JP2004076336A - Pc製柱,柱梁接合構造体およびその接合方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】柱梁接合部での現場接合作業時に型枠用足場が不要であり、また、耐力に寄与しない増し打ちコンクリート部の不要なPC製柱を提供する。
【解決手段】PC製柱20a,20bは、PC製柱本体部22と、柱頭部23の外周側辺部から上方に一体的に突出形成されたPC製立上がり部25とを備え、柱頭部には、柱主筋26を接続するための柱継手部材27が埋め込まれ、柱脚部28には、下階のPC製柱の柱継手部材に固定される柱主筋接続端部26a,26bが下方に突出し、PC製立上がり部の上部端面25aには、上階のPC製柱本体部の柱主筋接続端部と一致する位置に、柱主筋接続端部を接続するための柱継手部材が埋め込まれ、下階のPC製柱本体部の柱頭部端面23aおよびPC製立上がり部の内部側側辺部25bと、上階のPC製柱本体部の柱脚部端面28aとの間に、柱梁接合部21用の現場接合空間部29が形成されている。
【選択図】 図3
【解決手段】PC製柱20a,20bは、PC製柱本体部22と、柱頭部23の外周側辺部から上方に一体的に突出形成されたPC製立上がり部25とを備え、柱頭部には、柱主筋26を接続するための柱継手部材27が埋め込まれ、柱脚部28には、下階のPC製柱の柱継手部材に固定される柱主筋接続端部26a,26bが下方に突出し、PC製立上がり部の上部端面25aには、上階のPC製柱本体部の柱主筋接続端部と一致する位置に、柱主筋接続端部を接続するための柱継手部材が埋め込まれ、下階のPC製柱本体部の柱頭部端面23aおよびPC製立上がり部の内部側側辺部25bと、上階のPC製柱本体部の柱脚部端面28aとの間に、柱梁接合部21用の現場接合空間部29が形成されている。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、集合住宅など多層建物の平面視外周部に配置される外柱を構成し柱梁接合部で現場接合されるPC(プレキャストコンクリート)製柱と、上下階のPC製柱とPC製外周梁が柱梁接合部で現場接合された柱梁接合構造体と、その接合方法に関する。
【0002】
【関連技術】
集合住宅など多層建物では、PC製柱やPC製外周梁を柱梁接合部で接合して使用する場合が多い。図11および図12は従来技術を示す図で、図11は従来のPC製柱とPC製外周梁の接合途中の状態を示す側面図、図12は図11の平面断面図である。
図11および図12に示す多層建物101では、上下に重なり合ったPC製柱102a,102bが、多層建物101の平面視外周部に外柱103として配置されている。
下階のPC製柱102bと上階のPC製柱102aとPC製外周梁104a,104bが、柱梁接合部105で現場接合されている。柱梁接合部105には直交梁106も接合されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この従来技術では、PC製柱102a,102bは外柱103として配置されているので、柱梁接合部105の現場接合作業時には、型枠107を設置するための型枠用足場108を、柱梁接合部105の外方(特に、多層建物101の外方、すなわち図12の左方)に設ける必要がある。これは、多層建物101の内部側からは、多層建物101の外部側に型枠107を設置する作業はできないからである。
柱梁接合部105が低い位置にある場合には、図11に示すように型枠用足場108は地上に設置するが、高い位置の場合には吊り足場となる。
このように従来は、PC製柱102a,102bとPC製外周梁104a,104bを接合する際に型枠用足場108が必要であり、この足場施工が現場接合作業における大きな負担になっていた。
【0004】
そこで、本発明の関連技術としては、型枠としての機能を有するがPC製ではない増し打ちコンクリート部(いわゆる、捨て型枠)を、PC製柱の柱頭部に予め一体的に固定しておくことにより、型枠用足場108を省略することも可能である。
しかし、この関連技術では、増し打ちコンクリート部の内部には柱主筋などの鉄筋が配筋されていないので、増し打ちコンクリート部はPC製柱の耐力には何等寄与していない。
また、PC製柱の美的外観向上のために、増し打ちコンクリート部を、柱梁接合部以外でも柱の上下全体にわたって設けることになる。しかし、このようにすると、PC製柱全体の平面視断面形状が大きくなって重量も重くなるので、PC製柱の製造,運搬,取扱い,現場施工などの作業に負担がかかってしまう。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、PC製柱とPC製外周梁が接合される柱梁接合部での現場接合作業時に型枠用足場が不要であり、また、PC製柱の耐力に寄与しない増し打ちコンクリート部をPC製柱に設ける必要のない、PC製柱,柱梁接合構造体およびその接合方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明にかかるPC製柱は、多層建物の平面視外周部に配置される外柱を構成し、下階のPC製柱と上階のPC製柱とPC製外周梁が柱梁接合部で現場接合されるPC製柱であって、このPC製柱は、PC製柱本体部と、このPC製柱本体部の柱頭部の外周側辺部から上方を向いて所定の立上がり高さ寸法で一体的に突出形成されて、PC製柱の一部をなすPC製立上がり部とを備え、PC製柱本体部は、その柱頭部には、柱主筋同士を接合するための柱継手部材が埋め込まれ、PC製柱本体部の柱脚部には、下階のPC製柱の柱継手部材に固定される柱主筋接続端部が柱脚部端面から下方に突出し、PC製立上がり部の上部端面には、上階のPC製柱本体部の柱主筋接続端部と一致する位置に、この柱主筋接続端部を接続するための柱継手部材が埋め込まれ、下階のPC製柱本体部の柱頭部端面と、上階のPC製柱本体部の柱脚部端面と、PC製立上がり部の内部側側辺部との間に、柱梁接合部用の現場接合空間部が形成されている。
PC製立上がり部には複数の先付けの帯筋が固定され、この複数の先付けの帯筋は、PC製立上がり部の内部側側辺部から現場接合空間部側に突出し、互いに平行に且つ水平に並んで配置されているのが好ましい。
【0007】
本発明にかかる柱梁接合構造体は、上述の上下階のPC製柱とPC製外周梁が柱梁接合部で現場接合された柱梁接合構造体であって、上下階のPC製柱間の現場接合空間部で二つのPC製外周梁がそれぞれの梁端を相対向させて直列に延び、これら相対向する一対の梁端からそれぞれ突出した梁主筋の梁主筋接続端部同士は現場継手手段によって接続されており、上階のPC製柱の柱主筋接続端部は、現場継手手段を介して接続されたPC製外周梁の梁主筋接続端部とPC製立上がり部の先付けの帯筋との間を通過して、下階のPC製柱本体部の柱継手部材およびPC製立上がり部の柱継手部材にそれぞれ挿入されており、上階のPC製柱の柱主筋接続端部が、下階のPC製柱のPC製柱本体部の柱継手部材およびPC製立上がり部の柱継手部材にそれぞれ固定された後に、上下階のPC製柱とPC製外周梁が、現場接合空間部に後打ち充填されたコンクリート充填材によって一体化されている。
好ましくは、PC製柱のPC製立上がり部に固定された複数の先付けの帯筋は、現場接合空間部において二つのPC製外周梁の梁主筋接続端部同士を現場継手手段で現場接合する作業が可能なように、現場接合空間部の途中まで短く突出しており、現場継手手段による梁主筋接続端部同士の現場接合作業の終了後に、後付けの帯筋を現場接合空間部の残りのスペースに配筋するようにしている。
本発明にかかる柱梁接合構造体の接合方法は、上述の柱梁接合構造体を接合する方法であって、下階用のPC製柱において先付けの帯筋が突出しているPC製立上がり部の内部側側辺部に接近するように、PC製外周梁をその中心軸線横方向に移動させて搬入し、現場接合空間部で二つのPC製外周梁を直列に相対向させ、二つのPC製外周梁の梁主筋接続端部同士を現場継手手段で接合した後、上階のPC製柱を下方に移動させてその複数の柱主筋接続端部を、下階のPC製柱のPC製柱本体部の柱継手部材およびPC製立上がり部の柱継手部材にそれぞれ挿入して、下階のPC製柱の柱頭部に現場接合空間部を介して上階のPC製柱を直列に配置するとともに、上階のPC製柱の柱主筋接続端部を下階のPC製柱の柱継手部材に固定し、その後、現場接合空間部にコンクリート充填材を後打ち充填することにより、上下階のPC製柱とPC製外周梁をコンクリート充填材によって一体化する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる実施の形態の一例を、図1ないし図10を参照して説明する。
図1は集合住宅の平面図、図2は、図1のII−II線断面図で、PC製柱とPC製外周梁の接合途中の状態を示す断面図である。図3ないし図6は、PC製柱とPC製外周梁を接合する手順を示す図である。図3は、PC製外周梁を組み込む以前の状態を示す分解斜視図、図4は、PC製外周梁を組み込んだ状態を示す斜視図、図5は図4の透視図、図6は、現場接合空間部での後打ち充填作業を示す側面図である。
