JP2000166386A - 植物成長抑制マットと筒状体 - Google Patents

植物成長抑制マットと筒状体

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JP2000166386A
JP2000166386A JP10346947A JP34694798A JP2000166386A JP 2000166386 A JP2000166386 A JP 2000166386A JP 10346947 A JP10346947 A JP 10346947A JP 34694798 A JP34694798 A JP 34694798A JP 2000166386 A JP2000166386 A JP 2000166386A
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mat
ground
plant
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plant growth
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Koji Fujino
耕司 藤野
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HAKUBI KENSETSU KK
Original Assignee
HAKUBI KENSETSU KK
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  • Protection Of Plants (AREA)
  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 景観に配慮した施工で、道路沿線などの地山
部分に施工し、雑植物の高さや種類を概略制限し、見通
し不良、車両、歩行者の直接障害を防止できる植物成長
抑制マットとその留め具を提供すること。 【解決手段】 マット構成材料の密度が疎な上層部1
と、マット構成材料の密度が密な下層部2とからなる植
物成長抑制マットの密な下層部2の下面または内面に地
山Aの面に沿った方向に排水用の連続した空隙Sを介し
て配置する。この排水用の連続した空隙Sにより植物成
長抑制マットの排水性がよくなり、密度の疎な上層部2
に土をあまり被っていない場合には、植物成長抑制マッ
トの上層部は乾燥しやすくなり、植物の成長抑制効果を
高めることもでき、雨水をマット下面の地山Aに浸透し
切れないときなどのマットの排水性をマット平面全体に
わたり均等にすることができ、地山の浸蝕を抑えること
ができる他、マット上部の雑植物の生育も均等にコント
ロールできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は道路、鉄道に近接す
る地山、造成地、公園の緑化工法に用いる植物成長抑制
マットおよび当該マットの留め具に関する。
【0002】
【従来の技術】地山を緑化する工法としては、植物の種
子吹き付け法、張り芝法、特定の植栽を植え付ける方法
など周知の方法がある。最近はコンクリート等の構築物
と植物の生育を共存させた緑化の技術も進んできてい
る。また、雑草を止めるための防草シート、防草工(擬
石張りブロック)等の技術もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記地山緑化工法も年
数を経ると、多種多様な種子が飛来してきて自然回帰が
進み過ぎ、成長した草木は人、車両の通行障害及び景観
などの障害になることがあった。このような場合には、
毎年、草刈り、除草などに多くの人手をかけ、多大な維
持費用がかかっていた。
【0004】このような問題点を解決するために、本発
明者は特許第2756095号の発明にあるような地山
緑化工法を開発した。上記特許発明ではマット構成材
料の密度が疎な上層部と、マット構成材料の密度が密な
下層部とからなり、かつ地面への固定用のアンカーを備
えた地山切り取り後の地山または盛り土して将来地山と
すべき造成地領域に適用する緑化工法用の植物根の径よ
