JP2004094121A - 鍵盤楽器の脚取付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】脚を棚板に所定の向きで強固にかつ容易に取り付けることができる鍵盤楽器の脚取付構造を提供する。
【解決手段】鍵盤3を載置する棚板4に脚7を取り付ける鍵盤楽器の脚取付構造であって、棚板4の左右方向の端部には、上下方向に貫通する取付孔8aが形成されており、脚7の上面に固定され、棚板4よりも上方に突出した状態で、取付孔8aに挿通された取付ボルト20と、取付ボルト20にねじ込まれ、締め付けられることにより、脚7を棚板4に固定するナット23と、を備えている。
【選択図】 図2
【解決手段】鍵盤3を載置する棚板4に脚7を取り付ける鍵盤楽器の脚取付構造であって、棚板4の左右方向の端部には、上下方向に貫通する取付孔8aが形成されており、脚7の上面に固定され、棚板4よりも上方に突出した状態で、取付孔8aに挿通された取付ボルト20と、取付ボルト20にねじ込まれ、締め付けられることにより、脚7を棚板4に固定するナット23と、を備えている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、楽器本体を床上に支持するための脚を、鍵盤を載置する棚板に取り付ける鍵盤楽器の脚取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のアップライトピアノには、棚板の下面の左右端部の前部(以下、演奏者の手前側を「前側」とする)に、ピアノ本体を支持するための一対の棚受柱を取り付けたものがある。図7に示すように、このアップライトピアノでは、金属製の棚板51が、左右一対の腕木52、52の間に配置されており、その左右端部が、腕木52、52の内面に取り付けられた棚板止木53、53に、ねじ51a、51aによってそれぞれ固定されている(同図には右端部のみ図示)。また、棚板51の左右端部にはそれぞれ、溶接金具54が側方に突出するように取り付けられており、各溶接金具54には、上下方向に貫通するねじ孔54aが形成されている。各棚受柱55は曲線状に形成されている。また、棚受柱55の上面には、取付ボルト56が上方に突出した状態で埋め込まれ、固定されている。
【0003】
以上の構成の棚受柱55は、棚板51に次のようにして取り付けられる。すなわち、棚受柱55全体を回転させながら、取付ボルト56を溶接金具54のねじ孔54aにねじ込み、締め付けることによって、棚受柱55が取り付けられる。また、棚受柱55は、曲線状に形成されており、所定の向きで棚板51に取り付ける必要がある。これに対して、取付ボルト56が棚受柱55と一体であることから、取付ボルト56をねじ孔54aに完全に締め付けたときに、棚受柱55が所定の向きになるのは極めてまれなので、通常、その修正作業が次のように行われる。すなわち、取付ボルト56を緩め、棚受柱55を所定の向きに合わせた後、その向きを保ちながら、例えば計3本の固定ねじ(図示せず)を棚板止木53を介して棚受柱55にねじ込み、締め付ける。以上により、棚受柱55が所定の向きに保持された状態で棚板51に取り付けられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来のアップライトピアノでは、棚受柱55を棚板51に取り付けるための溶接金具54が棚板51に別個に取り付けられているので、その分、部品点数が増加してしまう。また、取付ボルト56を最後まで締め付けたときに棚受柱55が所定の向きでないときには、その状態から取付ボルト56を緩める必要があるので、棚受柱55と棚板51の間に隙間が生じてしまい、その結果、棚受柱55ががたつきやすい。さらに、棚受柱55を所定の向きに保持するために、固定ねじを棚受柱55にねじ込まなければならないので、棚受柱55の取付作業が非常に煩雑である。以上のような、部品点数の増加および棚受柱55の取付作業の煩雑化により、アップライトピアノの製造コストが高くなってしまう。また、棚受柱55の上面に、取付ボルト56を埋め込むことに加え、計3本もの固定ねじがねじ込まれることから、棚受柱55の上端部の断面積が減少するので、その強度を十分に確保できないおそれがある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、脚を棚板に所定の向きで強固にかつ容易に取り付けることができる鍵盤楽器の脚取付構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、請求項1による発明は、鍵盤を載置する棚板に脚を取り付ける鍵盤楽器の脚取付構造であって、棚板の左右方向の端部には、上下方向に貫通する取付孔が形成されており、脚の上面に固定され、棚板よりも上方に突出した状態で、取付孔に挿通された取付ボルトと、取付ボルトにねじ込まれ、締め付けられることにより、脚を棚板に固定するナットと、を備えていることを特徴とする。
