JP3237396B2 - 光ディスクとその製造方法 - Google Patents

光ディスクとその製造方法

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JP3237396B2 JP11661594A JP11661594A JP3237396B2 JP 3237396 B2 JP3237396 B2 JP 3237396B2 JP 11661594 A JP11661594 A JP 11661594A JP 11661594 A JP11661594 A JP 11661594A JP 3237396 B2 JP3237396 B2 JP 3237396B2
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由浩 虫鹿
芳和 後藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マグネットクランプ方
式によるディスククランプ装置と、これに固定される光
ディスクとその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マグネットクランプ方式はディスククラ
ンプ装置に設けたマグネットでディスクに設けた強磁性
体を吸着するディスクの保持方式であり、装置の薄型化
が容易といった特徴がある。
【0003】光ディスクに強磁性体よりなるマグネット
クランプ用の吸着板を取り付けた従来の構成は、例えば
特開平2−50347号公報に開示されており、図14
にそのディスククランプ装置の断面図を示す。図14に
基づいて従来の光ディスクとディスククランプ装置につ
いて説明する。
【0004】101はリング状の磁性体からなる吸着板
で、ディスク基板102に接着されている。このディス
クがディスククランプ装置にセットされると、ターンテ
ーブル105の回転中心に設けられた芯出し部材104
がディスク基板102のセンター孔に係合して、ディス
クの芯出しが行われる。さらに、吸着板101がターン
テーブル105に設けられたマグネット103の磁力に
より吸着され、ディスクがターンテーブル105に固定
される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の光ディス
クにおいては、吸着板とディスク基板との接着が剥離し
た場合、ディスクをターンテーブルに固定できなくな
り、ディスクが使用不能になるという課題があった。
【0006】光ディスクは、吸着板とディスク基板との
熱膨張係数の差などがあり、使用時や保管時の温度変化
による伸縮を繰り返すうちに、接着部が剥離してしまう
ことがある。こうした場合、吸着板はディスク基板から
脱落し、ディスクが使用不能となり、信頼性の点で大き
な問題であった。
【0007】また、光ディスクの製造工程において、吸
着板とディスク基板とを接着する工程が必要であり、光
ディスクの製造コストが高くなるという課題があった。
【0008】本発明は上記課題を解決し、低コストで信
頼性の高い光ディスクを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の光ディスクは上
記目的を達成するために、センター孔を設け、片面に前
記センター孔と概同心円状に凹部を設けた円盤状の一対
のディスク基板を、前記凹部が対面する状態で貼り合わ
せ、かつ前記一対のディスク基板の凹部によって形成さ
れた隙間に強磁性体あるいは強磁性体を含む材質よりな
る円盤状の吸着板を内包させた構造をとる。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【作用】上記本発明の光ディスクの構成では、吸着板を
一対のディスク基板の凹部によって形成された隙間に内
包させるため、吸着板とディスク基板との接着状態の変
化によって吸着板が脱落することがない。また、ディス
ククランプ装置装着時に、ディスク基板のセンター孔で
ディスクの芯出しを行うので、吸着板とディスク基板と
の接着状態はディスクの芯出し精度に影響をおよぼさな
