JP4021237B2 - リソグラフィーマスクブランクの製造方法及びリソグラフィーマスク並びにハーフトーン型位相シフトマスクブランク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体等のパターン転写に用いるためのリソグラフィーマスク及びその素材となるリソグラフィーマスクブランク並びにその製造方法に関し、特に位相シフターによる光の干渉作用を利用して転写パターンの解像度を向上できるようにしたハーフトーン型の位相シフトマスクの素材となるハーフトーン型位相シフトマスクブランクに関する。
【0002】
【従来の技術】
DRAMは、現在256Mbitの量産体制が確立されており、今後Mbit級からGbit級への更なる高集積化がなされようとしている。それに伴い集積回路の設計ルールもますます微細化しており、線幅(ハーフピッチ)0.10μm以下の微細パターンが要求されるのも時間の問題となってきた。
パターンの微細化に対応するための手段の一つとして、これまでに、露光光源の短波長化によるパターンの高解像度化が進められてきた。その結果、現在の光リソグラフィ法における露光光源はKrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)が主に使用されている。
しかし、露光波長の短波長化は解像度を改善する反面、同時に焦点深度が減少するため、レンズをはじめとする光学系の設計への負担増大や、プロセスの安定性の低下といった悪影響を与える。
【0003】
そのような問題に対処するため、位相シフト法が用いられるようになった。位相シフト法では、微細パターンを転写するためのマスクとして位相シフトマスクが使用される。
位相シフトマスクは、例えば、マスク上のパターン部分を形成する位相シフター部と、位相シフター部の存在しない非パターン部からなり、両者を透過してくる光の位相を180°ずらすことで、パターン境界部分において光の相互干渉を起こさせることにより、転写像のコントラストを向上させる。位相シフター部を通る光の位相シフト量φ(rad)は位相シフター部の複素屈折率実部nと膜厚dに依存し、下記数式(1)の関係が成り立つことが知られている。
φ=2πd(n−1)/λ …(1)
ここでλは露光光の波長である。したがって、位相を180°ずらすためには、膜厚dを
d= λ/{2(n−1)} …(2)
とすればよい。この位相シフトマスクにより、必要な解像度を得るための焦点深度の増大が達成され、露光波長を変えずに解像度の改善とプロセスの適用性を同時に向上させることが可能となる。
【0004】
位相シフトマスクはマスクパターンを形成する位相シフター部の光透過特性により完全透過型(レベンソン型)位相シフトマスクと、ハーフトーン型位相シフトマスクに実用的には大別することができる。前者は、位相シフター部の光透過率が、非パターン部(光透過部)と同等であり、露光波長に対してほぼ透明なマスクであって、一般的にラインアンドスペースの転写に有効であるといわれている。一方、後者のハーフトーン型では、位相シフター部(光半透過部)の光透過率が非パターン部(光透過部)の数%から数十%程度であって、コンタクトホールや孤立パターンの作成に有効であるといわれている。
【0005】
ハーフトーン型位相シフトマスクのうちには、構造が簡単で製造が容易な単層型のハーフトーン型位相シフトマスクとして実用化されている、金属、シリコン、及び窒素からなる単層ハーフトーン膜が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一方、LSIパターンの微細化にともない、リソグラフィーに用いられる露光波長はKrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、F2(フッ素ダイマー)エキシマレーザー(波長157nm)と短波長化している。また、157nm以上の解像度が得られる露光光として軟X線(13.4nm)を用いることも提案されている。
一方、リソグラフィーマスクのパターン検査や欠陥検査に用いられる検査光も、分解能を上げるために短波長化しており、364nm、266nm、257nm、198nmの波長が検討されている。
上記のような露光波長や検査波長の短波長化に対応するため、リソグラフィーマスクブランクの光学特性を深紫外域(200nm〜350nm)や真空紫外域(50nm〜200nm)にわたり制御する必要性が生じている。
制御対象となる光学特性としては、ブランク上に形成された薄膜の透過率、反射率、位相角があげられ、これらの特性は、薄膜のn(屈折率)、k(消衰係数)に依存している。薄膜の反射率や透過率を制御するためには、対象となる波長領域で、薄膜がある程度の透過性を有している必要がある。
