JP2004100314A - サンドクッション平板 - Google Patents
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Abstract
【課題】蹄を有する動物の通路において、敷設物の上に砂を覆土するだけで、人馬や車輌が通過したあとでも覆土した砂が移動しないため、凹凸を生じることなく通路の安定性をもたらし、蹄や脚の保護をするとともに、人馬や車輌の良好な歩行性・走行性を提供するサンドクッション平板を提供する。
【解決手段】ポーラスコンクリート層上の合成樹脂製マットの上面に弾性を有する突起状物を複数有し、該合成樹脂製マットの上に砂を覆土して用いることを特徴とするサンドクッション平板。
【選択図】 なし
【解決手段】ポーラスコンクリート層上の合成樹脂製マットの上面に弾性を有する突起状物を複数有し、該合成樹脂製マットの上に砂を覆土して用いることを特徴とするサンドクッション平板。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は牛舎、馬舎、競馬場、競争馬のトレーニング施設等で馬や牛等の有蹄類の通路に敷設され、動物の蹄と脚を保護するために使用されるサンドクッション平板に関する。
【0002】
【従来の技術】
牛舎、馬舎、競走馬や競走馬のトレーニング施設等における馬道などの、馬の通路の舗装としては従来、競争馬の脚を保護するために、砂、土、芝が一般的であった。また、最近では、ゴムチップやウッドチップを敷き詰めたり、さらにはゴムチップやウッドチップを結合材で接着したものが使用されている。更に最近では軟弾性骨材と重骨材からなる弾性舗装用成形体(たとえば、特許文献1参照)等が開発されている。また、砂利や砂等の粒状物の移動を抑制するものとして粒状物舗装用敷設材(たとえば、特許文献2、及び特許文献3参照)や地表面の安定化構造(たとえば、特許文献4参照)等が開発されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−241303号公報
【特許文献2】
特開2001−90005号公報
【特許文献3】
特開2001−90008号公報
【特許文献4】
特開平11−310902号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
競争馬が歩いたり駆けたりする通路が砂や土、あるいはゴムチップやウッドチップが敷き詰められている場合、馬が歩いたり駆けたりすると、砂や土が跳ね除けられて通路に凹凸が生じていた。また、結合材で接着されたゴムチップやウッドチップの場合は、馬の歩行等によって繰り返し加えられる大きな応力によってチップが外れたり破損したりしていた。
これは、人間と比べて遥かに体重の重い馬が歩くと極めて狭い面積を有する蹄鉄の部分に過重が集中し、しかも捻り等が加わるために、舗装面に著しい圧縮力、せん断力、衝撃等が加えられるためである。
また、砂の通路上を車輌が通行すると凹凸や轍ができたりして、歩行性や走行性が損なわれ、これを復元するために平坦に均すのに手間暇を要していた。
【0005】
本発明の目的は、馬等の有蹄類の歩行によって通路に凹凸が生じたり、ゴムチップ等が破損しないで、あらかじめ工場などで製造したものを施工面に単に置き敷きし、その上に砂を覆土するだけで舗装が完了し、人馬や車輌の歩行・走行による砂の移動が防げて凹凸が生ぜず、馬等の有蹄類の歩行に対する耐性や脚を保護する機能に優れており、必要に応じて芝等で緑化することも可能なサンドクション平板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための、本発明のサンドクッション平板は、合成樹脂製マットの上面に弾性を有する突起状物を複数有するものであって、該合成樹脂製マットの上面に砂を覆土して用いることを特徴とするものである。
この弾性を有する突起状物は、人馬や通行車輌の荷重の大部分を該突起状物で受けるため、該突起状物間の砂の移動を殆ど抑制すること、また砂が僅かに移動したとしても該突起状物の復元力によって元に押し戻す機能を有するものである。