図7ないし図9はPC製柱を示す図である。図7(a),(b)はそれぞれPC製柱の平面図,側面図、図8はPC製柱の配筋側面図、図9(a)は、先付けの帯筋(フープ)を有するPC製柱に後付けの帯筋を取付ける状態を示す平面図、図9(b)は、図9(a)に示すPC製柱に後付けの帯筋を取付けた状態を示す平面図である。図10は、本実施形態の変形例にかかる、PC製柱とPC製外周梁の接合途中の状態を示す断面図で、図2相当図である。
【0009】
図1に示すように、多層建物としての集合住宅1の基準階は、桁行方向(集合住宅1の長手方向でB方向)に延設された一つの共用廊下2に沿って複数の住戸領域3を配置し、共用廊下2の反対側にバルコニー4を付設した、片廊下方式である。なお、多層建物としては、集合住宅1のほか、事務所ビル,ホテルなどであってもよい。
集合住宅1の桁行方向(B方向)は10スパン、桁行方向と直交するはり間方向(C方向)は1スパン(対向する外柱5,5間のスパン)である。各階(基準階)の平面形状は、はり間方向に狭く桁行方向に細長い板状平面形をなしている。なお、集合住宅の基準階の平面形は、片廊下方式の板状平面形の場合を示したが、内部の吹き抜け空間を有する平面形(ロ字形,C字形)などでもよい。
複数の外柱5は、集合住宅1の平面視外周部に配置されている独立柱である。共用廊下2側の外柱5とバルコニー4側の外柱5は、所定のスパン長さLc離隔して対向配置されている。
【0010】
集合住宅1の骨組構造体6は、桁行方向(B方向)に延びて配置された第1ラーメン構造体7aおよび第2ラーメン構造体7bと、はり間方向(C方向)に配置され、二つのラーメン構造体7a,7bに固定された複数の直交梁(内部梁)8とからなっている。
ここで、「骨組構造体」とは、柱や梁などの線材,耐震壁や壁ブレースなどの面部材を組み合わせた架構と、それに一体化した二次的構造部材とで構成され、地震力などの外力に対して構造設計上抵抗し得る構造体をいう。
骨組構造体6は、桁行方向(B方向)では対向して且つ平行に配置された二つのラーメン構造体7a,7bを有し、第1ラーメン構造体7aが共用廊下2の外側に配置され、第2ラーメン構造体7bがバルコニー4の外側に配置された、いわゆる「アウトフレーム」の構成になっている。
【0011】
第1ラーメン構造体7aにおいて、桁行方向のラーメン骨組は、複数の外柱5と、水平方向に架設された複数のPC製外周梁9とによって構成されている。第2ラーメン構造体7bにおいて、桁行方向のラーメン骨組は、複数の外柱5と、水平方向に架設された複数のPC製外周梁9とによって構成されている。二つのラーメン構造体7a,7bにおいて、複数の外柱5は、共用廊下2とバルコニー4の各外縁部に沿って、桁行方向に任意のスパン長さで配置されている。
なお、第1ラーメン構造体7aを共用廊下2と住戸領域3との間に配置し、第2ラーメン構造体7bをバルコニー4と住戸領域3との間に配置した構成であってもよい。
【0012】
第1ラーメン構造体7aの外柱5と、この外柱5に対向する第2ラーメン構造体7bの外柱5とを結んだはり間方向の架構面10が、所定のスパン長さLcを有し桁行方向に任意のスパン長さ離隔して、複数(ここでは、11個)形成されている。
架構面10は、対向する二本の外柱5を結ぶ水平軸線を通る仮想の鉛直面であって、桁行方向の架構面(第1ラーメン構造体7a,第2ラーメン構造体7bが配置されている仮想の鉛直面)と直交として構成されている。
はり間方向の架構面10に、直交梁8,柱,耐震壁などを配置することによって、はり間方向の骨組構造体6が構成される。
【0013】
図2および図3に示すように、外柱5は、同一形状の複数のPC製柱20を上下に直列に積み重ねることにより構成されている。
なお、説明の便宜上、外柱5を構成する複数のPC製柱20のうち、柱梁接合部21で現場接合作業を行う場合の上下階を区別するために、この現場接合作業を行う階(上階)のPC製柱20には符号20aを付し、この上階より一つ下の階(下階)のPC製柱20には符号20bを付して、以下説明する。
下階のPC製柱20bと上階のPC製柱20aとPC製外周梁9a,9b(図1に示すPC製外周梁9と同じもの)が、柱梁接合部21で現場接合されるようになっている。PC製外周梁9a,9bは、集合住宅1の桁行方向の外周梁として構成されている。
図2では、集合住宅1のFn階(上階)では、柱梁接合部21を現場接合する途中であり、その下のFn−1階(下階)では、柱梁接合部21の現場接合作業は完了しており、Fn階の上のFn+1階では、現場接合作業は未だ行われていない状態を示している。
なお、上下階のPC製柱20a,20bとPC製外周梁9a,9bを柱梁接合部21で現場接合するのは、集合住宅1の下部から上部まで全階にわたって行なってもよいが、一部の複数階のみで前記現場接合を行い、残りの階では現場でのコンクリート打ちで外柱5などを構成してもよい。
【0014】
図2,図3,図7ないし図9に示すように、各PC製柱20a,20bは、PC製柱本体部22と、PC製柱20a,20bの一部をなすPC製立上がり部25とを備えている。
PC製柱本体部22は上下方向に長いほぼ直方体形状であり、PC製立上がり部25は、細長い水平断面形状を有し且つ上方に延びたほぼ直方体形状である。各PC製柱20a,20bの全体は、柱横幅寸法(建物の桁行方向(B方向)の寸法に相当)DB,柱奥行き寸法(建物のはり間方向(C方向)の寸法に相当)DC,階高寸法HOであり、PC製柱の耐力に有効な水平断面形は、DB×DCの矩形となっている。
【0015】
PC製立上がり部25は、PC製柱本体部22の柱頭部23の外周側辺部24から上方を向いて、所定の立上がり高さ寸法Hで一体的に突出形成されており、内部に柱主筋26が配筋されている。
下階のPC製柱20bのPC製柱本体部22の柱頭部端面23aおよびPC製立上がり部25の内部側側辺部25bと、上階のPC製柱本体部22の柱脚部端面28aとの間に、柱梁接合部21用の現場接合空間部(すなわち、現場打ち部)29が形成されている。PC製立上がり部25の内部側側辺部25bは、PC製外周梁9a,9bに対向してその長手方向(集合住宅1の桁行方向(B方向))と平行に形成されている。
【0016】
PC製立上がり部25には、複数の同一形状の先付けの帯筋30(フープ)が固定されている。なお、図7では先付けの帯筋30の図示を省略している。
PC製立上がり部25に固定されている複数の先付けの帯筋30は、内部側側辺部25bから現場接合空間部29側に突出し、互いに平行に且つ水平に並んで上下に配置され、平面視で重なり合っている。先付けの帯筋30は、PC製立上がり部25内で、柱主筋26および柱継手部材27に巻回されている(図8,図9(a))。
なお、PC製柱に先付けの帯筋30を予め固定しないで、現場接合作業時に別途配筋する場合でもよい。
【0017】
PC製立上がり部25のコンクリート断面は、水平断面が細長い長方形で、所定の立上がり高さHを有する直方体である。PC製立上がり部25の水平断面形状は、横幅寸法DB(PC製柱本体部22の柱横幅寸法DBと同一寸法),奥行き寸法DO(PC製柱本体部22の柱奥行き寸法DCと同一方向の寸法)の細長い長方形である。
PC製柱立上がり部25の奥行き寸法DOは、柱継手部材27を埋め込むのに必要なコンクリート寸法によって決定される。この奥行き寸法DOは、柱主筋26がD41(直径が41mmの鉄筋)以下の径ならば、たとえば約240mmが好ましい。この場合には、PC製柱本体部22の柱奥行き寸法DCをたとえば1,000mmとすると、DO/DCは約1/4となる。
PC製立上がり部25の立上がり高さ寸法Hは、PC製柱20a,20bに接合されるPC製外周梁9a,9bの断面高さ(梁成)および直交梁8の断面高さによって決定される。
【0018】
PC製立上がり部25は、PC製柱20a,20bの一部をなしている。すなわち、PC製立上がり部25は、PC製柱20a,20bの柱としての耐力上有効なコンクリート断面の一部として形成されていて、耐力上無視される増し打ちコンクリート部ではない。
PC製立上がり部25と、柱梁接合部21用の現場接合空間部29に後打ち充填されたコンクリート充填材34によって、PC製柱20a,20bの柱梁接合部21が一体化して形成される。
このPC製柱20a,20bの柱梁接合部21のコンクリート断面は、DB×DCの矩形であって、PC製柱本体部22の柱としての耐力上有効なコンクリート断面(DB×DCの矩形)と同一である。
PC製立上がり部25は、奥行き寸法DOが厚く且つ柱主筋26と先付けの帯筋30が内部に配筋されて十分な強度を有しているので、運搬や施工時などに損傷を受けにくい。
【0019】
PC製立上がり部25は、上下階のPC製柱20a,20bとPC製外周梁9a,9bが配置された現場接合空間部29にコンクリート充填材34を後打ち充填する現場接合作業時には、外柱5より外部側(集合住宅1の外部側)における型枠としての機能を発揮する。
