理を終了するようにしている。従って、このような場合には、買受希望者側が一定の入札期間を待つことなく落札することができる。
図10は、入札終了日時よりも前に、入札価格が希望落札価格以上となったときの様子を示しており、順次入札価格が上がっていき、入札価格が希望落札価格以上となったときにこの時点の入札価格(最高入札価格)を提示した買受希望者を落札者として決定していることが示されている。
図11は、入札終了日時よりも前に、入札価格が落札下限価格以上となったときの様子を示しており、順次入札価格が上がっていき、入札価格が落札下限価格以上となったときにこの時点の入札価格(最高入札価格)を提示した買受希望者を落札者として決定していることを指名している。なお、図11では、売主側による希望落札価格の設定がない場合の例を示している。なお、希望落札価格の設定があるときにおいて、落札下限価格が希望落札価格よりも低いときには、希望売却価格を優先させるようにする。
次に、ステップS16における物件検索処理について、図12を参照して具体的に説明する。なお、ステップS300が検索受付手段の処理、ステップS301からS309が検索処理手段の処理である。
図12に示すように、制御部20は、物件検索処理を開始すると、検索メッセージを受付けて、物件検索メッセージから検索条件を取り出す(ステップS300)。検索条件としては、所在地、物件種類、価格などの検索条件が含まれており、制御部20は、検索処理手段として、取り出した検索条件に価格の指定があるか否かを判定する(ステップS301)。
この処理において、検索条件に価格の指定がないと判定すると(ステップS301:No)、制御部20は、検索条件に含まれる検索条件に適合する不動産物件情報をデータベース13から検索して、取り出す(ステップS302)。例えば、所在地の条件として「○○市」となっていれば、所在地に「○○市」を含む不動産物件情報を取り出す。
次に、制御部20は、検索条件に適合する不動産物件情報があるか否かを判定する(ステップS303)。この判定は、ステップS302においてデータベース13から取り出すことができた不動産物件情報があるか否かによって行われる。つまり、ステップS302において取り出した不動産物件情報があれば、制御部20は、検索条件に適合する不動産物件情報があると判定する。
この処理において、検索条件に適合する不動産物件情報があると判定すると(ステップS303:Yes)、制御部20は、ステップS302においてデータベース13から取り出した不動産物件情報を物件検索メッセージを送信した端末装置2へ送信する(ステップS305)。一方、適合する不動産物件情報がないと判定すると(ステップS303:No)、制御部20は、検索に適合する不動産物件情報がない旨の通知を物件検索メッセージを送信した端末装置2へ送信する(ステップS304)。
ステップS301において、検索条件に価格の指定があると判定すると(ステップS301:Yes)、制御部20は、データベース13の入札情報記憶領域32から不動産物件毎の最高入札価格を取り出し(ステップS306)、検索メッセージに含まれる検索条件で指定された価格範囲の不動産物件情報があるか否かを判定する(ステップS307)。指定された価格範囲の不動産物件情報があるか否かはデータベース13の入札情報記憶領域32から取り出した最高入札価格(落札されたものは含まない)が指定された価格範囲内であるものがあるか否かにより判定する。つまり、制御部20は、指定された価格範囲内に、入札情報記憶領域32に格納された入札価格があるときに、指定された価格範囲の不動産物件情報があると判定する。
この処理において、指定された価格範囲の不動産物件情報があると判定すると(ステップS307:Yes)、制御部20は、指定された価格範囲内にある入札価格の不動産物件情報をデータベース13の物件情報記憶領域31から取り出して(ステップS308)、この不動産物件情報を物件検索メッセージを送信した端末装置2へ送信する(ステップS305)。一方、指定された価格範囲内にある不動産物件情報がないと判定すると(ステップS307:No)、制御部20は、検索に適合する不動産物件情報がない旨の通知を物件検索メッセージを送信した端末装置2へ送信する(ステップS309)。このステップS309の処理が終了すると、物件検索処理を終了する。なお、ステップS308では、さらに、指定された価格範囲内にあるその他の不動産物件情報もデータベース13の物件情報記憶領域31から取り出す。
以上のように、制御部20は、物件検索メッセージに価格に関する条件が付されている場合、この価格条件に対応する不動産物件情報を検索する。このとき、不動産物件が入札期間中であれば、現在の最高入札価格に基いて価格条件を満たすか否かを判定するので、買受希望者側は入札期間中の不動産物件の価格も正確に把握することができる。なお、入札期間中の不動産物件情報を検索結果として買受希望者側の端末装置2へ送信する際には、入札期間中である旨の情報を付して送信することにより、買受希望者側は入札中であることを容易に理解することができ、利便性が向上する。
