JP2004084492A - 排気還流装置の異常診断装置 - Google Patents

排気還流装置の異常診断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】排気還流弁の開度に関する基準値が記憶されていない状態で排気還流装置の異常判定が行われた場合に、誤った判定が行われるのを抑制する。
【解決手段】電子制御装置(ECU)は、排気還流(EGR)弁を全閉にするための指令信号が出力されたときのリフトセンサの出力値に基づき、EGR弁の開度に関する基準値を算出し、記憶更新する。この基準値に基づいて、センサ出力値とEGR弁の開度との関係を補正する(ステップ330,360)。エンジン運転状態に応じたEGR弁の目標開度と前記補正後のEGR弁の開度との偏差を求め、この偏差の絶対値と判定値との比較結果に基づいて、EGR装置の異常の有無を判定する(ステップ330〜370)。この判定に際しては、基準値の初期値が記憶されていないとき(ステップ320:NO)と、記憶されているとき(ステップ320:YES)とで判定値を切替える(ステップ330,360)。
【選択図】    図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関に設けられた排気還流装置の異常の有無を判定する異常診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車載用エンジン等の内燃機関として、排気エミッションの改善を意図して、排気ガスの一部を吸気通路に還流させる排気還流(EGR)装置を備えたものが知られている。このEGR装置は、内燃機関の排気通路及び吸気通路間を連通するEGR通路と、同通路に設けられたEGR弁とを備えている。そして、EGR弁の開度を調整することにより、排気通路からEGR通路を通じて吸気通路へ還流される排気ガスの量(EGR量)が調整される。こうしたEGR装置によって排気ガスの一部が吸気通路に戻されると、同排気ガスにより燃焼温度が下がって燃焼室内での窒素酸化物(NOx)の生成が抑制され、排気エミッションが改善される。
【0003】
このようなEGR装置に何らかの異常、例えば、EGR弁の動きが鈍くなったり、EGR弁が固着して作動しなくなったり、異物や排気ガス中の炭化物等によりEGR通路が詰まったりすると、EGR量がそのときの機関運転状態に適した値から外れる場合がある。この場合、燃焼状態が悪化したり、NOxが増加したりする。そこで、EGR装置の異常の有無を判定する異常診断装置が種々提案されている。
【0004】
例えば、特開平4−103865号公報では、エンジンの運転状態に応じた目標開度を算出するとともに、EGR弁の実開度をリフトセンサによって検出し、それらの目標開度と実開度との偏差に基づきEGR装置の異常を判定する異常診断装置が開示されている。
【0005】
ところで、上記異常診断装置では、リフトセンサの個体差(個体間の特性ばらつき)や経時変化が原因で、EGR弁の実際(真)の開度とリフトセンサの出力値とが合致しなくなった場合、EGR装置の異常の有無を正確に判定することが困難となり、判定精度が悪化する問題がある。これに対しては、通常、EGR弁を全閉にするための指令信号が出力されたときのリフトセンサの出力値を基準値として記憶(学習)し、この基準値に基づいてその時々のリフトセンサの出力値とEGR弁の開度との関係を補正することが行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記公報に記載された異常診断装置では、全閉位置についての基準値が学習された状態ではEGR装置の異常を精度よく判定することが可能である。ところが、基準値が未だ学習されていない状況下で異常の有無について判定を行うと、リフトセンサによって検出された実開度が実際(真)の開度からずれていた場合、誤った判定を行うおそれがある。なお、全閉位置を学習していない状況としては、例えば、バッテリの交換に伴う電力供給遮断によりメモリに記憶されていた学習値がクリアされ、かつエンジン始動後にEGR弁を全閉にするための指令が出されない状態が続いた場合が挙げられる。
【0007】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、排気還流弁の開度に関する基準値が記憶されていない状態で排気還流装置の異常判定が行われた場合に、誤った判定が行われるのを抑制することのできる排気還流装置の異常診断装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明では、内燃機関の排気通路から吸気通路に還流される排気ガスの還流量を排気還流弁により調整する排気還流装置であって、前記排気還流弁の開度を検出する開度検出手段と、前記排気還流弁を所定開度にするための指令信号が出力されたときの前記開度検出手段による開度を基準値として記憶し、この基準値を随時更新する学習手段と、前記学習手段による前記基準値に基づいて、前記開度検出手段の出力値と前記排気還流弁の開度との関係を補正する補正手段と、前記内燃機関の運転状態に応じた排気還流弁の目標開度と前記補正手段による補正後の開度との偏差を求め、この偏差と判定値との比較結果に基づいて、前記排気還流装置の異常の有無を判定する判定手段とを備える排気還流装置の異常診断装置において、前記学習手段による前記基準値の記憶の有無に応じて、前記判定手段による前記判定値を切替える判定値切替え手段をさらに備えている。