い。この結果、吸着板とディスク基板との接着状態によ
らずディスクは使用可能となり、ディスクの信頼性が大
きく向上する。
【0014】
【0015】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明の第1の実施例について図
1、図2を参照して説明する。
【0016】図1は本発明の第1の実施例における光デ
ィスクの断面図であり、図2は第1の実施例における光
ディスクをクランプ装置に装着した状態を示す図であ
る。
【0017】本実施例の光ディスクは両面型光ディスク
であり、一対のディスク基板1を凹部1bが対面する状
態で、厚み50μmの接着剤層3により貼り合わせ構成
される。
【0018】ディスク基板1は外径120mmの円盤形
状を有し、厚み0.6mmのほぼ均等肉厚のポリカーボ
ネート樹脂成形品である。ディスク基板1の中心には直
径15mmのセンター孔1aを設け、片側の面に記録層
2を形成する。記録層2のある側の面には、センター孔
1aの周辺に同心円状に直径30mmで記録層2との段
差が0.3mmの凹部1bを設ける。凹部1bの外周面
1cはディスク基板面に垂直に設けている。また、ディ
スク基板1の記録層2のない側の面には、センター孔1
aと同心に高さ0.3mmの凸部1dを設ける。凸部1
dの外周は斜面1eとし、基板面に対し20〜30゜の
傾斜を与えてディスクの成形性を向上させている。
【0019】貼り合わせた一対のディスク基板の凹部1
bが形成する隙間に厚み0.5mmの強磁性体板である
吸着板4を内包させる。吸着板4は外径29.9mm
で、ディスク基板の凹部1bの直径よりもわずかに小さ
くし、凹部の外周面1cによって位置規制される。吸着
板4には中心に直径15.5mmのセンター孔を設け、
ディスク基板のセンター孔1aの直径より大きくしてい
る。すなわち、吸着板4の中心にはセンター孔1aと概
同心円状で、直径がセンター孔1aよりも大きい貫通孔
が設けられている。吸着板4は厚み75μmの接着層5
で一方のディスク基板1に固定している。
【0020】次に、本実施例の光ディスクがディスクク
ランプ装置に装着される機構について図2を参照し説明
する。
【0021】ディスククランプ装置は、スピンドル軸9
に固定したターンテーブル8と、ターンテーブル8に設
けたマグネット6およびバックヨーク6aと、スピンド
ル軸9に上下に可動な状態で設けられバネ10により上
方に付勢された芯出し部材7よりなる。
【0022】マグネット6は外形22mm、内径17m
m、厚さ1.5mmで4極着磁された希土類磁石であ
り、バックヨーク6aは厚さ1mmのSPCC板であ
る。図2より明らかなように、吸着板4はディスク基板
を介して前記マグネット6と対向するように設けられて
いる。また、マグネット6の上面はターンテーブル8の
ディスク載置面よりも0.2mm低く設け、マグネット
6がディスクと接触しないようにしてマグネット6の破
損を防止している。
【0023】前記ディスククランプ装置に光ディスクを
装着すると、センター孔1aに芯出し部材7が嵌合して
芯出しが行われつつ、マグネット6によって吸着板4が
吸引されてディスクがクランプ装置に固定される。この
とき吸着板4は、センター孔1aよりも直径の大きな貫
通孔を備えた状態でディスク基板1内に内蔵されている
ため、芯出しの障害になることはない。従って、ディス
ク基材厚によらず、クランプ装置が光ディスクを捕捉可
能なキャプチャ半径の確保を図ることができる。
【0024】ディスクの記録再生時の回転数は900〜
2500rpmとし、ディスクの線速度が常に一定にな
るようにヘッドがディスク内周側にある程ディスク回転
数を上げるCLV方式としている。
【0025】上記の構成により、吸着板4は一対のディ
スク基板の凹部1bによって形成された隙間に内包され
ているため、接着層5による接着がディスク基板より剥
離した場合でも吸着板4の脱落を防止できる。さらに、
吸着板4がディスク基板1を介してマグネット6と対向
しているので、ディスク基板1の剛性によって吸着板4
