JP2004097072A - かき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法とかき揚げ天ぷらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】かき揚げ天ぷらについて高品質・高品位・低コスト・安定製造・技術難度なし・工程簡略・少数工程・高い生産性などを満足させることのできる方法を提供する。
【解決手段】かき揚げ天ぷら用に加工された具材を衣用粉材でコーティングするためのコーティング工程と、複数のコーティング済み具材を一まとめにして内外連通型の連続気孔構造を有する具材集合物をつくるための具材成形工程と、衣液を具材集合物に散布かつ具材集合物表面の粉材に吸収させて含水衣層を形成するための衣層形成工程とを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】かき揚げ天ぷら用に加工された具材を衣用粉材でコーティングするためのコーティング工程と、複数のコーティング済み具材を一まとめにして内外連通型の連続気孔構造を有する具材集合物をつくるための具材成形工程と、衣液を具材集合物に散布かつ具材集合物表面の粉材に吸収させて含水衣層を形成するための衣層形成工程とを備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は食品製造の技術分野に属するもので、高品位・高品質の「かき揚げ天ぷら」を製造するために開発された新規な方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平10−229834号公報
【特許文献2】特開2000−225063号公報
【特許文献3】特開2002−045134号公報
【0003】揚げ物の一つにかき揚げ天ぷらがある。かき揚げ天ぷらについては、具材を適当な大きさに切り、それをペースト状の溶き衣でまとめ、高温の油で揚げてつくるのが一般である。かき揚げ天ぷらで具材に打ち粉を施すこともある。かき揚げ天ぷらの利点は概ねつぎのようにいわれている。
▲1▼小さすぎる具材を一つひとつ揚げるのは面倒だが、これらを溶き衣で一まとめにして揚げるので調理の手間が省け食べやすくもなる。
▲2▼細かい具材を何種も組合わせて味にバリエーションをもたせることができる。
▲3▼加熱時間の掛かる具材などはこれを小さく切り手早く揚げることで味の劣化を防ぐことができる。
▲4▼加熱加減の異なる具材の場合も切り方を加減することで一まとめに揚げることができる。
▲5▼火を中まで通すための工夫が要るものの、衣の多少で具材の加熱量が加減でき、好みの味に調整することができる。
【0004】天ぷらで味や香りが大事なのはもちろんであるが、それ以上ともいわれているのがクリスピー感(サクサク感・カリカリ感)である。ちなみにその種の歯ざわりや歯ごたえのある天ぷらは、ほとんどの人が好感をもち、美味しいという。逆にべとついたりしてクリスピー感のない天ぷらは多くの者が不味さを訴える。かき揚げも天ぷらであるからにはクリスピー感を欠くことができない。
【0005】クリスピー感についていえば、一つは小麦粉のタンパク質が原因で損なわれる。ちなみに小麦粉を溶いて衣をつくると、その際のかき混ぜで粘稠なグルテンが不可避的に溶出する。グルテンは温度が高いほど生じやすく水や油を吸いやすい性質がある。天ぷらの衣でグルテンの溶出量が多かったりすると、それで高温の油がブロックされるため熱が中まで十分に通らなくなる。しかもグルテンは衣の水分を蒸発させずに封じ込め、油も余計に吸収してしまう。ゆえにグルテンの多い衣ではクリスピー感が得られない。クリスピー感を損なう他の理由は澱粉の糊化である。周知のとおり澱粉に水を加えて加熱するとこれがα化する。α化した澱粉が糊状を呈したりするとクリスピー感がなくなる。澱粉を多く含む小麦粉を水などで溶いた衣も、揚げの際の加熱で糊状になるためクリスピー感がない。天ぷらのクリスピー感の欠如はこれまでの説明から粘稠なグルテンや糊化した澱粉に起因しているといえる。
【0006】天ぷらについてはクリスピー感を得るための工夫がいろいろとなされている。たとえば粉を溶くときに冷水を用いるのはグルテンの溶出を抑え込むためである。同じ理由で粉をあまりかき混ぜたりはしない。衣に卵を加えたりするのは、揚げているときの衣に頻繁に気孔を発生させたりそれを破裂させたりして水分をはじき飛ばし、中まで熱の通りをよくするためである。調理箸で衣に貫通孔を形成するのも同じ理由による。衣用の混合粉を改良したりバッター液を用いたりしてクリスピー感を高めることも行われている。これらはすべて応分の成果をおさめているし、これら以外の手段でクリスピー感を確保しているものもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】既述の従来法では、ペースト状の溶き衣の中に細かい具材を浸してこれを含水衣層(溶いた衣の層)で包み込み、その含水衣層をつなぎにして各具材をまとめ揚げするが、これによるときは食味や食感のよいかき揚げ天ぷらを得るのが難しい。それは含水衣層と各具材との絡み合いで形成される塊状物に気泡や空間がほとんど残存しないからである。つまり気泡や空間のない塊状物では揚げの際の高温油(200℃前後)が中まで浸透せず、天ぷら内部が低温(100℃程度)にとどまったり水分蒸発が停滞したりする。したがって高温油と接触する天ぷら外部はよいが、低温状態にとどまる天ぷら内部では、加熱が足りず含水量も多いためにクリスピー感のないべとつきが生じる。これを回避すべく揚げに長時間を掛けたりすると、高温油と接している天ぷら外部が焦げてしまう。ゆえに既存の方法では、食味や食感の点で満足のいくかき揚げ天ぷらが得がたい。
【0008】このような課題に対し、特許文献1の方法は以下のようにして風味のよいかき揚げ天ぷらをつくるという。はじめは具材の表面に水を付着させる。つぎに被覆粉で吸水しながら具材表面を覆い、吸水した被覆粉を介して複数の具材相互を結合する。その後は結合具材をそのままフライするか冷凍保存後にフライする。この特許文献1の方法は、バッターに使用する小麦粉のグルテン生成が抑制されるから風味のよいかき揚げ天ぷらが製造できるという。しかし特許文献1の方法では具材表面への水分付着量を均一にするのが難しく、そのために被覆粉の付着量がばらつきがちである。それに付着量が均一でない被覆粉層は具材との付着力も不均一で、層の厚い部分などが具材表面から剥離したりするために風味のよいかき揚げ天ぷらが得がたくなる。それは具材表面から剥離した被覆粉層(含水衣層)によって結合具材の気泡や空間の多くが閉ざされてしまい、前記と同様の現象が生じるからである。特許文献1の方法においては、また、冷凍具材の表面を被覆粉で覆い、解凍時の水分を吸収した被覆粉により具材相互を結合するということも行われているが、その具材結合力が弱いため、事後の取り扱い中に結合具材の割れや具材相互の遊離が起こりがちとなる。
【0009】特許文献3の技術は上記の対策として衣に特殊な添加物を加えたりしている。しかしクリスピー感を確保するために添加物を多く配合したりした場合は、材料費や手数が嵩むだけでなく素材の持ち味が損なわれる。
【0010】一方、かき揚げ天ぷらを食品工場などでライン生産するときは、高品質の製品が安定して製造できること、低コストであること、技術難度をともなわないこと、工程をできるだけ簡略化すること、工程数をできるだけ少なくすることなど、これらを満足させることが要求される。ちなみに特許文献2の装置などはかき揚げ天ぷらの自動化にかなり貢献しているといえる。しかしながら、かき揚げ天ぷらについて既述のクリスピー感を確保した上でこのような要求を満たすという技術はまだ開発されていない。
【0011】
【発明の目的】本発明はこのような課題に鑑み、かき揚げ天ぷらについて高品質・高品位・低コスト・安定製造・技術難度なし・工程簡略・少数工程・高い生産性などを満足させることのできる方法を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係るかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法は、所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特徴とする。すなわち請求項1記載のかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法は、かき揚げ天ぷら用に加工された具材を衣用粉材でコーティングするためのコーティング工程と、複数のコーティング済み具材を一まとめにして内外連通型の連続気孔構造を有する具材集合物をつくるための具材成形工程と、衣液を具材集合物に散布かつ具材集合物表面の粉材に吸収させて含水衣層を形成するための衣層形成工程とを備えていることを特徴とする。
【0013】本発明の請求項2に係るかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法は、所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特徴とする。すなわち請求項2記載のかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法は、かき揚げ天ぷら用に加工された具材を衣用粉材でコーティングするためのコーティング工程と、複数のコーティング済み具材を一まとめにして内外連通型の連続気孔構造を有する具材集合物をつくるための具材成形工程と、衣液を具材集合物に散布かつ具材集合物表面の粉材に吸収させて含水衣層を形成するための衣層形成工程と、含水衣層を形成した後の成形具材を高温の加熱雰囲気内に入れて熱処理する熱処理工程とを備えていることを特徴とする。