【0009】
上記の構成によれば、学習手段では、排気還流装置の排気還流弁を所定開度にするための指令信号が出力されたときの開度検出手段の出力値(開度)が基準値として記憶され、この基準値が随時更新される。また、補正手段では、開度検出手段の出力値と排気還流弁の開度との関係が、学習手段による基準値に基づいて補正される。従って、開度検出手段の出力値が実際の排気還流弁の開度からずれていても、そのずれを前記補正により吸収し、出力値(補正後の開度)を実際の開度に合致させることが可能である。
【0010】
さらに、判定手段では、内燃機関の運転状態に応じた排気還流弁の目標開度と、補正手段による補正後の開度との偏差が求められる。ここで、例えば、排気還流装置が正常に作動していれば、補正後の排気還流弁の開度が目標開度に近づけられるため、両者の偏差が小さくなるはずである。従って、この偏差と判定値とを比較し、その比較結果に基づいて排気還流装置の異常の有無を判定することが可能である。例えば、偏差が判定値よりも大きい場合には異常と判定し、判定値以下の場合には正常と判定することが可能である。
【0011】
ところで、記憶されていた基準値がクリアされた場合、排気還流弁を所定開度にするための指令が出されて基準値が新たに算出及び記憶されるまでは、開度検出手段の出力値の信頼性が低い。補正手段による補正が行われないからである。従って、この場合にも、基準値が記憶更新されている場合と同様の判定値を用いて排気還流装置の異常判定を行うと、誤った判定を行うおそれがある。この点、請求項1に記載の発明では、学習手段により基準値が記憶されていないときと、記憶されているときとで判定値が切替えられる。従って、基準値が未だ記憶されていない場合であっても、基準値が記憶されているときとは関係なく適切な判定値を用いることで、誤判定を抑制することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記判定手段は、前記偏差が前記判定値よりも大きいとき前記排気還流装置が異常であると判定し、前記判定値切替え手段は、前記基準値が記憶されていないときには、記憶されているときよりも前記判定値を大きな値に切替えるものであるとする。
【0013】
上記の構成によれば、判定手段では、偏差と判定値との比較の結果、偏差が判定値よりも大きい場合には排気還流装置が異常であると判定される。このような状況の下、判定値切替え手段では、基準値が記憶されていないときには、記憶されているときに比べ判定値が大きな値に切替えられる。この切替えにより、基準値が記憶されていない場合には記憶されている場合に比べて判定の基準(判定値)が緩くなる。基準値が記憶されていない場合には、開度検出手段の出力値が排気還流弁の実際(真)の開度に対するずれを含んだまま判定に用いられるが、前記のように大きな判定値を用いることで、誤った判定が行われるのを抑制することができる。
【0014】
また、基準値が記憶されている場合の判定値の設定に際しては、記憶されていない場合の判定精度を考慮しなくてもすむ。従って、基準値が記憶されている場合の判定の基準を厳しくする(判定値を小さくする)ことで、異常判定の精度を高めることが可能となる。
【0015】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発明において、前記学習手段は、前記排気還流弁を全閉にするための指令信号が出力されたときの前記開度検出手段による開度を基準値として記憶し、この基準値を随時更新するものであり、さらに、前記開度検出手段の出力値が前記基準値に対し開き側へ所定値以上ずれているとき、前記学習手段による前記基準値の更新を禁止する更新禁止手段を備えるものとする。
【0016】
ここで、排気還流弁を全閉にするための指令信号に応じて基準値の記憶更新がなされる場合において、仮に排気還流弁で異物等が噛み込まれた状態が全閉状態とされると、基準値が誤って記憶更新されるおそれがある。この点、請求項3に記載の発明では、開度検出手段の出力値が基準値に対し、開き側へ所定値以上ずれているかどうかが判定される。そして、ずれていると判定された場合、更新禁止手段により学習手段での基準値の更新が禁止される。この場合、前回の基準値が保持されることとなる。その結果、排気還流弁が異物等を噛み込んでも、基準値が誤って記憶更新されるのを抑制することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る排気還流装置の異常診断装置を車両用ディーゼルエンジンに適用した一実施形態を、図面に従って説明する。
【0018】
車両には、図1に示すように、内燃機関としてディーゼルエンジン11が搭載されている。ディーゼルエンジン11は、シリンダヘッド12と、複数の気筒(シリンダ)13を有するシリンダブロック14とを備えている。各シリンダ13内にはピストン15が往復動可能に収容されている。各ピストン15と、出力軸であるクランク軸17とはコネクティングロッド16によって連結されている。そして、各ピストン15の往復運動がコネクティングロッド16を通じてクランク軸17に伝達される過程で、往復運動が回転運動に変換される。
