JP4133326B2 - 新規なフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ - Google Patents

新規なフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ Download PDF

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Description

技術の分野
本発明は、高温下で安定性を有する新規なフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ、新規なフルクトシルアミノ酸オキシダーゼをコードする遺伝子および上記オキシダーゼの製造方法に関する。
技術の背景
フルクトシルアミノ酸オキシダーゼは、酸素の存在下でイミノ2酢酸又はその誘導体(「アマドリ化合物」とも言う)を酸化して、グリオキシル酸又はα−ケトアルデヒド、α−アミノ酸及び過酸化水素を生成する作用を触媒する。フルクトシルアミノ酸オキシダーゼは、真菌や細菌から見出されており、これらの酵素を用いた食品や生体内に生成されるアマドリ化合物を測定する分析法が提案されている(特公平5−33997号公報、特公平6−65300号公報、特開平2−195900号公報、特開平3−155780号公報、特開平4−4874号公報、特開平5−192193号公報、特開平6−4686号公報)。
最近、臨床診断分野において、糖尿病患者の病態診断や症状管理の重要な血糖コントロールマーカーとしてHbA1c(ヘモグロビンが糖化を受けたもの)が注目されている。このHbA1cを迅速にかつ簡便に測定する方法として、フルクトシルアミノ酸オキシダーゼを用いる酵素的測定方法、すなわち、HbA1cをプロテアーゼなどで分解し、遊離したフルクトシルバリン(バリンのα−アミノ基が糖化されたイミノ2酢酸の誘導体)を測定する方法が提案され、実用化されている。この測定方法に用いられる酵素として、種々のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼのうちでも、特に、基質の一つであるフルクトシルバリンに高い活性を有し、かつ、ε−フルクトシルリジン(リジンのε−アミノ基が糖化されたものでアマドリ化合物の一種)には活性を有しない酵素、たとえばコリネバクテリウム属細菌由来のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼなどが、測定の迅速性や精度の点で優れている。しかし、上記フルクトシルアミノ酸オキシダーゼは、45℃、10分間の熱処理により90%以上失活するため、耐熱性が低く、臨床診断用酵素としてキット試薬中に処方する上で、保存安定性に問題があった。
発明の開示
本発明の課題は、このような従来のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼの有する欠点を克服し、高温域で高い安定性を有するフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ、それをコードする遺伝子及びそのオキシダーゼの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題解決のために鋭意研究を重ねた結果、コリネバクテリウム由来のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ遺伝子(特開平11−155579号公報記載)の改変を行った結果、高温域に高い安定性を示す新規なフルクトシルアミノ酸オキシダーゼが得られること等を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の理化学的性質を有する新規なフルクトシルアミノ酸オキシダーゼである。
(a)作用及び基質特異性:酸素の存在下で、イミノ2酢酸又はその誘導体を酸化して、グリオキシル酸又はα−ケトアルデヒド、α−アミノ酸及び過酸化水素を生成する反応を触媒する。ε−フルクトシルリジンには作用しない。
(b)至適pH:7.5〜8.5
(c)安定pHの範囲:5.0〜10.0
(d)作用適温の範囲:40℃〜50℃
(e)熱安定性:50℃、10分の熱処理で80%以上活性残存
(f)分子量:約88,000(ゲル濾過)、約44,000(SDS−PAGE)
さらに、本発明は、以下の(a)、(b)又は(c)のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ活性を有するタンパク質である。
(a)配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質。
(b)配列番号2で表されるアミノ酸配列において、1から数個のアミノ酸が欠失、置換及び/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつ新規なフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ活性を有するタンパク質。
(c)配列番号2で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を示すアミノ酸配列からなり、かつ新規なフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ活性を有するタンパク質。
さらに、本発明は、以下の(a)、(b)又は(c)の新規なフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子である。
(a)配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質。
(b)配列番号2で表されるアミノ酸配列において、1から数個のアミノ酸が欠失、置換及び/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつ新規なフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ活性を有するタンパク質。
