JP2004097619A - 非接触式眼圧計 - Google Patents

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Abstract

【課題】所定値よりも眼圧値が高い場合や低い場合に、再測定を速やかに効率良く実施する。
【解決手段】ステップS1で眼圧測定を行い、ステップS2でN回の眼圧測定が終了しているかを判断する。眼圧値がN個ある場合にはステップS3へ進み、足りない場合にはステップS1に戻る。ステップS3でN個の眼圧値と上限値PHとを比較し、上限値PHを上廻る眼圧値があるかを判断し、上廻らなければステップS4に進み、下限値PLを下廻る眼圧値がなければステップS5に進む。ステップS5では左右眼の測定が終了しているかを判断し、終了していないとステップS6に進み、終了していない他眼に装置測定部を移動させる。左右移動が終了するとステップS1で眼圧測定を行う。
一方、ステップS3、S4で眼圧値と上限値PH、下限値PLとを比較し、1つでも外れた眼圧値があると、ステップS7で警告表示をする。
【選択図】    図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検眼の角膜に空気などの流体を吹付けて角膜を変形させ、角膜に投影した指標光の変化を検出し解析することにより、被検眼の眼圧を測定する非接触式眼圧計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
非接触式眼圧計は非接触であること、点眼麻酔等が不要であることなどの利点を有することから、高眼圧に起因する緑内障のスクリーニングとして、眼科などで広く用いられている。眼圧値が所定値以上の場合に、眼底検査や視野測定などの精密検査が行われる。
【0003】
また近年では、被検眼に投影した指標像などを検出することによって、被検眼と装置検眼部との相対位置を求め、ステージをモータ駆動で制御し、自動的に位置合わせを行う装置が、本出願人による特開平9−84760号公報で開示されている。
【0004】
更に、予め設定されている回数の測定を終了すると、未だ測定していない片眼に自動的に移動して位置合わせを行い、所定回数測定するフルオート測定が可能な非接触式眼圧計も実用化されつつある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の非接触式眼圧計では、測定時に被検眼の角膜にまつ毛が掛かっていると、まつ毛の抵抗により十分に角膜を変形させることができず、本来の眼圧値が通常範囲内であるにも拘わらず、測定値が高くなってしまうことがある。また、被検眼の固視がずれている場合に、稀に測定値が本来の眼圧値よりも低く測定されてしまう場合もある。従って、検者は所定値よりも眼圧値が高い場合や低い場合は、確認のために再測定を行っている。
【0006】
そのような場合においても、被検眼位置を検出して位置合わせを自動で行い、予め設定されている回数を両眼連続で測定するフルオート化された装置では、片眼を所定回数測定をすると、未だ測定していない他眼の位置に検眼部を移動させ、所定回数測定を行ってしまう。従って、第1の被検眼の確認の測定が必要な場合でも、検眼部を再び移動させる必要があり、測定に要する時間の短縮の妨げになっている。また、装置の測定動作が完了しているので、確認のための測定を行うことを忘れてしまう虞れもある。
【0007】
本発明の目的は、上述の問題点を解消し、所定値よりも眼圧値が高い場合や低い場合に確認のための再測定を、速やかに効率良く実施できる非接触式眼圧計を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための請求項1に係る本発明は、被検眼角膜を変形させるために角膜に対して気流を吹付ける気流吹付手段と、角膜に測定光を投影する測定光投影手段と、角膜が気流により変形され所定の曲率半径になったときの前記測定光の角膜反射光を検出する角膜変形検出手段と、該角膜変形検出手段の検出結果を基に眼圧値を算出する演算手段とを備えた非接触式眼圧計において、所定眼圧値を設定する所定眼圧値設定手段と、前記演算手段で求めた眼圧値と前記所定眼圧値の大小を比較する比較手段と、該比較手段の結果に応じて測定動作を変更する制御手段とを有することを特徴とする非接触式眼圧計である。
【0009】
また、請求項2に係る本発明は、前記眼圧値設定手段は設定する前記所定眼圧値を任意の値に変更可能としたことを特徴とする請求項1に記載の非接触式眼圧計である。
