JP2845198B2 - 排気ガス再循環装置の異常判定装置 - Google Patents

排気ガス再循環装置の異常判定装置

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JP2845198B2
JP2845198B2 JP8151303A JP15130396A JP2845198B2 JP 2845198 B2 JP2845198 B2 JP 2845198B2 JP 8151303 A JP8151303 A JP 8151303A JP 15130396 A JP15130396 A JP 15130396A JP 2845198 B2 JP2845198 B2 JP 2845198B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は排気ガス再循環装置
の異常判定装置に係り、特にEGRバルブの排気ガス再
循環装置の異常検出を行う排気ガス再循環装置の異常判
定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、内燃機関(以下、エンジンとい
う)における排気ガスの浄化を行う手段として排気ガス
再循環装置(以下、EGRという)が知られている。こ
のEGRは、排気ガスの一部を吸気通路に還流させるこ
とにより、NOX の低減等を図る構成とされている。
【0003】このEGRを設けたエンジンは、排気ガス
の還流率(新気に対する排気ガスの割合)を増大してい
くとスモークが増加するため、ある限界以上に排気還流
を行うことはできない。また、スモークは、高負荷領域
ほど発生し易いので、エンジンの運転状態によって目標
排気還流率を変化させると共に排気還流通路に排気還流
弁(EGRバルブ)を設け、EGRバルブを目標排気還
流率に応じて開閉制御することによりスモークが過度に
発生しない範囲内で最大限の排気還流を行うよう制御し
ている。
【0004】ところで、上記のEGRバルブが故障によ
り開弁した状態に固着された場合(閉異常)を想定する
と、排気ガスは吸気通路に常に還流されることとなり、
スモークの増加及びエンジンストールが発生するそおれ
がある。このため、従来よりEGRの故障を検出する異
常判定装置が提案されている。
【0005】この種の異常判定装置としては、例えば特
開平4−103865号公報に開示されたものが知られ
ている。同公報に開示されたEGRの異常判定装置は、
EGRバルブの実際の弁開度(実弁開度)をリフトセン
サにより検出すると共に、ECU(電子コントロールユ
ニット)がエンジンの運転状態に応じた目標弁開度を設
定し、この実弁開度と目標弁開度との偏差が判定値以上
である時、EGRに故障が発生していると判定する構成
とされていた。また、同公報に開示されたEGRの異常
判定装置は、エンジン運転状態に応じて判定値を可変す
る構成とされていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、目標弁開度
がECUで演算設定されるのに対し、実弁開度はEGR
バルブを吸気管負圧により作動させることにより変化す
るものであるため、必然的に目標弁開度に対し実弁開度
には応答遅れが発生する。この目標弁開度に対する実弁
開度の応答遅れは、運転状態により刻々として変化す
る。このため、「判定値の可変」を正確に行わないと正
確な異常判定を行うことができなくなってしまう。
【0007】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、目標弁作動状態が所定量変化した際の実弁作動状
態の変化量と判定値とを比較することにより異常判定を
行うことにより、正確な異常判定を行うことを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明では、下記の手段を講じたことを特徴とするも
のである。請求項1記載の発明では、内燃機関の排気通
路と吸気通路とを接続する排気還流通路に配設さた排気
還流弁の実弁開度を検出する実弁開度検出手段と、前記
内燃機関の運転状態に応じた前記排気還流弁の目標弁開
を求める目標弁開度演算手段と、前記実弁開度と前記
目標弁開度に基づき排気ガス再循環装置の異常判定を行
う異常判定手段とを具備する排気ガス再循環装置の異常
判定装置において、前記異常判定手段が、前記目標弁開
が所定量変化した際の前記実弁開度の変化量を演算
し、この変化量と判定値を比較することにより異常判定
を行うよう構成したことを特徴とするものである。
【0009】また、請求項2記載の発明では、前記請求
項1記載の排気ガス再循環装置の異常判定装置におい
て、更に、前記目標弁開度演算手段により求められる
標弁開度に対しなまし処理を行うことにより目標弁開度
なまし値を求める目標弁開度なまし値演算手段を設け、
前記異常判定手段が、前記目標弁開度が所定量変化し、
かつ、前記目標弁開度なまし値が所定量変化した際の前
実弁開度の変化量を演算し、この変化量と判定値を比
較することにより異常判定を行うよう構成したことを特
徴とするものである。
【0010】
【0011】上記した各手段は、次のように作用する。
請求項1記載の発明によれば、実弁開度検出手段は排気
還流通路に配設さた排気還流弁の実弁開度を検出する。
また、目標弁開度演算手段は、内燃機関の運転状態に適
した排気還流弁の目標弁開度を演算する。そして、異常
判定手段は、上記の実弁開度目標弁開度に基づき排気
ガス再循環装置の異常判定を行う。
【0012】この際、異常判定手段は、目標弁開度
弁開度との偏差ではなく、目標弁開度が所定量変化した
際の実弁開度の変化量を演算し、この変化量と判定値を
比較することにより異常判定を行う構成している。即
ち、実弁開度変化の絶対値に基づき異常判定を行う構成
している。
【0013】この構成とすることにより、刻々と変化す
目標弁開度は異常判定を行うタイミングの設定のみに
用いられるため、目標弁開度の変動が直接的に異常判定
に影響を与えることはない。また、異常判定は実弁開度
変化の絶対値に基づき行われるため、排気還流弁の動作
に応答遅れ等が生じていても実弁開度の変化量を演算時
にこの応答遅れは相殺されるため、排気還流弁の応答遅
れが異常判定に影響を与えることも防止できる。よっ
て、本請求項の構成によれば、正確な異常判定を行うこ
とができる。
【0014】また、請求項2記載の発明によれば、前記
した実弁開度検出手段目標弁開度演算手段,異常判定
手段に加え、目標弁開度なまし値演算手段を設ける。こ
目標弁開度なまし値演算手段は、目標弁開度演算手段
により求められる目標弁開度に対しなまし処理を行う。
【0015】そして、異常判定手段は、目標弁開度が所
定量変化し、かつ目標弁開度なまし値が所定量変化した
際の前記実弁開度の変化量を演算し、この変化量と判定
値を比較することにより異常判定を行う。ところで、
標弁開度を演算する目標弁開度演算手段は、目標弁開度
が演算されると直ちにこれを設定する。一方、前記した
ように排気還流弁の動作には応答遅れがある。よって、
請求項1の構成のように、単に目標弁開度が所定量変化
した際の実弁開度の変化量に基づき異常判定を行う構成
では、目標弁開度が大きく変動した場合に異常判定処理
が実施されるが、排気還流弁の応答遅れにより排気還流
弁は目標弁開度の変動に追従して駆動することができ
ず、実弁開度の変化が小さくなる。この場合、排気還流
弁が正常であるにも拘わらず、実弁開度の変化量が小さ
いため異常が発生していると誤判定されるおそれがあ
る。
【0016】これに対し、目標弁開度なまし値演算手段
により求められる目標弁開度なまし値は、目標弁開度演
算手段により求められる目標弁開度に対し実弁開度に近
い値となる。よって、目標弁開度なまし値が所定量変化
した際に異常判定を行い、実弁開度の変化量と判定値を