(c)配列番号2で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を示すアミノ酸配列からなり、かつ新規なフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ活性を有するタンパク質。
さらに、本発明は、以下の(a)、(b)又は(c)のDNAからなる遺伝子である。
(a)配列番号4で表される塩基配列からなるDNA。
(b)配列番号4で表される塩基配列からなるDNAの全長又はそのうちの15塩基以上の部分と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ新規なフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA。
(c)配列番号4で表される塩基配列からなるDNAの全長又はそのうちの15塩基以上の部分と80%以上の相同性を示し、かつ新規なフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA。
さらに、本発明は、上記の遺伝子をベクターDNAに挿入したことを特徴とする組換え体DNAである。
さらに、本発明は、上記組換え体DNAを含む形質転換体又は形質導入体である。
さらに、本発明は、上記形質転換体又は形質導入体を培地に培養し、培養物から新規なフルクトシルアミノ酸オキシダーゼを採取することを特徴とする新規なフルクトシルアミノ酸オキシダーゼの製造方法である。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の新規なフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(以下、「本発明オキシダーゼ」という)とは、下記の理化学的性質を有するフルクトシルアミノ酸オキシダーゼである。
(a)作用及び基質特異性:酸素の存在下でイミノ2酢酸又はその誘導体(アマドリ化合物)を酸化して、グリオキシル酸又はα−ケトアルデヒド、α−アミノ酸及び過酸化水素を生成する次式に示す反応を触媒する。
Figure 0004133326
この式中、Rは、基−OH、−[CH(OH)]−CHOH又は−(CH−CHは0〜4の整数、Rはα−アミノ酸の側鎖残基を示す。本発明では、上記作用及び基質特異性を有する酵素のうち、糖尿病診断の重要な血糖コントロールマーカーであるHbA1cの迅速かつ簡便な測定に用いられる酵素であれば如何なる酵素でもよいが、フルクトシルバリンに高い活性を有する本発明オキシダーゼが好ましく、さらに、フルクトシルバリンに高い活性を有すると同時に、ε−フルクトシルリジンには作用しないか、もしくは殆ど作用しない本発明オキシダーゼが特に好ましい。例えば、上記作用及び基質特異性を有する酵素として、コリネバクテリウム属細菌由来のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(特公平6−65300号公報)などが挙げられる。
(b)至適pHの範囲:7.5〜8.5
緩衝液として、McIlvaine緩衝液(pH4.0〜6.0)、100mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.0〜8.5)、100mM炭酸水素ナトリウム−炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.0〜10.0)を用い、夫々のpHにおいて、温度37℃にて酵素反応を行ない、示適pHを求める。
(c)安定pHの範囲:5.0〜10.0
緩衝液として、McIlvaine緩衝液(pH3.0〜6.0)、100mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.0〜8.5)、100mM炭酸水素ナトリウム−炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.0〜10.0)を用い、夫々のpHにおいて、37℃で10分間処理した後、該酵素の残存活性を測定し、安定pHの範囲を求める。
(d)作用適温の範囲:40℃〜50℃
後述の活性測定方法における反応液を用い、種々の温度にて該酵素の活性を測定し、作用適温の範囲を求める。
(e)熱安定性:50℃、10分の熱処理で80%以上活性残存
100mMリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)を用いて、50℃で10分間処理した後、該酵素の残存活性を測定する。本発明オキシダーゼは、特に高温域で高い安定性を有する点で、従来の酵素とは異なる新規な酵素である。例えば、上記処理条件下で、50%以上、好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上活性が残存している本発明オキシダーゼなどが挙げられる。
(f)分子量:約88,000(ゲル濾過)、約44,000(SDS−PAGE)
それぞれ、常法により、セファデックスG−200を用いるカラムゲル濾過法及びマルチゲル10/20(第一化学薬品社製)を用いるSDS−PAGE法により求める。
このように、本発明オキシダーゼは、その理化学的性質において、公知の何れのフルクトシルアミノ酸オキシダーゼとも異なっており、新規なフルクトシルアミノ酸オキシダーゼであり、特にε−フルクトシルリジンには作用しない性質と高い熱安定性を併せ持つ点において、既知の酵素に比べ、著しく優れている。従って、保存安定性の優れた臨床診断用酵素としてキット試薬中に処方することができる。
本発明オキシダーゼとしては、天然界よりスクリーニングして得られる種々の生物由来のオキシダーゼや従来公知のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼを改変して得られるオキシダーゼなどを挙げることができるが、例えば、一例として、以下の(a)、(b)又は(c)などの本発明オキシダーゼ等が挙げられる。
(a)配列番号2で表されるアミノ酸配列を含むフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ。