り小さい空隙または直進性のない空隙を有する透水性の
植物成長抑制マット、またはマットに平行した横方向
への根の成長抑制用とマット上のかぶり土のズレ止め用
の壁を網目状に配置し、かつ地面への固定用のアンカー
を備えた地山切り取り後の地山または盛り土して将来地
山とすべき造成地領域に適用する緑化工法用の植物根の
径より小さい空隙または直進性のない空隙を有する透水
性の植物成長抑制マットを使用する工法である。
【0005】前記特許第2756095号記載の発明の
マットは密な構成材料からなる部分が薄い構成材料だ
と、マットの縦方向、すなわちマットの厚み方向に透水
性があるだけで、マットの横方向、すなわち地山面に沿
った方向にはあまり透水性がない。したがって、少量の
降雨の時はマット上の土とマット自体を透下し、地中に
浸透していくが、地中が透水性の低い土、例えば粘土な
どであると、大雨の時、粘土中を浸透し切れない雨水が
マット表面を流れ、マット上の土や小石を流失させる可
能性がある。また、所々でマットが浮いていると、その
浮いたマットと地山との間に雨水が集中し、局部的にマ
ット下部の地山を浸食するおそれもある。
【0006】特許第2756095号の当該マットを地
山に固定する手段として鋼や合成樹脂などを材料とする
アンカーを使用するが、マットのめくれ防止のために打
ち込むアンカーの数はマット中央部ではマット端部に比
較して少なくなる。そのため、比較的剛性の高いもので
構成されているマットはアンカーの数が比較的少ないマ
ットの中央部に地山と離れる部分ができやすい。
【0007】マットが地山から浮けばマット上部の土が
動きやすくなり、また、この土が乾燥し、全く植物が根
付くことができなくなる場合がある。また、長期的にマ
ット自体の劣化、アンカーの劣化などによりマットが破
れ、飛散することも考えられ、通行車両などの障害物と
なるおそれもある。
【0008】本発明の課題は、上記従来技術の排水性
能、固定方法の欠点を解消し、より確実で景観に配慮し
た施工で、道路沿線の地山部分、交通庭園(道路の安全
帯、待避所に植樹、石などを配して庭園化し、景観を高
めたもの)、造成地の特定植樹以外の地山部分などに施
工し、雑植物の高さや種類を概略制限することにより、
雑草が茂ることによる見通し不良、車両、歩行者の直接
障害を防止でき、かつ美観を守る植物成長抑制マットと
その留め具を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は特許
第2756095号の植物成長抑制マット(マット構成
材料の密度が疎な上層部と、マット構成材料の密度が密
な下層部とからなる植物成長抑制マット、またはマット
に平行した横方向への根の成長抑制用とマット上のかぶ
り土のズレ止め用の壁を網目状に配置した構成ととも
に、地面への固定用のアンカーを備えた地山切り取り後
の地山または盛り土して将来地山とすべき造成地領域に
適用する緑化工法用の植物根の径より小さい空隙または
直進性のない空隙を有する透水性の植物成長抑制マッ
ト)の密な下層部の下面または内面に地山面に沿った方
向に排水用の連続した空隙を介して配置する構成で解決
できる。
【0010】前記密な下層部の下面または内面に形成さ
れた排水用の連続した空隙により植物成長抑制マットの
排水性がよくなる。上記排水用の連続した空隙がある
と、植物成長抑制マットの上層部の密度の疎な部分より
上の材料(土、砂、石、粒子状固形物など)が乾燥しや
すくなり、植物の成長抑制効果を高めることもできる。
【0011】そして、上記本発明の植物成長抑制マット
に地山面に沿った方向に排水用の連続した空隙を形成す
ることで雨水をマット下面の地山に浸透し切れないとき
などのマットの排水性をマット平面全体にわたって均等
にすることができ、地山の浸蝕を抑えることができる
他、マット上部の雑植物の生育も均等にコントロールで
きる。
【0012】また、本発明の課題は、マット構成材料の
密度が疎な上層部と、マット構成材料の密度が密な下層
部とからなる構成、またはマットに平行した横方向への
根の成長抑制用とマット上のかぶり土のズレ止め用の壁
を網目状に配置した構成とともに、地面への固定用のア
ンカーを備えた地山切り取り後の地山または盛り土して