【0007】
この弾性を有する突起状物の形状は、特に限定されるものではないが、台形状、円錐状、円柱状、板状、柱状、棒状、網目状、又はループ状であっても良く、または、複数形状を組み合わせても良い。
また、合成樹脂製マットと突起状物は一体成形で製造して良いし、後から合成樹脂製マットに弾性を有する突起状物を接着しても良い。弾性を有する突起状物の材質は特に限定されるものでないが、脚の押圧や馬の荷重等に耐性があり、且つ移動した砂を突起状物の復元力によって元に押し戻す耐力があるものであれば問題はない。また、合成樹脂製マットと弾性を有する突起状物の材質が必ずしも同一である必要もない。また、合成樹脂製マットと突起状物が同一の構造、例えば網目状体やループ状体であっても良い。
【0008】
さらに、弾性を有する突起状物を複数有する合成樹脂製マットの下にポーラッスコンクリート層を有するものである。該ポーラスコンクリート層によって合成樹脂製マットが支持され、合成樹脂製マットの変形、たわみ等が抑制され、良好な舗装面を維持することができる。尚、該合成樹脂製マットに透水性が付与されている場合は、雨水や余剰な水等が該ポーラスコンクリート層の連続空隙を通って排水されるので、ぬかるみや水溜りができない。また、芝等で緑化した場合は、芝の根がポーラスコンクリート層の連続空隙部分にまで伸長していき、芝の根が踏圧から保護される。
【0009】
また、この弾性を有する突起状物は押圧や荷重に対して耐力があるため、該突起状物間の砂が押圧や荷重によって圧密されることがなく、通気性や透水性を損なうこともない。従って、本発明のサンドクッション平板の上に砂を覆土して、更に芝等で緑化した場合であっても、根の通気性を損なうことなく、良好に芝等を生育させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明のサンドクッション平板について説明する。本発明のサンドクッション平板は、合成樹脂製マットの上面に弾性を有する突起状物を複数有することを特徴とするものである。この場合の弾性を有する突起状物の形状及び大きさは、特に限定されるものではないが、台形状、円錐状、円柱状、板状、柱状、棒状、網目状、又はループ状であっても良く、または、複数の形状と大きさを組み合わせても良い。好ましくは内部に砂を包み込み可能な網目状やループ状が良い。
【0011】
また、合成樹脂製マットと突起状物は一体成形で製造して良いし、後から合成樹脂製マットに弾性を有する突起状物を接着しても良い。この場合、後から接着する際の結合材としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等の硬化性樹脂等があげられる。また、合成樹脂製の弾性繊維をループ状に変形させて、弾性繊維の各ループの端点は溶融によって合成樹脂製マットに一体化するか、或いは、弾性繊維の各ループの端点部分を溶融によって互いに融着させて、繊維材マットにしたものでも良い。
【0012】
さらには、樹脂紐状体をランダムにループを形成させた状態で成形したマットでも良い。ただし、この場合細かい連通孔を有するようにループを積層し、各ループ同士の交点で接着させる必要がある。
【0013】
弾性を有する突起状物の材質は特に限定されるものでないが、脚の押圧や馬の荷重等に耐性があり、且つ移動した砂を突起状物の復元力によって元に押し戻す耐力があるものであれば問題はない。また、合成樹脂製マットと弾性を有する突起状物の材質が必ずしも同一である必要もない。
【0014】
上述の繊維材マットの場合、維度100〜5000d/fで捲縮のある熱融着性繊維を少なくとも40重量%含み、且つ該複合繊維で熱融着され、密度が0.02〜0.15g/cm3、繰り返し圧縮回復率が80%であることが好ましい。これにより、上面にかかる荷重に対して、圧縮されず、且つ圧縮後の復元力の大きいものとなる。
【0015】
