JPH0765473A - ディスククランプ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】ディスク中央部に段差を有する２枚のディスク
基板を貼り合わせ、吸着円板は２枚の段差付ディスク基
板の段差部分に挟み込む構成とする。 【効果】ディスクと吸着円板を確実に固着することがで
き、かつ、２枚のディスク基板と吸着円板の位置合わせ
および貼り合わせが同時に行えて極めて生産性が向上す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本技術は、ディスクをターンテー
ブルにクランプ（固定）するためのディスククランプ装
置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】情報記録媒体である光ディスクまたは光
磁気ディスク等は、そのディスクに情報を記録／再生す
る場合には、ディスクをモータで駆動されるターンテー
ブルにクランプさせて高速回転させる。

【０００３】図８は従来のディスククランプ装置を示す
断面図である。図示しないモータで回転駆動されるスピ
ンドル軸６に、有底円筒状のターンテーブル１０を、そ
の中心に設けた貫通孔１３にスピンドル軸６を挿通し固
定して取付けており、ターンテーブル１０の底部には円
環状をした永久磁石１２を配設している。２枚のディス
ク基板を貼り合わせたディスク１の中心部の両面側に
は、ハブ４が装着されている。このハブ４は、樹脂等の
非磁性材料で構成されたハブ本体５とこのハブ本体５の
周縁部から側方に延設された外フランジ８及び、上部ハ
ブ本体５の下部に埋設して固定された鉄等の磁性材料で
構成された吸着円板９からなる。またハブ４の中心には
前記スピンドル軸６が挿脱可能である中央孔７を開設し
ている。このハブ４の外フランジ８をディスク１の内周
側にディスク面に沿わせて接着されている。前記永久磁
石１２の外径はハブ４の吸着円板９の外径と略同寸法と
なっている。

【０００４】ディスク１は、ハブ４の中央孔７にスピン
ドル軸６を挿通させて、ハブ４の外側つまりディスク１
の内周部をターンテーブル１０のクランプ部１１に当接
させた状態にしてターンテーブル１０にクランプされて
いる。そしてハブ４と、その吸着円板９が対向している
永久磁石１２との間には僅かなギャップが形成されてい
て、永久磁石１２の吸着力が吸着円板９を介してハブ４
に作用しており、それによってディスク１をターンテー
ブル１０に押し付けた状態になっている。したがってス
ピンドル軸６が回転するとターンテーブル１０が回転し
て、そのターンテーブル１０とともにディスク１が高速
回転することになり、ディスク１に対して情報の記録／
再生を行える状態が得られる。

【０００５】一方、ディスク１を永久磁石１２の吸着力
に抗してスピンドル軸６の軸方向に永久磁石１２から離
反させるべき力を与えることにより、ディスク１をター
ンテーブル１０から取り外すことができる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】従来のディスククラン
プ装置は、ハブ４の外フランジ８をディスク１の内周側
にディスク面に沿わせて、極めて小さな接着面積で接着
されているためターンテーブルへのディスクの装着及び
取り外しを繰り返すとディスクとハブの接着不良により
ハブがディスクから剥がれてしまうという接着力の耐久
性の問題があった。また、ディスク基板にハブ４を接着
する際にディスク基板とハブ４の位置合わせが必要で、
さらにその後、２枚のハブ付ディスク基板貼り合わせ時
にも位置合わせが必要であり極めて生産性が悪いという
問題点があった。

【０００７】本発明は上述した問題点を解決し、ディス
クと吸着板を確実に固定し、かつ、２枚のディスク基板
と吸着用板の位置合わせ及び貼り合わせ工程の生産性を
向上させることを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、本発明では、ディスク中央部に段差を有する２枚の
ディスク基板を貼り合わせて構成されており、吸着円板
は前記２枚の段差付ディスク基板の段差部分に挟み込ま
れるように配設することを特徴とするものである。

【０００９】

【作用】本発明によればディスク中央部に段差を有する
２枚のディスク基板を貼り合わせて構成されており、吸
着円板は前記２枚の段差付ディスク基板の段差部分に挟
み込まれるように配設することによりディスクと吸着円
板を確実に固着することができる。また、２枚のディス
ク基板と吸着円板の位置合わせおよび貼り合わせが同時
に行えて極めて生産性が向上する。

