JP2004085760A - ハーフトーン型位相シフトマスク用ブランク及びそれを用いたハーフトーン型位相シフトマスク、並びにパターン転写法 - Google Patents
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Abstract
【課題】短波長領域における透過性を上げて、半透明層(ハーフトーン膜)の膜厚を減少させた、また、スパッタリング成膜における膜欠陥を低減させたハーフトーン型位相シフトマスク用ブランク、及びハーフトーン型位相シフトマスク、それを用いたパターン転写法を提供すること。
【解決手段】位相差調整層2及び透過率調整層3が設けられた2層構成のハーフトーン型位相シフトマスク用ブランクの2層はいずれも金属シリサイドもしくはその化合物からなる薄膜であり、透過率調整層が金属とシリコン及び窒素を主成分とする薄膜であること。
【選択図】図2
【解決手段】位相差調整層2及び透過率調整層3が設けられた2層構成のハーフトーン型位相シフトマスク用ブランクの2層はいずれも金属シリサイドもしくはその化合物からなる薄膜であり、透過率調整層が金属とシリコン及び窒素を主成分とする薄膜であること。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造プロセス中のフォトリソグラフィ工程で使用される露光転写用のフォトマスク及びこれを製造するためのフォトマスク用ブランクに係るものであり、特に、ハーフトーン型位相シフトマスク、ハーフトーン型位相シフトマスク用ブランク、及びパターン転写法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ここ数年の半導体デバイスの急激な微細化に伴い、Siウエハ上にマスクパターンを転写するリソグラフィ技術も同時に急激な進歩を遂げてきた。縮小投影露光装置(ステッパー)は解像性を向上させるために、i線(波長365nm)以降ではKrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)といった遠紫外線領域、さらにはF2レーザー(波長157nm)の真空紫外線領域へと短波長化の一途を辿っている。
【0003】
位相シフト法はリソグラフィ技術における解像度向上技術の1つであり、開発が盛んに行われている。原理的にはマスク上の隣接する領域に互いの透過光が180度となるように位相シフト部を設けることにより、透過光が回折し干渉し合う際に境界部の光強度を弱め、その結果として転写パターンの解像度を向上させるものである。これにより通常のフォトマスクに比べて飛躍的に優れた微細パターンの解像度向上効果および焦点深度向上の効果を持つ。
【0004】
上記のような位相シフトマスクとして、レベンソン型やハーフトーン型などが公知となっている。特に、ハーフトーン型位相シフトマスク(以下ハーフトーンマスクと記す)は、半透明層に透過光の位相反転作用、およびパターン内部でレジストの感度以下での遮光性の役割を持たせる事により透過光強度のエッジ形状を急峻にして解像性や焦点深度特性を向上させ、マスクパターンを忠実にウエハ上に転写する効果を有したものであり、特に、孤立パターンの解像度向上に有効である。
【0005】
ハーフトーンマスクには、位相差(位相反転作用)と透過率(遮光性)を与える半透明層が、一種類の薄膜材料で構成された単層型ハーフトーンマスクと、位相差と透過率を与える半透明層が二種類以上の薄膜材料から構成された多層型ハーフトーンマスクとがある。
多層型ハーフトーンマスクのうち最も簡単な構造は、位相シフト層(位相差調整層)と透過率調整層を別々に一種類ずつの薄膜材料で制御する2層型ハーフトーンマスクである。
【0006】
ハーフトーンマスク(以下、マスク用ブランクを含む)の半透明層は、露光波長である紫外線の透過率が一般的には5%から15%、同じく反射率は25%以下、検査波長での透過率が40%以下という分光学的条件を満足しなければならない。
【0007】
この理由は、露光波長での反射率が高いと、投影転写を行う際にマスクとウェハーとの間の多重反射によって露光精度が低下してしまうからである。また、マスクの検査、寸法測定では主に365nm(i線)の可視光や257nmの紫外線が用いられるが、この検査波長に対する透過率が40%を超えると、透過部(ガラス基板)と半透明層部のコントラストが低下し、検査、寸法測定が困難になるという問題が生じてしまうからである。
【0008】
上記のような必要条件、すなわち波長の短い紫外線領域での透過性、および可視光域までの平坦な分光特性を実現するための方策として、ハーフトーンマスクのための半透明層の材料としては、MoSiなどの金属シリサイドやCrFなどの金属弗化物が提案され、i線露光やKrF露光において使用されてきた。
【0009】
また、ハーフトーンマスクに限らず、一般に、マスク用ブランクを製造する際の成膜方法としては、ガラス基板への付着力に優れたスパッタリング法が用いられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
今後のArF露光、さらにはF2露光においても同様の分光特性を実現しようとすると、さらに短波長領域における透過性を上げる必要が出てくる。このため金属シリサイドによる半透明層(ハーフトーン膜)においては、Si(シリコン)の組成比を大きくし、吸収の小さいSiO2 成分を大きくする方法が取られる。
しかしながら一方で、膜中に占めるSiO2 成分の割合が増すことによって、膜の屈折率は基板であるガラスの屈折率に近づく為、開口部とパターン部の間で得られる位相シフトの効果が小さくなる。すなわちSiO2 成分を増やした膜において、従来と同じ位相シフトの効果を得る為には膜厚を増大させる必要があり、微細パターン解像を目的としたマスク作製のプロセス上に不都合を招く。
【0011】
更に、半透明層(ハーフトーン膜)におけるSiの組成比を大きくする為、より高いSi組成比を有するターゲットを用いたスパッタリング成膜を行うと、Siは不導体であることから、ターゲットにおける電荷蓄積(チャージアップ)が起こりやすくなる。
これは、スパッタリング成膜におけるターゲット近傍での異常放電(アーク)を誘発することにつながる。この異常放電が一度発生すると、ターゲット材がクラスター状にスパッタされ膜中の膜欠陥を増加させる要因となる。
