JPH09279506A - 馬場用路盤 - Google Patents

馬場用路盤

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JPH09279506A
JPH09279506A JP8091016A JP9101696A JPH09279506A JP H09279506 A JPH09279506 A JP H09279506A JP 8091016 A JP8091016 A JP 8091016A JP 9101696 A JP9101696 A JP 9101696A JP H09279506 A JPH09279506 A JP H09279506A
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JP
Japan
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rubber
roadbed
layer
rubber chip
chip
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JP8091016A
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English (en)
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Yuji Hasegawa
雄二 長谷川
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OSAKA KUBOTA KK
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OSAKA KUBOTA KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クッション性に富むとともに排水のよい馬場
が構成できる馬場路盤を得る。 【解決手段】 馬場路盤をゴムチップ8が集積している
ゴムチップ層によって形成する。このゴムチップ層の上
層部におけるゴムチップ8の外周にゴムアスファルト1
0を付着させてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、競馬、馬場馬術、
馬車競技、騎乗球技などの競走や競技のための馬場を構
成するとか、馬の調教、馬道などの馬場を構成すると
か、各種の馬場を構成するための路盤に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に馬場は、地面上に構成される基盤
層、この基盤層の上に構成される路盤層、この路盤層の
上に構成されるクッション層の各層からなる構造につく
られる。従来、前記路盤層を構成する路盤としては、山
砂や砕石などでなるものが採用されており、クッション
性がほとんどなかった。また、透水性が悪く、雨水がク
ッション層を透過して路盤に到達すると当初は吸収され
るが、降雨が続くと、保水限界に達してたまりやすくな
っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】山砂や砕石でなる従来
の路盤を採用した馬場の場合、路盤によるクッションが
ほとんど得られなくて馬の脚に大きな衝撃が伝わり、馬
に脚や肩の故障を起こすとか、疾病を誘発するとかの問
題が発生しやすくなっていた。また、降雨時や雨期に
は、路盤層に雨水がたまったり、ぬかるみが発生したり
して足掛かりが悪くなりがちであった。さらに、路盤層
での排水が悪いことからクッション層の含水量が多くな
ったり、クッション層にも雨水がたまってクッション砂
が流れたりしてクッション性が低下し、故障を起こした
り、疾病の原因になったりすることもあった。
【0004】クッション性および排水の面で優れた馬場
路盤が得られる路盤材として、たとえば特開平7‐24
151号公報に示されるものが知られている。すなわ
ち、ポリプロピレン系、ポリエチレン系、シリコーン
