JP2004081355A - 車両用シート装置 - Google Patents

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JP2004081355A JP2002244099A JP2002244099A JP2004081355A JP 2004081355 A JP2004081355 A JP 2004081355A JP 2002244099 A JP2002244099 A JP 2002244099A JP 2002244099 A JP2002244099 A JP 2002244099A JP 2004081355 A JP2004081355 A JP 2004081355A
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Nobutoshi Yamazaki
山崎 信寿
Akinari Hirao
平尾 章成
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

【課題】上下2分割した上部シートバックを下部シートバックから独立して傾斜可能とするとともに、これら上部,下部シートバックの中折れ点の上下位置を変化可能とすることにより、乗員の個人差に対応した適正な着座姿勢を得ることができる車両用シート装置の提供を図る。
【解決手段】着座姿勢調整手段15により、上部シートバック11をシートクッション10に対して任意に角度設定可能とし、下部シートバック12をシートクッション10に対して乗員の着座に適する所定角度に設定するとともに、上部シートバック11を下部シートバック12に対して乗員の着座に適する所定角度に回動可能としたので、中折れ点Pの上下位置変化と相俟って、着座する乗員それぞれの個人差に応じた着座姿勢に精度良く対応させることができる。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートバックを上部シートバックと下部シートバックとに2分割した車両用シート装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用シート装置の中には例えば、特開平6−277126号公報に示されているように、シートバックを上下に2分割して分割した上部シートバックを下部シートバックに回動可能に枢着し、この枢着部分を中折れ点として2段折れできるようにしたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来の車両用シート装置にあっては、上部シートバックを下部シートバックに直接連結するようにしているため、上部シートバックの傾斜角度が可変であっても、その角度は下部シートバックの傾斜角度に依存することになり、上部シートバックの着座姿勢に沿った角度設定が困難になる。
【0004】
また、上部シートバックと下部シートバックの中折れ点のこれら上部,下部シートバックに対する相対位置は、上部シートバックおよび下部シートバックそれぞれの傾斜角度に関わりなく常に一定位置となるため、着座する個々の乗員の体格や好みの違いによる個人差に対応させにくく、ひいては、負荷の少ない適正な着座姿勢を取ることが困難になってしまう。
【0005】
そこで、本発明は上下2分割した上部シートバックを下部シートバックから独立して傾斜可能とするとともに、これら上部,下部シートバックの中折れ点の上下位置を変化可能とすることにより、乗員の個人差に対応した適正な着座姿勢を得ることができる車両用シート装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明にあっては、シートバックを上下に2分割した上部シートバックと下部シートバックとで構成し、上,下部シートバックのうち、少なくとも上部シートバックはシートクッションに対して任意に角度設定可能としてあって、下部シートバックをシートクッションに対して乗員の着座に適する所定角度に設定するとともに、上部シートバックを着座姿勢調整手段により下部シートバックに対して乗員の着座に適する所定角度に回動可能としたことを特徴としている。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、着座姿勢調整手段によって、少なくとも上部シートバックをシートクッションに対して任意に角度設定したので、上部シートバックの傾斜方向延長線と下部シートバックの傾斜方向延長線との交点で決定される中折れ点を上昇または下降させて変化させることができる。
【0008】
また、下部シートバックを乗員の着座に適する所定角度に設定するとともに、この下部シートバックに対して上部シートバックを回動可能としたので、前記中折れ点の上下位置変化と相俟って、着座する乗員それぞれの個人差(好み、背面形状)に応じた着座姿勢に精度良く対応させることが可能になるとともに、腰椎形状を直線に近づけて身体負荷の少ない中立姿勢に近い適切な着座姿勢をとることが可能となって、乗員にかかる負荷を少なくして長時間の運転疲れを少なくすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。
