JPH11247701A - エンジンの吸気圧センサ故障時のフェールセーフ制御 装置 - Google Patents

エンジンの吸気圧センサ故障時のフェールセーフ制御 装置

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JPH11247701A
JPH11247701A JP6204498A JP6204498A JPH11247701A JP H11247701 A JPH11247701 A JP H11247701A JP 6204498 A JP6204498 A JP 6204498A JP 6204498 A JP6204498 A JP 6204498A JP H11247701 A JPH11247701 A JP H11247701A
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JP
Japan
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intake
pressure
engine
pressure sensor
fuel injection
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Pending
Application number
JP6204498A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Asami
好洋 浅見
Suzuhiro Saeki
鈴弘 佐伯
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Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
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Publication date
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は,燃料噴射量を補正するために利
用される吸気圧を検出する吸気圧センサの故障時に,吸
気圧として大気圧を代用することにより,大気圧に応じ
た燃料噴射量の上限値を求めるフェールセーフ制御装置
を提供する。 【解決手段】 S1で読み込んだ吸気圧Pbtが,Pl
とPhの範囲に所定時間連続してないときには,エンジ
ンの吸気通路に設けた吸気圧センサは故障であると判定
し(S5),エンジンの燃焼室に噴射される燃料噴射量
の上限を制限する制御値を求める吸気圧として,大気圧
Pbaが代用される(S6)。したがって,燃料噴射量
の制御値がその時に記憶されている大気圧Pbaに基づ
いて求められるので,車両の走行高度等の運転状態に応
じた燃料噴射量の上限が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,エンジンの吸気
マニホルドに配設される吸気圧センサが故障したときの
フェールセーフ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年,ディーゼルエンジンの電子制御燃
料噴射システムとして,燃料噴射量,燃料噴射時期,及
び燃料噴射圧を制御可能とすることにより,出力と燃費
とを含むエンジン特性及びエンジンの排気ガス特性を改
良したものが種々開発されてきている。かかるエンジン
の燃料噴射システムには,本体内を昇降して噴孔を開閉
する針弁と,その針弁を昇降させるため作動流体の圧力
作用を制御する駆動電流が供給される電磁弁とを具備し
たインジェクタが備わっており,マイクロコンピータか
ら成るコントローラは,エンジンの運転状態に応じてイ
ンジェクタから燃焼室に噴射される燃料の噴射タイミン
グ,噴射量及び噴射圧力を制御している。
【0003】一般に,エンジンでは,各燃焼サイクルに
おいて燃焼室に供給された空気量に対して燃焼させるこ
とができる燃料量が理論上決まっており,空気量が少な
いほど1燃焼サイクル中に噴射が許容される燃料噴射量
も制限される。エンジンに供給される空気量は吸気圧と
エンジン回転数とに基づいて推定できるので,電子制御
式燃焼噴射システムでは,燃料噴射量を定めるパラメー
タの一つとしてセンサによって検出されており,検出し
た吸気圧に基づいて燃料噴射量を補正することが行われ
ている。
【0004】図3は,負荷(アクセル踏込み量)Acを
パラメータとするエンジン回転数Neと基本燃料噴射量