【0014】本発明の請求項3に係るかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法は、所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特徴とする。すなわち請求項3記載のかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法は、かき揚げ天ぷら用に加工された具材を衣用粉材でコーティングするためのコーティング工程と、複数のコーティング済み具材を一まとめにして内外連通型の連続気孔構造を有する具材集合物をつくるための具材成形工程と、衣液を具材集合物に散布かつ具材集合物表面の粉材に吸収させて含水衣層を形成するための衣層形成工程と、含水衣層を形成した後の成形具材を凍結させてその形状を安定化させるための形状安定化工程とを備えていることを特徴とする。
【0015】本発明の請求項4に係るかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法は、所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特徴とする。すなわち請求項4記載のかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法は、かき揚げ天ぷら用に加工された具材を衣用粉材でコーティングするためのコーティング工程と、複数のコーティング済み具材を一まとめにして内外連通型の連続気孔構造を有する具材集合物をつくるための具材成形工程と、衣液を具材集合物に散布かつ具材集合物表面の粉材に吸収させて含水衣層を形成するための衣層形成工程と、含水衣層を形成した後の成形具材を高温の加熱雰囲気内に入れて熱処理する熱処理工程と、熱処理後の成形具材を凍結させてその形状を安定化させるための形状安定化工程とを備えていることを特徴とする。
【0016】本発明の請求項5に係るかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法は、所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特徴とする。すなわち請求項5記載のかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法は、かき揚げ天ぷら用に加工された具材を衣用粉材でコーティングするためのコーティング工程と、複数のコーティング済み具材を一まとめにして内外連通型の連続気孔構造を有する具材集合物をつくるための具材成形工程と、衣液を具材集合物に散布かつ具材集合物表面の粉材に吸収させて含水衣層を形成するための衣層形成工程と、衣用粉材でコーティングされたトッピング具材を含水衣層の上に載せてこれを衣液の散布吸収で含水衣層に付着させるためのトッピング工程とを備えていることを特徴とする。
【0017】本発明の請求項6に係るかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法は所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特徴とする。すなわち請求項6記載のかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法は、かき揚げ天ぷら用に加工された具材を衣用粉材でコーティングするコーティング工程と、複数のコーティング済み具材を一まとめにして具材集合物をつくる具材成形工程と、衣液を具材集合物に散布かつ具材集合物表面の粉材に吸収させて含水衣層を形成する衣層形成工程と、衣用粉材でコーティングされたトッピング具材を含水衣層の上に載せてこれを衣液の散布吸収で含水衣層に付着させるトッピング工程と、トッピング後の成形具材を凍結させてその形状を安定化させる形状安定化工程とを備えていることを特徴とする。
【0018】本発明の請求項7に係るかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法は所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特徴とする。すなわち請求項7記載のかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法は、請求項1〜6いずれかに記載の方法で製造されたかき揚げ天ぷら用衣付き具材を高温の油中に入れて揚げるとともに含水衣層の水分を飛散させることを特徴とする。
【0019】本発明の請求項8に係るかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法は所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特徴とする。すなわち請求項8記載のかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法は、請求項1〜6いずれかに記載の方法で製造されたかき揚げ天ぷら用衣付き具材を高温の油中に入れて揚げるとともに含水衣層の水分を飛散させてかき揚げ天ぷらをつくり、該かき揚げ天ぷらを凍結することを特徴とする。
【0020】
【作用】請求項1記載の方法は以下のようなものである。はじめのコーティング工程では加工された具材を衣用粉材でコーティングする。これは水分を含む具材の吸着性に依存して粉を吸着させるだけであるから熟練を要しない。このようなコーティング工程であれば機械化も簡単に行える。つぎの具材成形工程ではコーティング済み具材の複数を一まとめにして具材集合物をつくる。これもたとえば計量したものを分離しないようにまとめるだけであるから熟練を要しない。具材成形工程の機械化も簡単に行える。その後の衣層形成工程では、具材集合物を衣液の散布雰囲気下にさらし、衣液を具材集合物表面の粉材に吸収させて含水衣層を形成する。これもたとえば具材集合物に向けて衣液を噴霧などすればよいから熟練を要しない。衣層形成工程の機械化も簡単に行える。ゆえに請求項1の方法は、工程数が少ないばかりか数技術難度もほとんどなく、全体もわずか3工程で工程結合も簡略なものになるから、かき揚げ天ぷら用の衣付き具材を安定して高能率製造することができる。
【0021】上記における衣用粉材は乾いた粉である。このような衣用粉材は具材の吸着性に依存してその表面に付着するだけだから具材に対する過剰付着が起こらない。したがって衣用粉材は、具材表面に対しほぼ均一に付着する。コーティング具材複数を一まとめにして具材集合物にしたときはこれに気孔が生じる。気孔は小さなものから大きなものまで雑多である。気孔のうちで大きなものは空隙とか空間とかいうこともできる。しかし小さなものから大きなものまでを総称して気孔という。この際の気孔は具材集合物のほぼ全域に分散していて内外連通型の連続気孔構造をなしているから、気体や液体は連続気孔構造を通じて具材集合物の内外を自由に流通することができる。具材集合物で気孔が占める空間占有率(体積比または容積比)は、通常、かかる流通性を確保する観点と具材集合物の強度を確保する観点とを考慮して定める。この場合の強度とは輸送などを含めた各種の取扱中に具材集合物(またはかき揚げ天ぷら)が壊れない程度をいう。当該空間占有率は、一例として30〜80%の範囲内、望ましくは40〜60%の範囲内にあればよいが、これは具材集合物の大きさ・形状・材質などで条件が変わることもあるので、この範囲に限定するものではない。含水衣層は具材集合物表面の粉材が衣液を吸収することで形成される。これにはつなぎの機能があるから具材集合物の各具材は一つにまとまる。含水衣層と連続気孔構造との関係でいうと、含水衣層は粉が水分を吸収しただけのものであるから気孔閉塞を惹き起こすことがなく、したがって含水衣層の形成後も連続気孔構造は保持される。
【0022】上記で明らかなとおり衣付き具材には連続気孔構造がある。それが衣付き具材での気体や液体の流通を自由にする。かかる衣付き具材をフライヤに入れて高温の油で揚げるとき、高温油は衣付き具材の外表面に接するだけでなく連続気孔構造を通じてその内外にも出入りする。換言すると、揚げの際の熱が外部だけでなく衣付き具材の内部にも十分に通り、それで加熱が良好になるとともに内部の水分もよく蒸発したりガス抜きも活発に行われたりするから、天ぷら内部がべとつくというような揚げ不良が生じない。これは、また、熱が外部と内部にほぼ均等に行きわたるということであるから、一定時間内で全体を均質に揚げることにも通じる。ゆえに本発明方法によるときは、かき揚げ天ぷらとして、中まで十分加熱処理されたもの、衣にクリスピー感のあるもの、しかも、食味や食感のよいものが得られる。さらにいうと、衣付き具材の含水衣層は粉を溶いたものでなく粘稠なグルテンが生じていないから、揚げの際に澱粉の糊化も起こりがたく、この点でもクリスピー感が増す。
【0023】上記の衣付き具材は、また、クリスピー感を得るために特別の手段を追加したり添加物を加えたりするものでないから、コストアップ要因を取り込むことがなく、素材の持ち味も保持することができる。
【0024】請求項2記載の方法は請求項1記載の方法をベースにし、これに熱処理工程を加えたものである。この方法でつくられる衣付き具材は、上記と同様のことがいえるほか、つぎの点でも望ましい。すなわち成形具材(衣付き具材)を揚げる前に熱処理するときはこれの形状が安定する。しかも衣の水分がほとんどなくなるから、かき揚げ天ぷらのクリスピー感を得ることもより簡単で確実になる。
【0025】請求項3記載の方法は、凍結による成形具材の形状安定化工程があることを除き、請求項1記載の方法と共通する。したがって請求項3記載の方法でつくられる衣付き具材については、請求項1で述べたと同様のことがいえるほか、つぎのようなこともいえる。それは製造後から消費するまでの間、高品質かつ高品位の衣付き具材を自由に保存できることである。