特に、集合住宅1の内部側からは、集合住宅1の外部側に型枠を設置することはできないが、型枠用足場がないと型枠の設置作業ができない位置に、型枠の機能を発揮するPC製立上がり部25が配置されるので有益である。
その後、上下階のPC製柱20a,20bとPC製外周梁9a,9bが、柱梁接合部21用の現場接合空間部29に後打ち充填されたコンクリート充填材34によって一体化された後は、PC製立上がり部25は、複数のPC製柱からなる外柱5としての耐力上有効なコンクリート断面の一部としての機能を発揮する。この場合には、PC製立上がり部25には、柱主筋26と先付けの帯筋30が配筋されているので、PC製柱20a,20bの耐力に寄与している。
このように、PC製立上がり部25の機能は、現場接合作業時における型枠としての機能から、現場接合作業後における外柱5としての耐力上有効なコンクリート断面の一部としての機能に、経時的に変化する。
【0020】
PC製柱本体部22の内部には柱主筋26が配筋されており、PC製柱本体部22の柱頭部23には、柱主筋26同士を接合するための柱継手部材27が埋め込まれている。
PC製柱本体部22の柱脚部28には、下階のPC製柱20bの柱継手部材27に固定される柱主筋接続端部26a,26bが、柱脚部端面28aから下方に突出している。PC製柱20a,20bの柱主筋26のうち、下方に突出した部分が柱主筋接続端部26a,26bである。
柱頭部端面23aの下方でPC製柱本体部22に配筋された柱主筋26は、柱脚部端面28aから下方に長く突出して柱主筋接続端部26aとなっている。PC製立上がり部25からPC製柱本体部22まで配筋された柱主筋26は、柱脚部端面28aから下方に短く突出して柱主筋接続端部26bとなっている。
柱継手部材27は、下階のPC製柱20bの柱主筋26と、上階のPC製柱20aの柱主筋接続端部26a,26bとを接合するためのもので、たとえば、異形鉄筋(柱主筋26)同士をモルタルを介して一体化するスリーブ状の継手金具などの機械式継手金具が使用されている。
【0021】
下階のPC製柱20bのPC製柱本体部22の柱頭部端面23aには、上階のPC製柱20aのPC製柱本体部22の柱主筋接続端部26aと一致する位置に、この柱主筋接続端部26aを接続するための柱継手部材27が埋め込まれている。
また、下階のPC製柱20aのPC製立上がり部25の上部端面25aには、上階のPC製柱20aのPC製柱本体部22の柱主筋接続端部26bと一致する位置に、この柱主筋接続端部26bを接続するための柱継手部材27が埋め込まれている。
PC製柱20a,20bの内部において、全ての柱継手部材27は、この位置から下方に延びる柱主筋26の上端部に接続されている。PC製柱本体部22の柱継手部材27の上端部は、PC製柱20a,20bのPC製柱本体部22の柱頭部端面23aに開口している。PC製立上がり部25の柱継手部材27の上端部は、PC製立上がり部25の上部端面25aに開口している。
このように、PC製柱本体部22とPC製立上がり部25の柱継手部材27は、それぞれ上方に開口している。したがって、下階のPC製柱20bの柱継手部材27に、上階のPC製柱20aの柱主筋接続端部26a,26bを挿入するとき、柱継手部材27内にモルタルを注入または圧入充填する作業を容易に行うことができる。
【0022】
上下階のPC製柱20a,20bとPC製外周梁9a,9bが柱梁接合部21で現場接合されることにより、柱梁接合構造体31が形成されている。この柱梁接合構造体31において、上下階のPC製柱20a,20b間の現場接合空間部29で、二つのPC製外周梁9a,9bがそれぞれの梁端9a1,9b1を相対向させて直列に延びている。
これら相対向する一対の梁端9a1,9b1からそれぞれ突出した複数の梁主筋32の梁主筋接続端部32a同士は、現場継手手段33によって接続されている。現場継手手段33としては、機械式鉄筋継手部材が使用されている。本実施形態では、機械式鉄筋継手部材として、梁主筋接続端部32aにねじ込み可能なカプラー(現場継手手段)33を使用している。
【0023】
柱梁接合構造体31において、現場接合時には、上階のPC製柱20aのPC製柱本体部22の柱脚部端面28aは、現場接合空間部29を介して、下階のPC製柱20bのPC製柱本体部22の柱頭部端面23aと対向する。これと同時に、上階のPC製柱20aの柱脚部端面28aは、下階のPC製柱20bのPC製立上がり部25の上部端面25aと直接対向する。
柱梁接合構造体31では、上階のPC製柱20aの柱主筋接続端部26aは、カプラー33を介して接続されたPC製外周梁9a,9bの梁主筋接続端部32aと、PC製立上がり部25の先付けの帯筋30との間を通過して、下階のPC製柱20bのPC製柱本体部22の柱継手部材27に挿入され固定されている。
一方、PC製立上がり部25の上部端面25aには、上階のPC製柱本体部22の柱主筋接続端部26bと一致する位置に、この柱主筋接続端部26bを接続するための柱継手部材27が埋め込まれている。したがって、上階のPC製柱20aの柱主筋接続端部26bは、PC製立上がり部25の柱継手部材27に直接挿入されて固定されている。
こうして、上階のPC製柱20aの柱主筋接続端部26aが、下階のPC製柱20bのPC製柱本体部22の柱継手部材27に固定され、上階のPC製柱20aの柱主筋接続端部26bが、下階のPC製柱20bのPC製立上がり部25の柱継手部材27に固定される。
その後、上下階のPC製柱20a,20bとPC製外周梁9a,9bが、柱梁接合部21用の現場接合空間部29に後打ち充填されたコンクリート充填材34によって一体化される。このコンクリート充填材34としては、コンクリート,モルタルなどがある。
【0024】
PC製柱20a,20bのPC製立上がり部25に固定された複数の先付けの帯筋30は、現場接合空間部29の途中まで短く突出している。これにより、現場接合空間部29において、二つのPC製外周梁9a,9bの梁主筋32の梁主筋接続端部32a同士をカプラー33で現場接合する作業が可能になる。
すなわち、先付けの帯筋30は、内部側側辺部25bから、水平方向外方に所定の短い突出寸法d1(図3,図8)だけ突出している。先付けの帯筋30の突出寸法d1としては、現場接合空間部29において、PC製立上がり部25の内部側側辺部25bと直角で水平方向の全長(現場接合空間部29の全長)d2(図3,図8)の約1/2より若干長い寸法になっている。
先付けの帯筋30の突出寸法d1が現場接合空間部29の全長d2より短いので、現場接合空間部29で、先付けの帯筋30が邪魔になることなく全ての梁主筋接続端部32a同士をカプラー33で容易に接合することができる。
【0025】
カプラー33による梁主筋接続端部32a同士の現場接合作業が終了した後、後付けの帯筋30a(図9(a))を、現場接合空間部29の残りのスペースに配筋して柱主筋接続端部26aに巻回する(図9(b))。
先付けの帯筋30の突出寸法d1が現場接合空間部29の全長d2の約1/2より若干長いので、先付けの帯筋30の一部と後付けの帯筋30aの一部とを重ね合わせて相互に接続すれば、PC製柱20a,20bの耐力を向上させることができる(図8,図9(b))。先付けの帯筋30と後付けの帯筋30aとを組み合わせて、帯筋の全体が構成される。
柱梁接合部21に配筋する帯筋を、先付けの帯筋30と後付けの帯筋30aに分割したので、PC製立上がり部25に固定される先付けの帯筋30を現場接合空間部29の途中までしか突出しないように短くすることができる。
したがって、現場接合作業時には(図10)、現場接合空間部29で先付けの帯筋30の内側まで手を延ばして、カプラー33で梁主筋接続端部32a同士を容易に接合することができる。
【0026】
柱梁接合部21は、はり間方向(C方向)の直交梁8も接合されて平面視でT字形の梁の構造体をなしている。この柱梁接合部21の場合には、上下階のPC製柱20a,20bに、直交梁8用の主筋40(図2)を、所定高さ位置で水平方向に予め固定しておくのが好ましい。
集合住宅1(図1)の四隅において外柱5を含む柱梁接合部21では、平面視でL字形の梁の構造体をなしている。
【0027】
柱脚部端面28aから下方に突出している柱主筋接続端部26aの長さに関しては、上下階のPC製柱20a,20bを重ね合わせたとき、柱主筋接続端部26aは、現場接合空間部29を上下方向に貫通し且つ下階のPC製柱20bの柱継手部材27に挿入するのに必要な所定の長さを有している。
一方、PC製立上がり部25の柱主筋26における柱主筋接続端部26bは、上下階のPC製柱20a,20bを接合した状態で、下階のPC製柱20bのPC製立上がり部25の柱継手部材27に挿入するのに必要な所定の長さを有している。
これにより、上階のPC製柱20aの全ての柱主筋接続端部26a,26bが、下階のPC製柱20bの全ての柱継手部材27に挿入可能になる。
【0028】