Qbとの関係を示すマップである。エンジン回転数Ne
を表す横軸と平行な線は,吸気圧Pboost(以下,
Pbtと略す)に対して許容できる燃料噴射量の上限を
示している。図2に示すように,エンジンの吸気系統に
は,過給機(ターボチャージャ)19が配設されている
ので,Pbtが0であるときには,過給機の作動を停止
していて,通常の大気圧で吸気を行っている状態であ
り,燃料噴射量Ql0 は,そのときの燃料噴射量の上限
値である。同様に,Pbtが100hPと200hPの
過給の状態での燃料噴射量の上限値がQl1 及びQl2
で示されている。これらの上限値から分かるように,吸
気圧Pbtが減少すると,燃焼室に吸気された酸素量が
少なくなるので,燃料噴射量の上限は低下する。エンジ
ン回転数Neと負荷Acとに基づいて決定された基本燃
料噴射量QbがA点である場合に,吸気圧が100hP
aのときには,燃料噴射量をB点における燃料噴射量
(A点のエンジン回転数と同じ回転数で吸気圧100h
Paのときの燃料噴射量)まで減少させる補正が行われ
る。この補正が行われないとすると,供給空気量に対し
て燃料噴射量が過多となり,燃料が完全燃焼できずにス
モーク等が発生する。したがって,吸気圧を検出する吸
気圧センサが何らかの原因で異常や故障を生じた場合
に,そのバックアップを図る必要がある。
【0005】このような,吸気圧センサの異常や故障時
に対応するため,吸気圧センサの異常や故障が発見され
たときには,吸気圧を固定値で代用することが,例え
ば,特許第2501342号公報,特公昭63−275
40号公報,又は特許第2625018号公報に開示さ
れている。特公昭63−27540号公報に開示されて
いるものでは,エンジン回転数が所定値以上であっても
吸気圧センサの出力がイグニションスイッチ閉成時の値
である状態が所定時間継続したときを,吸気圧センサ系
が異常であると判別し,センサの出力値に代えて固定値
を用いている。吸気圧センサ系の異常となっても,少な
くともエンジンの運転を確保している。特許第2501
342号公報に開示されているものでは,実際の吸気圧
と固定値との差が大きい場合に固定値へ切替えたときの
燃料噴射量の急変による燃焼のショックを防止するた
め,吸気センサの故障時には,故障前の吸気圧から固定
値に次第に接近させるように吸気圧を補正している。特
許第2625018号公報には,圧力センサによって検
出した吸気圧か所定の範囲内にない場合には,吸気圧セ
ンサに何らかの故障が発生したとみなして,運転者に圧
力センサの故障を警告して,吸気圧の出力の情報に依ら
ずに,スロットル開度とエンジン回転数に基づいた燃料
噴射量,点火時期等の制御に変更してエンジン制御を行
っている。
【0006】固定値で代用する方法において,例えば,
吸気圧の固定値を高い値に設定した場合において,車両
が高地(例えば,海抜1000m以上)を走行すると,
気圧が低くなって実際の吸気圧も低くなるので,許容可
能な燃料噴射量が低下する。したがって,燃料噴射量が
過多になって,排気ガスの悪化を招くことになる。逆
に,吸気圧の固定値を低い値,即ち,高地を過給なしの
状態で走行する場合に燃料過多にならないように対応し
た固定値に設定した場合において,車両が低地(例え
ば,海抜0m付近)を走行すると,気圧が高くなって実
際の吸気圧も高くなるので,許容可能な燃料噴射量に対
して実際に噴射される燃料が過少になり,必要なエンジ
ン出力を得ることができなくなる。また,特許第262
5018号公報には,スロットル開度で代用する方法も
提案されているが,スロットル開度と回転数から推定す
る吸気圧も平地と高地で異なるため,固定値で代用した
場合と同様の問題が発生する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで,大気圧セン
サで検出される大気圧は,吸気圧と同様に,エンジン回
転数と共に燃料供給量の制限に用いられており,大気圧
に基づいて燃料供給量の補正が行われている。エンジン
の運転状態が一定であるとすると,吸気圧の変動は大気
圧の変動と相関がある。そこで,吸気圧センサの異常時
には,吸気圧値として不変の固定値を採用するよりも,
大気圧センサで検出された大気圧を代用することによ
り,少なくとも大気圧の変動を燃料噴射量に反映させ
て,より適切な燃料噴射量の制御を可能とする点につい
て解決すべき課題がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は,上記
課題を解決することであり,吸気圧センサの故障時の吸