比較することにより異常判定を行うことにより、排気還
流弁の応答遅れに起因した誤判定の発生を防止すること
ができる。
【0017】一方、目標弁開度なまし値のみに基づき異
常判定処理の開始時期を設定すると、目標弁開度がある
値から急激に変化(例えば、ゼロに変化)した後にまた
元に戻るような変動を行った場合、目標弁開度なまし値
はこの変動を反映することができない。即ち、目標弁開
度なまし値演算手段は、この急激な変動をなましてしま
う。
【0018】また、排気還流弁はその弁開度目標弁開
となるよう制御されるため、目標弁開度がある値から
急激に変化しゼロとなっている範囲において、実弁開度
がゼロ(閉弁状態)となる可能性がある。このような状
態において異常判定を行うと、やはり排気還流弁が正常
であるにも拘わらず、実弁開度の変化量が小さいため異
常が発生していると誤判定されるおそれがある。
【0019】そこで、本請求項に係る発明では、目標弁
開度が所定量変化しかつ目標弁開度なまし値が所定量変
化したという二つの条件が揃った時点で異常判定を行う
構成としている。この構成とすることにより、上記した
誤判定の発生は防止され、正確な異常判定処理を行うこ
とができる。
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態について
図面と共に説明する。図1は本発明の一実施例である異
常判定装置が搭載された排気ガス再循環装置1(以下、
EGRという)の構成図である。本実施例では、例えば
4気筒の内燃機関2(以下、エンジンという)にEGR
1を設けた構成を示している。
【0024】EGR1は、大略すると排気還流通路3,
排気還流弁4(以下、EGRバルブという),バキュー
ムスイッチングバルブ5(以下、VSVという),バキ
ュームコントロールバルブ6(以下、VCVという),
バキュームタンク7,及び電子コントロールユニット8
(以下、ECUという)等により構成されている。
【0025】エンジン2の吸気ポートには吸気通路9が
接続されており、また排気ポートには排気通路10が接
続されている。また、吸気通路9にはアクセルペダルの
踏み込み量に応じて変位するスロットル弁11が設けら
れており、排気通路10には排気ガスに含まれるHC
(炭化水素),CO(一酸化炭素),NOX (窒素酸化
物)等の有害成分を浄化する三元触媒12が配設されて
いる。
【0026】排気還流通路3は、上記した吸気通路9と
排気通路10との間にバイパス状に配設されている。こ
の排気還流通路3は、一端が吸気通路9のスロットル弁
11の配設位置より下流側に接続されており、また他端
は排気通路10の三元触媒12の配設位置より上流側に
接続されている。よって、排気還流通路3により吸気通
路10は排気通路9と接続された構成となってる。
【0027】EGRバルブ4は、この排気還流通路3の
途中位置に介装されている。EGRバルブ4は、ケーシ
ング13を内設されたダイヤフラム14により大気圧室
15とダイヤフラム室16とに画成された構成とされて
いる。また、ダイヤフラム14には弁軸17が接続され
ており、この弁軸17の下端には排気還流通路3を開閉
する弁体18が配設されている。上記した大気圧室15
は大気開放されており、またダイヤフラム室16は負圧
導入配管20,21及びバキュームタンク7を介してV
SV5に接続されている。
【0028】ダイヤフラム14はダイヤフラム室16内
に配設されたコイルスプリング30により図中下方に向
け付勢されているが、後述するようにダイヤフラム室1
6にVSV5より負圧が導入されると上方に向け変位
し、これに伴いダイヤフラム14に接続された弁軸17
を介して弁体18も上動し、これによりEGRバルブ4
は開弁する構成となっている。また、EGRバルブ4の
開弁度は、ダイヤフラム室16に導入される負圧により
制御しうる構成とされている。
【0029】上記のようにEGRバルブ4が開弁するこ
とにより吸気通路9と排気通路10とは連通した状態と
なり、排気通路10を流れる排気ガスは排気還流通路3
を通り吸気通路9に還流する。また、EGRバルブ4の
開弁度を制御することにより、排気通路10から吸気通
路9に還流する排気ガス量を制御することができる。
【0030】一方、上記した弁軸17はダイヤフラム1
4の上方に長く延出しており、この延出した部位はケー
シング13の上部に配設されたリフトセンサ19に接続
されている。このリフトセンサ19は抵抗体使用のポジ
ションメータであり、EGRバルブ4の実際の開弁度
(実弁作動状態)を検出する実弁開度検出手段として機
能するものである。
【0031】具体的には、リフトセンサ19は弁軸17
に接続された接点ブラシと、この接点ブラシに対向配設
された抵抗体とにより構成されており、接点ブラシが抵
抗体と電気的に接続する位置に応じて変化する電圧値を
測定することにより弁体18の弁開度を検出する構成と
されている。また、リフトセンサ19で検出されたEG
Rバルブ4の実弁開度は、ECU8に供給される構成と
されている。
【0032】VSV5はEGRバルブ4に導入する負圧
制御を行う機能を有するものであり、大略すると大気ポ
ート22,負圧導入ポート23,出力ポート24,スプ
ール25,及びコイル26等により構成されている。大
気ポート22は、大気導入配管27を介して吸気通路9
のスロットル弁11より上流側に接続されており、よっ
て大気が導入される構成とされている。また、負圧導入
ポート23は、負圧導入配管28,29及び後述するV
CV6を介して吸気通路9のスロットル弁11より下流
側に接続されており、よって吸気管負圧が導入される構
成とされている。出力ポート24は、負圧導入配管2
0,21及びバキュームタンク7を介して前記したEG
Rバルブ4のダイヤフラム室16に接続されている。
【0033】また、コイル26はECU8に接続されて
おり、ECU8から供給される駆動信号(デューティ信
号)によりコイル26は励磁し、スプール25を図中左
右方向に移動させる構成とされている。このようにスプ
ール25が移動することにより、出力ポート24は選択
的に大気ポート22或いは負圧導入ポート23に接続さ
れる。また、ECU8から供給されるデューティ信号の
デューティ比に応じスプール25の移動は制御されるた
め、EGRバルブ4に導入される負圧の値を制御するこ
とができる。即ち、EGRバルブ4は、ECU8がVS
V5を駆動制御することによりその弁開度が制御される
構成とされている。
【0034】VCV6は入力ポート31及び出力ポート
32を有しており、入力ポート31は負圧導入配管28
により吸気通路9に接続されており、また出力ポート3
2は負圧導入配管29によりVSV5の負圧導入ポート
23に接続されている。このVCV6は内部にダイヤフ
ラム33及びこのダイヤフラム33の変位により開閉す
る弁体34を有しており、入力ポート31に導入される
吸気管負圧の大きさに応じてダイヤフラム33は変位
し、これに応じて弁体34が開閉することにより出力ポ
ート32に出力される負圧を調圧する構成とされてい
る。従って、VCV6の出力ポート32における負圧は
吸気管負圧の変動に拘わらず、常に一定の負圧となる。
【0035】バキュームタンク7は、入力ポート35が
負圧導入配管20を介してVSV5の出力ポート24と
接続されると共に、出力ポート36が負圧導入配管21
を介してEGRバルブ4のダイヤフラム室16に接続さ
れている。このバキュームタンク7は比較的大きな容積
を有したタンクであり、VSV5から出力された負圧に
脈動があるような場合には、このバキュームタンク7で
脈動を除去する構成とされている。
【0036】尚、図1には図示されないが、ECU8に
は前記したリフトセンサ19の他に、エンジン2が始動
したことを検出するイグニッションスイッチ37,エン
ジン2の冷却水温THWを検出する水温センサ38,車