PC製立上がり部25における先付けの帯筋30は、現場接合時までは現場接合空間部29で露出しているが、PC製柱本体部22内にも帯筋が配筋されている。
柱主筋26は、その柱主筋接続端部26a,26bが柱脚部端面28aから下方に突出しているが、PC製柱20a,20bの上方には突出していない。したがって、柱主筋がPC製柱の上方に突出している場合と比較して、PC製柱20a,20bの全長Lを短くすることができ、運搬,取扱いなどが比較的容易である。
【0029】
次に、柱梁接合構造体31を接合する方法について説明する。
図3に示すように、下階用のPC製柱20bにおいて先付けの帯筋30が突出しているPC製立上がり部25の内部側側辺部25bに接近するように、PC製外周梁9a,9bを、その中心軸線横方向(矢印E方向)に移動させて搬入する。この「中心軸」は、PC製外周梁9a,9bの長手方向(集合住宅1の桁行方向(B方向))に相当し、「中心軸線横方向」は、前記中心軸に平面視直交する横方向(集合住宅1のはり間方向(C方向))に相当する。
そして、図4に示すように、現場接合空間部29で二つのPC製外周梁9a,9bを直列に相対向させる。このとき、PC製外周梁9a,9bの水平な複数の梁主筋接続端部32aは、平行に且つ水平に並んで上下に配置された複数の先付けの帯筋30と干渉することなく、先付けの帯筋30の間を通過することができる。
その後、二つのPC製外周梁9a,9bの全ての梁主筋接続端部32a同士をカプラー33で接合する。このとき、先付けの帯筋30は現場接合空間部29の途中まで短く突出しているので、先付けの帯筋30が接合作業の邪魔になることはなく、カプラー33を容易に回して接合することができる。
【0030】
次いで、図4,図5の矢印G(上下方向)に示すように上階のPC製柱20aを下方に移動させ、その複数の柱主筋接続端部26a,26bを、下階のPC製柱20bのPC製柱本体部22の柱継手部材27と、PC製立上がり部25の柱継手部材27にそれぞれ挿入する。
このとき、複数の柱主筋接続端部26a,26bは、複数の梁主筋接続端部32a同士の間と、梁主筋接続端部32aと先付けの帯筋30との間を、梁主筋接続端部32aや先付けの帯筋30と干渉することなく通過することができる。
こうして、下階のPC製柱20bの柱頭部23に、現場接合空間部29を介して上階のPC製柱20aを直列に重ねて配置するとともに、上階のPC製柱20aの主筋接続端部26a,26bを、下階のPC製柱20bの柱継手部材27に挿入した後、モルタルを柱継手部材27に注入または圧入充填して固定する。この状態のときは、下階のPC製柱20bのPC製立上がり部25の上部端面25a上に、上階のPC製柱20aの柱脚部28が載置されている。
【0031】
その後、図6に示すように、現場接合空間部29にコンクリート充填材34を投入して後打ち充填する。このとき、PC製立上がり部25が、外柱5より外部側(集合住宅1の外部側で、図6の左方)の型枠としての機能を発揮する。
この充填作業前には、現場接合空間部29の周囲を囲むための他の型枠も予め設置しておく。なお、前記他の型枠は、外柱5より集合住宅1側に設けられるので、型枠用足場がなくても他の型枠の設置作業は容易にできる。
このようにして、コンクリート充填材34が充填された現場打ち部(すなわち、現場接合空間部29)は、下階のPC製柱20bのPC製立上がり部25,PC製柱本体部22および上階のPC製柱20aのPC製柱本体部22と一体化して、柱梁接合部21(図2,図3)を形成する。
このようなコンクリート充填材34の後打ち充填により、上下階のPC製柱20a,20bとPC製外周梁9a,9bが、コンクリート充填材34によって一体化する。
【0032】
図10に示す変形例では、上下階のPC製柱20a,20bのPC製立上がり部25の立上がり高さ寸法Hを大きくし、階高寸法HOは前記実施形態とほぼ同じにしている。これにより、現場接合空間部29は下方に延びた形状になる。
この下方に長い現場接合空間部29の下部に直交梁8を接合する場合、この直交梁8をPC製にしても、このPC製直交梁の梁主筋8aの接続端部8bを現場接合空間部29内の下部にセットすることができる。このように、直交梁8としてPC製梁を使用することができるので、現場での接合作業工程が簡略化する。
なお、他の構成は前記実施形態と同じであり、この変形例においても前記実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0033】
上述の実施形態(変形例を含む)では、柱梁接合部21を、コンクリート充填材34が充填される現場打ち部(現場接合空間部29)と、PC製立上がり部25とにより構成し、現場打ち部にコンクリート充填材34を後打ち充填することにより柱梁接合部21を一体化している。
コンクリート充填材34を後打ち充填する際には、PC製立上がり部25が、型枠用足場がないと型枠の設置が困難な位置(すなわち、外柱5より外部側の位置)で、型枠としての機能を発揮する。
したがって、上下階のPC製柱20a,20bとPC製外周梁9a,9bが接合される柱梁接合部21での現場接合作業時に型枠用足場が不要になるので、現場接合作業の負担が軽減する。
また、PC製柱20a,20bの耐力に寄与しない増し打ちコンクリート部(捨て型枠)をPC製柱20a,20bに設ける必要がないので、PC製柱20a,20b全体の平面視断面形状が小さくなって、重量も軽くなる。その結果、PC製柱の製造,運搬,取扱い,現場施工などの作業の工数が軽減される。
以上、本発明の実施形態(変形例を含む)を説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲で種々の変形,付加などが可能である。
なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。
【0034】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成したので、PC製柱とPC製外周梁が接合される柱梁接合部での現場接合作業時に型枠用足場が不要であり、また、PC製柱の耐力に寄与しない増し打ちコンクリート部をPC製柱に設ける必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図10は本発明の実施形態の一例を示す図で、図1は集合住宅の平面図である。
【図2】図1のII−II線断面図で、PC製柱とPC製外周梁の接合途中の状態を示す断面図である。
【図3】図3ないし図6はPC製柱とPC製外周梁を接合する手順を示す図で、図3は、PC製外周梁を組み込む以前の状態を示す分解斜視図である。
【図4】PC製外周梁を組み込んだ状態を示す斜視図である。
【図5】図4の透視図である。
【図6】現場接合空間部での後打ち充填作業を示す側面図である。
【図7】図7ないし図9はPC製柱を示す図で、図7(a),(b)は、それぞれPC製柱の平面図,側面図である。
【図8】PC製柱の配筋側面図である。
【図9】先付けの帯筋に後付けの帯筋を取付ける前後の状態を示すPC製柱の平面図である。
【図10】本実施形態の変形例にかかるPC製柱とPC製外周梁の接合途中の状態を示す断面図で、図2相当図である。
【図11】従来のPC製柱とPC製外周梁の接合途中の状態を示す側面図である。
【図12】図11の平面断面図である。
【符号の説明】
1 集合住宅(多層建物)
5 外柱
9a,9b PC製外周梁
9a1,9b1 梁端
20 PC製柱
20a 上階のPC製柱(PC製柱)
20b 下階のPC製柱(PC製柱)
21 柱梁接合部
22 PC製柱本体部
23 柱頭部
23a 柱頭部端面
24 外周側辺部
25 PC製立上がり部
25a 上部端面
25b 内部側側辺部
26 柱主筋
26a 柱主筋接続端部
26b 柱主筋接続端部
27 柱継手部材
28 柱脚部
28a 柱脚部端面
29 現場接合空間部
30 先付けの帯筋
30a 後付けの帯筋
31 柱梁接合構造体
32 梁主筋
32a 梁主筋接続端部
33 カプラー(現場継手手段)
34 コンクリート充填材
E方向 中心軸線横方向
H 立上がり高さ寸法
【発明の属する技術分野】
本発明は、集合住宅など多層建物の平面視外周部に配置される外柱を構成し柱梁接合部で現場接合されるPC(プレキャストコンクリート)製柱と、上下階のPC製柱とPC製外周梁が柱梁接合部で現場接合された柱梁接合構造体と、その接合方法に関する。
【0002】
【関連技術】
集合住宅など多層建物では、PC製柱やPC製外周梁を柱梁接合部で接合して使用する場合が多い。図11および図12は従来技術を示す図で、図11は従来のPC製柱とPC製外周梁の接合途中の状態を示す側面図、図12は図11の平面断面図である。
図11および図12に示す多層建物101では、上下に重なり合ったPC製柱102a,102bが、多層建物101の平面視外周部に外柱103として配置されている。
