JP2004097099A - トランスグルタミナーゼ生産菌 - Google Patents

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Abstract

【課題】トランスグルタミナーゼを高効率で生産し得る菌株、及び該菌株を用いたトランスグルタミナーゼの生産方法を提供する。
【解決手段】ストレプトマイセス・モバラエンシス(Streptomyces mobaraensis)由来トランスグルタミナーゼの構造遺伝子、並びに該構造遺伝子に作用するプロモーター及びターミネーターをストレプトマイセス・モバラエンシスに外来的に導入して形質転換体を得る。この形質転換体を培養してトランスグルタミナーゼを生産する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は放線菌由来のトランスグルタミナーゼを生産する菌株、及び該菌株を利用したトランスグルタミナーゼの生産方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
トランスグルタミナーゼはペプチド鎖内にあるグルタミン残基のγ−カルボキシアミド基のアシル転移反応を触媒する酵素であり、特にタンパク質中のリジン残基のε−アミノ基とタンパク質分子内及び分子間にε−(γ−Gln)−Lys架橋結合を形成する。この性質を利用して当該酵素は食品分野、医薬分野等においてタンパク質の加工に広く用いられている。
【0003】
古くからトランスグルタミナーゼは動物由来のものが知られていた。例えばモルモットの肝臓や哺乳動物の臓器、血液に広く分布していることが報告されており(Connellan,et al.,Journal of Biological Chemistry 246巻4号,1093−1098(1971)、Folk et al.,Advances in Enzymology 38巻,109−191(1973)、Folk et al.,Advances in Protein Chemystry 31巻,1−133(1977))、その酵素の特徴についても研究されている。一方、放線菌からは上記動物由来のトランスグルタミナーゼとは性質が異なる、カルシウム(Ca2+)非依存性のトランスグルタミナーゼが発見されている。具体的にはストレプトマイセス・モバラエンシス(Streptomyces mobaraensis)[旧称:ストレプトベルチシリウム・モバラエンス(Streptoverticillium mobaraense)]IFO13819(特開昭64−27271号公報)、ストレプトマイセス・グリセオカルネウス(Streptomyces griseocarneus)[旧称:ストレプトベルチシリウム・グリセオカルネウム(Streptoverticillium griseocarneum)]IFO12776、ストレプトマイセス・シナモネウス(Streptomyces cinnamoneus)[旧称:ストレプトベルチシリウム・シナモネウム(Streptoverticillium cinnamoneum)]IFO12852(特開2001−186884号公報)等からトランスグルタミナーゼが単離、同定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来トランスグルタミナーゼは自然界に存在する動物、菌類等から抽出、分離等を経て製造されていたため、供給量、供給費用等の点で改善すべき点が多くあった。一方、微生物由来のトランスグルタミナーゼについては遺伝子組換え操作を利用した生産方法の研究が精力的に行われている。しかしながら、遺伝子組換え操作を利用した最初の報告 (Biosci.Biotech.Biochem.,58,82−87(1994)、特開平5−199883号公報)によればその生産量は0.1mg/l程度であって工業的生産レベルには程遠いものであった。また、最近の報告(特開2001−186884号公報)によればある程度は生産レベルが向上しているものの、2週間の微生物培養によって40〜50mg/l程度の生産性しか示さず、十分な生産性とは言い難い。
本発明は以上の背景に鑑みなされたものであって、トランスグルタミナーゼを高効率で生産し得る菌株、及び該菌株を用いたトランスグルタミナーゼの生産方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。即ち、放線菌由来のトランスグルタミナーゼを発現させる場合において、トランスグルタミナーゼ構造遺伝子、プロモーター、ベクター、及び宿主放線菌の組合せを検討した。その結果、トランスグルタミナーゼの生産性の極めて高い形質転換体を取得することに成功し、本発明を完成するに至った。本発明は次の構成を提供する。
[1] ストレプトマイセス・モバラエンシス(Streptomyces mobaraensis)由来トランスグルタミナーゼの構造遺伝子、並びに該構造遺伝子に作用するプロモーター及びターミネーターが外来的に導入された形質転換体ストレプトマイセス・モバラエンシス。
[2] 前記プロモーターが、ストレプトマイセス・モバラエンシス由来トランスグルタミナーゼのプロモーターである、[1]に記載の形質転換体ストレプトマイセス・モバラエンシス。
[3] 前記ターミネーターが、ストレプトマイセス・モバラエンシス由来トランスグルタミナーゼのターミネーターである、[1]又は[2]に記載の形質転換体ストレプトマイセス・モバラエンシス。
[4] 前記構造遺伝子が配列番号1の配列、又は該配列の一部が改変された配列であってトランスグルタミナーゼをコードする配列を有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の形質転換体ストレプトマイセス・モバラエンシス。
[5] 外来的に導入した配列番号2の配列、又は該配列の一部が改変された配列であってトランスグルタミナーゼをコードする配列を有するDNA断片を保有する、形質転換体ストレプトマイセス・モバラエンシス。
[6] ストレプトマイセス・モバラエンシスS−8112又はその変異株の形質転換体である、[1]〜[5]のいずれかに記載の形質転換体ストレプトマイセス・モバラエンシス。
[7] ストレプトマイセス・モバラエンシス(Streptomyces mobaraensis)由来トランスグルタミナーゼの構造遺伝子、並びに該構造遺伝子に作用するプロモーター及びターミネーターが外来的に導入された形質転換体ストレプトマイセス・モバラエンシスを、前記構造遺伝子を発現可能な条件で培養する工程、及び
産生されたトランスグルタミナーゼを回収する工程、
を含んでなるトランスグルタミナーゼの生産方法。
[8] 前記プロモーターが、ストレプトマイセス・モバラエンシス由来トランスグルタミナーゼのプロモーターである、[7]に記載のトランスグルタミナーゼの生産方法。
[9] 前記ターミネーターが、ストレプトマイセス・モバラエンシス由来トランスグルタミナーゼのターミネーターである、[7]又は[8]に記載のトランスグルタミナーゼの生産方法。
[10] 前記構造遺伝子が配列番号1の配列、又は該配列の一部が改変された配列であってトランスグルタミナーゼをコードする配列を有する、[7]〜[9]のいずれかに記載のトランスグルタミナーゼの生産方法。
[11] 前記形質転換体ストレプトマイセス・モバラエンシスが、外来的に導入された配列番号2の配列、又は該配列の一部が改変された配列であってトランスグルタミナーゼをコードする配列を有するDNA断片を保有する、[7]〜[9]のいずれかに記載のトランスグルタミナーゼの生産方法。