両速度SPDを検出する車速センサ39,及びスロット
ル弁11の全閉状態を検出するスロットルスイッチ54
等が接続されている。
【0037】次に、前述したECU8の構成について、
図2のブロック図に従って説明する。ECU8は中央処
理装置(CPU)40、所定の制御プログラム及びマッ
プ等を予め記憶した読み出し専用メモリ(ROM)4
1、CPU40の演算結果等を一時記憶するランダムア
クセスメモリ(RAM)42、予め記憶されたデータを
保存するバックアップRAM43、所定のクロック信号
を生成するクロック(CLOCK)44等と、これら各
部と入力ポート45及び出力ポート46とをバス47に
よって接続した論理演算回路として構成されている。
【0038】入力ポート45には、前述したリフトセン
サ19,イグニッションスイッチ37,水温センサ3
8,車速センサ39,及びスロットルスイッチ54が、
バッファ48,49、マルチプレクサ50,A/D変換
器51,波形成形回路52等を介して接続されている。
そして、CPU40は入力ポート45を介して入力され
る各センサ19,37〜39の検出信号を入力値として
読み込む。また、出力ポート46には駆動回路53を介
して前述したVSV5が接続されている。上記構成にお
いて、CPU40は各センサ19,37〜39から読み
込んだ入力値に基づきVSV5を好適に制御すると共
に、後述する本発明の要部となる異常判定処理を実施す
る。
【0039】次に、上述したECU8により実行される
EGR1の異常判定処理について図3乃至図10を用い
て説明する。本実施例に係る異常判定処理は、EGRバ
ルブ4の弁体4が開弁された状態で固着される異常(閉
異常)の発生を判定するものである。尚、図3はEGR
1の異常判定処理の開始時期を決める開始条件を判定す
る開始条件判定処理を示すフローチャートであり、図4
は開始条件判定処理において異常判定処理の開始時期で
あると判定された時に実行される異常判定処理を示すフ
ローチャートである。
【0040】以下、異常判定処理の開始条件判定処理に
ついて説明する。先ず、図3の開始条件判定処理の説明
に先立ち、説明の便宜上、図5及び図6を用いて本実施
例における開始条件判定処理の原理について説明する。
図5は本実施例の処理と比較するため、図1に示した構
成のEGR1を従来の開始条件判定処理に基づき駆動さ
せた場合のタイミングチャートであり、図6は本実施例
における開始条件判定処理に基づき駆動させた場合のタ
イミングチャートである。
【0041】図5に示される従来の開始条件判定処理に
注目する。従来では、前記したようにEGRバルブ4の
駆動履歴の有無に拘わらず、異常判定処理の開始時期を
設定する構成とされていた。具体的には、エンジン始動
後所定時間t1を経過した時点(時刻T1の時点)で、
直ちに異常判定処理を開始する構成とされていた。
【0042】いま、車両が図5(A)に示されるよう
に、時刻T2で発進し、これに伴い時刻T3(T3>T
1)でEGR1が作動開始した場合を想定する。このよ
うな場合では、車両が発進するまでの時間が長いと、E
GRバルブ4が駆動する前において異常判定処理が終了
している可能性がある。
【0043】また、図5(C)に実線で示されるEGR
バルブ4の実弁開度と、同図に破線で示されるECU8
により演算される異常判定値(従来の異常判定処理で
は、ECU8により演算される目標弁開度が異常判定値
とされている)に注目すると、異常判定処理が開始され
る時刻T1においては、エンジン2はアイドリング状態
となっているため、ECU8により演算される異常判定
値は小さい値に設定されている。
【0044】また、仮にVSV5の大気ポート22が凍
結等により閉塞されているような場合(即ち、異常要因
が発生している状態)を想定すると、EGRバルブ4の
ダイヤフラム室16には大気が導入されないこととな
り、EGRバルブ4は閉弁することができない閉異常状
態となる。しかるに、上記のような異常要因を有したE
GRバルブ4でも、EGRバルブ4を暫く駆動させない
状態では、徐々にではあるが大気ポート22から空気が
導入され、よってEGRバルブ4は閉弁した状態とな
る。
【0045】従って、このように異常要因が発生してい
る状態であっても、EGRバルブ4が駆動されない前に
異常判定処理を実施すると、異常判定値とリフトセンサ
19により検出される実弁開度との偏差(図中、ΔL1
で示す)は所定値以下の状態となり、ECU8はEGR
バルブ4は正常であると誤判定してしまう。
【0046】具体的には、図5(B)に示されるよう
に、時刻T1で異常判定処理が開始されると、異常判定
機会カウンタECDEGOF が起動し、この異常判定機会カウ
ンタECDEGOF がインクリメントされる毎に異常判定処理
が実施される構成とされている。しかるに、上記のよう
にEGRバルブ4が駆動される前では、異常判定値と実
弁開度との偏差ΔL1は所定値以下の値となっており異
常判定は行われない。よって、図5(D)に示される異
常検出が行われる毎にインクリメントされる異常判定カ
ウンタCDEGOFはゼロの状態を維持し、従ってECU8は
EGRバルブ4を正常であると誤判定する。
【0047】ところが、時刻T3においてEGR1が始
動すると、大気ポート22が閉塞されていることによ
り、図5(C)に一点鎖線で示すようにEGRバルブ4
は開弁状態に固着されて異常が発生してしまう(この状
態では、異常判定値と実弁開度との偏差はΔL2と大き
くなっている)。
【0048】しかるに、ECU8はEGRバルブ4が駆
動される前に実施した異常検出結果に基づき、EGRバ
ルブ4は正常であるとしてEGR制御処理を行う。この
ため、ECU8は適正なEGR制御を行うことができ
ず、スモークの発生及びエンジンストールが発生するお
それがある。
【0049】これに対し、本実施例における開始条件判
定処理では、EGRバルブ4が一旦駆動された後に異常
判定を行うよう構成したことを特徴とするものである。
この本実施例における開始条件判定処理について、図6
を用いて説明する。本実施例における開始条件判定処理
では、図6(C)に示されるように、EGRバルブ4が
一旦駆動され開弁(EGR ON)した時に設定されるEGRO
N履歴フラグXJEGONを有している。そして、EGRON
履歴フラグXJEGONが設定されるまで(即ち、時刻T3ま
で)の間においては異常判定処理を禁止し、このEGR
ON履歴フラグXJEGONが設定された後(時刻T3以降)
に異常判定処理を実施する構成としている。図6では、
時刻T4において異常判定処理を開始する例が示されて
いる。
【0050】上記構のようにEGRバルブ4が一旦駆動
された後に異常判定を行うよう構成することにより、上
記のようにVSV5に大気ポート22が凍結する等の異
常要因が発生していた場合であっても、確実に異常の検
出を行うことができる。 即ち、EGRバルブ4が一旦
駆動された時刻T3以降では、VSV5から大気が導入
されないため、EGRバルブ4は開弁状態に固着された
状態となっている。従って、EGRバルブ4が一旦駆動
された後に、換言すればEGRON履歴フラグXJEGONが
設定された後に異常判定を行うことにより、EGRバル
ブ4に異常が発生している状態下で異常判定が行えるた
め、ECU8はEGRバルブ4に異常が発生しているこ
とを確実に検知することができる。
【0051】具体的には、図6(B)に示されるよう
に、時刻T4で異常判定処理が開始されると、異常判定
機会カウンタECDEGOF が起動し、この異常判定機会カウ
ンタECDEGOF がインクリメントされる毎に異常判定処理
が実施されるが、上記のようにEGRバルブ4が駆動さ
れた後では、異常判定値と実弁開度との偏差ΔL2は所
定値以上の値となっている。従って、ECU8は異常判
定を行い、これにより図5(D)に示される異常判定カ
