JP2004087387A - 電解質組成物および光電気化学電池 - Google Patents

電解質組成物および光電気化学電池 Download PDF

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増田 現
Hiroshi Yoshida
吉田 浩
Kanako Yuyama
湯山 佳菜子
Takaya Satou
佐藤 貴哉
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Abstract

【課題】光電変換特性および耐久性に優れた光電気化学電池を与える電解質組成物を提供する。
【解決手段】常温溶融塩と、これに溶解する電解質塩と、電解質塩の陰イオンと酸化還元対を形成する分子とを少なくとも含む電解質組成物において、常温溶融塩の陽イオンと、電解質塩の陽イオンとを同一のものとする。
陽イオンとしては例えば下式で表される4級アンモニウムカチオンがあげられる。
Figure 2004087387

〔式中、R〜Rは互いに同一または異種の炭素数1〜8のアルキル基を示し、Meはメチル基を意味する。〕
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解質組成物および光電気化学電池に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、大面積化や低価格化を指向した光電気化学電池として、ルテニウム錯体系色素によって増感された酸化チタン多孔質半導体電極を用いた色素増感型太陽電池の研究開発が盛んに行われている(米国特許第4927721号明細書、ネイチャー(Nature)、第353巻、1991年、p.737〜740等)。
この方式は、製造設備が簡便で、かつ、製造コストも低く、しかも高いエネルギー変換効率が得られる等の点で有望であるが、電気化学方式のため、有機あるいは水系の電解液を用いる必要がある。
【0003】
このため、下記▲1▼〜▲3▼に示されるような耐久性や安全性に関する種々の問題点が指摘されている。
▲1▼長期に亘って使用する場合、電解液の枯渇によって光電変換効率が著しく低下する。
▲2▼破損した場合、有機溶剤等が漏洩する。
▲3▼加熱により電池内圧が上昇して爆裂する虞がある。
【0004】
これらの問題を解決すべく、各種改良法が検討されつつあり、例えば、(1)低融点化合物であるイミダゾリウム塩やトリアゾリウム塩を電解質に使用した光電気化学電池(欧州特許第718228号明細書、国際公開第95/18456号パンフレット、特開2000−53662号公報等)、(2)揮発性の低いポリエーテル化合物等の高分子電解質を使用した光電気化学電池(国際公開第00/54361号パンフレット、特開2001−199961号公報等)、(3)有機電解液の含有量の少ない擬固体型電解液を使用した光電気化学電池(特開平7−288142号公報、特開平8−88030号公報等)などが報告されている。
【0005】
上記従来技術(1),(2)の電池では、電解質溶媒として用いていた水や有機溶媒を必要としない、または必要であるとしても極少量で済むため、耐久性は多少改善されるものの、実用上充分満足できるものであるとは言い難い。また、上記従来技術(3)の電池では、電解質を擬固体化することで、イオン導電性が低下し、光電変換効率が低くなるという新たな問題が生じている。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、光電変換特性および耐久性に優れた光電気化学電池を与える電解質組成物およびこの組成物を含んで構成された電解質を備える光電気化学電池を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の実施の形態】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、電解質組成物における溶融塩の陽イオン種および電解質塩の陽イオン種を同一にすることで、これらの陽イオン種が異なる電解質組成物よりも高いイオン伝導度を有する電解質組成物が得られるということを見いだすとともに、この組成物を含んで形成される電解質を光電気化学電池の電解質層として用いることで、光電変換特性および耐久性に優れた光電気化学電池が得られることを見いだし、本発明を完成した。
【0008】
したがって、本発明は、
1. 常温溶融塩と、この常温溶融塩に溶解する電解質塩と、この電解質塩の陰イオンと酸化還元対を形成する分子とを少なくとも含み、前記常温溶融塩の陽イオンと、前記電解質塩の陽イオンとが同一であることを特徴とする電解質組成物、
2. 前記陽イオンが、下記一般式(1)で示される4級アンモニウムカチオンであることを特徴とする1の電解質組成物、
【化4】
Figure 2004087387
〔式中、R〜Rは互いに同一または異種の炭素数1〜8のアルキル基を示し、Meはメチル基を意味する。〕
3. 前記陽イオンが、下記式(2)で示される4級アンモニウムカチオンであることを特徴とする2の電解質組成物、
【化5】
Figure 2004087387
〔式中、Meはメチル基を、Etはエチル基を意味する。〕
4. 前記陽イオンが、下記一般式(3)で示されるイミダゾリウムカチオンであることを特徴とする1の電解質組成物、
【化6】
Figure 2004087387
〔式中、R〜Rは互いに同一もしくは異なってもよい水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を示す。〕
5. 前記陰イオンがヨウ化物イオンまたは臭化物イオンであり、これら各イオンにそれぞれ対応して前記分子がヨウ素または臭素であることを特徴とする1〜4のいずれかの電解質組成物、
6. 半導体電極および対向電極と、これら各電極間に介在させた電解質層とを備える光電気化学電池であって、前記電解質層が、1〜5のいずれかの電解質組成物を含んで形成されていることを特徴とする光電気化学電池、
7. 前記半導体電極が、金属酸化物と、この酸化物表面に吸着された色素と、を備えて構成されていることを特徴とする6の光電気化学電池
を提供する。
【0009】
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明に係る電解質組成物は、上述のように、常温溶融塩と、この常温溶融塩に溶解する電解質塩と、この電解質塩の陰イオンと酸化還元対を形成する分子とを少なくとも含み、常温溶融塩の陽イオンと、電解質塩の陽イオンとが同一のものである。