【0026】請求項4記載の方法も請求項1記載の方法をベースにし、これに熱処理工程と凍結工程とを加えたものである。したがってこの方法によるときは、請求項1〜3で述べたことをすべて満足させることができ、とくに形状については、熱処理によるものと凍結によるものとの二種が重畳するのでより安定化する。
【0027】請求項5記載の方法はトッピング工程のあることを除き、請求項1記載の方法と共通する。この請求項4記載の方法ではトッピング具材の組み合わせいかんで衣付き具材に種々のバリエーションをもたせることができる。これはトッピング具材を任意に選択することで各種かき揚げ天ぷらの味が楽しめるということである。
【0028】請求項6記載の方法は、凍結による成形具材の形状安定化工程があることを除き、請求項5記載の方法と共通する。したがって請求項6記載の方法でつくられる衣付き具材は、請求項5で述べたと同様のことに加え、高品質かつ高品位の衣付き具材を自由に保存できることとなる。
【0029】請求項7記載の方法は、上述したいずれかの衣付き具材を高温の油中に入れて揚げる。しかもその際に含水衣層の水分を飛散させる。こうして得られるかき揚げ天ぷらは、既述の説明で明らかなように衣にクリスピー感があって食感や食味のよいものとなる。
【0030】請求項8記載の方法は上記のかき揚げ天ぷらを凍結する。この方法のようすれば、高品質で高品位のかき揚げ天ぷらを長く保存することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明に係るかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法とかき揚げ天ぷらの製造方法の実施形態については、はじめ、かき揚げ天ぷらの原材料を説明し、それから、図1・図2に例示された方法を順次説明する。
【0032】かき揚げ天ぷらの材料は主原料と副原料に分けられる。主原料は具材(天ぷらのタネ)である。これは野菜や魚介類などが主なものである。副原料の一つは衣用粉材である。衣用粉材の代表的一例として天ぷら粉と称されるミックス粉をあげることができる。これは中力小麦粉・薄力小麦粉・コーンスターチ・小麦粉澱粉・加工澱粉・発泡剤(例:遅効性のベーキングパウダー)・乳化剤(例:粉末油脂)などの混合物からなる。このほか塩やアミノ酸類などの調味料も副原料の一つになる。
【0033】図1はタマネギ・ニンジン・青ネギなどを具材にした野菜系かき揚げ天ぷらの製造方法について、その一例をフローチャートで示したものである。図1の実施形態には衣付き具材の製造方法も含まれている。
【0034】図1のAラインではタマネギを(1)〜(6)のように処理する。はじめは皮剥き(1)、つぎは水洗(2)、そのつぎは芯取り(3)である。(1)〜(3)は常套手段で実施する。これらを終えたら切断処理(4)を行う。この際のカッティング形状は4〜6mm幅の三日月形で、タマネギの繊維に沿ってカットするのが望ましい。浸漬処理(5)ではカッティング後のタマネギを乳酸カルシウム0.5%/グルコン酸カルシウム0.5%/水99.0%からなるカルシウム塩水溶液に浸漬する。浸漬時間は10分以上がよい。この浸漬処理を経ることでタマネギの食感が残るようになる。浸漬処理後の水切り(6)はカッティングタマネギ(タマネギ片)の付着水量を一定にするために行う。これを遠心脱水機で実施すると水切りが安定し、各タマネギ細の付着水量がほぼ一定になる。
【0035】図1のBラインではニンジンを(7)〜(11)のように処理する。水洗(7)や皮剥き(8)は常套手段で実施する。切断処理(9)ではニンジンを4mm×4mm×4mmのサイコロ形に切断する。浸漬処理(10)は上記と同じくニンジンの食感を残すために行うもので、これも上記と同じカルシウム塩の1%水溶液に各ニンジン片を10分以上浸漬する。水切り(11)もたとえば各ニンジン細片を遠心脱水機に掛けて行い、これらの付着水量をほぼ一定にする。
【0036】図1のCラインでは青ネギを(12)〜(14)のように処理する。すなわち周知の水洗(12)で青ネギに付着している異物を洗い流したり、周知の切断処理(13)で青ネギを長さ4cm×幅4mmに刻んだりする。その後の水切り(14)も刻み青ネギを遠心脱水機に掛けて行い、これらの付着水量をほぼ一定にする。
【0037】図1のEラインでは(20)〜(21)のようにして衣用粉材をつくる。衣用粉材の配合(20)では既述の中力小麦粉・薄力小麦粉・コーンスターチ・小麦粉澱粉・加工澱粉・発泡剤・乳化剤などを適当な割合で混合して衣用粉材をつくる。もちろん衣用粉材は小麦粉のみでもよい。この際の粉の混合では粉ダマの発生を抑え、粉に空気を抱かせるのが望ましい。粉篩(21)では衣用粉材を周知の篩いに掛けて異物などを取り除く。
【0038】図1のFラインでは(22)〜(23)のようにして衣液をつくる。衣液の調合(22)では、鶏卵と水と発泡剤と調味料と乳化剤とを用いる。さらにいうと、鶏卵は全卵がよく、水は鉄分を含まないものが望ましい。発泡剤は既述の遅効性ベーキングパウダーで、調味料は塩・アミノ酸・糖類・トレハロースなどである。とくに糖類は焦げがたいものを採用する。乳化剤は水に対して分散性のよい乳化油脂が望ましい。これらを適当な割合で調合し均質にしたものが衣液になる。衣液の濾過(23)は、衣液噴霧用のノズルの詰まりを防止するために行う。これは濾過材(濾過布・濾過紙・フィルタなど)で衣液を一回以上漉せばよい。衣液については鶏卵20重量部と水80重量部だけで作製してもよいし、これに上記のうちの一つ以上を加えて作製してもよい。衣液についてはつぎのような例もある。そのうちの一つとして、上記のようにしてつくられる衣液に中力小麦粉・薄力小麦粉・コーンスターチ・小麦粉澱粉・加工澱粉のような粉が添加され、これらが均質に混ぜ合わされる。衣液は、また、水のみでも構わない。さらに水に、鶏卵・発泡剤・調味料・乳化剤のうちの三つ以下を添加撹拌してそれを衣液にすることもある。
【0039】図1において、A・B・Cの各ラインでそれぞれ得られるタマネギ片・ニンジン片・青ネギ片などの具材は、それぞれ計量されたのち均一に撹拌混合される。これらの配合割合は好みに応じて決定される。一例をあげればタマネギ55〜60重量%、ニンジン35〜40重量%、青ネギ2.5〜7.5重量%である。
【0040】上記のごとく撹拌混合された各具材と、Eラインから流れてくる衣用粉材は図1のコーティング(24)で合流するが、該合流前、Eラインの衣用粉材は具材総量(タマネギ片・ニンジン片・青ネギ片の混合物)に対する配合量を計量される。両者の配合割合は、たとえば具材総量が70〜75重量%で衣用粉材が25〜30重量%である。
【0041】図1のコーティング(24)は各具材を撹拌しながらこれを実施する。具体的一例でいうと、各具材が上下運動するように具材入りの容器を揺動させてそこに計量した衣用粉材を振りかけ、その後も、各具材表面に衣用粉材がほぼ均等に付着するまで、各具材を上下運動させて撹拌する。このようにした場合は、吸水性のある衣用粉材が湿り気のある具材表面に付着するため、厚さのほぼ一定した薄い衣層が各具材の表面に形成される。かくて各具材は、衣用粉材によるコーティング済みの具材になる。
【0042】図1の計量・成形(25)ではコーティング済み具材を計量したり成形したりする。すなわち多量のコーティング済み具材を天ぷら一個分量(例:30〜80g)ごとに連続計量し、各一個分量を成形型枠で直径9〜11cm程度の大きさに成形する。これが一まとまりの具材集合物になる。この具材集合物には既述のとおり内外連通型の連続気孔構造が生じている。具材集合物は成形の際にとくに加圧しなくてもよいが、加圧する場合は連続気孔が閉塞しないような軽い圧迫にとどめる。
【0043】図1の衣液噴霧(26)では既述の衣液を上記具材集合物に散布し、それを具材集合物表面の粉材に吸収させて含水衣層を形成する。具体的一例では噴霧ノズルを備えた噴霧機械を用いる。この場合は噴霧ノズルより衣液を噴霧して具材集合物の衣層(表層部)に一定量の衣液を吸収させる。他の一例では具材集合物を網目状コンベアに乗せて一定速度で進行させ、それを衣液の噴霧雰囲気中に通して具材集合物の衣層(表層部)に一定量の衣液を吸収させる。こうして含水衣層を形成されたものが衣付き具材になり、具材を含めた全体が含水衣層の接着性でまとまる。
【0044】図1の凍結(27)ではフリーザを用い、−15℃以下の温度で衣付き具材を凍結して保管する。衣付き具材をすることでこれの形状が安定する。凍結保管は約72時間を一応の限度とするが、24時間以内の凍結保管が望ましい。それは長時間の凍結保管中に凍結変成が進行して品質劣化をきたすからである。したがって200時間を超えるような凍結保管は避ける。衣付き具材に衣液の吸収ムラがあるときは、上記の凍結保管から取り出した衣付き具材(凍結状態)の表裏に衣液を再噴霧し、こうしたものを油で揚げるのがよい。
【0045】図1において、衣液噴霧後に得られる衣付き具材を同図点線のように高温で加熱処理してもよい。この際の加熱温度は180〜300℃(望ましくは200〜250℃)で、加熱時間は30〜60分程度である。この加熱は図1のフライ(28)を基準にして前処理に該当する。こうして前処理することも前述したとおり、かき揚げ天ぷらの品位や品質を高めることに通じる。加熱手段としては各種のオーブンを用いることができる。既述のコンベアで衣付き具材を連続的に加熱処理するときはトンネル型のオーブン内を通過させるようにすればよい。加熱処理後の衣付き具材は図1の凍結(27)へ進めてもよいし、また、図1のフライ(28)へ進めてもよい。
【0046】図1のフライ(28)ではフライヤを用いて衣付き具材を揚げる。フライヤについては、油の温度を175℃±5℃の高温に維持したり油面のレベルを一定の範囲内に維持したりする。フライ時の油温と油面レベルは密接な関係にある。たとえば急激に油面が変動したりすると油温の低下が生じてかき揚げ天ぷらの品質が悪くなる。したがって油面のレベルを一定の範囲内に維持することは重要である。このほか油の酸価値(AV)を3以下望ましくは2.5以下に維持してフライヤを稼働させる。フライヤで酸価値をこの値に維持すれば、かき揚げ天ぷらの酸価値もこれと等価になる。