【0007】
この楽器の脚取付構造によれば、脚の上面に固定された取付ボルトを、棚板に形成された取付孔に挿通させ、棚板よりも上方に突出する取付ボルトに、ナットをねじ込み、締め付けることによって、脚が棚板に取り付けられる。したがって、脚を棚板に密着させた状態で強固に取り付けることができる。また、棚板から上方に突出する取付ボルトに、ナットを上方からねじ込み、締め付けるだけでよいので、脚を棚板に容易に取り付けることができる。さらに、脚を取り付けるための取付孔が棚板に形成されているので、そのための従来の溶接金具は不要になり、その分、部品点数を削減できる。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の鍵盤楽器の脚取付構造において、棚板は、楽器本体に設けられた棚板止木に下方から固定されることによって、楽器本体に取り付けられており、棚板止木は、取付孔に連続する挿通孔と、挿通孔に連続し、上方に開放する収容凹部とを有し、ナットは、収容凹部内に収容されていることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、棚板を楽器本体に取り付けるための棚板止木に、取付孔に順に連続する挿通孔および収容凹部が形成されており、ナットは、この収容凹部内に突出した取付ボルトに上方からねじ込まれ、収容凹部内に収容されている。このため、脚の取付用のナットを、既存の棚板止木を利用しながら、棚板止木から突出させずに、コンパクトに配置することができる。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の鍵盤楽器の脚取付構造において、脚は、鉛直方向の軸線回りに所定の角度で取り付けられるべき方向性を有していることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、脚が鉛直方向の軸線回りに所定の角度で取り付けられるべき方向性を有している。このような場合、取付ボルトを取付孔に挿通させた後、ナットを締め付ける前に、脚を取り付けられるべき所定の角度に調節するだけで、脚を所定の向きで容易に取り付けることができる。その結果、脚を所定の向きに保持するための従来の固定ねじが不要になるので、脚の強度を十分に確保できるとともに、脚の取付作業を簡略化できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明を適用したアップライトピアノを示している。このアップライトピアノでは、従来のものと同様、ピアノ本体1(楽器本体)の左右端部に設けられた一対の腕木2、2の間に、鍵盤3を載置するための棚板4が配置されている。具体的には、図2に示すように、棚板4は、腕木2、2の内面に固定された左右の棚板止木5、6(図4および図5参照)に固定されている。また、棚板4の下面の左右の前端部には、ピアノ本体1を支持するための一対の棚受柱7、7(脚)が取り付けられている。
【0013】
棚板4は、金属製のものであり、図3に示すように、左右方向に延びる前後一対の棚板レール8、8と、複数(例えば6本)の棚板中束9とを組み立てることによって、井桁状に構成されている。各棚板レール8および各棚板中束9は、「ロ」の字状の断面を有し、中空状に形成されている。前側の棚板レール8の左右端部には、その上壁および下壁を上下方向に貫通するように、棚受柱7を取り付けるための取付孔8aがそれぞれ形成されている。取付孔8aは、後述する取付ボルト20よりも若干大きな所定の径を有している。外側の棚板中束9、9の前部には、取付孔8aの付近に、その上壁および下壁を上下方向に貫通するように、棚板4を両棚板止木5、6に固定するための棚板取付孔9aがそれぞれ形成されている。
【0014】