系、ウレタン系、スチレン系、ポリブテン系樹脂の合成
樹脂発泡体粒子が熱融着してなる路盤材である。この路
盤材でなる路盤を採用すると、馬場の作成に必要な費用
が高くなりがちであった。
【0005】本発明の目的は、天候のよい悪いにかかわ
らず走行性よくかつ安全に走行できる馬場が得られると
ともに、比較的安価に得ることが可能である馬場路盤を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1による発明の構
成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0007】〔構成〕ゴムチップが集積しているゴムチ
ップ層でなるとともに、このゴムチップ層の少なくとも
上層部におけるゴムチップの外周に粘着剤が付着してい
る馬場用路盤。
【0008】〔作用〕ゴムチップどうしが粘着剤のため
に結合し、蹄による蹴り力が掛かっても崩れにくい安定
した路盤を形成して良好な足掛かりを可能にする。その
割りには、蹄の衝撃をゴムチップの弾性によって効果的
に吸収する。雨水がクッション層を透過して路盤に達し
ても、ゴムチップ間の空隙を通って基盤層など路盤外に
スムーズに流出して行く。クッション層の砂などの粒子
が粘着剤のために路盤上層部でゴムチップに付着し、路
盤の内部に入り込みにくくなる。このため、路盤自体が
クッション砂などの粒子で目詰まりを起こして透水不良
になることが回避できる。また、クッション粒子が路盤
を通過し、基盤層に入り込んで目詰まりを起こして排水
不良を誘発することも回避できる。さらに、坂路やコー
ナーにおいて、クッション層の粒子が路盤に付着して流
動しにくくなり、勾配が崩れにくくなるとか、比較的急
角度の勾配でも作成しやすくなる。
【0009】〔効果〕したがって、路盤層自体を晴天、
雨天いずれの場合にも足掛かり、クッションおよび排水
がよい状態に構成でき、その上、クッション層を雨天時
でも、坂路やコーナーでも粒子が流れにくいとともにク
ッション性がよい状態に保つことができ、さらには、基
盤層をも排水性がよい状態に保つことができ、全体とし
て、夏季や乾燥期など天候のよい時でも、梅雨期など天
候が悪い時でも、勾配のある箇所でもない箇所でも走行
性よくかつ安全に走行できる馬場が得られるようになっ
た。
【0010】ゴムチップでなることにより、ゴムタイヤ
とか、電線、通信ケーブルのゴム被覆とか廃品になった
ゴムを利用して比較的安価に得ることが可能である。
【0011】請求項2による発明の構成、作用、効果は
つぎのとおりである。
【0012】〔構成〕請求項1による発明の構成におい
て、前記ゴムチップ層に補強コードが混在している。
【0013】〔作用〕補強コードは、ゴムチップに連結
していると、この連結のためにゴムチップと強固に繋が
り、ゴムチップどうしを強固に連結する。また、ゴムチ
ップに連結していない場合でも、隣接しあうゴムチップ
どうしの間に入り込んで挟持され、この挟持のためにゴ
ムチップと繋がる状態になってゴムチップどうしを連結
する。これにより、補強コードは、蹴り力が掛かっても
崩れにくいゴムチップ層を形成する。ゴムチップが細か
いとか軟弱とかによってゴムチップ層自体が比較的軟弱
になっても、補強コードによって弾性を緩和して路盤に
適した弾力性が得られる。また、路盤が良好な透水性を
発揮するようにその空隙率を大にするほど、軟弱になっ
て強度が低下するが、路盤全体としての強度を適切にな
るように補強コードによって調整できる。すなわち、ゴ
ムチップ自体の性質、空隙率の設定などにかかわらず、
路盤全体としての強度や弾性を適切になるように補強コ
ードによって調整できる。また、補強コードの一部がゴ
ムチップ層から上方に突出する場合、その突出部がクッ
ション層に入り込んでクッション層の粒子を流れにくく
したり掘れにくくしたりする。
【0014】〔効果〕補強コードによって路盤全体の弾
性や強度を調節し、適切なクッション性や足掛かりを発
揮するとともに優れた排水性を発揮する馬場が得られ
る。また、クッション層の流れや掘れが抑制できる馬場