ウンタCDEGOFはインクリメントされ、そして本実施例で
は異常判定カウンタCDEGOFがCDEGOF=10となった時点
で最終的な異常判定(最終異常判定)を行う構成として
いる。
【0052】尚、上記のように異常判定機会カウンタEC
DEGOF を設け、異常が複数回(本実施例では10回)連
続して検出された時に最終異常判定を行う構成としたの
は、1回の異常判定だけで最終的な異常判定を行うと、
外乱の侵入等により異常検出が行われるおそれがあり、
異常判定処理の精度が低下してしまうからである。
【0053】また、本実施例においては、異常判定値と
してEGR1が始動した時刻T3におけるEGRバルブ
4のリフト量ELIFTD1 を用いている。この理由について
は、説明の便宜上、後述するものとする。続いて、上記
した原理に基づき実施される異常判定処理の開始条件判
定処理について、図3のフローチャートに基づき説明す
る。
【0054】同図に示す異常判定処理が起動すると、先
ずステップ10において、EGR1がECU8により起
動(EGR ON)された時に設定されるEGR起動フラグXAEG
R が設定されているか否かを判定する。このEGR起動
フラグXAEGR は、図11に示される本異常判定処理とは
別処理として実施される排気ガス再循環制御処理(以
下、EGR制御処理という)において設定されるフラグ
である。
【0055】そして、ステップ10において肯定判定が
行われると、処理はステップ12に進み、EGRON履
歴フラグXJEGONを設定する(XJEGON=ON)。従って、E
GRON履歴フラグXJEGONの設定状態を判別することに
より、EGR1が少なくとも1回は起動し、よってEG
Rバルブ4が少なくとも1回は駆動されたことを検知す
ることができる。即ち、EGRON履歴フラグXJEGONの
設定状態を判別することにより、EGRバルブ4の駆動
履歴の有無を判定することができる。
【0056】このEGRON履歴フラグXJEGONは、イグ
ニッションスイッチ37がOFFされた時点でクリアさ
れる構成とされている。即ち、EGRON履歴フラグXJ
EGONが一旦設定されると、エンジン2が停止されるまで
設定された状態(XJEGON=ONの状態)を維持する構成と
されている。従って、EGR1が起動した後に、エンジ
ン2の運転状態によりEGR1が停止した後において
も、エンジン2が停止されない限り、EGRON履歴フ
ラグXJEGONは設定状態(XJEGON=ONの状態)を維持す
る。
【0057】ステップ12の処理が終了した場合、及び
ステップ10で否定判定が行われた場合は、処理はステ
ップ14に進む。ステップ14では、前記した異常判定
機会カウンタECDEGOF を1カウントだけインクリメント
する(図6(B)参照)。続くステップ16〜ステップ
24は、エンジン2の状態が異常判定を実施するに適し
た状態であるか否かを判定するための処理である。ステ
ップ16では、エンジン2が始動した後所定時間t2が
経過しているか否かを判定する。この所定時間t2を計
測する手段としては、前記したECU8に内設されたク
ロック44(図2参照)を用い、イグニッションスイッ
チ37がONとなった時点で起動するカウンタを設ける
ことにより実現することができる。
【0058】ステップ16において否定判定がされた場
合は、エンジン2が始動した後時間t2が経過していな
い始動直後の状態である。このような始動直後において
はエンジン2が安定していないおそれがあり、異常検出
を行うのに適していない。よってステップ16で否定判
定がされた場合は、処理をステップ26に進めて異常判
定機会カウンタECDEGOF をクリアし、その上で処理をス
テップ10に戻す構成としている。
【0059】また、ステップ16において肯定判定が行
われると、処理はステップ18に進み、エンジン2がア
イドル状態でかつ停車状態であるか否かが判定される。
エンジン2がアイドル状態であるか否かはスロットルス
イッチ54の出力信号により検知することができ、また
停車状態であるか否かは車速センサ39の出力信号によ
り検知することができる。
【0060】ステップ18において否定判定がされた場
合は、車両が走行している状態である。このような車両
走行状態では、エンジン2の機関状態は変動するおそれ
があり、異常検出を行うのに適していない。よってステ
ップ18で否定判定がされた場合も、処理をステップ2
6に進めて異常判定機会カウンタECDEGOF をクリアし、
その上で処理をステップ10に戻す構成としている。
【0061】また、ステップ18において肯定判定が行
われると、処理はステップ20に進み、冷却水温THW
が所定温度k以上であるか否かが判定される。この冷却
水温THWは、水温センサ38の出力信号により検知す
ることができる。ステップ20において否定判定がされ
た場合は、エンジン2が十分に暖機されていない状態で
ある。このような冷間状態下では、エンジン2が安定し
ていないおそれがあり、異常検出を行うのに適していな
い。よってステップ20で否定判定がされた場合も、処
理をステップ26に進めて異常判定機会カウンタECDEGO
Fをクリアし、その上で処理をステップ10に戻す構成
としている。
【0062】また、ステップ20において肯定判定が行
われると、処理はステップ22に進み、ECU8がEG
R1を起動する起動信号を出力しているか否かを判定す
る。前記したように、異常判定はEGRバルブ4が開弁
状態に固着された状態となっているか否かを判定する処
理であるため、ECU8がEGRバルブ4を閉弁させる
よう駆動制御している状態下において実施する必要があ
る。
【0063】このため、ステップ22において否定判定
がされた場合、即ちECU8がEGRバルブ4を開弁さ
せるよう駆動制御している場合には、異常検出を行うこ
とができないため、処理をステップ26に進めて異常判
定機会カウンタECDEGOF をクリアし、その上で処理をス
テップ10に戻す構成としている。
【0064】また、ステップ22において肯定判定が行
われると、処理はステップ24に進み、前記したEGR
ON履歴フラグXJEGONが設定されている(XJEGON=ON)
か否かを判定する。前記したように、EGRON履歴フ
ラグXJEGONはEGRバルブ4が少なくとも1回は駆動さ
れたという、EGRバルブ4の駆動履歴の有無を示すフ
ラグである。また、図5及び図6を用いて説明したよう
に、EGRバルブ4が駆動される前において異常判定を
行うと、誤判定を行うおそれがあり正確な異常判定を確
保できなくなる。
【0065】このため、ステップ24において否定判定
がされた場合、即ちEGRバルブ4の駆動履歴が無い場
合には、正確な異常検出を行うことができないおそれが
あるため、処理をステップ26に進めて異常判定機会カ
ウンタECDEGOF をクリアし、その上で処理をステップ1
0に戻す構成としている。
【0066】また、ステップ24で肯定判定が行われる
と、ステップ28において所定時間t3だけディレイ時
間を取る。このディレイ時間t3は、図6(B)におけ
る異常判定機会カウンタECDEGOF の1ステップ分の時間
に対応する。ステップ24でディレイ時間t3の経過を
待って、処理はステップ30に進む。
【0067】ステップ30では異常判定処理を実施す
る。このステップ30では、後述する図4に示される異
常判定処理が実施される。そして、ステップ30による
異常判定処理が終了すると、ステップ14で用いた異常
判定機会カウンタECDEGOF 及びステップ16で用いたカ
ウンタをクリアし、今回の開始条件判定処理を終了す
る。
【0068】上記したように、本実施例による開始条件
判定処理では、ステップ12においてEGRバルブ4の
駆動履歴の有無を示すEGRON履歴フラグXJEGONを設
け、ステップ24でこのEGRON履歴フラグXJEGONに