将来地山とすべき造成地領域に適用する緑化工法用の植
物根の径より小さい空隙または直進性のない空隙を有す
る透水性の植物成長抑制マットにおけるマット構成材料
を押さえるつばを有し、下層部と上層部からなるマット
構成材料を貫通して地山部分に差し込み、かつ、その内
部に植物を植える筒状体を使用して当該植物の根と茎で
当該マットと地山を半永久的に固定することでも解決で
きる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の植物成長抑
制マットについて図面と共に説明する。図1(a)は本
発明の実施の形態の植物成長抑制マットを地山Aに施工
した場合の断面図、図1(b)は図1(a)で断面図を
示す植物成長抑制マットの下部面の一部をめくり上げた
斜視図である。
【0014】植物成長抑制マットの施工順序として、ま
ず、植物の成長をコントロールしようとする地山を掻き
ならし、平坦に整地する。地山に凹凸があるとマットが
地山に密着しないので、目潰しとして目の小さい土、ま
たは、土の代用品としてヤシの木の皮を粉砕したピート
などを外部から持ち込んで散布することもあり、必要に
より土の固化材または接着剤を混ぜることもある。
【0015】平坦に整地した地山Aの上に図1に示すよ
うな密度が密な構成材料からなる透水性マット部材2と
その上に密度が疎なマット構成材料からなる透水性マッ
ト部材1からなる植物成長抑制マットを施工するが、当
該マットの下面に地山面に沿った方向に排水用の連続し
た空隙Sを形成したことを特徴としている。
【0016】マット内部に排水用の連続した空隙Sを有
するマットとして、不織布が連続空隙ができやすく、ま
た引っ張り強度も繊維どうしの摩擦力、接着剤強度で調
整し易い利点があり、適している。不織布を工場で作製
すれば、繊維量、接着剤量、プレス圧力が定量化でき引
っ張り強度、透水性能、空隙径の管理がし易く、安定し
た性能の製品が提供出来る。しかしこのような工場製品
としてのマットは剛性があり、地山に張り付ける際、地
山の凸凹に沿うことが難しくなる。これにより不均等な
空間が地山との間で多くできやすく、植物成長抑制効果
の不均等、排水性能の不均等によるマット下の地山の侵
食、踏み心地の悪さ等の欠点ができ、その改良方法とし
て次のような手順でマットを現場で作製しても良い。
【0017】まず、合成樹脂性の長繊維と少量の接着剤
を練り機で混合し整形した地山に一定の厚みで散布また
は吹き付ける。この上に土を散布または吹き付け上から
ローラーまたは土羽たたきで転圧を施す。この時、上か
ら転圧された長繊維は圧縮され、また、上部に乗った土
の重量により押さえられ、ほぼマットと同じ帯層ができ
る。この帯層も透水性があり、植物の根の径より小さい
直進性のない空隙をなし植物の根を貫通させにくくする
適度な空隙を作れる。また、この長繊維でなされた帯層
の上部は疎の状態で土と接し表土のずれ止めとなる。
【0018】もちろんこの空隙量、径の管理には工場で
の作製と違い格段の注意を要する。これは長繊維自体の
剛性、長さ、量、接着剤の添加量で調整する。これも上
部の土の載荷重が特定できるので実験を重ね求めること
ができる。マット状帯層の密状態が不均質になることが
想定できるが、このように現場で作るマット状の帯層は
比較的工場で作られるマットより厚みが厚いので、求め
る空隙量、空隙径を有する空隙Sがマット全体に得られ
る。また、こうして得られたマットは地山と平行する横
方向の透水性も良くなり、均等な排水が図れる。また工
場で作製されたマットより地山の凸凹に合わせて被覆で
きるため地山と完全に一体化して接合でき、均等な植
栽、均等な排水及び踏み心地の改良ができる。ただし、
従来のマットより地山との接合性は良いが外的力に対し
て地山とこの帯層を固定するアンカーは必要である。
【0019】そして疎なるマット部材1と密なマット部
材2とからなる植物成長抑制マットは、密なマット部材
2の下面(または内部)と地山Aとの間に形成される空
隙Sからなる排水路を形成するために図1に示すよう
に、マット下面の地山Aと接する部分に樹脂製あるいは
鋼製の独立した突起2aを接着している。
【0020】また、この突起2aを作る方法として、複