[12] 前記形質転換体ストレプトマイセス・モバラエンシスが、ストレプトマイセス・モバラエンシスS−8112又はその変異株の形質転換体である、[7]〜[11]のいずれかに記載のトランスグルタミナーゼの生産方法。
[13] ストレプトマイセス・モバラエンシス(Streptomyces mobaraensis)由来トランスグルタミナーゼの構造遺伝子、並びに該構造遺伝子に作用するプロモーター及びターミネーターが外来的に導入された形質転換体ストレプトマイセス・リビダンス。
[14] 前記プロモーターが、ストレプトマイセス・モバラエンシス由来トランスグルタミナーゼのプロモーターである、[13]に記載の形質転換体ストレプトマイセス・リビダンス。
[15] 前記ターミネーターが、ストレプトマイセス・モバラエンシス由来トランスグルタミナーゼのターミネーターである、[13]又は[14]に記載の形質転換体ストレプトマイセス・リビダンス。
[16] 前記構造遺伝子が配列番号1の配列、又は該配列の一部が改変された配列であってトランスグルタミナーゼをコードする配列を有する、[13]〜[15]のいずれかに記載の形質転換体ストレプトマイセス・リビダンス。
[17] 外来的に導入された配列番号2の配列、又は該配列の一部が改変された配列であってトランスグルタミナーゼをコードする配列を有するDNA断片を保有する、形質転換体ストレプトマイセス・リビダンス。
[18] ストレプトマイセス・リビダンス3131又はその変異株の形質転換体である、[13]〜[17]のいずれかに記載の形質転換体ストレプトマイセス・リビダンス。
[19] ストレプトマイセス・モバラエンシス(Streptomyces mobaraensis)由来トランスグルタミナーゼの構造遺伝子、並びに該構造遺伝子に作用するプロモーター及びターミネーターが外来的に導入された形質転換体ストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)を、前記構造遺伝子を発現可能な条件で培養する工程、及び
産生されたトランスグルタミナーゼを回収する工程、
を含んでなるトランスグルタミナーゼの生産方法。
[20] 前記プロモーターが、ストレプトマイセス・モバラエンシス由来トランスグルタミナーゼのプロモーターである、[19]に記載のトランスグルタミナーゼの生産方法。
[21] 前記ターミネーターが、ストレプトマイセス・モバラエンシス由来トランスグルタミナーゼのターミネーターである、[19]又は[20]に記載のトランスグルタミナーゼの生産方法。
[22] 前記構造遺伝子が配列番号1の配列、又は該配列の一部が改変された配列であってトランスグルタミナーゼをコードする配列を有する、[19]〜[21]のいずれかに記載のトランスグルタミナーゼの生産方法。
[23] 前記形質転換体ストレプトマイセス・リビダンスが、外来的に導入された配列番号2の配列、又は該配列の一部が改変された配列であってトランスグルタミナーゼをコードする配列を有するDNA断片を保有する、[19]〜[21]のいずれかに記載のトランスグルタミナーゼの生産方法。
[24] 前記形質転換体ストレプトマイセス・リビダンスが、ストレプトマイセス・リビダンス3131又はその変異株の形質転換体である、[19]〜[23]のいずれかに記載のトランスグルタミナーゼの生産方法。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を詳細に説明する。
本発明では、ストレプトマイセス・モバラエンシス(Streptomyces mobaraensis)由来トランスグルタミナーゼの構造遺伝子、並びに該構造遺伝子に作用するプロモーター及びターミネーターが外来的に導入された形質転換体である放線菌(ストレプトマイセス・モバラエンシス又はストレプトマイセス・リビダンス)が提供される。
ここでのトランスグルタミナーゼの構造遺伝子は、ストレプトマイセス・モバラエンシス由来である限りその種類は特に限定されない。例えばストレプトマイセス・モバラエンシスS−8112が保有するトランスグルタミナーゼの構造遺伝子を用いることができる。構造遺伝子の具体例としては配列番号1の塩基配列からなるDNAを挙げることができる。尚、ストレプトマイセス・モバラエンシスS−8112は受託番号FERM P−18980で以下の国際機関に寄託されている。
国際寄託機関
名称:独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター
住所:〒305−8566 日本国茨城県つくば市東1丁目1番3号 中央第6
寄託日:平成14年(2002年)8月20日
【0007】
トランスグルタミナーゼの構造遺伝子は例えば次のようにして取得することができる。即ち、ストレプトマイセス・モバラエンシスの染色体DNAライブラリーを構築し、このライブラリーをトランスグルタミナーゼの構造遺伝子に特異的なプローブを用いてスクリーニングする。そして、選択されたクローンから制限酵素処理によって挿入されたDNA断片を取得する。尚、PCR法等を利用した公知の合成方法によってもトランスグルタミナーゼの構造遺伝子を調製することができる。
【0008】
配列番号1に記載されるDNAの一部が改変されたDNA(以下、「改変DNA」ともいう)であっても、それがコードするタンパク質がトランスグルタミナーゼ活性を有する限り本発明における構造遺伝子として利用できる。尚、ここでのトランスグルタミナーゼ活性の程度はできるだけ高い方が好ましい。例えば、配列番号1の配列からなるDNAがコードするタンパク質のトランスグルタミナーゼ活性と同等であることが好ましい。
【0009】
改変DNAの具体例としては、配列番号1の配列を有するDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつトランスグルタミナーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNAを挙げることができる。尚、ここでいう「ストリンジェントな条件」とはいわゆる特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいう。例えば、ハイブリダイゼーション液(50%ホルムアルデヒド、10×SSC(0.15M NaCl, 15mM sodium citrate, pH 7.0)、5×Denhardt溶液、1% SDS、10% デキストラン硫酸、10μg/mlの変性サケ精子DNA、50mMリン酸バッファー(pH7.5))を用いて42℃でインキュベーションし、その後0.1×SSC、0.1% SDSを用いて68℃で洗浄する条件である。更に好ましいストリンジェントな条件としては、ハイブリダイゼーション液として50%ホルムアルデヒド、5×SSC(0.15M NaCl, 15mM sodium citrate, pH 7.0)、1×Denhardt溶液、1%SDS、10%デキストラン硫酸、10μg/mlの変性サケ精子DNA、50mMリン酸バッファー(pH7.5))を用いる条件を例示することができる。
【0010】
改変DNAの他の例として、配列番号1に示される塩基配列において1若しくは複数の塩基の置換、欠失、挿入、付加、又は逆位を含む塩基配列からなり、かつトランスグルタミナーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNAを挙げることができる。塩基置換などの変異は複数の部位に生じていてもよい。ここでの「複数」とは変異の対象となる塩基がコードするアミノ酸の種類や位置などによっても異なるが、2〜40個、好ましくは2〜20個、より好ましくは2〜10個である。尚、このような改変には5’末端、3’末端、又はその他の部位への制限酵素切断配列の導入や、シグナルペプチドをコードする配列の付加などが含まれる。