【0012】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであり、短波長領域における透過性を上げ、半透明層(ハーフトーン膜)の膜厚を減少させた、また、スパッタリング成膜における膜欠陥を低減させたハーフトーン型位相シフトマスク用ブランク、及びそれを用いたハーフトーン型位相シフトマスク、並びにそれを用いたパターン転写法を提供することを課題とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ガラス基板上に主として位相シフト効果を有する位相差調整層、及び主として透過率に関わる透過率調整層が設けられた2層構成のハーフトーン型位相シフトマスク用ブランクにおいて、これら2層はいずれも金属シリサイドもしくはその化合物からなる薄膜であり、このうち前記透過率調整層が金属とシリコン及び窒素を主成分とする薄膜であることを特徴とするハーフトーン型位相シフトマスク用ブランクである。
【0014】
また、本発明は、上記発明によるハーフトーン型位相シフトマスク用ブランクにおいて、前記金属とシリコン及び窒素を主成分とする薄膜は、金属、シリコン、窒素の全原子数に対する窒素の原子数が30%以上を占める薄膜であることを特徴とするハーフトーン型位相シフトマスク用ブランクである。
【0015】
また、本発明は、上記発明によるハーフトーン型位相シフトマスク用ブランクにおいて、前記金属とシリコン及び窒素を主成分とする薄膜の屈折率が、1.7以上であることを特徴とするハーフトーン型位相シフトマスク用ブランクである。
【0016】
また、本発明は、上記発明によるハーフトーン型位相シフトマスク用ブランクを用いて作製したことを特徴とするハーフトーン型位相シフトマスクである。
【0017】
また、本発明は、上記発明によるハーフトーン型位相シフトマスクを用い、フォトリソグラフィ法による露光転写でパターン形成を行なうことを特徴とするパターン転写法である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の2層構成のハーフトーンマスクの構造を模式的に示す断面図である。図1に示すように、本発明のハーフトーンマスクは、ガラス基板1上に、位相差調整層マスクパターン2a、及び透過率調整層マスクパターン3aが形成されたものである。この上下層の順序は逆であっても本発明の効果に変わりはないので上下層の順序は問わない。
【0019】
図2は、本発明の2層構成のハーフトーンマスク用ブランクの構造を模式的に示す断面図である。図2に示すように、本発明のハーフトーンマスク用ブランクは、ガラス基板1上に、位相差調整層2、及び透過率調整層3が形成されたものであり、位相差調整層2と透過率調整層3とで半透明層(ハーフトーン膜)4を構成している。
【0020】
本発明のハーフトーンマスク用ブランクは、本発明のハーフトーンマスクを作製するためのマスク用ブランクであり、レジスト塗布、電子線やレーザによる描画、ドライエッチングなどの工程を経て、図1に示すハーフトーンマスクとなる。上下層の順序が逆であってもよいのは図1に示すハーフトーンマスクと同様である。
尚、図2に示すハーフトーンマスク用ブランクにレジストを塗布した形態や、3色型のために位相差調整層の上に遮光膜を付けた形態もマスク用ブランクと称する場合もあるが、これらの形態も本発明のマスク用ブランクの概念に含むものとする。
【0021】
一般に、薄膜の透過率(T)、反射率(R)は、均質な薄膜で、界面の荒れもないと仮定すれば、薄膜の光学定数(屈折率(n)、消衰係数(k))と膜厚(d)、および透明基板の屈折率(ns)により定まる。
さらに、ハーフトーンマスクでは位相差が重要なものであるが、位相差(PS)(度)は次の一次式(数式(1))で近似することができる。
PS=360×(n−1)×(d/λ) ・・・・・・(1)
(λ:波長)
【0022】
数式(1)から分かるように、ハーフトーンマスクで望ましい位相差180度を得る際に、膜厚(d)をなるべく小さくするためには、屈折率(n)の大きい薄膜材料を使うことが望ましい。
さらに、消衰係数(k)は主として透過率を左右するものであり、薄膜による光の吸収係数μとは次式(数式(2))の関係がある。
μ=4πk/λ ・・・・・・・・・・・(2)
【0023】
図3は、波長193nmにおける各種材料の光学定数をプロットしたものである。実線はそれぞれ単層膜で位相差180度を持つとき、透過率5%および15%となるための屈折率(n)、消衰係数(k)条件を結んだ線である。従って、両実線内にある材料は単層型ハーフトーンマスクの薄膜材料となることができる。しかし、単体金属の消衰係数は比較的安定して大きい為、単体金属にてこの範囲に入る薄膜を形成することは難しい。
このため、酸化物、窒化物とし、消衰係数(k)が小さく(おおよそk=0.5前後)なるように酸素および窒素の含有量を最適化するが、一般に単層型ハーフトーンマスクは検査波長での透過率が高くなりやすい。また、単層で透過率と位相差をあわせなければならない。
【0024】
そこで、従来は2層型ハーフトーンマスクが使われ、MoSiなどの金属シリサイドを主体とした薄膜の酸化物や、CrFなどの金属弗化物が位相シフト層(位相差調整層)として利用されてきた。しかし、弗化物は照射耐性、その他の化学的安定性が充分ではない。他方、金属シリサイドの酸化物薄膜は一般にSiO2 の成分が含まれる分だけ消衰係数を小さくすることが出来る。
しかし、これら金属シリサイドを主体とした酸化物薄膜においてSiの組成比を大きくすると、SiO2 成分の形成が助長されることにより消衰係数が小さくなるが、その一方でSiO2 成分の屈折率は小さいので、同時に薄膜の屈折率低下も伴う。この場合、所望の位相シフト量を得る為の薄膜の膜厚が従来膜に比べて増大することにつながる。
この膜厚の増大は、スパッタリング法にて行われる成膜において薄膜作製時間の増加、位相差面内均一性の低下、その後のドライエッチング等によるパターン形成時におけるプロセス制御性、安定性の問題といった点において支障となる。
【0025】
更に、金属シリサイドの酸化物薄膜において、Si組成比を高める場合の不具合となる点は、この薄膜をスパッタリング成膜にて作製する際、成膜後の薄膜中における膜欠陥の発生頻度が高まるということである。
すなわち、より高いSi組成比を有する金属シリサイド系のターゲット、もしくはピュアSiターゲットを併用したスパッタリングを行う必要があるが、Siは不導体であることから、ターゲットにおける電荷蓄積(チャージアップ)が起こりやすくなる。
これは、スパッタリング成膜におけるターゲット近傍での異常放電(アーク)を誘発することにつながる。この異常放電が一度発生すると、ターゲット材がクラスター状にスパッタされ薄膜中の膜欠陥を増加させる要因となる。
【0026】
そこで本発明は、2層構成のハーフトーン型位相シフトマスク用ブランクの透過率のみの調整層として、金属シリサイドの窒化物薄膜を採用した透過率調整層を設けたものである。図3にみられるように、SiN成分の屈折率が大きい為、これにより数式(1)より半透明層(ハーフトーン膜)の膜厚を低減することができる。同時に、透過率調整層を窒化物薄膜とすることで、スパッタリング成膜後における薄膜中の膜欠陥に対する抑制効果があることも判明した。