【0010】
図1〜図4は本発明にかかる車両用シート装置の第1実施形態を示し、図1は車両用シート装置の側面図、図2は図1中A部に対応する部位の要部拡大断面平面図、図3は車両用シート装置の乗員着座状態を示す側面図、図4はシートバックの作動状態を示す説明図である。
【0011】
本実施形態の車両用シート装置1は、図1に示すようにシートクッション10と、上下に2分割した上部シートバック11および下部シートバック12からなるシートバック13とを備えている。
【0012】
シートクッション10は、スライドおよびリフタ機能を備えたシート位置調整機構14を介してフロアFに取付けてある。
【0013】
シートバック13は、着座姿勢調整手段15により、上部シートバック11をシートクッション10に対して任意に角度設定可能とし、下部シートバック12をシートクッション10に対して任意に角度設定可能として、乗員M(図3参照)の着座に適する所定角度に設定できるようにしてあるとともに、上部シートバック11を下部シートバック12に対して乗員Mの着座に適する所定角度に回動可能としてある。
【0014】
具体的には、上部シートバック11は支持部材としての支持アーム16を介してシートクッション10に直接支持しており、この支持アーム16の下端部を、上部シートバック回動機構としての第1リクライニング装置17を介してシートクッション10に回動可能に連結して、シートクッション10に対する上部シートバック11の角度を任意に設定できるようにしてあるとともに、該支持アーム16の上端部に下部シートバック12に対する上部シートバック11の相対角度を、乗員Mの着座姿勢に応じて追従させる連動機構18を構成している。
【0015】
上部シートバック11の上端部にはヘッドレストHを設けてあり、このヘッドレストHは一般に知られるような上下位置調整が可能となっている。
【0016】
前記連動機構18は、上部シートバック11の左右両側に設けた上部サイドフレーム11aの略中央部を、支持アーム16に回動可能に連結する角度調節機構19を備え、この角度調節機構19により上部シートバック11を支持アーム16に対して乗員の着座姿勢に沿うように回動可能とし、また、その角度は支持アーム16に対して任意に設定できるようになっている。
【0017】
また、下部シートバック12の左右両側に設けた下部サイドフレーム12aの下端部を、下部シートバック回動機構としての第2リクライニング装置20を介してシートクッション10に回動可能に連結し、シートクッション10に対する下部シートバック12の角度を任意に設定できるようにしてある。
【0018】
前記第1リクライニング装置17と前記第2リクライニング装置20は、シートクッション10の車両後方(図1中右方)端部に図2に示すように同軸上に配置してある。
【0019】
即ち、前記支持アーム16はシートクッション10の左右両側に1対配置され、それぞれの支持アーム16は下部シートバック12の下部サイドフレーム12aの外側に位置しており、図2に示すように支持アーム16を取付けた第1リクライニング装置17は、下部シートバック12の第2リクライニング装置20に対して外側に配置してある。
【0020】
左右両側に1対配置した前記支持アーム16および前記下部サイドフレーム12aは、同軸上に嵌合した内側シャフト21および中空管状の外側シャフト22を介してそれぞれ連結してあり、この場合、前記内側シャフト21も中空管を用いて軽量化が図られている。
【0021】
前記下部サイドフレーム12aの下端部は、ボルト23,ナット23aを介して固定した内側回転板24を介して外側シャフト22の端部に接続管22aを介して結合するとともに、前記支持アーム16の下端部は、同様にボルト25,ナット25aを介して固定した外側回転板26を介して内側シャフト21に結合してある。
【0022】
また、シートクッション10の左右両側に設けたシートクッションサイドフレーム27の内外両側には、内側ブラケット28および外側ブラケット29をボルト30,ナット30aを介して固定してあり、内側ブラケット28によって前記外側シャフト22の端部に一体に嵌合固定した接続管22aを回転自在に支持するとともに、外側ブラケット29によって前記内側シャフト21の端部に一体に嵌合固定した接続ロッド21aを回転自在に支持してある。
【0023】
内側ロッド21の端部は、前記内側ブラケット28および内側回転板24を貫通して前記接続ロッド21aに結合されている。
【0024】
従って、左右両側に設けた1対の支持アーム16は内側シャフト21を介して互いに連動するとともに、同様に左右両側の1対の下部サイドフレーム12aは外側シャフト22を介して互いに連動し、1対の支持アーム16は第1リクライニング装置17によって回動位置が決定されるとともに、1対の下部サイドフレーム12aは第2リクライニング装置20によって回動位置が決定される。