【0011】
以上のような改変DNAは、例えば部位特異的変異法を用いて、特定の部位のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入、付加、又は逆位を含むように配列番号1の配列を有するDNAを遺伝子工学的に改変することによって得られる。また、トランスグルタミナーゼ遺伝子を保有するストレプトマイセス・モバラエンシスを紫外線で処理し、その後改変されたトランスグルタミナーゼの構造遺伝子を単離することなど、公知の変異処理を利用した方法によっても取得することができる。
尚、上記のような塩基の置換、欠失、挿入、付加、又は逆位等の変異にはストレプトマイセス・モバラエンシスの個体差に基づく場合等、天然に生じる変異も含まれる。
【0012】
例えば、天然に存在するストレプトマイセス・モバラエンシスがこのような改変DNAを有する場合には、当該菌株からゲノム(染色体)DNAを抽出し、これを適当な制限酵素で処理した後に、配列番号1のDNA又はその一部をプローブとしたスクリーニングにおいてストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNAを選択、単離することによって改変DNAを得ることができる。
【0013】
プロモーターは上記の構造遺伝子に作用するものが採用される。好ましくは、ストレプトマイセス・モバラエンシス由来トランスグルタミナーゼのプロモーターを採用する。更に好ましくは、使用される構造遺伝子と由来が同一のプロモーターを採用する。例えば、上記のようにしてストレプトマイセス・モバラエンシスからトランスグルタミナーゼの構造遺伝子を取得する際に、当該構造遺伝子に加えてそのプロモーター領域も含むDNA断片を取得し、このDNA断片を本発明における構造遺伝子及びプロモーターとして用いることができる。
【0014】
ターミネーターについても上記の構造遺伝子に作用するものが採用される。好ましくは、ストレプトマイセス・モバラエンシス由来トランスグルタミナーゼのプロモーターを採用する。更に好ましくは、使用される構造遺伝子と由来が同一のターミネーターを利用する。例えば、上記のようにしてストレプトマイセス・モバラエンシスのトランスグルタミナーゼの構造遺伝子を取得する際に、当該構造遺伝子に加えてそのターミネーター領域も含むDNA断片を取得し、このDNA断片を本発明における構造遺伝子及びプロモーターとして用いることができる。
【0015】
ここでプロモーター、構造遺伝子、及びターミネーターの全てが同一のストレプトマイセス・モバラエンシスに由来することが特に好ましい。このような態様の例としては、配列番号2の配列を有するDNA断片を含む宿主ストレプトマイセス・モバラエンシスを用いる場合を挙げることができる。このようなDNA断片は、例えば上記のようにしてストレプトマイセス・モバラエンシスからトランスグルタミナーゼの構造遺伝子を取得する際に、当該構造遺伝子に加えてそのプロモーター及びターミネーター領域も含むようにして調製することができる。
ここで、配列番号2の配列からなるDNAの一部が改変されたDNA(改変DNA)であっても、それがコードするタンパク質がトランスグルタミナーゼ活性を有する限り同様に利用することができる。尚、ここでのトランスグルタミナーゼ活性の程度はできるだけ高い方が好ましい。例えば、配列番号2の配列からなるDNAがコードするタンパク質のトランスグルタミナーゼ活性と同等であることが好ましい。
【0016】
上記の配列番号1のDNAの場合と同様に、ここでの改変DNAの具体例としては配列番号2の配列を有するDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつトランスグルタミナーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNAや、配列番号2に示される塩基配列において1若しくは複数の塩基の置換、欠失、挿入、付加、又は逆位を含む塩基配列からなり、かつトランスグルタミナーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNAを挙げることができる。その他、改変の許容される範囲、改変DNAの調製方法などについても配列番号1のDNAの場合と同様である。
【0017】
上記の構造遺伝子、プロモーター、ターミネーターが外来的に導入された形質転換体である放線菌(ストレプトマイセス・モバラエンシス又はストレプトマイセス・リビダンス)は、当該構造遺伝子等を含有した発現ベクターで宿主放線菌(ストレプトマイセス・モバラエンシス又はストレプトマイセス・リビダンス)を形質転換することによって作製される。
形質転換に供されるストレプトマイセス・モバラエンシスとしては、例えばストレプトマイセス・モバラエンシスS−8112(受託番号FERM P−18980)又はその変異株を用いることができる。他方、ストレプトマイセス・リビダンスとしては、例えばストレプトマイセス・リビダンス3131(ATCC 35287)又はその変異株を用いることができる。変異株の作製には例えば紫外線照射等の公知の方法を用いることができる。
【0018】
発現ベクターの構築には放線菌の形質転換に使用可能な市販のベクターなど、公知のベクターを利用することができる。例えば、pUC19、pBR322、pBluescriptなどの大腸菌を宿主とするプラスミドと、ストレプトマイセス・リビダンス3131が保有するプラスミドpIJ702などの放線菌を宿主とするプラスミドとを組み合わせて発現ベクターを構築することができる。発現プラスミドの具体例を以下に示す。まず、pUC19とpIJ702を用いて大腸菌の複製開始点及び放線菌の複製開始点を併せ持つシャトルベクターを構築する。一方で、ストレプトマイセス・モバラエンシスからトランスグルタミナーゼのプロモーター、構造遺伝子、及びターミネーターを含むDNA断片を単離し、pUC19の適当な制限酵素サイトに挿入する。次に、このプラスミドにpIJ702及び上記のシャトルベクターを用いてtsr(チオストレプトン耐性)遺伝子を挿入し、大腸菌の複製開始点、Amp(アンピシリン耐性)遺伝子、放線菌の複製開始点、及びtsr(チオストレプトン耐性)遺伝子、並びにトランスグルタミナーゼのプロモーター、構造遺伝子、及びターミネーターを含む発現ベクターを得る。
ベクターを構築する際の制限酵素処理、DNA断片の挿入等は常法により行うことができる。
尚、このようなストレプトマイセス・モバラエンシス由来トランスグルタミナーゼの構造遺伝子、並びに当該構造遺伝子に作用するプロモーター及びターミネーターを含む発現ベクターは、ストレプトマイセス・リビダンス及びストレプトマイセス・モバラエンシス以外のストレプトマイセス属に属する微生物の形質転換にも利用できる。
【0019】