更に本発明のサンドクッション平板は、合成樹脂製マットの下にポーラスコンクリート層を有することを特徴とするものである。この場合のポーラスコンクリート層はプレキャスト版でも現場打ちでも良い。このポーラスコンクリート層の空隙率は5%〜35%が好ましい。芝を植生する場合は、空隙率15%〜35%、粗骨材の粒径は10mm〜20mmが好ましい。また、合成樹脂製マットの下にポーラスコンクリート層を有する場合は、合成樹脂製マットとポーラスコンクリート層が一体しているのが好ましく、コンクリート打設後のまだコンクリートが硬化しない状態のうちにポーラスコンクリートの打設面上に合成樹脂製マットを押圧し、セメントの接着力によって合成樹脂製マットとポーラスコンクリート層とを一体化するか、硬化後のポーラスコンクリート層に硬化性樹脂を用いて合成樹脂製マットを接着・一体化しても良い。硬化性樹脂の例としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等があげられる。
【0016】
本発明のサンドクッション平板は、弾性を有する突起状物を有する合成樹脂製マットとポーラスコンクリート層とが一体となった構造を成しており、該合成樹脂製マットの上に砂を覆土して用いることを特徴とする。これにより、合成樹脂製マットの上に覆土された砂は、弾性を有する突起状物によってその移動を妨げられ、また、脚による応力は、砂の移動や突起状物の弾性により緩和・分散され、更には、移動した砂は弾性を有する突起状物の復元力によって元に戻るという効果を生じさせるものである。これらの効果により、健康な馬等の脚を保護するだけでなく、腱・靭帯炎、裂蹄、挫石等の怪我をした馬等の治療にも有効な通路を提供するものである。
【0017】
また合成樹脂製マットの上に覆土した砂に芝等の種子を播種することによって、芝の根が砂中に、更にはポーラスコンクリート層の空隙部分に伸長することになり、この根によって砂は一層移動し難くなる。尚、この場合、合成樹脂製マットは透水性機能を有していることが好ましく、更には、芝の根が通り抜けられる空隙径叉は網目状体を有していることが好ましい。また、ポーラスコンクリート層は、押圧による砂の余分な沈下を防ぐ、通路の安定性を提供する、芝が嫌う余剰な雨水を排水する、芝等の根を保護する等の効果を生じさせるものである。また、芝が砂面を覆うことによって、馬の歩行や風による砂の飛散を防いでくれる。
【0018】
上述した繊維材マット製造例について説明する。
【0019】
尚、本例において、圧縮回復率は、以下の測定方法による。
【0020】
マットを10×10cmの大きさに切取り、この試験片を自記型圧縮試験機を使用し、圧縮部の大きさ10cmの接圧子で圧縮、解放を80回繰り返した。尚、第1回目の圧縮は、荷重が30Kgに達した後1分間この状態で加圧を停止し、その後圧力を解放し、この操作を80回繰り返した後、30分放置後、マットの高さを測定し圧縮回復率を測定した。
圧縮回復率(%)=(1−[(H0−H80)/H0])×100
H0:圧縮前の厚み
H80:80回圧縮繰り返し後30分放置後の厚み
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0021】
実施例1
鞘成分が融点135℃の高密度ポリエチレンで、芯成分が融点258℃のポリエチレンテレフタレートからなり、繊度1050d/f、繊維長89mmの立体捲宿が付与された熱融着性繊維を99重量%、繊度5d/f、繊維長51mmの吸水加工されたアクリル系繊維(ランシール、日本エクスラン(株))1重量%を混合し、ランダムウエバーを用い、目付け2600g/m2のウエブを得た。該ウエブをネットコンベア挟持型でしかも熱風貫通型の加熱機を使用し、温度148℃、時間12分間加熱処理し、繊維の交点が熱融着したマットを得た。該マットをカッターで切断し、幅0.9m、長さ2mのマットを得た。該マットは厚みが4.1cm、密度が0.06g/cm3、圧縮回復率は87%であった。
【0022】
次にポーラスコンクリート層の製造例について説明する。
【0023】
【0024】
