JP2974961B2 - 湛水面裸地の法面緑化工法及びこれに用いる金網型枠 - Google Patents
湛水面裸地の法面緑化工法及びこれに用いる金網型枠Info
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Description
る法面に対する緑化工法及び当該工法において用いる器
材に関する。
ば、ダム湖の湖岸等のように水量調節や自然渇水による
大きな水位の変動によって定期的若しくは不定期的に冠
水を被る裸地である。このような湛水面裸地は、渇水期
においては地山が露出されて多くの場合景観が著しく損
なわれる。また、湛水面裸地の多くは常時波浪による衝
撃に曝されているため、絶えず地山が侵食され続けてい
る。このことが、ダムに堆積する土砂の問題や、裸地化
の進行による上部斜面の崩壊の問題の大きな原因となっ
ている。特に、水位変動の大きい揚水式ダムではその影
響が大きい。従って、湛水面裸地に関する保全対策は重
要な課題であり、その有効な対策の1つとして湛水面裸
地の緑化がある。また緑化によれば、湛水面裸地の保全
が確保されると同時に、自然な植生が形成されれば周囲
環境との調和も図れるという利点もある。
つか提示されているが、上記のような問題を克服するに
十分な工法が確立されているとは言い難い状況である。
例えば、コンクリートブロック等を使用する方法(特開
平第5−33319号、特開平第6−101233号
等)では、河川の護岸等への適用は容易であるが、ダム
湖の湛水面裸地への適用については、製品の輸送や裸地
部分の整形等に多大な労力を要し、経済的にも適用が難
しい。
法(特開平第5−140919号)では、波浪によりマ
ットが剥離しやすく、湛水面においては耐久性に問題が
ある。また、剥離したマットがダム湖に浮遊し汚染源と
もなりかねない。よって一時的緑化は可能であるが、永
続的緑化は望めない。
方法(特公平第6−96860号)があるが、全面に一
様に生育基盤を吹付け造成する一般的法面工法では、湛
水面裸地に適用するには耐侵食性に欠ける。そのため、
湛水面裸地に造成する生育基盤については、波浪侵食に
耐えるべく強い耐久性や耐水性を付与する改良が試みら
れている。しかしながらいかに強固な生育基盤を造成し
ても、水位変動の大きい湛水面裸地では波浪などによる
衝撃で部分的に侵食や損傷を受けた箇所が生ずると、地
山と生育基盤との間の吸い出し作用により基盤内部から
侵食・破壊が進行し、最終的には生育基盤全体が流亡し
てしまうケースが多い。図3(a)は、従来の生育基盤
吹付け工法を湛水面裸地に適用した場合の侵食の進行の
様子を示した図である。地山110の法面112上に生
育基盤130が造成されている。実線の矢印Wiは、波
浪等による生育基盤130への水の浸透を示している。
そして破線の矢印Wfのように法面112と基盤130
との間を水が流れることにより地山の土砂の吸い出し作
用を誘起し、そして侵食・破壊が下方へと拡大して基盤
が流亡する。
(木柵、編柵、蛇篭等を用いる工法)を併用する必要が
あり、ダム湖等の湛水面では、資材の運搬に労力が掛か
るほか、地山が硬質な箇所では客土を行う必要があるな
どの問題がある。また、植栽は、人工的な景観となるこ
とから、ダム湖のように周辺が森林である場合には調和
が難しい。また、土留めは、波浪による影響で長期的に
は破壊される場合が多く、やはり永続性のある緑化は望
めない。
マットやネット、あるいは人工土壌を含有した浮島状工
作物を用いて湛水面を掩蔽するものであり、人工構造物
的な要素が多く、周辺の環境と調和する緑化は望めな
い。
目的は、ダム湖等の湛水面裸地の法面に対し、波浪や冠
水に対する耐久性を有する生育基盤を吹付け造成する緑
化工法を提供することである。さらに本発明の目的は、
施工後の健全な植物の生育を確保し促進するような上記
工法を提供することである。さらに本発明の目的は、施
工が容易であるような上記工法を提供することである。
さらに本発明の目的は、上記工法を実施する際に用いて
簡便であると共に波浪や冠水に対する耐侵食性を補強す
る型枠器材を提供することである。
めに、本発明は以下の構成を提供する。本発明による第
