JP3485547B2 - 仕切り材 - Google Patents
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Description
荒廃裸地等の裸地に生育基盤を非面的に造成する際に用
いられる仕切り材に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、法面、斜面、又は荒廃裸地等の裸
地に非面的な生育基盤を造成する際に用いられる緑化工
法として、例えば、特許第2886514号公報、特願
平11−352773号明細書、又は特願平11−16
7630号明細書に記載された工法が知られている。以
下、特許第2886514号公報に記載された工法を従
来例1と、特願平11−352773号明細書に記載さ
れた工法を従来例2と、特願平11−167630号明
細書に記載された工法を従来例3と呼ぶ。 【0003】従来例1では、生育基盤材と種子とを混合
した植生基材を裸地に帯状に配置して生育基盤を造成
し、裸地にこぼれ種子を含むリバウンドを堆積させる。
これによって、従来例1では、先駆樹木と植生遷移後期
樹木(極相構成樹木)とが混生した植物群落を造成する
ようにしている。また、従来例2では、基盤材料、接合
材、及び種子が混合された植生基材を裸地に吹き付けて
生育基盤を造成する際、植生基材を二次元的なモザイク
状に配置して生育基盤を造成しており、吹付に当たって
は、生育基盤が一種類又は二種類以上のユニットによる
連続パターンとなるように吹付を行っている。 【0004】さらに、従来例3では、種子を混合した生
育基盤を非面的に造成した後、残る裸地に対して種子を
含まない生育基盤を造成しており、種子を含まない生育
基盤として、例えば、廃棄物を利用している。 【0005】上述の従来例1乃至3に記載された工法を
実施する際には、例えば、アンカーピン等を用いて菱形
金網、亀甲金網、又は樹脂ネット等のネット(網状体)
を予め裸地に張り付けた後、水糸、ビニールロープ、又
はカラースプレー等を用いて、生育基盤を造成する箇所
を位置出しした上で、生育基盤の造成作業が行われる。 【0006】ところで、上述の従来例1乃至3に記載さ
れた工法では、一般に、大面積にわたって生育基盤を造
成することが多く、このため、上述のように、ネットを
敷設した後、吹付箇所等の位置出し作業を行うと、不可
避的に多大な労力と時間が必要となってしまう。特に、
急勾配の法面において生育基盤の造成を行う際には、作
業員がロープにぶら下がった状態で作業を行わなければ
ならず、位置出し作業を行うには、さらに長時間を要し
てしまうことも多い。 【0007】このように、従来例1乃至3に記載された
工法では、位置出し作業を行うことが極めて面倒であ
り、このような状況で位置出し作業を行うと、例えば、
従来例2のように、比較的複雑なモザイク状デザインの
位置出しを正確に行うことが困難であることは勿論、従
来例1のように比較的単純な吹付デザインである帯状等
の位置出しを行うことも難しい場合がある。 【0008】 加えて、施工面積が広い程、そして、法
面勾配が急勾配である程、位置出し作業に時間がかかる
ため、例えば、施工に当たって工期的な制約が存在する
と、位置出し作業自体が工期を大きく圧迫する原因とな
るばかりでなく、工期のことを考えると、必然的に作業
時間の超過を伴い、作業時間の超過を伴う作業員人件費
の増大を招いてしまう。 【0009】上述のような問題点を解決するため、例え
ば、特願2000−29874号明細書に記載された工
法(以下従来例4と呼ぶ)及び特許第2974961号
公報に記載された工法(以下従来例5と呼ぶ)がある。 【0010】従来例4では、生育基盤を吹付造成する部
分と裸地として残す部分とを色又はネットの構造によっ
て区分して、生育基盤を非面的に吹き付ける際の位置出
