JP2004095700A - 処理装置、載置台、処理方法 - Google Patents

処理装置、載置台、処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】処理装置内の特定の領域で所望の処理を行なうことが可能な処理装置を提供すること。
【解決手段】気密に構成された処理容器と、処理容器内に設けられた第1の電極と、処理容器内に設けられ、第1の電極と対向する第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に高周波電力を供給する高周波電源とを具備し、処理容器または第2の電極は、複数の領域を有する。そして、それぞれの領域について、高周波電源からの高周波電圧に対して異なったインピーダンスを与える。これにより、その領域を通って高周波電流の導通路が形成され、処理装置内の特定の領域で例えばクリーニングのような所望の処理を行なうことが可能な処理装置が実現する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電極間に高周波(RF)電力を与えて処理を行なう処理装置、それに用いられる載置台、および処理方法に係り、特に、処理装置内の特定の領域で所望の処理を行なうのに適する処理装置、それに用いられる載置台、および処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスなどの電子部品を製造するためのプロセスのひとつとして、電極間に高周波電力を与えて成膜処理などを行なう処理装置が利用されている。このような処理装置は、例えば、気密に構成された装置内の電極間に高周波電力を与えて装置内に供給される原料ガスをプラズマ化し、プラズマ中に含まれる中性励起粒子のラジカルの化学反応で生じた生成物質を成膜の材料とする。
【0003】
成膜が、被処理体である例えば半導体ウエハ上になされるように条件を設定するのはもちろんであるが、実際には、処理装置の内壁や被処理体を載置するための載置台側面などにも、通常は、成膜がなされる。このような望まれない形成膜は、堆積して剥がれ落ちると処理に対する汚染源になるのでクリーニングが必要である。
【0004】
クリーニングのひとつの方法として、特開平10−149989号公報記載のものがある。この方法では、処理チャンバとは異なる遠隔に設けられたチャンバ(遠隔チャンバ)でクリーニングガスに高周波を投入し(プラズマ化処理を行ない)、ラジカルを発生させる。このラジカルを輸送して処理チャンバに導入し、ラジカルとクリーニング対象となる膜成分とを反応させてガス化し、このガスを処理チャンバから排出する。ここで、ラジカルを輸送する間にこれが失活するとクリーニング効率が確保できないので、処理チャンバ内に導入されたあと再び処理チャンバにある電極を用いてプラズマ化処理を行なう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記公知文献では、しかしながら、クリーニングすべき部位それぞれでのクリーニング効率について言及するところがない。一般に、クリーニングすべき部位には、処理ガスを導入するシャワーヘッド回りを含めた処理チャンバの内壁や被処理体たる半導体ウエハを載置する載置台の上面部や側面部などがある。これらのクリーニングすべき部位でのクリーニング効率は、上記公知文献の開示内容では必ずしも同一にはならない。これは、クリーニングガスの導入やその再活性化の方法に起因してクリーニングガスのラジカルが装置の各部位付近で均一には分布し得ないからである。
【0006】
ラジカルの密度が大きい場所付近の部位ではクリーニングが早く進行し、ラジカルの密度が小さい場所付近の部位では相対的にクリーニングが遅く進行する。すべてのクリーニングを完了するには、遅く進行する部位を基準にクリーニングするしかないが、この場合には、過度のクリーニング処理により部位によっては意図しない反応が生じ装置ダメージが発生することが考えられる。このようなダメージが発生するのではクリーニングとして好ましくない。また、ダメージを回避するようにクリーニング時間を制限すると部位によって不十分はクリーニングとなる。
【0007】
また、一般的に、プラズマ処理では、発生させるプラズマの密度により成膜種が限定される場合がある。このため、電極間に高周波電力を与えて成膜処理を行なう装置では、電極間に高周波電力を与えプラズマを発生させるのみでは、プラズマの密度が不足し成膜できない膜種が存在する。
【0008】
本発明は、上記の事情を考慮してなされたもので、電極間に高周波電力を与えて処理を行なう処理装置、それに用いられる載置台、および処理方法において、処理装置内の特定の領域で所望の処理を行なうことが可能な処理装置、それに用いられる載置台、および処理方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係る処理装置は、気密に構成された処理容器と、前記処理容器内に設けられた第1の電極と、前記処理容器内に設けられ、前記第1の電極と対向する第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に高周波電力を供給する高周波電源とを具備し、前記処理容器は、非導電部材で隔てられ、前記処理容器内部に面する複数の領域を有することを特徴とする。
【0010】
すなわち、処理容器と第1、第2の電極と高周波電源とを有する処理装置であって、処理容器には、複数の領域があり、複数の領域同士は非導電部材で隔てられかつそのそれぞれが処理容器内部に面している。このような構成であると、処理容器にそれぞれの領域について、高周波電源からの高周波電圧に対して異なったインピーダンスを与えることが容易である。例えば、それぞれの領域から処理容器外部に異なったインピーダンス要素を接続すれば、各領域は非導電部材で隔てられているので上記のような状態になる。
