JP3959524B2 - 豚舎 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、豚の生活面を可及的に清潔に保ち、以て豚の健康を保持すると共に発育を良好にすることを目的とした豚舎に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来豚舎床は、緩傾斜のコンクリート仕上げとされており、一部に若干高い部分(ベッド用)を設けることも知られていた。また、豚舎の一側へ浅い溝を設けたり、深い溝を設けて簀の子の蓋をした構造も知られている。
【0003】
【特許文献1】
実開昭62−202155
【0004】
【発明により解決しようとする課題】
前記従来の床面は、泥と糞尿によって急速に汚れ、若干高い床面(ベッド)も、低い面と同様に汚れる問題点があった。
【0005】
豚は元来清潔好きであるけれども、環境順応性が強く、床面が一旦泥糞に汚れると、そのままベッドまで汚し、遂には飼場床とベッドの見境もなく汚す習性があった。そこで、身体表面も汚れて、発育不振になったり、発病のおそれがあるので、度々洗浄その他の手入れを必要とする問題点があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、ベッドに所定間隔で小間隙を設け、汚物の落下(排除)を促進させると共に、通気性を保たせることにより、前記従来の問題点を解決したのである。
【0007】
即ち、この発明は、コンクリート床面の一側上へ、断面逆台形状の長尺ベッド材を小間隙を介して複数本並列設置した豚用ベッドを設置すると共に、床面の他側へ糞尿落下用の簀の子状床を連設し、前記床面は、前記簀の子状床に向って緩傾斜に形成し、周囲に側壁又は柵を設けたことを特徴とする豚舎である。
【0008】
次に、他の発明は、豚用ベッドの面積は、床面積の35%〜70%としたものである。
【0009】
前記発明において、小間隙を1cm以上にしたのは、糞尿泥などを落下させるために必要な幅を確保するためである。また、上限を3cmにしたのは、成豚の足先などが嵌らない幅にするためである。従って、仔豚の飼育に際しては狭い間隙を使用し、成豚に対しては、広い間隙を使用する。
【0010】
一般に豚舎床面積は、成豚1頭に対し、0.7m前後を予定しており、ベッドの面積を床面積の35%〜70%としたのは、豚の生活環境を考慮したもので、1頭当りの面積の取りようによっても異なる。
【0011】
この発明は、同一豚舎内の豚がほぼ全部寝ることができるベッド面積を想定し、かつ出来得る限り餌場などの生活床面を広く取るための設計的配慮である。前記において、豚は清潔を好むから、ベッド面が暫く清潔に保たれると、必然的にベッド面を汚さないようになり、これに伴って餌場の床面も汚さないようになるので、全体として清潔な豚舎となる。
【0012】
例えば、従来は餌場はもとよりベッド上でも糞尿を出していたのが、ベッド上で糞尿をしなくなると、餌場でも糞尿を排泄する豚が少なくなり、殆どの豚は簀の子の所で排泄し、ベッド及び餌場を汚さなくなるからである。
【0013】
その結果、豚の外面が汚れなくなり、発育良好(5%以上)で、罹病も少なくなることが判明した。
【0014】
前記ベッドの材質は、鉄筋コンクリートが使用されているが、樹脂その他の材質でも良いことはいうまでもない。
【0015】
【発明の実施の形態】
この発明は、ベッドに小間隙の溝を設けて糞尿が溜まらないようにしたので、該部も清潔に保ち、これにより餌場も清潔になる連鎖効果が認められた。豚の清潔志向を可能にし、清潔環境に適応させるものである。
【0016】
この発明は、豚舎の床面の一部に前記溝付きベッドを設置することにより、ベッド上はもとより、他部の床状も清潔に保つことができる。
【0017】
【実施例1】
この発明の実施例を図1(a)(b)に基づいて説明する。断面逆台形状の長尺ベッド材1、1を、小間隙Sを介して複数個並列設置してベッド2を構成する。前記長尺ベッド材1、1は、断面逆台形状であるから、上部小間隙Sが2.5cmならば、下部小間隙Sは7.0cmとなる。また、長尺ベッド材1の上面幅Wが30cmならば、下面幅Wは25cm位であり、長さは200cm位、高さ7.0cm位であるが、前記寸法に限定させるものではない。
【0018】
前記実施例において、ベッド2上で糞尿を排泄すれば、直ちに矢示3、4のように流下するので、ベッド2上へ長く留まるおそれはない。前記長尺ベッド材1の上面を凸面10に形成すれば、糞尿の流下を容易にする。同様に、長尺ベッド材1を断面逆台形としたので、間隙は上が狭く、下が広くなっており、糞などが通り易くしてある。
【0019】
【実施例2】
この発明の実施例を図2に基づいて説明する。コンクリート床6の一側上にベッド2を設置し、他側に簀の子床7を連設し、周囲に側壁8、8又は柵を設けて、この発明の豚舎9を構成する。前記コンクリート床6の表面は、前記簀の子床7に向かって緩傾斜に形成し、水洗等の掃除に際し、洗浄汚れがスムースに除去されるようになっている。図中5は餌箱である。
【0020】
前記ベッド2には、小間隙Sが併設してあるので(図1)、ベッド2上へ排泄された汚物は前記小間隙Sから流下する。従って、ベッド2上は清潔に保持される。
【0021】
前記ベッド2上が清潔になると、前記コンクリート床6の上面も汚すことが少なくなり、排泄の大部分は簀の子床でなされるために、豚舎全体が清潔に保たれる。
【0022】
【発明の効果】
この発明によれば、豚が全身汚れることがなくなり、部分的汚れも激減して、発育も良好になる効果がある。又、糞を豚が直接踏まなくなるので、床面に糞がこびりつかなくなる。
【0023】
また、豚舎の清掃も容易となり、時間的労力的節減も図りうる効果がある。更に、豚の出荷に際し、全身の汚れた豚は綺麗に洗浄しなければならなかったが、洗浄の必要性が激減した。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) この発明の実施例の一部を省略した平面拡大図。
(b) 同じく一部を省略した拡大断面図。
【図2】同じく豚舎の実施例の一部を省略した平面図。
【符号の説明】
1 長尺ベッド材
2 ベッド
5 餌箱
6 コンクリート床
7 簀の子床
9 豚舎

Claims (2)

  1. コンクリート床面の一側上へ、断面逆台形状の長尺ベッド材を小間隙を介して複数本並列設置した豚用ベッドを設置すると共に、床面の他側へ糞尿落下用の簀の子状床を連設し、前記床面は、前記簀の子状床に向って緩傾斜に形成し、周囲に側壁又は柵を設けたことを特徴とする豚舎。
  2. 豚用ベッドの面積は、床面積の35%〜70%としたことを特徴とする請求項記載の豚舎。
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