型枠(400×400×80mm)内に、上記配合のコンクリートを詰め、Vicon(櫻井建材産業(株)製、VIPAO−156)で成型した。次にこのコンクリート層の上に実施例1で製造した繊維状マットを押圧し、押圧した状態で4時間65℃で養生した後、脱枠してポーラスコンクリート層と繊維状マットが一体化したサンドクッション平板を製造した。
【0025】
次にサンドクッション平板による砂の移動防止について説明する。
【0026】
実施例3
実施例2で製造したポーラスコンクリート層と繊維状マットが一体化したサンドクッション平板を屋外の地面の上に敷設し、該サンドクッション平板の上に繊維状マットのループ頂端部がちょうど隠れる位まで砂で覆土した。次にこの砂で覆土したサンドクッション平板の上を駆け抜けたところ、砂は殆ど移動しておらず、また凹凸の形成も見られなかった。
【0027】
次にサンドクッション平板への植栽について説明する。
【0028】
実施例4
実施例2で製造したポーラスコンクリート層と繊維状マットが一体化したサンドクッション平板を屋外の地面の上に敷設し、該サンドクッション平板の上に繊維状マットのループ頂端部がちょうど隠れる位まで砂で覆土した。次にスノーKBII〔雪印種苗(株)製、品種名〕の種子を約15g/m2となるように均一に播種した後、砂で該種子を薄く覆土した。そして充分に灌水を行った。2ヶ月後には芝の根が繊維状マット及びポーラスコンクリート層の空隙を通り抜けていた。
【0029】
【発明の効果】
以上、説明した本発明にかかるサンドクッション平板によれば、蹄を有する動物の通路において、敷設物の上に砂を覆土するだけで、覆土した砂の移動もなく、通路の安定性をもたらし、動物の脚や蹄を保護するとともに人馬や車輌の良好な歩行性・走行性を提供し、更には、芝等による緑化も容易にする効果がある。
【発明の属する技術分野】
本発明は牛舎、馬舎、競馬場、競争馬のトレーニング施設等で馬や牛等の有蹄類の通路に敷設され、動物の蹄と脚を保護するために使用されるサンドクッション平板に関する。
【0002】
【従来の技術】
牛舎、馬舎、競走馬や競走馬のトレーニング施設等における馬道などの、馬の通路の舗装としては従来、競争馬の脚を保護するために、砂、土、芝が一般的であった。また、最近では、ゴムチップやウッドチップを敷き詰めたり、さらにはゴムチップやウッドチップを結合材で接着したものが使用されている。更に最近では軟弾性骨材と重骨材からなる弾性舗装用成形体(たとえば、特許文献1参照)等が開発されている。また、砂利や砂等の粒状物の移動を抑制するものとして粒状物舗装用敷設材(たとえば、特許文献2、及び特許文献3参照)や地表面の安定化構造(たとえば、特許文献4参照)等が開発されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−241303号公報
【特許文献2】
特開2001−90005号公報
【特許文献3】
特開2001−90008号公報
【特許文献4】
特開平11−310902号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
競争馬が歩いたり駆けたりする通路が砂や土、あるいはゴムチップやウッドチップが敷き詰められている場合、馬が歩いたり駆けたりすると、砂や土が跳ね除けられて通路に凹凸が生じていた。また、結合材で接着されたゴムチップやウッドチップの場合は、馬の歩行等によって繰り返し加えられる大きな応力によってチップが外れたり破損したりしていた。
これは、人間と比べて遥かに体重の重い馬が歩くと極めて狭い面積を有する蹄鉄の部分に過重が集中し、しかも捻り等が加わるために、舗装面に著しい圧縮力、せん断力、衝撃等が加えられるためである。
また、砂の通路上を車輌が通行すると凹凸や轍ができたりして、歩行性や走行性が損なわれ、これを復元するために平坦に均すのに手間暇を要していた。
【0005】
