JP2004091723A - ポリ(アリーレンケトン)及びその製法とそのビフェニレン誘導体モノマー - Google Patents
ポリ(アリーレンケトン)及びその製法とそのビフェニレン誘導体モノマー Download PDFInfo
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Abstract
【課題】ポリ(アリーレンケトン)に関し、耐熱性を維持しつつ非晶性を賦与し耐酸性と耐酸化性・耐薬品性を高めるための高分子分子構造、その製造方法及びそれに適したモノマー。
【解決手段】ビフェニレン単位のo−位及びo’−位にエーテル結合を介して親電子芳香族置換反応に対して不活性な芳香族部位含有原子団が結合し、エーテル結合を持つ炭素のp−位の炭素が親電子攻撃の受けやすいビフェニレン分子誘導体を一方のモノマーとし、ジカルボン酸又はその誘導体を他方のモノマーとして、ジカルボン酸モノマーのアシルカチオン又はその等価体を発生させることを経てビフェニレン誘導体のビフェニレン芳香環とケトン結合を生成する反応により高分子鎖を伸長させる高分子量体の製造方法、及び主鎖にエーテル結合を持たず、主鎖の共役系は共平面を作らずに捩れを持ち、化学的に安定な芳香族部位含有側鎖を有するポリ(アリーレンケトン)骨格。
【選択図】 なし
【解決手段】ビフェニレン単位のo−位及びo’−位にエーテル結合を介して親電子芳香族置換反応に対して不活性な芳香族部位含有原子団が結合し、エーテル結合を持つ炭素のp−位の炭素が親電子攻撃の受けやすいビフェニレン分子誘導体を一方のモノマーとし、ジカルボン酸又はその誘導体を他方のモノマーとして、ジカルボン酸モノマーのアシルカチオン又はその等価体を発生させることを経てビフェニレン誘導体のビフェニレン芳香環とケトン結合を生成する反応により高分子鎖を伸長させる高分子量体の製造方法、及び主鎖にエーテル結合を持たず、主鎖の共役系は共平面を作らずに捩れを持ち、化学的に安定な芳香族部位含有側鎖を有するポリ(アリーレンケトン)骨格。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主鎖として芳香族環とケトンカルボニル基のみを有し、芳香環、ケトンカルボニル基、エーテル基等からなる側鎖を有するポリ(アリーレンケトン)の分子構造、それを製造する方法、そのモノマー分子の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリ(アリーレンケトン)は一般に耐熱性、耐薬品性に優れ、その中にはスーパーエンジニアリングプラスチックとして実用化されているものもある。ICI社のPEEK、PEKは熱可塑性樹脂の中で最も優れた耐熱性を持つものの一つである。また、ポリ(アリーレンケトン)は一般に耐薬品性において汎用の溶媒としては濃硫酸以外には溶解しないなど優れた性質を有している。そのため、成形用樹脂材料、フィルム材料、繊維形状材料、厳しい環境下で用いられる高性能材料などへの展開が期待されている。
【0003】
一方、前述のPEEKやPEKも含めポリ(アリーレンケトン)として知られているものの大部分は主鎖にエーテル結合を有するポリ(アリーレンエーテルケトン)の構造を有する。ポリ(アリーレンエーテルケトン)は熱可塑性高分子としては最も優れた耐熱性を持つが、半結晶性樹脂としての性質を示すため成形加工上の難点、主鎖にエーテル結合がある点で強酸性条件下での耐性に問題がある。
【0004】
ポリ(アリーレンエーテルケトン)の多くは求核芳香族置換反応により合成されている。この製造方法に関しても、求核芳香族置換重合は選択性が良好で均質な高分子量体を比較的得やすいという反面、モノマーの芳香族フッ素化物が高価なことが難点である。一方、それに替わりうる重合方法としての親電子芳香族置換アシル化反応は反応の進行に伴う中間生成オリゴマーが不活性化されること、さらにそれに応じた厳しい反応条件では選択性が維持できないことからこれまで特殊な系での反応しか知られていない。現在ポリ(アリーレンケトン)の用途は限定されたものであり、それはその物理的・科学的な性質と製造コスト面での制約に起因するものと思われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこでポリ(アリーレンケトン)について、その耐熱性を維持しつつ非晶性を賦与し、耐酸性と耐酸化性・耐薬品性を高めることを課題として考えた。そしてそれを実現するためにその物性を達成しうる高分子の分子構造の創製、その製造方法の開発、及びそれに適したモノマーの創製を計画した。
