JP2004076167A - 安全用ヘルメットのための頭部保護体 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】頭部用衝撃吸収ライナ17の第1のライナ部材22が、この第1のライナ部材22よりも低密度である第2のライナ部材23との積層領域において、額領域、左側頭領域、右側頭領域および後頭領域のうちの少なくとも1つの領域の補強用の膨出部24をこの第1のライナ部材の積層面側に備えるとともに、第2のライナ部材23が、上記膨出部24にほぼ対応した形状を有するくぼみ部25を備えている。
【効果】頭部用衝撃吸収ライナ17が額領域付近において必要以上に破損し易くなることなく、衝撃時の最大加速度とHICとの両方を効果的に低減させることができる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬質材料からなる外側シェルと、この外側シェルの内側に配された頭部用衝撃吸収ライナとを備えた、安全用ヘルメットのための頭部保護体に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動二輪車のライダなどのヘルメット装着者(本文においては、単に、「装着者」という)が頭部の保護などのために頭部に装着する頭部保護体を備えたフルフェイス型、ジェット型、セミジェット型などの安全用ヘルメットが従来から知られている。このような従来のフルフェイス型、ジェット型、セミジェット型などのヘルメットは、通常、頭部保護体と、この頭部保護体の内側にそれぞれ取り付けられた左右一対の顎掛け用バンドとを備え、典型的には、以下のように構成されている。
【0003】
すなわち、上記頭部保護体は、装着者の額部と顎部との間(すなわち、顔面)に対向するようにその前面に形成された窓孔(フルフェイス型ヘルメットの場合)または切り込み(ジェット型またはセミジェット型ヘルメットの場合)を備えている。フルフェイス型ヘルメットは、上記窓孔を閉塞する下方位置と上記窓孔を開放する上方位置との間を移動するように、頭部保護体に取付けられたシールド板をさらに備えている。ジェット型またはセミジェット型ヘルメットは、上記切り込みの上縁附近に沿って頭部保護体に取付けられたバイザをさらに備えている。このようなジェット型またはセミジェット型ヘルメットの場合でも、上記バイザに代えるなどしてシールド板を設けることができる。この場合、このシールド板は、上記切り込みを開閉することができる。
【0004】
上記頭部保護体は、この頭部保護体の外周壁を構成している外側シェルと、縁部材と、外側シェルの内周面に当接させて接着などにより取付けた裏当て部材とから成っている。上記縁部材は、外側シェルの縁部の全周囲(フルフェイス型ヘルメットの場合には、窓孔の縁部の全周囲を含む)にわたってこの縁部を挾み込むように、外側シェルの縁部に接着などにより取付けられている。上記裏当て部材は、装着者の前頭部(すなわち、額部)、頭頂部、左右両側頭部および後頭部にそれぞれ対向する前頭領域(すなわち、額領域)、頭頂領域、左右両側頭領域および後頭領域をそれぞれ有する頭部用裏当て部材を含んでいる。上記裏当て部材は、フルフェイス型ヘルメットの場合には、装着者の顎部および頬部にそれぞれ対向する顎・頬部用裏当て部材をさらに含んでいる。上記裏当て部材は、ジェット型またはセミジェット型ヘルメットの場合には、装着者の左右一対の耳部に対向する左右一対の耳部用裏当て部材をさらに含んでいるか、あるいは、このような耳部用裏当て部材が一体化された頭部用裏当て部材を含んでいる。
【0005】
上記頭部用裏当て部材は、頭部用衝撃吸収ライナと、通気性の頭部用裏当てカバーとから成っている。上記頭部用裏当てカバーは、上記頭部用衝撃吸収ライナの内周面(場合によっては、装着者の頭頂部に対向する頭頂領域の一部を除く)と側面(すなわち、この内周面と外周面との間において厚さ方向に沿って延在する幅が細い面)とこの側面に連なる外周面の周縁部とをそれぞれ覆うように、接着またはテープ止めにより頭部用衝撃吸収ライナに取り付けられている。この頭部用衝撃吸収ライナは、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの合成樹脂の発泡体から成っている。
【0006】
上記顎部用裏当て部材も、装着者の顎部に対向する形状であることを除いて、上記頭部用裏当て部材とほゞ同様の構造を有している。顎部用衝撃吸収ライナの内周面の一部(例えば、装着者の左右両頬部にそれぞれ対向する2つの領域から成る左右両頬領域)には、必要に応じて、左右一対のブロック状内装パッドが接着されている。したがって、これらのブロック状内装パッドは、顎部用衝撃吸収ライナと顎部用裏当てカバーとの間に配されている。上記耳部用裏当て部材も、装着者の耳部に対向する形状であることを除いて、頭部用裏当て部材または顎部用裏当て部材とほゞ同様の構造を有している。
【0007】
典型的には上述のように構成された従来の安全用ヘルメットにおいて、外側シェルの一部の領域に衝撃が加わったときに、この外側シェルは、この衝撃をその広い領域に分散させるとともに、その外形の変形によって衝撃エネルギーを吸収する働きをする。また、衝撃吸収ライナは、外側シェルから伝播する衝撃エネルギーをその外形の変形によって吸収するとともに、その厚みの減少(すなわち、圧縮)によって上記衝撃エネルギーを吸収しかつ装着者の頭部へのこの衝撃エネルギーの伝播を遅延させるから、上記衝撃による最大加速度を低下させる働きをする。本文において、上記「最大加速度」とは、ヘルメットの「衝撃吸収性試験」によって得られる加速度の最大値を意味している。
【0008】
安全用ヘルメットの保護性能を確認するために、従来から上述のようなヘルメットの「衝撃吸収性試験」を行っている。この「衝撃吸収性試験」においては、装着者の頭部のモデルとして、その内部に加速度計が取り付けられた金属製の頭部模型が用いられる。そして、上記加速度計で測定される最大加速度に関する規格は、各国でそれぞれ定められている。また、或る任意の時間の平均加速度およびこの平均加速度以上の値が継続する時間と、人体の脳の損傷との相関に基づいて、HIC(頭脳損傷指数(Head Injury Criteria))という指数が提言されている。このHICは、次式のように定められている。
【0009】
【数1】
Figure 2004076167
【0010】
上記HICは、事故時における損傷の程度との相関が良いとされている。そして、英国運輸研究所(Transport and Road Research Laboratory)のピィー・ディー・ホープ(P.D.Hope)氏らによると、自動二輪車の事故の場合、HICが1,000 のときの死亡確率が8.5%で、HICが2,000 のときの死亡確率が31%で、HICが4,000 のときの死亡確率が65%である。したがって、損傷の程度を低くするには、HICを低くすることが必要である。
【0011】
上述のように、安全用ヘルメットの保護性能を高めるためには、衝撃による最大加速度およびHICをともに低下させることが必要である。このために、従来は、衝撃吸収ライナの厚みを増加させることによって、最大加速度およびHICの低減を図るようにしている。
【0012】
しかし、衝撃吸収ライナの厚みを増加させるだけでは、最大加速度の低減が不充分であるだけでなく、特にHICの低減が困難である。なぜならば、HICは一定値以上の加速度が継続する時間を含んでいるから、衝撃吸収ライナのクッション作用によって最大加速度を多少低減し得たとしても、一定値以上の加速度が継続する時間を短縮することはできず、このために、HICを低減させることができない。
【0013】
したがって、本出願人は、特開平9−188913号公報に示されているように、頭部用衝撃吸収ライナ全体の剛性を特に低減させることなく、衝撃時の最大加速度とHICとの両方を低減させることができるとともに、換気を良好に行うことができる安全用ヘルメットのための頭部保護体を先に提案した。
【0014】
この特開平9−188913号公報には、硬質材料からなる外側シェルと、この外側シェルの内側に配された頭部用衝撃吸収ライナとを備えた安全用ヘルメットのための頭部保護体(本文においては、「先願の頭部保護体」という)が開示されている。そして、この先願の頭部保護体においては、上記頭部用衝撃吸収ライナが主ライナ部材とこの主ライナ部材よりも低密度である内側補助ライナ部材とを備え、上記主ライナ部材の内周面に内側凹部が設けられ、この内側凹部に上記内側補助ライナ部材が配されている。また、上記頭部用衝撃吸収ライナが上記主ライナ部材と上記内側補助ライナ部材との中間の密度を有する外側補助ライナ部材をさらに備え、上記主ライナ部材の外周面に外側凹部が設けられ、この外側凹部に上記外側補助ライナ部材が配されている。さらに、上記主ライナ部材と上記外側補助ライナ部材との間に通気孔が形成されるとともに、上記通気孔と上記外側シェルのほぼ半球状の頭頂領域の外周面とを連通させる連通手段と、上記通気孔と上記頭部用衝撃吸収ライナの頭部装着空間とを連通させる連通手段とが設けられている。
【0015】