1の実施の形態では、湛水面裸地からなる法面に対して
生育基盤を吹付け造成することによる緑化工法におい
て、硬質生育基盤からなる区画と種子を含む軟質生育基
盤からなる区画とを、前記法面の勾配方向について交互
となるべく筋状に配置させることにより前記生育基盤を
造成する。
第1の実施の形態において、前記硬質生育基盤からなる
区画及び前記軟質生育基盤からなる区画が、前記法面の
勾配方向について1区画あたり50〜150cmの幅で
配置される。
面裸地からなる法面に対して生育基盤を造成することに
よる緑化工法において、硬質生育基盤からなる区画と種
子を含む軟質生育基盤からなる区画とを、前記法面の勾
配方向及びこれに垂直な方向の両方向について交互とな
るべく千鳥状に配置させることにより前記生育基盤を造
成する。
第3の実施の形態において、前記硬質生育基盤からなる
区画及び前記軟質生育基盤からなる区画が、前記法面の
勾配方向については1区画あたり50〜150cmの幅
でかつこれに垂直な方向については一区画あたり少なく
とも10mの幅で配置される。
第1乃至4のいずれかの実施の形態において、前記硬質
生育基盤が、種子を含む。
第1乃至5のいずれかの実施の形態において、前記硬質
生育基盤が、有機質資材又は土壌を含んだ有機質資材の
いずれかと、セメントとを含む。
第1乃至5のいずれかの実施の形態において、前記硬質
生育基盤が、有機質資材と、ポーラスコンクリートとを
含む。
第1乃至7のいずれかの実施の形態において、前記軟質
生育基盤が、有機質資材と、セメントとを含む。
第1乃至7のいずれかの実施の形態において、前記軟質
生育基盤が、有機質資材と、高分子系樹脂とを含む。
記第1乃至9のいずれかの実施の形態において、前記硬
質生育基盤及び前記軟質生育基盤の双方又はいずれかが
前記種子を含む場合、該種子を冠水抵抗性の強い草本植
物及び木本植物の双方から選択する。
記第10の実施の形態において、前記硬質生育基盤及び
前記軟質生育基盤の双方が、挺水植物の根株を含む。
記第10又は11のいずれかの実施の形態において、前
記硬質生育基盤及び前記軟質生育基盤の双方が、砕石、
砂利、及び多孔質資材からなる群のうち少なくとも1つ
を含む。
記第1乃至12のいずれかの実施の形態において、前記
生育基盤を造成する前又は後において、前記法面の全面
を覆う金網を張設する。
記第1乃至12のいずれかの実施の形態において、前記
硬質生育基盤からなる区画と前記軟質生育基盤からなる
区画とを区分するための金網からなる隔壁部を具備する
金網型枠を前記法面上に設置した後、前記生育基盤の造
成をする。
記第1乃至4、7、8、13又は14のいずれかの実施
の形態において、前記硬質生育基盤からなる区画に替え
て支持構造物からなる区画を配置させる。
記第15の実施の形態において、前記支持構造物からな
る区画に、客土注入及び植物の導入を行う。
水面裸地からなる法面に対し、硬質生育基盤からなる区
画と軟質生育基盤からなる区画とを、前記法面の勾配方
向について又は前記法面の勾配方向及びこれに垂直な方
向について交互に配置させることにより生育基盤を造成
する法面緑化工法において用いる金網型枠であって、前
記硬質生育基盤からなる区画と前記軟質生育基盤からな
る区画とを区分するための金網からなる隔壁部を具備す
る。
記第17の実施の形態において、前記金網型枠が、前記
法面に設置される側に金網からなる基底部を具備する。
記第17又は18の実施の形態において、前記金網型枠
が、前記法面に設置される側の反対側に金網からなる蓋
部を具備する。
湛水面裸地からなる法面に対して生育基盤を吹付け造成
する工法の一実施形態を示す図である。図1は地山10
及び造成後の法面12の側断面図であり、図2は、図1
における造成後の法面12を正面から見た図である。図
1及び図2の実施形態では、湛水面裸地からなる法面に
対して生育基盤を造成する際に、硬質生育基盤20及び
軟質生育基盤30(以降、それぞれ「硬質基盤」及び
「軟質基盤」と称することがある)の2種類の生育基盤
を用い、かつこれらが法面の勾配方向について交互に配
置される筋状区画を形成するように造成する。図2は、
このように造成された後の法面の状態を正面から見た図
