JP2009515517A - 牛のひづめ障害予防用の洗足器 - Google Patents

牛のひづめ障害予防用の洗足器 Download PDF

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Abstract

【課題】牛のひづめ障害予防用の洗足器を提供する。
【解決手段】底板の上面に、横と縦の方向に等間隔で複数の突出部を形成し、前記底板の周縁に沿って前後左右の壁部を形成して洗足液が外部に漏れるのを防止し、また、前記底板は、耐久性、耐摩耗性及び耐酸性を考慮してEPDM(Ethylene−Propylene−Diene−Monomer)材質とし、かつ、前記底板を設置空間に応じて複数枚結合した状態で壁部を形成する構成とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、牛のひづめ障害予防用の洗足器に係り、より詳細には、韓国在来種の牛(以下、‘韓牛’と略す)や乳牛の安全性を確保しながら、底板に突出している突出部(エンボシング)の適正な高さ、角度及び配列によってどこを踏んでもひづめの分かれが良好になり、ひづめにおける異物除去及びひづめの間への消毒液の浸透が容易になり、充分な洗足効果を期待できるようにした牛のひづめ障害予防用の洗足器に関する。
一般に、韓牛や乳牛などのようにひづめの割れた家畜のひづめの間には、家畜に有害なバクテリアなどが繁殖し、ひづめに大きな障害が生じることができる。なお、韓牛と乳牛は、身体が大きいために足に体重が多く集まり、一日の大部分の時間を立って生活する牛にとって、ひづめの障害はそのまま生存に直結するという恐れがあった。
したがって、韓牛と乳牛を飼育する農家では、ひづめに疾病が発生した場合、抗生軟膏を患部に塗布して包帯で包んだり、硫酸銅液を患部にスプレイしたりしてきた。
なお、肥育牛や乳牛等のように放牧をする牛舎では、放牧時に外部から移ってくる細菌に感染されて肥育牛や乳牛が伝染病にかかることなどが頻繁だったため、肥育牛や乳牛が放牧場所から牛舎に入ってくる道に、コンクリートで消毒槽を設けて使用してきた。
しかしながら、コンクリートで作られる上記の消毒槽は、主に外部に設置して使用してきたため、雨が降る時には、消毒水の満水されている消毒槽中に雨水が入り消毒水が希釈されてしまい、この消毒水を捨てざるを得ず、消毒水の浪費につながるという問題があった。
そこで、韓国特許出願第10−1999−0052841号(特許文献1)に開示された殺菌消毒槽は、底面板と、該底面板の各縁部から上方に一体に延設された正・背面板及び左・右側面板とによって直方形の箱構造とし、その内側に収容部が形成され、前記正・背面板及び左・右側面板の各上端から内側に上端枠部が延在し、前記正面板と左・右側面板の上端枠部にベルクロテープが接着され、ゴムコーティングされた防水布から作られた本体と;一側面が、前記本体の背面板の上端枠部の上面に接着され、下部面の周縁部に、前記本体のベルクロテープと接合するベルクロテープが接着される保護網と;防水布からなり、一側面が、前記本体の背面板側の上端枠部の上面と前記保護網の上面に接着され、下部面の周縁部に、前記本体のベルクロテープと接合するベルクロテープが接着される保護カバーと;前記本体の内側に形成された収容部に内蔵され、消毒薬が入り込むスポンジと;を含む構成とした。
しかしながら、このような従来の消毒によるひづめの消毒装置では、消毒槽内で韓牛や乳牛が倒れるのを防止することはできるが、韓牛や乳牛のひづめ障害の原因となる割れたひづめの間には消毒液がほとんど浸透せず、消毒効果が十分でないとう欠点があった。
また、韓国実用新案登録第20−2004−29425号(特許文献2)では、下端部が開放された、中空の直方体状に形成され、上面に噴射路と移動路がそれぞれ形成され、両側面から下端部に支持台がそれぞれ延設される本体と;前記本体の噴射路に設置され、洗浄水及び消毒液を噴射する噴射部と;前記本体の噴射路に設置され、家畜の移動を感知するセンサー部と;前記センサー部の信号を受け、前記噴射部の洗浄水及び消毒液の噴射を制御する制御部と;各構成部に電源を供給する電源供給部と;を含んでなる家畜ひづめ用の消毒装置を提示している。これにより、家畜の糞尿を下に落としてひづめに糞尿がつかないようにしながら、家畜が通過する時にひづめに向かって消毒液を噴射することによって、消毒効果の増大を図った。
しかしながら、上記のような従来の消毒によるひづめの消毒装置では、韓牛や乳牛の割れたひづめの間に消毒液が浸透せず、その消毒効果が十分でないという問題点があった。
韓国特許出願第10−1999−0052841号 韓国実用新案登録第20−2004−29425号
本発明は上記の問題点を解決するためのもので、その目的は、韓牛や乳牛の安全性を確保しながらも、底板に突出しているエンボシングの適正な高さ、角度及び配列によってどこを踏んでもひづめの分かれが良好になり、ひづめにおける異物除去及びひづめの間への消毒液の浸透が容易になり、充分な洗足効果が期待できるようにした牛のひづめ障害予防用の洗足器を提供することにある。
上記の目的を達成するための、本発明に係る牛のひづめ障害予防用の洗足器は、底板の上面に、横と縦の方向に等間隔で複数の突出部を形成し、前記底板の周縁に沿って前後左右の壁部を形成して洗足液が外部に漏れるのを防止し、また、前記底板は、耐久性、耐摩耗性及び耐酸性を考慮してEPDM(Ethylene−Propylene−Diene−Monomer)材質とし、かつ、前記底板を設置空間に応じて複数枚結合した状態で壁部を形成する構成とし、牛のひづめ障害の予防を通じて、産乳量、繁殖率などの生産性の低下を未然に防止し、かつ、淘汰のような極端な状況を避ける他、牛の健康と快適性の向上に寄与する。