【0027】
表1は、Si組成比80%のZrSi合金ターゲットをカソードとして、Ar/N2 混合ガスを成膜雰囲気としたスパッタリングにて、総流量に対するN2 ガス流量を変化させることで作製した薄膜中の膜欠陥数の変化を、N2 ガス流量0sccm(つまりArガスのみの雰囲気)にて作製した薄膜の膜欠陥数に対する比率で示したものである。
表1にみられるように、成膜雰囲気に占めるN2 ガス流量を増やすと膜欠陥は減少し、Arのみによる成膜欠陥に比し、N2 ガスを総流量に対して50%添加することで膜欠陥数を半分以下まで低減できる。
尚、SiN成分の消衰係数は比較的大きい為、透明性が求められる位相シフト層に対して、この金属シリサイドの窒化物薄膜を単層ハーフトーン用または位相差調整層用に適用することは難しい。
【0028】
【表1】
【0029】
次に、本発明の透過率調整層の屈折率について詳細に述べる。前述の通り、半透明層(ハーフトーン膜)4の膜厚Dは,従来に比べ増大させないようにする必要がある。これは、ArFエキシマレーザー光(波長193nm)に対し、図2に示す構成と同じ構成における従来の位相シフト層2’と本発明の透過率調整層3との和を従来の膜厚100nm〜130nm以下にすることである。
【0030】
本発明の透過率調整層3には窒化膜を利用するが、これは従来の透過率調整層に比べ屈折率が大きい。この為、従来膜と同じ膜厚でも本発明の透過率調整層の有する位相差分は増大することになる。
一方、より透明性が求められる位相差調整層2においては、前述した理由により、屈折率は低下する傾向にあるので、従来の位相シフト層2’の膜厚ではその保有する位相差分は減少することになる。この位相差の減少分を補填するには、位相差調整層2の膜厚を増大させる必要があり、これは位相差調整層2と透過率調整層3からなる半透明層(ハーフトーン膜)4の膜厚Dの増大につながる。
【0031】
これを避ける為、本発明の2層構成の半透明層(ハーフトーン膜)4においては、位相差の減少分を位相差調整層2自体の膜厚で補填するのではなく、屈折率を高めた窒化膜の透過率調整層3を採用することにより、この透過率調整層にて位相差の減少分を補填する。これにより半透明層(ハーフトーン膜)4における膜厚の増大を招くことなく、所望の位相差(180°)を得ることが出来る。
【0032】
またこの場合、透過率調整層3に求められる屈折率であるが、まず数式(1)より単層ハーフトーンにて1.7〜2.0程度の屈折率を有する膜を採用すれば、従来の半透明層(ハーフトーン膜)の膜厚の100nm〜130nm程度にて所望の位相差が得られる。
従って、位相差調整層2と透過率調整層3からなる、本発明の2層構成の半透明層(ハーフトーン膜)を、従来の半透明層(ハーフトーン膜)と同等の膜厚で形成するには、各々の層における屈折率の平均値が1.7以上であることが必要となることから、透過率調整層3は屈折率1.7以上の膜であることが好ましい。但し、位相差調整層2と透過率調整層3の屈折率の平均が1.7以上であれば良いから、位相差調整層2に屈折率が1.7より十分大きな膜を採用すればこの限りではない。 しかし、今後の動向として位相差調整層2においては一層の透明化の要求から、屈折率の低下が予想される。この為、透過率調整層3を形成する薄膜としては少なくとも1.7程度の屈折率を有するものが適当である。
【0033】
また、N2 ガス比25%のAr/N2 混合ガス雰囲気において、Si組成比80%のZrSi系合金ターゲットをカソードとしたスパッタリングにより作製した薄膜の組成分析を行った結果、Zr、Si、Nの全原子数に対するNの原子数は30.2%であった。
一方、これとは別に波長193nmにおける光学定数(屈折率(n)、消衰係数(k))をRT法により求めたところ、屈折率(n)は1.87であり、半透明層(ハーフトーン膜)の膜厚に対する制限から要求される屈折率の下限値1.7よりわずかに大きい値を有する膜であった。一般に、膜の窒化度が進むとSiN成分の形成促進に起因した屈折率(n)の増大を生じることから、窒化物の金属シリサイド薄膜をZrにて形成する場合、その膜中に占めるNの原子数の比が少なくとも30%程度であることが要求される。
【0034】
更に、図4(a)は、フッ素系のガスによるドライエッチングにてパターン形成を行う場合、各種被エッチング薄膜中におけるSi組成比に対してエッチングレートが変化していく様子を示すものである。
Si組成比の異なるZrSi系合金ターゲットをカソードとし、Ar/N2 もしくはAr/N2 OもしくはAr/O2 各々の混合ガスによる、反応性スパッタリング成膜を行い、組成比の変化したZraSibOcNd薄膜を成膜した。これら薄膜のフッ素系ガスに対するエッチングレートは、図4(a)にみられるように、金属シリサイドの窒化物薄膜では特に、この薄膜中のSi組成比を大きくした場合に酸化膜よりエッチングレートが向上する。
【0035】
更に、図4(b)は、塩素系ガスによるZrSi系窒化物薄膜のエッチング特性を示すものである。
このようにBCl3 とCl2 を適量混合することによりガラス基板(QZ)に対する選択比が向上する。図4(a)、(b)にみられるように、金属の種類や目的に応じ、金属とSiの組成比、透過率調整層と位相差調整層の上下の成膜順序、ドライエッチングガスを適宜選択することにより位相差調整層との選択比及びガラス基板との選択比を確保することができ、パターン精度、位相差精度の高いハーフトーンマスクを作製することができる。
尚、金属シリサイド薄膜を構成する金属としては、上記したZrの他、Mo、Ta、Crなどが挙げられ、これら金属を単独に用いても、組み合わせて用いても良い。
【0036】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により詳細に説明する。
<実施例1>
ここでは、本発明のハーフトーンマスクのうち透過率調整層の主要元素がZr、Si、Nであるハーフトーン膜を用いて、ArF(波長193nm)露光用の2層構成のハーフトーンマスクを作製した実施例について説明する。
【0037】
初めに、Si組成比80%のZrSi合金ターゲットをカソードとし、ArにN2 を加えた、反応性スパッタリング成膜実験を行い、組成比の変化したZrxSiyNz膜を数種類成膜した。組成比はAr/N2 流量比により変化させた。
ターゲット :ZrSi 合金ターゲット(Si組成比80%)
成膜雰囲気 :Ar+N2 =40[SCCM](反応性スパッタリング)
N2 =1,3,5,7,10,20[SCCM]
(N2 /(Ar+N2 )*100=2.5%〜50.0%)