そして、先願の頭部保護体においては、上記内側補助ライナ部材および上記内側凹部のそれぞれが上記頭部用衝撃吸収ライナの頭頂領域に設けられるとともに、上記外側補助ライナ部材および上記外側凹部のそれぞれが上記頭部用衝撃吸収ライナの額領域から頭頂領域を通って後頭領域に至るまで設けられている。したがって、内側補助ライナ部材および外側補助ライナ部材の存在のために、頭部用衝撃吸収ライナの額領域、頭頂領域および後頭領域においては、衝撃によりその外形が効果的に変形してその衝撃エネルギーが分散および吸収されるとともに、その厚みが効果的に減少してその衝撃エネルギーが吸収される。よって、先願の頭部保護体を備えたヘルメットは、衝撃時の最大加速度とHICとの両方を低減させることができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、先願の頭部保護体において、衝撃時の最大加速度とHICとの両方をできるだけ効果的に低減させるために、外側補助ライナ部材の厚みを大きくすると、頭部用衝撃吸収ライナのうちで強度が比較的小さい額領域の強度が必要以上に小さくなり、このために、頭部用衝撃吸収ライナが額領域付近で必要以上に破損し易くなるので、あまり好ましくない。
【0017】
また、上記額領域の強度が必要以上に小さくなるのを防止するために、外側補助ライナ部材の厚みを小さくすれば、衝撃時の最大加速度とHICとの両方を外側補助ライナ部材によって低減させる効果が特に頭頂領域や後頭領域で減少してしまう。
【0018】
したがって、本発明の主要な目的は、頭部用衝撃吸収ライナの額領域の強度が必要以上に小さくなるのを防止しつつ、衝撃時の最大加速度とHICとの両方を効果的に低減させることである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、硬質材料から成る外側シェルと、この外側シェルの内側に配された頭部用衝撃吸収ライナとを備え、上記頭部用衝撃吸収ライナが、第1のライナ部材と、この第1のライナ部材よりも低密度でありかつ上記第1のライナ部材に少なくとも部分的に積層されている第2のライナ部材とを備えた、安全用ヘルメットのための頭部保護体において、上記第1のライナ部材が、上記第2のライナ部材との積層領域において、額領域、左側頭領域、右側頭領域および後頭領域のうちの少なくとも1つの領域の補強用の膨出部をこの第1のライナ部材の積層面側に備えるとともに、上記第2のライナ部材が、上記膨出部にほぼ対応したくぼみ部を備え、上記膨出部が上記くぼみ部に当てがわれている。この場合、上記膨出部が額領域補強用の膨出部を含んでいてよい。
【0020】
本発明の第1の実施態様によれば、上記本発明において、上記第1のライナ部材が主ライナ部材であるとともに、上記第2のライナ部材が外側または内側の補助ライナ部材であり、上記外側または内側補助ライナ部材の形状にほぼ対応した形状を有する周面凹部(すなわち、外側凹部または内側凹部)が、上記主ライナ部材の外周面または内周面に形成され、上記外側または内側補助ライナ部材が上記周面凹部に当てがわれている。また、本発明の第2の実施態様によれば、上記第1の実施態様において、上記主ライナ部材が、中央開孔または中央凹部を有する主ライナ部材本体と、この主ライナ部材本体よりも低密度でありかつ上記中央開孔または中央凹部に当てがわれている第2の補助ライナ部材とを備えた複合形主ライナ部材であり、上記膨出部が上記主ライナ部材本体に実質的に形成されている。さらに、本発明の第3の実施態様によれば、上記第1または第2の実施態様において、上記外側または内側補助ライナ部材および上記周面凹部のいずれもが、上記頭部用衝撃吸収ライナの額領域から頭頂領域を通って後頭領域まで延びており、上記膨出部および上記くぼみ部のいずれもが、実質的に上記額領域に設けられている。
【0021】
本発明においては、上記第1のライナ部材および上記第2のライナ部材のいずれもが合成樹脂の発泡体から成っていてよい。そして、上記第1のライナ部材の密度に対する上記第2のライナ部材の密度の百分率が25〜85%の範囲であるのが好ましく、35〜75%の範囲であるのがさらに好ましい。さらに、本発明においては、上記膨出部が、厚さの変化が比較的少ない台地部と、この台地部から上記頭頂領域に向って延びる第1の厚み遷移領域とを備えるとともに、上記くぼみ部が、厚さの変化が比較的少ない低地部と、この低地部から上記頭頂領域に向かって延びる第2の厚み遷移領域とを備えているのが好ましい。この場合、上記台地部および上記低地部のそれぞれの展開面積が、50〜220cm(さらに好ましくは、75〜160cm)の範囲であるのが好ましく、上記第1および第2の厚み遷移領域のそれぞれの展開面積が、25〜140cm(さらに好ましくは、35〜100cm)の範囲であるのが好ましい。
【0022】
本発明の上記第1〜第3の実施態様においては、上記主ライナ部材の上記周面凹部における上記膨出部以外の部分の展開面積に対する上記台地部の展開面積の比と、上記外側または内側補助ライナ部材の上記くぼみ部以外の部分の展開面積に対する上記低地部の展開面積の比とが、いずれも、0.06〜0.5の範囲であるのが好ましく、0.1〜0.3の範囲であるのがさらに好ましい。また、上記主ライナ部材の上記周面凹部における上記膨出部以外の部分の平均的厚みに対する上記台地部の平均的厚みの比が、1.2〜4の範囲であるのが好ましく、1.5〜3の範囲であるのがさらに好ましい。さらに、上記外側または内側補助ライナ部材の上記くぼみ部以外の部分の厚みに対する上記低地部の厚みの比が、1/5〜4/5の範囲であるのが好ましく、3/10〜3/5の範囲であるのがさらに好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明をフルフェイス型ヘルメットに適用した第1〜第3の実施例をそれぞれ項分けして図面を参照しつつ順次説明する。
【0024】
1、第1の実施例
まず、第1の実施例を「(1)ヘルメット全体」、「(2)頭部用衝撃吸収ライナ」および「(3)ベンチレータ機構」に項分けして図1〜図14を参照しつつ説明する。
【0025】
(1)ヘルメット全体
図1および図2に示すように、この頭部保護体10は、フルフェイス型の安全用ヘルメットを構成するためのものである。したがって、このヘルメットは、頭部保護体10以外にも、この頭部保護体10の内側にそれらの基端がそれぞれ取付けられた従来周知の左右一対の顎掛け用バンド(図示せず)を備えている。上記ヘルメットは、既述のように従来周知のシールド板11を窓孔9を開閉するためにさらに備えていてよい。図1および図2は、装着者がヘルメットを装着して通常の姿勢にあるときの頭部保護体を示している。
【0026】
頭部保護体10は、図1および図2に示すように、この頭部保護体10の外周壁を構成しているフルフェイス型の外側シェル12と、既述のようにそれぞれ従来周知の下端用縁部材13および窓孔用縁部材14と、外側シェル12の内側面に当接させて接着などにより取付けられた頭部用裏当て部材15と、顎・頬部用裏当て部材16とから成っている。
【0027】
本発明は、頭部用裏当て部材15を構成する頭部用衝撃吸収ライナ17の構造に特徴があり、その他の構造については、既述のような従来周知のものであってよい。したがって、上記その他の構造については、その説明を必要に応じて省略する。
【0028】
外側シェル12は、この外側シェル12の一部の領域に衝撃が加わったときに、この衝撃をその広い領域に分散させるとともにその変形によって衝撃エネルギーを吸収し得るようにするために、高剛性および高破壊強度を有する必要がある。したがって、外側シェル12は、ガラス繊維、カーボン繊維、有機高強度繊維などの強化材を不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂と混合して硬化させた硬質強化樹脂や、上記強化材をポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂に混合して加熱成形した硬質強化樹脂であってよく、さらに、これらの硬質強化樹脂の内周面に不織布などの柔軟性シートを裏張りした複合材料からなっていてもよい。外側シェル12の厚みは、1〜6mmであるのが好ましく、2〜5mmであるのがさらに好ましい。外側シェル12の厚みが上記範囲よりも小さくなればなるほど剛性が低くなり、また、上記範囲よりも大きくなればなるほど重くなるので、いずれもあまり好ましくない。
【0029】
頭部用裏当て部材15は、外側シェル12の内周面のほゞ全体に当接する形状であってもよいが、図1および図2に示すように顎・頬部用裏当て部材16が別個に構成されていてもよい。後者の場合には、頭部用裏当て部材15は、装着者の顎部および頬部にそれぞれ対向する外側シェル12の内周面において、欠如した形状となっている。図1および図2に示す頭部用裏当て部材15は、装着者の顎部および頬部にそれぞれ対向する外側シェル12の内周面において欠如した形状を有する頭部用衝撃吸収ライナ17と、このライナ17をその内周面側から覆っている通気性の頭部用裏当てカバー(図示せず)とから成っている。
