JP2004079107A - ディスク駆動機構及びディスクドライブ装置 - Google Patents

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JP2004079107A JP2002240268A JP2002240268A JP2004079107A JP 2004079107 A JP2004079107 A JP 2004079107A JP 2002240268 A JP2002240268 A JP 2002240268A JP 2002240268 A JP2002240268 A JP 2002240268A JP 2004079107 A JP2004079107 A JP 2004079107A
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Hidenori Sai
佐井 秀範
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Abstract

【課題】高温環境下におけるディスクのセンタリング精度を向上できるディスク駆動機構及び記録、または再生の性能向上を図れるディスクドライブ装置を提供する。
【解決手段】ディスク駆動機構では、スリップ防止部材22がゴムシート24とその下面に貼り付けたPETシート23との積層構造に構成され、ゴムシート24がディスクD主面部側となるようにしてディスクテーブル本体12のディスク搭載面の外周部に貼りつけられてなる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスク駆動機構、及びディスクドライブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディスクに対して情報信号の記録、または再生を行うディスクドライブ装置においては、ディスクを回転させるディスク駆動機構を有している。
【0003】
このようなディスク駆動機構は、一般に、図6乃至図8に示すように構成されている。
【0004】
図6はディスク駆動機構の構成を示す斜視図、図7は図6の断面図、図8はディスクがディスクテーブルに支持された状態を示した断面図である。
【0005】
図6乃至図8に示すように、ディスク駆動機構は、ディスクモータ100の回転軸に取り付けられ、ディスクDを支持するためのディスクテーブル101と、このディスクテーブル101に前記ディスクDを圧接するためのディスククランパ106とを備え、前記ディスクDは、ディスクテーブル101上にて前記ディスククランパ106との間で狭持され固定されるようになっている。
【0006】
ところで、従来のディスク駆動機構は、図3及び図4に示すような構造になっている。
【0007】
図3は従来のディスク駆動機構の構成を示す断面図、図4はディスクDをディスクテーブル101とディスククランパ106によって狭持した状態の要部を示す拡大断面図である。
【0008】
図3及び図4に示すように、ディスクモータ100の回転軸100aの上端部には、ディスクテーブル101が嵌合固定されている。
【0009】
前記ディスクテーブル101のディスクテーブル本体102のディスク搭載面の外周部には、ディスクDをスリップすることなく安定した状態で保持する目的で、大きな摩擦係数を有するリング状のスリップ防止部材としての単一のゴムシート104が貼り付けられている。
【0010】
また、前記ディスクテーブル本体102の上部には、ディスクチャッキング用のマグネット105が装着されている。一方、ディスククランパ106には、吸着板107が付設されている。なお、前記ディスクDが前記ディスクテーブル101上に装着固定された状態においては、前記ディスクDの内径のばらつきを考慮して前記ディスクテーブル本体102の嵌合部と前記ディスクDの内周部との間には隙間Xが設けられるようになている。
【0011】
このように構成されたディスク駆動装置において、前記ディスクテーブル101上での前記ディスクDの装着固定は、前記ディスクテーブル本体102のマグネット105と、前記ディスククランパ106の吸着板107との間に働く磁気的な吸引力によりなされる。そして、前記ディスクモータ100の回転により、前記ディスクテーブル本体102が回転され、ディスクDが回転するようになっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のディスク駆動機構においては、次のような問題が有る。
【0013】
前記ディスクDを前記ディスクテーブル101に装着する際に、前記隙間Xが有ることから、前記ディスクDのセンタ位置を前記ディスクモータ100の回転軸100aのセンタ位置に一致させることは難しく、前記ディスクDの重心位置は前記回転軸100aのセンタ位置から一般的にずれた位置に有る。さらに、前記ディスクD自体においても重心位置が前記ディスクDのセンタに有るとは限らず、いわゆる大なり小なりの偏重心を持っている。
【0014】
こうした前記ディスクの装着状態において、前記ディスクDが記録及び再生のため回転を始めると、前記ディスクが回転することによって生ずる遠心力fが前記ディスクDの重心部に作用して、前記隙間Xの範囲以内で、前記ディスクDは前記ディスク回転軸100aのセンタから前記ディスクDの重心位置がずれた方向に前記ゴムシート104の変形歪を伴ってずれ、ディスクのセンタリング精度を低下させるという問題が有った。
【0015】
特に、60℃を超えるような高温域に達すると、前記ゴムシート104が軟化して柔らかい状態となる。従って、前記ディスクDの回転によって生ずる前記遠心力fによって、前記ゴムシート104の変形歪みが大きくなり、前記ディスクDのセンタリング精度が低下するという問題が有った。
【0016】
図5は前記ゴムシート104の変形状態を説明するための図で、図4の破線で囲んだ部分Aを拡大して示す模式図である。同図に示すように、前記遠心力fによって前記ゴムシート104が前記力fの方向にLの寸法分だけズレを生じる。
【0017】
この結果、前記ディスクモータ100の回転軸100aのセンタ位置と前記ディスクDのセンタ位置のオフセット量が大きくなり、前記ディスクDがより大きな偏心を伴って回転し、図示しないピックアップのアクチュエータ(対物レンズ)が前記ディスクDの信号トラックに追随できなくなり、ディスクドライブ装置においては、記録時においては書き込みエラー、再生時においては読み取りエラーが時として発生するため、書き込み性能、または読み取り性能が低下するという問題が有った。
【0018】
特に、ディスクに対する記録または再生スピードが高倍速になってきている昨今のディスクドライブ装置においては、市場で売られている一般的なディスクの持つ偏重心による影響が問題となってきているが、ディスクの重心位置がディスクセンタより比較的大きくずれた偏重心ディスクが使用された場合、高速回転に伴って前記ディスクDに生じる前記遠心力fも大きくなり、センタリング精度の低下はより著しくなるという問題が有った。
【0019】
また、前記ゴムシート104は、それ自体柔らかくて取り扱いが難しく、前記ディスクテーブル本体102面上に正確に貼り付け難いという問題が有った。
【0020】
さらに、ゴムシート104の製作時の厚み精度が、一般的に±0.2mm迄と限定的となるため、結果として組み立てたディスクドライブ装置間において、前記ディスクテーブル本体102面から前記ゴムシート104を介して支持されている前記ディスクDの主面部までの距離は前記公差内でバラツキを生じ、ディスクドライブ装置の記録または再生性能のバラツキの一要因ともなっている。
【0021】