ところが、深紫外域や真空紫外域で透過性を有する材料は、SiやAlの酸化物、窒化物、酸窒化物、及びCaF2、MgF2、等のフッ化物に限られ、リソグラフィーマスク製造工程で用いられる、酸及びアルカリを用いた洗浄工程における耐薬性能を考慮すると、リソグラフィーマスクブランクに用いることができるのは、Siの酸化物、窒化物、酸窒化物を主成分とした材料が最も有望である。この材料からなる薄膜は、シリコンのターゲットを、酸素及び/又は窒素からなる反応性ガスを含む雰囲気中で、スパッタリングを行うことによって成膜することができる。
一方、リソグラフィーマスクブランクスに用いる薄膜作製では、成膜中のパーティクルが少なく、かつ生産性の高いDCスパッタ方式が一般的に用いられている。DCスパッタ方式においては、ターゲットの導電性が小さいと、ターゲット表面(エロージョン部)に電圧をかけにくくなるため、放電が不安定となる。また、ターゲット上でアーク放電が発生し易くなり、パーティクルが発生し易くなる。さらに、成膜速度が低下し、生産性が悪化するという問題がある。
ところが、純度の高いSiは導電性が小さいため、シリコンをターゲットとして用いる場合、放電安定性が課題となる。特に、近年におけるリソグラフィーマスクブランクスにおいては、よりいっそうパーティクル発生の低減や生産安定性(基板間の特性ばらつきの低減)が要求されているため、スパッタリング時の放電安定性を制御する必要がある。
【0007】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、シリコンターゲットを用いてDCスパッタリングを行う際に、放電安定性を向上し、成膜安定性及びパーティクルの発生を低減し、生産性を向上することを目的とする。
【0008】
【発明を解決するための手段】
本発明は以下の構成を有する。
(構成1) DCスパッタリング法を用いて、透明基板上に少なくともシリコンを含有する薄膜を成膜する工程を有するリソグラフィーマスクブランクの製造方法において、
前記工程において、比抵抗が0.1Ω・cm以下のシリコンターゲットを用いたことを特徴とするリソグラフィーマスクブランクの製造方法。
(構成2) 前記シリコンターゲットに、B、P、As及びSbから選ばれる少なくとも一種の元素が含有されていることを特徴とする構成1に記載のリソグラフィーマスクブランクの製造方法。
(構成3) 前記シリコンを含有する薄膜を成膜する工程は、シリコン化合物を含有する薄膜を成膜する工程であり、前記工程において、スパッタリング雰囲気に反応性ガスを添加することを特徴とする構成1又は2に記載のリソグラフィーマスクブランクの製造方法。
(構成4) シリコンを含有する薄膜は、所定の露光光に対して位相を所定量シフトさせる機能を有する薄膜であることを特徴とするリソグラフィーマスクブランクの製造方法。
(構成5) 構成1〜4から選ばれる一に記載のリソグラフィーマスクブランクの製造方法を用いて製造されたことを特徴とするリソグラフィーマスクブランク。
(構成6) 透明基板上に少なくともシリコンを含有する薄膜を有するリソグラフィーマスクブランクにおいて、
前記シリコンを含有する薄膜は、B、P、As及びSbから選ばれる少なくとも一種の元素が含有されていることを特徴とするリソグラフィーマスクブランク。
(構成7) 前記シリコンを含有する薄膜に含有されるB、P、As及びSbから選ばれる一種の元素は、Bが含まれる場合は、膜中のシリコン原子1個に対し、Bが6×10-6〜8×10-3個の割合で、P、As及びSbから選ばれる一種の元素が含まれる場合は、膜中のシリコン原子1個に対し1.6×10-5〜6×10-3個の割合で含まれることを特徴とする構成6に記載のリソグラフィーマスクブランク。
(構成8) 構成5〜7から選ばれる一に記載のリソグラフィーマスクブランクを用いて製造されたことを特徴とするリソグラフィーマスク。
(構成9) 透明基板上に、一層又は二層以上からなり、所定の露光光に対して所定の位相角及び透過率を有する光半透過膜を有するハーフトーン型位相シフトマスクブランクにおいて、
前記光半透過膜は、シリコン、酸素及び/又は窒素、及びB、P、As及びSbから選ばれる少なくとも一種の元素を含むことを特徴とするハーフトーン型位相シフトマスクブランク。
(構成10) 構成9に記載のハーフトーン型位相シフトマスクブランクを用いて製造されたことを特徴とするハーフトーン型位相シフトマスク。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のリソグラフィーマスクブランクの製造方法においては、Siターゲットの比抵抗を0.1Ω・cm以下にする事で、パーティクル発生の原因となるアーク放電の抑制や、成膜速度向上といった効果が得られるというものである。