【0030】
顎・頬部用裏当て部材16は、図1および図2に示すように、顎・頬部用衝撃吸収ライナ18と、この顎・頬部用衝撃吸収ライナ18をその内周面側から覆っている通気性の顎・頬部用裏当てカバー(図示せず)と、この顎・頬部用裏当てカバーを介して顎・頬部用衝撃吸収ライナ18の内周面にそれぞれ配されかつウレタンフォーム、その他の合成樹脂などの柔軟性に富んだ弾性材料からそれぞれ成る右耳用ブロック状内装パッドおよび左耳用ブロック状内装パッド(いずれも図示せず)とから成っている。既述の左右一対の顎掛け用バンド(図示せず)は、外側シェル12の内周面にリベット止めなどによってそれぞれ取り付けられるとともに、顎・頬部用裏当て部材16にそれぞれ形成された左右一対の開孔19を通って頭部収容空間20まで延びている。
【0031】
上記頭部用衝撃吸収ライナ17は、外側シェル12から伝播する衝撃エネルギーをその外形の変形によって吸収するとともに、その厚みの減少によって上記衝撃エネルギーを吸収しかつ装着者の頭部へのこの衝撃エネルギーの伝播を遅延させ得るようにするために、適当な塑性変形率および適当な弾性変形率を有する必要がある。
【0032】
ところで、頭部保護体10は、装着者の頭部の前頭部(すなわち、額部)、頭頂部、左右両側頭部および後頭部から成る5つの部分にそれぞれ対向する5つの領域(すなわち、前頭領域(すなわち、額領域)、頭頂領域、左右両側領域および後頭領域)をそれぞれ有している。そして、頭部保護体10の頭頂領域は、前頭領域(すなわち、額領域)、左右両側頭領域および後頭領域にそれぞれ連なりかつほゞ半球状であるので、既述のような従来の安全用ヘルメットにおいては、上記5つの領域のうちで最も強度が大きい。また、頭部保護体10の後頭領域は、フルフェイス型、ジェット型およびセミジェット型のいずれのヘルメットの場合でも、下方に長く延びかつ頭頂領域および左右両側頭領域にそれぞれ連なっているので、2番目に強度が大きい。また、頭部保護体10の前頭領域(すなわち、額領域)は、既述のように窓孔9または切り込みが設けられ、また、一般的には通気のためにベンチレータ機構が設けられるために、最も強度が小さい。さらに、頭部保護体10の左右両側頭領域は、上記窓孔9または切り込みに隣接しているために、前頭領域(額領域)よりは強度が大きいが、後頭領域よりは強度がかなり小さい。
【0033】
上述のように、従来のヘルメットの場合には、頭部保護体10の頭頂領域は強度が最も大きくかつほゞ半球状であるので、頭部用衝撃吸収ライナ17の頭頂領域の外形は外側シェル12からこのライナ17に伝播する衝撃エネルギーによって効果的に変形することはない。このために、同一条件で衝撃試験を行っても、頭頂領域の最大加速度およびHICは、頭部保護体10の他の領域(額領域、左右両側頭領域および後頭領域)に較べて大きくなる傾向がある。したがって、頭部保護体10に加わる衝撃エネルギーを効率よく分散および吸収させて最大加速度およびHICを低減させるためには、頭部保護体10の頭頂領域において頭部用衝撃吸収ライナ17が衝撃によりその外形を効果的に変形させてその衝撃エネルギーを効果的に分散および吸収するとともに、その厚みを効果的に減少させてその衝撃エネルギーを効果的に吸収し得るようにする必要がある。
【0034】
(2)頭部用衝撃吸収ライナ
そこで、本発明の第1の実施例においては、図1〜図14に示すように、頭部用衝撃吸収ライナ17が、先願の頭部保護体の場合と同様に、
▲1▼ 従来周知の頭部用衝撃吸収ライナにおいて、その外周面に外側凹部21を設けた形状を有する主ライナ部材22、
▲2▼ 上記外側凹部21に嵌合するように、主ライナ部材22に取付けられた外側補助ライナ部材23、
から構成されている。そして、本発明の第1の実施例においては、先願の頭部保護体の場合とは異なって、図7、図8、図12などに示すように、主ライナ部材22が外側凹部21の底面26のうちの額領域付近に膨出部24を有するとともに、外側補助ライナ部材23がその内周面に上記膨出部24に対向するくぼみ部25を有している。なお、膨出部24(特に、後述の台地部24a)は、くぼみ部25(特に、後述の低地部25a)と同様に、額領域(および場合によっては頭頂領域の前半部)から成る領域付近に額領域を少なくとも部分的に含むように形成されていてよい。
【0035】
上記主ライナ部材22の外側凹部21および外側補助ライナ部材23は互いにほぼ同形であってよい。また、これらの主ライナ部材22および外側補助ライナ部材23は、それぞれ、適当な塑性変形率および適当な弾性変形率を有する必要があるので、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、その他の合成樹脂の発泡体からなっているのが好ましく、両者は材質の種類が互いに同一であるのが好ましいが、互いに異なる種類の材質であってもよい。これらの発泡体は、一般的に、その密度(g/リットル)がその圧縮強度(kg/cm)および曲げ強度(kg/cm)にそれぞれほゞ比例するので、その密度によって衝撃エネルギーの吸収能力および伝播能力が異なる。本発明によれば、外側補助ライナ部材23は、主ライナ部材22に較べて、圧縮強度および曲げ強度が低減している必要がある。したがって、外側補助ライナ部材23の密度は、後述のように、主ライナ部材22の密度よりも小さくなっている。 この第1の実施例において外側凹部21および外側補助ライナ部材23を設けた目的は、外側補助ライナ部材23によって衝撃エネルギーの分散および吸収の向上を図るとともに、頭部保護体10に換気のためのベンチレータ機構を設け易くすることである。この目的に沿うように、主ライナ部材22には、その額領域から頭頂領域を通って後頭領域まで延びる外側凹部21(換言すれば、外側補助ライナ部材23)が設けられている。
【0036】
この外側凹部21(換言すれば、外側補助ライナ部材23)は、図3〜図8に示すように、前後方向に多少長いほぼ長方形に類似した形状に展開し得るほぼ球面の形状(ここで、「球面」とは、球体の表面の部分的な形状を意味している)であってよい。具体的には、この外側凹部21および外側補助ライナ部材23を展開した形状は、ほぼ長方形の左右両側を左右両外方に向って円弧状に突出させた形状であってよい。
【0037】
外側凹部21および外側補助ライナ部材23は、図3〜図7に示すように、主ライナ部材22の額領域の下端31よりもやや上方の位置をそれらの前端32および33とするとともに、主ライナ部材22の後頭領域の下端34よりも或る程度上方の位置(すなわち、この後頭領域の上下方向における中間位置またはこの中間位置よりも多少上方の位置であって、主ライナ部材22の額領域の下端31にほぼ対応した高さ位置)を後端35および36としていてよい。これらの前端32、33および後端35、36は、いずれも、左右方向にほぼ水平に延びていてよい。さらに、外側凹部21および外側補助ライナ部材23は、主ライナ部材22の頭頂領域と左側頭領域(すなわち、左側の側頭領域)との境界付近を左側端37aおよび38aとするとともに、主ライナ部材22の頭頂領域と右側頭領域(すなわち、右側の側頭領域)との境界付近を右側端37bおよび38bとしていてよい。なお、外側凹部21の前端32および外側補助ライナ部材23の前端33を主ライナ部材22の額領域の下端31と一致させて、これらの下端31と前端32、33との間における主ライナ部材22のほぼ左右方向に延びる突条部40をなくすこともできる。
【0038】
図4には、頭部用衝撃吸収ライナ17の左右方向における中心面Sが示されている。ただし、図4は上面図であるから、この中心面Sは図4では上下方向に延びる中心線として示されている。そして、この中心面Sに沿った断面について考えると、主ライナ部材22の額領域の下端31と外側凹部21の前端32(換言すれば、外側補助ライナ部材23の前端33)との間の展開長さ(すなわち、包絡線の長さ、以下同じ)L(図3参照)は、図示の実施例の場合には約1.5cmであるが、実用性の観点から見て一般的に、0.5〜4.5cmの範囲であるのが好ましく、1〜3cmの範囲であるのがさらに好ましく、場合によっては実質的に零であってもよい。また、上記中心面Sに沿った断面において、主ライナ部材22の後頭領域の下端34と外側凹部21の後端35(換言すれば、外側補助ライナ部材23の後端36)との間の展開長さL(図6参照)は、図示の実施例の場合には約5.5cmであるが、実用性の観点から見て一般的に、1〜12cmの範囲であるのが好ましく、2.5〜8cmの範囲であるのがさらに好ましく、場合によっては実質的に零であってもよい。
【0039】
主ライナ部材22の額領域の下端31と外側補助ライナ部材23の前端33との間の平均的な展開長さの好ましい数値範囲およびさらに好ましい数値範囲は、上記展開長さLの上述の好ましい数値範囲およびさらに好ましい数値範囲とそれぞれ実質的に同一であってよい。また、主ライナ部材22の後頭領域の下端34と外側補助ライナ部材23の後端36との間の平均的な展開長さは、上記展開長さLの上述の好ましい数値範囲およびさらに好ましい数値範囲とそれぞれ実質的に同一であってよい。
【0040】