【００１０】

【実施例】以下、この発明をその実施例を示す図面に基
づいて説明する。図１は本技術のディスククランプ装置
の一実施例を示す概略断面図、図２は図１におけるター
ンテーブル部の概略平面図である。

【００１１】ディスク１は、２枚のディスク基板１４を
貼り合わせて構成されている。ディスク１の中央部に
は、テーパーコーン１５装着用の装着孔２が形成され、
その外周部には情報を記録再生するための記録再生領域
が形成されている。

【００１２】前記ディスク１はディスク中央部に段差を
有する２枚のディスク基板１４を貼り合わせて構成され
ており、鉄等の磁性材料で構成された吸着円板９は前記
２枚の段差付ディスク基板１４の段差部分に挟み込まれ
るように適宜手段で固着されている。具体的には、ディ
スク基板１４に吸着円板９を挟めるように吸着円板９の
厚さほど段差を吸着円板９の外径に略等しい外径の段差
を設ける。

【００１３】前記ディスク１に情報を記録／再生する場
合には、ディスク１を、モータ１７で駆動されるターン
テーブル１０にクランプさせて高速回転させる。なお、
１８は圧縮コイルバネ、１９はシャフト、２０はストッ
パを示す。

【００１４】前記ディスク１は、装着孔２にテーパーコ
ーン１５を挿通させて、段差付ディスク基板１４の段差
部分１６をターンテーブル１０のクランプ部１１に当接
させた状態にしてターンテーブル１０にクランプされて
いる。ターンテーブル１０には吸着円板９の外径に略等
しい外径の永久磁石１２が配設されており、その永久磁
石１２と吸着円板９との間には僅かなギャップが形成さ
れていて、永久磁石１２の吸着力を吸着円板９を介して
前記ディスク１に作用させている。したがってモータが
回転するとターンテーブル１０が回転して、そのターン
テーブル１０とともにディスク１が高速回転することに
なり、ディスク１に対して情報の記録／再生ができる状
態が得られる。

【００１５】一方、ディスク１を永久磁石１２の吸着力
に抗して永久磁石１２から離反させるべき力を与えるこ
とにより、ディスク１をターンテーブル１０から取り外
し得るようになっている。

【００１６】また、図３に本発明のディスククランプ装
置の他の実施例を示す概略断面図を示す。図３に示すよ
うに、この実施例はディスク１を装着孔２にテーパーコ
ーン１５を挿通させて、段差付ディスク基板１４の段差
部分１６の外周部をターンテーブル１０のクランプ部１
１に当接させた状態にしてターンテーブル１０にクラン
プするものである。

【００１７】このように構成したディスククランプ装置
においては、ディスクはディスク中央部に段差を有する
２枚のディスク基板を貼り合わせて構成されており、吸
着円板９は前記２枚の段差付ディスク基板の段差部分に
挟み込まれるように配設することによりディスクと吸着
円板を確実に固着することができる。また、２枚のディ
スク基板と吸着円板の位置合わせおよび貼り合わせが同
時に行えて極めて生産性が向上する。

【００１８】また、図４は本発明のディスククランプ装
置の第３実施例を示す概略断面図、図５は図４における
ターンテーブル部の概略平面図である。ディスク１は、
２枚のディスク基板１４を貼り合わせて構成されてい
る。ディスク１の中央部には、テーパーコーン１５装着
用の装着孔２が形成され、その外周部には情報を記録再
生するための記録再生領域が形成されている。

【００１９】前記ディスク１はディスク中央部に段差を
有する２枚のディスク基板１４を貼り合わせて構成され
ており、鉄等の磁性材料で構成された吸着円板９は前記
２枚の段差付ディスク基板１４の段差部分に接着固定す
ることなしに、挟み込まれるように配設されている。

