JPH09107961A - 新規な耐熱性ピルビン酸キナーゼ及びその製造法 - Google Patents

新規な耐熱性ピルビン酸キナーゼ及びその製造法

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JPH09107961A
JPH09107961A JP7268705A JP26870595A JPH09107961A JP H09107961 A JPH09107961 A JP H09107961A JP 7268705 A JP7268705 A JP 7268705A JP 26870595 A JP26870595 A JP 26870595A JP H09107961 A JPH09107961 A JP H09107961A
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Japan
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pyruvate kinase
enzyme
gene
thermostable
dna
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JP7268705A
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Ayumi Arai
あゆみ 荒井
Akira Matsuyama
旭 松山
Seiji Murakami
成治 村上
Motoo Nakajima
基雄 中島
Susumu Masuda
進 増田
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Kikkoman Corp
Original Assignee
Kikkoman Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 下記の理化学的性質: 作用:ホスホエノールピルビン酸及びADPに作用して、
ピルビン酸及びATPを生成する;基質特異性:ADP、GDP
等に対して特異性を有する;至適pH範囲:4.5〜6.5であ
る;熱安定性:55℃で約100%、60℃で68%の残存活性
を有する;阻害:Hg2+、SDS、Ag+ 等により阻害され
る;分子量:277,000(ゲル濾過法) ;を有する耐熱性ピ
ルビン酸キナーゼ(PK)、該耐熱性PK活性をもたらすポリ
ペプチドをコードする耐熱性PK遺伝子、該遺伝子がベク
ターDNAに組み込まれた組み換え体DNA、並びにエッシェ
リシア属に属し、該組み換え体DNAを含有する微生物、
又はマイクロバイスポラ属に属し、耐熱性PK生産能を有
する微生物を培地に培養し、得られる培養物から耐熱性
PKを採取することを特徴とする耐熱性PKの製造法。 【効果】 本発明により、耐熱性PK、耐熱性PK遺伝子お
よび耐熱性PKの製法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な耐熱性ピル
ビン酸キナーゼ、ピルビン酸キナーゼ遺伝子、該遺伝子
を含む組換え体DNA及び耐熱性ピルビン酸キナーゼの
製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】ピルビン酸キナーゼは、ホスホエノール
ピルビン酸及びADPに作用して、ピルビン酸及びAT
Pを生成する反応を触媒する酵素である。ピルビン酸キ
ナーゼは、ホスホエノールピルビン酸やADPの定量用
試薬として、又、乳酸脱水素酵素と組み合わせて用いる
臨床検査用試薬として広く利用されている。
【0003】これまでにウサギ筋肉、ブタ心臓、酵母、
大腸菌等、多様な生物種に由来するピルビン酸キナーゼ
が多数報告されているが、これらのピルビン酸キナーゼ
は極めて不安定(特に熱に対して不安定)であるために
工業的な使用には適していなかった。熱安定性に優れた
ピルビン酸キナーゼ、すなわち耐熱性ピルビン酸キナー
ゼとしては、好熱菌サーマス・サーモフィラスが生産す
るもの(特開昭53-9392号公報)、バチルス・ステアロ
サーモフィラスが生産するもの(生化学、44巻、649
頁、1972年及び特開平5-227975号公報)、サーモプラズ
マ・アシドフィラム(FEMS ミクロバイオロジー・
レターズ、94巻、235-240頁、1992年)等が知られてい
るにすぎない。
【0004】又、放線菌由来のピルビン酸キナーゼとし
ては、アミコラトプシス・メタノリカが生産するもの
(ジャーナル・オブ・バクテリオロジー、176巻、22
号、6827-6835頁、1994年)が報告されているが、該酵
素の耐熱性に関する記載はない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、新規な耐熱
性ピルビン酸キナーゼ、耐熱性ピルビン酸キナーゼ遺伝
子、該遺伝子を含む組換え体DNA及び耐熱性ピルビン
酸キナーゼの製造法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、マイクロ
バイスポラ属に属する微生物が、既知の耐熱性ピルビン
酸キナーゼとは性質の異なる耐熱性ピルビン酸キナーゼ
を生産することを見出し、さらに、耐熱性ピルビン酸キ
ナーゼ遺伝子を単離することに成功し、本発明を完成し
た。
【0007】すなわち、本発明は、下記の理化学的性質
を有する耐熱性ピルビン酸キナーゼである。 (1) 作用:ホスホエノールピルビン酸及びADPに作用
して、ピルビン酸及びATPを生成する。
【0008】(2) 基質特異性:ADP、GDP、ID
P、UDP、CDPに対して特異的に作用し、特にAD
Pに対して高い活性を有する。 (3) 至適pH及び安定pH範囲:至適pHは4.5〜6.5で
あり、安定pH範囲は、4℃、24時間処理で5.5〜8.0で
ある。
【0009】(4) 熱安定性:イミダゾール−塩酸緩衝液
(pH7.1)中、各温度で15分間処理後の残存活性は、5
5℃で約100%、60℃で68%、65℃で3%である。 (5) 阻害:Hg2+、SDS、Ag+によって強く阻害さ
れ、Cd2+、Cu2+、ρ-クロロマーキュリーベンゾエ
ート(ρ-chloromercuribenzoate)によって11〜20%阻
害される。
【0010】(6) 分子量:ゲル濾過法により測定した結
果約277,000であり、SDSポリアクリルアミドゲル電
気泳動法により測定した結果約55,000である。さらに、
本発明は、マイクロバイスポラ属に属し、耐熱性ピルビ
ン酸キナーゼ生産能を有する微生物を培地に培養し、得
られる培養物から耐熱性ピルビン酸キナーゼを採取する
ことを特徴とする耐熱性ピルビン酸キナーゼの製造法で
ある。ここで、上記微生物としては、例えばマイクロバ
イスポラ・サーモダイアスタティカ(IFO 14046)が挙
げられる。
【0011】さらに、本発明は、配列番号1で表される
アミノ酸配列、又は該アミノ酸配列のうちの1若しくは
複数のアミノ酸が付加、欠失若しくは置換されたアミノ
酸配列を含み、耐熱性ピルビン酸キナーゼ活性をもたら
すポリペプチドをコードする耐熱性ピルビン酸キナーゼ
遺伝子である。ここで、「1若しくは複数のアミノ酸が
付加、欠失若しくは置換されたアミノ酸配列」とあるの