(b)配列番号2で表されるアミノ酸配列において、1から数個のアミノ酸が欠失、置換及び/または付加されたアミノ酸配列を含むフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ。
(c)配列番号2で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を示すアミノ酸配列を含むフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ。
ここで「1から数個のアミノ酸が欠失、置換及び/または付加された」とは、例えば1〜20個、好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個の任意の数のアミノ酸が欠失、置換及び/または付加されたことを意味する。
また、「80%以上の相同性を示す」とは、配列番号2で表されるアミノ酸配列との相同性が80%以上であれば特に制限がなく、例えば、80%以上、好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上である。
本発明の新規なフルクトシルアミノ酸オキシダーゼをコードするフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ遺伝子(以下、「本発明遺伝子」という)としては、例えば、上記(a)、(b)又は(c)などの本発明オキシダーゼをコードする遺伝子や さらに、以下の(a)、(b)又は(c)のDNAを含む本発明オキシダーゼをコードする遺伝子等が挙げられる。
(a)配列番号4で表される塩基配列からなるDNA。
(b)配列番号4で表される塩基配列からなるDNAの全長又はそのうちの15塩基以上の部分と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ新規なフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA。
(c)配列番号4で表される塩基配列からなるDNAの全長又はそのうちの15塩基以上の部分と80%以上の相同性を示し、かつ新規なフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA。
ここで「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする」とは、DNAをプローブとして使用し、コロニー・ハイブリダイゼーション法、プラークハイブリダイゼーション法、あるいはサザンブロットハイブリダイゼーション法等を用いることにより得られるDNAを意味し、具体的には、コロニーあるいはプラーク由来のDNAまたは該DNAの断片を固定化したフィルターを用いて、65℃でハイブリダイゼーションを行なった後、65℃条件下でフィルターを洗浄することにより同定できるDNAを挙げることができる。ハイブリダイゼーションは、Current Protocols in Molecular Biology(WILEY Interscience,1989)等に記載されている方法に準じて行なうことができる。ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAとしては、プローブとして使用するDNAの塩基配列と一定以上の相同性を有するDNAが挙げられる。本発明における、「全長又は塩基配列の15塩基以上の部分と80%以上の相同性を示す塩基配列を含むDNA」の相同性は、例えば80%以上、好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上である。
次に本発明オキシダーゼ及び本発明遺伝子の取得方法について説明する。
本発明オキシダーゼは、微生物や動物、植物起源の酵素を探索して、自然界より得ることができる。さらに、遺伝子工学的技術や変異処理などの方法を用い、本発明酵素と異なる理化学的性質を有するフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(以下、「性質を異にするオキシダーゼ」という)を改変することにより、本発明オキシダーゼを得ることもできる。本発明でいう性質を異にするオキシダーゼとしては、先に述べた既知のオキシダーゼなどが挙げられるが、新たに探索して得られたフルクトシルアミノ酸オキシダーゼや遺伝子工学的技術により改変して得られたフルクトシルアミノ酸オキシダーゼなどでもよい。例えば、既知のオキシダーゼとしては、好ましくは、コリネバクテリウム属細菌由来のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(特公平6−65300号公報)などが挙げられる。
性質を異にするオキシダーゼの理化学的性質を改変する方法としては、該オキシダーゼを生産する微生物などに、例えば、紫外線、X線、放射線などを照射したり、もしくはエチルメタンサルフォネート、N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン、亜硝酸などの変異誘発剤を接触させることにより、改変された本発明オキシダーゼを生産する微生物を得、得られた微生物から本発明オキシダーゼを得る方法などが挙げられる。
しかし、一般的には、遺伝子工学的な技術を用い、性質を異にするオキシダーゼなどをコードする遺伝子を改変することにより、本発明オキシダーゼを得ることができる。本発明に用いられる性質を異にするオキシダーゼをコードする遺伝子としては、改変により本発明オキシダーゼを得ることのできる遺伝子であれば、如何なるフルクトシルアミノ酸オキシダーゼをコードする遺伝子でも用いることができる。