以上のようにして構築した発現ベクターを用いた放線菌(ストレプトマイセス・モバラエンシス又はストレプトマイセス・リビダンス)の形質転換は、プロトプラスト化した宿主放線菌に発現ベクターを導入する方法で行うことができる。このような形質転換を、宿主である放線菌が生育可能な条件下で行うことが好ましい。本発明者らが検討したところでは、このような方法によれば形質転換効率が顕著に上昇した。その他の条件、操作方法などは常法(例えばTurnerら方法(Gene, 36, 321−331(1985))において採用されるものを適宜選択して用いることができる。ここでの「宿主である放線菌が生育可能な条件」とは、放線菌の生育に必要とされる栄養素が反応液中に含有された条件をいい、具体的には例えば肉エキス、イーストエキス、及び/又はペプトン(ポリペプトン、トリプトンペプトン、カゼインペプトンなどを含む)が反応液中に含有された条件をいう。より高い形質転換効率を得るために、宿主のプロトプラスト化工程、及びプロトプラスト化した宿主へのベクターの導入工程の両者をこのような条件下で行うことがさらに好ましい。
形質転換体の選択は発現ベクターに予め組み込んだtsr遺伝子などの選択マーカーを利用して行うことができる。
【0020】
選択された形質転換体、即ちストレプトマイセス・モバラエンシス由来トランスグルタミナーゼの構造遺伝子、プロモーター、及びターミネーターが外来的に導入された宿主放線菌(ストレプトマイセス・モバラエンシス又はストレプトマイセス・リビダンス)を、トランスグルタミナーゼの構造遺伝子を発現可能な条件で培養することによりトランスグルタミナーゼを産生させることができる。形質転換体の培養用の培地は炭素源、窒素源、及び必要に応じて無機塩化物(無機イオン)を含むものを用いることができる。形質転換体の生育を促進するために、ビタミン、アミノ酸などを添加した培地を用いることもできる。炭素原としては例えばグルコース、デンプン、デキストリン等を採用でき、窒素原としては例えばポリペプトン、イーストエキス、肉エキス等を採用でき、無機塩化物としてはリン酸二カリウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等を採用できる。
【0021】
形質転換体を培養する際の培養温度は例えば15℃〜37℃の範囲であり、好ましくは25℃〜35℃の範囲である。また、培地のpHは例えば5.0〜8.0、好ましくは6.0〜7.5に調整される。
【0022】
形質転換体を所望時間培養した後の培養液又は菌体よりトランスグルタミナーゼを回収することができる。培養液から回収する場合には、例えば培養上清をろ過、遠心処理して不溶物を除去した後、硫安沈殿等の塩析、透析、各種クロマトグラフィーなどを組み合わせて分離、精製を行うことによりトランスグルタミナーゼを取得することができる。他方、菌体内から回収する場合には、例えば菌体を加圧処理、超音波処理などによって破砕した後、上記と同様に分離、精製を行うことによりトランスグルタミナーゼを取得することができる。尚、ろ過、遠心処理などによって予め培養液から菌体を回収した後、上記一連の工程(菌体の破砕、分離、精製)を行ってもよい。
【0023】
【実施例】
本実施例では、特に記載しない限り制限酵素およびその他の遺伝子操作用酵素として宝酒造株式会社または東洋紡績株式会社の製品を用いた。尚、酵素の反応条件等は添付の取り扱い説明書に従った。
【0024】
[実施例1] 放線菌用ベクターpIJ702の取得
プラスミドpIJ702を保有するストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyceslividans)3131(ATCC 35287)を以下の培地条件で30℃、2日間培養した。
YEME 培地    0.5% グリシン    50 μ g/ml チオストレプトン
イースト・エキス  3g
ペプトン          5g
マルト・エキス    3g
塩化マグネシウム  1g
グルコース        10g
サッカロース      340g
グリシン          5g
50mg/ml チオストレプトン溶液(シグマ:ジメチルスルホキシド溶液)1ml/ L (pH7.0)
【0025】
培養後の培地200mlを遠心分離(12,000g、4℃、10分間)し、得られた菌体を50mM Tris−HCl(pH8.0)、10mM EDTA、25% Sucrose(以下、「TE−Sucrose」という)10mlに懸濁した。次に30mg/mlのリゾチーム(シグマアルドリッチジャパン社製)を含むTE−Sucrose 2ml及び0.25mM EDTA 4mlを加え、これを37℃で30分間インキュベートした。インキュベート後20% SDS 2mlを加え、さらに5M NaCl 5mlを加えて穏やかに攪拌した後、0℃で1晩インキュベートした。
【0026】
次に遠心分離(100,000g、4℃、40分間)により得られた上清に30% ポリエチレングリコール6000を終濃度10%になるように加え、0℃で4.5時間インキュベートした。その後、遠心分離(900g、4℃、5分間)し、沈殿を10mM Tris−HCl(pH8.0)、1mM EDTA、50mM NaCl に溶解した。そして塩化セシウム16.8g及び10mg/mlの濃度にエチジウムブロマイドを10mM Tris−HCl(pH8.0)、1mM EDTA(以下、「TE」という)に溶かして調整した溶液1.2mlを加え、遠心分離(1,300g、室温、15分間)により残さを取り除いた後、再び遠心分離(230,000g、20℃、12時間)を行った。遠心後、紫外線照射下でプラスミドDNA層を得た。次にTEで飽和したブタノールによる抽出を行ってエチジウムブロマイドを除いた。この抽出を3回繰り返して行った。得られたプラスミドDNA溶液はTEを透析外液として4℃で1晩の透析に供した。その後、TE飽和フェノールで1回、クロロホルム・イソアミルアルコールで2回抽出処理を行った。次に、1/10容量の3M 酢酸ナトリウム(pH5.2)溶液と2倍容量のエタノールを加え、−80℃に30分間静置した。その後、遠心分離(12,000g、4℃、15分間)により沈殿を回収し、沈殿を70% エタノールで洗浄し、乾燥させた。これをTE 200μlに溶かした。以上の操作によって最終的に得られたDNA量は約10μgであった。
【0027】
[実施例2] pIJ702を保有するストレプトマイセス・リビダンス3131(ATCC 35287)からのチオストレプトン感受性株の取得
pIJ702を保有するストレプトマイセス・リビダンス3131(ATCC 35287)をYEME培地で30℃、7日間培養した。次に、培養液をYEME培地で10〜10倍に希釈し、それぞれの希釈液を100μlずつYEME寒天培地(YEMEに1.5%寒天を加えたプレート寒天培地)5枚にまき、30℃で1週間培養した。培養後RepliPlateTM Colony Transfer Pad(宝酒造株式会社製)を用い、200μg/ml チオストレプトンを含むYEME培地にレプリカし、30℃で1週間培養した。そしてプラスミドpIJ702を脱落してチオストレプトン感受性となった株を選択し、これをストレプトマイセス・リビダンス3131−TSとした。これを後の形質転換の宿主として用いた。
【0028】
[実施例3] シャトルベクターpSV1の取得
シャトルベクターpSV1を図1に示す方法で構築した。まず、大腸菌用ベクターpUC19(宝酒造株式会社製)を制限酵素BamHIで消化したDNA断片と、放線菌用ベクターpIJ702をBclI(宝酒造株式会社製)で消化して得られるtsrを含むDNA断片を用意し、これらをDNA Ligation Kit(宝酒造株式会社製)を用いて連結することによりpUCTSRを作製した。次にpUCTSRをKpnI、ClaI(宝酒造株式会社製)で消化して得られるDNA断片(長断片)と、pIJ702をKpnI、ClaI(宝酒造株式会社製)で消化して得られるDNA断片(短断片)を用意し、これらをDNA Ligation Kit(宝酒造株式会社製)を用いて連結した後、大腸菌DH5株(東洋紡株式会社)に形質転換した。こうして得られた形質転換体が持つpUC19断片とpIJ702断片が連結したプラスミドをシャトルベクターpSV1とし、後の操作に用いた。