は、目的とする耐熱性ピルビン酸キナーゼ活性が得られ
る限り、配列番号1で表されるアミノ酸配列が、該アミ
ノ酸配列とは異なる配列に付加、欠失又は置換されても
よいことを意味する。例えば、配列番号1で表されるア
ミノ酸配列の第1番目のメチオニンが欠失しても、本発
明の目的とする耐熱性ピルビン酸キナーゼ活性が得られ
る限り、かかる欠失した配列も本発明に含まれることを
意味する。
【0012】さらに、本発明は、前記耐熱性ピルビン酸
キナーゼ遺伝子がベクターDNAに組み込まれた組み換
え体DNAである。さらに、本発明は、エッシェリシア
属に属し、前記組み換え体DNAを含有する微生物を培
地に培養し、得られる培養物から耐熱性ピルビン酸キナ
ーゼを採取することを特徴とする耐熱性ピルビン酸キナ
ーゼの製造法である。
【0013】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の耐熱性ピルビン酸キナーゼ(以下「本酵素」とい
う)の理化学的性質について以下に示す。 (1) 作用:ホスホエノールピルビン酸及びADP(アデ
ノシン二リン酸)に作用して、ピルビン酸及びATP
(アデノシン三リン酸)を生成する。
【0014】(2) 基質特異性:本酵素は、ADP、GD
P(グアノシン二リン酸)、IDP(イノシン二リン
酸)、UDP(ウリジン二リン酸)、CDP(シチジン
二リン酸)に対して特異的に作用し、特にADPに対し
て高い活性を有する。本酵素の各種基質に対する相対活
性を、表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】(3) 至適pH及び安定pH範囲:本酵素の
至適pHは、後記の測定法2に従い、各pHにおける活
性を測定して求めた。その結果は図1に示す通りであ
り、本酵素の至適pHはpH4.5〜6.5、特にpH5.5〜
6.0付近である。又、安定pH範囲は、測定法2に従
い、pH3.0〜12.0の範囲において、4℃で24時間処理
した後、残存活性を測定して求めた。その結果は図2に
示す通りであり、本酵素の安定pH範囲はpH5.5〜8.0
である。
【0017】(4) 分子量:ゲル濾過法(使用カラム:TS
K-Gel G3000SWXL: 東ソー社製)により求めた分子量
は、約277,000である。又、SDSポリアクリルアミド
ゲル電気泳動法(以下「SDS-PAGE」という)により求め
た分子量は約55,000である。 (5) pH、温度等による失活の条件:本酵素は4℃で24
時間の処理では、前記のごとくpH5.5〜8.0で安定であ
り、それより酸性側及びアルカリ性側では急速に失活
し、pH4.5以下及びpH9.0以上では50%以上失活す
る。
【0018】又、0.1M イミダゾール−塩酸緩衝液(p
H7.1)を用いて、本酵素を4℃〜70℃で、15〜60分間
処理した場合の熱安定性を測定法1に従って調べた。そ
の結果は図3に示す通りであり、本酵素は55℃まで安定
であり、それを越えると失活し始め、65℃、15分の熱処
理でほぼ完全に失活する。 (6) 阻害 種々の化学物質が本酵素の活性に及ぼす影響を調べた結
果を表2に示す。本酵素の活性は、Hg2+、SDS、A
+によって強く阻害され、Cd2+、Cu2+、ρ-クロロ
マーキュリーベンゾエート(ρ-chloromercuribenzoat
e)によって11〜20%阻害された。
【0019】
【表2】
【0020】(7) 長期安定性 本酵素を、0.1M リン酸カルシウム緩衝液、0.1 M イミ
ダゾール−塩酸緩衝液(pH7.1)、0.1 M MES-KOH 緩衝
液、及び0.1 M ビストリス-プロパン緩衝液(pH7.0)
に溶解して−20℃、4℃、及び37℃における長期安定性
を調べた。3週間後に活性を測定した結果、いずれの温
度でも実質的な失活は認められなかった。
【0021】(8) Km値:Km値については、測定法1
に従い、ラインウエーバー・バークのプロットより求め
た。その結果、Km値は、ADPに対して6.0×10-4M
であった。又、ホスホエノールピルビン酸に対するK
0.5 値は7.0×10-4M であった。
【0022】本酵素と従来公知のピルビン酸キナーゼと
の理化学的性質の相違点を、表3に示す。尚、酵素A
は、ウサギ筋肉由来(東洋紡社酵素カタログ記載)、酵
素Bは、バチルス・ステアロサーモフィラス由来(ジャ
ーナル・オブ・バイオケミストリー、99巻、1157-1167
頁、1986年)、酵素Cは、サーマス・サーモフィラス由
来(特公昭60-31474号公報,アーカイブス・バイオロジ
ア・メディシナ・エクスペリメンツ、12巻、605-610
頁、1979年)、及び酵素Dは、サーモプラズマ・アシド
フィラム由来(FEMSミクロバイオロジー・レターズ、94
巻、235-240頁、1992年)の耐熱性ピルビン酸キナーゼ
を意味する。又、PEPとは、ホスホエノールピルビン
酸を意味する。
【0023】
【表3】
【0024】次に、本酵素の力価の測定法について説明
する。本酵素の活性測定は、下記の測定法1及び2に従
って行った。尚、25℃において1分間に1μmolのホス
ホエノールピルビン酸をピルビン酸に変換する酵素量
を、1単位(U)とする。 〔測定法1〕ジャーナル・オブ・バイオケミストリー
(99巻、1157〜1167頁、1986年)記載の方法を一部改変
して本酵素の力価を測定する。すなわち、ホスホエノー
ルピルビン酸及びADPから生成するATP及びピルビ
ン酸のうち、ピルビン酸をNADH存在下で乳酸脱水素
酵素を用いて乳酸及びNADに変換する。その際のNA
DHの減少を340nmの吸光度変化により経時的に測定す
る。
【0025】具体的には、0.5ml の反応混液〔100mM イ
ミダゾール−塩酸緩衝液(pH7.1)、20mM KCl、5.4mM
MgSO4、5mM PEP、4.8mM ADP、0.2mM NAD
H、50μg 乳酸脱水素酵素(ベーリンガーマンハイム社
製)〕に、適宜希釈した耐熱性ピルビン酸キナーゼ溶液
を加え、340nm における吸光度変化を、分光光度計(UV
-240, 島津社製)を用いて測定する。 〔測定法2〕ATPの生成量による力価の測定法 ホスホエノールピルビン酸及びADPから生成するAT
P及びピルビン酸のうち、ATP生成量を、ルシフェリ
ン−ホタルルシフェラーゼ発光試薬を用いて定量する。
【0026】具体的には、0.5ml の反応混液〔100mM イ
ミダゾール−塩酸緩衝液(pH7.1)、20mM KCl、5.4mM
MgSO4、5mM PEP、4.8mM ADP〕に、適宜希釈し
た耐熱性ピルビン酸キナーゼ溶液を加え、37℃で30分間
反応させる。次いで、煮沸により反応を停止した後、反
応液を適宜希釈し、希釈液50μlに対して50μlの測定用
発光試薬(ルシフェール,キッコーマン社製)を加え
る。次いで、ルミノメーター(ダイナテック・ラボラト
リー社製)を用いて発光量を測定する。 〔1〕マイクロバイスポラ属の微生物を用いた本酵素の
生産 本酵素を製造するために使用される微生物は、マイクロ
バイスポラ属に属し、本酵素の生産能を有する微生物で
あればいかなる菌株でもよく、具体的には、例えば、マ
イクロバイスポラ・サーモダイアスタティカ(Microbis
pora thermodiastatica IFO 14046)を挙げることがで