【0010】
このように、電解質組成物に常温溶融塩を用いるとともに、この常温溶融塩および電解質塩の陽イオンを同一とすることで、難燃性で揮発しにくい上、電荷輸送性能に優れた組成物を得ることができ、その結果、この組成物を含んで構成された光電気化学電池の光電変換効率および耐久性を向上させることができる。
この場合、上記各塩の陽イオンを同一とすることで、イオン伝導性が向上する詳細な理由は定かではないが、同一の陽イオンを用いることで、電荷輸送を担う陰イオンのホッピング移動がスムーズに進行するためであると考えられる。
【0011】
本発明の電解質組成物に用いられる常温溶融塩としては、特に限定はないが、50℃以下、特に、25℃以下で液体状態を示す塩であることが好ましい。
この常温溶融塩を構成する陽イオンとしては、単独で室温よりも低い融点を有するとともに、後に詳述する酸化還元対を形成させるための電解質塩および分子の溶解性を高めるということを考慮すると、下記一般式(1)で示される4級アンモニウムカチオンまたは下記一般式(3)で示されるイミダゾリウムカチオンであることが好ましい。
【0012】
【化7】
Figure 2004087387
〔式中、R〜Rは互いに同一または異種の炭素数1〜8のアルキル基を示し、Meはメチル基を意味する。〕
【0013】
ここで、炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、2−プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられるが、アルキル鎖が短い方が電解質の粘度が低くなる傾向があるという点から、R〜Rの少なくとも1つはメチル基、エチル基またはプロピル基、特に、メチル基またはエチル基であることが好ましい。
【0014】
具体的な4級アンモニウムカチオンとしては、低融点、低粘度および高い耐電圧を有するという点から、ジエチル−メチル−2−メトキシエチルアンモニウムカチオン(下記式(2)で示されるカチオン)、エチル−ジメチル−2−メトキシエチルアンモニウムカチオン等を用いることが好ましく、特に、ジエチル−メチル−2−メトキシエチルアンモニウムカチオンを用いることが好ましい。
【0015】
【化8】
Figure 2004087387
〔式中、Meはメチル基を、Etはエチル基を意味する。〕
【0016】
【化9】
Figure 2004087387
〔式中、R〜Rは互いに同一もしくは異なってもよい水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を示す。〕
【0017】
上記式(3)における炭素数1〜8のアルキル基としても、上記式(1)と同様のものを用いることができる。
具体的なイミダゾリウムカチオンとしては、低融点および低粘度を有するという点から、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンを用いることが好ましい。
【0018】
上記常温溶融塩を構成するアニオンとしては、上記カチオンと対になって常温溶融塩を形成し得るものであれば特に限定はなく、BF 、PF 、AsF 、SbF 、AlCl 、HSO 、ClO 、CHSO 、CFSO 、CFCO 、(CFSO、Cl、Br、I等のアニオンを用いることができる。
これらの中でも、特に、常温溶融塩の粘度をより低くして取り扱い性を高めるという点から、(CFSOを用いることが好ましく、また、汎用性が高く、PF よりも水の影響を受けにくく扱いやすいという点から、BF を用いることが好ましい。
【0019】
一方、電解質塩としても、上述したように、この塩の陽イオンが常温溶融塩の陽イオンと同一である限り特に限定されるものではない。
この場合、電解質塩を構成する陰イオンとしては、電解質組成物に含まれる所定の分子と酸化還元対を形成し得るものであれば特に限定されるものではないが、ヨウ化物イオン、臭化物イオンであることが好ましく、特に、安定性という点から、ヨウ化物イオンであることが好ましい。
【0020】
本発明において、酸化還元対とは、上記電解質塩の陰イオン(または電解質塩)と分子との組み合わせを意味し、酸化体・還元体を独立に系内に添加した場合に、速やかに電気化学的平衡に達するものである。
上記陰イオンと酸化還元対を形成し得る分子としては、陰イオン種に応じて適宜選択することができるが、陰イオンがヨウ化物イオン(電解質塩がヨウ素化合物)の場合には、ヨウ素(I)であることが好ましく、一方、陰イオンが臭化物イオン(電解質塩が臭素化合物)である場合には、臭素(Br)であることが好ましい。
この場合、陽イオンについては、常温溶融塩の陽イオンと同一であれば特に限定はない。
なお、これらの酸化還元対に加え、さらに上述したアンモニウムまたはイミダゾリウム型の陽イオンのヨウ素塩または臭素塩を側鎖として有する高分子化合物をヨウ素または臭素と組み合わせて酸化還元対を形成させてもよい。
【0021】
ここで、酸化還元対を形成させるための電解質塩および分子の配合割合は、用いる常温溶融塩に応じて適宜設定することができる。一般的に、各物質の常温溶融塩に対する配合割合が多いほど、電解質組成物のイオン伝導性を高めることができる一方、配合量が多すぎると、イオンの解離が起こりにくくなり、イオン伝導度が低下してくる。
【0022】
これらを考慮すると、酸化還元対を形成させるための各物質の配合量は、常温溶融塩100重量部に対して、1〜50重量部、特に、5〜35重量部であることが好ましい。この場合、電解質塩と分子とのモル比は、1:5〜20:1とすることができ、特に5:1〜15:1とすることが好ましい。
なお、酸化還元対の平衡電位が問題となる場合には、必要な平衡電位が得られるように、配合量を調整すればよい。
【0023】
本発明の電解質組成物は、上述した各構成成分の他に溶媒を含んでいてもよく、この場合には、電解質組成物全体に対し、溶媒を30重量%以下、特に10重量%添加することが好ましい。