【0047】図1の凍結(29)ではフリーザ用いてかき揚げ天ぷらを凍結する。凍結のときは、かき揚げ天ぷらの中心温度が−15℃以下となるようにフリーザの温度や凍結時間を設定する。
【0048】図1の包装(30)では、油を浸透させない包装材料(耐油性の紙やフィルムなど)を用いて凍結かき揚げ天ぷらを包装する。
【0049】図1の保管(31)では、包装後の凍結かき揚げ天ぷらを冷凍冷蔵庫に入れ、−18℃以下の品温で保管する。この場合に冷凍冷蔵庫の温度を−24℃以下に設定すると、凍結かき揚げ天ぷらの温度が−18℃以下に保たれれる。
【0050】図1の方法については、フライ前処理としての加熱処理を省略したり、凍結(27)を省略したり、その後の衣液再噴霧を省略したりして衣付き具材をフライ(28)に掛けることもある。図1の方法でフライ(28)後のかき揚げ天ぷらをそのまま販売するときは、包装(30)や保管(31)を省略したりする。
【0051】図2はトッピングかき揚げ天ぷらの製造方法について、その一例をフローチャートで示したものである。図2の実施形態にも衣付き具材の製造方法が含まれている。
【0052】図2の方法でかき揚げ天ぷらのベース具材になるものは図1で述べたものと同じである。したがって図2において衣付き具材形成(26)まで至ったものは、図1におけるAラインの(1)〜(6)、Bラインの(7)〜(11)、Cラインの(12)〜(14)、Eラインの(21)〜(22)、Fラインの(22)〜(23)などを経てきている。
【0053】図2のDラインではエビ・イカ・ホタテ(ベビーホタテ)などのトッピング具材を(15)〜(19)のように処理する。水洗(15)は機械的なバブリング洗浄手段で気泡を発生させながら行う。バブリング洗浄によるときはトッピング具材を洗いながら主に沈降性異物(貝殻・石・砂など)を取り除くことができる。異物除去のときは浮遊性異物(毛・糸くず・紙片・藁くず・木くずなど)を取り除いたりする。イカについては1cm×2cm程度の大きさに切断しておく。イカの表裏に鹿の子状の切れ目を入れておくのもよい。皮を剥いだイカを用いるのもよい。煮る(16)ではトッピング具材を30秒間ほどボイルする。これは湯通しのようなものである。ボイルする理由はつぎのとおりである。エビ・イカ・ホタテなどの生ものは水分が多いために衣用粉材が付着しすぎる。その場合に秒単位のボイルでトッピング具材を脱水しておくと、衣用粉材の付着量が安定し粉材の過剰付着も生じなくなる。冷却(17)ではボイル後のトッピング具材を速やかに冷水で冷却する。この冷却によってトッピング具材を10℃以下に冷却すると細菌の増殖が抑えられる。水切り(18)は既述の理由と同様、トッピング具材の付着水量を一定にするために行う。これを遠心脱水機で実施すると水切りが安定し、エビ・イカ・ホタテなどの付着水量がほぼ一定になる。
【0054】図2のEラインでは(20)〜(21)のようにして衣用粉材をつくる。これは図1で述べた(20)〜(21)と実質的に同じかそれに準ずるから、それを参照することで説明を省略する。
【0055】図2のFラインでは(22)〜(23)のようにして衣液をつくる。これも図1で述べた(22)〜(23)と実質的に同じかそれに準ずるから、それを参照することで説明を省略する。
【0056】図2のDラインで処理されたエビ・イカ・ホタテなどのトッピング具材はそれぞれ計量して合わせる。エビ・イカ・ホタテなどの配合量(重量%)は好みに応じて決定するが、通常は等量である。
【0057】上記の各トッピング具材は、図2のコーティング(19)においてEラインから流れてくる衣用粉材と合流する。この合流の前に衣用粉材はトッピング具材総量に対する配合量を計量する。この両者の配合割合も、トッピング具材総量70〜75重量%、衣用粉材25〜30重量%でよい。
【0058】図2のコーティング(19)は各トッピング具材を撹拌しながらこれを実施する。具体的には前記で野菜系具材をコーティングしたと同様の方法で行う。これによって、吸水性のある衣用粉材が湿り気のあるトッピング具材表面に付着するから、各トッピング具材の表面には厚さのほぼ一定した薄い衣層が形成される。かくて各トッピング具材も、衣用粉材でコーティングされたものとなる。
【0059】図2のトッピング成形(26a)では、図1で説明した野菜系衣付き具材の上に、計量されたコーティング済みトッピング具材をトッピングする。トッピング量は野菜系衣付き具材の半量程度を目安にする。たとえば野菜系衣付き具材が30〜80gであれば、コーティング済みトッピング具材の量を15〜40g程度とする。なお、コーティング済みトッピング具材を野菜系衣付き具材上に載せたとき、形状を整えたり両者の分離を防止したりするために軽い力で成形する。
【0060】図2の衣液噴霧(26b)ではFラインからの衣液をトッピング衣付き具材(主にトッピング具材の周り)に散布し、それをトッピング具材表面の粉材に一定量吸収させてトッピング部分にも含水衣層を形成する。この際の衣液噴霧も既述の手段で行う。ここで含水衣層を形成したことにより、野菜系衣付き具材とトッピング具材との一体性がさらに増す。
【0061】以下トッピング衣付き具材は、図2の凍結(27)から保管(31)までを経ることとなり、トッピングかき揚げ天ぷらとして保管される。図2の(27)〜(31)については、図1の(27)〜(31)で説明したと実質的に同じかそれに準ずるから、それを参照することで説明を省略する。
【0062】図2の方法の場合、魚介類のほか、牛肉・豚肉・鶏肉・羊肉などの食肉もトッピング具材として用いることができ、チクワ・カマボコ・ハンペン・魚肉ソーセージなどの各種加工水産物や、ハム・ベーコン・ソーセージなどの各種肉製品もトッピング具材として用いることができる。
【0063】図2の方法においても段落「0050」で述べたような実施態様がある。
【0064】
【発明の効果】本発明方法は簡単で有意な工程を組み合わせてかき揚げ天ぷら用衣付き具材やかき揚げ天ぷらをつくるというものである。この方法でつくられるかき揚げ天ぷらは、衣にクリスピー感があり、中まで十分加熱処理され、食感や味覚のよいものに仕上がる。したがって高品位で高品質のかき揚げ天ぷらを提供することができる。
【0065】本発明方法は、また、かき揚げ天ぷらにつき、下準備後の少ない工程で、しかも技術難度のない簡略な手段により安定して製造することができるとともに、これらに依存して、生産性の向上や製品のコストダウンもはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の一実施形態を示したフローチャートである。
【図2】本発明方法の他の一実施形態を示したフローチャートである。
【符号の説明】
(1)(8)……………………………皮剥ぎ
(2)(7)(12)(15)………水洗
(3)……………………………………芯取り
(4)(9)(13)…………………切断処理
(5)(10)…………………………浸漬処理
(6)(11)(14)(18)……水切り
(16)…………………………………煮る(ボイル)
(17)…………………………………冷却
(19)…………………………………トッピング具材のコーティング
(20)…………………………………衣用粉材の配合
(21)…………………………………粉篩
(22)…………………………………衣液の調合
(23)…………………………………衣液の濾過
(24)…………………………………具材のコーティング
(25)…………………………………計量・成形
(26)…………………………………衣付き具材形成
(27)…………………………………衣付き具材凍結
(28)…………………………………揚げる(フライ)
(29)…………………………………かき揚げ天ぷら凍結
(30)…………………………………かき揚げ天ぷら包装
(31)…………………………………かき揚げ天ぷら保管
【発明の属する技術分野】本発明は食品製造の技術分野に属するもので、高品位・高品質の「かき揚げ天ぷら」を製造するために開発された新規な方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平10−229834号公報
【特許文献2】特開2000−225063号公報
【特許文献3】特開2002−045134号公報
【0003】揚げ物の一つにかき揚げ天ぷらがある。かき揚げ天ぷらについては、具材を適当な大きさに切り、それをペースト状の溶き衣でまとめ、高温の油で揚げてつくるのが一般である。かき揚げ天ぷらで具材に打ち粉を施すこともある。かき揚げ天ぷらの利点は概ねつぎのようにいわれている。
▲1▼小さすぎる具材を一つひとつ揚げるのは面倒だが、これらを溶き衣で一まとめにして揚げるので調理の手間が省け食べやすくもなる。
▲2▼細かい具材を何種も組合わせて味にバリエーションをもたせることができる。
▲3▼加熱時間の掛かる具材などはこれを小さく切り手早く揚げることで味の劣化を防ぐことができる。
▲4▼加熱加減の異なる具材の場合も切り方を加減することで一まとめに揚げることができる。
▲5▼火を中まで通すための工夫が要るものの、衣の多少で具材の加熱量が加減でき、好みの味に調整することができる。
【0004】天ぷらで味や香りが大事なのはもちろんであるが、それ以上ともいわれているのがクリスピー感(サクサク感・カリカリ感)である。ちなみにその種の歯ざわりや歯ごたえのある天ぷらは、ほとんどの人が好感をもち、美味しいという。逆にべとついたりしてクリスピー感のない天ぷらは多くの者が不味さを訴える。かき揚げも天ぷらであるからにはクリスピー感を欠くことができない。
