JP2551029Y2 - ディスクプレーヤーのターンテーブル装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、ディスクプレーヤーに
関し、特にディスクが載置されるターンテーブル装置に
係る。

【０００２】

【従来の技術】光ピックアップを用いて光学的にディス
クに記録されている信号の読み取りを行ったり、ディス
クに信号の書き込みを行ったりする光学式ディスクプレ
ーヤーが普及しているが、斯かるディスクプレーヤー
は、ディスクが載置されるとともに該ディスクを高速に
て回転させるターンテーブルを備えている。

【０００３】光学式ディスクプレーヤーの代表的なもの
としては、ＣＤプレーヤーが良く知られているが、斯か
るＣＤプレーヤーの中にはヘッドフォンによって再生音
を聴取するように構成されたヘッドフォンステレオ型の
ポータブルＣＤプレーヤーがある。斯かるヘッドフォン
ステレオ型のポータブルＣＤプレーヤーは、携帯して使
用されるため、装置本体の小型化特に薄型化が要求され
ている。斯かるＣＤプレーヤーに使用されているターン
テーブルとしては、例えば実開平３−２３８４７号公報
に開示されたものがある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】ＣＤプレーヤーにおけ
るターンテーブルは、電動機の回転軸と一体的に回転す
るべく取付けられるが、その取付けは該回転軸に圧入す
ることによって行われている。そして、斯かるターンテ
ーブルを電動機の回転軸に圧入する場合の圧入力は、部
品のバラツキに起因して、例えば１０ｋｇ〜３０ｋｇと
大きく変化する。その結果、電動機の回転軸を支持する
べく設けられている軸受等を破損することがあった。本
考案は、斯かる点を改良したターンテーブル装置を提供
しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案のターンテーブル
装置は、電動機の回転軸に圧入されるとともにディスク
が載置されるターンテーブルと、前記回転軸に圧入固定
されるワッシャーと、該回転軸に嵌挿されるとともに接
着剤により該回転軸に接着固定され、且つ前記ターンテ
ーブルに形成されている係合部との係合により該ターン
テーブルの前記回転軸に対する位置決めをする金属製の
位置決め用部材とより構成されている。

【０００６】

【作用】本考案は、接着剤の接着力によって電動機の回
転軸に固定される位置決め用部材によりターンテーブル
の該回転軸に対する位置決めを行うようにしたものであ
る。

【０００７】

【実施例】図１は本考案のターンテーブル装置を示す要
部の断面図である。同図において、１はディスクＤを回
転駆動する電動機であり、上方へ突出した回転軸２を備
えているとともに固定基板３に取付固定されている。４
は前記回転軸２を構成する突出部の下方に圧入固定され
たワッシャー、５は前記回転軸２に嵌挿されるとともに
前記ワッシャー４と接触する位置まで挿入される金属製
の位置決め用部材であり、接着剤によって前記回転軸２
に接着固定される。

【０００８】６は合成樹脂にて成形されているとともに
前記電動機１によって回転駆動されるべく前記回転軸２
に圧入されるターンテーブルであり、ディスクＤが載置
される載置部７、前記位置決め用部材５と係合する係合
部８及び弾性を有する環状リブ９が形成されている。

【０００９】１０は前記ターンテーブル６の環状リブ９
に圧入されることによって該ターンテーブル６と一体的
に回転するべく取付けられるとともにディスクＤに設け
られている中心孔と嵌合するディスク保持部材、１１は
該ディスク保持部材１０内に設けられているとともにス
プリング１２によって回転軸２を中心として外方へ付勢
されているボールベアリングであり、ディスクＤをター
ンテーブル６の載置部７に押圧載置させる作用を有して
いる。

【００１０】以上の如く、本考案のターンテーブル装置
は構成されているが、次にその組み立て動作について説
明する。電動機１の回転軸２に上方よりワッシャー４を
圧入し、所定の位置に固定する。このとき該ワッシャー
４の圧入力は小さくて良いため電動機１の軸受に大きな
力が加わることはない。前記ワッシャー４を回転軸２に
圧入した後金属製の位置決め用部材５を該ワッシャー４
と接触する位置まで嵌挿させる。