成膜圧力 :0.25[Pa]
印加電力 :DC300[W]
ターゲット−基板間距離 :200[mm]
【0038】
上記のように作製した膜の波長193nmにおける光学定数(屈折率(n)、消衰係数(k))をRT法により求めた。その結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】
表2にみられるように、消衰係数(k)はN2 流量10[SCCM]の膜まで1より大きく、N2 流量20[SCCM]の膜にて初めて1より小さくなる。このように窒化膜は、概ね安定した消衰係数(k)の値を有する膜であることから、遮光性の透過率調整層として適用しやすい。
一方、屈折率(n)はN2 ガス流量(膜の窒素組成比)の増大とともに大きくなり、N2 ガス流量10[SCCM]の膜にて1.7以上の値となる。すなわち、Arに対してN2 ガスを流量比25%以上混合したスパッタリング条件にて、本発明の要求を満たすn≧1.7である膜を得ることができる。
この予備実験を受けて、今回はN2 ガス比25%のAr/N2 混合ガスより窒化を進めたN2 ガス比66%のAr/N2 混合ガスを透過率調整層のスパッタリングによる成膜ガス条件とした。N2 ガス比66%のAr/N2 混合ガスを用いて作製した膜における光学定数は、屈折率(n)=2.33、消衰係数(k)=0.68である。
【0041】
また、上記N2 ガス比66%のAr/N2 混合ガスを用いたスパッタリングにより作製した膜のXPS(X線光電子分光法)による組成分析を実施した。その結果、Zr、Si、Nの全原子数に対するNの原子数は40.2%であり、本発明の要求を満たしていた。
【0042】
次に、位相差調整層に適用される膜の組成を決める為、やはりまず予備実験を行った。位相差調整層においては透明性が求められる為、この際のスパッタリングにはO2 ガスを用いたO2 /N2 混合ガスを使用し酸化窒化膜とすることにした。ここで行った予備実験におけるガス条件は、O2 /N2 =2/20、4/20[SCCM]の2種類である。
【0043】
この2種類の膜における光学定数を調べたところ、O2 /N2 =2/20[SCCM]の膜の場合、屈折率(n)=1.50、消衰係数(k)=0.052、また、O2 /N2 =4/20[SCCM]の膜では、屈折率(n)=1.77、消衰係数(k)=0.033であった。これ以上、酸素の流量を増やすと、SiO2 が増加することによる屈折率(n)の低下がみられた。この結果を受けて、屈折率(n)はより大きいこと、消衰係数(k)はより小さいことが好ましいことから、O2 /N2 =4/20[SCCM]の膜を位相差調整層に適用することとした。
【0044】
上述のように、比較的遮光性の透過率調整層の成膜には、N2 ガス比66%のAr/N2 混合ガスを用い、比較的透明性の位相差調整層においては、O2 /N2 =4/20[SCCM]の膜を選定した。
まず、透明な合成石英基板1上に透過率調整層3を、その後位相差調整層2を各々24.16nm、59.21nmの膜厚にてそれぞれ成膜して本発明の2層構成のハーフトーン型位相シフトマスク用ブランクを得た。
さらに、このブランク上に電子線レジストを塗布し、ベーキングを行った。然る後に、通常の電子線描画を行い、現像してレジストパターンを作製した。その後、このレジストパターンをマスクにしたRIE(反応性イオンエッチング)を行うが、まずフッ素系ガスによる位相差調整層のエッチングを、次いで塩素系ガスによる透過率調整層のエッチングを行い、それぞれ位相差調整層パターン2a、及び透過率調整層パターン3aを得た。最後にレジストを剥離して、本発明のハーフトーンマスクが完成した。
【0045】
このように作製した2層構成のハーフトーンマスクの透過率は波長193nmにて6.2%、位相差は179°であり、波長248nmでは透過率24.0%であった。また、実施例1の透過率調整層及び位相差調整層の2層からなる半透明層(ハーフトーン膜)の膜厚は83.4nmであった。
【0046】
<比較例1>
ここで、透過率調整層を先の実施例1にて示したN2 ガス比66%のAr/N2 混合ガス使用膜ではなく、Arガスのみの使用によるスパッタリングにて成膜を行った場合の2層からなる半透明層(ハーフトーン膜)の膜厚、及びそのときの膜欠陥数を比較例1として挙げる。但し、位相差調整層に関しては先の実施例1にて適用された組成の膜をここでも採用した。
この場合、波長193nmにて透過率6%を有する2層からなる半透明層(ハーフトーン膜)の膜厚は161.3nmとなり、実施例1と比べると、その膜厚はほぼ倍である。更にまた膜欠陥数についても調べたところ、実施例1と比べるとその数はほぼ3倍であった。
この様に、本発明によれば2層からなる半透明層(ハーフトーン膜)の膜厚が従来組成膜のほぼ半分まで低減され、成膜時の膜厚面内均一性や制御性、ドライエッチングにより形成されるパターン精度向上、及びプロセス時間短縮等に有効であるとともに、ハーフトーン薄膜中の膜欠陥も低減される。
【0047】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の2層構成のハーフトーン型位相シフトマスク用ブランク、及びそれを用いたハーフトーン型位相シフトマスクでは、主に位相シフト効果を有する比較的透明性の位相差調整層と、主に透過率制御に関わる比較的遮光性の透過率調整層を有し、このうち透過率を制御する性質をもつ遮光性の透過率調整層を窒化物の金属シリサイドとし、所定の窒素含有量及び屈折率をもつことによりハーフトーン膜厚の低減が可能となる結果、成膜時の膜厚面内均一性や制御性、ドライエッチングにより形成されるパターン精度向上、及びプロセス時間短縮等に有効であるとともに、ハーフトーン薄膜中の膜欠陥も低減されたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の2層構成のハーフトーンマスクの構造を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の2層構成のハーフトーンマスク用ブランクの構造を模式的に示す断面図である。
【図3】波長193nmにおける各種材料の光学定数をプロットした説明図である。
【図4】(a)は、フッ素系のガスによるエッチングレートの説明図である。(b)は、塩素系ガスによるZrSi系窒化物薄膜のエッチング特性の説明図
【符号の説明】
1…ガラス基板
2…位相差調整層
2’…従来の位相シフト層
3…透過率調整層
2a…位相差調整層パターン
3a…透過率調整層パターン
4…半透明層(ハーフトーン膜)