下階のPC製柱102bと上階のPC製柱102aとPC製外周梁104a,104bが、柱梁接合部105で現場接合されている。柱梁接合部105には直交梁106も接合されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この従来技術では、PC製柱102a,102bは外柱103として配置されているので、柱梁接合部105の現場接合作業時には、型枠107を設置するための型枠用足場108を、柱梁接合部105の外方(特に、多層建物101の外方、すなわち図12の左方)に設ける必要がある。これは、多層建物101の内部側からは、多層建物101の外部側に型枠107を設置する作業はできないからである。
柱梁接合部105が低い位置にある場合には、図11に示すように型枠用足場108は地上に設置するが、高い位置の場合には吊り足場となる。
このように従来は、PC製柱102a,102bとPC製外周梁104a,104bを接合する際に型枠用足場108が必要であり、この足場施工が現場接合作業における大きな負担になっていた。
【0004】
そこで、本発明の関連技術としては、型枠としての機能を有するがPC製ではない増し打ちコンクリート部(いわゆる、捨て型枠)を、PC製柱の柱頭部に予め一体的に固定しておくことにより、型枠用足場108を省略することも可能である。
しかし、この関連技術では、増し打ちコンクリート部の内部には柱主筋などの鉄筋が配筋されていないので、増し打ちコンクリート部はPC製柱の耐力には何等寄与していない。
また、PC製柱の美的外観向上のために、増し打ちコンクリート部を、柱梁接合部以外でも柱の上下全体にわたって設けることになる。しかし、このようにすると、PC製柱全体の平面視断面形状が大きくなって重量も重くなるので、PC製柱の製造,運搬,取扱い,現場施工などの作業に負担がかかってしまう。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、PC製柱とPC製外周梁が接合される柱梁接合部での現場接合作業時に型枠用足場が不要であり、また、PC製柱の耐力に寄与しない増し打ちコンクリート部をPC製柱に設ける必要のない、PC製柱,柱梁接合構造体およびその接合方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明にかかるPC製柱は、多層建物の平面視外周部に配置される外柱を構成し、下階のPC製柱と上階のPC製柱とPC製外周梁が柱梁接合部で現場接合されるPC製柱であって、このPC製柱は、PC製柱本体部と、このPC製柱本体部の柱頭部の外周側辺部から上方を向いて所定の立上がり高さ寸法で一体的に突出形成されて、PC製柱の一部をなすPC製立上がり部とを備え、PC製柱本体部は、その柱頭部には、柱主筋同士を接合するための柱継手部材が埋め込まれ、PC製柱本体部の柱脚部には、下階のPC製柱の柱継手部材に固定される柱主筋接続端部が柱脚部端面から下方に突出し、PC製立上がり部の上部端面には、上階のPC製柱本体部の柱主筋接続端部と一致する位置に、この柱主筋接続端部を接続するための柱継手部材が埋め込まれ、下階のPC製柱本体部の柱頭部端面と、上階のPC製柱本体部の柱脚部端面と、PC製立上がり部の内部側側辺部との間に、柱梁接合部用の現場接合空間部が形成されている。
PC製立上がり部には複数の先付けの帯筋が固定され、この複数の先付けの帯筋は、PC製立上がり部の内部側側辺部から現場接合空間部側に突出し、互いに平行に且つ水平に並んで配置されているのが好ましい。
【0007】
本発明にかかる柱梁接合構造体は、上述の上下階のPC製柱とPC製外周梁が柱梁接合部で現場接合された柱梁接合構造体であって、上下階のPC製柱間の現場接合空間部で二つのPC製外周梁がそれぞれの梁端を相対向させて直列に延び、これら相対向する一対の梁端からそれぞれ突出した梁主筋の梁主筋接続端部同士は現場継手手段によって接続されており、上階のPC製柱の柱主筋接続端部は、現場継手手段を介して接続されたPC製外周梁の梁主筋接続端部とPC製立上がり部の先付けの帯筋との間を通過して、下階のPC製柱本体部の柱継手部材およびPC製立上がり部の柱継手部材にそれぞれ挿入されており、上階のPC製柱の柱主筋接続端部が、下階のPC製柱のPC製柱本体部の柱継手部材およびPC製立上がり部の柱継手部材にそれぞれ固定された後に、上下階のPC製柱とPC製外周梁が、現場接合空間部に後打ち充填されたコンクリート充填材によって一体化されている。
好ましくは、PC製柱のPC製立上がり部に固定された複数の先付けの帯筋は、現場接合空間部において二つのPC製外周梁の梁主筋接続端部同士を現場継手手段で現場接合する作業が可能なように、現場接合空間部の途中まで短く突出しており、現場継手手段による梁主筋接続端部同士の現場接合作業の終了後に、後付けの帯筋を現場接合空間部の残りのスペースに配筋するようにしている。
本発明にかかる柱梁接合構造体の接合方法は、上述の柱梁接合構造体を接合する方法であって、下階用のPC製柱において先付けの帯筋が突出しているPC製立上がり部の内部側側辺部に接近するように、PC製外周梁をその中心軸線横方向に移動させて搬入し、現場接合空間部で二つのPC製外周梁を直列に相対向させ、二つのPC製外周梁の梁主筋接続端部同士を現場継手手段で接合した後、上階のPC製柱を下方に移動させてその複数の柱主筋接続端部を、下階のPC製柱のPC製柱本体部の柱継手部材およびPC製立上がり部の柱継手部材にそれぞれ挿入して、下階のPC製柱の柱頭部に現場接合空間部を介して上階のPC製柱を直列に配置するとともに、上階のPC製柱の柱主筋接続端部を下階のPC製柱の柱継手部材に固定し、その後、現場接合空間部にコンクリート充填材を後打ち充填することにより、上下階のPC製柱とPC製外周梁をコンクリート充填材によって一体化する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる実施の形態の一例を、図1ないし図10を参照して説明する。
図1は集合住宅の平面図、図2は、図1のII−II線断面図で、PC製柱とPC製外周梁の接合途中の状態を示す断面図である。図3ないし図6は、PC製柱とPC製外周梁を接合する手順を示す図である。図3は、PC製外周梁を組み込む以前の状態を示す分解斜視図、図4は、PC製外周梁を組み込んだ状態を示す斜視図、図5は図4の透視図、図6は、現場接合空間部での後打ち充填作業を示す側面図である。
図7ないし図9はPC製柱を示す図である。図7(a),(b)はそれぞれPC製柱の平面図,側面図、図8はPC製柱の配筋側面図、図9(a)は、先付けの帯筋(フープ)を有するPC製柱に後付けの帯筋を取付ける状態を示す平面図、図9(b)は、図9(a)に示すPC製柱に後付けの帯筋を取付けた状態を示す平面図である。図10は、本実施形態の変形例にかかる、PC製柱とPC製外周梁の接合途中の状態を示す断面図で、図2相当図である。
【0009】
図1に示すように、多層建物としての集合住宅1の基準階は、桁行方向(集合住宅1の長手方向でB方向)に延設された一つの共用廊下2に沿って複数の住戸領域3を配置し、共用廊下2の反対側にバルコニー4を付設した、片廊下方式である。なお、多層建物としては、集合住宅1のほか、事務所ビル,ホテルなどであってもよい。
集合住宅1の桁行方向(B方向)は10スパン、桁行方向と直交するはり間方向(C方向)は1スパン(対向する外柱5,5間のスパン)である。各階(基準階)の平面形状は、はり間方向に狭く桁行方向に細長い板状平面形をなしている。なお、集合住宅の基準階の平面形は、片廊下方式の板状平面形の場合を示したが、内部の吹き抜け空間を有する平面形(ロ字形,C字形)などでもよい。
複数の外柱5は、集合住宅1の平面視外周部に配置されている独立柱である。共用廊下2側の外柱5とバルコニー4側の外柱5は、所定のスパン長さLc離隔して対向配置されている。
【0010】
集合住宅1の骨組構造体6は、桁行方向(B方向)に延びて配置された第1ラーメン構造体7aおよび第2ラーメン構造体7bと、はり間方向(C方向)に配置され、二つのラーメン構造体7a,7bに固定された複数の直交梁(内部梁)8とからなっている。
ここで、「骨組構造体」とは、柱や梁などの線材,耐震壁や壁ブレースなどの面部材を組み合わせた架構と、それに一体化した二次的構造部材とで構成され、地震力などの外力に対して構造設計上抵抗し得る構造体をいう。
骨組構造体6は、桁行方向(B方向)では対向して且つ平行に配置された二つのラーメン構造体7a,7bを有し、第1ラーメン構造体7aが共用廊下2の外側に配置され、第2ラーメン構造体7bがバルコニー4の外側に配置された、いわゆる「アウトフレーム」の構成になっている。
【0011】
第1ラーメン構造体7aにおいて、桁行方向のラーメン骨組は、複数の外柱5と、水平方向に架設された複数のPC製外周梁9とによって構成されている。第2ラーメン構造体7bにおいて、桁行方向のラーメン骨組は、複数の外柱5と、水平方向に架設された複数のPC製外周梁9とによって構成されている。二つのラーメン構造体7a,7bにおいて、複数の外柱5は、共用廊下2とバルコニー4の各外縁部に沿って、桁行方向に任意のスパン長さで配置されている。