の変形を小さく抑えることができる。また、マグネット
6と光ディスクが密着するような状態においても、ディ
スク基板1が吸着板4とマグネット6との間に介在し、
吸着板4とマグネット6との間に磁気ギャップを設ける
ことによって吸引力の増加を抑制し、光ディスクの排出
時の過大負荷の発生あるいは吸着板4の変形を防止する
ことができる。また、ディスククランプ装着時における
芯出しは、センター孔1aによるため、ディスク基材厚
によらずキャプチャ半径の確保と吸着板4の脱落防止と
の両立を図ることができ、吸着板4が非接着の際でも芯
出し精度は左右されない。このように、吸着板4とディ
スク基板1との接着が剥離した場合でも、光ディスクは
使用可能で信頼性が向上する。
【0026】また、吸着板4は単純形状の円板1枚だけ
の構成であり、製造コストを低減できる。
【0027】なお、本実施例においては、吸着板4は接
着剤でディスク基板1に接着しているが、超音波融着、
かしめ等によって接着しても良い。
【0028】また、吸着板4をディスク基板1に接着せ
ず、一対のディスク基板1の凹部1bが形成する隙間の
中で自由に移動するものでも良い。このように吸着板4
を可動な状態にしておくと、マグネット6の磁力が吸着
板4に作用した際、吸着板4はマグネット6との吸着力
が最大となるようにディスク内を移動し吸着される。そ
の結果、前記吸着板4を接着固定した場合に比べて、よ
り強い吸着力が得られる。
【0029】また、本実施例においては、記録層2をそ
れぞれのディスク基板1に形成して両面型光ディスクと
しているが、一方のディスク基板のみに記録層を形成し
た片面型光ディスクでもよい。
【0030】なお、本実施例ではディスク基板の肉厚
0.6mmとしたが、ディスク基板の肉厚tを変化させ
た場合の、クランプ力と評価を(表1)に示す。このよ
うに、ディスク基板厚が0.3〜0.8mmのときに良
好な結果が得られた。
【0031】
【表1】
【0032】(実施例2)以下、本発明の第2の実施例
について図3を参照して説明する。
【0033】図3は本発明の第2の実施例における光デ
ィスクの断面図である。本実施例の光ディスクは両面型
光ディスクであり、一対のディスク基板と、弾性を有す
る強磁性体の吸着板で構成される。
【0034】ディスク基板11は肉厚0.6mmで、直
径15mmのセンター孔11aと、記録層12とを有す
る。記録層12のある側の面には、センター孔11aと
同心円状に内径16.2mm、外径30mmで記録層1
2との段差が0.3mmの凹部11bを設ける。凹部1
1bの内周面11cはディスク基板面に垂直に設け、凹
部11bの外周面11dはディスク基板面に対し20〜
30゜の傾斜を与えている。また、ディスク基板11の
記録層12のない側の面には、センター孔11aと同心
に高さ0.3mmの凸部11eを設ける。凸部11eの
外周11fは斜面11dと同じ角度の傾斜を有する。
【0035】吸着板14は厚み0.3mmのステンレス
鋼板SUS430を円周方向に破線で示すよう波型の形
状を有するようにプレス成形したもので、中心に直径1
6.3mmのセンター孔を設け、また直径30mm、自
由高さは0.8mmである。
【0036】一対のディスク基板11の凹部11bを対
面させた状態で、凹部11bが形成する間隔約0.6m
mの隙間に吸着板14を内包させ、50μm厚の接着剤
層13で接着する。このとき、吸着板14は波形形状を
しており厚さ方向に弾性を有するため、圧縮されガタな
く取り付けられる。接着剤層13はセンター孔11a近
傍の面11gにおいてもディスク基板11どうしを接着
する。
【0037】以上のように構成した光ディスクによれ
ば、吸着板14は波形形状で厚さ方向に弾性を有し、か
つ弾性変形させた状態で一対のディスク基板の凹部11
bによって形成された隙間に内包させているため、厚さ
方向に復元力が発生し、吸着板14とディスク基板11
とを接着しない場合でも吸着板14をガタなく安定に取
り付けることができ、回転時の振動の発生を抑えられ
る。
【0038】また、一対のディスク基板11をセンター