【0011】
さらに、それぞれの領域が処理容器内部に面しているので、処理容器内部に形成される膜のうちより成長がなされているものが存在する領域について、重点的にクリーニングすることも容易である。すなわち、例えば、その領域に接続されるインピーダンス要素をより低インピーダンスにすれば、その領域を通って高周波電流の導通路が形成され、よってその領域付近の処理容器内部にプラズマが発生しクリーニングガスを活性化または再活性化することができるからである。
【0012】
したがって、処理で生じる装置内の不要堆積膜を部位によって所望にクリーニングすることが可能、すなわち処理装置内の特定の領域で所望の処理を行なうことが可能な処理装置を提供できる。
【0013】
また、本発明に係る処理装置は、気密に構成された処理容器と、前記処理容器内に設けられた第1の電極と、前記第1の電極に対向して設けられ、第2の電極を有する被処理体載置台と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に高周波電力を供給する高周波電源とを具備し、前記被処理体載置台の前記第2の電極は、分離した複数の領域を有することを特徴とする。
【0014】
すなわち、処理容器と第1の電極と第2の電極を有する被処理体載置台と高周波電源とを有する処理装置であって、第2の電極は、分離した複数の領域がある。このような構成であると、第2の電極のそれぞれの領域について、高周波電源からの高周波電圧に対して異なったインピーダンスを与えることが容易である。例えば、それぞれの領域から処理容器外部に異なったインピーダンス要素を接続すれば、各領域は分離しているので上記のような状態になる。
【0015】
さらに、第2の電極は被処理体載置台に設けられているので、被処理体載置台上や側面に形成される膜のうちより成長がなされているものが存在する被処理体載置台領域について、重点的にクリーニングすることも容易である。すなわち、例えば、その被処理体載置台領域により近接する第2の電極に接続されるインピーダンス要素をより低インピーダンスにすれば、その被処理体載置台領域を通って高周波電流の導通路が形成され、よってその被処理体載置台領域付近にプラズマが発生しクリーニングガスを活性化または再活性化することができるからである。
【0016】
また、第2の電極が被処理体載置台に設けられているので、被処理体近辺にプラズマ領域を集中させてこれを発生させることも可能である。すなわち、例えば、被処理体により近接する第2の電極に接続されるインピーダンス要素をより低インピーダンスにすれば、その被処理体を介して高周波電流の導通路が形成され、よって被処理体付近に密度の高いプラズマが発生し形成膜種の増加やエッチング処理の高品質化なども実現する。
【0017】
したがって、処理装置内の特定の領域で所望の処理を行なうことが可能な処理装置を提供できる。
【0018】
また、本発明に係る処理装置は、気密に構成された処理容器と、前記処理容器内に設けられた第1の電極と、前記第1の電極に対向して設けられ、第2の電極を有する被処理体載置台と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に高周波電力を供給する高周波電源とを具備し、前記処理容器および前記第2の電極には、それぞれ可変インピーダンス回路が接続されていることを特徴とする。
【0019】
すなわち、処理容器と第1の電極と第2の電極を有する被処理体載置台と高周波電源とを有する処理装置であって、処理容器および第2の電極には、それぞれ可変インピーダンス回路が接続されている。このような構成であると、処理容器と第2の電極(被処理体載置台)それぞれについて、高周波電源からの高周波電圧に対して異なったインピーダンスを与えることができる。
【0020】
これにより、処理容器、第2の電極のうち、接続されるインピーダンス要素がより低インピーダンスものの方に高周波電流の導通路が形成され、よってその部位(処理容器か被処理体載置台のいずれか)付近の処理容器内部にプラズマを発生させクリーニングガスを活性化または再活性化することができる。
【0021】
また、被処理体載置台上の被処理体近辺にプラズマ領域を集中させてこれを発生させることもできる。すなわち、例えば、第2の電極に接続されるインピーダンス要素をより低インピーダンスにすれば、処理容器側を介する高周波電力の導通を阻止し、よって被処理体付近に密度の高いプラズマが発生し形成膜種の増加やエッチング処理の高品質化なども実現する。
【0022】
したがって、処理装置内の特定の領域で所望の処理を行なうことが可能な処理装置を提供できる。
【0023】
また、本発明に係る載置台は、被処理基板をほぼ水平姿勢で載置可能な載置部材と、前記載置部材に設けられた第1の電極と、前記載置部材に設けられ、前記第1の電極と絶縁された第2の電極とを具備することを特徴とする。
【0024】
すなわち、載置部材に設けられた第1、第2の電極は絶縁されているので、第1、第2の電極に近接する載置部材それぞれの領域を通過して、高周波電源からの高周波電圧に対して異なったインピーダンスを与えることが容易である。例えば、それぞれの電極から処理容器外部に異なったインピーダンス要素を接続すれば、各電極は絶縁しているので上記のような状態になる。
【0025】
これにより、載置台上や側面に形成される膜のうちより成長がなされているものが存在する載置台領域について、重点的にクリーニングすることが容易である。すなわち、例えば、その載置台領域により近接する電極(上記第1か第2の電極)に接続されるインピーダンス要素をより低インピーダンスにすれば、その載置台領域を通って高周波電流の導通路が形成され、よってその載置台領域にプラズマが発生しクリーニングガスを活性化まはた再活性化することができるからである。