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造プロセス中のフォトリソグラフィ工程で使用される露光転写用のフォトマスク及びこれを製造するためのフォトマスク用ブランクに係るものであり、特に、ハーフトーン型位相シフトマスク、ハーフトーン型位相シフトマスク用ブランク、及びパターン転写法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ここ数年の半導体デバイスの急激な微細化に伴い、Siウエハ上にマスクパターンを転写するリソグラフィ技術も同時に急激な進歩を遂げてきた。縮小投影露光装置(ステッパー)は解像性を向上させるために、i線(波長365nm)以降ではKrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)といった遠紫外線領域、さらにはF2レーザー(波長157nm)の真空紫外線領域へと短波長化の一途を辿っている。
【0003】
位相シフト法はリソグラフィ技術における解像度向上技術の1つであり、開発が盛んに行われている。原理的にはマスク上の隣接する領域に互いの透過光が180度となるように位相シフト部を設けることにより、透過光が回折し干渉し合う際に境界部の光強度を弱め、その結果として転写パターンの解像度を向上させるものである。これにより通常のフォトマスクに比べて飛躍的に優れた微細パターンの解像度向上効果および焦点深度向上の効果を持つ。
【0004】
上記のような位相シフトマスクとして、レベンソン型やハーフトーン型などが公知となっている。特に、ハーフトーン型位相シフトマスク(以下ハーフトーンマスクと記す)は、半透明層に透過光の位相反転作用、およびパターン内部でレジストの感度以下での遮光性の役割を持たせる事により透過光強度のエッジ形状を急峻にして解像性や焦点深度特性を向上させ、マスクパターンを忠実にウエハ上に転写する効果を有したものであり、特に、孤立パターンの解像度向上に有効である。
【0005】
ハーフトーンマスクには、位相差(位相反転作用)と透過率(遮光性)を与える半透明層が、一種類の薄膜材料で構成された単層型ハーフトーンマスクと、位相差と透過率を与える半透明層が二種類以上の薄膜材料から構成された多層型ハーフトーンマスクとがある。
多層型ハーフトーンマスクのうち最も簡単な構造は、位相シフト層(位相差調整層)と透過率調整層を別々に一種類ずつの薄膜材料で制御する2層型ハーフトーンマスクである。
【0006】
ハーフトーンマスク(以下、マスク用ブランクを含む)の半透明層は、露光波長である紫外線の透過率が一般的には5%から15%、同じく反射率は25%以下、検査波長での透過率が40%以下という分光学的条件を満足しなければならない。
【0007】
この理由は、露光波長での反射率が高いと、投影転写を行う際にマスクとウェハーとの間の多重反射によって露光精度が低下してしまうからである。また、マスクの検査、寸法測定では主に365nm(i線)の可視光や257nmの紫外線が用いられるが、この検査波長に対する透過率が40%を超えると、透過部(ガラス基板)と半透明層部のコントラストが低下し、検査、寸法測定が困難になるという問題が生じてしまうからである。
【0008】
上記のような必要条件、すなわち波長の短い紫外線領域での透過性、および可視光域までの平坦な分光特性を実現するための方策として、ハーフトーンマスクのための半透明層の材料としては、MoSiなどの金属シリサイドやCrFなどの金属弗化物が提案され、i線露光やKrF露光において使用されてきた。
【0009】
また、ハーフトーンマスクに限らず、一般に、マスク用ブランクを製造する際の成膜方法としては、ガラス基板への付着力に優れたスパッタリング法が用いられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
今後のArF露光、さらにはF2露光においても同様の分光特性を実現しようとすると、さらに短波長領域における透過性を上げる必要が出てくる。このため金属シリサイドによる半透明層(ハーフトーン膜)においては、Si(シリコン)の組成比を大きくし、吸収の小さいSiO2 成分を大きくする方法が取られる。
しかしながら一方で、膜中に占めるSiO2 成分の割合が増すことによって、膜の屈折率は基板であるガラスの屈折率に近づく為、開口部とパターン部の間で得られる位相シフトの効果が小さくなる。すなわちSiO2 成分を増やした膜において、従来と同じ位相シフトの効果を得る為には膜厚を増大させる必要があり、微細パターン解像を目的としたマスク作製のプロセス上に不都合を招く。
【0011】
更に、半透明層(ハーフトーン膜)におけるSiの組成比を大きくする為、より高いSi組成比を有するターゲットを用いたスパッタリング成膜を行うと、Siは不導体であることから、ターゲットにおける電荷蓄積(チャージアップ)が起こりやすくなる。
これは、スパッタリング成膜におけるターゲット近傍での異常放電(アーク)を誘発することにつながる。この異常放電が一度発生すると、ターゲット材がクラスター状にスパッタされ膜中の膜欠陥を増加させる要因となる。
【0012】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであり、短波長領域における透過性を上げ、半透明層(ハーフトーン膜)の膜厚を減少させた、また、スパッタリング成膜における膜欠陥を低減させたハーフトーン型位相シフトマスク用ブランク、及びそれを用いたハーフトーン型位相シフトマスク、並びにそれを用いたパターン転写法を提供することを課題とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ガラス基板上に主として位相シフト効果を有する位相差調整層、及び主として透過率に関わる透過率調整層が設けられた2層構成のハーフトーン型位相シフトマスク用ブランクにおいて、これら2層はいずれも金属シリサイドもしくはその化合物からなる薄膜であり、このうち前記透過率調整層が金属とシリコン及び窒素を主成分とする薄膜であることを特徴とするハーフトーン型位相シフトマスク用ブランクである。
【0014】
また、本発明は、上記発明によるハーフトーン型位相シフトマスク用ブランクにおいて、前記金属とシリコン及び窒素を主成分とする薄膜は、金属、シリコン、窒素の全原子数に対する窒素の原子数が30%以上を占める薄膜であることを特徴とするハーフトーン型位相シフトマスク用ブランクである。
【0015】
また、本発明は、上記発明によるハーフトーン型位相シフトマスク用ブランクにおいて、前記金属とシリコン及び窒素を主成分とする薄膜の屈折率が、1.7以上であることを特徴とするハーフトーン型位相シフトマスク用ブランクである。
【0016】
また、本発明は、上記発明によるハーフトーン型位相シフトマスク用ブランクを用いて作製したことを特徴とするハーフトーン型位相シフトマスクである。