孔11a近傍の面11gで接着し、センター孔11aの
壁面を段差のないほぼ連続的な一円筒面としているため
に、ディスクの構造強度の向上やセンター孔近傍におけ
る異物付着が防止できる。
【0039】(実施例3)以下、本発明の第3の実施例
について図4を参照して説明する。
【0040】図4は本発明の第3の実施例における光デ
ィスクの断面図である。本実施例の光ディスクは両面型
光ディスクであり、一対のディスク基板と、2枚の強磁
性体の吸着板で構成される。
【0041】ディスク基板1、記録層2、接着剤層3は
実施例1で示したものと同じものを用いる。吸着板24
は厚み0.2mmの強磁性体板で、厚み50μmの接着
層25によりディスク基板1に固定している。ディスク
基板の凹部1bの深さは0.3mmであるため、吸着板
24の上面は記録層2よりも約50μm低い面にある。
【0042】このように、吸着板24を埋設した一対の
ディスク基板1を凹部1bが対面する状態で接着剤層3
により貼り合わせて構成する。
【0043】以上のように構成した光ディスクによって
も、実施例1において説明した如く、吸着板24とディ
スク基板1との接着が剥離した場合でも光ディスクの使
用が可能である。
【0044】(実施例4)以下、本発明の第4の実施例
について図5、図6を参照して説明する。
【0045】図5は本発明の第4の実施例における光デ
ィスクの断面図であり、図6は第4の実施例における光
ディスクをクランプ装置に装着した状態を示す図であ
る。
【0046】本実施例の光ディスクは両面型光ディスク
であり、一対のディスク基板と、ディスク基板のセンタ
ー孔を塞ぐように設けた1枚の吸着板により構成され
る。
【0047】ディスク基板31は肉厚0.6mmで、中
心に直径15mmのセンター孔31aを設け、かつ片側
の面に記録層を有する。記録層のある側の面には、セン
ター孔の周辺に同心円状に記録層32との段差が0.2
mmの凹部31cを設ける。また、記録層のない側の面
には、センター孔31aの周囲にセンター孔31aの上
面31bが記録層32と1.4mmになるように凸部3
1dを設ける。ディスク基板31の中心とセンター孔3
1aの中心との偏心量は射出成形の型精度とパンチ加工
精度により15μm以下としている。
【0048】貼り合わせた一対のディスク基板31の凹
部31cが形成する隙間に厚み0.3mmの強磁性体板
である吸着板34を内包させ、厚み75μmの両面粘着
テープ35で一方のディスク基板31に固定する。
【0049】次に、本実施例の光ディスクがディスクク
ランプ装置に装着される機構について図6を参照し説明
する。
【0050】ディスククランプ装置は、スピンドル軸3
9に固定したターンテーブル38と、ターンテーブル3
8に設けたマグネット36と、スピンドル軸39に上下
に可能な状態で設けられバネ40により上方に付勢され
た芯出し部材37よりなる。
【0051】前記ディスククランプ装置に光ディスクを
装着すると、センター孔31aに芯出し部材37が嵌合
して芯出しが行われつつ、マグネット36によって吸着
板34が吸引されてディスクがクランプ装置に固定され
る。このとき吸着板34はディスク基板31内に内蔵さ
れ、凸部31dにより芯出し部材37の上面との隙間を
確保されているため、芯出しの障害になることはない。
【0052】以上のように構成した光ディスクによって
も、実施例1と同様に、吸着板34とディスク基板31
との接着が剥離した場合でも光ディスクの使用が可能で
ある。
【0053】(実施例5)以下本発明の第5の実施例に
ついて図7を参照して説明する。図7(a)、(b)は
本発明の第5の実施例における光ディスクの平面図及び
断面図である。
【0054】本実施例の光ディスクは両面型光ディスク
であり、一対のディスク基板と吸着板で構成され、ディ
スク基板には実施例4で示した構造のディスク基板に、
さらにセンター孔41aの三箇所を切欠くことにより切
欠き41dを設けている。また、前記切欠き41dの切
断面の一部は、記録層側の面からディスクの中心に向か