きる。又、該菌株の変異株を用いることも可能である。
該菌株の変異株を得る方法としては、例えば、ラジオア
イソトープ、紫外線、ニトロソグアニジン等を用いて原
株に突然変異を起こさせる方法を用いることができる。
【0027】上記の微生物を培地に培養し、得られる培
養物から本酵素を採取する。培養法は、通常の固体培養
法でもよいが、液体培養法を採用することが好ましい。
培地は、微生物を培養する通常の培地、すなわち炭素
源、窒素源、無機物、その他の栄養素を適切な割合で含
有するものであれば、合成培地又は天然培地のいずれで
も使用できる。
【0028】炭素源としては、資化可能な炭素化合物、
例えばマルトース、グルコース、デンプン加水分解物、
グリセリン、フラクトース、糖蜜等が使用される。又、
窒素源としては、利用可能な窒素化合物、例えば酵母エ
キス、ペプトン、肉エキス、コーンスチープリカー、大
豆粉、アミノ酸、硫安、硝酸アンモニウム等が使用され
る。その他、食塩、塩化カリウム、硫酸マグネシウム、
塩化マンガン、硫酸第一鉄、リン酸第一カリウム、リン
酸第二カリウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等の
種々の塩類、ビタミン類、消泡剤等が使用される。これ
らの培地成分は、単独で、又は適宜組み合わせて用いる
ことができる。
【0029】微生物の培養は、使用する微生物の性質及
び培地の形状に応じて通気撹拌培養、振盪培養、静置培
養等を適宜選択し、培地の初発pHを7〜8程度に調整
した後、40〜50℃、好ましくは45℃前後で10〜80時間、
好ましくは30〜50時間行えばよい。培養終了後、培養物
より本酵素を採取するためには、通常の酵素採取手段を
用いることができる。すなわち、濾過又は遠心分離等に
より菌体を分離した後、超音波破砕機、フレンチプレ
ス、リゾチーム等の細胞壁溶解酵素、界面活性剤等を用
いて菌体から酵素を抽出する。次いで、濾過又は遠心分
離等を用いて不溶物を除去することにより、本酵素を含
有する粗酵素液を得ることができる。
【0030】このようにして得られた粗酵素液から、本
酵素をさらに精製するには、通常のタンパク質精製法を
使用することができる。具体的には、例えば硫安塩析
法、有機溶媒沈澱法、イオン交換クロマトグラフィー、
疎水クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィ
ー、吸着クロマトグラフィー、アフィニティークロマト
グラフィー、電気泳動法等を単独で、又は適宜組み合わ
せて用いることができる。 〔2〕遺伝子工学的手法による本酵素遺伝子のクローニ
ング及び本酵素の生産 以下に、本酵素をコードする遺伝子(以下「PK遺伝
子」という)を含むDNAが挿入された組み換え体DN
Aにより宿主細胞を形質転換又は形質導入し、得られた
組み換え微生物を用いて本酵素を生産する方法について
詳細に説明する。
【0031】PK遺伝子を含むDNAは、染色体DN
A、又はcDNA由来の野生型遺伝子をクローニングす
ることにより得られる。又、本酵素のアミノ酸配列に基
づいてプライマーを合成し、染色体DNA又はcDNA
を鋳型としてポリメラーゼ連鎖反応(以下「PCR」と
いう)を行うことにより該遺伝子を増幅することもでき
る。さらには化学合成法を用いて該遺伝子を構築するこ
とも可能である。
【0032】以下、マイクロバイスポラ属に属し、本酵
素の生産能を有する微生物の染色体DNAのライブラリ
ー(以下「ゲノミックDNAライブラリー」という)か
らPK遺伝子をクローニングする方法を例にとり、PK
遺伝子を含むDNAの単離法について説明する。 1.ゲノミックDNAライブラリーの作成 マイクロバイスポラ属に属し、本酵素の生産能を有する
微生物から染色体DNAを抽出する方法としては、公知
のいずれの方法もが使用できる。その例としては、実施
例2記載の方法、或いはHoffman 等の方法(Gene,57,26
7-272,1987)等が挙げられる。
【0033】マイクロバイスポラ属に属し、本酵素の生
産能を有する微生物としては、例えばマイクロバイスポ
ラ・サーモダイアスタティカ(Microbispora thermodia
statica IFO14046)等が使用できる。上記微生物は、例
えば、IFO指定の培地(IFOmedium No.231 )等で培
養したものを使用することができるが、培養した菌体を
集菌後に凍結保存した保存試料を使用することも可能で
ある。
【0034】得られた染色体DNAを制限酵素BamHI に
より完全消化し、染色体DNAのBamHI 断片(以下「Ba
mHI 断片」という)を得る。次いで、BamHI 断片を通常
のアガロースゲル電気泳動法に供し、約4.0kbpの鎖長の
BamHI 断片を含むゲルを切り出す。尚、本発明者等は、
PK遺伝子の一部に対応するオリゴヌクレオチドをプロ
ーブとしてサザンブロット分析を行った結果、PK遺伝
子を含有するBamHI 断片の鎖長は、約4.0kbpであること
を確認している。
【0035】切り出したゲル中のDNA断片を、GENE C
LEAN II(フナコシ社製)等により精製し、更にエタノ
ール沈殿等により濃縮して、純化されたBamHI 断片を得
る。純化されたBamHI 断片を、適当なベクターDNAの
BamHI 部位に挿入して組み換え体DNAを作成し、該組
み換え体DNAを用いて、宿主細胞を形質転換又は形質
導入すれば、ゲノミックDNAライブラリーを作成する
ことができる。
【0036】BamHI 断片を挿入するためのベクターDN
Aは、宿主細胞で複製可能なものであれば如何なるもの
でもよく、例えば、プラスミドDNA、バクテリオファ
ージDNA等が挙げられる。宿主細胞が大腸菌である場
合は、プラスミドpUC118(宝酒造社製)、pUC119(宝酒
造社製)、pBluescript SK+(Stratagene社製)、pMAL-C2
(NEW England Labs社製)、pGEX-5X-1(ファルマシア
社製)、pXa1(ベーリンガーマンハイム社製)等が使用
できる。この他、温度感受性バクテリオファージ(特開
昭58-212781号公報、FERM BP-133)等を使用することも
可能である。宿主細胞としては、真核細胞及び原核細胞
のいずれをも用いることができる。真核細胞としては動
物、植物、昆虫、酵母等の細胞が、原核細胞としては大
腸菌、枯草菌、放線菌等が挙げられる。具体的には、エ
ッシェリシア属に属する微生物、例えば大腸菌XL1-Blue
(Stratagene社製)、JM109(宝酒造社製)、HB101(ATC
C33694)等が好適に使用され得る。
【0037】ベクターDNAとしてプラスミドDNAを
用いる場合、BamHI 断片を挿入するために、プラスミド
DNAを制限酵素BamHI(宝酒造社)等を用いて消化し、
切断されたベクターDNAを得る。次いで、BamHI 断片
と、切断されたベクターDNAとを混合し、これに、例
えばT4 DNAリガーゼ(ベーリンガーマンハイム社
製)を作用させて組み換え体DNAを得る。このように
して得られた組み換え体DNAを用いて、宿主細胞、例
えば大腸菌XL1-Blue等を形質転換することにより、種々
の遺伝子を含むBamHI 断片を保有する形質転換体のコロ
ニーを得ることができる。
【0038】本発明においては、形質転換は、例えばD.