である。この例では法面の上部には自然林50が存在
し、法面の下部には水面40がありこれより下方は冠水
している。このような状況下で本発明により造成された
生育基盤は、2種類の生育基盤の各々からなる筋状区画
が水平方向に延在して交互に配列されている。
般的な法面緑化工法において用いられる各種の生育基盤
の中で耐久性(耐侵食性及び耐水性を含む)の比較的強
い基盤を指称する。また、「硬質生育基盤」とは、植物
の成立が可能なものであって耐久性の極めて強い基盤を
指称する。すなわち、軟質生育基盤は、早期に植物を成
立させることを優先させた組成を有する生育基盤であ
り、硬質生育基盤は、植物の成立よりもむしろ耐侵食性
を付与することを優先させた組成を有する生育基盤であ
る。
図2に示すように配置造成した場合の効果を図3(b)
を用いて説明する。図3(b)は、図1に示した法面の
側断面の一部を示した図である。硬質基盤20からなる
区画では耐水性が強いので、軟質基盤30からなる区画
に対して実線の矢印Wiで示す水の浸透が生じる。この
浸透した水は、軟質基盤30からなる区画では法面12
と軟質基盤30との間を流れため、前述のような基盤の
侵食や土砂の吸い出し作用が発生する可能性がある。し
かしながら、破線の矢印Wfで示すようにこの浸透水の
流れは、軟質基盤30の下方側に隣接する硬質基盤20
により阻まれ、表面へと排出される。従って、軟質基盤
30において侵食や吸い出しが発生したとしても、硬質
基盤20に挟まれた範囲においてのみ部分的な侵食が生
じる程度の留めることができ、生育基盤の侵食が連鎖的
に下方へ拡大することを防止することができる。
盤からなる特徴的な配置を形成することにより、硬質基
盤においては侵食や吸い出しを防止し、軟質基盤におい
ては早期の緑化を図る。軟質基盤において早期の緑化が
実現されたならば、その後硬質基盤にも植物が成立して
いくこととなる。このようにそれぞれの基盤が相乗的に
有効に作用し合うことにより多大な効果をもたらすもの
である。
軟質基盤とを法面の勾配方向についてのみ交互に配置す
るのではなく、勾配方向に垂直な方向についても交互に
配置する。すなわち千鳥状に造成してもよい。このよう
に千鳥状とした場合は、最終的に成立する植生による景
観においてより有利であろう。しかしながら、各生育基
盤からなる区画の水平方向の幅が短すぎると上述の効果
が低下するので、千鳥状に造成する場合は、各区画が少
なくとも10m以上の水平方向の幅を有することが好ま
しい。
盤の各区画の勾配方向における幅は、その区画が被るで
あろうと予想される波浪の幅よりも大きいことが望まし
い。予想される波浪の大きさは、施工地の立地条件や風
速等の気象条件その他によっても異なるが、施工後初期
の景観的な影響も配慮すると、一般的には50〜150
cm程度の幅が好適である。尚、硬質基盤からなる区画
の幅と軟質基盤からなる区画の幅とを等しくする必要は
なく、また同じ基盤からなる各区画についても場所によ
って幅を変化させてもよい。例えば、湛水面裸地の勾配
の程度や予想される侵食の程度に応じて考慮する。基本
的には、勾配の急な場所や波浪の影響受けやすい場所に
おいては幅を狭くし、勾配の緩やかな場所や波浪の影響
を受けにくい場所においては幅を広くするように設定す
ることが好適である。特別な例としては、揚水式ダム等
において、その施工される湛水面裸地の受ける水位変動
の幅すなわち最高水位と最低水位にあたる位置が比較的
一定であることが予想される場合には、その予想される
両位置に合わせて硬質基盤を適用すると非常に有効であ
る。
かつ植物の成立が可能な生育基盤であり、例えば、有機
質資材又は土壌を含んだ有機質資材のいずれか及びセメ
ントを含む基盤や、バーク堆肥等の有機質資材及びポー
ラスコンクリートを含む基盤が利用できる。
において造成される各種生育基盤の中で耐久性の比較的
強いものが利用できる。例えば、有機質資材を、セメン
トで接合する基盤や高分子系樹脂で接合する基盤などが
ある。
子は、軟質基盤については必須構成要素として、硬質基
盤については任意の構成要素として含める。硬質基盤に
種子を混合しない場合は自然侵入を期待するものであ
る。これは、硬質基盤の主目的が植物の成立よりも耐久