って傾斜する傾斜面41eとしている。
【0055】吸着板44は強磁性体材料よりなるセンタ
ー孔大の円板で、円板の周囲の前記センター孔の切欠き
41dに対応する3箇所に、曲げ加工により適当な弾性
を有する爪部44aを形成している。また爪部44aの
先端には吸着板44の外側方向に傾斜するかぎ部を形成
する。さらに、円板の周囲の爪部を設けた部分以外に
は、ディスク基板の凹部に嵌合するフランジ部45を設
けている。
【0056】吸着板44をディスク基板の記録層42側
からセンター孔の切欠きと吸着板の爪部の位置を合わせ
た状態で押し込むことにより爪部44aが傾斜面41e
に沿って弾性変形し切欠き41dに挿入され、先端のか
ぎ部が切欠き41dの周縁に係止され、吸着板44がデ
ィスク基板41の凹部41cに固定される。
【0057】また、吸着板44のフランジ部45の上部
にエンボス加工により3つの突起44bを設け、同様に
フランジ部45の下部にエンボス加工により3つの突起
44cを設ける。突起44bの先端と突起44cの先端
との距離は、2枚のディスク基板41の凹部41cが形
成する隙間の距離と等しく設定する。これにより、吸着
板44は一対のディスク基板41の凹部41cが形成す
る隙間の中間に固定され、つまり吸着板44は二枚の両
ディスク基板表面から等距離に位置決めされるので、両
面でのクランプ力が一定とできる。
【0058】また、突起44bと突起44cとを上下に
重ならない位置に形成しているので、加工誤差により上
記突起先端間の距離が上記隙間距離よりも大きくなった
場合でも、吸着板44自身の微小な変形によって誤差分
が吸収され、ディスク基板41に無理な応力がかかるこ
とを防ぐことができる。
【0059】なお、爪部44aを吸着板44の両面に設
けると、2枚のディスク基板双方の切欠きに爪部が係止
し、吸着板が両ディスク基板に固定されることとなり、
より安定性が増す。
【0060】上記の構成を持つ両面型光ディスクは、吸
着板44をディスク基板41に固定する際、接着、かし
め等の工程を必要とせず、押し込み動作だけで簡単に行
え、工程所要時間を短縮できる。
【0061】この接合方法は、製造工程上での仮固定と
しては十分な強度を持ち、さらに最終製品形態として
は、吸着板44を2枚のディスク基板41間に内包させ
ているため、吸着板44が脱落することがない。
【0062】また、吸着板44とディスク基板41との
熱膨張率が異なっても、両者は完全には密着していない
ためディスク基板41の熱によるひずみを防ぐことがで
きる。また、ディスクを回転させる際には、吸着板44
とディスク基板41とは回転面に対して垂直に係合して
いるので、確実に動力を伝達することができる。
【0063】なお、本実施例では、切欠き41dをセン
ター孔41aの一部を切欠いて設けており、切欠き41
dが最もディスク内周部寄りに配置され、切欠き41d
は記録層42から離れた位置に設けられる。これにより
切欠き41d周辺にディスク基板の製造時に生じるヒケ
等による複屈折の影響が記録層42周辺に及ぶことを防
止しているが、切欠き41dをさらにディスク外周側に
配置してセンター孔41aと完全に分離した構成も可能
である。
【0064】(実施例6) 以下、本発明の第6の実施例について図8〜図10を参
照して説明する。本実施例では、実施例5で説明した一
対の第1、第2のディスク基板と吸着板より成る本発明
の両面光ディスクを製造する工程について説明する。
の3工程からなっている。
【0065】以下、第1の工程を図8を参照し説明す
る。図8は吸着板をディスク基板に固定する装置の構成
図である。
【0066】ステージ53上に記録層を上にして第1の
ディスク基板51を載置する。前記第1のディスク基板
51の中心の真上に中心が位置するようにプローブ54
を設け、このプローブ54の先端に、強磁性体よりなる
吸着板52をプローブ54に設けた電磁石の磁力により
吸着保持する。
【0067】このとき、吸着板52の中心に設けた中心
孔に、プローブ54の中心に設けた突起54aを嵌合す
ることにより中心位置合わせを行う。