【0019】
シリンダ13毎の燃焼室18には、吸気通路19及び排気通路20が接続されている。シリンダヘッド12には、各シリンダ13に対応して吸気弁21及び排気弁22が設けられている。これらの吸・排気弁21,22は、クランク軸17の回転に連動して往復動することにより吸・排気通路19,20を開閉する。そして、ディーゼルエンジン11の吸気行程において、排気弁22が閉じられ、吸気弁21が開かれた状態でピストン15が下降すると、シリンダ13内の気圧が外気圧より低い値(負圧)になり、ディーゼルエンジン11の外部の空気が吸気通路19の各部を順に通過して燃焼室18に吸い込まれる。
【0020】
吸気通路19には、吸気絞り弁であるスロットル弁23が回動可能に支持されている。スロットル弁23は、ステップモータ等のアクチュエータ24により駆動される。吸気通路19を流れる空気の量である吸入空気量は、スロットル弁23の回動角度に対応したスロットル開度に応じて変化する。
【0021】
シリンダヘッド12には、シリンダ13毎の燃焼室18に燃料を噴射する燃料噴射弁25が取付けられている。各燃料噴射弁25は電磁弁(図示略)を備えており、この電磁弁により、燃料噴射弁25から各燃焼室18への燃料噴射が制御される。各燃料噴射弁25は、共通の畜圧配管であるコモンレール26に接続されており、電磁弁が開いている間、コモンレール26内の燃料が、燃料噴射弁25から対応する燃焼室18に噴射される。コモンレール26には、燃料噴射圧に相当する比較的高い圧力が蓄積されている。この畜圧を実現するために、コモンレール26は、供給配管27を介してサプライポンプ28に接続されている。サプライポンプ28は、燃料タンク29から燃料を吸入するとともに、ディーゼルエンジン11の回転に同期する図示しないカムによってプランジャを往復動させ、燃料を所定圧に高めてコモンレール26に供給する。
【0022】
そして、吸気通路19を通ってシリンダ13内に導入され、かつピストン15により圧縮された高温かつ高圧の吸入空気に、燃料噴射弁25から燃料が噴射される。噴射された燃料は自己着火して燃焼する。このときに生じた燃焼ガスによりピストン15が往復動され、クランク軸17が回転されて、ディーゼルエンジン11の駆動力(出力トルク)が得られる。燃焼ガスは、排気弁22の開弁に伴い排気通路20に排出される。
【0023】
ディーゼルエンジン11には、排気通路20を流れる排気ガスの一部を、吸気通路19に還流させる排気還流(以下「EGR」という)装置31が設けられている。EGR装置31は、還流に伴い吸入空気に混合された排気ガス(EGRガス)により、混合気中の不活性ガスの割合を増やして燃焼最高温度を下げ、大気汚染物質である窒素酸化物(NOx)の発生を低減させるためのものである。
【0024】
EGR装置31は、排気通路20と吸気通路19においてスロットル弁23よりも下流側の箇所とをつなぐEGR通路32を備えるとともに、そのEGR通路32の途中に配置されたEGR弁33を備えている。EGR通路32を流れるEGRガスの流量は、EGR弁33の開度(EGR開度)に応じて変化する。EGR開度は、EGR弁33における弁体のリフト量に応じて変化する。
【0025】
車両には、ディーゼルエンジン11の運転状態を検出するために各種センサが設けられている。例えば、スロットル弁23には、その回動角度に基づきスロットル開度を検出するスロットルポジションセンサ36が取付けられている。EGR弁33には、開度検出手段としてリフトセンサ37が取付けられている。リフトセンサ37は、EGR開度として弁体のリフト量を検出する。シリンダブロック14には、機関冷却水の温度である冷却水温を検出する水温センサ38が取付けられている。クランク軸17の近傍には、そのクランク軸17が所定角度回転する毎にパルス信号を出力するクランクポジションセンサ39が配置されている。このパルス信号は、クランク軸17の時間当りの回転数であるエンジン回転速度の検出に用いられる。さらに、アクセルペダル34の近傍には、運転者による同ペダル34の踏込み量であるアクセル開度を検出するアクセル開度センサ40が配置されている。そのほかにも多くのセンサがディーゼルエンジン11等に取付けられているが、ここでは説明を省略する。
【0026】
前記各種センサ36〜40等の検出値に基づきディーゼルエンジン11の各部を制御するために、車両にはマイクロコンピュータを中心として構成された電子制御装置(Electronic Control Unit: ECU)41が設けられている。ECU41では、中央処理装置(CPU)が、読出し専用メモリ(ROM)に記憶されている制御プログラム、初期データ、制御マップ等に従って演算処理を行い、その演算結果に基づいて各種制御を実行する。CPUによる演算結果は、ランダムアクセスメモリ(RAM)において一時的に記憶される。さらに、ECU41はバックアップRAMを備えている。バックアップRAMはバッテリによってバックアップされており、ECU41に対する電力供給が停止された後にも各種データを記憶保持する。この各種データには、後述する基準値が含まれる。
【0027】