性を優先させているからである。しかしながら、最終的
には法面全体に一様に植物が成立することが望ましいこ
とは云うまでもない。従って、極力、硬質基盤に対して
も種子を混合して緑化に寄与させることが好ましい。
合、使用される植物としては、一般的に冠水抵抗性の強
い植物を利用する。また、種子には草本植物と木本植物
の双方を含んでいることが望ましい。冠水抵抗性の強い
植物としては、例えば、リードカナリーグラス、バーミ
ューダグラス、及びバヒアグラス等の外来草本類、ノシ
バ、コウライシバ、ガマ、及びヨシ等の在来草本類、並
びにハマヒサカキ、マルバシャリンバイ、ヤナギ類、ハ
ンノキ、ニワトコ、ドロノキ、及びヤチダモ等の木本類
がある。
植物の根株を混合することも好適である。挺水植物とし
ては、例えば、ヨシ、マコモ、ガマ、クサヨシ、フト
イ、サンカクイ、アブラガヤ、ショウブ、及びアヤメ等
の根株が利用できる。
の環境などを考慮して選定するが、基本的には、軟質基
盤には早期成立を図れる草本植物を主体に用い(木本類
も配合する)、硬質基盤には木本植物を主体に配合する
ことが好適である。
られる生育基盤中に、砕石、砂利、及び多孔質資材から
なる群のうち少なくとも1つを含めることにより、さら
に好適に湛水面裸地に適用することができる。従来、湛
水面裸地の緑化を困難としている要因としては、前述の
波浪や吸い出しによる生育基盤の侵食や破壊等の影響の
他に、冠水状態において、植物の生理的な反応により植
物がストレスを受け、その結果、衰退・枯死に至ってい
たことが挙げられる。施工地が冠水状態になると、生育
基盤の内部が嫌気的な条件におかれることから、いわゆ
る酸素不足が生じて植物根茎の呼吸(酸素の吸収)が困
難となることが主な原因である。
部や間隙に空気(すなわち酸素)を包有する性質を有す
るので、これらのものを生育基盤中に混合することによ
り、冠水条件下であっても必要な酸素供給量を確保する
ことができる。多孔質資材の場合はその内部に酸素を確
保することができ、具体例としては、セラミックス類、
ゼオライト等の鉱物、及び軽石(スコリア)等が利用で
きる。砕石及び砂利の場合にはこれらと基盤との間の間
隙に酸素を確保することができる。
あるが、水源となるダム湖の湛水面裸地においては、極
力、天然材料を使用することが望ましいであろう。
育基盤の耐侵食性をさらに高めるために、法面に対して
金網60を張設する工程を加えた実施形態を示す図であ
る。図4(a)は、金網60を生育基盤20、30の造
成工程の前に張設する例であり、図4(b)は、金網6
0を生育基盤20、30の造成工程の後に張設する例で
ある。いずれの場合も適宜アンカーピン62により金網
60を固定する。また別の例として、生育基盤の上下双
方に金網を張設してもよい。あるいは通常の金網の代わ
りに厚ネット(厚層金網)を用いてもよい。このよう
に、金網を張設することにより、耐侵食性が高くなる。
効な耐侵食性の物理的な補強方法である。本発明による
緑化工法において、先ず、形成される硬質生育基盤の区
画と軟質生育基盤の区画とを規定するように区画の境界
となる隔壁部70aを具備する金網型枠70を法面上に
設置する。金網型枠70を構成する各部分は、例えば、
通常の金網又は厚ネットから作製され、生育基盤の区画
を規定する隔壁部70aの他に型枠自体の支持のための
支持壁部72を設けることが好適である。また、全体を
一体的に作製してもよく、また部分的に作製して施工前
に組み立てるようにしてもよい。
面上に設置した後、硬質基盤と軟質基盤とを順次各区画
に造成していく。造成された生育基盤は金網型枠70に
より支持されることで耐侵食性が向上する。加えて、施
工時に各区画が明確となるので施工性も向上する。特
に、区画によって幅を変化させる場合には、金網型枠7
0の設置時に各区画の幅を規定できるので、非常に施工
が容易になる。
として、生育基盤の一区画に対応する金網型枠70の一
部分のみを示した図である。金網型枠70は、図1及び
図2に示した実施形態に使用する場合には、基本的に横
方向(設置する際には水平方向)の隔壁部70aを具備
することが必要である。また、前述の千鳥状に基盤を造
成する場合には縦方向(設置する際には勾配方向)の隔