【0026】
また、載置台上の被処理体近辺にプラズマ領域を集中させてこれを発生させることも可能である。すなわち、例えば、被処理体により近接する電極(上記第1か第2の電極)に接続されるインピーダンス要素をより低インピーダンスにすれば、その被処理体を介して高周波電流の導通路が形成され、よって被処理体付近に密度の高いプラズマが発生し形成膜種の増加やエッチング処理の高品質化などが実現される。
【0027】
したがって、載置台上の特定の領域で所望の処理を行なうことが可能な載置台を提供できる。
【0028】
また、本発明に係る処理方法は、処理ガスを処理容器に導入する工程と、領域に分けられた、前記処理容器および前記処理容器内部に設けられた被処理体載置台の、前記分けられた少なくとも一つを他の領域より低いインピーダンス要素に接続された状態に保持する工程と、前記保持された状態下で、前記処理容器内部に設けられた電極に高周波電力を供給する工程とを具備することを特徴とする。
【0029】
すなわち、処理容器および被処理体載置台の分けられた少なくとも一つの領域を他の領域より低いインピーダンス要素に接続された状態に保持する。このような状態で、処理容器内部に設けられた電極に高周波電力を供給すると、接続されるインピーダンス要素がより低インピーダンスものの方に高周波電流の導通路が形成される。よって、その領域付近の処理容器内部にプラズマが発生しクリーニングガスを活性化または再活性化することができる。また、被処理体付近に密度の高いプラズマを発生させ形成膜種の増加やエッチング処理の高品質化なども実現する。
【0030】
したがって、処理装置内の特定の領域で所望の処理を行なうことが可能な処理方法を提供できる。
【0031】
なお、処理容器および被処理体載置台の領域の分け方には、処理容器を複数の領域に分けることや被処理体載置台を複数の領域に分けることのほか、処理容器と被処理体載置台とに分けることも含まれる。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明の処理装置の実施態様として、前記複数の領域は、その少なくとも一つが可変インピーダンス回路に接続されている。可変インピーダンス回路をあらかじめ装置として保有するものである。可変インピーダンス回路としては、その一部に単なる導線を含ませインピーダンスをゼロにすることを意図するものであってもよい。本願において、インピーダンスとは、Z=R+jX(ω)で定義される複素量であり、ここで、Rは純抵抗分、X(ω)は周波数により変化するリアクタンス分である(現実の回路では、厳密にはRも周波数により変化する)。また、可変インピーダンスとは、周波数固定でインピーダンス値が変化するの意である。これらは以下でも同様である。
【0033】
また、本発明の処理装置の実施態様として、前記分離した複数の領域は、その少なくとも一つが可変インピーダンス回路に接続されている。これも、可変インピーダンス回路をあらかじめ装置として保有するものである。
【0034】
また、本発明の処理装置は、実施態様として、前記処理容器の内部に連通する処理空間を有する遠隔処理容器をさらに具備する。あらかじめクリーニングガスを活性化処理する遠隔処理容器を装置として保有するものである。
【0035】
また、本発明の載置台の実施態様として、前記第1の電極は、前記載置部材の前記被処理基板が位置すべき部位の中心直下を含む位置に設けられ、前記第2の電極は、前記載置部材の前記被処理基板が位置すべき部位の中心直下を含まない位置に設けられる。載置部材を被処理基板が位置すべき部位とそれ以外に分け、それらに対応して電極を設けるものである。被処理基板が位置すべき部位とそれ以外とでは、典型的に堆積する膜の成長度が異なるのでこれに対応するためである。また被処理基板に近接する空間に密度の高いプラズマを発生させるためである。
【0036】
以下では本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置を模式的に示す構成図であり、そのうち処理容器の部分については垂直断面を示すものである。
【0037】
図1に示すように、このプラズマ処理装置は、内部に気密な処理室を構成する処理容器11a、11b、11cと、この処理容器内の構成である、上部電極(第1の電極)12、載置台13、下部電極(第2の電極)14、載置台支持柱15、上部電極絶縁部材17を有する。ここで、上部電極12には、円盤状の中空12aが存在し、またこの中空12aを介してガスを処理室内に導入する細孔12bが多数(すなわちシャワーヘッドが)存在する。処理容器11a、11b、11cは、互いに絶縁部25、26を介して領域に分けられている。
【0038】
また、処理容器11a、11b、11cまたはその中の上記構成に接続して、ガス供給管16、ガス供給系22、上部電極電源23、上部電極側マッチング回路24、排気用バルブ18、ターボ分子ポンプ19、排気管20、排気系21、ゲートバルブ29、遠隔処理容器27、バルブ28を有する。複数の領域に分けられた処理容器11a、11b、11cは、そのそれぞれが可変インピーダンス要素としての可変インピーダンス回路30a、30b、30cを介してグラウンドに接続されている。下部電極14には、可変インピーダンス回路31が接続されている。
【0039】
処理容器11a、11b、11cは、例えば表面がアルマイト処理された円筒状のアルミニウムからなり、その天井部に上部電極12が設けられ、底面部中央には載置台13を支持する載置台支持柱15が起立して設けられる。上部電極12は、処理容器11cとの間に存在する環状の上部電極絶縁部材17により処理容器11cから絶縁されて配設される。
【0040】