を補強コードを利用して有利に得られる。
【0015】請求項3による発明の構成、作用、効果は
つぎのとおりである。
【0016】〔構成〕請求項2による発明の構成におい
て、前記補強コードが前記ゴムチップに連結している。
【0017】〔作用〕補強コードは、ゴムチップに対し
てこれとの連結のために強固に繋がり、ゴムチップどう
しを強固に連結する。
【0018】〔効果〕補強コードによるゴムチップどう
しの強固な連結のために路盤を一層強固に構成し、クッ
ション性および排水性に富んだ馬場を耐久性のよい状態
に得られる。
【0019】請求項4による発明の構成、作用、効果は
つぎのとおりである。
【0020】〔構成〕請求項1、2又は3による発明の
構成において、前記粘着剤がゴムアスファルトである。
【0021】〔作用〕ゴムアスファルトは加熱によって
液状化させた状態にしてゴムチップに付着させるが、付
着後に冷却して固体化した後にも、比較的長時間にわた
って粘着力を保つ。これにより、路盤を形成すると、そ
の後直ちにクッション層を形成するとか、クッション層
を短時間のうちに形成し終えるとかの施工を行わなくて
も、路盤形成から比較的時間が経過した後にクッション
層を形成するとか、クッション層を充分な時間を掛けて
形成するという時間的余裕を持った施工を行っても、ク
ッション層の粒子が路盤上層部のゴムチップに付着し、
路盤や基盤層にクッション層の粒子による目詰まりが発
生することを回避しやすくなる。また、ゴムアスファル
トは、固体化した後にも優れた弾性を発揮する。これに
より、路盤は、ゴムチップどうしの連結やクッション粒
子の付着にかからず、優れたクッション性を発揮する。
【0022】〔効果〕クッション層を時間的余裕をもっ
た施工によって形成するとともに、路盤に弾性を持たせ
ながら粘着力を備えさせ、クッション粒子がゴムチップ
に付着して良好な排水性を長期にわたって維持できる馬
場がクッション層の作成面から仕上がりのよい状態に得
られる。
【0023】請求項5による発明の構成、作用、効果は
つぎのとおりである。
【0024】〔構成〕請求項2又は3による本発明の構
成において、前記ゴムチップ層の空隙率が5〜60%で
ある。
【0025】〔作用〕空隙率が60%を超えて大になれ
ば軟弱になり過ぎ、空隙率が5%を超えて小になれば透
水性が低下し過ぎる。これにより、クッション性および
透水性のいずれもが適切になる。
【0026】〔効果〕路盤のクッション性および透水性
が適切になり、天候や季節の如何にかかわず走行性よく
かつ安全に走行できる馬場が得られる。
【0027】請求項6による発明の構成、作用、効果は
つぎのとおりである。
【0028】〔構成〕請求項1、2、3、4又は5によ
る本発明の構成において、前記ゴムチップの大きさが5
〜60mmである。
【0029】〔作用〕ゴムチップが60mmを超えて大
きくなれば固くなり過ぎることが多く、5mmを超えて
小さくなれば空隙率が低下し過ぎる。これにより、クッ
ション性および透水性のいずれもが適切になる。
【0030】〔効果〕路盤のクッション性および透水性
が適切になり、天候や季節の如何にかかわず走行性よく
かつ安全に走行できる馬場が得られる。
【0031】請求項7による発明の構成、作用、効果は
つぎのとおりである。
【0032】〔構成〕請求項1、2、3、4、5又は6
による発明の構成において、前記ゴムチップがゴムタイ
ヤのチップである。
【0033】〔作用〕廃品となったタイヤを利用して安
価に路盤が形成できる。また、補強コードを採用する場
合、タイヤからチップを得る際にタイヤコードをも同時
に得て補強コードに利用し、補強コードの面からも安価
に形成できる。
【0034】〔効果〕天候や季節の如何にかかわず走行
性よくかつ安全に走行できる馬場が路盤の面から安価に
得られる。
【0035】
【発明の実施の形態】図1は馬場の構造を示し、排水溝
1を形成するとともにこの排水溝1に排水パイプ2を埋
設した地面3の上に基盤層4を形成し、この基盤層4の
上に路盤層5を形成し、この路盤層5の上にクッション
層6を形成し、地面3と基盤層4との間に、地面上の排