気圧を固定値に設定していたことに起因して,走行高度
が変化するような運転状態の変化に燃料噴射量の上限値
が対応できない事態を改善して,吸気圧センサの故障時
であっても,代用される大気圧を吸気圧として,運転状
態に応じた燃料噴射量の制限を得ることができる,エン
ジンの吸気圧センサ故障時のフェールセーフ制御装置を
提供することである。
【0009】この発明は,エンジンの吸気通路に配設さ
れて吸気圧を検出する吸気圧センサ,及び前記エンジン
の運転状態に応じて前記エンジンの燃焼室へ噴射される
燃料噴射量を演算する燃料噴射量演算手段を備え,前記
吸気圧センサが検出した前記吸気圧に基づいて前記燃料
噴射量を補正することから成るエンジンの吸気圧センサ
故障時のフェールセーフ制御装置において,前記吸気圧
センサが検出した前記吸気圧が予め決められた範囲内に
あるか否かを判定し,前記吸気圧が前記予め決められた
範囲内にあるときには前記吸気圧に基づいて前記燃料噴
射量の上限を制限し,前記吸気圧が前記予め決められた
範囲内にないときには,前記吸気圧センサが故障したも
のとして,大気圧センサが検出した大気圧に基づいて前
記燃料噴射量の上限を制限することを特徴とするエンジ
ンの吸気圧センサ故障時のフェールセーフ制御装置に関
する。
【0010】また,このエンジンの吸気圧センサ故障時
のフェールセーフ制御装置において,前記吸気圧が前記
予め決められた範囲内にない状態が予め決められた期間
連続して検出されたときに,前記吸気圧センサが故障し
たものとされる。
【0011】また,このエンジンの吸気圧センサ故障時
のフェールセーフ制御装置において,前記エンジンは,
前記燃焼室からの排気ガスが排出される排気通路と前記
吸気通路とを連通するEGR通路,前記EGR通路に配
設されて前記EGR通路を通じて前記吸気通路に戻され
る排気ガスのEGR量を調節するEGR弁,前記EGR
弁を作動させるため内圧を低下させることが可能な負圧
室を有する負圧源,前記EGR弁の作動圧を調整する圧
力調整弁,及び前記EGR弁の作動圧を検出するEGR
負圧センサを具備し,前記燃料噴射量の上限を制限する
前記制限値を求めるための前記大気圧を,前記EGR通
路を通じて排気ガスを前記吸気通路に戻すEGR動作が
非作動のときに前記EGR負圧センサが検出する圧力と
される。
【0012】この発明は,上記のように構成されている
ので,次のように作動する。即ち,エンジンの吸気通路
に配設されている吸気圧センサが検出した吸気圧が予め
決められた範囲内にないと判定手段が判定したときに,
大気圧センサが検出した大気圧が吸気圧に代用される。
エンジンの燃焼室へ噴射される燃料噴射量は,燃料噴射
量演算手段によって,エンジンの運転状態に応じて,例
えば,予め決められたマップ等のデータに基づいて算出
されるが,燃料噴射量には,吸気圧センサが検出した吸
気圧に応じた制限が上限制限手段によって課せられる。
この発明においては,吸気圧センサの故障時には,その
制限値が大気圧センサが検出した大気圧によって決めら
れることになるので,燃料噴射量の上限は,固定値とす
る場合と異なり,エンジンを搭載した車両が運転される
高度のような運転状態に対応することになる。また,大
気圧センサをEGR負圧センサと兼用したことにより,
一つのセンサでEGR量の制御と燃料供給量の大気圧補
正とを行うことができる。したがって,エンジンの構造
を簡単にすることができ,製造コストを低減することが
できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下,添付図面を参照して,この
発明によるエンジンの吸気圧センサ故障時のフェールセ
ーフ制御装置の一実施例を説明する。図2は,この発明
によるエンジンの吸気圧センサ故障時のフェールセーフ
制御装置が適用されるエンジンの燃料噴射システムを含
むシステム全体の概略図である。エンジン1は,図2に
は1本のインジェクタ11のみが示されているが,エン
ジン1は高出力を得るために4気筒等の多気筒4サイク
ル直噴式ディーゼルエンジンである。エンジン1は,シ
リンダブロック2とシリンダヘッド3とを有し,シリン
ダブロック2に形成されたシリンダライナ内を摺動自在
なピストン4の往復運動とクランク軸6の回転運動と
は,両者を連結するコンロッド5を介して変換される。
【0014】エンジン1の電子制御燃料噴射システム1
0には,油圧作動型のユニット化されたインジェクタ1
1が採用されている。インジェクタ11は,シリンダヘ
ッド3に配設されており,作動流体としてのエンジンオ