【0017】
また、本発明は、上記発明によるハーフトーン型位相シフトマスクを用い、フォトリソグラフィ法による露光転写でパターン形成を行なうことを特徴とするパターン転写法である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の2層構成のハーフトーンマスクの構造を模式的に示す断面図である。図1に示すように、本発明のハーフトーンマスクは、ガラス基板1上に、位相差調整層マスクパターン2a、及び透過率調整層マスクパターン3aが形成されたものである。この上下層の順序は逆であっても本発明の効果に変わりはないので上下層の順序は問わない。
【0019】
図2は、本発明の2層構成のハーフトーンマスク用ブランクの構造を模式的に示す断面図である。図2に示すように、本発明のハーフトーンマスク用ブランクは、ガラス基板1上に、位相差調整層2、及び透過率調整層3が形成されたものであり、位相差調整層2と透過率調整層3とで半透明層(ハーフトーン膜)4を構成している。
【0020】
本発明のハーフトーンマスク用ブランクは、本発明のハーフトーンマスクを作製するためのマスク用ブランクであり、レジスト塗布、電子線やレーザによる描画、ドライエッチングなどの工程を経て、図1に示すハーフトーンマスクとなる。上下層の順序が逆であってもよいのは図1に示すハーフトーンマスクと同様である。
尚、図2に示すハーフトーンマスク用ブランクにレジストを塗布した形態や、3色型のために位相差調整層の上に遮光膜を付けた形態もマスク用ブランクと称する場合もあるが、これらの形態も本発明のマスク用ブランクの概念に含むものとする。
【0021】
一般に、薄膜の透過率(T)、反射率(R)は、均質な薄膜で、界面の荒れもないと仮定すれば、薄膜の光学定数(屈折率(n)、消衰係数(k))と膜厚(d)、および透明基板の屈折率(ns)により定まる。
さらに、ハーフトーンマスクでは位相差が重要なものであるが、位相差(PS)(度)は次の一次式(数式(1))で近似することができる。
PS=360×(n−1)×(d/λ) ・・・・・・(1)
(λ:波長)
【0022】
数式(1)から分かるように、ハーフトーンマスクで望ましい位相差180度を得る際に、膜厚(d)をなるべく小さくするためには、屈折率(n)の大きい薄膜材料を使うことが望ましい。
さらに、消衰係数(k)は主として透過率を左右するものであり、薄膜による光の吸収係数μとは次式(数式(2))の関係がある。
μ=4πk/λ ・・・・・・・・・・・(2)
【0023】
図3は、波長193nmにおける各種材料の光学定数をプロットしたものである。実線はそれぞれ単層膜で位相差180度を持つとき、透過率5%および15%となるための屈折率(n)、消衰係数(k)条件を結んだ線である。従って、両実線内にある材料は単層型ハーフトーンマスクの薄膜材料となることができる。しかし、単体金属の消衰係数は比較的安定して大きい為、単体金属にてこの範囲に入る薄膜を形成することは難しい。
このため、酸化物、窒化物とし、消衰係数(k)が小さく(おおよそk=0.5前後)なるように酸素および窒素の含有量を最適化するが、一般に単層型ハーフトーンマスクは検査波長での透過率が高くなりやすい。また、単層で透過率と位相差をあわせなければならない。
【0024】
そこで、従来は2層型ハーフトーンマスクが使われ、MoSiなどの金属シリサイドを主体とした薄膜の酸化物や、CrFなどの金属弗化物が位相シフト層(位相差調整層)として利用されてきた。しかし、弗化物は照射耐性、その他の化学的安定性が充分ではない。他方、金属シリサイドの酸化物薄膜は一般にSiO2 の成分が含まれる分だけ消衰係数を小さくすることが出来る。
しかし、これら金属シリサイドを主体とした酸化物薄膜においてSiの組成比を大きくすると、SiO2 成分の形成が助長されることにより消衰係数が小さくなるが、その一方でSiO2 成分の屈折率は小さいので、同時に薄膜の屈折率低下も伴う。この場合、所望の位相シフト量を得る為の薄膜の膜厚が従来膜に比べて増大することにつながる。
この膜厚の増大は、スパッタリング法にて行われる成膜において薄膜作製時間の増加、位相差面内均一性の低下、その後のドライエッチング等によるパターン形成時におけるプロセス制御性、安定性の問題といった点において支障となる。
【0025】
更に、金属シリサイドの酸化物薄膜において、Si組成比を高める場合の不具合となる点は、この薄膜をスパッタリング成膜にて作製する際、成膜後の薄膜中における膜欠陥の発生頻度が高まるということである。
すなわち、より高いSi組成比を有する金属シリサイド系のターゲット、もしくはピュアSiターゲットを併用したスパッタリングを行う必要があるが、Siは不導体であることから、ターゲットにおける電荷蓄積(チャージアップ)が起こりやすくなる。
これは、スパッタリング成膜におけるターゲット近傍での異常放電(アーク)を誘発することにつながる。この異常放電が一度発生すると、ターゲット材がクラスター状にスパッタされ薄膜中の膜欠陥を増加させる要因となる。
【0026】
そこで本発明は、2層構成のハーフトーン型位相シフトマスク用ブランクの透過率のみの調整層として、金属シリサイドの窒化物薄膜を採用した透過率調整層を設けたものである。図3にみられるように、SiN成分の屈折率が大きい為、これにより数式(1)より半透明層(ハーフトーン膜)の膜厚を低減することができる。同時に、透過率調整層を窒化物薄膜とすることで、スパッタリング成膜後における薄膜中の膜欠陥に対する抑制効果があることも判明した。
【0027】
表1は、Si組成比80%のZrSi合金ターゲットをカソードとして、Ar/N2 混合ガスを成膜雰囲気としたスパッタリングにて、総流量に対するN2 ガス流量を変化させることで作製した薄膜中の膜欠陥数の変化を、N2 ガス流量0sccm(つまりArガスのみの雰囲気)にて作製した薄膜の膜欠陥数に対する比率で示したものである。
表1にみられるように、成膜雰囲気に占めるN2 ガス流量を増やすと膜欠陥は減少し、Arのみによる成膜欠陥に比し、N2 ガスを総流量に対して50%添加することで膜欠陥数を半分以下まで低減できる。
尚、SiN成分の消衰係数は比較的大きい為、透明性が求められる位相シフト層に対して、この金属シリサイドの窒化物薄膜を単層ハーフトーン用または位相差調整層用に適用することは難しい。
【0028】
【表1】
【0029】
次に、本発明の透過率調整層の屈折率について詳細に述べる。前述の通り、半透明層(ハーフトーン膜)4の膜厚Dは,従来に比べ増大させないようにする必要がある。これは、ArFエキシマレーザー光(波長193nm)に対し、図2に示す構成と同じ構成における従来の位相シフト層2’と本発明の透過率調整層3との和を従来の膜厚100nm〜130nm以下にすることである。