よりEGRバルブ4の駆動履歴がある場合にのみ、後述
するステップ30において異常判定処理を実施する構成
としている。従って、図6における時刻T3以前に異常
判定処理が実施されることがなくなるため、異常判定処
理における誤判定を防止でき正確な異常判定を行うこと
が可能となる。
【0069】続いて、ステップ30で実施されるEGR
1の異常判定処理について主に図4及び図7を用いて説
明する。前記したように、図4は異常判定処理を示すフ
ローチャートであり、また図7は異常判定処理が行われ
るEGR1の駆動例を示している。 図7において、
(A)は車速センサ39の出力より求められる車速SP
Dを示している。また、(B)はECU8に設けられた
アイドル状態でかつ車両が停止されている時に起動する
カウンタ(以下、IDLONカウンタという)を示して
いる。また、(C)はECU8により演算されるエンジ
ン2の状態に応じて設定される目標弁開度ETLIFTD を示
している。また、(D)は目標弁開度ETLIFTD をなまし
た値である目標弁開度なまし値ETLIFTDDを示している。
更に、(E)はリフトセンサ19の出力より求められる
EGRバルブ4の実際の弁開度(実弁開度)ELIFTDを示
している。
【0070】図4に示す異常判定処理は、上述した図3
を用いた説明から明らかなように、一旦はEGRバルブ
4が駆動した後で、かつステップ16〜ステップ22の
異常判定開始条件が成立した時に起動する。この異常判
定処理が起動すると、先ずステップ300において、正
常判定履歴フラグXNORMAL が設定(XNORMAL=ON)されてい
るか否かを判定する。この正常判定履歴フラグXNORMAL
は、後述するステップ314においてEGR1が正常で
あると判定された時に設定されるフラグである。従っ
て、正常判定履歴フラグXNORMAL の設定状態を判定する
ことにより、今回以前の異常判定処理において、正常判
定がされたことがあるか否かを判定することができる。
尚、このステップ300を設けた理由については、説明
の便宜上後述するものとする。ステップ300において
否定判定が行われると、処理はステップ302に進む。
このステップ302では、エンジン2がアイドル状態
で、かつ停止した状態を時間t4以上継続した状態であ
るか否かが判定される。前記したステップ18と同様
に、エンジン2がアイドル状態であるか否かはスロット
ルスイッチ54の出力信号により検知することができ、
また停車状態であるか否かは車速センサ39の出力信号
により検知することができる。
【0071】このステップ302において、アイドル状
態でかつ車両が停止した状態を時間t4だけ待つ構成と
したのは、車両走行状態から車両が停止しアイドル状態
となった直後においては、EGR1が正常であってもE
GRバルブ4が完全に閉弁されていないおそれがあるか
らである。
【0072】即ち、前記したようにEGRバルブ4は、
ECU8により制御されるVSV5の吸気管負圧と大気
との切換により駆動する構成とされているため、ECU
8がEGRバルブ4を閉弁させる信号を発信した後に実
際にEGRバルブ4が閉弁するまでに動作遅れが発生す
る。従って、この動作遅れ期間(時間t4はこの動作遅
れ期間に対応して設定されている)に異常判定を行うと
誤判定を行うおそれがある。そこで、ステップ302で
は動作遅れ期間を見込んで、アイドル状態でかつ停止し
た状態となっても、直ちに異常判定を行うことはせず、
時間t4を待ってステップ304以降の処理を行う構成
としている。
【0073】本実施例においては、この時間t4の経過
は図7(B)に示すIDLONカウンタを用いて判定し
ている。前記したように、IDLONカウンタはアイド
ル状態でかつ車両が停止されている時に起動するカウン
タであるため、このIDLONカウンタに基づき時間t
4の経過を判定することができる。尚、図7における時
刻T1は、上記の時間t4の経過した時刻を示してい
る。
【0074】ステップ302において肯定判定が行われ
ると、処理はステップ304に進み車両の発進を待つ。
そして、車両が発進すると処理はステップ306に進
む。尚、車両が発進したか否かは車速センサ39の出力
より判定することができる。また、図7では、車両が時
刻T2で発進した例を示している。
【0075】ステップ306では、始めてEGR1が駆
動されたか否かが判定される。具体的には、ステップ3
06ではアイドル状態でかつ停止した状態が時間t4経
過した後(ステップ302参照)に、始めてEGR1が
駆動されたか否かが判定される。そして、ステップ30
6で肯定判定が行われると処理はステップ308以降の
異常判定の実質的処理を行う。このステップ306の処
理により、EGR1の駆動をエンジン2が安定した状態
下において開始させることができる。尚、図7では、時
刻T3において始めてEGR1が駆動した例を示してい
る。
【0076】ところで、EGR1の駆動が開始される
と、ECU8はEGR制御処理を開始する。図11は、
このEGR制御処理を示すフローチャートである。ここ
で、ECU8が実施するEGR制御処理について、図1
1を用いて簡単に説明しておく。尚、このEGR制御処
理は図4に示す本異常判定処理とは別のルーチン処理と
して実施されるものである。
【0077】図11に示すEGR制御処理が起動する
と、ステップ400において、ECU8は各種センサか
らの出力に基づきエンジン2の運転状態を読み込む。そ
して、続くステップ402では、ステップ400で読み
込まれたエンジン2の運転状態に最も適したEGRバル
ブ4の開弁度(目標開弁度ETLIFTD)を演算する。
【0078】続くステップ404では、ステップ402
で演算された目標開弁度ETLIFTD に対して周知の方法で
なまし処理が行われ、目標弁開度なまし値ETLIFTDDが演
算される。尚、このステップ404は、本異常判定処理
を実施するために設けられた処理であるが、詳細につい
ては後述するものとする。
【0079】続くステップ406では、ステップ402
で求められる目標開弁度ETLIFTD 及びリフトセンサ19
から演算されるEGRバルブ4の実弁開度ELIFTDに基づ
きVSV5の駆動制御を行い、EGRバルブ4の実弁開
度ELIFTDが目標開弁度ETLIFTD となるようフィードバッ
ク制御を行う。これにより、EGRバルブ4は最適な開
度に制御され、よって排気ガスの一部は排気還流通路3
を介して吸気通路9に適量だけ還流されNOX の低減等
を図ることができる。続くステップ408では、EGR
1がECU8により起動(EGR ON)されたことを示すEG
R起動フラグXAEGR を設定し、今回のEGR制御処理を
終了する。尚、上記したEGR制御処理は、所定時間毎
に繰り返し実施される。
【0080】ここで、再び図4に戻り異常判定処理の説
明を続ける。ステップ306で肯定判定がされると、処
理はステップ308に進む。ステップ308では、アイ
ドル状態でかつ停止した状態が時間t4経過した後、始
めてEGR1が駆動された時(即ち、時刻T3)におけ
る目標弁開度ETLIFTD,目標弁開度なまし値ETLIFTDD, 及
びEGRバルブ4の実弁開度ELIFTDを読み込み、これを
基準目標弁開度ETLIFTD1, 基準目標弁開度なまし値ETLI
FTDD1,基準実弁開度ELIFTD1 としてROM41に記憶す
る。
【0081】目標弁開度ETLIFTD は、前記した図11に
示したEGR制御処理のステップ402において演算さ
れるものである。また、目標弁開度なまし値ETLIFTDD
は、図11に示したEGR制御処理のステップ404に
おいて演算されるものである。更に、実弁開度ELIFTDは
リフトセンサ19の出力より求めることができる。この
基準目標弁開度ETLIFTD1, 基準目標弁開度なまし値ETLI