【0010】
請求項3に係る本発明は、前記眼圧値設定手段は少なくとも第1の所定眼圧値と第2の所定眼圧値を設定可能としたことを特徴とする請求項1に記載の非接触式眼圧計である。
【0011】
請求項4に係る本発明は、前記比較手段は前記演算手段によって算出された眼圧値が前記第1の所定眼圧値よりも大きいかどうかを比較し、前記第2の所定眼圧値よりも小さいかどうかを比較することを特徴とする請求項3に記載の非接触式眼圧計である。
【0012】
請求項5に係る本発明は、前記制御手段は連続測定動作を停止することを特徴とする請求項1に記載の非接触式眼圧計である。
【0013】
請求項6に係る本発明は、前記制御手段は予め設定されている所定回数の測定を自動的に追加測定することを特徴とする請求項1に記載の非接触式眼圧計である。
【0014】
請求項7に係る本発明は、前記制御手段は前記比較手段の結果を操作者に通知することを特徴とする請求項1に記載の非接触式眼圧計である。
【0015】
請求項8に係る本発明は、表示手段を有し、前記制御手段は前記比較手段の結果を前記表示手段に表示することにより操作者に通知することを特徴とする請求項7に記載の非接触式眼圧計である。
【0016】
請求項9に係る本発明は、音発生手段を有し、前記制御手段は前記比較手段の結果に基づいて前記音発生手段が音を発することにより操作者に通知することを特徴とする請求項7に記載の非接触式眼圧計である。
【0017】
請求項10に係る本発明は、前記気流吹付手段は角膜に吹付ける気流の強さを制御する気流制御手段を有し、該気流制御手段は前記比較手段の結果に応じて気流の強さを変えることを特徴とする請求項1に記載の非接触式眼圧計である。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は非接触式眼圧計の測定部の構成を示し、光軸L1上には被検眼Eに対向して、対物レンズ10と対物レンズ11が配置され、その中心軸上にノズル12が設けられている。ノズル12の後方には、空気室13、観察窓14、ダイクロイックミラー15、16、プリズム絞り17、結像レンズ18、撮像素子19が順次に配列されている。
【0019】
これらの対物レンズ10〜撮像素子19により被検眼Eに対する観察系及びアライメント検出系が構成されている。対物レンズ10、11の光軸に対して対称な位置には、前眼部を照明するための外眼照明光源20a、20bが配置されている。
【0020】
ダイクロイックミラー16は外眼照明光源20a、20bから発せられる波長の光を透過し、測定及びアライメントの兼用の後述するLED光源からの波長の光の一部を除き反射する特性を有している。
【0021】
プリズム絞り17は図2に示すように3つの開口部を有しており、上下の開口部には、互いに異なる左右方向に光束を偏向するためのプリズム17a、17bが設けられ、更に上下の開口部には、外眼照明光源20a、20bからの波長光を吸収し、測定及びアライメント兼用のLED光源からの波長光を透過する分光特性を有するフィルタが設けられている。
【0022】
一方、ダイクロイックミラー15の反射方向の光軸L2上には、前述の測定及びアライメント兼用のLED光源21と投影レンズ22が配置されており、測定光投影系及びアライメント指標投影系が構成されている。更に、図示は省略しているが、光軸L2上には、可視光を反射し赤外光を透過する特性を有するダイクロイックミラーが45度の角度で斜設され、その反射方向の光軸上には、被検眼Eが固視するための固視灯を被検眼Eに提示する固視灯投影系が設けられている。
【0023】
ダイクロイックミラー16の反射方向の光軸L3上には、レンズ23、ピンホール板24、光検出器25が配置されている。これらの対物レンズ10、11〜ダイクロイックミラー16、レンズ23、ピンホール板24、光検出器25により、角膜反射光量の変化を検出する角膜変形検出系が構成されている。
【0024】
空気室13内のシリンダ26には、ソレノイド27の駆動により押し上げられるピストン28が摺動自在に嵌合されている。そして、ノズル12、空気室13、ソレノイド27、ピストン28により加圧部が構成されている。また空気室13には、空気室13内の圧力をモニタするための圧力センサ29が配置されている。
【0025】