【0005】クリスピー感についていえば、一つは小麦粉のタンパク質が原因で損なわれる。ちなみに小麦粉を溶いて衣をつくると、その際のかき混ぜで粘稠なグルテンが不可避的に溶出する。グルテンは温度が高いほど生じやすく水や油を吸いやすい性質がある。天ぷらの衣でグルテンの溶出量が多かったりすると、それで高温の油がブロックされるため熱が中まで十分に通らなくなる。しかもグルテンは衣の水分を蒸発させずに封じ込め、油も余計に吸収してしまう。ゆえにグルテンの多い衣ではクリスピー感が得られない。クリスピー感を損なう他の理由は澱粉の糊化である。周知のとおり澱粉に水を加えて加熱するとこれがα化する。α化した澱粉が糊状を呈したりするとクリスピー感がなくなる。澱粉を多く含む小麦粉を水などで溶いた衣も、揚げの際の加熱で糊状になるためクリスピー感がない。天ぷらのクリスピー感の欠如はこれまでの説明から粘稠なグルテンや糊化した澱粉に起因しているといえる。
【0006】天ぷらについてはクリスピー感を得るための工夫がいろいろとなされている。たとえば粉を溶くときに冷水を用いるのはグルテンの溶出を抑え込むためである。同じ理由で粉をあまりかき混ぜたりはしない。衣に卵を加えたりするのは、揚げているときの衣に頻繁に気孔を発生させたりそれを破裂させたりして水分をはじき飛ばし、中まで熱の通りをよくするためである。調理箸で衣に貫通孔を形成するのも同じ理由による。衣用の混合粉を改良したりバッター液を用いたりしてクリスピー感を高めることも行われている。これらはすべて応分の成果をおさめているし、これら以外の手段でクリスピー感を確保しているものもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】既述の従来法では、ペースト状の溶き衣の中に細かい具材を浸してこれを含水衣層(溶いた衣の層)で包み込み、その含水衣層をつなぎにして各具材をまとめ揚げするが、これによるときは食味や食感のよいかき揚げ天ぷらを得るのが難しい。それは含水衣層と各具材との絡み合いで形成される塊状物に気泡や空間がほとんど残存しないからである。つまり気泡や空間のない塊状物では揚げの際の高温油(200℃前後)が中まで浸透せず、天ぷら内部が低温(100℃程度)にとどまったり水分蒸発が停滞したりする。したがって高温油と接触する天ぷら外部はよいが、低温状態にとどまる天ぷら内部では、加熱が足りず含水量も多いためにクリスピー感のないべとつきが生じる。これを回避すべく揚げに長時間を掛けたりすると、高温油と接している天ぷら外部が焦げてしまう。ゆえに既存の方法では、食味や食感の点で満足のいくかき揚げ天ぷらが得がたい。
【0008】このような課題に対し、特許文献1の方法は以下のようにして風味のよいかき揚げ天ぷらをつくるという。はじめは具材の表面に水を付着させる。つぎに被覆粉で吸水しながら具材表面を覆い、吸水した被覆粉を介して複数の具材相互を結合する。その後は結合具材をそのままフライするか冷凍保存後にフライする。この特許文献1の方法は、バッターに使用する小麦粉のグルテン生成が抑制されるから風味のよいかき揚げ天ぷらが製造できるという。しかし特許文献1の方法では具材表面への水分付着量を均一にするのが難しく、そのために被覆粉の付着量がばらつきがちである。それに付着量が均一でない被覆粉層は具材との付着力も不均一で、層の厚い部分などが具材表面から剥離したりするために風味のよいかき揚げ天ぷらが得がたくなる。それは具材表面から剥離した被覆粉層(含水衣層)によって結合具材の気泡や空間の多くが閉ざされてしまい、前記と同様の現象が生じるからである。特許文献1の方法においては、また、冷凍具材の表面を被覆粉で覆い、解凍時の水分を吸収した被覆粉により具材相互を結合するということも行われているが、その具材結合力が弱いため、事後の取り扱い中に結合具材の割れや具材相互の遊離が起こりがちとなる。
【0009】特許文献3の技術は上記の対策として衣に特殊な添加物を加えたりしている。しかしクリスピー感を確保するために添加物を多く配合したりした場合は、材料費や手数が嵩むだけでなく素材の持ち味が損なわれる。
【0010】一方、かき揚げ天ぷらを食品工場などでライン生産するときは、高品質の製品が安定して製造できること、低コストであること、技術難度をともなわないこと、工程をできるだけ簡略化すること、工程数をできるだけ少なくすることなど、これらを満足させることが要求される。ちなみに特許文献2の装置などはかき揚げ天ぷらの自動化にかなり貢献しているといえる。しかしながら、かき揚げ天ぷらについて既述のクリスピー感を確保した上でこのような要求を満たすという技術はまだ開発されていない。
【0011】
【発明の目的】本発明はこのような課題に鑑み、かき揚げ天ぷらについて高品質・高品位・低コスト・安定製造・技術難度なし・工程簡略・少数工程・高い生産性などを満足させることのできる方法を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係るかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法は、所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特徴とする。すなわち請求項1記載のかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法は、かき揚げ天ぷら用に加工された具材を衣用粉材でコーティングするためのコーティング工程と、複数のコーティング済み具材を一まとめにして内外連通型の連続気孔構造を有する具材集合物をつくるための具材成形工程と、衣液を具材集合物に散布かつ具材集合物表面の粉材に吸収させて含水衣層を形成するための衣層形成工程とを備えていることを特徴とする。
【0013】本発明の請求項2に係るかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法は、所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特徴とする。すなわち請求項2記載のかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法は、かき揚げ天ぷら用に加工された具材を衣用粉材でコーティングするためのコーティング工程と、複数のコーティング済み具材を一まとめにして内外連通型の連続気孔構造を有する具材集合物をつくるための具材成形工程と、衣液を具材集合物に散布かつ具材集合物表面の粉材に吸収させて含水衣層を形成するための衣層形成工程と、含水衣層を形成した後の成形具材を高温の加熱雰囲気内に入れて熱処理する熱処理工程とを備えていることを特徴とする。
【0014】本発明の請求項3に係るかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法は、所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特徴とする。すなわち請求項3記載のかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法は、かき揚げ天ぷら用に加工された具材を衣用粉材でコーティングするためのコーティング工程と、複数のコーティング済み具材を一まとめにして内外連通型の連続気孔構造を有する具材集合物をつくるための具材成形工程と、衣液を具材集合物に散布かつ具材集合物表面の粉材に吸収させて含水衣層を形成するための衣層形成工程と、含水衣層を形成した後の成形具材を凍結させてその形状を安定化させるための形状安定化工程とを備えていることを特徴とする。
【0015】本発明の請求項4に係るかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法は、所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特徴とする。すなわち請求項4記載のかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法は、かき揚げ天ぷら用に加工された具材を衣用粉材でコーティングするためのコーティング工程と、複数のコーティング済み具材を一まとめにして内外連通型の連続気孔構造を有する具材集合物をつくるための具材成形工程と、衣液を具材集合物に散布かつ具材集合物表面の粉材に吸収させて含水衣層を形成するための衣層形成工程と、含水衣層を形成した後の成形具材を高温の加熱雰囲気内に入れて熱処理する熱処理工程と、熱処理後の成形具材を凍結させてその形状を安定化させるための形状安定化工程とを備えていることを特徴とする。
【0016】本発明の請求項5に係るかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法は、所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特徴とする。すなわち請求項5記載のかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法は、かき揚げ天ぷら用に加工された具材を衣用粉材でコーティングするためのコーティング工程と、複数のコーティング済み具材を一まとめにして内外連通型の連続気孔構造を有する具材集合物をつくるための具材成形工程と、衣液を具材集合物に散布かつ具材集合物表面の粉材に吸収させて含水衣層を形成するための衣層形成工程と、衣用粉材でコーティングされたトッピング具材を含水衣層の上に載せてこれを衣液の散布吸収で含水衣層に付着させるためのトッピング工程とを備えていることを特徴とする。