本発明の目的は、馬等の有蹄類の歩行によって通路に凹凸が生じたり、ゴムチップ等が破損しないで、あらかじめ工場などで製造したものを施工面に単に置き敷きし、その上に砂を覆土するだけで舗装が完了し、人馬や車輌の歩行・走行による砂の移動が防げて凹凸が生ぜず、馬等の有蹄類の歩行に対する耐性や脚を保護する機能に優れており、必要に応じて芝等で緑化することも可能なサンドクション平板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための、本発明のサンドクッション平板は、合成樹脂製マットの上面に弾性を有する突起状物を複数有するものであって、該合成樹脂製マットの上面に砂を覆土して用いることを特徴とするものである。
この弾性を有する突起状物は、人馬や通行車輌の荷重の大部分を該突起状物で受けるため、該突起状物間の砂の移動を殆ど抑制すること、また砂が僅かに移動したとしても該突起状物の復元力によって元に押し戻す機能を有するものである。
【0007】
この弾性を有する突起状物の形状は、特に限定されるものではないが、台形状、円錐状、円柱状、板状、柱状、棒状、網目状、又はループ状であっても良く、または、複数形状を組み合わせても良い。
また、合成樹脂製マットと突起状物は一体成形で製造して良いし、後から合成樹脂製マットに弾性を有する突起状物を接着しても良い。弾性を有する突起状物の材質は特に限定されるものでないが、脚の押圧や馬の荷重等に耐性があり、且つ移動した砂を突起状物の復元力によって元に押し戻す耐力があるものであれば問題はない。また、合成樹脂製マットと弾性を有する突起状物の材質が必ずしも同一である必要もない。また、合成樹脂製マットと突起状物が同一の構造、例えば網目状体やループ状体であっても良い。
【0008】
さらに、弾性を有する突起状物を複数有する合成樹脂製マットの下にポーラッスコンクリート層を有するものである。該ポーラスコンクリート層によって合成樹脂製マットが支持され、合成樹脂製マットの変形、たわみ等が抑制され、良好な舗装面を維持することができる。尚、該合成樹脂製マットに透水性が付与されている場合は、雨水や余剰な水等が該ポーラスコンクリート層の連続空隙を通って排水されるので、ぬかるみや水溜りができない。また、芝等で緑化した場合は、芝の根がポーラスコンクリート層の連続空隙部分にまで伸長していき、芝の根が踏圧から保護される。
【0009】
また、この弾性を有する突起状物は押圧や荷重に対して耐力があるため、該突起状物間の砂が押圧や荷重によって圧密されることがなく、通気性や透水性を損なうこともない。従って、本発明のサンドクッション平板の上に砂を覆土して、更に芝等で緑化した場合であっても、根の通気性を損なうことなく、良好に芝等を生育させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明のサンドクッション平板について説明する。本発明のサンドクッション平板は、合成樹脂製マットの上面に弾性を有する突起状物を複数有することを特徴とするものである。この場合の弾性を有する突起状物の形状及び大きさは、特に限定されるものではないが、台形状、円錐状、円柱状、板状、柱状、棒状、網目状、又はループ状であっても良く、または、複数の形状と大きさを組み合わせても良い。好ましくは内部に砂を包み込み可能な網目状やループ状が良い。
【0011】
また、合成樹脂製マットと突起状物は一体成形で製造して良いし、後から合成樹脂製マットに弾性を有する突起状物を接着しても良い。この場合、後から接着する際の結合材としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等の硬化性樹脂等があげられる。また、合成樹脂製の弾性繊維をループ状に変形させて、弾性繊維の各ループの端点は溶融によって合成樹脂製マットに一体化するか、或いは、弾性繊維の各ループの端点部分を溶融によって互いに融着させて、繊維材マットにしたものでも良い。
【0012】
さらには、樹脂紐状体をランダムにループを形成させた状態で成形したマットでも良い。ただし、この場合細かい連通孔を有するようにループを積層し、各ループ同士の交点で接着させる必要がある。
【0013】
弾性を有する突起状物の材質は特に限定されるものでないが、脚の押圧や馬の荷重等に耐性があり、且つ移動した砂を突起状物の復元力によって元に押し戻す耐力があるものであれば問題はない。また、合成樹脂製マットと弾性を有する突起状物の材質が必ずしも同一である必要もない。
