JP2004363360A - 光送受信モジュール - Google Patents

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Kazuyoshi Yamada
和義 山田
Hiroshi Ariga
博 有賀
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Abstract

【課題】発光モジュールと、受光モジュールとのクロストークを低減した、コストの安い光送受信モジュールを提供することを目的とする。
【解決手段】半導体レーザダイオード40を、整合抵抗31a、31bを介して、ステム10から差動信号ピン41a、41bを介して電気信号を取出すと共に、回路基板上のマイクロストリップ差動線路71a、71bを介してLD駆動回路100と接続したので、線路からの電磁界輻射を低減できる。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光送信回路と、光受信回路とが実装され、光信号の伝送が可能な光送受信モジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の光送受信モジュールは、送信回路から受信回路への電気的なクロストークを防止するため、送信回路と受信回路とを別の領域に搭載したプリント配線板と、前記送信回路部と前記受信回路部とを隔離するシールド板を有する上ケース、並びに下ケースと、前記下ケースに装着された発光素子モジュールと、前記上ケースに装着された受光素子モジュールとを備え、前記上ケースと下ケースとが夫々受信回路と送信回路とを電磁気的にシールドする構造が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、特許文献1にはシールド板の一部がプリント配線版を貫通して半田付けされることも開示されている。
【0003】
特許文献1では発光素子を含む送信回路から発生する電磁ノイズを、金属からなるシールド板やケースで防止するものである。しかし、シールド部材が占める領域が大きくなり、光送受信モジュールの小型化の促進する上での障害となることが指摘されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
さらに、受光モジュールと受信回路基板との接続配線部の上に接地電位のボンディングワイアをループ状に配置することや、発光モジュールと送信回路基板との接続配線部の上にグランド電位のボンディングワイアをループ状に配置することで、電気的なクロストークを改善できることを開示している。(例えば、特許文献2参照。)。また、前記回路の接地を強化することでもクロストークが改善することも開示している。
【0005】
しかし、このようなシールドによる方法は、伝送するビットレートが高くなると、送信信号中の高周波成分が増加し、受信側も受信帯域を広く取る必要が有ることから、効果が弱まってしまうことが開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
そこで、発光モジュールと送信回路との間に低域通過フィルタを設け、受信側へのクロストークとなる周波数成分を少なくする方法の開示が有る(例えば、特許文献3参照。)。また、その方法に伴なう立上り遅れなどの欠点、並びにその対処方法も開示されている。
【0007】
しかし、622Mb/s程度の伝送では立上り遅れを補償する電子回路が比較的安価に構成できるので良いが、さらに高い比較的に高いビットレートの光送受信器モジュールではこのような回路を簡単に構成することは難しく、またコストが高いなどの課題がある。
【0008】
従って、送信部と受信部との電磁気的なシールド構造を小型とする取組みとして、シリコン基板に搭載された発光モジュールと、別のシリコン基板に搭載された受光モジュールを、金属板を挟み込んで表裏に貼り付ける構造の開示が有る(例えば、特許文献4参照。)。
【0009】
また、電磁気的なシールド構造が難しい10Gb/sのビットレートに対応して、シリコンからなるプラットホーム基板の上を熱酸化膜で覆い、その上に受信側領域のなるべく広い範囲に接地導体層を形成し、接地導体層の上に絶縁体層を形成し、絶縁体層の上に配線を形成し、その上に受光素子と受信回路を搭載して小さな光貫通開口を設けたシールド板で覆うとともに、この領域外に発光素子と送信回路とを設けたものの開示が有る(例えば、特許文献5参照。)。
なお、発光素子と受光素子の夫々に対して小さな光貫通開口を設けた開示もある(例えば、特許文献6参照。)。
【0010】
また、シリコン基板上に搭載された発光素子と送信回路、並びに受光素子と受信回路とを簡易に電磁気的なシールドを実施するため、前記シリコン基板に複数の開口を穿ち、その開口に差し込む脚部を備えたシールド板を差し込んで、前記シリコン基板の裏面のベースメタルと接着する構造の開示がある(例えば、特許文献7参照。)。
【0011】
また、受光素子と受信回路とを絶縁補助基板に搭載して、シリコン基板の勘合穴に実装し、発光素子と送信回路は前記シリコン基板に直接実装する構造の開示も有る(例えば、特許文献8参照)。これは比抵抗の小さなシリコン基板を介した浮遊インピーダンスによるクロストークを防止する目的で実施されている。
【0012】
【特許文献1】
特開平7−162186号公報(第2−5頁、第1図)
【特許文献2】
特許3343896号公報(第3−7頁、第1図)
【特許文献3】
再公表WO00/33490号公報(第4−10頁、第3図)
【特許文献4】
特開2001−291923号公報(第2−4頁、第2図)
【特許文献5】
特開2002−223023号公報(第3−7頁、第1図)
【特許文献6】
特開2002−202438号公報(第2−5頁、第2図)
【特許文献7】
特開2002−170984号公報(第2−5頁、第10図)
【特許文献8】