【0006】
【問題を解決するための手段】
ポリ(アリーレンケトン)について課題の解決のための分子設計を考えた。すなわち、主鎖にエーテル結合を有さないポリ(アリーレンケトン)骨格及び、化学的に安定な長い側鎖を有するポリ(アリーレンケトン)骨格である。さらに主鎖の共役系は共平面を作らず、捩れを持つ構造をとっていることである。
【0007】
これを実現するためのポリ(アリーレンケトン)の基本骨格として、ビフェニレン骨格を利用することを考えた。そこではビフェニレン単位のベンゼン環の少なくとも一方が1,4−フェニレン以外の構造となることが有効と考えられる。さらに、このようなポリマー骨格の構築のためには求核芳香族置換反応が使えないことから反応位置選択性の高い親電子芳香族置換アシル化反応のアシル親電子剤受容モノマーの開発が必要であった。
【0008】
このような条件を満たすモノマーとして、エーテル結合を介して2,2’−位に親電子攻撃に対して不活性な2つの共役系原子団を有するビフェニレン分子誘導体を考案した。すなわち、ビフェニレン単位の2つの環の結合位置のo−位及びo’−位にエーテル結合により親電子芳香族置換反応に対して不活性な原子団が結合している分子である。この構造では親電子攻撃の受けやすさに関しビフェニレンの2つの炭素、すなわちエーテル結合を持つ炭素のp−位の2箇所の炭素が他に比べて高い反応性を持っており、条件の設定によりこの2箇所のみを親電子芳香族置換反応部位と特定することができる。そこでこの構造の分子を一方のモノマーとし、ジカルボン酸あるいはその誘導体を他方のモノマーとして、ジカルボン酸モノマーのアシルカチオンあるいはその等価体を発生させることを経てビフェニレンの芳香環とケトン結合を生成する反応により高分子鎖を伸長させ高分子量体を得る高分子量体の製造を考案した。ここには、直接に親電子芳香族置換アシル化反応により重合させることに加え、ビフェニレンモノマーの親電子芳香族置換アシル化反応によるジカルボン酸モノマーの修飾を経た後に重合する方法、すなわち、モノマーのビフェニレン誘導体と、反応性官能基あるいはその前駆体官能基を有するカルボン酸あるいはカルボン酸誘導体を縮合反応させケトン結合を生成した後に残った官能基の反応あるいは別の分子との反応により高分子量体を得る方法も含んでいる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の一態様においては、主鎖が次式:
【0010】
【化6】
【0011】
(式中、Ar、Ar’は、それぞれ独立して、二価の芳香環基及び/又は一価の芳香環基と場合によりケトンカルボニル連結基とからなりその他の置換基を有してもよい炭素数13〜70の置換基であり、そしてΦは、二価の芳香環基からなり他の置換基を有してもよい炭素数6〜30の二価の連結基であるか、又は二価の芳香環基とケトンカルボニル基とからなりその他の置換基を有してもよい炭素数13〜70の二価の連結基である)
で示される繰り返し単位を含むことを特徴とするポリ(アリーレンケトン)を提供する。
【0012】
本発明のポリ(アリーレンケトン)において、Ar、Ar’は、それぞれ独立して、4−トリフルオロメチルフェニル、4−ベンゾイルフェニル、4−(4−ベンゾイルベンゾイル)フェニル、4−(3−ベンゾイルベンゾイル)フェニル、2−ベンゾイルフェニル、2−(4−ベンゾイルベンゾイル)フェニル、4−(2−ベンゾイルベンゾイル)フェニル、又は4−(4−トリフルオロメチルベンゾイル)フェニルであってもよい。
【0013】
また、Φは、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、若しくは1,2−フェニレンからなり他の置換基を有してもよい炭素数6〜30の二価の連結基であるか、又は1,4−フェニレンカルボニル−1,4−フェニレン若しくは1,4−フェニレンカルボニル−1,4−フェニレンカルボニル−1,4−フェニレンからなりその他の置換基を有してもよい炭素数13〜70の二価の連結基であってもよい。
【0014】
本発明の別の態様においては、次式:
【0015】
【化7】
【0016】
(式中、Ar、Ar’は、それぞれ独立して、二価の芳香環基及び/又は一価の芳香環基と場合によりケトンカルボニル連結基とからなりその他の置換基を有してもよい炭素数13〜70の置換基である)
で示される分子構造を有するビフェニレン誘導体を提供する。