しを容易にしている。さらに、従来例4では、周辺から
飛来する種子の法面等の傾斜地への定着を促すため、基
盤造成部と裸地部との境界部に柵状物を設置することが
示されている。柵状物を設置するようにすれば、緑化基
礎工用ネットを使用しない場合にも、柵状物を位置出し
に利用して、基盤造成部と裸地部を区分することができ
る。 【0011】一方、従来例5では、湛水面裸地におい
て、硬質基盤と軟質基盤とを交互に配置する際、金網か
らなる隔絶部を有する構造の金網型枠を用いている。従
来例5では、二つの異なる生育基盤を確実に区分すると
いう点では、従来例4と同様である。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】ところで、従来例4の
ネットを用いた場合、必然的に吹付部と裸地部との接点
が平面状に区分される形状となり、この結果、実際に吹
付を行う際には、吹付部と裸地部とを明確に区分するこ
とが難しくなってしまう。つまり、生育基盤の造成に当
たっては、客土又は生育基材の播き出し等による手法の
他、法面等の傾斜地等においては、一般に、圧縮空気を
利用したエアー吹付方式又はスラリーポンプを利用した
ポンプ方式による吹付工法が用いられることが多い。こ
の場合、生育基材は、圧力によって圧送され、施工対象
面に吹き付けられるため、平面的な区画線に沿って吹付
作業を行うことは難しい。 【0013】加えて、吹付作業によって造成される生育
基盤の端部を境界線に沿って角立てるように施工を行う
ことは難しい。例えば、帯状の生育基盤を予め定められ
た厚さに造成した際には、その断面は略台形を呈するこ
とになり、単に、吹付部の範囲に合わせて生育基盤を吹
付造成しただけでは、断面略台形の上底と下底の差の分
だけ、吹付部に必要な生育基盤の容量が不足してしま
う。この結果、設計上造成すべき容量の材料が使用され
ていないという問題点が生じてしまう。 【0014】このため、実際の施工に当たっては、吹付
部に予め定められた生育基盤造成厚を確保するため、境
界線区画よりも広い範囲に生育基盤を吹付造成せざるを
得ず、結果的に、設計必要量を越える生育基材が必要と
なってしまうことがあるばかりでなく、所定の裸地部面
積が確保できない等の問題点がある。 【0015】また、前述した従来例4の柵状物を用いた
際には、施工対象となる法面等の裸地表面に凹凸がない
場合には問題がないが、裸地表面に凹凸があると、金網
張工等に用いられる型枠を裸地の凹凸に合わせて設置す
ることが難しくなってしまい、あえて型枠を設置しよう
とすれば、型枠を細かく加工する必要があり、型枠の設
置作業が極めて煩雑となってしまう。この結果、施工に
時間がかかるばかりでなく経費が高くなってしまう等の
問題点がある。 【0016】さらに、法面等の裸地に生育基盤を非面的
に造成する際には、吹付作業員は、前述の型枠を目安と
して所定の厚さに生育基盤を造成しており、前述のよう
に、裸地に凹凸があって型枠をこの凹凸に合わせて固定
できないと、吹付作業員は型枠を吹付厚の目安とするこ
とができず、吹付作業が極めて困難となってしまう。 【0017】加えて、所定の吹付厚に生育基盤を造成し
たとしても、裸地の凹凸によって型枠が生育基盤の表面
から大きく突出している箇所が生じてしまう等、生育基
盤全体が外見的に見苦しいものとなってしまうという問
題点がある。 【0018】ところで、法面に非面的に生育基盤を造成
する工法では、全面に生育基盤を吹付造成する工法に比
べて、生育基盤が乾燥し易い。上述した従来例では、生
育基盤を非面的に造成する際の位置出しを行うか又は周
辺から飛来する種子を定着させることを行っているもの
の、緑化基礎工の施工性を向上させて、しかも乾燥し易
い生育基盤の保水性を維持することは難しいという問題