そこで、上述のセンタリング精度の低下を防止するためのディスク駆動機構の一例が、特開平4−205956号公報に開示されている。ここには、前記ディスクテーブル本体のディスク搭載面外周部に、凸部を設けるとともに、この凸部を設けた位置の内側に前記ディスクのスリップを防止するためのゴムシートを付設することが記載されている。
【0022】
しかしながら、このようなディスク駆動機構においても、ゴムシートの貼り付けの作業性については依然として解決できないという問題が有った。
【0023】
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、ディスクテーブル本体には特別な加工を加えることなく、スリップ防止部材の貼り付けが容易で、しかもディスクDのセンタリング精度を向上し得るディスク駆動機構及び記録、または再生の性能向上を図れるディスクドライブ装置を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のディスク駆動機構は、ディスクを支持するためのディスクテーブルと、前記ディスクテーブルにディスクをクランプ支持するためのクランプ部材と、前記ディスクテーブルを回転させるディスクモータと、前記ディスクテーブルのディスク搭載面外周部に付設した、前記ディスクのスリップを防止するためのスリップ部材とを備えたディスク駆動機構において、前記スリップ防止部材は、弾性部材の下面にその弾性材よりも硬い部材を貼り合わせた積層構造とし、且つ前記弾性部材をディスク側に配置してなることを特徴とする。
【0025】
本発明によれば、スリップ防止部材を、弾性部材の下面にその弾性部材よりも硬い部材を貼り合わせた積層構造としているため、弾性部材の変形が小さくなり、ディスクのセンタリング精度を安定的に向上させることができる。また、硬い部材が弾性部材の機械的補強材としての機能を有するため、スリップ防止部材の取り扱いが容易で、ディスクテーブルのディスク搭載面に正確に、しかも容易に貼り付けることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0027】
図1は本発明の実施の形態に係わるディスク駆動機構の構成を示す断面図、図2はディスクDをディスクテーブルとディスククランパによって狭持した状態の要部を示す拡大断面図である。
【0028】
図1及び図2に示すように、ディスクドライブ装置におけるシャーシ(図示略)にディスクモータ10が固定されている。このディスクモータ10の回転軸10aの上端部には、円盤状のディスクテーブル11の本体12が固定されている。このディスクテーブル本体12の中央部にはディスクDのセンタ位置を決めるための凸部12aがあり、この凸部12aの上部には吸着マグネット15が取り付けられている。
【0029】
また、前記ディスクテーブル本体12の外周部上面にはディスクDをスリップすることなく安定した状態で保持する目的で、大きな摩擦係数を有するリング状のスリップ防止部材22が貼り付けられている。このスリップ部材22は、弾性部材24の下面にその弾性部材24より硬い部材23を張り合わせた積層構造となっていて、前記弾性部材24が前記ディスクDの側となるように配置されている。
【0030】
本発明においては、前記弾性部材24はゴムシートからなり、前記弾性部材より硬い部材23はPET(Polyetherene−terephthalate)からなっている。
【0031】
なお、ここでは、従来の0.4mm厚のゴムシートに対して、0.2mmのゴムシート、0.2mmのPETシートが使用されている。
【0032】
また、前記ディスククランパ16は円盤状の構造となっていて、その中央部には前記ディスクテーブル本体12の凸部12aに嵌合する凹部16aを有している。その凹部16aの上部には磁性部材からなる吸着板17が付設されている。
【0033】
このように構成されたディスク駆動機構においては、前記ディスクDは、前記ディスクDの穴を前記ディスクテーブル本体12の凸部12aに位置合わせしてディスクテーブル本体12に装着し、前記ディスクテーブル本体12と前記ディスククランパ16とで狭持され、前記マグネット15と吸着板17の磁気力によって狭持状態が保持される。 そして、前記ディスクDは、前記ディスクモータ10により回転されるようになっている。
【0034】
上記実施の形態のディスク駆動機構によれば、前記スリップ防止部材22としてのゴムシート24の変形が高温環境下においても少なくできるため、安定的にディスクのセンタリング精度が向上できる。
【0035】
また、PETシート23はゴムシート24より硬質で、機械的補強材の機能を有するため、前記スリップ防止部材22は取り扱いが容易で、前記ディスクテーブル本体12の外周部上面に正確に貼り付けることが可能となり、貼り付けミスによるロス時間の低減と作業性が向上できる。
【0036】
さらに、このようなディスク駆動機構を用いたディスクドライブ装置では、スリップ防止部材22におけるゴムシート24の変形が小さいため、記録、または再生における性能、いわゆる書き込み性能、または読み取り性能が向上できる。
【0037】
なお、上述した実施の形態では、前記ディスクテーブル11と前記ディスククランパ16とで前記ディスクDを狭持し、固定するようにしているが、前記ディスクテーブル本体12の凸部12aの上部側面に、ノート型パソコン等に搭載される薄型タイプのディスクドライブ装置に使用されているような、出入可能な爪を設け、この爪によってディスクをクランプするようにしても良い。この爪もディスクをディスクテーブルにクランプする点では同じであり、本発明のクランプ部材に含むことは勿論である。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、スリップ防止部材を、ゴムシートとこのゴムシートより硬いPETシートとの積層構造にしているため、ディスクをディスクテーブルにクランプした時のセンタリング精度、特に高温環境下におけるセンタリング精度の低下を軽減することができる。また、PETシートがゴムシートの機械的補強材として機能するため、スリップ防止部材の取り扱いが容易で、ディスクテーブルに正確に貼り付けることができるとともに、その貼り付け作業性も向上できる。
【0039】
さらに、本発明のディスク駆動機構をディスクドライブ装置に用いると、高温環境下においてもディスクのセンタリング精度の向上が得られることから、ディスクの記録、または再生時の例えば書き込みエラー、または読み取りエラーの発生の低減ができ、記録、または再生の性能向上ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わるディスク駆動機構の構成を示す断面図。
【図2】ディスクをディスクテーブルとディスククランパによって狭持した状態の要部を示す拡大断面図。
【図3】従来のディスク駆動機構の構成を示す断面図。
【図4】ディスクをディスクテーブルとディスククランパによって狭持状態の要部を示す拡大断面図。
【図5】図4における破線で囲んだ部分Aを拡大して示す模式図。
【図6】一般的なディスク駆動機構の構成を示す斜視図。
【図7】図6の断面図。
【図8】ディスクがディスクテーブルに支持された状態を示す断面図。
【符号の説明】
10、100 ディスクモータ
10a、100a ディスクモータの回転軸
11、101 ディスクテーブル
12、102 ディスクテーブル本体
12a 凸部
15、105 マグネット
16、106 ディスククランパ
16a 凹部
17、107 吸着板
22 スリップ防止部材
23 PETシート
24,104 ゴムシート
D ディスク
f 遠心力
L スリップ防止ゴムシートの変形ズレ量
X ディスクテーブルとディスクのクランプ時の隙間