撮像素子19の出力は制御部31に接続され、制御部31には、操作部32、モニタ33、ソレノイド27、LED光源21が接続されている。更に、図1の光学系を内蔵した装置測定部は図示しないステージ部に載置され、モータ駆動により被検眼Eに対して光軸L1方向及び光軸L1に垂直な方向の3軸方向に駆動されるようになっている。
【0026】
操作者が操作部32に設けられている測定開始スイッチを押すと、外眼照明光源20a、20bからの照明光束が被検眼Eの前眼部を照明する。前眼部により反射散乱した照明光束は、対物レンズ10、11により略平行光とされ、観察窓14、ダイクロイックミラー15、16を透過した後に、プリズム絞り17の中央部の開口部を通過し、結像レンズ18によって撮像素子19上に結像される。
【0027】
制御部31は撮像素子19から得られた前眼部画像から、適当な閾値で2値化処理をして瞳孔を検出して瞳孔中心を求め、装置測定部の光軸L1と被検眼瞳孔との光軸L1に垂直なxy方向の面内での相対位置が許容範囲内にないとき、ステージを駆動して装置測定部を動かし、許容範囲内に入るように粗アライメントを行う。
【0028】
被検眼Eと装置測定部との光軸に垂直な面内での位置合わせがほぼ終わると、制御部31はLED光源21を点灯する。LED光源21からの光束は、投影レンズ22、ダイクロイックミラー15によりノズル12内で一旦結像して被検眼Eに達し、角膜Ecで反射される。角膜Ecでの反射光束は、対物レンズ10、11により集光され、観察窓14を通過した後に略50%の光束がダイクロイックミラー15を透過し、一部がダイクロイックミラー16を透過する。
【0029】
ダイクロイックミラー16を透過した光束は、プリズム絞り17の3つの開口部により3つの光束に分割され、結像レンズ18により撮像素子19上に結像する。このとき、プリズム絞り17の上下の開口部を通過した光束は、偏向プリズム17a、17bによりそれぞれ紙面奥の方向と手前の方向に偏向されるので、撮像素子19上では、LED光源21の3つに分割された角膜輝点像の位置関係は、被検眼Eと装置測定部との相対的な位置によって変化し、3つに分割された角膜輝点像の位置関係を検出することにより、被検眼Eと装置測定部との位置関係を知ることができる。
【0030】
例えば、被検眼Eと装置測定部との距離が所定距離よりも遠い場合には、撮像素子19上の紙面奥の角膜輝点像は下方に、紙面手前の角膜輝点像は上方に移動し、反対に被検眼Eと装置測定部との距離が所定距離よりも近い場合には、撮像素子19上の紙面奥の角膜輝点像は上方に、紙面手前の角膜輝点像は下方に移動する。また、被検眼Eと装置測定部との光軸に垂直な面内でのずれがある場合には、3つの角膜輝点像の重心或いは中央の角膜輝点像の位置を検出することによって、被検眼Eと装置測定部との位置関係を知ることができる。
【0031】
制御部31はステージを駆動し、求めた被検眼Eと装置測定部との位置関係が所定範囲内になるように、精密アライメントを行う。この位置合わせによって、被検眼Eと装置測定部との位置合わせが終了すると、制御部31はソレノイド27を駆動しピストン28を移動させる。すると、空気室13内の圧力が上昇し、その圧力が圧力センサ29により検出されると同時に、空気室13内の圧力上昇に伴った強さの気流がノズル12から被検眼Eの角膜Ecに吹付けられる。角膜Ecは気流の強さに応じて徐々に変形を始める。
【0032】
角膜変形検出系はパルス状に発せられた気流によって、角膜の曲率半径Rが所定の曲率半径Raとなったときに、LED光源21から発せられ角膜Ecに投影された光束が、角膜Ecで反射されることにより形成される虚像と、対物レンズ10、11、レンズ23に対して光学的に共役な位置にピンホール板24が配置され、このピンホール板24のピンホールを通過した光束のみを光検出器25によって検出するようになっている。この第1の実施の形態の非接触式眼圧計では、角膜Ecの曲率半径Rが所定の曲率半径Raに近付くにつれて光検出器25の受光量が増え、曲率半径Raが無限大においてピーク値となり、つまり角膜Ecがパルス状に発せられた圧縮空気により平面になったときのピーク値を検出している。
【0033】
従って、角膜変形検出系の光検出器25の出力信号が、ピーク値をとったときの圧力センサ29の出力信号の値を求めることにより、角膜Ecの曲率半径をRaに変形させるために必要な圧力が求められ、この値から被検眼Eの眼圧値Pを換算して求めることができる。
【0034】
図3はこの第1の実施の形態の制御動作のフローチャート図であり、ステップS1で上述の瞳孔位置検出による粗アライメント、角膜輝点検出による精密アライメント、ソレノイド27の駆動、角膜変形検出による眼圧測定を行う。