図4および図5に示すように、左右の棚板止木5、6は、矩形状のものであり、左棚板止木5は、右棚板止木6よりも、左右方向の幅が長い。これは、それらの上にそれぞれ載せられた状態で設けられる左右の拍子木25、26の幅の相違に対応したものである。左棚板止木5の左前端部には、棚板4の取付孔8aに対応する位置に、棚受柱7を取り付けるための挿通孔10が、上下方向に貫通するように形成されている。挿通孔10は、棚板4の取付孔8aと同じ径を有している。また、左棚板止木5には、後述するナット23を収容するための収容凹部11が、挿通孔10の上方に連続し、上方に開放するように形成されている。さらに、左棚板止木5には、棚板4の棚板取付孔9aに対応する位置に、棚板4を取り付けるための下孔12が形成されている。また、左棚板止木5には、左右方向に貫通する計3つのねじ止め孔13が、その前後方向の中心とその前後に等間隔に並んで形成されている。前側のねじ止め孔13は、収容凹部11のすぐ後ろ側に重ならないように配置されている。各ねじ止め孔13は、腕木2側の小径部13aと、座ぐり部13bを介して小径部13aに連続する大径部13cによって構成されている。
【0015】
同様に、右棚板止木6には、取付孔8aに対応する位置に挿通孔10および収容凹部11が、棚板取付孔9aに対応する位置に下孔12がそれぞれ形成されている。また、右棚板止木6には、左右方向に貫通する計3つのねじ止め孔13が、前後方向に等間隔に並んで形成されている。
【0016】
以上の構成により、棚板4は、次のようにして一対の腕木2、2間に固定される。まず、左右の棚板止木5、6の各ねじ止め孔13にタッピングねじ(図示せず)を通して腕木2にねじ込み、さらに接着剤を併用することによって、左右の棚板止木5、6を腕木2の所定位置に固定する。次に、棚板4の各取付孔8aおよび各棚板取付孔9aを対応する棚板止木5、6の挿通孔10および下孔12にそれぞれ合致させた状態で、タッピングねじ(図示せず)を、棚板取付孔9aを介して下孔12にねじ込み、締め付ける。以上により、棚板4が左右の棚板止木5、6を介して腕木2、2に固定される。この状態では、棚板4は、その前面が腕木2の前面よりも後ろ側に位置するとともに、その下面が腕木2の下面と面一になる。
【0017】
棚受柱7は、木材で構成され、図6に示すように、鉛直方向の軸線に対して非対称な装飾的な所定の曲線形状を有しており、このため、鉛直方向の軸線回りに所定の角度で取り付けられるべき方向性を有している。棚受柱7の上面には、取付ボルト20が埋め込まれている。取付ボルト20は、その下部にピッチが比較的大きなタッピングねじ部20aを、その上部に、ピッチがより小さな機械ねじ部20bをそれぞれ有しており、タッピングねじ部20aが棚受柱7の上面にねじ込まれ、機械ねじ部20bが上方に突出している。この突出量は、棚板4と左右の棚板止木5、6との厚さの和よりも若干小さな値に設定されている。
【0018】
以上の構成の棚受柱7は、棚板4に次のようにして取り付けられる。すなわち、取付ボルト20を棚板4の取付孔8aおよび棚板止木5、6の挿通孔10に挿通させ、収容凹部11内に突出させ、取付ボルト20にワッシャ21およびスプリングワッシャ22をはめる。次に、棚受柱7が取り付けられるべき所定の向きになるようにその角度を調節する。そして、棚受柱7を調節した角度に保持したまま、収容凹部11内に突出した取付ボルト20に、ナット23を、上方からねじ込み、ワッシャ21およびスプリングワッシャ22を介して締め付けることにより、棚受柱7が棚板4に取り付けられる。
【0019】
以上のように、本実施形態によれば、収容凹部11内に突出した取付ボルト20に、ナット23が上方からねじ込まれ、締め付けられるので、棚受柱7を棚板4に密着させた状態で強固に取り付けることができる。また、棚受柱7の棚板4への取付は、取付孔8aおよび挿通孔10に挿通させた取付ボルト20に、ナット23を上方から締め付けるだけで、容易に行うことができる。さらに、棚受柱7を取り付けるための取付孔8aが棚板4に形成されているので、そのための従来の溶接金具は不要になり、その分、部品点数を削減できる。また、取付ボルト20にねじ込まれたナット23が収容凹部11内に収容されるので、棚受柱7の取付用のナット23を、既存の棚板止木5、6を利用しながら、両棚板止木5、6から突出させずに、コンパクトに配置することができ、その上に拍子木25、26を支障なく設けることができるとともに、取付ボルト20およびナット23が拍子木25、26に覆われるので、外観にも全く影響を及ぼさない。さらに、取付ボルト20を挿通孔10および取付孔8aに挿通させた後、ナット23を締め付ける前に、棚受柱7を所定の角度に調節するだけで、棚受柱7を所定の向きで容易に取り付けることができる。その結果、棚受柱7を所定の向きに保持するための従来の固定ねじが不要になるので、棚受柱7の強度を十分に確保できるとともに、棚受柱7の取付作業を簡略化することができる。
【0020】