イルで作動し且つ燃料を予め決められた燃料噴射圧力と
なるように増圧して燃焼室7内に燃料を直接に噴射す
る。燃料ポンプ12によって比較的低圧に昇圧された燃
料は,燃料供給管13を通じてインジェクタ11の内部
に形成された増圧室(図示せず)に供給される。エンジ
ンオイルは,高圧オイルポンプ14によって高圧に昇圧
されて高圧オイルマニホルド(オイルレール)15に蓄
圧され,高圧オイルマニホルド15から各インジェクタ
11内の圧力室(図示せず)に供給される。圧力室に供
給された高圧のエンジンオイルは,増圧プランジャ(図
示せず)に作用して増圧プランジャをストロークさせ,
増圧室内の燃料は,増圧されてインジェクタ11の先端
に形成された噴孔から噴射される。
【0015】この電子制御燃料噴射システム10は,電
子制御ユニット(ECM)としてのコントローラ20を
備えており,コントローラ20にはエンジン1の運転状
態を検出する各検出手段からの検出信号が入力され,コ
ントローラ20は,これらの検出信号に基づいて,高圧
オイルポンプ14,流量制御弁16,インジェクタ11
の電磁弁17等の制御を行っている。
【0016】具体的には,コントローラ20に入力され
るエンジン1の運転状態を検出するための検出手段とし
ては以下のものが含まれる。エンジン1の回転速度Ne
を検出するためのクランク角度センサ21は,クランク
軸6に固定されて回転し且つ周囲の一部に欠歯(3歯
分)9を有する歯車8(等間隔に57歯を有する)を検
出する電磁ピックアップで構成されている。欠歯(3歯
分)部分9を検出する回数とそれに要する時間とから,
クランク軸6の回転速度が求められる。アクセル踏込み
量(又は,アクセル開度)Acを検出するためのアクセ
ル踏込み量センサ22は,アクセルペダルの踏込みスト
ロークを検出するポテンショメータから成る。エンジン
温度を検出するためのエンジンの温度センサは,シリン
ダヘッド3に設けられ,シリンダヘッド3を循環する冷
却水温Twを検出する水温センサ23(或いは,潤滑油
温を検出するオイル温度センサ)である。冷却水温Tw
は,エンジンフリクションの代表値として用いることが
できる。更に,高圧オイルマニホルド15におけるレー
ル圧力とオイル温度を検出するため,高圧オイルマニホ
ルド15には圧力センサ24と温度センサ25とが設置
されている。
【0017】エンジン1の吸気管26には,吸気管26
の吸気圧を検出するための吸気圧センサ27と吸気温を
検出するための吸気温センサ28とが設けられている。
また,吸気管26に設けられた吸入スロットル弁29の
開度は,コントローラ20からの制御信号によって制御
され,そのスロットル弁位置は,位置センサ30によっ
て検出される。NOxの低減を図るために,エンジン1
の排気管31と吸気管26との間には排気ガスの一部を
吸気管26に再循環させるEGR(排気ガス再循環)通
路32が接続されている。EGR通路32の途中に設け
られているEGR弁33の弁リフト位置は,コントロー
ラ20が制御する圧力調整弁(EVRV)35によって
導入が制御される真空源としての真空ポンプ34の負圧
を利用して制御され,弁リフト位置はEGR負圧センサ
36によって弁リフト負圧として検出される。更に,コ
ントローラ20には,自動変速機のシフト位置センサ3
7,エンジン1の暖機を促進するために操作される暖機
スイッチ38,及び補機としてのエアコンスイッチ39
からの信号も入力される。
【0018】吸気圧センサ27は,吸気通路26に設け
たターボチャージャ40のコンプレッサ下流側であっ
て,且つ吸気通路26と排気通路31とを結ぶEGR通
路32の出口部の上流側に設けられている。大気圧セン
サは,別途設けてもよいが,この例では,EGR負圧セ
ンサ36と兼用されている。EGR作動時は,EGR弁
33の作動圧を検出しており,EGR非作動時には大気
圧センサとして機能している。このような,燃料流量を
大気圧補正するために大気圧センサと兼用されるEGR
負圧センサ36それ自体は,例えば,特開平8−232
770号公報に開示されている。EGR非作動時に検出
された大気圧は,一定時間毎にメモリに記憶されている
ため,吸気圧センサ27が異常や故障と判定された時に
EGR作動中でも,メモリに記憶されていた最新の大気
圧を吸気圧として代用させることができる。コントロー
ラ(電子制御装置ECM)20は,吸気圧センサ27か
ら検出された吸気圧の異常判定を行い,吸気圧センサ2
7が正常であれば吸気圧センサ27が検出した圧力を吸
気圧として採用し,吸気圧センサ27が異常であればE