点がある。 【0019】一方、従来例5は、湛水面裸地に緑化基礎
工を施工する手法であり、水分に恵まれた湛水面裸地で
はなく、施工対象箇所が乾燥しやすい場合や、勾配のあ
る法面、斜面、又は荒廃地等である場合には、従来例5
に記載された金網型枠を用いて施工を行うと、吹付間隔
が狭い場合等では、生育基盤の保水性向上が期待でき
ず、乾燥による発芽生育障害が発生してしまうという問
題点がある。 【0020】本発明の第1の目的は、法面等の施工対象
地の表面に凹凸がある場合でも、施工対象地を容易に仕
切ることのできる吹付基盤の仕切り材を提供することに
ある。 【0021】本発明の第2の目的は、基盤造成部と裸地
部分とを区別する境界を明確にして生育基盤の造成を行
うことのできるとともに生育基盤の端部を角立てるよう
に仕上げ、基盤吹付時の材料ロスを軽減できる吹付基盤
の仕切り材を提供することにある。 【0022】本発明の第3の目的は、造成した生育基盤
の乾燥を抑制することにより導入種の発芽生育を促進す
ることができ、かつ周辺から飛来する種子を効率的に捕
捉することのできる吹付基盤の仕切り材を提供すること
にある。 【0023】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、裸地に
生育基盤を非面的に造成する際に用いられ、前記生育基
盤が造成される基盤造成部と裸地として残る裸地部とを
仕切る仕切り材であって、該仕切り材の幅は数センチメ
ートル程度で可撓性を有し、さらに該仕切り材の高さが
造成される前記生育基盤の厚さよりも高く、法面に前記
仕切り材を設置する際の該仕切り材の谷側部分を難透水
性又は不透水性とし、山側部分を透水性とする。 【0024】 【0025】 【発明の実施の形態】以下本発明について実施の形態に
基づいて説明する。 【0026】図1を参照して、ここでは、法面、斜面、
又は荒廃地等の裸地に吹付機を用いて非面的に生育基盤
を造成する例について説明するが、本発明は吹付工法以
外の施工法による生育基盤造成にも適用できる。図1で
は、裸地として法面1が示されており、法面1は、生育
基盤を非面的に造成する基盤造成部4と裸地として残る
裸地部8とに区分される。そして、基盤造成部4と裸地
部8との境界線(境界部)には、仕切り材5又は6が、
後述するようにして設置される。 【0027】図示の裸地の表面は凹凸を有しており、仕
切り材5又は6は凹凸に応じてフレキシブルに変形する
可撓性を有する素材で成形されている。例えば、仕切り
材5又は6には、ゴム又はウレタン等の弾性体、ガラス
ウール又はロックウール等の繊維状物、樹脂製の加工
品、土嚢等の袋状物等、板状の加工品、樹脂又は金属の
網状体等の素材が用いられる。いずれにしても、可撓性
を有する素材であれば、仕切り材5又は6に用いること
ができる。なお、仕切り材は、天然素材のもの又は生物
分解性樹脂等のように可能な限り早期に分解して、自然
界に残留しない素材であることが望ましい。 【0028】施工性を考慮すると、仕切り材は所定の長
さ以上の連続体に加工するか又はロール状に加工してお
き、設置作業の際、裸地に連続的に設置できるようにす
ることが望ましく、且つ仕切り材としての機能を備えて
いる素材が用いられる。さらに、法面等の傾斜地に設置
する際には、作業員が法面にぶら下がって仕切り材を設
置する関係上、仕切り材は極力軽量であるものを用いる
ことが望ましい。仕切り材の断面形状は、例えば、略円
形、三角形、四角形、又は多角形等様々であり、特に限
定されるものではない。 【0029】前述のように、仕切り材5又は6は、可撓
性を有しているから、法面に凹凸があっても、仕切り材
5又は6を法面に対して容易に垂直方向に保持すること
ができ、この結果、施工の際、基盤造成部4に造成した
生育基盤の端部を角立てることができる。つまり、生育