次に、ステップS21における入札終了処理について、図13を参照して具体的に説明する。なお、ステップS400が入札受付終了処理手段としての処理であり、S402からS408が落札者決定処理手段としての処理である。
図13に示すように、制御部20は、入札終了処理を開始すると、まず、買受希望者の端末装置2からの入札情報の受付けを終了する(ステップS400)。そして、制御部20は、ステップ400で入札を終了した不動産物件の最高入札価格をデータベース13の入札情報記憶領域32から取り出す(ステップS401)。
次に、制御部20は、ステップ400で入札を終了した不動産物件の最低売却価格をデータベース13の物件情報記憶領域31から取り出し、ステップS401で取り出した最高入札価格がこの最低売却価格以上であるか否かを判定する(ステップS402)。
この処理において、最高入札価格が最低売却価格以上であると判定すると(ステップS402:Yes)、制御部20は、この最高入札価格を提示した入札者を落札者として決定する(ステップS408)。このように落札者が決定すると、この落札者である買受希望者側の端末装置2に落札した旨の情報を通信ネットワーク6を介して電子メール等を送信することによって通知し、一方で落札された不動産物件を売却する売主側の端末装置1に落札された旨の情報を通信ネットワーク6を介して電子メール等を送信することによって通知する。
一方、最高入札価格が最高売却価格以上ではないと判定すると(ステップS402:No)、制御部20は、ステップ400で入札を終了した不動産物件の買受申出価格をデータベース13の物件情報記憶領域31から取り出し、ステップS401で取り出した最高入札価格がこの買受申出価格以上であるか否かを判定する(ステップS403)。
この処理において、最高入札価格がこの買受申出価格以上であると判定すると(ステップS403:Yes)、制御部20は、ステップ400で入札を終了した不動産物件の売主側の端末装置1に対して、入札は終了したが買受申出価格以上の入札があった旨の通知を行う(ステップS404)。このときの通知は、制御部20が通信部14を介して電子メールを送信することによって行う。
その後、制御部20は、タイマーのカウントを開始し(ステップS405)、ステップ404で通知した売主側の端末装置2から不動産物件の売却の指示があるか否かを判定する(ステップS406)。不動産物件の売却の指示がない場合(ステップS406:No)、ステップS406の処理を所定期間繰り返す(ステップS407:No)。所定期間内に売主側の端末装置1から不動産物件の売却の指示があった場合(ステップS406:Yes)、制御部20は、処理をステップS408に移行して、最高入札価格を提示した買受希望者を落札者として決定する。
ステップS403において、最高入札格が買受申出価格以上ではないと判定したとき(ステップS403:No)、ステップS407において、所定期間内に売主側の端末装置1から不動産物件の売却の指示がない場合(ステップS407:No)、或いはステップS408の処理が終了したとき、制御部20は、入札終了処理を終了する。
このように不動産オークションサーバ3は、希望落札価格や落札下限価格よりも低い入札価格の入札しかない場合であっても、最高入札価格が最低売却価格以上である場合にはその最高入札価格を提示した買受希望者を落札者として決定する。また最高入札価格が最低売却価格以上でない場合でも、最高入札価格が買受申出価格以上である場合には、所定期間内に売主側の承諾がある場合に最高入札価格を提示した買受希望者を落札者として決定するようにしている。従って、従来の不動産オークションシステムに比べ、落札者の決定をより適切に行うことができ、落札率を向上させることができる。
図14は、入札終了日時が到達した時点で、入札価格が希望落札価格以上とはならないが最低売却価格よりも高いときの様子を示しており、入札終了日時の最高入札価格が希望落札価格よりも低いが、最低売却価格よりも高い状態となっているため、この最高入札価格を提示した買受希望者が落札者として決定していることが示されている。
図15は、入札終了日時が到達した時点で、入札価格が希望落札価格以上とはならなず、最低売却価格以上にもならないが買受申出価格よりも高いときの様子を示しており、入札終了日時の最高入札価格が最低売却価格よりも低いが、買受申出価格よりも高い状態となっているため、この最高入札価格を提示した買受希望者が売主側に買受申出の状態であることが示されている。なお、本実施形態においては、売主側からの許諾があったときに買受申出が受諾され、不動産物件が落札されることになる。