数の独立した凸部を表面に形成した密なマット部材2を
金型によりプレス成形して、凸部を前記突起2aとして
利用し、地山Aとの間に連続した空隙からなる排水路を
形成させてもよい。この独立した複数の突起2aによ
り、地山Aとマットの間には必ず均等な割合で連続した
空隙が形成され、密なマット部材2を通過した雨水が下
の地山Aに浸透しきれない場合に、余った水がマットの
下面(または内部)の全体にわたり連続して形成される
空隙Sを流れ、マット外へ排出される。
【0021】密な透水性マット部材2全体にわたり均等
に排水が可能となるため、表土流失、密な透水性マット
部材2の下に位置する地山Aの局部侵蝕を抑えることが
できる。
【0022】また、地山Aの土に含まれている水が、前
記連続した空隙Sがあるために透水性マット部材2の裏
面から毛細管現象でマット部材2内部に浸透することが
なくなり、通常の地山Aの土より、植物成長抑制マット
の上にある土が乾燥しやすくなる。
【0023】このように透水性マット部材2の下面の地
山表面に対向する領域に空隙Sをつくり、この空隙Sを
利用してマット下面と地山との間に排水路を形成してマ
ットの排水性を増し、その下流側を空中解放にし、下流
への流下を確保するとマット部材2の上面にある小石、
砂、土などは乾燥してしまい雑草がほとんど生育するこ
とができなくなって防草効果が上がる。
【0024】一般に植物成長抑制マット上の土が乾燥す
れば、雑植物の生息には非常に厳しい環境となり、根域
制限とともに種子の発芽、成長を抑制することになる。
しかし、必要により本発明の植物成長抑制マット上の土
は雑植物の生息に適した幾分かの量の水分と栄養を含ま
せることができ、適度な緑化も期待できる。このよう
に、表土の厚み、種類などを選択することにより、従来
技術に比較して、マット全体にわたって、より均等で、
より簡単に植物の成長のコントロールが可能になる。
【0025】また、本発明の植物成長抑制マットの下面
に吸水性または保水性の高い高分子樹脂製マット片から
なる独立した突起2aを、複数互いに適度の間隔を設け
て接着して設けておき、地山Aにマット設置時にマット
下面と地山Aとの間に連続した空隙Sを形成することも
できる。この場合は、前記高分子樹脂製マット片が吸水
性または保水性の高い突起2aを形成するため、要所要
所に形成された突起2a部分に保水力が残り、その上に
ある植物だけの成長抑制力を緩和することもできる。
【0026】一般に、地山Aに接する部分が平坦な突起
2aのない植物成長抑制マットを地山A上に設置した場
合でも、マット下面が完全に地山Aに接することはな
く、地山Aの整地、地山Aの土の種類、例えば瓦礫質な
どからなる土で地山表面が構成されていると必ず地山A
とマット間に所々に空間ができてしまい、空間上に位置
するマット上部の土が乾燥しやすくなり、植物が生息で
きない環境となる。しかし、それは施工者の意図する植
物生息不能の場所とは違い、マット上部の雑植物の生育
分布がまばらになり見苦しい状態になる可能性がある。
【0027】このような場合は前述の合成樹脂製の保水
マット片などからなる独立突起2aを透水性マットの下
面に設けた本発明の植物成長抑制マットを用いることに
より植物の生育分布を均等にすることができる。また、
施主の意思にそって高分子保水マット片などからなる独
立突起2aを透水性マットの下面に配置し、雑植物の生
育をコントロールすることで、全体として絵模様または
文字などに模したように植物を生育させることもでき
る。
【0028】図1に示した植物成長抑制マット上全体に
わたり植物の生息を均等にするためには、前記した密な
透水性マット部材2の下面に複数の独立した突起2aを
設けるだけでなく、透水性マット部材2の内部に排水の
ための連続した空隙を形成した構成にすることでも良
い。また、図1に示した植物成長抑制マットの透水性マ
ット部材2の下面に、例えば土より透水係数を高めた厚
いマットを配置する構成、あるいは図1に示した植物成
長抑制マットの透水性マット部材2の下面に独立した突
起2aを形成する替わりにマット部材2の下面に疎なマ
ット(図示せず)をさらに接合した構成でも良い。
【0029】また、図2に示すように、図1に示した植
物成長抑制マットの透水性マット部材2の下面に独立し