【0029】
[実施例4] トランスグルタミナーゼ分泌発現プラスミドpUJ51BDの作製
トランスグルタミナーゼ遺伝子を保有する分泌発現プラスミドpUJ51BDを図2に示す方法で構築した。まず、ストレプトマイセス モバラエンシスS−8112(受託番号FIRM P−18980)から単離されたトランスグルタミナーゼ(以下、「BTG」ともいう)遺伝子BamHI断片を含むファージDNA(λBTG、特開平5−199883号公報)から約6.6kbのBglII−BamHI断片を切り出してpUC19のBamHIサイトに挿入したプラスミドpBTG−BBを作製した。pBTG−BBから3’の不要な領域をKilo−Sequence用 Delition Kit(宝酒造株式会社製)を用いて欠失させ、約3.9kbのBTG遺伝子を含むプラスミドpU51Bを作製した。次にpU51BのPstIサイトに放線菌用ベクターpIJ702のPstI消化DNA断片を挿入したプラスミドpUJ51Bを作製した。pUJ51BからXbaI−ClaI断片を切り出し、実施例3で得た大腸菌−放線菌シャトルベクターpSV1のXbaI−ClaI断片と置換することでpIJ702由来のmel(チロシナーゼ)遺伝子を除去したBTG分泌発現プラスミドpUJ51BDを構築した。
【0030】
[実施例5] プロモーター領域の塩基配列解析
BTGの構造遺伝子の配列(配列番号1)から塩基配列解析用の合成プライマーBB−23[インヴィトロジェン(株)]5’−ACACCGCACTCATAGTGGCG−3’(配列番号3)を合成した。プロモーター領域の3’側からプライマーBB−23を用いて、5’側からM13−RV(宝酒造株式会社製)を用いてプラスミドpBTG−BBの塩基配列を解析した。得られた塩基配列解析の結果から更に合成プライマーBB−19 5’−TCCGTGCGAGTGGAAGAACG−3’(配列番号4)、SP6−20 5’−GACGGCCTCCGAATAAC−3’(配列番号5)を合成し、これらを用いたプライマーウォーキングによりプロモーター領域約700bpの全塩基配列を決定した(図3)。同様に、合成プライマーSP6−32 5’−ATGTCGAGGGACAGGAAC−3’(配列番号6)とSP6−36 5’−CACCACGAAAGTCGCTAC−3’(配列番号7)を用いたプライマーウォーキングにより約500bpのターミネータ領域の塩基配列を決定した。その結果、プロモーター領域、構造遺伝子、及びターミネータ領域からなる塩基配列(配列番号2)が同定された(図4、図5)。尚、Sequence反応はBigDyeTM Terminator Cycle Sequencing FS Ready Kit(アプライド・バイオシステムズ)を用い、解析はABI PRISM 310シークエンサー(アプライド・バイオシステムズ)を使用した。
【0031】
[実施例6] ストレプトマイセス・リビダンス3131−TS プロトプラストの調製
実施例2で取得したストレプトマイセス・リビダンス3131−TSをYEME培地(0.5%グリシン)で30℃、2日間培養した。培養後の培地200mlを遠心分離(1,300g、室温、10分間)し、得られた菌体を0.35Mサッカロース溶液72mlに懸濁した。次に、この懸濁液を遠心分離(1,300g、室温、10分間)し、菌体を1mg/mlのリゾチーム(シグマアルドリッチジャパン社)を含むP緩衝液60mlに再懸濁し、これを30℃、2.5時間インキュベートした。インキュベート後の懸濁液を脱脂綿でろ過して残さを取り除いた。次に得られたろ液を遠心分離(1,300g、室温、10分間)し、沈渣をP緩衝液25mlで洗浄した。この洗浄を2回繰り返した後、沈殿をP緩衝液1mlに懸濁し、これをプロトプラスト懸濁液とした。
緩衝液
TES[N−Tris(hydroxymethl)methyl−2−aminoethane sulphonic acid]  5.73g
サッカロース       103g
塩化マグネシウム     2.03g
硫酸カリウム       0.5g
塩化カルシウム      3.68g
Trace element solution  2ml/L (pH7.4)
尚、1%リン酸一カリウム溶液を別に調製し、これを使用直前に100mlP緩衝液当たり1ml加えた。
Trace element solution
塩化亜鉛         40mg
塩化第二鉄        200mg
塩化第二銅        10mg
塩化マンガン       10mg
四硼酸ナトリウム     10mg
モリブデン酸アンモニウム 10mg/L
【0032】
[実施例7] ストレプトマイセス・リビダンス3131−TS の形質転換
以下の各溶液を混合し、全量140μlとした。
BTG分泌発現プラスミドpUJ51DのDNA溶液         20μl
ストレプトマイセス・リビダンス 3131−TS プロトプラスト 100μl
0.35M サッカロース溶液                 20μl
次に、20%ポリエチレングリコール1000を含むP緩衝液を1.5ml加えピペッティングにより穏やかに混合し室温で2分間静置した。この混合液を遠心分離(1,700g、室温、10分間)し、沈殿を集めた。沈殿として得られたプロトプラストをP緩衝液で2回繰り返し洗浄した。ペレットを1mlのP緩衝液に再懸濁した後に、200μlずつR−2培地に塗布した。
一方、以下に示したR−2/A及びR−2/Bを別調製した。
R−2/A
硫酸カリウム      0.5g
塩化マグネシウム    20.2g
塩化カルシウム     5.9g
グルコース       20.0g
プロリン        6.0g
カザミノ酸       0.2g
Trace element solution 4.0ml
寒天          44.0g/L
【0033】
R−2/B
TES         11.5g
イースト・エキス  10.0g
サッカロース     203g/L(pH7.4)
プレート培地作製時にR−2/A、R−2/Bを混合し、更に1% KHPOを最終容量200mlあたり1mlの割合で混合した。これらを30℃で18時間インキュベートした。その後、200μg/mlチオストレプトン及び400μg/mlチロシンを含むP緩衝液1mlを加え、プレートの表面を覆った。更に7日間プレートを30℃でインキュベートしチオストレプトン耐性を獲得した形質転換体(ABL−1)を得た。
【0034】
[実施例8] ストレプトマイセス・モバラエンシス(Streptomyces mobaraensis)のプロトプラストの調製
前培養としてストレプトマイセス・モバラエンシスS−8112をYEME培地+1% グルコース+25mM 塩化マグネシウム(pH7.0)で27℃、3日間培養した。次に、YEME培地+1% グルコース+4mM 塩化マグネシウム+1% グリシン(pH7.0)に前培養後の培養液を0.5%接種した後、27℃で3日間培養した。培養後の培地を遠心分離(3,000g、4℃、10分間)し、得られた菌体の湿重量を測定した。湿菌体0.6gに対し10mlの0.3Mサッカロース溶液で洗浄操作後、再び遠心分離(3,000g、4℃、10分間)し、菌体を0.4mg/mlのリゾチーム(日本ロッシュ株式会社製)と0.1mg/mlのアクロモペプチダーゼ(和光純薬工業株式会社製)を含むBS−L緩衝液4mlに懸濁して30℃、30分間穏やかに攪拌した。次に氷中でBS−P緩衝液5mlを加え、BS−P緩衝液3mlで洗浄しながら脱脂綿を用いてろ過した。得られた懸濁液を遠心分離(1,500g、4℃、5分間)し、BS−P緩衝液10mlで再懸濁後、再び遠心分離(1,500g、4℃、5分間)した。得られた沈殿をBS−P緩衝液0.5mlで再懸濁した溶液をプロトプラスト懸濁液として後述の形質転換に使用した。