壁部70bも必要となる。本緑化工法における生育基盤
の一区画は、本質的に非常に横長の矩形となるので、型
枠自体の支持のため一つの区画内の適宜の位置に縦方向
の支持壁部70b′を1又は複数設けることが好まし
い。さらに、金網型枠70の底面にも生育基盤と地山と
のなじみを良好とするために、基底部70cを併設する
ことが望ましい。これは、図4(a)に示したように造
成前に法面全面に金網を張設することで代用することも
できる。またさらに、金網型枠70に対して蓋部70d
を併設することも好適である。これも、図4(b)に示
したように造成後に金網を張設することで代用すること
ができる。
型枠は、植物が成立し定着したならば、長期的には分解
するものであってもかまわない。通常の法面緑化工法で
用いられる菱形金網や亀甲金網等を利用すると好適であ
り、地山の凹凸に合わせて自在に形を調整できる柔軟な
ものが望ましい。
のさらに別の実施形態としては、上記の工法において、
硬質生育基盤の替わりに、植物の成立が可能な蛇篭等の
支持構造物を用いることができる。この実施形態は、硬
質生育基盤を支持構造物に替えることにより、軟質生育
基盤を挟み支持する耐久性保持区画としての機能をさら
に強化したものであるが、一方、植物の導入機能の点で
は硬質生育基盤よりもさらに劣ることになる。植物の導
入機能を補うためには、例えば、蛇篭を使用する場合に
栗石間に客土注入を行ってヤナギ等の挿し木を併用する
等の方法が考えられる。
に対する緑化工法は、主にダム湖における湛水面裸地の
緑化を想定して説明したが、それ以外にも河川の低水護
岸のように冠水の影響を受ける箇所に対して有効に適用
可能であることを注記する。また、生育基盤造成方法
は、湛水面裸地という施工地条件の見地から吹付造成が
適しているが、場所によっては本発明の趣旨に従った人
力施工も可能である。
面に対する緑化工法によれば、硬質生育基盤と軟質生育
基盤とを交互に配置造成させたので、波浪や冠水に起因
する生育基盤の侵食・破壊を部分的な程度に留めてその
拡大を防止することが実現される。
盤中に冠水抵抗性の強い植物の種子及び挺水植物の根株
を選択して混合すると共に、好適には、冠水時の酸素不
足を補う空気包有性のある資材を混合したので、施工後
の健全な植物の生育が確保される。
な金網型枠は、造成される生育基盤の耐侵食性をさらに
強化すると同時に、施工効率を格段に向上させるもので
ある。 以上、本発明は、湛水面裸地に対して有効な生
育基盤吹付造成による緑化工法を確立したものであり、
よって湛水面裸地における緑化の実現ひいてはその保全
対策及び景観の向上に多大に寄与するものである。
て生育基盤を吹付け造成する工法の一実施形態を示す造
成後の法面の側断面図である。
法における生育基盤の侵食・破壊のメカニズムを示す法
面の側断面図であり、(b)は本発明における生育基盤
造成による法面緑化工法における生育基盤の侵食・破壊
が防止される原理を示す法面の側断面図である。
基盤と法面との間に金網を張設する工程を加えた実施形
態を示す図であり、(b)は、生育基盤の上に金網を張
設する工程を加えた実施形態を示す図である。
網型枠を設置する工程を加えた実施形態を示す図であ
る。
基盤の一区画に対応する金網型枠70の一部分のみを示
した図である。
Claims (19)
- 【請求項1】 湛水面裸地からなる法面に対して生育基
盤を吹付け造成することによる緑化工法において、 硬質生育基盤からなる区画と種子を含む軟質生育基盤か
らなる区画とを、前記法面の勾配方向について交互とな
るべく筋状に配置させることにより前記生育基盤を造成
することを特徴とする湛水面裸地の法面緑化工法。 - 【請求項2】 前記硬質生育基盤からなる区画及び前記
軟質生育基盤からなる区画が、前記法面の勾配方向につ
いて1区画あたり50〜150cmの幅で配置されるこ
とを特徴とする請求項1に記載の湛水面裸地の法面緑化
工法。 - 【請求項3】 湛水面裸地からなる法面に対して生育基
盤を造成することによる緑化工法において、 硬質生育基盤からなる区画と種子を含む軟質生育基盤か
らなる区画とを、前記法面の勾配方向及びこれに垂直な
方向の両方向について交互となるべく千鳥状に配置させ