た突起2aを形成する替わりに、植物成長抑制マットの
下部に集水と排水のための溝4aを設けた構成材料が疎
な透水性マット部材4を配置する方法、図3に示すよう
に前記植物成長抑制マットの下部に上向きに独立した突
起5aを複数設けた構成材料が密な透水性マット部材5
を配置し、当該独立した突起5aが2つの密なマット
2、5の間の間隔材となるように接合した構成でも良
い。このように植物成長抑制マットの内部あるいは下面
に連続した空隙を単に設ければよく、他にも色々な方法
を採用できる。
【0030】特許第2756095号の植物成長抑制マ
ット(マット構成材料の密度が疎な上層部と、マット構
成材料の密度が密な下層部とからなる植物成長抑制マッ
ト)を墓地、公園、道路または鉄道の路肩のように斜面
でなく比較的平坦な場所で利用する場合には特に排水を
考慮する必要がある。前記特許発明の植物成長抑制マッ
トの下に砂などを敷き戻してマットを通過した水をマッ
ト設置領域外の排水溝まで誘導しても良いし、砂の替わ
りに合成樹脂などからできた排水管、排水板をマットの
下に設置しても良いが、本発明の植物成長抑制マット
は、そのような配慮をすることなく、植物成長抑制マッ
トの下面または内部に排水用の連続した空隙を形成した
ものを使用することができる利点がある。
【0031】本発明の植物成長抑制マットを設置する場
所として四方構築物に囲まれたマット設置場所である場
合は、その設置場所の外へ排水を誘導できない場合もあ
る。このような場所に当該植物成長抑制マットを設置す
る場合には、マット設置場所内の地山に予め排水のため
の図5に示すように浸透ピット6を作り、浸透ピット6
内に小石、砂などを詰め、雨水を一時的に早期に集め徐
々に前記浸透ピット6を通じて地山Aに浸透させること
により、植物成長抑制マット上に載せた土の早期乾燥を
図ることもできる。
【0032】本発明の実施の形態によれば、植物成長抑
制マットを図4に示すように、特に道路沿線、鉄道沿線
などの地山部分の幅2.0メートル程度に施工し、ま
た、図5に示すように交通庭園、造成地などの特定植樹
以外の地山部分に施工すると、より均等に、また、より
確実に雑植物の高さや種類を概略制限することになり、
夏秋期の雑草が茂ることによる見通し不良、車両、歩行
者の直接障害を防止できる上、美観を守れる。
【0033】本発明の植物成長抑制マットを任意の規格
面積で道路、鉄道の路肩、造成地、公園その他の地山切
取り後の地山または盛土部分など(これらを本発明では
単に地山と称している場合がある)に張り付け、亜鉛メ
ッキを施した鋼製、合成樹脂製等の半永久的なアンカー
で固定する。
【0034】植物成長抑制マット上に載せる土の重量及
び人間がその上に上がっても、ずれない程度の数のアン
カーを打ち込み固定する。アンカーの配置は当該マット
の重ね合わせ目、端部に重点的に配置して植物成長抑制
マットの設置が完成する。
【0035】植物成長抑制マットに設けるアンカー貫通
用の穴を予め設けることが望ましい。アンカー貫通用の
穴の径はアンカーの径より10mm以上大きくし、座金
(金属製に限らない)プレートを重ね、アンカーで固定
することが望ましい。また、アンカーのつばを穴の径以
上として座金を省略してもよい。この穴の径をアンカー
の径より大きくするのは次のような理由による。
【0036】すなわち、整地した地山に当該マットを張
り付ける際には、植物成長抑制マットに柔軟性が少ない
ことから地山との間の密着性を維持することが難しく、
マットと地山との間に大きな空間ができやすい。当該ア
ンカー貫通用穴を大きくしておけば、マット上部の土や
石の重みで地山にマットが押さえつけられてもマットの
横移動が可能になり、地山と密着しやすい。逆にアンカ
ー貫通用穴がアンカーと同じ直径であると、マットが横
にずれることができなくなり、マット上からマットを押
さえつけた時にマットの逃げ場がなく、局部的にマット
が浮き上がったまま地山と密着しにくい現象が起こる。
【0037】したがって、この植物抑制マットは地山と
密着させる都合上、マットに開けた穴がより径が大き
い、マットを押さえるつばを持つアンカーが必要であ
る。
【0038】そして、アンカーは半永久的なものでなく