上述の実施形態においては、不動産物件の希望売却価格、落札下限価格などは非公開でオークションを開催することとしたが、不動産物件の希望売却価格、落札下限価格などを公開してオークションを開催するようにしてもよい。すなわち、不動産オークションサーバ3は、買受希望者側の端末装置からの要求に応じた不動産物件に関する評価額や最低落札価格に加え、希望売却価格、落札下限価格なども買受希望者側の端末装置2へ送信する。買受希望者側は、これにより評価額、最低売却価格、希望落札価格、落札下限価格を知ることができ、落札したい不動産物件の入札を戦略的に行うことができ、入札参加者を増加させることができる。
また、上述の実施形態においては、売主側の端末装置1から送信される不動産物件情報に最低売却価格を含むようにしたが、売主側の端末装置1から最低売却価格が通信されないときには、制御部20において、買受申出価格と同様に、この最低売却価格を不動産物件の評価額に応じて決定してもよい。すなわち、制御部20は、演算処理手段として、不動産物件の評価額に応じて、この評価額よりも低く、かつ買受申出価格よりも高くなるような範囲で最低売却価格を演算する。例えば、買受申出価格の演算式が、[買受申出価格=不動産物件の評価額×α(α<1)]である場合、最低売却価格の演算式は、「不動産物件の評価額×γ(α<γ<1)とする。例えば、α=0.8であるときには、γ=0.9とする。このようにすることによって、不動産オークションの信頼性を向上させることができ、入札率や落札率を向上させることができる。
本実施形態における不動産オークションシステムの全体的なシステム構成を示す図である。 本実施形態における不動産オークションサーバの概要構成例を示す図である。 本実施形態における不動産オークションサーバのデータベースに記憶される不動産物件情報の一例を示す図である。 本実施形態における不動産オークションサーバのデータベースに記憶される入札情報の一例を示す図である。 本実施形態における不動産オークションサーバから買受希望者側の端末装置へ送信される不動産物件画面の表示例を示す図である。 本実施形態における不動産オークションサーバから買受希望者側の端末装置へ送信される入札画面の表示例を示す図である。 本実施形態における不動産オークションサーバのメイン処理のフローチャート 本実施形態における不動産オークションサーバの売却物件登録処理のフローチャートである。 本実施形態における不動産オークションサーバの入札処理のフローチャートである。 本実施形態における不動産オークションサーバにおける落札処理を説明するための図である。 本実施形態における不動産オークションサーバにおける落札処理を説明するための図である。 本実施形態における不動産オークションサーバの物件検索処理のフローチャートである。 本実施形態における不動産オークションサーバの入札終了処理のフローチャートである。 本実施形態における不動産オークションサーバにおける落札処理を説明するための図である。 本実施形態における不動産オークションサーバにおける落札処理を説明するための図である。
符号の説明
S 不動産オークションシステム
1 売主側の端末装置
2 買受希望者側の端末装置
3 不動産オークションサーバ
4 不動産評価の専門家の端末装置
5 オークション開催側の端末装置
6 通信ネットワーク
10 CPU
11 RAM
12 ROM
13 データベース
14 通信部
15 バス
20 制御部

Claims (8)

  1. 不動産物件の売却を希望する売主側の端末装置と前記不動産物件の買受を希望する買受希望者側の端末装置とが通信ネットワークを介して接続され、前記売主側の端末装置から送信された不動産物件情報と前記買受希望者側の端末装置から送信された入札情報とに基いて前記不動産物件の取引処理を行う不動産オークションサーバであって、
    前記売主側の端末装置から前記通信ネットワークを介して送信される前記不動産物件の最低売却価格を含む不動産物件情報と、不動産評価の専門家による前記不動産物件の評価額とを記憶するデータベースと、
    前記買受希望者側の端末装置からの要求に応じた不動産物件の前記評価額を前記買受希望者側の端末装置へ送信する不動産物件情報送信処理手段と、
    前記買受希望者側の端末装置から入札価格を含む入札情報を受付ける入札受付処理手段と、
    設定された入札終了時間に応じて前記入札情報の受付けを終了する入札受付終了処理手段と、
    前記入札情報の受付けが終了したとき、最高入札価格が前記最低売却価格以上の額である場合に、前記最高入札価格を提示した買受希望者を落札者として決定する落札者決定処理手段と、
    を備えたことを特徴とする不動産オークションサーバ。
  2. 前記評価額よりも低い額の買受申出価格を設定する設定手段と、
    前記入札情報の受付けが終了したとき、最高入札価格が前記最低売却価格を満たさない場合であっても、前記最高入札価格が前記買受申出価格以上であるときには、前記最高入札価格を提示した買受希望者及び/又は売主側にその旨を報知する報知手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の不動産オークションサーバ。