特開2002−176185公報(第2−5頁、第6図)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術に示すように、大きな電流振幅で駆動される発光モジュールや送信回路とから電磁界が発生するため、近接して配置される受光モジュールと受信回路に対するクロストークが十分に低減されるよう、主にシールド版や回路基板上のグランドパターン、グランド電位のボンディングワイアなどの対策が取られてきた。これは、電磁界を遮断したり、グランド電位で定在波を作るなどして、発光モジュールや送信回路と、受光モジュールや受信回路とが、電磁界の結合を生じないようにしたものである。また、接地の強化も電磁界シールドを強化するために有効な方法であり、古くから常套手段として使用されてきた。
しかし、シールド板による方法は、そのための部品が必要で、取付けのコストがかかること、設置場所が必要であり、小型化を阻害する課題を有している。
また、伝送する信号のビットレートが1Gb/sや10Gb/sと上がるに従い、シールドの効果が弱くなり、また、シールド板や、その隙間に対する要求が厳しくなっており、622Mb/sまでで有効であった対策が不十分になってきている。
【0014】
また、クロストークには、グランド電位と考えている金属パターンの僅かな抵抗によって、発光モジュールからグランド電位の金属パターンに流れた電流振幅が前記の僅かな抵抗により電圧振幅に変換されたものや、回路基板の比抵抗の低さから来る浮遊インピーダンスによるものがある。これに対しても、従来から行われているように、グランドの強化や、浮遊インピーダンスを発生させないよう比抵抗の高い絶縁基板や、送信側と受信側とを空間的に遠ざけ、アイソレーションを高くする方法がある。しかし、低コスト化のために回路基板として高価なセラミック基板を使いにくく、安価なガラスエポキシ基板を使用する必要性や、小型化のためにアイソレーションのための間隔を取りにくいなどの課題がある。
【0015】
また、発光素子と、送信回路との間に低域通過フィルタを配置して、クロストークのエネルギー伝達関数の積分値を少さくする対策があるが、立上り遅れ現象などの弊害を防止するための対策が必要であるため、1Gb/sを上回るビットレートでは使用し難く、または回路が高価になるなどの課題がある。
【0016】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであり、発光モジュールと送信回路からの電磁界の発生を少なくして、受光モジュールと受信回路への電磁界の結合を低減し、かつ、発光モジュールと送信回路に流れる大電流による接地電位の擾乱を少なく出来るとともに、かつ、低コストな光送受信モジュールを得ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る光送受信モジュールは、少なくとも一対の差動入力端子を有する発光モジュールと、前記発光モジュールを差動駆動する送信回路と、前記発光モジュールと前記送信回路とを接続する差動線路からなる第1の線路と、少なくとも一対の差動出力端子を有する受光モジュールと、前記受光モジュールの差動出力信号を受信する受信回路と、前記受光モジュールと前記受信回路とを接続する第2の線路と、前記送信回路と前記第1の線路と前記受信回路と前記第2の線路とが搭載された回路基板とを備えたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明に係る光送受信モジュールの好適な実施の形態を詳細に説明する。
この実施の形態の光送受信モジュールは、送信回路を差動出力とし、かつ発光モジュールを差動入力とし、回路基板上で前記送信回路と前記発光モジュールとを接続する差動線路からなる第1の線路を設け、受光モジュールと受信回路とを接続する第2の線路との電気的な結合を低減することで電磁界によるクロストークを低減したものであり、かつ、発光モジュールを駆動する大きな振幅の電流が差動線路からなる第1の線路を流れるためグランド電位を擾乱することがないので、クロストークを好適に低減した光送受信モジュールを供する。
【0019】
この実施の形態の光送受信モジュールは、例えば、ビル内に設置されたサーバ間の接続、異なるビルに設置されたサーバ間の接続などのローカルエリアネットワーク、またはデジタル通信網の幹線系に適用される。
【0020】
実施の形態1.
図1〜図10に従って、この発明の実施の形態1の光送受信モジュールについて説明する。
この実施の形態1の光送受信モジュールには、安価なキャンパッケージ型の発光モジュールが採用され、パッケージ内には光半導体素子として半導体レーザダイオード(以下LDという)が内蔵され、LDを差動駆動する差動駆動回路が搭載されている回路基板とを備えている。
【0021】
図1は発光モジュールを構成する光半導体用パッケージ(以下キャンパッケージという)の外観構成を示すもので、図2はキャンパッケージ1およびレセプタクル2から構成される発光モジュール(以下、この実施の形態では主にLDを搭載した例を示すので、LDモジュールと呼ぶ)3の外観構成を示すもので、図3(a)(b)はLDモジュール3の水平(図2のx軸に平行な方向)断面図,垂直(図2のy軸に平行な方向)断面図を示すものである。
【0022】
図1〜図3に示すように、キャンパッケージ1は、バイアス給電ピン、高周波信号ピンなどがマウントされる円板状のステム10(導電体)と、複数のセラミック基板が搭載される台形柱状の台座11(台座ブロック)と、LD40から発生されたレーザ光を集光する集光レンズ12と、台座11などを外部から密閉するための円筒形のキャップ13などを備えている。ステム10は導電性のメッキを施したコバールや銅タングステン合金(以下、CuWという)、軟鉄などで成形される。
【0023】
キャップ13は、図3に示すように、プロジェクション溶接などによってステム10に固定される第1キャップ部材13aと、この第1キャップ部材13aの先端側に外嵌されてYAG溶接などによって第1キャップ部材13aに固定される第2キャップ部材13bとから成る2段円筒形状を成している。具体的には、第1キャップ部材13aは段付きの外筒を有し、太い径の外筒の先に細い径の外筒が設けられている。この細い径の外筒の外周に対して、第2キャップ部材13bの一端側の内筒が嵌合し、貫通YAG溶接によって第1キャップ部材13aと第2キャップ部材13bが固定される。キャップ13はこのような溶接加工によって比較的安価に製造することができる。
【0024】