使用可能な溶媒としては、カーボネート化合物(エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等)、複素環化合物(3−メチル−2−オキサゾリジノン等)、エーテル化合物(ジオキサン、ジエチルエーテル等)、鎖状エーテル化合物(エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等)、アルコール類(メタノール、エタノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル等)、多価アルコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等)、ニトリル化合物(アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、ビスシアノエチルエーテル類)、エステル類(カルボン酸エステル、リン酸エステル、ホスホン酸エステル等)、非プロトン性極性溶媒(ジメチルスルホキシド、スルホラン等)、水などが挙げられる。これらの中でも、電解質の溶解性、粘度および耐電圧という点から、カーボネート化合物、ニトリル化合物、複素環化合物を用いることが好ましい。
【0024】
さらに、t−ブチルピリジン、2−ピコリン、2,6−ルチジン等の塩基性化合物を添加することもでき、この場合、組成物中に0.05〜0.2mol/Lの濃度で添加すればよい。
また、本発明の電解質組成物をゲル化させて用いる場合には、ポリマーやオイルゲル化剤を添加する手法、多官能モノマーを添加してこれを重合させる方法、添加したポリマーをさらに架橋反応させる手法等を採用することもできる。
上記ポリマーとしては、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル等を用いることができる。さらに、リチウム二次電池や電気二重層キャパシタなどの電解質をゲル化させる際に用いられる重合性モノマーを添加し、これを重合、架橋させてもよい。
【0025】
本発明に係る電解質組成物の調製法としては、各構成成分を混合して組成物を調製できる限り、特に限定されるものではない。
具体的には、電解質塩および分子を直接常温溶融塩中に添加してもよく、電解質塩および分子を有機溶媒に溶かした溶液に常温溶融塩を添加してもよい。また、粘度の高い常温溶融塩を用いる場合には、アセトニトリル等の有機溶媒に常温溶融塩を溶解させて電解質組成物を調整した後、この有機溶媒を除去する方法を用いることもできる。
【0026】
以上述べたように、本発明の電解質組成物は、常温溶融塩の陽イオンと、酸化還元対を形成する電解質塩の陽イオンとが同一であるから、従来の溶融塩を使用した酸化還元系電解質よりも高いイオン伝導度を有しており、その結果、この電解質組成物を用いた光電気化学電池の光電変換効率を高めることができる。
また、上述した所定のカチオンを有する常温溶融塩を用いた場合、これらの溶融塩は、光電気化学電池の作動電圧範囲において、電気化学的に不活性であるため、電気分解等によるガス発生を防止することができる上、非常に低い蒸気圧を有しているから、従来の電解質のような蒸発による危険性を回避または最小限に抑えることができる。
【0027】
さらに、常温溶融塩を用いているから、電解質溶液中で、塩が結晶化して沈殿することによる電池性能の低下を最小限に抑えることができる。
また、本発明の電解質組成物を、溶媒で希釈して用いる場合でも、上述した所定の溶融塩の融点が低いことから、低温作動時でも確実に液体相が存在し得る結果、結晶塩の沈殿による電池性能の劣化が生じにくい上、溶媒の割合を従来用いていた割合よりも低くすることができ、電池の安定性を高めることができる。
【0028】
本発明に係る光電気化学電池は、半導体電極および対向電極と、これら各電極間に介在させた電解質層とを備える光電気化学電池であって、この電解質層が上述した電解質組成物を含んで形成されているものである。
ここで、半導体電極としては、一般的に光電気化学電池に用いられるものを適宜選択して用いることができるが、後に詳述する金属酸化物と、この酸化物表面に吸着された色素とを備えて構成されたものを用いることが好ましい。
また、半導体電極の具体的構成としても、特に限定されるものではなく、例えば、透明基体と、この透明基体の表面に形成された透明導電層と、この透明導電層の表面に形成された半導体層とを備えた電極を用いることができる。
【0029】
この場合、透明基体としては、透明で導電層の基板となり得るものであれば、特に制限はなく、ソーダガラス,無アルカリガラス等のガラス基板、透明ポリマーフィルム、これらの積層体などを用いることができるが、コストおよび強度面からソーダガラスを用いることが好ましく、またアルカリ溶出の影響がないという点から無アルカリガラスを用いることが好ましい。
上記透明ポリマーフィルムの材料としては、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート、ポリスルフォン、ポリエステルスルフォン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、環状ポリオレフィン、ブロム化フェノキシ等を用いることができる。
【0030】
一方、透明導電層を構成する材料としても特に限定はなく、例えば、白金,金,銀,銅,亜鉛,チタン,アルミニウム,インジウム,これらの合金等の金属、インジウム−スズ複合酸化物,フッ素またはアンチモンをドープした酸化スズ等の導電性金属酸化物などを用いることができるが、特に、フッ素またはアンチモンをドープした二酸化スズ、インジウム−スズ酸化物(ITO)を用いることが好ましい。
この透明導電層は、上記透明基体の表面に塗布または蒸着することで形成されるが、この場合、導電性材料の塗布量は、充分な透明性を確保することを考慮すると、0.01〜100g/m、特に、1〜50g/mとすることが好ましい。
また、透明導電層の表面抵抗は低いほどよく、50Ω/□以下が好ましく、20Ω/□以下がより好ましい。
【0031】
上記半導体層は、光を吸収して電荷分離を行い、電子と正孔とを生じる層であるが、色素を吸着した色素増感型の半導体電極では、光吸収およびこれによる電子および正孔の発生は主として色素において起こり、半導体層は、この電子(または正孔)を受け取って伝達する役割を担うものである。
なお、本発明において、半導体層を構成する材料は、光励起下において、伝導体電子がキャリアとなってアノード電流を与えるn型半導体であることが望ましい。
【0032】