本発明に用いる、性質を異にするオキシダーゼをコードする遺伝子を得るには、通常一般的に用いられている遺伝子のクローニング方法が用いられる。例えば、性質を異にするオキシダーゼ生産能を有する微生物菌体や種々の細胞から常法、例えば、Current Protocols in Molecular Biology(WILEY Interscience,1989)記載の方法により、染色体DNA又はmRNAを抽出する。さらにmRNAを鋳型としてcDNAを合成することができる。このようにして得られた染色体DNA又はcDNAのライブラリーを作製する。ついで、上記性質を異にするオキシダーゼのアミノ酸配列に基づき、適当なプローブDNAを合成して、これを用いて染色体DNA又はcDNAのライブラリーからスクリーニングする方法、あるいは、上記アミノ酸配列に基づき、適当なプライマーDNAを作製して、5’RACE法や3’RACE法などの適当なポリメラーゼ連鎖反応(PCR法)により、目的の遺伝子断片を含むDNAを増幅させ、これらを連結させて全長の目的遺伝子を含むDNAを得ることができる。このようにして得られた性質を異にするオキシダーゼをコードする遺伝子の好ましい一例として、コリネバクテリウム属細菌由来のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ遺伝子(特開平11−155579号公報)などが挙げられる。これらの遺伝子は、常法通り各種ベクターに連結されていることが、取扱い上好ましく、例えば、単離したコリネバクテリウム・エスピー.2.4.1株由来の性質を異にするオキシダーゼをコードする遺伝子を含む組換え体プラスミドpFA5DNA(特開平11−155579号公報記載)から、例えば、QIAGEN(キアゲン社製)を用いることにより、抽出、精製して得られる。なお、本発明において用いることの出来るベクターDNAとしては、例えば、pUC119(寶酒造社製)、pBR322(寶酒造社製)、pMAL−C2(NEW England Labs社製)等のプラスミドベクターDNAやλENBL3(Stratagene社製)、λDASH II(フナコシ社製)等のバクテリオファージベクターDNA等を用いることが出来る。具体的には、例えば、pBluescript II SK(Stratagene社製)等が好ましい。
次に、上記の方法で得られた性質を異にするオキシダーゼをコードする遺伝子を改変することにより、本発明オキシダーゼを得ることができる。すなわち、本発明においては、性質を異にするオキシダーゼをコードする遺伝子が改変されることにより、その遺伝子により翻訳される性質を異にするオキシダーゼのアミノ酸配列が改変される。その結果、本発明オキシダーゼを含む、改変前の性質を異にするオキシダーゼと種々の理化学的性質の異なるフルクトシルアミノ酸オキシダーゼが得られる。
改変に用いる性質を異にするオキシダーゼをコードする遺伝子は特に限定されないが、本発明の一実施態様として、コリネバクテリウム・エスピー.2.4.1株由来の性質を異にするオキシダーゼをコードする遺伝子(特開平11−155579号公報記載、配列番号3)などを挙げることができる。さらに、この遺伝子を宿主生物で発現させるのに適したようにアミノ酸残基を付加、欠失、置換しないように、又は付加、欠失、置換するように塩基配列を改変したものも挙げることが出来る。
上記遺伝子を改変する方法としては、既知の如何なる方法でも用いることができるが、例えば、前記の組換え体プラスミドpFA5DNA(特開平11−155579号公報記載)に、ハイドロキシルアミン、亜硝酸などの化学変異剤を接触させる方法、またはPCR法を用いてランダムに変換する等の点変異方法、市販のキットを使用する部位特異的な置換または欠失変異を生じさせるための周知技術である部位特異的変異誘導法、この組換え体プラスミドDNAを選択的に開裂し、次いで選択されたオリゴヌクレオチドを除去又は付加し、連結する方法、すなわちオリゴヌクレオチド変異誘導法等が挙げられる。次いで、上記処理後の組換え体DNAを脱塩カラム、QIAGEN(キアゲン社製)等を用いて精製し、種々の組換え体DNAを得る。
このようにして得られた種々の組換え体DNAを用いて、例えば、大腸菌K12、好ましくは大腸菌JM109、DH5α(共に東洋紡社製)、XL1−Blue(フナコシ(株)製)等を形質転換又は形質導入し、種々の改変されたフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ遺伝子断片を保有する組換え体DNAを含む形質転換体又は形質導入体を得ることが出来る。そして、例えば、形質転換体の場合、得られた形質転換体(その中に種々の変異フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ遺伝子を含む組換え体プラスミドDNAを含有している)より、目的の本発明の理化学的性質(高温域での安定性を有する)を有する形質転換体(本発明のオキシダーゼ生産株)を選抜する。
次に、本発明オキシダーゼ生産株を選抜するためには、例えば、次のような方法を用いることができる。先ず、得られた上記形質転換体がコロニーを形成したLB寒天培地から滅菌したビロード生地等で新しい寒天培地にレプリカを数枚とり、培養する。レプリカをとった寒天培地のコロニーが十分な大きさになったら、リゾチームなどの溶菌剤に浸した膜を培地に重ね、37℃で1時間ほど静置し溶菌させる。このとき溶菌した粗酵素液が膜に吸着する。粗酵素液が吸着した膜を1時間55℃に静置した後、基質であるフルクトシルグリシン、ペルオキシダーゼ、TOOS、4−アミノアンチピリンを含む0.1Mリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)に浸した膜と重ね合わせ、紫色の発色の度合いを観察する。改変前の性質を異にするオキシダーゼ生産株についても同様の工程で発色試験を行い、その比較により目的とする形質転換体を選抜する。