第1キャップ部材13aの先端側には、レンズ挿入用の孔14が形成されており、この孔14に集光レンズ12が挿入される。集光レンズ12は、ネジ、接着材などによって第1キャップ部材13aに固定される。第1キャップ部材13aの内部空間15は、ガラス製のウィンドウ16によって外部から画成されており、これにより台座11が収納される内部空間15を気密状態に保つようにしている。なお、集光レンズ12をキャップ13の孔14に接着固定することによって、内部空間15を気密状態に保つことが可能な場合は、ウィンドウ16を省略してもよい。
【0025】
第2キャップ部材13bの集光レンズ12に対向する部分(他端側)には、レーザ光を通過させるための孔17が形成されている。この第2キャップ部材13bを第1キャップ部材13aに対して摺動させ、レーザ光軸方向に位置決め調整し、第1キャップ部材13aにYAG溶接固定することで、集光レンズ12とレセプタクル2内のダミーフェルール18とのレーザ光軸方向の位置合わせを行う。
【0026】
レセプタクル2は、光ファイバ20が接続されたフェルール21(図2参照)が挿入されるフェルール挿入孔19を有している。フェルール挿入孔19内のキャンパッケージ1側には、内部に光ファイバ18aが配設されているダミーフェルール18が圧入され固定されている。レセプタクル2におけるダミーフェルール18が固定される側の一端面は、YAG溶接による突き合わせ溶接などによってキャンパッケージ1の第2キャップ部材13bの他端側の端面に固定される。レセプタクル2を第2キャップ部材13bに固定する際に、互いの接合面を当接させた状態でレーザ光軸方向に垂直な2つの方向に対する位置決め調整を行うことで、集光レンズ12とレセプタクル2内のダミーフェルール18とのレーザ光軸に直角な2つの方向に関する位置合わせを行う。
【0027】
発光モジュール3側の光ファイバ20が接続されているフェルール21は、フェルール21がレセプタクル2のフェルール挿入孔19に挿入されたとき、ダミーフェルール18の方にフェルール21を押圧し、かつフェルール21をレセプタクル2にロック固定するための適宜の機構(図示せず)を有している。したがって、フェルール21がレセプタクル2のフェルール挿入孔19に挿入されると、ダミーフェルール18の光ファイバ18aとフェルール21内の光ファイバ20の端面同士が当接し、これによりファイバ間が接続(光結合)される。
【0028】
つぎに、キャンパッケージ1内の構成について説明する。キャンパッケージ1内の構成を説明する前に、キャンパッケージ1内の各構成要素の等価回路を図4を用いて説明する。
【0029】
図4は、キャンパッケージ1内の各構成要素の回路構成およびキャンパッケージ1内のLD40を差動駆動する差動駆動回路としてのLD駆動回路100の回路構成例を示すものである。LD駆動回路100は、集積回路(IC)として集積されており、このLD駆動回路100は、図6に示すように、キャンパッケージ1と電気接続される集積回路用基板(外部基板)300に搭載されている。また、回路基板300には、マイクロストリップ差動線路として構成される差動線路基板70(図5,図6参照)が設けられており、この差動線路基板70を介してキャンパッケージ1とLD駆動回路としてのLD駆動回路100が電気接続されている。なお、この差動線路基板70と回路基板300とは多層基板として一体化してもよい。
【0030】
図4に示すように、LD駆動回路100は、差動型の入力構成を有する入力バッファ102と、正相信号および逆相信号を出力する差動構成をなす一対のトランジスタ103,104と、バイアス定電流源としてのトランジスタ105と、インピーダンス整合をとるための抵抗106,107とを備えている。
【0031】
入力バッファ102は、入力される正相信号と逆相信号の波形を整形し、整形した正相信号と逆相信号をトランジスタ103および104のベースに出力する。
【0032】
差動構成をなす一対のトランジスタ103,104は、差動増幅器を構成する。トランジスタ103,104の夫々のコレクタ側は、抵抗106および107に接続されている。抵抗106,107の他方側は端子312,313に接続されている。トランジスタ103,104の夫々のエミッタは、定電流源であるトランジスタ105のコレクタに接続されている。トランジスタ103のベースは入力バッファ102の逆相信号出力端子に接続され、トランジスタ104のベースは入力バッファ102の正相信号出力端子に接続されている。すなわち、正相の入力されたトランジスタ104は正相信号Iを、逆相の入力されたトランジスタ103は逆相信号Iを、トランジスタ105にて決定される電流値に変換して出力する。トランジスタ105のエミッタ側が負電源Vee1に接続されている。
【0033】
トランジスタ103,104のエミッタ側の出力端子310、311は、マイクロストリップ差動線路や後述する高周波信号ピンなどで構成される分布定数回路30、整合抵抗31a,31bを介してLD40の一対の電極(カソード、アノード)に接続されている。
【0034】
キャンパッケージ1側は、分布定数回路30と、25Ω程度のインピーダンス整合用の抵抗31a,31bと、集光レンズ12と、高周波インピーダンスが5Ω程度のLD40と、高周波インピーダンスが大きいインダクタンス素子としての空芯ソレノイド33a,33bと、空芯ソレノイド33a,33bに並列接続される共振防止抵抗34a,34bと、LD40と空芯ソレノイド33a,33bとを接続するためのワイヤボンド35a,35bとを備えている。
【0035】
LD40のカソード側は、ワイヤボンド35aと、このワイヤボンド35aに直列に接続された空芯ソレノイド33aと、共振防止抵抗34aの並列回路を介してバイアス定電流源36の一端に接続されている。バイアス定電流源36の他端は負電源Vee2に接続されている。LD40のアノード側は、ワイヤボンド35bと、このワイヤボンド35bに直列に接続された空芯ソレノイド33bと、共振防止抵抗34bの並列回路を介して接地されている。なお、空芯ソレノイド33aと33bは、いずれも整合抵抗31aと31bよりもLD40に近い側でLD40の一対の電極に電気的に接続されている。負電源Vee1と負電源Vee2は同じ電源としたほうが好ましいが、別の電源としてもよい。
【0036】