【0017】
本発明のビフェニレン誘導体において、Ar、Ar’は、それぞれ独立して、4−トリフルオロメチルフェニル、4−ベンゾイルフェニル、4−(4−ベンゾイルベンゾイル)フェニル、4−(3−ベンゾイルベンゾイル)フェニル、2−ベンゾイルフェニル、2−(4−ベンゾイルベンゾイル)フェニル、4−(2−ベンゾイルベンゾイル)フェニル、又は4−(4−トリフルオロメチルベンゾイル)フェニルであってもよい。
【0018】
本発明のビフェニレン誘導体は反応位置を分子内の対称な部分に持つ必要はない。また、エーテル結合を介して有する2つの原子団が等価なものである必要はない。さらに、親電子芳香族置換反応に対して不活性な原子団とは、特定の条件下で特定の親電子試剤と反応しなければよく、その構造そのものに関し特定の不活性化官能基の存在を条件とするものではない。
【0019】
本発明の更に別の態様においては、次式:
【0020】
【化8】
【0021】
(式中、X及びX’は、水素、ヒドロキシ基、ハロゲン、メタンスルホニルオキシ(MsO)、p−トルエンスルホニルオキシ(TsO)、トリフルオロメタンスルホニルオキシ(TfO)、アルキルオキシ(RO)、及びアシルオキシ(RCOO)からなる群から独立して選択される一価の置換基であり、そして繰り返し単位の数を表すmは2以上の任意の整数である)
で示される、ポリ(アリーレンケトン)の製造方法であって、ビフェニレン誘導体とジカルボン酸(X−CO−Φ−CO−X’)又はその誘導体との縮合反応によるケトン結合生成により高分子量体化することを特徴とする方法を提供する。
【0022】
本発明の別の態様においては、次式:
【0023】
【化9】
【0024】
(式中、X及びX’は、水素、ヒドロキシ基、ハロゲン、メタンスルホニルオキシ(MsO)、p−トルエンスルホニルオキシ(TsO)、トリフルオロメタンスルホニルオキシ(TfO)、アルキルオキシ(RO)、及びアシルオキシ(RCOO)からなる群から独立して選択される一価の置換基であり、そして繰り返し単位の数を表すmは2以上の任意の整数である)
で示される、ポリ(アリーレンケトン)の製造方法であって、ビフェニレン誘導体に、反応性官能基若しくはその前駆体官能基を有するカルボン酸(X’−Φ−CO−X)又はカルボン酸誘導体を縮合反応させてケトン結合を生成させた後に残存官能基(X’)の結合生成により高分子量体化することを特徴とする方法を提供する。
【0025】
ここで、本明細書中で使用する「反応性官能基」とは、X,X’に相当する官能基であって、直接他の分子や原子団と反応して結合を作ったり、それ自身が別の官能基に変わりうる官能基をいう。また、「前駆体官能基」とは、それ自身では反応性官能基として働くことはないが、何らかの反応を施すことによって反応性官能基になりうる、不活性な状態の官能基をいう。
【0026】
本発明の更に別の態様においては、次式:
【0027】
【化10】
【0028】
(式中、Φ’は、Φと同じ条件の二価の連結基であり、Φと独立して選択され、X及びX’は、水素、ヒドロキシ基、ハロゲン、メタンスルホニルオキシ(MsO)、p−トルエンスルホニルオキシ(TsO)、トリフルオロメタンスルホニルオキシ(TfO)、アルキルオキシ(RO)、及びアシルオキシ(RCOO)からなる群から独立して選択される一価の置換基であり、X”は、アシルカチオンを与えうる官能基でハロゲン化カルボニル若しくはその等価体であるか、又はX’と同じ条件で独立して選択される官能基であり、Yは、ケトンカルボニル基又は原子のない単結合であり、そして繰り返し単位の数を表すmは2以上の任意の整数である)
で示される、ポリ(アリーレンケトン)の製造方法であって、ビフェニレン誘導体に、反応性官能基若しくはその前駆体官能基を有するカルボン酸(X’− Φ−CO−X)又はカルボン酸誘導体を縮合反応させてケトン結合を生成させた後に残存官能基(X’)と他の芳香族分子(X”−Φ’−X”)との結合生成により高分子量体化することを特徴とする方法を提供する。
【0029】
【実施例】
(実施例1)
二口ナスフラスコに回転子、2,2’−ビス(4−ベンゾイルフェノキシ)ビフェニル218mg、テレフタル酸クロリド81mg、1,2−ジクロロエタン2mLを加えた。2,2’−ビス(4−ベンゾイルフェノキシ)ビフェニルとテレフタル酸クロリドが完全に溶解したことを確認した後、窒素雰囲気下で塩化アルミニウム480mgを少量ずつ30分かけて加え、30時間かき混ぜた。反応混合物を水にあけて生成物をクロロホルム15mLで3回抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を留去した。生成物は再度クロロホルム5mLに溶解させた後、メタノール50mLに滴下し、再沈澱を行なうことでポリ(アリーレンケトン)を収率84%で生産した。