なお、第1ラーメン構造体7aを共用廊下2と住戸領域3との間に配置し、第2ラーメン構造体7bをバルコニー4と住戸領域3との間に配置した構成であってもよい。
【0012】
第1ラーメン構造体7aの外柱5と、この外柱5に対向する第2ラーメン構造体7bの外柱5とを結んだはり間方向の架構面10が、所定のスパン長さLcを有し桁行方向に任意のスパン長さ離隔して、複数(ここでは、11個)形成されている。
架構面10は、対向する二本の外柱5を結ぶ水平軸線を通る仮想の鉛直面であって、桁行方向の架構面(第1ラーメン構造体7a,第2ラーメン構造体7bが配置されている仮想の鉛直面)と直交として構成されている。
はり間方向の架構面10に、直交梁8,柱,耐震壁などを配置することによって、はり間方向の骨組構造体6が構成される。
【0013】
図2および図3に示すように、外柱5は、同一形状の複数のPC製柱20を上下に直列に積み重ねることにより構成されている。
なお、説明の便宜上、外柱5を構成する複数のPC製柱20のうち、柱梁接合部21で現場接合作業を行う場合の上下階を区別するために、この現場接合作業を行う階(上階)のPC製柱20には符号20aを付し、この上階より一つ下の階(下階)のPC製柱20には符号20bを付して、以下説明する。
下階のPC製柱20bと上階のPC製柱20aとPC製外周梁9a,9b(図1に示すPC製外周梁9と同じもの)が、柱梁接合部21で現場接合されるようになっている。PC製外周梁9a,9bは、集合住宅1の桁行方向の外周梁として構成されている。
図2では、集合住宅1のFn階(上階)では、柱梁接合部21を現場接合する途中であり、その下のFn−1階(下階)では、柱梁接合部21の現場接合作業は完了しており、Fn階の上のFn+1階では、現場接合作業は未だ行われていない状態を示している。
なお、上下階のPC製柱20a,20bとPC製外周梁9a,9bを柱梁接合部21で現場接合するのは、集合住宅1の下部から上部まで全階にわたって行なってもよいが、一部の複数階のみで前記現場接合を行い、残りの階では現場でのコンクリート打ちで外柱5などを構成してもよい。
【0014】
図2,図3,図7ないし図9に示すように、各PC製柱20a,20bは、PC製柱本体部22と、PC製柱20a,20bの一部をなすPC製立上がり部25とを備えている。
PC製柱本体部22は上下方向に長いほぼ直方体形状であり、PC製立上がり部25は、細長い水平断面形状を有し且つ上方に延びたほぼ直方体形状である。各PC製柱20a,20bの全体は、柱横幅寸法(建物の桁行方向(B方向)の寸法に相当)DB,柱奥行き寸法(建物のはり間方向(C方向)の寸法に相当)DC,階高寸法HOであり、PC製柱の耐力に有効な水平断面形は、DB×DCの矩形となっている。
【0015】
PC製立上がり部25は、PC製柱本体部22の柱頭部23の外周側辺部24から上方を向いて、所定の立上がり高さ寸法Hで一体的に突出形成されており、内部に柱主筋26が配筋されている。
下階のPC製柱20bのPC製柱本体部22の柱頭部端面23aおよびPC製立上がり部25の内部側側辺部25bと、上階のPC製柱本体部22の柱脚部端面28aとの間に、柱梁接合部21用の現場接合空間部(すなわち、現場打ち部)29が形成されている。PC製立上がり部25の内部側側辺部25bは、PC製外周梁9a,9bに対向してその長手方向(集合住宅1の桁行方向(B方向))と平行に形成されている。
【0016】
PC製立上がり部25には、複数の同一形状の先付けの帯筋30(フープ)が固定されている。なお、図7では先付けの帯筋30の図示を省略している。
PC製立上がり部25に固定されている複数の先付けの帯筋30は、内部側側辺部25bから現場接合空間部29側に突出し、互いに平行に且つ水平に並んで上下に配置され、平面視で重なり合っている。先付けの帯筋30は、PC製立上がり部25内で、柱主筋26および柱継手部材27に巻回されている(図8,図9(a))。
なお、PC製柱に先付けの帯筋30を予め固定しないで、現場接合作業時に別途配筋する場合でもよい。
【0017】
PC製立上がり部25のコンクリート断面は、水平断面が細長い長方形で、所定の立上がり高さHを有する直方体である。PC製立上がり部25の水平断面形状は、横幅寸法DB(PC製柱本体部22の柱横幅寸法DBと同一寸法),奥行き寸法DO(PC製柱本体部22の柱奥行き寸法DCと同一方向の寸法)の細長い長方形である。
PC製柱立上がり部25の奥行き寸法DOは、柱継手部材27を埋め込むのに必要なコンクリート寸法によって決定される。この奥行き寸法DOは、柱主筋26がD41(直径が41mmの鉄筋)以下の径ならば、たとえば約240mmが好ましい。この場合には、PC製柱本体部22の柱奥行き寸法DCをたとえば1,000mmとすると、DO/DCは約1/4となる。
PC製立上がり部25の立上がり高さ寸法Hは、PC製柱20a,20bに接合されるPC製外周梁9a,9bの断面高さ(梁成)および直交梁8の断面高さによって決定される。
【0018】
PC製立上がり部25は、PC製柱20a,20bの一部をなしている。すなわち、PC製立上がり部25は、PC製柱20a,20bの柱としての耐力上有効なコンクリート断面の一部として形成されていて、耐力上無視される増し打ちコンクリート部ではない。
PC製立上がり部25と、柱梁接合部21用の現場接合空間部29に後打ち充填されたコンクリート充填材34によって、PC製柱20a,20bの柱梁接合部21が一体化して形成される。
このPC製柱20a,20bの柱梁接合部21のコンクリート断面は、DB×DCの矩形であって、PC製柱本体部22の柱としての耐力上有効なコンクリート断面(DB×DCの矩形)と同一である。
PC製立上がり部25は、奥行き寸法DOが厚く且つ柱主筋26と先付けの帯筋30が内部に配筋されて十分な強度を有しているので、運搬や施工時などに損傷を受けにくい。
【0019】
PC製立上がり部25は、上下階のPC製柱20a,20bとPC製外周梁9a,9bが配置された現場接合空間部29にコンクリート充填材34を後打ち充填する現場接合作業時には、外柱5より外部側(集合住宅1の外部側)における型枠としての機能を発揮する。
特に、集合住宅1の内部側からは、集合住宅1の外部側に型枠を設置することはできないが、型枠用足場がないと型枠の設置作業ができない位置に、型枠の機能を発揮するPC製立上がり部25が配置されるので有益である。
その後、上下階のPC製柱20a,20bとPC製外周梁9a,9bが、柱梁接合部21用の現場接合空間部29に後打ち充填されたコンクリート充填材34によって一体化された後は、PC製立上がり部25は、複数のPC製柱からなる外柱5としての耐力上有効なコンクリート断面の一部としての機能を発揮する。この場合には、PC製立上がり部25には、柱主筋26と先付けの帯筋30が配筋されているので、PC製柱20a,20bの耐力に寄与している。
このように、PC製立上がり部25の機能は、現場接合作業時における型枠としての機能から、現場接合作業後における外柱5としての耐力上有効なコンクリート断面の一部としての機能に、経時的に変化する。
【0020】
PC製柱本体部22の内部には柱主筋26が配筋されており、PC製柱本体部22の柱頭部23には、柱主筋26同士を接合するための柱継手部材27が埋め込まれている。
PC製柱本体部22の柱脚部28には、下階のPC製柱20bの柱継手部材27に固定される柱主筋接続端部26a,26bが、柱脚部端面28aから下方に突出している。PC製柱20a,20bの柱主筋26のうち、下方に突出した部分が柱主筋接続端部26a,26bである。
柱頭部端面23aの下方でPC製柱本体部22に配筋された柱主筋26は、柱脚部端面28aから下方に長く突出して柱主筋接続端部26aとなっている。PC製立上がり部25からPC製柱本体部22まで配筋された柱主筋26は、柱脚部端面28aから下方に短く突出して柱主筋接続端部26bとなっている。
柱継手部材27は、下階のPC製柱20bの柱主筋26と、上階のPC製柱20aの柱主筋接続端部26a,26bとを接合するためのもので、たとえば、異形鉄筋(柱主筋26)同士をモルタルを介して一体化するスリーブ状の継手金具などの機械式継手金具が使用されている。
【0021】
下階のPC製柱20bのPC製柱本体部22の柱頭部端面23aには、上階のPC製柱20aのPC製柱本体部22の柱主筋接続端部26aと一致する位置に、この柱主筋接続端部26aを接続するための柱継手部材27が埋め込まれている。
また、下階のPC製柱20aのPC製立上がり部25の上部端面25aには、上階のPC製柱20aのPC製柱本体部22の柱主筋接続端部26bと一致する位置に、この柱主筋接続端部26bを接続するための柱継手部材27が埋め込まれている。
PC製柱20a,20bの内部において、全ての柱継手部材27は、この位置から下方に延びる柱主筋26の上端部に接続されている。PC製柱本体部22の柱継手部材27の上端部は、PC製柱20a,20bのPC製柱本体部22の柱頭部端面23aに開口している。PC製立上がり部25の柱継手部材27の上端部は、PC製立上がり部25の上部端面25aに開口している。
