JP2004095869A - 受光素子および受光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】周波数特性のばらつきを抑えるとともに、より広帯域な周波数特性を持つようにする。
【解決課題】プリアンプIC6上面の一端側には、入力部として中央の線路電極52を挟んだ両側に線路電極54a,54bが並設されるコプレーナ線路が設けられている。受光素子8の接合面には、プリアンプIC6の上記コプレーナ線路に対応して、中央の線路電極62を挟んだ両側に線路電極64a,64bが並設されるコプレーナ線路が設けられている。図示例では、受光素子8の電極がインダクタンス成分を持ち、プリアンプIC6の電極にバンプ56a,56b,56cが設けられ、受光素子8がそのバンプによってプリアンプIC6上にフリップチップ実装される。なお、受光素子8は、光導波路66の端面が受光面となる端面受光型のpinホトダイオードである。
【選択図】 図6
【解決課題】プリアンプIC6上面の一端側には、入力部として中央の線路電極52を挟んだ両側に線路電極54a,54bが並設されるコプレーナ線路が設けられている。受光素子8の接合面には、プリアンプIC6の上記コプレーナ線路に対応して、中央の線路電極62を挟んだ両側に線路電極64a,64bが並設されるコプレーナ線路が設けられている。図示例では、受光素子8の電極がインダクタンス成分を持ち、プリアンプIC6の電極にバンプ56a,56b,56cが設けられ、受光素子8がそのバンプによってプリアンプIC6上にフリップチップ実装される。なお、受光素子8は、光導波路66の端面が受光面となる端面受光型のpinホトダイオードである。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光通信システムで用いられる受光素子および受光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の光通信システムでは、10Gb/sの光伝送システムが実用化されつつあり、現在、40Gb/s、50Gb/s等の更に高速なビットレートで光信号伝送を行うシステムの実現化に向けて、各所で研究開発が行われている。
【0003】
ところで、光通信システムで用いられる受光装置は、受光素子とこの受光素子が光電変換した出力電流を電圧に変換し増幅するプリアンプとを主要素としている。高速なビットレートの光信号を受ける受光装置の周波数特性は、受光素子とプリアンプとの接続方法に影響される。
【0004】
例えば、特開2000−58881号公報(受光回路)に開示されている受光装置では、受光素子とプリアンプとを同一キャリアの同一面上に近接させて配置し、受光素子の電極とプリアンプの信号入力パッドとをボンディングワイヤによって直接接続している。この公報では、接続するボンディングワイヤの長さを短くすることによって寄生インダクタンス成分を減少させ、高周波帯域の劣化を防ぐことが可能であることが述べられている。
【0005】
一方、受光素子の電極とプリアンプの信号入力パッドとの接続において、受光素子とプリアンプとを接続するボンディングワイヤのワイヤ長を僅かに長くし、そのインダクタンス成分によりピーキングを生じさせることによって、受光素子のp−nジャンクションの容量成分による位相変化を相殺し、受光素子における周波数応答特性の3dB帯域幅をより広帯域にすることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、受光素子とプリアンプとをボンディングワイヤによって直接接続するワイヤボンディングの方法では、接続するボンディングワイヤの長さが製造時にばらついて変化するので、インダクタンス成分を適切に制御することが困難である。その結果、インダクタンス成分が変動することによって、周波数特性の再現性も悪く、受光装置の周波数応答特性にばらつき(個体差)が生じるという問題があった。
【0007】
この発明は、上記に鑑みてなされたもので、周波数特性のばらつきを抑えるとともに、より広帯域な周波数特性を持つことを可能にする受光素子および受光装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明にかかる受光素子は、中心導体からなる第1線路電極と前記第1線路電極を挟んだ両側に配置される第1導体および第2導体からなる第2線路電極とで構成され、光電変換された電気信号を伝送し出力するコプレーナ線路を備える受光素子であって、前記第1線路電極を構成する中心導体は、前記コプレーナ線路の一端から他端に向かった所定区間に設けられる所定長さの導体線路と、前記導体線路に接続され、前記導体線路の線路幅よりも広い幅を持つ導体パッドとを備え、前記第2線路電極を構成する第1導体および第2導体は、前記第1線路電極の一端側では、前記導体線路の側辺と狭い間隔を置いて対向し、前記第1線路電極の一端側から他端側に向かう途中から前記導体線路の側辺との間隔が徐々に広がり、前記導体パッドの形成領域付近でその広がった間隔を保って前記第1線路電極の他端側に向かうように形成されることを特徴とする。
【0009】
つぎの発明にかかる受光素子は、中心導体からなる第1線路電極と前記第1線路電極を挟んだ両側に配置される第1導体および第2導体からなる第2線路電極とで構成され、光電変換された電気信号を伝送し出力するコプレーナ線路を備える受光素子であって、前記第1線路電極を構成する中心導体は、前記コプレーナ線路の一端から他端に向かった所定区間内幅が徐々に広がるように形成される導体線路と、前記導体線路に接続された導体パッドとを備え、前記第2線路電極を構成する第1導体および第2導体は、前記第1線路電極の一端側では、前記導体線路の側辺と狭い間隔を置いて対向し、前記第1線路電極の一端側から他端側に向かう途中で急激に前記導体線路の側辺との間隔が広がり、その広がった間隔を保って前記第1線路電極の他端側に向かうように形成されることを特徴とする。
【0010】
つぎの発明にかかる受光素子は、中心導体からなる第1線路電極と前記第1線路電極を挟んだ両側に配置される第1導体および第2導体からなる第2線路電極とで構成され、光電変換された電気信号を伝送し出力するコプレーナ線路を備える受光素子であって、前記第1線路電極を構成する中心導体は、前記コプレーナ線路の一端から他端に向かった所定区間に設けられる所定長さの導体線路と、前記導体線路に接続され、前記導体線路の線路幅よりも広い幅を持つ導体パッドとを備え、前記第2線路電極を構成する第1導体および第2導体は、前記第1線路電極の一端側では、前記導体線路の側辺と狭い間隔を置いて対向し、前記第1線路電極の一端側から他端側に向かう途中で急激に前記導体線路の側辺との間隔が広がり、その広がった間隔を保って前記第1線路電極の他端側に向かうように形成されることを特徴とする。
【0011】
つぎの発明にかかる受光素子は、中心導体からなる第1線路電極と前記第1線路電極を挟んだ両側に配置される第1導体および第2導体からなる第2線路電極とを有してなり、光電変換された電気信号を伝送するコプレーナ線路を備える受光素子であって、前記第1線路電極もしくは前記第2線路電極に、インダクタンス成分を与えたことを特徴とする。
【0012】
つぎの発明にかかる受光装置は、上記の発明による受光素子と、前記受光素子が出力する電気信号の増幅処理を行うプリアンプであって、入力端側に中心導体からなる第1線路電極と前記第1線路電極を挟んだ両側に配置される第1導体および第2導体からなる第2線路電極とで構成されるコプレーナ線路が形成されるプリアンプとを備え、前記プリアンプの前記コプレーナ線路は、前記受光素子の第1線路電極に設けられる導体パッドが前記プリアンプの第1線路電極に接合され、前記受光素子の第2線路電極が前記プリアンプの第2線路電極に接合されることを特徴とする。
【0013】
つぎの発明にかかる受光装置は、中心導体からなる第1線路電極と前記第1線路電極を挟んだ両側に配置される第1導体および第2導体からなる第2線路電極とで構成され、光電変換された電気信号を伝送し出力するコプレーナ線路を備える受光素子と、前記受光素子が出力する電気信号の増幅処理を行うプリアンプであって、入力端側に中心導体からなる第3線路電極と前記第3線路電極を挟んだ両側に配置される第3導体および第4導体からなる第4線路電極とで構成されるコプレーナ線路が形成されるプリアンプとを備え、前記プリアンプの前記コプレーナ線路では、前記第3線路電極を構成する中心導体は、当該コプレーナ線路の一端から他端に向かった所定区間に設けられる所定長さの導体線路と、前記導体線路に接続され、前記導体線路の線路幅よりも広い幅を持つ導体パッドと、を備え、かつ前記第4線路電極を構成する第3導体および第4導体は、前記第3線路電極の一端側では、前記導体線路の側辺と狭い間隔を置いて対向し、前記第3線路電極の一端側から他端側に向かう途中から前記導体線路の側辺との間隔が徐々に広がり、その広がった間隔を保って前記第3線路電極の他端側に向かうように形成されており、前記受光素子の第1線路電極が前記プリアンプの第3線路電極に設けられる前記導体パッドに接合され、前記受光素子の第2線路電極が前記プリアンプの第4線路電極の他端側に接合されることを特徴とする。
【0014】
つぎの発明にかかる受光装置は、中心導体からなる第1線路電極と前記第1線路電極を挟んだ両側に配置される第1導体および第2導体からなる第2線路電極とで構成され、光電変換された電気信号を伝送し出力するコプレーナ線路を備える受光素子と、前記受光素子が出力する電気信号の増幅処理を行うプリアンプであって、入力端側に中心導体からなる第3線路電極と前記第3線路電極を挟んだ両側に配置される第3導体および第4導体からなる第4線路電極とで構成されるコプレーナ線路が形成されるプリアンプとを備え、前記プリアンプの前記コプレーナ線路では、前記第3線路電極を構成する中心導体は、当該コプレーナ線路の一端から他端に向かった所定区間内幅が徐々に広がるように形成された導体線路と、前記導体線路に接続された導体パッドとを備え、かつ前記第4線路電極を構成する第3導体および第4導体は、前記第3線路電極の一端側では、前記導体線路の側辺と狭い間隔を置いて対向し、前記第3線路電極の一端側から他端側に向かう途中で急激に前記導体線路の側辺との間隔が広がり、その広がった間隔を保って前記第3線路電極の他端側に向かうように形成されており、前記受光素子の第1線路電極が前記プリアンプの第3線路電極に設けられる前記導体パッドに接合され、前記受光素子の第2線路電極が前記プリアンプの第4線路電極の他端側に接合されることを特徴とする。
【0015】
つぎの発明にかかる受光装置は、中心導体からなる第1線路電極と前記第1線路電極を挟んだ両側に配置される第1導体および第2導体からなる第2線路電極とで構成され、光電変換された電気信号を伝送し出力するコプレーナ線路を備える受光素子と、前記受光素子が出力する電気信号の増幅処理を行うプリアンプであって、入力端側に中心導体からなる第3線路電極と前記第3線路電極を挟んだ両側に配置される第3導体および第4導体からなる第4線路電極とで構成されるコプレーナ線路が形成されるプリアンプとを備え、前記プリアンプの前記コプレーナ線路では、前記第3線路電極を構成する中心導体は、当該コプレーナ線路の一端から他端に向かった所定区間に設けられる所定長さの導体線路と、前記導体線路に接続され、前記導体線路の線路幅よりも広い幅を持つ導体パッドとを備え、かつ前記第4線路電極を構成する第3導体および第4導体は、前記第3線路電極の一端側では、前記導体線路の側辺と狭い間隔を置いて対向し、前記第3線路電極の一端側から他端側に向かう途中で急激に前記導体線路の側辺との間隔が広がり、その広がった間隔を保って前記第3線路電極の他端側に向かうように形成されており、前記受光素子の第1線路電極が前記プリアンプの第3線路電極に設けられる前記導体パッドに接合され、前記受光素子の第2線路電極が前記プリアンプの第4線路電極の他端側に接合されることを特徴とする。
【0016】
つぎの発明にかかる受光装置は、上記の発明において、前記受光素子の第1線路電極は、前記プリアンプの第3線路電極に設けられる前記導体パッドにバンプを介して接合され、前記受光素子の第2線路電極は、前記プリアンプの第4線路電極の他端側にバンプを介して接合されることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる受光素子および受光装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0018】
図1は、この発明の一実施の形態である受光装置の構造を示すためパッケージの上蓋を外した状態での斜視図である。図1に示すように、この発明の受光装置は、箱型のパッケージ2に収納されている。図1では、上蓋(2f:図3参照)を外した状態を示すが、このパッケージ2は、合金またはアルミナ等の誘電体によって形成され、内周面には金が蒸着されている。図示しない上蓋と開口端Aとの間には、上蓋を開口端Aにシーム溶接する図示しない金属製のシールリングが設定される。すなわち、パッケージ2は、気密封止される構造である。
【0019】