図4には、頭部用衝撃吸収ライナ17の前後方向における中心面Sも示されている。ただし、図4は上面図であるから、この中心面Sは図4では左右方向に延びる中心線として示されている。そして、この中心面Sに沿った断面について考えると、主ライナ部材22の左側頭領域の下端39aおよび右側頭領域の下端39bと外側凹部21の左側端37aおよび右側端37b(換言すれば、外側補助ライナ部材23の左側端38aおよび右側端38b)との間の展開長さLおよびL(図3参照)は、それぞれ、図示の実施例の場合には約10cmであるが、実用性の観点から見て一般的に、4〜18cmの範囲であるのが好ましく、6〜15cmの範囲であるのがさらに好ましい。
【0041】
図4に示す中心面Sに沿った断面において、外側凹部21の開口面(換言すれば、外側補助ライナ部材23の外周面)の展開長さL(図7参照)は、図示の実施例の場合には約45cmであるが、実用性の観点から見て一般的に、20〜55cmの範囲であるのが好ましく、30〜50cmの範囲であるのがさらに好ましい。また、図4に示す中心面Sに沿った外側凹部21の開口面(換言すれば、外側補助ライナ部材23の外周面)の展開長さL(図3参照)は、図示の実施例の場合には約30cmであるが、実用性の観点から見て一般的に、15〜50cmの範囲であるのが好ましく、20〜40cmの範囲であるのがさらに好ましい。また、外側凹部21(換言すれば、外側補助ライナ部材23)の前端および後端の左右方向における展開長さLおよびL(図3および図6参照)は、図示の実施例の場合にはそれぞれ約16.5cmおよび約15cmであるが、実用性の観点から見て一般的に、いずれも、8〜26cmの範囲であるのが好ましく、12〜22cmの範囲であるのがさらに好ましい。
【0042】
主ライナ部材22に設けられた外側凹部21の底面のうちの額領域付近には、外方に向って隆起している膨出部24が設けられている。換言すれば、主ライナ部材22は、外側凹部21が設けられている領域(すなわち、底面26の領域)のうちで上記膨出部24が形成されている領域では外方に突出して肉厚になっている。この膨出部24は、主ライナ部材22(ひいては、頭部用衝撃吸収ライナ17)の額領域を補強するためのものである。そして、この額領域補強用の膨出部24は、図7、図12などに示すように、外側凹部21の前端32から斜め上方に向って延びかつ厚みがほぼ一定であるほぼ台形状などの台地部24aと、この台地部24aからほぼ後方に向う従って厚みが次第に減少して底面26のうちの膨出部24以外の部分(すなわち、非膨出領域27)に連なるほぼ長方形状などの傾斜部(すなわち、厚み遷移領域)24bとから成っている。また、上記膨出部24に対向して外側補助ライナ部材23の内側面に形成されているくぼみ部25は、図7および図8に示すように、上記膨出部24と実質的にほぼ対応する形状(換言すれば、実質的にほぼ同形)であってよい。したがって、このくぼみ部25は、膨出部24の台地部24aおよび傾斜部24bにそれぞれ対応する形状の低地部25aおよび傾斜部(すなわち、厚み遷移領域)25bをそれぞれ有している。そして、主ライナ部材22の外側凹部21に外側補助ライナ部材23を嵌合させるには、図7および図8に示すように、外側補助ライナ部材23を主ライナ部材22の外周面側から外側凹部21に当てがってこの外側凹部21に嵌め込み、この際、必要に応じて両者を互いに接着またはテープ止めすればよい。
【0043】
台地部24a(換言すれば、低地部25a)の前後方向における平均的な展開長さL(図7参照)は、図示の実施例の場合には約6cmであるが、実用性の観点から見て一般的に、2.5〜12cmの範囲であるのが好ましく、4〜9cmの範囲であるのがさらに好ましい。また、台地部24a(換言すれば、低地部25a)の左右方向における平均的な展開長さL10(図8参照)は、図示の実施例の場合には約19cmであるが、実用性の観点から見て一般的に、9〜28cmの範囲であるのが好ましく、13〜24cmの範囲であるのがさらに好ましい。さらに、台地部24a(換言すれば、低地部25a)の展開面積(L・L10)は、図示の実施例の場合には約114cmであるが、実用性の観点から見て一般的に、50〜220cmの範囲であるのが好ましく、75〜160cmの範囲であるのがさらに好ましい。
【0044】
傾斜部24b(換言すれば、傾斜部25b)の前後方向における平均的な展開長さL11(図7参照)は、図示の実施例の場合には約3cmであるが、実用性の観点から見て一般的に、1〜6cmの範囲であるのが好ましく、2〜4.5cmの範囲であるのがさらに好ましい。また、傾斜部24b(換言すれば、傾斜部25b)の左右方向における平均的な展開長さL12(図9参照)は、図示の実施例の場合には約22cmであるが、実用性の観点から見て一般的に、11〜32cmの範囲であるのが好ましく、15〜28cmの範囲であるのがさらに好ましい。さらに、傾斜部24b(換言すれば、傾斜部25b)の展開面積(L11・L12)は、図示の実施例の場合には約66cmであるが、実用性の観点から見て一般的に、25〜140cmの範囲であるのが好ましく、35〜100cmの範囲であるのがさらに好ましい。また、台地部24a(換言すれば、低地部25a)の展開面積(L・L10)に対する傾斜部24b(換言すれば、傾斜部25b)の展開面積(L11・L12)の比は、図示の実施例の場合には約0.58であるが、実用性の観点から見て一般的に、0.25〜1.2であるのが好ましく、0.35〜0.9であるのがさらに好ましい。
【0045】
主ライナ部材22の外側凹部21の底面26のうちの膨出部24以外の部分(すなわち、非膨出領域)27の展開面積および外側補助ライナ部材23の内周面のうちのくぼみ部25以外の部分(すなわち、非くぼみ領域)28の展開面積は、それぞれ、図示の実施例の場合には約515cmであるが、実用性の観点から見て一般的に、250〜1,000cmの範囲であるのが好ましく、400〜800cmの範囲であるのがさらに好ましい。また、主ライナ部材22の外側凹部21における非膨出領域27(換言すれば、外側補助ライナ部材23の非くぼみ領域28)の展開面積に対する膨出部24(換言すれば、くぼみ部25)の展開面積(L・L10+L11・L12)の比は、図示の実施例の場合には約0.26であるが、実用性の観点から見て一般的に、0.1〜0.6であるのが好ましく、0.15〜0.45であるのがさらに好ましい。さらに、主ライナ部材22の外側凹部21における非膨出領域27(換言すれば、外側補助ライナ部材23の非くぼみ領域28)の展開面積に対する台地部24a(換言すれば、低地部25a)の展開面積(L・L10)の比は、図示の実施例の場合には約0.16であるが、実用性の観点から見て一般的に、0.06〜0.5であるのが好ましく、0.1〜0.3であるのがさらに好ましい。
【0046】
主ライナ部材22のうちの外側凹部21を形成した部分以外の部分における平均的な厚みT(図8参照)は、図示の実施例の場合には約4cmであるが、実用性の観点から見て一般的に、1.5〜8cmの範囲であるのが好ましく、2.5〜6cmの範囲であるのがさらに好ましい。また、主ライナ部材22の外側凹部21の非膨出領域27における平均的な厚みT(図7参照)は、図示の実施例の場合には約1.5cmであるが、実用性の観点から見て一般的に、0.5〜3cmの範囲であるのが好ましく、0.8〜2.4cmの範囲であるのがさらに好ましい。主ライナ部材22の台地部24aの平均的な厚みT(図7参照)は、図示の実施例の場合には約3cmであるが、実用性の観点から見て一般的に、1〜6cmの範囲であるのが好ましく、1.5〜4.5cmの範囲であるのがさらに好ましい。さらに、主ライナ部材22の傾斜部24bは、台地部24aから後方に向って厚みが次第に減少しているのが好ましいが、特にこのように構成されている必要はなく、その他の構成を有する厚み遷移領域であってもよい。
【0047】
外側補助ライナ部材23の非くぼみ領域28における平均的な厚みT(図7参照)は、主ライナ部材22の外側凹部21の非膨出領域27の深さと同様に、図示の実施例の場合には約2.5cmであるが、実用性の観点から見て一般的に、0.8〜5cmの範囲であるのが好ましく、1.4〜4cmの範囲であるのがさらに好ましい。また、外側補助ライナ部材23の低地部25aの平均的な厚みT(図8参照)は、図示の実施例の場合には約1cmであるが、実用性の観点から見て一般的に、0.3〜2cmの範囲であるのが好ましく、0.5〜1.5cmの範囲であるのがさらに好ましい。さらに、外側補助ライナ部材23の傾斜部25bは、低地部25aから後方に向って厚みが次第に減少しているのが好ましいが、特にこのように構成されている必要はなく、その他の構成を有する厚み遷移領域であってもよい。
【0048】