このLD40の駆動構成によれば、LD40のカソード、アノードにソレノイド33a,33bを介してバイアス電源(図4のバイアス給電ピン44aに接続されたバイアス定電流源36、およびバイアス給電ピン44bに接続された接地端子)に夫々接続し、かつ差動型の一対のトランジスタ103,104によってLD40のカソード、アノードに高周波の変調信号を差動で入力するようにしている。
【0037】
すなわち、LD駆動回路100のトランジスタ104がOFFからON(トランジスタ103がONからOFF)になると、LD40に電流が流れ、LD40からのレーザ光出力はOFFからONとなる。また、トランジスタ104がONからOFF(トランジスタ103がOFFからON)になると、LD40に流れる電流が小さくなり、LD40からのレーザ光出力はONからOFFとなる。
【0038】
このように、LD駆動回路100の差動トランジスタ103,104より出力された変調電気信号は、分布定数回路30などを通じてLD40に伝送され、LD40において変調電気信号が光変調信号に変換される。LD40から発生された光変調信号は、集光レンズ12によって光ファイバ18aに集光され、光ファイバ18aを通じて出力される。
【0039】
つぎに、図5〜図6を用いてキャンパッケージ1および回路基板300の各構成要素について説明する。図5は、キャップ13を外した状態におけるキャンパッケージ1および外部基板300の一部を示す斜視図であり、図6はその平面図である。
【0040】
図5〜図6などに示すように、キャンパッケージ1は、複数のピンがマウントされた円板状のステム10と、銀ロウ付けなどによってステム10の内壁面に垂直に固定される台形柱状の台座11とから構成される。ステム10は、各ピンが貫通するための各貫通孔(後述する)が設けられ、これら各貫通孔にはピンを固定する硼珪酸ガラスやソーダバリウムガラス等からなる誘電体が収容されている。ステム10は、板金加工やメタルインジェクションモールド加工によって貫通孔を簡単に形成することができるため、比較的安価に製造できる。
【0041】
グランドを構成するステム10には、LD駆動回路100からの差動の変調電気信号(以下差動高周波信号ともいう)が伝送される一対の高周波信号ピン41a,41b(高周波用の信号端子)と、これら高周波信号ピン41a,41bの両側に、高周波信号ピン41a,41bを挟むように配される2本のグランドピン42a,42b(グランド端子)が固定されている。また、ステム10には、モニタ用の受光素子(例えばフォトダイオード、以下PDという)50の信号伝送のための1本のモニタ信号ピン43と、LD40に対して外部の直流バイアス電流源からバイアス電流を供給する一対のバイアス給電ピン44a,44bが固定されている。ステム10には、モニタ用のPD50を搭載するためのPD用チップキャリア45とがマウントされている。例えば、高周波信号ピン41aから図4に示す正相の電流信号Iが引き抜かれるとともに、高周波信号ピン41bに対して図4に示す電流信号Iと逆相の電流信号Iが与えられる。
【0042】
これらの信号ピンのうち、高周波信号ピン41a,41bは、気密を保ったままステム10を介して電気信号を通過させるフィードスルー(フィードスルー部10c)を構成している。これら各高周波信号ピン41a,41bは、硼珪酸ガラスやソーダバリウムガラスなどの材料で構成される誘電体77に形成されている貫通孔80a、80bを夫々貫通して挿入され、ステム10に対し気密封止状態で固定されている。誘電体77はステム10に設けられた楕円、長円、または繭形の形状をした貫通孔74に気密封止状態で収容される。例えば、誘電体77はガラスビーズを溶融固化することによってステム10に固定されるとともに、各高周波信号ピン41a,41bを固定する。グランドピン42a,42bは、グランドを構成するステム10の外壁面に圧着および溶接によって固着されている。高周波信号ピン41a,41b、およびグランドピン42a,42bは、互いに平行になるように配置されている。ガラス製の誘電体78はステム10の貫通孔75に収容されて気密封止状態で固定され、モニタ信号ピン43は誘電体78を貫通して気密封止状態で固定される。同様に、ガラス製の誘電体79aはステム10の貫通孔76aに収容されて気密封止状態で固定され、バイアス給電ピン44aは誘電体79aを貫通して気密封止状態で固定される。ガラス製の誘電体79bはステム10の貫通孔76bに収容されて気密封止状態で固定され、バイアス給電ピン44bは誘電体79bを貫通して気密封止状態で固定される。かくして、高周波信号ピン41a,41b、グランドピン42a,42b、モニタ信号ピン43、およびバイアス給電ピン44a、44bは、ステム10の突出面10zから、キャンパッケージ1の外部に突出して固定される。このピンの固定構造は、比較的安価に製造することができる。PD用チップキャリア45上にマウントされたPD50は、LD40から後方に出射されるモニタ光をモニタするためのものである。
【0043】
ステム10に対し台座11がほぼ垂直に配設されている。台座11の上面には、マイクロストリップ差動線路基板46,47と、LD用チップキャリア48と、バイアス回路用基板49とが搭載されている。台座11とステム10とは表面全体に導電性のメッキが施されている。マイクロストリップ差動線路基板46,47やLD用チップキャリア48の裏面に形成され接地導体層となる平面導体板(以下ベタグランドと呼ぶ)が、台座11の上面に半田接合され電気的に接続されている。また、台座11は、LD40等から発生する熱の放熱経路になっている。
【0044】
マイクロストリップ差動線路基板46は、セラミック基板51と、セラミック基板51の上面に形成された一対のストリップ差動信号線52a,52bと、セラミック基板51の裏面に形成されたベタグランド(図示せず)で構成されている。ストリップ差動信号線52a,52bの一端側には、ステム10から突出された高周波信号ピン41a,41bと接触させて半田付けするためのパッド53a,53bが形成されている。ストリップ差動信号線52a,52bは、小型化のために特性インピーダンスが低く設定された高周波信号ピン41a,41bによる影響を少なくするために、ステム10に近い入力側の部分52d(図6)では特性インピーダンスが高くなるよう信号線間隔が大きく設定されている。また、ストリップ差動信号線52a,52bは、信号線間隔が徐々に接近する部分と、間隔が接近して平行に配置される出力側部分とを有している。ステム10にマウントされる高周波信号ピン41a,41bの端部は、マイクロストリップ差動線路基板46のパッド53a,53bにロウ付けまたは半田付けによって接続固定されている。ストリップ差動信号線52a,52b、およびストリップ差動信号線56a,56bは、夫々モジュール内部(キャンパッケージ1内部)の分布定数線路30の第1、第2の導体線路を構成する。