【0068】次に、吸着保持した吸着板52の爪部とス
テージ53上に載置した第1のディスク基板51のセン
ター孔に設けた切欠きとの位置合わせを行い、プローブ
54をステージ53まで下降させ、爪部を切欠きに挿入
し係止させる。
【0069】次に、プローブ54の電磁石への通電を停
止して吸着板52を解放し、プローブ54を上昇させ
る。
【0070】以上の工程により、吸着板52が第1のデ
ィスク基板51に固定される。次に、第2の工程を図9
を参照し説明する。図9は、第1の工程により吸着板を
挿着したディスク基板に接着剤を塗布する装置の概略構
成を示したものである。
【0071】タンク56内で加熱溶融されたホットメル
ト接着剤55は、ブレード59により膜厚を一定にさ
れ、塗布ロール57上に塗布される。塗布ロール57
と、塗布ロールに対応させて設けたバックアップロール
58との間を、第1の工程で吸着板52を挿着された第
1のディスク基板51を記録層側を塗布ロール57側に
して通過させることにより、塗布ロール57上に塗布さ
れたホットメルト接着剤55を、ディスク基板51の記
録層側の面に転写する。
【0072】以上の工程により、吸着板52を挿着され
た第1のディスク基板51に接着剤55が塗布される。
【0073】次に、第三の工程を図10を参照し説明す
る。図10は第1、第2の工程で吸着板を挿着し接着剤
を塗布した第1のディスク基板と第2のディスク基板を
貼り合わせる装置の概略構成を示したものである。
【0074】ステージ60上に第1、第2の工程により
吸着板を固定し、接着剤を塗布した第1のディスク基板
51を接着剤層を上にして載置する。載置した第1のデ
ィスク基板51の中心の真上に中心が位置するようにホ
ルダー61を設置し、このホルダー61に、第2のディ
スク基板62を中心を合わせコンプレッサーとバルブに
より減圧吸着し保持する。ホルダー61をステージ60
まで下降させ、接着剤層の上に第2のディスク基板62
を圧接保持しホルダー61の減圧を解除し、ホルダー6
1を解放した後ホルダー61を上昇させ、第1のディス
ク基板51と第2のディスク基板62とを接着する。
【0075】以上の工程からなる両面型光ディスク製造
方法では、吸着板をディスク基板とを一体化する工程は
単純な押し込み動作だけであるため迅速に完了でき、工
程の所要時間を削減できる。また全工程において接着工
程は第1と第2のディスク基板を貼り合わせる工程しか
なく、接着剤の硬化に伴う待ち時間が減少し、量産性が
向上する。
【0076】なお、本実施例の光ディスクを製造する工
は実施例5で説明した光ディスクを例にとって説明し
たが、これに限定されるものではない。
【0077】(実施例7) 以下、本発明の第7の実施例について図11、図12を
参照して説明する。本実施例では、実施例5で説明した
一対の第1、第2のディスク基板と吸着板より成る本発
明の両面光ディスクを製造する工程について説明する。
次の3工程からなっている。
【0078】なお、吸着板52を第1のディスク基板5
1に挿入する第1の工程は、図8で示した第6の実施例
の第1の工程と同様であるため、以下、第2の工程につ
いて図11を参照し説明する。図11は、第2のディス
ク基板62に接着剤を塗布する装置の概略構成を示した
ものである。
【0079】タンク56内で加熱溶融されたホットメル
ト接着剤55は、ブレード59により膜厚を一定にさ
れ、塗布ロール57上に塗布される。塗布ロール57
と、塗布ロールに対応させて設けたバックアップロール
58との間を第2のディスク基板62を記録層側を塗布
ロール57側にして通過させることにより、塗布ロール
57上に塗布されたホットメルト接着剤55を、第2の
ディスク基板62の記録層側の面に塗布する。
【0080】次に、第3の工程を図12を参照し説明す
る。図12は第1の工程で吸着板52を挿着した第1の
ディスク基板51と、第2の工程で接着剤63を塗布し
た第2のディスク基板62を貼り合わせる装置の概略構
成を示したものである。
【0081】ステージ60上に第2の工程により接着剤
63を塗布した第2のディスク基板62を接着剤層を上