このような半導体層を構成する半導体材料としては、シリコン,ゲルマニウム等の単体半導体、金属カルコゲナイト(酸化物、硫化物、セレン化物、これらの複合化物等)に代表される化合物半導体、ペロプスカイト構造を有する化合物(チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウム等)などを用いることができる。
【0033】
上記金属カルコゲナイトとしては、チタン,スズ,亜鉛,鉄,タングステン,ジルコニウム,ハフニウム,ストロンチウム,インジウム,セリウム,イットリウム,ランタン,バナジウム,ニオブ,タンタルの酸化物、カドミウム,亜鉛,鉛,銀,アンチモン,ビスマスの硫化物、カドミウム,鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物などを用いることができる。
また、その他の化合物半導体としては、III−V系化合物半導体等が挙げられ、例えば、亜鉛,ガリウム,インジウム,カドミウム等のリン化物、ガリウム−ヒ素または銅−インジウムのセレン化物、銅−インジウムの硫化物等の化合物半導体を用いることもできる。
なお、これらの化合物半導体は、1種単独で、または2種以上混合して用いることができる。
【0034】
上記半導体材料の中でも、Si、TiO、SnO、Fe、WO、ZnO、Nb、CdS、ZnS、PbS、Bi、CdSe、CdTc、SrTiO、GaP、InP、GaAs、CuInS、CuInSeを用いることが好ましく、安価であるという点から、TiO、Nbを用いることがより好ましく、TiOを用いることがより一層好ましい。
この場合、TiOとしては、高い光学活性という点から、アナターゼ型結晶を70%以上含むものが好ましく、100%アナターゼ型結晶であるものがより好ましい。
【0035】
なお、半導体には、電子伝導性を高める目的で金属をドープすることもでき、この場合、ドープする金属としては2価または3価の金属を用いることが好ましい。また、半導体から電荷輸送層へ逆電流が流れるのを防止する目的で、1価の金属をドープすることもできる。
【0036】
上記半導体は、単結晶でも多結晶でもよいが、製造コスト、原材料確保およびエネルギーペイバックタイム等を考慮すると多結晶を用いることが好ましい。
また、半導体の表面積を大きくすることを考慮すると、上記半導体を微粒子とし、この微粒子を用いて多孔質膜を形成することが好ましい。
この場合、半導体微粒子の粒径分布は、比表面積を大きくするとともに、光線透過率および生産性を向上させるということを考慮すると、5〜200nmが好ましく、8〜100nmであることがより好ましい。
なお、粒径分布の異なる2種類以上の微粒子を混合して用いることもでき、入射光を散乱させて光捕獲率を高める目的で、粒径分布の大きな、例えば、100〜300nmの半導体微粒子を混合することもできる。
【0037】
透明導電層上に半導体層を形成する方法としては、特に限定はなく、湿式製膜法、金属を酸化する方法、金属溶液から配位子交換等を行い液相にて析出させる方法(LPD法)、スパッタ等で蒸着する方法、CVD法、熱分解する金属プレカーサーを加温した基板上に吹き付けて金蔵酸化物を形成する方法(SPD法)等を採用することができる。
これらの中でも、光電変換素子の量産性、半導体微粒子分散液の物性、導電性支持体の融通性等を考慮すると、湿式製膜法を用いることが好適である。
【0038】
ここで湿式製膜法としては、例えば、塗布法、印刷法、電解析出法、電着法等を用いることができ、これらを後述する分散液の粘度やウェット厚さに応じて適宜選択して使用すればよい。
上記塗布法としては、ローラ法,ディップ法等のアプリケーション法、エアナイフ法,ブレード法等のメータリング法、ワイヤーバー法,スライドホッパー法,エクストルージョン法,カーテン法等のアプリケーションおよびメータリングを同一部分に施せる方法、スピン法、スプレー法などを用いることができる。
上記印刷法としては、特に限定はなく、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等を用いることができる。
【0039】
湿式製膜法を採用する際には、例えば、上述した半導体微粒子を分散液またはコロイド溶液として用い、これを透明導電層上に積層すればよい。
この場合、半導体微粒子の分散液等を調製する方法としては、特に限定はなく、半導体と分散媒とを混合して乳鉢ですりつぶす方法、ミルを使用して半導体を粉砕しながら分散媒に分散させる方法、ゾル−ゲル法、半導体合成時に溶媒中に微粒子として析出させる方法などを適宜選択することができる。
【0040】
なお、分散液中の半導体微粒子(二次粒子)の平均粒径は、0.01〜30μm、特に0.5〜10μmであることが好ましい。平均粒径が0.01μm未満であると、分散液の分散性が低下する虞があるとともに、得られた半導体膜の空隙が詰まる虞があり、一方、30μmを超えると、得られた半導体膜の空隙が大きく粗くなり、その結果光線透過率が低下する虞がある。
【0041】
上記分散媒としては、水または各種有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、シトロネロール、ターピネオール、ジクロロメタン、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル等)を用いることができる。
なお、半導体微粒子を分散媒に分散させる際には、必要に応じてポリエチレングリコール,ヒドロキシエチルセルロース,カルボキシメチルセルロース等のポリマー、界面活性剤、酸、キレート剤などを分散助剤として用いてもよく、この分散助剤の添加量は、通常、分散液全体に対して、0〜30重量%である。
【0042】
これらの分散助剤の中でも、特に、ポリエチレングリコールを用いることが好適である。特に、添加するポリエチレングリコールの分子量を変えることで、分散溶液の粘度を容易に調製することができ、その結果、半導体層と透明導電層との界面剥離を防止できるとともに、半導体層の空隙率を容易に調節することができる。
【0043】
また、半導体微粒子分散液を透明導電層上に塗布した後、加熱処理を施すことが好ましく、加熱処理を施すことで、半導体微粒子同士を電子的に接触させることができるとともに、塗膜強度や透明導電層との密着性を向上させることができる。