てはならない。アンカーが腐食すると将来的に地山とマ
ットが離れ、剥離、滑落し周囲に被害をあたえることに
なる。そこで本発明のマットを押さえるつばを有し、マ
ットを貫通して地山部分に差し込み、かつその内部に特
定の植物を植える筒状体を半永久アンカーとして使用す
ると良い。
【0039】本発明の一つの実施の形態を図6で説明す
ると、マットの任意の箇所に穴をあけ、アンカーとして
使用するつばをつけた筒状体3を差込み、中に特定の草
木を植え、その根と茎とにより、当該マットと地山の固
定をはかる方法を採用する。
【0040】図7には各種形状の前記筒状体3の斜視図
を示す。図7(a)で示す筒状体3は上部につば3aが
ついた円筒状の筒状体3であり、その内径は約10mm
以上として、円筒部3bの中に特定の植物を植える。前
記約10mm以上とした筒状体3の内径の最大値は、円
筒部3b中に植える特定の植物が成長した後の茎の外径
より若干大きい値とする。筒状体3の材質は、鋼製、合
成樹脂製、セメント製などの無機材料からなるものの中
から選択し、耐久性の高いものを使用することが望まし
い。つば3aはその筒状体3の外側に位置し、マットの
穴に差し込んだ際、マットを押さえる役目を果たす。
【0041】この筒状体3は特定の植物が成長して茎の
径が大きくなり、マットを切り裂くのを止める効果があ
り、筒状体3の長さを長くすれば、マットを地山に打ち
込んだ際の仮止めのアンカー代わりにもなる。図7に示
す例では、筒状体3の高さを約70mmとしたが、この
高さには限定はない。筒状体3の高さが大きい場合は、
つば3aより地山方向の円筒部3bの側面にかけて穴
(図示せず)を開けるか、図のように縦方向に切り込み
3cを入れておき、この穴または切り込み3cにより筒
状体3内部に通水性を持たせる。
【0042】また、図7(b)のように、筒状体3の円
筒部3bの外側にねじ状の突起を作り、地山側へねじ込
めば、地山から抜けにくくなり、しっかり地山に固定で
きる。あるいは、図7(c)に示すように、筒状体3上
部のつば3aの他に下部にもつば3dをつけておけば、
地山に埋め込んだ後には、この筒状体3が地山から抜け
難くなる。このとき、図7(c)に示す例では上部のマ
ット押さえつば3aを脱着可能にしておけば、マットの
穴に差し込みやすくなる。
【0043】これらの筒状体3でマットを押さえ、かつ
筒状体3を地山に差し込んだ後、この筒状体3の中に特
定の植物の種と肥料と水分保持材あるいは土を入れる。
これらのものを詰めやすいように、予め、特定の植物の
種と肥料と水分保持材あるいは土を固形化したものある
いはこれらを予め混合して液状化したものを用意してお
くことでもよい。また、筒状体3に予め特定の植物の種
と肥料と水分保持材あるいは土を仕込んでおいても良
い。また、特定の植物を後から筒状体3内で挿し木して
もよい。
【0044】特定の植物の種子が発芽し、筒状体3の中
から地中に根を張っていく。このとき、地山に差し込む
筒状体3が隔壁になって真横に根が伸びることによるマ
ットの持ち上げも防止する。筒状体3の切り込み3cや
穴は、中の種子に水分を補給する穴である。また、空中
には茎や葉が伸びていき、やがて円筒部3bいっぱいに
茎が成長していく。このことで空中は特定植物の緑化が
でき、根は地中の土を抱き、マットと地山を永久固定す
る。
【0045】筒状体3の中で成長させる特定の植物の例
として庭木のさつきを使用した。この種子付筒状体3を
適宜配列し、景観上の緑化を図り、この筒状体3を留め
具として使用することで、確実に植物成長抑制マットを
施工場所に固定できた。
【0046】コンクリートブロックや鉄板で路肩を防草
する目的で覆う植物成長抑制方法に比べて、本発明の植
物成長抑制マットを用いる方法は、自然材料と樹脂材料
などの人工材料を効果的に併用することで材料代も安く
工費も安価である。その上自然材料が表面にあることに
より美観も保持できる。また、本発明の植物成長抑制マ
ットは地面に沿った方向に排水の連続空間を持たせてあ
るので、効果的に、さらに安定して排水を行うことがで
きる。
【0047】こうして、本発明の植物成長抑制マット施
工後は毎年の雑草刈りはらい、除草剤散布などの多大な