にして載置する。載置した第2のディスク基板62の中
心の真上に中心が位置するように設置したホルダー61
に、第1の工程により吸着板52を挿着した第1のディ
スク基板51を中心を合わせ、コンプレッサーとバルブ
により減圧吸着し保持する。ホルダー61をステージ6
0まで下降させ、接着剤層63の上に吸着板52を挿着
した第1のディスク基板52を圧接保持しホルダー61
を解放した後、ホルダー61を上昇させ第1のディスク
基板51と第2のディスク基板62とを接着する。
【0082】以上の工程からなる両面型光ディスク製造
方法では、吸着板をディスク基板と一体化する工程は単
純な押し込み動作だけであるため迅速に完了でき、工程
の所要時間を削減できる。また全工程において接着工程
は第1と第2のディスク基板どうしを貼り合わせる工程
しかなく、接着剤の硬化に伴う待ち時間が減少し、量産
性が向上する。
【0083】また、接着剤を吸着板の挿着していない状
態の第2のディスク基板に塗布するので、吸着板44に
接着剤が付着せず、吸着板44とディスク基板41との
密着が防げる。その結果、両者の熱膨張率の差によるデ
ィスク基板41のひずみの発生を確実に防ぐことができ
る。
【0084】なお、本実施例の光ディスクを製造する工
は実施例5で説明した光ディスクについて説明したも
のだが、他の光ディスクにも応用できる。
【0085】(実施例8)以下、本発明の第8の実施例
について図13を参照して説明する。
【0086】図13は本発明の第8の実施例における光
ディスクの断面図である。本実施例の光ディスクは片面
型光ディスクであり、センター孔と記録層を有する平板
状の第1のディスク基板と、凹部を有する第2のディス
ク基板と、強磁性体の吸着板で構成される。
【0087】第1のディスク基板71は肉厚0.6mm
の平板状の円板で、直径15mmのセンター孔71a
と、記録層72とを有する。第2のディスク基板75は
中心に外径30mmで深さ0.3mmの凹部75aを設
ける。
【0088】吸着板74は厚み0.2mmの強磁性体板
で、厚み50μmの接着層76によりディスク基板の凹
部75aに固定される。ディスク基板の凹部75aの深
さは0.3mmであるため、吸着板74の上面は記録層
72よりも約50μm低い面にある。
【0089】第1のディスク基板71と第2のディスク
基板75とは、記録層72と凹部75aとが対面する状
態で接着剤層73により貼り合わせて構成される。
【0090】上記の構成によっても、実施例1において
説明した如く、吸着板74とディスク基板75との接着
が剥離した場合でも光ディスクの使用が可能である。ま
た、本実施例では記録層を有する第1のディスク基板に
は凹部を設けず平坦な円板としたため、成形時のソリや
複屈折が少ない成形性の良好な光ディスクを提供でき
る。
【0091】
【発明の効果】以上のように本発明の光ディスクでは、
吸着板がディスク基板を介してマグネットと対向してい
るので、ディスク基板1の剛性によって吸着板4の変形
を小さく抑えることができる。また、マグネット6と光
ディスクが密着するような状態においても、ディスク基
板1が吸着板4とマグネット6との間に介在し、吸着板
4とマグネット6との間に磁気ギャップを設けることに
よって吸引力の増加を抑制し、光ディスクの排出時の過
大負荷の発生あるいは吸着板4の変形を防止することが
できる。また、貫通孔の直径がセンター孔の直径よりも
大きな吸着板をディスク基板を介してマグネットと対向
させているので、クランプ装置の芯出し部材を吸着板に
遮られることなくセンター孔より突出させることがで
き、ディスク基材厚によらずに大きなキャプチャ半径を
確保することが可能であると共に、ディスク基板で吸着
板全体を支持して吸着板の脱落を防止することができ
る。このように、ディスク基材厚以上のキャプチャ半径
の確保と吸着板の脱落防止とを両立させることができ
る。
【0092】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における光ディスクの断
面図