M.Morrisonの方法(Methods in Enzymology,68,326-33
1,1979)により、形質導入は、例えばB.Hohnの方法(Met
hod in Enzymology,68,299-309,1979)により行うこと
ができる。尚、本発明においては、宿主細胞に遺伝子を
導入する方法として、上記の方法の他に、相同組換えに
より遺伝子を宿主細胞の染色体DNAに挿入する方法を
用いることができる。相同組換えによる遺伝子導入は、
具体的には、例えばマイクロインジェクション法等によ
り行うことができる。 2.PK遺伝子を保有するクローンの選別 上記で作成したゲノミックDNAライブラリーより、P
K遺伝子を保有する形質転換株をスクリーニングするに
は、PK遺伝子の一部に対応するDNA断片をプローブ
として、コロニーハイブリダイゼーション〔Current Pr
otocols in Molecular Biology(WILEY Interscience,19
89)〕を行えばよい。
【0039】プローブとして用いるDNA断片は、PC
R法を用いて調製することができる。先ず、本酵素のN
末端アミノ酸配列に基づいてオリゴヌクレオチドを合成
し、これを5’プライマーとする。次いで、従来公知の
ピルビン酸キナーゼにおいて、保存性の高い領域のアミ
ノ酸配列に基づいてオリゴヌクレオチドを合成し、これ
を3’プライマーとする。従来公知のピルビン酸キナー
ゼとしては、大腸菌、バチルス・ステアロサーモフィラ
ス、サッカロミセス・セレビシエ等を由来とするものを
挙げることができる。
【0040】これらのオリゴヌクレオチドをPCR用プ
ライマーとし、マイクロバイスポラ・サーモダイアスタ
ティカの染色体DNAを鋳型としてPCRを行うことに
よりPK遺伝子の一部に対応するDNA断片を増幅する
ことができる。尚、PCR用プライマーを合成する際に
使用するコドンは、マイクロバイスポラ属に属する微生
物において高頻度で使用されるコドンを選択することが
好ましい。これにより効率よくPCRを行うことができ
る。
【0041】プローブは、ジゴギシゲニン(ベーリンガ
ーマンハイム社製)等の非放射性物質、或いは〔γ−32
P〕ATP(アマシャム ジャパン社製)等の放射性同
位体により標識することができる。このようにしてPK
遺伝子を保有する形質転換株を得ることができる。該形
質転換株より純化された組み換え体DNAを得るには、
例えばQIAGEN Plasmid Mini Kit(フナコシ社製)、超
遠心塩化セシウム濃度勾配分離法等の方法を用いればよ
い。 3.遺伝子の解析 上記組み換え体DNAに挿入されているBamHI断片の鎖
長は、約4.0kbpである。PK遺伝子の解析を容易に行う
ために、下記の方法に従ってサブクローニングを行い、
該BamHI断片の鎖長を更に短くすることが好ましい。
【0042】先ず、上記組み換え体DNAを、制限酵素
SalIで切断した後、通常のアガロースゲル電気泳動法に
供する。次いで、約2.3kbpの鎖長のDNA断片(以下
「SalI断片」という)を含むゲルを切り出した後、ゲル
中のSalI断片を精製する。SalI断片にはPK遺伝子の全
長が含まれている。SalI断片をベクターDNA、例えば
プラスミドpUC118(宝酒造社製)、pUC119(宝酒造社
製)、温度感受性バクテリオファージ(特開昭58-21278
1 号公報、FERM BP-133 等)のSalI部位に挿入して組み
換え体DNAを作成し、該組み換え体DNAを用いて、
宿主細胞、例えば大腸菌XL1-Blue(Stratagene社製)を
形質転換する。得られた形質転換体に含まれる組み換え
体DNAを、QIAGEN Plasmid Mini Kit(フナコシ社
製)等を用いて精製する。
【0043】このようにして得られた組み換え体DNA
に挿入されているPK遺伝子の塩基配列の決定は、ジデ
オキシ法(Methods in Enzymology,101,20-78,1983)、
具体的には実施例2(2) 記載の方法により行うことがで
きる。決定したPK遺伝子の塩基配列に基づいて、本酵
素のアミノ酸配列を確定する。このアミノ酸配列は、配
列番号1に示される通りである。
【0044】配列番号1のアミノ酸配列において、耐熱
性ピルビン酸キナーゼ活性を失うことのない限り、1も
しくは複数のアミノ酸が、付加、欠失もしくは置換され
ていてもよい。耐熱性ピルビン酸キナーゼ活性を失うこ
とのない範囲でアミノ酸配列が変異されたポリペプチド
をコードする遺伝子は、全て本発明に含まれる。上記の
変異型PK遺伝子は、野生型のPK遺伝子に変異を導入
することにより得られる。遺伝子に変異を導入する方法
としては、野生型遺伝子と変異原となる薬剤、具体的に
はヒドロキシルアミン、亜硝酸、亜硫酸、5−ブロモウ
ラシル等を接触させる方法を挙げることができる。この
他、紫外線照射法、カセット変異法、PCR法を用いた
部位特異的変異導入法等の方法を広く用いることができ
る。更には、化学合成したDNAをアニーリングして、
所望の部位に変異を有する変異型PK遺伝子を構築する
ことも可能である。 4.組み換え微生物による本酵素の生産 SalI断片(この中にPK遺伝子の全長が含まれてい
る。)が挿入された組み換え体DNAを保有する組み換
え微生物を培養すれば、本酵素を生産することができ
る。培養方法は、通常の固体培養法でもよいが、液体培
養法を採用することが好ましい。
【0045】組み換え微生物を培養する培地としては、
例えば酵母エキス、ペプトン、肉エキス、コーンスティ
ープリカー又は大豆もしくは小麦ふすまの浸出液等から
選ばれる1種以上の窒素源に、リン酸二水素カリウム、
リン酸水素二カリウム、硫酸マグネシウム、塩化第二
鉄、硫酸第二鉄又は硫酸マンガン等の無機塩類の1種以
上を添加し、更に必要により糖質原料、ビタミン等を適
宜添加したものが用いられる。又、必要により培地にI
PTG等を添加して、PK遺伝子の発現を誘導してもよ
い。
【0046】培地の初発pHは7〜9に調節するのが適
当である。培養は、30〜42℃、好ましくは37℃前後で6
〜24時間、通気撹拌培養、振盪培養、静置培養等により
行うことが好ましい。培養終了後、培養物より本酵素を
採取するには、通常の酵素採取手段を用いることができ
る。すなわち、リゾチーム等の酵素を用いた溶菌処理、
超音波破砕処理、磨砕処理等により菌体を破壊し、本酵
素を菌体外に排出させる。次いで、濾過又は遠心分離等
を用いて不溶物を除去することにより、本酵素を含有す
る粗酵素液を得ることができる。本発明では、該粗酵素
液をそのまま耐熱性ピルビン酸キナーゼ酵素標品として
もよく、以下の精製手法によりさらに純度を高めてもよ
い。
【0047】上記の粗酵素液から、本酵素をさらに精製
するには、通常のタンパク質精製法を使用することがで
きる。具体的には、硫安塩析法、有機溶媒沈澱法、イオ
ン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、
ゲルろ過クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィ
ー、アフィニティークロマトグラフィー、電気泳動法等
が、単独又は適宜組み合わせて用いられる。
【0048】遺伝子工学的手法により生産される本酵素
の理化学的性質は、DNA供与体であるマイクロバイス
ポラ属に属する微生物が生産する耐熱性ピルビン酸キナ
ーゼの理化学的性質と全く同様である。また、本酵素
は、広範な至適及び安定pH範囲並びに耐熱性をともに
兼ね備えている。従って、本酵素は、例えば試薬として
利用する場合にpHや温度などの試験環境が変化したと
きの影響を受けにくい点で、公知の耐熱性ピルビン酸キ
ナーゼよりも優れている。
【0049】
【発明の実施の形態】次に、実施例により本発明を更に
具体的に説明する。但し、本発明はこれら実施例になん
ら限定されるものではない。 〔実施例1〕 天然型耐熱性ピルビン酸キナーゼの製造 (1) 種菌の調製 IFOより入手したマイクロバイスポラ・サーモダイア
スタティカ(Microbispora thermodiastatica IFO 1404
6)を、IFO指定の培地(IFO medium No.231:0.1%
酵母エキス、0.1%ビーフエキス、0.2%NZアミン、2.