パッケージ2の内部では、底面2aに導電性のキャリア4が半田付けされている。キャリア4は、金属ブロックまたは表面に金属メッキが施されたセラミックなどからなる。このキャリア4の上面には、プリアンプIC6が直接半田付けされ、プリアンプIC6上面の一端側には、受光素子8がフリップチップ実装されている。プリアンプIC6上面の他端側には、導体製のパッド10a,10bおよび12a,12bが設けられている。このプリアンプIC6は、例えばInPを基材としている。なお、プリアンプIC6は、セラミック基板(例えば、窒化アルミの基板)を介して間接的にキャリア4の上面に接続される構成としてもよい。
【0020】
受光素子8が対面するパッケージ2の第1壁面2bには、光貫通孔14が設けられ、気密性を保って光貫通孔14を塞ぐように(対向する位置に)レンズホルダ16が接合されている。レンズホルダ16には、光ファイバ18が接続されている。この際、光貫通孔14を塞ぐように、サファイアガラス製の光学窓が機密性を保って接合される。レンズホルダ16は、内部に例えば倍率5倍の非球面レンズであるレンズ20を保持している。また、レンズホルダ16は、光ファイバ18との接続部に、光ファイバ18の端末処理を行う図示しないフェルールが固定されている。
【0021】
パッケージ2の第1壁面2bに対向する第2壁面2cには、一端がパッケージ2の内部に突出し他端が外部に突出する角棒状のフィードスルー22が気密構造を有して嵌合されている。パッケージ2の内部に突出するフィードスルー22の一端は、プリアンプIC6上面の他端側まで延在している。フィードスルー22は、誘電体で構成され、その上面には、長手方向に沿って、中央部に導体層で構成される差動線路24a,24bが設けられ、それを挟む外側にグランド導体26a,26bが設けられている。これらは、全体としてコプレーナ線路を形成している。差動線路24a,24bおよびグランド導体26a,26bの一端は、プリアンプIC6上面に設けられた導体製のパッド10a,10bおよび12a,12bにボンディングワイヤ28a,28bおよび30a,30bを通して接続(ワイヤボンディング)されている。
【0022】
パッケージ2の対向する第3壁面2dおよび第4壁面2eには、それぞれ、一端がパッケージ2の内部に突出し他端が外部に突出する角棒状のフィードスルー32,34が気密構造を有して嵌合されている。フィードスルー32,34は、それぞれ、誘電体で構成される。フィードスルー32のパッケージ2内部に突出する一端の上面には、2つの導体線路36が設けられ、またフィードスルー34のパッケージ2内部に突出する一端の上面には、2つの導体線路38が設けられている。
【0023】
パッケージ2から外部に飛び出すフィードスルー32,34の他端には、電源供給ラインであるリード40,42が接続されている。リード40は、プリアンプIC6を駆動する正電圧(図12,図15にVcc、Vreg)の供給ラインである。リード42は、受光素子8に印加する逆バイアス電圧(図15に示すVr)とグランド(図15に示すGND)の供給ラインである。
【0024】
以上の構成において、光ファイバ18を介して伝送されてきた光変調信号は、倍率5倍の非球面レンズであるレンズ20で集光される。すなわち、光ファイバ18から出射された光変調信号は、スポットサイズが5μmから1μmに変換される。細径化された光変調信号は、光貫通孔14を通過して受光素子8に設けられた後述する光導波路の受光面に入射し、その光導波路を伝播する間に吸収されて光電変換される。受光素子8にて光電変換された電気信号は、フリップチップ実装による接合部分を介してプリアンプIC6に出力される。
【0025】
プリアンプIC6は、受光素子8からの入力信号を電圧信号に変換・増幅し、パッド10a,10bに出力する。この出力信号は、ボンディングワイヤ28a,28bを介して差動線路24a,24bに伝送され、フィードスルー22を介してパッケージ2の内部から外部に伝送される。すなわち、差動線路24a,24bは、第2壁面2cを貫通するように、パッケージ2の内外に延びて配置されている。
【0026】
次に、図2〜図6の各図を参照して、図1に示した受光装置の構成を詳細に説明する。なお、図2は、図1に示す受光装置の上面図である。図3は、図1に示す受光装置をI−I線で切断した断面図である。図4は、図1に示す受光素子をレンズ側から見た側面図である。図5は、図1に示すプリアンプICを抜き出して示す上面図である。図6は、図1に示す受光素子とプリアンプICとの関係を説明するための斜視図である。
【0027】
図2において、フィードスルー32の上面に設けられる2つの導体線路36は、パッケージ2内で、ボンディングワイヤ44a,44bを介してキャリア4の対応する側端に設けたパッド45a,45bに接続(ワイヤボンディング)されている。キャリア4の側端に設けたパッド45a,45bは、ボンディングワイヤ44c,44dを介してプリアンプIC6の対応する側端に設けたパッド45c,45dに接続(ワイヤボンディング)されている。
【0028】
また、フィードスルー34の上面に設けられる2つの導体線路38のうち、一方は、図15に示す逆バイアス電圧Vrの供給経路であって、パッケージ2内で、ボンディングワイヤ46aを介してキャリア4の対応する側端に設けたパッド47aに接続(ワイヤボンディング)されている。パッド47aは、キャリア4の側端に設けたパッド47bと接続され、パッド47bはプリアンプIC6の対応する側端に設けたパッド47cとがボンディングワイヤ46bを介して接続されている。また、他方の導体線路38は、図15に示すグランド(GND)の供給経路であって、ボンディングワイヤ46cを介してフィードスルー22のグランド導体26aに接続(ワイヤボンディング)されている。
【0029】
また、図3では、第2壁面2cとフィードスルー22の上面との間に、誘電体58が設けられている。また、フィードスルー22の下面(底面2a側)には、導体層60が設けられていることが示されている。
【0030】
さて、図5は、受光素子8を外した状態でのプリアンプIC6の上面を示すが、図5と図2に示すように、プリアンプIC6上面の一端側には、入力部として中央の線路電極52を挟んだ両側に線路電極54a,54bが並設されるコプレーナ線路が設けられ、その上に受光素子8が破線で示すバンプ56a,56b,56cによってフリップチップ実装されることが示されている。なお、後述するように、入力部として並設される3つの線路電極52,54a,54bには、種々のパターン(形状)がある。
【0031】
すなわち、受光素子8の接合面には、図3,図4、図6において、プリアンプIC6の上記コプレーナ線路に対応して、中央の線路電極62を挟んだ両側に線路電極64a,64bが並設されるコプレーナ線路が設けられる。図6に示すように、バンプ56a,56b,56cは、プリアンプIC6の線路電極52,54a,54b上に予め接合され、受光素子8の対応する線路電極62,64a,64bがこのバンプ56a,56b,56cに接合(熱圧着)されてフリップチップ実装されることが示されている。但し、図6では、図2に示されているパッド45a,45b,47は、図示省略した。なお、後述するように、受光素子8の接合面に並設される3つの線路電極62,64a,64bには、種々のパターン(形状)がある。
【0032】
そして、図4と図6に示すように、この受光素子8は、第1壁面2bと対面する受光端側において中央の線路電極62に沿って光導波路66が配置され、この光導波路66の端面が受光面となる端面受光型のpinホトダイオードであることが示されている。このような端面受光型のpinホトダイオードとしては、例えば、文献“110GHz動作マッシュルーム構造導波路型pinフォトダイオード”(加藤和利他、電子情報通信学会秋季大会、1994、C−272、p.273)に記載されるものが知られている。
【0033】
次に、図7を参照して、端面受光型のpinホトダイオードである受光素子8の具体的な構成例を説明する。なお、図7は、図1に示す受光素子の構造を示す斜視図である。図7では、接合面を上にして示されている。
【0034】
図7において、直方体形状で示されている基板70は、例えばp型InPを基材としている。光信号700が、直方体形状の基板70に対し、その長手方向に直交する左方(一端側)から入射するとする。p−InP,n−InPの導体層で構成される上記した光導波路66が、基板70の一端側であって基板70の下面(図7では上方に向き、接合面である)に近接した内部位置において、光信号700の入射光軸上に適宜長さに渡って形成されている。光導波路66には、吸収層が設けられている。基板70の一端側に露出する光導波路66の端面66aが受光面を構成している。
【0035】
そして、基板70の下面(接合面)には、コプレーナ線路を構成する上記した3つの線路電極62,64a,64bが設けられている。中央の線路電極62は、光導波路66と投影面が重なるように光信号700の入射光軸に沿いその短手方向の幅一杯に跨って配置されている。また、線路電極64a,64bは、中央の線路電極62を挟んだ基板70の長手方向の両側において短手方向の幅一杯に跨って対称配置されている。
【0036】
基板70の上面(図7では下方に向いている)には、全面に金でメタライズされた導体層72が設けられている。導体層72と光導波路66との間には、線路電極64a,64bの一端側に延在する導体層(n型InP層)74が設けられている。基板70の一端側において、導体層74と線路電極64a,64bは、スルーホール76を通して接続されている。
【0037】
線路電極62,64a,64bのパターン(形状)には、各種あるが、図7では、次のようになっている。すなわち、中央の線路電極62は、基板70の一端から他端に至る途中までほぼ一定の幅で設けられた導体線路62aと、導体線路62aの他端と基板70の他端とを連接する四角形状の導体パッド62bとで構成されている。導体パッド62bの横幅は、導体線路62aの幅よりも広くなっている。
【0038】
線路電極64a、64bは、基板70の一端側においては、一端の先端辺が狭い間隔を置いて導体線路62aの一端側の側辺に対向し、一端の先端辺に連接する側辺が基板70の長手方向に沿って導体線路62aから離れる方向に一定距離進み、その後、側辺が基板70の他端に向かう短手方向に90度折れ曲がり、導体線路62aから一定距離(段差)を置いて他端が基板70の他端に至る形状をしている。すなわち、導体線路64a,64bは、ある幅を持つL字形状になっており、L字が互いに反対を向くように対称配置されている。
【0039】
そして、受光素子8の各線路電極には、上記したバンプが接合される。すなわち、中央の線路電極62では、導体パッド62bのバンプ接合領域156aにバンプ56aが接合される。線路電極64aには、バンプ接合領域156bにバンプ56bが接合される。線路電極64bには、バンプ接合領域156cにバンプ56cが接合される。
【0040】
上記したように、線路電極64aは、バンプ56bを介してプリアンプIC6の線路電極54aに接合されている。線路電極64bは、バンプ56cを介してプリアンプIC6の線路電極54bに接合されている。線路電極62の導体パッド62bは、バンプ56aを介してプリアンプIC6の線路電極52に接合されている。
【0041】
バンプは、例えば金材で構成されている。約200℃の温度環境下において受光素子8を、予めプリアンプIC6の電極と接合されたバンプに加圧接合(熱圧着)することによって、受光素子8は、線路電極62,64a,64bを下方に向けてプリアンプIC6の上面にフリップチップ実装されている。なお、バンプには、半田バンプを用いることができる。この場合には、受光素子8をプリアンプIC6の電極に押し付けて半田セルフアライメントで接合させる。
【0042】
次に、図8〜図11を参照して、受光素子の電極パターンについて説明する。なお、図8は、図1に示す受光素子のインダクタンス成分を持つ電極パターン(その1)を説明する図である。図9は、図1に示す受光素子のインダクタンス成分を持つ電極パターン(その2)を説明する図である。図10は、図1に示す受光素子のインダクタンス成分を持つ電極パターン(その3)を説明する図である。図11は、図1に示す受光素子のインダクタンス成分を持たない電極パターンを説明する図である。
【0043】
図8では、図7にて説明した電極パターンが示されている。なお、図8(a)は、図7にて説明した電極パターンの線路電極62,64a,64bが形成された受光素子8の下面図である。図8(b)は、全面に金がメタライズされている導体層72が形成された受光素子8の上面図である。図8(c)は、各線路電極にバンプ56a,56b,56cが設けられた状態を示す図である。図8(d)は、電極パターンの他の態様を示す受光素子8の下面図である。
【0044】
図8(a)において、この実施の形態では、中央の線路電極62は、p型InP層に接続されたp電極であり、両側の線路電極64a,64bは、n型InP層に接続されたn電極である。
【0045】
図8に示す受光素子8に設けられる電極パターンは、p電極(中央の線路電極62)とn電極(両側の線路電極64a,64b)の双方がインダクタンス成分を持つことができる。中央の線路電極62では、線路幅d1を狭くすることでインダクタンス成分を付与することができる。すなわち、受光素子8の特性インピーダンス(例えば、50Ω)を崩して、インピーダンスを大きく設定することができる。
