JP2004079316A - 急速充電電池用充電システム - Google Patents
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Abstract
【課題】急速充電が可能な充電電池を充電するための充電システムを提供すること。
【解決手段】公衆の場所で急速充電電池を充電する急速充電電池用充電システムにおいて、急速充電電池用の充電装置と、急速充電電池の充電状態および急速充電電池の劣化状態を測定し、表示する測定表示装置と、充電料金を徴収する料金徴収装置とを備え、急速充電電池の劣化状態を表示する、急速充電電池用充電システム。
【選択図】 図1
【解決手段】公衆の場所で急速充電電池を充電する急速充電電池用充電システムにおいて、急速充電電池用の充電装置と、急速充電電池の充電状態および急速充電電池の劣化状態を測定し、表示する測定表示装置と、充電料金を徴収する料金徴収装置とを備え、急速充電電池の劣化状態を表示する、急速充電電池用充電システム。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、携帯電話、パソコン、PDA、電動アシスト付き自転車、電気自動車、電動バイク、MDプレーヤー、CDプレーヤー、MP3プレヤーなどの携帯用音楽再生装置、デジタルカメラ、ビデオカメラ、ポータブルラジオ、ポータブルテレビなど種々の機器の電源として使用される急速充電電池を充電する充電システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、充電電池は、特性が異なるため、充電電池ごとに適合する充電装置を持つ必要がある。そのため、外出して充電電池を使用する場合、充電装置を持ち歩く必要がある。しかも、充電電池の充電時間は、リチウム二次電池の場合、1.5時間〜2.5時間からかかり、高速充電でも1時間を要している。そのため、外出先で充電することは、現実的に不可能である。また、充電装置は、主に個人が、充電電池ごとに充電装置を持つため、多数の充電装置を持つようになっている。
【0003】
【本発明の目的】
<イ>本発明は、急速充電が可能な充電電池を充電するための充電システムを提供することにある。
<ロ>また、本発明は、充電電池の充電を公衆の場所で行えるようにすることにある。
【0004】
【問題を解決するための手段】
本発明は、公衆の場所で急速充電電池を充電する急速充電電池用充電システムにおいて、急速充電電池用の充電装置と、急速充電電池の劣化状態を測定し、表示する測定表示装置と、充電料金を徴収する料金徴収装置とを備え、急速充電電池の劣化状態を表示することを特徴とする、急速充電電池用充電システムにある(第1発明)。
本発明は、また、公衆の場所で急速充電電池を充電する急速充電電池用充電システムにおいて、急速充電電池用の充電装置と、急速充電電池の劣化状態と充電レベルを測定し、表示する測定表示装置とを有する充電処理装置と、ユーザ情報を格納したデータベースと課金装置とを有する充電情報センターとを備え、ユーザが充電処理装置を使用すると、充電処理装置と充電情報センターとで通信網を介して通信が行われることを特徴とする、急速充電電池用充電システムにある(第2発明)。
本発明は、また、前記第2発明の急速充電電池用充電システムにおいて、充電情報センターは、ユーザの急速充電電池の劣化状態を管理する管理装置を備え、管理装置は、急速充電電池の劣化状態が所定のレベル以下になると、充電処理装置を介して報知することを特徴とする、急速充電電池用充電システムにある(第3発明)。
本発明は、また、前記第1発明又は第2発明の急速充電電池用充電システムにおいて、急速充電電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出する正極ならびに負極と、リチウム塩および有機溶媒を含有する非水電解液とを有する非水電解質二次電池であることを特徴とする、急速充電電池用充電システムにある(第4発明)。
本発明は、また、前記第4発明の急速充電電池用充電システムにおいて、急速充電電池は、充電反応が完了した後、急速充電電池に充電電流が流れた時、電子の移動だけを起こして、電極活物質自体を変化させない機能を有することを特徴とする、急速充電電池用充電システムにある(第5発明)。
本発明は、また、前記第5発明の急速充電電池用充電システムにおいて、電解液が、正極で酸化される物質を含み、該物質が正極でリチウム放出反応とは異なる酸化反応を起こす非水電解質二次電池であることを特徴とする、急速充電電池用充電システムにある(第6発明)。
本発明は、また、前記第6発明の急速充電電池用充電システムにおいて、電解液が、正極で酸化される物質を含み、該物質が正極でリチウム放出反応とは異なる酸化反応を起こすとともに、負極でリチウムの吸蔵反応とは異なる還元反応が生じる非水電解質二次電池であることを特徴とする、急速充電電池用充電システムにある(第7発明)。
本発明は、また、前記第4発明の急速充電電池用充電システムにおいて、充電装置は、電流値(Xアンペア、X≧0A)および充電時間(t秒、t≠0秒)が規定された充電パターン(P)をP1〔X1,t1〕→P2〔X2,t2〕→P3〔X3,t3〕……→Pn〔Xn,tn〕→Pn+1〔Xn+1,tn+1〕(ここで、nは1以上の整数を示す)と種々組み合わせて充電する場合に、連続する充電パターン(P)の電流値(Xアンペア)が互いに異なるようにしたことを特徴とする急速充電電池用充電システム(第8発明)。
本発明は、また、前記第8発明の急速充電電池用充電システムにおいて、充電装置は、直流定電流充電および/または定電圧充電とを複合したことを特徴とする急速充電電池用充電システムである(第9発明)。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0006】
<イ>急速充電電池用充電システム
急速充電電池用充電システムは、急速充電が可能な電池の利用を助けるものであり、外出先でも簡単に迅速に充電できるシステムである。急速充電電池用充電システムは、コンビニエンスストア、ショッピングセンター、駅、電車、喫茶店、イベントホール、コンサートホール、スタジアム、レストラン、遊園地など公衆の場所に配置される充電処理装置を備えている。また、急速充電電池用充電システムは、例えば図1に示すように、充電情報センター2を備え、喫茶店31、駅32、電車33などの公衆の場所に配置されている充電処理装置1と通信網3を介して通信が可能になっている。急速充電電池は、10分程度以内、好ましくは5分以内に電池容量の60%以上、好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上、充電可能な電池であり、殆ど待つことなく迅速に充電が可能である。そのため、充電処理装置1を公衆の場所に多数設置することにより、外出先でも電池切れを心配することなく、急速充電電池を使用することができる。このように、多数の場所に充電処理装置1を設置することにより、家庭で充電装置を購入する必要がなくなり、充電電池毎に規格が異なる充電装置を保有する必要がなくなる。そのため、外出先で電池が切れても、すぐに充電でき、また、充電器を持ち運ぶ必要もない。なお、本発明において公衆の場所とは、入場料金など金銭の支払いの有無に係わらず、誰でも利用できる場所を言う。
【0007】
<ロ>充電処理装置
充電処理装置1は、公衆の場所などに多数設置されるものであり、充電装置11を備えており、必要に応じて、測定表示装置12や料金徴収装置13を備えている。充電装置11は、急速充電電池を急速に充電する装置であり、ほぼ10分以内、好ましくは5分以内に、電池容量の60%以上、好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上を充電できる装置である。
【0008】
測定表示装置12は、急速充電電池の充電状態および急速充電電池の劣化状態を測定する装置であり、急速充電電池の充電状態および劣化状態を表示してユーザに報知することができる。電池の劣化状態が所定レベル以下の場合、充電を停止する。測定表示装置12は、充電装置で充電中に劣化状態を測定し、且つ充電前の電池に入っている電気量および充電後の電気量を測定することができる。急速充電電池のユーザは、現在の電池内の電気量を知ることが出来、電池が使用不能になる前に劣化状態を知ることができるので、安心して電池を使用することができる。
【0009】
料金徴収装置13は、充電処理装置1の使用料を払うものである。使用料は、充電に使用した電気量あるいはエネルギー量に比例したり、また、使用毎の定額制とする。又は、料金徴収装置13は、充電情報センター2と通信を行い、ユーザが会員として登録されているか、また、料金契約が1ヶ月とか半年とかの定額契約の有無を調べ、料金の徴収の判断を行うこともできる。
【0010】
<ハ>充電情報センター
充電情報センター2は、充電処理装置1と通信網3を介して通信を行い、例えば急速充電電池の管理や充電処理装置1の使用料の課金などを行うことができる。充電情報センター2には、急速充電電池のユーザを会員として登録する。会員登録は、ユーザが機器購入時、電池購入時など、登録申込みにより行われる。充電情報センター2には、会員名、使用している電池の種類などを記憶するデータベース21を備えている。
【0011】
データベース21は、例えば表1のように、電池の会員名、住所、電話番号、識別番号、ID、パスワード、機器毎にIPアドレスが割り振られている場合は、そのIPアドレス、使用している電池の種類と番号、電池の劣化状態、及び、課金方法のデータを備えている。同一の会員が複数の急速充電電池を使用していると、電池の番号ごとに管理できる。
【0012】
【表1】
【0013】
会員が充電処理装置1を利用すると、通信網3を介して充電情報センター2と通信が行われる。管理装置22は、会員名、電池の種類・番号、測定表示装置12で測定した電池の劣化状態を受信し、データベース21の所定の欄に記憶する。管理装置22は、電池の劣化状態が所定レベル以下の場合、測定表示装置12に劣化状態を通知してユーザに報知することもできる。また、充電を停止するトリガ信号を充電装置11に報知して充電を停止することもできる。このように、電池を集中的に管理するので、会員にとっても安心して電池を使用できる。また、電池メーカも、電池の問題点を容易に把握でき、電池の改良につなげることができる。
【0014】
課金装置23は、料金徴収装置13と情報の交換を行ったり、又は料金徴収装置13に代わることもできる。課金装置23は、従量制と定額制などに対応する課金システムを持つことができ、従量制の場合、充電処理装置1から携帯電話番号、クレジットカード、IPアドレス、電子マネーなどの情報を受け、自動的に課金することができる。また、定額制の場合、会員に対して一定期間ごとに定額料金を徴収する。また、課金装置23は、必要に応じて、料金徴収装置13とデータの交換をする。課金装置23は、例えば「料金算出」の変数を料金徴収装置13に送り、充電料を変更することもできる。