この様にして本発明オキシダーゼ生産能を有する形質転換体を得ることができる。例えば、配列番号1のアミノ酸配列を有するコリネバクテリウム属細菌由来のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(特公平6−65300号公報)について、上記改変方法を用いて得られた、配列番号2に示されるアミノ酸配列を含む本発明オキシダーゼなどを挙げることができる。さらに必要により、この本発明オキシダーゼ生産能を有する形質転換体を用い、本発明遺伝子を、上記した改変方法により、さらに改変を繰り返し行なうことにより、さらに耐熱性の高い改変された本発明オキシダーゼ及びその生産能を有する形質転換体を得ることもできる。すなわち本発明においては、配列番号2で表されるアミノ酸配列において、1から数個のアミノ酸が欠失、置換及び/または付加されたアミノ酸配列を含むフルクトシルアミノ酸オキシダーゼおよび配列番号2で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を示すアミノ酸配列を含むフルクトシルアミノ酸オキシダーゼなども本発明オキシダーゼに含まれる。例えば、具体的には、後述の実施例に示す本発明オキシダーゼ(Type3)などを挙げることができる。Type3オキシダーゼは、配列番号2で表されるアミノ酸配列から1アミノ酸残基が置換されており、90%以上の相同性を有している。また、このようにして得られた本発明オキシダーゼを生産する形質転換体の一例としては、50℃、10分の熱処理による残存活性率が90%になった配列番号2に示されるアミノ酸配列を含む本発明オキシダーゼ(Type4)生産大腸菌(E.coli)DH5α(pFAH5)を挙げることができる。
また、本発明遺伝子の一例として、上記した本発明オキシダーゼ(Type4)遺伝子(配列番号4)を挙げることができる。配列番号2をコードする配列番号4を含む遺伝子を含むプラスミドpFAH5は、前述したように独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)に受託番号FERM BP−7378として寄託(原寄託日 平成12年11月22日)されている。さらに本発明遺伝子として、配列番号2で表されるアミノ酸配列において、1から数個のアミノ酸が欠失、置換及び/または付加されたアミノ酸配列を含むフルクトシルアミノ酸オキシダーゼおよび配列番号2で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を示すアミノ酸配列を含むフルクトシルアミノ酸オキシダーゼなどの本発明オキシダーゼをコードする遺伝子や さらに、配列番号4で表される塩基配列からなるDNAの全長又はそのうちの15塩基以上の部分と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ本発明オキシダーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNAや、配列番号4で表される塩基配列からなるDNAの全長又は15塩基以上の部分と80%以上の相同性を示し、かつ本発明オキシダーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNAからなる遺伝子等が挙げられる。「15塩基以上の部分」の具体的な例としては、配列番号4の部分配列である配列番号5〜14の塩基配列などが挙げられる。また配列番号4のうち、151塩基より上流の塩基配列を配列番号3の151塩基より上流の塩基配列と交換したものも配列番号2のアミノ酸配列をコードしており、80%以上の相同性を示す塩基配列を含むDNAの例として挙げる事が出来る。
次に、本発明オキシダーゼ生産能を有する微生物を培地に培養し、培養物より該フルクトシルアミノ酸オキシダーゼを採取することにより本発明オキシダーゼを製造する。本発明オキシダーゼ生産能を有する微生物であれば、いかなる微生物も本発明オキシダーゼの製造に用いることができる。例えば、上記のようにして得られた本発明オキシダーゼ生産能を有する形質転換体又は形質導入体などが挙げられる。例えば、本発明オキシダーゼ生産能を有する、好ましくはエッシェリシア属に属する形質転換株を用いて本発明オキシダーゼを生産することができる。上記微生物を培養するには、固体培養法で培養してもよいが、液体培養法を採用して培養するのがより好ましい。また、上記微生物を培養する培地としては、例えば、酵母エキス、ペプトン、肉エキス、コーンスティープリカー、大豆もしくは小麦麹の浸出液などの1種以上の窒素源に、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、硫酸マグネシウム、塩化第2鉄、硫酸第2鉄もしくは硫酸マンガンなどの無機塩類の1種以上を添加し、さらに必要により糖質原料、ビタミンなどを適宜添加したものが用いられる。 なお、培地の初発pHは、7〜9に調製するのが適当である。また培養は、30〜42℃、好ましくは37℃前後で6〜24時間、通気攪拌深部培養、振とう培養、静置培養などにより実施するのが好ましい。培養終了後、該培養物より本発明オキシダーゼを採取するには、通常の酵素採取手段を用いることが出来る。 培養液から、例えば、濾過、遠心分離等の操作により菌体を分離し、洗菌する。この菌体から本発明オキシダーゼを採取することが好ましい。この場合、菌体をそのまま用いることも出来るが、超音波破砕機、フレンチプレス、ダイノミル等の種々の破壊手段を用いて菌体を破壊する方法、リゾチームの如き細胞壁溶解酵素を用いて菌体細胞壁を溶解する方法、トリトンX−100等の界面活性剤を用いて菌体から酵素を抽出する方法などにより、菌体から本発明オキシダーゼを採取するのが好ましい。
このようにして得られた粗酵素液から本発明オキシダーゼを単離するには、通常の酵素精製に用いられる方法が使用できる。例えば、硫安塩析法、有機溶媒沈殿法、イオン交換クロマトグラフ法、ゲル濾過クロマトグラフ法、吸着クロマトグラフ法、電気泳動法等を適宜組み合わせて行うのが好ましい。このようにして、本発明オキシダーゼを、SDS−PAGE的にほぼ単一のバンドを示すまでに単離することができる。また、上記精製方法を適宜組合わせて、用途に応じた精製度合いの異なる酵素標品を調整することもできる。
本発明オキシダーゼの酵素活性の測定方法としては、酵素の反応により生成する過酸化水素量を測定する方法や酵素反応により消費する酸素量を測定する方法などが主な測定方法として挙げられる。以下に、一例として、過酸化水素量を測定する方法について示す。以下、本発明酵素の活性測定には、ことわりのない限り、フルクトシルグリシンを基質として用いる。なお、酵素力価は、フルクトシルグリシンを基質として測定したとき、1分間に1μmolの過酸化水素を生成する酵素量を1Uと定義した。
A.試薬の調製
(1)試薬1:POD−4‐AA溶液