この場合、加熱温度としては、通常、40〜700℃であるが、コストを削減することを考慮すると、より低温で加熱処理を行うことが好ましく、例えば、50〜600℃、特に100〜350℃で加熱処理を施すことが好ましい。また、透明基体として、融点または軟化点の低いポリマーフィルム等を用いる場合には、基体の劣化防止のために比較的低温で加熱処理を施すことが好ましく、例えば、50〜350℃で加熱処理を施すことが好適である。
【0044】
加熱処理温度を低温化するために、例えば、粒径分布5μm以下の半導体微粒子を併用してもよく、鉱酸や金属酸化物プレカーサーの存在下で加熱処理を施してもよい。また、紫外線,赤外線,マイクロ波,超音波等の照射、電界等の印加により、加熱処理温度の低温化を図ることができる。
さらに、上記照射等に加えて加熱、減圧、酸素プラズマ処理、純水洗浄、溶剤洗浄、ガス洗浄等を適宜併用し、不溶な有機物等を除去することが好ましい。
【0045】
なお、加熱処理後に、例えば、四塩化チタン水溶液を用いた化学めっき処理や、二塩化チタン水溶液を用いた電気化学めっき処理を施すことで、半導体微粒子表面積の増大化や、半導体微粒子近傍の純度を高めて色素から半導体微粒子への電子注入効率の増大化を図ることもできる。
【0046】
また、上記半導体層は、単層または複数層のどちらを採用することもできる。複数層とする場合には、例えば、同一の半導体微粒子分散液を複数回塗布する方法、粒径分布の異なる同種の半導体微粒子の分散液を調製し、これらをそれぞれ塗布して複数層とする方法、半導体粒子,バインダー,添加剤等のいずれかまたは全てを変えた異種の半導体微粒子分散液を調製し、これらをそれぞれ塗布して複数層とする方法などを採用することができる。このように複数層とすることで、膜厚を容易に調整することができるから、一回の塗布では膜厚が不足する場合などに有効である。
【0047】
さらに、半導体層の膜厚は、厚くなるほど単位投影面積あたりの色素担持量が増加して光の捕獲率が高くなるが、その一方で、生成した電子の拡散距離が増大するために電荷再結合によるロスも大きくなる。
したがって、これらを考慮すると、半導体層の厚さは、0.1〜100μmであることが好ましく、1〜30μmであることがより好ましく、2〜25μmであることがより一層好ましい。
【0048】
上述した半導体に吸着させる色素は、可視域や近赤外域に吸収帯を有し、半導体を増感し得るものであればよく、公知の種々の色素を用いることができ、例えば、金属錯体色素、メチン色素、ポルフィリン系色素、フタロシアニン系色素等が挙げられる。
これらの中でも、高い光学活性を有し、半導体への吸着性および耐久性に優れているということ考慮すると、ルテニウム等の金属錯体色素、ポリメチン色素を用いることが好ましく、より好ましくはルテニウム−ビピリジン錯体、中でも、シス−ジ(チオシアナト)−N,N′−ビス(2,2′−ビピリジル−4,4′−ジカルボン酸)ルテニウム(II)が好適である。
【0049】
これらの色素は、1種単独で用いてもよいが、光電変換の波長域をできるだけ広くするとともに、変換効率を高める目的で、2種以上の色素を併用してもよく、この場合、光源の波長域および強度分布に合わせて、併用する色素およびそれらの混合比を適宜選択すればよい。
【0050】
半導体に色素を吸着させる方法としては、特に限定されるものではなく、▲1▼色素の溶液中に充分に乾燥させた半導体電極を浸漬させる方法、▲2▼色素の溶液を半導体層に塗布する方法等を用いることができる。
上記▲1▼の方法としては、例えば、浸漬法、ディップ法、ローラ法、エアナイフ法等を採用することができる。なお、浸漬法を用いる場合、色素の吸着は、室温下で行ってもよく、加熱還流下で行ってもよい。
一方、上記▲2▼の方法としては、ワイヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法、スピン法、スプレー法等を用いることができる。
【0051】
また、色素溶液の調製に使用可能な溶媒は、用いる色素の種類およびその溶解性等に応じて適宜選択することができ、例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、t−ブタノール、ベンジルアルコール等)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリル、3−メトキシプロピオニトリル等)、ニトロメタン、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等)、ジメチルスルホキシド、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、3−メチルオキサゾリジノン、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、炭酸エステル類(炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等)、ケトン類(アセトン、2−ブタノン、シクロヘキサノン等)、炭化水素(ヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエン等)などが挙げられ、これらを1種単独で、または2種以上混合して用いることができる。
【0052】
この場合、色素の全吸着量は、半導体電極の単位表面積(1m)あたり、0.01〜100mmol、特に、1〜70mmolとすることが好ましい。
色素の全吸着量が、0.01mmol未満であると、増感効果が不充分となる虞があり、一方、100mmolを超えると、色素が浮遊し易くなる虞があり、その結果、増感効果を低減させる可能性が高くなる。
【0053】
なお、色素の吸着量を増大させる目的で、吸着前に加熱処理を施すことが好ましい。ここで、加熱処理温度は、特に限定されるものではないが、例えば、40〜700℃とすることができる。この場合、加熱処理後に半導体微粒子表面に水が吸着することを防止するために、常温には戻さずに60〜150℃で素早く色素を吸着させることが好ましい。
【0054】
また、凝集などの色素同士の相互作用を低減させる目的で、無色の化合物を半導体微粒子に共吸着させてもよい。共吸着させる化合物としては、界面活性化合物が有効であり、例えば、カルボキシル基を有するステロイド化合物(ケノデオキシコール等)などの界面活性化合物が挙げられる。
【0055】
さらに、未吸着の色素は、吸着処理後速やかに除去することが好ましい。この場合、湿式洗浄槽中で、アセトニトリル等の極性溶媒やアルコール系溶媒等の有機溶媒を用いて洗浄を行うのが好ましい。