【0045】
マイクロストリップ差動線路基板47は、セラミック基板55と、セラミック基板55の上面に形成された一対のストリップ差動信号線56a,56bと、セラミック基板55の裏面に形成されたベタグランド(図示せず)で構成されている。ストリップ差動信号線56a,56bは、信号線方向を略90度折り曲げるためのコーナーカーブ部を有している。ストリップ差動信号線56a,56bの途中には、インピーダンス整合用の抵抗31a,31b(図4参照)がそれぞれ形成されている。ストリップ差動信号線52a,52bと、ストリップ差動信号線56a,56bとは、ワイヤボンド57a,57bによってそれぞれ接続されている。
【0046】
LD用チップキャリア48は、セラミック基板58と、セラミック基板58の上面に形成された一対のストリップ差動信号線59a,59bと、セラミック基板58の裏面に形成されたベタグランド(図示せず)で構成されるマイクロストリップ差動線路を有し、一方のストリップ差動信号線59b上にLD40の一方の電極であるアノードが直接当接するように、LD40が搭載されている。LD40の他方の電極としてのカソードは、ワイヤボンド60によって他方のストリップ差動信号線59aに接続されている。ストリップ差動信号線56a,56bと、ストリップ差動信号線59a,59bとは、ワイヤボンド61a,61bによってそれぞれ接続されている。セラミック基板58は、熱伝導性の良い窒化アルミ(AlN)や炭化シリコン(SiC)などの材料から構成されている。LD40としては、10Gb/sの変調が可能な、例えば分布帰還型のレーザダイオード素子が用いられている。なお、ここではLDチップキャリア48とマイクロストリップ線路基板を分離して、抵抗31a、31b製作で発生するコストを低減させる構成を示したが、一体化しても良い。
【0047】
バイアス回路用(セラミック)基板49上には、2本の配線パターン62a,62bと一対のインダクタンス回路(ソレノイド及び共振防止抵抗の並列回路)が形成されている。一方の配線パターン62aには、空芯ソレノイド33aおよび空芯ソレノイド33bの線間容量とインダクタンスとの共振を防止する共振防止抵抗34aが電気的に並列接続されるように配置され、他方の配線パターン62bには、同様に、空芯ソレノイド33bおよび共振防止抵抗34bとが電気的に並列接続されるように配置されている。空芯ソレノイド33aおよび空芯ソレノイド33bは互いの磁界が干渉しないように、各ソレノイド33a,33bの中心軸(の延長線)が交差するように、好ましくは直交するように、離間配置されている。2本の配線パターン62a,62bの一方の各端部は、LD用チップキャリア48のストリップ差動信号線59a,59bとワイヤボンド35a,35bを介して接続されており、配線パターン62a,62bの他方の端部は、ワイヤボンド63a,63bを介してステム10に設けられるバイアス給電ピン44a,44bに接続される。
【0048】
つぎに、回路基板300側の構成について説明する。
回路基板300には、前述したように、LD40を差動駆動するLD駆動回路を含むLD駆動回路100と、このLD駆動回路100とステム10に設けられた一対の高周波信号ピン41a,41bおよび一対のグランドピン42a,42bとを接続するマイクロストリップ差動線路基板70とが設けられている。
【0049】
マイクロストリップ差動線路基板70は、ガラスエポキシ基板73の上面に形成された一対のストリップ差動信号線71a,71bと、この一対のストリップ差動信号線71a,71bを挟むようにストリップ差動信号線71a,71bの外側に配置されるグランド72a,72bと、ガラスエポキシ基板73の裏面または中間層に配置されてグランド72a,72bに接続されるベタグランド(図示せず)とから構成されている。ストリップ差動信号線71a,71bの一端側には、ステム10の突出面10zから突出された高周波信号ピン41a,41bと接触させてロウ付けまたは半田付けするためのパッド301a,301bが形成されており、高周波信号ピン41a,41bの端部は、マイクロストリップ差動線路基板70のパッド301a,301bにロウ付けまたは半田付けによって接続固定されている。ストリップ差動信号線71a,71bの途中には、互いの信号線から離間するように突出された特性インピーダンスが他の線路部分より低いスタブ302a,302bが形成されている。また、パッド301a,301bとスタブ302a,302bとの間には、半田レジストや半田の濡れ性の悪い金属を表面層とした半田流れ止め部1000a,1000bを設けて、半田流れ止め部1000a,1000bとスタブ302a,302bとの間に半田が流れることを防止している。
【0050】
パッド301a,301bからスタブ302a,302bに向かって、ストリップ差動信号線71a,71bの間隔が狭くなっている。すなわち、ストリップ差動信号線71a,71bは、スタブ302a,302bより集積回路100側に位置する部分304では、スタブ302a,302bよりステム10側に位置する部分305よりも特性インピーダンスが低くなるよう信号線間隔を小さく設定されており、このようなスタブ302a,302bの配置および信号線間隔の調整によって、高周波信号ピン41a,41bなどから反射が発生しないように、各部分の特性インピーダンスを変化させている。
【0051】