0%マルトース、pH7.3に調整)で培養した後、モノコ
ロニー分離を行った。得られたコロニーを上記IFO指
定の培地で培養した後、培養液に等量のグリセロールを
加え、種菌として凍結保存した。
【0050】(2) 微生物の培養 酵素生産用培地(1%グルコース、1%酵母エキス、0.
1%ビーフエキス、0.2%NZアミン、0.1%リン酸一カ
リウム、pH7.5に調整)10mlを入れた太試験管に種菌
を接種し、45℃で3日間培養した。培養液1mlを、酵素
生産用培地50mlを入れた500ml容坂口コルベンに接種
し、45℃で2日間培養した。培養液10mlを、酵素生産用
培地500mlを入れた5000ml容坂口コルベン(4本)に接
種し、45℃で40時間培養した。上記の培養液全量を、酵
素生産用培地20Lを入れた30L容ジャーファーメンター4
基に接種し、45℃で40時間培養した。
【0051】培養後、遠心分離により菌体を回収した
後、洗浄用緩衝液〔20mM リン酸カリウム緩衝液(pH
7.5)、5mM EDTA、1mM MgSO4、1mM 2-メルカプトエ
タノール、1mM 4-(2-アミノエチル)-ベンゼンスルホニ
ル-フルオリド塩酸塩〕にて菌体を洗浄した。次いで、
上記菌体を洗浄用緩衝液10L に懸濁した。 (3) 粗酵素液の調製 上記の懸濁液に、終濃度が6.25mg/mlとなるようにリゾ
チームを添加し、4℃で一晩放置した後、室温で2時間
撹拌して溶菌した。
【0052】溶菌処理後の懸濁液に5%プロタミン水溶
液(pH7.5)500ml を撹拌しながら滴下し、次いで遠
心分離により核酸を除去した。遠心上清をホローファイ
バー(旭メディカル社製)を用いて濃縮しながら、緩衝
液A[20mM リン酸カリウム緩衝液(pH7.5)、5mM E
DTA、1mM MgSO4、1mM 2-メルカプトエタノール]にて
希釈し、プロタミン水溶液を緩衝液Aに置換した。以上
の操作により、約6L の粗酵素液を得た。
【0053】(4) 本酵素の精製 上記の粗酵素液を、緩衝液Aで平衡化したイオン交換カ
ラム(Q-Sepharose fast flow ;ファルマシア社製)に
供した。カラムを緩衝液Aで洗浄した後、0.2-0.6MのKC
lの直線濃度勾配法により吸着画分を溶出した。溶出液
を分取し、各画分のピルビン酸キナーゼ活性を測定法1
に従って調べた。ピルビン酸キナーゼ活性を有する画分
(以下「活性画分」という)を、ホローファイバーを用
いて濃縮した後、緩衝液Aに対して透析し、KClを除去
した。
【0054】透析処理後の活性画分をアフィニティーカ
ラム(Blue-Sepharose;ファルマシア社製)に供した。
カラムを緩衝液Aで洗浄した後、0-0.2M のKClの直線
濃度勾配法により吸着画分を溶出した。活性画分をホロ
ーファイバーを用いて濃縮した後、緩衝液Aに対して透
析し、KClを除去した。透析処理後の活性画分を、Q-Sep
harose fast flow カラムに供した。カラムを緩衝液A
で洗浄した後、0.2-0.35M のKClの直線濃度勾配法によ
り吸着画分を溶出した。活性画分を限外濃縮した後、緩
衝液B[50mM Tris-HCl (pH7.5)、5mMEDTA、1mM MgSO
4、1mM 2-メルカプトエタノール]に対して透析し、次
いでホローファイバーを用いて濃縮した。
【0055】濃縮処理後の活性画分を、300mM KCl を含
む緩衝液Bにて平衡化したTSK-gelG3000SWXL(東ソー社
製)を用いたゲル濾過HPLCに供した。得られた活性
画分を、300mM KCl を含む緩衝液Bに対して透析した
後、セントリコン−10(アミコン社製)を用いて限外濃
縮した。濃縮処理後の活性画分を、緩衝液Bにて平衡化
した疎水カラム(TSK-gel エーテル5PW ;東ソ−社製)
に供し、1.0-0.5Mの硫安の直線濃度勾配法により吸着画
分を溶出した。活性画分をセントリコン−10を用いて限
外濃縮した後、緩衝液Bに対して透析し、硫安を除去し
た。
【0056】透析処理後の活性画分を緩衝液Bにて平衡
化した疎水カラム(TSK-gel フェニル5PW ;東ソー社
製)に供し、1.0-0.5M の硫安の直線濃度勾配法により
吸着画分を溶出した。活性画分をセントリコン−10を用
いて限外濃縮した後、緩衝液Bに対して透析し、硫安を
除去した。透析処理後の活性画分を緩衝液Bにて平衡化
したイオン交換カラム(TSK-gelDEAE 5PWカラム;東ソ
ー社製)に供し、0.2-0.35M のKClの直線濃度勾配法に
より吸着画分を溶出した。活性画分をセントリコン−10
を用いて限外濃縮した後、緩衝液Bに対して透析し、KC
lを除去した。
【0057】上記の方法により得られた活性画分の一部
を、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動に供し
た。泳動終了後にゲルの銀染色を行い、本酵素が単一バ
ンドとなるまでに精製されていることを確認した。上記
の活性画分中に含まれるタンパク質量は420μg、比活性
は175 U/mgであった。
【0058】〔実施例2〕遺伝子工学的手法による本酵
素遺伝子のクローニング (1) 染色体DNAの調製 染色体DNAは、以下の方法により調製した。すなわ
ち、マイクロバイスポラ・サーモダイアスタティカ(Mi
crobispora thermodiastatica IFO14046)を、IFO指
定の培地(IFO medium No.231)500 mlに接種して45℃
で70時間振盪培養した後、遠心分離により集菌した。得
られた菌体5gを、5mlの破砕溶液〔2mg/ml リゾチー
ム、25mMEDTA、25mMトリスー塩酸(pH8.0 )、0.3
Mショ糖〕に懸濁した後、試験管に移し、37℃で60分、
時々撹拌しながら溶菌した。次いで24μlのプロテイナ
ーゼK溶液(20mg/ml)を加え、37℃で60分、更に溶菌
した。次いで、800 μlの5M NaCl、640μlの10%CTAB
/0.7MNaCl (CTAB: セチルトリメチルアンモニウムブロ
ミド) を加え、65℃で10分間静置した。
【0059】その後、常法に従い、クロロホルム抽出、
イソプロパノール沈澱、エタノール沈殿を行い、100 μ
g の染色体DNAを得た。 (2) サザンブロット分析 プローブとして用いるDNA断片は、PCR法を用いて
調製した。先ず、実施例1記載の方法により本酵素を精
製し、そのN末端アミノ酸配列を、プロテインシーケン
サー(473A型; アプライドバイオシステムズ社製)を用
いて決定した。N末端アミノ酸配列の情報及びマイクロ
バイスポラ属でのコドン利用頻度に基づいてオリゴヌク
レオチドを合成し、これを5’プライマーとした(配列
番号3)。オリゴヌクレオチドの合成は、DNA Synthesi
zer Model 392(アプライド バイオシステムズ社製)
を用いて行った。
【0060】次に、従来公知のピルビン酸キナーゼ(大
腸菌、バチルス・ステアロサーモフィラス、サッカロミ
セス・セレビシエ等を由来とするもの)において、保存