基盤の断面が略台形状となることが防止でき、基盤造成
部4に対して設計容量及び設計厚さの生育基盤を造成す
ることができる。 【0030】このように、仕切り材5又は6を用いるこ
とによって、基盤造成部4と裸地部8とを明確に区分し
て、しかも、基盤吹付時の材料ロスを軽減し、さらに造
成した生育基盤の端部を角立てることができる。 【0031】さらに、例えば、硬岩法面、大小の礫が点
在する法面、又は自然法面等のように凹凸が存在して、
法面を平滑に仕上げることが難しい場合においても、仕
切り材5又は6は、可撓性であるから、仕切り材5を地
山に設置する際、地山と仕切り材5又は6とを密着させ
ることができる。 【0032】仕切り材の幅は数センチメートル程度が好
適であり、仕切り材の高さは、基盤造成部4に造成され
る生育基盤の吹付厚及び裸地部8に造成される基盤等の
厚さを考慮して決定される。具体的には、仕切り材の高
さは、基盤造成部4に造成される生育基盤の高さ(厚
さ)よりも高い。仕切り材の高さを、生育基盤の高さよ
りも高くすることによって、生育基盤造成の後、仕切り
材が生育基盤の表面から突出することになって、その結
果、周辺から飛来する種子及び/又は落葉落枝等が法面
上を滑り落ちることがなく、仕切り材で捕捉されること
になる。 【0033】つまり、周辺から飛来する種子が仕切り材
で捕捉される結果、植物の自然侵入を促進することがで
きることになる。同様に、落葉落枝が仕切り材によって
効果的に堆積されて、生育基盤の乾燥が防止されるばか
りでなく、腐食土層の形成を効果的に行うことができ
る。これによって、生育基盤を非面的に造成する際の自
然回復を早めることが可能となる。 【0034】例えば、生育基盤の表面から突出する仕切
り材の高さは、3乃至20センチメートル程度とするこ
との好ましい。さらに、生育基盤造成の後、裸地部8に
対して、チップ、伐採枝条、剪定枝、及び/又は現地発
生土等、基盤造成部4に造成した生育基盤と異なる材料
の基盤等を造成、設置、又は敷設する際には、必要に応
じて生育基盤の表面から突出する仕切り材の高さを20
センチメートル以上としてもよい。 【0035】上述のように、仕切り材の高さを、基盤造
成部4に造成される生育基盤の厚さよりも高くすると、
周辺から飛来する種子及び/又は落葉落枝を効果的に捕
捉することができる。 【0036】特に、仕切り材が土嚢等の袋状物であると
好適である。仕切り材を土嚢等の袋状物とすると、例え
ば、袋状物の中に、土壌改良材、表土、チップ材、肥料
等の植生材料及び/又は種子等の植物材料を包含させる
ことによって、仕切り材自体も植物の生育・発芽が可能
な状態を作り出すことができ、基盤造成部に造成した生
育基盤による緑化とともに法面を緑化することができ
る。 【0037】また、仕切り材に土嚢等の植物の生育が可
能な資材以外のものを用いた場合には、施工後、仕切り
材が長期間残存することになって、基盤造成部が十分に
緑化されるまでの間、仕切り材が非常に目立つ存在とな
る。従って、仕切り材を植物が発芽・生育可能な状態と
することによって、早期に仕切り材を目立たない状態に
することができる。 【0038】法面1に生育基盤を非面的に造成する手法
では、一般に、生育基盤が造成された基盤造成部4にお
いて、導入植物の発芽生育を図って一次緑化を行い、裸
地部8に自然侵入する植物によって二次緑化を促す。こ
の際、仕切り材に、土壌改良材、表土、チップ材、肥料
等の植生材料及び/又は種子等の植物材料の少なくとも
一つを混合すると、導入植物による一次緑化及び周辺か
ら飛来する種子による二次緑化を促すことができる。 【0039】また、仕切り材に含有させる土壌改良材と
して、例えば、バーク堆肥や各種コンポスト等の有機質
資材の他、ゼオライト、バーミキュライト等の無機質資
材等を用いることができる。この他、酸性土壌を矯正す