【0015】
<ニ>充電処理装置の使用
急速充電電池並びにその電池を搭載している機器などを所有している人は、公衆の場所に設置された充電処理装置1を使用して急速充電電池を充電する。急速充電が可能なので、例えば、買い物に電動アシスト自転車で出かけ、買い物している間に充電することができる。充電処理装置は、料金徴収装置によりその場で徴収したり、又は、会員の場合、通信網で充電情報センターに接続し、充電分だけ、銀行口座などから引き落としたり、また、定額制で前もって徴収したりする。
【0016】
<ホ>急速充電電池
急速充電電池は、急速に充電できる電池であれば、特に制限されるものではない。急速充電電池は、例えば、充電反応が完了した後、急速充電電池に充電電流が流れた時、電子の移動だけを起こして、電極活物質自体を変化させない機能を有する。急速充電電池は、電池容量の100%以上の充電率まで過充電された場合でも電池電圧を所定範囲に保持し、保護回路を用いなくとも非水電解質二次電池の安全性が維持できるものである。そのために、Li0.5CoO2から、さらにLiを引き抜く反応に供与される電気エネルギーを別の再結合可能な反応に利用することにより、Li<0.3CoO2の生成を抑制し、非水電解質二次電池の暴走反応を抑止する。そのため、所定の物質を電解質に添加することで、過充電時の電気エネルギーが該物質の電極酸化に消費され、さらに、酸化によって生成した物質が負極にて還元される循環反応機構が効率的に機能し、Li<0.3CoO2の生成を抑制することができる。
【0017】
急速充電電池は、図2に示されるように、定格容量に対して過剰に充電しても、電池電圧の上昇を抑制でき、しかも、電池表面の温度の上昇も抑制できる(詳しくは、特願2002−157191参照)。
【0018】
急速充電電池は、具体的には、リチウムイオンを吸蔵・放出する材料およびバインダーポリマーを含んでなる正極ならびに負極と、これらの正負両極を隔離する1枚以上のセパレータと、リチウム塩および有機溶媒を含有する非水電解液とを含み、前記電解液が、電池電圧4.1〜5.2Vの電位間において前記正極で酸化される物質を含み、該物質が正極でリチウム放出反応とは異なる酸化反応を起こす非水電解質二次電池である(急速充電電池1)。
【0019】
また、急速充電電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出する材料およびバインダーポリマーを含んでなる正極ならびに負極と、これらの正負両極を隔離する1枚以上のセパレータと、リチウム塩および有機溶媒を含有する非水電解液とを含み、前記電解液が、電池電圧4.1〜5.2Vの電位間において前記正極で電極酸化される物質を含み、該物質が前記正極でリチウム放出反応とは異なる酸化反応を起こすとともに、前記負極でリチウムの吸蔵反応とは異なる還元反応が生じる非水電解質二次電池である(急速充電電池2)。
【0020】
また、急速充電電池は、前記2つの非水電解質二次電池において、前記電極酸化により酸素および/または二酸化炭素が発生し、該酸素および/または二酸化炭素が、前記負極上で微量に生じたリチウム金属をLi2Oおよび/またはLi2CO3に酸化させるものである(急速充電電池3)。
【0021】
また、急速充電電池は、上記非水電解質二次電池において、前記Li2CO3および/またはLi2Oが、前記負極で金属リチウムおよび/またはリチウムイオンに還元されるものである(急速充電電池4)。
【0022】
急速充電電池において、定格容量とは、非水電解質二次電池を所定の充電電圧まで、0.2Cで定電流定電圧充電を行い、その後、所定の放電終止電圧まで、0.2Cで定電流放電した場合の放電容量をいい、例えば、正極にLiCoO2、負極に易黒鉛化炭素材料を原料とするグラファイトを用いたリチウムイオン電池の場合、充電電圧は4.2V、放電終止電圧は2.7Vである。この正極での酸化反応は、電池電圧4.1〜5.2Vで起こるものであるが、4.1V未満での酸化反応が起こると、定格容量が得られない虞があり、一方、5.2Vを超えると、電池が、破裂する、発熱する可能性があり、より好ましい電池電圧は、4.2〜4.8Vである。
【0023】
別の観点からは、上記正極での酸化反応は、定格容量の100%充電率以上で生じるものであるが、特に、150%充電率以上で上記酸化反応が生じることが好ましい。
【0024】
より具体的には、上記電極酸化が参照極AlOxに対して1.40〜1.60Vの範囲で起こることが好ましく、1.40V未満では、上記電極酸化反応が、LiCoO2→Li0.5CoO2の充電反応と同時、またはそれ以前で生じ、定格容量が得られないという虞があり、1.60Vを超えると、上記電極酸化反応が起こる前に、Li0.5CoO2→Li<0.3CoO2の反応が生じ、正極活物質の可逆性が失われ、不安定な高酸化物が生成し、電池が暴走する可能性がある。
【0025】
また、標準水素電位(SHE)を基準とした場合は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネートおよびジエチルカーボネートから選ばれる1種または2種以上の有機溶媒中、298.15K,101.325Paの常温常圧条件下で、標準水素電位(SHE)に対して1.05〜1.61Vの範囲で電極酸化が起こることが好ましい。
【0026】
この場合にも、1.05V未満では、上記電極酸化反応が、LiCoO2→Li0.5CoO2の充電反応と同時、またはそれ以前で生じ、定格容量が得られない虞があり、1.61Vを超えると、上記電極酸化反応が起こる前に、Li0.5CoO2→Li<0.3CoO2の反応が生じ、正極活物質の可逆性が失われ、不安定な高酸化物が生成し、電池が暴走する可能性がある。これらの点を考慮すると、1.40〜1.60Vの範囲で電極酸化が起こることが好ましい。
【0027】
また、電池の表面温度としては、上記問題が生じない程度であれば限定はないが、表面温度が120℃以上になると、電池が熱暴走する可能性が高くなるため、過充電時の電池の表面温度は120℃未満とすることが好ましく、より好ましくは90℃未満、さらに好ましくは70℃未満である。
【0028】
さらに、正極での酸化反応後に、負極においてリチウムの吸蔵反応とは異なる還元反応が生じることが好ましい。このような正極での酸化反応および負極での還元反応の種類については、特に限定されるものではないが、具体例を挙げると、電極酸化により酸素および/または二酸化炭素が発生し、該酸素および/または二酸化炭素が、前記負極上で微量に生じたリチウム金属をLi2Oおよび/またはLi2CO3に酸化させ、さらに、充電時に供給される電気エネルギーにより、上記Li2CO3および/またはLi2Oが、負極で金属リチウムおよび/またはリチウムイオンに電極還元されることが好ましい。
【0029】
このように電極酸化により生じた酸素、二酸化炭素により、電荷移動を伴わないでリチウムを酸化した後、これを電極還元し、この電極還元により生じた物質をさらに電極酸化するという循環反応系を確立することにより、過充電時に供給される電気エネルギーがこの循環反応に消費され、電池電圧の上昇等を効率的に防止することができる。
【0030】
一方、過充電時に電池電圧の上昇を防止することができたとしても、この間に電極が不可逆反応を受ける等により劣化すれば、電池として機能しなくなる可能性が高くなる。このため、25℃で正極の理論容量に対する充電電流率、かつ、1.00C以下の電流で充電を行う際、下記式の充電率L%まで正極および負極の劣化が生じないことが好ましい。
充電率L(%)=(理論容量)×5×(充電電流率C)−0.5×100
なお、上記理論容量は、LiCoO2を正極活物質として用いた場合、
LiCoO2→0.5Li++Li0.5CoO2+0.5e−
に相当する電気容量を示す。
【0031】
非水電解質二次電池に用いられるセパレータとしては、電極反応により電池電圧を4.1〜5.2Vに制御可能であれば、特に限定されるものではないが、空孔率40%以上のものを用いることが好ましい。ここで空孔率が40%未満であると、電解質中の物質が正負極間をスムーズに移動できなくなり、上述した循環反応の進行が妨げられる虞がある。したがって、空孔率は正負極間を隔離できる限度において、できるだけ高いものが好ましく、特に60%以上であることが好ましい。また、セパレータの材質も特に限定はないが、セルロース、ポリプロピレン、ポリエチレンおよびポリエステルのいずれか1種以上を含んでなるものが好ましく、この場合にも空孔率は60%以上であることが好ましい。
【0032】
非水電解質二次電池の非水電解液は、リチウム塩と有機溶媒とを含んで構成されるものである。ここで、リチウム塩としては、リチウム二次電池、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池に使用できるものであれば特に限定はなく、例えば、4フッ化硼酸リチウム,6フッ化リン酸リチウム,過塩素酸リチウム,トリフルオロメタンスルホン酸リチウム,下記一般式(1)で示されるスルホニルイミドのリチウム塩,下記一般式(2)で示されるスルホニルメチドのリチウム塩,酢酸リチウム,トリフルオロ酢酸リチウム,安息香酸リチウム,p−トルエンスルホン酸リチウム,硝酸リチウム,臭化リチウム,ヨウ化リチウム,4フェニル硼酸リチウム等のリチウム塩が挙げられる。
【0033】
<ヘ>充電装置
急速充電電池の充電装置は、特に制限されるものではないが、好ましくは、高レートでロスの少ない効率的な充電が可能であり、高速充電が可能であるとともに、電池のサイクル寿命および過充電時の安全性の向上を得るものが使用できる。即ち、急速充電電池の充電装置は、連続する充電パターンの電流値が異なるように設定された所定の直流電流パターン充電を行うことにより、特に、この場合に、少なくとも1つのパターンの電流値を1C以上とすることにより、電気エネルギーが効率よく化学反応に使用されるために充電の際のエネルギー利用率および充電効率が向上し、満充電までの時間を短縮できる。この充電の際、電極および電極活物質上に形成された不動態層を破壊し、充放電サイクル寿命を向上することができる(詳しくは、特願2002−157259参照)。
【0034】
ある特定の急速充電電池の充電装置は、リチウムを吸蔵・放出する材料およびバインダーポリマーを含んでなる正極ならびに負極と、これらの正負極間を隔離する少なくとも一枚のセパレータと、リチウム塩を含有する非水電解質とを含んで構成される非水電解質二次電池の急速充電電池を、電流値(Xアンペア、X≧0A)および充電時間(t秒、t≠0秒)が規定された充電パターン(P)をP1〔X1,t1〕→P2〔X2,t2〕→P3〔X3,t3〕・・・→Pn〔Xn,tn〕→Pn+1〔Xn+1,tn+1〕(ここで、nは1以上の整数を示す)と種々組み合わせて充電する場合に、連続する前記充電パターン(P)の電流値(Xアンペア)が互いに異なるようにしてある(充電装置1)。
【0035】