上部電極12は、被処理基板10に対向する側が、例えば導電性の単結晶シリコンや表面をアルマイト処理されたアルミニウムで構成される円盤状の形状である。上部電極12には、内部に円盤状の中空12bが配置され、中空12bから上部電極12を貫通して細孔12bがほぼ上下方向に多数設けられる。なお、中空12bには、ガス供給管16から導入されるガスを拡散する拡散板が配設されてもよい。
【0041】
処理容器11a、11b、11c内で上部電極12に対向する位置には、内部に円形板状の下部電極14を有する円盤状の載置台13が配置される。載置台13は、被処理面を上に向けた被処理基板10を載置、保持することができ、それ自体は絶縁性の例えばセラミクスやポリイミドなどからなる。
【0042】
上部電極12の上側にはガスを供給するガス供給管16が設けられ、上部電極12の中空12aに通じている。ガス供給管16は、ガス供給系22に接続されており、これにより所定のガスを所定の量だけ処理室に導入することができる。
【0043】
また、上部電極12には、上部電極側マッチング回路24を介して上部電極電源23が電気的に接続されており、これにより、インピーダンス整合された例えば13.56MHzの高周波(RF)電圧を上部電極12に印加することができる。この印加電圧により、上部電極12の細孔12bを通して処理容器11a、11b、11c内に導入されたガスをプラズマ化することができる(または、後述する遠隔処理容器27からバルブ28を介して導入されたガスをプラズマ化処理する。)。
【0044】
処理容器11aの底面側には排気用バルブ18が設けられ、排気用バルブ18は、ターボ分子ポンプ19に接続される。さらにターボ分子ポンプ19は、排気管20を介して排気系21に接続される。これにより、処理容器11a、11b、11c内でプラズマ処理を行なう時に処理室を所定の圧力に減圧することができる。また、処理(成膜処理、クリーニング処理)中またはこれを終了したあとには残留するガスを排出することができる。
【0045】
また、処理容器11bの側面には、被処理基板10を搬入・搬出するためのゲートバルブ29が設けられる。被処理基板10を搬入または搬出する場合には、開状態とされたゲートバルブ29を介して例えばロボットアームにより被処理基板26が出し入れされる。
【0046】
さらに、処理容器11cの側面上部には、バルブ28を介して遠隔処理容器27が接続して設けられる。遠隔処理容器27は、例えばクリーニングガスをプラズマ処理して励起し、発生したラジカルを含むガスをバルブ28を介して処理容器11a、11b、11c内に供給することができる。
【0047】
下部電極14には、処理容器11a、11b、11cの外部で可変インピーダンス回路31が電気的に接続され、場合により下部電極14を通して高周波電流を導通しやすくしたり導通しにくくすることができる。導通しやすくすると、被処理基板10に近接して内部のガスを原料としてプラズマがより発生し、所定の成膜処理に適する状態となる。導通しにくくすると、後述するように処理容器11a、11b、11cのいずれか一つ以上に近接して内部のガスを原料としてよりプラズマを発生させることができる状態となる。これについては次に述べる。
【0048】
処理容器11a、11b、11cは、例えば図示するように、ほぼ処理室の円筒底面を占める部分、処理室側面における上部電極12下面の水準よりほぼ下を占める部分、ほぼそれより上の部分に分けられていて、それらの分割領域はそれぞれ内壁が処理室に面している。これらの電気的分割は、周状に配設された絶縁部25、26によって確保される。処理容器11a、11b、11cには、それぞれ、可変インピーダンス回路30a、30b、30cが接続され、これにより、分割された任意の処理容器部分について、高周波電流の導通しやすい状態と導通しにくい状態とを得ることができる。
【0049】
下部電極14について高周波電流が導通しにくくされている場合には、処理容器11a、11b、11cのうちいずれか高周波電流の導通しやすいものを介して上部電極12に印加された高周波電力が内部のガスに供給される状態となる。内部のガスは、これによってプラズマ化されてラジカルが生じる(または失活したガスを再びラジカル化する)。したがって、ガスがクリーニングガスである場合には、処理容器11a、11b、11cのうちいずれか高周波電流の導通しやすいものの内壁に堆積した膜とより反応し、部位によって所望にクリーニングすることが可能である。
【0050】
次に、上記構成を説明したプラズマ処理装置の一連の動作を説明する。まず、被処理基板10に所定の成膜を行なうプロセスの例として、プラズマCVDでSiO膜を形成する場合を説明する。
【0051】
ゲートバルブ29を介して被処理基板10を載置台13上に載置し、ターボ分子ポンプ19他の排気系21により処理室内を所定の圧力に設定しつつ、原料ガスをガス供給系22から処理室内に導入する。例えば、圧力を70Pa程度、原料ガスをTEOS(テトラエチルオルソシリケート)およびOとする。TEOSの供給量を100sccm(sccmは、標準時換算での立方センチメートル毎分)、Oの供給量を100ないし200sccmとする。なお、遠隔処理容器27は、この成膜処理では使用しないのでバルブ28は閉状態としておく。
【0052】
また、各可変インピーダンス回路30a、30b、30c、31は、それぞれ、例えば最も小さいインピーダンス(理想的にはゼロ)になるように設定しておく。この状態で、上部電極12に高周波電圧を上部電極電源23から印加し供給電力を例えば500Wとして処理室内部に導入された上記ガスをプラズマ化する。
【0053】
これにより、プラズマ化されたガス中にラジカル(励起種)が生じて互いに反応し、被処理基板10の表面にはSiO膜が形成される。この処理においては、上部電極12に対向して配置された被処理基板10上に最も効率的にSiO膜が形成されるが、処理容器11a、11b、11cの内壁にも徐々にSiO膜が堆積・形成される。
【0054】