【0046】
このように、中央の線路電極62にインダクタンス成分が存在するときは、光信号700が入力されたときに、受光素子8の出力信号800にピーキングを生じさせる。すなわち、周波数特性の広帯域化が図れる。
【0047】
線路電極62のパターン(形状)は、1μm単位での調整が可能であるので、線路電極62に付与するインダクタンス成分の量は、高精度に制御することができる。線路電極62のパターン(形状)を変更する例としては、(1)線路幅d1を一様に狭くする、(2)線路幅d1を部分的に狭くしたり広くしたりして幅を波状に変化させる、(3)受光面から導体パッド62bまでの間隔を変えて導体線路62aの長さl1を長くする、(4)受光面から導体パッド62bまでの間隔は変えずに導体線路62aをS字状に屈曲させ長さl1を長くする、などを挙げることができる。(4)の場合には、受光素子の短手方向の長さはそのままにして線路の実質的な長さl1を長くすることができ、所望のインダクタンス成分が得られる。
【0048】
加えて、線路電極64a,64bと導体線路62aとの間隔d2と、線路電極64a,64bの導体線路62aと対向する側辺部分の長さl2とを調整することによっても、線路電極62に付与するインダクタンス成分の量を調整することができ、調整の自由度が向上する。
【0049】
なお、中央の線路電極62における導体パッド62bは、横幅が導体線路62aの線路幅よりも大きければよく、面積は、バンプ56aが接合できる程度でよい。したがって、例えば図8(d)の導体パッド63bのように円形状でもよい。
【0050】
また、線路電極64a,64bの基板70の短手方向における幅は、バンプ56a、バンプ56b,56cが接合できる程度の大きさでよい。さらに、例えば図8(d)の線路電極65a,65bのように、L字形状に90度屈曲した内側辺部分が斜面65cを有するようにしてもよい。
【0051】
次に、図9に示す受光素子8では、p電極である中央の線路電極82は、図8に示した線路電極62と同じ形状をしている。すなわち、線路電極82は、幅狭の導体線路82aと幅広の導体パッド82bとで構成されている。これに対し、両側に配置されるn電極である線路電極84a,84bは、内側辺と線路電極82との間隔が、光信号700の入力側から出力側に向けて徐々に広がり、導体パッド82bの形成領域付近でその広がった間隔を保持して出力側に到達するように形成されている。
【0052】
図9に示す受光素子8に設けられる電極パターンでは、p電極(中央の線路電極82)のみがインダクタンス成分を持つので、図8に示した電極パターンよりはインダクタンス成分の調整量は少ないが、同様にして受光素子8の出力信号800にピーキングを生じさせることができ、周波数特性の広帯域化が図れる。
【0053】
次に、図10に示す受光素子8では、p電極である中央の線路電極86は、線路幅が光信号700の入力側から出力側に向かった所定区間内で(例えば20μm〜80μmまで)幅が徐々に広がるように形成された導体線路86aと、導体線路86aの入力側の先端よりも幅が広くバンプ実装幅を持つ導体パッド86bとで構成されている。これに対し、両側に配置されるn電極である線路電極88a,88bは、図8に示した線路電極64a,64bと同じ形状をしている。
【0054】
図10に示す受光素子8に設けられる電極パターンでは、n電極(両側の線路電極88a,88b)のみがインダクタンス成分を持つので、図8に示した電極パターンよりはインダクタンス成分の調整量は少ないが、同様にして受光素子8の出力信号800にピーキングを生じさせることができ、周波数特性の広帯域化が図れる。
【0055】
次に、図11に示す受光素子8では、p電極である中央の線路電極90は、線路幅が光信号700の入力側から出力側に向かった所定区間内で(例えば20μm〜80μmまで)幅が徐々に広がるように形成された導体線路90aと、導体線路90aの入力側の先端よりも幅が広くバンプ実装幅を持つ導体パッド90bとで構成されている。これに対し、両側に配置されるn電極である線路電極92a,92bは、内側辺と線路電極90との間隔が、光信号700の入力側から出力側に向けて徐々に広がり、導体パッド90bの形成領域付近でその広がった間隔を保持して出力側に到達するように形成されている。すなわち、p電極幅に合わせてn電極は一定のインピーダンスを保ちながら広がっている。この構成では、線路電極90にインダクタンス成分が付与されず、インダクタンス成分は、ほぼ0とみなすことができる。
【0056】
次に、図1に示すプリアンプICについて説明する。図12は、図1に示すプリアンプIC6の回路構成を説明するブロック図である。図12に示すように、プリアンプIC6は、受光素子8の電極パターンと接合される電極パターンが形成される入力部94と、入力部94からの信号を増幅してパッド10a,10bに出力する回路部96とで構成されている。
【0057】
回路部96は、入力部94からの信号を受けるトランスインピーダンスアンプ(TIA)98と、TIA98の出力信号を差動信号に変換し、出力端子を構成するパッド10a,10bに出力する差動増幅器100とで構成されている。TIA98は、等価回路的には、増幅器102と、この増幅器102に並列接続される帰還抵抗素子104とで構成されている。
【0058】
回路部96には、駆動用正電圧Vcc、Vregが図1に示したフィードスルー32を介して供給される。また、グランド(GND)は、図示省略したが、図1に示したフィードスルー34を介して供給される。なお、TIA98の出力端と差動増幅器100の入力端との接続点Bは、以後、TIA98の出力端子とする。
【0059】
図13は、図12に示すプリアンプICの入力部94に設けられるインダクタンス成分を持たない電極パターンを説明する図である。図13において、入力部94には、3つの線路電極106,108a,108bが形成されている。
【0060】
中央の線路電極106は、TIA98との接続端側から受光素子8の導体パッドに設けられるバンプが接続される領域112までの区間では、TIA98との接続端側から領域112に進むにつれて幅が徐々に広がり、領域112においてその広がった間隔を維持して先端側まで到達するように形成されている。領域112からTIA98との接続端側に向かって幅が徐々に狭くなっているのは、TIA98を構成する電子回路とのインピーダンス整合を取るためである。
【0061】
両側の線路電極108a,108bは、線路電極106のTIA98との接続端側から受光素子8のバンプが接続される先端領域114,116まで、線路電極106の側辺との間隔が徐々に広がり、先端領域114,116の部分では、広がった幅を保持して先端側に到達するように形成されている。この電極パターンは、図11に示した電極パターンと同じ形状であり、インダクタンス成分は付与されない。
【0062】
中央の線路電極106は、p電極であり、両側の線路電極108a,108bは、n電極である。これらの線路電極は、コプレーナ線路110を構成し、線路電極106から出力された変調電気信号900は、TIA98にて増幅され、出力端子Bから差動増幅器100に出力されている。
【0063】
ここで、受光素子8の電極パターンに与えるインダクタンス成分がどの程度周波数応答特性(通過損失)に好影響を与えるのかについて説明する。図14は、電極パターンがインダクタンス成分を持つ場合と持たない場合の受光素子を図13に示すプリアンプICに適用した場合の周波数応答特性(通過損失)を比較して示す特性図(シュミレーション結果)である。
【0064】
図14において、縦軸は、周波数応答の通過特性(SパラメータのS21特性)であり、3dBから−9dBまで示されている。横軸は、周波数であり、0GHzから50GHzまで示されている。
【0065】
周波数応答特性P1は、図8に示すインダクタンス成分を持つ電極パターンを備える受光素子8を図13に示すプリアンプICに適用した場合の周波数応答特性を示す。また、周波数応答特性P2は、図11に示すインダクタンス成分を持たない電極パターンを備える受光素子8を図13に示すプリアンプICに適用した場合の周波数応答特性を示す。
【0066】
図11に示す電極パターンでは、周波数応答特性P2に示すように、3dB帯域幅が27GHz迄となっている。これに対し、図8に示す電極パターンでは、中央の線路電極62に付与したインダクタンス成分によって、周波数応答特性P1に示すように、ピーキング118を発生させることができるので、3dB帯域幅が30GHzを超えて32GHz程度となり、より広帯域な特性が実現できることが解る。図9や図10に示す電極パターンを持つ受光素子8を適用した場合も同様の特性が得られている。
【0067】
次に、受光素子8の電極パターンに付与するインダクタンス成分の値を変化させた場合の周波数応答特性(通過損失)を説明する。図15は、図8〜図10に示す受光素子を図13に示すプリアンプICに適用した場合の全体回路を示す図である。
【0068】
図15に示すように、プリアンプIC6の入力部にフリップチップ実装される受光素子8の出力は、TIA98に入力されるが、この受光素子8は、等価的にPINホトダイオード(PD)120と電極パターンが持つインダクタンス122との直列回路で示されている。なお、PD120に与える逆バイアス電圧Vrと回路部96が取るグランド(GND)は、図1に示したフィードスルー34を介して供給される。
【0069】
図16は、図15に示す全体回路で得られる周波数応答特性を示す特性図(シミュレーション結果)である。図16では、図13と同じ座標を用いて、図15に示すインダクタンス122の値を0nHから1nHまで変化させたときの周波数応答特性の変化が示されている。
【0070】
図16に示すように、図15に示すインダクタンス122の値を変化させると、ピーキングの生ずる周波数位置および大きさが変化する。インダクタンス122の値が小さいときは、ピーキングの生ずる周波数位置は、30GHzを超える帯域に在り、かつその大きさもそれ程大きくはないが、インダクタンス122の値が大きくなるに従ってピーキングの生ずる周波数位置が30GHz以下の帯域に移行し、かつその大きさも段々に大きくなっていく。
【0071】
図示の例では、インダクタンス122の値が0.4nH〜0.6nHまでの範囲では、ピーキングの生ずる周波数位置が30GHzを超えており、広帯域化が実現できている。しかし、0.8nH〜1nHまでの範囲では、ピーキングの生ずる周波数位置が30GHzを超えておらず、かつピーキングが大きくなり過ぎて徐々に帯域が狭くなってくる。
【0072】
要するに、インダクタンス122の値を適切に設定することによって所望の広帯域特性が得られている。具体的には、図8に示した受光素子8であれば、所望のインダクタンス成分が得られるように、図8(a)に示した導体線路62aの線路幅d1、長さl1や、線路電極64a,64bと導体線路62aとの間隔d2、線路電極64a,64bの長さl2を適切に設定するとよい。受光素子8の電極パターンに付与するインダクタンス成分は、高精度の設定が可能であるので、所望の広帯域特性をばらつきの少ない状態で得ることができる。
【0073】
このように、図8〜図10に示す受光素子8を図13に示すプリアンプIC6にフリップチップ実装することで、長さにばらつきが存在するボンディングワイヤを用いずに、受光素子とプリアンプIC6との接続線路にインダクタンス成分を与えることができるので、周波数特性のばらつきを低減することができ、またピーキングを適宜に発生させ得るので、広帯域化が図れる。
【0074】
加えて、フリップチップ実装によって、受光素子8とプリアンプIC6との接続に伴う寄生容量を抑制することができ、また受光素子8とプリアンプIC6との接続部分の電気特性に依存する装置特性のばらつきを抑制することができる。
【0075】
以上は、受光素子8の電極パターンにインダクタンス成分を付与し、対するプリアンプIC6の入力部にはインダクタンス成分を持たない電極パターンを形成する場合である。しかし、図15に示す全体回路の構成から明らかなように、この関係は、逆でもよい。すなわち、受光素子8の電極パターンにはインダクタンス成分を付与せず(図11参照)、対するプリアンプIC6の入力部にインダクタンス成分を持つ電極パターンを形成することでもよい。また、受光素子8と対するプリアンプIC6の入力部の双方において、それぞれの電極パターンがインダクタンス成分を持つことでもよい。
【0076】
そこで、図17〜図19を参照して、プリアンプIC6の入力部に形成するインダクタンス成分を持つ電極パターンの構成例を説明する。なお、図17は、図12に示すプリアンプICの入力部に設けられるインダクタンス成分を持つ電極パターン(その1)を説明する図である。図18は、図12に示すプリアンプICの入力部に設けられるインダクタンス成分を持つ電極パターン(その2)を説明する図である。図19は、図12に示すプリアンプICの入力部に設けられるインダクタンス成分を持つ電極パターン(その3)を説明する図である。
【0077】