FTDD1,基準実弁開度ELIFTD1 は、図7(C),(D),
(E)に示されるように、時刻T3における目標弁開度
ETLIFTD,目標弁開度なまし値ETLIFTDD, 実弁開度ELIFTD
の値である。
【0082】続くステップ310では、目標弁開度ETLI
FTD と基準目標弁開度ETLIFTD1との偏差(ETLIFTD−ETLI
FTD1) が所定値(α)以上であるか否かが判定される。
そして、ステップ310で肯定判定が行われると、処理
はステップ312に進み、実弁開度ELIFTDと基準実弁開
度ELIFTD1 との偏差(ELIFTD−ELIFTD1)が所定値(β)
以上であるか否かが判定される。そして、ステップ31
2において偏差(ELIFTD−ELIFTD1)が所定値(β)以上
であると判定された場合には、ステップ314において
EGR1は正常であるとする正常判定が行われる。
【0083】ここで、ステップ308〜ステップ312
の処理で上記のように判定が行われた時にEGR1は正
常であると判定できる理由について説明する。前記した
ように、目標弁開度ETLIFTD はECU8が運転状態に応
じて演算するものであり、運転状態に最適なEGRバル
ブ4の弁開度を示す値である。このため、ECU8はE
GRバルブ4の実弁開度ELIFTDが目標弁開度ETLIFTD と
なるよう、VSV5を介してEGRバルブ4の駆動制御
を行う。
【0084】いま、仮にEGR1を構成するVSV5,
EGRバルブ4等に異常が発生している場合には、EC
U8がEGRバルブ4を駆動させようとしてもEGRバ
ルブ4は駆動しない。これに対し、目標弁開度ETLIFTD
はECU8が演算するものであるため、EGR1に異常
が発生していても演算されるものである。よって、EG
R1に異常が発生している場合には、目標弁開度ETLIFT
D は運転状態に応じて変化するが、EGRバルブ4の実
弁開度ELIFTDは変化しない状態となる。
【0085】上記の現象に基づき本実施例では、目標弁
開度ETLIFTD が所定量α変化した際に、これに追随して
実弁開度ELIFTDが変化した時には、EGR1は正常であ
ると判定する構成としている。また本実施例では、従来
のように目標弁開度と実弁開度との偏差に基づき異常判
定を行うのではなく、基準目標弁開度ETLIFTD1を基準と
して目標弁開度ETLIFTD が所定値α以上変化した時にお
ける、実弁開度ELIFTDと基準実弁開度ELIFTD1との偏差
(ELIFTD−ELIFTD1)に基づき異常判定を行う構成として
いる。即ち、本実施例では実弁開度変化の絶対値(ELIF
TD−ELIFTD1)に基づき異常判定を行う構成している。以
下、この理由について説明する。
【0086】前記のように目標弁開度ETLIFTD はエンジ
ン2の運転状態に応じて演算されるため、エンジン2の
運転状態の変化により刻々と変化する。一方、EGRバ
ルブ4はVSV5を用いて駆動制御するため、実弁開度
ELIFTDは目標弁開度ETLIFTDに対してどうしても追従遅
れや応答遅れが発生してしまう。よって、実弁開度ELIF
TDと目標弁開度ETLIFTD との偏差に基づき異常判定を行
う従来の構成では、実弁開度ELIFTD及び目標弁開度ETLI
FTD の双方に変動要素を含んでいるため、正確な異常判
定を行うことができないおそれがある。
【0087】これに対し、本実施例の異常判定処理で
は、刻々と変化する目標弁開度ETLIFTD は異常判定を行
うタイミングの設定のみに用いられているため、この目
標弁開度ETLIFTD の変動が直接的に異常判定に影響を与
えることはない。また、異常判定は基準実弁開度ELIFTD
1 を基準とした実弁開度ELIFTDの絶対値(偏差:ELIFTD
−ELIFTD1)に基づき行われるため、EGRバルブ4の動
作に上記理由により応答遅れ等が生じていても、上記し
た偏差(ELIFTD −ELIFTD1)の演算時にこの応答遅れは相
殺される。このため、本実施例の異常判定処理によれ
ば、EGRバルブ4の応答遅れが異常判定に影響を与え
ることも防止でき、よって正確な異常判定を行うことが
可能となる。
【0088】図4に戻り説明を続ける。ステップ314
で、EGR1が正常であるという正常判定が行われる
と、処理はステップ316に進み、正常判定履歴フラグ
XNORMAL を設定(XNORMAL=ON)する。即ち、正常判定履歴
フラグXNORMAL は、ステップ314でEGR1が正常で
あると判定された時にのみに設定される。
【0089】ここで前記したステップ300に注目する
と、ステップ300では正常判定履歴フラグXNORMAL が
設定されている場合には、ステップ302以降の異常判
定処理を行うことなく、処理を終了する構成としてい
る。即ち、ステップ300の処理により、一度正常判定
が行われた場合には、エンジン2が次に始動されるまで
ステップ302以降の異常判定処理が禁止される構成と
されている。以下、この理由について説明する。
【0090】即ち、異常判定処理は上記した目標弁開度
ETLIFTD,目標弁開度なまし値ETLIFTDD, 実弁開度ELIFT
D,基準目標弁開度ETLIFTD1, 基準目標弁開度なまし値E
TLIFTDD1,基準実弁開度ELIFTD1 等の種々のパラメータ
に基づき実施され、この各パラメータはエンジン2の運
転状態を検出する種々のセンサ及びリフトセンサ19等
の出力信号に基づき演算される。これらの各センサには
外乱が侵入するおそれがある。また、使用環境等によっ
て誤信号を出力するおそれもある。従って、これらの外
乱の侵入及び誤信号等が発生した場合、正確な異常判定
が行えないおそれがある。
【0091】従って、一度正常判定が行われた後も異常
判定手段による異常判定処理を続行する構成では、上記
した外乱の侵入等があると、EGR1が正常であるにも
拘わらず異常判定処理が行われ、EGR制御処理が適正
に行われないおそれがある。よって、本実施例では、ス
テップ314でEGR1が正常であるという正常判定が
行われた場合にはステップ316で正常判定履歴フラグ
XNORMAL を設定(XNORMAL=ON)し、ステップ300の処理
により正常判定履歴フラグXNORMAL を設定(XNORMAL=ON)
されている場合には、ステップ302以降の異常判定処
理を実施しない構成している。これにより、異常判定処
理の精度を向上させることができる。尚、ステップ31
6の処理が終了すると、異常判定処理は終了する。
【0092】以上の説明は、ステップ312において実
弁開度ELIFTDと基準実弁開度ELIFTD1 との偏差(ELIFTD
−ELIFTD1)が所定値β以上である場合の処理、即ちEG
R1が正常である場合の処理であったが、ステップ31
2で否定判定が行われた場合には、処理はステップ31
8に進む。
【0093】ステップ318では、EGR1が駆動され
た状態が所定時間t5以上継続されているか否かが判定
される。このステップ318の処理は、後述するステッ
プ320で実施される目標弁開度なまし値ETLIFTDDを用
いた異常判定処理時に、前記したEGRバルブ4の応答
遅れが影響しないよう、この応答遅れ時間分を消化する
ために設けられている。ステップ318で否定判定がさ
れた場合は、処理はステップ310に戻る構成とされて
いる。
【0094】一方、ステップ318で肯定判定が行われ
ると、処理はステップ320に進む。このステップ32
0では、目標弁開度なまし値ETLIFTDDと基準目標弁開度
なまし値ETLIFTDD1 との偏差(ETLIFTDD −ETLIFTDD1)が
所定値(γ)以上であるか否かが判定される。そして、
ステップ318で肯定判定が行われると、処理はステッ
プ332に進み、また否定判定が行われると処理はステ
ップ310に戻る。
【0095】ステップ322では、異常判定カウンタC