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、本実施形態では、本発明をアップライトピアノに適用しているが、本発明は、他の鍵盤楽器に適用することが可能であり、特に、装飾が施されることにより、脚が取り付けられるべき方向性を有する鍵盤楽器、例えばチェンバロなどに適用することによって、本発明の効果をより有効に得ることができる。また、実施形態における脚の取付の方向性は、その形状の非対称性によるものであるが、これに限らず、その模様や色彩などの非対称性により取付の方向性を有する脚に、本発明を適用してもよい。さらに、実施形態の棚受柱7は、その下面が接地するタイプのものであるが、下端部が妻土台に取り付けられるタイプの棚受柱に本発明を適用してもよい。また、実施形態の棚板4は、金属製のものであるが、木製のものでもよいことは勿論である。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
【0021】
【発明の効果】
以上のように、本発明の鍵盤楽器の脚取付構造によれば、脚を棚板に所定の向きで強固にかつ容易に取り付けることができるなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したアップライトピアノの斜視図である。
【図2】ピアノ本体および棚受柱の右端部を示す部分正面図である。
【図3】棚板の平面図である。
【図4】左棚板止木の平面図である。
【図5】右棚板止木の平面図である。
【図6】棚受柱の正面図である。
【図7】従来のピアノ本体および棚受柱の右端部を示す部分正面図である。
【符号の説明】
1 ピアノ本体(楽器本体)
3 鍵盤
4 棚板
5 左棚板止木
6 右棚板止木
7 棚受柱(脚)
8a 取付孔
10 挿通孔
11 収容凹部
20 取付ボルト
23 ナット
【発明の属する技術分野】
本発明は、楽器本体を床上に支持するための脚を、鍵盤を載置する棚板に取り付ける鍵盤楽器の脚取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のアップライトピアノには、棚板の下面の左右端部の前部(以下、演奏者の手前側を「前側」とする)に、ピアノ本体を支持するための一対の棚受柱を取り付けたものがある。図7に示すように、このアップライトピアノでは、金属製の棚板51が、左右一対の腕木52、52の間に配置されており、その左右端部が、腕木52、52の内面に取り付けられた棚板止木53、53に、ねじ51a、51aによってそれぞれ固定されている(同図には右端部のみ図示)。また、棚板51の左右端部にはそれぞれ、溶接金具54が側方に突出するように取り付けられており、各溶接金具54には、上下方向に貫通するねじ孔54aが形成されている。各棚受柱55は曲線状に形成されている。また、棚受柱55の上面には、取付ボルト56が上方に突出した状態で埋め込まれ、固定されている。
【0003】
以上の構成の棚受柱55は、棚板51に次のようにして取り付けられる。すなわち、棚受柱55全体を回転させながら、取付ボルト56を溶接金具54のねじ孔54aにねじ込み、締め付けることによって、棚受柱55が取り付けられる。また、棚受柱55は、曲線状に形成されており、所定の向きで棚板51に取り付ける必要がある。これに対して、取付ボルト56が棚受柱55と一体であることから、取付ボルト56をねじ孔54aに完全に締め付けたときに、棚受柱55が所定の向きになるのは極めてまれなので、通常、その修正作業が次のように行われる。すなわち、取付ボルト56を緩め、棚受柱55を所定の向きに合わせた後、その向きを保ちながら、例えば計3本の固定ねじ(図示せず)を棚板止木53を介して棚受柱55にねじ込み、締め付ける。以上により、棚受柱55が所定の向きに保持された状態で棚板51に取り付けられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来のアップライトピアノでは、棚受柱55を棚板51に取り付けるための溶接金具54が棚板51に別個に取り付けられているので、その分、部品点数が増加してしまう。また、取付ボルト56を最後まで締め付けたときに棚受柱55が所定の向きでないときには、その状態から取付ボルト56を緩める必要があるので、棚受柱55と棚板51の間に隙間が生じてしまい、その結果、棚受柱55ががたつきやすい。さらに、棚受柱55を所定の向きに保持するために、固定ねじを棚受柱55にねじ込まなければならないので、棚受柱55の取付作業が非常に煩雑である。以上のような、部品点数の増加および棚受柱55の取付作業の煩雑化により、アップライトピアノの製造コストが高くなってしまう。