【0017】本発明の請求項6に係るかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法は所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特徴とする。すなわち請求項6記載のかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法は、かき揚げ天ぷら用に加工された具材を衣用粉材でコーティングするコーティング工程と、複数のコーティング済み具材を一まとめにして具材集合物をつくる具材成形工程と、衣液を具材集合物に散布かつ具材集合物表面の粉材に吸収させて含水衣層を形成する衣層形成工程と、衣用粉材でコーティングされたトッピング具材を含水衣層の上に載せてこれを衣液の散布吸収で含水衣層に付着させるトッピング工程と、トッピング後の成形具材を凍結させてその形状を安定化させる形状安定化工程とを備えていることを特徴とする。
【0018】本発明の請求項7に係るかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法は所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特徴とする。すなわち請求項7記載のかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法は、請求項1〜6いずれかに記載の方法で製造されたかき揚げ天ぷら用衣付き具材を高温の油中に入れて揚げるとともに含水衣層の水分を飛散させることを特徴とする。
【0019】本発明の請求項8に係るかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法は所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特徴とする。すなわち請求項8記載のかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法は、請求項1〜6いずれかに記載の方法で製造されたかき揚げ天ぷら用衣付き具材を高温の油中に入れて揚げるとともに含水衣層の水分を飛散させてかき揚げ天ぷらをつくり、該かき揚げ天ぷらを凍結することを特徴とする。
【0020】
【作用】請求項1記載の方法は以下のようなものである。はじめのコーティング工程では加工された具材を衣用粉材でコーティングする。これは水分を含む具材の吸着性に依存して粉を吸着させるだけであるから熟練を要しない。このようなコーティング工程であれば機械化も簡単に行える。つぎの具材成形工程ではコーティング済み具材の複数を一まとめにして具材集合物をつくる。これもたとえば計量したものを分離しないようにまとめるだけであるから熟練を要しない。具材成形工程の機械化も簡単に行える。その後の衣層形成工程では、具材集合物を衣液の散布雰囲気下にさらし、衣液を具材集合物表面の粉材に吸収させて含水衣層を形成する。これもたとえば具材集合物に向けて衣液を噴霧などすればよいから熟練を要しない。衣層形成工程の機械化も簡単に行える。ゆえに請求項1の方法は、工程数が少ないばかりか数技術難度もほとんどなく、全体もわずか3工程で工程結合も簡略なものになるから、かき揚げ天ぷら用の衣付き具材を安定して高能率製造することができる。
【0021】上記における衣用粉材は乾いた粉である。このような衣用粉材は具材の吸着性に依存してその表面に付着するだけだから具材に対する過剰付着が起こらない。したがって衣用粉材は、具材表面に対しほぼ均一に付着する。コーティング具材複数を一まとめにして具材集合物にしたときはこれに気孔が生じる。気孔は小さなものから大きなものまで雑多である。気孔のうちで大きなものは空隙とか空間とかいうこともできる。しかし小さなものから大きなものまでを総称して気孔という。この際の気孔は具材集合物のほぼ全域に分散していて内外連通型の連続気孔構造をなしているから、気体や液体は連続気孔構造を通じて具材集合物の内外を自由に流通することができる。具材集合物で気孔が占める空間占有率(体積比または容積比)は、通常、かかる流通性を確保する観点と具材集合物の強度を確保する観点とを考慮して定める。この場合の強度とは輸送などを含めた各種の取扱中に具材集合物(またはかき揚げ天ぷら)が壊れない程度をいう。当該空間占有率は、一例として30〜80%の範囲内、望ましくは40〜60%の範囲内にあればよいが、これは具材集合物の大きさ・形状・材質などで条件が変わることもあるので、この範囲に限定するものではない。含水衣層は具材集合物表面の粉材が衣液を吸収することで形成される。これにはつなぎの機能があるから具材集合物の各具材は一つにまとまる。含水衣層と連続気孔構造との関係でいうと、含水衣層は粉が水分を吸収しただけのものであるから気孔閉塞を惹き起こすことがなく、したがって含水衣層の形成後も連続気孔構造は保持される。
【0022】上記で明らかなとおり衣付き具材には連続気孔構造がある。それが衣付き具材での気体や液体の流通を自由にする。かかる衣付き具材をフライヤに入れて高温の油で揚げるとき、高温油は衣付き具材の外表面に接するだけでなく連続気孔構造を通じてその内外にも出入りする。換言すると、揚げの際の熱が外部だけでなく衣付き具材の内部にも十分に通り、それで加熱が良好になるとともに内部の水分もよく蒸発したりガス抜きも活発に行われたりするから、天ぷら内部がべとつくというような揚げ不良が生じない。これは、また、熱が外部と内部にほぼ均等に行きわたるということであるから、一定時間内で全体を均質に揚げることにも通じる。ゆえに本発明方法によるときは、かき揚げ天ぷらとして、中まで十分加熱処理されたもの、衣にクリスピー感のあるもの、しかも、食味や食感のよいものが得られる。さらにいうと、衣付き具材の含水衣層は粉を溶いたものでなく粘稠なグルテンが生じていないから、揚げの際に澱粉の糊化も起こりがたく、この点でもクリスピー感が増す。
【0023】上記の衣付き具材は、また、クリスピー感を得るために特別の手段を追加したり添加物を加えたりするものでないから、コストアップ要因を取り込むことがなく、素材の持ち味も保持することができる。
【0024】請求項2記載の方法は請求項1記載の方法をベースにし、これに熱処理工程を加えたものである。この方法でつくられる衣付き具材は、上記と同様のことがいえるほか、つぎの点でも望ましい。すなわち成形具材(衣付き具材)を揚げる前に熱処理するときはこれの形状が安定する。しかも衣の水分がほとんどなくなるから、かき揚げ天ぷらのクリスピー感を得ることもより簡単で確実になる。
【0025】請求項3記載の方法は、凍結による成形具材の形状安定化工程があることを除き、請求項1記載の方法と共通する。したがって請求項3記載の方法でつくられる衣付き具材については、請求項1で述べたと同様のことがいえるほか、つぎのようなこともいえる。それは製造後から消費するまでの間、高品質かつ高品位の衣付き具材を自由に保存できることである。
【0026】請求項4記載の方法も請求項1記載の方法をベースにし、これに熱処理工程と凍結工程とを加えたものである。したがってこの方法によるときは、請求項1〜3で述べたことをすべて満足させることができ、とくに形状については、熱処理によるものと凍結によるものとの二種が重畳するのでより安定化する。
【0027】請求項5記載の方法はトッピング工程のあることを除き、請求項1記載の方法と共通する。この請求項4記載の方法ではトッピング具材の組み合わせいかんで衣付き具材に種々のバリエーションをもたせることができる。これはトッピング具材を任意に選択することで各種かき揚げ天ぷらの味が楽しめるということである。
【0028】請求項6記載の方法は、凍結による成形具材の形状安定化工程があることを除き、請求項5記載の方法と共通する。したがって請求項6記載の方法でつくられる衣付き具材は、請求項5で述べたと同様のことに加え、高品質かつ高品位の衣付き具材を自由に保存できることとなる。
【0029】請求項7記載の方法は、上述したいずれかの衣付き具材を高温の油中に入れて揚げる。しかもその際に含水衣層の水分を飛散させる。こうして得られるかき揚げ天ぷらは、既述の説明で明らかなように衣にクリスピー感があって食感や食味のよいものとなる。
【0030】請求項8記載の方法は上記のかき揚げ天ぷらを凍結する。この方法のようすれば、高品質で高品位のかき揚げ天ぷらを長く保存することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明に係るかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法とかき揚げ天ぷらの製造方法の実施形態については、はじめ、かき揚げ天ぷらの原材料を説明し、それから、図1・図2に例示された方法を順次説明する。
【0032】かき揚げ天ぷらの材料は主原料と副原料に分けられる。主原料は具材(天ぷらのタネ)である。これは野菜や魚介類などが主なものである。副原料の一つは衣用粉材である。衣用粉材の代表的一例として天ぷら粉と称されるミックス粉をあげることができる。これは中力小麦粉・薄力小麦粉・コーンスターチ・小麦粉澱粉・加工澱粉・発泡剤(例:遅効性のベーキングパウダー)・乳化剤(例:粉末油脂)などの混合物からなる。このほか塩やアミノ酸類などの調味料も副原料の一つになる。
【0033】図1はタマネギ・ニンジン・青ネギなどを具材にした野菜系かき揚げ天ぷらの製造方法について、その一例をフローチャートで示したものである。図1の実施形態には衣付き具材の製造方法も含まれている。
【0034】図1のAラインではタマネギを(1)〜(6)のように処理する。はじめは皮剥き(1)、つぎは水洗(2)、そのつぎは芯取り(3)である。(1)〜(3)は常套手段で実施する。これらを終えたら切断処理(4)を行う。この際のカッティング形状は4〜6mm幅の三日月形で、タマネギの繊維に沿ってカットするのが望ましい。浸漬処理(5)ではカッティング後のタマネギを乳酸カルシウム0.5%/グルコン酸カルシウム0.5%/水99.0%からなるカルシウム塩水溶液に浸漬する。浸漬時間は10分以上がよい。この浸漬処理を経ることでタマネギの食感が残るようになる。浸漬処理後の水切り(6)はカッティングタマネギ(タマネギ片)の付着水量を一定にするために行う。これを遠心脱水機で実施すると水切りが安定し、各タマネギ細の付着水量がほぼ一定になる。