【0025】
このように、本実施形態の着座姿勢調整手段15にあっては、支持アーム16を介して上部シートバック11の前後回動が可能であり、かつ、角度調節機構19を介して上部シートバック11が支持アーム16に対して回動可能となっているため、図4(b)に示すように上部シートバック11の傾斜方向延長線Xと下部シートバック12の傾斜方向延長線Yとの交点は中折れ点Pとなって、この中折れ点Pは表1に示すように上下に移動する。
【0026】
【表1】
Figure 2004081355
つまり、シートクッション10に対する上部シートバック11の角度を任意に設定する第1リクライニング装置17と、シートクッション10に対する下部シートバック12の角度を任意に設定する第2リクライニング装置20と、上部シートバック11の下部シートバック12に対する相対角度を乗員の着座姿勢に応じて追従させる角度調節機構19とによって中折れ点移動機構31を構成している。
【0027】
表1中、リクライニング部位として表した下部シートバックとは、第2リクライニング装置20を中心とした下部シートバック12の前傾・後傾を示し、上部シートバックとは、第1リクライニング装置17を中心とした支持アーム16の前傾・後傾を示し、また、上部シートバック面とは、角度調節機構19を中心とした上部シートバック11の前傾・後傾を示す。
【0028】
従って、前記中折れ点Pは上部シートバック11の前傾に伴って下降するとともに、後傾に伴って上昇するように設定される。
【0029】
以上の構成により本実施形態の車両用シート装置1にあっては、上部シートバック11を支持アーム16を介して直接シートクッション10に支持するとともに、この支持アーム16を第1リクライニング装置17を介してシートクッション10に回動可能に連結し、かつ、この支持アーム16に対して上部シートバック11を角度調節機構17を介して回動可能に連結して着座姿勢調整手段15を構成しているので、上部シートバック11はシートクッション10に対して任意に角度設定できる。
【0030】
このため、上部シートバック11は下部シートバック12に依存することなく、独立して上部シートバック11を傾斜でき、乗員の着座姿勢に沿った角度設定が容易となる。
【0031】
このとき、図3に示すように乗員Mの着座姿勢は、下部シートバック12によって骨盤Mpが支持され、上部シートバック11によって胸郭Mcが支持されることになる。
【0032】
従って、胸郭Mcと骨盤Mpとの間の腰椎Mlは、それぞれ剛体と見なせる上下の胸郭Mcと骨盤Mpの位置と角度、つまり、上部シートバック11と下部シートバック12の相対位置が着座時の腰椎Mlの形状を決定することになる。
【0033】
このため、本実施形態では上部シートバック11と、その支持アーム16と、下部シートバック12とのシートクッション10に対する角度を予め求めた所定の状態に設定することにより、腰椎形状を直線に近づけ着座した乗員Mに負荷の少ない適正な着座姿勢を提供することができる。
【0034】
一方、着座する乗員Mは、背面形状、肉付き、身長等の体格や好みによる個人差が有り、各乗員Mにより背骨を直線状態とするための上部シートバック11および下部シートバック12の相対位置は異なる。
【0035】
このため、図4に示すように第1リクライニング装置17,角度調節機構19,第2リクライニング装置20をそれぞれ独立に設定することで、下部シートバック12とシートクッション10との相対角度を保持した状態で、上部シートバック11の前後位置を変化することが可能となり、図4(a)に示すように上部シートバック11と下部シートバック12との相対関係を、車両後方に傾けたA状態から起立させるB状態へと移動させることが可能となる。
【0036】
このとき、図4(b)に示す上部シートバック11と下部シートバック12の中折れ点Pは、第1リクライニング装置17を中心として支持アーム16を前傾・後傾した場合、角度調節機構19を中心として上部シートバック11を回動して前傾・後傾した場合、および第2リクライニング装置20を中心として下部シートバック20を前傾・後傾させた場合に、表1に示すように上下移動する。
【0037】
このため、着座する乗員Mの身長等の体格による個人差に対して、第1,第2リクライニング装置17,20および角度調節機構19を操作して、支持アーム16,上部シートバック11および下部シートバック12の傾きを調整することにより、乗員Mの個人差に応じて背骨が真っ直ぐになる状態を容易に作り出すことができ、着座する乗員Mそれぞれの個人差に応じた着座姿勢に精度良く対応させることが可能になって、乗員Mにかかる負荷を少なくして長時間の運転疲れを少なくすることができる。
【0038】
また、上部シートバック11と下部シートバック12との間の隙間は、図3に示すように胸郭Mcと骨盤Mpの姿勢が決まれば、これに追従してその間の腰椎Ml形状が定まるため、前記隙間は予め設定した所定の範囲内で存在する場合は違和感無く着座が可能であるが、特にシートバック13全体を覆うようにシート表面材を設けることにより、フィット性を向上して着座感の更なる向上を図ることができる。
