JP4168319B2 - 安定なリポプロテインリパーゼ - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は野生型リポプロテインリパーゼと比較して、液状安定性の向上した変異型リポプロテインリパーゼに関する。
【0002】
【従来の技術】
リポプロテインリパーゼは生体中のカイロミクロン、その他の低比重リポタンパク質のトリグリセライドを加水分解する特殊なトリアシルグリセロールプロテインアシルハイドロラーゼ(EC 3.1.1.34)である。リポプロテインリパーゼは特に臨床検査分野において、血清またはその他の試料中のトリグリセライドの定量に広く利用され、従来よりシュードモナス属やクロモバクテリウム属等の微生物由来のリポプロテインリパーゼが臨床検査用途に一般に使用されてきた。
近年、遺伝子工学的手法が応用されるようになり、スタフィロコッカス属、シュードモナス属、バチルス属等に属する多数の微生物からリポプロテインリパーゼをコードする遺伝子が単離され、さらにDNA配列への変異導入による機能改変により、熱安定性や界面活性剤耐性等の物理・化学的性質を変化させる試みがなされてきた。実際、シュードモナス・アエルギノーサTE3285、シュードモナス・アエルギノーサATCC31156(アーカイブ オブ バイオケミストリー アンド バイオフィジクス(Arch. of Biochem. and Biophys.),296巻,P505,1993)、シュードモナス・メンドシナSD702(特願平5-293631)由来等のリポプロテインリパーゼをコードするDNA配列に関する報告はなされており、またこれらDNA配列への変異導入により物理・化学的性質を変化した報告もなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
臨床検査用試薬として用いるリポプロテインリパーゼは、溶液状態における保存時の安定性に優れたものが望まれている。特に、リポプロテインリパーゼは中性脂肪を測定するために用いるものであるから、単に緩衝液中で安定であるだけではなく、中性脂肪測定試薬中に汎用添加されている界面活性剤に対しても安定であることが求められる。しかしながら、従来のリポプロテインリパーゼは、その両方を必ずしも満足させるものではなかった。本発明の課題は、野生型リポプロテインリパーゼを構成するアミノ酸に変異を導入することにより安定性を改良した変異型リポプロテインリパーゼを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために、シュードモナス・アエルギノーサTE3285由来の野生型リポプロテインリパーゼ遺伝子を用い、アミノ酸置換変異を導入することにより、液状安定性に優れた変異型リポプロテインリパーゼを獲得した。
シュードモナス・アエルギノーサTE3285由来の野生型リポプロテインリパーゼ遺伝子は、
Arch.Biochem.Biophys.296,503-513(1992)に記載のリポプロテインリパーゼ遺伝子である。
すなわち本発明は、シュードモナス・アエルギノーサTE3285由来の野生型リポプロテインリパーゼと比較して溶液状態における保存時の安定性に優れたことを特徴とする変異型リポプロテインリパーゼである。
また、本発明はそれらの変異型リポプロテインリパーゼをコードするリポプロテインリパーゼ遺伝子である。
さらに、本発明はそれらの変異型リポプロテインリパーゼ遺伝子を含む組換えプラスミドである。
および、本発明はそれらの組換えプラスミドにより形質転換された形質転換細胞である。
さらに、本発明はそれらの形質転換細胞を栄養培地にて培養し、リポプロテインリパーゼを発現することを特徴とする変異型リポプロテインリパーゼの製造法である。
【0005】
【発明の実施態様】
本発明の変異型リポプロテインリパーゼとは、低比重リポタンパク質のトリグリセライドを加水分解する特殊なトリアシルグリセロールプロテインアシルハイドロラーゼ(EC 3.1.1.34)であって、野生型リポプロテインリパーゼと比較して、液状保存安定性に優れたリポプロテインリパーゼである。