性の高い領域のアミノ酸配列及びマイクロバイスポラ属
でのコドン利用頻度に基づいてオリゴヌクレオチドを合
成し、これを3’プライマーとした(配列番号4)。次
いで、Microbispora thermodiastatica(IFO14046) の染
色体DNAを鋳型とし、Taq DNA ポリメラーゼ(TaK
aRa Taq; 宝酒造社製)を用いてPCRを行った結果、
約800bp のDNA断片が増幅された。
【0061】上記PCR産物の塩基配列を、Taq Dye Pr
imer Cycle Sequencing Kit およびTaq DyeDeoxy Termi
nator Cycle Sequencing Kit(いずれもアプライド バ
イオシステムズ社製)を用いて決定したところ、該PC
R産物が、PK遺伝子の一部に対応する塩基配列を有し
ていることが確認された。染色体DNAを制限酵素BamH
I により完全消化した後、通常のアガロースゲル電気泳
動法に供し、ゲル中のBamHI 断片をナイロンメンブレン
フィルター(Hybond-N+;アマシャム社製)に転写し
た。次いで、上記のPCR産物をプローブとしてサザン
ブロット分析を行い、PK遺伝子を含有するBamHI 断片
の鎖長が、約4.0kbpであることを確認した。尚、プロー
ブは、DIG-Labeling Kit(ベーリンガーマンハイム社)
を用いてジゴキシゲニン標識した。
【0062】(3) ゲノミックDNAライブラリーの作成 100 μgの染色体DNAを、制限酵素BamHI (宝酒造社
製)により完全消化した後、0.7 %アガロースゲル電気
泳動に供した。次いで、約4.0kbpの鎖長のBamHI 断片を
含有するゲルを切り出した。ゲル中のDNA断片を、GE
NE CLEAN II(フナコシ社製)により回収し、10μg のB
amHI 断片を得た。一方、プラスミドpUC118(宝酒造社
製)2μgを、BamHI を用いて切断した後、大腸菌由来
のアルカリホスファターゼ(宝酒造社製)を用いて脱リ
ン酸化した。
【0063】上記で得られたBamHI 断片10μgと、切断
されたプラスミドpUC118とを混合し、T4 DNAリガ
ーゼ(ベーリンガーマンハイム社)1ユニットで連結
し、組み換え体プラスミドを得た。次いで、D.M.Morris
onの方法に従って大腸菌XL1-Blue(Stratagene社製)を
形質転換し、約6000個の大腸菌のコロニーを得た。大腸
菌のコロニーを、ナイロンメンブレンフィルター(Hybo
nd-N+;アマシャム社製)に転写した。
【0064】(4) コロニーハイブリダイゼーションによ
るPK遺伝子の単離 PK遺伝子は、(3) で作成したゲノミックDNAライブ
ラリーを、(2) のプローブを用いてスクリーニングして
得た。スクリーニングは、コロニーハイブリダイゼーシ
ョン法を用いて行い、陽性コロニー1個を得た。陽性コ
ロニーに含まれる組み換え体プラスミド(以下「プラス
ミドpAA100」という)を、QIAGEN Plasmid Mini Kit
(フナコシ社製)を用いて精製した。プラスミドpAA100
をBamHI で消化した後、0.7 %アガロースゲル電気泳動
法に供し、プラスミドpAA100に、約4.0kbpのBamHI 断片
が挿入されていることを確認した。
【0065】(5) PK遺伝子の解析 PK遺伝子のサブクローニング PK遺伝子の解析を容易に行うために、下記の方法に従
ってサブクローニングを行い、より短いDNA断片を含
有する組み換え体DNAを作成した。先ず、約4.0kbpの
BamHI 断片の制限酵素地図を作成した。その情報に基づ
いてプラスミドpAA100をSalIで切断し、反応液を0.7 %
アガロースゲル電気泳動法に供した。約2.3kbpの鎖長の
DNA断片を含むゲルを切り出し、ゲル中のDNA断片
(SalI断片)をGENE CLEAN II(フナコシ社製)により
精製した。得られたSalI断片をプラスミドpUC119(宝酒
造社製)のSalI部位に挿入して組み換え体DNAを作成
し、該組み換え体DNAを用いて、大腸菌XL1-Blue(St
ratagene社製)を形質転換した。
【0066】塩基配列の決定 上記の方法により得られた形質転換体に含まれる組み換
え体DNAを、QIAGENPlasmid Mini Kit(フナコシ社
製)を用いて精製し、該組み換え体DNAに挿入されて
いるSalI断片の塩基配列を決定した。その結果、SalI断
片には、PK遺伝子の全長が含まれていることが確認さ
れた。
【0067】PK遺伝子は、1425bpのコーディング領域
をもち(配列番号2)、474 個のアミノ酸をコードして
いた(配列番号1)。なお、プロテインシーケンサーを
用いて決定した本発明の耐熱性ピルビン酸キナーゼのN
末端アミノ酸は、配列番号1で表されるアミノ酸配列の
第2番目のセリンであった。このようにして得られた形
質転換株を、大腸菌XL1-Blue/pAA301と命名した。該形
質転換株は、工業技術院生命工学工業技術研究所にFERM
BP-5235として寄託されている。
【0068】〔実施例3〕組み換え微生物による本酵素
の生産 LB培地(1%ペプトン、0.5 %酵母エキス、1% NaC
l、pH7.2 )に、大腸菌XL1-Blue/pAA301の一夜培養
液を1%植菌し、37℃で4時間振盪培養した。次いで、
1mMとなるようにIPTGを添加し、更に37℃で18時間振盪
培養した後、遠心分離により集菌した。菌体を超音波に
より破砕し、得られた粗酵素液について、本酵素の活性
を測定法1に基づいて測定した。また、IPTG無添加の粗
酵素液についても同様に測定した。さらに、天然のマイ
クロバイスポラ・サーモダイアスタティカ IFO14046 の
粗酵素液並びに本酵素遺伝子を含まないpUC119で形質転
換した大腸菌XL1-BlueについてIPTGを添加したもの及び
無添加の粗酵素液についても、同様に測定した。
【0069】結果を表4に示す。
【0070】
【表4】
【0071】遺伝子工学的手法を用いて生産される耐熱
性PK(以下組換え型PKという)の理化学的性質は、
DNA供与体であるMicrobispora thermodiastatica(IF
O14046)の生産する耐熱性PKの理化学的性質と全く同
様であった。また、ピルビン酸キナーゼの理化学的性質
について、本酵素と公知ピルビン酸キナーゼとの比較結
果は、前記表3に示すとおりである。
【0072】表3から明らかなように、本酵素は、至適
pH範囲が公知酵素よりも広く、安定pH範囲も弱酸性
から弱アルカリ性に渡っており、広範囲である。そし
て、耐熱性についても、55℃では100 %の活性を維持
し、60℃でも68%の活性を保持する。これに対し、ウサ
ギ筋由来の酵素(酵素A)は、安定pH範囲は本酵素と
同程度であるが、至適pH範囲が狭く、また、耐熱性も
劣っている。また、バチルス・ステアロサーモフィラス
由来の酵素(酵素B)は、安定pH範囲がアルカリ性側
に偏っている。さらに、サーマス・サーモフィラス及び
サーモプラズマ・アシドフィラム由来の酵素(それぞれ