DEGOFをインクリメントする。また、続くステップ
324では、異常判定カウンタCDEGOFの値が所定
カウント数(X)以上となったか否かを判定する。そし
て、ステップ324で異常判定カウンタCDEGOFの
値が所定値X以上(CDEGOF≧X)であると判定さ
れると、処理はステップ326に進みEGR1が異常で
あるという異常判定を行う。
【0096】尚、ステップ322及びステップ324を
設け、ステップ308〜ステップ312及びステップ3
20で異常判定が行われても直ちにステップ324の異
常判定をすることなく、異常判定カウンタCDEGOF
の値が所定値X以上(CDEGOF≧X)となった時点
でステップ324の異常判定を行う構成としたのは、外
乱等の侵入により一時的に誤判定が行われた場合に、こ
れにより異常判定が行われるのを防止するためである。
【0097】上記説明から明らかなように、本実施例に
係る異常判定処理では、ステップ310及びステップ3
12の処理により、目標弁開度ETLIFTD と基準目標弁開
度ETLIFTD1との偏差(ETLIFTD−ETLIFTD1) が所定値α以
上であり、かつ実弁開度ELIFTDと基準実弁開度ELIFTD1
との偏差(ELIFTD−ELIFTD1)が所定値β以下であると判
定された場合でも直ちに異常判定を行うのではなく、ス
テップ320において目標弁開度なまし値ETLIFTDDと基
準目標弁開度なまし値ETLIFTDD1 との偏差(ETLIFTDD −
ETLIFTDD1)が所定値γ以上であると判定された時点で始
めてステップ322〜ステップ326の異常時処理を実
施する構成としている。
【0098】即ち、本実施例の異常判定処理では、目標
弁開度ETLIFTD の変化量、及び目標弁開度なまし値ETLI
FTDDの変化量が共に所定値α,γ以上の状態で、かつ実
弁開度ELIFTDの変化量が所定値β以下の場合にのみ異常
判定を行う構成としている。以下、この理由について図
8〜図9を用いて説明する。尚、図8〜図9は、説明の
便宜上、目標弁開度ETLIFTD ,目標弁開度なまし値ETLI
FTDD,及び実弁開度ELIFTDの変化を重ねて示した図であ
る。また、基準目標弁開度ETLIFTD1, 基準目標弁開度な
まし値ETLIFTDD1,及び基準実弁開度ELIFTD1 は同一とし
て図示している。更に、ステップ310における所定値
α及びステップ320における所定値γを矢印Aの破線
で示し(各図に示す例では、α=γとしている)、ステ
ップ312における所定値βを矢印Bの実線で示してい
る。
【0099】前記したように、目標開弁度ETLIFTD はE
CU8により演算されるものであるため、目標開弁度ET
LIFTD が演算されるとECU8は直ちにこれを設定す
る。図8における時刻T5はECU8が目標開弁度ETLI
FTD を設定した時刻を示している。目標開弁度ETLIFTD
は、ECU8による電気的処理により設定されるため、
時刻T5において急激に立ち上がる特性を示す(明確化
するため、図8では目標開弁度ETLIFTD の変化を矩形状
の特性として示している)。
【0100】また同図に示される例では、目標開弁度ET
LIFTD の変化により、目標弁開度ETLIFTD と基準目標弁
開度ETLIFTD1との偏差(ETLIFTD−ETLIFTD1) が所定値α
以上であったと仮定する。即ち、ステップ310におい
て肯定判定が行われる状態であったとする。
【0101】一方、実弁開度ELIFTDに注目すると、前記
したようにEGRバルブ4の動作には応答遅れがあるた
め、図8に示されるように、目標開弁度ETLIFTD の変化
に対して実弁開度ELIFTDの変化は遅れて発生する。この
ため、単に目標弁開度ETLIFTD の変化量(偏差:ETLIFT
D −ETLIFTD1) が所定量α以上変化した際の実弁開度EL
IFTDの変化量(偏差:ELIFTD−ELIFTD1)に基づき異常判
定を行う構成(即ちステップ310とステップ312の
処理のみにより異常判定を行う構成)では、図8に時間
t5で示す間は、EGR1が正常であるにもかかわらず
応答遅れにより実弁開度ELIFTDの変化量(偏差:ELIFTD
−ELIFTD1)が所定値β以下である可能性がある。即ち、
図8に示す時間t5の間に異常判定を行うと、誤判定を
行うおそれがある。
【0102】これに対し、目標弁開度なまし値ETLIFTDD
は目標弁開度ETLIFTD をなました値であるため、図8に
一点鎖線で示すように目標弁開度ETLIFTD よりも実弁開
度ELIFTDに近い値となる。よって、目標弁開度なまし値
ETLIFTDDの変化量(偏差:ETLIFTDD−ETLIFTDD1)が所定
値γ以上変化した際に異常判定を行うことにより、上記
した応答遅れに起因した誤判定の発生を防止することが
できる。
【0103】一方、目標弁開度なまし値ETLIFTDDのみに
基づき異常判定処理の開始時期を設定すると、次のよう
な不都合が発生する。即ち、図9に示されるように、目
標開弁度ETLIFTD が時刻T6においてある値から急激に
変化(例えば、ゼロに変化)し、その後時刻T7におい
てまた元に戻るような変動を行った場合、目標弁開度な
まし値ETLIFTDDはこの変動を反映することができず、こ
の時刻T6〜T7の間において所定値γ以上の状態を維
持する期間(時間t6)が発生する可能性がある。
【0104】また、EGRバルブ4はその実弁開度ELIF
TDが目標弁開度ETLIFTD となるよう制御されるため、目
標開弁度ETLIFTD がゼロとなっている期間(時刻T6〜
T7の間)において、実弁開度ELIFTDがゼロ(閉弁状
態)となる可能性がある。目標弁開度なまし値ETLIFTDD
のみに基づき異常判定処理の開始時期を設定する構成で
は、このような状態下において異常判定を実施してしま
い、EGRバルブ4が正常に駆動することにより実弁開
度ELIFTDがゼロとなっているにも拘わらず、実弁開度EL
IFTDの変化量(偏差:ELIFTD−ELIFTD1)が所定値β以下
であるとしてEGR1は異常であると誤判定してしま
う。
【0105】そこで本実施例では、ステップ310とス
テップ320を設けることにより、目標弁開度ETLIFTD
の変化量(偏差:ETLIFTD −ETLIFTD1) が所定量α以上
変化し、かつ、目標弁開度なまし値ETLIFTDDの変化量
(偏差:ETLIFTDD−ETLIFTDD1)が所定値γ以上変化した
という二つの条件が揃った条件下で、更にステップ31
2で実弁開度ELIFTDと基準実弁開度ELIFTD1 との偏差
(ELIFTD−ELIFTD1)が所定値β以下であると判定された
時に、ステップ322以降の異常時処理を実施する構成
としている。この構成とすることにより、上記した誤判
定の発生は防止され、正確な異常判定処理を行うことが
できる。
【0106】ところで、上記したように本実施例におい
ては、ステップ310及びステップ312の処理により
正常判定が行われた場合には、ステップ320の目標弁
開度なまし値ETLIFTDDを用いた異常判定処理は行わない
構成としている。即ち、ステップ310及びステップ3
12の処理により正常判定が行われた場合には、目標弁
開度なまし値ETLIFTDDの変化に拘わらず正常判定を行う
構成としている。以下、この理由について図10を用い
て説明する。
【0107】いま、エンジン2が高負荷運転を行ってい
る場合を想定する。前記したように、EGRバルブ4は
吸気通路9の吸気管負圧を駆動力として駆動するもので
あるため、高負荷運転によりスロットル弁11が全開状
態となると吸気管負圧がなくなり大気圧となる状態が発
生する。
【0108】このような状態下では、吸気管負圧を駆動
力とするEGRバルブ4は適正な駆動ができなくなり、
EGRバルブ4の基準実弁開度ELIFTD1 は、は図10に
