JP2004085824A - 画像読取装置の照明装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】配列基板14上にLED11を一列または二列に並べ、配列基板14上に通電パターンを形成する。これらの上方には、蛍光体を塗布した透明板12を配置する。並べられたLED11から出た紫外線(UV)が透明板12(の蛍光体)に当ると、透明板12が可視光(VR)で発光し、LED配列方向に長さを有する長尺光源(線状光源)10A又は10Bが得られる。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、スキャナ等における画像読取装置の原稿照明装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機、ファクシミリ、スキャナ等における画像読取装置は、読み取り対象である原稿を照明するための原稿照明装置を有している。原稿照明装置の光源は、原稿幅(主走査方向)の照明を行うことから所定の長さの長尺光源である必要がある。従来、原稿照明装置の光源としては、ハロゲンランプ,蛍光灯,Xeランプ等が使用されてきた。
【0003】
ところで、近年、各種OA機器においても環境対策が要求され、画像読取装置においても、より低消費電力化することが求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、原稿照明装置の光源として従来使用されてきた上記のランプ類は、いずれもフィラメント発光や放電発光を原理としているため、発光効率にも限界があり、より低消費電力の新しいタイプの長尺光源が求められている。
【0005】
本発明は、従来の原稿照明装置における上述の問題を解決し、より低消費電力の光源を備える原稿照明装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の課題は、本発明により、画像読取装置における読み取り対象物に光を照射するための照明装置において、複数の紫外線発光LED素子を読取対象に向けて列状に配置し、読取対象と前記LED素子との間に蛍光体を塗布した透明板を配置したことを特徴とする画像読取装置の照明装置により解決される。
【0007】
また、前記の課題を解決するため、本発明は、前記複数の紫外線発光LED素子を千鳥状に配置することを提案する。
また、前記の課題を解決するため、本発明は、前記紫外線発光LED素子は、前記透明板上における紫外線照射領域が隣接する前記LED素子の紫外線照射領域と重なるように配置されていることを提案する。
【0008】
また、前記の課題を解決するため、本発明は、前記紫外線発光LED素子は、当該照明装置の長手方向における曲率が長手方向と直交する方向における曲率よりも大きくなっている凸レンズ状の被覆面を有することを提案する。
【0009】
また、前記の課題を解決するため、本発明は、前記紫外線発光LED素子が金属性基板に搭載されることを提案する。
また、前記の課題を解決するため、本発明は、前記透明板が、読取対象に向いた凸レンズ状に形成されていることを提案する。
【0010】
また、前記の課題を解決するため、本発明は、少なくとも前記紫外線発光LED素子、該LED素子が搭載される基板及び前記透明板を封止部材により一体的に封止することを提案する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、一般的な原稿読取装置の主要構成を示す断面図である。この図に示す原稿読取装置100は、装置上面にコンタクトガラス101を配置している。そして、コンタクトガラス101下方の装置内には、第1及び第2走行体104,105、レンズ108、固体撮像素子(CCD)109等が配設されている。
【0012】
第1走行体104は照明手段102とミラー103を支持しており、第2走行体105は二つのミラー106,107を支持している。この第1及び第2走行体104,105は、コンタクトガラス101の下方で図の左右方向に移動可能に設けられており、第2走行体105は第1走行体104の1/2の速度で移動するようになっている。これらの走行体104,105が移動しながらコンタクトガラス101上の原稿画像を走査する。原稿走査時に、照明手段102により照明された原稿の反射光は、ミラー103,106,107に反射し、レンズ108を介してCCD109に入射して電気信号に変換される。読み込まれた原稿画像のデータはデジタル信号として適宜処理され、ファクシミリ機能により遠隔地へ送られたり、複写機やプリンタ等の画像形成装置で印刷される。なお、このデータをコンピュータに取り込み、画像処理して適宜利用することもできる。