【0039】
ところで、本実施形態の車両用シート装置1は、上部シートバック11をシートクッション10に直接支持する支持部材としての支持アーム16と、この支持アーム16を介してシートクッション10に対する上部シートバック11の角度を任意に設定する上部シートバック回動機構としての第1リクライニング装置17と、下部シートバック12に対する上部シートバック11の相対角度を乗員Mの着座姿勢に応じて追従させる連動機構18と、を設けたので、着座する個々の乗員Mの好みや体格の個人差を吸収し、かつ、腰椎Ml形状を直線に近づけて適切な支持状態を得ることができ、背骨の負荷が少ない適正な姿勢を提供することができる。
【0040】
また、上部シートバック11は、前記支持アーム16に乗員の着座姿勢に沿うように回動可能に連結したので、着座する乗員Mそれぞれの好みや体格の個人差を吸収して、負荷の少ない着座姿勢を提供することができる。
【0041】
更に、下部シートバック12とシートクッション10との間に、シートクッション10に対する下部シートバック12の角度を任意に設定する下部シートバック回動機構としての第2リクライニング装置20を設けたので、下部シートバック12の傾きを任意に設定することができ、乗員Mの体格に沿ったより良好な着座姿勢をとることができる。
【0042】
更にまた、第1リクライニング装置17と第2リクライニング装置20とを同軸上にして、シートクッション10の車両後方端部に配置したので、着座する乗員Mそれぞれの好みや体格による個人差を吸収し、かつ腰椎Ml形状を直線に近づけて適切な支持状態とすることができる。
【0043】
また、連動機構18は、上部シートバック11を支持アーム16に対して任意な角度に設定する角度調節機構19を備えているので、上部シートバック11を支持アーム16および下部シートバック12それぞれの傾斜位置に関わりなく独立して傾斜角度を設定できるので、乗員Mの個人差による着座姿勢の調整精度を高めることができる。
【0044】
更に、図4に示すように上部シートバック11の傾斜方向延長線Xと下部シートバック12の傾斜方向延長線Yとの交点となる中折れ点Pを、上部シートバック11の前後傾斜に伴って上下に移動する中折れ点移動機構31を設けて、この中折れ点Pを上部シートバック11の前傾に伴って下降するとともに、後傾に伴って上昇するように設定したので、着座する乗員Mそれぞれの個人差を吸収し、かつ、腰椎Mlを直線に近づける支持状態をより適切に設定することができる。
【0045】
更にまた、中折れ点移動機構31を、シートクッション10に対する上部シートバック11の角度を任意に設定する上部シートバックリクライニング機構としての第1リクライニング装置17と、シートクッション10に対する下部シートバック12の角度を任意に設定する下部シートバックリクライニング機構としての第2リクライニング装置20と、上部シートバック11の下部シートバック12に対する相対角度を乗員Mの着座姿勢に応じて追従させる連動機構としての角度調節機構19と、によって構成したので、中折れ点Pの上下移動(上昇および下降)を円滑に動作させることが可能となって、中折れ点Pの移動調整を違和感無く行いつつ、着座する乗員Mそれぞれの個人差を吸収し、かつ、腰椎Mlを直線に近づける支持状態をより適切に設定することができる。
【0046】
ところで、本実施形態では前記第1,第2リクライニング装置17,20および角度調節機構19の回動角度調整は、マニュアル操作する手動式、およびモータ等を用いた電動式とすることができる。
【0047】
また、支持アーム16と上部シートバック11との間に設けた角度調節機構19を取り止めて、代わりに所定位置を中立位置として予め決定し、その中立位置を可動的に連結する追従機構として胸郭Mcの姿勢を確保することにより、手動若しくは電動で操作する可動機構の数を1つ減少することができる。
【0048】
このとき、胸郭Mcの支持角度は、胸郭Mcの形状に追従した状態となるが、胸郭Mcの支持点となる上部シートバック11と支持アーム16との連結部が胸郭Mc部分の圧力分布の中心付近に位置しているので、胸郭Mcは安定的に支持されて、角度調節機構19を用いた場合と略同様の機能を得ることができるとともに、胸郭Mcの形状に上部シートバック11が追従するのでフィット性も向上する。
【0049】
図5〜図7は本発明の第2実施形態を示し、前記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0050】
図5は車両用シート装置の側面図、図6は便宜上シートクッションを平面視しシートバックを正面視した展開図、図7はシートバックをリクライニング制御するためのフローチャートを示す説明図である。
【0051】
この第2実施形態の車両用シート装置1aは、シートクッション10の車両後方端部に配置した第1リクライニング装置17と第2リクライニング装置20とを前後方向に若干ずらせて配置するとともに、これら第1,第2リクライニング装置17,20および角度調節機構19を電動制御するようにしている。