労務や維持費を節約できる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、材料代と工費が安価
で、かつ簡単な施工で、そしてより確実に、道路沿線、
鉄道沿線の地山部分、交通庭園、造成地の特定植樹以外
の地山部分などに施工でき、マットによる根域制限だけ
でなく、乾燥効果も有効に付加させることで雑植物の高
さや種類を効率的にかつ浸蝕に対しても安全に概略制限
し、夏秋期の雑草が茂ることによる見通し不良、車両、
歩行者の直接障害を防止できる上、美観を守れる。ま
た、本発明の植物成長抑制マットを施工後は毎年の雑草
刈りはらい、除草剤散布などの多大な労務や維持費を節
約できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の植物成長抑制マットを
地山に施工した場合の断面図(図1(a))と図1
(a)で断面図を示す植物成長抑制マットの下部面の一
部をめくり上げた斜視図(図1(b))である。
【図2】 本発明の実施の形態の植物成長抑制マットの
斜視図である。
【図3】 本発明の実施の形態の植物成長抑制マットの
斜視図である。
【図4】 本発明の実施の形態の植物成長抑制マットを
地山上に施工した場合の断面図である。
【図5】 本発明の実施の形態の植物成長抑制マットを
地山上に施工した場合の断面図である。
【図6】 本発明の実施の形態の植物成長抑制マットを
道路沿線などに施工した場合の一部断面図である。
【図7】 図6の植物成長抑制マットに用いる各種つば
付筒状体の斜視図である。
【符号の説明】
1、2、4、5 透水性マット部材 3 筒状体 6 浸透ピット

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マット構成材料の密度が疎な上層部と、
    マット構成材料の密度が密な下層部とからなる構成、ま
    たはマットに平行した横方向への根の成長抑制用とマッ
    ト上のかぶり土のズレ止め用の壁を網目状に配置した構
    成とともに、地面への固定用のアンカーを備えた地山切
    り取り後の地山または盛り土して将来地山とすべき造成
    地領域に適用する『緑化工法用の植物根の径より小さい
    空隙または直進性のない空隙を有する』透水性の植物成
    長抑制マットにおいて、 該マットの下面または内面に地山面に沿った方向に排水
    用の連続した空隙を形成したことを特徴とする植物成長
    抑制マット。
  2. 【請求項2】 密な下層部の下面に吸水性または保水性
    の突起を設けることを特徴とする請求項1記載の植物成
    長抑制マット。
  3. 【請求項3】 マット構成材料の密度が疎な上層部と、
    マット構成材料の密度が密な下層部とからなる構成、ま
    たはマットに平行した横方向への根の成長抑制用とマッ
    ト上のかぶり土のズレ止め用の壁を網目状に配置した構
    成とともに、地面への固定用のアンカーを備えた地山切
    り取り後の地山または盛り土して将来地山とすべき造成
    地領域に適用する『緑化工法用の植物根の径より小さい
    空隙または直進性のない空隙を有する』透水性の植物成
    長抑制マットを押さえるつばを有し、マットを貫通して
    地山部分に差し込み、かつ、その内部に植物を植える筒
    状体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005232953A (ja) * 2004-01-21 2005-09-02 Nisshoku Corp 在来多年生草本類群落の造成方法
JP2009072185A (ja) * 2007-08-28 2009-04-09 Ecolovie Corp コケ植物を用いた緑化用材料とその製造方法並びに緑化工法
JP2012115166A (ja) * 2010-11-29 2012-06-21 Taisei Corp 植生制御緑化工法
JP2017131170A (ja) * 2016-01-29 2017-08-03 株式会社丹勝 防草緑化方法

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