【0035】
次に、制御部31の動作はステップS2で予め設定されているn回の眼圧測定が終了しているかどうかを判断する。測定された眼圧値がP1、P2、…、Pnとn個ある場合には、ステップS3へ進む。n個未満の場合にはステップS1に戻り、再びアライメントと眼圧測定を行う。
【0036】
ここで、図4はモニタ33に表示された設定画面を示し、第1の実施の形態では図4に示したように、予め2つの値を制御部31において設定できるようになっている。図4中に示されている“UPPER LIMIT :20mmHg ON”とは、測定された眼圧値Pが20mmHgを上廻った場合の一連の測定動作を変更する上限値PHを意味している。また、“UNDER LIMIT :6mmHg OFF”とは、測定された眼圧値Pが6mmHgを下廻った場合の一連の測定動作を変更する下限値PLを意味しているが、ここでは“OFF”となっているので、この下限値は無効に設定されている。
【0037】
なお、上限値PHと下限値PLの設定値は任意の値に変更できるようになっており、またそれらを有効にするか無効にするかも、任意に設定することができる。
【0038】
ステップS3で、制御部31はN回測定されたN個の眼圧値P1、P2、…、PNのそれぞれと上限値PHとを比較し、1つでも上限値PHを上廻る眼圧値Pがあるかを判断する。上限値PHを上廻る眼圧値Pがない場合はステップS4に進む。第1の実施の形態では、下限値PLが無効に設定されているので、ステップS4を通過しステップS5へ進む。
【0039】
ステップS5では、左右眼の眼圧測定が終了しているかを判断する。左右眼の眼圧測定が終了している場合には、制御部31は測定動作を完了する。左右眼の眼圧測定が終了していない場合には、制御部31の動作はステップS6に進み、ステージを駆動し、眼圧測定を終了していない他眼の方に装置測定部を移動させる。
【0040】
左右移動が終了すると制御部31による動作はステップS1に進み、まだ測定が終了していない被検眼に対し、瞳孔位置検出による粗アライメント、角膜輝点検出による精密アライメント、ソレノイド27の駆動、角膜変形検出による眼圧測定を行う。以後、前述のステップS2〜ステップS5の順に進み、左右眼の眼圧測定が終了すると、測定動作を完了する。
【0041】
一方、ステップS3において、N回測定されたN個の眼圧値P1、P2、…、PNのそれぞれと上限値PHとを比較し、1つでも上限値PHを上廻る眼圧値Pがあると、制御部31による動作はステップS7に進む。
【0042】
ここで、図5は所定測定回数N=2のときの眼圧値やメッセージMが表示されたときのモニタ33の画面の説明図である。ステップS3で1つでも上限値PHを上廻る眼圧値Pnがあると判断されると、制御部31はモニタ33上にN個の眼圧値P1、P2、…、PNを表示すると共に、上限値PHを上廻る眼圧値Pがあったことを操作者に知らせるためと、確認の追加測定を促すためにメッセージMを表示し、連続測定動作を停止する。そして、操作部32の各操作スイッチなどへの入力待ち状態となる。
【0043】
この入力待ち状態のとき、操作者が追加の眼圧測定を必要と判断し、操作部32の測定開始スイッチを押すと、制御部31の動作はステップS9に進む。ステップS9では前述のステップS1と同様の制御が行われ、瞳孔位置検出による粗アライメント、角膜輝点検出による精密アライメント、ソレノイド27の駆動、角膜変形検出による眼圧測定を行う。
【0044】
追加の眼圧測定が終了すると、再び操作部32の各操作スイッチなどへの入力待ち状態となる。更に、前述の入力待ち状態のとき、操作者がこれ以上の追加の眼圧測定は不要と判断し、操作部32のR/L移動スイッチを押すと、制御部31の動作はステップS10に進む。
【0045】
ステップS10ではステージを駆動し、装置測定部を他眼位置に左右方向移動し、操作部32の各操作スイッチなどへの入力待ち状態となる。ここで、操作者が操作部32の測定開始スイッチを押すと、制御部31の動作はステップS1に進み、ステップS1〜ステップS5の前述の一連の測定動作を行う。
【0046】