なお、未吸着の色素の除去を促進する目的で、色素を吸着させた後に、アミン類や4級アンモニウム塩等を用いて半導体微粒子の表面を処理することもできる。
ここで、好ましいアミン類としては、ピリジン、4−t−ブチルピリジン、ポリビニルピリジン等が挙げられ、一方、好ましい4級アンモニウム塩としては、テトラブチルアンモニウムヨウ素塩、テトラヘキシルアンモニウムヨウ素塩等が挙げられる。これらのアミン類、4級アンモニウム塩は、有機溶媒に溶解させて用いてもよく、液体の場合は、そのまま用いてもよい。
【0056】
上記対向電極としては、光電気化学電池の正極として作用するものであれば、特に限定はなく、例えば、上述した半導体電極を構成する透明基体と透明導電層とからなる対向電極、金属,炭素材料等の導電性材料を含んで構成される対向電極等を用いることができる。
特に、ガラス基板やプラスチックフィルム等に、白金、金、銀、銅、アルミニウム、およびマグネシウムから選ばれる少なくとも1種の金属を塗布または蒸着させた電極を用いることが好適である。
また、対向電極の表面抵抗は、低い程好ましく、例えば、50Ω/□以下、特に30Ω/□以下であることが好ましい。
【0057】
本発明の光電気化学電池は、半導体電極および対向電極の少なくとも一方から光を照射できればよいため、これらのどちらか一方が実質的に透明であればよい。
ここで、「実質的に透明」とは、可視領域から近赤外領域(400〜1200nm)の一部または全域において光透過率が10%以上であることを意味する。透明な電極では、上記光透過率は、好ましくは50%以上、より好ましくは80%以上であり、特に、色素等が感度を有する波長域の光透過率が高いことが好ましい。
【0058】
特に、光電気化学電池の発電効率を向上させることを考慮すると、半導体電極を透明とし、光を半導体側から入射させることが好ましく、この場合、対向電極は光を反射する性質を有することが好ましい。このような対向電極の材料としては、上述したもののうち、金属や導電性酸化物を蒸着したガラス基板もしくはプラスチックフィルム、または金属薄膜等が挙げられる。
【0059】
上記電解質層は、上述した本発明の電解質組成物を含んで形成されたものである。
この場合、電解質層の形成法としては、特に限定はなく、電解質組成物を直接半導体電極に含浸させる方法、電解質組成物を不織布に含浸させる方法、両電極間にスペーサーを設け、これにより生じた両極間の隙間に電解質組成物を注入する方法等を採用することができる。
このようにして電解質層を形成した後に、この電解質層上に、上述した対向電極を積層して光電気化学太陽電池を得ることができる。
【0060】
なお、光電気化学電池の側面は、電池構成部材の劣化や、内容物の揮散等を防止するために、エポキシ樹脂等のポリマーまたは接着剤等で封止することが好ましい。
また、半導体電極および対向電極にリードを介して接続される外部回路としては、公知の回路を用いればよい。
その他、上記光電気化学電池には、半導体電極および対向電極のいずれか一方または両方における電解質層と反対側の表面、導電層と基体の間、または基体の中間に、保護層や反射防止層などの機能層を設けてもよい。これらの機能層の形成法としては、その性質に応じて、塗布法、蒸着法、貼付法等を適宜選択して用いることができる。
【0061】
次に、本発明に係る光電気化学電池の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る光電気化学電池1が示されている。光電気化学電池1は、半導体電極10と対向電極30と、これら両電極10,30に介在させた電解質層20とを備えるとともに、さらにその両側面がエポキシ樹脂等の封止材40で封止されてなるものである。
【0062】
半導体電極10は、透明ガラス等から形成された透明基体11と、これに積層されたガラス基板等の表面に金属などの導電性材料が塗布されて形成された透明導電層12と、さらにこれに積層された金属酸化物微粒子を膜状に形成してなる半導体層13とを備えている。ここで、半導体層13を構成する金属酸化物微粒子の表面には、シス−ジ(チオシアナト)−N,N′−ビス(2,2′−ビピリジル−4,4′−ジカルボン酸)ルテニウム(II)などの色素13Aが吸着されている。
【0063】
対向電極30は、透明基体31と、この上に積層された透明導電層32とを備えて構成されている。ここで、透明基体31および透明導電層32の材質は、上述した半導体電極10を構成する透明基体11および透明導電層12と同様のものを用いている。
電解質層20は、2−メトキシエチルジエチルメチルアンモニウムテトラフルオロホウ酸塩等の常温溶融塩と、2−メトキシエチルジエチルメチルアンモニウムヨウ素塩等の電解質塩と、この電解質塩の陰イオン(ヨウ化物イオン)と酸化還元対を形成するヨウ素とを含み、常温溶融塩および電解質塩の4級アンモニウム塩に同一のものを用いた電解質組成物を各電極10,20間に注入して形成されたものである。
【0064】
以上のように構成された光電気化学電池1に、半導体電極10側から光を照射すると、この光により色素13A等が励起されるとともに、励起された色素13A中の高エネルギーの電子が、半導体層13の金属酸化物半導体の伝導帯に渡され、さらに拡散により透明導電層12に移動する。このとき、色素13Aの分子は酸化体になっている。
【0065】
透明導電層12へ移動した電子は、これに接続された回路50を流れて対向電極30へ移動し、電解質層20中で酸化還元対を構成するヨウ素(または三ヨウ化物イオン)をヨウ化物イオンへ還元する。還元されたヨウ化物イオンは、電解質層20中を半導体電極10側へ移動し、ここで再酸化されてヨウ素(または三ヨウ化物イオン)へ戻るとともに、色素13Aへ電子が移動する。
このようにして、光電気化学電池1は、光エネルギーを電気エネルギーに変換させる。
【0066】
なお、本発明に係る光電気化学電池1は、上記実施形態に限定されるものではなく、電解質層を構成する常温溶融塩および電解質塩の陽イオンが同一である限り、各電極の材質、半導体層を構成する半導体および色素、電解質層を構成する常温溶融塩、電解質塩、分子等については、種々の変更が可能であり、これらは先に説明した各種材料を適宜用いることができる。
【0067】