図17に示すプリアンプIC6の入力部130には、コプレーナ線路を構成する線路電極132,134a,134bが設けられている。図17では、p電極(中央の線路電極132)とn電極(両側の線路電極134a,134b)がインダクタンス成分を持つことができる電極パターンが示されている。
【0078】
p電極である中央の線路電極132は、TIA98との接続端から先端側の受光素子8の配置領域までの所定区間に設けられる導体線路132aと、受光素子8の配置領域に設けられる導体パッド132bとで構成されている。ここで、導体線路132aの線路幅は、導体パッド132bのそれよりも狭くなっている。これによって、導体線路132aにインダクタンス成分が付与されている。
【0079】
n電極である両側の線路電極134a,134bは、TIA98との接続端側では、線路電極132の側辺との間隔が狭く、TIA98との接続端から先端側に向けて少し進んだあたりで急激に線路電極132の側辺との間隔が広くなり、その広がった間隔を維持して先端側まで到達するように形成されている。この線路電極134a,134bの間隔変化によってもインダクタンス成分が付与されている。
【0080】
図18に示すプリアンプIC6の入力部140には、コプレーナ線路を構成する線路電極142,144a,144bが設けられている。図18では、p電極(中央の線路電極142)のみがインダクタンス成分を持つことができる電極パターンが示されている。
【0081】
p電極である中央の線路電極142は、図17に示した線路電極132と同じ形状であり、TIA98との接続端から先端側の受光素子8の配置領域までの所定区間に設けられる幅狭の導体線路142aと、受光素子8の配置領域に設けられる幅広の導体パッド142bとで構成されている。すなわち、線路電極142によってインダクタンス成分が付与されている。
【0082】
n電極である両側の線路電極144a,144bは、図13に示した線路電極108a,108bと同じ形状であり、TIA98との接続端側では、線路電極142の側辺との間隔が狭く、TIA98との接続端から先端側に向けて少し進んだあたりから受光素子8の配置領域付近まで線路電極142の側辺との間隔が徐々に広がり、受光素子8の配置領域においてその広がった間隔を維持して先端側まで到達するように形成されている。すなわち、線路電極144a,144bは、インダクタンス成分を持たない構成である。
【0083】
図19に示すプリアンプIC6の入力部150には、コプレーナ線路を構成する線路電極152,154a,154bが設けられている。図19では、n電極(両側の線路電極154a,154b)のみがインダクタンス成分を持つことができる電極パターンが示されている。
【0084】
p電極である中央の線路電極152は、TIA98との接続端から先端側の受光素子8の配置領域までの所定区間に設けられ、TIA98との接続端から受光素子8の配置領域に進むにつれて幅が徐々に広くなるように形成される導体線路152aと、受光素子8の配置領域においてその広がった間隔を維持して先端側まで到達するように形成される導体パッド152bとで構成されている。これは、図13に示した線路電極106と同じ形状であり、専らTIA98を構成する電子回路とのインピーダンス整合を取ることを目的とし、インダクタンス成分を持たない構成である。
【0085】
n電極である両側の線路電極154a,154bは、図17に示した線路電極134a,134bと同じ形状であり、TIA98との接続端側では、線路電極152の側辺との間隔が狭く、TIA98との接続端から先端側に向けて少し進んだあたりで急激に線路電極152の側辺との間隔が広くなり、その広がった間隔を維持して先端側まで到達するように形成されている。この線路電極154a,154bの間隔変化によってインダクタンス成分が付与されている。
【0086】
図17〜図19に示すプリアンプIC6に図8〜図11に示す受光素子8をフリップチップ実装することでも、長さにばらつきが存在するボンディングワイヤを用いずとも、受光素子とプリアンプIC6との間にインダクタンス成分を与えることができるので、周波数特性のばらつきを低減することができ、また広帯域化が図れる。このとき、バンプは、入力部の電極パターンに設けることができる。
【0087】
加えて、フリップチップ実装によって、受光素子8とプリアンプIC6との接続に伴う寄生容量を抑制することができ、また受光素子8とプリアンプIC6との接続部分の電気特性に依存する装置特性のばらつきを抑制することができる。
【0088】
ここで、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、当業者であれば加えるであろう種々の変更の全てを含むものである。例えば、フリップチップ実装を用いず同様の効果を得る構成としては、例えば、次のような構成を採ることができる。
【0089】
すなわち、例えば、図8に示した受光素子8と図13に示したプリアンプIC6との関係で言えば、受光素子8の線路電極62,64a,64bを上方に向けて、線路電極62の導体パッド62b側がプリアンプIC6の線路電極106,108a,108b側と対向するように近接させて配置し、受光素子8の導体層72を図示しない基板上に半田接合する。そして、線路電極62の導体パッド62bと線路電極106とを長さの短いワイヤで接続することが考えられる。
【0090】
この場合に用いるワイヤの長さは、極端に短くすることができるので、そのワイヤによるインダクタンス成分が受光素子8から出力される変調信号の周波数帯域内で周波数特性に影響がないような長さとなり、フリップチップ実装による接合とほぼ等価な接続状態が実現できる。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、受光素子の電極パターンとプリアンプの電極パターンとの一方または双方がインダクタンス成分を持つようにし、バンプによるフリップチップ実装が実施できるようにしたので、長めのボンディングワイヤを用いずに、受光素子とプリアンプとの接続線路にインダクタンス成分を与えることができ、周波数特性にピーキングが付与できる。したがって、周波数特性のばらつきが少なく、かつ、より広帯域な受光装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態である受光装置の構造を示すためパッケージの上蓋を外した状態での斜視図である。
【図2】図1に示す受光装置の上面図である。
【図3】図1に示す受光装置をI−I線で切断した断面図である。
【図4】図1に示す受光素子をレンズ側から見た側面図である。
【図5】図1に示すプリアンプICを抜き出して示す上面図である。
【図6】図1に示す受光素子とプリアンプICとの関係を説明するための斜視図である。
【図7】図1に示す受光素子の構造を示す斜視図である。
【図8】図1に示す受光素子のインダクタンス成分を持つ電極パターン(その1)を説明する図である。
【図9】図1に示す受光素子のインダクタンス成分を持つ電極パターン(その2)を説明する図である。
【図10】図1に示す受光素子のインダクタンス成分を持つ電極パターン(その3)を説明する図である。
【図11】図1に示す受光素子のインダクタンス成分を持たない電極パターンを説明する図である。
【図12】図1に示すプリアンプICの回路構成を説明するブロック図である。
【図13】図12に示すプリアンプICの入力部に設けられるインダクタンス成分を持たない電極パターンを説明する図である。
【図14】電極パターンがインダクタンス成分を持つ場合と持たない場合の受光素子を図13に示すプリアンプICに適用した場合の周波数応答特性(通過損失)を比較して示す特性図(シミュレーション結果)である。
【図15】図8〜図10に示す受光素子を図13に示すプリアンプICに適用した場合の全体回路を示す図である。
【図16】図15に示す全体回路で得られる周波数応答特性を示す特性図(シミュレーション結果)である。
【図17】図12に示すプリアンプICの入力部に設けられるインダクタンス成分を持つ電極パターン(その1)を説明する図である。
【図18】図12に示すプリアンプICの入力部に設けられるインダクタンス成分を持つ電極パターン(その2)を説明する図である。
【図19】図12に示すプリアンプICの入力部に設けられるインダクタンス成分を持つ電極パターン(その3)を説明する図である。
【符号の説明】
2 パッケージ、2a 底面、2b 第1壁面、2c 第2壁面、2d 第3壁面、2e 第4壁面、2f 上蓋、4 キャリア、6 プリアンプIC、8 受光素子、10a,10b,12a,12b,45a,45b,45c,45d,47a,47b,47c パッド、14 光貫通孔、16 レンズホルダ、18 光ファイバ、20 レンズ、22,32,34 フィードスルー、24a,24b 差動線路、26a,26b グランド導体、28a,28b,32a,32b,44a,44b,46a,46b,46c ボンディングワイヤ、36,38 導体線路、40,42 リード、52,54a,54b 線路電極、56a,56b,56c バンプ、58 誘電体、60 導体層、62,63,64a,64b,65a,65b,82,84a,84b,86,88a,88b,90,92a,92b,106,108a,108b,132,134a,134b,142,144a,144b,152,154a,154b 線路電極、62a,63a,82a,86a,90a,132a,142a,152a 導体線路、62b,63b,82b,86b,90b,132b,142b,152b 導体パッド、65c 斜面、66 光導波路、66a 受光面、70 基板、72,74 導体層、76 スルーホール、94,130,140,150 入力部、96 回路部、98 トランスインピーダンスアンプ(TIA)、100 差動増幅器、102 増幅器、104 帰還抵抗素子、110 コプレーナ線路、112,114,116 領域、118 ピーキング、120 pinホトダイオード(PD)、122 インダクタンス、156a,156b,156c バンプ接合領域。
【発明の属する技術分野】
この発明は、光通信システムで用いられる受光素子および受光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の光通信システムでは、10Gb/sの光伝送システムが実用化されつつあり、現在、40Gb/s、50Gb/s等の更に高速なビットレートで光信号伝送を行うシステムの実現化に向けて、各所で研究開発が行われている。
【0003】
ところで、光通信システムで用いられる受光装置は、受光素子とこの受光素子が光電変換した出力電流を電圧に変換し増幅するプリアンプとを主要素としている。高速なビットレートの光信号を受ける受光装置の周波数特性は、受光素子とプリアンプとの接続方法に影響される。
【0004】
例えば、特開2000−58881号公報(受光回路)に開示されている受光装置では、受光素子とプリアンプとを同一キャリアの同一面上に近接させて配置し、受光素子の電極とプリアンプの信号入力パッドとをボンディングワイヤによって直接接続している。この公報では、接続するボンディングワイヤの長さを短くすることによって寄生インダクタンス成分を減少させ、高周波帯域の劣化を防ぐことが可能であることが述べられている。
【0005】
一方、受光素子の電極とプリアンプの信号入力パッドとの接続において、受光素子とプリアンプとを接続するボンディングワイヤのワイヤ長を僅かに長くし、そのインダクタンス成分によりピーキングを生じさせることによって、受光素子のp−nジャンクションの容量成分による位相変化を相殺し、受光素子における周波数応答特性の3dB帯域幅をより広帯域にすることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、受光素子とプリアンプとをボンディングワイヤによって直接接続するワイヤボンディングの方法では、接続するボンディングワイヤの長さが製造時にばらついて変化するので、インダクタンス成分を適切に制御することが困難である。その結果、インダクタンス成分が変動することによって、周波数特性の再現性も悪く、受光装置の周波数応答特性にばらつき(個体差)が生じるという問題があった。
【0007】
この発明は、上記に鑑みてなされたもので、周波数特性のばらつきを抑えるとともに、より広帯域な周波数特性を持つことを可能にする受光素子および受光装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明にかかる受光素子は、中心導体からなる第1線路電極と前記第1線路電極を挟んだ両側に配置される第1導体および第2導体からなる第2線路電極とで構成され、光電変換された電気信号を伝送し出力するコプレーナ線路を備える受光素子であって、前記第1線路電極を構成する中心導体は、前記コプレーナ線路の一端から他端に向かった所定区間に設けられる所定長さの導体線路と、前記導体線路に接続され、前記導体線路の線路幅よりも広い幅を持つ導体パッドとを備え、前記第2線路電極を構成する第1導体および第2導体は、前記第1線路電極の一端側では、前記導体線路の側辺と狭い間隔を置いて対向し、前記第1線路電極の一端側から他端側に向かう途中から前記導体線路の側辺との間隔が徐々に広がり、前記導体パッドの形成領域付近でその広がった間隔を保って前記第1線路電極の他端側に向かうように形成されることを特徴とする。