このように第1の実施の形態のような、一連の測定動作で左右眼連続で所定回数の眼圧測定を行う非接触式眼圧計は、上限値PHと下限値PLを設定し、求めた眼圧値Pと上限値PH又は下限値PLとの大小を比較し、求めた眼圧値Pが上限値PHよりも大きい場合、又は眼圧値Pが下限値PLよりも小さい場合に、一連の連続測定動作を停止する。そして、モニタ33などの表示手段にその旨を表示して、操作者に通知して追加測定を促すことにより、左右眼測定が終了した後に、再度被検眼位置に装置測定部を移動させる必要がないので、効率良く追加測定することができる。また、操作者が確認の追加測定を忘れることも防止できる。
【0047】
なお、上述の第1の実施の形態では、求めた眼圧値Pに異常があると判断された場合に、モニタ33などの表示手段にその旨を表示し操作者に通知したが、音声やブザーなどで操作者に通知してすることもでき、同様の効果が得られる。
【0048】
更に第1の実施の形態では、予め設定された所定回数のN回の眼圧測定が終了した後に、上限値PH又は下限値PLと比較するように制御しているが、各測定毎に眼圧値Pと上限値PH又は下限値PLと比較し、眼圧値Pが異常な場合に一連の測定動作を停止し、モニタ33にメッセージMを表示して、操作者にその旨を通知するようにしてもよい。
【0049】
図6は第2の実施の形態の制御動作のフローチャート図であり、図中の各ステップを示す符号S1〜S6は、図3の同じ符号の各ステップと同様である。操作者により、図1の操作部32の測定開始スイッチが押されると、ステップS1で制御部31による瞳孔位置検出による粗アライメント、角膜輝点検出による精密アライメント、ソレノイド27の駆動、角膜変形検出による眼圧測定を行い、ステップS2で予め設定されているn回の眼圧測定が終了しているかどうかを判断する。N回の眼圧測定が終了している場合にはステップS3へ進み、N回未満の場合にはステップS1へ戻り、再びアライメントと眼圧測定を行う。
【0050】
第1の実施の形態と同様の上限値PH及び下限値PLの2つの値が予め設定できるようになっており、上限値PHと下限値PLは任意の値に変更でき、またそれらを有効にするか無効にするかも、任意に設定することができるようにされている。
【0051】
次にステップS3で、制御部31はN回測定されたN個の眼圧値P1、P2、…、PNのそれぞれと上限値PHとを比較し、1つでも上限値PHを上廻る眼圧値Pがあるかどうかを判断する。上限値PHを上廻る眼圧値Pがない場合には、ステップS4に進む。この第2の実施の形態でも、下限値PLが無効に設定されているので、ステップS4を通過しステップS5へ進む。
【0052】
ステップS5では、左右眼の眼圧測定が終了しているかを判断する。左右眼の眼圧測定が終了している場合には、制御部31は測定動作を完了する。左右眼の眼圧測定が終了していない場合にはステップS6に進み、ステージを駆動して眼圧測定を終了していない他眼の方に装置測定部を移動させる。
【0053】
左右移動が終了するとステップS1に進み、まだ測定が終了していない被検眼に対し、瞳孔位置検出による粗アライメント、角膜輝点検出による精密アライメント、ソレノイド27の駆動、角膜変形検出による眼圧測定を行う。以後、前述のステップS2〜ステップS5の順に進み、左右眼の眼圧測定が終了すると測定動作を完了する。
【0054】
ステップS3で、1つでも上限値PHを上廻る眼圧値Pがあったと判断されると、ステップS13で制御部31はモニタ33上にN個の眼圧値P1、P2、…、PNを表示すると共に、上限値PHを上廻る眼圧値Pがあったことをブザーなどを鳴らして操作者に通知し、ステップS14へ進む。
【0055】
ステップS14では、所定のN回の測定回数が終了しているが、自動的に瞳孔位置検出による粗アライメント、角膜輝点検出による精密アライメント、ソレノイド27の駆動、角膜変形検出による眼圧測定を予め設定されている追加所定回数のm回行う。自動的にm回の追加所定回数の眼圧測定が終了するとステップS5へ進み、前述の流れに従って一連の連続測定動作を行う。
【0056】
このように、第2の実施の形態のような一連の測定動作で左右眼連続で所定回数の眼圧測定を行う非接触式眼圧計は、上限値PHと下限値PLの眼圧値を設定し、求めた眼圧値Pと上限値PH又は下限値PLとの大小を比較し、求めた眼圧値Pが上限値PHよりも大きい場合に、又は眼圧値Pが下限値PLよりも小さい場合に、ブザーなどを鳴らすことによりその旨を表示し操作者に通知する。
【0057】
そして、予め設定されているm回の追加所定回数の眼圧測定を自動的に行い、まだ測定が終了していない他眼位置へ測定部を移動し、N回の所定回数の眼圧測定を行うようになっているので、効率良く追加測定することができる。また、操作者が確認の追加測定をするための操作が不要となるので、追加測定をし損なうことがない。