急速充電電池の充電装置は、また、前記充電パターンPn〔Xn,tn〕の電流値Xnが1C(1時間率)以上であるとともに、前記充電パターンPn+1〔Xn+1,tn+1〕(ここで、各nは1以上の整数を示す)の電流値Xn+1が0≦Xn+1<Xnを満たすことを特徴とする上記充電装置1の急速充電電池の充電装置(充電装置2)。
【0036】
急速充電電池の充電装置は、また、前記充電パターンPn〔Xn,tn〕の電流値Xnが3C(0.33時間率)以上であるとともに、前記充電パターンPn+1〔Xn+1,tn+1〕(ここで、各nは1以上の整数を示す)の電流値Xn+1が0≦Xn+1<Xnを満たすことを特徴とする上記充電装置1または2の急速充電電池の充電装置(充電装置3)。
【0037】
急速充電電池の充電装置は、また、前記充電パターンPn〔Xn,tn〕(ここで、nは1以上の整数を示す)の充電時間tnが1秒以下であることを特徴とする充電装置1〜3のいずれか1の急速充電電池の充電装置(充電装置4)。
【0038】
急速充電電池の充電装置は、また、直流定電流充電および/または定電圧充電とを複合したことを特徴とする充電装置1〜4のいずれか1の急速充電電池の充電装置(充電装置5)。
【0039】
急速充電電池の充電装置は、また、リチウムイオンを吸蔵・放出する材料およびバインダーポリマーを含んでなる正極ならびに負極と、これらの正負両極を隔離する1枚以上のセパレータと、リチウム塩および有機溶媒を含有する非水電解液とを含んで構成され、前記電解液が、電池電圧4.1〜5.2Vの電位間において前記正極で酸化される物質を含み、該物質が正極でリチウム放出反応とは異なる酸化反応を起こすものを用いることを特徴とする充電装置1〜5のいずれか1の急速充電電池の充電装置(充電装置6)。
【0040】
急速充電電池の充電装置は、また、リチウムイオンを吸蔵・放出する材料およびバインダーポリマーを含んでなる正極ならびに負極と、これらの正負両極を隔離する1枚以上のセパレータと、リチウム塩および有機溶媒を含有する非水電解液とを含んで構成され、前記電解液が、電池電圧4.1〜5.2Vの電位間において前記正極で電極酸化される物質を含み、該物質が前記正極でリチウム放出反応とは異なる酸化反応を起こすとともに、前記負極でリチウムの吸蔵反応とは異なる還元反応が生じるものを用いることを特徴とする充電装置1〜6のいずれか1の急速充電電池の充電装置(充電装置7)。
【0041】
急速充電電池の充電装置についてさらに詳しく説明する。充電装置は、リチウムを吸蔵・放出する材料およびバインダーポリマーを含んでなる正極ならびに負極と、これらの正負極間を隔離する少なくとも一枚のセパレータと、リチウム塩を含有する非水電解質とを含んで構成される急速充電電池を、電流値(Xアンペア、X≧0A)および充電時間(t秒、t≠0秒)が規定された充電パターン(P)をP1〔X1,t1〕→P2〔X2,t2〕→P3〔X3,t3〕……→Pn〔Xn,tn〕→Pn+1〔Xn+1,tn+1〕(ここで、nは1以上の整数を示す)と種々組み合わせて充電する場合に、連続する充電パターン(P)の電流値(Xアンペア)が互いに異なることを特徴とするものである。つまり、Pn、Pn+1、Pn+2の電流値Xアンペアである、Xn、Xn+1、Xn+2の関係は、Xn≠Xn+1、Xn+1≠Xn+2とする。
【0042】
一方、連続しないXn、Xn+2の関係は、Xn=Xn+2でもXn≠Xn+2のいずれでもよい。これらの電流値の大小関係は、特に限定されるものではないが、大きな電流値Xnで充電を行い、電極および電極活物質上に形成された不動態層を破壊する際、電極および電極活物質に大きなエネルギーが与えられ、微視的には電極および電極活物質が高温となると考えられるため、次の充電パターンの電流値Xn+1をXnよりも小さく設定し、先の充電による発熱を緩和させるという点から、Xn>Xn+1であることが好ましい。なお、それぞれの充電パターンPnの充電時間tnは、0秒以外である。
【0043】
二次電池の充電レベルは、任意であり、0〜100%のどのレベルでもよい。充電電流量を設定する場合、電池の容量が判っていなければならないが、例えば、電池の容量が2Ahの場合なら、1時間で充電、または放電できる電流量、すなわち、2Aが1Cの電流値となる。ここで、上記充電パターンPnにおける電流値Xnは、1C以上であることが好ましく、充電効率を高め、満充電までの時間を短縮するとともに、電極表面、電極活物質表面等に形成された不動態層を破壊して電池のサイクル寿命を向上させるという点から、3C以上、特に、5C以上であることが好ましい。なお、充電電流値の上限は、特に限定されないが、通常、10〜30C程度である。
【0044】
特に、充電パターンPnにおける充電電流値Xnが3C以上であるとともに、充電パターンPn+1における充電電流値Xn+1が0Aであることが好ましい。このように、充電電流値Xn+1を0Aとしてパルス型充電を行うことで、非水電解質二次電池の電圧の過剰な上昇を防止しつつ、エネルギー効率のよい充電が可能となり、その結果、満充電までの時間をより一層短縮することもできる。
【0045】
さらに、上記充電パターンPnにおける充電電流値Xnが1C以上であるとともに、充電パターンPn+1における充電電流値Xn+1が0Aであるパルス型の充電を行う際には、充電時に電池電圧が3.0V、特に4.2Vを超えることが好ましい。実際、設定した充電電流値Xnによっては、10V付近まで電池電圧が上昇する場合もあるが、その後に、Xn+1が0Aという充電休止状態にすることで、電池電圧の過剰な上昇を抑制することができる。したがって、従来の充電方法のように定格満充電電圧、多くは4.2Vを超えないように厳密に制御する必要性が少ないだけでなく、電流値Xnとして大きな電流を用い、エネルギー効率のよい充電が可能となり、結果的に満充電までの時間を短縮することができる。なお、充電→休止→充電の間欠充電も好適に用いることができる。
【0046】
また、上記充電パターンPnにおける充電時間tnは、特に限定されるものではないが、10秒以下、特に、1.0m秒から10秒が好ましく、より好ましくは、1.0m秒から1秒である。すなわち、本発明では、まず充電時の電流を高くして、電極表面等の不動態層を破壊し、次いで、この不動態層が破壊された電池に対して充電を行うことが好ましく、これによりエネルギー効率の一層高い充電が可能になるとともに、不動態層の除去により、活物質が活性化され、サイクル寿命の向上を図ることができるものである。しかしながら、この不動態層を破壊する際には、電池電圧が大きく上昇するので、そのまま充電を続ければ、不動態層を破壊するのみならず、活物質、電極および電解質等をも破壊する虞がある。そして、この不動態層破壊の際の充電時間tnを長くしたところで、不動態層を破壊する効果は時間とともに減衰し、大幅な効果の増大は望めない一方で、tnを長くすれば、上述のように、電池電圧の過剰な上昇を招くこととなる。このような点から、各充電パターンPnにおける充電時間tnは、上記の範囲であることが好ましく、少なくとも不動態層を破壊するほどの大きな充電電流で充電する際のtnは、1秒以下に設定することが好ましい。
【0047】
また、通常、二次電池は、数百回から500回程度の繰り返し充放電をして用いられるものであるが、この場合に、上述した充電装置の充電方法(以下、直流パターン充電方法という)を各充電サイクル時に毎回行うことができることはもちろんであるが、上記直流パターン充電方法と従来より行われている定電流充電および/または定電圧充電とを複合して用いることもできる。
【0048】
このように各充電方法を複合して用いる場合、その複合の仕方は特に限定されるものではないが、上記直流パターン充電を、予め設定したサイクル毎に行う方法、例えば、基本的には定電流・定電圧充電を行い、50サイクルに1回直流パターン充電を行う方法、として用いることができる。このような複合方法を用いることで、直流パターン充電を行う際に、電極活物質等に生じた不動態層を破壊し、活物質を再活性化させることができ、効率のよい充電が可能になる上、電池のサイクル寿命を延ばすことができる。
【0049】
また、一回の充電サイクルにおいて、上記直流パターン充電と定電流充電および/または定電圧充電とを複合させることもでき、例えば、所定の電池容量までは、直流パターン充電を行い、その後、定電流・定電圧充電に切り替える方法を採用してもよく、さらに、このような1サイクル中で各充電方法を複合させて用いる方法を、上述のように予め設定された各充電サイクル毎に行ってもよい。
【0050】
この場合、特に、充電開始時に上記直流パターン充電を行って、電極活物質等に生じた不動態層を破壊し、続いて、定電流・定電圧充電に切り替える方法を用いることで、充電効率の向上を図りつつ、電池のサイクル寿命を向上させることができる。また、充電効率のよい直流パターン充電を併用することで、定電流・定電圧充電のみで充電する場合よりも、満充電までの時間を短縮することもできる。
【0051】
上述した直流パターン充電は、リチウムを吸蔵・放出する材料およびバインダーポリマーを含んでなる正極ならびに負極と、これらの正負極間を隔離する少なくとも一枚のセパレータと、リチウム塩を含有する非水電解質とを含んで構成される非水電解質二次電池の充電方法として広く用いることができるが、特に、電解液に、電池電圧4.1〜5.2Vの電位間において正極で酸化される物質を含有させ、該物質が正極でリチウム放出反応とは異なる酸化反応を起こすもの、好ましくは、さらに、負極でリチウムの吸蔵反応とは異なる還元反応が生じる非水電解質二次電池に好適に用いることができる。
【0052】
すなわち、当該二次電池は、満充電以上に充電した場合であっても、電池電圧の過剰な上昇を招来しないので、上記直流パターン充電を行う際に、電池電圧の上昇を通常の二次電池ほど気にすることなく、より高い電流値Xn(A)で充電できるため、充電のエネルギー効率をより一層向上できる結果、通常の二次電池よりも高速充電が可能となるとともに、サイクル寿命の向上をより一層図ることができる。
【0053】
このような過充電特性に優れた二次電池は、電解液に添加した電極酸化される物質が、酸化還元循環反応を引き起こし、過充電時の電気エネルギーを消費することで、過剰な電池電圧の上昇又は充電状態の上昇を防止するものである。
【0054】
しかしながら、正極および負極で生じる酸化還元循環反応も、電極や電極活物質上に上述した不動態層が形成されると、著しく反応活性が低下する場合がある。
【0055】
例えば、満充電に近い状態で、電池を一定時間放置し、再び、充電,過充電を行うと、酸化還元反応が円滑に進行せず、過充電域で電池電圧が上昇する現象が見られることがある。
【0056】
これは、不動態層によって酸化還元循環反応が円滑に進行しないためであると考えられるが、この場合にも、本発明の直流電流パターン充電を行うことで、上記問題を解決することができる。
【0057】
すなわち、上記過充電特性に優れた二次電池を、満充電に近い状態、例えば、充電率60%程度以上、電池電圧で3.8V程度以上まで充電した後、一定時間、例えば、15〜30時間放置した後に、再び充電を行う際には、少なくとも再充電開始時に、上記直流パターン充電方法により充電を行うことが、安全性の向上を図る点から、好ましい。