【0009】
つぎの発明にかかる受光素子は、中心導体からなる第1線路電極と前記第1線路電極を挟んだ両側に配置される第1導体および第2導体からなる第2線路電極とで構成され、光電変換された電気信号を伝送し出力するコプレーナ線路を備える受光素子であって、前記第1線路電極を構成する中心導体は、前記コプレーナ線路の一端から他端に向かった所定区間内幅が徐々に広がるように形成される導体線路と、前記導体線路に接続された導体パッドとを備え、前記第2線路電極を構成する第1導体および第2導体は、前記第1線路電極の一端側では、前記導体線路の側辺と狭い間隔を置いて対向し、前記第1線路電極の一端側から他端側に向かう途中で急激に前記導体線路の側辺との間隔が広がり、その広がった間隔を保って前記第1線路電極の他端側に向かうように形成されることを特徴とする。
【0010】
つぎの発明にかかる受光素子は、中心導体からなる第1線路電極と前記第1線路電極を挟んだ両側に配置される第1導体および第2導体からなる第2線路電極とで構成され、光電変換された電気信号を伝送し出力するコプレーナ線路を備える受光素子であって、前記第1線路電極を構成する中心導体は、前記コプレーナ線路の一端から他端に向かった所定区間に設けられる所定長さの導体線路と、前記導体線路に接続され、前記導体線路の線路幅よりも広い幅を持つ導体パッドとを備え、前記第2線路電極を構成する第1導体および第2導体は、前記第1線路電極の一端側では、前記導体線路の側辺と狭い間隔を置いて対向し、前記第1線路電極の一端側から他端側に向かう途中で急激に前記導体線路の側辺との間隔が広がり、その広がった間隔を保って前記第1線路電極の他端側に向かうように形成されることを特徴とする。
【0011】
つぎの発明にかかる受光素子は、中心導体からなる第1線路電極と前記第1線路電極を挟んだ両側に配置される第1導体および第2導体からなる第2線路電極とを有してなり、光電変換された電気信号を伝送するコプレーナ線路を備える受光素子であって、前記第1線路電極もしくは前記第2線路電極に、インダクタンス成分を与えたことを特徴とする。
【0012】
つぎの発明にかかる受光装置は、上記の発明による受光素子と、前記受光素子が出力する電気信号の増幅処理を行うプリアンプであって、入力端側に中心導体からなる第1線路電極と前記第1線路電極を挟んだ両側に配置される第1導体および第2導体からなる第2線路電極とで構成されるコプレーナ線路が形成されるプリアンプとを備え、前記プリアンプの前記コプレーナ線路は、前記受光素子の第1線路電極に設けられる導体パッドが前記プリアンプの第1線路電極に接合され、前記受光素子の第2線路電極が前記プリアンプの第2線路電極に接合されることを特徴とする。
【0013】
つぎの発明にかかる受光装置は、中心導体からなる第1線路電極と前記第1線路電極を挟んだ両側に配置される第1導体および第2導体からなる第2線路電極とで構成され、光電変換された電気信号を伝送し出力するコプレーナ線路を備える受光素子と、前記受光素子が出力する電気信号の増幅処理を行うプリアンプであって、入力端側に中心導体からなる第3線路電極と前記第3線路電極を挟んだ両側に配置される第3導体および第4導体からなる第4線路電極とで構成されるコプレーナ線路が形成されるプリアンプとを備え、前記プリアンプの前記コプレーナ線路では、前記第3線路電極を構成する中心導体は、当該コプレーナ線路の一端から他端に向かった所定区間に設けられる所定長さの導体線路と、前記導体線路に接続され、前記導体線路の線路幅よりも広い幅を持つ導体パッドと、を備え、かつ前記第4線路電極を構成する第3導体および第4導体は、前記第3線路電極の一端側では、前記導体線路の側辺と狭い間隔を置いて対向し、前記第3線路電極の一端側から他端側に向かう途中から前記導体線路の側辺との間隔が徐々に広がり、その広がった間隔を保って前記第3線路電極の他端側に向かうように形成されており、前記受光素子の第1線路電極が前記プリアンプの第3線路電極に設けられる前記導体パッドに接合され、前記受光素子の第2線路電極が前記プリアンプの第4線路電極の他端側に接合されることを特徴とする。
【0014】
つぎの発明にかかる受光装置は、中心導体からなる第1線路電極と前記第1線路電極を挟んだ両側に配置される第1導体および第2導体からなる第2線路電極とで構成され、光電変換された電気信号を伝送し出力するコプレーナ線路を備える受光素子と、前記受光素子が出力する電気信号の増幅処理を行うプリアンプであって、入力端側に中心導体からなる第3線路電極と前記第3線路電極を挟んだ両側に配置される第3導体および第4導体からなる第4線路電極とで構成されるコプレーナ線路が形成されるプリアンプとを備え、前記プリアンプの前記コプレーナ線路では、前記第3線路電極を構成する中心導体は、当該コプレーナ線路の一端から他端に向かった所定区間内幅が徐々に広がるように形成された導体線路と、前記導体線路に接続された導体パッドとを備え、かつ前記第4線路電極を構成する第3導体および第4導体は、前記第3線路電極の一端側では、前記導体線路の側辺と狭い間隔を置いて対向し、前記第3線路電極の一端側から他端側に向かう途中で急激に前記導体線路の側辺との間隔が広がり、その広がった間隔を保って前記第3線路電極の他端側に向かうように形成されており、前記受光素子の第1線路電極が前記プリアンプの第3線路電極に設けられる前記導体パッドに接合され、前記受光素子の第2線路電極が前記プリアンプの第4線路電極の他端側に接合されることを特徴とする。
【0015】
つぎの発明にかかる受光装置は、中心導体からなる第1線路電極と前記第1線路電極を挟んだ両側に配置される第1導体および第2導体からなる第2線路電極とで構成され、光電変換された電気信号を伝送し出力するコプレーナ線路を備える受光素子と、前記受光素子が出力する電気信号の増幅処理を行うプリアンプであって、入力端側に中心導体からなる第3線路電極と前記第3線路電極を挟んだ両側に配置される第3導体および第4導体からなる第4線路電極とで構成されるコプレーナ線路が形成されるプリアンプとを備え、前記プリアンプの前記コプレーナ線路では、前記第3線路電極を構成する中心導体は、当該コプレーナ線路の一端から他端に向かった所定区間に設けられる所定長さの導体線路と、前記導体線路に接続され、前記導体線路の線路幅よりも広い幅を持つ導体パッドとを備え、かつ前記第4線路電極を構成する第3導体および第4導体は、前記第3線路電極の一端側では、前記導体線路の側辺と狭い間隔を置いて対向し、前記第3線路電極の一端側から他端側に向かう途中で急激に前記導体線路の側辺との間隔が広がり、その広がった間隔を保って前記第3線路電極の他端側に向かうように形成されており、前記受光素子の第1線路電極が前記プリアンプの第3線路電極に設けられる前記導体パッドに接合され、前記受光素子の第2線路電極が前記プリアンプの第4線路電極の他端側に接合されることを特徴とする。
【0016】
つぎの発明にかかる受光装置は、上記の発明において、前記受光素子の第1線路電極は、前記プリアンプの第3線路電極に設けられる前記導体パッドにバンプを介して接合され、前記受光素子の第2線路電極は、前記プリアンプの第4線路電極の他端側にバンプを介して接合されることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる受光素子および受光装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0018】
図1は、この発明の一実施の形態である受光装置の構造を示すためパッケージの上蓋を外した状態での斜視図である。図1に示すように、この発明の受光装置は、箱型のパッケージ2に収納されている。図1では、上蓋(2f:図3参照)を外した状態を示すが、このパッケージ2は、合金またはアルミナ等の誘電体によって形成され、内周面には金が蒸着されている。図示しない上蓋と開口端Aとの間には、上蓋を開口端Aにシーム溶接する図示しない金属製のシールリングが設定される。すなわち、パッケージ2は、気密封止される構造である。
【0019】
パッケージ2の内部では、底面2aに導電性のキャリア4が半田付けされている。キャリア4は、金属ブロックまたは表面に金属メッキが施されたセラミックなどからなる。このキャリア4の上面には、プリアンプIC6が直接半田付けされ、プリアンプIC6上面の一端側には、受光素子8がフリップチップ実装されている。プリアンプIC6上面の他端側には、導体製のパッド10a,10bおよび12a,12bが設けられている。このプリアンプIC6は、例えばInPを基材としている。なお、プリアンプIC6は、セラミック基板(例えば、窒化アルミの基板)を介して間接的にキャリア4の上面に接続される構成としてもよい。
【0020】
受光素子8が対面するパッケージ2の第1壁面2bには、光貫通孔14が設けられ、気密性を保って光貫通孔14を塞ぐように(対向する位置に)レンズホルダ16が接合されている。レンズホルダ16には、光ファイバ18が接続されている。この際、光貫通孔14を塞ぐように、サファイアガラス製の光学窓が機密性を保って接合される。レンズホルダ16は、内部に例えば倍率5倍の非球面レンズであるレンズ20を保持している。また、レンズホルダ16は、光ファイバ18との接続部に、光ファイバ18の端末処理を行う図示しないフェルールが固定されている。
【0021】
パッケージ2の第1壁面2bに対向する第2壁面2cには、一端がパッケージ2の内部に突出し他端が外部に突出する角棒状のフィードスルー22が気密構造を有して嵌合されている。パッケージ2の内部に突出するフィードスルー22の一端は、プリアンプIC6上面の他端側まで延在している。フィードスルー22は、誘電体で構成され、その上面には、長手方向に沿って、中央部に導体層で構成される差動線路24a,24bが設けられ、それを挟む外側にグランド導体26a,26bが設けられている。これらは、全体としてコプレーナ線路を形成している。差動線路24a,24bおよびグランド導体26a,26bの一端は、プリアンプIC6上面に設けられた導体製のパッド10a,10bおよび12a,12bにボンディングワイヤ28a,28bおよび30a,30bを通して接続(ワイヤボンディング)されている。
【0022】
パッケージ2の対向する第3壁面2dおよび第4壁面2eには、それぞれ、一端がパッケージ2の内部に突出し他端が外部に突出する角棒状のフィードスルー32,34が気密構造を有して嵌合されている。フィードスルー32,34は、それぞれ、誘電体で構成される。フィードスルー32のパッケージ2内部に突出する一端の上面には、2つの導体線路36が設けられ、またフィードスルー34のパッケージ2内部に突出する一端の上面には、2つの導体線路38が設けられている。
【0023】
パッケージ2から外部に飛び出すフィードスルー32,34の他端には、電源供給ラインであるリード40,42が接続されている。リード40は、プリアンプIC6を駆動する正電圧(図12,図15にVcc、Vreg)の供給ラインである。リード42は、受光素子8に印加する逆バイアス電圧(図15に示すVr)とグランド(図15に示すGND)の供給ラインである。
【0024】
以上の構成において、光ファイバ18を介して伝送されてきた光変調信号は、倍率5倍の非球面レンズであるレンズ20で集光される。すなわち、光ファイバ18から出射された光変調信号は、スポットサイズが5μmから1μmに変換される。細径化された光変調信号は、光貫通孔14を通過して受光素子8に設けられた後述する光導波路の受光面に入射し、その光導波路を伝播する間に吸収されて光電変換される。受光素子8にて光電変換された電気信号は、フリップチップ実装による接合部分を介してプリアンプIC6に出力される。
【0025】
プリアンプIC6は、受光素子8からの入力信号を電圧信号に変換・増幅し、パッド10a,10bに出力する。この出力信号は、ボンディングワイヤ28a,28bを介して差動線路24a,24bに伝送され、フィードスルー22を介してパッケージ2の内部から外部に伝送される。すなわち、差動線路24a,24bは、第2壁面2cを貫通するように、パッケージ2の内外に延びて配置されている。
【0026】
次に、図2〜図6の各図を参照して、図1に示した受光装置の構成を詳細に説明する。なお、図2は、図1に示す受光装置の上面図である。図3は、図1に示す受光装置をI−I線で切断した断面図である。図4は、図1に示す受光素子をレンズ側から見た側面図である。図5は、図1に示すプリアンプICを抜き出して示す上面図である。図6は、図1に示す受光素子とプリアンプICとの関係を説明するための斜視図である。
【0027】
図2において、フィードスルー32の上面に設けられる2つの導体線路36は、パッケージ2内で、ボンディングワイヤ44a,44bを介してキャリア4の対応する側端に設けたパッド45a,45bに接続(ワイヤボンディング)されている。キャリア4の側端に設けたパッド45a,45bは、ボンディングワイヤ44c,44dを介してプリアンプIC6の対応する側端に設けたパッド45c,45dに接続(ワイヤボンディング)されている。
【0028】