なお、以上のようなプラズマCVDによる被処理基板10上への成膜は、原料ガスを選択しかつ圧力などのプロセス条件を所定に設定することにより、種々の膜種について行なうことができる。ほとんどすべての場合、処理容器11a、11b、11cの内壁にも徐々にその膜が堆積・形成されることは、同様である。
【0055】
次に、上記構成を説明したプラズマ処理装置内部のクリーニング処理を説明する。例としてクリーニング対象をSiO膜とする。クリーニングすべきSiO膜は、処理容器11a、11b、11cの内壁に多く存在し、比較して載置台13表面には少ない。これは、成膜処理中において、載置台13上には、被処理基板10が載置されているからである。
【0056】
クリーニングガスとしてNFを用意し、これを遠隔処理容器27内に導入しプラズマ化処理する。このプラズマ化処理によりプラズマ中にラジカルが生じる。このラジカルを含むガスをバルブ28を介して処理容器11a、11b、11c内に導入する。処理容器11a、11b、11c内の圧力を例えば100Paとし、上記ガスの導入量を500sccmとする。以上の操作によるのみでも、処理室内のクリーニングを一応は行なうことができる。導入されたガス中のラジカルがSiOと反応し反応生成物がガス化するからである。ガス化した反応生成物は、ターボ分子ポンプ19他の排気系21により処理室から排出される。
【0057】
上記の操作のみでは、しかしながら、処理室内部の部位それぞれについて一様かつ十分にクリーニングすることは難しい。一つは、遠隔処理容器27で発生されたラジカルが処理容器11a、11b、11cに輸送されることにより一部失活するので効率的反応が確保されないからである。もうひとつは、処理室内に導入されたクリーニングガスの流れが一様にはならないので、処理室内部の各部位近くに存在するラジカルの密度に違いが生じるからである。
【0058】
そこで、このプラズマ処理装置では、上部電極12から高周波電力(例えば500W程度)を供給して上記導入されたクリーニングガスをプラズマ処理して再び活性化する。このとき、特に各インピーダンス回路30a、30b、30c、31のインピーダンス値を通常とは変化させる。インピーダンス値は、すでに説明のように、処理容器11a、11b、11c、および下部電極14に接続される各インピーダンス回路30a、30b、30c、31について独立に設定できる。
【0059】
相対的に大きいインピーダンス値にされたインピーダンス回路に接続を有する部位では、高周波電流が流れにくくなり、したがってその部位近くでのクリーニングガスの再活性化はより小さい。これに対し、相対的に小さいインピーダンス値にされたインピーダンス回路に接続を有する部位では、高周波電流が流れやすくなり、したがってその部位近くでのクリーニングガスの再活性化はより大きい。
【0060】
載置台13の表面に堆積・形成されたSiO膜はより少ない量であり、クリーニングの必要性がより小さい。そこで載置台13に接続された可変インピーダンス回路31のインピーダンス値を通常より大きくする。これに対して、処理容器11a、11b、11cの内壁には、より多量のSiO膜が堆積・形成されるのでこれを重点的にクリーニングする。そこで、処理容器11a、11b、11cに接続された可変インピーダンス回路30a、30b、30cの方を順繰りにまたは同時により低インピーダンスにする。
【0061】
これにより、クリーニング処理による内部の各部位へのダメージを避けつつ、適切な範囲(部位的、時間的)で各部位をクリーニングすることが可能となる。特に、載置台13は、通常であれば上部電極12に最も近い位置にあり、クリーニングガスの再活性化により最もダメージが心配されるが、この実施形態では、載置台13に近接してクリーニングガスの再活性化を避けることができ、好都合である。
【0062】
なお、以上のクリーニングの説明では、遠隔処理容器27であらかじめプラズマ化処理されたクリーニングガスを処理容器11a、11b、11cにバルブ28を介して輸送し、さらにクリーニングガスを処理室内で再活性化する方法を説明したが、クリーニングガスの処理室内への導入は、シャワーヘッドたる上部電極12を用いてガス供給系22から行なうようにしてもよい。
【0063】
また、クリーニングガスは、クリーニング対象の膜材質により適宜選択することができる。例えば、W、Tiなどの膜には、クリーニングガスとして上記でも述べたNFなどのフッ素系ガスやトリフロロ酢酸などの有機フッ素系のガス、Ti、Cr、Alなどの膜には、例えばClなどの塩素系ガスを用いることができる。
【0064】
さらには、処理容器11a、11b、11cの図1に示したような分割のし方は、これに限られるものではない。特にクリーニング効果を向上したい部位について分割するように全体として2以上の領域に分割構成することができる。その際、周方向に同一領域となるような分割にするに限らず放射状に分割することもできる。分割された中の一つの領域についてインピーダンスが可変されるようにされていればその領域についてダメージの回避または重点的なクリーニングが実現する。
【0065】
また、プラズマ処理装置としては、載置台13が被処理基板10の下面に接するように配設される必要はない。例えば、被処理基板10の周縁部3点を点状で支持するような支持部材であってもよい。その場合には、可変インピーダンス回路31は、必ずしも設けられなくてもよい。クリーニング処理においてダメージを避ける必要がある、上記説明のような例えばセラミクスやポリイミドを有する載置台13がないからである。
【0066】
図2は、図1中に示した絶縁部25の具体例を示す断面で示す構成図である。図2において、図1と同一の部位には同一番号を付してある。
【0067】