酵素C、酵素D)は、耐熱性に優れているが、至適pH
範囲が狭い。また、酵素Cの作用適温は70〜75℃であ
り、酵素Dは、40℃以下での活性が非常に低い。従っ
て、これらの酵素は、実際の臨床検査で利用しやすいと
はいえない。更に、酵素CのKm値は本酵素より大きい
ことから、その反応性は本酵素より低いと考えられる。
【0073】以上より、本酵素は、臨床検査用試薬等に
利用する場合にpHや温度などの試験環境が変化したと
きの影響を受けにくく、その取扱いが容易で利用しやす
いと考えられることから、公知の耐熱性ピルビン酸キナ
ーゼよりも優れているといえる。
【0074】
【発明の効果】本発明により、耐熱性ピルビン酸キナー
ゼ、耐熱性ピルビン酸キナーゼ遺伝子が提供され、ま
た、本酵素を効率よく大量に生産することができる。本
酵素は熱安定性に優れているため、臨床検査用試薬を始
めとする各種産業分野において使用できる。
【0075】
【配列表】
配列番号1 配列の数:474 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列: Met Ser Arg Arg Ala Lys Ile Val Cys Thr Leu Gly Pro Ala Thr Ser 1 5 10 15 Ser Pro Glu Arg Leu Arg Glu Leu Ile Lys Ala Gly Met Asn Val Ala 20 25 30 Arg Phe Asn Leu Ser His Gly Ser His Glu Leu His Lys Glu Val Phe 35 40 45 Asp Arg Val Arg Ala Ala Ala Asp Glu Leu Gly Cys Ala Val Gly Val 50 55 60 Leu Ala Asp Leu Gln Gly Pro Lys Ile Arg Val Gly Arg Phe Ala Ser 65 70 75 80 Gly Pro Val Arg Leu Gly Tyr Gly Asp Val Phe Thr Ile Thr Thr Glu 85 90 95 Asp Val Pro Gly Asp Arg Asp Ile Val Ser Thr Thr Tyr Glu Gly Leu 100 105 110 Pro Gly Asp Val Lys Pro Gly Asp Thr Ile Leu Val Asp Asp Gly Arg 115 120 125 Leu Asn Leu Glu Val Thr Ala Val Asp Gly Pro Arg Val Val Thr Lys 130 135 140 Val Val Ile Gly Gly Met Ile Ser Asp Asn Lys Gly Leu Asn Leu Pro 145 150 155 160 Gly Val Ala Val Ser Ala Pro Ala Leu Thr Glu Lys Asp Glu Glu Asp 165 170 175 Leu Arg Trp Ala Leu Arg Thr Gly Phe Asp Met Ile Ala Leu Ser Phe 180 185 190 Val Arg Cys Pro Asp Ala Leu Val Arg Ala Ile Met Glu Glu Glu Gly 195 200 205 Val Arg Leu Pro Leu Leu Ala Lys Ile Glu Lys Pro Gln Ala Val Glu 210 215 220 Arg Leu Glu Glu Ile Val Asp Thr Phe Asp Gly Val Met Val Ala Arg 225 230 235 240 Gly Asp Leu Gly Val Glu Leu Pro Leu Glu Gln Val Pro Ile Val Gln 245 250 255 Arg Arg Ile Ile Asp Leu Cys Arg Glu Lys Ala His Pro Val Ile Val 260 265 270 Ala Thr Gln Met Leu Asp Ser Met Met Ser Ser Pro Arg Pro Thr Arg 275 280 285 Ala Glu Ala Ser Asp Val Ala Tyr Ala Val Met Asp Gly Ala Asp Ala 290 295 300 Val Met Leu Ser Gly Glu Thr Ser Val Gly Asn Tyr Pro Val Glu Ala 305 310 315 320 Val Ser Thr Met Ala Arg Ile Ala Ser Pro Arg Arg Ala Thr Arg Cys 325 330 335 Arg Pro Pro Thr Pro Trp Thr Ala Cys Pro Arg Pro Pro Ala Ala His 340 345 350 Arg Pro Arg Gly Ala Glu Val Gly Ala Ile Val Gly Ala Lys Ala Leu 355 360 365 Val Ala Tyr Thr Met Ser Gly Glu Thr Ala Arg Arg Leu Ala Arg Tyr 370 375 380 Arg Ser Pro Ile Pro Leu Leu Ala Phe Thr Ser Asn Pro Leu Val Arg 385 390 395 400 Gly Gln Leu Ala Leu Thr Trp Gly Val Glu Thr Phe Glu Val Pro Phe 405 410 415 Val His His Thr Asp Asp Met Val Arg Gln Val Glu Ala Ser Leu Leu 420 425 430 Ser Leu Gly Ile Cys Glu Lys Gly Asp Lys Val Val Val Val Ala Gly 435 440 445 Ser Pro Pro Gly Asn His Gly Ser Thr Asn Ser Leu Arg Val His Thr 450 455 460 Ile Gly Ser Ala Val Ala His Pro Ala Val 465 470 474
【0076】配列番号2 配列の数:1425 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 起源 生物名:マイクロバイスポラ・サーモダイアスタティカ