前記各種制御としては、燃料噴射制御、スロットル制御、EGR制御、EGR弁33の所定開度に関する基準値の学習制御、EGR装置31の異常診断制御等が挙げられる。例えば、燃料噴射制御では、ディーゼルエンジン11の運転状態に基づき、燃料噴射弁25の燃料噴射量及び噴射時期を決定し、これらの量及び時期に従って燃料噴射弁25への通電を制御する。
【0028】
スロットル制御では、例えばエンジン回転速度及び燃料噴射量に対応した目標スロットル開度を算出する。スロットルポジションセンサ36によって検出される実際のスロットル開度が前記目標スロットル開度に一致するように、アクチュエータ24を駆動制御する。
【0029】
EGR制御では、例えばエンジン回転速度、冷却水温、アクセル開度等に基づき、EGR制御の実行条件が成立しているかどうかを判定する。そして、この実行条件が成立していない場合には、EGR弁33を全閉状態に保持する。一方、前記実行条件が成立している場合には、所定の制御マップを参照する等して、エンジン回転速度及び燃料噴射量に対応するEGR弁33の目標開度を算出し、この値に基づきEGR弁33を駆動制御する。
【0030】
次に、EGR弁33の所定開度に関する基準値の学習制御について説明する。この制御の概要は、EGR弁33を所定開度(ここでは全閉)にするための指令信号が出力されることを条件に、リフトセンサ37の出力値(センサ出力値)に基づいて、全閉に関する基準値を算出し、これを随時記憶更新することである。
【0031】
ECU41はこの制御に際し、図2のフローチャートに示す「初期基準値設定ルーチン」と、図3のフローチャートに示す「基準値更新ルーチン」とをそれぞれ実行する。これらのルーチンは各々所定時間毎に繰り返し実行される。また、これらのルーチンの各処理の実行に際しては、初期基準値設定完了フラグ、学習異常フラグ等の各種フラグが用いられる。ここで、初期基準値設定完了フラグは、基準値の初期値(初期基準値)についての学習履歴を判別するためのものであり、学習されていない場合に「0」に設定され、学習されている場合に「1」に設定される。学習異常フラグは、更新された基準値が適正値かどうかを判別するためのものであり、適正でない場合に「1」に設定され、適正である場合に「0」に設定される。なお、上記いずれのフラグについても、初期値は「0」である。
【0032】
図2の初期基準値設定ルーチンでは、まずステップ110において、ディーゼルエンジン11の始動時であるかどうかを判定する。この判定条件が満たされている(始動時である)とステップ120において、初期基準値設定完了フラグが「0」であるかどうかを判定する。この判定条件が満たされていると、すなわち、全閉位置についての基準値がバックアップRAMに記憶されたことがないと、ステップ130において、始動時から所定時間ΔT(例えば数ミリ秒)が経過していないかどうかを判定する。こういったステップ120,130の判定条件がともに満たされる状況としては、例えばバッテリの交換に伴う電力供給遮断により、バックアップRAMに記憶されていた基準値がクリアされた直後が該当する。そして、ステップ130の判定条件が満たされている(所定時間ΔT未経過)と、ステップ140において、EGR弁33を全閉にするための指令信号を出力してEGRを強制的にカットする。すなわち、本来ならば、全閉位置の学習実行条件が満たされないと閉弁されないEGR弁33を、例外的に全閉にしてEGRをカットする。このEGR弁33の強制的な閉弁は、基本的には排気エミッションの悪化を来さない程度の時間(ここでは、所定時間ΔT)に限り行われる。
【0033】
次に、ステップ150において、基準値とセンサ出力値との偏差を求め、その絶対値が所定値αよりも大きいかどうかを判定する。このステップ150の判定条件が満たされていると、すなわち、基準値がセンサ出力値から大きくずれ、それら両者の偏差が大きいと、ステップ160において、前回算出した基準値(前回基準値)とセンサ出力値との偏差を例えば「2」で除算し、その除算結果を前回基準値に加算する。そして、この加算結果を新たな基準値(今回基準値)として設定し、バックアップRAMに記憶する。なお、エンジン始動後、初めてステップ150,160の処理が行われるときの前回の基準値としては、予め設定された値が用いられる。ステップ160の処理を経た後、ステップ120へ戻る。従って、初期基準値設定完了フラグが「1」に切替えられるまで、又は始動後に所定時間ΔTが経過するまではステップ140〜160の処理が繰り返されることとなる。これらの処理により、今回の基準値が少しずつ更新されてゆく。
【0034】
そして、ステップ150の判定条件が満たされなくなると、すなわち前回の基準値がセンサ出力値に近づき、それら両者の偏差が十分に小さくなると、基準値の初期値(初期基準値)が求められたとして、ステップ170において、初期基準値設定完了フラグを「0」から「1」に切替える。ステップ170の処理を経た後、初期基準値設定ルーチンを一旦終了する。
【0035】
