JPH067479Y2 - ディスク振動防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ターンテーブルとクランパとの間に挟持され
るディスクの厚さが異なる場合でも、ディスクの厚さに
かかわりなく強固にクランプして回転中の振動を防止す
ることのできるディスク振動防止装置に関する。

〔従来の技術〕

従来のディスククランプ装置について第４図を参照して
説明する。

第４図において、１はスピンドルモータによって回転さ
れるスピンドルシャフトで、これにはターンテーブル２
が取り付けられると共に、このスピンドルシャフト１に
上下動可能に嵌合されているセンタリングハブ３にはこ
れを上方に付勢するスプリング４が装架されている。

５は、ターンテーブル２にディスクＡをセットした後に
下降してスピンドルシャフト１に嵌合するクランパで、
このクランパ５に取り付けたマグネット６がスピンドル
シャフト１のプレート７に吸着することにより、クラン
パ５とターンテーブル２によってディスクＡをクランプ
している。この時、センタリングハブ３はスプリング４
の付勢によってディスクＡのセンタ孔Ａ_１内に押し込ま
れ、ディスクＡのセンタリングを行うものである。

〔考案が解決しようとする課題〕

近時、光学式のディスクとしては、上下両面を記録面と
するために２枚のディスクを貼り合わせた直径３０cmま
たは２０cmのビデオディスク、片面のみが情報記録面で
ある直径２０cmの単板のビデオディスク、片面のみが情
報記録面である直径１２cm，８cmのオーディオ用ディス
ク等、ディスクの厚さと直径が種々異なるものが現れる
ようになった。

そして、これ等の各種のディスクの何れをも再生できる
いわゆるコンパチブル・ディスクプレーヤが現れるよう
になったが、ディスクプレーヤには高再生度、即ち高音
質、高画像が要求されるため、その再生中にディスクが
振動すると、再生に悪影響を及ぼし、正確な情報の再生
ができなくなってしまう。

しかしながら、従来のディスククランプ装置の場合、デ
ィスクのクランプ力はマグネット６とプレート４との吸
着力によって得ているため、ディスクＡの厚さが厚くな
るとマグネット６とプレート７間の距離が大きくなり、
その分吸着力が低下してディスクのクランプが充分でな
くなり、回転中にディスクが振動し易くなるという問題
があった。

本考案は、従来のディスククランプ装置における上記ク
ランプ力の不足を解消し、どのような厚さおよび径のデ
ィスクであっても確実にクランプして再生できるように
することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、上記目的を達成するために、クランパ内部に
設けられたマグネットとスピンドルシャフトに取り付け
られたプレートとの間に作用する磁気的な吸着力によっ
てディスクをターンテーブルとクランパの間に挟持する
ようにしたディスククランプ装置において、ディスクと
対向するクランパの下底面にディスクの半径方向に延び
る板バネを取り付け、この板バネの先端側にディスクを
クランプした際にディスク上面に当接してターンテーブ
ルとの間でディスクを挟持するリング状の押圧部材を設
けたものである。

〔作用〕

本考案のディスク振動防止装置の場合、従来のディスク
クランプ装置（第４図）のようにクランパの下底面とタ
ーンテーブルとの間で直接ディスクを挟持せず、クラン
パの下底面からディスクの半径方向に延びる板バネの先
端側に取り付けたリング状の押圧部材とターンテーブル
との間でディスクを挟持する。このため、ターンテーブ
ル上に載置されるディスクの厚さが異なっても、その厚
さに応じて板バネが撓み、クランパに取り付けられたマ
グネットとスピンドルシャフトに取り付けられたプレー
トとの間の距離が一定に保たれる。この結果、ディスク
の厚さが厚い場合でもクランプ用のマグネットの吸着力
が小さくなることがなくなり、ディスクを強固にクラン
プすることができる。

〔考案の実施例〕

次に、第１図を参照して本考案の第１の実施例につき説
明する。

第１図において、１１はスピンドルシャフト、１２はこ
れに取り付けられたターンテーブルで、その内側には複
数個所に、上端に係止部１３ａを設けたリンク１３が設
けられると共に、ターンテーブル１２の中心からリンク
１３の下端に向って、移動可能にボール１４が収容され
ている。

又、スピンドルシャフト１１に上下動可能に嵌合し、ス
プリング１５で上方に付勢されているセンタリングハブ
１６の外周には、リンク１３の上端の係止部１３ａに係
止される凸リング１６ａが形成されている。