【0014】
上述の繊維材マットの場合、維度100〜5000d/fで捲縮のある熱融着性繊維を少なくとも40重量%含み、且つ該複合繊維で熱融着され、密度が0.02〜0.15g/cm3、繰り返し圧縮回復率が80%であることが好ましい。これにより、上面にかかる荷重に対して、圧縮されず、且つ圧縮後の復元力の大きいものとなる。
【0015】
更に本発明のサンドクッション平板は、合成樹脂製マットの下にポーラスコンクリート層を有することを特徴とするものである。この場合のポーラスコンクリート層はプレキャスト版でも現場打ちでも良い。このポーラスコンクリート層の空隙率は5%〜35%が好ましい。芝を植生する場合は、空隙率15%〜35%、粗骨材の粒径は10mm〜20mmが好ましい。また、合成樹脂製マットの下にポーラスコンクリート層を有する場合は、合成樹脂製マットとポーラスコンクリート層が一体しているのが好ましく、コンクリート打設後のまだコンクリートが硬化しない状態のうちにポーラスコンクリートの打設面上に合成樹脂製マットを押圧し、セメントの接着力によって合成樹脂製マットとポーラスコンクリート層とを一体化するか、硬化後のポーラスコンクリート層に硬化性樹脂を用いて合成樹脂製マットを接着・一体化しても良い。硬化性樹脂の例としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等があげられる。
【0016】
本発明のサンドクッション平板は、弾性を有する突起状物を有する合成樹脂製マットとポーラスコンクリート層とが一体となった構造を成しており、該合成樹脂製マットの上に砂を覆土して用いることを特徴とする。これにより、合成樹脂製マットの上に覆土された砂は、弾性を有する突起状物によってその移動を妨げられ、また、脚による応力は、砂の移動や突起状物の弾性により緩和・分散され、更には、移動した砂は弾性を有する突起状物の復元力によって元に戻るという効果を生じさせるものである。これらの効果により、健康な馬等の脚を保護するだけでなく、腱・靭帯炎、裂蹄、挫石等の怪我をした馬等の治療にも有効な通路を提供するものである。
【0017】
また合成樹脂製マットの上に覆土した砂に芝等の種子を播種することによって、芝の根が砂中に、更にはポーラスコンクリート層の空隙部分に伸長することになり、この根によって砂は一層移動し難くなる。尚、この場合、合成樹脂製マットは透水性機能を有していることが好ましく、更には、芝の根が通り抜けられる空隙径叉は網目状体を有していることが好ましい。また、ポーラスコンクリート層は、押圧による砂の余分な沈下を防ぐ、通路の安定性を提供する、芝が嫌う余剰な雨水を排水する、芝等の根を保護する等の効果を生じさせるものである。また、芝が砂面を覆うことによって、馬の歩行や風による砂の飛散を防いでくれる。
【0018】
上述した繊維材マット製造例について説明する。
【0019】
尚、本例において、圧縮回復率は、以下の測定方法による。
【0020】
マットを10×10cmの大きさに切取り、この試験片を自記型圧縮試験機を使用し、圧縮部の大きさ10cmの接圧子で圧縮、解放を80回繰り返した。尚、第1回目の圧縮は、荷重が30Kgに達した後1分間この状態で加圧を停止し、その後圧力を解放し、この操作を80回繰り返した後、30分放置後、マットの高さを測定し圧縮回復率を測定した。
圧縮回復率(%)=(1−[(H0−H80)/H0])×100
H0:圧縮前の厚み
H80:80回圧縮繰り返し後30分放置後の厚み
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0021】
実施例1
鞘成分が融点135℃の高密度ポリエチレンで、芯成分が融点258℃のポリエチレンテレフタレートからなり、繊度1050d/f、繊維長89mmの立体捲宿が付与された熱融着性繊維を99重量%、繊度5d/f、繊維長51mmの吸水加工されたアクリル系繊維(ランシール、日本エクスラン(株))1重量%を混合し、ランダムウエバーを用い、目付け2600g/m2のウエブを得た。該ウエブをネットコンベア挟持型でしかも熱風貫通型の加熱機を使用し、温度148℃、時間12分間加熱処理し、繊維の交点が熱融着したマットを得た。該マットをカッターで切断し、幅0.9m、長さ2mのマットを得た。該マットは厚みが4.1cm、密度が0.06g/cm3、圧縮回復率は87%であった。