図2に示すように、処理容器11aと処理容器11bとの間は、起立した周状部分を内側に有する円環状の絶縁体41によって電気的に絶縁される。そして、絶縁体41と処理容器11aとは、オーリング42によりシールされ、絶縁体41と処理容器11bとは、オーリング43によりシールされる。オーリング42、43は、ともに絶縁体41に沿って周状に設けられている。絶縁体41には、例えば、セラミクスやフッ素系の樹脂を用いることができる。
【0068】
絶縁部25について、その組立ての手順に従ってさらに構成を説明する。まず、処理容器11aのみが存在する状態であるとする。処理容器11aには、オーリング42用の溝が周状に切ってあり、その周外側に沿って何箇所かのボルト44a、44b用のねじ穴が設けられている。
【0069】
処理容器11aの上記溝にオーリング42を嵌め込み、さらにこの嵌め込まれたオーリング42を処理容器11aとの間にはさみ込むように絶縁体41の円環状部分を対向させる。この状態で、ボルト44a、44bを絶縁体41を介して処理容器11aにねじ込むことにより、絶縁体41と処理容器11aとの固定およびシールが確保される。
【0070】
次に、処理容器11bの上記溝にオーリング43を嵌め込み、さらにこの嵌め込まれたオーリング43を絶縁体41との間にはさみ込むように処理容器11bを絶縁体41の円環状部分に対向させる。この状態で、ボルト45a、45bを絶縁体41を介して処理容器11bにねじ込むことにより、処理容器11bと絶縁体41との固定およびシールが確保される。
【0071】
以上により、処理容器11a、絶縁体41、処理容器11bの固定、シールを行なうことができる。このような構造によりシール性を確保した上で処理容器11aと同11bとの電気的絶縁をすることができる。
【0072】
図3は、図1中に示した絶縁部26の具体例を示す断面で示す構成図である。図3において、図1と同一の部位には同一番号を付してある。この構造は、考え方としてほぼ図2に示すものと同様のものであるが、以下一応説明する。
【0073】
図3に示すように、処理容器11bと処理容器11cとの間は、起立した周状部分を外側に有する円環状の絶縁体51によって電気的に絶縁される。そして、絶縁体51と処理容器11bとは、オーリング52によりシールされ、絶縁体51と処理容器11cとは、オーリング53によりシールされる。オーリング52、53は、ともに絶縁体51に沿って周状に設けられている。絶縁体51には、例えば、セラミクスやフッ素系の樹脂を用いることができる。
【0074】
絶縁部26について、その組立ての手順に従ってさらに構成を説明する。まず、処理容器11bのみが存在する状態であるとする。処理容器11bには、オーリング52用の溝が周状に切ってあり、その上側かつ処理容器11bとしての内面側に何箇所かのボルト54a、54b用のねじ穴が設けられている。
【0075】
処理容器11bの上記溝にオーリング52を嵌め込み、さらにこの嵌め込まれたオーリング52を処理容器11bとの間にはさみ込むように絶縁体51の起立した周状部分を対向させる。この状態で、ボルト54a、54bを絶縁体51を介して処理容器11bにねじ込むことにより、絶縁体51と処理容器11bとの固定およびシールが確保される。
【0076】
次に、処理容器11cの上記溝にオーリング53を嵌め込み、さらにこの嵌め込まれたオーリング53を絶縁体51との間にはさみ込むように処理容器11cを絶縁体51の起立した周状部分に対向させる。この状態で、ボルト55a、55bを絶縁体51を介して処理容器11cにねじ込むことにより、処理容器11cと絶縁体51との固定およびシールが確保される。
【0077】
以上により、処理容器11b、絶縁体51、処理容器11cの固定、シールを行なうことができる。このような構造によりシール性を確保した上で処理容器11bと同11cとの電気的絶縁をすることができる。
【0078】
図4は、図1中に示した可変インピーダンス回路30a(30b、30c、31)の具体例を示す回路図である。図4(a)は、可変のCvと固定のLとによる直列共振回路であり、これに接続される部位に高周波電流を導通させたいとき(成膜処理時またはクリーニング処理時の両者あり得る。以下でも同。)には、その高周波ωにおいて回路が共振するようにCvを変化させる。また、これに接続される部位に高周波電流を導通させたくない場合には、その高周波ωにおいて回路が非共振になるようにCvを変化させる。
【0079】
なお、図4(a)に示すような直列共振回路のインピーダンスは、Z=jX(ω)の形になり純抵抗分がゼロとなるが、実際の回路では、CvやLに損失があるため実部たる純抵抗分はゼロではなく、一般的にはこの実部も周波数特性を有する。
【0080】
図4(b)は、定インピーダンスZの回路(ここで定インピーダンスとは、周波数が固定した場合にはインピーダンス値が固定するの意味であり、周波数が変化すれば一般的に当然インピーダンス値が変わる。)とインピーダンスゼロ回路とをスイッチ回路SWでスイッチさせることによる可変インピーダンス回路である。すなわち、スイッチSWが図示の位置では定インピーダンスZの回路として機能し、図示を反対の位置ではインピーダンスゼロの回路として機能する。すなわち、この可変インピーダンス回路に接続される部位に高周波電流を導通させたいときには、スイッチSWを図示とは反対の位置に切換え、高周波電流を導通させたくないときには、スイッチSWを図示の位置に切換える。
【0081】
なお、図4(b)で定インピーダンス回路Zは、図示するように、CsとLsとの直列共振回路、CpとLpとの並列共振回路、抵抗Rの2端子回路などを用いることができる。また、定インピーダンス回路Zのインピーダンス値を微調整するために、各素子を値可変素子に入れ換えてもよい。または、定インピーダンス回路Zを複数(Z1、Z2、…)設け、かつスイッチSWを多接点タイプのものに変えて、各定インピーダンスZ1、Z2、…の各一端をスイッチSWの各接点に接続するようにしてもよい。このような構成で得られるインピーダンス値の微調整は、各部位でのクリーニング効率の微調整に利用することができる。