【0013】
なお、図1では、照明手段102をランプ状の丸型断面で示してあるが、本願発明では、原稿照明用の光源として、以下に説明するような、紫外線発光LEDと蛍光体とを組み合わせた光源を用いるものである。
【0014】
図2は、本願発明に係る原稿照明装置に用いる紫外線発光LEDと蛍光体とを組み合わせた光源の構成を示す側面図である。この図において、LEDチップ11の上方には、蛍光体13を塗布した透明板(ガラス等)12が配置されている。例えば、窒化インジウムガリウム系材料を用いたLEDチップ11からは紫外発光が得られる。LED11から発した紫外光UVが蛍光体13に当たると、蛍光体は可視光発光をする。蛍光体13の発光色は数タイプの蛍光体のブレンドによりある程度自在に作ることができる。
【0015】
図3は、本願発明に係る原稿照明装置の一実施例を示す斜視図である。図3(a)のものは、複数のLED11を一列に並べたもので、図3(b)のものは、複数のLED11を二列に並べたものである。
【0016】
この図に示すように、ガラスエポキシ基板などの配列基板14上にLED11を一列または二列に並べ、配列基板14上に通電パターンを形成する。これらの上方(図における上方)には、蛍光体を塗布した透明板12が配置されている。図2で説明したように、並べられたLED11から出た紫外線(UV)が透明板12(の蛍光体)に当ると、透明板12が可視光(VR)で発光し、LED配列方向に長さを有する長尺光源(線状光源)10A又は10Bが得られる。なお、図3(b)では透明板12の図示を省略している。ここではLED11を一列または二列に並べた例を紹介したが、LED11を3列以上の複数列に配置することも可能である。
【0017】
紫外線発光LEDと蛍光体とを組み合わせた光源は、従来のランプ光源に比べて発光効率に優れ、原稿照明装置の低消費電力化を図ることができる。図3で説明したように、列状に並べた紫外線発光LEDの紫外光を受けて長方形の透明板12に塗布された蛍光体13が可視光発光するので、原稿照明に必要な線状の照明光(長尺光源)を得ることができる。
【0018】
図4は、原稿照明装置の第2実施例を示す斜視図である。この図に示すものは、複数のLED11を千鳥状に並べたものである。図4(a)の光源20Aは、二列のLED11を千鳥状に配置したものであり、図4(b)の光源20Bは、三列のLED11を千鳥状に配置したものである。なお、四列以上のLEDを千鳥状に配置することもできる。また、図4(a)のものを一列の千鳥状配置と見なせば、二列の千鳥状配置(別の見方で言えば、四列のLED11を千鳥状に配置したもの)あるいは三列以上の千鳥状配置とすることもできる。
【0019】
さて、図4に示すように、複数のLED11を千鳥状に配列することにより、図3の実施例に比べてLEDを密に配置することができ、LED間の光量低下を防ぐことができる。このため、LED間の光量(紫外線光量)が少ないことによる可視光発光のムラを防ぐことができ、可視光(VR)の光量も多く得ることができる。
【0020】
図5は、原稿照明装置の第3実施例を示す斜視図である。この図に示す光源30は、LEDによる紫外線照射領域が重なるように、LED11を配置したものである。
【0021】
すなわち、図5に示すように、隣接するLED11から照射される紫外線(UV)は、透明板12の下面(図における下面)に破線の丸印で示したように、照射領域が互いに重なるようになっている。このため、LED間での光量低下がなく、可視光発光のムラを防ぐことができ、可視光(VR)の光量も多く得ることができる。また、少ない列数でも可視光(VR)の光量を多く得ることができる。なお、この図ではLED11を一列に並べた例を紹介したが、LEDによる紫外線照射領域が重なるように、LED11を2列以上の複数列に配置することも可能である。また、それらのLED11を千鳥状配置とすることも可能である。
【0022】
図6は、原稿照明装置の第4実施例を示す斜視図である。図6(a)は光源40の正面図、図6(b)は側面図である。
図6に示すように、光源40のLED41は、素子上面を覆う凸曲面のレンズ(被覆面)の曲率が長手方向(画像読取装置の主走査方向)と短手方向(副走査方向)で異なっており、長手方向の曲率R2が短手方向の曲率R1よりも大きくなっている。これにより、LED41から照射される紫外線は、レンズの長辺方向に緩やかに広がった照射領域となり、レンズの短辺方向では長辺方向よりも集光するように構成されている。このため、列方向(主走査方向)では隣接するLEDとの照射領域の重なり部が得やすくなり、LED同士の間隔(長手方向)が離れていてもLED間の光量低下を防ぎやすい。これにより、ムラが無く光量の大きい線状光源を容易に得ることができる。なお、図中の符号Gは原稿である。