る貝殻粉砕物、ポーラスコンクリート等の中和材、肥料
養分の保持に有効な各種土壌改良材、水分を保持する高
分子吸収ポリマー等の保水材をはじめ、各種土壌改良効
果を有する資材を用いることができる。 【0040】表土としては、例えば、現地発生土等が利
用できる。特に、潜在種子(埋土種子)を含む現地発生
表土の利用が好適である。 【0041】チップ材としては、抜根材、伐開材等の現
地発生材や建築廃材等を粉砕した生チップ又はこれらを
堆肥化したもの等が利用できる。 【0042】仕切り材に含有させる肥料として、通常市
販されている化学肥料の他、肥料分を有する全ての素材
が利用できる。なお、法面1に生育基盤を非面的に造成
する際には、緑化に時間がかかる関係上、肥効の長い緩
効性肥料が好ましい。 【0043】仕切り材に含有させる種子等の植物材料と
して、一次緑化用の種子の他、球根、塊茎、又は根系等
の栄養繁殖素材等を用いるようにしてもよい。 【0044】なお、上述の各資材は、それぞれ個別に仕
切り材に包含させるようにしてもよく、それぞれの資材
を複数混合した基材として仕切り材に包含させるように
してもよい。 【0045】加えて、仕切り材の主たる材質を難透水性
素材又は不透水性素材とするようにしてもよい。裸地で
ある法面1に生育基盤を非面的に造成しようとする際、
面的な施工に比べて乾燥し易い生育基盤の保水性を維持
する必要がある。法面1のような風通しのよい環境下に
おいて、仕切り材の主たる材質を難透水性素材又は不透
水性素材とすると、仕切り材で囲まれた生育基盤の乾燥
が防止して水分の貯留を促すことができ、雨水等の水資
源を有効に活用することができる。そして、仕切り材の
主たる材質を難透水性素材又は不透水性素材とすること
によって、仕切り材と生育基盤との間に結露を促し、導
入した樹木の生育が促進される。 【0046】仕切り材の主たる材質を難透水性素材又は
不透水性素材とする代わりに、仕切り材の表面に、難透
水性又は不透水性を有する樹脂等をコーティングするよ
うにしてもよく、さらには、塗料等の塗布、仕切り材の
表面に難透水性又は不透水性を有する素材を張り付ける
等して、仕切り材に難透水性又は不透水性を付与するよ
うにしてもよい。 【0047】このように、仕切り材として難透水性又は
不透水性ものを用いれば、基盤造成部4の保水性を向上
させることができる。 【0048】また、前述の難透水性又は不透水性の仕切
り材の一部分を透水性とするようにしてもよい。例え
ば、法面1に仕切り材を設置する際、その谷側部分を難
透水性又は不透水性とし、山側部分を透水性とすると、
降雨等の雨水を仕切り材の内部に保水することができ、
この結果、基盤造成部4及び/又は裸地部8に造成した
基盤等の乾燥を効果的に防止することができることにな
る。 【0049】図1に示す例では、仕切り材5は、その上
面、谷側面、及び地山と接する底面の3面が難透水性又
は不透水性とされ、仕切り材6は、その上面及び谷側面
が難透水性又は不透水性とされており、仕切り材におい
て、少なくとも山側面を透水性とすると、降雨等の雨水
が仕切り材の内部に保水されることになって、基盤造成
部4に造成した生育基盤の乾燥を防止することができ
る。さらに、裸地部8にチップ等の基盤を造成する際に
も、基盤の乾燥を防止することができる。 【0050】また、法面、斜面、荒廃地等の緑化施工対
象となる裸地に対して、金網又は樹脂ネット等の網状体
を敷設した後、上述した仕切り材を設置するようにして
もよい。網状体を敷設した後、仕切り材を設置すると、
例えば、法面表層の安定、凍土・凍結の抑制、生育基盤
の付着性の向上、自然侵入種子の捕捉性の向上等種々の
利点がある。 【0051】図1を再び参照して、上述した仕切り材を
用いた緑化基礎工法の一例について説明する。まず、法
面1の表面に金網等の網状体3を敷設する(張り付け