DC放電可能なSiターゲットの比抵抗は5Ω・cm以下であるが、酸素、アーク放電の発生回数を測定した結果、Siターゲットの比抵抗を0.1Ω・cm以下にするとアーク放電発生回数が減少することがわかった。
また、Siターゲットの比抵抗が小さくなるほど、同じDC投入電力における成膜速度が大きくなった。Siターゲットに投入できる電力は冷却性能やバッキングプレートの強度、ボンディング材(通常はIn)の融点により制限されるため、Siターゲットの比抵抗を下げることは、生産性の向上において有効である。
Siターゲットに、導電性を付与するには、SiターゲットにB、P、As及びSbから選ばれる少なくとも一種の元素を含有することにより可能となり、ドープされる元素の濃度を調整することにより所望の比抵抗を有する導電性を付与することができる。
Siターゲットの比抵抗とドープする原子の濃度には、おおむね式1、式2のような関係がある。
ρN=5×1015/原子濃度 (式1)
式1において、ρN:N型のドープ物質(P,As,Sb)をドープする場合のシリコンターゲットの比抵抗、原子濃度:1ccのSiに含まれるドープ物質の原子数、である。
ρP=1.3×1016/原子濃度 (式2)
式2において、ρP:P型のドープ物質(B)をドープする場合のシリコンターゲットの比抵抗、原子濃度=1ccのSiに含まれるドープ物質の原子数である。
なお、スパッタされるSiターゲットは多結晶であっても単結晶であってもかまわない。
また、本発明において用いられるスパッタリングガスとしては、Ar、Xe等の不活性ガスを用いることができる。
本発明において、シリコンを含有する薄膜は、例えばフォトマスクブランクにおける遮光膜、反射防止膜、位相シフトマスクブランクにおける位相シフト膜等、EUV(Extreme Ultra Violet)マスクブランク上の薄膜等、リソグラフィーマスクブランクにおけるあらゆる薄膜を指すものである。そして、このリソグラフィーマスクブランクにおける所望の薄膜を所望のパターンにパターニングすることによってリソグラフィーマスクを得ることができる。
【0010】
また、本発明において、比抵抗が0.1Ω・cm以下のシリコンターゲットを用いることにより、スパッタリング雰囲気に反応性ガスを添加し、シリコン化合物を含有する薄膜を成膜することができる。反応性ガスとしては、O2、N2、又は酸素、窒素、或いは炭素等他の元素を含む化合物ガス(例えば、NO、NO2、N2O、NH3、CO、CO2、CH4等)を用いることができ、スパッタリングガスと共にスパッタ室に導入することによって、反応性スパッタリングを行うことができる。
上述のような、シリコンターゲットを用いた反応性スパッタリングにより、シリコン化合物を含む薄膜、例えば、SiOX、SiNX、SiOXNY、SiCX、SiCXNY、SiCXOY、SiCXOYNZ等を含む薄膜を形成することができる。
【0011】
特に、近年における露光波長の短波長化(特に、特に140nm〜200nmの露光波長領域)に対応し、ハーフトーン型位相シフトマスクブランクにおける光半透過膜として、SiOXNY単層膜、又はSiOXNY膜と、該SiOxNY膜と基板との間のエッチングストッパー膜との2層構造からなるものが本発明者により提案されており(特願2001−261025)、このSiOXNYの形成において、本発明を用いることができる。
この場合のSiOXNY膜としては、複素屈折率実部nについてはn≧1.7の範囲に、そして複素屈折率虚部kについてはk≦0.450の範囲に調整、制御することが好ましい。そうすることで、露光光の単波長化に伴なうハーフトーン型位相シフトマスクとしての光学特性を満たすのに有利である。なお、F2エキシマレーザ用では、k≦0.40の範囲が好ましく、0.07≦k≦0.35の範囲がさらに好ましい。ArFエキシマレーザ用では、0.10≦k≦0.45の範囲が好ましい。また、F2エキシマレーザ用では、n≧2.0の範囲が好ましく、n≧2.2の範囲がさらに好ましい。ArFエキシマレーザ用では、n≧2.0の範囲が好ましく、n≧2.5の範囲がさらに好ましい。
上記光学特性を得るため、前記構成元素の組成範囲を、珪素については35〜45原子%、酸素については1〜60原子%、窒素については5〜60原子%とすることが好ましい。すなわち、珪素が45%より多い、あるいは窒素が60%より多いと、膜の光透過率が不十分となり、逆に窒素が5%未満、あるいは酸素が60%を超えると、膜の光透過率が高すぎるため、ハーフトーン型位相シフター膜としての機能が失われる。また珪素が35%未満、あるいは窒素が60%を上回ると膜の構造が物理的、化学的に非常に不安定となる。