【0035】図1のBラインではニンジンを(7)〜(11)のように処理する。水洗(7)や皮剥き(8)は常套手段で実施する。切断処理(9)ではニンジンを4mm×4mm×4mmのサイコロ形に切断する。浸漬処理(10)は上記と同じくニンジンの食感を残すために行うもので、これも上記と同じカルシウム塩の1%水溶液に各ニンジン片を10分以上浸漬する。水切り(11)もたとえば各ニンジン細片を遠心脱水機に掛けて行い、これらの付着水量をほぼ一定にする。
【0036】図1のCラインでは青ネギを(12)〜(14)のように処理する。すなわち周知の水洗(12)で青ネギに付着している異物を洗い流したり、周知の切断処理(13)で青ネギを長さ4cm×幅4mmに刻んだりする。その後の水切り(14)も刻み青ネギを遠心脱水機に掛けて行い、これらの付着水量をほぼ一定にする。
【0037】図1のEラインでは(20)〜(21)のようにして衣用粉材をつくる。衣用粉材の配合(20)では既述の中力小麦粉・薄力小麦粉・コーンスターチ・小麦粉澱粉・加工澱粉・発泡剤・乳化剤などを適当な割合で混合して衣用粉材をつくる。もちろん衣用粉材は小麦粉のみでもよい。この際の粉の混合では粉ダマの発生を抑え、粉に空気を抱かせるのが望ましい。粉篩(21)では衣用粉材を周知の篩いに掛けて異物などを取り除く。
【0038】図1のFラインでは(22)〜(23)のようにして衣液をつくる。衣液の調合(22)では、鶏卵と水と発泡剤と調味料と乳化剤とを用いる。さらにいうと、鶏卵は全卵がよく、水は鉄分を含まないものが望ましい。発泡剤は既述の遅効性ベーキングパウダーで、調味料は塩・アミノ酸・糖類・トレハロースなどである。とくに糖類は焦げがたいものを採用する。乳化剤は水に対して分散性のよい乳化油脂が望ましい。これらを適当な割合で調合し均質にしたものが衣液になる。衣液の濾過(23)は、衣液噴霧用のノズルの詰まりを防止するために行う。これは濾過材(濾過布・濾過紙・フィルタなど)で衣液を一回以上漉せばよい。衣液については鶏卵20重量部と水80重量部だけで作製してもよいし、これに上記のうちの一つ以上を加えて作製してもよい。衣液についてはつぎのような例もある。そのうちの一つとして、上記のようにしてつくられる衣液に中力小麦粉・薄力小麦粉・コーンスターチ・小麦粉澱粉・加工澱粉のような粉が添加され、これらが均質に混ぜ合わされる。衣液は、また、水のみでも構わない。さらに水に、鶏卵・発泡剤・調味料・乳化剤のうちの三つ以下を添加撹拌してそれを衣液にすることもある。
【0039】図1において、A・B・Cの各ラインでそれぞれ得られるタマネギ片・ニンジン片・青ネギ片などの具材は、それぞれ計量されたのち均一に撹拌混合される。これらの配合割合は好みに応じて決定される。一例をあげればタマネギ55〜60重量%、ニンジン35〜40重量%、青ネギ2.5〜7.5重量%である。
【0040】上記のごとく撹拌混合された各具材と、Eラインから流れてくる衣用粉材は図1のコーティング(24)で合流するが、該合流前、Eラインの衣用粉材は具材総量(タマネギ片・ニンジン片・青ネギ片の混合物)に対する配合量を計量される。両者の配合割合は、たとえば具材総量が70〜75重量%で衣用粉材が25〜30重量%である。
【0041】図1のコーティング(24)は各具材を撹拌しながらこれを実施する。具体的一例でいうと、各具材が上下運動するように具材入りの容器を揺動させてそこに計量した衣用粉材を振りかけ、その後も、各具材表面に衣用粉材がほぼ均等に付着するまで、各具材を上下運動させて撹拌する。このようにした場合は、吸水性のある衣用粉材が湿り気のある具材表面に付着するため、厚さのほぼ一定した薄い衣層が各具材の表面に形成される。かくて各具材は、衣用粉材によるコーティング済みの具材になる。
【0042】図1の計量・成形(25)ではコーティング済み具材を計量したり成形したりする。すなわち多量のコーティング済み具材を天ぷら一個分量(例:30〜80g)ごとに連続計量し、各一個分量を成形型枠で直径9〜11cm程度の大きさに成形する。これが一まとまりの具材集合物になる。この具材集合物には既述のとおり内外連通型の連続気孔構造が生じている。具材集合物は成形の際にとくに加圧しなくてもよいが、加圧する場合は連続気孔が閉塞しないような軽い圧迫にとどめる。
【0043】図1の衣液噴霧(26)では既述の衣液を上記具材集合物に散布し、それを具材集合物表面の粉材に吸収させて含水衣層を形成する。具体的一例では噴霧ノズルを備えた噴霧機械を用いる。この場合は噴霧ノズルより衣液を噴霧して具材集合物の衣層(表層部)に一定量の衣液を吸収させる。他の一例では具材集合物を網目状コンベアに乗せて一定速度で進行させ、それを衣液の噴霧雰囲気中に通して具材集合物の衣層(表層部)に一定量の衣液を吸収させる。こうして含水衣層を形成されたものが衣付き具材になり、具材を含めた全体が含水衣層の接着性でまとまる。
【0044】図1の凍結(27)ではフリーザを用い、−15℃以下の温度で衣付き具材を凍結して保管する。衣付き具材をすることでこれの形状が安定する。凍結保管は約72時間を一応の限度とするが、24時間以内の凍結保管が望ましい。それは長時間の凍結保管中に凍結変成が進行して品質劣化をきたすからである。したがって200時間を超えるような凍結保管は避ける。衣付き具材に衣液の吸収ムラがあるときは、上記の凍結保管から取り出した衣付き具材(凍結状態)の表裏に衣液を再噴霧し、こうしたものを油で揚げるのがよい。
【0045】図1において、衣液噴霧後に得られる衣付き具材を同図点線のように高温で加熱処理してもよい。この際の加熱温度は180〜300℃(望ましくは200〜250℃)で、加熱時間は30〜60分程度である。この加熱は図1のフライ(28)を基準にして前処理に該当する。こうして前処理することも前述したとおり、かき揚げ天ぷらの品位や品質を高めることに通じる。加熱手段としては各種のオーブンを用いることができる。既述のコンベアで衣付き具材を連続的に加熱処理するときはトンネル型のオーブン内を通過させるようにすればよい。加熱処理後の衣付き具材は図1の凍結(27)へ進めてもよいし、また、図1のフライ(28)へ進めてもよい。
【0046】図1のフライ(28)ではフライヤを用いて衣付き具材を揚げる。フライヤについては、油の温度を175℃±5℃の高温に維持したり油面のレベルを一定の範囲内に維持したりする。フライ時の油温と油面レベルは密接な関係にある。たとえば急激に油面が変動したりすると油温の低下が生じてかき揚げ天ぷらの品質が悪くなる。したがって油面のレベルを一定の範囲内に維持することは重要である。このほか油の酸価値(AV)を3以下望ましくは2.5以下に維持してフライヤを稼働させる。フライヤで酸価値をこの値に維持すれば、かき揚げ天ぷらの酸価値もこれと等価になる。
【0047】図1の凍結(29)ではフリーザ用いてかき揚げ天ぷらを凍結する。凍結のときは、かき揚げ天ぷらの中心温度が−15℃以下となるようにフリーザの温度や凍結時間を設定する。
【0048】図1の包装(30)では、油を浸透させない包装材料(耐油性の紙やフィルムなど)を用いて凍結かき揚げ天ぷらを包装する。
【0049】図1の保管(31)では、包装後の凍結かき揚げ天ぷらを冷凍冷蔵庫に入れ、−18℃以下の品温で保管する。この場合に冷凍冷蔵庫の温度を−24℃以下に設定すると、凍結かき揚げ天ぷらの温度が−18℃以下に保たれれる。
【0050】図1の方法については、フライ前処理としての加熱処理を省略したり、凍結(27)を省略したり、その後の衣液再噴霧を省略したりして衣付き具材をフライ(28)に掛けることもある。図1の方法でフライ(28)後のかき揚げ天ぷらをそのまま販売するときは、包装(30)や保管(31)を省略したりする。
【0051】図2はトッピングかき揚げ天ぷらの製造方法について、その一例をフローチャートで示したものである。図2の実施形態にも衣付き具材の製造方法が含まれている。
【0052】図2の方法でかき揚げ天ぷらのベース具材になるものは図1で述べたものと同じである。したがって図2において衣付き具材形成(26)まで至ったものは、図1におけるAラインの(1)〜(6)、Bラインの(7)〜(11)、Cラインの(12)〜(14)、Eラインの(21)〜(22)、Fラインの(22)〜(23)などを経てきている。
【0053】図2のDラインではエビ・イカ・ホタテ(ベビーホタテ)などのトッピング具材を(15)〜(19)のように処理する。水洗(15)は機械的なバブリング洗浄手段で気泡を発生させながら行う。バブリング洗浄によるときはトッピング具材を洗いながら主に沈降性異物(貝殻・石・砂など)を取り除くことができる。異物除去のときは浮遊性異物(毛・糸くず・紙片・藁くず・木くずなど)を取り除いたりする。イカについては1cm×2cm程度の大きさに切断しておく。イカの表裏に鹿の子状の切れ目を入れておくのもよい。皮を剥いだイカを用いるのもよい。煮る(16)ではトッピング具材を30秒間ほどボイルする。これは湯通しのようなものである。ボイルする理由はつぎのとおりである。エビ・イカ・ホタテなどの生ものは水分が多いために衣用粉材が付着しすぎる。その場合に秒単位のボイルでトッピング具材を脱水しておくと、衣用粉材の付着量が安定し粉材の過剰付着も生じなくなる。冷却(17)ではボイル後のトッピング具材を速やかに冷水で冷却する。この冷却によってトッピング具材を10℃以下に冷却すると細菌の増殖が抑えられる。水切り(18)は既述の理由と同様、トッピング具材の付着水量を一定にするために行う。これを遠心脱水機で実施すると水切りが安定し、エビ・イカ・ホタテなどの付着水量がほぼ一定になる。