1.0kUのパーオキシダーゼ(東洋紡社製、TYPE III)、100mgの4−アミノアンチピリン(東京化成社製)を0.1Mのリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)に溶解し、1Lに定容する。
(2)試薬2:TOOS溶液
500mgのTOOS(同仁化学製)をイオン交換水に溶解し、100mlに定容する。
(3)試薬3:基質溶液(150mM;終濃度 5mM)
フルクトシルグリシン357mgをイオン交換水に溶解して10mlに定容する。フルクトシルバリン、又はε−フルクトシルリジンを基質として用いるときは、それぞれ、417mg又は462mgをイオン交換水に溶解して、10mlに定容した溶液を用いる。
B.測定法
酵素液を加え混和し、37℃で5分間予備加温する。その後100μlの試薬3を加えて良く混ぜた後、分光光度計(U−2000A、日立社製)により、555nmにおける吸光度を測定する。測定値は、555nmにおける1分後から3分後の1分間あたりの吸光度変化とする。なお対照液は、100μlの試薬3の代わりに100μlのイオン交換水を加える以外は前記と同様にしたものである。これをあらかじめ作製しておいた過酸化水素の標準溶液を試薬3の代わりに、また酵素液の代わりにイオン交換水を用い、その生成色素量との関係を調べたグラフを用意する。このグラフを用いて、37℃、1分当たりに生成される過酸化水素のマイクロモルを計算し、この数値を酵素液中の活性単位とした。
実施例
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲は、これらの実施例により、何ら限定されるものではない。
(A)組換え体プラスミドの調製
性質を異にするオキシダーゼ遺伝子(配列番号3に記載の塩基配列をもつ遺伝子、配列番号1に記載のアミノ酸配列をコードする遺伝子)を有する組換え体プラスミドDNA、およびこの遺伝子の大腸菌における発現量を増加させるために本遺伝子のうちアミノ末端をコードする領域の塩基配列を大腸菌のコドンユセージに合うように改変したオキシダーゼ遺伝子を有する組換え体プラスミドDNAをそれぞれ調製した。以後に述べる本発明オキシダーゼを作製するに当たっては、何れの組換え体プラスミドDNAを用いてもよいが、改変したオキシダーゼ遺伝子を有する組換え体プラスミドDNAを用いることが、本発明オキシダーゼを大量に製造する上で有効である。
(1)組換え体プラスミドpFA5DNAの調製
上述のオキシダーゼ遺伝子(配列番号3に記載の塩基配列をもつ遺伝子)の組換え体プラスミドを有する大腸菌(E.coli)DH5α(pFA5)を、LB培地(1%バクト−トリプトン、0.5%酵母エキス、0.25%NaCl)20mlに接種して、37℃で20時間振とう培養し培養物を得た。上記大腸菌(E.coli)DH5α(pFA5)は、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に受託番号FERM BP−6182として寄託(原寄託日 平成9年11月21日)した。この培養物を7000rpmで5分間遠心分離することにより集菌して菌体を得た。この菌体よりQIAGEN tip−100(キアゲン社製)を用いて組換え体プラスミドpFA5DNAを抽出して精製し、組換え体プラスミドpFA5DNAを100μg得た。
(2)アミノ末端側塩基配列を改変した組換え体プラスミドpFAN5DNAの調製
配列番号3のアミノ末端塩基配列の配列情報を元に大腸菌のコドンユセージに適する様デザインした配列番号4の部分配列、又はその相補鎖である配列番号5〜12に記載の塩基配列を持つオリゴヌクレオチド、及びそして配列番号3のカルボキシル末端をPCR法により増幅するためにデザインした配列番号13,14に記載の塩基配列をもつオリゴヌクレオチドをサワディ・テクノロジー社の受託合成サービスにより入手した。配列番号5〜12のそれぞれをT4 Polynucleotide kinase(宝酒造社製)を用いてリン酸化する。一方、配列番号3に記載の塩基配列を持つpFA5DNAを鋳型とし、配列番号13、14をプライマーとしてEx Taq polymerase(宝酒造社製)を用いてPCR反応を行い、C末端側をコードする遺伝子断片を調製した。さらに、本断片をNdeI(第一化学薬品社製)、BamHI(宝酒造社製)で処理した。さらにpUTE500k’DNA(Journal of Biotecnology 52(1996)11−20.に記載)をNdeIで処理した後、BAP処理(宝酒造社製試薬を使用)により脱リン酸化を行なった。こうして得られた6本のリン酸化オリゴヌクレオチド、pFA5DNA由来遺伝子断片、pUTE500k’DNA断片を適量混合し、Ligation Kit ver.2(宝酒造社製)を利用しライゲーションし、得られたプラスミドをpFAF5と命名した。更に本プラスミドをBamHI、BglIIで処理し、pBluescriptII SKをBamHIで切断し、BAP処理を行ったものに組み込んだものをpFAN5と命名した。続いて、(1)に記載の方法によりpFAN5DNAを100μg調製した。
(B)本発明オキシダーゼ及び本発明オキシダーゼ生産能を有する形質転換株の作製
(1)改変操作(耐熱性の付与)
上記組換え体プラスミド、pFAN5DNA100μgのうち、20μgを用いてXL1−RED(STRATAGENE社製)(増殖の際、プラスミドの複製にエラーを起こしやすく、改変を生じやすい)をD.M.Morrisonの方法(Method in Enzymology,68,326〜331,1979)に従って形質転換し、約5000株の形質転換株を得た。全コロニーからプラスミドDNAを回収するためにQIAGEN sol I(キアゲン社製)を寒天培地上にまき、スプレッダーでコロニーを掻き集め、ピペットマンで回収し、以降は通常のQIAGENの方法で被改変組換え体プラスミドpFAN5DNAを100μg得た。20μgを用いてD.M.Morrisonの方法(Method in Enzymology,68,326〜331,1979)に従って大腸菌DH5α(東洋紡社製)を形質転換し、約1000株の改変を受けたプラスミドを保有する形質転換株を得た。
(2)本発明オキシダーゼ生産株の選抜