【0030】
本発明の透過率調整層3には窒化膜を利用するが、これは従来の透過率調整層に比べ屈折率が大きい。この為、従来膜と同じ膜厚でも本発明の透過率調整層の有する位相差分は増大することになる。
一方、より透明性が求められる位相差調整層2においては、前述した理由により、屈折率は低下する傾向にあるので、従来の位相シフト層2’の膜厚ではその保有する位相差分は減少することになる。この位相差の減少分を補填するには、位相差調整層2の膜厚を増大させる必要があり、これは位相差調整層2と透過率調整層3からなる半透明層(ハーフトーン膜)4の膜厚Dの増大につながる。
【0031】
これを避ける為、本発明の2層構成の半透明層(ハーフトーン膜)4においては、位相差の減少分を位相差調整層2自体の膜厚で補填するのではなく、屈折率を高めた窒化膜の透過率調整層3を採用することにより、この透過率調整層にて位相差の減少分を補填する。これにより半透明層(ハーフトーン膜)4における膜厚の増大を招くことなく、所望の位相差(180°)を得ることが出来る。
【0032】
またこの場合、透過率調整層3に求められる屈折率であるが、まず数式(1)より単層ハーフトーンにて1.7〜2.0程度の屈折率を有する膜を採用すれば、従来の半透明層(ハーフトーン膜)の膜厚の100nm〜130nm程度にて所望の位相差が得られる。
従って、位相差調整層2と透過率調整層3からなる、本発明の2層構成の半透明層(ハーフトーン膜)を、従来の半透明層(ハーフトーン膜)と同等の膜厚で形成するには、各々の層における屈折率の平均値が1.7以上であることが必要となることから、透過率調整層3は屈折率1.7以上の膜であることが好ましい。但し、位相差調整層2と透過率調整層3の屈折率の平均が1.7以上であれば良いから、位相差調整層2に屈折率が1.7より十分大きな膜を採用すればこの限りではない。 しかし、今後の動向として位相差調整層2においては一層の透明化の要求から、屈折率の低下が予想される。この為、透過率調整層3を形成する薄膜としては少なくとも1.7程度の屈折率を有するものが適当である。
【0033】
また、N2 ガス比25%のAr/N2 混合ガス雰囲気において、Si組成比80%のZrSi系合金ターゲットをカソードとしたスパッタリングにより作製した薄膜の組成分析を行った結果、Zr、Si、Nの全原子数に対するNの原子数は30.2%であった。
一方、これとは別に波長193nmにおける光学定数(屈折率(n)、消衰係数(k))をRT法により求めたところ、屈折率(n)は1.87であり、半透明層(ハーフトーン膜)の膜厚に対する制限から要求される屈折率の下限値1.7よりわずかに大きい値を有する膜であった。一般に、膜の窒化度が進むとSiN成分の形成促進に起因した屈折率(n)の増大を生じることから、窒化物の金属シリサイド薄膜をZrにて形成する場合、その膜中に占めるNの原子数の比が少なくとも30%程度であることが要求される。
【0034】
更に、図4(a)は、フッ素系のガスによるドライエッチングにてパターン形成を行う場合、各種被エッチング薄膜中におけるSi組成比に対してエッチングレートが変化していく様子を示すものである。
Si組成比の異なるZrSi系合金ターゲットをカソードとし、Ar/N2 もしくはAr/N2 OもしくはAr/O2 各々の混合ガスによる、反応性スパッタリング成膜を行い、組成比の変化したZraSibOcNd薄膜を成膜した。これら薄膜のフッ素系ガスに対するエッチングレートは、図4(a)にみられるように、金属シリサイドの窒化物薄膜では特に、この薄膜中のSi組成比を大きくした場合に酸化膜よりエッチングレートが向上する。
【0035】
更に、図4(b)は、塩素系ガスによるZrSi系窒化物薄膜のエッチング特性を示すものである。
このようにBCl3 とCl2 を適量混合することによりガラス基板(QZ)に対する選択比が向上する。図4(a)、(b)にみられるように、金属の種類や目的に応じ、金属とSiの組成比、透過率調整層と位相差調整層の上下の成膜順序、ドライエッチングガスを適宜選択することにより位相差調整層との選択比及びガラス基板との選択比を確保することができ、パターン精度、位相差精度の高いハーフトーンマスクを作製することができる。
尚、金属シリサイド薄膜を構成する金属としては、上記したZrの他、Mo、Ta、Crなどが挙げられ、これら金属を単独に用いても、組み合わせて用いても良い。
【0036】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により詳細に説明する。
<実施例1>
ここでは、本発明のハーフトーンマスクのうち透過率調整層の主要元素がZr、Si、Nであるハーフトーン膜を用いて、ArF(波長193nm)露光用の2層構成のハーフトーンマスクを作製した実施例について説明する。
【0037】
初めに、Si組成比80%のZrSi合金ターゲットをカソードとし、ArにN2 を加えた、反応性スパッタリング成膜実験を行い、組成比の変化したZrxSiyNz膜を数種類成膜した。組成比はAr/N2 流量比により変化させた。
ターゲット :ZrSi 合金ターゲット(Si組成比80%)
成膜雰囲気 :Ar+N2 =40[SCCM](反応性スパッタリング)
N2 =1,3,5,7,10,20[SCCM]
(N2 /(Ar+N2 )*100=2.5%〜50.0%)
成膜圧力 :0.25[Pa]
印加電力 :DC300[W]
ターゲット−基板間距離 :200[mm]
【0038】
上記のように作製した膜の波長193nmにおける光学定数(屈折率(n)、消衰係数(k))をRT法により求めた。その結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】
表2にみられるように、消衰係数(k)はN2 流量10[SCCM]の膜まで1より大きく、N2 流量20[SCCM]の膜にて初めて1より小さくなる。このように窒化膜は、概ね安定した消衰係数(k)の値を有する膜であることから、遮光性の透過率調整層として適用しやすい。
一方、屈折率(n)はN2 ガス流量(膜の窒素組成比)の増大とともに大きくなり、N2 ガス流量10[SCCM]の膜にて1.7以上の値となる。すなわち、Arに対してN2 ガスを流量比25%以上混合したスパッタリング条件にて、本発明の要求を満たすn≧1.7である膜を得ることができる。
この予備実験を受けて、今回はN2 ガス比25%のAr/N2 混合ガスより窒化を進めたN2 ガス比66%のAr/N2 混合ガスを透過率調整層のスパッタリングによる成膜ガス条件とした。N2 ガス比66%のAr/N2 混合ガスを用いて作製した膜における光学定数は、屈折率(n)=2.33、消衰係数(k)=0.68である。