なお、上記と同様の観点から、F2エキシマレーザ用では、前記構成元素の組成範囲を、珪素については35〜40原子%、酸素については25〜60原子%、窒素については5〜35原子%とすることが好ましい。同様にArFエキシマレーザ用では、前記構成元素の組成範囲を、珪素については38〜45原子%、酸素については1〜40原子%、窒素については30〜60原子%とすることが好ましい。尚、上記組成の他に、微量の不純物(金属、炭素、フッ素等)を含んでも良い。
【0012】
尚、本発明においては、ターゲットにドープした元素が、形成した膜に微量含まれる。その含有量としては、Bが含まれる場合は、膜中のシリコン原子1個に対し、Bが6×10-6〜8×10-3個の割合で、P、As及びSbから選ばれる一種の元素が含まれる場合は、前記元素が膜中のシリコン原子1個に対し1.6×10-5〜6×10-3個の割合で含まれる。
従って、上記で示したハーフトーン型位相シフトマスクブランクの例におけるSiOXNY膜についても同様に、上記した組成以外に、ターゲットにドープした元素が、形成した膜に微量含まれる。ターゲットにドープした元素が、形成した膜に微量含まれる。
この場合、Bが含まれる場合は、膜中のBは1×1017〜2×1020atms/ccであり、P、As及びSbから選ばれる一種の元素が含まれる場合は、膜中の前記元素が2×1016〜1×1020atms/ccである。
【0013】
また、上記したハーフトーン型位相シフトマスクブランクの例において、考えられるエッチングストッパーとしては、クロム、モリブデン、タンタル、チタン、タングステン、ハフニウム、ジルコニウム等の一種又は二種以上の合金からなる金属膜、又はこれらの金属又は合金の酸化物、窒化物、酸窒化物、シリサイド等を用いたものが好ましい。
このようなハーフトーン型位相シフトマスクを用いる際の露光光としては、特に140nm〜200nmの露光波長領域、具体的には、F2エキシマレーザの波長である157nm付近、及びArFエキシマレーザの波長である193nm付近を用いることができる。ハーフトーン位相シフター部を高透過率に設定(透過率8〜30%)した高透過率品も作製することができる。
尚、ハーフトーン位相シフター膜の位相シフト量は、理想的には180°であるが、実用上は180°±5°の範囲に入ればよい。また、透過率は、露光光の透過率は、3〜20%、好ましくは6〜20%、露光光反射率は30%以下、好ましくは20%以下とすることがパターン転写上好ましい。また、検査光透過率は40%以下とすることがマスクの透過光と用いた欠陥検査を行う上で好ましく、検査光透過率を60%以下及び検査光反射率を12%以上とすることにより、マスクの透過光と反射光を用いた欠陥検査を行う上で好ましい。
また、本発明における透明基板としては、合成石英基板等を用いることができ、特にF2エキシマレーザを露光光として用いる場合は、Fドープ合成石英基板、フッ化カルシウム基板等を用いることができる。
【0014】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
本実施例では、図1の様なDCスパッタリング装置を用い、薄膜形成を行った。
スパッタリングカソード1にはSiターゲットを装着した。Siターゲットには導電性を持たすため、微量のボロンをドープした。ターゲットの電気抵抗は7×10-4Ω・cmであり、ボロン濃度約2×1020(atms/cc)に相当する。
次に、真空チャンバー内を2×10-5Pa以下まで排気した後、基板ホルダーに石英基板を装着する。ArとN2とO2の混合ガス(Ar:N2:O2=20:28.7:1.3)を導入し、圧力を0.13Paとした。ガス導入後にSiターゲット上のシャッターを開け、Siターゲットに負電圧を印加し、電力0.35kWにて基板上にSiON膜を作製した。
このとき、Siターゲット上のSiON膜堆積を軽減するため、Siターゲットに印加する負電圧はパルス発生ユニット(AE社製:Sparc−LeV)を用い、周波数20kHzのパルス電圧とした。
パルス発生ユニットにはアークカウント機能があり、成膜中のアーク発生回数を測定できる。実施例1のSiON膜形成中におけるアーク発生回数は0回であった。
実施例1のSiON膜厚は1126オングストロームであり、成膜速度は33.1オングストローム/minであった。
実施例1のSiON膜についてSIMSを用いたB濃度測定を行ったところ、B濃度は3.7×1018(atms/cc)であり、膜中におけるSiの比率は37原子%であった。
【0015】
(実施例2)
Siターゲットの比抵抗を1×10-2Ω・cmとし、実施例1と同様にしてSiON膜を作製した。
実施例2のSiON膜形成中におけるアーク発生回数は4回であった。
実施例2のSiON膜厚は1038オングストロームであり、成膜速度は30.5オングストローム/minであった。