また、フィードスルー34の上面に設けられる2つの導体線路38のうち、一方は、図15に示す逆バイアス電圧Vrの供給経路であって、パッケージ2内で、ボンディングワイヤ46aを介してキャリア4の対応する側端に設けたパッド47aに接続(ワイヤボンディング)されている。パッド47aは、キャリア4の側端に設けたパッド47bと接続され、パッド47bはプリアンプIC6の対応する側端に設けたパッド47cとがボンディングワイヤ46bを介して接続されている。また、他方の導体線路38は、図15に示すグランド(GND)の供給経路であって、ボンディングワイヤ46cを介してフィードスルー22のグランド導体26aに接続(ワイヤボンディング)されている。
【0029】
また、図3では、第2壁面2cとフィードスルー22の上面との間に、誘電体58が設けられている。また、フィードスルー22の下面(底面2a側)には、導体層60が設けられていることが示されている。
【0030】
さて、図5は、受光素子8を外した状態でのプリアンプIC6の上面を示すが、図5と図2に示すように、プリアンプIC6上面の一端側には、入力部として中央の線路電極52を挟んだ両側に線路電極54a,54bが並設されるコプレーナ線路が設けられ、その上に受光素子8が破線で示すバンプ56a,56b,56cによってフリップチップ実装されることが示されている。なお、後述するように、入力部として並設される3つの線路電極52,54a,54bには、種々のパターン(形状)がある。
【0031】
すなわち、受光素子8の接合面には、図3,図4、図6において、プリアンプIC6の上記コプレーナ線路に対応して、中央の線路電極62を挟んだ両側に線路電極64a,64bが並設されるコプレーナ線路が設けられる。図6に示すように、バンプ56a,56b,56cは、プリアンプIC6の線路電極52,54a,54b上に予め接合され、受光素子8の対応する線路電極62,64a,64bがこのバンプ56a,56b,56cに接合(熱圧着)されてフリップチップ実装されることが示されている。但し、図6では、図2に示されているパッド45a,45b,47は、図示省略した。なお、後述するように、受光素子8の接合面に並設される3つの線路電極62,64a,64bには、種々のパターン(形状)がある。
【0032】
そして、図4と図6に示すように、この受光素子8は、第1壁面2bと対面する受光端側において中央の線路電極62に沿って光導波路66が配置され、この光導波路66の端面が受光面となる端面受光型のpinホトダイオードであることが示されている。このような端面受光型のpinホトダイオードとしては、例えば、文献“110GHz動作マッシュルーム構造導波路型pinフォトダイオード”(加藤和利他、電子情報通信学会秋季大会、1994、C−272、p.273)に記載されるものが知られている。
【0033】
次に、図7を参照して、端面受光型のpinホトダイオードである受光素子8の具体的な構成例を説明する。なお、図7は、図1に示す受光素子の構造を示す斜視図である。図7では、接合面を上にして示されている。
【0034】
図7において、直方体形状で示されている基板70は、例えばp型InPを基材としている。光信号700が、直方体形状の基板70に対し、その長手方向に直交する左方(一端側)から入射するとする。p−InP,n−InPの導体層で構成される上記した光導波路66が、基板70の一端側であって基板70の下面(図7では上方に向き、接合面である)に近接した内部位置において、光信号700の入射光軸上に適宜長さに渡って形成されている。光導波路66には、吸収層が設けられている。基板70の一端側に露出する光導波路66の端面66aが受光面を構成している。
【0035】
そして、基板70の下面(接合面)には、コプレーナ線路を構成する上記した3つの線路電極62,64a,64bが設けられている。中央の線路電極62は、光導波路66と投影面が重なるように光信号700の入射光軸に沿いその短手方向の幅一杯に跨って配置されている。また、線路電極64a,64bは、中央の線路電極62を挟んだ基板70の長手方向の両側において短手方向の幅一杯に跨って対称配置されている。
【0036】
基板70の上面(図7では下方に向いている)には、全面に金でメタライズされた導体層72が設けられている。導体層72と光導波路66との間には、線路電極64a,64bの一端側に延在する導体層(n型InP層)74が設けられている。基板70の一端側において、導体層74と線路電極64a,64bは、スルーホール76を通して接続されている。
【0037】
線路電極62,64a,64bのパターン(形状)には、各種あるが、図7では、次のようになっている。すなわち、中央の線路電極62は、基板70の一端から他端に至る途中までほぼ一定の幅で設けられた導体線路62aと、導体線路62aの他端と基板70の他端とを連接する四角形状の導体パッド62bとで構成されている。導体パッド62bの横幅は、導体線路62aの幅よりも広くなっている。
【0038】
線路電極64a、64bは、基板70の一端側においては、一端の先端辺が狭い間隔を置いて導体線路62aの一端側の側辺に対向し、一端の先端辺に連接する側辺が基板70の長手方向に沿って導体線路62aから離れる方向に一定距離進み、その後、側辺が基板70の他端に向かう短手方向に90度折れ曲がり、導体線路62aから一定距離(段差)を置いて他端が基板70の他端に至る形状をしている。すなわち、導体線路64a,64bは、ある幅を持つL字形状になっており、L字が互いに反対を向くように対称配置されている。
【0039】
そして、受光素子8の各線路電極には、上記したバンプが接合される。すなわち、中央の線路電極62では、導体パッド62bのバンプ接合領域156aにバンプ56aが接合される。線路電極64aには、バンプ接合領域156bにバンプ56bが接合される。線路電極64bには、バンプ接合領域156cにバンプ56cが接合される。
【0040】
上記したように、線路電極64aは、バンプ56bを介してプリアンプIC6の線路電極54aに接合されている。線路電極64bは、バンプ56cを介してプリアンプIC6の線路電極54bに接合されている。線路電極62の導体パッド62bは、バンプ56aを介してプリアンプIC6の線路電極52に接合されている。
【0041】
バンプは、例えば金材で構成されている。約200℃の温度環境下において受光素子8を、予めプリアンプIC6の電極と接合されたバンプに加圧接合(熱圧着)することによって、受光素子8は、線路電極62,64a,64bを下方に向けてプリアンプIC6の上面にフリップチップ実装されている。なお、バンプには、半田バンプを用いることができる。この場合には、受光素子8をプリアンプIC6の電極に押し付けて半田セルフアライメントで接合させる。
【0042】
次に、図8〜図11を参照して、受光素子の電極パターンについて説明する。なお、図8は、図1に示す受光素子のインダクタンス成分を持つ電極パターン(その1)を説明する図である。図9は、図1に示す受光素子のインダクタンス成分を持つ電極パターン(その2)を説明する図である。図10は、図1に示す受光素子のインダクタンス成分を持つ電極パターン(その3)を説明する図である。図11は、図1に示す受光素子のインダクタンス成分を持たない電極パターンを説明する図である。
【0043】
図8では、図7にて説明した電極パターンが示されている。なお、図8(a)は、図7にて説明した電極パターンの線路電極62,64a,64bが形成された受光素子8の下面図である。図8(b)は、全面に金がメタライズされている導体層72が形成された受光素子8の上面図である。図8(c)は、各線路電極にバンプ56a,56b,56cが設けられた状態を示す図である。図8(d)は、電極パターンの他の態様を示す受光素子8の下面図である。
【0044】
図8(a)において、この実施の形態では、中央の線路電極62は、p型InP層に接続されたp電極であり、両側の線路電極64a,64bは、n型InP層に接続されたn電極である。
【0045】
図8に示す受光素子8に設けられる電極パターンは、p電極(中央の線路電極62)とn電極(両側の線路電極64a,64b)の双方がインダクタンス成分を持つことができる。中央の線路電極62では、線路幅d1を狭くすることでインダクタンス成分を付与することができる。すなわち、受光素子8の特性インピーダンス(例えば、50Ω)を崩して、インピーダンスを大きく設定することができる。
【0046】
このように、中央の線路電極62にインダクタンス成分が存在するときは、光信号700が入力されたときに、受光素子8の出力信号800にピーキングを生じさせる。すなわち、周波数特性の広帯域化が図れる。
【0047】
線路電極62のパターン(形状)は、1μm単位での調整が可能であるので、線路電極62に付与するインダクタンス成分の量は、高精度に制御することができる。線路電極62のパターン(形状)を変更する例としては、(1)線路幅d1を一様に狭くする、(2)線路幅d1を部分的に狭くしたり広くしたりして幅を波状に変化させる、(3)受光面から導体パッド62bまでの間隔を変えて導体線路62aの長さl1を長くする、(4)受光面から導体パッド62bまでの間隔は変えずに導体線路62aをS字状に屈曲させ長さl1を長くする、などを挙げることができる。(4)の場合には、受光素子の短手方向の長さはそのままにして線路の実質的な長さl1を長くすることができ、所望のインダクタンス成分が得られる。
【0048】
加えて、線路電極64a,64bと導体線路62aとの間隔d2と、線路電極64a,64bの導体線路62aと対向する側辺部分の長さl2とを調整することによっても、線路電極62に付与するインダクタンス成分の量を調整することができ、調整の自由度が向上する。
【0049】
なお、中央の線路電極62における導体パッド62bは、横幅が導体線路62aの線路幅よりも大きければよく、面積は、バンプ56aが接合できる程度でよい。したがって、例えば図8(d)の導体パッド63bのように円形状でもよい。
【0050】
また、線路電極64a,64bの基板70の短手方向における幅は、バンプ56a、バンプ56b,56cが接合できる程度の大きさでよい。さらに、例えば図8(d)の線路電極65a,65bのように、L字形状に90度屈曲した内側辺部分が斜面65cを有するようにしてもよい。
【0051】
次に、図9に示す受光素子8では、p電極である中央の線路電極82は、図8に示した線路電極62と同じ形状をしている。すなわち、線路電極82は、幅狭の導体線路82aと幅広の導体パッド82bとで構成されている。これに対し、両側に配置されるn電極である線路電極84a,84bは、内側辺と線路電極82との間隔が、光信号700の入力側から出力側に向けて徐々に広がり、導体パッド82bの形成領域付近でその広がった間隔を保持して出力側に到達するように形成されている。
【0052】
図9に示す受光素子8に設けられる電極パターンでは、p電極(中央の線路電極82)のみがインダクタンス成分を持つので、図8に示した電極パターンよりはインダクタンス成分の調整量は少ないが、同様にして受光素子8の出力信号800にピーキングを生じさせることができ、周波数特性の広帯域化が図れる。
【0053】
次に、図10に示す受光素子8では、p電極である中央の線路電極86は、線路幅が光信号700の入力側から出力側に向かった所定区間内で(例えば20μm〜80μmまで)幅が徐々に広がるように形成された導体線路86aと、導体線路86aの入力側の先端よりも幅が広くバンプ実装幅を持つ導体パッド86bとで構成されている。これに対し、両側に配置されるn電極である線路電極88a,88bは、図8に示した線路電極64a,64bと同じ形状をしている。
【0054】
図10に示す受光素子8に設けられる電極パターンでは、n電極(両側の線路電極88a,88b)のみがインダクタンス成分を持つので、図8に示した電極パターンよりはインダクタンス成分の調整量は少ないが、同様にして受光素子8の出力信号800にピーキングを生じさせることができ、周波数特性の広帯域化が図れる。
【0055】
次に、図11に示す受光素子8では、p電極である中央の線路電極90は、線路幅が光信号700の入力側から出力側に向かった所定区間内で(例えば20μm〜80μmまで)幅が徐々に広がるように形成された導体線路90aと、導体線路90aの入力側の先端よりも幅が広くバンプ実装幅を持つ導体パッド90bとで構成されている。これに対し、両側に配置されるn電極である線路電極92a,92bは、内側辺と線路電極90との間隔が、光信号700の入力側から出力側に向けて徐々に広がり、導体パッド90bの形成領域付近でその広がった間隔を保持して出力側に到達するように形成されている。すなわち、p電極幅に合わせてn電極は一定のインピーダンスを保ちながら広がっている。この構成では、線路電極90にインダクタンス成分が付与されず、インダクタンス成分は、ほぼ0とみなすことができる。
【0056】
次に、図1に示すプリアンプICについて説明する。図12は、図1に示すプリアンプIC6の回路構成を説明するブロック図である。図12に示すように、プリアンプIC6は、受光素子8の電極パターンと接合される電極パターンが形成される入力部94と、入力部94からの信号を増幅してパッド10a,10bに出力する回路部96とで構成されている。