本発明に係る牛のひづめ障害予防用の洗足器によれば、底板の上面に、横と縦の方向に等間隔で複数の突出部を形成し、この底板の周縁に沿って前後左右の壁部を形成して洗足液が外部に漏れるのを防止し、また、前記底板は、耐久性、耐摩耗性及び耐酸性を考慮してEPDM材質とし、かつ、設置空間に応じて複数枚結合した状態で壁部を形成するように構成したため、牛のひづめ障害の予防を通じて、産乳量、繁殖率などの生産性の低下を未然に防止し、かつ、淘汰のような極端な状況を避ける他、牛の健康と快適性の向上に寄与することが可能になる。
以下、添付の図面を参照しつつ本発明の好適な実施例について説明する。
本発明による牛のひづめ障害予防用の洗足器は、開放されたボックス形状とし、その内部に消毒液を収容できるようにしたもので、図1に示すように、底板1と、該底板1から上方に複数個突出しているエンボシング2と、底板1を囲む前・後・左・右の壁部3,4,5,6と、で構成される。
底板1は、図2に示すように、耐久性、耐摩耗性、耐酸性を考慮してEPDM(Ethylene−Propylene−Diene−Monomer)材質とし、また、洗足器の通過によってひづめの洗足効果が十分に得られるような長さを、設置空間に応じて確保可能にするために、複数枚の底板1を結合し一体として使用できるように構成している。
この場合、底板1は、10枚(2枚*5枚)を1セットとするのが好ましい。
また、エンボシング2は、図3に示すように、上部が狭くて下部が広い上狭下広の円錐台の構造とする。ここで、下面径11は35〜45mm、上面径12は20〜30mm、高さ13は15〜25mmとすることによって、韓牛や乳牛がどの位置を踏んでもひづめが分かれながらその間への消毒が効率的に行われるようにする。
上述したように、本発明の牛のひづめ障害予防用の洗足器は、開放されたボックス形状を有し、底板1から上方に複数のエンボシング2が突出して形成される。
なお、エンボシング2の形成されている底板1は、必要によって複数枚結合して設置可能な構成とし、韓牛や乳牛が洗足器の通過によって十分なひづめ洗浄効果を得ることができるような長さを、設置空間に応じて確保できるようにする。
耐久性、耐摩耗性、耐酸性を考慮してEPDM材質とした底板1には、前後左右の壁部3,4,5,6が底板1を囲む状態に結合され、洗足器中の洗足液が漏れるのを防止する。
ここで、底板1は10枚(2枚*5枚)を結合して1セットとすることが好ましい。
また、上部が狭くて下部が広い上狭下広の円錐台状に形成されるエンボシング2はそれぞれ、下面径11が35〜45mm、上面径12が20〜30mm、高さ13が15〜25mmとし、牛乳がどの位置を踏んでもひづめが分かれながら効果的に消毒が行われるようにする。
以上の効果を検証するために研究所で試験を行った結果、次のようなひづめ障害治癒及び予防効果が得られた。
下記の表1は、乳牛が正常状態に回復する比率を示す。
Figure 2009515517
ここで、調査頭数は、試験始点を基準とする。
上記の試験結果によれば、乳牛のひづめ障害の度合によって違いはあるが、比較的軽微なひづめ傷害を有する場合(歩行姿勢指数2)では100%正常状態に回復し、ややひどいひづめ傷害を有する場合(歩行姿勢指数3)では33.3%が正常状態に回復し、ひどいひづめ傷害を有する場合(歩行姿勢指数4)では正常状態に回復しなかった。
下記の表2は、上記の試験結果、ひづめ障害が正常状態に回復するにかかる日数を示す。
Figure 2009515517
ここで、調査頭数は、試験始点を基準とする。
上記の試験結果によれば、ひづめ障害乳牛が正常状態に回復するのにかかる日数は、軽微な場合(歩行姿勢指数2)では55日、ややひどい場合(歩行姿勢指数3)の場合では118日がかかった。
エンボシング洗足器を使用して120日まで障害状態が持続する割合は、ややひどい場合(歩行姿勢指数3)では66.7%、ひどい場合(歩行姿勢指数4)では100%であった。しかも、歩行姿勢指数3では、ひづめ障害によって乳牛1匹が淘汰する事例が発生した。
下記の表3は、本発明の洗足器を設置する前と設置した後のひづめ障害発生比率を示す。
Figure 2009515517
ここで、設置前は、洗足器を設置する前の4ケ月間であり、設置後は、洗足器を設置してから4ケ月間である。
ここで、洗足器を設置する時点で既にひづめ障害が発生した15匹は、設置後の調査頭数から除外した。
上記の試験結果によれば、洗足器を使用する前と使用した後のひづめ障害発生率が、洗足器を使用する前には18.8%、使用した後には1.5%と表れ、予防次元からも本発明の洗足器が大きい効果を示したことがわかる。
すなわち、牛のひづめ10が一般的な平面上を踏む場合には、図4に示すように、ひづめ10が分れずにそのままであるが、本発明による洗足器のエンボシング2の上を牛のひづめ10が踏むと、図5に示すように、牛のひづめ10が、上部が狭くて下部が広いエンボシング2にガイドされて分かれながらその間に洗足器中の消毒液が容易に浸透し、牛のひづめ障害の治療と予防の効果が得られる。
本発明の好適な実施例による洗足器の全体構成を示す斜視図である。 本発明の好適な実施例による洗足器において底板の構成を詳細に示す斜視図である。 本発明の好適な実施例による洗足器におけるエンボシングの詳細な構成を示す一部拡大図である。 牛のひづめが一般的な平面を踏む状態を示す正面図である。 牛のひづめが本発明の好適な実施例による洗足器のエンボシングを踏む状態を示す正面図である。
符号の説明
1 底板
2 エンボシング
3,4,5,6 壁部