実施例2のSiON膜についてSIMSを用いたB濃度測定を行ったところ、B濃度は6.1×1019(atms/cc)であり、膜中におけるSiの比率は38原子%であった。
【0016】
(比較例1)
Siターゲットの比抵抗を1Ω・cmとし、実施例1と同様にしてSiON膜を作製した。
比較例1のSiON膜形成中におけるアーク発生回数は127回であった。
比較例1のSiON膜厚は889オングストロームであり、成膜速度は26.1オングストローム/minであった。
【0017】
実施例1、実施例2、比較例1のSiON膜を150Wの高輝度ハロゲンランプを用いて暗室内で観察したところ、実施例1、実施例2については、パーティクルが殆ど観察されず、比較例1のSiON膜には多数のパーティクルが観察された。
【0018】
尚、上記実施例では、スパッタリングターゲット(カソード)は1つであるが、スパッタリングターゲット(カソード)は2つ以上でもかまわない。また、DCスパッタリングとは1〜250kHz程度のDCパルススパッタも含む。
【0019】
尚、上記実施例では、SiOXNY膜の形成のみを説明したが、例えば、金属等の薄膜上にSiOXNY膜を形成することによって2層構造の光半透過膜を有するハーフトーン位相シフトマスクブランクを製造することができることは言うまでもない。また、SiOXNY膜に関らず、例えば、シリコン薄膜、又はSiの酸化膜、窒化膜、酸窒化膜であっても、同様の効果が得られる。さらに、Siの酸化膜、窒化膜、酸窒化膜を反射防止膜として遮光膜上に形成したマスクブランクの欠陥を減少させ、生産性を向上させることもできる。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、リソグラフィーマスクブランクの製造時に、基板上の薄膜の成膜時の放電安定性を向上することができることから、成膜安定性及びパーティクルの発生を低減することができる。さらに、成膜速度を増加することができ、生産性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例において用いたスパッタリング装置を示す模式図である。
Claims (8)
- DCスパッタリング法を用いて、透明基板上に少なくともシリコンを含有する薄膜を成膜する工程を有するリソグラフィーマスクブランクの製造方法において、
前記リソグラフィーマスクブランクは、140nm〜200nmの露光波長領域に対応するリソグラフィーマスクブランクであって、
前記薄膜を成膜する工程は、Bが含有された比抵抗が0.1Ω・cm以下のシリコンターゲットを用い、スパッタリング雰囲気に反応性ガスを添加した反応性スパッタリングにより、シリコン化合物を含有する薄膜を成膜する工程であり、
かつ、前記DCスパッタリング法は、周波数が1〜250kHzのDCパルススパッタリング法であり、
前記薄膜中のBの含有量を1×10 17 〜2×10 20 atms/ccにすることを特徴とするリソグラフィーマスクブランクの製造方法。 - 前記反応性ガスは、O 2 とN 2 とを含む反応性ガスであり、前記薄膜はSiON膜であることを特徴とする請求項1に記載のリソグラフィーマスクブランクの製造方法。
- 前記シリコン化合物を含有する薄膜は、所定の露光光に対して位相を所定量シフトさせる機能を有する薄膜であることを特徴とする請求項1又は2に記載のリソグラフィーマスクブランクの製造方法。
- 請求項1〜3から選ばれる一項に記載のリソグラフィーマスクブランクの製造方法を用いて製造されたことを特徴とするリソグラフィーマスクブランク。
- 透明基板上に少なくともシリコンを含有する薄膜を有する、140nm〜200nmの露光波長領域に対応するリソグラフィーマスクブランクにおいて、
前記薄膜は、シリコン、酸素及び/又は窒素、及びBを含み、
前記薄膜中のBの含有量は、1×10 17 〜2×10 20 atms/ccであることを特徴とするリソグラフィーマスクブランク。 - 請求項5に記載のリソグラフィーマスクブランクを用いて製造されたことを特徴とするリソグラフィーマスク。
- 透明基板上に、一層又は二層以上からなり、所定の露光光に対して所定の位相角及び透過率を有する光半透過膜を有する、140nm〜200nmの露光波長領域に対応するハーフトーン型位相シフトマスクブランクにおいて、
前記光半透過膜は、シリコン、酸素及び/又は窒素、及びBを含み、
前記光半透過膜中のBの含有量は、1×10 17 〜2×10 20 atms/ccであることを特徴とするハーフトーン型位相シフトマスクブランク。 - 請求項7に記載のハーフトーン型位相シフトマスクブランクを用いて製造されたことを特徴とするハーフトーン型位相シフトマスク。
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