る)。網状体3を法面1に敷設する際には、例えば、ア
ンカーピン2が用いられ、アンカーピン2によって網状
体3が法面1に密着して固定される。 【0052】網状体3を敷設した後、非面的に生育基盤
を造成する基盤造成部4において、基盤造成部4と裸地
部5との境界部に合致するようにして、可撓性の仕切り
材5又は6を設置する。仕切り材5又は6を設置する際
には、例えば、アンカーピン7が用いられ、仕切り材5
又は6は法面1に固定される。仕切り材の固定には、ア
ンカーピンの他、結束線を用いて予め設置された網状体
3に固定する等の方法があり、仕切り材が吹付時に移動
しない程度に固定できる手法であれば、特にその手法は
限定されるものではない。図示の例では、仕切り材5及
び6はその断面が長方形状であり、仕切り材5はその上
面、谷側面、及び底面の3面が難透水性又は不透水性と
なっており、仕切り材6はその上面及び谷側面の2面が
難透水性又は不透水性となっている。そして、仕切り材
5又は6の高さは、基盤造成部4に吹付施工される生育
基盤4aの厚さよりも高い。 【0053】上述のようにして、仕切り材5及び6を法
面1に固定した後、基盤造成部4に生育基盤4aを造成
する。生育基盤4aを造成する際には、客土等の播き出
しによる方法が用いられる他、一般的には、植生基材吹
付工等の吹付施工が行われる。また、必要に応じて、前
述のように、裸地部8にチップ等の基盤8aが造成され
る。 【0054】なお、前述のように、必要に応じて、仕切
り材5及び/又は6に、土壌改良材、表土、チップ材、
肥料等の植生材料及び/又は種子等の植物材料を包含さ
せるようにしてもよい。 【0055】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
法面、斜面、又は荒廃地等の凹凸を有する裸地に生育基
盤を非面的に造成する際、裸地を容易に仕切ることがで
き、これによって、生育基盤を造成する基盤造成部と裸
地として残る裸地部とを明確に区分することができるば
かりでなく、生育基盤の端部を角立てることができると
いう効果がある。その結果、施工管理及び出来形検査が
容易となり、生育基盤造成の際、基盤吹付時の材料ロス
を軽減できるという効果もある。 【0056】加えて、生育基盤表面よりも仕切り材の高
さが高いから、導入種の発芽生育を促進することができ
るばかりでなく、周辺から飛来する種子を効率的に捕捉
することができ、植生及び土壌環境の早期回復を促すこ
とができるという効果がある。つまり、自然回復を早め
ることができるという効果がある。 【0057】また、仕切り材が実質的に保水機能を有し
ているから、生育基盤等の乾燥を防止することができる
という効果もある。さらに、仕切り材に植物の生育・発
芽が可能な資材を用いれば、仕切り材に植物の生育基盤
としての機能を持たせることができる。その結果、施工
後仕切り材が目立つことなく植生回復を促すことができ
る。
である。 【符号の説明】 1 法面 2,7 アンカーピン 3 網状体 4 基盤造成部 4a 生育基盤 5,6 仕切り材 8 裸地部 8a 裸地部に造成された基盤
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】裸地に生育基盤を非面的に造成する際に用
いられ、前記生育基盤が造成される基盤造成部と裸地と
して残る裸地部とを仕切る仕切り材であって、該仕切り
材の幅は数センチメートル程度で可撓性を有し、さらに
該仕切り材の高さが造成される前記生育基盤の厚さより
も高く、法面に前記仕切り材を設置する際の該仕切り材
の谷側部分を難透水性又は不透水性とし、山側部分を透
水性とすることを特徴とする仕切り材。
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