【0057】
回路部96は、入力部94からの信号を受けるトランスインピーダンスアンプ(TIA)98と、TIA98の出力信号を差動信号に変換し、出力端子を構成するパッド10a,10bに出力する差動増幅器100とで構成されている。TIA98は、等価回路的には、増幅器102と、この増幅器102に並列接続される帰還抵抗素子104とで構成されている。
【0058】
回路部96には、駆動用正電圧Vcc、Vregが図1に示したフィードスルー32を介して供給される。また、グランド(GND)は、図示省略したが、図1に示したフィードスルー34を介して供給される。なお、TIA98の出力端と差動増幅器100の入力端との接続点Bは、以後、TIA98の出力端子とする。
【0059】
図13は、図12に示すプリアンプICの入力部94に設けられるインダクタンス成分を持たない電極パターンを説明する図である。図13において、入力部94には、3つの線路電極106,108a,108bが形成されている。
【0060】
中央の線路電極106は、TIA98との接続端側から受光素子8の導体パッドに設けられるバンプが接続される領域112までの区間では、TIA98との接続端側から領域112に進むにつれて幅が徐々に広がり、領域112においてその広がった間隔を維持して先端側まで到達するように形成されている。領域112からTIA98との接続端側に向かって幅が徐々に狭くなっているのは、TIA98を構成する電子回路とのインピーダンス整合を取るためである。
【0061】
両側の線路電極108a,108bは、線路電極106のTIA98との接続端側から受光素子8のバンプが接続される先端領域114,116まで、線路電極106の側辺との間隔が徐々に広がり、先端領域114,116の部分では、広がった幅を保持して先端側に到達するように形成されている。この電極パターンは、図11に示した電極パターンと同じ形状であり、インダクタンス成分は付与されない。
【0062】
中央の線路電極106は、p電極であり、両側の線路電極108a,108bは、n電極である。これらの線路電極は、コプレーナ線路110を構成し、線路電極106から出力された変調電気信号900は、TIA98にて増幅され、出力端子Bから差動増幅器100に出力されている。
【0063】
ここで、受光素子8の電極パターンに与えるインダクタンス成分がどの程度周波数応答特性(通過損失)に好影響を与えるのかについて説明する。図14は、電極パターンがインダクタンス成分を持つ場合と持たない場合の受光素子を図13に示すプリアンプICに適用した場合の周波数応答特性(通過損失)を比較して示す特性図(シュミレーション結果)である。
【0064】
図14において、縦軸は、周波数応答の通過特性(SパラメータのS21特性)であり、3dBから−9dBまで示されている。横軸は、周波数であり、0GHzから50GHzまで示されている。
【0065】
周波数応答特性P1は、図8に示すインダクタンス成分を持つ電極パターンを備える受光素子8を図13に示すプリアンプICに適用した場合の周波数応答特性を示す。また、周波数応答特性P2は、図11に示すインダクタンス成分を持たない電極パターンを備える受光素子8を図13に示すプリアンプICに適用した場合の周波数応答特性を示す。
【0066】
図11に示す電極パターンでは、周波数応答特性P2に示すように、3dB帯域幅が27GHz迄となっている。これに対し、図8に示す電極パターンでは、中央の線路電極62に付与したインダクタンス成分によって、周波数応答特性P1に示すように、ピーキング118を発生させることができるので、3dB帯域幅が30GHzを超えて32GHz程度となり、より広帯域な特性が実現できることが解る。図9や図10に示す電極パターンを持つ受光素子8を適用した場合も同様の特性が得られている。
【0067】
次に、受光素子8の電極パターンに付与するインダクタンス成分の値を変化させた場合の周波数応答特性(通過損失)を説明する。図15は、図8〜図10に示す受光素子を図13に示すプリアンプICに適用した場合の全体回路を示す図である。
【0068】
図15に示すように、プリアンプIC6の入力部にフリップチップ実装される受光素子8の出力は、TIA98に入力されるが、この受光素子8は、等価的にPINホトダイオード(PD)120と電極パターンが持つインダクタンス122との直列回路で示されている。なお、PD120に与える逆バイアス電圧Vrと回路部96が取るグランド(GND)は、図1に示したフィードスルー34を介して供給される。
【0069】
図16は、図15に示す全体回路で得られる周波数応答特性を示す特性図(シミュレーション結果)である。図16では、図13と同じ座標を用いて、図15に示すインダクタンス122の値を0nHから1nHまで変化させたときの周波数応答特性の変化が示されている。
【0070】
図16に示すように、図15に示すインダクタンス122の値を変化させると、ピーキングの生ずる周波数位置および大きさが変化する。インダクタンス122の値が小さいときは、ピーキングの生ずる周波数位置は、30GHzを超える帯域に在り、かつその大きさもそれ程大きくはないが、インダクタンス122の値が大きくなるに従ってピーキングの生ずる周波数位置が30GHz以下の帯域に移行し、かつその大きさも段々に大きくなっていく。
【0071】
図示の例では、インダクタンス122の値が0.4nH〜0.6nHまでの範囲では、ピーキングの生ずる周波数位置が30GHzを超えており、広帯域化が実現できている。しかし、0.8nH〜1nHまでの範囲では、ピーキングの生ずる周波数位置が30GHzを超えておらず、かつピーキングが大きくなり過ぎて徐々に帯域が狭くなってくる。
【0072】
要するに、インダクタンス122の値を適切に設定することによって所望の広帯域特性が得られている。具体的には、図8に示した受光素子8であれば、所望のインダクタンス成分が得られるように、図8(a)に示した導体線路62aの線路幅d1、長さl1や、線路電極64a,64bと導体線路62aとの間隔d2、線路電極64a,64bの長さl2を適切に設定するとよい。受光素子8の電極パターンに付与するインダクタンス成分は、高精度の設定が可能であるので、所望の広帯域特性をばらつきの少ない状態で得ることができる。
【0073】
このように、図8〜図10に示す受光素子8を図13に示すプリアンプIC6にフリップチップ実装することで、長さにばらつきが存在するボンディングワイヤを用いずに、受光素子とプリアンプIC6との接続線路にインダクタンス成分を与えることができるので、周波数特性のばらつきを低減することができ、またピーキングを適宜に発生させ得るので、広帯域化が図れる。
【0074】
加えて、フリップチップ実装によって、受光素子8とプリアンプIC6との接続に伴う寄生容量を抑制することができ、また受光素子8とプリアンプIC6との接続部分の電気特性に依存する装置特性のばらつきを抑制することができる。
【0075】
以上は、受光素子8の電極パターンにインダクタンス成分を付与し、対するプリアンプIC6の入力部にはインダクタンス成分を持たない電極パターンを形成する場合である。しかし、図15に示す全体回路の構成から明らかなように、この関係は、逆でもよい。すなわち、受光素子8の電極パターンにはインダクタンス成分を付与せず(図11参照)、対するプリアンプIC6の入力部にインダクタンス成分を持つ電極パターンを形成することでもよい。また、受光素子8と対するプリアンプIC6の入力部の双方において、それぞれの電極パターンがインダクタンス成分を持つことでもよい。
【0076】
そこで、図17〜図19を参照して、プリアンプIC6の入力部に形成するインダクタンス成分を持つ電極パターンの構成例を説明する。なお、図17は、図12に示すプリアンプICの入力部に設けられるインダクタンス成分を持つ電極パターン(その1)を説明する図である。図18は、図12に示すプリアンプICの入力部に設けられるインダクタンス成分を持つ電極パターン(その2)を説明する図である。図19は、図12に示すプリアンプICの入力部に設けられるインダクタンス成分を持つ電極パターン(その3)を説明する図である。
【0077】
図17に示すプリアンプIC6の入力部130には、コプレーナ線路を構成する線路電極132,134a,134bが設けられている。図17では、p電極(中央の線路電極132)とn電極(両側の線路電極134a,134b)がインダクタンス成分を持つことができる電極パターンが示されている。
【0078】
p電極である中央の線路電極132は、TIA98との接続端から先端側の受光素子8の配置領域までの所定区間に設けられる導体線路132aと、受光素子8の配置領域に設けられる導体パッド132bとで構成されている。ここで、導体線路132aの線路幅は、導体パッド132bのそれよりも狭くなっている。これによって、導体線路132aにインダクタンス成分が付与されている。
【0079】
n電極である両側の線路電極134a,134bは、TIA98との接続端側では、線路電極132の側辺との間隔が狭く、TIA98との接続端から先端側に向けて少し進んだあたりで急激に線路電極132の側辺との間隔が広くなり、その広がった間隔を維持して先端側まで到達するように形成されている。この線路電極134a,134bの間隔変化によってもインダクタンス成分が付与されている。
【0080】
図18に示すプリアンプIC6の入力部140には、コプレーナ線路を構成する線路電極142,144a,144bが設けられている。図18では、p電極(中央の線路電極142)のみがインダクタンス成分を持つことができる電極パターンが示されている。
【0081】
p電極である中央の線路電極142は、図17に示した線路電極132と同じ形状であり、TIA98との接続端から先端側の受光素子8の配置領域までの所定区間に設けられる幅狭の導体線路142aと、受光素子8の配置領域に設けられる幅広の導体パッド142bとで構成されている。すなわち、線路電極142によってインダクタンス成分が付与されている。
【0082】
n電極である両側の線路電極144a,144bは、図13に示した線路電極108a,108bと同じ形状であり、TIA98との接続端側では、線路電極142の側辺との間隔が狭く、TIA98との接続端から先端側に向けて少し進んだあたりから受光素子8の配置領域付近まで線路電極142の側辺との間隔が徐々に広がり、受光素子8の配置領域においてその広がった間隔を維持して先端側まで到達するように形成されている。すなわち、線路電極144a,144bは、インダクタンス成分を持たない構成である。
【0083】
図19に示すプリアンプIC6の入力部150には、コプレーナ線路を構成する線路電極152,154a,154bが設けられている。図19では、n電極(両側の線路電極154a,154b)のみがインダクタンス成分を持つことができる電極パターンが示されている。
【0084】
p電極である中央の線路電極152は、TIA98との接続端から先端側の受光素子8の配置領域までの所定区間に設けられ、TIA98との接続端から受光素子8の配置領域に進むにつれて幅が徐々に広くなるように形成される導体線路152aと、受光素子8の配置領域においてその広がった間隔を維持して先端側まで到達するように形成される導体パッド152bとで構成されている。これは、図13に示した線路電極106と同じ形状であり、専らTIA98を構成する電子回路とのインピーダンス整合を取ることを目的とし、インダクタンス成分を持たない構成である。
【0085】
n電極である両側の線路電極154a,154bは、図17に示した線路電極134a,134bと同じ形状であり、TIA98との接続端側では、線路電極152の側辺との間隔が狭く、TIA98との接続端から先端側に向けて少し進んだあたりで急激に線路電極152の側辺との間隔が広くなり、その広がった間隔を維持して先端側まで到達するように形成されている。この線路電極154a,154bの間隔変化によってインダクタンス成分が付与されている。
【0086】
図17〜図19に示すプリアンプIC6に図8〜図11に示す受光素子8をフリップチップ実装することでも、長さにばらつきが存在するボンディングワイヤを用いずとも、受光素子とプリアンプIC6との間にインダクタンス成分を与えることができるので、周波数特性のばらつきを低減することができ、また広帯域化が図れる。このとき、バンプは、入力部の電極パターンに設けることができる。
【0087】
加えて、フリップチップ実装によって、受光素子8とプリアンプIC6との接続に伴う寄生容量を抑制することができ、また受光素子8とプリアンプIC6との接続部分の電気特性に依存する装置特性のばらつきを抑制することができる。
【0088】
ここで、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、当業者であれば加えるであろう種々の変更の全てを含むものである。例えば、フリップチップ実装を用いず同様の効果を得る構成としては、例えば、次のような構成を採ることができる。
【0089】