【0082】
図5は、図1中に示した遠隔処理容器27の構成例を模式的に示す図である。図5に示すように、遠隔処理容器27は、例えばアルミナ管271の外側を導線272が巻き付け、導線272の両端が高周波電源273に接続された構成を有する。
【0083】
クリーニングガスを活性化する場合には、アルミナ管271内にクリーニングガスが導入された状態で高周波電源273から高周波電力を与える。例えばその周波数は13.56MHz、電力値は1kWである。これにより、クリーニングガス中にプラズマが発生しかつこれにより効率よくラジカルを作り出すことができる。ラジカルを含むクリーニングガスは、すでに説明のようにバルブ28を介して処理容器11a、11b、11c(図1)に供給される。
【0084】
次に、図1に示したものとは異なる本発明の実施形態を図6を参照して説明する。図6は、本発明の別の実施形態に係るプラズマ処理装置を模式的に示す構成図であり、すでに説明した構成には同一番号を付してある。なお、すでに説明した部分については説明を省略する。
【0085】
この実施形態では、図1に示した実施形態と異なり、載置台13に配設される下部電極について領域分割を行なっている。すなわち、下部電極は、下部電極14a、14bに分割され、それぞれは、電気的に絶縁されている。
【0086】
下部電極14aは、被処理基板10の中心直下を含むように円形円板の形状に設けられ、下部電極14bは、被処理基板10の中心直下を含まないように下部電極14aの外側に円環状に設けられる。それぞれの下部電極14a、14bからは独立に可変インピーダンス回路31a、31bに接続がなされる。
【0087】
このような構成にすることにより、クリーニングすべき膜が堆積・形成されやすい載置台13の周縁部や側面部に近接する空間で選択的にクリーニングガスの再活性化(あるいは活性化)を行なうことができるようになる。すなわち、すでに説明したように、クリーニングガスの再活性化(あるいは活性化)のためには、その空間を通って高周波電流の導通路が確保されるようにすればよい。
【0088】
そこで、周縁部や側面部に近接する下部電極14bに接続される可変インピーダンス回路31bをより低インピーダンスとし、それ以外に近接する下部電極14aに接続される可変インピーダンス回路31aをより高インピーダンスにする。なお、可変インピーダンス回路31a、31bには、すでに述べた図4に示した回路を用いることができる。
【0089】
また、この実施形態では、下部電極14a、14bが分割して載置台13に設けられているので、被処理基板10近辺にプラズマ領域を特に集中させて発生させるという使い方もできる。すなわち、例えば、被処理基板10により近接する下部電極14aに接続される可変インピーダンス回路31aをより低インピーダンスにすれば、その被処理基板10を介して高周波電流の導通路が形成され、よって被処理基板10付近に密度の高いプラズマが発生し形成膜種の増加を実現できる。また、同様の考えをプラズマ処理装置としてのエッチング装置に適用した場合には、エッチング処理の高品質化も実現する。
【0090】
このようなプラズマ領域の集中による成膜の例としてSiOFの成膜を説明する。通常、SiOFの成膜には、高密度プラズマが必要でありいわゆる平行平板のプラズマ処理装置では、この種の成膜はできない。しかし、図6に示すプラズマ処理装置では、下部電極14bより下部電極14aについて高周波電流が流れやすい条件にすることにより、より集中したプラズマ領域が形成され得るので、これが可能になる。
【0091】
例えば、原料ガスをSiF、SiH、Oの3種とし、処理室内部の圧力を5ないし15Paとする。処理室内部に供給する原料ガスの量をSiF、SiH、Oについてそれぞれ、100sccm、50sccm、200sccmとして、上部電極12に供給する高周波電力を1500ないし2000Wとすると、被処理基板10上にSiOFの成膜がなされるものである。
【0092】
したがって、この実施形態に係るプラズマ処理装置では、装置内の被処理基板10上という特定の領域で通常とは異なる所望の処理を行なうことが可能になるという効果もある。なお、この実施形態では、処理容器11については、絶縁体による領域分割を行っていないが、図1に示した実施形態と同様に処理容器11についても領域分割してもよい。これによれば、図1に示した実施形態の効果をも得ることができる。
【0093】
次に、図1、図6に示したものとは異なる本発明の実施形態を図7を参照して説明する。図7は、本発明のさらに別の実施形態に係るプラズマ処理装置を模式的に示す構成図であり、すでに説明した構成には同一番号を付してある。なお、すでに説明した部分については説明を省略する。
【0094】
この実施形態では、図1、図2に示した実施形態と異なり、下部電極14に可変インピーダンス回路31が接続され、処理容器11に接続されて可変インピーダンス回路30が存在する。可変インピーダンス回路30、31には、図4に示したような回路を用いることができる。
【0095】
このように、処理容器11に領域分割がなく、下部電極14にも分割領域がない場合であっても、少なくとも、載置台13にダメージを与えるようなクリーニングを回避することができる。すなわち、下部電極14に接続される可変インピーダンス回路31をより高インピーダンスとし、処理容器11に接続される可変インピーダンス回路30をより低インピーダンスとする。
【0096】
これによれば、クリーニングガスの再活性化(または活性化)を処理容器11に近接する空間で行なうことになるので、載置台13に対するクリーニングのダメージを回避しつつ、処理容器11の内壁に対してクリーニングの効果を得ることができる。
【0097】