【0006】
本発明における野生型リポプロテインリパーゼとは、シュードモナス・アエルギノーサTE3285由来のリポプロテインリパーゼであって、Arch.Biochem.Biophys.296,503-513(1992)に記載のリポプロテインリパーゼ遺伝子である。
【0007】
本発明に使用した野生型リポプロテインリパーゼ遺伝子は特開平7-135971中に記載の方法に従い取得することが出来る。すなわちシュードモナス・アエルギノーサTE3285株より常法に従い染色体DNAを抽出し、適当な制限酵素で部分分解し、大腸菌内で複製可能なベクターに連結することによって野生型リポプロテインリパーゼ遺伝子が得られる。なお、この際、活性化リパーゼの発現に必要であり、染色体のリポプロテインリパーゼ遺伝子下流に存在するリパーゼ活性化因子をコードする遺伝子も合わせてクローニングする。
【0008】
本発明における液状での安定性とは、具体的には、界面活性剤存在下、中性緩衝液中、例えばPIPES緩衝液またはリン酸カリウム緩衝液中で45℃、1週間保存した後の残存活性をいう。
液状保存安定性に優れているとは、具体的には、中性付近のPIPES緩衝液中で45℃、7日保存した後の残存活性が変異前の蛋白質と比べて10%以上向上していることをいう。ここで、好ましくはPIPES緩衝液の濃度は10〜200mM、pHは6.2〜7.5である。また、界面活性剤としてはノニオン・アニオン・カチオンその他の形態を問わないが、好ましくは例えば、ポリオキシエチレンエーテル(商品名:TritonX-100(シグマ他)など)、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(商品名:エマルゲン910、エマルゲン950(花王)など)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(商品名:アデカトールSO-120(旭電化)、エマルゲン430(花王)、ニコールBT-7(日本サーファクタント)など)、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル(商品名:エマルゲンA−60、エマルゲンA-90(花王)など)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(商品名:トウィーン20(花王)など)、あるいはドデシルポリエチレングリコールエーテル(商品名:Thesit(ロッシュ))やシュークロースモノラウレート(一般化合物名)、およびそれらの組み合わせが挙げられ、その濃度は好ましくは0.05〜0.25%である。
更に具体的には、液状保存安定性に優れているとは、20mM PIPES-NaOH、0.1mM MgCl2、0.005mM CaCl2、0.2% TritonX-100、pH6.5に10%量(V/V)添加する条件での残存活性が変異前の蛋白質と比べて10%以上向上していることをいう。
【0009】
本発明は、リポプロテインリパーゼ活性を有する蛋白質を構成するアミノ酸配列の少なくとも1個のアミノ酸を変異させたリポプロテインリパーゼ活性を有する蛋白質であって、中性付近のPIPES緩衝液中で45℃、7日保存した後の残存活性が変異前の蛋白質と比べて10%以上向上していることを特徴とする変異型リポプロテインリパーゼである。
【0010】
本発明の一実施態様は、配列表の配列番号1に記載されるアミノ酸配列の37番目のバリン、42番目のメチオニン、153番目のグリシン、154番目のグルタミン酸、181番目のセリン、272番目アスパラギン、274番目のアルギニン、293番目のスレオニンからなる群より選択される置換箇所が一つまたは二つ以上組み合わされてなる、野生型リポプロテインリパーゼに比べて、安定性、特に液状での長期間安定性が向上したリポプロテインリパーゼである。
【0011】