【0058】
上記過充電特性に優れた非水電解質二次電池において、電極酸化反応は、定格容量の100%充電率以上で生じればよいが、電池の定格容量を確保し、かつ、活物質の可逆性が失われないように電極酸化反応を生じさせるという点を考慮すると、特に、150%充電率以上で電極酸化反応が生じることが好ましい。
【0059】
以下、急速充電電池の実施例を説明する。
【0060】
<イ>熱可塑性ポリウレタン系樹脂の合成[合成例1]
撹拌機、温度計および冷却管を備えた反応器に、予め加熱脱水したポリカプロラクトンジオール(プラクセル220N、ダイセル化学工業(株)製)64.34重量部と、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート28.57重量部とを仕込み、窒素気流下、120℃で2時間撹拌・混合した後、1,4−ブタンジオール7.09重量部を加えて、同様に窒素気流下、120℃にて反応させた。反応が進行し、反応物がゴム状になった時点で反応を停止した。その後、反応物を反応器から取り出し、100℃で12時間加熱し、赤外線吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収ピークが消滅したのを確認した後加熱を止め、固体状のポリウレタン樹脂を得た。
【0061】
得られたポリウレタン樹脂の重量平均分子量(Mw)は1.71×105であった。このポリウレタン樹脂8重量部をN−メチル−2−ピロリドン92重量部に溶解することによって、ポリウレタン樹脂溶液を得た。
【0062】
<ロ>ポリビニルアルコール誘導体の合成[合成例2]
撹拌羽根を装着した反応容器にポリビニルアルコール(平均重合度500,ビニルアルコール分率=98%以上)3重量部と、1,4−ジオキサン20重量部と、アクリロニトリル14重量部とを仕込み、撹拌下で水酸化ナトリウム0.16重量部を水1重量部に溶解した水溶液を徐々に加え、25℃で10時間撹拌した。
次に、イオン交換樹脂(商品名;アンバーライト IRC−76,オルガノ株式会社製)を用いて中和した。イオン交換樹脂を濾別した後、溶液に50重量部のアセトンを加えて不溶物を濾別した。アセトン溶液を透析膜チューブに入れ、流水で透析した。透析膜チューブ内に沈殿するポリマーを集めて、再びアセトンに溶解して濾過し、アセトンを蒸発させてシアノエチル化された合成例1のPVA誘導体を得た。
【0063】
得られたポリマー誘導体は、赤外吸収スペクトルにおける水酸基の吸収は確認できず、水酸基が完全にシアノエチル基で封鎖されている(封鎖率100%)ことが確認できた。
【0064】
得られたPVAポリマー3重量部をジオキサン20重量部とアクリロニトリル14重量部に混合した。この混合溶液に水酸化ナトリウム0.16重量部を1重量部の水に溶解した水酸化ナトリウム水溶液を加えて、25℃で10時間撹拌した。
【0065】
次に、イオン交換樹脂(商品名;アンバーライト IRC−76,オルガノ(株)製)を用いて中和した。イオン交換樹脂を濾別した後、溶液に50重量部のアセトンを加えて不溶物を濾別した。濾過後のアセトン溶液を透析膜チューブに入れ、流水で透析し、透析膜チューブ内に沈殿するポリマーを集めて、再びアセトンに溶解して濾過し、アセトンを蒸発させてシアノエチル化されたPVAポリマー誘導体を得た。
【0066】
得られたポリマー誘導体は、赤外吸収スペクトルにおける水酸基の吸収は確認できず、水酸基が完全にシアノエチル基で封鎖されている(封鎖率100%)ことが確認できた。
【0067】
<ハ>正極の作製
正極活物質であるLiCoO2(正同化学(株)製)、導電材であるケッチェンブラックEC(ライオン(株)製)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF1300、呉羽化学(株)製)、合成例1のポリウレタン(PU)を、それぞれ質量配合比100.0:4.35:4.13:2.72の比率で混合し、さらに1−メチル−2−ピロリドン(NMP、LiCoO2100に対して質量比56.74)(和光純薬工業(株)製)に溶解し、分散・混合させてスラリーを作製した。このスラリーをアルミシート(厚さ0.020mm、日本製箔(株)製)に塗布した後、乾燥、圧延して50.0mm(内、塗布部:40.0mm)×20.0mmおよび50.0×270.0mmに裁断し、正極を得た。なお、質量0.280g、厚み0.080mmの電極を選別して使用した。
【0068】
<ニ>負極の作製
負極活物質であるMCMB(大阪ガスケミカル(株)製)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF900、呉羽化学(株)製)を、それぞれ質量配合比100.0:8.70の比率で混合し、さらにNMP(MCMB100に対して質量比121.7)に溶解し、分散・混合させてスラリーを作製した。このスラリーを銅箔(厚さ0.010mm、日本製箔(株)製)に塗布した後、乾燥、圧延して50.0mm(内、塗布部:40.0mm)×20.0mmに裁断し、負極を得た。
【0069】
<ホ>電極群の作製
セルロースセパレータ(厚さ0.035mm、TF40−35、日本高度紙工業(株)製)を54.0×22.0mmに裁断したもの2枚を介して上述の正極2枚、負極2枚を組み、電極群を得た。
【0070】
<ヘ>電解質溶液の作製
LiPF6(キシダ化学(株)製、1.0Mエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート=1/1溶液)から、LiPF6の1.0M溶液(エチレンカーボネート(EC):ジエチルカーボネート(DEC):プロピレンカーボネート(PC):ビニレンカーボネート(VC)=100.0:157.1:28.57:2.857(質量比))を調製した。続いて、この溶液中のECの質量100に対して合成例2のポリビニルアルコール誘導体を1.00、NKエステル M−20G(モノメタクリレート),NKエステル 9G(ジメタクリレート),NKエステル TMPT(トリメタクリレート)(いずれも、新中村化学工業(株)製)をそれぞれ9.358,13.09,1.100、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)製)を1.778添加し、撹拌・混合して非水電解液を得た。
【0071】
<ト>急速充電電池の作製
上記のように作製した電極群の外径長を測定し、計算による体積に対して等しい容量(100.0vol%)の上記電解質溶液を注液した後、約76Torrに減圧し、ラミネートパッキングして、非水電解質二次電池を得た。
【0072】
この二次電池について、電池の正極活物質のファラデー反応
LiCoO2→LixCoO2+(1−x)Li++(1−x)e−
におけるx=0.5に対応する電気容量の理論値137mAh/gより算出した上記正極活物質の容量を電池容量とし、これを充電状態100.0%とした(約36.0mAh)。
【0073】
この急速充電電池に対して初期充電として0.01Cの電流率で1.50Vまで、さらに、0.05Cの電流率で3.20Vまで充電した後、55℃で2時間、さらに80℃で30分間エージングを行い、電解質をゲル化させた。次に、設定電圧4.20V、0.10Cの電流終止で定電流−定電圧充電、休止1時間、1.00Cで3.0V終止の定電流放電、休止1時間を1サイクルとし、これを3サイクル行い、さらに、0.20Cの電流率で2.75Vまで定電流放電した時点で電池サンプルの初期状態(SOC=0%)とした。
【0074】
以下、実施例の電池の充電方法を説明する。
【0075】
<イ>充電方法
実施例で作製した二次電池について、0%充電率から、定格容量(36.0mAh)に対して、約50%、約70%、約90%の各充電率になるように、以下のパターンで充電を行った後、1時間休止し、続いて、電流率0.2C(7.2mA)で2.75Vまで定電流放電して、充電された電気量を算出した。
【0076】
<ロ>実施例1の充電方法
パターンPa:P1〔1627.2mA(45.2C)、4.0m秒〕→P2〔0A(0C)、12.0m秒〕→P1→P2→・・・という連続パターンで、約50%、約70%、90%分の電気量を充電した。90%分充電するに要した時間は、300秒(5分)であった。
【0077】
<ハ>実施例2の充電方法
パターンPa:P1〔1627.2mA(45.2C)、4.0m秒〕→P2〔0A(0C)、12.0m秒〕→P1→P2→・・・のパターンで、57.8%分の電気量を充電し、その後に、パターンPb:P3〔1548mA(43C)、2.0m秒〕→P4〔0A(0C)、8.0m秒〕→P3→P4→・・・のパターンで、23.7%分の電気量を充電し、その後に、パターンPc:P5〔1407.6mA(39.1C)、1.0m秒〕→P6〔0A(0C)、5.0m秒〕→P5→P6→・・・のパターンで、9.0%分充電した。トータルでは、90.5%分の電気量を充電した。90.5%分充電するのに要した時間は、310秒(5分10秒)であった。
【0078】
<ニ>放電特性
実施例1、実施例2の方法で充電した電池を、電流率0.2Cで(7.2mA)で2.75Vまで定電流放電して、充電された電気量を算出した。図3にその結果を示す。横軸は、充電に要した時間(秒)を示し、縦軸は、電池の定格容量に対する放電容量を百分率で示した。この結果から分かるように、実施例1では、電池容量の約50%充電するのに要した時間は、127秒で、放電できた放電容量は、47%であった。電池容量の約70%充電するのに要した時間は、200秒で、放電できた放電容量は、69%であった。電池容量の約90%充電するのに要した時間は、300秒で、放電できた放電容量は、80%であった。
【0079】
実施例2では、電池容量の約90.5%充電するのに要した時間は、310秒で、放電できた放電容量は、84%であった。
【0080】
<ホ>充電結果
実施例では、45Cから30Cという高い電流率の充電と休止という直流パターン充電を行っているため、充電効率が高まり、90%の容量に到達するまでの所要時間は約5分と急速な充電が可能であった。
【発明の効果】
本発明は、次のような効果を得ることができる。
<イ>本発明は、急速充電が可能な充電電池を充電するための充電システムを提供できる。
<ロ>また、本発明は、充電電池の充電を公衆の場所で行えるようにすることにある。
【図面の簡単な説明】
【図1】急速充電電池用充電システムの説明図
【図2】急速充電電池の過充電時電圧と電池温度の説明図
【図3】充電時間と放電量の関係の説明図
【符号の説明】
1・・・充電処理装置
11・・充電装置
12・・測定表示装置
13・・料金徴収装置
2・・・充電情報センター
21・・データベース
22・・管理装置
23・・課金装置
3・・・通信網
31・・喫茶店
32・・駅
33・・電車
【産業上の利用分野】