また、棚受柱55の上面に、取付ボルト56を埋め込むことに加え、計3本もの固定ねじがねじ込まれることから、棚受柱55の上端部の断面積が減少するので、その強度を十分に確保できないおそれがある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、脚を棚板に所定の向きで強固にかつ容易に取り付けることができる鍵盤楽器の脚取付構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、請求項1による発明は、鍵盤を載置する棚板に脚を取り付ける鍵盤楽器の脚取付構造であって、棚板の左右方向の端部には、上下方向に貫通する取付孔が形成されており、脚の上面に固定され、棚板よりも上方に突出した状態で、取付孔に挿通された取付ボルトと、取付ボルトにねじ込まれ、締め付けられることにより、脚を棚板に固定するナットと、を備えていることを特徴とする。
【0007】
この楽器の脚取付構造によれば、脚の上面に固定された取付ボルトを、棚板に形成された取付孔に挿通させ、棚板よりも上方に突出する取付ボルトに、ナットをねじ込み、締め付けることによって、脚が棚板に取り付けられる。したがって、脚を棚板に密着させた状態で強固に取り付けることができる。また、棚板から上方に突出する取付ボルトに、ナットを上方からねじ込み、締め付けるだけでよいので、脚を棚板に容易に取り付けることができる。さらに、脚を取り付けるための取付孔が棚板に形成されているので、そのための従来の溶接金具は不要になり、その分、部品点数を削減できる。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の鍵盤楽器の脚取付構造において、棚板は、楽器本体に設けられた棚板止木に下方から固定されることによって、楽器本体に取り付けられており、棚板止木は、取付孔に連続する挿通孔と、挿通孔に連続し、上方に開放する収容凹部とを有し、ナットは、収容凹部内に収容されていることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、棚板を楽器本体に取り付けるための棚板止木に、取付孔に順に連続する挿通孔および収容凹部が形成されており、ナットは、この収容凹部内に突出した取付ボルトに上方からねじ込まれ、収容凹部内に収容されている。このため、脚の取付用のナットを、既存の棚板止木を利用しながら、棚板止木から突出させずに、コンパクトに配置することができる。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の鍵盤楽器の脚取付構造において、脚は、鉛直方向の軸線回りに所定の角度で取り付けられるべき方向性を有していることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、脚が鉛直方向の軸線回りに所定の角度で取り付けられるべき方向性を有している。このような場合、取付ボルトを取付孔に挿通させた後、ナットを締め付ける前に、脚を取り付けられるべき所定の角度に調節するだけで、脚を所定の向きで容易に取り付けることができる。その結果、脚を所定の向きに保持するための従来の固定ねじが不要になるので、脚の強度を十分に確保できるとともに、脚の取付作業を簡略化できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明を適用したアップライトピアノを示している。このアップライトピアノでは、従来のものと同様、ピアノ本体1(楽器本体)の左右端部に設けられた一対の腕木2、2の間に、鍵盤3を載置するための棚板4が配置されている。具体的には、図2に示すように、棚板4は、腕木2、2の内面に固定された左右の棚板止木5、6(図4および図5参照)に固定されている。また、棚板4の下面の左右の前端部には、ピアノ本体1を支持するための一対の棚受柱7、7(脚)が取り付けられている。
【0013】
棚板4は、金属製のものであり、図3に示すように、左右方向に延びる前後一対の棚板レール8、8と、複数(例えば6本)の棚板中束9とを組み立てることによって、井桁状に構成されている。各棚板レール8および各棚板中束9は、「ロ」の字状の断面を有し、中空状に形成されている。前側の棚板レール8の左右端部には、その上壁および下壁を上下方向に貫通するように、棚受柱7を取り付けるための取付孔8aがそれぞれ形成されている。取付孔8aは、後述する取付ボルト20よりも若干大きな所定の径を有している。外側の棚板中束9、9の前部には、取付孔8aの付近に、その上壁および下壁を上下方向に貫通するように、棚板4を両棚板止木5、6に固定するための棚板取付孔9aがそれぞれ形成されている。
【0014】