なお、前述したステップ110,120,130における各判定条件が満たされない場合には、その後の処理を行うことなく初期基準値設定ルーチンを一旦終了する。従って、前述したステップ170で初期基準値設定完了フラグが一旦「1」に設定された後は、ステップ120の判定条件が満たされなくなり、初期基準値設定ルーチンが終了される。このようにして、全閉位置に関する初期基準値が記憶されていない場合に限り、ディーゼルエンジン11の始動に際し、EGR弁33を全閉にするための指令信号が出力され、初期基準値を算出する処理が行われる。そして、ステップ150の判定結果がYESからNOに切替わる直前の基準値が初期基準値として設定され、記憶されることとなる。また、仮にステップ150の判定条件が満たされなくなる前に所定時間ΔTが経過した場合には、初期基準値設定完了フラグは切替えられず「0」のままである。
【0036】
次に、図3の基準値更新ルーチンでは、まずステップ200において、エンジン始動から前記所定時間ΔTが経過しているかどうかを判定する。この判定条件が満たされていないと基準値更新ルーチンを一旦終了し、満たされていると、ステップ210で学習実行条件が成立しているかどうかを判定する。ここで、ステップ200の処理を行うのは、所定時間ΔTが経過する前の基準値、すなわち前述したステップ120〜160の一連の処理が継続されている途中の基準値が、ステップ220以降の更新処理に用いられるのを回避するためである。
【0037】
また、学習実行条件としては、例えば、EGR弁33を全閉にするための指令信号が所定時間続けて出力されていることが挙げられる。ステップ210の判定条件が満たされていないと、以後の処理を行うことなく基準値更新ルーチンを一旦終了する。
【0038】
これに対し、前記ステップ210の判定条件が満たされていると、ステップ220において、センサ出力値が前回の基準値に対し、開き側に所定値以上ずれていないかどうかを判定する。この判定条件が満たされていない(ずれている)場合、EGR弁33が異物等を噛み込んでいる可能性があり、このときのEGR弁33の状態を全閉状態として基準値を更新すると、誤った値に更新してしまうおそれがある。そのため、この場合には、ステップ240において、前回の基準値を今回の基準値として設定する。換言すると、前回の基準値を更新することなく保持する。ステップ240の処理を経た後、基準値更新ルーチンを一旦終了する。
【0039】
一方、前記ステップ220の判定条件が満たされている(ずれていない)と、ステップ230において、センサ出力値が前回の基準値に対し、開き側に所定値以内ずれているかどうかを判定する。又は、センサ出力値が前回の基準値に対し、閉じ側に所定値以上ずれているかどうかを判定する。このステップ230の判定条件が満たされていない場合、前述したステップ240へ移行し、前回の基準値を保持する。これに対し、ステップ230の判定条件が満たされていると、ステップ250において、前回の基準値に所定値βを加算し、その加算結果を今回の基準値として設定し、記憶更新する。なお、ステップ230の処理において、閉じ側に所定値以上ずれていない場合(閉じ側へのずれ量が少ない場合)に基準値の更新を行わないようにしたのは、センサ出力値のばらつきが原因で基準値の記憶更新が不要に行われるのを抑制するためである。すなわち、センサ出力値の基準値に対するずれ量がある範囲(不感帯)に属している場合には、基準値の記憶更新を行わないようにしている。
【0040】
次に、ステップ260において、基準値が予め設定された規定範囲に収まっているかどうかを判定する。具体的には、基準値が下限値以上であり、かつ上限値以下であるかをどうかを判定する。この判定条件が満たされていると、基準値が正常であるとして、ステップ270で学習異常フラグを「0」に設定する。これに対し、ステップ260の判定条件が満たされていないと、すなわち規定範囲から外れていると、ステップ280において、基準値が異常であるとして学習異常フラグを「1」に設定する。その後、ステップ290でガード処理を行う。例えば、基準値が上限値を上回っていると、その上限値を今回の基準値として設定する。また、基準値が下限値を下回っていると、その下限値を今回の基準値として設定する。そして、ステップ270又は290の処理を経た後、基準値更新ルーチンを一旦終了する。
【0041】
なお、前述した初期基準値設定ルーチンの各処理、基準値更新ルーチンの各処理は学習手段に相当する。また、基準値更新ルーチンにおけるステップ220,240の処理は更新禁止手段に相当する。
【0042】
次に、EGR装置31の異常診断制御について説明する。ECU41はこの制御に際し、図4(a)のフローチャートに示す「第1EGR異常診断ルーチン」と、図4(b)のフローチャートに示す「第2EGR異常診断ルーチン」とを実行する。これらのルーチンは所定時間毎に繰り返し実行される。いずれもEGR装置31の異常の有無を診断するためのものであるが、判定結果の利用される状況が異なる。前者の判定結果は、後者の判定結果よりも高い診断精度が要求される場合に利用される。
【0043】
図4(a)の第1EGR異常診断ルーチンでは、まずステップ310において、異常診断を行うための前提条件である異常診断実行条件が成立しているかどうかを判定する。この異常診断実行条件としては、例えばアクセル開度が0%であること、燃料噴射量が所定値(例えばアイドル噴射量)以下であること、エンジン回転速度の変化度合が所定値未満であること等である。そして、上述した条件が全て満たされているときにのみ異常診断実行条件が成立しているものとする。