また、上記実施形態においては、光電気化学電池1を単独で用いていたが、これに限られず、例えば、光電気化学電池をモジュール化して用いることもでき、この場合、基本的には、従来の太陽電池モジュールと同様の構造を採用し得る。すなわち、金属,セラミック等の支持基板の上に、セルを配置するとともに、それらの上を充填樹脂や保護ガラスで覆い、支持基板の反対側から光を取り込む構造とすることができる。
具体的には、スーパーストレートタイプ,サブストレートタイプ,ポッティングタイプなどのモジュール構造、アモルファスシリコン太陽電池等で用いられる基板一体型モジュール構造があるが、本発明の光電気化学電池においても、使用目的、使用場所および使用環境等により、これらのモジュール構造を適宜選択して用いることができる。
なお、本発明の光電気化学電池は、上述のように光に応答する機能を有しているため、電池に限られず、光センサーとして用いることもできる。
【0068】
以上で説明したように、本発明の光電気化学電池によれば、電解質層として上述した電解質組成物を含んで形成されたものを用いており、常温溶融塩と電解質塩とのそれぞれの陽イオンが同一であるから、優れたイオン伝導性および高い安定性を有している上、光電変換効率にも優れている。
【0069】
【実施例】
以下、合成例、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0070】
[合成例1]
2−メトキシエチルジエチルメチルアンモニウムヨウ素塩の合成
ジエチルアミン(関東化学(株)製)100mlと2−メトキシエチルクロライド(関東化学(株)製)85mlとを混合し、得られた混合溶液をオートクレーブ中に入れ、100℃で24時間反応させた。この時、内圧は、0.127MPa(1.3kgf/cm)であった。24時間後、析出した結晶と反応液との混合物に水酸化カリウム(片山化学工業(株)製)56gを溶解した水溶液200mlを加え、2層に別れた有機層を分液ロートで分液した。さらに、塩化メチレン(和光純薬工業(株)製)100mlを加え抽出する操作を2回行った。分液した有機層をまとめ、飽和食塩水で洗浄した後、炭酸カリウム(和光純薬工業(株)製)を加えて乾燥し、減圧濾過した。得られた有機層の溶媒をロータリーエバポレーターを用いて留去し、残留分について常圧蒸留を行い、沸点135℃付近の留分を18.9g得た。この化合物が2−メトキシエチルジエチルアミンであることをH−核磁気共鳴スペクトル(以下、NMRという)により確認した。
【0071】
得られた2−メトキシエチルジエチルアミン8.24gをテトラヒドロフラン(和光純薬工業(株)製)10mlに溶解し、氷冷下、ヨウ化メチル(和光純薬工業(株)製)4.0mlを加えた。30分後、アイスバスを外し、室温にて一晩撹拌した。この反応溶液の溶媒を減圧留去し、得られた固形分をエタノール(和光純薬工業(株)製)−テトラヒドロフラン系で再結晶し、2−メトキシエチルジエチルメチルアンモニウムヨウ素塩を16g得た。
[合成例2] 化合物(2)の合成
【0072】
【化10】
Figure 2004087387
【0073】
合成例1で得られた2−メトキシエチルジエチルメチルアンモニウムヨウ素塩15.0gを蒸留水100mlに溶解し、酸化銀(関東化学(株)製)6.37gを加え、3時間撹拌した。この反応混合物を減圧濾過して、沈殿物を取り除いた後、撹拌下、42%テトラフルオロホウ酸(関東化学(株)製)を反応液がpH5〜6付近になるまで少量ずつ加えた。この反応溶液を凍結乾燥し、さらに真空ポンプで水を十分留去し、室温(25℃)で液体状の化合物(2)を12.39g得た。
【0074】
[1]電解質組成物
[実施例1]
電解質塩として合成例1で得られたジエチルメチル−2−メトキシエチルアンモニウムヨウ素塩1.37g、および酸化還元対を形成する分子としてヨウ素(和光純薬工業(株)製)0.127gとを室温で混合し、これに合成例2で得られた常温溶融塩(化合物(2))を加えて10mlにメスアップして電解質組成物を得た。
【0075】
[実施例2]
電解質塩として、特公昭63−238064号公報に記載される公知の方法で製造した1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヨウ素塩1.19gを用い、常温溶融塩として1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(東京化成工業(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様にして電解質組成物を得た。
【0076】
[比較例1]
電解質塩としてヨウ化リチウム(和光純薬工業(株)製)0.669gを用いた以外は、実施例1と同様にして電解質組成物を得た。
【0077】
[比較例2]
電解質塩として1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヨウ素塩1.19gを用い、常温溶融塩として化合物(2)を用いた以外は、実施例1と同様にして電解質組成物を得た。
【0078】
[比較例3]
電解質塩としてヨウ化リチウム0.669gを用いた以外は、実施例2と同様にして電解質組成物を得た。
【0079】
[比較例4]
電解質塩として化合物(2)1.37gを用い、常温溶融塩として1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートを用いた以外は、実施例1と同様にして電解質組成物を得た。
【0080】
上記各実施例および比較例で調製した電解質組成物の組成を表1に示す。ただし、表1の陽イオン1は、ジエチルメチル−2−メトキシエチルアンモニウムカチオンを、陽イオン2は、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンを示す。
また、上記各実施例および比較例で得られた電解質組成物からなる電解質について、イオン伝導度を測定した。この結果を併せて表1に示す。なお、イオン伝導度の測定は、周波数0.1Hz〜10kHz、電圧10V、30℃の条件で、交流法を用いた複素インピーダンス測定により、行った。
【0081】
【表1】
Figure 2004087387
【0082】
表1に示されるように、実施例1,2の電解質組成物からなる電解質は、常温溶融塩および電解質塩の陽イオンが共に同一であるから、実施例1の電解質は、比較例1,2の電解質よりも、実施例2の電解質は、比較例3,4の電解質よりもイオン伝導度が高いことがわかる。