Claims (5)

  1. 開放されたボックス状に形成されるもので、
    底板(1)と、
    前記底板(1)に突出している複数個のエンボシング(2)と、
    上記の底板(1)を囲む前・後・左・右の壁部(3,4,5,6)と、
    から構成されることを特徴とする、牛のひづめ障害予防用の洗足器。
  2. 前記エンボシング(2)は、上部が狭くて下部が広く形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の牛のひづめ障害予防用の洗足器。
  3. 前記底板(1)に設置されるエンボシング(2)は、下面径(11)が35〜45mm、上面径(12)が20〜30mm、高さ(13)が15〜25mmとなるようにして配列することによって、洗足器を通過する牛の安全性を確保しながら、どこを踏んでもひづめの分かれを良好にし、ひづめについた異物の除去及び消毒液の浸透を容易にしたことを特徴とする、請求項2に記載の牛のひづめ障害予防用の洗足器。
  4. 前記底板(1)は、洗足場の大きさに応じて複数枚を連結した後に、前・後・左・右の壁部(3,4,5,6)を結合して洗足場に設置することを特徴とする、請求項1に記載の牛のひづめ障害予防用の洗足器。
  5. 前記底板(1)は、耐久性、耐摩耗性、耐酸性のEPDM(Ethylene−Propylene−Diene−Monomer)材質からなることを特徴とする、請求項1に記載の牛のひづめ障害予防用の洗足器。
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