図4および図5に示すように、左右の棚板止木5、6は、矩形状のものであり、左棚板止木5は、右棚板止木6よりも、左右方向の幅が長い。これは、それらの上にそれぞれ載せられた状態で設けられる左右の拍子木25、26の幅の相違に対応したものである。左棚板止木5の左前端部には、棚板4の取付孔8aに対応する位置に、棚受柱7を取り付けるための挿通孔10が、上下方向に貫通するように形成されている。挿通孔10は、棚板4の取付孔8aと同じ径を有している。また、左棚板止木5には、後述するナット23を収容するための収容凹部11が、挿通孔10の上方に連続し、上方に開放するように形成されている。さらに、左棚板止木5には、棚板4の棚板取付孔9aに対応する位置に、棚板4を取り付けるための下孔12が形成されている。また、左棚板止木5には、左右方向に貫通する計3つのねじ止め孔13が、その前後方向の中心とその前後に等間隔に並んで形成されている。前側のねじ止め孔13は、収容凹部11のすぐ後ろ側に重ならないように配置されている。各ねじ止め孔13は、腕木2側の小径部13aと、座ぐり部13bを介して小径部13aに連続する大径部13cによって構成されている。
【0015】
同様に、右棚板止木6には、取付孔8aに対応する位置に挿通孔10および収容凹部11が、棚板取付孔9aに対応する位置に下孔12がそれぞれ形成されている。また、右棚板止木6には、左右方向に貫通する計3つのねじ止め孔13が、前後方向に等間隔に並んで形成されている。
【0016】
以上の構成により、棚板4は、次のようにして一対の腕木2、2間に固定される。まず、左右の棚板止木5、6の各ねじ止め孔13にタッピングねじ(図示せず)を通して腕木2にねじ込み、さらに接着剤を併用することによって、左右の棚板止木5、6を腕木2の所定位置に固定する。次に、棚板4の各取付孔8aおよび各棚板取付孔9aを対応する棚板止木5、6の挿通孔10および下孔12にそれぞれ合致させた状態で、タッピングねじ(図示せず)を、棚板取付孔9aを介して下孔12にねじ込み、締め付ける。以上により、棚板4が左右の棚板止木5、6を介して腕木2、2に固定される。この状態では、棚板4は、その前面が腕木2の前面よりも後ろ側に位置するとともに、その下面が腕木2の下面と面一になる。
【0017】
棚受柱7は、木材で構成され、図6に示すように、鉛直方向の軸線に対して非対称な装飾的な所定の曲線形状を有しており、このため、鉛直方向の軸線回りに所定の角度で取り付けられるべき方向性を有している。棚受柱7の上面には、取付ボルト20が埋め込まれている。取付ボルト20は、その下部にピッチが比較的大きなタッピングねじ部20aを、その上部に、ピッチがより小さな機械ねじ部20bをそれぞれ有しており、タッピングねじ部20aが棚受柱7の上面にねじ込まれ、機械ねじ部20bが上方に突出している。この突出量は、棚板4と左右の棚板止木5、6との厚さの和よりも若干小さな値に設定されている。
【0018】
以上の構成の棚受柱7は、棚板4に次のようにして取り付けられる。すなわち、取付ボルト20を棚板4の取付孔8aおよび棚板止木5、6の挿通孔10に挿通させ、収容凹部11内に突出させ、取付ボルト20にワッシャ21およびスプリングワッシャ22をはめる。次に、棚受柱7が取り付けられるべき所定の向きになるようにその角度を調節する。そして、棚受柱7を調節した角度に保持したまま、収容凹部11内に突出した取付ボルト20に、ナット23を、上方からねじ込み、ワッシャ21およびスプリングワッシャ22を介して締め付けることにより、棚受柱7が棚板4に取り付けられる。
【0019】
以上のように、本実施形態によれば、収容凹部11内に突出した取付ボルト20に、ナット23が上方からねじ込まれ、締め付けられるので、棚受柱7を棚板4に密着させた状態で強固に取り付けることができる。また、棚受柱7の棚板4への取付は、取付孔8aおよび挿通孔10に挿通させた取付ボルト20に、ナット23を上方から締め付けるだけで、容易に行うことができる。さらに、棚受柱7を取り付けるための取付孔8aが棚板4に形成されているので、そのための従来の溶接金具は不要になり、その分、部品点数を削減できる。また、取付ボルト20にねじ込まれたナット23が収容凹部11内に収容されるので、棚受柱7の取付用のナット23を、既存の棚板止木5、6を利用しながら、両棚板止木5、6から突出させずに、コンパクトに配置することができ、その上に拍子木25、26を支障なく設けることができるとともに、取付ボルト20およびナット23が拍子木25、26に覆われるので、外観にも全く影響を及ぼさない。さらに、取付ボルト20を挿通孔10および取付孔8aに挿通させた後、ナット23を締め付ける前に、棚受柱7を所定の角度に調節するだけで、棚受柱7を所定の向きで容易に取り付けることができる。その結果、棚受柱7を所定の向きに保持するための従来の固定ねじが不要になるので、棚受柱7の強度を十分に確保できるとともに、棚受柱7の取付作業を簡略化することができる。