【0044】
前記ステップ310の判定条件が満たされていないと、第1EGR異常診断ルーチンを一旦終了し、満たされているとステップ320へ移行する。ステップ320では、初期基準値設定完了フラグが「1」であるかどうかを判定する。
【0045】
ここで、記憶されていた基準値がクリアされた場合、EGR弁33を全閉にするための指令信号が出力されて初期基準値が新たに算出及び記憶されるまでは、初期基準値を用いた補正が行われないことから、センサ出力値や補正後開度の信頼性が低い。従って、この場合にも、初期基準値が記憶更新されている場合と同様の判定値を用いてEGR装置31の異常判定を行うと、誤った判定を行うおそれがある。そこで、ステップ320の判定結果に応じ、異なる判定値にてEGR装置31の異常の有無を判定する。
【0046】
具体的には、ステップ320の判定条件が満たされている場合、すなわち、初期基準値が既に設定及び記憶されている場合には第1判定値を用いる。これに対し、ステップ320の判定条件が満たされていない場合、すなわち、初期基準値が未だ設定及び記憶されていない場合には第2判定値を用いる。ここで、第2判定値が、例えばリフトセンサ37自体の個体差、経時変化等により、そのセンサ出力値のEGR弁33の実際(真)の開度に対するずれを含んだ値に設定されているのに対し、第1判定値は、このずれ分を含んでいない値に設定されている。従って、第2判定値はずれ分を含む分、第1判定値よりも大きな値となる。
【0047】
前記ステップ320の判定条件が満たされている(初期基準値設定済み)と、ステップ330において、EGR弁33の目標開度と補正後開度との偏差を求め、その偏差の絶対値が第1判定値以上であるかどうかを判定する。また、前記ステップ320の判定条件が満たされていない(初期基準値未設定)と、ステップ360において、目標開度と補正後開度との偏差を求め、その偏差の絶対値が第2判定値以上であるかどうかを判定する。
【0048】
ここで、目標開度は前述したように、EGR制御に際しディーゼルエンジン11の運転状態(エンジン回転速度、燃料噴射量等)に基づき算出したものである。また、補正後開度は、センサ出力値とEGR弁33の開度との関係を、前述した全閉位置に関する基準値で補正した値であり、実際(真)のEGR弁33の開度により近い値である。センサ出力値が実際(真)のEGR弁33の開度からずれていても、そのずれが前記補正により吸収されているからである。
【0049】
また、例えば、EGR装置31が正常に作動していれば、前記EGR制御により補正後開度が目標開度に近づき、両者の偏差が小さくなるはずである。この点に着目し、ステップ330,360では偏差の絶対値と判定値(第1判定値、第2判定値)とを比較し、その比較結果に基づいてEGR装置31の異常の有無を判定するようにしている。すなわち、偏差の絶対値が判定値以上の場合には異常と判定し、判定値未満の場合には正常と判定するようにしている。
【0050】
具体的には、ステップ330の判定条件が満たされていると、補正後開度が目標開度から大きくずれていることからEGR装置31が異常であると考えられる。そのため、この場合には、ステップ340においてEGR異常フラグを「1」に設定する。これに対し、ステップ330の判定条件が満たされていないと、補正後開度が目標開度に近いことからEGR装置31が正常であると考えられる。この場合には、ステップ350においてEGR異常フラグを「0」に設定する。
【0051】
同様に、ステップ360の判定条件が満たされていると、補正後開度が目標開度から大きくずれていることからEGR装置31が異常であると考えられる。そのため、この場合には、ステップ370においてEGR異常フラグを「1」に設定する。これに対し、ステップ360の判定条件が満たされていないと、補正後開度が目標開度に近いことからEGR装置31が正常であると考えられる。この場合には、前述したステップ350においてEGR異常フラグを「0」に設定する。そして、ステップ340,350,370の処理を経た後に第1EGR異常診断ルーチンを一旦終了する。このルーチンでの診断結果(EGR異常フラグの状態)は、例えばフェイルセーフのための制御において、そのフェイルセーフ処理の必要性を判断する際の指標として用いられる。
【0052】
なお、前述した第1EGR異常診断ルーチンにおけるステップ330,360の処理に関し、補正後開度を算出する処理が補正手段に相当する。また、同ルーチンにおけるステップ330〜370の処理は判定手段に相当し、ステップ320,330,360の処理は判定値切替え手段に相当する。
【0053】
次に、図4(b)の第2EGR異常診断ルーチンでは、まずステップ410において、初期基準値設定完了フラグが「1」であるかどうかを判定する。また、ステップ420において、学習異常フラグが「0」であるかどうかを判定する。そして、前記ステップ410,420の判定条件がともに満たされている場合には、ステップ430においてリフトセンサ37を用いた異常診断を実施する。この診断内容としては、例えば、目標開度と補正後開度との偏差を求め、その偏差の絶対値が所定の判定値以上であるかどうかを判定する。ここで、目標開度及び補正後開度はステップ330,360で説明したものと同様である。