【0035】
BS−L 緩衝液
10%肉エキス     10ml
イーストエキス     1g
ペプトン        2g
グルコース       10g
サッカロース    171.15g
塩化カルシウム    0.277g
塩化マグネシウム   0.508g/L(pH7.0)
【0036】
BS−P 緩衝液
10%肉エキス     10ml
イーストエキス     1g
ペプトン        2g
グルコース       10g
サッカロース    171.15g
塩化カルシウム    2.77g
塩化マグネシウム   2.03g/L(pH7.0)
【0037】
[実施例9] ストレプトマイセス・モバラエンシスの形質転換
実施例8で得られたプロトプラスト懸濁液(プロトプラスト濃度1x10/ml)を100μlと実施例4で得られたBTG分泌発現プラスミドpUJ51D 1μgを含む2M サッカロース溶液10μlを混合した後、直ちに氷中に10秒間静置し、続いて25%ポリエチレングリコール1000(シグマアルドリッチジャパン社製)を含むP緩衝液0.5mlを加えた後、直ちに氷中に1分間静置し、続いてBS−P緩衝液を2ml加えた後、直ちに遠心分離(1,500g、4℃、10分間)した。得られた沈殿をBS−P緩衝液0.5mlで懸濁し、0.1mlずつSBS寒天培地に分注し、SBS軟寒天培地3mlを用いて攪拌しながら重層した。ふたを開けて正確に2時間乾燥した後、27℃で正確に24時間培養した。更に200μg/ml チオストレプトンを含むSBS軟寒天培地3mlを重層して27℃で培養した。以上の操作の結果得られた形質転換体をABM−1とした。
【0038】
SBS 寒天培地 (pH7.0)
肉エキス       10g
イーストエキス    7.5g
トリプトンペプトン   1g
グルコース       10g
サッカロース    308.07g
寒天          25g/L(pH7.0)
SBS 軟寒天培地 (pH7.0)
肉エキス         10g
イーストエキス      7.5g
トリプトンペプトン     1g
グルコース         10g
サッカロース      308.07g
シープラークアガロース   25g/L(pH7.0)
【0039】
[実施例10] BTG遺伝子を組み込んだ形質転換体の培養
実施例7で得られた形質転換体ABL−1、及び実施例9で得られた形質転換体ABM−1をそれぞれ以下の培地条件で30℃、7日間培養した。
ポリペプトン         20g
可溶性デンプン        20g
イーストエキス        2g
リン酸二カリウム       2g
硫酸マグネシウム       1g
アデカノールLG126      0.5g
50mg/ml チオストレプトン溶液 0.5ml/L(pH7.0)
上記条件下で培養した後の培地を遠心分離(12,000g、4℃、10分間)し、得られた上清を以下のELISA法に供した。
【0040】
[実施例11] BTG生産量の定量(ELISA法)
ストレプトマイセス・モバラエンシスS−8112の培養上清からBlue Sepharose CL−6B(Pharmacia)を用いたアフィニティークロマトグラフィーにより得た精製BTGを抗原としてウサギを免疫することにより作製された抗BTG抗体を用いたELISA法によって、実施例10で得られた培養上清中のBTG量を定量した。
まず、96穴マイクロプレートの各ウェルにPBS緩衝液で希釈した抗BTG抗体溶液を100μlずつ分注し、37℃、1時間インキュベートして抗体をプレートに固定化した。抗体溶液を除いた後、0.1% Tween20を含むブロックエース(大日本製薬株式会社製)の10倍希釈液(以下、「洗浄液」という)200μlを用いて各ウェルを洗浄した。洗浄操作は続けて3回行った。次にブロックエース4倍希釈液200μlを各ウェルに分注し、37℃、1時間インキュベートしてブロッキングを行った。ブロックエース4倍希釈液を除去した後、各ウェルを洗浄液で3回洗浄した。次に測定サンプルである培養上清(ABL−1又はABM−1の培養上清)をブロックエースの10倍希釈液で適宜希釈し、希釈液を各ウェルに50μlずつ分注し、37℃、1時間インキュベートした。尚、スタンダードとしては、精製BTGをブロックエースの10倍希釈液でそれぞれ異なる濃度に調製したものを用意し、測定サンプルと同様にブロッキング処理後のウェルに添加した。
各ウェルからサンプル溶液を除去した後、各ウェルを洗浄液で3回洗浄した。次に抗BTG抗体 Fab’断片にホースラディッシュパーオキシダーゼ(HRP)を架橋させたFab’−HRPを含むブロックエース10倍希釈液100μlを各ウェルに分注し、37℃、1時間インキュベートした。その後、Fab’−HRP溶液を除いた後、各ウェルを洗浄液で3回洗浄した。次に0.04%オルトフェニレンジアミン(o−PDA)、0.42%過酸化水素液を含む50mMクエン酸ナトリウム溶液(pH4.5)を各ウェルに150μlずつ分注し、37℃でインキュベートすることによりo−PDAと過酸化水素をHRPで反応させて発色させた。反応開始から正確に20分後に、反応の停止液として3M硫酸溶液を各ウェルに50μlずつ分注した後、各ウェルの波長492nmにおける吸光度を測定した。そして、スタンダードの吸光度から求めた標準曲線を用いて各培養上清ABL−1又はABM−1)中のBTG量を求めた。各培養上清あたりのBTG量を図6の表に示す。この表に示されるようにABL−1では0.7g/L、ABM−1では0.5g/LものBTGが生産された。既報の生産性(40mg/L〜50mg/L)と比較すれば、ABL−1では10倍以上、ABM−1では約10倍の生産性が得られたこととなり、極めて高い効率でBTGの生産を行えることが確認された。
【0041】
PBS 緩衝液
塩化ナトリウム    8.0g
リン酸二ナトリウム  1.1g
塩化カリウム     0.2g
リン酸一カリウム   0.2g/L(pH7.4)
【0042】
[実施例12] SDS−PAGE
形質転換体ABL−1及び形質転換体ABM−1の培養上清をそれぞれ電気泳動用2xSDS緩衝液と1:1の割合で混合し、SDS−PAGE用サンプルとした。尚、対照(コントロール)として、ストレプトマイセス・リビダンス3131−TSの培養上清、精製BTGをバッファで希釈したもの、ストレプトマイセス・モバラエンシスS−8112の培養上清を用意した。各サンプルを12.5%ゲルを用いたSDS−PAGEに供した。SDS−PAGEにはファルマシア・バイオテクのファストシステムを用い、染色は銀染色とした。染色後のゲルの写真を図7に示す。図7においてレーン1、2、3、4、及び5はそれぞれストレプトマイセス・リビダンス(S. lividans)3131−TS培養上清、ABL−1の培養上清、精製BTG、ストレプトマイセス・モバラエンシス(S. mobaraensis)S−8112の培養上清、及びABM−1の培養上清をアプライしたレーンである。また、レーンMは分子量マーカー(Pharmacia)をアプライしたレーンである。