【0030】
製品の純度については以下に示す二つの方法により確認を行なった。すなわち、日本分光社製核磁気共鳴分光装置JNM−A500を用いた、製品の重クロロホルム溶液のプロトン核磁気共鳴スペクトル及びカーボン核磁気共鳴スペクトルの測定及び元素分析測定により行なった。
【0031】
(実施例2)
二口ナスフラスコに回転子、4−フルオロベンゾフェノン2.00g、2,2’−ビフェノール0.93g、炭酸カリウム2.07gを入れ、トルエンとN,N’−ジメチルアセトアミドの混合溶媒(1:1(vol.))40mL中でDean−Stark 装置を使って、24時間加熱還流した。反応終了後、冷却しながら5wt%水酸化ナトリウム水溶液40mL中に滴下し、クロロホルム80mLで3回抽出した。有機層は無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して乾固することで2,2’−ビス(4−ベンゾイルフェノキシ)ビフェニルを収率92%で生産した。
【0032】
製品の精製度:製品の純度については以下に示す二つの方法により確認を行なった。すなわち、日本分光社製核磁気共鳴分光装置JNM−A500を用いた、製品の重クロロホルム溶液のプロトン核磁気共鳴スペクトル及びカーボン核磁気共鳴スペクトルの測定及び元素分析測定により行なった。
【0033】
(実施例3)
二口ナスフラスコに回転子、2,2’−ビフェノール47mg、4−ベンゾイル−4’−フルオロベンゾフェノン152mg、炭酸カリウム104mg、トルエン1mL、N,N−ジメチルアセトアミド1mLを加えた。加熱還流下で48時間かき混ぜた。反応混合物は水酸化ナトリウム水溶液にあけて生成物をクロロホルム15mLで3回抽出した。有機層を水酸化ナトリウム水溶液30mLで2回、飽和食塩水30mLで1回順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を留去し、溶出液としてクロロホルムを使用し、シリカゲルカラム(クロロホルム)により分離することでモノマーを収率89%で生産した。
【0034】
(実施例4)
二口ナスフラスコに回転子、4’−ベンゾイル安息香酸クロリド3.55g、フルオロベンゼン11.79gを加えた。4’−ベンゾイル安息香酸クロライドがフルオロベンゼンに完全に溶解したのを確認した後、塩化アルミニウム8.00gを加え、加熱還流下で12時間かき混ぜた。反応混合物を氷水にあけ、そこに濃塩酸を滴下した後、生成物をクロロホルム50mLで3回抽出した。有機層を水100mLで2回、飽和食塩水100mLで1回順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を留去し、エタノールから再結晶を行うことで4−ベンゾイル−4’−フルオロベンゾフェノンを収率86%で生産した。
【0035】
製品の純度については以下に示す方法により確認を行なった。すなわち、日本分光社製核磁気共鳴分光装置JNM−A500を用いた、製品の重クロロホルム溶液のプロトン核磁気共鳴スペクトル及びカーボン核磁気共鳴スペクトルの測定により行なった。
【0036】
【発明の効果】
本発明により、ビフェニレン誘導体モノマーの2箇所の炭素を選択的に親電子芳香族置換アシル化反応に活性化させることができ、モノマー主鎖にエーテル結合を持たないポリ(アリーレンケトン)を合成する方法が提供されるという効果が生じる。本発明の製造方法に芳香環が連なったオリゴマーを側鎖とし、非晶性で耐熱性にすぐれたポリ(アリーレンケトン)を得る方法が確立できるという効果が生じる。本発明の製造方法では生成するポリ(アリーレンケトン)の構造の変更が容易であり、類似構造のポリ(アリーレンケトン)を容易に得ることのできる方法を提供するという効果が期待できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、主鎖として芳香族環とケトンカルボニル基のみを有し、芳香環、ケトンカルボニル基、エーテル基等からなる側鎖を有するポリ(アリーレンケトン)の分子構造、それを製造する方法、そのモノマー分子の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリ(アリーレンケトン)は一般に耐熱性、耐薬品性に優れ、その中にはスーパーエンジニアリングプラスチックとして実用化されているものもある。ICI社のPEEK、PEKは熱可塑性樹脂の中で最も優れた耐熱性を持つものの一つである。また、ポリ(アリーレンケトン)は一般に耐薬品性において汎用の溶媒としては濃硫酸以外には溶解しないなど優れた性質を有している。そのため、成形用樹脂材料、フィルム材料、繊維形状材料、厳しい環境下で用いられる高性能材料などへの展開が期待されている。