すなわち、例えば、図8に示した受光素子8と図13に示したプリアンプIC6との関係で言えば、受光素子8の線路電極62,64a,64bを上方に向けて、線路電極62の導体パッド62b側がプリアンプIC6の線路電極106,108a,108b側と対向するように近接させて配置し、受光素子8の導体層72を図示しない基板上に半田接合する。そして、線路電極62の導体パッド62bと線路電極106とを長さの短いワイヤで接続することが考えられる。
【0090】
この場合に用いるワイヤの長さは、極端に短くすることができるので、そのワイヤによるインダクタンス成分が受光素子8から出力される変調信号の周波数帯域内で周波数特性に影響がないような長さとなり、フリップチップ実装による接合とほぼ等価な接続状態が実現できる。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、受光素子の電極パターンとプリアンプの電極パターンとの一方または双方がインダクタンス成分を持つようにし、バンプによるフリップチップ実装が実施できるようにしたので、長めのボンディングワイヤを用いずに、受光素子とプリアンプとの接続線路にインダクタンス成分を与えることができ、周波数特性にピーキングが付与できる。したがって、周波数特性のばらつきが少なく、かつ、より広帯域な受光装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態である受光装置の構造を示すためパッケージの上蓋を外した状態での斜視図である。
【図2】図1に示す受光装置の上面図である。
【図3】図1に示す受光装置をI−I線で切断した断面図である。
【図4】図1に示す受光素子をレンズ側から見た側面図である。
【図5】図1に示すプリアンプICを抜き出して示す上面図である。
【図6】図1に示す受光素子とプリアンプICとの関係を説明するための斜視図である。
【図7】図1に示す受光素子の構造を示す斜視図である。
【図8】図1に示す受光素子のインダクタンス成分を持つ電極パターン(その1)を説明する図である。
【図9】図1に示す受光素子のインダクタンス成分を持つ電極パターン(その2)を説明する図である。
【図10】図1に示す受光素子のインダクタンス成分を持つ電極パターン(その3)を説明する図である。
【図11】図1に示す受光素子のインダクタンス成分を持たない電極パターンを説明する図である。
【図12】図1に示すプリアンプICの回路構成を説明するブロック図である。
【図13】図12に示すプリアンプICの入力部に設けられるインダクタンス成分を持たない電極パターンを説明する図である。
【図14】電極パターンがインダクタンス成分を持つ場合と持たない場合の受光素子を図13に示すプリアンプICに適用した場合の周波数応答特性(通過損失)を比較して示す特性図(シミュレーション結果)である。
【図15】図8〜図10に示す受光素子を図13に示すプリアンプICに適用した場合の全体回路を示す図である。
【図16】図15に示す全体回路で得られる周波数応答特性を示す特性図(シミュレーション結果)である。
【図17】図12に示すプリアンプICの入力部に設けられるインダクタンス成分を持つ電極パターン(その1)を説明する図である。
【図18】図12に示すプリアンプICの入力部に設けられるインダクタンス成分を持つ電極パターン(その2)を説明する図である。
【図19】図12に示すプリアンプICの入力部に設けられるインダクタンス成分を持つ電極パターン(その3)を説明する図である。
【符号の説明】
2 パッケージ、2a 底面、2b 第1壁面、2c 第2壁面、2d 第3壁面、2e 第4壁面、2f 上蓋、4 キャリア、6 プリアンプIC、8 受光素子、10a,10b,12a,12b,45a,45b,45c,45d,47a,47b,47c パッド、14 光貫通孔、16 レンズホルダ、18 光ファイバ、20 レンズ、22,32,34 フィードスルー、24a,24b 差動線路、26a,26b グランド導体、28a,28b,32a,32b,44a,44b,46a,46b,46c ボンディングワイヤ、36,38 導体線路、40,42 リード、52,54a,54b 線路電極、56a,56b,56c バンプ、58 誘電体、60 導体層、62,63,64a,64b,65a,65b,82,84a,84b,86,88a,88b,90,92a,92b,106,108a,108b,132,134a,134b,142,144a,144b,152,154a,154b 線路電極、62a,63a,82a,86a,90a,132a,142a,152a 導体線路、62b,63b,82b,86b,90b,132b,142b,152b 導体パッド、65c 斜面、66 光導波路、66a 受光面、70 基板、72,74 導体層、76 スルーホール、94,130,140,150 入力部、96 回路部、98 トランスインピーダンスアンプ(TIA)、100 差動増幅器、102 増幅器、104 帰還抵抗素子、110 コプレーナ線路、112,114,116 領域、118 ピーキング、120 pinホトダイオード(PD)、122 インダクタンス、156a,156b,156c バンプ接合領域。
Claims (9)
- 中心導体からなる第1線路電極と前記第1線路電極を挟んだ両側に配置される第1導体および第2導体からなる第2線路電極とで構成され、光電変換された電気信号を伝送し出力するコプレーナ線路を備える受光素子であって、
前記第1線路電極を構成する中心導体は、
前記コプレーナ線路の一端から他端に向かった所定区間に設けられる所定長さの導体線路と、前記導体線路に接続され、前記導体線路の線路幅よりも広い幅を持つ導体パッドと、
を備え、
前記第2線路電極を構成する第1導体および第2導体は、
前記第1線路電極の一端側では、前記導体線路の側辺と狭い間隔を置いて対向し、前記第1線路電極の一端側から他端側に向かう途中から前記導体線路の側辺との間隔が徐々に広がり、前記導体パッドの形成領域付近でその広がった間隔を保って前記第1線路電極の他端側に向かうように形成される、
ことを特徴とする受光素子。 - 中心導体からなる第1線路電極と前記第1線路電極を挟んだ両側に配置される第1導体および第2導体からなる第2線路電極とで構成され、光電変換された電気信号を伝送し出力するコプレーナ線路を備える受光素子であって、
前記第1線路電極を構成する中心導体は、
前記コプレーナ線路の一端から他端に向かった所定区間内幅が徐々に広がるように形成される導体線路と、前記導体線路に接続された導体パッドと、
を備え、
前記第2線路電極を構成する第1導体および第2導体は、
前記第1線路電極の一端側では、前記導体線路の側辺と狭い間隔を置いて対向し、前記第1線路電極の一端側から他端側に向かう途中で急激に前記導体線路の側辺との間隔が広がり、その広がった間隔を保って前記第1線路電極の他端側に向かうように形成される、
ことを特徴とする受光素子。 - 中心導体からなる第1線路電極と前記第1線路電極を挟んだ両側に配置される第1導体および第2導体からなる第2線路電極とで構成され、光電変換された電気信号を伝送し出力するコプレーナ線路を備える受光素子であって、
前記第1線路電極を構成する中心導体は、
前記コプレーナ線路の一端から他端に向かった所定区間に設けられる所定長さの導体線路と、前記導体線路に接続され、前記導体線路の線路幅よりも広い幅を持つ導体パッドと、
を備え、
前記第2線路電極を構成する第1導体および第2導体は、
前記第1線路電極の一端側では、前記導体線路の側辺と狭い間隔を置いて対向し、前記第1線路電極の一端側から他端側に向かう途中で急激に前記導体線路の側辺との間隔が広がり、その広がった間隔を保って前記第1線路電極の他端側に向かうように形成される、
ことを特徴とする受光素子。 - 中心導体からなる第1線路電極と前記第1線路電極を挟んだ両側に配置される第1導体および第2導体からなる第2線路電極とを有してなり、光電変換された電気信号を伝送するコプレーナ線路を備える受光素子であって、
前記第1線路電極もしくは前記第2線路電極に、インダクタンス成分を与えたことを特徴とする受光素子。 - 請求項1〜4のいずれか一つに記載の受光素子と、
前記受光素子が出力する電気信号の増幅処理を行うプリアンプであって、入力端側に中心導体からなる第1線路電極と前記第1線路電極を挟んだ両側に配置される第1導体および第2導体からなる第2線路電極とで構成されるコプレーナ線路が形成されるプリアンプと、
を備え、
前記プリアンプの前記コプレーナ線路は、
前記受光素子の第1線路電極に設けられる導体パッドが前記プリアンプの第1線路電極に接合され、前記受光素子の第2線路電極が前記プリアンプの第2線路電極に接合される、
ことを特徴とする受光装置。 - 中心導体からなる第1線路電極と前記第1線路電極を挟んだ両側に配置される第1導体および第2導体からなる第2線路電極とで構成され、光電変換された電気信号を伝送し出力するコプレーナ線路を備える受光素子と、
前記受光素子が出力する電気信号の増幅処理を行うプリアンプであって、入力端側に中心導体からなる第3線路電極と前記第3線路電極を挟んだ両側に配置される第3導体および第4導体からなる第4線路電極とで構成されるコプレーナ線路が形成されるプリアンプと、
を備え、
前記プリアンプの前記コプレーナ線路では、前記第3線路電極を構成する中心導体は、当該コプレーナ線路の一端から他端に向かった所定区間に設けられる所定長さの導体線路と、前記導体線路に接続され、前記導体線路の線路幅よりも広い幅を持つ導体パッドと、を備え、かつ前記第4線路電極を構成する第3導体および第4導体は、前記第3線路電極の一端側では、前記導体線路の側辺と狭い間隔を置いて対向し、前記第3線路電極の一端側から他端側に向かう途中から前記導体線路の側辺との間隔が徐々に広がり、その広がった間隔を保って前記第3線路電極の他端側に向かうように形成されており、
前記受光素子の第1線路電極が前記プリアンプの第3線路電極に設けられる前記導体パッドに接合され、前記受光素子の第2線路電極が前記プリアンプの第4線路電極の他端側に接合される、
ことを特徴とする受光装置。 - 中心導体からなる第1線路電極と前記第1線路電極を挟んだ両側に配置される第1導体および第2導体からなる第2線路電極とで構成され、光電変換された電気信号を伝送し出力するコプレーナ線路を備える受光素子と、
前記受光素子が出力する電気信号の増幅処理を行うプリアンプであって、入力端側に中心導体からなる第3線路電極と前記第3線路電極を挟んだ両側に配置される第3導体および第4導体からなる第4線路電極とで構成されるコプレーナ線路が形成されるプリアンプと、
を備え、
前記プリアンプの前記コプレーナ線路では、前記第3線路電極を構成する中心導体は、当該コプレーナ線路の一端から他端に向かった所定区間内幅が徐々に広がるように形成された導体線路と、前記導体線路に接続された導体パッドと、を備え、かつ前記第4線路電極を構成する第3導体および第4導体は、前記第3線路電極の一端側では、前記導体線路の側辺と狭い間隔を置いて対向し、前記第3線路電極の一端側から他端側に向かう途中で急激に前記導体線路の側辺との間隔が広がり、その広がった間隔を保って前記第3線路電極の他端側に向かうように形成されており、
前記受光素子の第1線路電極が前記プリアンプの第3線路電極に設けられる前記導体パッドに接合され、前記受光素子の第2線路電極が前記プリアンプの第4線路電極の他端側に接合される、
ことを特徴とする受光装置。 - 中心導体からなる第1線路電極と前記第1線路電極を挟んだ両側に配置される第1導体および第2導体からなる第2線路電極とで構成され、光電変換された電気信号を伝送し出力するコプレーナ線路を備える受光素子と、
前記受光素子が出力する電気信号の増幅処理を行うプリアンプであって、入力端側に中心導体からなる第3線路電極と前記第3線路電極を挟んだ両側に配置される第3導体および第4導体からなる第4線路電極とで構成されるコプレーナ線路が形成されるプリアンプと、
を備え、
前記プリアンプの前記コプレーナ線路では、前記第3線路電極を構成する中心導体は、当該コプレーナ線路の一端から他端に向かった所定区間に設けられる所定長さの導体線路と、前記導体線路に接続され、前記導体線路の線路幅よりも広い幅を持つ導体パッドと、を備え、かつ前記第4線路電極を構成する第3導体および第4導体は、前記第3線路電極の一端側では、前記導体線路の側辺と狭い間隔を置いて対向し、前記第3線路電極の一端側から他端側に向かう途中で急激に前記導体線路の側辺との間隔が広がり、その広がった間隔を保って前記第3線路電極の他端側に向かうように形成されており、
前記受光素子の第1線路電極が前記プリアンプの第3線路電極に設けられる前記導体パッドに接合され、前記受光素子の第2線路電極が前記プリアンプの第4線路電極の他端側に接合される、
ことを特徴とする受光装置。 - 前記受光素子の第1線路電極は、前記プリアンプの第3線路電極に設けられる前記導体パッドにバンプを介して接合され、前記受光素子の第2線路電極は、前記プリアンプの第4線路電極の他端側にバンプを介して接合されることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一つに記載の受光装置。
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