本発明は、携帯電話、パソコン、PDA、電動アシスト付き自転車、電気自動車、電動バイク、MDプレーヤー、CDプレーヤー、MP3プレヤーなどの携帯用音楽再生装置、デジタルカメラ、ビデオカメラ、ポータブルラジオ、ポータブルテレビなど種々の機器の電源として使用される急速充電電池を充電する充電システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、充電電池は、特性が異なるため、充電電池ごとに適合する充電装置を持つ必要がある。そのため、外出して充電電池を使用する場合、充電装置を持ち歩く必要がある。しかも、充電電池の充電時間は、リチウム二次電池の場合、1.5時間〜2.5時間からかかり、高速充電でも1時間を要している。そのため、外出先で充電することは、現実的に不可能である。また、充電装置は、主に個人が、充電電池ごとに充電装置を持つため、多数の充電装置を持つようになっている。
【0003】
【本発明の目的】
<イ>本発明は、急速充電が可能な充電電池を充電するための充電システムを提供することにある。
<ロ>また、本発明は、充電電池の充電を公衆の場所で行えるようにすることにある。
【0004】
【問題を解決するための手段】
本発明は、公衆の場所で急速充電電池を充電する急速充電電池用充電システムにおいて、急速充電電池用の充電装置と、急速充電電池の劣化状態を測定し、表示する測定表示装置と、充電料金を徴収する料金徴収装置とを備え、急速充電電池の劣化状態を表示することを特徴とする、急速充電電池用充電システムにある(第1発明)。
本発明は、また、公衆の場所で急速充電電池を充電する急速充電電池用充電システムにおいて、急速充電電池用の充電装置と、急速充電電池の劣化状態と充電レベルを測定し、表示する測定表示装置とを有する充電処理装置と、ユーザ情報を格納したデータベースと課金装置とを有する充電情報センターとを備え、ユーザが充電処理装置を使用すると、充電処理装置と充電情報センターとで通信網を介して通信が行われることを特徴とする、急速充電電池用充電システムにある(第2発明)。
本発明は、また、前記第2発明の急速充電電池用充電システムにおいて、充電情報センターは、ユーザの急速充電電池の劣化状態を管理する管理装置を備え、管理装置は、急速充電電池の劣化状態が所定のレベル以下になると、充電処理装置を介して報知することを特徴とする、急速充電電池用充電システムにある(第3発明)。
本発明は、また、前記第1発明又は第2発明の急速充電電池用充電システムにおいて、急速充電電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出する正極ならびに負極と、リチウム塩および有機溶媒を含有する非水電解液とを有する非水電解質二次電池であることを特徴とする、急速充電電池用充電システムにある(第4発明)。
本発明は、また、前記第4発明の急速充電電池用充電システムにおいて、急速充電電池は、充電反応が完了した後、急速充電電池に充電電流が流れた時、電子の移動だけを起こして、電極活物質自体を変化させない機能を有することを特徴とする、急速充電電池用充電システムにある(第5発明)。
本発明は、また、前記第5発明の急速充電電池用充電システムにおいて、電解液が、正極で酸化される物質を含み、該物質が正極でリチウム放出反応とは異なる酸化反応を起こす非水電解質二次電池であることを特徴とする、急速充電電池用充電システムにある(第6発明)。
本発明は、また、前記第6発明の急速充電電池用充電システムにおいて、電解液が、正極で酸化される物質を含み、該物質が正極でリチウム放出反応とは異なる酸化反応を起こすとともに、負極でリチウムの吸蔵反応とは異なる還元反応が生じる非水電解質二次電池であることを特徴とする、急速充電電池用充電システムにある(第7発明)。
本発明は、また、前記第4発明の急速充電電池用充電システムにおいて、充電装置は、電流値(Xアンペア、X≧0A)および充電時間(t秒、t≠0秒)が規定された充電パターン(P)をP1〔X1,t1〕→P2〔X2,t2〕→P3〔X3,t3〕……→Pn〔Xn,tn〕→Pn+1〔Xn+1,tn+1〕(ここで、nは1以上の整数を示す)と種々組み合わせて充電する場合に、連続する充電パターン(P)の電流値(Xアンペア)が互いに異なるようにしたことを特徴とする急速充電電池用充電システム(第8発明)。
本発明は、また、前記第8発明の急速充電電池用充電システムにおいて、充電装置は、直流定電流充電および/または定電圧充電とを複合したことを特徴とする急速充電電池用充電システムである(第9発明)。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0006】
<イ>急速充電電池用充電システム
急速充電電池用充電システムは、急速充電が可能な電池の利用を助けるものであり、外出先でも簡単に迅速に充電できるシステムである。急速充電電池用充電システムは、コンビニエンスストア、ショッピングセンター、駅、電車、喫茶店、イベントホール、コンサートホール、スタジアム、レストラン、遊園地など公衆の場所に配置される充電処理装置を備えている。また、急速充電電池用充電システムは、例えば図1に示すように、充電情報センター2を備え、喫茶店31、駅32、電車33などの公衆の場所に配置されている充電処理装置1と通信網3を介して通信が可能になっている。急速充電電池は、10分程度以内、好ましくは5分以内に電池容量の60%以上、好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上、充電可能な電池であり、殆ど待つことなく迅速に充電が可能である。そのため、充電処理装置1を公衆の場所に多数設置することにより、外出先でも電池切れを心配することなく、急速充電電池を使用することができる。このように、多数の場所に充電処理装置1を設置することにより、家庭で充電装置を購入する必要がなくなり、充電電池毎に規格が異なる充電装置を保有する必要がなくなる。そのため、外出先で電池が切れても、すぐに充電でき、また、充電器を持ち運ぶ必要もない。なお、本発明において公衆の場所とは、入場料金など金銭の支払いの有無に係わらず、誰でも利用できる場所を言う。
【0007】
<ロ>充電処理装置
充電処理装置1は、公衆の場所などに多数設置されるものであり、充電装置11を備えており、必要に応じて、測定表示装置12や料金徴収装置13を備えている。充電装置11は、急速充電電池を急速に充電する装置であり、ほぼ10分以内、好ましくは5分以内に、電池容量の60%以上、好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上を充電できる装置である。
【0008】
測定表示装置12は、急速充電電池の充電状態および急速充電電池の劣化状態を測定する装置であり、急速充電電池の充電状態および劣化状態を表示してユーザに報知することができる。電池の劣化状態が所定レベル以下の場合、充電を停止する。測定表示装置12は、充電装置で充電中に劣化状態を測定し、且つ充電前の電池に入っている電気量および充電後の電気量を測定することができる。急速充電電池のユーザは、現在の電池内の電気量を知ることが出来、電池が使用不能になる前に劣化状態を知ることができるので、安心して電池を使用することができる。
【0009】
料金徴収装置13は、充電処理装置1の使用料を払うものである。使用料は、充電に使用した電気量あるいはエネルギー量に比例したり、また、使用毎の定額制とする。又は、料金徴収装置13は、充電情報センター2と通信を行い、ユーザが会員として登録されているか、また、料金契約が1ヶ月とか半年とかの定額契約の有無を調べ、料金の徴収の判断を行うこともできる。
【0010】
<ハ>充電情報センター
充電情報センター2は、充電処理装置1と通信網3を介して通信を行い、例えば急速充電電池の管理や充電処理装置1の使用料の課金などを行うことができる。充電情報センター2には、急速充電電池のユーザを会員として登録する。会員登録は、ユーザが機器購入時、電池購入時など、登録申込みにより行われる。充電情報センター2には、会員名、使用している電池の種類などを記憶するデータベース21を備えている。
【0011】
データベース21は、例えば表1のように、電池の会員名、住所、電話番号、識別番号、ID、パスワード、機器毎にIPアドレスが割り振られている場合は、そのIPアドレス、使用している電池の種類と番号、電池の劣化状態、及び、課金方法のデータを備えている。同一の会員が複数の急速充電電池を使用していると、電池の番号ごとに管理できる。
【0012】
【表1】
【0013】
会員が充電処理装置1を利用すると、通信網3を介して充電情報センター2と通信が行われる。管理装置22は、会員名、電池の種類・番号、測定表示装置12で測定した電池の劣化状態を受信し、データベース21の所定の欄に記憶する。管理装置22は、電池の劣化状態が所定レベル以下の場合、測定表示装置12に劣化状態を通知してユーザに報知することもできる。また、充電を停止するトリガ信号を充電装置11に報知して充電を停止することもできる。このように、電池を集中的に管理するので、会員にとっても安心して電池を使用できる。また、電池メーカも、電池の問題点を容易に把握でき、電池の改良につなげることができる。
【0014】
課金装置23は、料金徴収装置13と情報の交換を行ったり、又は料金徴収装置13に代わることもできる。課金装置23は、従量制と定額制などに対応する課金システムを持つことができ、従量制の場合、充電処理装置1から携帯電話番号、クレジットカード、IPアドレス、電子マネーなどの情報を受け、自動的に課金することができる。また、定額制の場合、会員に対して一定期間ごとに定額料金を徴収する。また、課金装置23は、必要に応じて、料金徴収装置13とデータの交換をする。課金装置23は、例えば「料金算出」の変数を料金徴収装置13に送り、充電料を変更することもできる。
【0015】
<ニ>充電処理装置の使用
急速充電電池並びにその電池を搭載している機器などを所有している人は、公衆の場所に設置された充電処理装置1を使用して急速充電電池を充電する。急速充電が可能なので、例えば、買い物に電動アシスト自転車で出かけ、買い物している間に充電することができる。充電処理装置は、料金徴収装置によりその場で徴収したり、又は、会員の場合、通信網で充電情報センターに接続し、充電分だけ、銀行口座などから引き落としたり、また、定額制で前もって徴収したりする。
【0016】
<ホ>急速充電電池
急速充電電池は、急速に充電できる電池であれば、特に制限されるものではない。急速充電電池は、例えば、充電反応が完了した後、急速充電電池に充電電流が流れた時、電子の移動だけを起こして、電極活物質自体を変化させない機能を有する。急速充電電池は、電池容量の100%以上の充電率まで過充電された場合でも電池電圧を所定範囲に保持し、保護回路を用いなくとも非水電解質二次電池の安全性が維持できるものである。そのために、Li0.5CoO2から、さらにLiを引き抜く反応に供与される電気エネルギーを別の再結合可能な反応に利用することにより、Li<0.3CoO2の生成を抑制し、非水電解質二次電池の暴走反応を抑止する。そのため、所定の物質を電解質に添加することで、過充電時の電気エネルギーが該物質の電極酸化に消費され、さらに、酸化によって生成した物質が負極にて還元される循環反応機構が効率的に機能し、Li<0.3CoO2の生成を抑制することができる。