Microbispora thermodiastatica) 株名:IFO 14046 配列: GTGAGTCGTC GAGCAAAGAT CGTCTGTACC CTCGGGCCCG CCACCTCCTC CCCGGAGCGC 60 CTACGCGAGC TCATCAAGGC GGGAATGAAC GTCGCCCGCT TCAACCTCTC GCACGGCAGC 120 CACGAGCTGC ACAAGGAGGT GTTCGACCGG GTCAGGGCCG CCGCCGACGA GCTGGGCTGC 180 GCCGTCGGCG TCCTCGCCGA CCTGCAGGGC CCCAAGATCC GTGTCGGACG CTTCGCCTCC 240 GGTCCCGTAC GGCTCGGCTA CGGCGACGTC TTCACGATCA CTACCGAGGA CGTCCCCGGT 300 GACCGGGACA TCGTCTCCAC CACGTACGAG GGCCTGCCGG GCGATGTGAA GCCCGGCGAC 360 ACGATCCTCG TGGACGACGG CCGGCTGAAC CTCGAAGTGA CCGCAGTGGA CGGGCCGCGC 420 GTCGTCACCA AGGTCGTCAT CGGAGGCATG ATCTCCGACA ACAAGGGCCT CAACCTCCCC 480 GGCGTCGCCG TCAGCGCCCC GGCGCTCACG GAGAAGGACG AGGAGGACCT GCGCTGGGCG 540 CTGCGCACCG GCTTCGACAT GATCGCCCTG TCGTTCGTCC GGTGCCCGGA CGCGCTCGTC 600 CGCGCGATCA TGGAGGAGGA GGGCGTCCGG CTCCCGCTTC TCGCGAAGAT CGAAAAGCCG 660 CAGGCCGTCG AACGCCTCGA GGAGATCGTG GACACCTTCG ACGGCGTCAT GGTCGCCCGC 720 GGCGACCTCG GCGTCGAGCT GCCGCTGGAG CAGGTGCCGA TCGTCCAGCG CCGCATCATC 780 GACCTGTGCC GGGAGAAGGC CCACCCCGTC ATCGTGGCCA CCCAGATGCT CGACTCGATG 840 ATGAGCTCAC CCCGCCCCAC CCGCGCCGAG GCCTCCGACG TCGCGTACGC CGTCATGGAC 900 GGCGCGGACG CGGTCATGCT GTCCGGCGAG ACCTCGGTCG GCAACTACCC CGTCGAGGCG 960 GTCTCCACGA TGGCCCGCAT CGCGTCGCCG CGGAGAGCAA CACGCTGCAG GCCACCCACA 1020 CCCTGGACCG CCTGCCCGAG ACCACCGGCG GCGCATCGCC CGCGCGGCGC CGAGGTCGGC 1080 GCGATCGTCG GGGCCAAGGC CCTGGTGGCG TACACGATGT CCGGCGAGAC CGCCCGGCGC 1140 CTGGCCCGCT ACCGCTCGCC CATCCCGCTG CTGGCCTTCA CCTCCAACCC GCTGGTGCGC 1200 GGCCAGCTCG CGCTGACCTG GGGCGTGGAG ACGTTCGAGG TGCCGTTCGT GCACCACACC 1260 GACGACATGG TCCGCCAGGT CGAGGCCTCG CTGCTGTCGC TCGGCATCTG CGAGAAGGGC 1320 GACAAGGTCG TCGTCGTCGC CGGCTCCCCG CCCGGCAACC ACGGCTCCAC CAACTCGCTG 1380 CGCGTCCACA CCATCGGCTC GGCGGTCGCC CACCCGGCGG TCTGA 1425
【0077】配列番号3 配列の数:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列: AGTCGTCGAG CAAAGATCGT CTGT
【0078】配列番号4 配列の数:23 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列: TCGAGCATCT GGGTGGCCAC GAT
【図面の簡単な説明】
【図1】本酵素の至適pHを示した図。
【図2】本酵素の安定pH範囲を示した図。
【図3】本酵素の熱安定性を示した図。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 9/12 C12R 1:19) (72)発明者 中島 基雄 千葉県野田市山崎1266−13 (72)発明者 増田 進 千葉県野田市宮崎101−2紫雲寮102号

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の理化学的性質を有する耐熱性ピル
    ビン酸キナーゼ。 (1) 作用:ホスホエノールピルビン酸及びADPに作用
    して、ピルビン酸及びATPを生成する。 (2) 基質特異性:ADP、GDP、IDP、UDP、C
    DPに対して特異的に作用し、特にADPに対して高い
    活性を有する。 (3) 至適pH及び安定pH範囲:至適pHは4.5〜6.5で
    あり、安定pH範囲は、4℃、24時間処理で、5.5〜8.0
    である。 (4) 熱安定性:イミダゾール−塩酸緩衝液(pH7.1)
    中、各温度で15分間処理後の残存活性は、55℃で約100
    %、60℃で68%、65℃で3%である。 (5) 阻害:Hg2+、SDS、Ag+によって強く阻害さ
    れ、Cd2+、Cu2+、ρ-クロロマーキュリーベンゾエ
    ート(ρ-chloromercuribenzoate)によって11〜20%阻
    害される。 (6) 分子量:ゲル濾過法により測定した結果277,000で
    あり、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法により
    測定した結果55,000である。
  2. 【請求項2】 マイクロバイスポラ属に属し、耐熱性ピ
    ルビン酸キナーゼ生産能を有する微生物を培地に培養
    し、得られる培養物から耐熱性ピルビン酸キナーゼを採
    取することを特徴とする耐熱性ピルビン酸キナーゼの製
    造法。
  3. 【請求項3】 微生物が、マイクロバイスポラ・サーモ
    ダイアスタティカである請求項2記載の耐熱性ピルビン
    酸キナーゼの製造法。
  4. 【請求項4】 配列番号1で表されるアミノ酸配列、又
    は該アミノ酸配列のうちの1若しくは複数のアミノ酸が
    付加、欠失若しくは置換されたアミノ酸配列を含み、耐
    熱性ピルビン酸キナーゼ活性をもたらすポリペプチドを
    コードする耐熱性ピルビン酸キナーゼ遺伝子。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の耐熱性ピルビン酸キナー
    ゼ遺伝子がベクターDNAに組み込まれた組み換え体D
    NA。
  6. 【請求項6】 エッシェリシア属に属し、請求項5記載
    の組み換え体DNAを含有する微生物を培地に培養し、
    得られる培養物から耐熱性ピルビン酸キナーゼを採取す
    ることを特徴とする耐熱性ピルビン酸キナーゼの製造
    法。
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