【0041】
また、上記N2 ガス比66%のAr/N2 混合ガスを用いたスパッタリングにより作製した膜のXPS(X線光電子分光法)による組成分析を実施した。その結果、Zr、Si、Nの全原子数に対するNの原子数は40.2%であり、本発明の要求を満たしていた。
【0042】
次に、位相差調整層に適用される膜の組成を決める為、やはりまず予備実験を行った。位相差調整層においては透明性が求められる為、この際のスパッタリングにはO2 ガスを用いたO2 /N2 混合ガスを使用し酸化窒化膜とすることにした。ここで行った予備実験におけるガス条件は、O2 /N2 =2/20、4/20[SCCM]の2種類である。
【0043】
この2種類の膜における光学定数を調べたところ、O2 /N2 =2/20[SCCM]の膜の場合、屈折率(n)=1.50、消衰係数(k)=0.052、また、O2 /N2 =4/20[SCCM]の膜では、屈折率(n)=1.77、消衰係数(k)=0.033であった。これ以上、酸素の流量を増やすと、SiO2 が増加することによる屈折率(n)の低下がみられた。この結果を受けて、屈折率(n)はより大きいこと、消衰係数(k)はより小さいことが好ましいことから、O2 /N2 =4/20[SCCM]の膜を位相差調整層に適用することとした。
【0044】
上述のように、比較的遮光性の透過率調整層の成膜には、N2 ガス比66%のAr/N2 混合ガスを用い、比較的透明性の位相差調整層においては、O2 /N2 =4/20[SCCM]の膜を選定した。
まず、透明な合成石英基板1上に透過率調整層3を、その後位相差調整層2を各々24.16nm、59.21nmの膜厚にてそれぞれ成膜して本発明の2層構成のハーフトーン型位相シフトマスク用ブランクを得た。
さらに、このブランク上に電子線レジストを塗布し、ベーキングを行った。然る後に、通常の電子線描画を行い、現像してレジストパターンを作製した。その後、このレジストパターンをマスクにしたRIE(反応性イオンエッチング)を行うが、まずフッ素系ガスによる位相差調整層のエッチングを、次いで塩素系ガスによる透過率調整層のエッチングを行い、それぞれ位相差調整層パターン2a、及び透過率調整層パターン3aを得た。最後にレジストを剥離して、本発明のハーフトーンマスクが完成した。
【0045】
このように作製した2層構成のハーフトーンマスクの透過率は波長193nmにて6.2%、位相差は179°であり、波長248nmでは透過率24.0%であった。また、実施例1の透過率調整層及び位相差調整層の2層からなる半透明層(ハーフトーン膜)の膜厚は83.4nmであった。
【0046】
<比較例1>
ここで、透過率調整層を先の実施例1にて示したN2 ガス比66%のAr/N2 混合ガス使用膜ではなく、Arガスのみの使用によるスパッタリングにて成膜を行った場合の2層からなる半透明層(ハーフトーン膜)の膜厚、及びそのときの膜欠陥数を比較例1として挙げる。但し、位相差調整層に関しては先の実施例1にて適用された組成の膜をここでも採用した。
この場合、波長193nmにて透過率6%を有する2層からなる半透明層(ハーフトーン膜)の膜厚は161.3nmとなり、実施例1と比べると、その膜厚はほぼ倍である。更にまた膜欠陥数についても調べたところ、実施例1と比べるとその数はほぼ3倍であった。
この様に、本発明によれば2層からなる半透明層(ハーフトーン膜)の膜厚が従来組成膜のほぼ半分まで低減され、成膜時の膜厚面内均一性や制御性、ドライエッチングにより形成されるパターン精度向上、及びプロセス時間短縮等に有効であるとともに、ハーフトーン薄膜中の膜欠陥も低減される。
【0047】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の2層構成のハーフトーン型位相シフトマスク用ブランク、及びそれを用いたハーフトーン型位相シフトマスクでは、主に位相シフト効果を有する比較的透明性の位相差調整層と、主に透過率制御に関わる比較的遮光性の透過率調整層を有し、このうち透過率を制御する性質をもつ遮光性の透過率調整層を窒化物の金属シリサイドとし、所定の窒素含有量及び屈折率をもつことによりハーフトーン膜厚の低減が可能となる結果、成膜時の膜厚面内均一性や制御性、ドライエッチングにより形成されるパターン精度向上、及びプロセス時間短縮等に有効であるとともに、ハーフトーン薄膜中の膜欠陥も低減されたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の2層構成のハーフトーンマスクの構造を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の2層構成のハーフトーンマスク用ブランクの構造を模式的に示す断面図である。
【図3】波長193nmにおける各種材料の光学定数をプロットした説明図である。
【図4】(a)は、フッ素系のガスによるエッチングレートの説明図である。(b)は、塩素系ガスによるZrSi系窒化物薄膜のエッチング特性の説明図
【符号の説明】
1…ガラス基板
2…位相差調整層
2’…従来の位相シフト層
3…透過率調整層
2a…位相差調整層パターン
3a…透過率調整層パターン
4…半透明層(ハーフトーン膜)
Claims (5)
- ガラス基板上に主として位相シフト効果を有する位相差調整層、及び主として透過率に関わる透過率調整層が設けられた2層構成のハーフトーン型位相シフトマスク用ブランクにおいて、これら2層はいずれも金属シリサイドもしくはその化合物からなる薄膜であり、このうち前記透過率調整層が金属とシリコン及び窒素を主成分とする薄膜であることを特徴とするハーフトーン型位相シフトマスク用ブランク。
- 前記金属とシリコン及び窒素を主成分とする薄膜は、金属、シリコン、窒素の全原子数に対する窒素の原子数が30%以上を占める薄膜であることを特徴とする請求項1に記載のハーフトーン型位相シフトマスク用ブランク。
- 前記金属とシリコン及び窒素を主成分とする薄膜の屈折率が、1.7以上であることを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載のハーフトーン型位相シフトマスク用ブランク。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のハーフトーン型位相シフトマスク用ブランクを用いて作製したことを特徴とするハーフトーン型位相シフトマスク。
- 請求項4に記載のハーフトーン型位相シフトマスクを用い、フォトリソグラフィ法による露光転写でパターン形成を行なうことを特徴とするパターン転写法。
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