【0017】
急速充電電池は、図2に示されるように、定格容量に対して過剰に充電しても、電池電圧の上昇を抑制でき、しかも、電池表面の温度の上昇も抑制できる(詳しくは、特願2002−157191参照)。
【0018】
急速充電電池は、具体的には、リチウムイオンを吸蔵・放出する材料およびバインダーポリマーを含んでなる正極ならびに負極と、これらの正負両極を隔離する1枚以上のセパレータと、リチウム塩および有機溶媒を含有する非水電解液とを含み、前記電解液が、電池電圧4.1〜5.2Vの電位間において前記正極で酸化される物質を含み、該物質が正極でリチウム放出反応とは異なる酸化反応を起こす非水電解質二次電池である(急速充電電池1)。
【0019】
また、急速充電電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出する材料およびバインダーポリマーを含んでなる正極ならびに負極と、これらの正負両極を隔離する1枚以上のセパレータと、リチウム塩および有機溶媒を含有する非水電解液とを含み、前記電解液が、電池電圧4.1〜5.2Vの電位間において前記正極で電極酸化される物質を含み、該物質が前記正極でリチウム放出反応とは異なる酸化反応を起こすとともに、前記負極でリチウムの吸蔵反応とは異なる還元反応が生じる非水電解質二次電池である(急速充電電池2)。
【0020】
また、急速充電電池は、前記2つの非水電解質二次電池において、前記電極酸化により酸素および/または二酸化炭素が発生し、該酸素および/または二酸化炭素が、前記負極上で微量に生じたリチウム金属をLi2Oおよび/またはLi2CO3に酸化させるものである(急速充電電池3)。
【0021】
また、急速充電電池は、上記非水電解質二次電池において、前記Li2CO3および/またはLi2Oが、前記負極で金属リチウムおよび/またはリチウムイオンに還元されるものである(急速充電電池4)。
【0022】
急速充電電池において、定格容量とは、非水電解質二次電池を所定の充電電圧まで、0.2Cで定電流定電圧充電を行い、その後、所定の放電終止電圧まで、0.2Cで定電流放電した場合の放電容量をいい、例えば、正極にLiCoO2、負極に易黒鉛化炭素材料を原料とするグラファイトを用いたリチウムイオン電池の場合、充電電圧は4.2V、放電終止電圧は2.7Vである。この正極での酸化反応は、電池電圧4.1〜5.2Vで起こるものであるが、4.1V未満での酸化反応が起こると、定格容量が得られない虞があり、一方、5.2Vを超えると、電池が、破裂する、発熱する可能性があり、より好ましい電池電圧は、4.2〜4.8Vである。
【0023】
別の観点からは、上記正極での酸化反応は、定格容量の100%充電率以上で生じるものであるが、特に、150%充電率以上で上記酸化反応が生じることが好ましい。
【0024】
より具体的には、上記電極酸化が参照極AlOxに対して1.40〜1.60Vの範囲で起こることが好ましく、1.40V未満では、上記電極酸化反応が、LiCoO2→Li0.5CoO2の充電反応と同時、またはそれ以前で生じ、定格容量が得られないという虞があり、1.60Vを超えると、上記電極酸化反応が起こる前に、Li0.5CoO2→Li<0.3CoO2の反応が生じ、正極活物質の可逆性が失われ、不安定な高酸化物が生成し、電池が暴走する可能性がある。
【0025】
また、標準水素電位(SHE)を基準とした場合は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネートおよびジエチルカーボネートから選ばれる1種または2種以上の有機溶媒中、298.15K,101.325Paの常温常圧条件下で、標準水素電位(SHE)に対して1.05〜1.61Vの範囲で電極酸化が起こることが好ましい。
【0026】
この場合にも、1.05V未満では、上記電極酸化反応が、LiCoO2→Li0.5CoO2の充電反応と同時、またはそれ以前で生じ、定格容量が得られない虞があり、1.61Vを超えると、上記電極酸化反応が起こる前に、Li0.5CoO2→Li<0.3CoO2の反応が生じ、正極活物質の可逆性が失われ、不安定な高酸化物が生成し、電池が暴走する可能性がある。これらの点を考慮すると、1.40〜1.60Vの範囲で電極酸化が起こることが好ましい。
【0027】
また、電池の表面温度としては、上記問題が生じない程度であれば限定はないが、表面温度が120℃以上になると、電池が熱暴走する可能性が高くなるため、過充電時の電池の表面温度は120℃未満とすることが好ましく、より好ましくは90℃未満、さらに好ましくは70℃未満である。
【0028】
さらに、正極での酸化反応後に、負極においてリチウムの吸蔵反応とは異なる還元反応が生じることが好ましい。このような正極での酸化反応および負極での還元反応の種類については、特に限定されるものではないが、具体例を挙げると、電極酸化により酸素および/または二酸化炭素が発生し、該酸素および/または二酸化炭素が、前記負極上で微量に生じたリチウム金属をLi2Oおよび/またはLi2CO3に酸化させ、さらに、充電時に供給される電気エネルギーにより、上記Li2CO3および/またはLi2Oが、負極で金属リチウムおよび/またはリチウムイオンに電極還元されることが好ましい。
【0029】
このように電極酸化により生じた酸素、二酸化炭素により、電荷移動を伴わないでリチウムを酸化した後、これを電極還元し、この電極還元により生じた物質をさらに電極酸化するという循環反応系を確立することにより、過充電時に供給される電気エネルギーがこの循環反応に消費され、電池電圧の上昇等を効率的に防止することができる。
【0030】
一方、過充電時に電池電圧の上昇を防止することができたとしても、この間に電極が不可逆反応を受ける等により劣化すれば、電池として機能しなくなる可能性が高くなる。このため、25℃で正極の理論容量に対する充電電流率、かつ、1.00C以下の電流で充電を行う際、下記式の充電率L%まで正極および負極の劣化が生じないことが好ましい。
充電率L(%)=(理論容量)×5×(充電電流率C)−0.5×100
なお、上記理論容量は、LiCoO2を正極活物質として用いた場合、
LiCoO2→0.5Li++Li0.5CoO2+0.5e−
に相当する電気容量を示す。
【0031】
非水電解質二次電池に用いられるセパレータとしては、電極反応により電池電圧を4.1〜5.2Vに制御可能であれば、特に限定されるものではないが、空孔率40%以上のものを用いることが好ましい。ここで空孔率が40%未満であると、電解質中の物質が正負極間をスムーズに移動できなくなり、上述した循環反応の進行が妨げられる虞がある。したがって、空孔率は正負極間を隔離できる限度において、できるだけ高いものが好ましく、特に60%以上であることが好ましい。また、セパレータの材質も特に限定はないが、セルロース、ポリプロピレン、ポリエチレンおよびポリエステルのいずれか1種以上を含んでなるものが好ましく、この場合にも空孔率は60%以上であることが好ましい。
【0032】
非水電解質二次電池の非水電解液は、リチウム塩と有機溶媒とを含んで構成されるものである。ここで、リチウム塩としては、リチウム二次電池、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池に使用できるものであれば特に限定はなく、例えば、4フッ化硼酸リチウム,6フッ化リン酸リチウム,過塩素酸リチウム,トリフルオロメタンスルホン酸リチウム,下記一般式(1)で示されるスルホニルイミドのリチウム塩,下記一般式(2)で示されるスルホニルメチドのリチウム塩,酢酸リチウム,トリフルオロ酢酸リチウム,安息香酸リチウム,p−トルエンスルホン酸リチウム,硝酸リチウム,臭化リチウム,ヨウ化リチウム,4フェニル硼酸リチウム等のリチウム塩が挙げられる。
【0033】
<ヘ>充電装置
急速充電電池の充電装置は、特に制限されるものではないが、好ましくは、高レートでロスの少ない効率的な充電が可能であり、高速充電が可能であるとともに、電池のサイクル寿命および過充電時の安全性の向上を得るものが使用できる。即ち、急速充電電池の充電装置は、連続する充電パターンの電流値が異なるように設定された所定の直流電流パターン充電を行うことにより、特に、この場合に、少なくとも1つのパターンの電流値を1C以上とすることにより、電気エネルギーが効率よく化学反応に使用されるために充電の際のエネルギー利用率および充電効率が向上し、満充電までの時間を短縮できる。この充電の際、電極および電極活物質上に形成された不動態層を破壊し、充放電サイクル寿命を向上することができる(詳しくは、特願2002−157259参照)。
【0034】
ある特定の急速充電電池の充電装置は、リチウムを吸蔵・放出する材料およびバインダーポリマーを含んでなる正極ならびに負極と、これらの正負極間を隔離する少なくとも一枚のセパレータと、リチウム塩を含有する非水電解質とを含んで構成される非水電解質二次電池の急速充電電池を、電流値(Xアンペア、X≧0A)および充電時間(t秒、t≠0秒)が規定された充電パターン(P)をP1〔X1,t1〕→P2〔X2,t2〕→P3〔X3,t3〕・・・→Pn〔Xn,tn〕→Pn+1〔Xn+1,tn+1〕(ここで、nは1以上の整数を示す)と種々組み合わせて充電する場合に、連続する前記充電パターン(P)の電流値(Xアンペア)が互いに異なるようにしてある(充電装置1)。
【0035】
急速充電電池の充電装置は、また、前記充電パターンPn〔Xn,tn〕の電流値Xnが1C(1時間率)以上であるとともに、前記充電パターンPn+1〔Xn+1,tn+1〕(ここで、各nは1以上の整数を示す)の電流値Xn+1が0≦Xn+1<Xnを満たすことを特徴とする上記充電装置1の急速充電電池の充電装置(充電装置2)。
【0036】
急速充電電池の充電装置は、また、前記充電パターンPn〔Xn,tn〕の電流値Xnが3C(0.33時間率)以上であるとともに、前記充電パターンPn+1〔Xn+1,tn+1〕(ここで、各nは1以上の整数を示す)の電流値Xn+1が0≦Xn+1<Xnを満たすことを特徴とする上記充電装置1または2の急速充電電池の充電装置(充電装置3)。
【0037】
急速充電電池の充電装置は、また、前記充電パターンPn〔Xn,tn〕(ここで、nは1以上の整数を示す)の充電時間tnが1秒以下であることを特徴とする充電装置1〜3のいずれか1の急速充電電池の充電装置(充電装置4)。
【0038】
急速充電電池の充電装置は、また、直流定電流充電および/または定電圧充電とを複合したことを特徴とする充電装置1〜4のいずれか1の急速充電電池の充電装置(充電装置5)。
【0039】