【0052】
図5,図6に示すように第2リクライニング装置20をシートクッションサイドフレーム27の外側面の車両後方端部に取付けるとともに、このシートクッションサイドフレーム27の同じ外側面の後方端部に固定して後方に突出するブラケット32に第1リクライニング装置17を取付けて、これら第1,第2リクライニング装置17,20を前後方向に僅かの距離を隔てて近接配置してある。
【0053】
第1リクライニング装置17には第1駆動用モータ33を取付け、第2リクライニング装置20には第2駆動用モータ34を取付け、かつ、角度調節機構19には第3駆動用モータ35を取付けて、これら第1,第2,第3駆動用モータ33,34,35によって支持アーム16、下部シートバック12および上部シードバック11のそれぞれの傾斜角度を、コントローラ36から出力する駆動信号により制御するようになっている。
【0054】
コントローラ36には、第1,第2,第3駆動モータ33,34,35それぞれの駆動スイッチが個別に設けられ、各駆動スイッチを個々にオン・オフ操作することにより、第1,第2リクライニング装置17,20および角度調整機構19を個別に作動させることができる。
【0055】
勿論、この第2実施形態にあっても、第1リクライニング装置17を取付けた支持アーム16、第2リクライニング装置20を取付けた下部サイドフレーム12a、および角度調節機構19を取付けた上部サイドフレーム11aは、それぞれシートクッション10の左右両側に1対設けてあり、それぞれ対を成す部材は互いに連動して一体となって回動するようになっている。
【0056】
従って、この第2実施形態の車両用シート装置1aにあっては、第1,第2,第3駆動モータ33,34,35を選択してオン・オフすることにより、図7に示すフローチャートに従って第1,第2リクライニング装置17,20および角度調整機構19が個別に作動して、支持アーム16,下部シートバック12および上部シートバック11の傾斜角度を制御することができる。
【0057】
前記フローチャートは第1,第2,第3駆動モータ33,34,35を制御する3つの駆動用スイッチのうちの1つを例にとって示したが、このフローチャートは第1,第2,第3駆動モータ33,34,35のそれぞれに同様の制御が実行されることになる。
【0058】
即ち前記フローチャートでは、先ずステップS1によって駆動用スイッチがオンされたかどうかを判断し、オンした場合はステップS2によって駆動用スイッチの操作方向から判断して前傾したいかどうかを判断する。
【0059】
前傾したい場合(YES)はステップS3によって駆動モータを所定時間正転し、その正転により傾斜した位置をステップS4によって判断して、所定の前傾位置になったときはそのまま終了し、所定位置に達していない場合(NO)はステップS2にリターンして、このステップS2から再度制御する。
【0060】
一方、前記ステップS2で後傾したい場合(NO)はステップS5によって駆動モータを反転した後、ステップS6によって所定の後傾位置に達したかどうかを判断し、所定位置に達した場合(YES)は終了し、達していない場合(NO)はステップS2にリターンするようになっている。
【0061】
従って、この第2実施形態では電動操作とすることにより操作が容易となり、かつ、乗員Mはシートバック13に寄りかかった状態で操作できるため、リクライニング操作に煩わしさが無くなる。
【0062】
ところで、この第2実施形態では第1,第2リクライニング装置17,20を前後方向にオフセット配置したが、支持アーム16および上部シートバック11と下部シートバック12とが独立しているとともに、両者が近接配置されたことにより、前記第1実施形態の車両用シート装置1と同様の機能を奏することができる。
【0063】
図8は本発明の第3実施形態を示し、前記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0064】
図8は車両用シート装置の側面図で、この第3実施形態の車両用シート装置1bは下部シートバック12を、乗員Mの着座姿勢に適する所定角度をもってシートクッション10に一体に結合してある。
【0065】
尚、上部シートバック11は、前記第1実施形態と同様に支持アーム16に角度調節機構19を介して連結するとともに、この支持アーム16は第1リクライニング装置17を介してシートクッション10に連結してある。
【0066】
従って、この第3実施形態の車両用シート装置1bでは、下部シートバック12を背骨が直線状態に近い状態で骨盤Mpを支持できるような角度をもってシートクッション10に固定しておくことにより、骨盤Mpから大腿部を支持する際の連続性を保持することができるとともに、骨盤Mpを適切に支持することができる。
【0067】