GR負圧センサ36がEGR非作動時に検出してメモリ
に記憶されていた大気圧の値を吸気圧とし代用する。
【0019】インジェクタ11から噴射される燃料の噴
射圧力は,高圧オイルマニホルド15内の圧力,即ち,
オイルレール圧力によって決定される。高圧オイルマニ
ホルド15におけるオイルレール圧力は,高圧オイルポ
ンプ14に付設されている流量制御弁16の開度を制御
して流量制御弁16からリークされるオイル量を制御す
ることにより行われる。流量制御弁16は,常開式又は
常閉式の制御弁であり,流量制御弁16の開度は,例え
ば,コントローラ20からの制御信号である制御パルス
電流のデューティ比によって制御される。
【0020】また,インジェクタ11には電磁弁17が
備わっており,電磁弁17は,高圧オイルマニホルド1
5からインジェクタ11内の圧力室へ至るオイル径路中
に配置されている。電磁弁17を開閉することによっ
て,高圧オイルマニホルド15内の高圧オイルはインジ
ェクタ11内の圧力室への供給と圧力室からの排出とが
制御され,圧力室に供給された高圧オイルは,増圧プラ
ンジャに圧力作用を及ぼし,増圧室内の燃料を増圧して
燃料噴射を行う。
【0021】電磁弁17の作動をコントローラ20から
の制御電流の通電時期及び通電期間によって制御するこ
とにより,高圧オイルのインジェクタ11内の圧力室へ
の供給時期及び供給期間が制御され,インジェクタ11
から噴射される燃料の噴射時期と噴射量とが制御され
る。即ち,コントローラ20は,目標燃料噴射量の演算
によって決定した目標燃料噴射量に基づいて,電磁弁へ
の通電期間(パルス幅)を決定し,このパルス幅で電磁
弁を通電することで,燃料噴射量を制御している。クラ
ンク角度センサ21が検出したクランク角度は,基準気
筒又は各気筒においてピストンの圧縮上死点或いは圧縮
上死点前の所定位置に到達したことを検出する各センサ
の検出信号と共に,電磁弁17を駆動する駆動電流の通
電開始時期及び通電期間の制御に用いられる。なお,イ
ンジェクタ11の増圧プランジャを備えた構造及びこの
インジェクタを備えた燃料噴射システム自体について
は,例えば特表平6−511526号公報等に開示され
ているものを用いることができる。しかしながら,この
発明によるエンジンの燃料噴射時期転制御装置は,上記
インジェクタを備えた燃料噴射システムに限って適用さ
れるものではなく,高圧燃料が供給される圧力制御室を
有し燃料圧力で針弁の昇降を行う型式のインジェクタに
対しても勿論適用可能である。
【0022】図1は,この発明による吸気圧センサ故障
時のフェールセーフ制御装置において吸気圧センサの正
常又は異常を判定し,異常時に吸気圧の代用として大気
圧を利用するためのルーチンを示すフローチャートであ
る。このフローチャートは,次の各ステップ(S1〜S
8)から成る。 (1)吸気圧センサ27によって検出され,且つメモリ
に記憶されている吸気圧Pbtを読み込む(S1)。 (2)S1で読み込んだ吸気圧Pbtが,予め決められ
た範囲内(即ち,低い方の設定値Plよりも高く,且つ
高い方の設定値Phよりも低い)にあるか否かを判定す
る(S2)。 (3)S2での判定の結果,吸気圧Pbtが予め決めら
れた範囲外であるときには,タイマによるカウントを開
始する(S3)。 (4)吸気圧Pbtが予め決められた範囲内にない状態
が,所定時間連続して継続しているか否かを判定する
(S4)。 (5)S4の判定で吸気圧Pbtが予め決められた範囲
内にない状態が所定時間連続している場合には,吸気圧
センサ27は異常又は故障状態であると判定され,吸気
圧センサ異常フラグFlagFPbを立てる(即ち,1
にセットする。S5)。 (6)EGR非作動時に大気圧センサとして機能するE
GR負圧センサ36が検出した値Pbaを吸気圧として
Pbtに代入する(S6)。 (7)S2での判定の結果,吸気圧Pbtが予め決めら
れた範囲内であると判定されたときには,タイマの計時
値をクリアする(S7)。 (8)S7でタイマの計時値をクリアした場合,及びS
4で,吸気圧Pbtが予め決められた範囲外であると判
定された時間が所定時間連続していなかった場合は,吸
気圧センサ27は正常状態であると判定され,吸気圧セ
ンサ異常フラグFlagFPbを0にリセットする(S
8)。
【0023】図1に示した吸気圧センサ故障時のフェー
ルセーフ制御装置の作用を図3に示したグラフに基づい
て説明する。吸気圧センサ27の故障時には,EGR負
圧センサ36がEGR非作動時に検出した大気圧を吸気