急速充電電池の充電装置は、また、リチウムイオンを吸蔵・放出する材料およびバインダーポリマーを含んでなる正極ならびに負極と、これらの正負両極を隔離する1枚以上のセパレータと、リチウム塩および有機溶媒を含有する非水電解液とを含んで構成され、前記電解液が、電池電圧4.1〜5.2Vの電位間において前記正極で酸化される物質を含み、該物質が正極でリチウム放出反応とは異なる酸化反応を起こすものを用いることを特徴とする充電装置1〜5のいずれか1の急速充電電池の充電装置(充電装置6)。
【0040】
急速充電電池の充電装置は、また、リチウムイオンを吸蔵・放出する材料およびバインダーポリマーを含んでなる正極ならびに負極と、これらの正負両極を隔離する1枚以上のセパレータと、リチウム塩および有機溶媒を含有する非水電解液とを含んで構成され、前記電解液が、電池電圧4.1〜5.2Vの電位間において前記正極で電極酸化される物質を含み、該物質が前記正極でリチウム放出反応とは異なる酸化反応を起こすとともに、前記負極でリチウムの吸蔵反応とは異なる還元反応が生じるものを用いることを特徴とする充電装置1〜6のいずれか1の急速充電電池の充電装置(充電装置7)。
【0041】
急速充電電池の充電装置についてさらに詳しく説明する。充電装置は、リチウムを吸蔵・放出する材料およびバインダーポリマーを含んでなる正極ならびに負極と、これらの正負極間を隔離する少なくとも一枚のセパレータと、リチウム塩を含有する非水電解質とを含んで構成される急速充電電池を、電流値(Xアンペア、X≧0A)および充電時間(t秒、t≠0秒)が規定された充電パターン(P)をP1〔X1,t1〕→P2〔X2,t2〕→P3〔X3,t3〕……→Pn〔Xn,tn〕→Pn+1〔Xn+1,tn+1〕(ここで、nは1以上の整数を示す)と種々組み合わせて充電する場合に、連続する充電パターン(P)の電流値(Xアンペア)が互いに異なることを特徴とするものである。つまり、Pn、Pn+1、Pn+2の電流値Xアンペアである、Xn、Xn+1、Xn+2の関係は、Xn≠Xn+1、Xn+1≠Xn+2とする。
【0042】
一方、連続しないXn、Xn+2の関係は、Xn=Xn+2でもXn≠Xn+2のいずれでもよい。これらの電流値の大小関係は、特に限定されるものではないが、大きな電流値Xnで充電を行い、電極および電極活物質上に形成された不動態層を破壊する際、電極および電極活物質に大きなエネルギーが与えられ、微視的には電極および電極活物質が高温となると考えられるため、次の充電パターンの電流値Xn+1をXnよりも小さく設定し、先の充電による発熱を緩和させるという点から、Xn>Xn+1であることが好ましい。なお、それぞれの充電パターンPnの充電時間tnは、0秒以外である。
【0043】
二次電池の充電レベルは、任意であり、0〜100%のどのレベルでもよい。充電電流量を設定する場合、電池の容量が判っていなければならないが、例えば、電池の容量が2Ahの場合なら、1時間で充電、または放電できる電流量、すなわち、2Aが1Cの電流値となる。ここで、上記充電パターンPnにおける電流値Xnは、1C以上であることが好ましく、充電効率を高め、満充電までの時間を短縮するとともに、電極表面、電極活物質表面等に形成された不動態層を破壊して電池のサイクル寿命を向上させるという点から、3C以上、特に、5C以上であることが好ましい。なお、充電電流値の上限は、特に限定されないが、通常、10〜30C程度である。
【0044】
特に、充電パターンPnにおける充電電流値Xnが3C以上であるとともに、充電パターンPn+1における充電電流値Xn+1が0Aであることが好ましい。このように、充電電流値Xn+1を0Aとしてパルス型充電を行うことで、非水電解質二次電池の電圧の過剰な上昇を防止しつつ、エネルギー効率のよい充電が可能となり、その結果、満充電までの時間をより一層短縮することもできる。
【0045】
さらに、上記充電パターンPnにおける充電電流値Xnが1C以上であるとともに、充電パターンPn+1における充電電流値Xn+1が0Aであるパルス型の充電を行う際には、充電時に電池電圧が3.0V、特に4.2Vを超えることが好ましい。実際、設定した充電電流値Xnによっては、10V付近まで電池電圧が上昇する場合もあるが、その後に、Xn+1が0Aという充電休止状態にすることで、電池電圧の過剰な上昇を抑制することができる。したがって、従来の充電方法のように定格満充電電圧、多くは4.2Vを超えないように厳密に制御する必要性が少ないだけでなく、電流値Xnとして大きな電流を用い、エネルギー効率のよい充電が可能となり、結果的に満充電までの時間を短縮することができる。なお、充電→休止→充電の間欠充電も好適に用いることができる。
【0046】
また、上記充電パターンPnにおける充電時間tnは、特に限定されるものではないが、10秒以下、特に、1.0m秒から10秒が好ましく、より好ましくは、1.0m秒から1秒である。すなわち、本発明では、まず充電時の電流を高くして、電極表面等の不動態層を破壊し、次いで、この不動態層が破壊された電池に対して充電を行うことが好ましく、これによりエネルギー効率の一層高い充電が可能になるとともに、不動態層の除去により、活物質が活性化され、サイクル寿命の向上を図ることができるものである。しかしながら、この不動態層を破壊する際には、電池電圧が大きく上昇するので、そのまま充電を続ければ、不動態層を破壊するのみならず、活物質、電極および電解質等をも破壊する虞がある。そして、この不動態層破壊の際の充電時間tnを長くしたところで、不動態層を破壊する効果は時間とともに減衰し、大幅な効果の増大は望めない一方で、tnを長くすれば、上述のように、電池電圧の過剰な上昇を招くこととなる。このような点から、各充電パターンPnにおける充電時間tnは、上記の範囲であることが好ましく、少なくとも不動態層を破壊するほどの大きな充電電流で充電する際のtnは、1秒以下に設定することが好ましい。
【0047】
また、通常、二次電池は、数百回から500回程度の繰り返し充放電をして用いられるものであるが、この場合に、上述した充電装置の充電方法(以下、直流パターン充電方法という)を各充電サイクル時に毎回行うことができることはもちろんであるが、上記直流パターン充電方法と従来より行われている定電流充電および/または定電圧充電とを複合して用いることもできる。
【0048】
このように各充電方法を複合して用いる場合、その複合の仕方は特に限定されるものではないが、上記直流パターン充電を、予め設定したサイクル毎に行う方法、例えば、基本的には定電流・定電圧充電を行い、50サイクルに1回直流パターン充電を行う方法、として用いることができる。このような複合方法を用いることで、直流パターン充電を行う際に、電極活物質等に生じた不動態層を破壊し、活物質を再活性化させることができ、効率のよい充電が可能になる上、電池のサイクル寿命を延ばすことができる。
【0049】
また、一回の充電サイクルにおいて、上記直流パターン充電と定電流充電および/または定電圧充電とを複合させることもでき、例えば、所定の電池容量までは、直流パターン充電を行い、その後、定電流・定電圧充電に切り替える方法を採用してもよく、さらに、このような1サイクル中で各充電方法を複合させて用いる方法を、上述のように予め設定された各充電サイクル毎に行ってもよい。
【0050】
この場合、特に、充電開始時に上記直流パターン充電を行って、電極活物質等に生じた不動態層を破壊し、続いて、定電流・定電圧充電に切り替える方法を用いることで、充電効率の向上を図りつつ、電池のサイクル寿命を向上させることができる。また、充電効率のよい直流パターン充電を併用することで、定電流・定電圧充電のみで充電する場合よりも、満充電までの時間を短縮することもできる。
【0051】
上述した直流パターン充電は、リチウムを吸蔵・放出する材料およびバインダーポリマーを含んでなる正極ならびに負極と、これらの正負極間を隔離する少なくとも一枚のセパレータと、リチウム塩を含有する非水電解質とを含んで構成される非水電解質二次電池の充電方法として広く用いることができるが、特に、電解液に、電池電圧4.1〜5.2Vの電位間において正極で酸化される物質を含有させ、該物質が正極でリチウム放出反応とは異なる酸化反応を起こすもの、好ましくは、さらに、負極でリチウムの吸蔵反応とは異なる還元反応が生じる非水電解質二次電池に好適に用いることができる。
【0052】
すなわち、当該二次電池は、満充電以上に充電した場合であっても、電池電圧の過剰な上昇を招来しないので、上記直流パターン充電を行う際に、電池電圧の上昇を通常の二次電池ほど気にすることなく、より高い電流値Xn(A)で充電できるため、充電のエネルギー効率をより一層向上できる結果、通常の二次電池よりも高速充電が可能となるとともに、サイクル寿命の向上をより一層図ることができる。
【0053】
このような過充電特性に優れた二次電池は、電解液に添加した電極酸化される物質が、酸化還元循環反応を引き起こし、過充電時の電気エネルギーを消費することで、過剰な電池電圧の上昇又は充電状態の上昇を防止するものである。
【0054】
しかしながら、正極および負極で生じる酸化還元循環反応も、電極や電極活物質上に上述した不動態層が形成されると、著しく反応活性が低下する場合がある。
【0055】
例えば、満充電に近い状態で、電池を一定時間放置し、再び、充電,過充電を行うと、酸化還元反応が円滑に進行せず、過充電域で電池電圧が上昇する現象が見られることがある。
【0056】
これは、不動態層によって酸化還元循環反応が円滑に進行しないためであると考えられるが、この場合にも、本発明の直流電流パターン充電を行うことで、上記問題を解決することができる。
【0057】
すなわち、上記過充電特性に優れた二次電池を、満充電に近い状態、例えば、充電率60%程度以上、電池電圧で3.8V程度以上まで充電した後、一定時間、例えば、15〜30時間放置した後に、再び充電を行う際には、少なくとも再充電開始時に、上記直流パターン充電方法により充電を行うことが、安全性の向上を図る点から、好ましい。
【0058】
上記過充電特性に優れた非水電解質二次電池において、電極酸化反応は、定格容量の100%充電率以上で生じればよいが、電池の定格容量を確保し、かつ、活物質の可逆性が失われないように電極酸化反応を生じさせるという点を考慮すると、特に、150%充電率以上で電極酸化反応が生じることが好ましい。
【0059】
以下、急速充電電池の実施例を説明する。
【0060】
<イ>熱可塑性ポリウレタン系樹脂の合成[合成例1]
撹拌機、温度計および冷却管を備えた反応器に、予め加熱脱水したポリカプロラクトンジオール(プラクセル220N、ダイセル化学工業(株)製)64.34重量部と、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート28.57重量部とを仕込み、窒素気流下、120℃で2時間撹拌・混合した後、1,4−ブタンジオール7.09重量部を加えて、同様に窒素気流下、120℃にて反応させた。反応が進行し、反応物がゴム状になった時点で反応を停止した。その後、反応物を反応器から取り出し、100℃で12時間加熱し、赤外線吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収ピークが消滅したのを確認した後加熱を止め、固体状のポリウレタン樹脂を得た。