まず、得られた上記形質転換体の全てを滅菌したビロード生地で新しい寒天培地にレプリカし、30℃で一晩培養した。こうして得られたレプリカ・コロニーに10mg/mlLysozyme(Sigma社製)を浸したHybond−N(Amersham社製)を間に気泡が入らないように重ね合わせ、37℃で30分静置する。その後、Hybond−Nを寒天培地からはがし、粗酵素液が付着した面が表になるように新しい寒天培地上に載せ、55℃で1時間処理する。その間に2mMフルクトシルグリシン、1mg/mlペルオキシダーゼ(東洋紡社製)、1mg/ml4−アミノアンチピリン(東京化成社製)、10mg/mlTOOS(同仁化学社製)を含む0.1Mのリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)に浸したHybond−Nを用意し、先ほどのHybond−Nとコロニーと重ね合わせた面が内側になるように重ね合わせ、30℃で静置し、コロニーのまわりの発色の度合いの強い株を選択する。
ここで選択された発色した10株について2mlのLB培地(50μgAmpicilin添加)で液体培養し、プラスミドに含まれる改変されたフルクトシルアミノ酸オキシダーゼを生産させた。培養後、得られた培養物を超音波破砕し、その粗酵素抽出液0.5mlを47℃で10分処理した後、12000rpmで5分間遠心し上清を回収する。この上清と未処理の粗酵素抽出液の活性を測定し、活性残存率(上清の活性/未処理の粗酵素抽出液の活性)を算出した。同様にして培養、抽出、熱処理をし、活性測定をした改変前の性質を異にするオキシダーゼと活性残存率の比較を行い、活性残存率が25%に向上した改変されたフルクトルアミノ酸オキシダーゼ(Type1)とその生産大腸菌を得た。
(3)改変の蓄積
上記で取得した改変されたオキシダーゼ(Type1)生産株から(A)の(1)に記載の方法によりプラスミドDNAを調製し、再度(1)の方法により変異を導入し、続いて(2)の方法を用い、今度は先に得た改変されたオキシダーゼ(Type1)を比較対照として選択を行い、47℃、10分の熱処理による残存活性率を70%に高めた、さらに改変されたフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(Type2)生産大腸菌を取得した。
上記のさらに改変されたオキシダーゼ(Type2)生産大腸菌を用いて、上記と同様な操作を繰り返すことで、50℃、10分の熱処理による残存活性率が80%になった本発明オキシダーゼ(Type3)生産大腸菌を得た。さらにType3の本発明オキシダーゼ生産大腸菌を用いて、上記と同様な処理を繰り返すことで50℃、10分の熱処理による残存活性率が90%になった本発明オキシダーゼ(Type4)生産大腸菌(E.coli)DH5α(pFAH5)を得た。本発明オキシダーゼ(Type4)遺伝子をコードするプラスミドpFAH5は、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに受託番号FERM BP−7378として寄託した。
(4)改変の起こった部位の同定
改変されたフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ遺伝子を保持するプラスミドを回収し、370A DNA Sequencing System(アプライドバイオシステムズ社製)を用いて塩基配列を決定し、それを元に改変されたアミノ酸残基の同定を行った。
これにより、本発明オキシダーゼ(Type4)遺伝子は、配列番号4に表される塩基配列を有し、予想されるアミノ酸配列は配列番号1に表されるアミノ酸配列において配列番号2に示すように、60番目のスレオニンがアラニンに、188番目のアラニンがグリシンに、244番目のメチオニンがロイシンに、257番目のアスパラギンがセリンに、261番目のロイシンがメチオニンに置換されていることが分かった。同様に本発明オキシダーゼ(Type3)では、配列番号1に表されるアミノ酸配列において、60番目のスレオニンがアラニンに、188番目のアラニンがグリシンに、244番目のメチオニンがロイシンに、261番目のロイシンがメチオニンに置換されていることが分かった。
(C)本発明オキシダーゼの生産及びその理化学的性質
上記のようにして得られた本発明オキシダーゼ(Type4)を生産する形質転換体、大腸菌(E.coli)DH5α(pFAH5)をLB−amp培地10Lに植菌し、ジャーファーメンターを用いて、通気量1L/min、攪拌速度600rpmの条件で、30℃、24時間攪拌培養した。得られた培養液10Lを7000rpm、10分間遠心分離して集菌し、50mM リン酸カリウム緩衝液(pH8.0)1Lに懸濁した。その後、超音波により菌体を破砕し、10,000rpm、10分の遠心により上清を回収し、粗酵素液とした。この粗酵素液5kUに、塩化カリウムを終濃度0.1Mとなるように加えた。これを0.1M塩化カリウム含有50mMリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)で平衡化した1LのDEAE−Sephacelカラムクロマトグラフィに吸着させ、同緩衝液1Lで洗浄した。その後、0.2M塩化カリウム含有50mMリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)及び0.4M塩化カリウム含有50mMリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)それぞれ10Lを用い、グラジェントにより酵素活性画分を溶出した。活性画分の比活性は、2.4U/OD280nmであった。
得られた本発明オキシダーゼ(Type4)の理化学的性質は、下記の通りであった。
(1)作用及び基質特異性
前述した酵素活性の測定方法により、基質としてフルクトシルグリシン、フルクトシルバリン、ε−フルクトシルリジンを用いて、本発明オキシダーゼの活性を測定した。本発明オキシダーゼは、フルクトシルグリシン、フルクトシルバリンに作用するが、ε−フルクトシルリジンには作用しなかった。
(2)示適pH