１７は、ディスクＡがターンテーブル１２にセットされ
た後、ターンテーブル１２に向って下降するクランパ
で、そのマグネット１８がスピンドルシャフト１１のプ
レート１９に吸着する。

このクランプ１７には、その下底面からディスクＡの半
径方向に延びる板バネからなるクランプバネ２０が取り
付けられており、このクランプバネ２０の途中には第１
の押圧部材たるクランプリング２１が取り付けられてお
り、前記マグネット１８がプレート１９を吸着したとき
にその吸着力によってクランプバネ２０が弯曲し、ディ
スクＡの厚さが変わった場合でもマグネット１８とプレ
ート１９の距離が常に一定になるよにしている。これに
より、その厚さが変わった場合でも、クランプリング２
１が常に一定の付勢力によってディスクＡに圧接され、
ディスクＡをクランプするものである。

クランプバネ２０はクランプリング２１よりもさらに外
周に放射状に延長され、その先端にはクランプリング２
１よりも背の若干高い第２の押圧部材たる防振リング２
２が取付られている。

従って、クランプリング２１がディスクＡに圧接された
際、防振リング２２もディスクＡに圧接されるが、クラ
ンプバネ２０は延長部２０ａが放射状に分割されている
ため、その圧接力はクランプリング２１よりも弱くな
る。そのため、この防振リングの圧接によってクランプ
リング２１がディスクＡから浮き上がることはない。

ディスクＡのクランプ時、スプリング１５の付勢によっ
てセンタリングハブ１６がディスクＡのセンタ孔Ａ_１に
嵌入し、ディスクＡのセンタリングを行うことは従来と
同じである。

上記のようにしてディスクＡをクランプした後、スピン
ドルシャフト１１が回転し始めると、ボール１４が遠心
力で外周方向に移動し、リング１３の下端を押す。その
ため、第１図の左方に示すように、係止部１３ａが凸リ
ング１６ａと係止し、スプリング１５によるセンタリン
グハブ１６の押上力を解除するので、ディスクＡのセン
タＡ孔_１に加わる不要な力が無くなる。

従って、クランプリング２１とターンテーブル１２によ
るディスクＡのクランプに対して、ディスクＡを中心部
で押し上げてディスクＡを反らせるようなことが無くな
る。

そして、ディスクＡが回転されるとき、ディスクＡの厚
さが薄いために振動が生じようとしても、防振リング２
２が軽くディスクＡに接しているので、その振動を吸収
することができる。

第２図に本発明の第２実施例を示す。この第２実施例
は、防振リング２２を防振バネ２３によって、クランプ
バネ２０とは別体に取り付けたものである。なお、他の
部分の構造と作用は前記第１実施例のものと同様であ
る。

第３図に本発明の第３実施例を示す。この第３実施例は
第２実施例において、防振リング２２と防振バネ２３部
分およびリンク１３とボール１４からなるロック機構部
分を省略した簡易型のディスク振動防止装置を示すもの
である。動作そのものは第１実施例および第２実施例と
同じであるので、その説明は省略する。

〔考案の効果〕

以上説明にしたように、本考案のディスク振動防止装置
によるときは、ターンテーブル上に載置されるディスク
の厚さが異なっても、そのディスクの厚さに応じて板バ
ネが撓むので、マグネットとスピンドルシャフトに取り
付けられたプレートとの間の距離を一定に保つことがで
きる。このため、再生するディスクの厚さが厚くなって
もクランプ用のマグネットの吸着力が弱まることがなく
なり、どのような厚さのディスクでも強固にクランプす
ることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例の断面図、 第２図は本考案の第２実施例の断面図、 第３図は本考案の第３実施例の断面図、 第４図は従来のディスククランプ装置の断面図である。 １２…ターンテーブル、１７…クランパ、２０…クラン
プバネ、２０ａ…延長部、２１…クランプリング、２２
…防振リング、２３…防振バネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】クランパ内部に設けられたマグネットとス
   ピンドルシャフトに取り付けられたプレートとの間に作
   用する磁気的な吸着力によってディスクをターンテーブ
   ルとクランパの間に挟持するようにしたディスククラン
   プ装置において、 ディスクと対向するクランパの下底面にディスクの半径
   方向に延びる板バネを取り付け、 この板バネの先端側にディスクをクランプした際にディ
   スク上面に当接してターンテーブルとの間でディスクを
   挟持するリング状の押圧部材を設けたこと を特徴とするディスク振動防止装置。