水溝1の内部および外部の全面にわたって敷設した工事
用不織布7を備えて構成してある。不織布7は、基盤層
4と地面3の間に流入した水が地面3の土を基盤層4に
持ち上げることを防止することにより、地面3の土が基
盤層4に入り込んで目詰まりを起こすことを防止する。
【0036】基盤層4は、不織布7の上に約40mm以
下の砕石を敷き詰めて構成してある。寒冷地では約60
0mmの厚さに形成し、温暖地では100〜150mm
の厚さに形成する。
【0037】路盤層5は、ゴムチップ8などを備える路
盤によって構成してある。この路盤は、基盤層4の上
に、クッションを発揮するゴムチップ8と、ゴムチップ
8どうしを連結する補強コード9とを混在させて集積す
ることによって、補強コード9が混在するゴムチップ層
を形成し、ゴムチップ8どうしを連結するとともにクッ
ション層の砂などの粒子をゴムチップ8に付着させるた
めの粘着剤10を、ゴムチップ層の上層部におけるゴム
チップ8の外周に付着させて構成してある。路盤の空隙
率は、通常では路盤全体で5〜60%とする。ゴムチッ
プ8自体の弾性や、補強コード9の作用具合によって異
なるが、空隙率が大きくなるほど軟弱になって足掛かり
が悪くなりやすいことから、好ましくは5〜35%とす
る。路盤の厚さは、20〜100mmにする。
【0038】ゴムチップ8としては、路盤用に特別に作
成するゴムチップを使用したり、ゴムタイヤを粉砕した
ものを使用したりする。また、電線、通信ケーブルのゴ
ム被覆を粉砕処理したチップを混入させて空隙率の調整
に使用したりする。タイヤや、ケーブルの被覆は、ゴム
廃品を利用してコスト面で有利に得られるように使用す
る。
【0039】補強コード9としては、ナイロン・ポリエ
ステル繊維などの合成繊維、綿などの天然繊維を利用し
たり、ゴムタイヤからゴムチップ8を得る際に細断処理
されて得られるタイヤコードを使用したりする。また、
一端側や両端側あるいは途中などの一部がゴムチップ8
に埋まり込んで連結している状態のものや、全体にわた
ってゴムチップ8とは分離している状態のものを使用す
る。好ましくは、ゴムチップ8に連結しているものを使
用する。一部がゴムチップ8に連結している補強コード
9は、その連結のためにゴムチップ8と強固に繋がり、
ゴムチップ8どうしの連結を強固に行う。全体にわたっ
てゴムチップ8とは分離している状態の補強コード9で
も、ゴムチップ層に混入すれば、隣接し合うゴムチップ
8どうしの間に入り込んで挟持され、この挟持のために
ゴムチップ8と繋がる状態になる。これにより、ゴムチ
ップ8に連結している補強コード9による連結強度に近
い連結強度を発揮してゴムチップ8どうしの連結を行
う。
【0040】ゴムチップ8に連結している状態の補強コ
ード9を採用してゴムチップ層を形成する際でも、補強
コード9を追加混入させて空隙率や弾性を調整する場合
には、ゴムチップ8とは連結していない状態の補強コー
ド9を使用するため、ゴムチップ8に対して連結してい
る状態の補強コード9と、ゴムチップ8に対して分離し
ている状態の補強コード9とが混在することになる。
【0041】ゴムチップ8としてタイヤチップを使用す
る場合、同時に得られる補強コード用のタイヤコードと
しては、全体にわたってゴムチップ8とは分離している
状態のものが得られる他に、一部がゴムチップ8に埋ま
り込んで連結している状態のものが得られる。したがっ
て、ゴムチップ8に対して全体にわたって分離している
補強コード9と、一部が連結している補強コード9とを
混在させて使用することになっても、ゴムチップ8に連
結している補強コード9によってゴムチップ8どうしが
強固に連結され、優れた強度を発揮する路盤が容易にか
つ安価に得られる。
【0042】粘着剤10としては、ゴムをアスファルト
に添加したゴムアスファルトを使用したり、熱可塑性樹
脂をアスファルトに添加した樹脂アスファルトを使用し
たりする。ゴムアスファルトとしては、たとえばユニ石
油(株)製のカリファルトFR(1)や、米国クラフコ
社製のアスファルト・ラバープラス・シーラントNo.