ることにより前記生育基盤を造成することを特徴とする
湛水面裸地の法面緑化工法。 - 【請求項4】 前記硬質生育基盤からなる区画及び前記
軟質生育基盤からなる区画が、前記法面の勾配方向につ
いては1区画あたり50〜150cmの幅でかつこれに
垂直な方向については一区画あたり少なくとも10mの
幅で配置されることを特徴とする請求項3に記載の湛水
面裸地の法面緑化工法。 - 【請求項5】 前記硬質生育基盤が、種子を含むことを
特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の湛水面裸
地の法面緑化工法。 - 【請求項6】 前記硬質生育基盤が、有機質資材又は土
壌を含んだ有機質資材のいずれかと、セメントとを含む
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の湛
水面裸地の法面緑化工法。 - 【請求項7】 前記硬質生育基盤が、有機質資材と、ポ
ーラスコンクリートとを含むことを特徴とする請求項1
乃至5のいずれかに記載の湛水面裸地の法面緑化工法。 - 【請求項8】 前記軟質生育基盤が、有機質資材と、セ
メントとを含むことを特徴とする請求項1乃至7のいず
れかに記載の湛水面裸地の法面緑化工法。 - 【請求項9】 前記軟質生育基盤が、有機質資材と、高
分子系樹脂とを含むことを特徴とする請求項1乃至7の
いずれかに記載の湛水面裸地の法面緑化工法。 - 【請求項10】 前記硬質生育基盤及び前記軟質生育基
盤の双方又はいずれかが前記種子を含む場合、該種子を
冠水抵抗性の強い草本植物及び木本植物の双方から選択
することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載
の湛水面裸地の法面緑化工法。 - 【請求項11】 前記硬質生育基盤及び前記軟質生育基
盤の双方が、挺水植物の根株を含むことを特徴とする請
求項10に記載の湛水面裸地の法面緑化工法。 - 【請求項12】 前記硬質生育基盤及び前記軟質生育基
盤の双方が、砕石、砂利、及び多孔質資材からなる群の
うち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項10
又は11のいずれかに記載の湛水面裸地の法面緑化工
法。 - 【請求項13】 前記生育基盤を造成する前又は後にお
いて、前記法面の全面を覆う金網を張設することを特徴
とする請求項1乃至12のいずれかに記載の湛水面裸地
の法面緑化工法。 - 【請求項14】 前記硬質生育基盤からなる区画と前記
軟質生育基盤からなる区画とを区分するための金網から
なる隔壁部を具備する金網型枠を前記法面上に設置した
後、前記生育基盤の造成をすることを特徴とする請求項
1乃至12のいずれかに記載の湛水面裸地の法面緑化工
法。 - 【請求項15】 前記請求項1乃至4、7、8、13又
は14のいずれかにおいて、前記硬質生育基盤からなる
区画に替えて支持構造物からなる区画を配置させること
を特徴とする湛水面裸地の法面緑化工法。 - 【請求項16】 前記支持構造物からなる区画に、客土
注入及び植物の導入を行うことを特徴とする請求項15
に記載の湛水面裸地の法面緑化工法。 - 【請求項17】 湛水面裸地からなる法面に対し、硬質
生育基盤からなる区画と軟質生育基盤からなる区画と
を、前記法面の勾配方向について又は前記法面の勾配方
向及びこれに垂直な方向について交互に配置させること
により生育基盤を造成する法面緑化工法において用いる
金網型枠であって、 前記硬質生育基盤からなる区画と前記軟質生育基盤から
なる区画とを区分するための金網からなる隔壁部を具備
すること特徴とする金網型枠。 - 【請求項18】 前記金網型枠が、前記法面に設置され
る側に金網からなる基底部を具備することを特徴とする
請求項17に記載の金網型枠。 - 【請求項19】 前記金網型枠が、前記法面に設置され
る側の反対側に金網からなる蓋部を具備することを特徴
とする請求項17又は18に記載の金網型枠。
Priority Applications (1)
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