マイクロストリップ差動線路基板70のグランド72a,72bは、ステム10に設けられたグランドピン42a,42bに接続固定されている。なお、マイクロストリップ差動線路基板46、マイクロストリップ差動線路基板47、およびマイクロストリップ差動線路基板70における、それら基板上のストリップ差動信号線(71a、71b、52a、52b、56a、56b)と、高周波信号ピン41(41a、41b)とは、分布定数線路30を構成している。また、マイクロストリップ差動線路基板70のグランド72a,72bは、ステム10に設けられたグランドピン42a,42bに接続固定されている。なお、マイクロストリップ差動線路基板46およびマイクロストリップ差動線路基板47における、それら基板上のストリップ差動信号線(52a、52b、56a、56b)は、モジュール内部(キャンパッケージ1内部)の分布定数線路30を構成している。
【0052】
図6に示すように、LD駆動回路100内のトランジスタ103(図4参照)のコレクタに接続される正相信号Iの出力端子310は、ワイヤボンド320を介して一方のストリップ差動信号線71aに接続されている。LD駆動回路100内のトランジスタ104(図4参照)のコレクタに接続される逆相信号Iの出力端子311は、ワイヤボンド321を介して一方のストリップ差動信号線71bに接続されている。LD駆動回路100内の抵抗106が接続される端子312はワイヤボンド322を介してグランド72bに接続され、LD駆動回路100内の抵抗107が接続される端子313はワイヤボンド323を介してグランド72aに接続されている。なお、オープンコレクタ型のLD駆動回路の場合は、駆動能力を上げるためにコレクタ側に正電圧をかける場合がある。この場合は、端子312,313がワイヤボンド322,323を介して図示しないコンデンサの一方の電極に接続され、コンデンサの他方の電極はグランド72b,72a上に半田付けされる。また、端子312,313は正電極Vcc(図示せず)に接続される。
【0053】
このように、図4に示したLD駆動回路100の差動トランジスタ103,104から出力される差動高周波信号は、図5および図6に示すように、マイクロストリップ差動線路基板70を介してキャンパッケージ1に入力される。
【0054】
一般にLD駆動回路100は、夫々の出力端子310、311がLD駆動回路100の有する特性インピーダンスに対してインピーダンス整合するよう設計されている場合が多い。したがって、例えば、LD駆動回路100を差動形式で動作させ、その出力端子310、311の出力インピーダンスが夫々50Ωである場合、接続される差動線路71a、71bの特性インピーダンスを100Ωで設計することが望ましい。
【0055】
しかし、ステム10のフィードスルー部10cにおける高周波信号ピン41a、41b間の特性インピーダンスを仮に100Ωとした場合、高周波信号ピン41a、41bの間隔が差動線路71a、71bの間隔よりも大きく広がり、高周波信号ピン41a、41bを内包するフィードスルー部10cの誘電体77の外形もそれに応じて大きくなる。このため、誘電体77を収容するステム10の外径が拡大し、光半導体装置の小型化を妨げることになる。また、誘電体77が大きくなることにより、誘電体77の気密封止の歩留まりが低下する等の不都合が生じる。このため、例えば高周波信号ピン41a、41b間の特性インピーダンスを60Ω程度にするなど、この特性インピーダンスをLD駆動回路100の出力端子310、311の特性インピーダンスよりも下げることによって、誘電体77およびステム10の小型化を図っている。
【0056】
一方、高周波信号ピン41a、41bの相互の間隔や夫々のピン直径が、ステム10とマイクロストリップ差動線路基板70の間に形成される空間に配置される部分と、フィードスルー内に配置される部分とで同じ大きさとなる場合には、高周波信号ピン41a、41bの特性インピーダンスが140Ω程度になることが多い。かくして、マイクロストリップ差動線路基板70にスタブ302a、302bを設けて、LD駆動回路100側から見れば特性インピーダンスが100Ωに近くなるようにインピーダンス整合を取ることによって、フィードスルー部分からの反射波の発生を極力抑えている。
【0057】
次に、受光素子モジュールの構造につき説明する。
図7(A)、(B)は、差動出力を有する受光素子モジュールの水平断面図、垂直断面図を示すものである。なお、図1〜3や図5、図6と機能が同一、または類似のものは同一記号を使用している。図7に示す如く、受光素子モジュール4は、信号ピン41a、41b、電源供給ピン44a、44b、およびグランドピン42a、42b等がマウントされる円板状のステム10と、球レンズ12および複数のセラミック基板等が搭載される台形柱状の台座11と、光ファイバ(図示せず)から出射されるレーザ光を集光する球レンズ12と、台座11などを外部から密閉するための円筒形のキャップ部材13と、および光ファイバが接続されたフェルール(図示せず)が挿入されるレセプタクル2等を備えている。
【0058】
キャップ部材13は、プロジェクション溶接などによってステム10に固定される第1キャップ部材13aと、この第1キャップ部材13aの先端側に外嵌されてYAG溶接などによって第1キャップ部材13aに固定される第2キャップ部材13bとからなる2段円筒形状を呈している。
【0059】
第1キャップ部材13aの先端側には、球レンズ12の挿入用の光貫通孔14が形成されており、この光貫通孔14に球レンズ12が挿入される。球レンズ12は、例えばBK7(屈折率1.51)で構成されており、低融点ガラスなどによって第1キャップ部材13aに固定される。第1キャップ部材13aの内部空間15は、球レンズ12によって外部から画成されており、これにより台座11が収納される内部空間15を気密状態に保つようにしている。
【0060】
第2キャップ部材13bをレーザ光軸方向に位置決め調整して、第1キャップ部材13aに固定することで、球レンズ12とレセプタクル2に挿入される光ファイバとの光軸方向の位置合わせを行う。
【0061】
レセプタクル2は、光ファイバが接続されたフェルールが挿入されるフェルール挿入孔19および光ファイバから射出されるレーザー光を通過させるための光貫通窓23を有している。このレセプタクル2は、YAG溶接などによって第2キャップ部材13bに固定される。レセプタクル2を第2キャップ部材13bに固定する際に、レーザ光軸方向に垂直な2つの方向に対する位置決め調整を行うことで、球レンズ12とレセプタクル2に装着される光ファイバ20とのレーザ光軸に直角な2つの方向に関する位置合わせを行う。このように、第2キャップ部材13bとレセプタクル2は固定される際に位置決め調整され、3軸方向の調整が行われる。