【0003】
一方、前述のPEEKやPEKも含めポリ(アリーレンケトン)として知られているものの大部分は主鎖にエーテル結合を有するポリ(アリーレンエーテルケトン)の構造を有する。ポリ(アリーレンエーテルケトン)は熱可塑性高分子としては最も優れた耐熱性を持つが、半結晶性樹脂としての性質を示すため成形加工上の難点、主鎖にエーテル結合がある点で強酸性条件下での耐性に問題がある。
【0004】
ポリ(アリーレンエーテルケトン)の多くは求核芳香族置換反応により合成されている。この製造方法に関しても、求核芳香族置換重合は選択性が良好で均質な高分子量体を比較的得やすいという反面、モノマーの芳香族フッ素化物が高価なことが難点である。一方、それに替わりうる重合方法としての親電子芳香族置換アシル化反応は反応の進行に伴う中間生成オリゴマーが不活性化されること、さらにそれに応じた厳しい反応条件では選択性が維持できないことからこれまで特殊な系での反応しか知られていない。現在ポリ(アリーレンケトン)の用途は限定されたものであり、それはその物理的・科学的な性質と製造コスト面での制約に起因するものと思われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこでポリ(アリーレンケトン)について、その耐熱性を維持しつつ非晶性を賦与し、耐酸性と耐酸化性・耐薬品性を高めることを課題として考えた。そしてそれを実現するためにその物性を達成しうる高分子の分子構造の創製、その製造方法の開発、及びそれに適したモノマーの創製を計画した。
【0006】
【問題を解決するための手段】
ポリ(アリーレンケトン)について課題の解決のための分子設計を考えた。すなわち、主鎖にエーテル結合を有さないポリ(アリーレンケトン)骨格及び、化学的に安定な長い側鎖を有するポリ(アリーレンケトン)骨格である。さらに主鎖の共役系は共平面を作らず、捩れを持つ構造をとっていることである。
【0007】
これを実現するためのポリ(アリーレンケトン)の基本骨格として、ビフェニレン骨格を利用することを考えた。そこではビフェニレン単位のベンゼン環の少なくとも一方が1,4−フェニレン以外の構造となることが有効と考えられる。さらに、このようなポリマー骨格の構築のためには求核芳香族置換反応が使えないことから反応位置選択性の高い親電子芳香族置換アシル化反応のアシル親電子剤受容モノマーの開発が必要であった。
【0008】
このような条件を満たすモノマーとして、エーテル結合を介して2,2’−位に親電子攻撃に対して不活性な2つの共役系原子団を有するビフェニレン分子誘導体を考案した。すなわち、ビフェニレン単位の2つの環の結合位置のo−位及びo’−位にエーテル結合により親電子芳香族置換反応に対して不活性な原子団が結合している分子である。この構造では親電子攻撃の受けやすさに関しビフェニレンの2つの炭素、すなわちエーテル結合を持つ炭素のp−位の2箇所の炭素が他に比べて高い反応性を持っており、条件の設定によりこの2箇所のみを親電子芳香族置換反応部位と特定することができる。そこでこの構造の分子を一方のモノマーとし、ジカルボン酸あるいはその誘導体を他方のモノマーとして、ジカルボン酸モノマーのアシルカチオンあるいはその等価体を発生させることを経てビフェニレンの芳香環とケトン結合を生成する反応により高分子鎖を伸長させ高分子量体を得る高分子量体の製造を考案した。ここには、直接に親電子芳香族置換アシル化反応により重合させることに加え、ビフェニレンモノマーの親電子芳香族置換アシル化反応によるジカルボン酸モノマーの修飾を経た後に重合する方法、すなわち、モノマーのビフェニレン誘導体と、反応性官能基あるいはその前駆体官能基を有するカルボン酸あるいはカルボン酸誘導体を縮合反応させケトン結合を生成した後に残った官能基の反応あるいは別の分子との反応により高分子量体を得る方法も含んでいる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の一態様においては、主鎖が次式:
【0010】
【化6】
【0011】
(式中、Ar、Ar’は、それぞれ独立して、二価の芳香環基及び/又は一価の芳香環基と場合によりケトンカルボニル連結基とからなりその他の置換基を有してもよい炭素数13〜70の置換基であり、そしてΦは、二価の芳香環基からなり他の置換基を有してもよい炭素数6〜30の二価の連結基であるか、又は二価の芳香環基とケトンカルボニル基とからなりその他の置換基を有してもよい炭素数13〜70の二価の連結基である)
で示される繰り返し単位を含むことを特徴とするポリ(アリーレンケトン)を提供する。
【0012】
本発明のポリ(アリーレンケトン)において、Ar、Ar’は、それぞれ独立して、4−トリフルオロメチルフェニル、4−ベンゾイルフェニル、4−(4−ベンゾイルベンゾイル)フェニル、4−(3−ベンゾイルベンゾイル)フェニル、2−ベンゾイルフェニル、2−(4−ベンゾイルベンゾイル)フェニル、4−(2−ベンゾイルベンゾイル)フェニル、又は4−(4−トリフルオロメチルベンゾイル)フェニルであってもよい。
【0013】
また、Φは、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、若しくは1,2−フェニレンからなり他の置換基を有してもよい炭素数6〜30の二価の連結基であるか、又は1,4−フェニレンカルボニル−1,4−フェニレン若しくは1,4−フェニレンカルボニル−1,4−フェニレンカルボニル−1,4−フェニレンからなりその他の置換基を有してもよい炭素数13〜70の二価の連結基であってもよい。
【0014】
本発明の別の態様においては、次式:
【0015】
【化7】
【0016】
(式中、Ar、Ar’は、それぞれ独立して、二価の芳香環基及び/又は一価の芳香環基と場合によりケトンカルボニル連結基とからなりその他の置換基を有してもよい炭素数13〜70の置換基である)
で示される分子構造を有するビフェニレン誘導体を提供する。
【0017】
本発明のビフェニレン誘導体において、Ar、Ar’は、それぞれ独立して、4−トリフルオロメチルフェニル、4−ベンゾイルフェニル、4−(4−ベンゾイルベンゾイル)フェニル、4−(3−ベンゾイルベンゾイル)フェニル、2−ベンゾイルフェニル、2−(4−ベンゾイルベンゾイル)フェニル、4−(2−ベンゾイルベンゾイル)フェニル、又は4−(4−トリフルオロメチルベンゾイル)フェニルであってもよい。
【0018】
本発明のビフェニレン誘導体は反応位置を分子内の対称な部分に持つ必要はない。また、エーテル結合を介して有する2つの原子団が等価なものである必要はない。さらに、親電子芳香族置換反応に対して不活性な原子団とは、特定の条件下で特定の親電子試剤と反応しなければよく、その構造そのものに関し特定の不活性化官能基の存在を条件とするものではない。
【0019】
本発明の更に別の態様においては、次式:
【0020】
【化8】
【0021】
(式中、X及びX’は、水素、ヒドロキシ基、ハロゲン、メタンスルホニルオキシ(MsO)、p−トルエンスルホニルオキシ(TsO)、トリフルオロメタンスルホニルオキシ(TfO)、アルキルオキシ(RO)、及びアシルオキシ(RCOO)からなる群から独立して選択される一価の置換基であり、そして繰り返し単位の数を表すmは2以上の任意の整数である)
で示される、ポリ(アリーレンケトン)の製造方法であって、ビフェニレン誘導体とジカルボン酸(X−CO−Φ−CO−X’)又はその誘導体との縮合反応によるケトン結合生成により高分子量体化することを特徴とする方法を提供する。
【0022】
本発明の別の態様においては、次式:
【0023】
【化9】
【0024】
(式中、X及びX’は、水素、ヒドロキシ基、ハロゲン、メタンスルホニルオキシ(MsO)、p−トルエンスルホニルオキシ(TsO)、トリフルオロメタンスルホニルオキシ(TfO)、アルキルオキシ(RO)、及びアシルオキシ(RCOO)からなる群から独立して選択される一価の置換基であり、そして繰り返し単位の数を表すmは2以上の任意の整数である)
で示される、ポリ(アリーレンケトン)の製造方法であって、ビフェニレン誘導体に、反応性官能基若しくはその前駆体官能基を有するカルボン酸(X’−Φ−CO−X)又はカルボン酸誘導体を縮合反応させてケトン結合を生成させた後に残存官能基(X’)の結合生成により高分子量体化することを特徴とする方法を提供する。