  3. 前記評価額に応じて、この評価額よりも低い前記買受申出価格を演算する演算処理手段と、
    前記入札情報の受付けが終了したとき、最高入札価格が前記最低売却価格を満たさない場合であっても、前記最高入札価格が前記買受申出価格以上であるときには、前記最高入札価格を提示した買受希望者及び/又は売主側にその旨を報知する報知手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の不動産オークションサーバ。
  4. 前記落札者決定処理手段は、
    前記報知手段による報知に対して、前記売主側の端末装置から売却の指示を受信すると、前記最高入札価格を提示した買受希望者を落札者として決定する
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の不動産オークションサーバ。
  5. 前記評価額に応じて、この評価額よりも高い価格の落札下限価格を演算する演算処理手段を備え、
    前記落札者決定処理手段は、
    前記入札価格が前記落札下限価格を上回ったと判定すると、前記買受希望者側の端末装置からの入札情報の受付けを終了し、前記落札下限価格を上回った入札価格を提示した買受希望者を落札者として決定する
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の不動産オークションサーバ。
  6. 前記不動産物件情報には前記不動産物件の希望落札価格を含み、
    前記落札者決定処理手段は、
    前記希望落札価格が前記落札下限価格を上回っていると判定すると、前記入札価格が前記落札下限価格を上回った場合であっても前記買受希望者側の端末装置からの入札情報の受付けを終了せず、前記入札価格が前記希望落札価格を上回ったと判定したときに、前記買受希望者側の端末装置からの入札情報の受付けを終了し、前記希望落札価格を上回った入札価格を提示した買受希望者を落札者として決定する
    ことを特徴とする請求項5に記載の不動産オークションサーバ。
  7. 前記入札受付処理手段によって受付けられた入札価格を不動産物件情報に関連付けて前記データベースへ記憶する入札価格記憶処理手段と、
    不動産物件の価格を含む不動産物件情報の検索要求を前記通信ネットワークを介して受付ける検索受付手段と、
    前記検索要求に含まれる不動産物件の価格に適合する最高入札価格の不動産物件を前記データベースから抽出する検索処理手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の不動産オークションサーバ。
  8. 不動産物件の売却を希望する売主側の端末装置と、前記不動産物件の買受を希望する買受希望者側の端末装置と、前記売主側の端末装置及び前記買受希望者側の端末装置に接続された不動産オークションサーバとを備える不動産オークションシステムにおいて、前記不動産物件の取引処理を行う不動産オークション処理方法であって、
    前記売主側の端末装置が、前記通信ネットワークを介して前記不動産物件の最低売却価格を含む不動産物件情報を送信するステップと、
    前記不動産オークションサーバが、前記売主側の端末装置から前記通信ネットワークを介して送信される前記不動産物件情報と、不動産評価の専門家による前記不動産物件の評価額とをデータベースに記憶するステップと、
    前記不動産オークションサーバが、前記評価額に応じて、この評価額よりも低い買受申出価格を演算するステップと、
    前記買受希望者側の端末装置が、前記データベースに記憶された不動産物件情報を要求するステップと、
    前記不動産オークションサーバが、前記買受希望者側の端末装置からの前記要求に応じた不動産物件に関する前記評価額を前記買受希望者側の端末装置へ送信するステップと、
    前記買受希望者側の端末装置が、入札価格を含む入札情報を送信するステップと、
    前記不動産オークションサーバが、前記買受希望者側の端末装置からの前記入札情報を受付けるステップと、
    設定された入札終了時間に応じて前記入札情報の受付けを終了するステップと、
    前記入札情報の受付けが終了したとき、最高入札価格が前記最低売却価格以上の額である場合に、前記最高入札価格を提示した買受希望者を落札者として決定するステップと、
    前記入札情報の受付けが終了したとき、最高入札価格が前記最低売却価格を満たさない場合であっても、前記最高入札価格が前記買受申出価格以上であるときには、前記最高入札価格を提示した買受希望者及び/又は売主側にその旨を報知するステップと、
    を有することを特徴とする不動産オークション処理方法。
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