また、下部シートバック12が固定された場合にも、背骨が直線状に近い姿勢では大腿部と骨盤Mpの相対角度のバラ付きが小さくなるため、上部シートバック11が支持アーム16を介して下部シートバック12に依存することなく独立した可動方式となっていることと相俟って、前記第1実施形態の下部シートバック11を可動式とした場合と略同様の機能を奏することができる。
【0068】
ところで、本発明の車両用シート装置は前記第1,第2,第3実施形態のシート装置1,1a,1bに例をとって説明したが、これに限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種実施形態を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における車両用シート装置の側面図。
【図2】図1中A部に対応する部位の要部拡大断面平面図。
【図3】本発明の第1実施形態における車両用シート装置の乗員着座状態を示す側面図。
【図4】本発明の第1実施形態におけるシートバックの作動状態を示す説明図。
【図5】本発明の第2実施形態における車両用シート装置の側面図。
【図6】本発明の第2実施形態における便宜上シートクッションを平面視しシートバックを正面視した展開図。
【図7】本発明の第2実施形態におけるシートバックをリクライニング制御するためのフローチャートを示す説明図。
【図8】本発明の第3実施形態における車両用シート装置の側面図。
【符号の説明】
1,1a,1b 車両用シート装置
10 シートクッション
11 上部シートバック
12 下部シートバック
13 シートバック
15 着座姿勢調整手段
16 支持アーム(支持部材)
17 第1リクライニング装置(上部シートバック回動機構)
18 連動機構
19 角度調節機構
20 第2リクライニング装置(下部シートバック回動機構)
31 中折れ点移動機構
P 中折れ点

Claims (9)

  1. シートクッションと、上下に2分割した上部シートバックおよび下部シートバックからなるシートバックと、を備えた車両用シート装置において、
    上,下部シートバックのうち、少なくとも上部シートバックをシートクッションに対して任意に角度設定可能とし、下部シートバックをシートクッションに対して乗員の着座に適する所定角度に設定するとともに、上部シートバックを下部シートバックに対して乗員の着座に適する所定角度に回動可能とする着座姿勢調整手段を設けたことを特徴とする車両用シート装置。
  2. シートクッションと、上下に2分割した上部シートバックおよび下部シートバックからなるシートバックと、を備えた車両用シート装置において、
    上部シートバックをシートクッションに直接支持する支持部材と、
    この支持部材を介してシートクッションに対する上部シートバックの角度を任意に設定する上部シートバック回動機構と、
    下部シートバックに対する上部シートバックの相対角度を、乗員の着座姿勢に応じて追従させる連動機構と、を設けたことを特徴とする車両用シート装置。
  3. 上部シートバックは、前記支持部材に乗員の着座姿勢に沿うように回動可能に連結したことを特徴とする請求項2に記載の車両用シート装置。
  4. 下部シートバックとシートクッションとの間に、シートクッションに対する下部シートバックの角度を任意に設定する下部シートバック回動機構を設けたことを特徴とする請求項2または3に記載の車両用シート装置。
  5. 上部シートバック回動機構と下部シートバック回動機構とを同軸上若しくは近接させて、シートクッションの車両後方端部に配置したことを特徴とする請求項4に記載の車両用シート装置。
  6. 連動機構は、上部シートバックを支持部材に対して任意な角度に設定する角度調節機構を備えたことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の車両用シート装置。
  7. 上部シートバックの傾斜方向延長線と下部シートバックの傾斜方向延長線との交点となる中折れ点を、上部シートバックの前後傾斜に伴って上下に移動する中折れ点移動機構を設け、この中折れ点は上部シートバックの前傾に伴って下降するとともに、後傾に伴って上昇するように構成したことを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の車両用シート装置。
  8. 中折れ点移動機構は、シートクッションに対する上部シートバックの角度を任意に設定する上部シートバックリクライニング機構と、シートクッションに対する下部シートバックの角度を任意に設定する下部シートバックリクライニング機構と、上部シートバックの下部シートバックに対する相対角度を乗員の着座姿勢に応じて追従させる連動機構と、からなることを特徴とする請求項7に記載の車両用シート装置。
  9. 下部シートバックを、乗員の着座姿勢に適する所定角度をもってシートクッションに一体に結合したことを特徴とする請求項2,3,6,7のいずれかに記載の車両用シート装置。
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