【0020】
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、本実施形態では、本発明をアップライトピアノに適用しているが、本発明は、他の鍵盤楽器に適用することが可能であり、特に、装飾が施されることにより、脚が取り付けられるべき方向性を有する鍵盤楽器、例えばチェンバロなどに適用することによって、本発明の効果をより有効に得ることができる。また、実施形態における脚の取付の方向性は、その形状の非対称性によるものであるが、これに限らず、その模様や色彩などの非対称性により取付の方向性を有する脚に、本発明を適用してもよい。さらに、実施形態の棚受柱7は、その下面が接地するタイプのものであるが、下端部が妻土台に取り付けられるタイプの棚受柱に本発明を適用してもよい。また、実施形態の棚板4は、金属製のものであるが、木製のものでもよいことは勿論である。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
【0021】
【発明の効果】
以上のように、本発明の鍵盤楽器の脚取付構造によれば、脚を棚板に所定の向きで強固にかつ容易に取り付けることができるなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したアップライトピアノの斜視図である。
【図2】ピアノ本体および棚受柱の右端部を示す部分正面図である。
【図3】棚板の平面図である。
【図4】左棚板止木の平面図である。
【図5】右棚板止木の平面図である。
【図6】棚受柱の正面図である。
【図7】従来のピアノ本体および棚受柱の右端部を示す部分正面図である。
【符号の説明】
1 ピアノ本体(楽器本体)
3 鍵盤
4 棚板
5 左棚板止木
6 右棚板止木
7 棚受柱(脚)
8a 取付孔
10 挿通孔
11 収容凹部
20 取付ボルト
23 ナット
Claims (3)
- 鍵盤を載置する棚板に脚を取り付ける鍵盤楽器の脚取付構造であって、
前記棚板の左右方向の端部には、上下方向に貫通する取付孔が形成されており、
前記脚の上面に固定され、前記棚板よりも上方に突出した状態で、前記取付孔に挿通された取付ボルトと、
前記取付ボルトにねじ込まれ、締め付けられることにより、前記脚を前記棚板に固定するナットと、
を備えていることを特徴とする鍵盤楽器の脚取付構造。 - 前記棚板は、楽器本体に設けられた棚板止木に下方から固定されることによって、前記楽器本体に取り付けられており、
前記棚板止木は、前記取付孔に連続する挿通孔と、当該挿通孔に連続し、上方に開放する収容凹部とを有し、
前記ナットは、前記収容凹部内に収容されていることを特徴とする、請求項1に記載の鍵盤楽器の脚取付構造。 - 前記脚は、鉛直方向の軸線回りに所定の角度で取り付けられるべき方向性を有していることを特徴とする、請求項1または2に記載の鍵盤楽器の脚取付構造。
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JP2002257983A JP2004094121A (ja) | 2002-09-03 | 2002-09-03 | 鍵盤楽器の脚取付構造 |
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Cited By (1)
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JP2020071389A (ja) * | 2018-10-31 | 2020-05-07 | 株式会社河合楽器製作所 | 鍵盤楽器の脚柱及び脚柱取付構造 |
-
2002
- 2002-09-03 JP JP2002257983A patent/JP2004094121A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020071389A (ja) * | 2018-10-31 | 2020-05-07 | 株式会社河合楽器製作所 | 鍵盤楽器の脚柱及び脚柱取付構造 |
JP7162497B2 (ja) | 2018-10-31 | 2022-10-28 | 株式会社河合楽器製作所 | 鍵盤楽器の脚柱及び脚柱取付構造 |
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