【0054】図2のEラインでは(20)〜(21)のようにして衣用粉材をつくる。これは図1で述べた(20)〜(21)と実質的に同じかそれに準ずるから、それを参照することで説明を省略する。
【0055】図2のFラインでは(22)〜(23)のようにして衣液をつくる。これも図1で述べた(22)〜(23)と実質的に同じかそれに準ずるから、それを参照することで説明を省略する。
【0056】図2のDラインで処理されたエビ・イカ・ホタテなどのトッピング具材はそれぞれ計量して合わせる。エビ・イカ・ホタテなどの配合量(重量%)は好みに応じて決定するが、通常は等量である。
【0057】上記の各トッピング具材は、図2のコーティング(19)においてEラインから流れてくる衣用粉材と合流する。この合流の前に衣用粉材はトッピング具材総量に対する配合量を計量する。この両者の配合割合も、トッピング具材総量70〜75重量%、衣用粉材25〜30重量%でよい。
【0058】図2のコーティング(19)は各トッピング具材を撹拌しながらこれを実施する。具体的には前記で野菜系具材をコーティングしたと同様の方法で行う。これによって、吸水性のある衣用粉材が湿り気のあるトッピング具材表面に付着するから、各トッピング具材の表面には厚さのほぼ一定した薄い衣層が形成される。かくて各トッピング具材も、衣用粉材でコーティングされたものとなる。
【0059】図2のトッピング成形(26a)では、図1で説明した野菜系衣付き具材の上に、計量されたコーティング済みトッピング具材をトッピングする。トッピング量は野菜系衣付き具材の半量程度を目安にする。たとえば野菜系衣付き具材が30〜80gであれば、コーティング済みトッピング具材の量を15〜40g程度とする。なお、コーティング済みトッピング具材を野菜系衣付き具材上に載せたとき、形状を整えたり両者の分離を防止したりするために軽い力で成形する。
【0060】図2の衣液噴霧(26b)ではFラインからの衣液をトッピング衣付き具材(主にトッピング具材の周り)に散布し、それをトッピング具材表面の粉材に一定量吸収させてトッピング部分にも含水衣層を形成する。この際の衣液噴霧も既述の手段で行う。ここで含水衣層を形成したことにより、野菜系衣付き具材とトッピング具材との一体性がさらに増す。
【0061】以下トッピング衣付き具材は、図2の凍結(27)から保管(31)までを経ることとなり、トッピングかき揚げ天ぷらとして保管される。図2の(27)〜(31)については、図1の(27)〜(31)で説明したと実質的に同じかそれに準ずるから、それを参照することで説明を省略する。
【0062】図2の方法の場合、魚介類のほか、牛肉・豚肉・鶏肉・羊肉などの食肉もトッピング具材として用いることができ、チクワ・カマボコ・ハンペン・魚肉ソーセージなどの各種加工水産物や、ハム・ベーコン・ソーセージなどの各種肉製品もトッピング具材として用いることができる。
【0063】図2の方法においても段落「0050」で述べたような実施態様がある。
【0064】
【発明の効果】本発明方法は簡単で有意な工程を組み合わせてかき揚げ天ぷら用衣付き具材やかき揚げ天ぷらをつくるというものである。この方法でつくられるかき揚げ天ぷらは、衣にクリスピー感があり、中まで十分加熱処理され、食感や味覚のよいものに仕上がる。したがって高品位で高品質のかき揚げ天ぷらを提供することができる。
【0065】本発明方法は、また、かき揚げ天ぷらにつき、下準備後の少ない工程で、しかも技術難度のない簡略な手段により安定して製造することができるとともに、これらに依存して、生産性の向上や製品のコストダウンもはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の一実施形態を示したフローチャートである。
【図2】本発明方法の他の一実施形態を示したフローチャートである。
【符号の説明】
(1)(8)……………………………皮剥ぎ
(2)(7)(12)(15)………水洗
(3)……………………………………芯取り
(4)(9)(13)…………………切断処理
(5)(10)…………………………浸漬処理
(6)(11)(14)(18)……水切り
(16)…………………………………煮る(ボイル)
(17)…………………………………冷却
(19)…………………………………トッピング具材のコーティング
(20)…………………………………衣用粉材の配合
(21)…………………………………粉篩
(22)…………………………………衣液の調合
(23)…………………………………衣液の濾過
(24)…………………………………具材のコーティング
(25)…………………………………計量・成形
(26)…………………………………衣付き具材形成
(27)…………………………………衣付き具材凍結
(28)…………………………………揚げる(フライ)
(29)…………………………………かき揚げ天ぷら凍結
(30)…………………………………かき揚げ天ぷら包装
(31)…………………………………かき揚げ天ぷら保管
Claims (8)
- かき揚げ天ぷら用に加工された具材を衣用粉材でコーティングするためのコーティング工程と、複数のコーティング済み具材を一まとめにして内外連通型の連続気孔構造を有する具材集合物をつくるための具材成形工程と、衣液を具材集合物に散布かつ具材集合物表面の粉材に吸収させて含水衣層を形成するための衣層形成工程とを備えていることを特徴とするかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法。
- かき揚げ天ぷら用に加工された具材を衣用粉材でコーティングするためのコーティング工程と、複数のコーティング済み具材を一まとめにして内外連通型の連続気孔構造を有する具材集合物をつくるための具材成形工程と、衣液を具材集合物に散布かつ具材集合物表面の粉材に吸収させて含水衣層を形成するための衣層形成工程と、含水衣層を形成した後の成形具材を高温の加熱雰囲気内に入れて熱処理する熱処理工程とを備えていることを特徴とするかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法。
- かき揚げ天ぷら用に加工された具材を衣用粉材でコーティングするためのコーティング工程と、複数のコーティング済み具材を一まとめにして内外連通型の連続気孔構造を有する具材集合物をつくるための具材成形工程と、衣液を具材集合物に散布かつ具材集合物表面の粉材に吸収させて含水衣層を形成するための衣層形成工程と、含水衣層を形成した後の成形具材を凍結させてその形状を安定化させるための形状安定化工程とを備えていることを特徴とするかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法。
- かき揚げ天ぷら用に加工された具材を衣用粉材でコーティングするためのコーティング工程と、複数のコーティング済み具材を一まとめにして内外連通型の連続気孔構造を有する具材集合物をつくるための具材成形工程と、衣液を具材集合物に散布かつ具材集合物表面の粉材に吸収させて含水衣層を形成するための衣層形成工程と、含水衣層を形成した後の成形具材を高温の加熱雰囲気内に入れて熱処理する熱処理工程と、熱処理後の成形具材を凍結させてその形状を安定化させるための形状安定化工程とを備えていることを特徴とするかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法。
- かき揚げ天ぷら用に加工された具材を衣用粉材でコーティングするためのコーティング工程と、複数のコーティング済み具材を一まとめにして内外連通型の連続気孔構造を有する具材集合物をつくるための具材成形工程と、衣液を具材集合物に散布かつ具材集合物表面の粉材に吸収させて含水衣層を形成するための衣層形成工程と、衣用粉材でコーティングされたトッピング具材を含水衣層の上に載せてこれを衣液の散布吸収で含水衣層に付着させるためのトッピング工程とを備えていることを特徴とするかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法。
- かき揚げ天ぷら用に加工された具材を衣用粉材でコーティングするコーティング工程と、複数のコーティング済み具材を一まとめにして具材集合物をつくる具材成形工程と、衣液を具材集合物に散布かつ具材集合物表面の粉材に吸収させて含水衣層を形成する衣層形成工程と、衣用粉材でコーティングされたトッピング具材を含水衣層の上に載せてこれを衣液の散布吸収で含水衣層に付着させるトッピング工程と、トッピング後の成形具材を凍結させてその形状を安定化させる形状安定化工程とを備えていることを特徴とするかき揚げ天ぷら用衣付き具材の製造方法。
- 請求項1〜6いずれかに記載の方法で製造されたかき揚げ天ぷら用衣付き具材を高温の油中に入れて揚げるとともに含水衣層の水分を飛散させることを特徴とするかき揚げ天ぷらの製造方法。
- 請求項1〜6いずれかに記載の方法で製造されたかき揚げ天ぷら用衣付き具材を高温の油中に入れて揚げるとともに含水衣層の水分を飛散させてかき揚げ天ぷらをつくり、該かき揚げ天ぷらを凍結することを特徴とするかき揚げ天ぷらの製造方法。
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JP7370913B2 (ja) | 2020-03-25 | 2023-10-30 | 日清食品ホールディングス株式会社 | 乾燥かき揚げ及び乾燥かき揚げの製造方法 |
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2002
- 2002-09-09 JP JP2002262632A patent/JP2004097072A/ja active Pending
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