このように、PC製柱本体部22とPC製立上がり部25の柱継手部材27は、それぞれ上方に開口している。したがって、下階のPC製柱20bの柱継手部材27に、上階のPC製柱20aの柱主筋接続端部26a,26bを挿入するとき、柱継手部材27内にモルタルを注入または圧入充填する作業を容易に行うことができる。
【0022】
上下階のPC製柱20a,20bとPC製外周梁9a,9bが柱梁接合部21で現場接合されることにより、柱梁接合構造体31が形成されている。この柱梁接合構造体31において、上下階のPC製柱20a,20b間の現場接合空間部29で、二つのPC製外周梁9a,9bがそれぞれの梁端9a1,9b1を相対向させて直列に延びている。
これら相対向する一対の梁端9a1,9b1からそれぞれ突出した複数の梁主筋32の梁主筋接続端部32a同士は、現場継手手段33によって接続されている。現場継手手段33としては、機械式鉄筋継手部材が使用されている。本実施形態では、機械式鉄筋継手部材として、梁主筋接続端部32aにねじ込み可能なカプラー(現場継手手段)33を使用している。
【0023】
柱梁接合構造体31において、現場接合時には、上階のPC製柱20aのPC製柱本体部22の柱脚部端面28aは、現場接合空間部29を介して、下階のPC製柱20bのPC製柱本体部22の柱頭部端面23aと対向する。これと同時に、上階のPC製柱20aの柱脚部端面28aは、下階のPC製柱20bのPC製立上がり部25の上部端面25aと直接対向する。
柱梁接合構造体31では、上階のPC製柱20aの柱主筋接続端部26aは、カプラー33を介して接続されたPC製外周梁9a,9bの梁主筋接続端部32aと、PC製立上がり部25の先付けの帯筋30との間を通過して、下階のPC製柱20bのPC製柱本体部22の柱継手部材27に挿入され固定されている。
一方、PC製立上がり部25の上部端面25aには、上階のPC製柱本体部22の柱主筋接続端部26bと一致する位置に、この柱主筋接続端部26bを接続するための柱継手部材27が埋め込まれている。したがって、上階のPC製柱20aの柱主筋接続端部26bは、PC製立上がり部25の柱継手部材27に直接挿入されて固定されている。
こうして、上階のPC製柱20aの柱主筋接続端部26aが、下階のPC製柱20bのPC製柱本体部22の柱継手部材27に固定され、上階のPC製柱20aの柱主筋接続端部26bが、下階のPC製柱20bのPC製立上がり部25の柱継手部材27に固定される。
その後、上下階のPC製柱20a,20bとPC製外周梁9a,9bが、柱梁接合部21用の現場接合空間部29に後打ち充填されたコンクリート充填材34によって一体化される。このコンクリート充填材34としては、コンクリート,モルタルなどがある。
【0024】
PC製柱20a,20bのPC製立上がり部25に固定された複数の先付けの帯筋30は、現場接合空間部29の途中まで短く突出している。これにより、現場接合空間部29において、二つのPC製外周梁9a,9bの梁主筋32の梁主筋接続端部32a同士をカプラー33で現場接合する作業が可能になる。
すなわち、先付けの帯筋30は、内部側側辺部25bから、水平方向外方に所定の短い突出寸法d1(図3,図8)だけ突出している。先付けの帯筋30の突出寸法d1としては、現場接合空間部29において、PC製立上がり部25の内部側側辺部25bと直角で水平方向の全長(現場接合空間部29の全長)d2(図3,図8)の約1/2より若干長い寸法になっている。
先付けの帯筋30の突出寸法d1が現場接合空間部29の全長d2より短いので、現場接合空間部29で、先付けの帯筋30が邪魔になることなく全ての梁主筋接続端部32a同士をカプラー33で容易に接合することができる。
【0025】
カプラー33による梁主筋接続端部32a同士の現場接合作業が終了した後、後付けの帯筋30a(図9(a))を、現場接合空間部29の残りのスペースに配筋して柱主筋接続端部26aに巻回する(図9(b))。
先付けの帯筋30の突出寸法d1が現場接合空間部29の全長d2の約1/2より若干長いので、先付けの帯筋30の一部と後付けの帯筋30aの一部とを重ね合わせて相互に接続すれば、PC製柱20a,20bの耐力を向上させることができる(図8,図9(b))。先付けの帯筋30と後付けの帯筋30aとを組み合わせて、帯筋の全体が構成される。
柱梁接合部21に配筋する帯筋を、先付けの帯筋30と後付けの帯筋30aに分割したので、PC製立上がり部25に固定される先付けの帯筋30を現場接合空間部29の途中までしか突出しないように短くすることができる。
したがって、現場接合作業時には(図10)、現場接合空間部29で先付けの帯筋30の内側まで手を延ばして、カプラー33で梁主筋接続端部32a同士を容易に接合することができる。
【0026】
柱梁接合部21は、はり間方向(C方向)の直交梁8も接合されて平面視でT字形の梁の構造体をなしている。この柱梁接合部21の場合には、上下階のPC製柱20a,20bに、直交梁8用の主筋40(図2)を、所定高さ位置で水平方向に予め固定しておくのが好ましい。
集合住宅1(図1)の四隅において外柱5を含む柱梁接合部21では、平面視でL字形の梁の構造体をなしている。
【0027】
柱脚部端面28aから下方に突出している柱主筋接続端部26aの長さに関しては、上下階のPC製柱20a,20bを重ね合わせたとき、柱主筋接続端部26aは、現場接合空間部29を上下方向に貫通し且つ下階のPC製柱20bの柱継手部材27に挿入するのに必要な所定の長さを有している。
一方、PC製立上がり部25の柱主筋26における柱主筋接続端部26bは、上下階のPC製柱20a,20bを接合した状態で、下階のPC製柱20bのPC製立上がり部25の柱継手部材27に挿入するのに必要な所定の長さを有している。
これにより、上階のPC製柱20aの全ての柱主筋接続端部26a,26bが、下階のPC製柱20bの全ての柱継手部材27に挿入可能になる。
【0028】
PC製立上がり部25における先付けの帯筋30は、現場接合時までは現場接合空間部29で露出しているが、PC製柱本体部22内にも帯筋が配筋されている。
柱主筋26は、その柱主筋接続端部26a,26bが柱脚部端面28aから下方に突出しているが、PC製柱20a,20bの上方には突出していない。したがって、柱主筋がPC製柱の上方に突出している場合と比較して、PC製柱20a,20bの全長Lを短くすることができ、運搬,取扱いなどが比較的容易である。
【0029】
次に、柱梁接合構造体31を接合する方法について説明する。
図3に示すように、下階用のPC製柱20bにおいて先付けの帯筋30が突出しているPC製立上がり部25の内部側側辺部25bに接近するように、PC製外周梁9a,9bを、その中心軸線横方向(矢印E方向)に移動させて搬入する。この「中心軸」は、PC製外周梁9a,9bの長手方向(集合住宅1の桁行方向(B方向))に相当し、「中心軸線横方向」は、前記中心軸に平面視直交する横方向(集合住宅1のはり間方向(C方向))に相当する。
そして、図4に示すように、現場接合空間部29で二つのPC製外周梁9a,9bを直列に相対向させる。このとき、PC製外周梁9a,9bの水平な複数の梁主筋接続端部32aは、平行に且つ水平に並んで上下に配置された複数の先付けの帯筋30と干渉することなく、先付けの帯筋30の間を通過することができる。
その後、二つのPC製外周梁9a,9bの全ての梁主筋接続端部32a同士をカプラー33で接合する。このとき、先付けの帯筋30は現場接合空間部29の途中まで短く突出しているので、先付けの帯筋30が接合作業の邪魔になることはなく、カプラー33を容易に回して接合することができる。
【0030】
次いで、図4,図5の矢印G(上下方向)に示すように上階のPC製柱20aを下方に移動させ、その複数の柱主筋接続端部26a,26bを、下階のPC製柱20bのPC製柱本体部22の柱継手部材27と、PC製立上がり部25の柱継手部材27にそれぞれ挿入する。
このとき、複数の柱主筋接続端部26a,26bは、複数の梁主筋接続端部32a同士の間と、梁主筋接続端部32aと先付けの帯筋30との間を、梁主筋接続端部32aや先付けの帯筋30と干渉することなく通過することができる。
こうして、下階のPC製柱20bの柱頭部23に、現場接合空間部29を介して上階のPC製柱20aを直列に重ねて配置するとともに、上階のPC製柱20aの主筋接続端部26a,26bを、下階のPC製柱20bの柱継手部材27に挿入した後、モルタルを柱継手部材27に注入または圧入充填して固定する。この状態のときは、下階のPC製柱20bのPC製立上がり部25の上部端面25a上に、上階のPC製柱20aの柱脚部28が載置されている。
【0031】
その後、図6に示すように、現場接合空間部29にコンクリート充填材34を投入して後打ち充填する。このとき、PC製立上がり部25が、外柱5より外部側(集合住宅1の外部側で、図6の左方)の型枠としての機能を発揮する。