【0083】
[2]光電気化学電池
[実施例3,4および比較例5〜8]
▲1▼半導体分散液の調製
光触媒酸化チタン(ST−21、石原産業(株)製)30重量部、ポリエチレングリコール(平均分子量20,000)12重量部、分散剤(ToritonX−100、アルドリッチ社製)0.5重量部、0.1M硝酸水溶液57.5重量部を混合し、湿式ジェットミル(ジーナスPY、(株)ジーナス製)を用い、150MPaの圧力で、酸化チタンの平均粒子径が0.4μm以下になるまで分散させ、半導体分散液を調製した。なお、平均粒子径は、マイクロトラックHRA(日機装(株)製)を用いて測定した。
【0084】
▲2▼金属酸化物半導体電極の作製
ITOをコーティングした導電性ガラス(セントラルガラス(株)製)の導電面側にガラス棒を用いて先に調製した半導体分散液を塗布した。この際、導電面側の端部に粘着テープを張って、これをスペーサーとした。
塗布後、100℃で乾燥させた後、粘着テープを剥離した。続いて、このガラスを電気炉(マッフル炉FP−32型、ヤマト科学製)に入れ、大気下、500℃で30分間焼成した。焼成後、ガラスを冷却し、冷却したガラスをシス−ジ(チオシアナト)−N,N′−ビス(2,2′−ビピリジル−4,4′−ジカルボン酸)ルテニウム(II)(小島化学薬品(株)製)のエタノール溶液(3×10−4M)に24時間浸漬し、色素を吸着させた。色素吸着後のガラスを4−t−ブチル−ピリジンに15分間浸漬した後、エタノールで洗浄し、自然乾燥させ、厚さ約7μmの半導体層を有する半導体電極を作製した。
【0085】
▲3▼対向電極の作製
ITOをコーティングした導電性ガラス(セントラルガラス(株)製)の導電面側にミニスパッタコーター(SC7620、(株)トプコン製)を用いて白金をスパッタリングして対向電極とした。
▲4▼光電気化学電池の作製
上述のようにして得られた金属酸化物半導体電極および対向電極を、厚み100μmのスペーサーを介して重ね合わせ、さらにスペーサーによって生じた隙間に上記各実施例1,2および比較例1〜4で得られた電解質組成物を注入した後、エポキシ樹脂で封止して実施例3,4および比較例5〜8の光電気化学電池を得た(電極面積20×20mm)。
【0086】
以上のようにして作製した各光電気化学電池について、開放電圧、短絡電流、形状因子、および240時間後の短絡電流密度の低下率を測定、評価した。結果を表2に示す。
【0087】
【表2】
Figure 2004087387
【0088】
表2において、各項目の測定は以下のようにして行った。
光源として500Wのキセノンランプ(ウシオ製)を用い、AM1.5フィルター(Oriel社製)およびシャープカットフィルター(Kenko L−42、(株)ケンコー光学製)を通すことにより、紫外線を含まない模擬太陽光を発生させ、無抵抗電流計を備えたポテンショスタットを用いて開放電圧、短絡電流、形状因子を測定した。
【0089】
表2に示されるように、本発明の電解質組成物からなる電解質層を有する実施例3,4の光電気化学電池は、それぞれ比較例5,6の光電気化学電池、比較例7,8の光電気化学電池と比べて、発電特性および耐久性に優れていることがわかる。また、LiIを電解質塩として用いるよりも、4級塩を電解質塩として用いた方が、発電特性および耐久性が向上していることもわかる。
なお、本実施例の光電気化学電池は、揮発性の溶媒を全く含んでいないため、耐揮発性の面から見ても、耐久性に優れたものであるといえる。
【0090】
【発明の効果】
本発明によれば、電解質組成物における常温溶融塩の陽イオンと、電解質塩の陽イオンとを同一とすることで、従来の溶融塩を使用した酸化還元系電解質よりもイオン伝導度を高めることができる。
また、この電解質組成物を含んで形成される電解質を光電気化学電池の電解質として用いることで、電池の光電変換効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る光電気化学電池を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 光電気化学電池
10 半導体電極
11 透明基体
12 透明導電層
13 半導体層
13A 色素
20 電解質層
30 対向電極

Claims (7)

  1. 常温溶融塩と、この常温溶融塩に溶解する電解質塩と、この電解質塩の陰イオンと酸化還元対を形成する分子とを少なくとも含み、
    前記常温溶融塩の陽イオンと、前記電解質塩の陽イオンとが同一であることを特徴とする電解質組成物。
  2. 前記陽イオンが、下記一般式(1)で示される4級アンモニウムカチオンであることを特徴とする請求項1記載の電解質組成物。
    Figure 2004087387
    〔式中、R〜Rは互いに同一または異種の炭素数1〜8のアルキル基を示し、Meはメチル基を意味する。〕
  3. 前記陽イオンが、下記式(2)で示される4級アンモニウムカチオンであることを特徴とする請求項2記載の電解質組成物。
    Figure 2004087387
    〔式中、Meはメチル基を、Etはエチル基を意味する。〕
  4. 前記陽イオンが、下記一般式(3)で示されるイミダゾリウムカチオンであることを特徴とする請求項1記載の電解質組成物。
    Figure 2004087387
    〔式中、R〜Rは互いに同一もしくは異なってもよい水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を示す。〕
  5. 前記陰イオンがヨウ化物イオンまたは臭化物イオンであり、これら各イオンにそれぞれ対応して前記分子がヨウ素または臭素であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電解質組成物。
  6. 半導体電極および対向電極と、これら各電極間に介在させた電解質層とを備える光電気化学電池であって、
    前記電解質層が、請求項1〜5のいずれかに記載の電解質組成物を含んで形成されていることを特徴とする光電気化学電池。
  7. 前記半導体電極が、金属酸化物と、この酸化物表面に吸着された色素と、を備えて構成されていることを特徴とする請求項6記載の光電気化学電池。
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