【図2】同実施例の光ディスクをディスククランプ装置
に装着した状態を示す図
【図3】本発明の第2の実施例における光ディスクの断
面図
【図4】本発明の第3の実施例における光ディスクの断
面図
【図5】本発明の第4の実施例における光ディスクの断
面図
【図6】同実施例の光ディスクをディスククランプ装置
に装着した状態を示す図
【図7】(a)本発明の第5の実施例における光ディス
クの平面図 (b)同断面図
【図8】本発明の光ディスク製造方法において吸着板を
ディスク基板に挿入する装置の概略構成図
【図9】同吸着板を挿着したディスク基板に接着剤を塗
布する装置の概略構成図
【図10】同ディスク基板を貼り合わせる装置の概略構
成図
【図11】同ディスク基板に接着剤を塗布する装置の概
略構成図
【図12】同ディスク基板を貼り合わせる装置の概略構
成図
【図13】本発明の第8の実施例における光ディスクの
断面図
【図14】従来の両面型光ディスクをディスククランプ
装置に装着した状態を示す図
【符号の説明】
1,11,31,41,51,62,71,75 ディ
スク基板 1a,11a,31a,41a,71a センター孔 1b,11b,31c,41c,75a 凹部 41d 切欠き 3,13,63,73 接着剤層 4,14,24,34,44,52,74 吸着板 44a 爪部 54 プローブ 57 塗布ロール 61 ホルダー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠田 雅之 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−114169(JP,A) 特開 昭63−166036(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 11/105 G11B 7/24 G11B 23/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランプ装置に設けたマグネットにより
    吸着される光ディスクであって、一対のディスク基板
    と、強磁性体あるいは強磁性体を含む材質よりなる吸着
    板とを備え、前記吸着板を前記一対のディスク基板に内
    包させた状態で貼り合わせて、前記吸着板が前記ディス
    ク基板を介して前記マグネットと対向するように設けた
    光ディスク。
  2. 【請求項2】 中心に芯出しを行うセンター孔を設けた
    ディスク基板と、中心に前記センター孔と概同心円状の
    貫通孔を有する吸着板とを備え、前記貫通孔の直径が前
    記ディスク基板のセンター孔よりも大きい請求項1記載
    光ディスク。
  3. 【請求項3】 中心に芯出しを行うセンター孔を設け、
    片面に前記センター孔と概同心円状に凹部を設けた、円
    盤状の一対のディスク基板と、強磁性体あるいは強磁性
    体を含む材質よりなる吸着板とを備え、前記一対のディ
    スク基板を前記凹部が対面する状態で貼り合わせると共
    に、前記吸着板を前記一対のディスク基板の凹部によっ
    て形成された隙間に内包させた光ディスクであって、 前記 吸着板が弾性を有する部材よりなり、前記吸着板を
    弾性変形させた状態で一対のディスク基板の凹部によっ
    て形成された隙間に内包させたことを特徴とする光ディ
    スク。
  4. 【請求項4】中心に芯出しを行うセンター孔を設け、片
    面に記録層を設けた円盤状の第1のディスク基板と、 中心に前記センター孔よりも大径の凹部を設けた円盤状
    の第2のディスク基板と、 強磁性体あるいは強磁性体を含む材質よりなる吸着板と
    を備え、 前記第1と第2のディスク基板を、前記記録層と前記凹
    部とが対面する状態で貼り合わせると共に、前記吸着板
    を前記第2のディスク基板の凹部によって形成された隙
    間に内包させた光ディスク。
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