34241を使用する。ゴムチップ8と補強コード9と
を混在させて敷設した後、その上から加熱によって液化
している粘着剤10を散布するとともに、ゴムチップ8
どうしの空隙からゴムチップ層の内部に流下させること
により、粘着剤10をゴムチップ8の外周に付着させ
る。このとき、粘着剤10を適量(アスファルト・ラバ
ープラス・シーラントNo.34241の場合には1平
方メートル当たり0.8〜2.5kg)を散布し、粘着
剤10がゴムチップ8どうしの空隙を閉塞しないように
する。すなわち、ゴムチップ層に粘着剤10による目詰
まりが発生しないようにして、路盤に透水不良が発生し
ないようにする。この場合、ゴムチップ層の厚さと、粘
着剤10の使用量とにより、ゴムチップ層の上層部のみ
におけるゴムチップ8に粘着剤10が付着することにな
ったり、ゴムチップ層の上から下まで全体にわたってゴ
ムチップ8に粘着剤10が付着することになったりす
る。また、ゴムチップ8の外周の全体にわたって付着し
たり、ゴムチップ8の外周のうちのゴムチップ層上面側
での一部のみに付着したりすることがあるが、少なくと
もゴムチップ層上面側での一部において付着することに
より、クッション層の粒子がゴムチップ8に付着するこ
とを可能にするという目的が達成できる。この付着方法
に替え、ゴムチップ8を基盤層4に敷設する前に、ゴム
チップ8に液化している粘着剤10を混合させる方法を
採用することによっても、ゴムチップ8に粘着剤10を
付着させることができる。この場合、ゴムチップ層の上
から下まで全体にわたってゴムチップ8に粘着剤10が
付着する。
【0043】クッション層6は、クッション材を60〜
130mmの厚さに敷き詰めて構成してある。クッショ
ン材としては、砂にワックスを混入したもの、砂とゴム
チップにワックスを混入したもの、砂とグリーンサンド
とグリーンゴムチップにワックスを混入したものを使用
したり、ウッドチップを使用したりする。砂としては、
粒径が0.074〜2.0mmの海砂や川砂を使用す
る。グリーンサンドは、前記の粒径および種類の砂に顔
料を焼付け着色したものである。ゴムチップとしては、
粒径が1.0〜5.0mmで耐候性のあるゴムチップを
使用する。ワックスは、粘着性を備えていて砂やゴムチ
ップの粒子に付着し、粒子どうしを結合させる。また、
粒子に撥水性を与える。これにより、クッション材は結
合力、透水性、保水性、凍結抵抗性、保温性を備え、夏
季や乾燥期でも粒子どうしが結合していて粉塵を発生し
にくくなり、梅雨期や雨天時でもスムーズに排水して良
好なクッション性を保つとともに流出しにくくなる。ま
た、寒冷期でも凍結しにくくなる。
【0044】〔別の実施形態〕図2は別実施の馬場の構
造を示し、この馬場は、芝馬場であり、図1に示す馬場
の基盤層4および路盤層5と同様に構成した基盤層4お
よび路盤層5、この路盤層5の上に形成するとともに天
然芝生12を備えたクッション層6によって構成してあ
る。クッション層6は、ゴムチップ層でなる路盤の上に
砂などのクッション材によって形成した表層部11と、
この表層部11に植え付けた芝生12とによって構成し
てある。この場合、芝生12の根が表層部11を通って
路盤のゴムチップ間の空隙に入り込み、芝生12が剥が
れにくい状態の芝馬場になる。
【0045】〔実施例〕ゴムチップ8として、粒径が5
〜60mmのタイヤチップを使用し、補強コード9とし
て、長さが2〜80mmで太さが0.1〜2.0mmの
タイヤコードを使用し、粘着剤10として、ゴムアスフ
ァルト(米国クラフコ社製、アスファルト・ラバープラ
ス・シーラントNo.34241)を使用し、タイヤチ
ップと補強コードを混合させたゴムチップ層にその上か
らゴムアスファルトを散布して路盤を得た。補強コード
9は、図3に示す素材の繊維でなるコード、すなわち、
ナイロン・ポリエステル繊維でなるコードであった。路
盤を得た後には、補強コード9がゴムチップ層に対して
容積比で5%の割合で混在する路盤部分が存在したり、
60%の割合で混在する路盤部分が存在したりする結果
となった。平均としては10%程度の混合割合で混在し
ていた。ゴムアスファルトは、図3に示す成分、成分配
合比を備えるものであり、散布してから5〜40分程度
で固体化する。そして、1平方メートルのゴムチップ層
に0.8〜2.5kgの量を散布する使用量で散布し