圧として代用するので,例えば,エンジンを搭載した車
両の走行高度が変化する場合のように大気圧自体が変化
するとき,その変化に対応して燃料噴射量の上限値がC
で示すように変化されることになる。したがって,例え
ば,通常考慮される最高高地を走行する場合の吸気圧
(従来,固定値とされる吸気圧)に対応する燃料噴射量
の上限値Qfと,低地を走行する場合の吸気圧に対応す
る燃料噴射量の上限値である燃料噴射量Ql0 との間の
範囲Cにおいて,燃料噴射量の上限値を大気圧に応じて
定めることができる。
【0024】
【発明の効果】この発明によるエンジンの吸気圧センサ
故障時のフェールセーフ制御装置は,上記のように構成
されており,吸気圧センサの故障時には,吸気圧として
一定の固定値を採用せず,吸気圧として大気圧が代用さ
れる。したがって,少なくとも大気圧の変動は燃料噴射
量の上限を制限する制限値に反映され,走行高度のよう
な運転状態に応じて燃料噴射量の上限が適切に調節さ
れ,吸気圧センサ故障時のフェールセーフ制御が融通性
をもって行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるエンジンの吸気圧センサ故障時
のフェールセーフ制御装置において,吸気圧センサの正
常又は異常を判定し,異常時に吸気圧の代用として大気
圧を利用するルーチンを示すフローチャートである。
【図2】この発明によるエンジンの吸気圧センサ故障時
のフェールセーフ制御装置が適用される電子制御燃料噴
射システムの一例を示す図である。
【図3】エンジンの吸気圧と燃料噴射量の上限との関係
を説明するグラフである。
【符号の説明】
1 エンジン 10 電子制御燃料噴射システム 11 インジェクタ 14 高圧オイルポンプ 15 高圧オイルマニホルド 17 電磁弁 20 コントローラ 26 吸気通路 27 吸気圧センサ 31 排気通路 32 EGR通路 33 EGR弁 34 負圧源 35 圧力調整弁 36 EGR負圧センサ 40 ターボチャージャ Ne エンジン回転数 Q 目標燃料噴量 Pbt 吸気圧 Pba 大気圧

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの吸気通路に配設されて吸気圧
    を検出する吸気圧センサ,及び前記エンジンの運転状態
    に応じて前記エンジンの燃焼室へ噴射される燃料噴射量
    を演算する燃料噴射量演算手段を備え,前記吸気圧セン
    サが検出した前記吸気圧に基づいて前記燃料噴射量を補
    正することから成るエンジンの吸気圧センサ故障時のフ
    ェールセーフ制御装置において,前記吸気圧センサが検
    出した前記吸気圧が予め決められた範囲内にあるか否か
    を判定し,前記吸気圧が前記予め決められた範囲内にあ
    るときには前記吸気圧に基づいて前記燃料噴射量の上限
    を制限し,前記吸気圧が前記予め決められた範囲内にな
    いときには,前記吸気圧センサが故障したものとして,
    大気圧センサが検出した大気圧に基づいて前記燃料噴射
    量の上限を制限することを特徴とするエンジンの吸気圧
    センサ故障時のフェールセーフ制御装置。
  2. 【請求項2】 前記吸気圧が前記予め決められた範囲内
    にない状態が予め決められた期間連続して検出されたと
    きに,前記吸気圧センサが故障したものとすることを特
    徴とする請求項1に記載のエンジンの吸気圧センサ故障
    時のフェールセーフ制御装置。
  3. 【請求項3】 前記エンジンは,前記燃焼室からの排気
    ガスが排出される排気通路と前記吸気通路とを連通する
    EGR通路,前記EGR通路に配設されて前記EGR通
    路を通じて前記吸気通路に戻される排気ガスのEGR量
    を調節するEGR弁,前記EGR弁を作動させるため内
    圧を低下させることが可能な負圧室を有する負圧源,前
    記EGR弁の作動圧を調整する圧力調整弁,及び前記E
    GR弁の作動圧を検出するEGR負圧センサを具備し,
    前記燃料噴射量の上限を制限する前記制限値を求めるた
    めの前記大気圧を,前記EGR通路を通じて排気ガスを
    前記吸気通路に戻すEGR動作が非作動のときに前記E
    GR負圧センサが検出する圧力とすることを特徴とする
    請求項1又は2に記載のエンジンの吸気圧センサ故障時
    のフェールセーフ制御装置。
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