【0058】
なお、第2の実施の形態では、上限値PHと下限値PLを設定し、求めた眼圧値Pと上限値PH又は下限値PLとの大小を比較し、求めた眼圧値Pが上限値PHよりも大きい場合には、ソレノイド27を制御して、通常よりも強い気流を角膜Ecに吹付けるようにし、眼圧値Pが下限値PLよりも小さい場合には、ソレノイド27を制御して、通常よりも弱い気流を角膜Ecに吹付けることもできる。
【0059】
このようにして、眼圧値Pが上限値PHよりも高い被検眼Eの場合には測定精度が向上し、眼圧値Pが下限値PLよりも低い被検眼Eの場合には、必要以上の気流を被検眼Eに吹付ける必要がないので、被検者の負担を軽減できる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る非接触式眼圧計は、一連の測定動作で左右眼連続で所定回数の眼圧測定を行う場合においても、上限値と下限値の眼圧値を設定し、求めた眼圧値と上限値又は下限値との大小を比較し、求めた眼圧値が上限値よりも大きい場合又は眼圧値が下限値よりも小さい場合に、一連の連続測定動作を停止し、モニタなどの表示手段にその旨を表示し操作者に通知し、追加測定を促すことにより、左右眼測定が終了した後に再度被検眼位置に装置測定部を移動させる必要がないので、効率良く追加測定することができる。また、操作者が確認の追加測定を忘れることも防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の構成図である。
【図2】プリズム絞りの斜視図である。
【図3】第1の実施の形態の制御動作のフローチャート図である。
【図4】モニタの設定画面の説明図である。
【図5】モニタ上の眼圧値やメッセージの説明図である。
【図6】第2の実施の形態の制御動作のフローチャート図である。
【符号の説明】
10、11 対物レンズ
12 ノズル
13 空気室
15、16 ダイクロイックミラー
17 プリズム絞り
19 撮像素子
20 LED光源
20a、20b 外眼照明光源
25 光検出器
27 ソレノイド
28 ピストン
29 圧力センサ
31 制御部
32 操作部
33 モニタ

Claims (10)

  1. 被検眼角膜を変形させるために角膜に対して気流を吹付ける気流吹付手段と、角膜に測定光を投影する測定光投影手段と、角膜が気流により変形され所定の曲率半径になったときの前記測定光の角膜反射光を検出する角膜変形検出手段と、該角膜変形検出手段の検出結果を基に眼圧値を算出する演算手段とを備えた非接触式眼圧計において、所定眼圧値を設定する所定眼圧値設定手段と、前記演算手段で求めた眼圧値と前記所定眼圧値の大小を比較する比較手段と、該比較手段の結果に応じて測定動作を変更する制御手段とを有することを特徴とする非接触式眼圧計。
  2. 前記眼圧値設定手段は設定する前記所定眼圧値を任意の値に変更可能としたことを特徴とする請求項1に記載の非接触式眼圧計。
  3. 前記眼圧値設定手段は少なくとも第1の所定眼圧値と第2の所定眼圧値を設定可能としたことを特徴とする請求項1に記載の非接触式眼圧計。
  4. 前記比較手段は前記演算手段によって算出された眼圧値が前記第1の所定眼圧値よりも大きいかどうかを比較し、前記第2の所定眼圧値よりも小さいかどうかを比較することを特徴とする請求項3に記載の非接触式眼圧計。
  5. 前記制御手段は連続測定動作を停止することを特徴とする請求項1に記載の非接触式眼圧計。
  6. 前記制御手段は予め設定されている所定回数の測定を自動的に追加測定することを特徴とする請求項1に記載の非接触式眼圧計。
  7. 前記制御手段は前記比較手段の結果を操作者に通知することを特徴とする請求項1に記載の非接触式眼圧計。
  8. 表示手段を有し、前記制御手段は前記比較手段の結果を前記表示手段に表示することにより操作者に通知することを特徴とする請求項7に記載の非接触式眼圧計。
  9. 音発生手段を有し、前記制御手段は前記比較手段の結果に基づいて前記音発生手段が音を発することにより操作者に通知することを特徴とする請求項7に記載の非接触式眼圧計。
  10. 前記気流吹付手段は角膜に吹付ける気流の強さを制御する気流制御手段を有し、該気流制御手段は前記比較手段の結果に応じて気流の強さを変えることを特徴とする請求項1に記載の非接触式眼圧計。
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