【0023】
図6に示すLED41を複数列に並べることも、また、千鳥状配置とすることも可能である。
【0024】
図7は、原稿照明装置の第5実施例を示す側面図である。
この図に示すように、本例の光源50においては、LED11からの紫外線(UV)が照射される透明板(図示しない蛍光体が塗布されている)として、レンズ状に形成された透明板52を使用している。このレンズ状透明板52によって、LED11からの紫外線(UV)を受けて発光した可視光(VR)は、原稿面(原稿Gの下面)に集光される。図では1つのLED11しか示していないが、LED11は原稿幅方向(主走査方向)に複数が一列に並べられたものである。また、LED11を複数列に並べることも、千鳥状に配置することもできる。さらには、LEDとして図6のLED41を用いることもできる。
【0025】
本実施例においては、レンズ状透明板52により可視光(VR)が原稿面に集光されることから、効率の良い線状光源を得ることができる。なお、図6、図7においては、LED41又は11が配列される基板14(図3参照)は図示を省略している。
【0026】
図8は、原稿照明装置の第6実施例を示す斜視図である。
この図に示す光源60は、基板14上に複数個のLED11を列状に並べ、これを透明な封止部材61により一体的に封止したものである。本例では、封止部材61を透明板として兼用しており、封止部材61の内面に蛍光体が塗布される。封止部材61としては、合成樹脂やガラス等の材料を使用することができる。また、その合成樹脂やガラス等の材料により、封止部材61がレンズ作用を持つように構成することも可能である。
【0027】
封止部材61を透明板として兼用するほか、蛍光体が塗布される透明板を別部材として設け、少なくともLED11,基板14及び別部材の透明板を封止部材により封止するように構成しても良い。また、封止部材は、全体が透明部材であってもよいが、少なくとも原稿に対して可視光を照射する領域が透明になっている構成でも良い。例えば、封止部材が1部材でできているのではなく、例えば、長手方向両側の端面と、短手方向両側の端面と、上面=原稿に対して可視光を照射する領域とに分けた別部材を接合して封止部材として構成することができる。
【0028】
なお、図にはLED11を一列に並べたものを示すが、LED11を複数列に並べることも、千鳥状に配置することもできる。さらには、LEDとして図6のLED41を用いることもできる。
【0029】
本実施例においては、LED11(又はLED41)及び配列基板14等の各部品を封止部材により密封することができるため、各部品の汚れを防止することができる。また、強度的にも各部品が単品で存在するよりも有利である。さらに、取り扱いや画像読取装置の組立作業も容易になる。
【0030】
また、前記各実施例において、紫外線発光LED(11,41)を搭載する配列基板14として、金属基板を用いることができる。その場合、LED(11,41)の発熱が効率よく基板14に伝わり放熱効率が高くなる。LEDの発熱が効率よく発散されない場合には、LEDの発光量や寿命が低下したり、また、LEDの発光量に温度依存性もあるため、最終的に得られる可視光量の安定性が悪くなる。しかし、LED搭載基板として金属基板を用いることにより放熱効率を高め、LEDの発光量および寿命の低下を防ぐとともに、温度依存性のあるLEDの発光量を安定させ、最終的な可視光量も安定する。
【0031】
以上、本発明を図示例により説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。紫外線発光ダイオード(LED)および蛍光材料としては、例示したものに限らず適宜なものを使用可能である。紫外線の波長も特に限定しない。蛍光材料は1種類に限らず、2種以上の材料を混合したものでも良い。また、列状に並べるLEDの数や、列数、配置等も任意である。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の照明装置によれば、複数の紫外線発光LED素子を読取対象に向けて列状に配置し、読取対象と前記LED素子との間に蛍光体を塗布した透明板を配置したので、紫外線発光LEDと蛍光体とを組み合わせた光源により従来のランプ光源に比べて発光効率に優れ、原稿照明装置の低消費電力化を図ることができる。また、原稿照明に必要な線状照明光を得ることができる。
【0033】