【0025】
ここで、本明細書中で使用する「反応性官能基」とは、X,X’に相当する官能基であって、直接他の分子や原子団と反応して結合を作ったり、それ自身が別の官能基に変わりうる官能基をいう。また、「前駆体官能基」とは、それ自身では反応性官能基として働くことはないが、何らかの反応を施すことによって反応性官能基になりうる、不活性な状態の官能基をいう。
【0026】
本発明の更に別の態様においては、次式:
【0027】
【化10】
【0028】
(式中、Φ’は、Φと同じ条件の二価の連結基であり、Φと独立して選択され、X及びX’は、水素、ヒドロキシ基、ハロゲン、メタンスルホニルオキシ(MsO)、p−トルエンスルホニルオキシ(TsO)、トリフルオロメタンスルホニルオキシ(TfO)、アルキルオキシ(RO)、及びアシルオキシ(RCOO)からなる群から独立して選択される一価の置換基であり、X”は、アシルカチオンを与えうる官能基でハロゲン化カルボニル若しくはその等価体であるか、又はX’と同じ条件で独立して選択される官能基であり、Yは、ケトンカルボニル基又は原子のない単結合であり、そして繰り返し単位の数を表すmは2以上の任意の整数である)
で示される、ポリ(アリーレンケトン)の製造方法であって、ビフェニレン誘導体に、反応性官能基若しくはその前駆体官能基を有するカルボン酸(X’− Φ−CO−X)又はカルボン酸誘導体を縮合反応させてケトン結合を生成させた後に残存官能基(X’)と他の芳香族分子(X”−Φ’−X”)との結合生成により高分子量体化することを特徴とする方法を提供する。
【0029】
【実施例】
(実施例1)
二口ナスフラスコに回転子、2,2’−ビス(4−ベンゾイルフェノキシ)ビフェニル218mg、テレフタル酸クロリド81mg、1,2−ジクロロエタン2mLを加えた。2,2’−ビス(4−ベンゾイルフェノキシ)ビフェニルとテレフタル酸クロリドが完全に溶解したことを確認した後、窒素雰囲気下で塩化アルミニウム480mgを少量ずつ30分かけて加え、30時間かき混ぜた。反応混合物を水にあけて生成物をクロロホルム15mLで3回抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を留去した。生成物は再度クロロホルム5mLに溶解させた後、メタノール50mLに滴下し、再沈澱を行なうことでポリ(アリーレンケトン)を収率84%で生産した。
【0030】
製品の純度については以下に示す二つの方法により確認を行なった。すなわち、日本分光社製核磁気共鳴分光装置JNM−A500を用いた、製品の重クロロホルム溶液のプロトン核磁気共鳴スペクトル及びカーボン核磁気共鳴スペクトルの測定及び元素分析測定により行なった。
【0031】
(実施例2)
二口ナスフラスコに回転子、4−フルオロベンゾフェノン2.00g、2,2’−ビフェノール0.93g、炭酸カリウム2.07gを入れ、トルエンとN,N’−ジメチルアセトアミドの混合溶媒(1:1(vol.))40mL中でDean−Stark 装置を使って、24時間加熱還流した。反応終了後、冷却しながら5wt%水酸化ナトリウム水溶液40mL中に滴下し、クロロホルム80mLで3回抽出した。有機層は無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して乾固することで2,2’−ビス(4−ベンゾイルフェノキシ)ビフェニルを収率92%で生産した。
【0032】
製品の精製度:製品の純度については以下に示す二つの方法により確認を行なった。すなわち、日本分光社製核磁気共鳴分光装置JNM−A500を用いた、製品の重クロロホルム溶液のプロトン核磁気共鳴スペクトル及びカーボン核磁気共鳴スペクトルの測定及び元素分析測定により行なった。
【0033】
(実施例3)
二口ナスフラスコに回転子、2,2’−ビフェノール47mg、4−ベンゾイル−4’−フルオロベンゾフェノン152mg、炭酸カリウム104mg、トルエン1mL、N,N−ジメチルアセトアミド1mLを加えた。加熱還流下で48時間かき混ぜた。反応混合物は水酸化ナトリウム水溶液にあけて生成物をクロロホルム15mLで3回抽出した。有機層を水酸化ナトリウム水溶液30mLで2回、飽和食塩水30mLで1回順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を留去し、溶出液としてクロロホルムを使用し、シリカゲルカラム(クロロホルム)により分離することでモノマーを収率89%で生産した。