【００２０】前記ディスク１に情報を記録／再生する場
合には、ディスク１を、モータで駆動されるターンテー
ブル１０にクランプさせて高速回転させる。前記ディス
ク１は、装着孔２にテーパーコーン１５を挿通させて、
段差付ディスク基板１４の段差部分１６をターンテーブ
ル１０のクランプ部１１に当接させた状態にしてターン
テーブル１０にクランプされている。ターンテーブル１
０には吸着円板９の外径よりも小さい外径の永久磁石１
２が配設させており、その永久磁石１２と吸着円板９と
の間には僅かなギャップが形成されていて、永久磁石１
２の吸着力を吸着円板９を介して前記ディスク１に作用
させている。したがってモータが回転するとターンテー
ブル１０が回転して、そのターンテーブル１０とともに
ディスク１が高速回転することになり、ディスク１に対
して情報の記録／再生ができる状態が得られる。

【００２１】一方、ディスク１を永久磁石１２の吸着力
に抗して永久磁石１２から離反させるべき力を与えるこ
とにより、ディスク１をターンテーブル１０から取り外
し得るようになっている。

【００２２】図６はディスク中央部に段差を有する２枚
のディスク基板１４を貼り合わせるための装置の一実施
例を示す斜視図、図７は図６の装置にディスク中央部に
段差を有する２枚のディスク基板１４を取り付けた状態
での概略断面図である。

【００２３】ディスク取り付けベース１７，１８には、
ディスク基板１４を引き付けるための真空チャッキング
穴１９、前記ディスク基板１４の段差部の縁のテーパと
同じテーパ値で座ぐられた凹部２０、及び円形上の凸部
２１が設けられている。また、ディスク取り付けベース
１７は上下に動くよう４本のポール２２で支持されてい
る。２枚のディスク基板１４を貼り合わせる時は、前記
ディスク基板１４の段差部分１６を前記ディスク取り付
けベース１５の凹部２０に挿入し、真空チャッキングに
よってディスク位置を固定する。そのときディスク基板
１４の外縁部はディスク取り付けベース１５に設けられ
た円形上の凸部１９に当接する。

【００２４】このように構成したディスククランプ装置
においては、ディスクはディスク中央部に段差を有する
２枚のディスク基板を貼り合わせて構成されており、吸
着円板９は前記２枚の段差付ディスク基板の段差部分に
接着固定することなしに、挟み込まれるように配設する
ことができる。また、前記ディスクの段差部の縁はテー
パとなっており、２枚のディスク基板貼り合わせ時には
このテーパ部を利用して中心合わせができるため極めて
生産性が向上する。なお、本発明は上記実施例に限定さ
れるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で種々変形し
て実施することができる。

【００２５】

【発明の効果】本発明によれば、ディスクとハブの接着
不良によりハブがディスクから剥がれてしまうという接
着力の耐久性の問題が解決され、かつ、ディスク基板と
吸着円板の位置合わせが不要であり、２枚のディスク基
板貼り合わせ時には前記ディスクの段差部の縁のテーパ
部を利用して中心合わせができるため極めて生産性が向
上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係るディスククランプ装置の一実施
例を示す概略断面図。

【図２】 図１におけるターンテーブル部の概略平面
図。

【図３】 本発明に係るディスククランプ装置の第２の
実施例を示す概略図。

【図４】 本発明に係るディスククランプ装置の第３の
実施例を示す概略断面図。

【図５】 図４におけるターンテーブル部の概略平面
図。

【図６】 ディスク中央部に段差を有する２枚のディス
ク基板を貼り合わせるための装置の一実施例を示す斜視
図。

【図７】 図６の装置にディスク中央部に段差を有する
２枚のディスク基板を取り付けた状態での概略断面図。

【図８】 従来のディスククランプ装置の一実施例を示
す概略断面図。

【符号の説明】

１…ディスク ９…吸着円板 １１…クランプ部 １４…ディスク基板 １６…段差部分 １７，１８…ディスク取り付けベース ２０…凹部 ２１…凸部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ディスクを装填すべきターンテーブルに
   磁石を配設し、該磁石により吸着力を前記ディスクに作
   用させて、該ディスクを前記ターンテーブルにクランプ
   するディスククランプ装置において、前記ディスクを前
   記ディスク中央部に段差を有する２枚のディスク基板を
   貼り合わせて構成するとともに、前記吸着円板を前記２
   枚の段差付ディスク基板の段差部分に挟み込む位置に配
   設することを特徴とするディスククランプ装置。