【0022】
次にポーラスコンクリート層の製造例について説明する。
【0023】
【0024】
型枠(400×400×80mm)内に、上記配合のコンクリートを詰め、Vicon(櫻井建材産業(株)製、VIPAO−156)で成型した。次にこのコンクリート層の上に実施例1で製造した繊維状マットを押圧し、押圧した状態で4時間65℃で養生した後、脱枠してポーラスコンクリート層と繊維状マットが一体化したサンドクッション平板を製造した。
【0025】
次にサンドクッション平板による砂の移動防止について説明する。
【0026】
実施例3
実施例2で製造したポーラスコンクリート層と繊維状マットが一体化したサンドクッション平板を屋外の地面の上に敷設し、該サンドクッション平板の上に繊維状マットのループ頂端部がちょうど隠れる位まで砂で覆土した。次にこの砂で覆土したサンドクッション平板の上を駆け抜けたところ、砂は殆ど移動しておらず、また凹凸の形成も見られなかった。
【0027】
次にサンドクッション平板への植栽について説明する。
【0028】
実施例4
実施例2で製造したポーラスコンクリート層と繊維状マットが一体化したサンドクッション平板を屋外の地面の上に敷設し、該サンドクッション平板の上に繊維状マットのループ頂端部がちょうど隠れる位まで砂で覆土した。次にスノーKBII〔雪印種苗(株)製、品種名〕の種子を約15g/m2となるように均一に播種した後、砂で該種子を薄く覆土した。そして充分に灌水を行った。2ヶ月後には芝の根が繊維状マット及びポーラスコンクリート層の空隙を通り抜けていた。
【0029】
【発明の効果】
以上、説明した本発明にかかるサンドクッション平板によれば、蹄を有する動物の通路において、敷設物の上に砂を覆土するだけで、覆土した砂の移動もなく、通路の安定性をもたらし、動物の脚や蹄を保護するとともに人馬や車輌の良好な歩行性・走行性を提供し、更には、芝等による緑化も容易にする効果がある。
Claims (5)
- 覆土した砂の移動を防止するためのものであって、合成樹脂製マットの上面に弾性を有する突起状物を複数有することを特徴とするサンドクッション平板。
- 弾性を有する突起状物の形状が台形状、円錐状、円柱状、板状、柱状、棒状、網目状、又はループ状であることを特徴とする請求項1記載のサンドクッション平板。
- 合成樹脂製マットの下にポーラスコンクリート層を有することを特徴とする請求項2記載のサンドクッション平板。
- 芝または地衣植物を植栽することを特徴とする請求項2及び請求項3記載のサンドクッション平板。
- 蹄を有する動物の通路に敷設することを特徴とする請求項2、請求項3及び請求項4記載のサンドクッション平板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002264931A JP2004100314A (ja) | 2002-09-11 | 2002-09-11 | サンドクッション平板 |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (1)
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---|---|---|---|---|
JP2009515517A (ja) * | 2005-11-16 | 2009-04-16 | 大韓民国農村振興庁 | 牛のひづめ障害予防用の洗足器 |
-
2002
- 2002-09-11 JP JP2002264931A patent/JP2004100314A/ja active Pending
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