【0034】
(実施例4)
二口ナスフラスコに回転子、4’−ベンゾイル安息香酸クロリド3.55g、フルオロベンゼン11.79gを加えた。4’−ベンゾイル安息香酸クロライドがフルオロベンゼンに完全に溶解したのを確認した後、塩化アルミニウム8.00gを加え、加熱還流下で12時間かき混ぜた。反応混合物を氷水にあけ、そこに濃塩酸を滴下した後、生成物をクロロホルム50mLで3回抽出した。有機層を水100mLで2回、飽和食塩水100mLで1回順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を留去し、エタノールから再結晶を行うことで4−ベンゾイル−4’−フルオロベンゾフェノンを収率86%で生産した。
【0035】
製品の純度については以下に示す方法により確認を行なった。すなわち、日本分光社製核磁気共鳴分光装置JNM−A500を用いた、製品の重クロロホルム溶液のプロトン核磁気共鳴スペクトル及びカーボン核磁気共鳴スペクトルの測定により行なった。
【0036】
【発明の効果】
本発明により、ビフェニレン誘導体モノマーの2箇所の炭素を選択的に親電子芳香族置換アシル化反応に活性化させることができ、モノマー主鎖にエーテル結合を持たないポリ(アリーレンケトン)を合成する方法が提供されるという効果が生じる。本発明の製造方法に芳香環が連なったオリゴマーを側鎖とし、非晶性で耐熱性にすぐれたポリ(アリーレンケトン)を得る方法が確立できるという効果が生じる。本発明の製造方法では生成するポリ(アリーレンケトン)の構造の変更が容易であり、類似構造のポリ(アリーレンケトン)を容易に得ることのできる方法を提供するという効果が期待できる。
Claims (8)
- Ar、Ar’が、それぞれ独立して、4−トリフルオロメチルフェニル、4−ベンゾイルフェニル、4−(4−ベンゾイルベンゾイル)フェニル、4−(3−ベンゾイルベンゾイル)フェニル、2−ベンゾイルフェニル、2−(4−ベンゾイルベンゾイル)フェニル、4−(2−ベンゾイルベンゾイル)フェニル、又は4−(4−トリフルオロメチルベンゾイル)フェニルである、請求項1記載のポリ(アリーレンケトン)。
- Φが、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、若しくは1,2−フェニレンからなり他の置換基を有してもよい炭素数6〜30の二価の連結基であるか、又は1,4−フェニレンカルボニル−1,4−フェニレン若しくは1,4−フェニレンカルボニル−1,4−フェニレンカルボニル−1,4−フェニレンからなりその他の置換基を有してもよい炭素数13〜70の二価の連結基である、請求項1又は2に記載のポリ(アリーレンケトン)。
- Ar、Ar’が、それぞれ独立して、4−トリフルオロメチルフェニル、4−ベンゾイルフェニル、4−(4−ベンゾイルベンゾイル)フェニル、4−(3−ベンゾイルベンゾイル)フェニル、2−ベンゾイルフェニル、2−(4−ベンゾイルベンゾイル)フェニル、4−(2−ベンゾイルベンゾイル)フェニル、又は4−(4−トリフルオロメチルベンゾイル)フェニルである、請求項4記載のビフェニレン誘導体。
- 次式:
で示される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリ(アリーレンケトン)の製造方法であって、請求項4又は5に記載のビフェニレン誘導体に、反応性官能基若しくはその前駆体官能基を有するカルボン酸又はカルボン酸誘導体を縮合反応させてケトン結合を生成させた後に残存官能基の結合生成により高分子量体化することを特徴とする方法。 - 次式:
で示される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリ(アリーレンケトン)の製造方法であって、請求項4又は5に記載のビフェニレン誘導体に、反応性官能基若しくはその前駆体官能基を有するカルボン酸又はカルボン酸誘導体を縮合反応させてケトン結合を生成させた後に残存官能基と他の芳香族分子との結合生成により高分子量体化することを特徴とする方法。
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2002
- 2002-09-03 JP JP2002257533A patent/JP2004091723A/ja active Pending
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