台地部24aの平均的な厚みTに対する低地部25aの平均的な厚みTの比(T/T)は、図示の実施例の場合には約1/3であるが、実用性の観点から見て一般的に、1/12〜5/6の範囲であるのが好ましく、1/6〜2/3の範囲であるのがさらに好ましい。また、主ライナ部材22の外側凹部21を形成した部分のうちの非膨出領域27の平均的な厚みTに対する外側補助ライナ部材23の非くぼみ領域28の平均的な厚みTの比(T/T)は、図示の実施例の場合には約5/3であるが、実用性の観点から見て一般的に、1/2〜4の範囲であるのが好ましく、1〜3の範囲であるのがさらに好ましい。また同様に、比(T/T)は、図示の実施例の場合には約2であるが、実用性の観点から見て一般的に、1.2〜4の範囲であるのが好ましく、1.5〜3の範囲であるのがさらに好ましい。さらに、比(T/T)は、図示の実施例の場合には約2/5であるが、実用性の観点から見て一般的に、1/5〜4/5の範囲であるのが好ましく、3/10〜3/5の範囲であるのがさらに好ましい。また、比(T/T)は、図示の実施例の場合には約3/5であるが、実用性の観点から見て一般的に、1/2〜7/8の範囲であるのが好ましく、2/3〜5/6の範囲であるのがさらに好ましい。
【0049】
外側凹部21および外側補助ライナ部材23の展開した形状は、それぞれ、前後方向に長いほぼ長方形、このほぼ長方形の形状において左右両側を左右両外方に向って円弧状に突出させた形状、ほぼ多角形、ほぼ楕円形、ほぼ長円形、その他の任意の形状であってよい。また、主ライナ部材22の密度は、図示の実施例の場合には約45g/リットルであるが、実用性の観点から見て一般的に、20〜70g/リットルの範囲であるのが好ましく、30〜60g/リットルの範囲であるのがさらに好ましい。主ライナ部材22の密度が上記範囲よりも大きくなればなるほど、外側シェル12に加えられる衝撃エネルギーに対する主ライナ部材22の吸収能力が小さくなるので、この衝撃エネルギーのかなりの部分が装着者の頭部にそのまゝ伝播される。このために、この場合には、装着者の頭部が受ける最大加速度が大きくなるので、ヘルメットの防護効果が不充分となって、あまり好ましくない。また、主ライナ部材22の密度が上記範囲よりも小さくなればなるほど、衝撃エネルギーの吸収能力は大きくなるが、衝撃による主ライナ部材22の外形の変形が大きすぎて破損し易すすぎるので、あまり好ましくない。
【0050】
外側補助ライナ部材23の密度は、図示の実施例の場合には約25g/リットルであるが、実用性の観点から見て一般的に、5〜45g/リットルの範囲であるのが好ましく、10〜40g/リットルの範囲であるのがさらに好ましい。外側補助ライナ部材23の密度が上記範囲よりも大きくなればなるほど、外側補助ライナ部材23を設けたことによる効果が不充分である。また、外側補助ライナ部材23の密度が上記範囲よりも小さくなればなるほど、緩衝能力が不足するので、球状や突起状の衝突物体に衝突したときにボトミング現象を早く生じる可能性が大きくなる。
【0051】
主ライナ部材22の密度に対する外側補助ライナ部材23の密度の百分率は、図示の実施例の場合には約55.6%であるが、実用性の観点から見て一般的に、25〜85%の範囲であるのが好ましく、35〜75%の範囲であるのがさらに好ましい。
【0052】
上述のように構成された第1の実施例の頭部保護体10においては、頭部用衝撃吸収ライナ17の外側補助ライナ部材23が、額領域のほぼ全体と頭頂領域のほぼ全体と後頭領域のほぼ上半部とにおいて、衝撃によりその外形を効果的に変形させてその衝撃エネルギーを効果的に分散および吸収するとともに、その厚みを効果的に減少させてその衝撃エネルギーを効果的に吸収する。したがって、この第1の実施例の頭部保護体を備えたヘルメットは、衝撃時の最大加速度とHICとの両方を効果的に低減させることができる。しかも、主ライナ部材22には額領域補強用の膨出部24が設けられるとともに、外側補助ライナ部材23にはこの膨出部24にほぼ対応した形状を有するくぼみ部25が設けられているから、頭部用衝撃吸収ライナ17の厚みを額領域で特に大きくすることなく、この頭部用衝撃吸収ライナ17がこの額領域付近において必要以上に破損し易くなるのを効果的に防止することができる。
【0053】
(3)ベンチレータ機構
主ライナ部材22の外側凹部21の底面26には、図11に示すように、傾斜部24bの後端付近から頭頂領域を通って外側凹部21の後端35までほぼ後方に延びる1つまたは複数(図示の実施例の場合には左右一対、以下同じ)の通気用条溝41a、41bが形成されている。また、これらの条溝41a、41bは、主ライナ部材22の後頭領域の外周面にその下端34に至るまで形成されている通気用条溝42a、42bに連なっている。さらに、条溝41a、41bは、主ライナ部材22をそのほぼ厚さ方向に貫通しているそれぞれ3組の左右一対の貫通孔43a、43b、44a、44b、45a、45bにも連なっている。
【0054】
左右一対の貫通孔43a、43bは、頭頂領域における中心面Sよりも多少前方に位置している。また、左右一対の貫通孔44a、44bは、頭頂領域における中心面Sよりも多少後方に位置している。さらに、左右一対の貫通孔45a、45bは、後頭領域の前後方向における中間部分または上半部に位置している。そして、主ライナ部材22の額領域の下端31と外側凹部21の前端32との間にも、左右一対の貫通孔46a、46bが設けられている。また、主ライナ部材22の膨出部24にも、台地部24aと傾斜部24bとの境界領域付近において、左右一対の貫通孔47a、47bが設けられている。さらに、主ライナ部材22の後頭領域と左右側頭領域との境界領域付近にも、左右一対の貫通孔48a、48bが設けられている。
【0055】
図11に示すように、主ライナ部材22の内周面には、額領域の上下方向におけるほぼ中間の位置付近においてほぼ左右方向にほぼ水平に延びかつ左右一対の貫通孔46a、46bにそれぞれ連なる通気用条溝51が設けられている。また、主ライナ部材22の内周面には、左右一対の貫通孔47a、47bから左右両外方に向ってほぼ水平に延びるとともにこれらの貫通孔47a、47bから頭頂領域および後頭領域を通ってその下端34まで延びる左右一対の通気用条溝52a、52bが設けられている。そして、これらの条溝52a、52bは、上記下端34において左右一対の条溝42a、42bに連なっている。
【0056】
外側補助ライナ部材23の外周面には、その前端33から額領域および頭頂領域をそれぞれ通ってこの頭頂領域の後半部付近(もしくは頭頂領域と後頭領域との境界領域付近)まで延びる左右一対の通気用条溝53a、53bがそれぞれ設けられている。また、これらの通気用条溝53a、53bは、主ライナ部材22の額領域の下端31から外側凹部21の前端32までそれぞれ延びる左右一対の通気用条溝54a、54bに連なっている。さらに、外側補助ライナ部材23の内周面には、主ライナ部材22の外側凹部21の底面26に設けられた左右一対の条溝41a、41bに対向するように、左右一対の通気用条溝55a、55bがそれぞれ設けられている。したがって、これらの条溝55a、55bは、低地部25aと傾斜部25bとの境界領域付近を前端としている。
【0057】
外側補助ライナ部材23には、図14に示すように、主ライナ部材22の左右一対の貫通孔47a、47bに対向するように、左右一対の貫通孔56a、56bが設けられている。また、外側補助ライナ部材23の頭頂領域(もしくは頭頂領域と左右両側頭領域との境界領域付近)の前後方向におけるほぼ中間の位置付近(またはその多少後方の位置付近)には、左右一対の条溝55a、55bにそれぞれ連なる左右一対の貫通孔57a、57bが設けられている。そして、これらの貫通孔57a、57bは、主ライナ部材22の左右一対の貫通孔44a、44bにそれぞれ対向している。
【0058】
外側シェル12は、図1および図2に示すように、
(i)顎領域付近に設けられた顎部給気機構61、
(ii)主ライナ部材22の貫通孔46a、46bにそれぞれ連なるように、額領域の下部付近に設けられた額下部給気機構62、
(iii)外側補助ライナ部材23の貫通孔56a、56bにそれぞれ連通するように、頭頂領域の前半部付近(もしくは額領域と頭頂領域との境界領域付近)に設けられた頭頂前部給気機構63、
(iv)外側補助ライナ部材23の貫通孔57a、57bにそれぞれ連通するように、頭頂領域の前後方向におけるほぼ中間の位置付近またはその多少後方の位置付近(もしくは頭頂領域と後頭領域との境界領域付近)に設けられた頭頂後部排気機構64、
(v)外側補助ライナ部材23の条溝53a、53bの後端部分58a、58bにそれぞれ連通するように、頭頂領域の後部付近(もしくは頭頂領域と後頭領域との境界領域付近)に設けられた後頭前部排気機構65、
(vi)主ライナ部材22の貫通孔48a、48bにそれぞれ連通するように、左右両側頭領域と後頭領域との境界領域付近にそれぞれ設けられた左右一対の側頭部貫通孔(図示せず)、
を備えている。なお、上記(i)項〜(vi)項に記載した給気機構61、62、63、排気機構64、65および貫通孔は、従来から周知のものであってよいから、本文においては、それらの詳細な説明を省略する。
【0059】
したがって、図1および図2に示す頭部保護体10は、
(a)外側シェル12の内周面と頭部用衝撃吸収ライナ17の条溝54a、54b、53a、53bとによって形成されている左右一対の外周通気孔71、