た。また、この路盤作成に使用したタイヤチップは、図
4に示す成分、成分配合比などを備えていた。尚、図4
に示すゴムチップの成分配合比は、容積比である。
【0046】この路盤から供試体(A)を図5に示す作
製条件によって作製し、空隙率、透水係数、見掛け密度
および吸水率の測定を行った結果、図6に示す計測値が
得られた。すなわち、ランマー重量4.5kgを45c
mの高さから42回作用させ、直径100mm、高さ1
27mm、体積997cm3 の円柱状の供試体(A)を
作成し、各計測をつぎの試験条件、試験法によって行っ
た。図6に示す供試体(X)の計測値は、砂壤土を水に
て締め固めた後、乾燥させて得られた比較の馬場路盤に
ついての計測値である。(参考文献:特開平7‐241
51号公報)
【0047】透水係数の測定は、JIS−A−1218
「土の透水試験方法(定水位)」準拠。透水試験は、透
水係数が10-1〜10-4となる試料の透水係数を直接測
定する定水位透水性試験法によって行った。試験条件
は、試験温度:常温、水位差:20.5cm、流出量:
200mL、供試体寸法:Φ100×127mmで行っ
た。
【0048】空隙率の測定は、供試体の見かけ体積をV
1とし、供試体に加えて吸収された水の質量をV2とし
て、次式にて求めた。透水試験用供試体を用いた。 空隙率=〔加えた水の質量(V2)/供試体の体積(V
1)〕×100
【0049】見かけ密度の測定は、JIS−K−676
7「ポリエチレンフォーム試験方法」準拠。見かけ密度
の測定は透水試験用供試体を用いた。なお、見かけ密度
は次式によって算出した。 見かけ密度=〔試料質量/供試体の体積〕(g/c
3
【0050】吸水率の測定は、JIS−K−6767
「ポリエチレンフォーム試験方法」参照。JIS−K−
6767「ポリエチレンフォーム試験方法」に示された
寸法へ供試体の切断が不可能であるため、吸水率の測定
は透水試験用供試体を用いた。なお、吸水率は次式によ
って算出した。 吸水率=〔60度C風燥直後供試体質量−60度C燥直
後供試体質量〕÷供試体の体積 (g/cm3
【図面の簡単な説明】
【図1】馬場の断面図
【図2】別実施形態の馬場の断面図
【図3】補強コードおよびゴムアスファルトの説明図
【図4】ゴムチップの説明図
【図5】供試体作製条件の説明図
【図6】計測結果の説明図
【符号の説明】
8 ゴムチップ 9 補強コード 10 粘着剤

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴムチップが集積しているゴムチップ層
    でなるとともに、このゴムチップ層の少なくとも上層部
    におけるゴムチップの外周に粘着剤が付着している馬場
    用路盤。
  2. 【請求項2】 前記ゴムチップ層に補強コードが混在し
    ている請求項1記載の馬場用路盤。
  3. 【請求項3】 前記補強コードが前記ゴムチップに連結
    している請求項2記載の馬場用路盤。
  4. 【請求項4】 前記粘着剤がゴムアスファルトである請
    求項1、2又は3記載の馬場用路盤。
  5. 【請求項5】 前記ゴムチップ層の空隙率が5〜60%
    である請求項2又は3記載の馬場用路盤。
  6. 【請求項6】 前記ゴムチップの大きさが5〜60mm
    である請求項1、2、3、4又は5記載の馬場用路盤。
  7. 【請求項7】 前記ゴムチップがゴムタイヤのチップで
    ある請求項1、2、3、4、5又は6記載の馬場用路
    盤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001011803A (ja) * 1999-06-29 2001-01-16 Obayashi Road Corp 歩道部舗装構造
JP2009221772A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Taisei Rotec Corp 舗装体

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JP2001011803A (ja) * 1999-06-29 2001-01-16 Obayashi Road Corp 歩道部舗装構造
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