【００１１】前記位置決め用部材５を前述したように回
転軸２に嵌挿させた後該位置決め用部材５と回転軸２と
の間にある隙間に接着剤を入り込ませて該位置決め用部
材５を該回転軸２に接着固定する。そして、斯かる接着
剤としては、例えば嫌気性の接着剤を使用することがで
きる。斯かる位置決め用部材５の接着動作が行われると
き前記ワッシャー４は、接着剤の下方即ち電動機１の内
部方向へのはみ出しを防止する作用を成している。

【００１２】前記位置決め用部材５の回転軸２への接着
固定が終了した後、合成樹脂より成るターンテーブル６
を該回転軸２に圧入させるがその圧入動作は、該ターン
テーブル６の係合部８が該位置決め用部材５に係合する
まで行われる。斯かる圧入動作が行われてターンテーブ
ル６の係合部８が位置決め用部材５と係合すると該位置
決め用部材５が接着剤により回転軸２に強固に固着され
ているため、該ターンテーブル６は下方向への力に対し
て強固に取付けられることになる。それ故、前記ターン
テーブル６の回転軸２に対する圧入力は小さくて良く、
電動機１の軸受に大きな力が加わることはない。

【００１３】前記ターンテーブル６の回転軸２に対する
取付動作は、以上の如く行われるが、斯かる取付動作が
行われた後ディスク保持部材１０をターンテーブル６の
環状リブ９に圧入させることによって該ディスク保持部
材１０を該ターンテーブル６に取付けることができる。
前記ディスク保持部材１０のターンテーブル６への圧入
動作は、以上の如く行われるが斯かる圧入動作が行われ
るとき環状リブ９の弾性力が回転軸２に加わる力を軽減
するためターンテーブル６の軸穴に歪が生じることがな
く、ディスクＤの面ブレを防止することができる。

【００１４】

【考案の効果】本考案のターンテーブル装置は、電動機
の回転軸に圧入固定されるワッシャーにより位置決めさ
れるとともに該回転軸に接着剤にて接着固定される金属
製の位置決め用部材を設け、該位置決め用部材とターン
テーブルに形成されている係合部との係合により該ター
ンテーブルの回転軸に対する位置決めを行うようにした
ので、該ターンテーブルの圧入力が小さくても該ターン
テーブルをディスクの挿入方向への押圧力に対する支持
力を大きくすることが出来るという利点を有している。
従って、ターンテーブルの回転軸への圧入力が小さくな
り、その結果その圧入力により電動機の軸受等が破損さ
れるという問題を解決することが出来る。また、本考案
は、ターンテーブルに金属製の位置決め用部材と係合す
る係合部を形成し、該係合部との係合動作によってター
ンテーブルの位置決め動作を行うようにしたので、ター
ンテーブルの回転軸に対する位置関係を正確にすること
が出来、その結果ディスクの回転特性を向上させること
が出来るという効果を本考案は有している。更に、本考
案は、金属製の位置決め用部材を回転軸に固定する接着
剤の電動機方向へのはみ出しを該位置決め用部材の固定
位置を決定するワッシャーによって防止するようにした
ので、接着剤の量が多くても該位置決め用部材の固定作
業に支障をきたすことがなく、本考案の実用的価値は非
常に高いものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のターンテーブル装置を示す要部の断面
図である。

【符号の説明】

１ 電動機 ２ 回転軸 ４ ワッシャー ５ 位置決め用部材 ６ ターンテーブル １０ ディスク保持部材 Ｄ ディスク

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 電動機の回転軸に圧入されるとともにデ
   ィスクが載置されるターンテーブルを備えたディスクプ
   レーヤーにおいて、前記回転軸に圧入固定されるワッシ
   ャーと、該回転軸に嵌挿されるとともに接着剤により該
   回転軸に接着固定され、且つ前記ターンテーブルに形成
   されている係合部との係合により該ターンテーブルの前
   記回転軸に対する位置決めをする金属製の位置決め用部
   材とより成り、前記ワッシャーにより前記位置決め用部
   材の固定位置を決定するとともに前記接着剤の電動機方
   向へのはみ出しを防止するようにしたことを特徴とする
   ディスクプレーヤーのターンテーブル装置。