また、本発明は、配列表の配列番号1に記載されるアミノ酸配列の37番目のバリンがアラニンに、42番目のメチオニンがアラニンに、153番目のグリシンがグルタミン酸に、154番目のグルタミン酸がアラニンに、181番目のセリンがアラニンに、272番目のアスパラギンがアスパラギン酸に、274番目のアルギニンがロイシンに、293番目のスレオニンがアラニンに置換されてなる群より選択される置換箇所が、一つまたは二つ以上組み合わされてなる、野生型リポプロテインリパーゼに比べて、安定性、特に液状での長期間安定性が向上したリポプロテインリパーゼである。
【0012】
また、本発明は配列表・配列番号1に記載されたアミノ酸配列をコードする遺伝子に変異を導入して、野生型リポプロテインリパーゼに比べて、安定性、特に液状での長期間安定性が向上したリポプロテインリパーゼをコードする遺伝子である。
【0013】
該遺伝子としては、配列表・配列番号1に記載されたアミノ酸配列中の37番目のバリン、42番目のメチオニン、153番目のグリシン、154番目のグルタミン酸、181番目のセリン、272番目アスパラギン、274番目のアルギニン、293番目のスレオニンからなる群より選択される置換箇所が一つまたは二つ以上組み合わされてなるアミノ酸配列をコードする遺伝子である変異遺伝子が例示される。
【0014】
さらに、具体的な例としては配列表の配列番号1に記載されるアミノ酸配列の37番目のバリンがアラニンに、42番目のメチオニンがアラニンに、153番目のグリシンがグルタミン酸に、154番目のグルタミン酸がアラニンに、181番目のセリンがアラニンに、272番目のアスパラギンがアスパラギン酸に、274番目のアルギニンがロイシンに、293番目のスレオニンがアラニンに置換されてなる群より選択される置換箇所が、一つまたは二つ以上組み合わされてなるアミノ酸配列をコードする遺伝子などが例示される。
【0015】
さらに、本発明は該リポプロテインリパーゼをコードする遺伝子を含んだ組換えプラスミド、該組換プラスミドにより形質転換された形質転換細胞、さらには、該細胞を栄養培地にて培養し、該リポプロテインリパーゼを採取することを特徴とする該クレアチンアミジノヒドロラーゼの製造法である。ベクター、宿主細胞は一般的に当該技術分野で使用されるものが例示される。
【0016】
本発明のリポプロテインリパーゼを製造する方法の一つは、野生型リポプロテインリパーゼをコードする遺伝子に変異を導入して、蛋白工学的手法により野生型リポプロテインリパーゼに比べて安定性、特に長期間の液状安定性を改良された新規リポプロテインリパーゼを製造する方法である。
【0017】
変異を導入するための野生型リポプロテインリパーゼをコードする遺伝子は特に限定されないが、本発明の実施例では、特開平7-135971に記載の、シュードモナス・アエルギノーサTE3285株由来のリポプロテインリパーゼ遺伝子を用いた。
【0018】
野生型リポプロテインリパーゼ遺伝子に変異を導入する方法は既知のいかなる方法でも用いることができる。すなわち、該遺伝子DNAと変異源となる薬剤を接触させる方法や紫外線照射による方法などから、蛋白工学的な手法、例えばPCR法や部位特異的変異法などを用いることができる。また遺伝子修復機構が欠損されたため高頻度に遺伝子に変異が起こる大腸菌を用いたin vivoでの変異の導入も可能である。
【0019】
液状安定性の向上した変異リポプロテインリパーゼは、公知のいかなる手法を用いて選抜してもよい。例えば、上記のようにして得られた変異リポプロテインリパーゼ遺伝子をシュードモナス・アエルギノーサを用いて発現させ、培養上清として粗酵素液を得る。その粗酵素液を用いて、熱処理や界面活性剤処理等を行うことにより、変異導入前と比較して安定性の優れたリポプロテインリパーゼを選抜することが出来る。そして、安定化されたリポプロテインリパーゼを生産する菌株から組換えプラスミドを回収する。
【0020】
変異を導入された遺伝子から変異箇所を同定する方法は、従来公知のDNAの塩基配列決定法を用いれば良く、市販のキットを用いるのが便利である。
【0021】