緩衝液として、McIlvaine緩衝液(pH4.0〜6.0)、100mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.0〜8.5)、100mM炭酸水素ナトリウム−炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.0〜10.0)を用い、夫々のpHにおいて、温度37℃にて酵素反応を行った結果、その相対活性は、図1に示す通りであった。図1より、本発明オキシダーゼの示適pHは7.5〜8.5であることが判かった。
(3)作用適温の範囲
後述の活性測定法における反応液と同一組成よりなる反応液を用い、種々の温度にて本酵素の活性測定を行った結果、図2に示す通りであった。図2より、本発明オキシダーゼの作用適温の範囲は、40〜50℃であった。
(4)安定pH範囲
緩衝液として、McIlvaine緩衝液(pH3.0〜6.0)、100mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.0〜8.0)、100mM炭酸水素ナトリウム−炭酸ナトリウム緩衝液(pH8.5〜10.0)を用い、夫々のpHにおいて、37℃で10分間処理した後、本発明オキシダーゼの残存活性を測定した結果、図3に示す通りであった。図3より、安定pH範囲は、pH5.0〜10.0であった。
(5)熱安定性
100mMリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)を用いて、各温度で10分間処理した場合の熱安定性の結果は、図4に示す通りであり、本発明オキシダーゼは、45℃付近まで安定であった。
(6)分子量
常法により、セファデックスG−200を用いるカラムゲル濾過法(0.1M塩化ナトリウム含有50mMリン酸カリウム緩衝液中)及びマルチゲル10/20(第一科学薬品社製)を用いるSDS−PAGE法により分子量を求めた。本発明オキシダーゼの分子量は、それぞれ、約88,000(ゲル濾過法)、約44,000(SDS−PAGE)であった。
(7)等電点
常法どおり、等電点電気泳動法により測定した結果、本発明オキシダーゼの等電点は、約pH4.2であった。
産業上の利用可能性
本発明によれば、臨床診断用酵素として試薬中に処方する上で、より熱安定性の高い新規なフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ、それをコードする遺伝子、該遺伝子をベクターDNAに挿入した組換え体DNA、該遺伝子を含む形質転換体等およびそのオキシダーゼの製造方法が提供され、産業上有用である。
本発明は、本願の優先権の基礎である特願2000−360590号及び特願2001−243049号の明細書に記載された内容を包含する。そして、本明細書中で引用した全ての刊行物、特許、特許出願をそのまま参考として本明細書中に取り入れるものとする。
【配列表】
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【図面の簡単な説明】
図1は、本発明オキシダーゼ(Type4)の示適pHを示す図である。
図2は、本発明オキシダーゼ(Type4)の作用適温の範囲を示す図である。
図3は、本発明オキシダーゼ(Type4)の安定pH範囲を示す図である。
図4は、本発明オキシダーゼ(Type4)の熱安定性を示す図である。

Claims (5)

  1. 下記の理化学的性質(a)〜(f)を有し、下記の(x)又は(y)のタンパク質である新規なフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ。
    (a)作用及び基質特異性:酸素の存在下で、イミノ2酢酸又はその誘導体を酸化して、グリオキシル酸又はα−ケトアルデヒド、α−アミノ酸及び過酸化水素を生成する反応を触媒する。ε−フルクトシルリジンには作用しない。
    (b)至適pH:7.5〜8.5
    (c)安定pHの範囲:5.0〜10.0
    (d)作用適温の範囲:40℃〜50℃
    (e)熱安定性:50℃、10分の熱処理で80%以上活性残存
    (f)分子量:約88,000(ゲル濾過)、約44,000(SDS−PAGE)
    (x)配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質。
    (y)配列番号2で表されるアミノ酸配列において、1から数個のアミノ酸が欠失、置換及び/または付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質
  2. 下記の理化学的性質(a)〜(f)を有し、下記の(x)又は(y)のタンパク質である新規なフルクトシルアミノ酸オキシダーゼをコードする遺伝子。
    (a)作用及び基質特異性:酸素の存在下で、イミノ2酢酸又はその誘導体を酸化して、グリオキシル酸又はα−ケトアルデヒド、α−アミノ酸及び過酸化水素を生成する反応を触媒する。ε−フルクトシルリジンには作用しない。
    (b)至適pH:7.5〜8.5
    (c)安定pHの範囲:5.0〜10.0
    (d)作用適温の範囲:40℃〜50℃
    (e)熱安定性:50℃、10分の熱処理で80%以上活性残存
    (f)分子量:約88,000(ゲル濾過)、約44,000(SDS−PAGE)
    (x)配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質。
    (y)配列番号2で表されるアミノ酸配列において、1から数個のアミノ酸が欠失、置換及び/または付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質
  3. 請求項2記載の遺伝子をベクターDNAに挿入したことを特徴とする組換え体DNA。
  4. 請求項3記載の組換え体DNAを含む形質転換体又は形質導入体。
  5. 請求項4記載の形質転換体又は形質導入体を培地に培養し、培養物から新規なフルクトシルアミノ酸オキシダーゼを採取することを特徴とする新規なフルクトシルアミノ酸オキシダーゼの製造方法。
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