【0054】
そして、この判定条件が満たされていると、補正後開度が目標開度から大きくずれていることからEGR装置31が異常であると判定する。これに対し、前記判定条件が満たされていないと、補正後開度が目標開度に近いことからEGR装置31が正常であると判定する。ステップ430の処理を経た後、第2EGR異常診断ルーチンを一旦終了する。
【0055】
これに対し、ステップ410,420の判定条件の1つでも満たされていないと、第2EGR異常診断ルーチンを一旦終了する。従って、初期基準値が設定され(ステップ410:YES)、かつ基準値が規定範囲内に収まっている(ステップ420:YES)の場合に限り、リフトセンサ37のセンサ出力値を用いた異常診断が行われる。
【0056】
また、前述した基準値更新ルーチンのステップ260の判定条件が満たされない場合、すなわち基準値が規定範囲から外れている場合には、全閉位置に関する基準値が異常とされ、リフトセンサ37を用いた異常診断が行われない。
【0057】
なお、リフトセンサ37を含む各種センサ36〜40と、第1及び第2EGR異常診断ルーチンを実行するECU41等とによって、EGR装置31の異常診断装置が構成されている。
【0058】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)全閉位置に関する基準値の初期値(初期基準値)が記憶されたことのない状態でディーゼルエンジン11が始動された場合、EGR弁33を全閉にするための指令信号を、エンジン始動直後の所定時間ΔTにわたり出力してEGRを強制的にカットしている。そして、この状況のもと、全閉位置に関する初期基準値を設定及び記憶するようにしている(ステップ110〜160)。このため、センサ出力値とEGR弁33の開度との関係を早期に補正することが可能となる。その結果、エンジン始動直後からEGR装置31の異常の有無を高い精度で診断することができる。
【0059】
(2)第1判定値及び第2判定値の2つの判定値を設定し、初期基準値が記憶されていないときと記憶されているときとで判定値を切替えるようにしている(ステップ320,330,360)。従って、初期基準値が未だ記憶されておらず、信頼性の低い補正後開度に基づき異常診断が行われる場合であっても、基準値が記憶されている場合とは関係なく適切な判定値を用いることで、誤った判定が行われる可能性を低くすることができる。
【0060】
(3)上記(2)に関連するが、基準値が記憶されていないときには、記憶されているときに比べ判定値を大きな値(第2判定値)に切替えるようにしている。この切替えにより、基準が記憶されていない場合には記憶されている場合に比べて判定の基準が緩くなる。基準値が記憶されていない場合には、センサ出力値がEGR弁33の実際(真)の開度に対するずれを含んだまま判定に用いられるが、前記のように大きな第2判定値を用いることで前記のずれを吸収し、誤った判定が行われるのを確実に抑制することができる。
【0061】
また、基準値が記憶されている場合の判定値の設定に際しては、記憶されていない場合の判定精度を考慮しなくてもすむ。従って、基準値が記憶されている場合の判定の基準を厳しくする(第1判定値を小さな値に設定する)ことで、異常診断の精度を高めることが可能となる。
【0062】
(4)基準値の更新に際し、センサ出力値が前回の基準値に対し、開き側に所定値以上ずれている場合、基準値を更新することなく、前回の基準値を保持するようにしている(ステップ220,240)。このため、EGR弁33が異物等を噛み込んだ場合であっても、基準値が誤って更新されるのを回避することができる。
【0063】
(5)リフトセンサ37を用いた異常診断(ステップ430)を、全閉位置に関する初期基準値の設定が完了していることを条件に行うようにしている(ステップ410,430)。すなわち、異常診断の実行に制限を設けている。そのため、センサ出力値とEGR弁33の開度との関係を基準値により補正し、その補正後の開度を判定に用いることとなり、リフトセンサ37を用いた異常診断の精度を高めることができる。
【0064】
(6)第2EGR異常診断ルーチンにおいて、学習異常フラグが「1」のとき(ステップ420:NO)、すなわち、基準値更新ルーチンにおいて基準値が規定範囲から外れているとき(ステップ260:NO)、リフトセンサ37を用いた異常診断を行わないようにしている。このため、センサ出力値とEGR弁33の開度との関係が誤った基準値に基づき補正されることや、その補正後の開度が異常診断に用いられるのを防止し、診断精度を高めることができる。
【0065】
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
・本発明は、EGR弁33を全開にするための指令信号が出力されたときのリフトセンサ37の出力値(開度)を基準値として記憶し、これを随時更新するようにした異常診断装置にも適用可能である。
【0066】
・本発明は、ディーゼルエンジン11に限らず、ガソリンエンジン等、他の内燃機関におけるEGR装置の異常診断装置に具体化することもできる。