図4に示されるように、ABL−1(レーン2)及びABM−1(レーン5)では精製BTG(レーン3)とほぼ同じ位置にはっきりとしたバンドが観察され、BTGが高濃度で含有されていることが判る。一方、ストレプトマイセス・リビダンス(S. lividans)3131−TSの培養上清(レーン1)及びストレプトマイセス・モバラエンシス(S. mobaraensis)S−8112の培養上清(レーン4)では精製BTGと認められるバンドは観察されない。このことから、ABL−1及びABM−1では特異的にBTGの産生が行われていることが判る。
2xSDS 緩衝液
トリス塩酸塩       2.42g
EDTA           0.744g
SDS             50g
β−メルカプトエタノール   100ml/L(pH8.0)
【0043】
本発明は、上記発明の実施の形態の説明に何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
【0044】
【発明の効果】
本発明によりトランスグルタミナーゼの生産性が極めて高い放線菌が提供される。当該放線菌を用いることによりトランスグルタミナーゼの効率的な生産を行うことができる。
【0045】
以下、次の事項を開示する。
(1) ストレプトマイセス・モバラエンシス(Streptomyces mobaraensis)由来トランスグルタミナーゼの構造遺伝子、並びに該構造遺伝子に作用するプロモーター及びターミネーターを含有するベクターで宿主ストレプトマイセス・モバラエンシスを形質転換する工程、
前記構造遺伝子を発現可能な条件で形質転換体を培養する工程、及び
産生されたトランスグルタミナーゼを回収する工程、
を含んでなるトランスグルタミナーゼの生産方法。
(2) 前記形質転換する工程が、前記宿主ストレプトマイセス・モバラエンシスが生育可能な条件で行われる(1)に記載のトランスグルタミナーゼの生産方法。
(3) 前記ベクターがプラスミドpIJ702を改変したプラスミドからなる、(1)又は(2)に記載のトランスグルタミナーゼの生産方法。
(4) 前記プロモーターが、ストレプトマイセス・モバラエンシス由来トランスグルタミナーゼのプロモーターである、(1)〜(3)のいずれかに記載のトランスグルタミナーゼの生産方法。
(5) 前記ターミネーターが、ストレプトマイセス・モバラエンシス由来トランスグルタミナーゼのターミネーターである、(1)〜(4)のいずれかに記載のトランスグルタミナーゼの生産方法。
(6) 前記宿主ストレプトマイセス・モバラエンシスが、ストレプトマイセス・モバラエンシスS−8112又はその変異株である、(1)〜(5)のいずれかに記載のトランスグルタミナーゼの生産方法。
(7) 前記構造遺伝子が配列番号1の配列、又は該配列の一部が改変された配列であってトランスグルタミナーゼをコードする配列を有する、(1)〜(6)のいずれかに記載のトランスグルタミナーゼの生産方法。
(8) 前記形質転換体が、外来的に導入された配列番号2の配列、又は該配列の一部が改変された配列であってトランスグルタミナーゼをコードする配列を有するDNA断片を保有する、(1)〜(6)のいずれかに記載のトランスグルタミナーゼの生産方法。
【0046】
(11) ストレプトマイセス・モバラエンシス(Streptomyces mobaraensis)由来トランスグルタミナーゼの構造遺伝子、並びに該構造遺伝子に作用するプロモーター及びターミネーターを含有するベクターで宿主ストレプトマイセス・リビダンスを形質転換する工程、
前記構造遺伝子を発現可能な条件で形質転換体を培養する工程、及び
産生されたトランスグルタミナーゼを回収する工程、
を含んでなるトランスグルタミナーゼの生産方法。
(12) 前記形質転換する工程が、前記宿主ストレプトマイセス・リビダンスが生育可能な条件で行われる、(11)に記載のトランスグルタミナーゼの生産方法。
(13) 前記ベクターがプラスミドpIJ702を改変したプラスミドからなる、(11)又は(12)に記載のトランスグルタミナーゼの生産方法。
(14) 前記プロモーターが、ストレプトマイセス・モバラエンシス由来トランスグルタミナーゼのプロモーターである、(11)〜(13)のいずれかに記載のトランスグルタミナーゼの生産方法。
(15) 前記ターミネーターが、ストレプトマイセス・モバラエンシス由来トランスグルタミナーゼのターミネーターである、(11)〜(14)のいずれかに記載のトランスグルタミナーゼの生産方法。
(16) 前記宿主ストレプトマイセス・リビダンスが、ストレプトマイセス・リビダンス3131又はその変異株である、(11)〜(15)のいずれかに記載のトランスグルタミナーゼの生産方法。
(17) 前記構造遺伝子が配列番号1の配列、又は該配列の一部が改変された配列であってトランスグルタミナーゼをコードする配列を有する、(11)〜(16)のいずれかに記載のトランスグルタミナーゼの生産方法。
(18) 前記形質転換体が、外来的に導入された配列番号2の配列、又は該配列の一部が改変された配列であってトランスグルタミナーゼをコードする配列を有するDNA断片を保有する、(11)〜(16)のいずれかに記載のトランスグルタミナーゼの生産方法。
【0047】
(21) ストレプトマイセス・モバラエンシス(Streptomyces mobaraensis)由来トランスグルタミナーゼの構造遺伝子、並びに該構造遺伝子に作用するプロモーター及びターミネーターを含む発現ベクター。
(22) 前記プロモーターが、ストレプトマイセス・モバラエンシス由来トランスグルタミナーゼのプロモーターである、(21)に記載の発現ベクター。
(23) 前記ターミネーターが、ストレプトマイセス・モバラエンシス由来トランスグルタミナーゼのターミネーターである、(21)又は(22)に記載の発現ベクター。
(24) 前記構造遺伝子が配列番号1の配列、又は該配列の一部が改変された配列であってトランスグルタミナーゼをコードする配列を有する、(21)〜(23)のいずれかに記載の発現ベクター。
(25) 配列番号2の配列、又は該配列の一部が改変された配列であってトランスグルタミナーゼをコードする配列を有する発現ベクター。
(26) (21)〜(25)のいずれかの発現ベクターで形質転換された、ストレプトマイセス属に属する微生物。
【0048】
(31) 宿主放線菌をそれが生育可能な条件下でプロトプラスト化する工程、
前記宿主放線菌が生育可能な条件下で、ストレプトマイセス・モバラエンシス(Streptomyces mobaraensis)由来トランスグルタミナーゼの構造遺伝子、並びに該構造遺伝子に作用するプロモーター及びターミネーターを含む発現ベクターを宿主放線菌に導入する工程、を含む放線菌の形質転換方法。
(32)前記宿主放線菌がストレプトマイセス・リビダンス又はストレプトマイセス・モバラエンシスである、ことを特徴とする(31)に記載の形質転換方法。
【0049】
【配列表】
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Figure 2004097099
Figure 2004097099

【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例におけるシャトルベクターpSV1の構築方法を示す図である。
【図2】図2はトランスグルタミナーゼ遺伝子を保有する分泌発現プラスミドpUJ51BDの構築方法を示す図である。