(b)主ライナ部材22の条溝41a、41bと外側補助ライナ部材23の条溝55a、55bとによって形成されている左右一対の中間通気孔72、
(c)外側シェル12の内周面と主ライナ部材22の条溝42a、42bとによって形成されている後頭部通気孔73、
を備えている。
【0060】
よって、図1および図2に示す頭部保護体10においては、顎部給気機構61を通して外側シェル12の内部に導入された外部空気の一部はシールド板11の下端付近からその内側面に沿って上昇してシールド板11の上端付近に至るとともに、外部空気の残部は頭部収容空間20に拡散される。また、シールド板11の上端付近に至った外部空気や頭部収容空間20の空気は、外周通気孔71を通って額領域および頭頂領域を進行してから条溝53a、53bの後端部分58a、58bに至り、ついで、後頭前部排気機構65の排気作用によってこの後頭前部排気機構65の排気ダクトから外部に効果的に排出される。
【0061】
また、額下部給気機構62から貫通孔46a、46bに導入された外部空気は、これらの貫通孔46a、46bから頭部収容空間20に導入される。そして、この導入された外部空気の一部は、条溝51を通って頭部収容空間20の左右両側へと進行する。さらに、頭頂前部給気機構63から貫通孔56a、56bに導入された外部空気は、これらの貫通孔56a、56bおよび貫通孔47a、47bを通して頭部収容空間20に導入される。そして、この導入された外部空気の一部は、条溝52a、52bを通して頭部収容空間20の左右両側へと進行するとともに、頭部収容空間20の後部へと進行する。また、この後部に進行した外部空気の一部は、後頭領域の下端34から外部に排出される。
【0062】
頭部収容空間20の空気は、4組の左右一対の貫通孔43a〜45a、43b〜45b、48a、48bに導入される。そして、貫通孔43a、43bに導入された空気は、左右一対の中間通気孔72を後方へと進行する。また、この後方へと進行した空気の一部と、頭部収容空間20から貫通孔44a、44bに導入された空気の一部とは、頭頂後部排気機構64の排気作用によって貫通孔57a、57bを進行してこの排気機構64の排気ダクトから外部に排出され、これらの空気の残部は、中間通気孔72をさらに後方へと進行する。さらに、この後方に進行した空気と、頭部収容空間20から貫通孔45a、45bに導入された空気とは、中間通気孔72をさらに後方に進行してから後頭部通気孔73に流入し、ついで、後頭領域の下端34から外部に排出される。また、貫通孔48a、48bに導入された空気は、外側シェル12の前記後頭部通気孔73を通して後頭領域の下端34から外部に排出される。なお、左右一対の中間通気孔72のうちの貫通孔43a、43bよりも前方の部分は、空気の流通とは実質的には無関係であるが、主ライナ部材22および外側補助ライナ部材23がその頭頂領域の前半部付近(もしくは額領域と頭頂領域との境界領域付近)においてその外形を変形させて衝撃エネルギーを吸収し易くなるのに多少とも役立っている。
【0063】
2.第2の実施例
図15〜図27に示す本発明の第2の実施例は、本発明の第1の実施例(図1〜図14参照)における主ライナ部材22が主ライナ部材本体(すなわち、単一の主ライナ部材)81と中央補助ライナ部材82とから成る複合形主ライナ部材83に変更されている点を除いて、本発明の第1の実施例と同一の構成であってよい。この場合、本発明の第2の実施例における複合形主ライナ部材83は、2つのライナ部材から成ることを除いて、本発明の第1の実施例における主ライナ部材22と実質的に同一の形状であってよい。したがって、本発明の第2の実施例は、上述の相違点および以下に述べる相違点を除いて、本発明の第1の実施例と実質的に同一であってよいから、本発明の第1の実施例と共通の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。よって、以下において、両者の相違点についてのみ説明し、両者に共通な部分についての説明を省略する。さらに、本発明の第1の実施例における各種の数値(すなわち、図示の実施例の場合の具体的数値、好ましい数値範囲およびさらに好ましい数値範囲)、その他の説明は、密度の点を除いては、主ライナ部材22を複合形主ライナ部材83と読み代えることによって、そのまま用いられてよい。
【0064】
本発明の第2の実施例においては、図15〜図27に示すように、複合形主ライナ部材83が、
▲1▼ 本発明の第1の実施例(図1〜図14参照)における主ライナ部材22において、膨出部24の後端付近(もしくはこの後端よりも多少前方または後方の位置付近)から外側凹部21の後端35付近(もしくはこの後端35よりも多少前方の位置付近)にわたって上下に貫通するように形成されている中央開孔84を設けた形状を有する主ライナ部材本体81、
▲2▼ 上記中央開孔84に嵌合するように、主ライナ部材本体81に当てがわれて取付けられた中央補助ライナ部材82、
から構成されている。なお、図示の実施例においては、中央開孔84は外側凹部21の範囲内に設けられているが、必ずしもそのようにする必要はない。
【0065】
中央補助ライナ部材82および中央開孔84は互いにほぼ同形であってよい。また、中央補助ライナ部材82は、中央開孔84と同様に、頭頂領域と後頭領域の上半部とから成る領域付近に頭頂領域を少なくとも部分的に含むように(ただし、膨出部24およびくぼみ部25(特に、台地部24aおよび低地部25a)を実質的に含まないように)形成されていてよい。したがって、中央補助ライナ部材82の後端部付近の厚み(換言すれば、中央開孔84の後端部付近の深さ)は、前記第1の実施例における主ライナ部材22の形状にならって、後端部付近以外の部分に較べて十分大きくなっている。
【0066】
中央補助ライナ部材82は、前記第1の実施例における主ライナ部材22のこれと対応する中央領域の場合と同様に、
(i)左右一対の前端部85a、85bを除く左右一対の条溝41a、41b、
(ii)左右一対の条溝52a、52bの左右一対の中間部分86a、86b、
(iii)3組の左右一対の貫通孔43a〜45a、43b〜45b、
を備えている。そして、中央補助ライナ部材82の外周面に形成された上記(i)項に記載の条溝41a、41bは、主ライナ部材本体81の外周面に形成された上記(i)項に記載の前端部85a、85bに連なっている。また、中央補助ライナ部材82の内周面に形成された上記(ii)項に記載の中間部分86a、86bは、主ライナ部材81の内周面にそれぞれ形成された左右一対の条溝52a、52bの左右一対の前側部分87a、87bおよび左右一対の後側部分88a、88bにそれらの前端および後端においてそれぞれ連なっている。
【0067】
中央補助ライナ部材82(換言すれば、中央開孔84)の前後方向における展開長さの最大値L13(図15参照)は、図示の実施例の場合には約26cmであるが、実用性の観点から見て一般的に、12〜42cmの範囲であるのが好ましく、18〜36cmの範囲であるのがさらに好ましい。さらに、中央補助ライナ部材82(換言すれば、中央開孔84)の左右方向における展開長さの最大値L14(図17参照)は、図示の実施例の場合には約20cmであるが、実用性の観点から見て一般的に、10〜36cmの範囲であるのが好ましく、14〜28cmの範囲であるのがさらに好ましい。そして、中央補助ライナ部材82の外周面(換言すれば、中央開孔84の上側開口面)の展開面積は、図示の実施例の場合には約180cmであるが、実用性の観点から見て一般的に、60〜600cmの範囲であるのが好ましく、100〜360cmの範囲であるのがさらに好ましい。
【0068】
この第2の実施例における主ライナ部材本体81の密度についての図示の実施例の場合の具体的数値、好ましい数値範囲およびさらに好ましい数値範囲は、前記第1の実施例における主ライナ部材22の場合と実質的に同一であってよい。また、中央補助ライナ部材82の密度についての図示の実施例の場合の具体的数値、好ましい数値範囲およびさらに好ましい数値範囲は、前記第1の実施例(換言すれば、この第2の実施例)における外側補助ライナ部材23の場合と実質的に同一であってよい。したがって、この第2の実施例において、主ライナ部材本体81の密度に対する中央補助ライナ部材82(換言すれば、外側補助ライナ部材23)の密度の百分率についての図示の実施例の場合の具体的数値、好ましい数値範囲およびさらに好ましい数値範囲は、前記第1の実施例における主ライナ部材22の密度に対する外側補助ライナ部材23の密度の百分率の場合と実質的に同一であってよい。また、外側補助ライナ部材23の密度に対する中央補助ライナ部材82の密度の百分率は、図示の実施例の場合には約100%であるが、実用性の観点から見て一般的に、60〜167%の範囲であるのが好ましく、75〜133%の範囲であるのがさらに好ましい。なお、複合形主ライナ部材83の密度(すなわち、主ライナ部材81と中央補助ライナ部材82とを複合した平均的な密度)は、主ライナ部材本体81の密度よりも若干小さくなるが、その好ましい数値範囲およびさらに好ましい数値範囲は第1の実施例における主ライナ部材22の場合と実質的に同一であってよい。