【0061】
得られたポリウレタン樹脂の重量平均分子量(Mw)は1.71×105であった。このポリウレタン樹脂8重量部をN−メチル−2−ピロリドン92重量部に溶解することによって、ポリウレタン樹脂溶液を得た。
【0062】
<ロ>ポリビニルアルコール誘導体の合成[合成例2]
撹拌羽根を装着した反応容器にポリビニルアルコール(平均重合度500,ビニルアルコール分率=98%以上)3重量部と、1,4−ジオキサン20重量部と、アクリロニトリル14重量部とを仕込み、撹拌下で水酸化ナトリウム0.16重量部を水1重量部に溶解した水溶液を徐々に加え、25℃で10時間撹拌した。
次に、イオン交換樹脂(商品名;アンバーライト IRC−76,オルガノ株式会社製)を用いて中和した。イオン交換樹脂を濾別した後、溶液に50重量部のアセトンを加えて不溶物を濾別した。アセトン溶液を透析膜チューブに入れ、流水で透析した。透析膜チューブ内に沈殿するポリマーを集めて、再びアセトンに溶解して濾過し、アセトンを蒸発させてシアノエチル化された合成例1のPVA誘導体を得た。
【0063】
得られたポリマー誘導体は、赤外吸収スペクトルにおける水酸基の吸収は確認できず、水酸基が完全にシアノエチル基で封鎖されている(封鎖率100%)ことが確認できた。
【0064】
得られたPVAポリマー3重量部をジオキサン20重量部とアクリロニトリル14重量部に混合した。この混合溶液に水酸化ナトリウム0.16重量部を1重量部の水に溶解した水酸化ナトリウム水溶液を加えて、25℃で10時間撹拌した。
【0065】
次に、イオン交換樹脂(商品名;アンバーライト IRC−76,オルガノ(株)製)を用いて中和した。イオン交換樹脂を濾別した後、溶液に50重量部のアセトンを加えて不溶物を濾別した。濾過後のアセトン溶液を透析膜チューブに入れ、流水で透析し、透析膜チューブ内に沈殿するポリマーを集めて、再びアセトンに溶解して濾過し、アセトンを蒸発させてシアノエチル化されたPVAポリマー誘導体を得た。
【0066】
得られたポリマー誘導体は、赤外吸収スペクトルにおける水酸基の吸収は確認できず、水酸基が完全にシアノエチル基で封鎖されている(封鎖率100%)ことが確認できた。
【0067】
<ハ>正極の作製
正極活物質であるLiCoO2(正同化学(株)製)、導電材であるケッチェンブラックEC(ライオン(株)製)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF1300、呉羽化学(株)製)、合成例1のポリウレタン(PU)を、それぞれ質量配合比100.0:4.35:4.13:2.72の比率で混合し、さらに1−メチル−2−ピロリドン(NMP、LiCoO2100に対して質量比56.74)(和光純薬工業(株)製)に溶解し、分散・混合させてスラリーを作製した。このスラリーをアルミシート(厚さ0.020mm、日本製箔(株)製)に塗布した後、乾燥、圧延して50.0mm(内、塗布部:40.0mm)×20.0mmおよび50.0×270.0mmに裁断し、正極を得た。なお、質量0.280g、厚み0.080mmの電極を選別して使用した。
【0068】
<ニ>負極の作製
負極活物質であるMCMB(大阪ガスケミカル(株)製)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF900、呉羽化学(株)製)を、それぞれ質量配合比100.0:8.70の比率で混合し、さらにNMP(MCMB100に対して質量比121.7)に溶解し、分散・混合させてスラリーを作製した。このスラリーを銅箔(厚さ0.010mm、日本製箔(株)製)に塗布した後、乾燥、圧延して50.0mm(内、塗布部:40.0mm)×20.0mmに裁断し、負極を得た。
【0069】
<ホ>電極群の作製
セルロースセパレータ(厚さ0.035mm、TF40−35、日本高度紙工業(株)製)を54.0×22.0mmに裁断したもの2枚を介して上述の正極2枚、負極2枚を組み、電極群を得た。
【0070】
<ヘ>電解質溶液の作製
LiPF6(キシダ化学(株)製、1.0Mエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート=1/1溶液)から、LiPF6の1.0M溶液(エチレンカーボネート(EC):ジエチルカーボネート(DEC):プロピレンカーボネート(PC):ビニレンカーボネート(VC)=100.0:157.1:28.57:2.857(質量比))を調製した。続いて、この溶液中のECの質量100に対して合成例2のポリビニルアルコール誘導体を1.00、NKエステル M−20G(モノメタクリレート),NKエステル 9G(ジメタクリレート),NKエステル TMPT(トリメタクリレート)(いずれも、新中村化学工業(株)製)をそれぞれ9.358,13.09,1.100、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)製)を1.778添加し、撹拌・混合して非水電解液を得た。
【0071】
<ト>急速充電電池の作製
上記のように作製した電極群の外径長を測定し、計算による体積に対して等しい容量(100.0vol%)の上記電解質溶液を注液した後、約76Torrに減圧し、ラミネートパッキングして、非水電解質二次電池を得た。
【0072】
この二次電池について、電池の正極活物質のファラデー反応
LiCoO2→LixCoO2+(1−x)Li++(1−x)e−
におけるx=0.5に対応する電気容量の理論値137mAh/gより算出した上記正極活物質の容量を電池容量とし、これを充電状態100.0%とした(約36.0mAh)。
【0073】
この急速充電電池に対して初期充電として0.01Cの電流率で1.50Vまで、さらに、0.05Cの電流率で3.20Vまで充電した後、55℃で2時間、さらに80℃で30分間エージングを行い、電解質をゲル化させた。次に、設定電圧4.20V、0.10Cの電流終止で定電流−定電圧充電、休止1時間、1.00Cで3.0V終止の定電流放電、休止1時間を1サイクルとし、これを3サイクル行い、さらに、0.20Cの電流率で2.75Vまで定電流放電した時点で電池サンプルの初期状態(SOC=0%)とした。
【0074】
以下、実施例の電池の充電方法を説明する。
【0075】
<イ>充電方法
実施例で作製した二次電池について、0%充電率から、定格容量(36.0mAh)に対して、約50%、約70%、約90%の各充電率になるように、以下のパターンで充電を行った後、1時間休止し、続いて、電流率0.2C(7.2mA)で2.75Vまで定電流放電して、充電された電気量を算出した。
【0076】
<ロ>実施例1の充電方法
パターンPa:P1〔1627.2mA(45.2C)、4.0m秒〕→P2〔0A(0C)、12.0m秒〕→P1→P2→・・・という連続パターンで、約50%、約70%、90%分の電気量を充電した。90%分充電するに要した時間は、300秒(5分)であった。
【0077】
<ハ>実施例2の充電方法
パターンPa:P1〔1627.2mA(45.2C)、4.0m秒〕→P2〔0A(0C)、12.0m秒〕→P1→P2→・・・のパターンで、57.8%分の電気量を充電し、その後に、パターンPb:P3〔1548mA(43C)、2.0m秒〕→P4〔0A(0C)、8.0m秒〕→P3→P4→・・・のパターンで、23.7%分の電気量を充電し、その後に、パターンPc:P5〔1407.6mA(39.1C)、1.0m秒〕→P6〔0A(0C)、5.0m秒〕→P5→P6→・・・のパターンで、9.0%分充電した。トータルでは、90.5%分の電気量を充電した。90.5%分充電するのに要した時間は、310秒(5分10秒)であった。
【0078】
<ニ>放電特性
実施例1、実施例2の方法で充電した電池を、電流率0.2Cで(7.2mA)で2.75Vまで定電流放電して、充電された電気量を算出した。図3にその結果を示す。横軸は、充電に要した時間(秒)を示し、縦軸は、電池の定格容量に対する放電容量を百分率で示した。この結果から分かるように、実施例1では、電池容量の約50%充電するのに要した時間は、127秒で、放電できた放電容量は、47%であった。電池容量の約70%充電するのに要した時間は、200秒で、放電できた放電容量は、69%であった。電池容量の約90%充電するのに要した時間は、300秒で、放電できた放電容量は、80%であった。
【0079】
実施例2では、電池容量の約90.5%充電するのに要した時間は、310秒で、放電できた放電容量は、84%であった。
【0080】
<ホ>充電結果
実施例では、45Cから30Cという高い電流率の充電と休止という直流パターン充電を行っているため、充電効率が高まり、90%の容量に到達するまでの所要時間は約5分と急速な充電が可能であった。
【発明の効果】
本発明は、次のような効果を得ることができる。
<イ>本発明は、急速充電が可能な充電電池を充電するための充電システムを提供できる。
<ロ>また、本発明は、充電電池の充電を公衆の場所で行えるようにすることにある。
【図面の簡単な説明】
【図1】急速充電電池用充電システムの説明図
【図2】急速充電電池の過充電時電圧と電池温度の説明図
【図3】充電時間と放電量の関係の説明図
【符号の説明】
1・・・充電処理装置
11・・充電装置
12・・測定表示装置
13・・料金徴収装置
2・・・充電情報センター
21・・データベース
22・・管理装置
23・・課金装置
3・・・通信網
31・・喫茶店
32・・駅
33・・電車
Claims (3)
- 公衆の場所で急速充電電池を充電する急速充電電池用充電システムにおいて、
急速充電電池用の充電装置と、
急速充電電池の劣化状態と充電レベルを測定し、表示する測定表示装置と、
充電料金を徴収する料金徴収装置とを備え、
急速充電電池の劣化状態を表示することを特徴とする、急速充電電池用充電システム。 - 公衆の場所で急速充電電池を充電する急速充電電池用充電システムにおいて、急速充電電池用の充電装置と、急速充電電池の劣化状態と充電レベルを測定し、表示する測定表示装置とを有する充電処理装置と、
ユーザ情報を格納したデータベースと課金装置とを有する充電情報センターとを備え、
ユーザが充電処理装置を使用すると、充電処理装置と充電情報センターとで通信網を介して通信が行われることを特徴とする、急速充電電池用充電システム。 - 請求項2に記載の急速充電電池用充電システムにおいて、
充電情報センターは、ユーザの急速充電電池の劣化状態を管理する管理装置を備え、
管理装置は、急速充電電池の劣化状態が所定のレベル以下になると、充電処理装置を介して報知することを特徴とする、急速充電電池用充電システム。
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