・EGR弁としては、負圧を利用して弁体を作動させるタイプ、ステップモータ等のモータにより弁体を作動させるタイプ、リニアソレノイドにより弁体を作動させるタイプ等、各種のタイプを用いてもよい。
【0067】
・初期基準値設定ルーチン(図2)のステップ160における基準値の算出方法を適宜変更してもよい。例えば、前記実施形態では、基準値とセンサ出力値との偏差を「2」で除算しているが、この「2」を異なる値に変えてもよい。
【0068】
その他、前記各実施形態から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに記載する。
(A)請求項1〜3のいずれかに記載の排気還流装置の異常診断装置において、
前記排気還流弁を全閉にするための指令信号を、前記内燃機関の始動後に所定時間にわたり出力することにより排気ガスの還流を停止させる排気還流強制停止手段をさらに備え、
前記学習手段は、前記排気還流強制停止手段による排気ガスの還流停止時に、前記排気還流弁を全閉にするための指令信号が出力されたときの前記開度検出手段の出力値に基づき前記基準値の初期値を設定するものである。
【0069】
ここで、初期基準値設定ルーチンにおけるステップ110,130,140の処理が排気還流強制停止手段に相当する。
上記の構成によれば、排気ガスの還流を強制的に停止して、排気還流弁の全閉に関する基準値の初期値を設定することで、補正手段による補正を早期に行うことが可能となる。その結果、内燃機関の始動直後から排気還流装置の異常の有無を高い精度で診断することができる。
【0070】
(B)請求項1〜3及び上記(A)のいずれかに記載の排気還流装置の異常診断装置において、
さらに、前記内燃機関の運転状態に応じた排気還流弁の目標開度と前記補正手段による補正後の開度との偏差を求め、この偏差と判定値との比較結果に基づいて、前記排気還流装置の異常の有無を判定する第2の判定手段と、前記第2の判定手段による判定を、前記学習手段により前記基準値が記憶されていることを条件に行う判定制限手段とを備える。
【0071】
ここで、第2EGR異常診断ルーチンにおけるステップ430の処理が第2の判定手段に相当し、ステップ410→リターンの処理が判定制限手段に相当する。
【0072】
上記の構成によれば、学習手段により基準値が記憶されている場合に限り、第2の判定手段による異常診断が行われる。このため、開度検出手段の出力値と排気還流弁の開度との関係を基準値により補正し、その補正後の開度を判定に用いることで、第2の判定手段による異常診断の精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の異常診断装置をディーゼルエンジンに適用した一実施形態についてその構成を示す略図。
【図2】全閉位置に関する基準値の初期値(初期基準値)を設定する手順を示すフローチャート。
【図3】全閉位置に関する基準値を更新する手順を示すフローチャート。
【図4】(a),(b)は、それぞれEGR装置の異常の有無を診断する手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
11…ディーゼルエンジン(内燃機関)、19…吸気通路、20…排気通路、31…EGR装置、33…EGR弁、37…リフトセンサ(開度検出手段)、41…ECU(学習手段、補正手段、判定手段、判定値切替え手段、更新禁止手段)。

Claims (3)

  1. 内燃機関の排気通路から吸気通路に還流される排気ガスの還流量を排気還流弁により調整する排気還流装置であって、
    前記排気還流弁の開度を検出する開度検出手段と、
    前記排気還流弁を所定開度にするための指令信号が出力されたときの前記開度検出手段による開度を基準値として記憶し、この基準値を随時更新する学習手段と、
    前記学習手段による前記基準値に基づいて、前記開度検出手段の出力値と前記排気還流弁の開度との関係を補正する補正手段と、
    前記内燃機関の運転状態に応じた排気還流弁の目標開度と前記補正手段による補正後の開度との偏差を求め、この偏差と判定値との比較結果に基づいて、前記排気還流装置の異常の有無を判定する判定手段と
    を備える排気還流装置の異常診断装置において、
    前記学習手段による前記基準値の記憶の有無に応じて、前記判定手段による前記判定値を切替える判定値切替え手段をさらに備えることを特徴とする排気還流装置の異常診断装置。
  2. 前記判定手段は、前記偏差が前記判定値よりも大きいとき前記排気還流装置が異常であると判定し、
    前記判定値切替え手段は、前記基準値が記憶されていないときには、記憶されているときよりも前記判定値を大きな値に切替えるものである請求項1に記載の排気還流装置の異常診断装置。
  3. 前記学習手段は、前記排気還流弁を全閉にするための指令信号が出力されたときの前記開度検出手段による開度を基準値として記憶し、この基準値を随時更新するものであり、
    さらに、前記開度検出手段の出力値が前記基準値に対し開き側へ所定値以上ずれているとき、前記学習手段による前記基準値の更新を禁止する更新禁止手段を備える請求項1又は2に記載の排気還流装置の異常診断装置。
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