Claims (3)

  1. ディスクを支持するためのディスクテーブルと、
    前記ディスクテーブルにディスクをクランプ支持するためのクランプ部材と、
    前記ディスクテーブルを回転させるディスクモータと、
    前記ディスクテーブルのディスク搭載面外周部に付設した、前記ディスクのスリップを防止するためのスリップ防止部材と
    を備えたディスク駆動機構において、前記スリップ防止部材は、弾性部材の下面にその弾性部材よりも硬い部材を貼り合わせた積層構造とし、且つ前記弾性部材をディスク側に配置してなることを特徴とするディスク駆動機構。
  2. 前記スリップ防止部材は、前記弾性部材がゴムシートからなり、前記硬い部材がPETシートからなることを特徴とする請求項1記載のディスク駆動機構。
  3. 請求項1記載のディスク駆動機構を備えたディスクドライブ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100640660B1 (ko) 2004-08-11 2006-11-01 삼성전자주식회사 하드 디스크 드라이브의 스핀들 모터와 이를 구비한 디스크조립체
KR100811180B1 (ko) 2006-10-18 2008-03-07 삼성전자주식회사 스핀들모터 조립체 및 정보 기록/재생장치

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100640660B1 (ko) 2004-08-11 2006-11-01 삼성전자주식회사 하드 디스크 드라이브의 스핀들 모터와 이를 구비한 디스크조립체
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