【図3】図3は実施例において決定されたトランスグルタミナーゼ(BTG)遺伝子のプロモーター領域の塩基配列を示した図である。
【図4】図4は、トランスグルタミナーゼ(BTG)遺伝子のプロモーター領域及び構造遺伝子の一部の塩基配列を示した図である。
【図5】図5は、トランスグルタミナーゼ(BTG)遺伝子の構造遺伝子の一部及びターミネータ領域の塩基配列を示した図である。
【図6】図6は形質転換体ABL−1及びABM−1の培養上清中におけるBTG量を測定した結果をまとめた表である。
【図7】図7は形質転換体ABL−1及びABM−1の培養上清を電気泳導した結果(銀染色後のゲル)を示す図である。レーン1、2、3、4、及び5はそれぞれストレプトマイセス・リビダンス(S. lividans)3131−TSの培養上清、ABL−1の培養上清、精製BTG、ストレプトマイセス・モバラエンシス(S. mobaraensis)S−8112の培養上清、及びABM−1の培養上清をアプライしたレーンである。レーンMは分子量マーカー(Pharmacia)をアプライしたレーンである。

Claims (24)

  1. ストレプトマイセス・モバラエンシス(Streptomyces mobaraensis)由来トランスグルタミナーゼの構造遺伝子、並びに該構造遺伝子に作用するプロモーター及びターミネーターが外来的に導入された形質転換体ストレプトマイセス・モバラエンシス。
  2. 前記プロモーターが、ストレプトマイセス・モバラエンシス由来トランスグルタミナーゼのプロモーターである、請求項1に記載の形質転換体ストレプトマイセス・モバラエンシス。
  3. 前記ターミネーターが、ストレプトマイセス・モバラエンシス由来トランスグルタミナーゼのターミネーターである、請求項1又は2に記載の形質転換体ストレプトマイセス・モバラエンシス。
  4. 前記構造遺伝子が配列番号1の配列、又は該配列の一部が改変された配列であってトランスグルタミナーゼをコードする配列を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の形質転換体ストレプトマイセス・モバラエンシス。
  5. 外来的に導入した配列番号2の配列、又は該配列の一部が改変された配列であってトランスグルタミナーゼをコードする配列を有するDNA断片を保有する、形質転換体ストレプトマイセス・モバラエンシス。
  6. ストレプトマイセス・モバラエンシスS−8112又はその変異株の形質転換体である、請求項1〜5のいずれかに記載の形質転換体ストレプトマイセス・モバラエンシス。
  7. ストレプトマイセス・モバラエンシス(Streptomyces mobaraensis)由来トランスグルタミナーゼの構造遺伝子、並びに該構造遺伝子に作用するプロモーター及びターミネーターが外来的に導入された形質転換体ストレプトマイセス・モバラエンシスを、前記構造遺伝子を発現可能な条件で培養する工程、及び
    産生されたトランスグルタミナーゼを回収する工程、
    を含んでなるトランスグルタミナーゼの生産方法。
  8. 前記プロモーターが、ストレプトマイセス・モバラエンシス由来トランスグルタミナーゼのプロモーターである、請求項7に記載のトランスグルタミナーゼの生産方法。
  9. 前記ターミネーターが、ストレプトマイセス・モバラエンシス由来トランスグルタミナーゼのターミネーターである、請求項7又は8に記載のトランスグルタミナーゼの生産方法。
  10. 前記構造遺伝子が配列番号1の配列、又は該配列の一部が改変された配列であってトランスグルタミナーゼをコードする配列を有する、請求項7〜9のいずれかに記載のトランスグルタミナーゼの生産方法。
  11. 前記形質転換体ストレプトマイセス・モバラエンシスが、外来的に導入された配列番号2の配列、又は該配列の一部が改変された配列であってトランスグルタミナーゼをコードする配列を有するDNA断片を保有する、請求項7〜9のいずれかに記載のトランスグルタミナーゼの生産方法。
  12. 前記形質転換体ストレプトマイセス・モバラエンシスが、ストレプトマイセス・モバラエンシスS−8112又はその変異株の形質転換体である、請求項7〜11のいずれかに記載のトランスグルタミナーゼの生産方法。
  13. ストレプトマイセス・モバラエンシス(Streptomyces mobaraensis)由来トランスグルタミナーゼの構造遺伝子、並びに該構造遺伝子に作用するプロモーター及びターミネーターが外来的に導入された形質転換体ストレプトマイセス・リビダンス。
  14. 前記プロモーターが、ストレプトマイセス・モバラエンシス由来トランスグルタミナーゼのプロモーターである、請求項13に記載の形質転換体ストレプトマイセス・リビダンス。
  15. 前記ターミネーターが、ストレプトマイセス・モバラエンシス由来トランスグルタミナーゼのターミネーターである、請求項13又は14に記載の形質転換体ストレプトマイセス・リビダンス。
  16. 前記構造遺伝子が配列番号1の配列、又は該配列の一部が改変された配列であってトランスグルタミナーゼをコードする配列を有する、請求項13〜15のいずれかに記載の形質転換体ストレプトマイセス・リビダンス。
  17. 外来的に導入された配列番号2の配列、又は該配列の一部が改変された配列であってトランスグルタミナーゼをコードする配列を有するDNA断片を保有する、形質転換体ストレプトマイセス・リビダンス。
  18. ストレプトマイセス・リビダンス3131又はその変異株の形質転換体である、請求項13〜17のいずれかに記載の形質転換体ストレプトマイセス・リビダンス。
  19. ストレプトマイセス・モバラエンシス(Streptomyces mobaraensis)由来トランスグルタミナーゼの構造遺伝子、並びに該構造遺伝子に作用するプロモーター及びターミネーターが外来的に導入された形質転換体ストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)を、前記構造遺伝子を発現可能な条件で培養する工程、及び
    産生されたトランスグルタミナーゼを回収する工程、
    を含んでなるトランスグルタミナーゼの生産方法。
  20. 前記プロモーターが、ストレプトマイセス・モバラエンシス由来トランスグルタミナーゼのプロモーターである、請求項19に記載のトランスグルタミナーゼの生産方法。
  21. 前記ターミネーターが、ストレプトマイセス・モバラエンシス由来トランスグルタミナーゼのターミネーターである、請求項19又は20に記載のトランスグルタミナーゼの生産方法。
  22. 前記構造遺伝子が配列番号1の配列、又は該配列の一部が改変された配列であってトランスグルタミナーゼをコードする配列を有する、請求項19〜21のいずれかに記載のトランスグルタミナーゼの生産方法。
  23. 前記形質転換体ストレプトマイセス・リビダンスが、外来的に導入された配列番号2の配列、又は該配列の一部が改変された配列であってトランスグルタミナーゼをコードする配列を有するDNA断片を保有する、請求項19〜21のいずれかに記載のトランスグルタミナーゼの生産方法。
  24. 前記形質転換体ストレプトマイセス・リビダンスが、ストレプトマイセス・リビダンス3131又はその変異株の形質転換体である、請求項19〜23のいずれかに記載のトランスグルタミナーゼの生産方法。
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