【0062】
光ファイバが接続されているフェルールは、フェルールがレセプタクル2のフェルール挿入孔19に挿入されたとき、フェルールを押圧しかつフェルールをレセプタクル2にロック固定するための適宜の機構(図示せず)を有している。
【0063】
受光素子用基板81は、例えば、pin型のフォトダイオード等の受光素子90を搭載しており、また、パット(符号省略)が複数形成されており、バイアス電源のノイズ除去を行なうチップコンデンサ82やトランスインピーダンスアンプ200とワイヤボンドで接続されている。受光素子90は、放物面鏡83で反射されたレーザー光を受光して電気信号に変換する。この電気信号は、トランスインピーダンスアンプ200で増幅された後、差動線路基板46の一対のストリップ差動信号線52a、52bを介して、ステム10にマウントされた信号ピン41a、41bからリミッタアンプ(図8参照)に出力される。
【0064】
さて、最近の送受信モジュールは、発光モジュールと受光モジュールとを小形に配置するものが用いられ始めている。図8は、この発明の光送受信モジュールの実装形態を簡単化して示す図であり、前記の発光モジュール3と受光モジュール4とが隣接して配置されている。発光モジュール3は、電気信号を伝送するマイクロストリップ差動線路71a、71bを介して、LD駆動回路100と接続されている。受光モジュール4は、電気信号を伝送するマイクロストリップライン71c、71dを介して、リミッタアンプ210と接続されている。LDモジュール1では、良好な光波形を得るために30mA程度の大きな電流振幅で駆動されるので、マイクロストリップ差動線路71a、71bから電磁界が発生するが、電磁界の大半は差動線路間で閉じているため外部への輻射は小さくなり、この発明の格別の効果が得られる。受光モジュール4は対向する光送受信モジュール(図示せず)から光ファイバで損失しながら伝送された微弱な光信号を受信するため、トランスインピーダンスで増幅してから外部に電気信号を取出すのが1Gb/s以上の受光モジュールでは一般的である。電気信号の形式としては、ノイズの干渉に比較的に強い差動形式が一般的で有るが、単相方式のものも有る。
【0065】
次に、従来の光送受信モジュールの一例として、単相駆動方式のLDモジュールに使用される単相のマイクロストリップ線路と受信モジュールに使用される単相のマイクロストリップ線路の結合度と、この発明の光送受信モジュールの一例として、差動駆動方式のLDモジュールを使用されるマイクロストリップ差動線路から受信モジュールに用いられる単相のマイクロストリップ線路の結合度とを比較して説明する。
【0066】
図9(a)は、特性インピーダンス50Ωのマイクロストリップ線路の上部に対向させて特性インピーダンス50Ωのマイクロストリップ線路を配置して、互いのマイクロストリップ線路同志の電気的な結合(通過特性)を簡易に求めるために想定した配置図である。図9(b)は3次元電磁界シュミレータで計算した電気的な結合(通過特性)の計算結果であり、横軸の周波数に対する縦軸の通過量の変化を表している。図より、10GHzで−35dBの結合が生じており、クロストークが十分ではないことが分る。実際には、LDモジュールの単相駆動方式を用いる場合は、送信側から受信側への電磁界によるクロストークを防止するため、シールド板などを配置する対策を行ってクロストークを改善している。
【0067】
図10(a)は、特性インピーダンス100Ωのマイクロストリップ差動線路71a、71bの上部に対向させて特性インピーダンス50Ωのマイクロストリップ線路を配置して、互いのマイクロストリップ線路同志の電気的な結合(通過特性)を簡易に求めるために想定した配置図である。図10(b)は3次元電磁界シュミレータで計算した電気的な結合(通過特性)の計算結果であり、横軸の周波数に対する縦軸の通過量の変化を表している。
図より、10GHzで略−77dBまで低減できており、図9(b)に比較して、−42dBの著しい改善効果が発揮されていることが分る。
【0068】
また、図4から簡単に分るように、変調電流I1とI2がマイクロストリップ差動線路71a、71bを流れるので、グランド電位を擾乱することがないので、受信側とグランドを介したクロストークも著しく改善する。
【0069】
以上説明したように、少なくとも一対の差動入力端子を有する発光モジュールと、前記発光モジュールを差動駆動する送信回路と、前記発光モジュールと前記送信回路とを差動線路で接続したので、電磁界の輻射が少なく、またグランド電位の擾乱も少ないので、近接して配置される受光モジュールや受信回路を接続する線路へのクロストークを低減でき、かつ、コストの安い光送受信モジュールが提供できる。
【0070】
なお、図9と図10では、差動線路と単相線路との結合を求めたが、発光モジュール側が差動線路を使用していれば良く、受光側は単相線路でも差動線路を用いたものであっても良い。また、光半導体素子として、半導体レーザダイオード(半導体発光素子)を用いた例について示したが、レーザダイオード集積型電界吸収形変調器(別の半導体発光素子)を搭載したものでもよく、同様の効果を奏する。
また、この実施の形態では、プリアンプ内蔵型のホトダイオードを示したが、アバランシェフォトダイオードでも、プリアンプとリミッタアンプとを内蔵した集積回路でもよく、同様の効果を奏する。
【0071】
【発明の効果】
この発明によれば、発光モジュールが差動給電方式となっているので、外部の電子回路との接続に用いるマイクロストリップ差動線路からの電磁界輻射を低減することが出来、受光モジュールへのクロストークの発生を低減することができるとともに、低コストな光送受信モジュールを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる実施の形態1の光送受信モジュールに用いられる発光モジュールのパッケージの外観構成を示す斜視図である。
【図2】この発明にかかる実施の形態1の光送受信モジュールに用いられる発光モジュール(LDモジュール)の外観構成を示す斜視図である。