上記の方法により選抜された菌株から精製リポプロテインリパーゼを取得する方法は公知のいかなる手法を用いても良い。例えば、栄養培地で培養して粗酵素液として培養上清を得ることができる。得られた粗酵素液から硫安沈澱等によりリポプロテインリパーゼ画分を回収する。この粗酵素液をセファデックスG−25(ファルマシア・バイオテク)ゲル濾過等の方法により脱塩を行うことができる。この操作の後、オクチルセファロースCL−6B(ファルマシア・バイオテク)等を用いたカラムクロマトグラフィー等により分離・精製し、精製酵素標品を得ることができる。この精製酵素標品は、SDS−PAGE的にほぼ単一のバンドを示す程度に純化されている。
【0022】
本発明において使用する新規なリポプロテインリパーゼを生産する微生物としては、シュードモナス属、アスペルギルス属、クロモバクテリウム属、スタフィロコッカス属、バチルス属、大腸菌属が例示される。これらの微生物を培養し、該培養物から本発明のリポプロテインリパーゼを採取する方法は特に限定される物ではなく、通常の方法に従う。
【0023】
【発明の実施例】
以下、本発明を具体的に説明する。言うまでもなく本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0024】
実施例1 野生型リポプロテインリパーゼ遺伝子の取得
特開平7-135971中に記載の方法に従い取得した。すなわち、シュードモナス・アエルギノーサTE3285株より抽出した染色体DNAを、制限酵素MboI(宝酒造製)で部分分解し、EMBL3ベクター(ストラタジーン社製)に連結してE.coli P2392に導入した。リパーゼのN末端アミノ酸配列より21merのDNAプローブを合成し、[γ-32P]ATP(Amersham社製)で標識してリポプロテインリパーゼ遺伝子を検出した。リポプロテインリパーゼ遺伝子及びその下流のリパーゼ活性化因子をコードする遺伝子を含むDNA断片をサブクローニングし、約4.3kbのSalI-BglII断片をpUC19に連結し、pUL1を得た。PUL1の挿入DNAから約2.4kbのXmnI-BglII断片を切りだし、pUC18のSmaIサイトに導入し、pLPL1を得た。
【0025】
実施例2 発現ベクターの構築
Trcプロモーターを有する発現ベクターpSE380(インビトロジェン社製)を制限酵素BglIで切断し、アンピシリン耐性遺伝子を切り出した後、pBR322(ストラタジーン社製)を鋳型にしてPCRを行い取得したテトラサイクリン遺伝子をライゲーション反応により導入し、pSET1を得た。さらに同様に取得したシュードモナス系宿主での複製開始領域をpSET1の制限酵素PstIサイトに導入し、pSET2を得た。pSET2は、Trcプロモーターを有し、シュードモナス系宿主で複製可能な、テトラサイクリン耐性の発現ベクターである。
【0026】
実施例3 リポプロテインリパーゼ発現プラスミドの作成
pLPL1のリポプロテインリパーゼ遺伝子及びその下流のリパーゼ活性化因子をコードする遺伝子を、N末に制限酵素NcoI、C末に制限酵素XbaIを持つように設計したプライマーを用いて増幅後、制限酵素NcoIとXbaIにて処理し、同じく処理したpSET2の同サイトにライゲーション反応により導入した。
Trcプロモーター下流にリポプロテインリパーゼ遺伝子及びその下流のリパーゼ活性化因子をコードする遺伝子が導入された発現プラスミドpSET2LPL2を取得した。
【0027】
実施例4 変異型リポプロテインリパーゼ遺伝子を含む発現プラスミドの作成
pSET2LPL2のリポプロテインリパーゼ遺伝子全長を増幅するよう設計したプライマーを用いて、MnCl2を反応組成に添加する事でリポプロテインリパーゼ遺伝子に変異が生じるようにPCR反応を実施(Diversify PCR Random Mutagenesis Kit、クロンテック社製)した。反応液を制限酵素NcoIとXhoIで処理後、アガロースゲル電気泳動に供し、ゲルよりランダムな変異を生じたリポプロテインリパーゼ遺伝子のNcoI+XhoI断片を回収した。pSET2LPL2を制限酵素NcoIとXhoIで処理後、同様にpSET2LPL2のNcoI+XhoIベクター断片を回収した。ランダムな変異を生じたリポプロテインリパーゼ遺伝子のNcoI+XhoI断片とpSET2LPL2のNcoI+XhoIベクター断片とをライゲーションし、ランダムな変異を有するリポプロテインリパーゼ遺伝子が挿入されたpSET2LPL2のプラスミド集団を作成した。