示すように全閉へと移行する現象が発生する。しかる
に、目標弁開度ETLIFTD 及び目標弁開度なまし値ETLIFT
DDはECU8が演算して設定されるものであるため、上
記のようにエンジン2の運転状態に起因してEGRバル
ブ4が閉弁状態となっていても、目標弁開度ETLIFTD 及
び目標弁開度なまし値ETLIFTDDの変化量が所定値以上で
ある状態が発生するおそれがある。
【0109】従って、エンジン2の運転状態に起因して
EGRバルブ4の基準実弁開度ELIFTD1 がゼロとなった
期間(図10にt7で示す時間)において異常判定処理
が行われると、EGR1は正常動作を行っているにも拘
わらず、実弁開度ELIFTDの変化量(偏差:ELIFTD−ELIF
TD1)が所定値β以下であるとしてEGR1は異常である
と誤判定されるおそれがある。
【0110】しかるに上記のような運転状態下であって
も、EGR1が駆動を開始し目標弁開度ETLIFTD が設定
され立ち上がると、EGR1が正常であればEGRバル
ブ4はある程度は必ず動作し、この動作はリフトセンサ
19により検出することができる。即ち、高負荷運転状
態であっても、目標弁開度ETLIFTD が所定値以上変化し
た際に実弁開度ELIFTDが所定値以上変化すれば、EGR
1は正常であると判定することができる。
【0111】これに対し、目標弁開度なまし値ETLIFTDD
は目標弁開度ETLIFTD に対し遅れて立ち上がるため、目
標弁開度なまし値ETLIFTDDの変化量(偏差:ETLIFTDD−
ETLIFTDD1)が所定値γ以上変化となるのを待って異常判
定処理を実施すると、エンジン2がこの期間中に高負荷
状態となるおそれがある。
【0112】よって本実施例では、正常判定を行うパラ
メータとして目標弁開度なまし値ETLIFTDDを用いること
はせず、ステップ310及びステップ312の処理によ
り、目標弁開度ETLIFTD の変化量(偏差:ETLIFTD −ET
LIFTD1) が所定量α以上変化した際に、実弁開度ELIFTD
の変化量(偏差:ELIFTD−ELIFTD1)が所定値β以上であ
れば、EGR1は正常であると判定する構成としてい
る。
【0113】尚、上記した実施例において、請求項記載
の実弁開度検出手段はリフトセンサ19に相当し、目標
弁開度演算手段は図11におけるステップ402に相当
し、異常判定手段は図4におけるステップ308,31
0,312,320の処理に相当し、目標弁開度なまし
値演算手段は図11におけるステップ404に相当す
る。
【0114】また、上記した実施例では、実弁開度,目
標弁開度,及び目標弁開度なまし値等の変化量を「差」
として求めた例を示したが、この変化量を「比」として
求めても同様の処理を行うことが可能である。更に、上
記した実施例では、弁作動状態として弁開度を直接検知
する例を示したが、弁作動状態を検知する手段は直接弁
開度を検知する方法に限定されるものではなく、例えば
EGR通路内の温度を検出し、このEGR通路内温度に
基づき弁作動状態を検知することも可能である。
【0115】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、次に述べる
種々の効果を実現することができる。請求項1記載の発
明によれば、刻々と変化する目標弁開度は異常判定を行
うタイミングの設定のみに用いられるため、目標弁開度
の変動が直接的に異常判定に影響を与えることはなく、
また異常判定は実弁開度変化の絶対値に基づき行われる
ため排気還流弁の動作に応答遅れ等が生じていても実弁
開度の変化量を演算時にこの応答遅れは相殺されるた
め、排気還流弁の応答遅れが異常判定に影響を与えるこ
とも防止でき、よって正確な異常判定を行うことができ
る。
【0116】また、請求項2記載の発明によれば、目標
弁開度なまし値が所定量変化した際に異常判定を行い、
実弁開度の変化量と判定値を比較することにより異常判
定を行うため、排気還流弁の応答遅れに起因した誤判定
の発生を防止することができる。
【0117】また、目標弁開度が所定量変化しかつ目標
弁開度なまし値が所定量変化したという二つの条件が揃
った時点で異常判定を行う構成とすることにより、目標
弁開度または目標弁開度なまし値の何れか一方のみを用
いて異常判定を行う構成に比べ、正確な異常判定処理を
行うことができる。
【0118】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例である異常判定装置が
搭載された排気ガス再循環装置(EGR)の構成図であ
る。
【図2】本発明の一実施例である異常判定装置に設けら
れたECUの構造を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施例である異常判定装置に設けら
れたECUが実行する開始条件判定処理を示すフローチ
ャートである。
【図4】本発明の一実施例である異常判定装置に設けら
れたECUが実行する異常判定処理を示すフローチャー
トである。
【図5】従来における開始条件判定処理を説明するため
のタイミングチャートである。
【図6】本実施例における開始条件判定処理を説明する
ためのタイミングチャートである。
【図7】本実施例における異常判定処理を説明するため
のタイミングチャートである。
【図8】本実施例における異常判定処理において、目標
リフトなまし量を用いる理由を説明するための図であ
る。
【図9】本実施例における異常判定処理において、目標
リフト量と目標リフトなまし量との二つの値を用いる理
由を説明するための図である。
【図10】本実施例における異常判定処理において、高
負荷時に発生するおそれがある不都合を回避する方法を
説明するための図である。
【図11】EGR制御処理を示すフローチャートであ
る。
【符号の説明】
1 EGR 2 エンジン 3 排気還流通路 4 EGRバルブ 5 VSV 7 バキュームタンク 8 ECU 9 吸気通路 10 排気通路 11 スロットル弁 14 ダイヤフラム 15 大気圧室 16 ダイヤフラム室 18 弁体 19 リフトセンサ 22 大気ポート 23 負圧導入ポート 24 出力ポート 37 イグニッションスイッチ 38 水温センサ 39 車速センサ 40 CPU

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気通路と吸気通路とを接続
    する排気還流通路に配設された排気還流弁の実弁開度
    検出する実弁開度検出手段と、 前記内燃機関の運転状態に応じた前記排気還流弁の目標
    弁開度を求める目標弁開度演算手段と、 前記実弁開度と前記目標弁開度に基づき排気ガス再循環
    装置の異常判定を行う異常判定手段とを具備する排気ガ
    ス再循環装置の異常判定装置において、 前記異常判定手段は、 前記目標弁開度が所定量変化した際の前記実弁開度の変
    化量を演算し、該変化量と判定値を比較することにより
    異常判定を行うことを特徴とする排気ガス再循環装置の
    異常判定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の排気ガス再循環装置の異
    常判定装置において、 更に、前記目標弁開度演算手段により求められる目標弁
    開度に対しなまし処理を行うことにより目標弁開度なま
    し値を求める目標弁開度なまし値演算手段を設け、 前記異常判定手段は、 前記目標弁開度が所定量変化し、かつ、前記目標弁開度
    なまし値が所定量変化した際の前記実弁開度の変化量を
    演算し、該変化量と判定値を比較することにより異常判
    定を行うことを特徴とする排気ガス再循環装置の異常判
    定装置。
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