この充填作業前には、現場接合空間部29の周囲を囲むための他の型枠も予め設置しておく。なお、前記他の型枠は、外柱5より集合住宅1側に設けられるので、型枠用足場がなくても他の型枠の設置作業は容易にできる。
このようにして、コンクリート充填材34が充填された現場打ち部(すなわち、現場接合空間部29)は、下階のPC製柱20bのPC製立上がり部25,PC製柱本体部22および上階のPC製柱20aのPC製柱本体部22と一体化して、柱梁接合部21(図2,図3)を形成する。
このようなコンクリート充填材34の後打ち充填により、上下階のPC製柱20a,20bとPC製外周梁9a,9bが、コンクリート充填材34によって一体化する。
【0032】
図10に示す変形例では、上下階のPC製柱20a,20bのPC製立上がり部25の立上がり高さ寸法Hを大きくし、階高寸法HOは前記実施形態とほぼ同じにしている。これにより、現場接合空間部29は下方に延びた形状になる。
この下方に長い現場接合空間部29の下部に直交梁8を接合する場合、この直交梁8をPC製にしても、このPC製直交梁の梁主筋8aの接続端部8bを現場接合空間部29内の下部にセットすることができる。このように、直交梁8としてPC製梁を使用することができるので、現場での接合作業工程が簡略化する。
なお、他の構成は前記実施形態と同じであり、この変形例においても前記実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0033】
上述の実施形態(変形例を含む)では、柱梁接合部21を、コンクリート充填材34が充填される現場打ち部(現場接合空間部29)と、PC製立上がり部25とにより構成し、現場打ち部にコンクリート充填材34を後打ち充填することにより柱梁接合部21を一体化している。
コンクリート充填材34を後打ち充填する際には、PC製立上がり部25が、型枠用足場がないと型枠の設置が困難な位置(すなわち、外柱5より外部側の位置)で、型枠としての機能を発揮する。
したがって、上下階のPC製柱20a,20bとPC製外周梁9a,9bが接合される柱梁接合部21での現場接合作業時に型枠用足場が不要になるので、現場接合作業の負担が軽減する。
また、PC製柱20a,20bの耐力に寄与しない増し打ちコンクリート部(捨て型枠)をPC製柱20a,20bに設ける必要がないので、PC製柱20a,20b全体の平面視断面形状が小さくなって、重量も軽くなる。その結果、PC製柱の製造,運搬,取扱い,現場施工などの作業の工数が軽減される。
以上、本発明の実施形態(変形例を含む)を説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲で種々の変形,付加などが可能である。
なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。
【0034】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成したので、PC製柱とPC製外周梁が接合される柱梁接合部での現場接合作業時に型枠用足場が不要であり、また、PC製柱の耐力に寄与しない増し打ちコンクリート部をPC製柱に設ける必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図10は本発明の実施形態の一例を示す図で、図1は集合住宅の平面図である。
【図2】図1のII−II線断面図で、PC製柱とPC製外周梁の接合途中の状態を示す断面図である。
【図3】図3ないし図6はPC製柱とPC製外周梁を接合する手順を示す図で、図3は、PC製外周梁を組み込む以前の状態を示す分解斜視図である。
【図4】PC製外周梁を組み込んだ状態を示す斜視図である。
【図5】図4の透視図である。
【図6】現場接合空間部での後打ち充填作業を示す側面図である。
【図7】図7ないし図9はPC製柱を示す図で、図7(a),(b)は、それぞれPC製柱の平面図,側面図である。
【図8】PC製柱の配筋側面図である。
【図9】先付けの帯筋に後付けの帯筋を取付ける前後の状態を示すPC製柱の平面図である。
【図10】本実施形態の変形例にかかるPC製柱とPC製外周梁の接合途中の状態を示す断面図で、図2相当図である。
【図11】従来のPC製柱とPC製外周梁の接合途中の状態を示す側面図である。
【図12】図11の平面断面図である。
【符号の説明】
1 集合住宅(多層建物)
5 外柱
9a,9b PC製外周梁
9a1,9b1 梁端
20 PC製柱
20a 上階のPC製柱(PC製柱)
20b 下階のPC製柱(PC製柱)
21 柱梁接合部
22 PC製柱本体部
23 柱頭部
23a 柱頭部端面
24 外周側辺部
25 PC製立上がり部
25a 上部端面
25b 内部側側辺部
26 柱主筋
26a 柱主筋接続端部
26b 柱主筋接続端部
27 柱継手部材
28 柱脚部
28a 柱脚部端面
29 現場接合空間部
30 先付けの帯筋
30a 後付けの帯筋
31 柱梁接合構造体
32 梁主筋
32a 梁主筋接続端部
33 カプラー(現場継手手段)
34 コンクリート充填材
E方向 中心軸線横方向
H 立上がり高さ寸法
Claims (5)
- 多層建物の平面視外周部に配置される外柱を構成し、下階のPC製柱と上階のPC製柱とPC製外周梁が柱梁接合部で現場接合されるPC製柱であって、
このPC製柱は、PC製柱本体部と、このPC製柱本体部の柱頭部の外周側辺部から上方を向いて所定の立上がり高さ寸法で一体的に突出形成されて、PC製柱の一部をなすPC製立上がり部とを備え、
PC製柱本体部は、その柱頭部には、柱主筋同士を接合するための柱継手部材が埋め込まれ、PC製柱本体部の柱脚部には、下階のPC製柱の柱継手部材に固定される柱主筋接続端部が柱脚部端面から下方に突出し、
PC製立上がり部の上部端面には、上階のPC製柱本体部の柱主筋接続端部と一致する位置に、この柱主筋接続端部を接続するための柱継手部材が埋め込まれ、
下階のPC製柱本体部の柱頭部端面と、上階のPC製柱本体部の柱脚部端面と、PC製立上がり部の内部側側辺部との間に、柱梁接合部用の現場接合空間部が形成されていることを特徴とするPC製柱。 - PC製立上がり部には複数の先付けの帯筋が固定され、
この複数の先付けの帯筋は、PC製立上がり部の内部側側辺部から現場接合空間部側に突出し、互いに平行に且つ水平に並んで配置されていることを特徴とする請求項1に記載のPC製柱。 - 請求項2に記載の上下階のPC製柱とPC製外周梁が柱梁接合部で現場接合された柱梁接合構造体であって、
上下階のPC製柱間の現場接合空間部で二つのPC製外周梁がそれぞれの梁端を相対向させて直列に延び、これら相対向する一対の梁端からそれぞれ突出した梁主筋の梁主筋接続端部同士は現場継手手段によって接続されており、
上階のPC製柱の柱主筋接続端部は、現場継手手段を介して接続されたPC製外周梁の梁主筋接続端部とPC製立上がり部の先付けの帯筋との間を通過して、下階のPC製柱本体部の柱継手部材およびPC製立上がり部の柱継手部材にそれぞれ挿入されており、
上階のPC製柱の柱主筋接続端部が、下階のPC製柱のPC製柱本体部の柱継手部材およびPC製立上がり部の柱継手部材にそれぞれ固定された後に、
上下階のPC製柱とPC製外周梁が、現場接合空間部に後打ち充填されたコンクリート充填材によって一体化されたことを特徴とする柱梁接合構造体。 - PC製柱のPC製立上がり部に固定された複数の先付けの帯筋は、現場接合空間部において二つのPC製外周梁の梁主筋接続端部同士を現場継手手段で現場接合する作業が可能なように、現場接合空間部の途中まで短く突出しており、
現場継手手段による梁主筋接続端部同士の現場接合作業の終了後に、後付けの帯筋を現場接合空間部の残りのスペースに配筋するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の柱梁接合構造体。 - 請求項3または4に記載の柱梁接合構造体を接合する方法であって、
下階用のPC製柱において先付けの帯筋が突出しているPC製立上がり部の内部側側辺部に接近するように、PC製外周梁をその中心軸線横方向に移動させて搬入し、現場接合空間部で二つのPC製外周梁を直列に相対向させ、
二つのPC製外周梁の梁主筋接続端部同士を現場継手手段で接合した後、
上階のPC製柱を下方に移動させてその複数の柱主筋接続端部を、下階のPC製柱のPC製柱本体部の柱継手部材およびPC製立上がり部の柱継手部材にそれぞれ挿入して、下階のPC製柱の柱頭部に現場接合空間部を介して上階のPC製柱を直列に配置するとともに、上階のPC製柱の柱主筋接続端部を下階のPC製柱の柱継手部材に固定し、
その後、現場接合空間部にコンクリート充填材を後打ち充填することにより、上下階のPC製柱とPC製外周梁をコンクリート充填材によって一体化することを特徴とする柱梁接合構造体の接合方法。
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