また、載置台13上の被処理基板10近辺にプラズマ領域を集中させて発生させるという効果も期待できる。すなわち、例えば、下部電極14に接続される可変インピーダンス回路31をより低インピーダンスにすれば、処理容器11側を介する高周波電力の導通を阻止し、よって被処理基板10付近に密度の高いプラズマが発生するからである。これにより、プラズマ処理装置として、形成膜種の増加やエッチング処理の高品質化なども実現する可能性がある。
【0098】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、処理容器にそれぞれの領域について、または載置台のそれぞれの領域について、または処理容器と載置台とについて、高周波電源からの高周波電圧に対して異なったインピーダンスを与えることが容易である。これにより、その領域等に接続されるインピーダンス要素をより低インピーダンスにすれば、その領域を通って高周波電流の導通路が形成され、よってその領域付近の処理容器内部にプラズマが発生しクリーニングガスや原料ガスを活性化または再活性化することができる。したがって、処理装置内の特定の領域で所望の処理を行なうことが可能な処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置を模式的に示す構成図。
【図2】図1中に示した絶縁部25の具体例を示す断面で示す構成図。
【図3】図1中に示した絶縁部26の具体例を示す断面で示す構成図。
【図4】図1中に示した可変インピーダンス回路30a(30b、30c、31)の具体例を示す図。
【図5】図1中に示した遠隔処理容器27の構成例を模式的に示す図。
【図6】本発明の別の実施形態に係るプラズマ処理装置を模式的に示す構成図。
【図7】本発明のさらに別の実施形態に係るプラズマ処理装置を模式的に示す構成図。
【符号の説明】
10…被処理基板 11、11a、11b、11c…処理容器 12…上部電極 12a…中空 12b…細孔 13…載置台 14、14a、14b…下部電極 15…載置台支持柱 16…ガス供給管 17…上部電極絶縁部材 18…排気用バルブ 19…ターボ分子ポンプ 20…排気管 21…排気系 22…ガス供給系 23…上部電極電源 24…上部電極側マッチング回路 25、26…絶縁部 27…遠隔処理容器 28…バルブ 29…ゲートバルブ 30、30a、30b、30c…可変インピーダンス回路 31、31a、31b…可変インピーダンス回路 41、51…絶縁体 42、43、52、53…オーリング 44a、44b、45a、45b、54a、54b、55a、55b…ボルト 271…アルミナ管 272…導線 273…高周波電源

Claims (9)

  1. 気密に構成された処理容器と、
    前記処理容器内に設けられた第1の電極と、
    前記処理容器内に設けられ、前記第1の電極と対向する第2の電極と、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間に高周波電力を供給する高周波電源とを具備し、
    前記処理容器は、非導電部材で隔てられ、前記処理容器内部に面する複数の領域を有する
    ことを特徴とする処理装置。
  2. 前記複数の領域は、その少なくとも一つが可変インピーダンス回路に接続されていることを特徴とする請求項1記載の処理装置。
  3. 気密に構成された処理容器と、
    前記処理容器内に設けられた第1の電極と、
    前記第1の電極に対向して設けられ、第2の電極を有する被処理体載置台と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に高周波電力を供給する高周波電源とを具備し、
    前記被処理体載置台の前記第2の電極は、分離した複数の領域を有する
    ことを特徴とする処理装置。
  4. 前記分離した複数の領域は、その少なくとも一つが可変インピーダンス回路に接続されていることを特徴とする請求項3記載の処理装置。
  5. 気密に構成された処理容器と、
    前記処理容器内に設けられた第1の電極と、
    前記第1の電極に対向して設けられ、第2の電極を有する被処理体載置台と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に高周波電力を供給する高周波電源とを具備し、
    前記処理容器および前記第2の電極には、それぞれ可変インピーダンス回路が接続されていることを特徴とする処理装置。
  6. 前記処理容器の内部に連通する処理空間を有する遠隔処理容器をさらに具備することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項記載の処理装置。
  7. 被処理基板をほぼ水平姿勢で載置可能な載置部材と、
    前記載置部材に設けられた第1の電極と、
    前記載置部材に設けられ、前記第1の電極と絶縁された第2の電極と
    を具備することを特徴とする載置台。
  8. 前記第1の電極は、前記載置部材の前記被処理基板が位置すべき部位の中心直下を含む位置に設けられ、
    前記第2の電極は、前記載置部材の前記被処理基板が位置すべき部位の中心直下を含まない位置に設けられる
    ことを特徴とする請求項7記載の載置台。
  9. 処理ガスを処理容器に導入する工程と、
    領域に分けられた、前記処理容器および前記処理容器内部に設けられた被処理体載置台の、前記分けられた少なくとも一つを他の領域より低いインピーダンス要素に接続された状態に保持する工程と、
    前記保持された状態下で、前記処理容器内部に設けられた電極に高周波電力を供給する工程と
    を具備することを特徴とする処理方法。
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