【図3】この発明にかかる実施の形態1の光送受信モジュールに用いられる発光モジュール(LDモジュール)の水平及び垂直断面図である。
【図4】キャンパッケージ内の構成要素およびLD駆動回路の等価回路図である。
【図5】この発明にかかる実施の形態1のキャンパッケージの内部構成および回路基板の一部構成を示す斜視図である。
【図6】この発明にかかる実施の形態1のキャンパッケージの内部構成および回路基板の一部構成を示す平面図である。
【図7】この発明にかかる実施の形態1の光送受信モジュールに用いられる受光モジュールの水平及び垂直断面図である。
【図8】この発明にかかる実施の形態1の光送受信モジュールの構成を示す図である。
【図9】従来の光送受信モジュールで使用される単相のマイクロストリップ線路とを示す図と、その結合度(通過特性)の周波数依存性である。
【図10】この発明にかかる実施の形態1のマイクロストリップ差動線路と単相のマイクロストリップ線路とを示す図と、その結合度(通過特性)の周波数依存性である。
【符号の説明】
1 光半導体用パッケージ(キャンパッケージ)、 2 レセプタクル、 3発光モジュール(LDモジュール)、 4 受光モジュール、 10 ステム、10a 第1ステム部材、 10b 第2ステム部材、 10z ステム外壁面、 11 台座、 12 集光レンズ、 13 キャップ、 13a 第1キャップ部材、 13b 第2キャップ部材、 14 孔、 15 内部空間、 16 ウィンドウ、 17 孔、 18 ダミーフェルール、 18a 光ファイバ、 19 フェルール挿入孔、 20 光ファイバ、 21 フェルール、23 光貫通窓、 30,30b 分布定数回路、 31a,31b 整合抵抗、 33a,33b ソレノイド(空芯ソレノイド)、 34a,34b 共振防止抵抗、 35a,35b ワイヤボンド、 36 バイアス定電流源、 40 半導体レーザダイオード(LD)、 41a,41b 高周波信号ピン、42a,42b グランドピン、 43 モニタ信号ピン、 44a,44bバイアス給電ピン、 45 PD用チップキャリア、 46,47 マイクロストリップ差動線路基板、 46b グランデッドコプレナ差動線路、 48 LD用チップキャリア、 49 バイアス回路用基板、 50 フォトダイオード(PD)、 52a,52b,52e,52f ストリップ差動信号線、 53a,53b パッド、 54a,54b スタブ、 56a,56b ストリップ差動信号線、 57a,57b ワイヤボンド、 59a,59b ストリップ差動信号線、 60 ワイヤボンド、 61a,61b ワイヤボンド、 62a,62b 配線パターン、 63a,63b ワイヤボンド、 70 グランデッドコプレナ差動線路、 71a,71b 差動信号線、 72a,72b グランド、 77,78,79a,79b 誘電体、 80a,80b 貫通孔、 81 受光素子用基板、 82 チップコンデンサ、 83 放物面鏡、90 受光素子、 100 LD駆動回路(集積回路)、 101 外部基板、 102 入力バッファ、 103,104 トランジスタ(差動トランジスタ)、 105 トランジスタ(バイアス定電流源)、 200 トランスインピーダンスアンプ、 210 リミッタアンプ、 300 回路基板(外部基板)、 301a,301b パッド、 302a,302b スタブ、 411a,411b 屈曲部、 1000a,1000b 半田流れ止め部。

Claims (6)

  1. 少なくとも一対の差動入力端子を有する発光モジュールと、前記発光モジュールを差動駆動する送信回路と、
    前記発光モジュールと前記送信回路とを接続する差動線路からなる第1の線路と、
    少なくとも一対の差動出力端子を有する受光モジュールと、
    前記受光モジュールの差動出力信号を受信する受信回路と、
    前記受光モジュールと前記受信回路とを接続する第2の線路と、
    前記送信回路と前記第1の線路と前記受信回路と前記第2の線路とが搭載された回路基板と
    を備えた光送受信モジュール。
  2. 前記発光モジュールは、
    一対の電極を有する半導体発光素子と、
    前記半導体発光素子の夫々の電極に、夫々一端が接続されるインピーダンス整合用の第1、第2の抵抗と、
    差動線路を構成する第1、第2の導体線路を有し、当該夫々の導体線路の一端が前記第1、第2の抵抗の他端と夫々接続された分布定数線路と、
    前記分布定数線路の第1、第2の導体線路における他端に、夫々一端が接続された第1、第2の信号端子と、
    前記半導体発光素子と前記第1、第2の抵抗と前記分布定数線路と前記第1、第2の信号端子の一部とを内蔵する金属製の筐体とを備えた
    ことを特徴とする請求項1に記載の光送受信モジュール。
  3. 前記発光モジュールは、
    一対の電極を有する半導体発光素子と、
    前記半導体発光素子の夫々の電極に、夫々一端が接続されるインピーダンス整合用の第1、第2の抵抗と、
    差動線路を構成する第1、第2の導体線路を有し、当該夫々の導体線路の一端が前記第1、第2の抵抗の他端と夫々接続された分布定数線路と、
    前記分布定数線路の第1、第2の導体線路における他端に、夫々一端が接続された第1、第2の信号端子と、
    前記半導体発光素子の夫々の電極に、夫々一端が接続されるバイアス電流給電用の第1、第2のインダクタンス素子と、
    前記半導体発光素子と前記第1、第2の抵抗と前記分布定数線路と前記第1、第2の信号端子の一部と前記第1、第2のインダクタンス素子とを内蔵する金属製の筐体とを備えた
    ことを特徴とする請求項1に記載の光送受信モジュール。
  4. 前記第1の線路と、前記第2の線路との間の空間部分に、金属からなるシールド板を設けた
    ことを特徴とする請求項1〜3に記載の光送受信モジュール。
  5. 前記第1の線路と、前記第2の線路との間の前記回路基板の内部に、金属からなるすだれ状、または網状のシールド構造を設けた
    ことを特徴とする請求項1〜3に記載の光送受信モジュール。
  6. 前記回路基板がガラスエポキシからなる
    ことを特徴とする請求項1〜5に記載の光送受信モジュール。
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