【0028】
実施例5 安定な変異型リポプロテインリパーゼ取得
ランダムな変異を有するリポプロテインリパーゼ遺伝子が挿入されたpSET2LPL2のプラスミド集団を用いて、シュードモナス・アエルギノーサTE3285株をエレクトロポレーション法により形質転換後、トリブチリンプレート(0.25% ポリペプトン、0.125% 酵母エキス、0.25% NaCl、1% トリブチリン、50ng/ml テトラサイクリン,1.5% アガー、pH7.5)にスプレッドし、30℃、24時間静置培養の後、ハロを形成するコロニーを得た。コロニーを2*YT液体培地(1.6% ポリペプトン、1% 酵母エキス、0.5% NaCl、50ng/ml テトラサイクリン、0.2mM IPTG、pH7.2)に植菌後、30℃にて静置培養し、リポプロテインリパーゼを発現させた。24時間後、発現したリポプロテインリパーゼを含む培養上清を回収し、スクリーニングバッファー(20mM PIPES-NaOH、0.1mM MgCl2、0.005mM CaCl2、0.2% TritonX-100、pH6.5)に10%量(V/V)添加し、45℃にて1週間保存し、そのリポプロテインリパーゼ残存活性より安定性向上株を選択した。安定性向上株よりプラスミドを抽出し、リポプロテインリパーゼ遺伝子全塩基配列を確認し、アミノ酸置換変異箇所を同定した。図1に具体例を示す。
【0029】
実施例6 変異の組合せによる安定な変異型リポプロテインリパーゼ取得
アミノ酸置換変異をQ.change-site-directed mutagenesis (ストラタジーン社製)を用いて組合せた変異体を作成し、実施例5と同方法により安定性を確認した結果、変異の組合せにより安定性はさらに向上するすることを確認した。図2に具体例を示す。
また、スクリーニングに用いた界面活性剤のみならず、他の界面活性剤に対しても安定性が向上していることも確認した。
【発明の効果】
本発明により、溶液状態における保存時の安定性に優れた変異型リポプロテインリパーゼ及びその製造法が提供される。
【0030】
【配列表】
Figure 0004168319
Figure 0004168319
【0031】
Figure 0004168319
Figure 0004168319

【図面の簡単な説明】
【図1】変異型リポプロテインリパーゼと野生型リポプロテインリパーゼとの安定性比較。記号の数字はアミノ酸番号、左右のアルファベットは左が変異前、右が変異後のアミノ酸の種類を示す。+で結ばれているのは、変異箇所が複数あることを示す。四角の記号は変異前、菱形の記号は変異後の挙動を示す。
【図2】変異の組合せによる変異型リポプロテインリパーゼ安定性向上の確認。記号の数字はアミノ酸番号、左右のアルファベットは左が変異前、右が変異後のアミノ酸の種類を示す。+で結ばれているのは、変異箇所が複数あることを示す。四角の記号は変異前、菱形の記号は変異後の挙動を示す。
【図3】実施例6で得られたリポプロテインリパーゼの、複数の界面活性剤に対する安定性向上の確認。四角の記号は変異前、菱形の記号は変異後の挙動を示す。

Claims (5)

  1. 配列表の配列番号1に記載されるアミノ酸配列の42番目のメチオニンがアラニンに、153番目のグリシンがグルタミン酸に、181番目のセリンがアラニンに、189番目のアスパラギンがセリンに、293番目のスレオニンがアラニンに、それぞれ置換されてなる変異型リポプロテインリパーゼ。
  2. 請求項1に記載の変異型リポプロテインリパーゼをコードするリポプロテインリパーゼ遺伝子。
  3. 請求項記載のリポプロテインリパーゼ遺伝子を含む組換えプラスミド。
  4. 請求項記載の組換えプラスミドにより形質転換された形質転換細胞。
  5. 請求項記載の形質転換細胞を栄養培地にて培養し、リポプロテインリパーゼを採取することを特徴とする変異型リポプロテインリパーゼの製造法。
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