請求項2の構成により、複数の紫外線発光LED素子を千鳥状に配置したので、LEDを密に配置することができ、LED間の光量低下を防ぐことができる。このため、LED間の光量(紫外線光量)が少ないことによる可視光発光のムラを防ぐことができ、可視光(VR)の光量も多く得ることができる。
【0034】
請求項3の構成により、紫外線発光LED素子は、透明板上における紫外線照射領域が隣接するLED素子の紫外線照射領域と重なるように配置されているので、LED間での光量低下がなく可視光発光のムラを防ぐことができ、可視光(VR)の光量も多く得ることができる。また、少ない列数でも可視光(VR)の光量を多く得ることができる。
【0035】
請求項4の構成により、紫外線発光LED素子は、照明装置の長手方向における曲率が長手方向と直交する方向における曲率よりも大きくなっている凸レンズ状の被覆面を有するので、長手方向(主走査方向)では隣接するLEDとの照射領域の重なり部が得やすくなり、LED同士の間隔(長手方向)が離れていてもLED間の光量低下を防ぎやすい。これにより、ムラが無く光量の大きい線状光源を容易に得ることができる。
【0036】
請求項5の構成により、紫外線発光LED素子が金属性基板に搭載されるので、放熱効率を高め、LEDの発光量および寿命の低下を防ぐとともに、温度依存性のあるLEDの発光量を安定させ、最終的な可視光量も安定する。
【0037】
請求項6の構成により、透明板が読取対象に向いた凸レンズ状に形成されているので、可視光が読取対象に集光され、効率の良い線状光源を得ることができる。
請求項7の構成により、少なくとも紫外線発光LED素子、該LED素子が搭載される基板及び透明板を封止部材により一体的に封止したので、各部品を封止部材により密封することができるため、各部品の汚れを防止することができる。また、強度的にも各部品が単品で存在するよりも有利である。さらに、取り扱いや画像読取装置の組立作業も容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】原稿読取装置の主要構成を示す断面図である。
【図2】紫外線発光LEDと蛍光体とを組み合わせた光源の構成を示す側面図である。
【図3】原稿照明装置の一実施例を示す斜視図である。
【図4】原稿照明装置の第2実施例を示す斜視図である。
【図5】原稿照明装置の第3実施例を示す斜視図である。
【図6】原稿照明装置の第4実施例を示す斜視図である。
【図7】原稿照明装置の第5実施例を示す側面図である。
【図8】原稿照明装置の第6実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
11,41 LED
12 透明板
13 蛍光体
14 配列基板
10,20,30,40,50,60 長尺光源(照明手段)
52 レンズ状透明板
61 封止部材
100 原稿読取装置
UV 紫外線
VR 可視光
Claims (7)
- 画像読取装置における読み取り対象物に光を照射するための照明装置において、
複数の紫外線発光LED素子を読取対象に向けて列状に配置し、読取対象と前記LED素子との間に蛍光体を塗布した透明板を配置したことを特徴とする画像読取装置の照明装置。 - 前記複数の紫外線発光LED素子を千鳥状に配置したことを特徴とする、請求項1に記載の照明装置。
- 前記紫外線発光LED素子は、前記透明板上における紫外線照射領域が隣接する前記LED素子の紫外線照射領域と重なるように配置されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の照明装置。
- 前記紫外線発光LED素子は、当該照明装置の長手方向における曲率が長手方向と直交する方向における曲率よりも大きくなっている凸レンズ状の被覆面を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の照明装置。
- 前記紫外線発光LED素子が金属性基板に搭載されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の照明装置。
- 前記透明板が、読取対象に向いた凸レンズ状に形成されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の照明装置。
- 少なくとも前記紫外線発光LED素子、該LED素子が搭載される基板及び前記透明板を封止部材により一体的に封止したことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の照明装置。
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