【0069】
中央補助ライナ部材82の平均的な厚みT(図15参照)についての図示の実施例の場合の具体的数値、好ましい数値範囲およびさらに好ましい数値範囲は、中央開孔84の平均的な深さの場合と同様に、前記第1の実施例における主ライナ部材22の外側凹部21の非膨出領域27における平均的な厚みT(図7参照)の場合と実質的に同一であってよい。また、複合形主ライナ部材83の外側凹部21の底面26の非膨出領域27(換言すれば、外側補助ライナ部材23の内周面の非くぼみ領域28)の展開面積に対する中央補助ライナ部材82の外周面の展開面積の比は、図示の実施例の場合には約0.35であるが、実用性の観点からみて一般的に、0.18〜0.8の範囲であるのが好ましく、0.25〜0.60の範囲であるのがさらに好ましい。
【0070】
この第2の実施例においては、中央開孔84(換言すれば、中央補助ライナ部材82)を外周側から内周側に向って尻すぼまりの形状にして、中央補助ライナ部材82を外周側から中央開孔84に嵌合させるように構成した。しかし、中央補助ライナ部材82および中央開孔84の内周側から外周側に向って尻すぼまりの形状にすることによって、中央補助ライナ部材82を内周側から中央開孔84に嵌合させるようにしてもよい。また、中央補助ライナ部材82および中央開孔84の形状を変更することによって、外周側と内周側とのいずれの方向からでも嵌合させ得るようにしてもよい。さらに、上記嵌合の際に、中央補助ライナ部材82を中央開孔84の周辺部分などに接着またはテープ止めするようにしてもよい。また、上述の第2の実施例においては、主ライナ部材本体81に上下に貫通する中央開孔84を設けた。しかし、上記中央開孔84に代えて、主ライナ部材本体81の内周面側または外周面側にほぼ同様の形状の中央凹部(ただし、中央開孔84よりも厚みが或る程度小さい凹部)を設け、この中央凹部にこれとほぼ同形の中央補助ライナ部材82を嵌合させるようにしてもよい。なお、この場合には、頭部用衝撃吸収ライナ17を内周側から外周側に貫通する貫通孔44a、57aおよび44b、57bのそれぞれが、3つのライナ部材(すなわち、中央補助ライナ部材82、主ライナ部材本体81および外側補助ライナ部材23)を共通に貫通する必要があるから、貫通孔44a、57aおよび44b、57bの作製が多少面倒である。
【0071】
上述のように構成された第2の実施例の頭部保護体10においては、頭部用衝撃吸収ライナ17の頭頂領域付近が、前記第1の実施例の場合よりもさらに、衝撃によりその外形を効果的に変形させてその衝撃エネルギーを効果的に分散および吸収するとともに、その厚みを効果的に減少させてその衝撃エネルギーを効果的に吸収する。したがって、この第2の実施例の頭部保護体を備えたヘルメットは、衝撃時の最大加速度とHICとの両方が前記第1の実施例の場合に較べてさらに低減したものとなる。
【0072】
3.第3の実施例
図28および図29に示す本発明の第3の実施例は、本発明の第1の実施例(図1〜図14参照)において、主ライナ部材22およびその外側凹部21と外側補助ライナ部材23との内周側と外周側との位置関係を互いに逆にしたものである。したがって、この第3の実施例においては、前記第1の実施例における外側凹部21に代えて、内側凹部91が主ライナ部材22の内周面に形成されている。また、この第3の実施例においては、前記第1の実施例における外側補助ライナ部材23に代えて、内側補助ライナ部材92が上記内側凹部91に当てがわれて嵌合されている。そして、本発明の第3の実施例は、上述の相違点および以下に述べる相違点を除いて、本発明の第1の実施例と実質的に同一であってよいから、本発明の第1の実施例と共通の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。よって、以下において、両者の相違点についてのみ説明し、両者に共通な部分についての説明を省略する。さらに、本発明の第1の実施例における各種の数値(すなわち、図示の実施例の場合の具体的数値、好ましい数値範囲およびさらに好ましい数値範囲)、その他の説明は、外側凹部21および外側補助ライナ部材23をそれぞれ内側凹部91および内側補助ライナ部材92と読み代えることによって、そのまま用いられてよい。
【0073】
本発明の第3の実施例においては、図28および図29に示すように、膨出部24が主ライナ部材22の内周面に形成されるとともに、くぼみ部25が内側補助ライナ部材92の外周面に形成されている。また、内側凹部91(換言すれば、内側補助ライナ部材92)の前後方向および左右方向における長さは、内側補助ライナ部材92を主ライナ部材22の内側凹部91に容易に嵌合し得る大きさまで、必要に応じて小さくすることができる。なお、内側補助ライナ部材92(場合によっては、主ライナ部材22)を複数の部材から構成するとともにこれら複数の部材を必要に応じて互いにまたは主ライナ部材22などに接着またはテープ止めするようにすれば、上記長さを特に小さくする必要がないか、あるいは、あまり小さくする必要がない。
【0074】
この第3の実施例においては、図28から明らかなように、左右一対の中間通気孔72(図2参照)の後端が頭部用衝撃吸収ライナ17の内周面に位置することになる。したがって、これらの中間通気孔72は、これらの後端において左右一対の条溝41a、41bに連なることになる。そして、左右一対の条溝42a、42b(および場合によっては左右一対の貫通孔45a、45b)は、特に設ける必要がない。
【0075】
上述のように構成された第3の実施例の頭部保護体10においても、頭部用衝撃吸収ライナ17が、前記第1の実施例の場合とほぼ同様に、衝撃によりその外形を効果的に変形させてその衝撃エネルギーを効果的に分散および吸収するとともに、その厚みを効果的に減少させてその衝撃エネルギーを効果的に吸収する。したがって、この第3の実施例の頭部保護体を備えたヘルメットも、衝撃時の最大加速度とHICとの両方が前記第1の実施例の場合とほぼ同様に低減したものとなる。なお、この第3の実施例においても、前記第2の実施例の場合と同様に、主ライナ部材22が主ライナ部材本体81と中央補助ライナ部材82とから成る複合形主ライナ部材83であってもよい。
【0076】
以上において、本発明の第1〜第3の実施例について詳細に説明したが、本発明は、これらの実施例に限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に基づいて各種の変更および修正が可能である。
【0077】
例えば、本発明を適用し得る安全用ヘルメットは、上述の第1〜第3の実施例において適用されたフルフェイス型のものに限定されるものではなく、ジェット型、セミジェット型などの他のタイプの安全用ヘルメットにも本発明を適用することができる。
【0078】
また、上述の第1〜第3の実施例において、主ライナ部材22、外側補助ライナ部材23、主ライナ部材本体81、中央補助ライナ部材82および内側補助ライナ部材92のうちの1つまたは複数のライナ部材の内周面および/または外周面などの任意の箇所に格子状などの溝を形成することによって、頭部用衝撃吸収ライナ17による衝撃エネルギーの分散効果および吸収効果を向上させることもできる。
【0079】
また、上述の第1〜第3の実施例においては、第2のライナ部材(外側補助ライナ部材23および内側補助ライナ部材92)のほぼ全体が第1のライナ部材(主ライナ部材22および複合形補助ライナ部材83)に積層されるようにした。しかし、第2のライナ部材に部分的に主ライナ部材の機能を持たせるようにすることなどによって、第2のライナ部材が部分的に第1のライナ部材に積層されるようにしてもよい。
【0080】
また、上述の第1〜第3の実施例においては、第2のライナ部材が第1のライナ部材に積層される領域は、頭部用衝撃吸収ライナの額領域のほぼ全体、頭頂領域のほぼ全体および後頭領域のほぼ上半部から成っている。しかし、上記積層領域は、額領域を少なくとも部分的に含みかつ頭頂領域を少なくとも部分的に含むだけでもよく、また、これとは逆に、第1のライナ部材と第2のライナ部材とをほぼ全体にわたって互いに積層させた完全二重構造にすることなどよって頭部用衝撃吸収ライナを構成するようにしてもよい。
【0081】
また、上述の第1〜第3の実施例においては、膨出部24は額領域補強用として構成されている。しかし、膨出部24は第1のライナ部材の額領域、左側頭領域、右側頭領域および後頭領域(すなわち、頭領域のうちの頭頂領域を除く領域)のうちの少なくとも1つの領域を補強する少なくとも1つのものであってよい。例えば、膨出部24は、左側頭領域の補強用の膨出部および右側頭領域の補強用の膨出部から成っていてもよい。ただし、この場合には、外側または内側補助ライナ部材23、92および外側または内側凹部21、91が左右両側頭領域の中間位置付近または下端位置付近まで下方に向って延在している必要がある。また、膨出部24は、後頭領域の補強用の膨出部から成っていてもよい。さらに、膨出部は、左側頭領域と後頭領域との境界付近(換言すれば、左側頭領域の後側部分と後頭領域の左側部分とにまたがる領域)の補強用の第1の膨出部と、右側頭領域と後頭領域との境界付近(換言すれば、右側頭領域の後側部分と後頭領域の右側部分とにまたがる領域)の補強用の第2の膨出部とから成っていてもよい。そして、これらの膨出部(すなわち、左側頭領域補強用膨出部、右側頭領域補強用膨出部、後頭領域補強用膨出部、第1の膨出部および第2の膨出部)のいずれについても、上記第1の実施例において既述した額領域補強用膨出部24についての各種の数値(すなわち、図示の実施例の場合の具体的数値、好ましい数値範囲およびさらに好ましい数値範囲)は、そのまま適用されてよい。さらに、膨出部24は、頭頂領域を取り囲むように、連続的または断続的なほぼ環状の構造に構成されていてもよい。
【0082】
また、上述の第1〜第3の実施例においては、左右一対の中間通気孔71のそれぞれを内外一対の条溝41a、55a(または41b、55b)から構成した。しかし、中間通気孔71も、外周通気孔71の場合と同様に、内外いずれか一方の条溝のみによって構成することができる。
【0083】
また、上述の第1〜第3の実施例においては、膨出部24とくぼみ部25との間には中間通気孔71のような通気孔を設けてはいない。しかし、膨出部24とくぼみ部25との間にも、必要に応じて、中間通気孔71のような通気孔を設けることができる。
【0084】
【発明の効果】
本発明によれば、頭部用衝撃吸収ライナのうちの補強用膨出部によって補強される領域の強度はそれほど小さくなることがなく、衝撃により頭部用衝撃吸収ライナの外形が効果的に変形してその衝撃エネルギーが効果的に分散および吸収されるとともに、頭部用衝撃吸収ライナの厚みが効果的に減少してその衝撃エネルギーが効果的に吸収される。したがって、頭部用衝撃吸収ライナが上記補強領域付近において必要以上に破損し易くなることなく、衝撃時の最大加速度とHICとの両方を効果的に低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をフルフェイス型ヘルメットに適用した第1の実施例における頭部保護体の、頭部用裏当てカバーおよび顎・頬部用裏当てカバーをそれぞれ取り除いた状態における外周通気孔に沿って縦断した縦断面図である。
【図2】図1に示す頭部保護体の、中間通気孔に沿って縦断した縦断面図である。
【図3】図1に示す頭部用衝撃吸収ライナの正面図である。
【図4】図3に示す頭部用衝撃吸収ライナの上面図である。
【図5】図3に示す頭部用衝撃吸収ライナの右上斜め前方から見た斜視図である。
【図6】図3に示す頭部用衝撃吸収ライナの左上斜め後方から見た斜視図である。
【図7】図3のVII−VII線に沿った断面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線に沿った断面図である。
【図9】図3に示す主ライナ部材の正面図である。
【図10】図9に示す主ライナ部材の上面図である。
【図11】図3に示す頭部用衝撃吸収ライナの下面図兼用の、図9に示す主ライナ部材の下面図である。
【図12】図9に示す主ライナ部材の右上斜め前方から見た斜視図である。
【図13】図9に示す主ライナ部材の左上斜め後方から見た斜視図である。
【図14】図3に示す外側補助ライナ部材の下面図である。
【図15】本発明をフルフェイス型ヘルメットに適用した第2の実施例における頭部用衝撃吸収ライナの、図7に相当する縦断面図である。
【図16】図15のXVI−XVI線に沿った断面図である。
【図17】図15に示す複合形主ライナ部材の正面図である。
【図18】図17に示す複合形主ライナ部材の上面図である。
【図19】図17に示す複合形主ライナ部材の下面図である。
【図20】図17に示す複合形主ライナ部材の右上斜め前方から見た斜視図である。
【図21】図17に示す複合形主ライナ部材の左上斜め後方から見た斜視図である。
【図22】図17に示す主ライナ部材本体の正面図である。
【図23】図22に示す主ライナ部材本体の上面図である。
【図24】図22に示す主ライナ部材本体の下面図である。
【図25】図22に示す主ライナ部材本体の右上斜め前方から見た斜視図である。
【図26】図22に示す主ライナ部材本体の左上斜め後方から見た斜視図である。
【図27】図17に示す中央補助ライナ部材の上面図である。
【図28】本発明をフルフェイス型ヘルメットに適用した第3の実施例における頭部用衝撃吸収ライナの、図7に相当する縦断面図である。
【図29】図28のXXIX−XXIX線に沿った断面図である。
【符号の説明】
10    頭部用保護体
12    外側シェル
17    頭部用衝撃吸収ライナ
21    外側凹部(周面凹部)
22    主ライナ部材(第1のライナ部材)
23    外側補助ライナ部材(第2のライナ部材)
24    額領域補強用の膨出部
24a   台地部
24b   傾斜部(第1の厚み遷移領域)
25    くぼみ部
25a   低地部
25b   傾斜部(第2の厚み遷移領域)
27    非膨出領域(膨出部以外の部分)
28    非くぼみ部(くぼみ部以外の部分)
81    主ライナ部材本体
82    中央補助ライナ部材(第2の補助ライナ部材)
83    複合形主ライナ部材(第1のライナ部材)
84    中央開孔
91    内側凹部(周面凹部)
92    内側補助ライナ部材(第2のライナ部材)

Claims (7)

  1. 硬質材料から成る外側シェルと、この外側シェルの内側に配された頭部用衝撃吸収ライナとを備え、
    上記頭部用衝撃吸収ライナが、第1のライナ部材と、この第1のライナ部材よりも低密度でありかつ上記第1のライナ部材に少なくとも部分的に積層されている第2のライナ部材とを備えた、安全用ヘルメットのための頭部保護体において、
    上記第1のライナ部材が、上記第2のライナ部材との積層領域において、額領域、左側頭領域、右側頭領域および後頭領域のうちの少なくとも1つの領域の補強用の膨出部をこの第1のライナ部材の積層面側に備えるとともに、
    上記第2のライナ部材が、上記膨出部にほぼ対応した形状を有するくぼみ部を備え、
    上記膨出部が上記くぼみ部に当てがわれていることを特徴とする頭部保護体。
  2. 上記膨出部が額領域補強用の膨出部を含むことを特徴とする請求項1に記載の頭部保護体。
  3. 上記第1のライナ部材および上記第2のライナ部材のいずれもが合成樹脂の発泡体から成り、
    上記第1のライナ部材の密度に対する上記第2のライナ部材の密度の百分率が25〜85%の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の頭部保護体。
  4. 上記第1のライナ部材が主ライナ部材であるとともに、
    上記第2のライナ部材が補助ライナ部材であり、
    上記補助ライナ部材の形状にほぼ対応した形状を有する周面凹部が、上記主ライナ部材の周面に形成され、
    上記補助ライナ部材が上記周面凹部に当てがわれていることを特徴とする請求項1、2または3に記載の頭部保護体。
  5. 上記主ライナ部材が、中央開孔または中央凹部を有する主ライナ部材本体と、この主ライナ部材本体よりも低密度でありかつ上記中央開孔または中央凹部に当てがわれている第2の補助ライナ部材とを備えた複合形主ライナ部材であり、
    上記膨出部が上記主ライナ部材本体に実質的に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の頭部保護体。
  6. 上記補助ライナ部材および上記周面凹部のいずれもが、上記頭部用衝撃吸収ライナの額領域から頭頂領域を通って後頭領域まで延びており、
    上記膨出部および上記くぼみ部のいずれもが、実質的に上記額領域に設けられていることを特徴とする請求項4または5に記載の頭部保護体。
  7. 上記膨出部が、厚さの変化が比較的少ない台地部と、この台地部から上記頭頂領域に向って延びる第1の厚み遷移領域とを備えるとともに、
    上記くぼみ部が、厚さの変化が比較的少ない低地部と、この低地部から上記頭頂領域に向かって延びる第2の厚み遷移領域とを備え、
    上記台地部および上記低地部のそれぞれの展開面積が、50〜220cmの範囲であり、
    上記第1および第2の厚み遷移領域のそれぞれの展開面積が、25〜140cmの範囲であり、
    上記主ライナ部材の上記周面凹部における上記膨出部以外の部分の展開面積に対する上記台地部の展開面積の比と、上記補助ライナ部材の上記くぼみ部以外の部分の展開面積に対する上記低地部の展開面積の比とが、いずれも、0.06〜0.5の範囲であり、
    上記主ライナ部材の上記周面凹部における上記膨出部以外の部分の平均的厚みに対する上記台地部の平均的厚みの比が、1.2〜4の範囲であり、
    上記補助ライナ部材の上記くぼみ部以外の部分の厚みに対する上記低地部の厚みの比が、1/5〜4/5の範囲であることを特徴とする請求項4、5または6に記載の頭部保護体。
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